JP7278151B2 - 排水系のスケール防止方法 - Google Patents

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Description

本発明は、スケール防止方法に関する。より詳しくは排水系の配管や貯留槽、熱交換器などにおけるスケール障害を効果的に防止することができ、特にMAPスケールに対して有効な排水系のスケール防止方法に関する。
下水、工場廃水等の有機性廃水の処理において、従来から、活性汚泥法等の好気性処理が実施されており、活性汚泥では処理しにくい廃水は嫌気性処理も行われている。嫌気性処理では、有機性廃棄物をメタン発酵菌の作用で嫌気性分解するメタン発酵処理が、廃棄物を大幅に減容化すると共に分解により得られるメタンガスを含むバイオガスを電気又は熱のエネルギーとして回収することができるという優れた利点を有しているため、広く採用されている。
一般的に行われているメタン発酵廃液処理設備は、主として、有機性廃棄物をメタン発酵させるメタン発酵槽,メタン発酵槽から排出されるメタン発酵廃液を一時貯留する貯留槽、メタン発酵廃液と凝集剤とを反応させる凝集沈殿槽、固液分離を行う汚泥脱水設備、脱水設備から排出される脱水ろ液を活性汚泥処理する活性汚泥槽、メタン発酵槽から排出されるメタンガスを利用して発電を行う発電機から構成されている。
メタン発酵槽に供給される排水系は、予め廃水原液をメタン発酵工程における発酵阻害防止等を目的としてpHを5~9程度にpH調整するpH調整槽、有機性廃棄物を濃縮する濃縮槽等の前処理設備を有しており、メタン発酵槽からの処理水や脱水ろ過水の一部が前処理設備に返送される。
排水系において、スケールの発生により熱交換器の熱効率の低下、配管の閉塞によるポンプ圧の上昇、ポンプの消費電力の増大などの障害を引き起こす。
例えば、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、亜硫酸カルシウム、リン酸カルシウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、水酸化マグネシウム、リン酸亜鉛、水酸化亜鉛、塩基性炭酸亜鉛などのスケールがあるが、特にアンモニウムイオン,リン酸イオン,マグネシウム化合物が貯水槽や排水配管等の内部で反応してリン酸マグネシウムアンモニウム(以下、MAPとも記載)、の結晶が配管中で成長してスケールを形成しやすく、配管を閉塞することがあった。
特に、メタン発酵槽等の嫌気性汚泥処理槽から活性汚泥処理槽の間の排水系、または嫌気性汚泥処理槽から前処理槽への返送処理水の排水系におけるスケール発生が顕著であった。
有機性廃水の嫌気性処理におけるMAP等のスケールの発生をpH調整により抑制する処理方法が特許文献1に開示されているが、処理工程のpH制御に装置や手間がかかり、処理する廃水が限定される問題がある。
一般的なスケール防止剤としては、スケール防止効果が高いヘキサメタリン酸ナトリウム及びトリポリリン酸ナトリウム等の無機ポリリン酸類、並びにアミノメチルホスホン酸、ヒドロキシエチリデンジホスホン酸及びホスホノブタントリカルボン酸等のホスホン酸類といったリンを含む素材が使用されているが、リンを含有する廃水は、湖沼又は海域の富栄養化を引き起こす原因となる。
カルシウム系スケールの防止に対しては、マレイン酸、アクリル酸、イタコン酸などを重合したカルボキシル基を有する重合体や、必要に応じて、ビニルスルホン酸、アリルスルホン酸、2 - アクリルアミド- 2 - メチルプロパンスルホン酸などのスルホ基を有するビニル単量体や、アクリルアミドなどのノニオン性ビニル単量体を、処理対象の水質に応じて組み合わせた共重合体がスケール防止剤として一般的に使用されている。
しかしながら、これらの薬剤を用いるスケール防止方法は、水中に溶解するイオン等のスケール原因物質を溶解させたままにしておく機能を有するものであり、排水系などの硬度成分が濃縮された系や高pH系においては、薬剤が適用できる水質範囲としてのスケール原因物質の過飽和度に制約条件がある。
また、スケール防止としてスケール原因物質を予め凝集させて排水系から分離する方法があり、特許文献2には、特定のカチオン当量値及びアニオン当量値を有するイオン性高分子組成物を、泥水及び異物を含む廃棄物に添加、混合して異物を効率よく分離する処理方法が開示されている。そして、イオン性高分子組成物のカチオン当量値が0.05~4.0meq/g、質量平均分子量の範囲が300万~2000万であり、300万~1500万が好ましいことが記載されている。
特許文献3には、各種産業廃水を処理する際に生じる有機性汚泥、又は各種廃水中に含まれる懸濁粒子を固液分離する方法として、縮合型ポリアミンカチオン性高分子凝集剤を添加した後、両性高分子凝集剤を添加混合するか、もしくは縮合型ポリアミンカチオン性高分子凝集剤と両性高分子凝集剤との混合凝集剤を添加攪拌して水中に含まれる懸濁粒子を凝集せしめたのち固液分離する方法が開示されている。そして、エピクロルヒドリンとジメチルアミン又はヘキサメチレンジアミンとの縮合物が好ましいことが記載されている。
しかしながら、スケール原因物質を凝集分離する方法は多量の凝集剤が必要であり、新たな固液分離装置が必要であり、工程も増えるので簡便なスケール防止方法が望まれていた。
特開2013-208594号公報 特開2014-117625号公報 特開2000-225400号公報
本発明は、排水系の配管や貯留槽、熱交換器などにおけるスケール障害を効果的に防止することができ、特にMAPスケールに対して有効な排水系のスケール防止方法を提供することを目的としてなされたものである。
本発明者は、上記の課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、従来凝集剤として使用されていたポリアミンとエピハロヒドリンとの重縮合性のカチオン性物質の範疇であるが、特定の分子量、カチオン当量を有する、脂肪族一価アミン、脂肪族ポリアミン、およびエピハロヒドリンとの重縮合系カチオン性物質(以下、本発明の重縮合系カチオン性物質ともいう)を排水系に添加することで排水系のスケールの付着を効果的に防止し得るという、凝集による沈降促進とは反対の効果が得られることを見いだし、この知見に基づいて本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、
(1)
質量平均分子量が30,000から300,000で、カチオン当量が3から30meq/gである、脂肪族一価アミン、脂肪族ポリアミン、およびエピハロヒドリンとの重縮合系カチオン性物質を排水系に添加する排水系のスケール防止方法であって、
前記重縮合系カチオン性物質を、嫌気性汚泥処理槽から活性汚泥処理槽の間の排水系、または嫌気性汚泥処理槽から前処理槽への返送処理水の排水系の少なくとも何れかに添加することを特徴とする排水系のスケール防止方法、
(2)
前記重縮合系カチオン性物質が、ジメチルアミン、エチレンジアミンまたはポリエチレンポリアミン、およびエピクロヒドリンとの重縮合物である(1)に記載の排水系のスケール防止方法、
(3)
前記重縮合系カチオン性物質の質量平均分子量が、50,000から200,000であることを特徴とする(1)または(2)に記載の排水系のスケール防止方法、
(4)
前記重縮合系カチオン性物質のカチオン当量が、4から20meq/gであることを特徴とする(1)から(3)のいずれかに記載の排水系のスケール防止方法、
(5)
前記重縮合系カチオン性物質の排水系への添加濃度が、1から500mg/Lである(1)から(4)のいずれかに記載の排水系のスケール防止方法、
(6)
前記重縮合系カチオン性物質と同一排水系に無機凝集剤、または前記重縮合系カチオン性物質以外の有機凝集剤を添加しない、または添加場所を前記重縮合系カチオン性物質の添加場所の前後としないことにより、
前記重縮合系カチオン性物質と、無機凝集剤、または前記重縮合系カチオン性物質以外の有機凝集剤とを同一排水系で共存させないことを特徴とする(1)から(5)のいずれかに記載の排水系のスケール防止方法。
(7)
前記重縮合系カチオン性物質以外の前記有機凝集剤が、両性高分子凝集剤であることを特徴とする(6)に記載の排水系のスケール防止方法。
の構成である。
本発明の排水系のスケール防止方法により、スケール成分が析出して処理廃水や消化汚泥の配管や貯留槽、熱交換器の壁面などに付着することがなく、スケール障害の発生を効果的に防止することができる。
本発明における排水系の重縮合系カチオン性物質の添加場所を示す第一の具体例である 本発明における排水系の重縮合系カチオン性物質の添加場所を示す第二の具体例である。
本発明の排水系のスケール防止方法においては、特定の分子量とカチオン当量を有する、脂肪族一価アミン、脂肪族ポリアミン、およびエピハロヒドリンとの重縮合物である、重縮合系カチオン性物質を排水系に添加することにより、処理排水系や消化汚泥系の配管や貯留槽、熱交換器などへのスケールの付着を防止し、スケール障害の発生を効果的に防止することができる。
本発明における重縮合系カチオン性物質の合成で用いられる脂肪族一価アミン、脂肪族ポリアミン、およびエピハロヒドリンは、例えば、脂肪族一価アミンとしては、モノメチルアミン、モノエチルアミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミンなどであり、特に好ましいものは、モノメチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミンである。
脂肪族ポリアミンとしてはエチレンジアミン、ポリエチレンポリアミンであるジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、ペンタエチレンヘキサミンなど、およびヘキサメチレンジアミンなどであり、好ましいものはエチレンジアミンまたはポリエチレンポリアミンである。
エピハロヒドリンとしては、エピクロルヒドリン、α-メチルエピクロルヒドリン、β-メチルエピクロルヒドリン、エピブロモヒドリン等が使用できるが、工業的に入手が容易なエピクロルヒドリンが好ましい。
本発明で使用する脂肪族一価アミン、脂肪族ポリアミン、およびエピハロヒドリンとの重縮合系カチオン性物質の質量平均分子量は30,000~300,000であり、50,000~200,000であることが好ましい。
質量平均分子量が30,000未満であると、スケール防止効果が不十分になる。質量平均分子量が300,000を超えるとスケール原因物質を凝集させてスケールが逆に増加する。
本発明で使用される脂肪族一価アミン、脂肪族ポリアミン、およびエピハロヒドリンとの重縮合系カチオン性物質のカチオン当量は3から30meq/gであり、好ましくは4から20meq/gである。
カチオン当量が30meq/gを超えるとアニオン性のスケール原因物質を凝集させてスケールが増加する可能性があり、3meq/gより小さいとスケール防止効果が低下する。
本発明の重縮合系カチオン性物質の製造方法には特に制限はなく、例えば脂肪族一価アミン、および脂肪族ポリアミンにエピハロヒドリンを滴下して反応させることができるが、エピハロヒドリンを反応器に仕込み、脂肪族一価アミン、脂肪族ポリアミンを滴下し反応させることもできる。
エピハロヒドリンに対する脂肪族一価アミンと脂肪族ポリアミンの合計モル比は、所望する重縮合系カチオン性物質の分子量、性状、構造などによって適宜選択されるが、一般的には0.3~3であり、好ましくは0.5~2.5の範囲である。
本発明の排水系のスケール防止方法における、排水系への本発明の重縮合系カチオン性物質の添加濃度は廃水特性により異なるが、通常は1から1000mg/Lであり、好ましくは5から500mg/L、特に好ましくは10から300mg/Lである。
本発明の重縮合系カチオン性物質は、排水系のスケール原因物質の沈降を防止することによるスケール防止を目的とするものであり、同一排水系にスケール原因物質等を凝集させて分離することを目的とする無機凝集剤や、本発明の重縮合系カチオン性物質以外の有機凝集剤を添加しないか、添加場所を本発明の重縮合系カチオン性物質の添加前後としないことにより、無機凝集剤や本発明の重縮合系カチオン性物質以外の有機凝集剤が本発明の重縮合系カチオン性物質と同一排水系で共存しないようにすることが好ましい。
無機凝集剤の例としては、塩化第二鉄、硫酸アルミニウム、塩化アルミニウム、ポリ塩化アルミニウム、ポリ硫酸鉄などを挙げることができる。有機凝集剤は、ほとんどが天然高分子系と合成高分子系の高分子凝集剤であり、大きな凝集力を得るために分子量が数百万以上のカチオン系やアニオン系、ノニオン系、両性の高分子化合物が多用され、無機系凝集剤と比較すると凝集物が大きく、沈降速度が速い。
特に併用が好ましくない有機凝集剤である両性高分子凝集剤として、 アニオン性モノマー成分とカチオン性モノマー成分の共重合体、アニオン性モノマー成分、カチオン性モノマー成分、ノニオン性モノマー成分の共重合体、および、それらの変性物などが挙げられる。
アニオン性モノマー成分は、アクリル酸、アクリル酸ナトリウム、メタクリル酸、メタクリル酸ナトリウムなど、カチオン性モノマー成分としては、ビニルアミン、ビニルアニリン、(メタ)アリルアミン、ジメチルアミノエチルメタクリレート、など、ノニオン成分は、アクリルアミド、メタクリルアミドなどを挙げることができる。
本発明の排水系のスケール防止方法に用いる重縮合系カチオン性物質以外に、次亜塩素酸ナトリウム、モノクロラミン、過酸化水素水、塩酸クロルヘキシジン、グルコン酸クロルヘキシジン、塩化ベンザルコニウム等の殺菌剤、ポリオキシアルキレン化合物、高級脂肪族アルコールおよびそのエステル化合物、高級脂肪酸およびそのエステル化合物、アミド化合物、シリコン系化合物等の消泡剤、その他排水系で通常用いられる薬剤の本発明の効果を損なわない範囲での使用が可能である。
本発明の重縮合系カチオン性物質を排水系に添加する場所は、無機凝集剤や、本発明の重縮合系カチオン性物質以外の有機凝集剤が一般的に添加される場所と異なることが好ましく、特に本発明の重縮合系カチオン性物質が無機凝集剤や有機凝集剤と共存しないような添加場所とすることが好ましい。
通常は凝集剤が添加されない場所、例えば、図1におけるメタン発酵槽5等の嫌気性汚泥処理槽から活性汚泥処理槽7の間の排水系、または嫌気性汚泥処理槽から第二pH調整槽4等の前処理槽への処理水返送ライン9、図2における汚泥脱水設備14から活性汚泥処理槽7に処理水を送液する脱水ろ液送液ライン15の少なくとも何れかで添加することにより、スケールの沈殿、発生防止の優れた効果が得られるために好ましい。
以下に、実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によりなんら限定されるものではない。
(実施例1)
食品添加物製造工場の実機廃水(メタン発酵槽出口水)を試験水に用いたビーカー試験を行った。実機廃水の水質は、マグネシウムイオン濃度58mg/L、全リン濃度258mg/L、pH7.1であった。
試験方法は、以下の順に行った。
(1)試験水100mLをネジ口ガラスビンに採取。
(2)薬剤を規定濃度になるようにマイクロピペットで添加。
(3)1分間強振とう。
(4)48時間室温(20℃前後)にて室内放置後のガラスビンのスケール結晶付着状況の目視評価と上澄み液の水質分析を実施。
薬剤の種類、添加濃度、およびスケール評価結果を表1に示す。表中の薬剤名の内容、および目視評価の基準を以下に示す。
・薬剤A:ポリエチレンポリアミン/ジメチルアミン/エピクロルヒドリン重縮合物、質量平均分子量70,000、カチオン当量7meq/g。
・」薬剤B:N-(ホスホノメチル)イミノビス(エチレンニトリロ)テトラキス(メチレン)テトラホスホン酸ナトリウム塩を主成分とする変性ホスホン酸/ホスホン酸系混合物。
・薬剤C:2-ホスホノブタン-1,2,4-トリカルボン酸。
(スケール目視評価の基準)
ガラスビン壁面へのスケール結晶の付着状況を目視で以下の4段階で評価した。
〇 :スケール付着がほとんどか全く認められない。
〇~△: スケール付着が若干認められる。
△ :スケール付着が少ないがはっきり認められる。
× :スケール付着が多く認められる。
Figure 0007278151000001
表1の試験結果より、本発明の脂肪族一価アミン、脂肪族ポリアミン、およびエピハロヒドリンとの重縮合系カチオン性物質は、実機廃水を用いたビーカー試験に於いて、3mg/Lの添加でも目視によりスケール結晶の生成防止効果がみられ、10mg/L以上の添加では良好なスケール防止効果がみられた。
一方、変性ホスホン酸/ホスホン酸系混合物は、150mg/Lでスケール結晶の生成防止効果がみられるが、200mg/Lの添加でもスケール結晶の生成がみられ、その効果は不十分であった。
2-ホスホノブタン-1,2,4-トリカルボン酸は、50mg/Lでスケール結晶の生成防止効果がみられ、100mg/Lの添加でスケール結晶の生成がみられなくなった。
48時間経時後における試験水上澄み液の全リン濃度の結果では、スケール評価と全リン濃度との相関性は認められなかった。薬剤無添加のブランクと比較して本発明の脂肪族一価アミン、脂肪族ポリアミン、およびエピハロヒドリンとの重縮合系カチオン性物質の添加により全リン濃度の明確な低下が認められないことから、本発明の重縮合系カチオン性物質が廃水中のリン系物質の凝集剤としてスケール防止に寄与していないことがわかる。
本発明のスケール防止効果が得られる理由は不明であるが、本発明の脂肪族一価アミン、脂肪族ポリアミン、およびエピハロヒドリンとの重縮合系カチオン性物質が比較的低分子量で適度に高めのカチオン当量を有するために凝集効果が弱く、水中で生成したりん酸マグネシウムアンモニウム等のコロイド状微細粒子に吸着してその結晶化を防止する効果が得られると推察される。
図1、図2は、実機における本発明の重縮合系カチオン性物質の添加場所を示す具体例である。図1は、嫌気性汚泥処理槽であるメタン発酵槽からの処理水系への添加場所を矢印で示し、図2では嫌気性汚泥処理槽であるメタン発酵槽に接続する汚泥脱水槽から引き抜かれる脱水ろ液送液ラインへの添加場所を矢印で示す。
実機において、図1、および図2の添加場所11に実施例1で使用の薬品Aを10mg/L濃度となるように添加する試験を1日連続して行った結果、図1でのメタン発酵槽5から活性汚泥処理槽7間の処理水ライン16の配管、メタン発酵槽5から第二pH調整槽4への処理水返送ライン9の配管、および図2でのメタン発酵槽5から活性汚泥処理槽7への脱水ろ液送液ライン15の配管におけるスケールの発生は見られなかった。
1 原水供給ライン
2 pH調整槽
3 酸生成槽
4 第二pH調整槽
5 メタン発酵槽
6 処理水槽
7 活性汚泥処理
8 凝集沈殿槽
9 処理水返送ライン
10 活性汚泥処理槽への処理水送液ライン
11 本発明の重縮合系カチオン性物質の添加場所
12 処理液放水ライン
13 原水濃縮設備
14 汚泥脱水設備
15 活性汚泥処理槽への脱水ろ液送液ライン
16 処理水ライン
17 発酵液送液ライン

Claims (7)

  1. 質量平均分子量が30,000から300,000で、カチオン当量が3から30meq/gである、脂肪族一価アミン、脂肪族ポリアミン、およびエピハロヒドリンとの重縮合系カチオン性物質を排水系に添加する排水系のスケール防止方法であって、
    前記重縮合系カチオン性物質を、嫌気性汚泥処理槽から活性汚泥処理槽の間の排水系、または嫌気性汚泥処理槽から前処理槽への返送処理水の排水系の少なくとも何れかに添加することを特徴とする排水系のスケール防止方法。
  2. 前記重縮合系カチオン性物質が、ジメチルアミン、エチレンジアミンまたはポリエチレンポリアミン、およびエピクロヒドリンとの重縮合物である請求項1に記載の排水系のスケール防止方法。
  3. 前記重縮合系カチオン性物質の質量平均分子量が、50,000から200,000であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の排水系のスケール防止方法。
  4. 前記重縮合系カチオン性物質のカチオン当量が、4から20meq/gであることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の排水系のスケール防止方法。
  5. 前記重縮合系カチオン性物質の排水系への添加濃度が、1から500mg/Lである請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の排水系のスケール防止方法。
  6. 前記重縮合系カチオン性物質と同一排水系に無機凝集剤、または前記重縮合系カチオン性物質以外の有機凝集剤を添加しない、または添加場所を前記重縮合系カチオン性物質の添加場所の前後としないことにより、前記重縮合系カチオン性物質と、無機凝集剤、または前記重縮合系カチオン性物質以外の有機凝集剤とを同一排水系で共存させないことを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の排水系のスケール防止方法。
  7. 前記重縮合系カチオン性物質以外の有機凝集剤が、両性高分子凝集剤であることを特徴とする請求項6に記載の排水系のスケール防止方法。
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