JP2005342591A - 機能液供給装置およびこれを備えたキャリッジ装置、並びに液滴吐出装置、電気光学装置の製造方法、電気光学装置および電子機器 - Google Patents

機能液供給装置およびこれを備えたキャリッジ装置、並びに液滴吐出装置、電気光学装置の製造方法、電気光学装置および電子機器 Download PDF

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Abstract

【課題】 本発明は、機能液の使用量を削減し且つ吐出を安定化することができる機能液供給装置等を提供することを課題としている。
【解決手段】 機能液供給装置32は、機能液を吐出する機能液滴吐出ヘッド11に機能液を供給し、機能液を貯留する機能液タンク部54と、機能液タンク部54に連なる1次室75、機能液滴吐出ヘッド11に連なる2次室76、および大気に面したダイヤフラム78により大気圧を調整基準圧力として、1次室75と2次室76とを連通する連通流路77を開閉して2次室76を圧力調整する圧力調整部81、を有する圧力調整弁機構55と、を共通のハウジング56に作り込んでいる。
【選択図】 図4

Description

本発明は、機能液を吐出する機能液滴吐出ヘッドに機能液を供給する機能液供給装置およびこれを備えたキャリッジ装置、並びに液滴吐出装置、電気光学装置の製造方法、電気光学装置および電子機器に関するものである。
従来、印刷装置のインクジェットヘッドにインクを送るインク供給装置として、加圧ポンプ内蔵のメインタンクと、印刷ヘッド側の圧力を減圧する圧力調整弁(自己封止弁)と、を有するものが知られている。圧力調整弁は、タンク側に接続した1次室から印刷ヘッドに接続する2次室へ至るインク流路に設けた弁体を、ダイヤフラムにより開閉動作させる。このダイヤフラムは、1次室の内圧とインクの消費に伴う2次室の内圧との圧力差により自動的に開閉し、微少量ずつインクを供給するととともに印刷ヘッドのインク漏れを防いでいる。
この場合、装置側に搭載されるメインタンクと、キャリッジ上の圧力調整弁とは継手を介して可撓性のチューブにより接続されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2003−211701号公報(図8および図6)
上記従来のインク供給機構では、チューブ内流路が長くなるため、メインタンクから印刷ヘッドに至る流路の充填に必要なインク量が多くなる問題がある。また、印刷ヘッドの移動に伴ってインクチューブの折り曲げ部分が連続的に移行するため、チューブ内に脈動を生じて圧力が変動し、吐出が不安定になる問題がある。また、継手部分等に気泡が残留し、この気泡によりインクの吐出不良が起こる問題がある。
本発明は、機能液タンクから機能液滴吐出ヘッドに至る機能液の流路を極力短くすることができる機能液供給装置およびこれを備えたキャリッジ装置、並びに液滴吐出装置、電気光学装置の製造方法、電気光学装置および電子機器を提供することを課題としている。
本発明の機能液供給装置は、機能液を吐出する機能液滴吐出ヘッドに機能液を供給する機能液供給装置であって、機能液を貯留する機能液タンク部と、機能液タンク部に連なる1次室、機能液滴吐出ヘッドに連なる2次室、および大気に面したダイヤフラムにより大気圧を調整基準圧力として、1次室と2次室とを連通する連通流路を開閉して2次室を圧力調整する圧力調整部、を有する圧力調整弁機構と、を共通のハウジングに作り込んだことを特徴とする。
この構成によれば、ハウジングに機能液タンク部および圧力調整弁機構を作り込むようにしているため、機能液タンク部と圧力調整弁機構とを最短となるように直結することができる。これにより、機能液タンク部から圧力調整弁機構に至る流路内に充填する機能液の液量を少なくすることができる。また、チューブレスとすることにより、継手に気泡が残留することがなく、且つチューブ部分から気体が透過して機能液の脱気度が低下することもないため、吐出を安定化することができる。
この場合、ハウジングは、機能液滴吐出ヘッドの長手方向に沿って細長形状に形成されていることが好ましい。
この構成によれば、機能液滴吐出ヘッドを複数個並列に並べた場合、機能液供給機構も同様に複数個並列に並べることができるため、機能液供給機構の設置に必要なスペース(幅)を小さくすることができる。また、この場合、機能液滴吐出ヘッドおよび機能液供給機構間を接続する各流路の長さを均一に揃えることができる。
この場合、機能液タンク部は、貯留する機能液の液面の波立ちを防止する消波手段を有することが、好ましい。
この構成によれば、機能液の波立ちによりタンク内部の圧力変動を防止することができる。したがって、圧力調整部の開閉が不安定になることがない。
この場合、消波手段は、機能液タンク部に貯留する機能液の液面の略全域を覆うように設けたフロート部材であることが、好ましい。
同様に、消波手段は、機能液タンク部の底部を連通した状態で、機能液タンク部を平面視長手方向に直交する方向に仕切る複数の仕切り壁で構成されていることが、好ましい。
これらの構成によれば、前者のものにあっては、フロート部材により液面が押さえられることで波立ちが防止され、後者のものにあっては、波長及び振幅が大きな波が生ずるのを防止することができる。すなわち、機能液タンク部内で機能液が長手方向に揺れ動くのを防止できるため、機能液タンク部側においても圧力変動を防ぐことができる。これにより、機能液滴吐出ヘッド側で圧力を調整する圧力調整弁とも相まって、機能液滴吐出ヘッドにおける機能液の吐出をより安定化することができる。
この場合、2次室に連なると共にハウジングに形成した機能液流出口と機能液滴吐出ヘッドの機能液導入口とを接続する接続管ブロックを、更に備えることが、好ましい。
この構成によれば、圧力調整弁機構と機能液滴吐出ヘッドとを接続管ブロックで直接接続するようにしているため、継ぎ手やチューブを省略することができる。これにより、機能液タンク部から機能液滴吐出ヘッドに至る機能液の流路をより一層短くすることができる。
この場合、接続管ブロックは、機能液流出口に対しねじ接合で接続され、機能液導入口に対し差込み接合で接続されていることが、好ましい。
この構成によれば、予め接続管ブロックを機能液流出口に取り付けておけば、機能液滴吐出ヘッドの機能液導入口にワンタッチで接続できる。
本発明のキャリッジ装置は、機能液供給装置の複数個が搭載されるタンクプレートと、複数個の前記機能液供給装置に対応して機能液滴吐出ヘッドの複数個が搭載されるヘッドプレートとを備え、タンクプレートをヘッドプレートに装着することにより、複数の機能液供給装置が複数の機能液滴吐出ヘッドに一括して接続されることを特徴とする。
この構成によれば、機能液滴吐出ヘッドを搭載したヘッドプレートに機能液供給装置を搭載したタンクプレートを位置決めして装着するだけで、複数個の機能液供給装置を複数個の機能液滴吐出ヘッドに一括して接続することができる。このため、キャリッジ装置の組立時およびメンテナンス時に、各機能液供給装置と各機能液滴吐出ヘッドとを迅速に着脱することができる。
本発明の液滴吐出装置は、上記のキャリッジ装置と、ワークを機能液滴吐出ヘッドに対してX軸方向およびY軸方向に相対移動させるX・Y移動機構と、を備えたことが、好ましい。
この構成によれば、機能液の使用量を少なくすることができる機能液供給装置を用いているため、これを用いて製造される製品の生産性を向上させることができる。また、機能液滴吐出ヘッドに気泡が生じていない機能液が供給されるため、液滴吐出装置の吐出不良を防いで、製品の信頼性を向上させることができる。
本発明の電気光学装置の製造方法は、上記の液滴吐出装置を用い、ワークに機能液滴による成膜部を形成することを特徴とする。
また、本発明の電気光学装置は、上記の液滴吐出装置を用い、ワークに機能液滴による成膜部を形成したことを特徴とする。
これらの構成によれば、機能液の吐出を安定化した液滴吐出装置を用いて製造されるため、信頼性の高い電気光学装置を製造することが可能となる。なお、電気光学装置(フラットパネルディスプレイ)としては、カラーフィルタ、液晶表示装置、有機EL装置、PDP装置、電子放出装置等が考えられる。なお、電子放出装置は、いわゆるFED(Field Emission Display)やSED(Surface-conduction Electron-Emitter Display)装置を含む概念である。さらに、電気光学装置としては、金属配線形成、レンズ形成、レジスト形成および光拡散体形成等を包含する装置が考えられる。
本発明の電子機器は、上記の電気光学装置の製造方法により製造した電気光学装置または上記の電気光学装置を搭載したことを特徴とする電子機器。
この場合、電子機器としては、いわゆるフラットパネルディスプレイを搭載した携帯電話、パーソナルコンピュータの他、各種の電気製品がこれに該当する。
以下、添付の図面を参照して、本発明を適用した液滴吐出装置1について説明する。この液滴吐出装置1は、いわゆるフラットパネルディスプレイの製造ラインに組み込まれるものであり、機能液滴吐出ヘッド11を用いた液滴吐出法により、液晶表示装置のカラーフィルタや有機EL装置の各画素となる発光素子等を形成するものである。
図1に示すように、液滴吐出装置1は、機台2と、機台2の上側中央に十字状に配設された、12個の機能液滴吐出ヘッド11を有する描画装置3と、機台2上に描画装置3と並列に設置され機能液滴吐出ヘッド11の保守等に用いる各種の装置から成るメンテナンス装置4と、機能液を圧力調整して描画装置3に供給する機能液供給系5と、これらを覆うように機台2上に載せこんだチャンバ装置(図示省略)と、上記の各構成装置を統括的に制御する図外の制御装置と、を備えている。
描画装置3およびメンテナンス装置4は、チャンバ装置の内に収容されており、ドライエアーや不活性ガスの雰囲気において、外部から搬入されたワークWに対し、機能液滴吐出ヘッド11による機能液滴の吐出、すなわち描画を行う。また、液滴吐出装置1の稼動開始時等にあっては機能液滴吐出ヘッド11の機能回復を図るべく、これをメンテナンス装置4に臨ませる。
描画装置3は、機台2上に設置したX・Y移動機構6を有している。X・Y移動機構6は、機能液滴吐出ヘッド11に対して、ワークWをX軸方向およびY軸方向に相対移動させるものであり、ワークWを搭載するとともにこれをX軸方向に移動させるX軸テーブル7と、これを跨いで直交するように設置されて、各機能液滴吐出ヘッド11を搭載するとともにこれをY軸方向に移動させるY軸テーブル8と、を備えている。また、描画装置3には、各機能液滴吐出ヘッド11の位置認識を行うヘッド認識カメラ(図示省略)や、ワークWの位置認識を行うための一対のワーク認識カメラ(図示省略)、等の各種の装置が備えられている。
X軸テーブル7は、ワークWを吸着載置する吸着テーブル12および吸着テーブル12をZ軸廻りに回転自在に支持するθテーブル13からなるセットテーブル14と、セットテーブル14をX軸方向にスライド自在に支持するX軸スライダ15と、X軸スライダ15を駆動するX軸モータ(図示省略)とを有している。ワークWは吸着テーブル12上に吸着載置され、X軸スライダ15を介して主走査方向であるX軸方向に往復移動される。
Y軸テーブル8は、X軸テーブル7を挟んで機台2に立設された左右一対の支柱16と、両支柱16,に掛渡されたY軸フレーム17と、Y軸フレーム17にスライド自在に支持されるY軸スライダ18と、Y軸スライダ18を駆動するY軸モータ(図示省略)と、Y軸スライダ18に支持され機能液滴吐出ヘッド11を搭載するメインキャリッジ21とを有している。機能液滴吐出ヘッド11はメインキャリッジ21とともに、Y軸スライダ18を介して副走査であるY軸方向に往復移動される。
そして、ワークWに描画を行う場合には、各機能液滴吐出ヘッド11を所定のワークギャップを存してワークWに臨ませておいて、X軸テーブル7による主走査(ワークWの往復移動)に同期して、各機能液滴吐出ヘッド11を吐出駆動させる。また、Y軸テーブル8により適宜、副走査(機能液滴吐出ヘッド11の移動)が行われる。この一連の動作により、ワークWの描画領域に所望の描画が行われる。
図2に示すように、メインキャリッジ21は、Y軸スライダ18に固定したスライドベース22と、スライドベース22に垂設した垂設フレーム23と、垂設フレーム23の下部に組み込んだθ軸回転機構24と、θ軸回転機構24の下端に設けたキャリッジ本体25と、を有している。θ軸回転機構24を介した垂設フレーム23により、キャリッジ本体25がθ軸廻りに回転自在に支持される。
キャリッジ本体25は、方形枠状のサブキャリッジ26と、サブキャリッジ26に装着されるヘッドプレート27およびタンクプレート28と、サブキャリッジ26に対向するとともにθ軸回転機構24の下端に装着される装着プレート29と、サブキャリッジ26と装着プレート29を連結する複数の連結支柱19と、を有している。サブキャリッジ26には、ヘッドプレート27を下方からビス止め固定するビス止め部(図示省略)と、タンクプレート28の取り付け時にタンクプレート28の装着を四隅でガイドし且つ着脱自在に装着するための位置決めガイド機構31と、が設けられている。
ヘッドプレート27には、12個の機能液滴吐出ヘッド11がその下部を下方に突出させるようにして搭載される。すなわち、ヘッドプレート27上において、これら12個の機能液滴吐出ヘッド11の全ノズル42列が1描画ラインを構成すべく平面視階段状に配設されている(図1参照)。一方、タンクプレート28には、これらの機能液滴吐出ヘッド11の配列に対応して、12個の機能液供給装置32が、同様の並びで平面視階段状に配設されている。なお、上記のヘッドプレート27、タンクプレート28、位置決めガイド機構31および12個の機能液供給装置32により、本発明のキャリッジ装置33が構成されている。
位置決めガイド機構31は、タンクプレート28の四隅に対応してサブキャリッジ26上に立設した計4個の支持ブロック34と、各支持ブロック34に1本ずつ立設された計4本の固定ボルト35と、各固定ボルト35に隣接して設けた4本の位置決め突起36と、で構成されている。一方、タンクプレート28の四隅には4本の固定ボルト35に対応する4個の貫通孔38および4本の位置決め突起36に対応する4個の位置決め孔37が形成されている(図4参照)。各位置決め突起36は、円錐台形状を有し、これがタンクプレート28の各位置決め孔37に嵌合することにより、サブキャリッジ26にタンクプレート28が位置決めされるようになっている。また、各固定ボルト35が各貫通孔38に遊挿されるようにして、サブキャリッジ26にタンクプレート28を載置し固定ボルト35にナット41を螺合させることにより、所望の間隙を存してタンクプレート28がサブキャリッジ26に固定されるようになっている。なお、位置決めガイド機構31は、3個の支持ブロック34等(3点支持)で構成してもよい。また、円錐台形状の位置決め突起36を省略し、固定ボルト35の基部をテーパ形状として、両者を兼ねる構成としてもよい。
機能液滴吐出ヘッド11は、機能液滴を吐出する多数(例えば180個)のノズル42をそのノズル面43に有しており、それら多数のノズル42が2列のノズル列45を形成している(図1参照、図示では1列になっている)。具体的には、機能液滴吐出ヘッド11は、これらのノズル列45に対応した一対のヘッド内流路(図示省略)と、ヘッド内流路に面して設けられたキャビティ(ピエゾ圧電素子)(図示省略)と、ヘッド内流路に連なる一対の機能液導入口44と、を有している。ノズル吸引による初期充填工程において、機能液は機能液滴吐出ヘッド11の各機能液導入口44から導入されて、ヘッド内流路に満たされる。そして機能液滴吐出ヘッド11が吐出駆動すれば、キャビティがポンプ作用を発揮してヘッド内流路の機能液をノズル42から吐出させる(機能液滴の吐出)。これにより、機能液滴吐出ヘッド11では機能液が消費され、それに伴いヘッド内流路には新たな機能液が機能液供給系5から供給される。なお、本実施形態では、機能液滴吐出ヘッド11の2列のノズル列45のうち、1列のみ使用する構成となっている。
次に、図1を参照して、メンテナンス装置4について説明する。メンテナンス装置4は、液滴吐出装置1の非稼働時に、機能液滴吐出ヘッド11のノズル42面を封止してノズル42の乾燥を防止すると共に、機能液滴吐出ヘッド11のノズル42から増粘した機能液を吸引除去する保管・吸引ユニット46と、機能液滴吐出ヘッド11のノズル面43に付着する汚れを払拭するワイピングユニット47とを有している。これら両ユニット46,47は、機台2上にX軸方向に延在するように載置された移動テーブル48上に搭載され、この移動テーブル48によってX軸方向に移動可能に構成されている。
保管・吸引ユニット46は、機能液滴吐出ヘッド11の捨て吐出を受けるフラッシングボックスの機能を兼ねる封止キャップ51と、封止キャップ51を昇降させるキャップ昇降機構52と、封止キャップ51に接続し機能液滴吐出ヘッド11を吸引する吸引ポンプ(図示省略)と、吸引ポンプで吸引除去した廃液を回収する廃液タンク(図示省略)と、を有している。描画休止時には、機能液滴吐出ヘッド11は移動テーブル48上のメンテナンス位置53に移動しており、封止キャップ51を機能液滴吐出ヘッド11から僅かに離れた位置で、機能液滴吐出ヘッド11のフラッシング(捨て吐出)を受けるようにしている。また、液滴吐出装置1の非稼働時には、封止キャップ51を完全に上昇させて機能液滴吐出ヘッド11のノズル面43に密着させる。これにより、機能液滴吐出ヘッド11の全ノズル42を封止し、各ノズル42における機能液滴の乾燥を防止する。また、この密着状態から再稼動する際には、必要に応じ吸引ポンプを駆動して、ノズル42から増粘した機能液や充填のための機能液を吸引する。これにより機能液の増粘を抑制していわゆるノズル詰りが防止される。この吸引作業は機能液を初期充填する際にも用いられている。
同図に示すように、ワイピングユニット47には、ワイピングシート47aが繰出し自在且つ巻取り自在に設けられており、繰り出したワイピングシート47aを送りながら、且つ移動テーブル48によりワイピングユニット47をX軸方向に移動させつつ、機能液滴吐出ヘッド11のノズル面43を拭き取るようになっている。このため、上記吸引動作等により機能液滴吐出ヘッド11のノズル42面に付着した機能液が取り除かれ、機能液滴吐出時の飛行曲がり等が防止される。なお、メンテナンス装置4として、上記の各ユニット46,47に加え、機能液滴吐出ヘッド11から吐出された機能液滴の飛行状態を検査する吐出検査ユニット(図示省略)等を、搭載することが好ましい。
次に図3を参照しながら、本実施形態の機能液供給系5について説明する。機能液供給系5は、上述したように12個の機能液滴吐出ヘッド11に1対1で対応した、12個の機能液供給装置32と、機能液供給装置32に機能液を補給する図示しない機能液補給装置とを有している。各機能液供給装置32は、機能液滴吐出ヘッド11の長手方向に沿って細長形状に形成されている。機能液補給装置は、機台2に隣接して設置されると共に機能液を内部に貯留する加圧ポンプ内蔵のいわゆるメインタンクであり、後述する機能液タンク部54にワンタッチで接続される機能液補給チューブ(いずれも図示省略)を有している。
図4に示すように、各機能液供給装置32は、機能液タンク部54および圧力調整弁機構55と、これらを作り込んだハウジング56および機能液滴吐出ヘッド11を直接接続する接続管ブロック57と、を有している。接続管ブロック57は、機能液耐食性材料により内部流路58を有する直管状に形成されている。接続管ブロック57の上流側の端部には、ハウジング56の後述する機能液流出口61に雄側としてねじ込まれるねじ接合部62が設けられ、下流側の端部には雌側として機能液滴吐出ヘッド11の機能液導入口44を受容する差込み接合部63が設けられている。差込み接合部63側の内部流路58の端部は段付き口58aとなっており、段付き口58aにはシール用のOリング64が取り付けられている。
一方、ハウジング56には、機能液を貯留する機能液タンク部54と、機能液滴吐出ヘッド11に減圧した機能液を供給する圧力調整弁機構55とが作り込まれている。すなわち、ハウジング56は、大気開放タンクである機能液タンク部54を作り込んだタンクハウジング部65と、タンクハウジング部65の前側に一体に形成された圧力調整弁機構55を作り込んだバルブハウジング部66と、タンクハウジング部65を着脱自在に閉蓋する蓋ハウジング部67とで構成され、タンクハウジング部65には機能液を貯留する貯留空間(機能液タンク部54)が大きく形成されている。ハウジング56は、それぞれステンレス等の耐食性材料により方形の箱状に形成されている。そして、バルブハウジング部66の下端部には、後述する流出流路68に連通する機能液流出口61が形成される一方、タンクハウジング部65の上端部には、機能液タンク部54に連通する機能液流入口71が形成されている。なお、上記した機能液補給装置の機能液補給チューブは、この機能液流入口71にワンタッチジョイント(図示省略)を介して接続されるようになっている。
機能液タンク部54には、貯留する機能液の波立ちを防止する消波手段72が設けられており、本実施形態において消波手段72は、機能液タンク部54に貯留する機能液の液面の略全域を覆うように設けたフロート部材73で形成されている。フロート部材73は、板状の発泡材や中空の樹脂プレート等で構成されており、機能液の液面上に浮遊して、液面の波立ち(揺れ)を抑え、機能液タンク部54の圧力の変動を防止している。
次に図4を参照して、圧力調整弁機構55について説明するが、同図に倣って紙面の先方を「上」、手前を「下」、左方を「前」および右方を「後」として説明を進める。圧力調整弁機構55は、機能液タンク部54と壁体74で隔てられた1次室75と、機能液滴吐出ヘッド11(接続管ブロック57)に連なる2次室76と、1次室75および2次室76を連通する連通流路77とを形成したものであり、バルブハウジング部66の前面と面一となる2次室76の1の面には外部(大気)に面して円形のダイヤフラム78が設けられ、連通流路77にはダイヤフラム78により開閉動作する弁体81(圧力調整部)が設けられている。すなわち、機能液タンク部54から1次室75に導入された機能液は、2次室76を介して機能液滴吐出ヘッド11(接続管ブロック57)に供給されるが、その際、ダイヤフラム78により大気圧を調整基準圧力として、連通流路77に設けた弁体81(圧力調整部)を前後方向に進退させ、すなわち開閉動作させることで2次室76の圧力調整が行われる。
弁体81と上記の壁体74とは対面しており、この弁体81と壁体74との間には弁体付勢ばね92が介設されている。壁体74は、所定の間隙を存して弁体81の1次室75側部位に対向すると共に、機能液タンク部54の高さの略半分の高さで機能液タンク部54の底部95から立設されている。壁体74の上および左右の周囲は、機能液タンク部54と連通しており、機能液が機能液タンク部54から1次室75内に流入するようになっている。
2次室76は、ダイヤフラム78を取り付けるために前面を開放した円錐台(略円筒)形状に形成されており、2次室76と1次室75とは上記の連通流路77により連通されている。また、これら2次室76および連通流路77は、いずれもダイヤフラム78と同心の円形断面を有している。この連通流路77は、後述する弁体81の軸部82がスライド自在に収容される円形断面の軸遊挿部83と、軸遊挿部83から径方向四方に延びる十字状断面の流路部(図示省略)とで構成されている。
2次室76の内周壁は、ダイヤフラム78のマイナス変形に倣うように前方に向かって大きく拡開するテーパ面84となっており、このテーパ面84に臨むように流出流路68が形成されている。流出流路68は、「L」字状に屈曲形成され上記したようにバルブハウジング部66の下端部に突設した機能液流出口61に連通している。また、機能液流出口61には、接続管ブロック57のねじ接合部62がねじ接合される雌ねじ部85が形成されており、この雌ねじ部85に接続管ブロック57のねじ接合部62が螺合されることにより、この接続管ブロック57を介してハウジング56と機能液滴吐出ヘッド11とが接続される。
ダイヤフラム78は、樹脂フィルムで構成したダイヤフラム本体86と、ダイヤフラム本体86の内側に貼着した樹脂性の受圧板87とで構成されている。受圧板87は、ダイヤフラム本体86と同心の円板状に、且つダイヤフラム本体86に対し十分に小さい径に形成されており、その中央に後述する弁体81の軸部82が当接する。ダイヤフラム本体86は、耐熱PP(ポリプロピレン)と特殊PPとシリカを蒸着したPET(ポリエチレンテレフタレート)とを積層して構成されており、ハウジング56の前面と同径の円形に形成されている。なお、受圧板87は、ダイヤフラム78の外側に設けてもよいが、後述する弁体81の軸部82が離接を繰り返すため、ダイヤフラム78の損傷を防止すべく本実施形態では内側に設けている。
同図に示すように、弁体81は、円板状の弁体本体88と、弁体本体88の中心から断面横「T」字状を為すように一方向に延びる軸部82と、弁体本体88の軸部82側(前面)に設けた(接着した)環状のバルブシール89とで構成されている。弁体本体88および軸部82は、ステンレス等の耐食材料で一体に形成されている。バルブシール89は、例えば軟質のシリコンゴムで環状に設けられている。このため、弁体81の閉弁時には、弁座となる連通流路77の開口縁91にバルブシール89が強く当接して、連通流路77が1次室75側から液密に閉塞される。
軸部82は、連通流路77にスライド自在に遊嵌され、閉弁状態でその先端(前端)が中立位置にあるダイヤフラム78の受圧板87に当接する。すなわち、ダイヤフラム78が外部に向かって膨出するプラス変形の状態では、軸部82の前端と受圧板87との間には所定の間隙が生じており、この状態からダイヤフラム78がマイナス側に変形してゆくと、中立状態で軸部82の前端と受圧板87とが当接し、さらにダイヤフラム78のマイナス変形がすすむと、受圧板87が軸部82を介して弁体本体88を押し開弁させることになる。したがって、2次室76の容積のうち、ダイヤフラム78がプラス変形から中立状態となる容積分は、1次室75側の圧力を一切受けることなく、機能液の供給が為される。
一方、弁体81の背面と1次室75の壁体74との間の間には、弁体81を2次室76側、すなわち閉弁方向に付勢する弁体付勢ばね92が介設されている。同様に、受圧板87とテーパ面84の間には、受圧板87を介してダイヤフラム本体86を外部に向かって付勢する受圧板付勢ばね93が介設されている。この場合、弁体付勢ばね92は、弁体81の背面に加わる機能液タンク部54の水頭を補完するものであり、機能液タンク部54の水頭とこの弁体付勢ばね92のばね力により、弁体81が閉塞方向に押圧される。一方、受圧板付勢ばね93は、ダイヤフラム78のプラス変形を補完するものであり、大気圧に対し2次室76が僅かに負圧になるように作用する。
圧力調整弁機構55は、大気圧と機能液滴吐出ヘッド11に連なる2次室76と圧力バランスにより弁体81が進退して開閉するが、その際、弁体付勢ばね92および受圧板付勢ばね93に力が分散して作用し、且つ軟質シリコンゴムのバルブシール89(の弾性力)により、弁体81は極めてゆっくり開閉動作する。このため、弁体81の開閉による圧力変動(キャビテーション)が抑制され、機能液滴吐出ヘッド11の吐出駆動に影響を与えないようになっている。もちろん、機能液タンク側(1次側)で発生する脈動等も、弁体81で縁切りされるため、これを吸収する(ダンパー機能)ことができる。
次に、図4を参照して12個の機能液供給装置32および12個の機能液滴吐出ヘッド11の組立て手順について説明する。この組立て手順では、キャリッジ本体25に装着固定されたヘッドプレート27にタンクプレート28を重ねあわせるようにして装着することにより、一括して12個の機能液供給装置32が12個の機能液滴吐出ヘッド11に接続される。
タンクプレート28のヘッドプレート27への装着に先立ち、12個の機能液滴吐出ヘッド11を上記の階段状の配置で搭載したヘッドプレート27を、位置合わせした状態でサブキャリッジ26に固定しておく。この場合、各機能液滴吐出ヘッド11の機能液導入口44はサブキャリッジ26の上面からわずかに突出している。一方、タンクプレート28には、予め接続管ブロック57が取り付けられた12個の機能液供給装置32を上記の階段状の配列で搭載しておく。
この状態で、タンクプレート28をサブキャリッジ26に装着する際には、上記した4本の固定ボルト35にタンクプレート28の4個の貫通孔38を位置合わせして、各貫通孔38に各固定ボルト35を差し込むようにして、上側からタンクプレート28を装着する。このとき、上記の位置決め突起36がタンクプレート28の位置決め孔37に嵌合し、タンクプレート28がサブキャリッジ26に位置決めされると共に、12個の接続管ブロック57の差込み接合部63が12個の機能液滴吐出ヘッド11の機能液導入口44に一括して差し込まれる。
最後に、タンクプレート28の上側から各固定ボルト35にナット41を締結して、機能液供給装置32および機能液滴吐出ヘッド11の接続作業を完了する。このようにタンクプレート28を指示ブロックに載置した状態で位置決め突起36により位置決めがなされるため、各接続管ブロック57が対応する機能液滴吐出ヘッド11に対し、上下、前後、および左右において位置決めされて装着される。なお、本実施形態では、タンクプレート28をサブキャリッジ26に装着するようにしているが、タンクプレート28を直接ヘッドプレート27に装着するようにしてもよい。かかる場合には、位置決めガイド機構31はヘッドプレート27に設けられる。
本実施形態によれば、機能液タンク部54と圧力調整弁機構55とを共通のハウジング56に作り込むようにしているので、機能液供給装置32と機能液滴吐出ヘッド11とを最短に直結でき、接続チューブを省略できると共に接続チューブの内容量分の機能液の必要量を削減できる。また、圧力調整弁機構55により機能液滴吐出ヘッド11側が減圧されるため、機能液タンク部54と機能液滴吐出ヘッド11との水頭差を考慮しないで、これらを自由にレイアウトすることができる。さらに、圧力調整弁機構55により機能液吐出ヘッドの手前で圧力変動が遮断されると共に、消波手段72により機能液タンク部54においても圧力変動が防止されるため、機能液の吐出をより安定化することができる。一方、接続管ブロック57を用いることで機能液タンク部54から機能液滴吐出ヘッド11に至る流路がチューブレスになり、接続チューブの折り曲げによる圧力の変動が防止されるため、これによっても吐出が安定化する。また、接続チューブ部分から気体が透過して機能液の脱気度が低下することもないため、機能液に気泡が生じることもなく、吐出の安定化および空吐出の防止を図ることができる。
次に、液滴吐出装置1の第2実施形態について、主として第1実施形態と異なる部分について説明する。この実施形態では、機能液タンク部54に設けられた消波手段72が第1実施形態のものと異なっており、図5に示すように、消波手段72は、機能液タンク部54の内部を平面視長手方向(前後方向)に直交する方向に仕切る複数の仕切り壁94で構成されている。各仕切り壁94は、機能液タンク部54内部に上下方向に延在し、機能液タンク部54の底部95を連通した隔壁状に形成されている。このため、機能液タンク部54内部において、平面視長手方向への機能液の移動が、底部95を除いて規制されている。なお、各仕切り壁94の上端は満液時の液位よりわずかに上側に位置し、下端は、減液時の液位よりわずかに下側に位置していることが、好ましい。
本実施形態によれば、機能液タンク部54は、底部95を除いて前後方向に直交する方向に仕切られているため、機能液が前後方向に波立つのを防止して、機能液の吐出を安定化することができる。また、底部95を経由して機能液が流れるようにしているため、底部95に機能液だまりが生じることもない。
次に、本実施形態の液滴吐出装置1を用いて製造される電気光学装置(フラットパネルディスプレイ)として、カラーフィルタ、液晶表示装置、有機EL装置、プラズマディスプレイ(PDP装置)、電子放出装置(FED装置、SED装置)、更にこれら表示装置に形成されてなるアクティブマトリクス基板等を例に、これらの構造およびその製造方法について説明する。なお、アクティブマトリクス基板とは、薄膜トランジスタ、及び薄膜トランジスタに電気的に接続するソース線、データ線が形成された基板を言う。
先ず、液晶表示装置や有機EL装置等に組み込まれるカラーフィルタの製造方法について説明する。図6は、カラーフィルタの製造工程を示すフローチャート、図7は、製造工程順に示した本実施形態のカラーフィルタ500(フィルタ基体500A)の模式断面図である。
まず、ブラックマトリクス形成工程(S101)では、図7(a)に示すように、基板(W)501上にブラックマトリクス502を形成する。ブラックマトリクス502は、金属クロム、金属クロムと酸化クロムの積層体、または樹脂ブラック等により形成される。金属薄膜からなるブラックマトリクス502を形成するには、スパッタ法や蒸着法等を用いることができる。また、樹脂薄膜からなるブラックマトリクス502を形成する場合には、グラビア印刷法、フォトレジスト法、熱転写法等を用いることができる。
続いて、バンク形成工程(S102)において、ブラックマトリクス502上に重畳する状態でバンク503を形成する。即ち、まず図7(b)に示すように、基板501及びブラックマトリクス502を覆うようにネガ型の透明な感光性樹脂からなるレジスト層504を形成する。そして、その上面をマトリクスパターン形状に形成されたマスクフィルム505で被覆した状態で露光処理を行う。
さらに、図8(c)に示すように、レジスト層504の未露光部分をエッチング処理することによりレジスト層504をパターニングして、バンク503を形成する。なお、樹脂ブラックによりブラックマトリクスを形成する場合は、ブラックマトリクスとバンクとを兼用することが可能となる。
このバンク503とその下のブラックマトリクス502は、各画素領域507aを区画する区画壁部507bとなり、後の着色層形成工程において液滴吐出ヘッド11により着色層(成膜部)508R、508G、508Bを形成する際に機能液滴の着弾領域を規定する。
以上のブラックマトリクス形成工程及びバンク形成工程を経ることにより、上記フィルタ基体500Aが得られる。
なお、本実施形態においては、バンク503の材料として、塗膜表面が疎液(疎水)性となる樹脂材料を用いている。そして、基板(ガラス基板)501の表面が親液(親水)性であるので、後述する着色層形成工程においてバンク503(区画壁部507b)に囲まれた各画素領域507a内への液滴の着弾位置精度が向上する。
次に、着色層形成工程(S103)では、図7(d)に示すように、機能液滴吐出ヘッド11によって機能液滴を吐出して区画壁部507bで囲まれた各画素領域507a内に着弾させる。この場合、機能液滴吐出ヘッド11を用いて、R・G・Bの3色の機能液(フィルタ材料)を導入して、機能液滴の吐出を行う。なお、R・G・Bの3色の配列パターンとしては、ストライプ配列、モザイク配列およびデルタ配列等がある。
その後、乾燥処理(加熱等の処理)を経て機能液を定着させ、3色の着色層508R、508G、508Bを形成する。着色層508R、508G、508Bを形成したならば、保護膜形成工程(S104)に移り、図7(e)に示すように、基板501、区画壁部507b、および着色層508R、508G、508Bの上面を覆うように保護膜509を形成する。
即ち、基板501の着色層508R、508G、508Bが形成されている面全体に保護膜用塗布液が吐出された後、乾燥処理を経て保護膜509が形成される。
そして、保護膜509を形成した後、カラーフィルタ500は、次工程の透明電極となるITO(Indium Tin Oxide)などの膜付け工程に移行する。
図8は、上記のカラーフィルタ500を用いた液晶表示装置の一例としてのパッシブマトリックス型液晶装置(液晶装置)の概略構成を示す要部断面図である。この液晶装置520に、液晶駆動用IC、バックライト、支持体などの付帯要素を装着することによって、最終製品としての透過型液晶表示装置が得られる。なお、カラーフィルタ500は図7に示したものと同一であるので、対応する部位には同一の符号を付し、その説明は省略する。
この液晶装置520は、カラーフィルタ500、ガラス基板等からなる対向基板521、及び、これらの間に挟持されたSTN(Super Twisted Nematic)液晶組成物からなる液晶層522により概略構成されており、カラーフィルタ500を図中上側(観測者側)に配置している。
なお、図示していないが、対向基板521およびカラーフィルタ500の外面(液晶層522側とは反対側の面)には偏光板がそれぞれ配設され、また対向基板521側に位置する偏光板の外側には、バックライトが配設されている。
カラーフィルタ500の保護膜509上(液晶層側)には、図8において左右方向に長尺な短冊状の第1電極523が所定の間隔で複数形成されており、この第1電極523のカラーフィルタ500側とは反対側の面を覆うように第1配向膜524が形成されている。
一方、対向基板521におけるカラーフィルタ500と対向する面には、カラーフィルタ500の第1電極523と直交する方向に長尺な短冊状の第2電極526が所定の間隔で複数形成され、この第2電極526の液晶層522側の面を覆うように第2配向膜527が形成されている。これらの第1電極523および第2電極526は、ITOなどの透明導電材料により形成されている。
液晶層522内に設けられたスペーサ528は、液晶層522の厚さ(セルギャップ)を一定に保持するための部材である。また、シール材529は液晶層522内の液晶組成物が外部へ漏出するのを防止するための部材である。なお、第1電極523の一端部は引き回し配線523aとしてシール材529の外側まで延在している。
そして、第1電極523と第2電極526とが交差する部分が画素であり、この画素となる部分に、カラーフィルタ500の着色層508R、508G、508Bが位置するように構成されている。
通常の製造工程では、カラーフィルタ500に、第1電極523のパターニングおよび第1配向膜524の塗布を行ってカラーフィルタ500側の部分を作成すると共に、これとは別に対向基板521に、第2電極526のパターニングおよび第2配向膜527の塗布を行って対向基板521側の部分を作成する。その後、対向基板521側の部分にスペーサ528およびシール材529を作り込み、この状態でカラーフィルタ500側の部分を貼り合わせる。次いで、シール材529の注入口から液晶層522を構成する液晶を注入し、注入口を閉止する。その後、両偏光板およびバックライトを積層する。
実施形態の液滴吐出装置1は、例えば上記のセルギャップを構成するスペーサ材料(機能液)を塗布すると共に、対向基板521側の部分にカラーフィルタ500側の部分を貼り合わせる前に、シール材529で囲んだ領域に液晶(機能液)を均一に塗布することが可能である。また、上記のシール材529の印刷を、機能液滴吐出ヘッド11で行うことも可能である。さらに、第1・第2両配向膜524,527の塗布を機能液滴吐出ヘッド11で行うことも可能である。
図9は、本実施形態において製造したカラーフィルタ500を用いた液晶装置の第2の例の概略構成を示す要部断面図である。
この液晶装置530が上記液晶装置520と大きく異なる点は、カラーフィルタ500を図中下側(観測者側とは反対側)に配置した点である。
この液晶装置530は、カラーフィルタ500とガラス基板等からなる対向基板531との間にSTN液晶からなる液晶層532が挟持されて概略構成されている。なお、図示していないが、対向基板531およびカラーフィルタ500の外面には偏光板等がそれぞれ配設されている。
カラーフィルタ500の保護膜509上(液晶層532側)には、図中奥行き方向に長尺な短冊状の第1電極533が所定の間隔で複数形成されており、この第1電極533の液晶層532側の面を覆うように第1配向膜534が形成されている。
対向基板531のカラーフィルタ500と対向する面上には、カラーフィルタ500側の第1電極533と直交する方向に延在する複数の短冊状の第2電極536が所定の間隔で形成され、この第2電極536の液晶層532側の面を覆うように第2配向膜537が形成されている。
液晶層532には、この液晶層532の厚さを一定に保持するためのスペーサ538と、液晶層532内の液晶組成物が外部へ漏出するのを防止するためのシール材539が設けられている。
そして、上記した液晶装置520と同様に、第1電極533と第2電極536との交差する部分が画素であり、この画素となる部位に、カラーフィルタ500の着色層508R、508G、508Bが位置するように構成されている。
図10は、本発明を適用したカラーフィルタ500を用いて液晶装置を構成した第3の例を示したもので、透過型のTFT(Thin Film Transistor)型液晶装置の概略構成を示す分解斜視図である。
この液晶装置550は、カラーフィルタ500を図中上側(観測者側)に配置したものである。
この液晶装置550は、カラーフィルタ500と、これに対向するように配置された対向基板551と、これらの間に挟持された図示しない液晶層と、カラーフィルタ500の上面側(観測者側)に配置された偏光板555と、対向基板551の下面側に配設された偏光板(図示せず)とにより概略構成されている。
カラーフィルタ500の保護膜509の表面(対向基板551側の面)には液晶駆動用の電極556が形成されている。この電極556は、ITO等の透明導電材料からなり、後述の画素電極560が形成される領域全体を覆う全面電極となっている。また、この電極556の画素電極560とは反対側の面を覆った状態で配向膜557が設けられている。
対向基板551のカラーフィルタ500と対向する面には絶縁層558が形成されており、この絶縁層558上には、走査線561及び信号線562が互いに直交する状態で形成されている。そして、これらの走査線561と信号線562とに囲まれた領域内には画素電極560が形成されている。なお、実際の液晶装置では、画素電極560上に配向膜が設けられるが、図示を省略している。
また、画素電極560の切欠部と走査線561と信号線562とに囲まれた部分には、ソース電極、ドレイン電極、半導体、およびゲート電極とを具備する薄膜トランジスタ563が組み込まれて構成されている。そして、走査線561と信号線562に対する信号の印加によって薄膜トランジスタ563をオン・オフして画素電極560への通電制御を行うことができるように構成されている。
なお、上記の各例の液晶装置520,530,550は、透過型の構成としたが、反射層あるいは半透過反射層を設けて、反射型の液晶装置あるいは半透過反射型の液晶装置とすることもできる。
次に、図11は、有機EL装置の表示領域(以下、単に表示装置600と称する)の要部断面図である。
この表示装置600は、基板(W)601上に、回路素子部602、発光素子部603及び陰極604が積層された状態で概略構成されている。
この表示装置600においては、発光素子部603から基板601側に発した光が、回路素子部602及び基板601を透過して観測者側に出射されるとともに、発光素子部603から基板601の反対側に発した光が陰極604により反射された後、回路素子部602及び基板601を透過して観測者側に出射されるようになっている。
回路素子部602と基板601との間にはシリコン酸化膜からなる下地保護膜606が形成され、この下地保護膜606上(発光素子部603側)に多結晶シリコンからなる島状の半導体膜607が形成されている。この半導体膜607の左右の領域には、ソース領域607a及びドレイン領域607bが高濃度陽イオン打ち込みによりそれぞれ形成されている。そして陽イオンが打ち込まれない中央部がチャネル領域607cとなっている。
また、回路素子部602には、下地保護膜606及び半導体膜607を覆う透明なゲート絶縁膜608が形成され、このゲート絶縁膜608上の半導体膜607のチャネル領域607cに対応する位置には、例えばAl、Mo、Ta、Ti、W等から構成されるゲート電極609が形成されている。このゲート電極609及びゲート絶縁膜608上には、透明な第1層間絶縁膜611aと第2層間絶縁膜611bが形成されている。また、第1、第2層間絶縁膜611a、611bを貫通して、半導体膜607のソース領域607a、ドレイン領域607bにそれぞれ連通するコンタクトホール612a,612bが形成されている。
そして、第2層間絶縁膜611b上には、ITO等からなる透明な画素電極613が所定の形状にパターニングされて形成され、この画素電極613は、コンタクトホール612aを通じてソース領域607aに接続されている。
また、第1層間絶縁膜611a上には電源線614が配設されており、この電源線614は、コンタクトホール612bを通じてドレイン領域607bに接続されている。
このように、回路素子部602には、各画素電極613に接続された駆動用の薄膜トランジスタ615がそれぞれ形成されている。
上記発光素子部603は、複数の画素電極613上の各々に積層された機能層617と、各画素電極613及び機能層617の間に備えられて各機能層617を区画するバンク部618とにより概略構成されている。
これら画素電極613、機能層617、及び、機能層617上に配設された陰極604によって発光素子が構成されている。なお、画素電極613は、平面視略矩形状にパターニングされて形成されており、各画素電極613の間にバンク部618が形成されている。
バンク部618は、例えばSiO、SiO2、TiO2等の無機材料により形成される無機物バンク層618a(第1バンク層)と、この無機物バンク層618a上に積層され、アクリル樹脂、ポリイミド樹脂等の耐熱性、耐溶媒性に優れたレジストにより形成される断面台形状の有機物バンク層618b(第2バンク層)とにより構成されている。このバンク部618の一部は、画素電極613の周縁部上に乗上げた状態で形成されている。
そして、各バンク部618の間には、画素電極613に対して上方に向けて次第に拡開した開口部619が形成されている。
上記機能層617は、開口部619内において画素電極613上に積層状態で形成された正孔注入/輸送層617aと、この正孔注入/輸送層617a上に形成された発光層617bとにより構成されている。なお、この発光層617bに隣接してその他の機能を有する他の機能層を更に形成しても良い。例えば、電子輸送層を形成する事も可能である。
正孔注入/輸送層617aは、画素電極613側から正孔を輸送して発光層617bに注入する機能を有する。この正孔注入/輸送層617aは、正孔注入/輸送層形成材料を含む第1組成物(機能液)を吐出することで形成される。正孔注入/輸送層形成材料としては、公知の材料を用いる。
発光層617bは、赤色(R)、緑色(G)、又は青色(B)の何れかに発光するもので、発光層形成材料(発光材料)を含む第2組成物(機能液)を吐出することで形成される。第2組成物の溶媒(非極性溶媒)としては、正孔注入/輸送層617aに対して不溶な公知の材料を用いることが好ましく、このような非極性溶媒を発光層617bの第2組成物に用いることにより、正孔注入/輸送層617aを再溶解させることなく発光層617bを形成することができる。
そして、発光層617bでは、正孔注入/輸送層617aから注入された正孔と、陰極604から注入される電子が発光層で再結合して発光するように構成されている。
陰極604は、発光素子部603の全面を覆う状態で形成されており、画素電極613と対になって機能層617に電流を流す役割を果たす。なお、この陰極604の上部には図示しない封止部材が配置される。
次に、上記の表示装置600の製造工程を図12〜図20を参照して説明する。
この表示装置600は、図12に示すように、バンク部形成工程(S111)、表面処理工程(S112)、正孔注入/輸送層形成工程(S113)、発光層形成工程(S114)、及び対向電極形成工程(S115)を経て製造される。なお、製造工程は例示するものに限られるものではなく必要に応じてその他の工程が除かれる場合、また追加される場合もある。
まず、バンク部形成工程(S111)では、図13に示すように、第2層間絶縁膜611b上に無機物バンク層618aを形成する。この無機物バンク層618aは、形成位置に無機物膜を形成した後、この無機物膜をフォトリソグラフィ技術等によりパターニングすることにより形成される。このとき、無機物バンク層618aの一部は画素電極613の周縁部と重なるように形成される。
無機物バンク層618aを形成したならば、図14に示すように、無機物バンク層618a上に有機物バンク層618bを形成する。この有機物バンク層618bも無機物バンク層618aと同様にフォトリソグラフィ技術等によりパターニングして形成される。
このようにしてバンク部618が形成される。また、これに伴い、各バンク部618間には、画素電極613に対して上方に開口した開口部619が形成される。この開口部619は、画素領域を規定する。
表面処理工程(S112)では、親液化処理及び撥液化処理が行われる。親液化処理を施す領域は、無機物バンク層618aの第1積層部618aa及び画素電極613の電極面613aであり、これらの領域は、例えば酸素を処理ガスとするプラズマ処理によって親液性に表面処理される。このプラズマ処理は、画素電極613であるITOの洗浄等も兼ねている。
また、撥液化処理は、有機物バンク層618bの壁面618s及び有機物バンク層618bの上面618tに施され、例えば4フッ化メタンを処理ガスとするプラズマ処理によって表面がフッ化処理(撥液性に処理)される。
この表面処理工程を行うことにより、機能液滴吐出ヘッド11を用いて機能層617を形成する際に、機能液滴を画素領域に、より確実に着弾させることができ、また、画素領域に着弾した機能液滴が開口部619から溢れ出るのを防止することが可能となる。
そして、以上の工程を経ることにより、表示装置基体600Aが得られる。この表示装置基体600Aは、図1に示した液滴吐出装置1のセットテーブル14に載置され、以下の正孔注入/輸送層形成工程(S113)及び発光層形成工程(S114)が行われる。
図15に示すように、正孔注入/輸送層形成工程(S113)では、機能液滴吐出ヘッド11から正孔注入/輸送層形成材料を含む第1組成物を画素領域である各開口部619内に吐出する。その後、図16に示すように、乾燥処理及び熱処理を行い、第1組成物に含まれる極性溶媒を蒸発させ、画素電極(電極面613a)613上に正孔注入/輸送層617aを形成する。
次に発光層形成工程(S114)について説明する。この発光層形成工程では、上述したように、正孔注入/輸送層617aの再溶解を防止するために、発光層形成の際に用いる第2組成物の溶媒として、正孔注入/輸送層617aに対して不溶な非極性溶媒を用いる。
しかしその一方で、正孔注入/輸送層617aは、非極性溶媒に対する親和性が低いため、非極性溶媒を含む第2組成物を正孔注入/輸送層617a上に吐出しても、正孔注入/輸送層617aと発光層617bとを密着させることができなくなるか、あるいは発光層617bを均一に塗布できない虞がある。
そこで、非極性溶媒ならびに発光層形成材料に対する正孔注入/輸送層617aの表面の親和性を高めるために、発光層形成の前に表面処理(表面改質処理)を行うことが好ましい。この表面処理は、発光層形成の際に用いる第2組成物の非極性溶媒と同一溶媒またはこれに類する溶媒である表面改質材を、正孔注入/輸送層617a上に塗布し、これを乾燥させることにより行う。
このような処理を施すことで、正孔注入/輸送層617aの表面が非極性溶媒になじみやすくなり、この後の工程で、発光層形成材料を含む第2組成物を正孔注入/輸送層617aに均一に塗布することができる。
そして次に、図17に示すように、各色のうちの何れか(図17の例では青色(B))に対応する発光層形成材料を含有する第2組成物を機能液滴として画素領域(開口部619)内に所定量打ち込む。画素領域内に打ち込まれた第2組成物は、正孔注入/輸送層617a上に広がって開口部619内に満たされる。なお、万一、第2組成物が画素領域から外れてバンク部618の上面618t上に着弾した場合でも、この上面618tは、上述したように撥液処理が施されているので、第2組成物が開口部619内に転がり込み易くなっている。
その後、乾燥工程等を行う事により、吐出後の第2組成物を乾燥処理し、第2組成物に含まれる非極性溶媒を蒸発させ、図18に示すように、正孔注入/輸送層617a上に発光層617bが形成される。この図の場合、青色(B)に対応する発光層617bが形成されている。
同様に、機能液滴吐出ヘッド11を用い、図19に示すように、上記した青色(B)に対応する発光層617bの場合と同様の工程を順次行い、他の色(赤色(R)及び緑色(G))に対応する発光層617bを形成する。なお、発光層617bの形成順序は、例示した順序に限られるものではなく、どのような順番で形成しても良い。例えば、発光層形成材料に応じて形成する順番を決める事も可能である。また、R・G・Bの3色の配列パターンとしては、ストライプ配列、モザイク配列およびデルタ配列等がある。
以上のようにして、画素電極613上に機能層617、即ち、正孔注入/輸送層617a及び発光層617bが形成される。そして、対向電極形成工程(S115)に移行する。
対向電極形成工程(S115)では、図20に示すように、発光層617b及び有機物バンク層618bの全面に陰極604(対向電極)を、例えば蒸着法、スパッタ法、CVD法等によって形成する。この陰極604は、本実施形態においては、例えば、カルシウム層とアルミニウム層とが積層されて構成されている。
この陰極604の上部には、電極としてのAl膜、Ag膜や、その酸化防止のためのSiO2、SiN等の保護層が適宜設けられる。
このようにして陰極604を形成した後、この陰極604の上部を封止部材により封止する封止処理や配線処理等のその他処理等を施すことにより、表示装置600が得られる。
次に、図21は、プラズマ型表示装置(PDP装置:以下、単に表示装置700と称する)の要部分解斜視図である。なお、同図では表示装置700を、その一部を切り欠いた状態で示してある。
この表示装置700は、互いに対向して配置された第1基板701、第2基板702、及びこれらの間に形成される放電表示部703を含んで概略構成される。放電表示部703は、複数の放電室705により構成されている。これらの複数の放電室705のうち、赤色放電室705R、緑色放電室705G、青色放電室705Bの3つの放電室705が組になって1つの画素を構成するように配置されている。
第1基板701の上面には所定の間隔で縞状にアドレス電極706が形成され、このアドレス電極706と第1基板701の上面とを覆うように誘電体層707が形成されている。誘電体層707上には、各アドレス電極706の間に位置し、且つ各アドレス電極706に沿うように隔壁708が立設されている。この隔壁708は、図示するようにアドレス電極706の幅方向両側に延在するものと、アドレス電極706と直交する方向に延設された図示しないものを含む。
そして、この隔壁708によって仕切られた領域が放電室705となっている。
放電室705内には蛍光体709が配置されている。蛍光体709は、赤(R)、緑(G)、青(B)の何れかの色の蛍光を発光するもので、赤色放電室705Rの底部には赤色蛍光体709Rが、緑色放電室705Gの底部には緑色蛍光体709Gが、青色放電室705Bの底部には青色蛍光体709Bが各々配置されている。
第2基板702の図中下側の面には、上記アドレス電極706と直交する方向に複数の表示電極711が所定の間隔で縞状に形成されている。そして、これらを覆うように誘電体層712、及びMgOなどからなる保護膜713が形成されている。
第1基板701と第2基板702とは、アドレス電極706と表示電極711が互いに直交する状態で対向させて貼り合わされている。なお、上記アドレス電極706と表示電極711は図示しない交流電源に接続されている。
そして、各電極706,711に通電することにより、放電表示部703において蛍光体709が励起発光し、カラー表示が可能となる。
本実施形態においては、上記アドレス電極706、表示電極711、及び蛍光体709を、図1に示した液滴吐出装置1を用いて形成することができる。以下、第1基板701におけるアドレス電極706の形成工程を例示する。
この場合、第1基板701を液滴吐出装置1のセットテーブル14に載置された状態で以下の工程が行われる。
まず、機能液滴吐出ヘッド11により、導電膜配線形成用材料を含有する液体材料(機能液)を機能液滴としてアドレス電極形成領域に着弾させる。この液体材料は、導電膜配線形成用材料として、金属等の導電性微粒子を分散媒に分散したものである。この導電性微粒子としては、金、銀、銅、パラジウム、又はニッケル等を含有する金属微粒子や、導電性ポリマー等が用いられる。
補充対象となる全てのアドレス電極形成領域について液体材料の補充が終了したならば、吐出後の液体材料を乾燥処理し、液体材料に含まれる分散媒を蒸発させることによりアドレス電極706が形成される。
ところで、上記においてはアドレス電極706の形成を例示したが、上記表示電極711及び蛍光体709についても上記各工程を経ることにより形成することができる。
表示電極711の形成の場合、アドレス電極706の場合と同様に、導電膜配線形成用材料を含有する液体材料(機能液)を機能液滴として表示電極形成領域に着弾させる。
また、蛍光体709の形成の場合には、各色(R,G,B)に対応する蛍光材料を含んだ液体材料(機能液)を液滴吐出ヘッド11から液滴として吐出し、対応する色の放電室705内に着弾させる。
次に、図22は、電子放出装置(FED装置あるいはSED装置ともいう:以下、単に表示装置800と称する)の要部断面図である。なお、同図では表示装置800を、その一部を断面として示してある。
この表示装置800は、互いに対向して配置された第1基板801、第2基板802、及びこれらの間に形成される電界放出表示部803を含んで概略構成される。電界放出表示部803は、マトリクス状に配置した複数の電子放出部805により構成されている。
第1基板801の上面には、カソード電極806を構成する第1素子電極806aおよび第2素子電極806bが相互に直交するように形成されている。また、第1素子電極806aおよび第2素子電極806bで仕切られた部分には、ギャップ808を形成した導電性膜807が形成されている。すなわち、第1素子電極806a、第2素子電極806bおよび導電性膜807により複数の電子放出部805が構成されている。導電性膜807は、例えば酸化パラジウム(PdO)等で構成され、またギャップ808は、導電性膜807を成膜した後、フォーミング等で形成される。
第2基板802の下面には、カソード電極806に対峙するアノード電極809が形成されている。アノード電極809の下面には、格子状のバンク部811が形成され、このバンク部811で囲まれた下向きの各開口部812に、電子放出部805に対応するように蛍光体813が配置されている。蛍光体813は、赤(R)、緑(G)、青(B)の何れかの色の蛍光を発光するもので、各開口部812には、赤色蛍光体813R、緑色蛍光体813Gおよび青色蛍光体813Bが、上記した所定のパターンで配置されている。
そして、このように構成した第1基板801と第2基板802とは、微小な間隙を存して貼り合わされている。この表示装置800では、導電性膜(ギャップ808)807を介して、陰極である第1素子電極806aまたは第2素子電極806bから飛び出す電子を、陽極であるアノード電極809に形成した蛍光体813に当てて励起発光し、カラー表示が可能となる。
この場合も、他の実施形態と同様に、第1素子電極806a、第2素子電極806b、導電性膜807およびアノード電極809を、液滴吐出装置1を用いて形成することができると共に、各色の蛍光体813R,813G,813Bを、液滴吐出装置1を用いて形成することができる。
第1素子電極806a、第2素子電極806bおよび導電性膜807は、図23(a)に示す平面形状を有しており、これらを成膜する場合には、図23(b)に示すように、予め第1素子電極806a、第2素子電極806bおよび導電性膜807を作り込む部分を残して、バンク部BBを形成(フォトリソグラフィ法)する。次に、バンク部BBにより構成された溝部分に、第1素子電極806aおよび第2素子電極806bを形成(液滴吐出装置1によるインクジェット法)し、その溶剤を乾燥させて成膜を行った後、導電性膜807を形成(液滴吐出装置1によるインクジェット法)する。そして、導電性膜807を成膜後、バンク部BBを取り除き(アッシング剥離処理)、上記のフォーミング処理に移行する。なお、上記の有機EL装置の場合と同様に、第1基板801および第2基板802に対する親液化処理や、バンク部811,BBに対する撥液化処理を行うことが、好ましい。
また、他の電気光学装置としては、金属配線形成、レンズ形成、レジスト形成および光拡散体形成等の装置が考えられる。上記した液滴吐出装置1を各種の電気光学装置(デバイス)の製造に用いることにより、各種の電気光学装置を効率的に製造することが可能である。
液滴吐出装置の平面模式図である。 液滴吐出装置の側面模式図である。 機能液供給装置および機能液滴吐出ヘッドの外観斜視図である。 機能液供給装置および機能液滴吐出ヘッドの縦断面図である。 第2実施形態に係る機能液供給装置および機能液滴吐出ヘッドの縦断面図である。 カラーフィルタ製造工程を説明するフローチャートである。 (a)〜(e)は、製造工程順に示したカラーフィルタの模式断面図である。 本発明を適用したカラーフィルタを用いた液晶装置の概略構成を示す要部断面図である。 本発明を適用したカラーフィルタを用いた第2の例の液晶装置の概略構成を示す要部断面図である。 本発明を適用したカラーフィルタを用いた第3の例の液晶装置の概略構成を示す要部断面図である。 有機EL装置である表示装置の要部断面図である。 有機EL装置である表示装置の製造工程を説明するフローチャートである。 無機物バンク層の形成を説明する工程図である。 有機物バンク層の形成を説明する工程図である。 正孔注入/輸送層を形成する過程を説明する工程図である。 正孔注入/輸送層が形成された状態を説明する工程図である。 青色の発光層を形成する過程を説明する工程図である。 青色の発光層が形成された状態を説明する工程図である。 各色の発光層が形成された状態を説明する工程図である。 陰極の形成を説明する工程図である。 プラズマ型表示装置(PDP装置)である表示装置の要部分解斜視図である。 電子放出装置(FED装置)である表示装置の要部断面図である。 表示装置の電子放出部廻りの平面図(a)およびその形成方法を示す平面図(b)である。
符号の説明
1 液滴吐出装置 6 X・Y移動機構
11 機能液滴吐出ヘッド 27 ヘッドプレート
28 タンクプレート 32 機能液供給装置
33 キャリッジ装置 44 機能液導入口
54 機能液タンク部 55 圧力調整弁機構
56 ハウジング 57 接続管ブロック
61 機能液流出口 72 消波手段
73 フロート部材 75 1次室
76 2次室 77 連通流路
78 ダイヤフラム 94 仕切り壁
95 底部 W ワーク

Claims (12)

  1. 機能液を吐出する機能液滴吐出ヘッドに前記機能液を供給する機能液供給装置であって、
    前記機能液を貯留する機能液タンク部と、
    前記機能液タンク部に連なる1次室、前記機能液滴吐出ヘッドに連なる2次室、および大気に面したダイヤフラムにより大気圧を調整基準圧力として、前記1次室と前記2次室とを連通する連通流路を開閉して前記2次室を圧力調整する圧力調整部、を有する圧力調整弁機構と、
    を共通のハウジングに作り込んだことを特徴とする機能液供給装置。
  2. 前記ハウジングは、前記機能液滴吐出ヘッドの長手方向に沿って細長形状に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の機能液供給装置。
  3. 前記機能液タンク部は、貯留する前記機能液の液面の波立ちを防止する消波手段を有することを特徴とする請求項1または2に記載の機能液供給装置。
  4. 前記消波手段は、前記機能液タンク部に貯留する前記機能液の液面の略全域を覆うように設けたフロート部材であることを特徴とする請求項3に記載の機能液供給装置。
  5. 前記消波手段は、前記機能液タンク部の底部を連通した状態で、機能液タンク部を平面視長手方向に直交する方向に仕切る複数の仕切り壁で構成されていることを特徴とする請求項3に記載の機能液供給装置。
  6. 前記2次室に連なると共に前記ハウジングに形成した機能液流出口と前記機能液滴吐出ヘッドの機能液導入口とを接続する接続管ブロックを、更に備えたことを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の機能液供給装置。
  7. 前記接続管ブロックは、前記機能液流出口に対しねじ接合で接続され、前記機能液導入口に対し差込み接合で接続されていることを特徴とする請求項6に記載の機能液供給装置。
  8. 請求項1ないし7のいずれかに記載の機能液供給装置の複数個が搭載されるタンクプレートと、
    前記複数個の前記機能液供給装置に対応して前記機能液滴吐出ヘッドの複数個が搭載されるヘッドプレートとを備え、
    前記タンクプレートを前記ヘッドプレートに装着することにより、複数の前記機能液供給装置が複数の前記機能液滴吐出ヘッドに一括して接続されることを特徴とするキャリッジ装置。
  9. 請求項8に記載のキャリッジ装置と、
    前記ワークを前記機能液滴吐出ヘッドに対してX軸方向およびY軸方向に相対移動させるX・Y移動機構と、を備えたことを特徴とする液滴吐出装置。
  10. 請求項9に記載の液滴吐出装置を用い、前記ワークに前記機能液滴による成膜部を形成することを特徴とする電気光学装置の製造方法。
  11. 請求項9に記載の液滴吐出装置を用い、前記ワークに前記機能液滴による成膜部を形成したことを特徴とする電気光学装置。
  12. 請求項10に記載の電気光学装置の製造方法により製造した電気光学装置または請求項11に記載の電気光学装置を搭載したことを特徴とする電子機器。
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