JP2006085666A - 圧力調整弁、これを備えた描画装置、電気光学装置の製造方法、電気光学装置、および電子機器 - Google Patents

圧力調整弁、これを備えた描画装置、電気光学装置の製造方法、電気光学装置、および電子機器 Download PDF

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和利 高橋
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Abstract

【課題】 スペース効率の良い圧力調整弁、これを備えた描画装置、電気光学装置の製造方法、電気光学装置、および電子機器を提供することを課題としている。
【解決手段】 機能液タンク91からバルブハウジング171に形成した1次室172に導入した機能液を、バルブハウジング171に形成した2次室173を介して機能液滴吐出ヘッド41に供給すると共に、2次室173の1つの面を構成すると共に、大気に面した円形のダイヤフラム175が受ける大気圧を調整基準圧力として、1次室172と2次室173とを連通する連通流路174を開閉する圧力調整弁161において、2次室173は、ダイヤフラム175と同心の略円柱状に形成され、2次室173を形成したバルブハウジング171の2次室形成部192は、2次室173と同心の略円柱状に形成されていることを特徴とする。
【選択図】 図8

Description

本発明は、機能液タンクから1次室に導入した機能液を、2次室を介して機能液滴吐出ヘッドに供給する圧力調整弁、これを備えた描画装置、電気光学装置の製造方法、電気光学装置、および電子機器に関する。
従来から、機能液(インク)が導入される1次室(圧力室)と、機能液滴吐出ヘッド(記録ヘッド)に機能液を供給する2次室(インク供給室)とを連通する連通流路を、2次室内の圧力に基づいて、弁体を介して開閉する圧力調整弁が知られている。圧力調整弁は、偏平状のバルブハウジング(ユニットケース)により外郭が形成されている。バルブハウジングの1つの面(1次室形成面)には、1次室を構成する円筒状の第1凹部と、1次室に機能液を供給するための機能液供給溝が形成されており、これらは第1フィルム部材で覆われている。そして、第1凹部と、第1凹部を覆う第1フィルム部材と、で1次室が構成されると共に、機能液流入溝と、機能液流入溝を覆う第1フィルム部材で、機能液流入流路が構成されている。同様に、1次室形成面に対向するバルブハウジングの他方の面(2次室形成面)には、2次室を構成する薄い円筒状の第2凹部と、2次室から機能液を流出させるための機能液流出溝と、が形成されていると共に、これらを覆う可撓性の第2フィルム部材が溶着されており、2次室は、第2凹部と、第2凹部を覆う第2フィルム部材(ダイヤフラム)と、で構成され、機能液流出流路は、機能液流出溝と、機能液流出溝を覆う第2フィルム部材とで、構成されている。また、バルブハウジングには、1次室および2次室を連通する連通流路が形成されている。
特開2003−211701号公報
このように、従来の圧力調整弁では、ハウジング部材の1次室形成面および2次室形成面に、機能液導入流路および機能液導出流路が形成されているため、圧力調整弁の平面形状が大きくなり、スペース効率が悪化するといった問題が生じる。そこで、本発明は、スペース効率の良い圧力調整弁、これを備えた描画装置、電気光学装置の製造方法、電気光学装置、および電子機器を提供することを課題としている。
本発明は、機能液タンクからバルブハウジングに形成した1次室に導入した機能液を、バルブハウジングに形成した2次室を介して機能液滴吐出ヘッドに供給すると共に、2次室の1つの面を構成すると共に、大気に面した円形のダイヤフラムが受ける大気圧を調整基準圧力として、1次室と2次室とを連通する連通流路を開閉する圧力調整弁において、2次室は、ダイヤフラムと同心の略円柱状に形成され、2次室を形成したバルブハウジングの2次室形成部は、2次室と同心の略円柱状に形成されていることを特徴とする。
この構成によれば、2次室は、その一面を構成する円形のダイヤフラムと同心の略円柱状に形成されているので、ダイヤフラムの変位方向に直交する2次室の平面形状を最もコンパクトに抑えることができる。そして、2次室形成部を、2次室と同心の略円柱状に形成することにより、2次室形成部の平面形状を最もコンパクトとすることができる。また、2次室および2次室形成部をダイヤフラムと同心の円形を基調とした形状に形成しているため、ダイヤフラムの中心位置を基準とした加工および組立てが可能となる。
この場合、2次室は、ダイヤフラムの変位形態に倣って、ダイヤフラム側に拡開するテーパ形状に形成されていることが好ましい。
この構成によれば、ダイヤフラムの変位スペースを十分に確保しつつ、2次室自体の容積を抑えることが可能である。これにより、圧力調整弁内に残留する機能液量を低減することができ、機能液を効率的に使用できる。
この場合、1次室は、前記ダイヤフラムの変位方向において2次室と隣接して設けられていると共に、1次室内を変位方向に開閉移動し、開閉方向においてダイヤフラムと同心の平面視円形に形成された弁体を備えており、1次室は、前記ダイヤフラムと同心の略円柱状に形成され、1次室を形成したバルブハウジングの1次室形成部は、1次室と同心の略円柱状に形成されていることが好ましい。
この構成によれば、1次室は、ダイヤフラムと同心の略円柱状に形成されているので、ダイヤフラムと同心の平面視円形に形成された弁体の開閉移動を許容すると共に、弁体の開閉方向(ダイヤフラムの変位方向)に直交する1次室の平面形状をコンパクトにすることができる。したがって、1次室を形成する1次室形成部の平面形状も小さくすることができる。また、1次室および1次室形成部も、ダイヤフラムと同心の円形を基調に形成されるので、加工性および組立て性を向上させることができる。
この場合、1次室は、開閉方向において弁体と略同径に形成されていることが好ましい。
この構成によれば、1次室が弁体と略同径に形成されるので、1次室の平面形状を弁体の開閉移動を許容可能な最小の平面形状とすることができる。これに伴い、1次室形成部の平面形状を最も小さくすることができる。
この場合、開閉方向に直交する平面形状において、2次室は、1次室に比して大きく形成されており、1次室形成部の一部は、弓形状に切り欠かれ、2次室の流出ポートに接続されるコネクタは、1次室形成部の切欠部に臨むように配設されることが好ましい。
この構成によれば、2次室の流出ポートに接続されるコネクタが、1次室形成部の切欠部に臨むように配設されるので、コネクタに起因して、開閉方向に直交する圧力調整弁の平面形状が大きくなることがない。
この場合、バルブハウジングには、これを縦置きに支持するための支持プレートが取り付けられており、支持プレートには、ダイヤフラムの中心位置を示すマークが形成されていることが好ましい。
この構成によれば、支持プレートに形成されたマークを目印として、ダイヤフラムの中心位置を調整しながら支持プレートを介して圧力調整弁を縦置きすることができる。また、2次室はダイヤフラムと同心の略円柱状に形成されているので、圧力調整弁を縦置きすることにより、2次室に供給された機能液に気泡が混入している場合には、2次室の上方に気泡を速やかに集めることができる。
本発明は、機能液流路を介して機能液タンクに接続された機能液滴吐出ヘッドを、ワークに対して相対的に移動させ、機能液滴吐出ヘッドを吐出駆動することにより、ワーク上に機能液滴による描画を行う描画装置において、機能液流路には、上記のいずれかに記載の圧力調整弁が介設されていることを特徴とする。
この構成によれば、ダイヤフラムが適切に取り付けられ、大気圧を基準調整圧力として精度良くコントロール可能な圧力調整弁が介設されているので、機能液滴吐出ヘッドに供給する機能液の水頭を容易に、かつ精度良く管理できる。また、圧力調整弁は、ダイヤフラムの径に基づいて、コンパクトに構成されているので、描画装置内において圧力調整弁の設置場所を容易に確保することができる。
本発明の電気光学装置の製造方法および電気光学装置は、上記に記載の描画装置を用い、前記ワーク上に機能液滴による成膜部を形成することを特徴とする。
これらの構成によれば、機能液の水頭を容易にかつ精度良く管理可能な描画装置を用いて電気光学装置の製造が行われるため、効率的な製造が可能となる。なお、電気光学装置(デバイス)としては、液晶表示装置、有機EL(Electro-Luminescence)装置、電子放出装置、PDP(Plasma Display Panel)装置および電気泳動表示装置等が考えられる。なお、電子放出装置は、いわゆるFED(Field Emission Display)装置またはSED(Surface-Conduction Electron-Emitter Display)装置を含む概念である。さらに、電気光学装置としては、金属配線形成、レンズ形成、レジスト形成および光拡散体形成等を包含する装置が考えられる。
本発明の電子機器は、上記に記載の電気光学装置の製造方法により製造した電気光学装置または上記に記載の電気光学装置を搭載したことを特徴とする。
この場合、電子機器としては、いわゆるフラットパネルディスプレイを搭載した携帯電話、パーソナルコンピュータの他、各種の電気製品がこれに該当する。
以上に述べたように、本発明の圧力調整弁はコンパクトに形成されているので、設置の自由度が高く、所望の場所に設置可能である。また、2次室および2次室形成部をダイヤフラムと同心の円形を基調とした形状に形成しているため、ダイヤフラムの中心位置を基準とした加工および組立てが可能となり、これらの加工性および組立て性を向上させることができる。
本発明の描画装置は、上記の圧力調整弁を備えているので、機能液タンクの水頭に関係なく、機能液滴吐出ヘッドに供給する機能液の水頭を容易かつ精度良く管理できる。したがって、機能液タンクを設置する自由度が増し、機能液滴吐出ヘッドの近傍に機能液タンクを設置することができる。これにより、機能液タンクから機能液滴吐出ヘッドに至る機能液流路の長さを短縮することができると共に、機能液を効率的に利用することができる。また、機能液タンクの設置場所が限定されないため、装置全体をコンパクトに抑えることが可能である。
本発明の電気光学装置の製造方法、電気光学装置、および電子機器は、上記の描画装置を用いて製造されるため、これらを効率的に製造することができる。
以下、添付の図面を参照して、本発明を適用した描画装置について説明する。この描画装置は、いわゆるフラットディスプレイの製造ラインに組み込まれるものであり、機能液滴吐出ヘッドを用いた液滴吐出法により、液晶表示装置のカラーフィルタや有機EL装置の各画素となる発光素子等を形成するものである。
図1および図2に示すように、描画装置1は、機台2と、機能液滴吐出ヘッド41を有し、機台2上の全域に広く載置された液滴吐出装置3と、液滴吐出装置3に接続した機能液供給装置4と、液滴吐出装置3に添設するように機台2上に載置したヘッド保守装置5と、を備えている。また、描画装置1には、図外の制御装置6が設けられており、描画装置1では、機能液供給装置4により液滴吐出装置3が機能液の供給を受けながら、制御装置6による制御に基づいて、液滴吐出装置3がワークWに対する描画動作を行うと共に、機能液滴吐出ヘッド41に対して、ヘッド保守装置5が適宜保守動作(メンテナンス)を行うようになっている。
液滴吐出装置3は、ワークWを主走査(X軸方向に移動)させるX軸テーブル12およびX軸テーブル12に直交するY軸テーブル13から成るX・Y移動機構11と、Y軸テーブル13に移動自在に取り付けられたメインキャリッジ14と、メインキャリッジ14に垂設され、機能液滴吐出ヘッド41を搭載したヘッドユニット15と、を有している。
X軸テーブル12は、X軸方向の駆動系を構成するX軸モータ(図示省略)駆動のX軸スライダ22を有し、これに吸着テーブル24およびθテーブル25等から成るセットテーブル23を移動自在に搭載して構成されている。同様に、Y軸テーブル13は、Y軸方向の駆動系を構成するY軸モータ(図示省略)駆動のY軸スライダ29を有し、これにヘッドユニット15を支持する上記のメインキャリッジ14をY軸方向に移動自在に搭載して構成されている。なお、X軸テーブル12は、X軸方向に平行に配設されており、機台2上に直接支持されている。一方、Y軸テーブル13は、機台2上に立設した左右の支柱31に支持されており、X軸テーブル12およびヘッド保守装置5を跨ぐようにY軸方向に延在している(図1および図2参照)。
描画装置1では、X軸テーブル12およびY軸テーブル13が交わるエリアがワークWの描画を行う描画エリア32、Y軸テーブル13およびヘッド保守装置5が交わるエリアが機能液滴吐出ヘッド41に対する機能回復処理を行う保守エリア33となっており、ワークWに描画を行う場合には描画エリア32に、機能回復処理を行う場合には保守エリア33に、ヘッドユニット15を臨ませるようになっている。
ヘッドユニット15は、複数(12個)の機能液滴吐出ヘッド41と、ヘッド保持部材(図示省略)を介して機能液滴吐出ヘッド41を搭載するヘッドプレート42と、を備えている。ヘッドプレート42は、支持フレーム43に着脱自在に支持されており、ヘッドユニット15は、支持フレーム43を介してメインキャリッジ14に位置決めして搭載される。なお、詳細は後述するが、支持フレーム43には、ヘッドユニット15に並んで、機能液供給装置4のバルブユニット74およびタンクユニット71が支持されている(図1ないし図3参照)。
図4に示すように、機能液滴吐出ヘッド41は、いわゆる2連のものであり、2連の接続針52を有する機能液導入部51と、機能液導入部51に連なる2連のヘッド基板53と、機能液導入部51の下方に連なり、内部に機能液で満たされるヘッド内流路が形成されたヘッド本体54と、を備えている。接続針52は、図外の機能液供給装置4に接続され、機能液滴吐出ヘッド41のヘッド内流路に機能液を供給する。ヘッド本体54は、キャビティ55(ピエゾ圧電素子)と、吐出ノズル58が開口したノズル面57を有するノズルプレート56と、で構成されている。ノズル面57には、多数(180個)の吐出ノズル58から成るノズル列が形成されている。機能液滴吐出ヘッド41を吐出駆動すると、キャビティ55のポンプ作用により、吐出ノズル58から機能液滴を吐出する。
ヘッドプレート42は、ステンレス等からなる方形の厚板で構成されている。ヘッドプレート42には、12個の機能液滴吐出ヘッド41を位置決めし、これを、裏面側からヘッド保持部材を介して固定するための12個の装着開口(図示省略)が形成されている。12個の装着開口は、2個ずつ6組に分けられており、各組の装着開口は、一部が重複するように、機能液滴吐出ヘッド41のノズル列と直交する方向に(ヘッドプレート42の長手方向)に位置ずれして形成されている。すなわち、12個の機能液滴吐出ヘッド41は、2個ずつ6組に分けられ、ノズル列と直交する方向において、各組の機能液滴吐出ヘッド41のノズル列が一部重複するように、階段状に配置される(図3参照)。
なお、各機能液滴吐出ヘッド41に形成された2列のノズル列は、4ドット分のピッチを有して配設された多数(180個)の吐出ノズル58によってそれぞれ構成されており、両ノズル列は、列方向に2ドット分位置ずれして配設されている。すなわち、各機能液滴吐出ヘッド41には、2列のノズル列により、2ドットピッチの描画ラインが形成されている。一方、同一組の隣接する2個の機能液滴吐出ヘッド41は、それぞれの(2ドットピッチの)描画ラインが列方向に1ドット分位置ずれするように配設され、1組の機能液滴吐出ヘッド41により、1ドットピッチの描画ラインが形成される。すなわち、同一組2個の機能液滴吐出ヘッド41は、1/4解像度の各ノズル列が相互位置ずれするように配置され、他の5組10個の機能液滴吐出ヘッド41と合わせて、1描画ラインの高解像度(1解像度)のノズル列が構成されるようになっている。
メインキャリッジ14は、図2に示すように、Y軸テーブル13に下側から固定される外観「I」形の吊設部材61と、吊設部材61の下面に取り付けられ、(ヘッドユニット15の)θ方向に対する位置補正を行うためのθ回転機構62と、θ回転機構62の下方に吊設するよう取り付けたキャリッジ本体63と、で構成されており、キャリッジ本体63が、支持フレーム43を介してヘッドユニット15を支持するようになっている。図示省略したが、キャリッジ本体63には、支持フレーム43を遊嵌するための方形の開口が形成されていると共に、支持フレーム43を位置決めするための位置決め機構が設けられており、ヘッドユニット15を位置決めした状態で固定できるようになっている。
図1ないし図3に示すように、機能液供給装置4は、上記の支持フレーム43にヘッドユニット15と共に搭載されており、機能液を貯留する複数(12個)の機能液タンク91から成るタンクユニット71と、各機能液タンク91および各機能液滴吐出ヘッド41を接続する複数(12本)の機能液供給チューブ72と、各機能液供給チューブ72を各機能液タンク91および各機能液滴吐出ヘッド41に接続するための複数(12個)の接続具73と、複数の機能液供給チューブ72に介設した複数(12個)の圧力調整弁161から成るバルブユニット74と、を有している。
図3に示すように、支持フレーム43は、略方形の枠状に形成されており、その長手方向に対し、ヘッドユニット15、バルブユニット74、タンクユニット71の順でこれらを搭載している。図示省略したが、支持フレーム43には、ヘッドユニット15を下側から遊嵌する開口が形成されていると共に、ヘッドユニット15(ヘッドプレート42)を位置決めするためのヘッド位置決め機構が設けられている。ヘッド位置決め機構は、支持フレーム43から下方に突出する3本の位置決めピン(図示省略)を有し、この3本の位置決めピンをヘッドプレート42の端面に当接させることにより、開口に遊嵌したヘッドユニット15を、ヘッドユニット15の長辺方向と、支持フレーム43の短辺方向を一致させた状態で精度良く位置決めして搭載可能となっている。なお、支持フレーム43には、その長辺部分に、一対のハンドル81が取り付けられており、この一対のハンドル81を手持ち部位として、支持フレーム43をメインキャリッジ14(キャリッジ本体63)に着脱可能に投入できるようになっている。
タンクユニット71は、12個の機能液タンク91と、これらを位置決めする12個のセット部111を有し、12個の機能液タンク91を支持するタンクプレート92と、各機能液タンク91を各セット部111に装着(セット)するためのタンクセット治具93と、で構成されている。図5に示すように、機能液タンク91は、カートリッジ形式のものであり、機能液を真空パックした機能液パック101と、機能液パック101を収容する樹脂製のカートリッジケース108と、を有している。なお、機能液パック101に貯留される機能液は、予め脱気されており、その溶存気体量は略ゼロとなっている。
機能液パック101は、2枚の長方形の(可撓性の)フィルムシート102を重ね合わせて熱溶着した袋状のものに、機能液を供給する樹脂製の供給口103を取り付けたものである。機能液パック101は、貯留する機能液の減少に伴い、扁平に変形し、機能液を最後まで使い切ることが可能となっている。供給口103には、パック内に連通する連通開口104が形成されている。連通開口104は、機能液耐食性を有するブチルゴム等の弾性材で構成した閉塞部材105により閉栓されており、連通開口104から空気(酸素)や湿気が侵入することを防止できるようになっている。なお、パック内に貯留された機能液の劣化を防止するため、フィルムシート102には、機能液に対する耐食性や気体非透過性、防水性等を有する複数の素材を積層した積層構造のものが採用されている。
カートリッジケース108は、1つの面を開口した扁平な箱状のケース本体109と、ケース本体109の開口を閉塞する蓋ケース(図示省略)とで形成され、内部に機能液パック101が収容される収容空間が構成されている。ケース本体109には、機能液パック101の供給口103に係合し、供給口103を外部に突出させた状態で係止する係止部(図示省略)が形成されている。
図3に示すように、タンクプレート92は、ステンレス等の厚板で略平行四辺形に形成されている。タンクプレート92には、機能液タンク91の供給口103をバルブユニット74側に向けた状態で機能液タンク91を縦置きに位置決めすると共に、これを着脱自在にセットする12個のセット部111が設けられている。同図に示すように、セット部111は、ヘッドプレート42に搭載した12個の機能液滴吐出ヘッド41の配置に倣い配置されている。すなわち、12個の機能液タンク91は、2個ずつ6組に分けられ、供給口103(機能液タンク91の前面)を機能液滴吐出ヘッド41に向けた状態で、タンクプレート92の長辺に沿うように支持フレーム43の短辺方向に位置ずれして配置される。なお、ここに言う縦置きとは、機能液パック101のフィルムシート102を略垂直とする置き方であり、フィルムシート102が略水平となる横置きに比べ、機能液タンク91の設置スペースをコンパクトに抑えることができる。
タンクセット治具93は、機能液タンク91の後面(機能液タンク91の前面に対向する面)を前方に押し込むことにより、機能液タンク91を前方にスライドさせてセット部111にセットするものであり、機能液タンク91を押し出すセット部材121と、セット部材121を支持する支持部材122と、を有している。タンクプレート92には、タンク後面側の長辺に沿ってガイド孔123が形成されており、支持部材122は、ガイド孔123に案内されてタンクプレート92上をスライドする構成となっている。そして、機能液タンク91のセット位置に合わせて支持部材122を移動させることにより、セット部材121を各機能液タンク91に対峙させ、機能液タンク91を適切にセットできるようになっている。
図5に示すように、機能液供給チューブ72は、各機能液タンク91および各圧力調整弁161を接続するタンク側チューブ131と、各圧力調整弁161および各機能液滴吐出ヘッド41を接続するヘッド側チューブ132と、を有している。これらのチューブ131、132は、上記した機能液パック101と同様に、機能液に対する耐食性、気体非透過性、防水性等を考慮した積層構造のもので構成されている。例えば、水系の機能液を用いた場合には、内側から順に、ポリエチレン層、接着剤層、エチレンビニルアルコール共重合体層、接着剤層、ポリエチレン層の順に積層した5層構造のチューブを用い、溶剤系の機能液を用いた場合には、内側から順に、エチレンビニルアルコール共重合体層、接着剤層、ポリエチレン層の順に積層した3層構造のチューブを用いる。なお、ポリエチレンは、防水性を有する素材であり、エチレンビニルアルコール共重合体は、気体非透過性を有する素材である。
接続具73は、機能液タンク91および機能液供給チューブ72の一端を接続するためのタンク側アダプタ141と、機能液滴吐出ヘッド41および機能液供給チューブ72の他端を接続するためのヘッド側アダプタ158と、を有している。タンク側アダプタ141は、機能液供給チューブ72の一端に直接接続されるチューブ接続部142と、機能液タンク91に接続されるタンク接続部151と、を有しており、両接続部142、151の内部には、機能液タンク91から機能液を供給するための機能液流路が形成されている。
チューブ接続部142は、機能液供給チューブ72を軸心に挿嵌する円筒雄ねじ部143と、円筒雄ねじ部143を支持するチューブ側フランジ144と、円筒雄ねじ部143の外側に螺合する雌ねじキャップ145と、円筒雄ねじ部143と雌ねじキャップ145との間に介設され、機能液供給チューブ72を液密に保持するチューブ側Oリング146と、で構成されている。一方、タンク接続部151は、軸心に流路を形成した接続針152と、接続針152を保持するタンク側フランジ153と、チューブ側フランジ144の接続針受入れ溝147に介設したタンク側Oリング154とで構成されている。チューブ接続部142とタンク接続部151とは、チューブ側フランジ144とタンク側フランジ153とをフランジ接合することにより接続されている。なお、両Oリング146、154は、ブチルゴム等の機能液耐食性、気体非透過性、および防水性を備えたものであることが好ましい。
接続針152は、先端が鋭利に形成されており、図示省略したが、この先端部分には内部流路に連なる微小な複数の流入孔を形成されている。すなわち、接続針152は、上記した機能液パック101(連通開口104)の閉塞部材105を貫いて差し込まれることにより機能液パック101に接続され、機能液パック101から機能液を流出させて流路を形成する。また、接続針152の基部は機能液供給チューブ72に挿入されており、内部流路と機能液供給チューブ72の流路とが接続されている。
なお、12個のタンク側アダプタ141は、「L」字に折り曲げられ、上記したタンクプレート92に固定された(複数の)アダプタ固定部材156に位置決めされた状態で支持されており、セット部111に機能液タンク91を完全にセット(装着)すると、タンク側アダプタ141の接続針152と機能液タンク91の連通開口部104とが接続されるようになっている(図10参照)。
ヘッド側アダプタ158は、ブチルゴムによって短尺の円筒形状に形成され、上半部内面に機能液供給チューブ72が接続され、下半部内面に機能液滴吐出ヘッド41の接続針52が接続されている。
バルブユニット74は、12個の圧力調整弁161と、12個の圧力調整弁161を支持する12個のバルブ支持部材162と、バルブ支持部材を介して12個の圧力調整弁161を支持するバルブプレート163と、で構成されている(図3参照)。
図6ないし図8に示すように、圧力調整弁161は、バルブハウジング171内に、機能液タンク91に連なる1次室172と、機能液滴吐出ヘッド41に連なる2次室173と、1次室172および2次室173を連通する連通流路174とを形成したものであり、2次室173の1の面には外部に面してダイヤフラム175が設けられ、連通流路174にはダイヤフラム175により開閉動作する弁体176が設けられている。機能液タンク91から1次室172に導入された機能液は、2次室173を介して機能液滴吐出ヘッド41に供給されるが、その際、ダイヤフラム175により大気圧を調整基準圧力として、連通流路174に設けた弁体176を開閉動作させることで2次室173の圧力調整を行うようになっている。
この圧力調整弁161は、図6ないし図8に示すように、ダイヤフラム175を垂直にした縦置きで用いられるため、以下、同図に倣って紙面の先方を「上」、手前を「下」、左方を「前」および右方を「後」として説明を進める。なお、図6および図7では、圧力調整弁161に、これをフレーム等(本実施形態ではバルブ支持部材162)に取り付けるための取付プレート181(支持プレート)、上記のタンク側チューブ131を繋ぎ込むための流入コネクタ182(ユニオン継手)および上記のヘッド側チューブを繋ぎ込むための流出コネクタ183(ユニオン継手)を組み込んだ状態を表している。
バルブハウジング171は、内部に1次室172を形成した1次室ハウジング191(1次室形成部)と、内部に2次室173を形成し、1次室ハウジング191より一回り大きく形成された2次室ハウジング192(2次室形成部)と、2次室ハウジング192にダイヤフラム175を固定するリングプレート193との3部材で構成され、いずれもステンレス等の耐食性材料で形成されている。1次室ハウジング191、2次室ハウジング192およびリングプレート193は、2次室ハウジング192に対し、前後からリングプレート193および1次室ハウジング191を重ね、複数本の段付平行ピン等でそれぞれ位置決めした後、ねじ止めするようにして組み立てられており、いずれも円形のダイヤフラム175の中心を通る軸線と同心円となる外観を有している。そして、1次室ハウジング191および2次室ハウジング192は、Oリング196を介して相互に気密に突合せ接合され、2次室ハウジング192およびリングプレート193は、ダイヤフラム175の縁部およびパッキン197を挟込み込んで相互に気密に突合せ接合されている。なお、1次室ハウジング191および2次室ハウジング192は、一体に形成することも可能である。
1次室ハウジング191には、ダイヤフラム175と同心となる円錐台(略円筒)形状の1次室172が形成されており、1次室172の内周壁172aは、後方に向かって僅かに拡開するテーパ面となっている。また、1次室ハウジング191の背面上部に形成した上部ボス部198には、機能液タンク91に連なる流入ポート201および1次室エアー抜きポート202が形成されている。1次室エアー抜きポート202は、上下方向に延在しており、1次室172に開口した1次室エアー抜き口203は、エアー溜りとなる1次室172の後部内周面の頂部に開口している。なお、図示の1次室エアー抜きポート202には、メクラ蓋204が螺合しているが、エアーチューブを接続する場合には、このメクラ蓋204に代えてコネクタ(継手)が螺合されることになる。
流入ポート201は、1次室ハウジング191の外周面に開口した流入口211と、1次室172の上端部に開口した1次室側開口212と、これらを連通する流入流路213とから成り、流入流路213は、所定の下り勾配となるように周方向斜めに形成されている(図6参照)。流入口211には、流入流路213の軸線方向から流入コネクタ182が螺合しており、この流入コネクタ182が介して上記のタンク側チューブ131が接続されている。流入コネクタ182の内部流路は、下流端で拡開形成されており、内部流路に段部が生じないように且つ機能液の流速に大きな変化が生じないようになっている。1次室側開口212は、上記の1次室エアー抜き口203に隣接した位置、すなわち1次室の頂部を周方向に外れた位置に開口している。機能液タンク91から流入する機能液は、流入流路213の勾配に従って斜めに流下し、1次室側開口212から1次室172の内周壁172aに沿って1次室172に流入する。
2次室ハウジング192と密接する1次室ハウジング191の前面には、1次室172の外側に位置して断面矩形の第1環状溝216が形成され、この第1環状溝に上記のOリング196が挿填されている。また、1次室ハウジング191の下部は、弓形に切り欠かれており、この欠損部分には、後述する流出コネクタ183が配設されている。
図8に示すように、2次室ハウジング192には、ダイヤフラム175を取り付けるための前面を開放した円錐台(略円筒)形状の主室221と、主室221の後方に連なり、主室側に拡開した円錐台(略円筒)形状のばね室222と、ばね室222と1次室172を連通する上記の連通流路174とが形成されている。また、これら主室221、ばね室222および連通流路174は、いずれもダイヤフラム175と同心の円形断面を有している。ただし、連通流路174は、後述する弁体176の軸部262がスライド自在に収容される円形断面の軸遊挿部223と、軸遊挿部223から径方向四方に延びる十字状断面の流路部224とで構成されている(図7参照)。なお、2次室ハウジング192の前面には、後述のパッキン197用に環状の浅溝225が形成されている。
主室221の内周壁221aは、ダイヤフラム175のマイナス変形に倣うように前方に向かって大きく拡開するテーパ面となっており、このテーパ面に臨むように2次室エアー抜きポート231および流出ポート241が上下に形成されている。2次室エアー抜きポート231は、2次室ハウジング192の背面上部(後面上部)に形成した鉛直ボス部234に形成され、上下方向に幾分傾斜して延在している。2次室173に開口した2次室エアー抜きポート231の2次室エアー抜き口232は、エアー溜りとなる2次室173の前部内周面のテーパ面を含む頂部に開口している。この場合も、図示の2次室エアー抜きポート231には、メクラ蓋235が螺合しているが、エアーチューブを接続する場合には、このメクラ蓋235に代えてコネクタ(継手)が螺合されることになる。
流出ポート241は、2次室ハウジング192の背面下部に位置する傾斜ボス部242に形成されおり、2次室ハウジング192の背面下部に開口した流出口243と、2次室173の下端部に開口した2次室側開口244と、これらを連通する流出流路245とで構成されている。流出流路245は、テーパ面に略直交して所定の下り勾配となるように、前後方向斜めに形成されている。流出口243は、流出流路の軸線方向から流出コネクタ183が螺合しており、この流出コネクタ183が介して上記のヘッド側チューブ132が接続されている。流出コネクタ183の内部流路は、上流端で拡開形成されており、内部流路に段部が生じないように且つ機能液の流速に大きな変化が生じないようになっている。2次室側開口244は、2次室173の谷部を含むテーパ面に対し斜面幅いっぱいに開口している。2次室から流出する機能液は、2次室側開口244から流出流路245の勾配に従って斜めに流下し、機能液滴吐出ヘッド41側に流出する。
リングプレート193は、2次室ハウジング192の前面との間にダイヤフラム175を挟持固定するものであり、2次室側の内面には、ダイヤフラム175の縁部に接するパッキン197用の固定溝251が形成されている。本実施形態では、上記した浅溝225と固定溝251でパッキン197を挟み込むことにより、リングプレート193と2次室ハウジング192を密着させるようになっているが、パッキン自体が弾性を有しているため、2次室ハウジング192に浅溝225を必ずしも形成する必要はない。
ダイヤフラム175は、樹脂フィルムで構成したダイヤフラム本体252と、ダイヤフラム本体252の内側に貼着した樹脂性の受圧板253とで構成されている。受圧板253は、ダイヤフラム本体252と同心の円板状に、且つダイヤフラム本体252に対し十分に小さい径に形成されており、その中央に後述する弁体176の軸部262が当接する。ダイヤフラム本体252は、耐熱PP(ポリプロピレン)と特殊PPとシリカを蒸着したPET(ポリエチレンテレフタレート)とを積層して構成されており、2次室ハウジング192の前面と同径の円形に形成されている。ダイヤフラム175は、これに外側から添設したパッキン197と共にリングプレート193により2次室ハウジング192の前面に気密に固定される。なお、受圧板253は、ダイヤフラム本体252の外側に設けてもよいが、後述する弁体176の軸部262が離接を繰り返すため、ダイヤフラム本体252の損傷を防止すべく本実施形態では内側に設けている。
弁体176は、円板状の弁体本体261と、弁体本体261の中心から断面横「T」字状を為すように一方向に延びる軸部262と、弁体本体261の軸部側(前面)に設けた(接着した)環状のバルブシール263とで構成されている。弁体本体261および軸部262は、ステンレス等の耐食材料で一体に形成されており、弁体本体261の前面には、軸部262の外側に位置して環状の小突起264が形成されている。バルブシール263は、例えば軟質のシリコンゴムで構成され、その前面には、上記の小突起264に対応して、環状の突起となるシール突起265が突設されている。このため、弁体176の閉弁時には、弁座となる2次室バルブハウジング171の背面、すなわち連通流路174の開口縁にシール突起265が強く当接して、連通流路174が1次室側から液密に閉塞される。なお、2次室173の僅かな圧力変動に応じて弁体176を開閉可能とするために、弁体本体261は、ダイヤフラム175よりも十分に小さく形成されている(図8参照)。
軸部262は、連通流路174にスライド自在に遊嵌され、閉弁状態でその先端(前端)が中立位置にあるダイヤフラム175の受圧板253に当接する。すなわち、ダイヤフラム175が外部に向かって膨出するプラス変形の状態では、軸部262の前端と受圧板253との間には所定の間隙が生じており、この状態からダイヤフラム175がマイナス側に変形してゆくと、リングプレート193と平行な中立状態で軸部262の前端と受圧板253とが当接し、さらにダイヤフラム175のマイナス変形がすすむと、受圧板253が軸部262を介して弁体本体261を押し開弁させることになる。したがって、2次室173の容積のうち、ダイヤフラム175がプラス変形から中立状態となる容積分は、1次室側の圧力を一切受けることなく、機能液の供給が為される。
一方、弁体176(弁本本体261)の背面261aと1次室の後面壁との間の間には、弁体を2次室側、すなわち閉弁方向に付勢する弁体付勢ばね267が介設されている。同様に、受圧板253と2次室のばね室222との間には、受圧板253を介してダイヤフラム本体252を外部に向かって付勢する受圧板付勢ばね268が介設されている。この場合、弁体付勢ばね267は、弁体176の背面261aに加わる機能液タンク91の水頭を補完するものであり、機能液タンク91の水頭とこの弁体付勢ばね267のばね力により、弁体176が閉塞方向に押圧される。一方、受圧板付勢ばね268は、ダイヤフラム175のプラス変形を補完するものであり、大気圧に対し2次室が僅かに負圧になるように作用する。
詳細は後述するが、圧力調整弁161は、大気圧と機能液滴吐出ヘッド41に連なる2次室173と圧力バランスにより弁体176が進退して開閉するが、その際、弁体付勢ばね267および受圧板付勢ばね268に力が分散して作用し、且つ軟質シリコンゴムのバルブシール263(の弾性力)により、弁体176は極めてゆっくり開閉動作する。このため、弁体176の開閉による圧力変動(キャビテーション)が抑制され、機能液滴吐出ヘッド41の吐出駆動に影響を与えないようになっている。もちろん、機能液タンク側(1次側)で発生する脈動等も、弁体176で縁切りされるため、これを吸収する(ダンパー機能)ことができる。
図6および図7に示すように、取付プレート181は、ステンレス板で構成されており、2次室ハウジング192の側部背面に固定されている。取付プレート181の両面には、その上下中間位置にダイヤフラム175の中心位置を示す線状のマーク271が刻設されており、このマーク271により、後述する機能液滴吐出ヘッド41に対し圧力調整弁161を所定の高低差を持って設置するときの指標としている。なお、図中の符号272は、取付プレート181のマーク271とダイヤフラム175の中心位置とを位置合わせするための長孔であり、取付プレート181はこの位置合わせを行った後、バルブハウジング171に固定される。
次に、図9を参照して、圧力調整弁161の動作原理について説明する。1次室172には、機能液タンク91に貯留した機能液の液位に基づく水頭(設計上は、機能液パック101の供給口の中心軸と1次室の中心軸との間の水頭差)が作用しており、この水頭に基づく圧力と弁体付勢ばね267のばね力とが、弁体の閉弁力として作用する。
すなわち、水頭に基づく単位面積当たりの圧力をP1とし、弁体本体261の背面261aの面積をS1とし、弁体付勢ばね267のばね力をW1としたときに、1次室側から弁体176に作用する力F1は、
F1=(P1×S1)+W1
となる。なお、W1は、バルブシール263の弾性力を考慮した値となっており、ここでは、ばね力とバルブシール263の弾性力(付勢力)との合計をW1としている。
一方、2次室側から弁体176に作用する力:F2は、2次室173の内圧をP2とし、ダイヤフラム175の中心径面積をS2とし、受圧板付勢ばね268のばね力をW2としたときに、
F2=(P2×S2)−W2
となる。なお、P1およびP2は、ゲージ圧力である。また、ダイヤフラム175の中心径Dは、ダイヤフラム本体252の外径および受圧板253の外径の平均径であり、S2=(D/2)×(D/2)×πで表される。
弁体176は、F2>F1の状態で開弁動作し、F1>F2の状態で閉弁動作する。本実施形態では、W1はおよびW2は、実験的に決定され、S1は、W1に基づいて設定される。そして、略大気圧を基準調整圧力として弁体176が開閉するように、上記の関係に従って、ダイヤフラム175の中心径Dをさらに求め、ダイヤフラム本体252の外径および受圧板253の外径を設定するようになっている。
すなわち、ダイヤフラム175がプラス変形の状態から、機能液滴吐出ヘッド41により機能液が消費(吐出)され、2次室の負圧が増すと、ダイヤフラム175が大気圧に押されて中立状態からマイナス変形に移行する。これにより、受圧板253を介して弁体176が押されてゆっくり開弁する。弁体176が開弁すると、連通流路174を介して1次室172から2次室173に機能液が流入する。これにより2次室173の圧力が増し、弁体176がゆっくりと閉弁する。そして、弁体176の閉弁後も大気圧に抗して受圧板付勢ばね268が作用してゆき、ダイヤフラム175をプラス変形させると共に、2次室173内の機能液圧力を僅かに負圧状態にさせる。上記の動作をゆっくり繰り返すことにより、2次室173をほぼ一定の圧力に維持したまま、機能液が供給される。
同様に、機能液の初期充填においても、機能液滴吐出ヘッド側からの機能液の強制吸引により上記の動作が為され、バルブ内流路に機能液が充填される。なお、2次室173内の機能液の圧力は、受圧板付勢ばね268により大気圧よりも低い圧力に維持されている。このため、機能液滴吐出ヘッド41(ノズル面57)の位置と、圧力調整弁161(ダイヤフラム175の中心)の位置との高低差を一定の値にしておくことにより、機能液滴吐出ヘッド41からの液垂が防止されている。
このように、実施形態の圧力調整弁161は、大気圧を調整基準圧力として弁体が開閉する構造であるため、1次室側が極端に高い圧力とならない限り、一定の低い圧力で機能液を機能液滴吐出ヘッド41に供給することができる。すなわち、機能液タンク91の水頭に影響されることなく、機能液の機能液滴吐出ヘッド41に対する供給を安定に行うことができる。
各バルブ支持部材162は、圧力調整弁161を縦置き状態で支持しており、バルブプレート163にねじ止めする固定部281と、固定部281から鉛直に延び、圧力調整弁161をねじ止めする鉛直支持部282と、で構成されている。上述したように、圧力調整弁161の1次室172、2次室173、および連通流路174は、ダイヤフラム175と同心の円形に形成されているため、圧力調整弁161を縦置きするとその内壁に気泡が残留し難くなっている。したがって、圧力調整弁161を縦置きすることにより、流入ポート201から供給された機能液に気泡が混入していたとしても、気泡は1次室172または2次室173の上方に溜まるため、流出ポート241から気泡が流出することを防止できるようになっている。
図6および図7に示すように、鉛直支持部282の両面には、上記したダイヤフラム175の中心位置を基準にして、圧力調整弁161を所定の高さに固定するための指標マーク283が設けられており、この指標マーク283に、上記した取付プレート181のマーク271を合わせた状態で圧力調整弁161を固定することにより、圧力調整弁161を所定の高さ位置に支持させることができ、圧力調整弁161からの機能液供給圧を所定圧とすることができるようになっている。なお、図中の符号284は、取付プレート181を位置調整可能に固定するための長孔である。
なお、図10に示すように、機能液滴吐出ヘッド41および圧力調整弁161の水頭差は、予め設定されており、この設定値に基づいて機能液滴吐出ヘッド41および圧力調整弁161の高低差が定められている。具体的には、設定された水頭差に基づいて、機能液滴吐出ヘッド41のノズル面57の高さ位置よりも、ダイヤフラム175の中心位置の高さが所定の高さ(本実施形態では95mm)だけ高くなるように、ダイヤフラム175の中心位置が決定される。なお、この機能液滴吐出ヘッド41のノズル面57に対するダイヤフラム175の中心位置の高さは、機能液の特性(例えば比重)によって、変化させることが好ましい。
また、本実施形態では、圧力調整弁161の高さ位置に基づいて、機能液タンク91の高さ位置が設定されており、圧力調整弁161の1次室と、機能液タンク91との水頭差(自然流下)により、機能液タンク91から圧力調整弁161に機能液が流れるように構成されている。より具体的には、支持フレーム43に機能液タンク91および圧力調整弁161を搭載したときに、圧力調整弁161の流入口211よりも、機能液タンク91の供給口103が高い位置となるように機能液タンク91は位置設定される。すなわち、機能液タンク91は、機能液滴吐出ヘッド41のノズル面57の高さ位置に基づいて設定された圧力調整弁161の高さ位置を基準として、その高さが設定されるようになっている(図10参照)。
バルブプレート163は、ステンレス等の方形の厚板を切り欠いて形成されている。バルブプレート163には、12個のバルブ支持部材162が立設している。12個のバルブ支持部材162も、機能液滴吐出ヘッド41の配置に倣って配置され、12個の圧力調整弁161を支持フレーム43の短辺方向に位置ずれした状態で支持している(図3参照)。
ヘッド保守装置5は、機台2上に載置され、X軸方向に延在する移動テーブル291と、移動テーブル291上に載置した吸引ユニット292と、吸引ユニット292に並んで移動テーブル291上に配設されたワイピングユニット293と、を備えている。移動テーブル291は、X軸方向に移動可能に構成されており、機能液滴吐出ヘッド41の保守時には、吸引ユニット292およびワイピングユニット293を適宜保守エリア33に移動させる構成となっている。なお、上記の各ユニットに加え、機能液滴吐出ヘッド41から吐出された機能液滴の飛行状態を検査する吐出検査ユニットや、機能液滴吐出ヘッド41から吐出された機能液滴の重量を測定する重量測定ユニット等を、ヘッド保守装置5に搭載することが好ましい。
図1に示すように、吸引ユニット292は、キャップスタンド301と、キャップスタンド301に支持され、機能液滴吐出ヘッド41のノズル面57に密着させる(機能液滴吐出ヘッド41の配置に対応した12個の)キャップ302と、各キャップ302を介して(12個の)機能液滴吐出ヘッド41を吸引可能な単一の吸引ポンプ303と、各キャップ302と吸引ポンプ303とを接続する吸引チューブ(図示省略)と、を有している。なお、図示省略したが、キャップスタンド301には、モータ駆動により、各キャップ302を昇降させるキャップ昇降機構305が組み込まれており、保守エリア33に臨んだヘッドユニット15の各機能液滴吐出ヘッド41に対して、対応するキャップ302を離接できるようになっている。また、図示省略したが、吸引チューブのキャップ302の下流側(吸引ポンプ303側)には、吸引圧力を検出する吸引圧検出センサ306、吸引チューブを通過する機能液の有無を検出する液体検出センサ307が設けられている。
そして、機能液滴吐出ヘッド41の吸引を行う場合には、キャップ昇降機構305を駆動して、機能液滴吐出ヘッド41のノズル面57にキャップ302を密着させると共に、吸引ポンプ303を駆動する。これにより、キャップ302を介して機能液滴吐出ヘッド41に吸引力を作用させることができ、機能液滴吐出ヘッド41から機能液が強制的に排出される。この機能液の吸引は、機能液滴吐出ヘッド41の目詰まりを解消/防止するために行われる他、描画装置1を新設した場合や、機能液滴吐出ヘッド41のヘッド交換場合などに、機能液タンク91から機能液滴吐出ヘッド41に至る機能液流路に機能液を充填するために行われる。
なお、キャップ302は、機能液滴吐出ヘッド41の捨て吐出(予備吐出)により吐出された機能液を受けるフラッシングボックスの機能を有しており、ワークWの交換時のように、ワークWに対する描画を一時的に停止するときに行う定期フラッシングの機能液を受けるようになっている。この捨て吐出(フラッシング動作)では、キャップ昇降機構305は、機能液滴吐出ヘッド41のノズル面57からキャップ302(の上面)を僅かに離間する位置に移動させる。
また、吸引ユニット292は、描画装置1の非稼動時に、機能液滴吐出ヘッド41を保管するためにも用いられる。この場合、保守エリア33にヘッドユニット15を臨ませ、機能液滴吐出ヘッド41のノズル面57にキャップ302を密着させる。これにより、ノズル面57が封止され、機能液滴吐出ヘッド41(吐出ノズル58)の乾燥を防いで、吐出ノズル58のノズル詰まりを防止できるようになっている。
図1に示すように、ワイピングユニット293は、巻取りモータ312(図示省略)の駆動により、ロール状に巻回したワイピングシート313を繰り出しながら巻き取ってゆく巻取りユニット311と、洗浄液ノズル(噴霧ノズル:図示省略)を有し、繰り出したワイピングシート313に洗浄液を散布する洗浄液供給ユニット314と、洗浄液が散布されたワイピングシート313でノズル面57を拭取る拭取りユニット315と、を備えている。そして、保守エリア33に位置するヘッドユニット15に対してワイピングユニット293を臨ませ、機能液滴吐出ヘッド41のノズル面57を、洗浄液を含浸したワイピングシート313でワイピング動作(拭き取り)することにより、ノズル面57に付着する(機能液)汚れを除去する。
制御装置6は、パソコン等で構成されている。図示省略したが、装置本体には、キーボードやマウス等の入力装置、FDドライブやCD−ROMドライブ等の各種ドライブ(図示省略)、モニタディスプレイ等の周辺機器が接続されている。
次に、図11を参照しながら描画装置1の主制御系について説明する。描画装置1は、液滴吐出装置3を有する液滴吐出部321と、ヘッド保守装置5を有するヘッド保守部322と、液滴吐出装置3やヘッド保守装置5の各種センサを有し、各種検出を行う検出部323と、各部を駆動する駆動部324と、各部に接続され、描画装置1全体の制御を行う制御部325(制御装置6)と、を備えている。
制御部325には、液滴吐出装置3およびヘッド保守装置5を接続するためのインタフェース331、一時的に記憶可能な記憶領域を有し、制御処理のための作業領域として使用されるRAM332、各種記憶領域を有し、制御プログラムや制御データを記憶するROM333、ワークWに描画を行うための描画データや、液滴吐出装置3およびヘッド保守装置5からの各種データ等を記憶すると共に、各種データを処理するためのプログラム等を記憶するハードディスク334、ROM333やハードディスク334に記憶されたプログラム等に従い、各種データを演算処理するCPU335、これらを互いに接続するバス336、が備えられている。
そして、制御部325は、液滴吐出装置3、ヘッド保守装置5等からの各種データを、インタフェース331を介して入力すると共に、ハードディスク334に記憶された(または、CD−ROMドライブ等により順次読み出される)プログラムに従ってCPU335に演算処理させ、その処理結果を、インタフェース331を介して液滴吐出装置3やヘッド保守装置5等に出力することにより、各手段を制御している。
ところで、図6および図7に示すように、上記した圧力調整弁161は、円形のダイヤフラム175を基調として、1次室172、2次室173、および連通流路174がダイヤフラム175と同心の円形に形成されていると共に、弁体176(弁体本体261)もダイヤフラム175と同心に配置されているため、ダイヤフラム175が受ける力(2次室173内の圧力変動)に応じて、精度良く安定的に弁体176を開閉させることができるようになっている。
同図に示すように、前方に拡開する2次室173の径は、ダイヤフラム175と同径となっており、2次室173は、ダイヤフラム175を取付可能な最小の平面形状に形成される。一方、1次室172は、弁体本体261の径に基づいて弁体176の開閉運動を許容可能な最小の径に形成されており、1次室172の後方面は、弁体本体261と略同径に形成されている。これにより、1次室172および2次室173の体積を小さく抑えることができ、機能液タンク91から機能液滴吐出ヘッド41に至る機能液流路内に貯留される機能液量を削減することができる。
また、1次室172の平面形状を小さくし、その体積を抑えることにより、1次室ハウジング191をコンパクトにすることができる。本実施形態では、1次室ハウジング191も1次室172(ダイヤフラム175)と同心の略円形に形成しており、より効果的に1次室ハウジング191を小型化できるようになっている。2次室ハウジング192も同様であり、コンパクトに形成されている。したがって、圧力調整弁161自体を小型化して、省スペースとすることができる。
次に、本実施形態の描画装置1を用いて製造される電気光学装置(フラットパネルディスプレイ)として、カラーフィルタ、液晶表示装置、有機EL装置、プラズマディスプレイ(PDP装置)、電子放出装置(FED装置、SED装置)、更にこれら表示装置に形成されてなるアクティブマトリクス基板等を例に、これらの構造およびその製造方法について説明する。なお、アクティブマトリクス基板とは、薄膜トランジスタ、及び薄膜トランジスタに電気的に接続するソース線、データ線が形成された基板を言う。
先ず、液晶表示装置や有機EL装置等に組み込まれるカラーフィルタの製造方法について説明する。図12は、カラーフィルタの製造工程を示すフローチャート、図13は、製造工程順に示した本実施形態のカラーフィルタ600(フィルタ基体600A)の模式断面図である。
まず、ブラックマトリクス形成工程(S101)では、図13(a)に示すように、基板(W)601上にブラックマトリクス602を形成する。ブラックマトリクス602は、金属クロム、金属クロムと酸化クロムの積層体、または樹脂ブラック等により形成される。金属薄膜からなるブラックマトリクス602を形成するには、スパッタ法や蒸着法等を用いることができる。また、樹脂薄膜からなるブラックマトリクス602を形成する場合には、グラビア印刷法、フォトレジスト法、熱転写法等を用いることができる。
続いて、バンク形成工程(S102)において、ブラックマトリクス602上に重畳する状態でバンク603を形成する。即ち、まず図13(b)に示すように、基板601及びブラックマトリクス602を覆うようにネガ型の透明な感光性樹脂からなるレジスト層604を形成する。そして、その上面をマトリクスパターン形状に形成されたマスクフィルム605で被覆した状態で露光処理を行う。
さらに、図13(c)に示すように、レジスト層604の未露光部分をエッチング処理することによりレジスト層604をパターニングして、バンク603を形成する。なお、樹脂ブラックによりブラックマトリクスを形成する場合は、ブラックマトリクスとバンクとを兼用することが可能となる。
このバンク603とその下のブラックマトリクス602は、各画素領域607aを区画する区画壁部607bとなり、後の着色層形成工程において機能液滴吐出ヘッド41により着色層(成膜部)608R、608G、608Bを形成する際に機能液滴の着弾領域を規定する。
以上のブラックマトリクス形成工程及びバンク形成工程を経ることにより、上記フィルタ基体600Aが得られる。
なお、本実施形態においては、バンク603の材料として、塗膜表面が疎液(疎水)性となる樹脂材料を用いている。そして、基板(ガラス基板)601の表面が親液(親水)性であるので、後述する着色層形成工程においてバンク603(区画壁部607b)に囲まれた各画素領域607a内への液滴の着弾位置精度が向上する。
次に、着色層形成工程(S103)では、図13(d)に示すように、機能液滴吐出ヘッド41によって機能液滴を吐出して区画壁部607bで囲まれた各画素領域607a内に着弾させる。この場合、機能液滴吐出ヘッド41を用いて、R・G・Bの3色の機能液(フィルタ材料)を導入して、機能液滴の吐出を行う。なお、R・G・Bの3色の配列パターンとしては、ストライブ配列、モザイク配列およびデルタ配列等がある。
その後、乾燥処理(加熱等の処理)を経て機能液を定着させ、3色の着色層608R、608G、608Bを形成する。着色層608R、608G、608Bを形成したならば、保護膜形成工程(S104)に移り、図13(e)に示すように、基板601、区画壁部607b、および着色層608R、608G、608Bの上面を覆うように保護膜609を形成する。
即ち、基板601の着色層608R、608G、608Bが形成されている面全体に保護膜用塗布液が吐出された後、乾燥処理を経て保護膜609が形成される。
そして、保護膜609を形成した後、カラーフィルタ600は、次工程の透明電極となるITO(Indium Tin Oxide)などの膜付け工程に移行する。
図14は、上記のカラーフィルタ600を用いた液晶表示装置の一例としてのパッシブマトリックス型液晶装置(液晶装置)の概略構成を示す要部断面図である。この液晶装置620に、液晶駆動用IC、バックライト、支持体などの付帯要素を装着することによって、最終製品としての透過型液晶表示装置が得られる。なお、カラーフィルタ600は図13に示したものと同一であるので、対応する部位には同一の符号を付し、その説明は省略する。
この液晶装置620は、カラーフィルタ600、ガラス基板等からなる対向基板621、及び、これらの間に挟持されたSTN(Super Twisted Nematic)液晶組成物からなる液晶層622により概略構成されており、カラーフィルタ600を図中上側(観測者側)に配置している。
なお、図示していないが、対向基板621およびカラーフィルタ600の外面(液晶層622側とは反対側の面)には偏光板がそれぞれ配設され、また対向基板621側に位置する偏光板の外側には、バックライトが配設されている。
カラーフィルタ600の保護膜609上(液晶層側)には、図14において左右方向に長尺な短冊状の第1電極623が所定の間隔で複数形成されており、この第1電極623のカラーフィルタ600側とは反対側の面を覆うように第1配向膜624が形成されている。
一方、対向基板621におけるカラーフィルタ600と対向する面には、カラーフィルタ600の第1電極623と直交する方向に長尺な短冊状の第2電極626が所定の間隔で複数形成され、この第2電極626の液晶層622側の面を覆うように第2配向膜627が形成されている。これらの第1電極623および第2電極626は、ITOなどの透明導電材料により形成されている。
液晶層622内に設けられたスペーサ628は、液晶層622の厚さ(セルギャップ)を一定に保持するための部材である。また、シール材629は液晶層622内の液晶組成物が外部へ漏出するのを防止するための部材である。なお、第1電極623の一端部は引き回し配線623aとしてシール材629の外側まで延在している。
そして、第1電極623と第2電極626とが交差する部分が画素であり、この画素となる部分に、カラーフィルタ600の着色層608R、608G、608Bが位置するように構成されている。
通常の製造工程では、カラーフィルタ600に、第1電極623のパターニングおよび第1配向膜624の塗布を行ってカラーフィルタ600側の部分を作成すると共に、これとは別に対向基板621に、第2電極626のパターニングおよび第2配向膜627の塗布を行って対向基板621側の部分を作成する。その後、対向基板621側の部分にスペーサ628およびシール材629を作り込み、この状態でカラーフィルタ600側の部分を貼り合わせる。次いで、シール材629の注入口から液晶層622を構成する液晶を注入し、注入口を閉止する。その後、両偏光板およびバックライトを積層する。
実施形態の描画装置1は、例えば上記のセルギャップを構成するスペーサ材料(機能液)を塗布すると共に、対向基板621側の部分にカラーフィルタ600側の部分を貼り合わせる前に、シール材629で囲んだ領域に液晶(機能液)を均一に塗布することが可能である。また、上記のシール材629の印刷を、機能液滴吐出ヘッド41で行うことも可能である。さらに、第1・第2両配向膜624,627の塗布を機能液滴吐出ヘッド41で行うことも可能である。
図15は、本実施形態において製造したカラーフィルタ600を用いた液晶装置の第2の例の概略構成を示す要部断面図である。
この液晶装置630が上記液晶装置620と大きく異なる点は、カラーフィルタ600を図中下側(観測者側とは反対側)に配置した点である。
この液晶装置630は、カラーフィルタ600とガラス基板等からなる対向基板631との間にSTN液晶からなる液晶層632が挟持されて概略構成されている。なお、図示していないが、対向基板631およびカラーフィルタ600の外面には偏光板等がそれぞれ配設されている。
カラーフィルタ600の保護膜609上(液晶層632側)には、図中奥行き方向に長尺な短冊状の第1電極633が所定の間隔で複数形成されており、この第1電極633の液晶層632側の面を覆うように第1配向膜634が形成されている。
対向基板631のカラーフィルタ600と対向する面上には、カラーフィルタ600側の第1電極633と直交する方向に延在する複数の短冊状の第2電極636が所定の間隔で形成され、この第2電極636の液晶層632側の面を覆うように第2配向膜637が形成されている。
液晶層632には、この液晶層632の厚さを一定に保持するためのスペーサ638と、液晶層632内の液晶組成物が外部へ漏出するのを防止するためのシール材639が設けられている。
そして、上記した液晶装置620と同様に、第1電極633と第2電極636との交差する部分が画素であり、この画素となる部位に、カラーフィルタ600の着色層608R、608G、608Bが位置するように構成されている。
図16は、本発明を適用したカラーフィルタ600を用いて液晶装置を構成した第3の例を示したもので、透過型のTFT(Thin Film Transistor)型液晶装置の概略構成を示す分解斜視図である。
この液晶装置650は、カラーフィルタ600を図中上側(観測者側)に配置したものである。
この液晶装置650は、カラーフィルタ600と、これに対向するように配置された対向基板651と、これらの間に挟持された図示しない液晶層と、カラーフィルタ600の上面側(観測者側)に配置された偏光板655と、対向基板651の下面側に配設された偏光板(図示せず)とにより概略構成されている。
カラーフィルタ600の保護膜609の表面(対向基板651側の面)には液晶駆動用の電極656が形成されている。この電極656は、ITO等の透明導電材料からなり、後述の画素電極660が形成される領域全体を覆う全面電極となっている。また、この電極656の画素電極660とは反対側の面を覆った状態で配向膜657が設けられている。
対向基板651のカラーフィルタ600と対向する面には絶縁層658が形成されており、この絶縁層658上には、走査線661及び信号線662が互いに直交する状態で形成されている。そして、これらの走査線661と信号線662とに囲まれた領域内には画素電極660が形成されている。なお、実際の液晶装置では、画素電極660上に配向膜が設けられるが、図示を省略している。
また、画素電極660の切欠部と走査線661と信号線662とに囲まれた部分には、ソース電極、ドレイン電極、半導体、およびゲート電極とを具備する薄膜トランジスタ663が組み込まれて構成されている。そして、走査線661と信号線662に対する信号の印加によって薄膜トランジスタ663をオン・オフして画素電極660への通電制御を行うことができるように構成されている。
なお、上記の各例の液晶装置620,630,650は、透過型の構成としたが、反射層あるいは半透過反射層を設けて、反射型の液晶装置あるいは半透過反射型の液晶装置とすることもできる。
次に、図17は、有機EL装置の表示領域(以下、単に表示装置700と称する)の要部断面図である。
この表示装置700は、基板(W)701上に、回路素子部702、発光素子部703及び陰極704が積層された状態で概略構成されている。
この表示装置700においては、発光素子部703から基板701側に発した光が、回路素子部702及び基板701を透過して観測者側に出射されるとともに、発光素子部703から基板701の反対側に発した光が陰極704により反射された後、回路素子部702及び基板701を透過して観測者側に出射されるようになっている。
回路素子部702と基板701との間にはシリコン酸化膜からなる下地保護膜706が形成され、この下地保護膜706上(発光素子部703側)に多結晶シリコンからなる島状の半導体膜707が形成されている。この半導体膜707の左右の領域には、ソース領域707a及びドレイン領域707bが高濃度陽イオン打ち込みによりそれぞれ形成されている。そして陽イオンが打ち込まれない中央部がチャネル領域707cとなっている。
また、回路素子部702には、下地保護膜706及び半導体膜707を覆う透明なゲート絶縁膜708が形成され、このゲート絶縁膜708上の半導体膜707のチャネル領域707cに対応する位置には、例えばAl、Mo、Ta、Ti、W等から構成されるゲート電極709が形成されている。このゲート電極709及びゲート絶縁膜708上には、透明な第1層間絶縁膜711aと第2層間絶縁膜711bが形成されている。また、第1、第2層間絶縁膜711a、711bを貫通して、半導体膜707のソース領域707a、ドレイン領域707bにそれぞれ連通するコンタクトホール712a,712bが形成されている。
そして、第2層間絶縁膜711b上には、ITO等からなる透明な画素電極713が所定の形状にパターニングされて形成され、この画素電極713は、コンタクトホール712aを通じてソース領域707aに接続されている。
また、第1層間絶縁膜711a上には電源線714が配設されており、この電源線714は、コンタクトホール712bを通じてドレイン領域707bに接続されている。
このように、回路素子部702には、各画素電極713に接続された駆動用の薄膜トランジスタ715がそれぞれ形成されている。
上記発光素子部703は、複数の画素電極713上の各々に積層された機能層717と、各画素電極713及び機能層717の間に備えられて各機能層717を区画するバンク部718とにより概略構成されている。
これら画素電極713、機能層717、及び、機能層717上に配設された陰極704によって発光素子が構成されている。なお、画素電極713は、平面視略矩形状にパターニングされて形成されており、各画素電極713の間にバンク部718が形成されている。
バンク部718は、例えばSiO、SiO2、TiO2等の無機材料により形成される無機物バンク層718a(第1バンク層)と、この無機物バンク層718a上に積層され、アクリル樹脂、ポリイミド樹脂等の耐熱性、耐溶媒性に優れたレジストにより形成される断面台形状の有機物バンク層718b(第2バンク層)とにより構成されている。このバンク部718の一部は、画素電極713の周縁部上に乗上げた状態で形成されている。
そして、各バンク部718の間には、画素電極713に対して上方に向けて次第に拡開した開口部719が形成されている。
上記機能層717は、開口部719内において画素電極713上に積層状態で形成された正孔注入/輸送層717aと、この正孔注入/輸送層717a上に形成された発光層717bとにより構成されている。なお、この発光層717bに隣接してその他の機能を有する他の機能層を更に形成しても良い。例えば、電子輸送層を形成する事も可能である。
正孔注入/輸送層717aは、画素電極713側から正孔を輸送して発光層717bに注入する機能を有する。この正孔注入/輸送層717aは、正孔注入/輸送層形成材料を含む第1組成物(機能液)を吐出することで形成される。正孔注入/輸送層形成材料としては、公知の材料を用いる。
発光層717bは、赤色(R)、緑色(G)、又は青色(B)の何れかに発光するもので、発光層形成材料(発光材料)を含む第2組成物(機能液)を吐出することで形成される。第2組成物の溶媒(非極性溶媒)としては、正孔注入/輸送層717aに対して不溶な公知の材料を用いることが好ましく、このような非極性溶媒を発光層717bの第2組成物に用いることにより、正孔注入/輸送層717aを再溶解させることなく発光層717bを形成することができる。
そして、発光層717bでは、正孔注入/輸送層717aから注入された正孔と、陰極704から注入される電子が発光層で再結合して発光するように構成されている。
陰極704は、発光素子部703の全面を覆う状態で形成されており、画素電極713と対になって機能層717に電流を流す役割を果たす。なお、この陰極704の上部には図示しない封止部材が配置される。
次に、上記の表示装置700の製造工程を図18〜図26を参照して説明する。
この表示装置700は、図18に示すように、バンク部形成工程(S111)、表面処理工程(S112)、正孔注入/輸送層形成工程(S113)、発光層形成工程(S114)、及び対向電極形成工程(S115)を経て製造される。なお、製造工程は例示するものに限られるものではなく必要に応じてその他の工程が除かれる場合、また追加される場合もある。
まず、バンク部形成工程(S111)では、図19に示すように、第2層間絶縁膜711b上に無機物バンク層718aを形成する。この無機物バンク層718aは、形成位置に無機物膜を形成した後、この無機物膜をフォトリソグラフィ技術等によりパターニングすることにより形成される。このとき、無機物バンク層718aの一部は画素電極713の周縁部と重なるように形成される。
無機物バンク層718aを形成したならば、図20に示すように、無機物バンク層718a上に有機物バンク層718bを形成する。この有機物バンク層718bも無機物バンク層718aと同様にフォトリソグラフィ技術等によりパターニングして形成される。
このようにしてバンク部718が形成される。また、これに伴い、各バンク部718間には、画素電極713に対して上方に開口した開口部719が形成される。この開口部719は、画素領域を規定する。
表面処理工程(S112)では、親液化処理及び撥液化処理が行われる。親液化処理を施す領域は、無機物バンク層718aの第1積層部718aa及び画素電極713の電極面713aであり、これらの領域は、例えば酸素を処理ガスとするプラズマ処理によって親液性に表面処理される。このプラズマ処理は、画素電極713であるITOの洗浄等も兼ねている。
また、撥液化処理は、有機物バンク層718bの壁面718s及び有機物バンク層718bの上面718tに施され、例えば4フッ化メタンを処理ガスとするプラズマ処理によって表面がフッ化処理(撥液性に処理)される。
この表面処理工程を行うことにより、機能液滴吐出ヘッド41を用いて機能層717を形成する際に、機能液滴を画素領域に、より確実に着弾させることができ、また、画素領域に着弾した機能液滴が開口部719から溢れ出るのを防止することが可能となる。
そして、以上の工程を経ることにより、表示装置基体700Aが得られる。この表示装置基体700Aは、図1に示した描画装置1のセットテーブル23に載置され、以下の正孔注入/輸送層形成工程(S113)及び発光層形成工程(S114)が行われる。
図21に示すように、正孔注入/輸送層形成工程(S113)では、機能液滴吐出ヘッド41から正孔注入/輸送層形成材料を含む第1組成物を画素領域である各開口部719内に吐出する。その後、図22に示すように、乾燥処理及び熱処理を行い、第1組成物に含まれる極性溶媒を蒸発させ、画素電極(電極面713a)713上に正孔注入/輸送層717aを形成する。
次に発光層形成工程(S114)について説明する。この発光層形成工程では、上述したように、正孔注入/輸送層717aの再溶解を防止するために、発光層形成の際に用いる第2組成物の溶媒として、正孔注入/輸送層717aに対して不溶な非極性溶媒を用いる。
しかしその一方で、正孔注入/輸送層717aは、非極性溶媒に対する親和性が低いため、非極性溶媒を含む第2組成物を正孔注入/輸送層717a上に吐出しても、正孔注入/輸送層717aと発光層717bとを密着させることができなくなるか、あるいは発光層717bを均一に塗布できない虞がある。
そこで、非極性溶媒ならびに発光層形成材料に対する正孔注入/輸送層717aの表面の親和性を高めるために、発光層形成の前に表面処理(表面改質処理)を行うことが好ましい。この表面処理は、発光層形成の際に用いる第2組成物の非極性溶媒と同一溶媒またはこれに類する溶媒である表面改質材を、正孔注入/輸送層717a上に塗布し、これを乾燥させることにより行う。
このような処理を施すことで、正孔注入/輸送層717aの表面が非極性溶媒になじみやすくなり、この後の工程で、発光層形成材料を含む第2組成物を正孔注入/輸送層717aに均一に塗布することができる。
そして次に、図23に示すように、各色のうちの何れか(図23の例では青色(B))に対応する発光層形成材料を含有する第2組成物を機能液滴として画素領域(開口部719)内に所定量打ち込む。画素領域内に打ち込まれた第2組成物は、正孔注入/輸送層717a上に広がって開口部719内に満たされる。なお、万一、第2組成物が画素領域から外れてバンク部718の上面718t上に着弾した場合でも、この上面718tは、上述したように撥液処理が施されているので、第2組成物が開口部719内に転がり込み易くなっている。
その後、乾燥工程等を行う事により、吐出後の第2組成物を乾燥処理し、第2組成物に含まれる非極性溶媒を蒸発させ、図24に示すように、正孔注入/輸送層717a上に発光層717bが形成される。この図の場合、青色(B)に対応する発光層717bが形成されている。
同様に、機能液滴吐出ヘッド41を用い、図25に示すように、上記した青色(B)に対応する発光層717bの場合と同様の工程を順次行い、他の色(赤色(R)及び緑色(G))に対応する発光層717bを形成する。なお、発光層717bの形成順序は、例示した順序に限られるものではなく、どのような順番で形成しても良い。例えば、発光層形成材料に応じて形成する順番を決める事も可能である。また、R・G・Bの3色の配列パターンとしては、ストライブ配列、モザイク配列およびデルタ配列等がある。
以上のようにして、画素電極713上に機能層717、即ち、正孔注入/輸送層717a及び発光層717bが形成される。そして、対向電極形成工程(S115)に移行する。
対向電極形成工程(S115)では、図26に示すように、発光層717b及び有機物バンク層718bの全面に陰極704(対向電極)を、例えば蒸着法、スパッタ法、CVD法等によって形成する。この陰極704は、本実施形態においては、例えば、カルシウム層とアルミニウム層とが積層されて構成されている。
この陰極704の上部には、電極としてのAl膜、Ag膜や、その酸化防止のためのSiO2、SiN等の保護層が適宜設けられる。
このようにして陰極704を形成した後、この陰極704の上部を封止部材により封止する封止処理や配線処理等のその他処理等を施すことにより、表示装置700が得られる。
次に、図27は、プラズマ型表示装置(PDP装置:以下、単に表示装置800と称する)の要部分解斜視図である。なお、同図では表示装置800を、その一部を切り欠いた状態で示してある。
この表示装置800は、互いに対向して配置された第1基板801、第2基板802、及びこれらの間に形成される放電表示部803を含んで概略構成される。放電表示部803は、複数の放電室805により構成されている。これらの複数の放電室805のうち、赤色放電室805R、緑色放電室805G、青色放電室805Bの3つの放電室805が組になって1つの画素を構成するように配置されている。
第1基板801の上面には所定の間隔で縞状にアドレス電極806が形成され、このアドレス電極806と第1基板801の上面とを覆うように誘電体層807が形成されている。誘電体層807上には、各アドレス電極806の間に位置し、且つ各アドレス電極806に沿うように隔壁808が立設されている。この隔壁808は、図示するようにアドレス電極806の幅方向両側に延在するものと、アドレス電極806と直交する方向に延設された図示しないものを含む。
そして、この隔壁808によって仕切られた領域が放電室805となっている。
放電室805内には蛍光体809が配置されている。蛍光体809は、赤(R)、緑(G)、青(B)の何れかの色の蛍光を発光するもので、赤色放電室805Rの底部には赤色蛍光体809Rが、緑色放電室805Gの底部には緑色蛍光体809Gが、青色放電室805Bの底部には青色蛍光体809Bが各々配置されている。
第2基板802の図中下側の面には、上記アドレス電極806と直交する方向に複数の表示電極811が所定の間隔で縞状に形成されている。そして、これらを覆うように誘電体層812、及びMgOなどからなる保護膜813が形成されている。
第1基板801と第2基板802とは、アドレス電極806と表示電極811が互いに直交する状態で対向させて貼り合わされている。なお、上記アドレス電極806と表示電極811は図示しない交流電源に接続されている。
そして、各電極806,811に通電することにより、放電表示部803において蛍光体809が励起発光し、カラー表示が可能となる。
本実施形態においては、上記アドレス電極806、表示電極811、及び蛍光体809を、図1に示した描画装置1を用いて形成することができる。以下、第1基板801におけるアドレス電極806の形成工程を例示する。
この場合、第1基板801を描画装置1のセットテーブル23に載置された状態で以下の工程が行われる。
まず、機能液滴吐出ヘッド41により、導電膜配線形成用材料を含有する液体材料(機能液)を機能液滴としてアドレス電極形成領域に着弾させる。この液体材料は、導電膜配線形成用材料として、金属等の導電性微粒子を分散媒に分散したものである。この導電性微粒子としては、金、銀、銅、パラジウム、又はニッケル等を含有する金属微粒子や、導電性ポリマー等が用いられる。
補充対象となる全てのアドレス電極形成領域について液体材料の補充が終了したならば、吐出後の液体材料を乾燥処理し、液体材料に含まれる分散媒を蒸発させることによりアドレス電極806が形成される。
ところで、上記においてはアドレス電極806の形成を例示したが、上記表示電極811及び蛍光体809についても上記各工程を経ることにより形成することができる。
表示電極811の形成の場合、アドレス電極806の場合と同様に、導電膜配線形成用材料を含有する液体材料(機能液)を機能液滴として表示電極形成領域に着弾させる。
また、蛍光体809の形成の場合には、各色(R,G,B)に対応する蛍光材料を含んだ液体材料(機能液)を機能液滴吐出ヘッド41から液滴として吐出し、対応する色の放電室805内に着弾させる。
次に、図28は、電子放出装置(FED装置あるいはSED装置ともいう:以下、単に表示装置900と称する)の要部断面図である。なお、同図では表示装置900を、その一部を断面として示してある。
この表示装置900は、互いに対向して配置された第1基板901、第2基板902、及びこれらの間に形成される電界放出表示部903を含んで概略構成される。電界放出表示部903は、マトリクス状に配置した複数の電子放出部905により構成されている。
第1基板901の上面には、カソード電極906を構成する第1素子電極906aおよび第2素子電極906bが相互に直交するように形成されている。また、第1素子電極906aおよび第2素子電極906bで仕切られた部分には、ギャップ908を形成した導電性膜907が形成されている。すなわち、第1素子電極906a、第2素子電極906bおよび導電性膜907により複数の電子放出部905が構成されている。導電性膜907は、例えば酸化パラジウム(PdO)等で構成され、またギャップ908は、導電性膜907を成膜した後、フォーミング等で形成される。
第2基板902の下面には、カソード電極906に対峙するアノード電極909が形成されている。アノード電極909の下面には、格子状のバンク部911が形成され、このバンク部911で囲まれた下向きの各開口部912に、電子放出部905に対応するように蛍光体913が配置されている。蛍光体913は、赤(R)、緑(G)、青(B)の何れかの色の蛍光を発光するもので、各開口部912には、赤色蛍光体913R、緑色蛍光体913Gおよび青色蛍光体913Bが、上記した所定のパターンで配置されている。
そして、このように構成した第1基板901と第2基板902とは、微小な間隙を存して貼り合わされている。この表示装置900では、導電性膜(ギャップ908)907を介して、陰極である第1素子電極906aまたは第2素子電極906bから飛び出す電子を、陽極であるアノード電極909に形成した蛍光体913に当てて励起発光し、カラー表示が可能となる。
この場合も、他の実施形態と同様に、第1素子電極906a、第2素子電極906b、導電性膜907およびアノード電極909を、描画装置1を用いて形成することができると共に、各色の蛍光体913R,913G,913Bを、描画装置1を用いて形成することができる。
第1素子電極906a、第2素子電極906bおよび導電性膜907は、図29(a)に示す平面形状を有しており、これらを成膜する場合には、図29(b)に示すように、予め第1素子電極906a、第2素子電極906bおよび導電性膜907を作り込む部分を残して、バンク部BBを形成(フォトリソグラフィ法)する。次に、バンク部BBにより構成された溝部分に、第1素子電極906aおよび第2素子電極906bを形成(描画装置1によるインクジェット法)し、その溶剤を乾燥させて成膜を行った後、導電性膜907を形成(描画装置1によるインクジェット法)する。そして、導電性膜907を成膜後、バンク部BBを取り除き(アッシング剥離処理)、上記のフォーミング処理に移行する。なお、上記の有機EL装置の場合と同様に、第1基板901および第2基板902に対する親液化処理や、バンク部911,BBに対する撥液化処理を行うことが、好ましい。
また、他の電気光学装置としては、金属配線形成、レンズ形成、レジスト形成および光拡散体形成等の装置が考えられる。上記した描画装置1を各種の電気光学装置(デバイス)の製造に用いることにより、各種の電気光学装置を効率的に製造することが可能である。
本発明の実施形態に係る描画装置の平面模式図である。 本発明の実施形態に係る描画装置の正面模式図である。 支持フレーム廻りの平面模式図である。 機能液滴吐出ヘッドの外観斜視図である。 機能液タンク廻りの説明図である。 圧力調整弁を背面から見た外観斜視図である。 圧力調整弁の説明図であり、(a)は、圧力調整弁の背面図、(b)は、圧力調整弁の正面図である。 圧力調整弁の説明図であり、(a)は、圧力調整弁の縦断面図、(b)は、1次室廻りを拡大した縦断面図である。 圧力調整弁の動作を説明するための説明図である。 機能液滴吐出ヘッド、圧力調整弁、および機能液タンクの高さ関係を示した図である。 描画装置の主制御系について説明したブロック図である。 カラーフィルタ製造工程を説明するフローチャートである。 (a)〜(e)は、製造工程順に示したカラーフィルタの模式断面図である。 本発明を適用したカラーフィルタを用いた液晶装置の概略構成を示す要部断面図である。 本発明を適用したカラーフィルタを用いた第2の例の液晶装置の概略構成を示す要部断面図である。 本発明を適用したカラーフィルタを用いた第3の例の液晶装置の概略構成を示す要部断面図である。 有機EL装置である表示装置の要部断面図である。 有機EL装置である表示装置の製造工程を説明するフローチャートである。 無機物バンク層の形成を説明する工程図である。 有機物バンク層の形成を説明する工程図である。 正孔注入/輸送層を形成する過程を説明する工程図である。 正孔注入/輸送層が形成された状態を説明する工程図である。 青色の発光層を形成する過程を説明する工程図である。 青色の発光層が形成された状態を説明する工程図である。 各色の発光層が形成された状態を説明する工程図である。 陰極の形成を説明する工程図である。 プラズマ型表示装置(PDP装置)である表示装置の要部分解斜視図である。 電子放出装置(FED装置)である表示装置の要部断面図である。 表示装置の電子放出部廻りの平面図(a)およびその形成方法を示す平面図(b)である。
符号の説明
1 描画装置 14 メインキャリッジ
41 機能液滴吐出ヘッド 72 機能液供給チューブ
91 機能液タンク 161 圧力調整弁
163 バルブプレート 172 1次室
173 2次室 174 連通流路
175 ダイヤフラム 176 弁体
181 取付プレート 183 流出コネクタ
191 1次室ハウジング 192 2次室ハウジング
241 流出ポート 271 マーク
W ワーク

Claims (10)

  1. 機能液タンクからバルブハウジングに形成した1次室に導入した機能液を、前記バルブハウジングに形成した2次室を介して機能液滴吐出ヘッドに供給すると共に、前記2次室の1つの面を構成すると共に、大気に面した円形のダイヤフラムが受ける大気圧を調整基準圧力として、前記1次室と前記2次室とを連通する連通流路を開閉する圧力調整弁において、
    前記2次室は、前記ダイヤフラムと同心の略円柱状に形成され、
    前記2次室を形成する前記バルブハウジングの2次室形成部は、前記2次室と同心の略円柱状に形成されていることを特徴とする圧力調整弁。
  2. 前記2次室は、前記ダイヤフラムの変位形態に倣って、前記ダイヤフラム側に拡開するテーパ形状に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の圧力調整弁。
  3. 前記1次室は、前記ダイヤフラムの変位方向において前記2次室と隣接して設けられていると共に、
    前記1次室内を前記変位方向に開閉移動し、開閉方向において前記ダイヤフラムと同心の平面視円形に形成された弁体を備えており、
    前記1次室は、前記ダイヤフラムと同心の略円柱状に形成され、
    前記1次室を形成する前記バルブハウジングの1次室形成部は、前記1次室と同心の略円柱状に形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の圧力調整弁。
  4. 前記1次室は、前記開閉方向において前記弁体と略同径に形成されていることを特徴とする請求項3に記載の圧力調整弁。
  5. 前記開閉方向に直交する平面形状において、前記2次室は、前記1次室に比して大きく形成されており、
    前記1次室形成部の一部は、弓形状に切り欠かれ、
    前記2次室の流出ポートに接続されるコネクタは、前記1次室形成部の切欠部に臨むように配設されることを特徴とする請求項3または4に記載の圧力調整弁。
  6. 前記バルブハウジングには、これを縦置きに支持するための支持プレートが取り付けられており、
    前記支持プレートには、前記ダイヤフラムの中心位置を示すマークが形成されていることを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の圧力調整弁。
  7. 機能液流路を介して機能液タンクに接続された機能液滴吐出ヘッドを、ワークに対して相対的に移動させ、前記機能液滴吐出ヘッドを吐出駆動することにより、前記ワーク上に機能液滴による描画を行う描画装置において、
    前記機能液流路には、請求項1ないし6のいずれかに記載の圧力調整弁が介設されていることを特徴とする描画装置。
  8. 請求項7に記載の描画装置を用い、前記ワーク上に機能液滴による成膜部を形成することを特徴とする電気光学装置の製造方法。
  9. 請求項7に記載の描画装置を用い、前記ワーク上に機能液滴による成膜部を形成したことを特徴とする電気光学装置。
  10. 請求項8に記載の電気光学装置の製造方法により製造した電気光学装置、または請求項9に記載の電気光学装置を搭載したことを特徴とする電子機器。
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