JP2005340855A - 半導体装置の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】従来方法では、TiSi2膜のグレインサイズよりも小さな配線幅の配線のシリサイド化でも、グレインサイズよりも大きな配線幅の配線のシリサイド化と比べ、低いシート抵抗が得られない。そこで、耐熱性が高く、炉アニールにて900℃、30分程度行っても凝集することがないチタンシリサイド膜を製造する。
【解決手段】シリコン上に窒素原子に比べチタン原子が多く含まれた窒化チタン膜を堆積する工程と、前記シリコンと窒化チタン膜を熱処理により反応させチタンシリサイドを形成する工程において、上記シリコンの表面近傍の酸素濃度が1×1018個/cm3以下である。
【選択図】 図1

Description

本発明は、耐熱性に優れた低抵抗なシリサイド膜を形成する半導体装置の製造方法に関する。
従来の自己整合シリサイド化技術に関する製造方法は、図12に示すような方法がある。まず、図12(a)に示すように、半導体基板401上にフィールド酸化膜402、ゲート酸化膜403、側壁が絶縁膜405で覆われた多結晶シリコンよりなるゲート電極404を形成する工程と、図12(b)に示すように、酸化膜406を堆積した後、該酸化膜406を介して、ソース、ドレインとなる領域に高濃度の不純物イオンたとえば、NMOSの場合、砒素イオン、PMOSの場合、ボロンイオン等を注入した後、活性化の為の熱処理(たとえば、窒素雰囲気中で、900℃、10分)を行い、ソース、ドレイン領域407を形成する工程と、図12(c)に示すように、フッ酸を含む溶液等により、ソース、ドレイン領域407、及びゲート電極404上の上記酸化膜406を除去した後、チタン金属膜408をスパッター法により、アルゴン雰囲気中で堆積する工程と、図12(d)に示すように、窒素雰囲気中で、650℃、20秒程度の第一の急速加熱処理を行い、ソース、ドレイン領域407及び、ゲート電極404のシリコンとチタン金属を反応させ、化学量論的に準安定な、TiSi2 C49結晶構造のチタンシリサイド膜409を形成する工程と(このとき、該チタン金属膜408表面は、窒化チタン膜410に変化する)、図12(e)に示すように、硫酸と、過酸化水素水の混合溶液で、未反応のチタン金属408、及び、上記第一の急速加熱処理により形成された窒化チタン膜410を選択的にエッチング除去した後、窒素雰囲気中で、800℃、20秒程度の第2の急速加熱処理により、上記チタンシリサイド膜409を、化学量論的に安定な、TiSi2 C54結晶構造のチタンシリサイド膜411に変化させる工程とにより一般的に製造されている。
シリコン半導体装置に於ては、トランジスタ形成プロセスを経た後、その上に層間絶縁膜を堆積し、該層間絶縁膜の緻密化及び、リフローの為のアニール工程が必要となる。通常、アニール工程は、850℃以上で効果が有り、900℃以上でなお良い。
しかしながら、従来のチタンシリサイド膜形成工程では、(1)TiとSiの反応系に於て、いくら装置、環境の清浄度を向上しようとも、工程に起因する(酸化膜を介しての不純物イオン注入)酸素の混入が避けられず、Ti、Si、Oの3元系でのシリサイド化反応となる。(2)上記3元系でのシリサイド化反応では、TiSi2の粒界に、優先的にSiO2が形成され、シート抵抗が高くなり、且つ、耐熱性が悪くなる。特にTiSi2のグレインサイズよりも小さい配線幅の配線のシリサイド化で、該問題点が顕著となる。つまり、TiSi2のグレインサイズよりも小さい配線幅の配線のシリサイド化については、900℃以下のRTA処理で、C49からC54結晶構造への変化が起こりにくく、非常に抵抗の高いチタンシリサイド膜となる。逆に高温900℃以上のRTAを行った場合、C49からC54結晶構造への変化は起こりやすくなるが、広い配線幅の配線をシリサイド化したときのシリサイド膜と比較し、耐熱性が悪くなり凝集しやすいうえ、更に広い配線幅のシリサイド膜でも凝集が始まるため、確実に凝集するという問題がある。(4)従来のシリサイド化技術により、シリサイド膜を形成した後、層間膜リフローの為、800℃を越えるような熱処理を行った場合、凝集が発生し、チタンの拡散により、ソース、ドレイン領域の接合リークが増大すると共に、ゲート酸化膜の信頼性が劣化する。また、配線抵抗が上昇し、特に、TiSi2のグレインサイズより小さい線幅の配線のシリサイド化(たとえばゲート電極)に関しては、シリサイド膜で裏打ちを行っていない配線と何等変わらないレベルまで、シート抵抗が上昇する。
そこで、本発明の目的は、上記問題点を解決しうる半導体装置の製造方法を提供することにある。
本発明の半導体装置の製造方法は、ソースおよびドレイン領域に、耐熱性に優れた低抵抗なシリサイド膜を形成する半導体装置の製造方法であって、シリサイド化反応によって前記シリサイド膜を形成する際、少なくとも前記シリサイド膜が形成される領域のシリコン基板表面の酸素濃度を1×1018個/cm以下にすることを特徴とするものである。
また、本発明の半導体装置の製造方法は、ソースおよびドレイン領域に、耐熱性に優れた低抵抗なシリサイド膜を形成する半導体装置の製造方法であって、シリコン基板上にシリサイド膜を形成するための膜を堆積する工程と、シリサイド化反応によって前記シリサイド膜を形成する工程とを包含し、前記シリサイド化反応前の前記シリコン基板表面の酸素濃度を、1×1018個/cm以下にすることを特徴とするものである。
また、本発明の半導体装置の製造方法は、ソースおよびドレイン領域に、耐熱性に優れた低抵抗なシリサイド膜を形成する半導体装置の製造方法であって、表面の酸素濃度が1×1018個/cm以下となるシリコン基板を供給する工程と、前記シリコン基板上にシリサイド膜を形成するための膜を堆積する工程と、シリサイド化反応によって前記シリサイド膜を形成する工程とを包含することを特徴とするものである。
また、本発明の半導体装置の製造方法は、ソース、ドレイン、およびゲート領域に、耐熱性に優れた低抵抗なシリサイド膜を形成する半導体装置の製造方法であって、シリサイド化反応によって前記シリサイド膜を形成する際、少なくとも前記シリサイド膜が形成される領域の、シリコン基板表面の酸素濃度およびゲート電極の酸素濃度を1×1018個/cm以下にすることを特徴とするものである。
また、本発明の半導体装置の製造方法は、ソース、ドレイン、およびゲート領域に、耐熱性に優れた低抵抗なシリサイド膜を形成する半導体装置の製造方法であって、シリコン基板上およびゲート電極上に、前記シリサイド膜を形成するための膜を堆積する工程と、シリサイド化反応によって前記シリサイド膜を形成する工程とを包含し、前記シリサイド化反応前の前記シリコン基板表面の酸素濃度および前記ゲート電極の酸素濃度を、1×1018個/cm以下にすることを特徴とするものである。
また、本発明の半導体装置の製造方法は、ソース、ドレイン、およびゲート領域に、耐熱性に優れた低抵抗なシリサイド膜を形成する半導体装置の製造方法であって、表面の酸素濃度が1×1018個/cm以下となるシリコン基板を供給する工程と、酸素濃度が1×1018個/cm以下となるゲート電極を形成する工程と、前記シリコン基板上および前記ゲート電極上にシリサイド膜を形成するための膜を堆積する工程と、シリサイド化反応によって前記シリサイド膜を形成する工程とを包含することを特徴とするものである。
前記ゲート電極が多結晶シリコン膜であることを特徴としてもよい。
前記ゲート電極が非晶質シリコン膜であることを特徴としてもよい。
本発明によるチタンシリサイドの製造方法において、シリコン上に窒素原子に比べチタン原子が多く含まれた窒化チタン膜を堆積する工程と、前記シリコンと窒化チタン膜を熱処理により反応させチタンシリサイドを形成する工程において、上記シリコンの表面近傍の酸素濃度が1×1018個/cm3以下であることを特徴とする。
また、本発明のチタンシリサイドの製造方法において、上記シリコンとはゲート電極となる多結晶シリコン膜であることを特徴とする。
また、本発明のチタンシリサイドの製造方法において、上記多結晶シリコン膜は、ロードロック室を備えたLP−CVD装置によって堆積され、前記ロードロック室の露点は−100℃以下に保たれていることを特徴とする。
また、本発明のチタンシリサイドの製造方法において、シリコン基板上に窒化チタン膜を堆積する工程と、前記シリコン基板と窒素原子に比べチタン原子が多く含まれた窒化チタン膜を熱処理により反応させチタンシリサイドを形成する工程において、前記シリコン基板にはIG処理を行い、シリサイド化反応前の半導体基板表面の酸素濃度を1×1018個/cm3以下とすることを特徴とする。
また、本発明のチタンシリサイドの製造方法において、上記窒化チタン膜は、チタンターゲットを用いて、アルゴンガスと窒素ガスの混合ガスの中で、反応性スパッタ法により堆積し、前記アルゴンガスと、窒素ガスの混合比における窒素ガスの割合は、0.1〜10%の範囲であることを特徴とする。
本発明によれば、TiSi2 C54結晶のグレインの間に、TiNが存在しているため、グレイン間にSiO2が存在しているときと比較し、シート抵抗が低く、特に、TiSi2膜のグレインサイズよりも小さな配線幅の配線のシリサイド化でも、グレインサイズよりも大きな配線幅の配線のシリサイド化と比べ、TiSi2膜のシート抵抗に関し、同一の低い値が得られる。更に、TiSi2とTiNの界面自由エネルギーは、TiSi2とSiO2の界面自由エネルギーと比較し小さい。つまり、再結晶化を起こす温度(TiSi2では、約815℃)以上では、より安定化するために、界面自由エネルギーを低くするようにはたらくため、TiSi2とSiO2の接触面積をより少なくする方向にはたらく(TiSi2とSiO2の界面自由エネルギーが、TiSi2とSi等の界面自由エネルギーと比較し、非常に大きい)。よって、TiSi2 C54結晶のグレイン間にSiO2が存在しているとき、その膜は、グレイン間にTiNが存在している膜と比較し、より低温で凝集が始まる。逆にグレイン間にTiNが存在している膜は、耐熱性が高く、炉アニールにて900℃、30分程度行っても凝集することがないという作用がある。
TiとSiの反応における酸素混入の経路としては、チタン金属と反応する下地シリコン基板、或いは、シリコン膜中の酸素、特に、通常のLPCVDシリコン堆積装置で堆積した多結晶シリコン膜よりなるゲート電極中の酸素(通常のLPCVDシリコン堆積装置で堆積した多結晶シリコン膜中には、1×1018個/cm3以上の酸素原子を含んでいる)、及び、堆積されたチタン膜と、下地シリコン膜、或いは、シリコン基板との界面に存在する自然酸化膜、及び、堆積されたチタン金属中に存在する酸素、及び、第一の急速加熱処理を行うために、大気解放を行った時にチタン金属表面に吸着する酸素、及び、第一の急速加熱処理中の雰囲気中に混入する酸素等がある。
さらに、従来技術で最も問題となり、装置、及びガスの清浄度と関わり無く混入してくる酸素として、図12(b)の工程に置けるソース、ドレイン領域形成のためのイオン注入の際にノックオンされる酸素がある。酸化膜406は、イオン注入時の汚染を防ぐために必ず必要である。特にCMOSプロセスにおいては、ドナーとアクセプターの打ち分けのため、ホトレジストによるマスクが必要となり、重金属の非常に混入しているホトレジストを直接半導体基板に塗布しないように、酸化膜406を介する必要がある。以上の事から、従来法では、チタンと、シリコンの反応過程における酸素の混入は、避けられない。
表1にTiN、TiO2、SiO2、TiSi2の生成エンタルピーを示す。表1より、Ti、Si、O、Nの4元系の反応では、酸化物(TiO2、SiO2)が最も優先的に形成されることが判る。
Figure 2005340855
第一の急速加熱処理は、チタンシリサイド膜が横方向に成長し、隣接する配線間(例えばソース−ゲート間、ドレイン−ゲート間)で短絡しないように出来る限り低温(575℃〜650℃)で行う必要がある。従来のTiSi2膜形成方法では、第一の急速加熱処理をいくら精製窒素雰囲気中で行っても、Ti、Si、Oの3元系でのシリサイド化反応となり、TiSi2の粒界に、優先的に酸化物が形成される。酸化物(TiO2、SiO2)を含むTiSi2膜(600℃前後の第一の急速加熱処理後は、基本的に準安定なTiSi2 C49結晶構造となっている)を安定な、TiSi2 C54結晶構造に変化させるために、第二の急速過熱処理は、800℃以上で行う必要がある。Ti、Si、Oの3元系相図によれば、800℃以上の熱処理において、チタンダイシリサイド(TiSi2)と共存する酸化物相は、SiO2のみとされているので、第二の急速加熱処理後のTiSi2膜の粒界には、SiO2のみが存在している事になる。
従来の技術により形成された、粒界にSiO2を含むチタンシリサイド膜は、シート抵抗が高くなり、かつ耐熱性が悪くなる。特に、TiSi2のグレインサイズより小さい線幅のシリサイド化(たとえばゲート電極)に関しては、シート抵抗の上昇が著しく大きくなる。TiSi2の融点(Tm)は、1540℃であり、一般に金属などの再結晶化は、融点(Tm)の0.6倍で顕著になるとされているため、0.6Tmは、815℃に相当する。よって、上記粒界に、SiO2を含むようなTiSi2膜は、層間絶縁膜リフロー工程で必要となる850℃以上の熱処理で、粒界に存在するSiO2を境として、TiSi2の表面自由エネルギーにより、TiSi2膜の凝集が始まる。このように凝集したチタンシリサイド膜は、部分的に分断され、もはや、シリサイドを裏打ちした低抵抗な配線とは言えなくなる。特に、TiSi2のグレインサイズより小さい線幅の配線のシリサイド化(たとえばゲート電極)に関しては、シリサイド膜で裏打ちを行っていない配線と何等変わらないレベルまで、シート抵抗が上昇する。更に、凝集過程に於て、Ti原子がシリコン中を拡散するため、ソース、ドレイン領域に関しては、ジャンクション破壊によるリーク電流の増加、また、ゲート電極に関しては、ゲート酸化膜の信頼性劣化を招く。
本発明のチタンシリサイド膜の形成方法において、非常に活性なTi金属の変わりに窒化チタン膜を堆積した後、熱処理により、上記窒化チタン膜と、シリコン膜を反応させチタンシリサイド膜を形成する為、積極的に窒素をシリサイド膜中に入れることが出来、結果として、多少酸素成分が存在しようと、形成されたチタンシリサイド膜の粒界には、本発明の構造のように窒化チタン膜が形成されやすい。粒界にSiO2が存在する替わりにTiNが存在した場合、表面自由エネルギーを抑えることが可能となり、耐熱性に優れたチタンシリサイド膜となる。
また、窒化チタン膜を堆積した後にシリコンイオンを、窒化チタン膜と、シリコン膜(シリコン基板)の界面付近に注入するため、シリサイド化反応を行う前に、チタン原子とシリコン原子が、界面付近で混じりあい、シリサイド化反応が円滑に進行し、更に成膜されたシリサイド膜とシリコン膜の界面が非常にスムースになると同時にシリサイド膜の表面モホロジーを滑らかにすることが可能となり、このようなシリサイド膜は、凝集が起こりにくくなるため、さらなる耐熱性の向上が得られる。また、シリコン膜の少なくともシリサイド膜が形成される領域の酸素濃度が、1X1018個/cm3以下であることを特徴とする為、シリサイド化反応中に、チタンシリサイド膜中に取り込まれる酸素原子を極力少なくすることが出来、さらなる低抵抗化、及び耐熱性の向上が得られる。
本発明によれば、窒素ガスの混合比を0.1〜10%の範囲にすることにより、シリサイド化反応に支障をきたさない範囲で形成されたチタンシリサイド膜の粒界に優先的にTiNを形成することが出来る。ここで、表1の生成エンタルピーの関係より、TiSi2よりもTiNのほうが形成されやすいため、N原子よりもTi原子を十分多くする必要がある。
本発明によれば、シリコン膜上の自然酸化膜を除去した後、大気解放無しで、上記シリコン膜上に窒化チタン膜を堆積するため、窒化チタン膜とシリコン膜との界面の自然酸化膜をほぼ完全に除去することが可能となる。また、チタンシリサイド膜を形成した後、ドナー、或いはアクセプターとなる不純物をチタンシリサイド膜上部の窒化チタン膜を介してイオン注入法により上記チタンシリサイド膜及びその下層のシリコン膜中に注入する為、従来法のようにシリサイド化反応前に、イオン注入時に酸素原子がシリコン膜中にノックオンされることが無いと言う作用がある。つまり、チタンシリサイド膜粒界のSiO2の存在を極力抑えることが出来、低抵抗で耐熱性に優れたチタンシリサイド膜を形成することが可能となる。さらに、注入の飛呈(Rp)をチタンシリサイド膜中に注入することが出来るため、注入により、シリコン基板もしくはシリコン膜(この場合のシリコン膜とは、選択エピタキシャル成長等の技術により、トランジスタのソース、ドレイン領域に積み上げられたシリコン膜のこと)にダメージが入らないため、増速拡散を抑える事ができ、接合深さを抑える作用がある。
本発明によれば、本発明の第5の半導体装置の製造方法における窒化チタン膜を堆積した後にシリコンイオンを、窒化チタン膜と、シリコン膜(シリコン基板)の界面付近に注入するため、シリサイド化反応を行う前に、チタン原子とシリコン原子が、界面付近で混じりあい、シリサイド化反応が円滑に進行し、更に成膜されたシリサイド膜とシリコン膜の界面が非常にスムースになると同時にシリサイド膜の表面モホロジーを滑らかにすることが可能となり、このようなシリサイド膜は、凝集が起こりにくくなるため、さらなる耐熱性の向上が得られる。
本発明によれば、シリサイド膜中に取り込まれる酸素原子を極力少なくすることで、耐熱性に優れた低抵抗なシリサイド膜を形成することができるものである。
以下に、本発明を適用した半導体装置及びその製造方法の実施例について、詳細に説明する。
(第1の実施例)
図1(a)〜(e)及び図2(c−1)〜(c−3)に、本発明の第1の実施例に係わる半導体装置の製造工程を示す。
図3に、本発明で用いたロードロック室を備えたシリコンLP−CVD装置の概略を示す。
図4に、本発明で用いたロードロック室を備えたシリコンLP−CVD装置と、通常のシリコンLP−CVD装置によって堆積したシリコン膜中の酸素濃度のSIMS分析結果を示す。
図5に、本発明で用いたロードロック室を備えたシリコンLP−CVD装置によって堆積したシリコン膜上に本実施例にて形成したチタンシリサイド膜と、通常のシリコンLP−CVD装置によって堆積したシリコン膜上に従来例にて形成したチタンシリサイド膜の、シート抵抗の第2の急速熱処理温度依存性を示す。
図6に、本実施例にて形成したチタンシリサイド膜と、従来例にて形成したチタンシリサイド膜の、900℃、窒素雰囲気中、30分アニールした後の、断面模式図を示す。
図7に、本実施例にて形成したチタンシリサイド膜と、従来例にて形成したチタンシリサイド膜の、凝集機構の断面模式図を示す。
図8に、本実施例にて形成したチタンシリサイド膜を有するゲート電極と、従来例にて形成したチタンシリサイド膜を有するゲート電極の、シート抵抗のゲート長依存性を示す。
図9に、本実施例にて形成したチタンシリサイド膜を有するLDDトランジスタと、従来例にて形成したチタンシリサイド膜を有するLDDトランジスタの、ID−VD特性を示す。
まず、図1(a)に示すように、IG処理を施し、DZゾーンが形成され、表面酸素濃度が1×1018個/cm3以下の半導体基板101上に、フィールド酸化膜102、活性領域103、ゲート酸化膜104を形成する。
次に、図1(b)に示すように、予備真空排気室と、窒素パージされ露点が−100℃以下に保たれたロードロック室を備えたシリコンLP−CVD装置(図3参照)によって、約1500Å程度の多結晶シリコン膜105を堆積し、ゲート電極パターンに加工した後、該ゲート電極側壁にサイドウォールスペーサー106を形成する。
上記図3の装置での多結晶シリコン膜105の形成方法は、ゲート酸化直後のウェハを、予備真空排気室に入れた後、予備真空排気室を、10-1Pa程度に真空引きし、窒素パージされ、露点が−100℃以下に保たれたロードロック室に搬送し、窒素パージによりウェハー表面に吸着しているH2O分子を除去した後、ファーネスに搬送し、LP−CVD法で、99.9999%以上の純度のSiH4雰囲気中で、30Paの圧力で620℃程度の温度で多結晶シリコン膜を成膜している。このように成膜された膜中の酸素濃度は、図4に示すように、SIMS分析にて検出限界(1×1018個/cm3)以下と、非常に酸素濃度の低い多結晶シリコン膜となる。尚、シリコン膜以外は、本実施例と同様の工程を経て、シリサイド膜を形成し、シリコン膜のみ2×1018個/cm3の酸素濃度の膜を用いた実験では、形成されたシリサイド膜の耐熱性については、従来例と本実施例の中間の特性を示した。
次に、図1(c)に示すように、フッ酸系溶液にてウェハ表面の自然酸化膜を除去した後、ロードロックチャンバー、エッチングチャンバー、スパッタチャンバー、急速加熱処理室(RTAチャンバー)、及びそれぞれをつなぐ真空搬送室を有するクラスタ型装置にて自己整合的にゲート電極105及び活性領域103に化学量論的に準安定なTiSi2 C49結晶構造のチタンシリサイド膜109を形成する。
上記クラスタ型装置におけるチタンシリサイド膜の形成方法を以下に詳しく述べる。まず、図2(c−1)に示すように、フッ酸系溶液にて、シリコン膜(シリコン基板)表面の自然酸化膜(本実施例では、活性領域103及び、ゲート電極105表面の自然酸化膜)を除去した直後のウェハーをロードロック室に入れた後、エッチングチャンバーに搬送し、ロードロック室に入れるまでに再度形成された自然酸化膜107等を再度除去し、ウェハ表面を清浄化する。清浄化の方法は、本実施例では、アルゴンスパッタクリーニングエッチング法を用いている。(他にも、エッチングチャンバーの替わりに水素アニールチャンバーを設けて、酸化膜を還元除去する方法もある。この方法では、物理的にアルゴン原子をスパッタして、酸化膜をエッチングする方法と異なり、基板表面にダメージを受けないと言う利点がある。また、エッチングチャンバーの替わりに、HF気相洗浄チャンバーを設ける方法もある。)
次に、図2(c−2)に示すように、真空中(本実施例では、1×10-18Torr)、スパッタチャンバーに搬送し、アルゴンガスと、窒素ガスの混合ガス中で窒素ガスの割合は、0.1%〜10%の範囲で、反応性スパッタ法により、約50nmの窒化チタン膜108を堆積する。
次に、図2(c−3)に示すように、真空中(本実施例では、1×10-18Torr)、RTAチャンバーに搬送し、窒素雰囲気の下で575℃〜650℃の温度範囲(本実施例では、625℃)で20秒程度、第一の急速加熱処理を行い、シリコン膜(シリコン基板)103、105側に、チタンとシリコンの反応により、TiSi2 C49結晶構造のチタンシリサイド膜109を形成し、堆積された窒化チタン膜表面側を、より窒素の含有量の多い窒化チタン膜110にする。この時、シリコン膜(シリコン基板)が露出していない領域(ゲート電極サイドウォールスペーサー106、フィールド酸化膜102等)では、供給されるシリコンが無いため、チタンシリサイド膜は形成されず、自己整合的に、シリコン膜(シリコン基板)が露出した領域103、105のみシリサイド膜109が形成される。本発明により形成されたチタンシリサイド膜の粒界には、TiNが存在し、非常に耐熱性に優れた膜質になる。
次に、図1(d)に示すように、ドナーまたは、アクセプタとなる不純物イオンをチタンシリサイド膜109上部の窒化チタン膜110を介してイオン注入法により注入する。後述する活性化アニールにより、本注入領域は、ソース、ドレイン領域111となる。本実施例では、注入飛呈をRp、標準偏差をΔRp、チタンシリサイドの膜厚をTTiSi2としたときに、Rp+ΔRp=TTiSi2となるように注入エネルギーを設定している。尚、本実施例では、ドナーとして、75As+、アクセプタとして、11+を、ドーズ量として、5×1015/cm2注入している。このとき同時にゲート電極にも注入され、ソース、ドレイン領域と、同じ導電型の不純物が注入されるため、表面チャネル型のトランジスタとなる。
次に、上記チタンシリサイド膜109上及びフィールド酸化膜102上、ゲートサイドウォールスペーサー106部の窒化チタン膜108、110を硫酸と過水の混合溶液により選択的にエッチング除去した後、800℃〜1100℃程度の第二の急速加熱処理により、化学量論的に安定な、TiSi2 C54結晶構造のチタンシリサイド膜112を形成する。本実施例では、チタンシリサイド膜上の層間絶縁膜のリフローとして、後述する炉アニール工程を行っているので、ドナー、またはアクセプタの活性化アニールは、後述する炉アニール工程により同時に行えるため、第2の急速加熱処理は、900℃、N2雰囲気の下、20秒程度行っているが、後述する炉アニール工程を行わない場合、ドナー、またはアクセプタの活性化アニールを兼ねて、第2の急速加熱処理を、1000℃〜1100℃の温度で行ってもよい。
本実施例におけるシリサイド膜は、極力酸素成分を排除したシリサイド化反応により形成され、且つ、シリサイド膜の粒界には、TiNが存在しているため、図5に示すように従来方法に比べ、耐熱性が高く1100℃、20秒程度の急速加熱処理では、凝集によるシート抵抗の上昇は起こらない。
次に、図1(e)に示すように、層間絶縁膜113を堆積し、層間絶縁膜の段差軽減(リフロー)のため、また、不純物の活性化アニールを兼ねて、900℃、N2雰囲気の下で、10分程度、炉アニールを行う。後は、図には記述していないが、コンタクト工程、メタル配線工程を経て、所望の半導体装置を形成する。図6は、本実施例にて形成したチタンシリサイド膜と、従来例にて形成したチタンシリサイド膜の、900℃、窒素雰囲気中、30分アニールした後の、透過型電子顕微鏡写真より得られた形状を模式的に示した断面図である。900℃、窒素雰囲気中、30分程度の炉アニールでは、本実施例で形成したシリサイド膜は凝集しないことが確認された。
以上のように本実施例で形成したチタンシリサイド膜は、非常に耐熱性が良い。この現象ついて、図7のモデルにて説明する。TiSi2とTiNの界面自由エネルギーは、TiSi2とSiO2の界面自由エネルギーと比較し小さい。つまり、再結晶化を起こす温度(TiSi2では、約815℃)以上で、系はより安定な方向になろうとするために、より界面自由エネルギーを低くするようにはたらき、TiSi2とSiの界面自由エネルギーが小さいため、TiSi2とSiO2の接触面積をより少なくする方向にはたらく。TiSi2とTiNの界面自由エネルギーは、TiSi2とSiO2の界面自由エネルギーと比較し小さい。つまり、TiSi2 C54結晶のグレイン間にSiO2が存在しているとき、その膜は、グレイン間にTiNが存在している膜と比較し、より低温で凝集が始まる。
逆にグレイン間にTiNが存在している膜は、耐熱性が高く、炉アニールにて900℃、30分程度行っても凝集することがない。
図8は、本実施例にて形成したチタンシリサイド膜を有するゲート電極と、従来例にて形成したチタンシリサイド膜を有するゲート電極の、シート抵抗のゲート長依存性である。本発明により、0.2μmのゲート長以下までn+、p+両ゲート電極とも配線シート抵抗の上昇が無いことが確認された。かつ、そのシート抵抗の値は、従来例と比較し、非常にて抵抗であることが確認された。
本第1の実施例によって形成したシリサイド膜をソース、ドレイン、及びゲート領域に有するLDDトランジスタと、図12に示す従来例により形成された、シリサイド膜をソース、ドレイン、及びゲート領域に有するLDDトランジスタの特性を、図9、表2に示す。本実施例のトランジスタは、従来例、本発明とも、ゲート酸化膜厚約5nm、ゲート電極側壁サイドウォールスペーサー膜厚は、約100nm、ゲート長は、約0.26μmである。
図9は、本実施例にて形成したチタンシリサイド膜を有するLDDトランジスタと、従来例にて形成したチタンシリサイド膜を有するLDDトランジスタの、ID−VD特性である。本発明により、従来方法と比べ、電流駆動量に於て、約50%の向上が確認された。
表2は、本実施例にて形成したチタンシリサイド膜を有するLDDトランジスタと、従来例にて形成したチタンシリサイド膜を有するLDDトランジスタの、線形領域の相互コンダクタンスと、飽和領域の相互コンダクタンス、および、トランジスタトータルの抵抗である。本発明により、従来方法と比べ、線形領域の相互コンダクタンス及び、飽和領域の相互コンダクタンスに於て約45%向上し、更に、トランジスタトータルの抵抗が、1/2以下に低くなった。
Figure 2005340855
(第2の実施例)
図10(C−1)〜(C−3)は、本発明の工程順断面図である。
第1の実施例における図1(b)迄の工程まで同様に経て、IG処理を施した半導体基板201上に、フィールド酸化膜202、活性領域203、ゲート酸化膜204、ゲート電極205、ゲートサイドウォールスペーサー206を形成した後、まず、図10(C−1)に示すように、フッ酸系溶液にてシリコン膜(シリコン基板)201、205表面の自然酸化膜を除去した直後のウェハーを、第1の実施例で使用したクラスタ型装置のロードロック室に入れた後、エッチングチャンバーに搬送し、ロードロック室に入れるまでに再度形成された自然酸化膜207等を再度除去し、ウェハ表面を清浄化する。清浄化の方法は、本実施例では、アルゴンスパッタクリーニングエッチング法を用いている。(他にも、エッチングチャンバーの替わりに水素アニールチャンバーを設けて、酸化膜を還元除去する方法もある。この方法では、物理的にアルゴン原子をスパッタして、酸化膜をエッチングする方法と異なり、基板表面にダメージを受けないと言うメリットがある。また、エッチングチャンバーの替わりに、HF気相洗浄チャンバーを設ける方法もある。)
次に、図10(C−2)に示すように、真空中(本実施例では、1×10-18Torr)、スパッタチャンバーに搬送し、アルゴンガスと、窒素ガスの混合ガス中で窒素ガスの割合は、0.1%〜10%の範囲で、(本実施例では、窒素1%)反応性スパッタ法により、窒化チタン膜208を堆積する。
次に、図10(C−3)に示すように、クラスタ型装置から出し、シリコンイオン注入を行う。本実施例では、注入飛呈をRp、窒化チタン膜厚をTTiNとしたときに、Rp=TTiNとなるように注入エネルギーを設定している。尚、ドーズ量として、5×1015/cm2注入している。本シリコン注入により、窒化チタン膜208とシリコン膜(シリコン基板)203、205の界面でチタン(窒素を含むチタン)とシリコンが混じりあった層209が形成され、後述する急速加熱処理工程の後、チタンシリサイド膜の表面モホロジーが非常に滑らかとなる。本実施例では、イオン注入装置と、スパッタ装置が真空搬送系で接続されていないため、窒化チタン膜堆積後に一旦、大気解放しているが、クラスタ型装置でスッパッタ室とイオン注入室が真空搬送系で接続されている装置で行えれば、なお良い。
次に、図10(C−4)に示すように、窒素雰囲気の下で575℃〜650℃の温度範囲で(本実施例では、625℃)20秒程度の第一の急速加熱処理を行い、シリコン膜(シリコン基板)203、205側に、チタンとシリコンの反応により、化学量論的に準安定な、TiSi2 C49結晶構造のチタンシリサイド膜210を形成し、堆積された窒化チタン膜表面側を、より窒素の含有量の多い窒化チタン膜211にする。この時、シリコン膜(シリコン基板)が露出していない領域(ゲート電極サイドウォールスペーサー206、フィールド酸化膜202等)では、供給されるシリコンが無いため、チタンシリサイド膜は形成されず、自己整合的に、シリコン膜(シリコン基板)が露出した領域のみシリサイド膜210が形成される。本発明により形成されたチタンシリサイド膜の粒界には、TiNが存在し、且つ、表面モホロジーが非常に滑らかで、非常に耐熱性に優れた膜質になる。
後は、第1の実施例の図1(d)以降と同様の工程を経て、所望の半導体装置を形成する。
(第3の実施例)
第1及び第2の実施例では、ゲート電極として、多結晶シリコン膜を堆積し、パターンニングにより形成しているが、多結晶シリコン膜の替わりに非晶質シリコン膜で形成してもよい。この場合、予備真空排気室と、窒素パージされ、露点が−100℃以下に保たれたロードロック室を備えたシリコンLP−CVD装置を用いて形成する。ゲート酸化膜形成直後の半導体ウェハをまず予備真空排気室に入れ、予備真空排気室を10-1Pa程度に真空引きした後、窒素パージされ、露点が−100℃以下に保たれたロードロック室に搬送し、窒素パージによりウェハー表面に吸着しているH2O分子を除去する。次に、ファーネスに搬送し、LPCVD法で、99.9999%以上の純度のSiH4雰囲気中で、50Paの圧力で550℃程度の温度で1500Åの非晶質シリコン膜を成膜している。
このように成膜された膜中の酸素濃度は、1x1018個/cm3以下と、非常に酸素濃度の低い非晶質シリコン膜となる。後は、第1または第2の実施例と同様の工程を経て、半導体装置を成膜する。また、ゲート電極として、多結晶シリコン膜の上部に非晶質シリコン膜が堆積された2層膜でも良い。2層膜の堆積方法は、1000Å堆積するまで、第1の実施例の方法(シーケンス)で多結晶シリコン膜を堆積し、大気解放無しで連続で、シーケンスを非晶質シリコン堆積条件に切り替え、500Å程度の非晶質シリコンを堆積すれば良い。このように成膜された膜中の酸素濃度は、1x1018個/cm3以下と、非常に酸素濃度の低い2層膜となる。本第3の実施例のように、窒化チタン膜と反応する膜が、非晶質シリコン膜の場合、多結晶シリコン膜のように粒界が無いため、非常に表面モホロジーの良いチタンシリサイド膜が形成できる。
(第4の実施例)
第1〜第3の実施例では、通常構造のサリサイドトランジスタの実施例を示しているが、これに限るものでは無い。ゲートサイドウォールスペーサー形成前に、ゲート電極をマスクとして、LDDトランジスタ用の濃度の薄い注入領域を形成してもよい。(例えば、NMOSの場合、燐イオンを、3×1013/cm2程度注入する)また、局所線接合として、燐イオンの替わりに、砒素イオンを1×1014/cm2注入しても良い。(14乗レベルの砒素注入では、ノックオン酸素の影響は、シリサイド化反応に影響しないことが我々の実験で得られている)また、図11(a)〜(b)に示すような、積上拡散層型トランジスタにも本発明は適用できる。まず、図11(a)に示すように、半導体基板301上に、フィールド酸化膜302、活性領域303、ゲート酸化膜304、第1〜第3の実施例と同様にして形成された、酸素濃度が、1×1018個/cm3以下となるような多結晶シリコン膜、もしくは、非晶質シリコン膜、もしくは、多結晶シリコン膜と、非晶質シリコン膜よりなる2層膜により形成された、ゲート電極305、サイドウォールスペーサー306を形成した後に、活性領域に、酸素濃度が、1×1018個/cm3以下となるような単結晶、もしくは、非単結晶シリコン膜を選択的に積み上げ、積み上げシリコン領域307を形成する。選択的に積み上げる方法としては、選択エピタキシャル成長法や、本第1〜第3の実施例に記載の予備真空排気室と、窒素パージされ露点が−100℃以下に保たれたロードロック室を備えたシリコンLP−CVD装置によって、活性領域には、下地シリコン基板の結晶方位を受け継いで、エピタキシャル成長し、シリコン基板が露出していない領域では、多結晶シリコン膜(590℃以上で成膜した場合)もしくは、非晶質シリコン膜(580℃以下で成膜した場合)が堆積するような膜を堆積し、上記多結晶シリコン膜、もしくは、非晶質シリコン膜を選択的にエッチング除去することにより、活性領域に選択的にシリコン膜を積み上げる方法や、上記シリコンLP−CVD装置によって、活性領域には、下地シリコン基板の結晶方位を受け継いで、エピタキシャル成長し、シリコン基板が露出していない領域では、多結晶シリコン膜もしくは、非晶質シリコン膜が堆積するような膜、或るいは、ウェハ全面に多結晶シリコン膜、もしくは、非晶質シリコン膜を堆積した後、化学的機械的研磨法により、ゲート電極上部が露出するまで研磨した後、フィールド領域にて上記多結晶シリコン膜、もしくは、非晶質シリコン膜をパターンニングする方法等がある。
次に、図11(b)に示すように、第1もしくは、第2の実施例の方法にて、チタンシリサイド膜で裏打ちされた、ゲート電極、及び、ソース、ドレイン領域309を形成する。本実施例のトランジスタは、ソース、ドレイン領域が、ゲートチャネル領域よりも積み上がっているため、短チャネル効果に強いトランジスタとなる。
本発明によれば、チタンシリサイド膜の形成方法において、非常に活性なTi金属の変わりに窒化チタン膜を堆積した後、熱処理により、上記窒化チタン膜と、酸素濃度が1×018個/cm3以下であるシリコン膜を反応させ、タンシリサイド膜を形成する為、積極的に窒素をシリサイド膜中に入れることが出来、結果として、形成されたチタンシリサイド膜の粒界には、本発明の構造のように窒化チタン膜が形成されやすい。粒界にSiO2が存在する替わりにTiNが存在した場合、表面自由エネルギーを抑えることが可能となり、チタンシリサイド膜中に取り込まれる酸素原子を極力少なくすることで、低抵抗化、及び耐熱性に優れたチタンシリサイド膜となる。
以上より明らかなように本発明では、シリサイド化反応において、極力酸素成分を排除し、且つ、Ti金属の替わりに窒化チタン膜をシリコンと反応させてチタンシリサイド膜を形成しているため、形成されたTiSi2の粒界には、SiO2では無く、TiNが存在している。このように形成されたTiSi2膜は、シート抵抗が低く、特に、TiSi2膜のグレインサイズよりも小さな配線幅の配線のシリサイド化に関して、従来法のようにTiSi2膜のグレインサイズよりも大きな配線幅の配線のシリサイド化と比較し、顕著に配線抵抗率が上昇するようなことは無く、TiSi2膜のグレインサイズよりも小さな配線幅の配線のシリサイド化でも、グレインサイズよりも大きな配線幅の配線のシリサイド化と比べ、TiSi2膜のシート抵抗に関し、同一の低い値が得られるという効果がある。更に、耐熱性が高く、シリサイド膜形成後に、注入されたドナー、もしくは、アクセプターを活性化するための熱処理や、層間絶縁膜をリフローするための熱処理を、炉アニールにて900℃、30分程度行っても凝集することがないという効果がある。このため、チタンシリサイドの再結晶化に伴うチタンの再拡散を防止することが可能となり、ソース、ドレイン領域の接合リーク電流については、シリサイド無しと比較して、増大するようなことは無く、ゲート酸化膜の信頼性についても、シリサイド無しと同一の信頼性が得られる。さらに、不純物は、シリサイド膜形成後に注入するため、注入によるダメージがシリサイド膜下のシリコン膜(シリコン基板)に入ることは少なく、活性化アニールによる、増速拡散を防ぐことが可能となり、且つ、不純物の活性化アニールと層間絶縁膜をリフローさせるためのアニールを同時に行うことが可能となるため、工程が簡略化できると同時にトータル熱処理量を抑えることが可能となり、短チャネル効果に強いトランジスタの作製が容易となる。
図1は、本発明の第1の実施例に係る半導体装置の工程順断面図である。 図2は、本発明の第1の実施例に係る半導体装置の工程順断面図である。 図3は、本発明で用いたロードロック室を備えたシリコンLP−CVD装置の概略図である。 図4は、本発明で用いたロードロック室を備えたシリコンLP−CVD装置と、通常のシリコンLPーCVD装置によって堆積したシリコン膜中の酸素濃度のSIMS分析結果を示す図である。 図5は、本発明で用いたロードロック室を備えたシリコンLP−CVD装置によって堆積したシリコン膜上に本実施例にて形成したチタンシリサイド膜と、通常のシリコンLPーCVD装置によって堆積したシリコン膜上に従来例にて形成したチタンシリサイド膜の、シート抵抗の第2の急速熱処理温度依存性を示す図である。 図6は、本実施例にて形成したチタンシリサイド膜と、従来例にて形成したチタンシリサイド膜の、900℃、窒素雰囲気中、30分アニールした後の、断面模式図である。 図7は、本実施例にて形成したチタンシリサイド膜と、従来例にて形成したチタンシリサイド膜の、凝集機構の断面模式図である。 図8は、本実施例にて形成したチタンシリサイド膜を有するゲート電極と、従来例にて形成したチタンシリサイド膜を有するゲート電極の、シート抵抗のゲート長依存性を示す図である。 図9は、本実施例にて形成したチタンシリサイド膜を有するLDDトランジスタと、従来例にて形成したチタンシリサイド膜を有するLDDトランジスタの、ID−VD特性を示す図である。 図10は、本発明の第2の実施例に係る半導体装置の工程順断面図である。 図11は、本発明の第4の実施例に係る半導体装置の断面図である。 図12は、従来技術による半導体装置を説明するための工程順断面図である。
符号の説明
101、201、301、401 半導体基板
102、202、302、402 フィールド領域
103、203、303 活性領域
104、204、304、403 ゲート酸化膜
105、205、305、404 ゲート電極
106、206、306、405 サイドウォールスペーサー
406 酸化膜
307 積み上げシリコン領域
107、207 自然酸化膜
108、208 窒化チタン膜
209 チタンとシリコンが混じりあった層
109、210、409 TiSi2 C49結晶構造チタンシリサイド膜
110、211、410 窒化チタン膜
111、309、407 ソース、ドレイン領域
112、308、411 TiSi2 C54結晶構造チタンシリサイド膜
408 チタン金属膜

Claims (8)

  1. ソースおよびドレイン領域に、耐熱性に優れた低抵抗なシリサイド膜を形成する半導体装置の製造方法であって、
    シリサイド化反応によって前記シリサイド膜を形成する際、少なくとも前記シリサイド膜が形成される領域のシリコン基板表面の酸素濃度を1×1018個/cm以下にすることを特徴とする半導体装置の製造方法。
  2. ソースおよびドレイン領域に、耐熱性に優れた低抵抗なシリサイド膜を形成する半導体装置の製造方法であって、
    シリコン基板上にシリサイド膜を形成するための膜を堆積する工程と、
    シリサイド化反応によって前記シリサイド膜を形成する工程とを包含し、
    前記シリサイド化反応前の前記シリコン基板表面の酸素濃度を、1×1018個/cm以下にすることを特徴とする半導体装置の製造方法。
  3. ソースおよびドレイン領域に、耐熱性に優れた低抵抗なシリサイド膜を形成する半導体装置の製造方法であって、
    表面の酸素濃度が1×1018個/cm以下となるシリコン基板を供給する工程と、
    前記シリコン基板上にシリサイド膜を形成するための膜を堆積する工程と、
    シリサイド化反応によって前記シリサイド膜を形成する工程とを包含することを特徴とする半導体装置の製造方法。
  4. ソース、ドレイン、およびゲート領域に、耐熱性に優れた低抵抗なシリサイド膜を形成する半導体装置の製造方法であって、
    シリサイド化反応によって前記シリサイド膜を形成する際、少なくとも前記シリサイド膜が形成される領域の、シリコン基板表面の酸素濃度およびゲート電極の酸素濃度を1×1018個/cm以下にすることを特徴とする半導体装置の製造方法。
  5. ソース、ドレイン、およびゲート領域に、耐熱性に優れた低抵抗なシリサイド膜を形成する半導体装置の製造方法であって、
    シリコン基板上およびゲート電極上に、前記シリサイド膜を形成するための膜を堆積する工程と、
    シリサイド化反応によって前記シリサイド膜を形成する工程とを包含し、
    前記シリサイド化反応前の前記シリコン基板表面の酸素濃度および前記ゲート電極の酸素濃度を、1×1018個/cm以下にすることを特徴とする半導体装置の製造方法。
  6. ソース、ドレイン、およびゲート領域に、耐熱性に優れた低抵抗なシリサイド膜を形成する半導体装置の製造方法であって、
    表面の酸素濃度が1×1018個/cm以下となるシリコン基板を供給する工程と、
    酸素濃度が1×1018個/cm以下となるゲート電極を形成する工程と、
    前記シリコン基板上および前記ゲート電極上にシリサイド膜を形成するための膜を堆積する工程と、
    シリサイド化反応によって前記シリサイド膜を形成する工程とを包含することを特徴とする半導体装置の製造方法。
  7. 前記ゲート電極が多結晶シリコン膜であることを特徴とする請求項4〜6の何れかに記載の半導体装置の製造方法。
  8. 前記ゲート電極が非晶質シリコン膜であることを特徴とする請求項4〜6の何れかに記載の半導体装置の製造方法。
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