JP3203125B2 - 半導体装置及びその製造方法 - Google Patents

半導体装置及びその製造方法

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JP3203125B2
JP3203125B2 JP07695994A JP7695994A JP3203125B2 JP 3203125 B2 JP3203125 B2 JP 3203125B2 JP 07695994 A JP07695994 A JP 07695994A JP 7695994 A JP7695994 A JP 7695994A JP 3203125 B2 JP3203125 B2 JP 3203125B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、半導体装置の製造方法
に関し、特に、耐熱性に優れた低抵抗なチタンシリサイ
ド膜の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の自己整合シリサイド化技術に関す
る製造方法は、図12に示すような方法がある。まず、
図12(a)に示すように、半導体基板401上にフィ
ールド酸化膜402、ゲート酸化膜403、側壁が絶縁
膜405で覆われた多結晶シリコンよりなるゲート電極
404を形成する工程と、図12(b)に示すように、
酸化膜406を堆積した後、該酸化膜406を介して、
ソース、ドレインとなる領域に高濃度の不純物イオンた
とえば、NMOSの場合、砒素イオン、PMOSの場
合、ボロンイオン等を注入した後、活性化の為の熱処理
(たとえば、窒素雰囲気中で、900℃、10分)を行
い、ソース、ドレイン領域407を形成する工程と、図
12(c)に示すように、フッ酸を含む溶液等により、
ソース、ドレイン領域407、及びゲート電極404上
の上記酸化膜406を除去した後、チタン金属膜408
をスパッター法により、アルゴン雰囲気中で堆積する工
程と、図12(d)に示すように、窒素雰囲気中で、6
50℃、20秒程度の第一の急速加熱処理を行い、ソー
ス、ドレイン領域407及び、ゲート電極404のシリ
コンとチタン金属を反応させ、化学量論的に準安定な、
TiSi2 C49結晶構造のチタンシリサイド膜40
9を形成する工程と(このとき、該チタン金属膜408
表面は、窒化チタン膜410に変化する)、図12
(e)に示すように、硫酸と、過酸化水素水の混合溶液
で、未反応のチタン金属408、及び、上記第一の急速
加熱処理により形成された窒化チタン膜410を選択的
にエッチング除去した後、窒素雰囲気中で、800℃、
20秒程度の第2の急速加熱処理により、上記チタンシ
リサイド膜409を、化学量論的に安定な、TiSi2
C54結晶構造のチタンシリサイド膜411に変化さ
せる工程とにより一般的に製造されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】シリコン半導体装置に
於ては、トランジスタ形成プロセスを経た後、その上に
層間絶縁膜を堆積し、該層間絶縁膜の緻密化及び、リフ
ローの為のアニール工程が必要となる。通常、アニール
工程は、850℃以上で効果が有り、900℃以上でな
お良い。
【0004】しかしながら、従来のチタンシリサイド膜
形成工程では、(1)TiとSiの反応系に於て、いく
ら装置、環境の清浄度を向上しようとも、工程に起因す
る(酸化膜を介しての不純物イオン注入)酸素の混入が
避けられず、Ti、Si、Oの3元系でのシリサイド化
反応となる。(2)上記3元系でのシリサイド化反応で
は、TiSi2の粒界に、優先的にSiO2が形成され、
シート抵抗が高くなり、且つ、耐熱性が悪くなる。特に
TiSi2のグレインサイズよりも小さい配線幅の配線
のシリサイド化で、該問題点が顕著となる。つまり、T
iSi2のグレインサイズよりも小さい配線幅の配線の
シリサイド化については、900℃以下のRTA処理
で、C49からC54結晶構造への変化が起こりにく
く、非常に抵抗の高いチタンシリサイド膜となる。逆に
高温900℃以上のRTAを行った場合、C49からC
54結晶構造への変化は起こりやすくなるが、広い配線
幅の配線をシリサイド化したときのシリサイド膜と比較
し、耐熱性が悪くなり凝集しやすいうえ、更に広い配線
幅のシリサイド膜でも凝集が始まるため、確実に凝集す
るという問題がある。(4)従来のシリサイド化技術に
より、シリサイド膜を形成した後、層間膜リフローの
為、800℃を越えるような熱処理を行った場合、凝集
が発生し、チタンの拡散により、ソース、ドレイン領域
の接合リークが増大すると共に、ゲート酸化膜の信頼性
が劣化する。また、配線抵抗が上昇し、特に、TiSi
2のグレインサイズより小さい線幅の配線のシリサイド
化(たとえばゲート電極)に関しては、シリサイド膜で
裏打ちを行っていない配線と何等変わらないレベルま
で、シート抵抗が上昇する。
【0005】そこで、本発明の目的は、上記問題点を解
決しうる半導体装置及びその製造方法を提供することに
ある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の半導体装置は、
半導体装置のチタンシリサイド膜を有する配線に於て、
上記チタンシリサイド膜は、TiSi2 C54結晶粒
からなり、上記結晶粒どうしは、TiNを介して接触し
おり、前記結晶粒のグレインサイズは、前記配線幅よ
り大きいことを特徴とする。
【0007】本発明の第1の半導体装置の製造方法は、
チタンシリサイド膜を有する配線の製造方法に関し、シ
リコン膜を配線パターン加工する工程と、前記シリコン
膜上に、窒素原子に比べチタン原子が多く含まれた窒化
チタン膜を堆積する工程と、熱処理により上記シリコン
膜と窒化チタン膜を反応させることによる酸素を排除し
たシリサイド化反応で、前記配線よりも大きなグレイン
サイズを有し、チタンシリサイドグレイン間に窒化チタ
ンを介するチタンシリサイド膜を形成することを特徴と
する。
【0008】本発明の第2の半導体装置の製造方法は、
上記窒化チタン膜を堆積する工程において、チタンター
ゲットを用いて、アルゴンガスと、窒素ガスの混合ガス
中で、反応性スパッタ法により、窒化チタン膜を堆積す
ることを特徴とし、上記アルゴンガスと、窒素ガスの混
合比における窒素ガスの割合は、0.1%〜10%の範
囲であることを特徴とする。
【0009】
【0010】
【0011】
【0012】
【0013】
【作用】本発明の半導体装置によれば、TiSi2
54結晶のグレインの間に、TiNが存在しているた
め、グレイン間にSiO2が存在しているときと比較
し、シート抵抗が低く、特に、TiSi2膜のグレイン
サイズよりも小さな配線幅の配線のシリサイド化でも、
グレインサイズよりも大きな配線幅の配線のシリサイド
化と比べ、TiSi2膜のシート抵抗に関し、同一の低
い値が得られる。更に、TiSi2とTiNの界面自由
エネルギーは、TiSi2とSiO2の界面自由エネルギ
ーと比較し小さい。つまり、再結晶化を起こす温度(T
iSi2では、約815℃)以上では、より安定化する
ために、界面自由エネルギーを低くするようにはたらく
ため、TiSi2とSiO2の接触面積をより少なくする
方向にはたらく(TiSi2とSiO2の界面自由エネル
ギーが、TiSi2とSi等の界面自由エネルギーと比
較し、非常に大きい)。よって、TiSi2 C54結
晶のグレイン間にSiO2が存在しているとき、その膜
は、グレイン間にTiNが存在している膜と比較し、よ
り低温で凝集が始まる。逆にグレイン間にTiNが存在
している膜は、耐熱性が高く、炉アニールにて900
℃、30分程度行っても凝集することがないという作用
がある。
【0014】TiとSiの反応における酸素混入の経路
としては、チタン金属と反応する下地シリコン基板、或
いは、シリコン膜中の酸素、特に、通常のLPCVDシ
リコン堆積装置で堆積した多結晶シリコン膜よりなるゲ
ート電極中の酸素(通常のLPCVDシリコン堆積装置
で堆積した多結晶シリコン膜中には、1x1018個/c
3以上の酸素原子を含んでいる)、及び、堆積された
チタン膜と、下地シリコン膜、或いは、シリコン基板と
の界面に存在する自然酸化膜、及び、堆積されたチタン
金属中に存在する酸素、及び、第一の急速加熱処理を行
うために、大気解放を行った時にチタン金属表面に吸着
する酸素、及び、第一の急速加熱処理中の雰囲気中に混
入する酸素等がある。
【0015】さらに、従来技術で最も問題となり、装
置、及びガスの清浄度と関わり無く混入してくる酸素と
して、図12(b)の工程に置けるソース、ドレイン領
域形成のためのイオン注入の際にノックオンされる酸素
がある。酸化膜406は、イオン注入時の汚染を防ぐた
めに必ず必要である。特にCMOSプロセスにおいて
は、ドナーとアクセプターの打ち分けのため、ホトレジ
ストによるマスクが必要となり、重金属の非常に混入し
ているホトレジストを直接半導体基板に塗布しないよう
に、酸化膜406を介する必要がある。以上の事から、
従来法では、チタンと、シリコンの反応過程における酸
素の混入は、避けられない。
【0016】表1にTiN、TiO2、SiO2、TiS
2の生成エンタルピーを示す。表1より、Ti、S
i、O、Nの4元系の反応では、酸化物(TiO2、S
iO2)が最も優先的に形成されることが判る。
【0017】
【表1】
【0018】第一の急速加熱処理は、チタンシリサイド
膜が横方向に成長し、隣接する配線間(例えばソース
ー ゲート間、ドレイン ー ゲート間)で短絡しない
ように出来る限り低温(575℃〜650℃)で行う必
要がある。従来のTiSi2膜形成方法では、第一の急
速加熱処理をいくら精製窒素雰囲気中で行っても、T
i、Si、Oの3元系でのシリサイド化反応となり、T
iSi2の粒界に、優先的に酸化物が形成される。酸化
物(TiO2、SiO2)を含むTiSi2膜(600℃
前後の第一の急速加熱処理後は、基本的に準安定なTi
Si2 C49結晶構造となっている)を安定な、Ti
Si2 C54結晶構造に変化させるために、第二の急
速過熱処理は、800℃以上で行う必要がある。Ti、
Si、Oの3元系相図によれば、800℃以上の熱処理
において、チタンダイシリサイド(TiSi2)と共存
する酸化物相は、SiO2のみとされているので、第二
の急速加熱処理後のTiSi2膜の粒界には、SiO2
みが存在している事になる。
【0019】従来の技術により形成された、粒界にSi
2を含むチタンシリサイド膜は、シート抵抗が高くな
り、かつ耐熱性が悪くなる。特に、TiSi2のグレイ
ンサイズより小さい線幅のシリサイド化(たとえばゲー
ト電極)に関しては、シート抵抗の上昇が著しく大きく
なる。TiSi2の融点(Tm)は、1540℃であ
り、一般に金属などの再結晶化は、融点(Tm)の0.
6倍で顕著になるとされているため、0.6Tmは、8
15℃に相当する。よって、上記粒界に、SiO2を含
むようなTiSi2膜は、層間絶縁膜リフロー工程で必
要となる850℃以上の熱処理で、粒界に存在するSi
2を境として、TiSi2の表面自由エネルギーによ
り、TiSi2膜の凝集が始まる。このように凝集した
チタンシリサイド膜は、部分的に分断され、もはや、シ
リサイドを裏打ちした低抵抗な配線とは言えなくなる。
特に、TiSi2のグレインサイズより小さい線幅の配
線のシリサイド化(たとえばゲート電極)に関しては、
シリサイド膜で裏打ちを行っていない配線と何等変わら
ないレベルまで、シート抵抗が上昇する。更に、凝集過
程に於て、Ti原子がシリコン中を拡散するため、ソー
ス、ドレイン領域に関しては、ジャンクション破壊によ
るリーク電流の増加、また、ゲート電極に関しては、ゲ
ート酸化膜の信頼性劣化を招く。
【0020】本発明の第1の半導体装置の製造方法によ
れば、チタンシリサイド膜の形成方法において、非常に
活性なTi金属の変わりに窒化チタン膜を堆積した後、
熱処理により、上記窒化チタン膜と、シリコン膜を反応
させチタンシリサイド膜を形成する為、積極的に窒素を
シリサイド膜中に入れることが出来、結果として、多少
酸素成分が存在しようと、形成されたチタンシリサイド
膜の粒界には、本発明の構造のように窒化チタン膜が形
成されやすい。粒界にSiO2が存在する替わりにTi
Nが存在した場合、表面自由エネルギーを抑えることが
可能となり、耐熱性に優れたチタンシリサイド膜とな
る。
【0021】
【0022】本発明の第の半導体装置の製造方法によ
れば、窒素ガスの混合比を0.1〜10%の範囲にする
ことにより、シリサイド化反応に支障をきたさない範囲
で形成されたチタンシリサイド膜の粒界に優先的にTi
Nを形成することが出来る。ここで、表1の生成エンタ
ルピーの関係より、TiSi2よりもTiNのほうが形
成されやすいため、N原子よりもTi原子を十分多くす
る必要がある。
【0023】
【0024】
【0025】
【実施例】以下に、本発明の半導体装置及びその製造方
法の実施例について、詳細に説明する。
【0026】(第1の実施例)図1(a)〜(e)及び
図2(c−1)〜(c−3)に、本発明の第1の実施例
に係わる半導体装置の製造工程を示す。
【0027】図3に、本発明で用いたロードロック室を
備えたシリコンLPーCVD装置の概略を示す。
【0028】図4に、本発明で用いたロードロック室を
備えたシリコンLPーCVD装置と、通常のシリコンL
PーCVD装置によって堆積したシリコン膜中の酸素濃
度のSIMS分析結果を示す。
【0029】図5に、本発明で用いたロードロック室を
備えたシリコンLPーCVD装置によって堆積したシリ
コン膜上に本実施例にて形成したチタンシリサイド膜
と、通常のシリコンLPーCVD装置によって堆積した
シリコン膜上に従来例にて形成したチタンシリサイド膜
の、シート抵抗の第2の急速熱処理温度依存性を示す。
図6に、本実施例にて形成したチタンシリサイド膜と、
従来例にて形成したチタンシリサイド膜の、900℃、
窒素雰囲気中、30分アニールした後の、断面模式図を
示す。
【0030】図7に、本実施例にて形成したチタンシリ
サイド膜と、従来例にて形成したチタンシリサイド膜
の、凝集機構の断面模式図を示す。
【0031】図8に、本実施例にて形成したチタンシリ
サイド膜を有するゲート電極と、従来例にて形成したチ
タンシリサイド膜を有するゲート電極の、シート抵抗の
ゲート長依存性を示す。
【0032】図9に、本実施例にて形成したチタンシリ
サイド膜を有するLDDトランジスタと、従来例にて形
成したチタンシリサイド膜を有するLDDトランジスタ
の、IDーVD特性を示す。
【0033】まず、図1(a)に示すように、IG処理
を施し、DZゾーンが形成され、表面酸素濃度が1x1
18個/cm3以下の半導体基板101上に、フィール
ド酸化膜102、活性領域103、ゲート酸化膜104
を形成する。
【0034】次に、図1(b)に示すように、予備真空
排気室と、窒素パージされ露点がー100℃以下に保た
れたロードロック室を備えたシリコンLPーCVD装置
(図3参照)によって、約1500Å程度の多結晶シリ
コン膜105を堆積し、ゲート電極パターンに加工した
後、該ゲート電極側壁にサイドウォールスペーサー10
6を形成する。
【0035】上記図3の装置での多結晶シリコン膜10
5の形成方法は、ゲート酸化直後のウェハを、予備真空
排気室に入れた後、予備真空排気室を、10-1Pa程度
に真空引きし、窒素パージされ、露点がー100℃以下
に保たれたロードロック室に搬送し、窒素パージにより
ウェハー表面に吸着しているH2O分子を除去した後、
ファーネスに搬送し、LPCVD法で、99.9999
%以上の純度のSiH4雰囲気中で、30Paの圧力で
620℃程度の温度で多結晶シリコン膜を成膜してい
る。このように成膜された膜中の酸素濃度は、図4に示
すように、SIMS分析にて検出限界(1x1018個/
cm3)以下と、非常に酸素濃度の低い多結晶シリコン
膜となる。尚、シリコン膜以外は、本実施例と同様の工
程を経て、シリサイド膜を形成し、シリコン膜のみ2x
1018個/cm3の酸素濃度の膜を用いた実験では、形
成されたシリサイド膜の耐熱性については、従来例と本
実施例の中間の特性を示した。
【0036】次に、図1(c)に示すように、フッ酸系
溶液にてウェハ表面の自然酸化膜を除去した後、ロード
ロックチャンバー、エッチングチャンバー、スパッタチ
ャンバー、急速加熱処理室(RTAチャンバー)、及び
それぞれをつなぐ真空搬送室を有するクラスタ型装置に
て自己整合的にゲート電極105及び活性領域103に
化学量論的に準安定なTiSi2 C49結晶構造のチ
タンシリサイド膜109を形成する。
【0037】上記クラスタ型装置におけるチタンシリサ
イド膜の形成方法を以下に詳しく述べる。まず、図2
(cー1)に示すように、フッ酸系溶液にて、シリコン
膜(シリコン基板)表面の自然酸化膜(本実施例では、
活性領域103及び、ゲート電極105表面の自然酸化
膜)を除去した直後のウェハーをロードロック室に入れ
た後、エッチングチャンバーに搬送し、ロードロック室
に入れるまでに再度形成された自然酸化膜107等を再
度除去し、ウェハ表面を清浄化する。清浄化の方法は、
本実施例では、アルゴンスパッタクリーニングエッチン
グ法を用いている。(他にも、エッチングチャンバーの
替わりに水素アニールチャンバーを設けて、酸化膜を還
元除去する方法もある。この方法では、物理的にアルゴ
ン原子をスパッタして、酸化膜をエッチングする方法と
異なり、基板表面にダメージを受けないと言う利点があ
る。また、エッチングチャンバーの替わりに、HF気相
洗浄チャンバーを設ける方法もある。) 次に、図2(cー2)に示すように、真空中(本実施例
では、1x10-18Torr)、スパッタチャンバーに搬送し、
アルゴンガスと、窒素ガスの混合ガス中で窒素ガスの割
合は、0.1%〜10%の範囲で、反応性スパッタ法に
より、約50nmの窒化チタン膜108を堆積する。
【0038】次に、図2(cー3)に示すように、真空
中(本実施例では、1x10-18Torr)、RTAチャンバー
に搬送し、窒素雰囲気の下で575℃〜650℃の温度
範囲(本実施例では、625℃)で20秒程度、第一の
急速加熱処理を行い、シリコン膜(シリコン基板)10
3、105側に、チタンとシリコンの反応により、Ti
Si2 C49結晶構造のチタンシリサイド膜109を
形成し、堆積された窒化チタン膜表面側を、より窒素の
含有量の多い窒化チタン膜110にする。この時、シリ
コン膜(シリコン基板)が露出していない領域(ゲート
電極サイドウォールスペーサー106、フィールド酸化
膜102等)では、供給されるシリコンが無いため、チ
タンシリサイド膜は形成されず、自己整合的に、シリコ
ン膜(シリコン基板)が露出した領域103、105の
みシリサイド膜109が形成される。本発明により形成
されたチタンシリサイド膜の粒界には、TiNが存在
し、非常に耐熱性に優れた膜質になる。
【0039】次に、図1(d)に示すように、ドナーま
たは、アクセプタとなる不純物イオンをチタンシリサイ
ド膜109上部の窒化チタン膜110を介してイオン注
入法により注入する。後述する活性化アニールにより、
本注入領域は、ソース、ドレイン領域111となる。本
実施例では、注入飛呈をRp、標準偏差をΔRp、チタ
ンシリサイドの膜厚をTTiSi2としたときに、Rp+Δ
Rp=TTiSi2となるように注入エネルギーを設定して
いる。尚、本実施例では、ドナーとして、75As+、ア
クセプタとして、11+を、ドーズ量として、5x10
15/cm2注入している。このとき同時にゲート電極に
も注入され、ソース、ドレイン領域と、同じ導電型の不
純物が注入されるため、表面チャネル型のトランジスタ
となる。
【0040】次に、上記チタンシリサイド膜109上及
びフィールド酸化膜102上、ゲートサイドウォールス
ペーサー106部の窒化チタン膜108、110を硫酸
と過水の混合溶液により選択的にエッチング除去した
後、800℃〜1100℃程度の第二の急速加熱処理に
より、化学量論的に安定な、TiSi2 C54結晶構
造のチタンシリサイド膜112を形成する。本実施例で
は、チタンシリサイド膜上の層間絶縁膜のリフローとし
て、後述する炉アニール工程を行っているので、ドナ
ー、またはアクセプタの活性化アニールは、後述する炉
アニール工程により同時に行えるため、第2の急速加熱
処理は、900℃、N2雰囲気の下、20秒程度行って
いるが、後述する炉アニール工程を行わない場合、ドナ
ー、またはアクセプタの活性化アニールを兼ねて、第2
の急速加熱処理を、1000℃〜1100℃の温度で行
ってもよい。
【0041】本実施例におけるシリサイド膜は、極力酸
素成分を排除したシリサイド化反応により形成され、且
つ、シリサイド膜の粒界には、TiNが存在しているた
め、図5に示すように従来方法に比べ、耐熱性が高く1
100℃、20秒程度の急速加熱処理では、凝集による
シート抵抗の上昇は起こらない。
【0042】次に、図1(e)に示すように、層間絶縁
膜113を堆積し、層間絶縁膜の段差軽減(リフロー)
のため、また、不純物の活性化アニールを兼ねて、90
0℃、N2雰囲気の下で、10分程度、炉アニールを行
う。後は、図には記述していないが、コンタクト工程、
メタル配線工程を経て、所望の半導体装置を形成する。
図6は、本実施例にて形成したチタンシリサイド膜と、
従来例にて形成したチタンシリサイド膜の、900℃、
窒素雰囲気中、30分アニールした後の、透過型電子顕
微鏡写真より得られた形状を模式的に示した断面図であ
る。900℃、窒素雰囲気中、30分程度の炉アニール
では、本実施例で形成したシリサイド膜は凝集しないこ
とが確認された。
【0043】以上のように本実施例で形成したチタンシ
リサイド膜は、非常に耐熱性が良い。この現象ついて、
図7のモデルにて説明する。TiSi2とTiNの界面
自由エネルギーは、TiSi2とSiO2の界面自由エネ
ルギーと比較し小さい。つまり、再結晶化を起こす温度
(TiSi2では、約815℃)以上で、系はより安定
な方向になろうとするために、より界面自由エネルギー
を低くするようにはたらき、TiSi2とSiの界面自
由エネルギーが小さいため、TiSi2とSiO2の接触
面積をより少なくする方向にはたらく。TiSi2とT
iNの界面自由エネルギーは、TiSi2とSiO2の界
面自由エネルギーと比較し小さい。つまり、TiSi2
C54結晶のグレイン間にSiO2が存在していると
き、その膜は、グレイン間にTiNが存在している膜と
比較し、より低温で凝集が始まる。逆にグレイン間にT
iNが存在している膜は、耐熱性が高く、炉アニールに
て900℃、30分程度行っても凝集することがない。
【0044】図8は、本実施例にて形成したチタンシリ
サイド膜を有するゲート電極と、従来例にて形成したチ
タンシリサイド膜を有するゲート電極の、シート抵抗の
ゲート長依存性である。本発明により、0.2μmのゲ
ート長以下までn+、p+両ゲート電極とも配線シート抵
抗の上昇が無いことが確認された。かつ、そのシート抵
抗の値は、従来例と比較し、非常にて抵抗であることが
確認された。
【0045】本第1の実施例によって形成したシリサイ
ド膜をソース、ドレイン、及びゲート領域に有するLD
Dトランジスタと、図12に示す従来例により形成され
た、シリサイド膜をソース、ドレイン、及びゲート領域
に有するLDDトランジスタの特性を、図9、表2に示
す。本実施例のトランジスタは、従来例、本発明とも、
ゲート酸化膜厚約5nm、ゲート電極側壁サイドウォー
ルスペーサー膜厚は、約100nm、ゲート長は、約
0.26μmである。
【0046】図9は、本実施例にて形成したチタンシリ
サイド膜を有するLDDトランジスタと、従来例にて形
成したチタンシリサイド膜を有するLDDトランジスタ
の、IDーVD特性である。本発明により、従来方法と
比べ、電流駆動量に於て、約50%の向上が確認され
た。
【0047】表2は、本実施例にて形成したチタンシリ
サイド膜を有するLDDトランジスタと、従来例にて形
成したチタンシリサイド膜を有するLDDトランジスタ
の、線形領域の相互コンダクタンスと、飽和領域の相互
コンダクタンス、および、トランジスタトータルの抵抗
である。本発明により、従来方法と比べ、線形領域の相
互コンダクタンス及び、飽和領域の相互コンダクタンス
に於て約45%向上し、更に、トランジスタトータルの
抵抗が、1/2以下に低くなった。
【0048】
【表2】
【0049】(第2の実施例)図10(Cー1)〜(C
ー3)は、本発明の工程順断面図である。
【0050】第1の実施例における図1(b)迄の工程
まで同様に経て、IG処理を施した半導体基板201上
に、フィールド酸化膜202、活性領域203、ゲート
酸化膜204、ゲート電極205、ゲートサイドウォー
ルスペーサー206を形成すた後、まず、図10(Cー
1)に示すように、フッ酸系溶液にてシリコン膜(シリ
コン基板)201、205表面の自然酸化膜を除去した
直後のウェハーを、第1の実施例で使用したクラスタ型
装置のロードロック室に入れた後、エッチングチャンバ
ーに搬送し、ロードロック室に入れるまでに再度形成さ
れた自然酸化膜207等を再度除去し、ウェハ表面を清
浄化する。清浄化の方法は、本実施例では、アルゴンス
パッタクリーニングエッチング法を用いている。(他に
も、エッチングチャンバーの替わりに水素アニールチャ
ンバーを設けて、酸化膜を還元除去する方法もある。こ
の方法では、物理的にアルゴン原子をスパッタして、酸
化膜をエッチングする方法と異なり、基板表面にダメー
ジを受けないと言うメリットがある。また、エッチング
チャンバーの替わりに、HF気相洗浄チャンバーを設け
る方法もある。) 次に、図10(Cー2)に示すように、真空中(本実施
例では、1x10-18Torr)、スパッタチャンバーに搬送
し、アルゴンガスと、窒素ガスの混合ガス中で窒素ガス
の割合は、0.1%〜10%の範囲で、(本実施例で
は、窒素1%)反応性スパッタ法により、窒化チタン膜
208を堆積する。
【0051】次に、図10(Cー3)に示すように、ク
ラスタ型装置から出し、シリコンイオン注入を行う。本
実施例では、注入飛呈をRp、窒化チタン膜厚をTTiN
としたときに、Rp=TTiNとなるように注入エネルギ
ーを設定している。尚、ドーズ量として、5x1015
cm2注入している。本シリコン注入により、窒化チタ
ン膜208とシリコン膜(シリコン基板)203、20
5の界面でチタン(窒素を含むチタン)とシリコンが混
じりあった層209が形成され、後述する急速加熱処理
工程の後、チタンシリサイド膜の表面モホロジーが非常
に滑らかとなる。本実施例では、イオン注入装置と、ス
パッタ装置が真空搬送系で接続されていないため、窒化
チタン膜堆積後に一旦、大気解放しているが、クラスタ
型装置でスッパッタ室とイオン注入室が真空搬送系で接
続されている装置で行えれば、なお良い。
【0052】次に、図10(Cー4)に示すように、窒
素雰囲気の下で575℃〜650℃の温度範囲で(本実
施例では、625℃)20秒程度の第一の急速加熱処理
を行い、シリコン膜(シリコン基板)203、205側
に、チタンとシリコンの反応により、化学量論的に準安
定な、TiSi2 C49結晶構造のチタンシリサイド
膜210を形成し、堆積された窒化チタン膜表面側を、
より窒素の含有量の多い窒化チタン膜211にする。こ
の時、シリコン膜(シリコン基板)が露出していない領
域(ゲート電極サイドウォールスペーサー206、フィ
ールド酸化膜202等)では、供給されるシリコンが無
いため、チタンシリサイド膜は形成されず、自己整合的
に、シリコン膜(シリコン基板)が露出した領域のみシ
リサイド膜210が形成される。本発明により形成され
たチタンシリサイド膜の粒界には、TiNが存在し、且
つ、表面モホロジーが非常に滑らかで、非常に耐熱性に
優れた膜質になる。
【0053】後は、第1の実施例の図1(d)以降と同
様の工程を経て、所望の半導体装置を形成する。
【0054】(第3の実施例)第1及び第2の実施例で
は、ゲート電極として、多結晶シリコン膜を堆積し、パ
ターンニングにより形成しているが、多結晶シリコン膜
の替わりに非晶質シリコン膜で形成してもよい。この場
合、予備真空排気室と、窒素パージされ、露点がー10
0℃以下に保たれたロードロック室を備えたシリコンL
PーCVD装置を用いて形成する。ゲート酸化膜形成直
後の半導体ウェハをまず予備真空排気室に入れ、予備真
空排気室を10-1Pa程度に真空引きした後、窒素パー
ジされ、露点がー100℃以下に保たれたロードロック
室に搬送し、窒素パージによりウェハー表面に吸着して
いるH2O分子を除去する。次に、ファーネスに搬送
し、LPCVD法で、99.9999%以上の純度のS
iH4雰囲気中で、50Paの圧力で550℃程度の温
度で1500Åの非晶質シリコン膜を成膜している。こ
のように成膜された膜中の酸素濃度は、1x1018個/
cm3以下と、非常に酸素濃度の低い非晶質シリコン膜
となる。後は、第1または第2の実施例と同様の工程を
経て、半導体装置を成膜する。また、ゲート電極とし
て、多結晶シリコン膜の上部に非晶質シリコン膜が堆積
された2層膜でも良い。2層膜の堆積方法は、1000
Å堆積するまで、第1の実施例の方法(シーケンス)で
多結晶シリコン膜を堆積し、大気解放無しで連続で、シ
ーケンスを非晶質シリコン堆積条件に切り替え、500
Å程度の非晶質シリコンを堆積すれば良い。このように
成膜された膜中の酸素濃度は、1x1018個/cm3
下と、非常に酸素濃度の低い2層膜となる。本第3の実
施例のように、窒化チタン膜と反応する膜が、非晶質シ
リコン膜の場合、多結晶シリコン膜のように粒界が無い
ため、非常に表面モホロジーの良いチタンシリサイド膜
が形成できる。
【0055】(第4の実施例)第1〜第3の実施例で
は、通常構造のサリサイドトランジスタの実施例を示し
ているが、これに限るものでは無い。ゲートサイドウォ
ールスペーサー形成前に、ゲート電極をマスクとして、
LDDトランジスタ用の濃度の薄い注入領域を形成して
もよい。(例えば、NMOSの場合、燐イオンを、3x
1013/cm2程度注入する)また、局所線接合とし
て、燐イオンの替わりに、砒素イオンを1x1014/c
2注入しても良い。(14乗レベルの砒素注入では、
ノックオン酸素の影響は、シリサイド化反応に影響しな
いことが我々の実験で得られている)また、図11
(a)〜(b)に示すような、積上拡散層型トランジス
タにも本発明は適用できる。まず、図11(a)に示す
ように、半導体基板301上に、フィールド酸化膜30
2、活性領域303、ゲート酸化膜304、第1〜第3
の実施例と同様にして形成された、酸素濃度が、1x1
18個/cm3以下となるような多結晶シリコン膜、も
しくは、非晶質シリコン膜、もしくは、多結晶シリコン
膜と、非晶質シリコン膜よりなる2層膜により形成され
た、ゲート電極305、サイドウォールスペーサー30
6を形成した後に、活性領域に、酸素濃度が、1x10
18個/cm3以下となるような単結晶、もしくは、非単
結晶シリコン膜を選択的に積み上げ、積み上げシリコン
領域307を形成する。選択的に積み上げる方法として
は、選択エピタキシャル成長法や、本第1〜第3の実施
例に記載の予備真空排気室と、窒素パージされ露点がー
100℃以下に保たれたロードロック室を備えたシリコ
ンLPーCVD装置によって、活性領域には、下地シリ
コン基板の結晶方位を受け継いで、エピタキシャル成長
し、シリコン基板が露出していない領域では、多結晶シ
リコン膜(590℃以上で成膜した場合)もしくは、非
晶質シリコン膜(580℃以下で成膜した場合)が堆積
するような膜を堆積し、上記多結晶シリコン膜、もしく
は、非晶質シリコン膜を選択的にエッチング除去するこ
とにより、活性領域に選択的にシリコン膜を積み上げる
方法や、上記シリコンLPーCVD装置によって、活性
領域には、下地シリコン基板の結晶方位を受け継いで、
エピタキシャル成長し、シリコン基板が露出していない
領域では、多結晶シリコン膜もしくは、非晶質シリコン
膜が堆積するような膜、或るいは、ウェハ全面に多結晶
シリコン膜、もしくは、非晶質シリコン膜を堆積した
後、化学的機械的研磨法により、ゲート電極上部が露出
するまで研磨した後、フィールド領域にて上記多結晶シ
リコン膜、もしくは、非晶質シリコン膜をパターンニン
グする方法等がある。
【0056】次に、図11(b)に示すように、第1も
しくは、第2の実施例の方法にて、チタンシリサイド膜
で裏打ちされた、ゲート電極、及び、ソース、ドレイン
領域309を形成する。本実施例のトランジスタは、ソ
ース、ドレイン領域が、ゲートチャネル領域よりも積み
上がっているため、短チャネル効果に強いトランジスタ
となる。
【0057】
【発明の効果】本発明の半導体装置によれば、TiSi
2 C54結晶のグレインの間に、TiNが存在してい
るため、グレイン間にSiO2が存在しているときと比
較し、シート抵抗が低く、特に、TiSi2膜のグレイ
ンサイズよりも小さな配線幅の配線のシリサイド化で
も、グレインサイズよりも大きな配線幅の配線のシリサ
イド化と比べ、TiSi2膜のシート抵抗に関し、同一
の低い値が得られる。更に、TiSi2とTiNの界面
自由エネルギーは、TiSi2とSiO2の界面自由エネ
ルギーと比較し小さい。つまり、再結晶化を起こす温度
(TiSi2では、約815℃)以上では、より安定化
するために、界面自由エネルギーを低くするようにはた
らくため、TiSi2とSiO2の接触面積をより少なく
する方向にはたらく(TiSi2とSiO2の界面自由エ
ネルギーが、TiSi2とSi等の界面自由エネルギー
と比較し、非常に大きい)。よって、TiSi2 C5
4結晶のグレイン間にSiO2が存在しているとき、そ
の膜は、グレイン間にTiNが存在している膜と比較
し、より低温で凝集が始まる。逆にグレイン間にTiN
が存在している膜は、耐熱性が高く、炉アニールにて9
00℃、30分程度行っても凝集することがないという
効果がある。
【0058】本発明の第1の半導体装置の製造方法によ
れば、チタンシリサイド膜の形成方法において、非常に
活性なTi金属の変わりに窒化チタン膜を堆積した後、
熱処理により、上記窒化チタン膜と、シリコン膜を反応
させチタンシリサイド膜を形成する為、積極的に窒素を
シリサイド膜中に入れることが出来、結果として、多少
酸素成分が存在しようと、形成されたチタンシリサイド
膜の粒界には、本発明の構造のように窒化チタン膜が形
成されやすい。粒界にSiO2が存在する替わりにTi
Nが存在した場合、表面自由エネルギーを抑えることが
可能となり、耐熱性に優れたチタンシリサイド膜とな
る。
【0059】
【0060】本発明の第の半導体装置の製造方法によ
れば、窒素ガスの混合比を0.1〜10%の範囲にする
ことにより、シリサイド化反応に支障をきたさない範囲
で形成されたチタンシリサイド膜の粒界に優先的にTi
Nを形成することが出来る。ここで、表1の生成エンタ
ルピーの関係より、TiSi2よりもTiNのほうが形
成されやすいため、N原子よりもTi原子を十分多くす
る必要がある。
【0061】
【0062】
【0063】以上より明らかなように本発明では、シリ
サイド化反応において、極力酸素成分を排除し、且つ、
Ti金属の替わりに窒化チタン膜をシリコンと反応させ
てチタンシリサイド膜を形成しているため、形成された
TiSi2の粒界には、SiO2では無く、TiNが存在
している。このように形成されたTiSi2膜は、シー
ト抵抗が低く、特に、TiSi2膜のグレインサイズよ
りも小さな配線幅の配線のシリサイド化に関して、従来
法のようにTiSi2膜のグレインサイズよりも大きな
配線幅の配線のシリサイド化と比較し、顕著に配線抵抗
率が上昇するようなことは無く、TiSi2膜のグレイ
ンサイズよりも小さな配線幅の配線のシリサイド化で
も、グレインサイズよりも大きな配線幅の配線のシリサ
イド化と比べ、TiSi2膜のシート抵抗に関し、同一
の低い値が得られるという効果がある。更に、耐熱性が
高く、シリサイド膜形成後に、注入されたドナー、もし
くは、アクセプターを活性化するための熱処理や、層間
絶縁膜をリフローするための熱処理を、炉アニールにて
900℃、30分程度行っても凝集することがないとい
う効果がある。このため、チタンシリサイドの再結晶化
に伴うチタンの再拡散を防止することが可能となり、ソ
ース、ドレイン領域の接合リーク電流については、シリ
サイド無しと比較して、増大するようなことは無く、ゲ
ート酸化膜の信頼性についても、シリサイド無しと同一
の信頼性が得られる。さらに、不純物は、シリサイド膜
形成後に注入するため、注入によるダメージがシリサイ
ド膜下のシリコン膜(シリコン基板)に入ることは少な
く、活性化アニールによる、増速拡散を防ぐことが可能
となり、且つ、不純物の活性化アニールと層間絶縁膜を
リフローさせるためのアニールを同時に行うことが可能
となるため、工程が簡略化できると同時にトータル熱処
理量を抑えることが可能となり、短チャネル効果に強い
トランジスタの作製が容易となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の第1の実施例に係る半導体装
置の工程順断面図である。
【図2】図2は、本発明の第1の実施例に係る半導体装
置の工程順断面図である。
【図3】図3は、本発明で用いたロードロック室を備え
たシリコンLPーCVD装置の概略図である。
【図4】図4は、本発明で用いたロードロック室を備え
たシリコンLPーCVD装置と、通常のシリコンLPー
CVD装置によって堆積したシリコン膜中の酸素濃度の
SIMS分析結果を示す図である。
【図5】図5は、本発明で用いたロードロック室を備え
たシリコンLPーCVD装置によって堆積したシリコン
膜上に本実施例にて形成したチタンシリサイド膜と、通
常のシリコンLPーCVD装置によって堆積したシリコ
ン膜上に従来例にて形成したチタンシリサイド膜の、シ
ート抵抗の第2の急速熱処理温度依存性を示す図であ
る。
【図6】図6は、本実施例にて形成したチタンシリサイ
ド膜と、従来例にて形成したチタンシリサイド膜の、9
00℃、窒素雰囲気中、30分アニールした後の、断面
模式図である。
【図7】図7は、本実施例にて形成したチタンシリサイ
ド膜と、従来例にて形成したチタンシリサイド膜の、凝
集機構の断面模式図である。
【図8】図8は、本実施例にて形成したチタンシリサイ
ド膜を有するゲート電極と、従来例にて形成したチタン
シリサイド膜を有するゲート電極の、シート抵抗のゲー
ト長依存性を示す図である。
【図9】図9は、本実施例にて形成したチタンシリサイ
ド膜を有するLDDトランジスタと、従来例にて形成し
たチタンシリサイド膜を有するLDDトランジスタの、
IDーVD特性を示す図である。
【図10】図10は、本発明の第2の実施例に係る半導
体装置の工程順断面図である。
【図11】図11は、本発明の第4の実施例に係る半導
体装置の断面図である。
【図12】図12は、従来技術による半導体装置を説明
するための工程順断面図である。
【符号の説明】
101、201、301、401 半導体基板 102、202、302、402 フィールド
領域 103、203、303 活性領域 104、204、304、403 ゲート酸化
膜 105、205、305、404 ゲート電極 106、206、306、405 サイドウォ
ールスペーサー 406 酸化膜 307 積み上げシリコン領域 107、207、 自然酸化膜 108、208、 窒化チタン
膜 209 チタンとシリコンが
混じりあった層 109、210、 409 TiSi2
C49結晶構造チタン シリサイド膜 110、211 410 窒化チタン
膜 111、 309、407 ソース、ド
レイン領域 112、 308、411 TiSi2
C54結晶構造 チタンシリサイド膜 408 チタン金属膜
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 21/28 H01L 21/3205 H01L 29/78 H01L 21/336

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 半導体装置のチタンシリサイド膜を有す
    る配線に於て、上記チタンシリサイド膜は、TiSi2
    C54結晶粒からなり、上記結晶粒どうしは、TiN
    を介して接触しており、前記結晶粒のグレインサイズ
    は、前記配線幅より大きいことを特徴とする半導体装
    置。
  2. 【請求項2】 チタンシリサイド膜を有する配線の製造
    方法に関し、シリコン膜を配線パターン加工する工程
    と、前記シリコン膜上に、窒素原子に比べチタン原子が
    多く含まれた窒化チタン膜を堆積する工程と、熱処理に
    より上記シリコン膜と窒化チタン膜を反応させることに
    よる酸素を排除したシリサイド化反応で、前記配線より
    も大きなグレインサイズを有し、チタンシリサイドグレ
    イン間に窒化チタンを介するチタンシリサイド膜を形成
    することを特徴とする半導体装置の製造方法。
  3. 【請求項3】 上記窒化チタン膜を堆積する工程におい
    て、チタンターゲットを用いて、アルゴンガスと、窒素
    ガスの混合ガス中で、反応性スパッタ法により、窒化チ
    タン膜を堆積することを特徴とし、上記アルゴンガス
    と、窒素ガスの混合比における窒素ガスの割合は、0.
    1%〜10%の範囲であることを特徴とする請求項2に
    記載の半導体装置の製造方法。
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