JP2005340659A - 発光素子の製造方法 - Google Patents

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Abstract


【課題】 透光性導電半導体基板を有しつつも、該基板を発光層部に貼り合わせる工程が不要となり、ひいては発光層部に損傷等が発生しにくい発光素子の製造方法を提供する。
【解決手段】 AlGaInPからなる単位準備層8が、成長抑制用空隙11にて互いに隔てられた形で面内方向に複数個配列した発光層成長準備層の第一主表面側にGaPからなる透明導電半導体基板を貼り合わせて複合基板50を作製する。そして、AlGaInPからなる発光層部24を、複合基板50の発光層成長準備層の第二主表面MP2に対し、各単位準備層8外の領域での層成長を成長抑制用空隙11により抑制しつつエピタキシャル成長させることにより、各単位準備層8上に発光層単位成長部13を形成する。そして、発光層単位成長部13の形成された複合基板50を、少なくとも成長抑制用空隙11の位置において分割することにより、発光層単位成長部13に基づく個別の素子チップ100を得る。
【選択図】 図4

Description

この発明は、発光素子の製造方法に関する。
特開2001−68731号公報
(AlGa1−xIn1−yP(ただし、0≦x≦1,0≦y≦1;以下、AlGaInPとも記載する)系混晶化合物により発光層部が形成された発光素子は、薄いAlGaInP活性層を、それよりもバンドギャップの大きいn型AlGaInPクラッド層とp型AlGaInPクラッド層とによりサンドイッチ状に挟んだダブルへテロ構造を採用することにより、高輝度の素子を実現できる。また、近年では、InGaAl1−x−yN(ただし、0≦x≦1,0≦y≦1,x+y≦1;以下、InGaAlNとも記載する)系混晶化合物を用いて同様のダブルへテロ構造を形成した青色発光素子も実用化されている。
例えば、AlGaInP系発光素子を例に取れば、n型GaAs基板上にヘテロ形成させる形にて、n型GaAsバッファ層、n型AlGaInPクラッド層、AlGaInP活性層、p型AlGaInPクラッド層をこの順序にて積層し、ダブルへテロ構造をなす発光層部を形成する。発光層部への通電は、素子表面に形成された金属電極を介して行なわれる。ここで、金属電極は遮光体として作用するため、例えば発光層部主表面の中央部のみを覆う形で形成され、その周囲の電極非形成領域から光を取り出すようにする。
この場合、金属電極の面積をなるべく小さくしたほうが、電極の周囲に形成される光漏出領域の面積を大きくできるので、光取出し効率を向上させる観点において有利である。従来、電極形状の工夫により、素子内に効果的に電流を拡げて光取出量を増加させる試みがなされているが、この場合も電極面積の増大はいずれにしろ避けがたく、光漏出面積の減少により却って光取出量が制限されるジレンマに陥っている。
そこで、光取出し効率を向上させるために、発光層部の両面あるいは基板側面から光を取り出すことができるような素子構造が種々提案されている。AlGaInP系発光素子の場合、発光層部の成長基板としてAlGaInPと格子整合しやすいGaAs基板が使用されるが、GaAsはAlGaInP系発光層部の発光波長域において光吸収が大きい。これを解決するために、特許文献1には、発光層部の両面から光を取り出すために、一旦GaAs基板を剥離し、発光波長域において透明なGaP等の導電半導体基板を新たに貼り合わせる方法が開示さ
発光素子においては、発光効率を高めるために発光層部をなす化合物半導体結晶は、転位等の結晶欠陥をなるべく含まない、高品質のものが要求される。しかし、特許文献1のように、予め成長した発光層部に導電半導体基板を貼り合わせる工程を採用した場合、貼り合わせのためのハンドリングが必要となり、貼り合わせの密着加圧を行なう際に、発光層部に結晶欠陥が導入されたり、あるいはハンドリングに際して発光層部に損傷が加わったりするなどの不具合を生じやすい問題がある。また、貼り合わせを高温で実施すると、その熱影響により発光層部が劣化する懸念もある。さらに、ハンドリングを容易にするために、発光層部上に50μm程度の厚膜の化合物半導体層を成長することもあるが、該厚膜の化合物半導体層を成長する際にも、既に形成されている発光層部にその熱履歴が加わり、劣化が促進されることがある。
本発明の課題は、導電半導体基板を有しつつも、該基板を発光層部に貼り合わせる工程が不要となり、ひいては発光層部に損傷もしくは劣化等が発生しにくい発光素子の製造方法と、それに用いる複合基板、及びそれを用いた発光素子とを提供することにある。
課題を解決するための手段及び発明の効果
上記の課題を解決するために、本発明の発光素子の製造方法は、
第一の化合物半導体よりなる発光層部が、該第一の化合物半導体と格子定数の相違する第二の化合物半導体からなる導電半導体基板上に形成された構造を有する発光素子の製造方法であって、
第一の化合物半導体との格子定数差が第二の化合物半導体との格子定数差よりも小さい化合物半導体からなる複数の単位準備層が、成長抑制用空隙にて互いに隔てられた形で面内方向に複数個配列した発光層成長準備層を用意し、その発光層成長準備層の第一主表面側に導電半導体基板を形成して複合基板を作製する複合透光性基板製造工程と、
発光層部をなす化合物半導体を、複合基板の発光層成長準備層の第二主表面に対し、単位準備層外の領域での層成長を成長抑制用空隙により抑制しつつエピタキシャル成長させることにより、各単位準備層上に発光層単位成長部を形成する発光層単位成長部形成工程と、
発光層単位成長部の形成された複合基板を、少なくとも成長抑制用空隙の位置において分割することにより、発光層単位成長部に基づく個別の素子チップを得るチップ分割工程と、
を含むことを特徴とする。
上記本発明の複合基板及びそれを用いた発光素子の製造方法によると、予め成長した発光層部を導電半導体基板に貼り合わせる方法は採用しない。具体的には、発光層部(第一の化合物半導体)に対して導電半導体基板(第二の化合物半導体)よりも格子整合しやすい化合物半導体により発光層成長準備層を作り、その発光層成長準備層の第一主表面側に導電半導体基板を形成することにより、複合基板をまず作製する。そして、その複合基板を基板として用い、該発光層成長準備層の第二主表面側を成長面とする形で、ここに発光層部をエピタキシャル成長させる。導電半導体基板上に格子定数差の大きい発光層部を直接エピタキシャル成長することは困難であるが、上記のごとき複合基板を用いれば、発光層部に対して格子整合しやすい化合物半導体からなる発光層成長準備層の第二主表面側に、発光層部を容易にエピタキシャル成長することができる。そして、このエピタキシャル成長により、発光層部が、発光層成長準備層を介して初めから導電半導体基板と結合された構造にて得られるから、従来のごとく、発光層部を導電半導体基板に貼り合わせる工程は全く必要でなくなる。その結果、貼り合わせのハンドリング等により発光層部に不要な圧力が加わったり損傷が発生する心配がなくなる。また、予め成長した発光層部に対して導電半導体基板の貼り合わせをしたり、ハンドリング用の厚膜化合物半導体層の成長を行なったりすることがないので、それらの熱履歴による発光層部の劣化も生ずる心配がなくなる。このようにして、上記複合基板を用いて得られる本発明の発光素子は、発光層部の品質が高められ、ひいては高輝度で長寿命の発光素子が実現する。
他方、導電半導体基板と発光層部とは格子定数が一致していないので、発光層部の層成長に伴う不整合歪の発生が不可避である。特に、発光層部の成長厚さが増大すると、該不整合歪による層面内方向の応力が増大し、発光層部への転位導入等により発光強度が大幅に低下する問題がある。さらに、複合基板を発光層部の成長温度まで昇温し、該発光層部を成長後に冷却する際には、成長した発光層部(及び発光層成長準備層)と導電半導体基板との熱膨張係数差に基づく熱応力が加わるので、発光層部への転位導入等は一層生じやすくなる。
そこで、本発明で使用する複合基板においては、発光層成長準備層を、単位準備層が、成長抑制用空隙にて互いに隔てられた形で面内方向に複数個配列したものとして形成する。これにより、単位準備層外の領域での層成長が成長抑制用空隙により抑制されながら、発光層部をなす第一の化合物半導体の層が、各単位準備層上に発光層単位成長部としてエピタキシャル成長される。つまり、発光層成長準備層が小面積の単位準備層に分割され、その上への発光層部のエピタキシャル成長も、個別の発光層単位成長部の形で小面積化することができる。従って、個々の発光層単位成長部で見れば、不整合歪変位や冷却時の熱歪変位はそれほど大きくならず、成長抑制用空隙にて十分変位吸収できる。従って、導電半導体基板と発光層部との格子定数不一致や線膨張係数差の影響を、該発光層成長準備層上にエピタキシャル成長される発光層部に及びにくくすることができ、ひいては得られる発光素子の発光層部の品質が高められ、高輝度で長寿命の発光素子が実現する。なお、発光層部を形成した複合基板は、最終的には個別の素子チップに分割する必要があるのだから、得るべき素子チップの分割形態を考慮して成長抑制用空隙を設定する限り、こうした発光層単位成長部への小面積化による弊害は何ら生じない。
発光層成長準備層(発光層単位成長部)上には、発光層部を直接成長させてもよいし、発光層成長準備層と格子整合する別の化合物半導体層(例えばバッファ層)を成長させてから、その上に発光層部を成長することもできる。
導電半導体基板は、発光層部からの発光光束に対して透光性を有する化合物半導体からなる透光性導電半導体基板として構成すれば、発光層のエピタキシャル成長後において、該透光性導電半導体基板を発光素子の光取出用基板部分として流用することができる。
素子チップは、発光層単位成長部に一対一に対応したものとして形成することができる。形成する単位準備層ひいては発光層単位成長部の数は、1つの基板から得るべき素子チップの個数が最大値であり、該発光層単位成長部の数をその最大値に一致させることにより、単位準備層ひいては発光層単位成長部の面積を最小化でき、導電半導体基板と発光層部との格子定数不一致や線膨張係数差の影響から発光層部を保護する効果がより高められる。
他方、上記格子定数不一致や線膨張係数差の影響が十分軽減できるのであれば、発光層単位成長部をさらに複数個に分割して、それぞれ素子チップとなすこともできる。このようにすると、単位準備層の形成個数が少なくて済み、工数削減による低コスト化に寄与する。また、後述のごとく、発光層単位成長部を成長済みの複合基板を素子チップに切断する際に、成長抑制用空隙部分は余分な堆積物を除去するために広い切断代が必要であるが、上記方法では、切断代拡張の必要がない発光層単位成長部を横切る切断代が少なからず設定されるので、切断代が節約される分だけ1枚の基板から採取可能な素子チップの個数を増やすことができる。
成長抑制用空隙は、複合基板の主表面上に格子状に配列した溝状とすることが、形成も簡単であり、角型(例えば正方形状)の素子チップを1つの基板から高収率にて採取できるので本発明に好適である。この場合、格子状の成長抑制用空隙に沿った分割線の配列間隔をさらに細分化する形で発光層単位成長部を横切る分割線を定め、それら分割線に沿って複合基板を、各発光層単位成長部からそれぞれ複数個の素子チップが得られるように分割することができる。これにより、方形の発光層単位成長部をさらに複数個に分割して、それぞれ素子チップとする工程を合理的に実現できる。
また、成長抑制用空隙には、発光層単位成長部をエピタキシャル成長する際に不要な化合物半導体が堆積する。そこで、該成長抑制用空隙にて基板を切断する際には、該不要な化合物半導体の堆積層が素子チップ側に残留しないよう、隣接する発光層単位成長部を、それら発光層単位成長部の間に形成されていた成長抑制用空隙の幅よりも大なる切断代にて、当該成長抑制用空隙に堆積した不要な化合物半導体層を除去しつつ切断・分離することが望ましい。これにより、不要な残留物のない、より高品質の発光素子を得ることができる。
次に、複合基板製造工程は、導電半導体基板よりも、発光層部をなす化合物半導体との格子定数差が小さい成長用基板の主表面に、複数の単位準備層を有する発光層成長準備層を形成する発光層成長準備層形成工程と、発光層成長準備層の成長用基板側の主表面を第二主表面とし、これと反対側の主表面を第一主表面として、該発光層成長準備層の単位準備層の第一主表面に導電半導体基板を貼り合わせる基板貼り合わせ工程と、発光層成長準備層の第二主表面から成長用基板を除去する成長用基板除去工程と、を有するものとして実施することができる。該方法は、貼り合わせ工程を導電半導体基板と発光層成長準備層との間で行い、発光層部のエピタキシャル成長工程を、その貼り合わせ工程の後で実施する。つまり、貼り合わせ時の機械的ハンドリングの影響を発光層成長準備層にいわば肩代わりさせることにより、発光層部への影響を軽減することができる。
発光層成長準備層形成工程は、成長抑制用空隙として予定された領域も含めて、成長用基板の主表面に発光層成長準備層となるべき化合物半導体層をエピタキシャル成長するエピタキシャル成長工程と、該化合物半導体層の成長抑制用空隙として予定された部分を、厚さ方向に貫く形で除去する成長抑制用空隙形成工程と、を有するものとして実施することができる。成長用基板の主表面に発光層成長準備層となるべき化合物半導体層をいわばベタで形成し、不要な化合物半導体層部分を後工程で除去することにより成長抑制用空隙を簡単に形成できる。該化合物半導体層の除去は、具体的には、ハーフダイシング又はメサエッチングにて簡単に実施できる。なお、化合物半導体層の成長抑制用空隙として予定された部分を、厚さ方向に貫く形で除去するのは、次の理由による。すなわち、成長用基板から導電半導体基板に発光層成長準備層を貼り合わせにより移し換えれば、その裏表も反転する。すると、化合物半導体層発光層部面として使用される面側において、残留した化合物半導体層が成長抑制用空隙内にバリとなって残る。その結果、発光層部成長の単位準備層への選択性が損なわれ、成長抑制用空隙内への化合物半導体層の成長が顕著となって、本発明の効果が損なわれることにつながる。
なお、別の方法としては、成長用基板の主表面に成長抑制用空隙に対応した溝又は成長抑制層を形成し、発光層成長準備層をなす化合物半導体を、溝又は成長抑制層の形成位置にて成長抑制しつつ主表面にエピタキシャル成長することにより、溝又は成長抑制層に対応して生ずる成長抑制用空隙にて単位準備層が互いに隔てられた発光層成長準備層を得ることもできる。該方法も成長抑制用空隙にて分離された単位準備層を簡単に形成できる利点がある。特に、後述のAlGaInPのように、横方向成長を起しにくい化合物半導体にて発光層部を形成する場合、成長抑制層(例えばAlなどである)を用いると、成長抑制用空隙での発光層部の成長が顕著に抑制され、単位準備層への発光層部の選択成長が顕著となり、分離性のよい発光層単位成長部を得ることができる。
本発明の発光素子の製造方法において、発光層成長準備層は、発光層部からの発光光束のピーク波長に対応するエネルギーよりもバンドギャップの広い化合物半導体にて形成することが望ましい。このようにすることにより、発光層部からの光が発光層成長準備層に吸収されにくくなり、発光層成長準備層を経由して導電半導体基板に発光光束が出入りする際に、吸収による損失を低く留めることができ、ひいては光取出し効率の向上に寄与する。
また、本発明の発光素子の製造方法において、発光層部を構成する第一の化合物半導体を、AlGaInP系混晶化合物とする場合、導電半導体基板をなす第二の化合物半導体は、例えばGaPまたはGaAsPにて形成することができる。AlGaInP系混晶化合物((AlGa1−xIn1−yP(ただし、0≦x≦1,0≦y≦1))は、混晶比x及びyを調整することにより、GaAs単結晶基板と整合する格子定数を維持したまま、例えば520nm以上670nm以下の範囲で、高発光強度を維持しつつ発光波長を容易に調整することができる。この場合、GaPあるいはGaAsPはバンドギャップが比較的広いため、該AlGaInP系発光層部からの発光光束に対して良好な光透過性を有し、光取出し効率を高めることができる。
次に、本発明の発光素子の製造方法において、発光層成長準備層は、発光層部の品質向上の観点において発光層部との格子不整合がなるべく小さいこと、具体的には、発光層成長準備層の第二主表面の格子定数をa1、発光層部の発光層成長準備層側の格子定数をa2として、|a1−a2|/a1≦0.01となっていることが望ましい。|a1−a2|/a1>0.01になると、発光層成長準備層の第二主表面上に発光層部をエピタキシャル成長する際に、発光層成長準備層との格子不整合により発光層部にミスフィット転位などの結晶欠陥が導入されやすくなり、発光効率の低下につながる場合がある。
具体的には、発光層部と発光層成長準備層とを、III族構成元素とV族構成元素との種別が一致したIII−V族混晶化合物半導体にて構成することが、発光層成長準備層と発光層部との格子不整合率を縮小する上で望ましい。発光層部と発光層成長準備層とを、いずれもAlGaInP系混晶化合物で構成すれば、発光層成長準備層上への発光層部のエピタキシャル成長を容易に行なうことができる。より具体的には、発光層部は、AlGaInP系混晶化合物により、ノンドープの活性層をn型クラッド層とp型クラッド層とで挟んだダブルへテロ構造にて構成することにより、活性層へのキャリア閉じ込め効果を高め、ひいては発光再結合を促進して内部量子効率を向上することができる。この場合、キャリアの閉じ込め効果を高めるには、n型クラッド層とp型クラッド層とは、ノンドープの活性層よりもワイドギャップに構成しておくことが有利である。そして、発光層成長準備層の第二主表面は、該発光層成長準備層側に位置するn型又はp型のクラッド層と同じ混晶比を有するか、あるいは、該クラッド層の格子定数をa2として、|a1−a2|/a1≦0.01となり、かつ活性層よりもバンドギャップが広くなるように混晶比が調整されたAlGaInP系混晶化合物で構成することで、発光層成長準備層上への発光層部のエピタキシャル成長を容易に行なうことができるばかりでなく、発光光束のピーク波長を規定する活性層よりもワイドギャップとなることにより、光吸収による損失も小さくできる。
一方、過度に光吸収を生じないものであれば、発光層部と発光層成長準備層とを、III族構成元素とV族構成元素との種別が一致しないIII−V族混晶化合物半導体にて構成することもできる。例えば、発光層部がAlGaInP系混晶化合物である場合、発光層成長準備層をAlGaAs系混晶化合物で構成することもできる。AlGaAs系混晶化合物は、混晶比の調整により、AlGaInP系混晶化合物と格子整合した化合物が容易に得られるほか、液相成長法による高速成長も可能であり、また、周知のMOVPE法により形成する場合でも、層成長速度を比較的大きく設定しやすく、製造能率が高い利点がある。いずれの方法を採用する場合でも、発光層成長準備層の厚膜化を容易に図ることができるので、例えば、前述の成長用基板を発光層成長準備層から除去してから、該発光層成長準備層の第一主表面に導電半導体基板を形成する工程も容易に実施できる。
図1は、本発明の一実施形態である発光素子100を示す概念図である。発光素子100は、第一の化合物半導体であるAlGaInP系混晶化合物よりなる発光層部24を有する。発光層部24は、各々AlGaInP系混晶化合物とされるとともに、第一導電型クラッド層4、第二導電型クラッド層6、及び第一導電型クラッド層4と第二導電型クラッド層6との間に位置する活性層5からなるダブルへテロ構造とされている。具体的には、ノンドープ(AlGa1−xIn1−yP(ただし、0≦x≦0.55,0.45≦y≦0.55)混晶からなる活性層5を、p型(AlGa1−zIn1−yP(ただし、x<z≦1)からなるp型クラッド層6とn型(AlGa1−zIn1−yP(ただし、x<z≦1)からなるn型クラッド層4とにより挟んだ構造となっている。なお、当業者には自明のことであるが、ここでいう「ノンドープ」とは、「ドーパントの積極添加を行なわない」との意味であり、通常の製造工程上、不可避的に混入するドーパント成分の含有(例えば1013〜1016/cm程度を上限とする)をも排除するものではない。
上記の発光層部24は複合基板50上に形成されてなる。複合基板50は、導電半導体基板(透明導電半導体基板)であるn型のGaP単結晶基板70を有し、AlGaInP系混晶化合物(第一の化合物半導体)との格子定数差が、GaP(第二の化合物半導体)との格子定数差よりも小さい化合物半導体、具体的には、n型クラッド層4と同じ混晶比及びドーパント濃度のAlGaInP系混晶化合物よりなる発光層成長準備層8の第一主表面MP1側に、導電半導体基板であるGaP単結晶基板70を貼り合わせたものである。従って、発光層成長準備層8とGaP単結晶基板70とは格子整合していない。なお、正方形状に形成された素子チップの一辺の長さは1mm以下であり、発光層成長準備層8側から発光層部24側へ貫通するミスフィット転位の密度は10/mm以下に留められている。
発光層部24のp型クラッド層6側は光取出面とされ、これを覆うように、該p型クラッド層6よりもp型ドーパント濃度が高いp型AlGaAsよりなる電流拡散層20が形成されている。また、透光性を有するGaP単結晶基板70の側面も光取出面として機能する。電流拡散層20の略中央部には、Au等にて構成されたボンディングパッド90が配置され、ここにAu等で構成された図示しない電極ワイヤが接合される。他方、GaP単結晶基板70の他方の主表面側には、Au系金属よりなる裏面電極層15が全面に形成されている。この裏面電極層15は、発光層部24から発光層成長準備層8を経てGaP単結晶基板70内に入射する発光光束を、光取出面側あるいはGaP単結晶基板70の側面側に反射して、光取出し効率を高める働きをなす。
以下、図1の発光素子100の製造方法について説明する。
まず、図2の工程1に示すように、成長用基板をなすGaAs単結晶基板1の主表面に、図示しないGaAsバッファ層を例えば0.5μmエピタキシャル成長し、該バッファ層上に図示しないAlAs剥離層をエピタキシャル成長し、さらに発光層成長準備層8となるべき化合物半導体層8’(成長開始面は第二主表面MP2側である)をエピタキシャル成長させる。成長用基板をなすGaAsは、導電半導体基板をなすGaP単結晶基板70よりも、発光層部をなすAlGaInPとの格子定数差が小さい(具体的には、AlGaInPとの格子定数が略同等)。本実施形態では、化合物半導体層8’はn型AlGaInP層とされ、その上に、n型GaPにより、貼り合わせ結合層9となるべき結合用化合物半導体層9’が、該化合物半導体層8’よりも薄膜に成長される。化合物半導体層8’の厚さは例えば0.5μm以上2μm以下であり、結合用化合物半導体層9’の厚さは0.001μm以上0.5μm以下である。
上記各層のエピタキシャル成長は、後述の発光層部24及び電流拡散層20と同様に、公知のMOVPE法により行なうことができる。Al、Ga、In、P及びAsの各成分源となる原料ガスとしては以下のようなものを使用できる;
・Al源ガス;トリメチルアルミニウム(TMAl)、トリエチルアルミニウム(TEAl)など;
・Ga源ガス;トリメチルガリウム(TMGa)、トリエチルガリウム(TEGa)など;
・In源ガス;トリメチルインジウム(TMIn)、トリエチルインジウム(TEIn)など。
・P源ガス;ターシャルブチルホスフィン(TBP)、ホスフィン(PH)など。
・As源ガス;ターシャルブチルアルシン(TBA)、アルシン(AsH)など。
また、ドーパントガスとしては、以下のようなものを使用できる;
(p型ドーパント)
・Mg源:ビスシクロペンタジエニルマグネシウム(CpMg)など。
・Zn源:ジメチル亜鉛(DMZn)、ジエチル亜鉛(DEZn)など。
(n型ドーパント)
・Si源:モノシランなどのシリコン水素化物など。
上記工程1では、成長用基板であるGaAs単結晶基板1の第一主表面MP1の全面に、発光層成長準備層8となるべき化合物半導体層8’をエピタキシャル成長している。そして、工程2に示すように、化合物半導体層8’の、単位準備層8となるべき部分を残し、残余の格子状のパターン部分を厚さ方向に貫く形で溝状に除去することにより、成長抑制用空隙11を形成する。これにより、化合物半導体層8’は、貼り合わせ結合層9を有する単位準備層が、成長抑制用空隙11にて互いに隔てられた形で面内方向に複数個配列した発光層成長準備層となる(以下、「単位準備層8」とも記載する)。
成長抑制用空隙11は、図5に示すように、回転するダイシング刃60により化合物半導体層8’を格子状にハーフダイシングすることにより形成することができる。他方、図6に示すように、成長抑制用空隙11をメサエッチングにて形成してもよい。具体的には、化合物半導体層8’の主表面に、単位準備層8となるべき部分を選択的に覆うエッチングマスク層40(材質は、例えばAu、Au−Ge−Ni合金、Au−Si合金、Au−Si−Ni合金等である)を、周知の真空蒸着等により形成する。次いで、化合物半導体層8’のエッチングマスク層40に覆われていない領域を、例えばリン酸/過酸化水素水混合液等からなるエッチング液を用いてメサエッチングし、エッチングマスク層40を除去すれば、成長抑制用空隙11’が湾曲内面形態のメサ溝として得られる。
なお、成長抑制用空隙11の溝幅w1(図2)は、発光層部24を成長する際の格子緩和効果が十分に得られるように、分離された単位準備層8の面内方向寸法w2の10%以上に設定することが望ましい(基板の歩留まりを考慮すれば、50%以下とするのがよい)。また、成長抑制用空隙11による単位準備層8の分離性を向上させるためには、図7に示すように、ハーフダイシング溝11又はメサ溝11’を、成長用基板(GaAs単結晶基板)1内に入り込むように、深く形成することも有効である。
次に、成長抑制用空隙11を形成済みの基板1には、図3の工程3に示すように、別途用意したGaP単結晶基板70(例えば、液体封止型チョクラルスキー法にて引き上げ成長した単結晶インゴットをスライスして製造したもの)を、単位準備層8の第一主表面MP1上に重ね合わせ、例えば加圧しながら適当な温度(例えば300℃以上800℃以下)にて熱処理することにより貼り合わせる。このとき、GaP単結晶基板70と接するのは、これと同種の化合物半導体(n型GaP)からなる貼り合わせ結合層9であり、GaP単結晶基板70と単位準備層8との貼り合わせ強度を高めることができる。
次に、工程4に進み、上記GaP単結晶基板70を貼り合わせた積層体を、例えば10%フッ酸水溶液からなるエッチング液に浸漬し、バッファ層と発光層成長準備層8との間に形成したAlAs剥離層を選択エッチングすることにより、GaAs単結晶基板1(発光層部24からの光に対して不透明である)を除去する。成長抑制用空隙11は、AlAs剥離層を選択エッチングする際に、エッチング液の供給路としても機能し、GaAs単結晶基板1を除去する工程の能率化にも貢献する。これにより、AlGaInPからなる各単位準備層8は、GaP単結晶基板70に第二主表面MP2が発光層部成長用の下地面として露出する形で一体化され、複合基板50が得られる。
次に、図4の工程5に進み、GaAs単結晶基板1を除去した複合基板50を、再びMOVPE成長装置内に配置し、各単位準備層8の第二主表面MP2上に、発光層部24及び電流拡散層20を順次エピタキシャル成長する。単位準備層8外の領域での層成長は成長抑制用空隙11により抑制され、各単位準備層8上にそれぞれ、発光層部24及び電流拡散層20を有する発光層単位成長部13が個別に形成される。なお、電流拡散層20は、AlGaAsに換えてGaPあるいはGaAsPで構成することもできる。この場合、該流拡散層20は、発光層部24に続く形で同じMOVPEにより成長してもよいが、成長速度のより大きいHVPE(Hydride Vapor Phase Epitaxy)法を用いて成長するとより能率的である。
次に、工程6に示すように、電流拡散層20の主表面の一部を覆うように、ワイヤボンディング用の電極90(ボンディングパッド:図1)を形成する一方、GaP単結晶基板70の裏面側には、反射用の裏面電極層15を形成する。そして、工程7及び工程8に示すように、個々の発光層単位成長部13を成長抑制用空隙11の位置にて基板70とともにダイシングし、発光層単位成長部13に一対一に対応した発光素子100(素子チップ)を得る。なお、工程6に示すごとく、発光層部24及び電流拡散層20をエピタキシャル成長する際に、成長抑制用空隙11内には、不要な化合物半導体の堆積が生ずる。そこで、図10に示すように、該不要な化合物半導体の堆積層14が素子チップ側に残留しないよう、隣接する発光層単位成長部13,13を、それら発光層単位成長部13,13の間に形成されていた成長抑制用空隙11の幅t1(図5のダイシング刃60の幅に対応する)よりも大なる切断代にて、当該成長抑制用空隙11に堆積した不要な化合物半導体層14を除去しつつ切断・分離することが望ましい。具体的には、成長抑制用空隙11の幅t1よりも大きな幅(厚さ)t2を有するダイシング刃170を用い、成長抑制用空隙11を包含する切断代17を生ずる形でダイシングすることができる。本実施形態では、ウェーハ状態での素子チップの特性評価を行うため、ダイシング刃170により化合物半導体層14を除去するためのハーフダイシングを行なった後、改めて基板70を分離するためのフルダイシングを行なうようにしている。なお、不要な化合物半導体層14の除去を上記のようなダイシングに代えてメサエッチングにより行なってもよい。
以上のダイシングにより得られた各素子チップは、支持体に固着してリード線のワイヤボンディング等を行なった後、樹脂封止をすることにより最終的な発光素子が得られる。
本発明においては、発光層部に導電半導体基板であるGaP単結晶基板を直接貼り合わせる工程を採用せず、図3に示すように、まず、発光層部24に対してGaP単結晶基板70よりも格子整合しやすいAlGaInP混晶化合物により発光層成長準備層をなす単位準備層8を作り、その単位準備層8の第一主表面MP1側に(貼り合わせ結合層9を介して)GaP単結晶基板70を貼り合わせ、複合基板50を作製する。そして、図4に示すように、その複合基板50を発光層部24の成長時に基板として用い、単位準備層8の第二主表面MP2側を成長面とする形で、ここに発光層部24をエピタキシャル成長させる。GaP単結晶基板70上に格子定数差の大きいAlGaInPよりなる発光層部24を直接エピタキシャル成長することは困難であるが、上記のごとき複合基板50を用いれば、同じAlGaInPよりなる単位準備層8の第二主表面MP2を用いて、発光層部24を容易にエピタキシャル成長することができる。該工程により、発光層部24は、初めからGaP単結晶基板70と結合された構造にて得られるから、発光層部24をGaP単結晶基板70に貼り合わせる工程は全く必要でなくなる。その結果、貼り合わせのハンドリング等により発光層部24に不要な圧力が加わったり損傷が発生する心配がなくなる。また、予め成長した発光層部に対してGaP単結晶基板の貼り合わせをしたり、ハンドリング用の厚膜化合物半導体層の成長を行なったりすることがないので、それらの熱履歴による発光層部24の劣化も生ずる心配がなくなる。
また、発光層部24がエピタキシャル成長される単位準備層8は、小面積の単位準備層8に分割され、成長される発光層部24も、個別の発光層単位成長部13の形で小面積化される。そして、個々の発光層単位成長部13で見れば、貼り合わせたGaP単結晶基板70と単位準備層8(発光層成長準備層)との不整合歪変位や、発光層部24及び電流拡散層20をエピタキシャル成長後の冷却時の熱歪変位等がそれほど大きくならず、成長抑制用空隙11にて十分吸収できる。その結果、GaP単結晶基板70(導電半導体基板)と発光層部24との格子定数不一致や線膨張係数差の影響を、各発光層部24に及びにくくすることができる。その結果、得られる発光素子100は、その発光層部24を結晶欠陥の少ない高品質のものとして形成することができ、高輝度で長寿命のものが得られる。なお、発光層成長準備層8上には、発光層部を直接成長させてもよいし、発光層成長準備層8と格子整合する別の化合物半導体層を成長させてから、その上に発光層部24を成長することもできる。例えば、より高品質の発光層部24を得るために、発光層成長準備層8上にAlGaInPよりなるバッファ層を形成した後、発光層部24を成長することができる。
以下、本発明の種々の変形例について説明する。
図2〜図4の工程においては、素子チップは、発光層単位成長部13に一対一に対応したものとして形成されていたが、図11に示すように、発光層単位成長部33をさらに複数個に分割して、それぞれ素子チップ73となすこともできる。具体的には、図2の格子状の成長抑制用空隙11に沿った分割線の配列間隔をさらに細分化する形で、図11に示すように、発光層単位成長部33を横切る分割線80を定め、それら分割線80に沿って複合基板を、各発光層単位成長部33からそれぞれ複数個の素子チップ73が得られるように分割することができる。図11の実施形態では、成長抑制用空隙11に沿ったハーフダイシング溝17をまず形成し、続いて、分割線80に沿ったハーフダイシング溝37を形成し、これらハーフダイシング溝17,37に沿ってフルダイシングすることにより、素子チップ73に分離するようにしている。
また、複合基板を製造する際には、図8に示すように、GaAs単結晶基板(成長用基板)1の主表面に溝25を形成し、単位準備層8をなす化合物半導体を、該溝25にて成長抑制しつつ主表面にエピタキシャル成長することにより、該溝25の位置に成長抑制用空隙11を生じさせた単位準備層8を形成するようにしてもよい。さらに、図9に示すように、溝25に代えて、Al等からなる成長抑制層26をGaAs単結晶基板(成長用基板)1の主表面に形成し、該成長抑制層26以外の領域に単位準備層8をなす化合物半導体を選択成長することにより、成長抑制用空隙11を形成することもできる。
本発明が適用される発光素子の一例を示す断面模式図。 本発明の発光素子の製造方法の一実施形態を示す工程説明図。 図2に続く工程説明図。 図3に続く工程説明図。 ハーフダイシングにより成長抑制用空隙を形成する例を示す工程説明図。 メサエッチングにより成長抑制用空隙を形成する例を示す工程説明図。 図5及び図6の工程の変形例を示す工程説明図。 成長抑制用空隙の形成方法の第一の別例を示す工程説明図。 成長抑制用空隙の形成方法の第二の別例を示す工程説明図。 発光層単位成長部の分離工程の一例を示す説明図。 発光層単位成長部の分離工程の別例を示す説明図。
符号の説明
1 GaAs単結晶基板(成長用基板)
70 GaP単結晶基板(導電半導体基板)
9 貼り合わせ結合層
8 単位準備層(発光層成長準備層)
11 成長抑制用空隙
13 発光層単位成長部
14 不要な化合物半導体層
24 発光層部
25 溝
26 成長抑制層
50 複合基板
80 分割線
100 発光素子(73 素子チップ)

Claims (11)

  1. 第一の化合物半導体よりなる発光層部が、該第一の化合物半導体と格子定数の相違する第二の化合物半導体からなる導電半導体基板上に形成された構造を有する発光素子の製造方法であって、
    前記第一の化合物半導体との格子定数差が前記第二の化合物半導体との格子定数差よりも小さい化合物半導体からなる複数の単位準備層が、成長抑制用空隙にて互いに隔てられた形で面内方向に複数個配列した発光層成長準備層を用意し、その発光層成長準備層の第一主表面側に前記導電半導体基板を形成して複合基板を作製する複合透光性基板製造工程と、
    前記発光層部をなす化合物半導体を、前記複合基板の前記発光層成長準備層の第二主表面に対し、前記単位準備層外の領域での層成長を前記成長抑制用空隙により抑制しつつエピタキシャル成長させることにより、各前記単位準備層上に発光層単位成長部を形成する発光層単位成長部形成工程と、
    前記発光層単位成長部の形成された前記複合基板を、少なくとも前記成長抑制用空隙の位置において分割することにより、前記発光層単位成長部に基づく個別の素子チップを得るチップ分割工程と、
    を含むことを特徴とする発光素子の製造方法。
  2. 前記導電半導体基板が、前記発光層部からの発光光束に対して透光性を有する化合物半導体からなる導電半導体基板であることを特徴とする請求項1記載の発光素子の製造方法。
  3. 前記素子チップを、前記発光層単位成長部に一対一に対応したものとして形成することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の発光素子の製造方法。
  4. 前記発光層単位成長部をさらに複数個に分割して、それぞれ前記素子チップとなすことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の発光素子の製造方法。
  5. 前記成長抑制用空隙を、前記複合基板の主表面上に格子状に配列した溝状に形成することを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の発光素子の製造方法。
  6. 格子状の前記成長抑制用空隙に沿った分割線の配列間隔をさらに細分化する形で前記発光層単位成長部を横切る分割線を定め、それら分割線に沿って前記複合基板を、各前記発光層単位成長部からそれぞれ複数個の素子チップが得られるように分割することを特徴とする請求項5記載の発光素子の製造方法。
  7. 隣接する前記発光層単位成長部を、それら発光層単位成長部の間に形成されていた前記成長抑制用空隙の幅よりも大なる切断代にて、当該成長抑制用空隙に堆積した不要な化合物半導体層を除去しつつ切断・分離することを特徴とする請求項1ないし請求項6のいずれか1項に記載の発光素子の製造方法。
  8. 前記複合透光性基板製造工程は、
    前記導電半導体基板よりも、前記発光層部をなす化合物半導体との格子定数差が小さい成長用基板の主表面に、複数の前記単位準備層を有する前記発光層成長準備層を形成する発光層成長準備層形成工程と、
    前記発光層成長準備層の前記成長用基板側の主表面を第二主表面とし、これと反対側の主表面を第一主表面として、該発光層成長準備層の前記単位準備層の第一主表面に前記導電半導体基板を貼り合わせる基板貼り合わせ工程と、
    前記発光層成長準備層の前記第二主表面から前記成長用基板を除去する成長用基板除去工程と、
    を有することを特徴とする請求項1ないし請求項7のいずれか1項に記載の発光素子の製造方法。
  9. 前記発光層成長準備層形成工程は、前記成長抑制用空隙として予定された領域も含めて、前記成長用基板の主表面に前記発光層成長準備層となるべき化合物半導体層をエピタキシャル成長するエピタキシャル成長工程と、該化合物半導体層の前記成長抑制用空隙として予定された部分を、厚さ方向に貫く形で除去する成長抑制用空隙形成工程と、を有することを特徴とする請求項8記載の発光素子の製造方法。
  10. 前記化合物半導体層の除去をハーフダイシング又はメサエッチングにて行なうことを特徴とする請求項9記載の発光素子の製造方法。
  11. 前記成長用基板の主表面に前記成長抑制用空隙に対応した溝又は成長抑制層を形成し、前記発光層成長準備層をなす化合物半導体を、前記溝又は成長抑制層の形成位置にて成長抑制しつつ前記主表面にエピタキシャル成長することにより、前記溝又は成長抑制層に対応して生ずる成長抑制用空隙にて前記単位準備層が互いに隔てられた発光層成長準備層を得ることを特徴とする請求項1ないし請求項10のいずれか1項に記載の発光素子の製造方法。
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