JP2005340377A - 半導体装置の作製方法及び半導体装置 - Google Patents

半導体装置の作製方法及び半導体装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 従来と比べて活性化率を向上ささることができる半導体装置の作製方法を提供する。
【解決手段】 半導体層3aの上方で、不純物元素を含む原料ガス、及び半導体層3aを構成する元素と同等以上の大きさの元素を含む補償ガスを用いてプラズマを生成することにより、半導体層3aに不純物イオンを導入すると同時に、半導体層3aに該半導体層を構成する元素と同等以上の大きさの元素からなる欠陥形成用イオンを導入して欠陥を生じさせる。次いで半導体層3aを熱処理することにより不純物イオンを活性化する。このとき半導体層3aには欠陥が生じているため不純物の活性化率は向上する。
【選択図】 図1

Description

本発明は薄膜トランジスタ(以下TFTと記載)で構成された回路を有する半導体装置の作製方法及び半導体装置に関する。尚本明細書において半導体装置とは、半導体特性を利用して機能する装置全般を指し、また本発明により作製される半導体装置は、TFTを用いて構成される半導体集積回路(マイクロプロセッサ、信号処理回路又は高周波回路等)を有する液晶表示装置、発光表示装置及び電子機器を範疇に含んでいる。
トランジスタを形成する際に、半導体膜であるポリシリコン膜に不純物を注入し、熱処理を行って不純物を活性化させることにより、ポリシリコン膜に導電性を持たせることが頻繁に行われている。例えばTFTトランジスタのソース及びドレインも、ポリシリコン膜に例えばPイオン、Bイオン、又はこれらの水素化化合物分子イオンなどの不純物イオンを注入して活性化させることにより形成されている。
ポリシリコン膜に注入される不純物は、リンに代表されるN型不純物と、ボロンに代表されるP型不純物がある。これら不純物は活性化しないとポリシリコン膜の低抵抗化に寄与しない。リンはシリコンと原子半径が近いため、リンがポリシリコン膜に注入されるとポリシリコン膜には結晶欠陥が誘起される。このためリンの活性化率は、活性化処理が550℃という比較的低温の熱処理であっても例えば10〜50%と比較的高い値になる。これに対しボロンはシリコンより原子半径がかなり小さいため、ボロンがポリシリコン膜に注入されてもポリシリコン膜には結晶欠陥が誘起されにくい。このためボロンの活性化率は、活性化処理が550℃という比較的低温の熱処理である場合には1〜10%と、リンの場合と比べて非常に小さくなっている。
ボロンの活性化率を向上させる方法として、GeイオンやSiイオンを注入することにより単結晶のシリコン基板をプリアモルファス化する方法が知られている。この方法は、GeやSiなど、Siと同等以上の大きさでありかつシリコン基板中で電気的に不活性な原子を事前にイオン注入することにより、結晶崩壊を誘起させ(プリアモルファス化)、その後ボロンをドープする方法である(例えば特許文献1参照)。
特開平6−232156号公報
TFTトランジスタにおいてソース及びドレインの抵抗は、トランジスタのオン特性に影響するため可能な限り低いことが望ましい。従って不純物の活性化率を向上させることは重要である。特にTFTトランジスタをガラス基板上に形成する場合、活性化処理における熱処理温度の上限は限られる。このため熱処理温度をある程度低いまま活性化率を向上させることが必要である。
上記した単結晶のシリコン基板をプリアモルファス化する方法をTFTトランジスタの作製に適用すると、プリアモルファス化のために注入した原子がポリシリコン膜に残留する場合があり、その残留した原子が不要な不純物である場合はTFTの特性が低下することがある。
また上記した方法ではプリアモルファス化するために新たな工程を設ける必要があるため半導体装置の作製工程数が増えてしまい、半導体装置の生産効率が低下してしまう。
本発明は上記のような事情を考慮してなされたものであり、その目的は、従来と比べて活性化率を向上ささることができる半導体装置の作製方法及び半導体装置を提供することにある。また、不純物の活性化率を向上させるために導入した原子の残留による半導体装置の特性低下を抑制した半導体装置の作製方法及び半導体装置を提供することにある。また、工程数を増やすことなく不純物イオンの活性化率を向上させることができる半導体装置の作製方法及び半導体装置を提供することにある。
上記課題を解決するため、本発明に係る半導体装置の作製方法は、半導体層に不純物イオン及び該半導体層を構成する元素と同等以上の大きさの希ガス元素、Si、Geのうちの少なくとも一つの元素からなる欠陥形成用イオンを導入する工程と、
前記半導体層を熱処理する工程と
を具備することを特徴とする。
上記半導体装置の作製方法によれば、半導体層に欠陥形成用イオンを導入しているため、従来と比べて活性化率を向上させることができる。
本発明に係る半導体装置の作製方法は、半導体層に不純物イオンを導入すると同時に、前記半導体層に、該半導体層を構成する元素と同等以上の大きさの希ガス元素、Si及びGeのうちの少なくとも一つからなる欠陥形成用イオンを導入して欠陥を生じさせる工程と、
前記半導体層を熱処理する工程と
を具備することを特徴とする。
上記半導体装置の作製方法によれば、不純物イオンと欠陥形成用イオンを同時に半導体層に導入するため、工程数を増やすことなく不純物イオンの活性化率を向上させることができる。従って半導体装置の生産量を低下させずにすむ。
本発明に係る半導体装置の作製方法は、半導体層に不純物イオンを導入する工程と、
前記半導体層に、該半導体層を構成する元素と同等以上の大きさの希ガス元素、Si及びGeのうちの少なくとも一つからなる欠陥形成用イオンを導入して欠陥を生じさせる工程と、
前記半導体層を熱処理する工程と
を具備することを特徴とする。
上記半導体装置の作製方法によれば、半導体層に欠陥形成用イオンを導入しているため、従来と比べて活性化率を向上させることができる。
本発明に係る半導体装置の作製方法は、不純物元素を含む原料ガス、及び半導体層を構成する元素と同等以上の大きさの希ガス元素、Si、Geのうちの少なくとも一つを含む補償ガスを用いてプラズマを生成することにより、前記半導体層に不純物イオンをドーピングすると同時に、前記半導体層に前記希ガス元素、Si、Geのうちの少なくとも一つからなる欠陥形成用イオンをドーピングして欠陥を生じさせる工程と、
前記半導体層を熱処理する工程と
を具備することを特徴とする。
上記半導体装置の作製方法によれば、不純物イオンと欠陥形成用イオンを同時に半導体層にドーピングするため、工程数を増やすことなく不純物イオンの活性化率を向上させることができる。またプラズマを用いて不純物イオン及び欠陥形成用イオンをドーピングするため、一度に処理できる半導体層の面積が増える。従って半導体装置の作製時間を短くすることができる。
本発明に係る半導体装置の作製方法は、不純物元素を含む原料ガス、及び半導体層を構成する元素と同等以上の大きさの希ガス元素、Si、Geのうちの少なくとも一つを含む補償ガスを用いてプラズマを生成し、該プラズマから、前記半導体層に不純物イオンを加速させてドーピングすると同時に、前記半導体層に前記希ガス元素、Si、Geのうちの少なくとも一つからなる欠陥形成用イオンを加速させてドーピングすることにより該半導体層に欠陥を生じさせる工程と、
前記半導体層を熱処理する工程と
を具備することを特徴とする。
上記半導体装置の作製方法によれば、不純物イオンと欠陥形成用イオンを同時に半導体層にドーピングするため、工程数を増やすことなく不純物イオンの活性化率を向上させることができる。またイオンの加速量を調節することにより欠陥形成用イオン及び不純物イオンの導入深さを制御することができるため、不純物元素がドーピングされた不純物層の深さを制御することができる。
また、本発明に係る半導体装置の作製方法において、前記熱処理する際の温度は300℃以下であることも可能である。
また、本発明に係る半導体装置の作製方法において、前記熱処理する工程は、該熱処理により前記不純物イオンを活性化する工程であることも可能である。
また、本発明に係る半導体装置の作製方法において、前記熱処理する際の温度は400℃以上500℃以下であることも可能である。
本発明に係る半導体装置の作製方法は、半導体層に不純物イオン及び該半導体層を構成する元素と同等以上の大きさの希ガス元素からなる欠陥形成用イオンを導入する工程と、
前記半導体層を熱処理することにより、前記不純物イオンを活性化すると共に該半導体層中の前記欠陥形成用イオンを除去する工程と
を具備することを特徴とする。
上記半導体装置の作製方法によれば、希ガスからなる欠陥形成用イオンを除去しているため、欠陥形成用イオンの残留による半導体装置の特性低下を抑制することができる。つまり、不純物層において希ガスは不要な不純物であるため、それが残留していると半導体装置の特性が低下することがある。従って、希ガスを不純物層から除去することにより半導体装置の特性低下を抑制することができる。
尚、欠陥形成用イオンがSi又はGeの場合、その元素は不純物層にとって不純物とはいえないため、それを除去する必要はない。
本発明に係る半導体装置の作製方法は、半導体層に不純物イオンを導入すると同時に、前記半導体層に、該半導体層を構成する元素と同等以上の大きさの希ガス元素からなる欠陥形成用イオンを導入して欠陥を生じさせる工程と、
前記半導体層を熱処理することにより、前記不純物イオンを活性化すると共に該半導体層中の前記欠陥形成用イオンを除去する工程と
を具備することを特徴とする。
本発明に係る半導体装置の作製方法は、半導体層に不純物イオンを導入する工程と、
前記半導体層に、該半導体層を構成する元素と同等以上の大きさの希ガス元素からなる欠陥形成用イオンを導入して欠陥を生じさせる工程と、
前記半導体層を熱処理することにより、前記不純物イオンを活性化すると共に該半導体層中の前記欠陥形成用イオンを除去する工程と
を具備することを特徴とする。
本発明に係る半導体装置の作製方法は、不純物元素を含む原料ガス、及び半導体層を構成する元素と同等以上の大きさの希ガス元素を含む補償ガスを用いてプラズマを生成することにより、前記半導体層に不純物イオンをドーピングすると同時に、前記半導体層に前記希ガス元素からなる欠陥形成用イオンをドーピングして欠陥を生じさせる工程と、
前記半導体層を熱処理することにより、前記不純物イオンを活性化すると共に該半導体層中の前記欠陥形成用イオンを除去する工程と
を具備することを特徴とする。
本発明に係る半導体装置の作製方法は、不純物元素を含む原料ガス、及び半導体層を構成する元素と同等以上の大きさの希ガス元素を含む補償ガスを用いてプラズマを生成し、該プラズマから、前記半導体層に不純物イオンを加速させてドーピングすると同時に、前記半導体層に前記希ガス元素からなる欠陥形成用イオンを加速させてドーピングすることにより該半導体層に欠陥を生じさせる工程と、
前記半導体層を熱処理することにより、前記不純物イオンを活性化すると共に該半導体層中の前記欠陥形成用イオンを除去する工程と
を具備することを特徴とする。
また、本発明に係る半導体装置の作製方法において、前記熱処理する際の温度は500℃以上であることも可能である。
本発明に係る半導体装置の作製方法は、半導体層上にゲート絶縁膜を形成する工程と、
前記ゲート絶縁膜上にゲート電極を形成する工程と、
前記ゲート電極をマスクとして、前記半導体層に不純物イオン及び該半導体層を構成する元素と同等以上の大きさの希ガス元素、Si、Geのうちの少なくとも一つの元素からなる欠陥形成用イオンを導入する工程と、
前記半導体層を熱処理する工程と
を具備することを特徴とする。
本発明に係る半導体装置の作製方法は、ゲート電極を形成する工程と、
前記ゲート電極上にゲート絶縁膜を形成する工程と、
前記ゲート絶縁膜上に半導体層を形成する工程と、
前記半導体層に不純物イオン及び該半導体層を構成する元素と同等以上の大きさの希ガス元素、Si、Geのうちの少なくとも一つの元素からなる欠陥形成用イオンを導入する工程と、
前記半導体層を熱処理する工程と
を具備することを特徴とする。
また、本発明に係る半導体装置の作製方法において、前記半導体層に不純物イオン及び欠陥形成用イオンを導入する工程は、半導体層に不純物イオンを導入すると同時に、前記半導体層に、該半導体層を構成する元素と同等以上の大きさの希ガス元素、Si及びGeのうちの少なくとも一つからなる欠陥形成用イオンを導入して欠陥を生じさせる工程であることも可能である。
また、本発明に係る半導体装置の作製方法において、前記半導体層に不純物イオン及び欠陥形成用イオンを導入する工程は、前記半導体層に不純物イオンを導入する工程と、前記半導体層に、該半導体層を構成する元素と同等以上の大きさの希ガス元素、Si及びGeのうちの少なくとも一つからなる欠陥形成用イオンを導入して欠陥を生じさせる工程とを有することも可能である。
また、本発明に係る半導体装置の作製方法において、前記半導体層に不純物イオン及び欠陥形成用イオンを導入する工程は、不純物元素を含む原料ガス、及び半導体層を構成する元素と同等以上の大きさの希ガス元素、Si、Geのうちの少なくとも一つを含む補償ガスを用いてプラズマを生成することにより、前記半導体層に不純物イオンをドーピングすると同時に、前記半導体層に前記希ガス元素、Si、Geのうちの少なくとも一つからなる欠陥形成用イオンをドーピングして欠陥を生じさせる工程であることも可能である。
また、本発明に係る半導体装置の作製方法において、前記半導体層に不純物イオン及び欠陥形成用イオンを導入する工程は、不純物元素を含む原料ガス、及び半導体層を構成する元素と同等以上の大きさの希ガス元素、Si、Geのうちの少なくとも一つを含む補償ガスを用いてプラズマを生成し、該プラズマから、前記半導体層に不純物イオンを加速させてドーピングすると同時に、前記半導体層に前記希ガス元素、Si、Geのうちの少なくとも一つからなる欠陥形成用イオンを加速させてドーピングすることにより該半導体層に欠陥を生じさせる工程であることも可能である。
また、本発明に係る半導体装置の作製方法において、前記熱処理する際の温度は300℃以下であることも可能である。
また、本発明に係る半導体装置の作製方法において、前記熱処理する工程は、該熱処理により前記不純物イオンを活性化してソース領域の拡散層及びドレイン領域の拡散層を形成する工程であることも可能である。
また、本発明に係る半導体装置の作製方法において、前記熱処理する際の温度は400℃以上500℃以下であることも可能である。
また、本発明に係る半導体装置の作製方法において、前記半導体層、前記ゲート絶縁膜及び前記ゲート電極は、プラスチック基板上、プラスチック基板の上方、ガラス基板上又はガラス基板の上方に形成されていることも可能である。
上記半導体装置の作製方法によれば、不純物イオンと欠陥形成用イオンを半導体層に導入して半導体層に欠陥を形成したため、従来と比べて半導体層の熱処理温度を低くしても、従来と同じ程度に不純物イオンを活性化することができる。従ってプラスチック基板が耐えうる熱処理温度であっても十分に不純物イオンを活性化することができる。
本発明に係る半導体装置の作製方法は、半導体層上にゲート絶縁膜を形成する工程と、
前記ゲート絶縁膜上にゲート電極を形成する工程と、
前記ゲート電極をマスクとして、前記半導体層に不純物イオン及び該半導体層を構成する元素と同等以上の大きさの希ガス元素からなる欠陥形成用イオンを導入する工程と、
前記半導体層を熱処理することにより前記不純物イオンを活性化してソース領域の拡散層及びドレイン領域の拡散層を形成すると共に前記拡散層中の前記欠陥形成用イオンを除去する工程と
を具備することを特徴とする。
上記半導体装置の作製方法によれば、半導体装置のソース領域及びドレイン領域における不純物の活性化率を上げることができる。従ってソース領域及びドレイン領域のシート抵抗値を低くし、トランジスタの動作速度を速くすることができる。
本発明に係る半導体装置の作製方法は、ゲート電極を形成する工程と、
前記ゲート電極上にゲート絶縁膜を形成する工程と、
前記ゲート絶縁膜上に半導体層を形成する工程と、
前記半導体層に不純物イオン及び該半導体層を構成する元素と同等以上の大きさの希ガス元素からなる欠陥形成用イオンを導入する工程と、
前記半導体層を熱処理することにより前記不純物イオンを活性化してソース領域の拡散層及びドレイン領域の拡散層を形成すると共に前記拡散層中の前記欠陥形成用イオンを除去する工程と
を具備することを特徴とする。
また、本発明に係る半導体装置の作製方法において、前記半導体層に不純物イオン及び欠陥形成用イオンを導入する工程は、半導体層に不純物イオンを導入すると同時に、前記半導体層に、該半導体層を構成する元素と同等以上の大きさの希ガス元素からなる欠陥形成用イオンを導入して欠陥を生じさせる工程であることも可能である。
また、本発明に係る半導体装置の作製方法において、前記半導体層に不純物イオン及び欠陥形成用イオンを導入する工程は、前記半導体層に不純物イオンを導入する工程と、前記半導体層に、該半導体層を構成する元素と同等以上の大きさの希ガス元素からなる欠陥形成用イオンを導入して欠陥を生じさせる工程とを有ことも可能である。
また、本発明に係る半導体装置の作製方法において、前記半導体層に不純物イオン及び欠陥形成用イオンを導入する工程は、不純物元素を含む原料ガス、及び半導体層を構成する元素と同等以上の大きさの希ガス元素を含む補償ガスを用いてプラズマを生成することにより、前記半導体層に不純物イオンをドーピングすると同時に、前記半導体層に前記希ガス元素からなる欠陥形成用イオンをドーピングして欠陥を生じさせる工程であることも可能である。
また、本発明に係る半導体装置の作製方法において、前記半導体層に不純物イオン及び欠陥形成用イオンを導入する工程は、不純物元素を含む原料ガス、及び半導体層を構成する元素と同等以上の大きさの希ガス元素を含む補償ガスを用いてプラズマを生成し、該プラズマから、前記半導体層に不純物イオンを加速させてドーピングすると同時に、前記半導体層に前記希ガス元素からなる欠陥形成用イオンを加速させてドーピングすることにより該半導体層に欠陥を生じさせる工程であることも可能である。
また、本発明に係る半導体装置の作製方法において、前記熱処理する際の温度は500℃以上であることも可能である。
また、本発明に係る半導体装置の作製方法において、前記不純物イオンを活性化する工程は前記半導体層の結晶性を向上させる工程を兼ねることも可能である。
また、本発明に係る半導体装置の作製方法において、前記不純物はボロンであることが好ましい。不純物がボロンである場合、特に効果を発揮する。
また、本発明に係る半導体装置の作製方法において、前記プラズマ中において、前記不純物イオンに対する前記欠陥形成用イオンの割合は10〜50%であることも可能である。
また、本発明に係る半導体装置の作製方法において、前記半導体層は多結晶シリコン層である場合、前記希ガス元素はAr、Kr及びXeであることが好ましい。
本発明に係る半導体装置は、不純物イオンが半導体層に導入された拡散層を具備し、
前記拡散層は、前記半導体層を構成する元素と同等以上の大きさの希ガス元素からなる欠陥形成用イオン及び不純物イオンそれぞれが導入された後、前記不純物イオンを活性化するために熱処理することにより形成されていることを特徴とする。
また、本発明に係る半導体装置において、前記欠陥形成用イオンは、前記半導体層を熱処理することにより除去されていることも可能である。
また、本発明に係る半導体装置において、 前記半導体層は多結晶シリコン層であり、
前記欠陥形成用イオンはAr、Kr及びXeからなる群から選ばれた一種類又は複数種類のイオンであることが好ましい。
本発明に係る半導体装置は、半導体層と、
前記半導体層に不純物イオンを導入することにより形成されたソース領域及びドレイン領域と、
前記半導体層上に形成されたゲート絶縁膜と、
前記ゲート絶縁膜上に形成されたゲート電極と
を具備し、
前記ソース領域及び前記ドレイン領域は、前記半導体層を構成する元素と同等以上の大きさの希ガス元素からなる欠陥形成用イオン及び不純物イオンそれぞれが導入された後、前記不純物イオンを活性化するために熱処理することにより形成されていることを特徴とする。
本発明に係る半導体装置は、ゲート電極と、
前記ゲート電極上に形成されたゲート絶縁膜と、
前記ゲート絶縁膜上に形成された半導体層と、
前記半導体層に不純物イオンを導入することにより形成されたソース領域及びドレイン領域と
を具備し、
前記ソース領域及び前記ドレイン領域は、前記半導体層を構成する元素と同等以上の大きさの希ガス元素からなる欠陥形成用イオン及び不純物イオンそれぞれが導入された後、前記不純物イオンを活性化するために熱処理することにより形成されていることを特徴とする。
また、本発明に係る半導体装置において、前記欠陥形成用イオンは、前記熱処理により前記ソース領域及び前記ドレイン領域から除去されていることも可能である。
また、本発明に係る半導体装置において、前記不純物はボロンであることが好ましい。
以上説明したように本発明によれば、従来と比べて活性化率を向上ささることができる半導体装置の作製方法及び半導体装置を提供することができる。また、他の本発明によれば、不純物の活性化率を向上させるために導入した原子の残留による半導体装置の特性低下を抑制した半導体装置の作製方法及び半導体装置を提供することができる。また、他の本発明によれば、工程数を増やすことなく不純物イオンの活性化率を向上させることができる半導体装置の作製方法及び半導体装置を提供することができる。
発明を実施するための形態
(第1の実施形態)
以下、図1〜図3を参照しつつ本発明の第1の実施形態について説明する。本実施形態に係る半導体装置の作製方法は、絶縁表面上に結晶化半導体膜を形成する工程と、この結晶化半導体膜にイオンドーピング又はプラズマドーピングを行って結晶化半導体膜に不純物イオンを導入する工程と、結晶化半導体膜を熱処理して不純物を活性化させる工程とを備えている。ここでプラズマ発生には、不純物イオンの基となる原料ガス(例えばB26)のほかに、結晶化半導体膜を構成する元素と同等以上の大きさの元素(例えばAr、Kr、Xe、Si、Ge)を含むガスが用いられる。このため結晶化半導体膜にイオンドーピング又はプラズマドーピングを行う際には、不純物イオンの他に上記した元素のイオン(以下欠陥形成用イオンと記載)も導入される。このためイオンドーピング又はプラズマドーピングの際に結晶化半導体膜には欠陥が形成され、熱処理後の不純物活性化率が向上する。以下図を参照しつつ詳細に説明する。
まず図1(A)に示すように基板1上に下地絶縁膜2を形成する。ここで基板1としては、ガラス基板、石英基板、セラミック基板などを用いることができる。またシリコン基板、金属基板またはステンレス基板の表面に絶縁膜を形成したものを用いても良い。また、後述するすべての工程の処理温度に熱的に耐えうるプラスチック基板を用いてもよい。
下地絶縁膜2は基板1に含まれる元素(例えばアルカリ金属)がこの上層に形成される半導体膜中に拡散しないために設けられる。下地絶縁膜2としては酸化シリコン膜、窒化シリコン膜または酸化窒化シリコン膜(SiOxy)等の絶縁膜を用いる。例えば以下に示す第1及び第2層を積層した絶縁膜が例示される。第1層はSiH4、NH3、及びN2Oを反応ガスとして成膜される第1酸化窒化シリコン膜であり、その膜厚は50〜100nmである。第2層はSiH4、及びN2Oを反応ガスとして成膜される第2酸化窒化シリコン膜であり、その膜厚は100〜150nmである。また下地絶縁膜2を一層構造としてもよい。この場合下地絶縁膜2としては窒化シリコン膜(SiN膜)、又は上記したプロセスで形成される第2酸化窒化シリコン膜(SiNxy膜(X≫Y))を用いることが好ましい。
次いで、下地絶縁膜2上に非晶質構造を有する半導体膜(以下、非晶質半導体膜と記載)3を例えばスパッタリング法により形成する。非晶質半導体膜3はシリコンを主成分とする半導体材料から形成される。例えば、非晶質半導体膜3は非晶質シリコン膜又は非晶質シリコンゲルマニウム膜などであり、プラズマCVD法や減圧CVD法、或いはスパッタ法によって10〜100nmの厚さに形成される。後の結晶化工程で良質な結晶構造を得るためには、非晶質半導体膜3の膜中に含まれる酸素、窒素などの不純物濃度を5×1018/cm3(二次イオン質量分析法(SIMS)にて測定した原子濃度)以下に低減させておくと良い。これらの不純物は後の結晶化を妨害する要因となり、また、結晶化後においても捕獲中心や再結合中心の密度を増加させる要因となる。そのために、高純度の材料ガスを用いることはもとより、反応室内を鏡面処理(電界研磨処理)したり、オイルフリーの真空排気系を備えた超高真空対応のCVD装置を用いることが望ましい。
次いで、非晶質半導体膜3を結晶化させ、結晶化半導体膜3aを形成する。本実施例においてはレーザアニールにより結晶化を行う工程を説明する。
レーザアニールは、レーザ照射装置を用いて行う。レーザ照射装置としては、連続発振型の気体又は固体レーザ照射装置を用いればよい。気体レーザとしては、Arレーザ、Krレーザ等があり、固体レーザとしては、YAGレーザ、YVO4レーザ、YLFレーザ、YAlO3レーザ、ガラスレーザ、ルビーレーザ、アレキサンドライドレーザ、サファイアレーザ等が挙げられる。固体レーザのレーザ媒質である結晶には、Cr+3、Cr+4、Nd+3、Er+3、Ce+3、Co+2、Ti+3、Yb+3又は、V3+から選択される一種又は複数種が不純物としてドープされている。
また、結晶化半導体膜3aをTFTの活性層として用いる場合、レーザ光の走査方向は、チャネル形成領域のキャリアが移動する方向と並行になるように定めるのが望ましい。つまり、チャネル形成領域のキャリアの移動する方向(チャネル長方向)と並行になるように、レーザ光の走査方向を定める。これによりレーザ光の走査方向に沿って結晶が成長し、結晶粒界がチャネル長と交差することを防ぐことができる。
次いで図1(B)に示すように結晶化半導体膜3a上にフォトレジスト膜を塗布し、このフォトレジスト膜を露光及び現像することによりレジストパターン4を形成する。次いでレジストパターン4をマスクとして不純物を導入する。ここではイオンドーピング又はプラズマドーピングを行う。
すなわち、結晶化半導体膜3a及びレジストパターン4の上方でプラズマを発生させる。ここでプラズマ発生に用いられるガスには、不純物イオンの基となる元素を含む原料ガスの他に、結晶化半導体膜3aを構成する元素(例えばシリコン)と同等以上の大きさの元素(Ar、Kr、Xe、Si、Ge)を含む補償ガスが用いられる。そしてプラズマ中には不純物イオン及び欠陥形成用イオンが生成する。
そして、結晶化半導体膜3aのうちレジストパターン4に覆われていない部分には、不純物イオンが導入されて不純物層5が形成されると共に、結晶化半導体膜3aを構成する元素と同等以上の大きさの欠陥形成用イオンが不純物層5に導入され、格子欠陥が生成される。また欠陥形成用イオンが不純物層5に導入されると、不純物イオンのチャネリングを防止することもできる。
イオンドーピングで上記した処理を行う場合、プラズマと結晶化半導体膜3a及びレジストパターン4との間に、加速電極を配置し、この加速電極によって不純物イオン及び欠陥形成用イオンを加速させて結晶化半導体膜3aにドーピングする。加速電極の電位を調節することにより、プラズマから結晶化半導体膜3aに導入される不純物イオン及び欠陥形成用イオンの照射エネルギーを調節することができる。これにより不純物イオンの導入深さを調整でき、かつ格子欠陥が生成される領域の深さを調節することができる。
また、プラズマドーピングで上記した処理を行う場合、結晶化半導体膜3aの側に例えば−100V程度のバイアスをかけることにより、プラズマ中の不純物イオン及び欠陥形成用イオンを結晶化半導体膜3aにドーピングする。
なお原料ガスとしては、不純物イオンがP型不純物である場合には例えばB26,BBr3,BCl3等が用いられ、不純物イオンがN型不純物である場合にはPOCl3,PCl3,PH3等が用いられる。補償ガスとしては、結晶化半導体膜3a中で不活性な元素のみを含むガス(例えばAr、Kr、Xe等の希ガス又はこれら希ガスと水素等の混合ガス)が好適である。このようにすると欠陥形成用イオンは半導体層の電気的特性に影響を与えない。
また原料ガスと補償ガスの流量比は、プラズマ中における不純物イオンに対する欠陥形成用イオンの比率が10〜50%となるようにするのが好ましい。
なおこの工程は、不純物イオンとともに欠陥形成用イオンを導入できる方法であれば、イオンドーピング又はプラズマドーピングに限定されない。ただし、イオンドーピング又はプラズマドーピングを用いた場合、一度に処理できる面積が大きくなり、スループットが向上する。
次いで図1(C)に示すようにレジストパターン4を除去した後、結晶化半導体膜3aを熱処理する(例えば400〜500℃で4時間)。これにより不純物イオンが活性化し、不純物層5の抵抗が下がる。なお結晶化半導体膜3aにレーザを照射することにより不純物イオンを活性化してもよい。この場合、不純物イオンが活性化すると共に、レーザ照射によって欠陥形成用イオンが不純物層5から効果的に抜けていく。従って不純物層5の電気的特性が向上する。
ここで結晶化半導体膜3aには欠陥形成用イオンにより格子欠陥が生成されているため、不純物の活性化率は向上する。従って同一のシート抵抗値を得るために必要な不純物イオンの導入量が少なくなり、処理時間が短くなるため、不純物層5を有する半導体装置の生産性(スループット)が向上する。また不純物イオン導入量が同一の場合は従来に比べてシート抵抗値が下がり、半導体装置の動作速度を上げることができる。特に不純物イオンがボロンイオンなど、結晶化半導体膜3aを構成する元素より小さい場合は、不純物イオン単独でのイオン導入では結晶化半導体膜3aに欠陥は形成されにくいため、欠陥形成用イオンを導入することは特に効果的である。
また同一の工程で不純物イオンと欠陥形成用イオンを導入しているため、工程数は増えない。従って不純物層5を有する半導体装置の生産性は低下しない。また不純物イオンと欠陥形成用イオンを同一のレジストパターン4を用いて導入しているため、不純物イオンが導入される領域(すなわち不純物層5)と欠陥形成用イオンが導入される領域がずれない。従って確実に不純物の活性化率を上げることができる。
(実験)Arをドーピングすることで半導体層のシート抵抗値が低下することを示すために、本発明者らは以下に示す実験を行った。
まず、ガラス基板の上方に下地絶縁膜を形成し、その上に結晶性半導体膜の一例であるポリシリコン膜を形成した。次いでB26を用いてポリシリコン膜にボロンイオン及びArイオンをイオンドーピング法によりポリシリコン膜にドーピングした。そしてポリシリコン膜に熱処理を加えた。ここでポリシリコン膜中でのボロンイオンとArイオンの比率を変化させ、また熱処理におけるガラス基板の加熱温度を変化させることにより、複数の試料を作製した。
このようにして作製されたポリシリコン膜のシート抵抗値を図2のグラフに示す。このグラフから分かるように、ボロンに対するArの比率が上がるにつれてポリシリコン膜のシート抵抗値が下がっている。これは、Arの比率が上がるにつれてボロンの活性化率が向上しているためである。ただしボロンに対するArの比率が40%を超えると逆にシート抵抗値が上がっている。これはArが過剰に導入されると結晶欠陥が増加して抵抗が増し、ボロンの活性化率向上の効果を打ち消しているためと考えられる。
また熱処理温度が高くなるにつれてポリシリコン膜のシート抵抗値も下がっている。またガラス基板の加熱温度が250℃であっても、ボロンに対するArの比率が40%(すなわち濃度が3.0×1014/cm2)であるポリシリコン膜のシート抵抗値(7kΩ/□)は、Arが導入されておらず(すなわちArの比率が0%)かつ加熱温度が410℃であるポリシリコン膜のシート抵抗値(6.5kΩ/□)と略等しい。このように、ポリシリコン膜にボロン及びArを導入すると、プラスチック基板が耐えるような熱処理(例えば加熱温度が250℃)であってもボロンが十分に活性化することが示された。
尚、このことは、上記不純物イオンの活性化のための熱処理を省略することも可能であることを示している。この熱処理を省略した場合においても、半導体装置を製造するプロセスの後工程、例えば他の膜を成膜する際に加えられる300℃以下の温度(熱)によって不純物イオンを必要な程度に活性化することができる。このようにすると半導体装置の作製工程を少なくすることができるため、スループットを上げることができる。
また、通常の不純物イオンを活性化する温度(例えば400〜500℃)で活性化処理を行った場合、従来と比べて活性化する不純物の量を増やすことができるため、不純物のドーズ量が同じ場合、結晶化半導体膜の抵抗値を従来方法に対して小さくすることができる。また結晶化半導体膜の抵抗値を従来と同一にする場合は、不純物のドーズ量を少なくしてスループットを上げることができる。
また、通常の不純物イオンを活性化する温度(例えば400〜500℃)より高い温度(例えば500℃以上、好ましくはRTAによる600〜650℃、1〜10分)で、結晶化半導体膜を熱処理することも可能である。欠陥形成用イオンが希ガスの場合、この熱処理によって不純物イオンが活性化すると共に、欠陥形成用イオンが結晶化半導体膜外部に拡散して除去される。欠陥形成用イオンが希ガスの場合、その希ガスの元素は不純物層にとって不純物であるため、それを除去することにより不純物層の電気的特性は向上する。
なお欠陥形成用イオンがSi又はGeの場合、その元素は不純物層にとって不純物とはいえないため、それを除去する必要はない。
次に、高い温度の熱処理によってポリシリコン膜中のAr濃度が下がることを示すために,本発明者らは、熱処理の前後におけるポリシリコン膜中のAr濃度の変化を測定した。測定はTXRF法を用いて行った。ここではRTAによって3.5分かけて650℃に昇温した後、5分ほど650℃に維持した。
この結果を図3のグラフに示す。図3のグラフは、RTAの前後それぞれにおいけるSi信号強度に対するAr信号強度の比率(Ar/Si強度比)を示している。RTAを行うことで、Ar/Si強度比が約半分になっている。このことからAr濃度は約半分になったといえる。このように、不純物を活性化するための熱処理によってポリシリコン膜中のAr濃度が下がることが示された。
なお上記した第1の実施形態では、不純物イオンと欠陥形成用イオンを例えばイオンドーピング法又はプラズマドーピング法により同時にポリシリコン膜に導入したが、イオンドーピング法、プラズマドーピング法、イオン注入法を用いて不純物イオンと欠陥形成用イオンを別々の工程でポリシリコン膜に導入してもよい。この場合は、不純物イオンをポリシリコン膜に注入した後に欠陥形成用イオンをポリシリコン膜に注入してもよいし、欠陥形成用イオンをポリシリコン膜に注入した後に不純物イオンをポリシリコン膜に注入してもよい。また一のイオン注入装置から不純物イオンをポリシリコン膜に注入すると同時に他のイオン注入装置から欠陥形成用イオンをポリシリコン膜に注入してもよい。これらの場合、不純物イオンの導入後の処理は上記した第1の実施形態と同一である。
(第2の実施形態)
次に図4を参照しつつ第2の実施形態を説明する。本実施形態は、第1の実施形態で示した不純物導入法を用いてTFTを形成する方法である。以下、第1の実施形態と同一の構成については同一の符号を付し、説明を省略する。
まず図4(A)に示すように基板1の上に下地絶縁膜2及び結晶化半導体膜3aを形成する。これらの形成方法は第1の実施形態と同じである。次いで結晶化半導体膜3aの上にフォトレジスト膜(図示せず)を塗布し、このフォトレジスト膜を露光及び現像することによりレジストパターンを形成する。次いでこのレジストパターンをマスクとして結晶化半導体膜3aをエッチングすることにより、所望の形状の結晶化半導体層10を形成する。このとき、フォトレジスト膜を塗布する前に、オゾン水で結晶化半導体膜3aの表面を処理することで、結晶化半導体膜3a表面に薄い酸化膜を形成することが望ましい。
次いで結晶化半導体層10の表面をフッ酸含有エッチャントで洗浄した後、結晶化半導体層10上にゲート絶縁膜12を形成する。ゲート絶縁膜12は珪素を主成分とする絶縁膜で形成される。これら表面洗浄工程とゲート絶縁膜12の形成工程は、大気にふれさせずに連続的に行うことが望ましい。
次いで、ゲート絶縁膜12の表面を洗浄した後、ゲート絶縁膜12上を含む全面上にポリシリコン膜を形成する。次いでこのポリシリコン膜上にフォトレジスト膜(図示せず)を塗布し、このフォトレジスト膜を露光及び現像することによりレジストパターンを形成する。次いでこのレジストパターンをマスクとしてポリシリコン膜をエッチングすることにより、ゲート絶縁膜12上にゲート電極13を形成する。
次いで図4(B)に示すようにゲート電極13をマスクとして結晶化半導体層10にボロンイオンを導入し、ソース領域14の拡散層及びドレイン領域15の拡散層を形成する。ここで用いるボロンイオンの導入方法は、第1の実施形態に示した不純物導入方法と略同一である。すなわちゲート電極13及び結晶化半導体層10の上方でプラズマを発生させる。このプラズマには、ボロンを含む原料ガスの他に、結晶化半導体膜10を構成する元素(例えばシリコン)と同等以上の大きさの元素(Ar、Kr、Xe、Si、Ge)を含む補償ガスが用いられる。そしてプラズマ中にはボロンイオン及び欠陥形成用イオンが生成する。そしてボロンイオンと同時に欠陥形成用イオンがソース領域14の拡散層及びドレイン領域15の拡散層に導入される。
そして、ボロンを活性化するために加熱処理、強光の照射、またはレーザ光の照射を行う。結晶化半導体層10にはボロンイオンと同時に欠陥形成用イオンが導入されているため、この処理によるボロンの活性化率は従来と比べて高くなる。従ってソース領域14及びドレイン領域15のシート抵抗は従来と比べて低くなる。なおボロンを活性化するためにレーザ光の照射を行った場合、欠陥形成用イオンはソース領域14の拡散層及びドレイン領域15の拡散層から効果的に抜けていくため、これら拡散層の電気的特性が向上する。また、高温の熱処理を行った場合にも欠陥形成用イオンは抜けていくため、同様の効果を得ることができる。
また活性化と同時にゲート絶縁膜12と結晶化半導体層10との界面、及びゲート絶縁膜12それぞれへのプラズマダメージを回復することができる。特に、室温〜300℃の雰囲気中において、表面または裏面からYAGレーザの第2高調波を照射して不純物元素を活性化させることは非常に有効である。YAGレーザはメンテナンスが簡単であるため好ましい活性化手段である。
次いで図4(C)に示すように、ゲート絶縁膜12及びゲート電極13を含む全面上に層間絶縁膜16を形成し、水素化を行う。次いで層間絶縁膜16上にレジストパターンを形成し、このレジストパターンをマスクとして層間絶縁膜16をエッチングすることにより、ソース領域14上及びドレイン領域15上それぞれに位置するコンタクトホールを形成する。次いで層間絶縁膜16上及びコンタクトホール中に導電膜(例えばAl合金配線)を形成し、この導電膜をパターニングすることにより、ソース電極17、ドレイン電極18を形成する。以上の工程によりTFT(pチャネル型TFT)が形成される。
このようにTFTを形成した場合、ソース領域14及びドレイン領域15それぞれにおいて、ボロンの活性化率は向上するためシート抵抗は従来と比べて低くなる。従ってTFTの動作速度は速くなる。これは、ドライバー等の駆動回路又はCPUなど、TFTにより高速動作を要求される回路を構成するときに特に効果を発揮する。
またソース領域14及びドレイン領域15それぞれに打ち込まれた欠陥形成用イオン(例えばAr)は、不純物を活性化するための処理によって拡散し、除去される。従ってシート抵抗は更に低くなり、TFTの特性が向上する。
なお本発明は図4(C)に示したTFT構造に限定されず、他の構造を有するTFTに適用することも可能である。必要があればチャネル形成領域とドレイン領域(またはソース領域)との間にLDD領域を有する低濃度ドレイン(LDD:Lightly Doped Drain)構造としてもよい。この構造はソース領域とチャネル領域の間、及びドレイン領域とチャネル形成領域の間それぞれに低濃度に不純物元素を添加した領域(以下LDD領域と記載)を設けたものである。またゲート絶縁膜を介してLDD領域をゲート電極と重ねて配置させた、いわゆるGOLD(Gate-drain Overlapped LDD)構造としてもよい。
また本実施形態ではボロンを用いてソース領域14及びドレイン領域15を形成し、TFTをpチャネル型としたが、ボロンに代えてn型不純物元素(例えばリンなど)を用いることによってnチャネル型TFTを形成することができることは言うまでもない。
また本実施形態ではトップゲート型TFTを例として説明したが、例えばボトムゲート型(逆スタガ型)TFTや順スタガ型TFTに適用することが可能である。
(第3の実施形態)
次に図5を参照しつつ第3の実施形態を説明する。本実施形態は、第1の実施形態で示した不純物導入法を用いて逆スタガ型(ボトムゲート型)のTFTを形成する方法である。以下、第1の実施形態と同一の構成については同一の符号を付し、説明を省略する。
まず図5(A)に示すように基板1上にAl、Cu、Wのいずれかを主成分とする金属膜を形成する。次いでこの金属膜上にフォトレジスト膜(図示せず)を塗布し、このフォトレジスト膜を露光及び現像することによりレジストパターンを形成する。次いでこのレジストパターンをマスクとして金属膜をエッチングすることにより、基板1上にゲート電極21を形成する。
次いでゲート電極21上を含む全面上にゲート絶縁膜22を形成する。ゲート絶縁膜22は珪素を主成分とする絶縁膜で形成される。
次いでゲート絶縁膜22上に非晶質半導体膜を形成する。次いで非晶質半導体膜を結晶化させて結晶化半導体膜3aを形成する。非晶質半導体膜の結晶化方法は第1の実施形態と略同一である。
次いで図5(B)に示すように結晶化半導体膜3aの上にフォトレジスト膜(図示せず)を塗布し、このフォトレジスト膜を露光及び現像することによりレジストパターンを形成する。次いでこのレジストパターンをマスクとして結晶化半導体膜3aをエッチングすることにより、所望の形状の結晶化半導体層24を形成する。
次いで結晶化半導体層24の上にフォトレジスト膜を塗布し、このフォトレジスト膜を露光及び現像することによりレジストパターン23を形成する。次いで結晶化半導体層24の上方にプラズマを発生させることにより、レジストパターン23をマスクとして結晶化半導体層24にボロンイオン及び欠陥形成用イオンを導入して、ソース領域24a及びドレイン領域24bを形成する。ボロンイオン及び欠陥形成用イオンを導入する方法の詳細は第1の実施形態と略同一である。すなわちプラズマには、ボロンを含む原料ガスの他に、結晶化半導体膜10を構成する元素(例えばシリコン)と同等以上の大きさの元素(Ar、Kr、Xe、Si、Ge)を含む補償ガスが用いられる。そしてプラズマ中にはボロンイオン及び欠陥形成用イオンが生成する。そしてボロンイオンと同時に欠陥形成用イオンがソース領域14の拡散層及びドレイン領域15の拡散層に導入される。
このため従来と比べてボロンの活性化率を上げることができる。従ってボロンのドーズ量が同じ場合、結晶化半導体膜の抵抗値を従来に対して小さくすることができる。また結晶化半導体膜の抵抗値を従来と同一にする場合は、ボロンのドーズ量を少なくして処理時間を短くし、スループットを上げることができる。
そして必要に応じて熱処理を行う。この熱処理は、導入した不純物を活性化するために加熱処理、強光の照射、またはレーザ光の照射を行う。なおボロンを活性化するためにレーザ光の照射を行った場合、欠陥形成用イオンはソース領域14の拡散層及びドレイン領域15の拡散層から効果的に抜けていく。また、高温の熱処理を行った場合にも欠陥形成用イオンは抜けていく。
次いで図5(C)に示すように、結晶化半導体層24を含む全面上に層間絶縁膜25を形成する。次いで層間絶縁膜25の上にレジストパターンを形成し、このレジストパターンをマスクとして層間絶縁膜25をエッチングすることにより、ソース領域24a上及びドレイン領域24b上それぞれに位置するコンタクトホール25a,25bを形成する。次いで層間絶縁膜25上及びコンタクトホール中に導電膜(例えばAl合金配線)を形成し、この導電膜をパターニングすることにより、ソース電極26a、ドレイン電極26bを形成する。以上の工程により逆スタガ型TFTが形成される。
本実施形態においても第2の実施形態と同一の効果を得ることができる。
(実施例)
[実施例1]本発明の実施例1を、図6〜図8を参照しつつ説明する。本実施例は、同一基板の上方に画素部と、画素部の周辺に設ける駆動回路のTFTを同時に作製する方法である。なお本実施例では、同一基板にnチャネル型TFT及びpチャネル型TFTの双方が形成される。
まず、図6(A)に示すように、基板100上に下地絶縁膜101aを形成し、さらにその上に下地絶縁膜101bを形成する。基板100の材料としては、ガラス基板、石英基板、結晶性ガラスなどの絶縁性基板や、セラミック基板、石英基板、結晶性ガラスなどの絶縁性基板や、セラミック基板、ステンレス基板、金属基板(タンタル、タングステン、モリブデン等)、半導体基板、プラスチック基板(ポリイミド、アクリル、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリエーテルスルホン等)等を用いることができるが、少なくともプロセス中に発生する熱に耐えうる材料を使用する。本実施例においてはガラス基板を使用する。
下地絶縁膜101a,101bとしては酸化シリコン膜、窒化シリコン膜、酸化窒化シリコン膜などが使用でき、これら絶縁膜を単層又は2以上の複数層積層して形成する。これら絶縁膜はスパッタリング法や減圧CVD法、プラズマCVD法公知の方法を用いて形成する。本実施例では2層の積層構造としているが、単層でも3層以上の複数層でも構わない。本実施例においては1層目の絶縁膜101aとして窒化酸化シリコン膜を50nm、2層目の絶縁膜101bとして酸化窒化シリコン膜を100nmで形成した。なお窒化酸化シリコン膜と酸化窒化シリコン膜は、窒素と酸素の割合が異なっていることを意味しており、前者のほうが窒素の含有率が高いことを示している。
次いで、図6(B)に示すように下地絶縁膜101b上に非晶質半導体膜を形成する。非晶質半導体膜はシリコンまたはシリコンを主成分とする材料(たとえばSixGe1-x等)で25〜80nmの厚さに形成すればよい。作製方法としては、例えばスパッタ法、減圧CVD法、またはプラズマCVD法等が使用できる。本例ではアモルファスシリコンにより膜厚66nmに形成する。
次いで非晶質半導体膜の結晶化を行うことにより、下地絶縁膜101b上に結晶化半導体膜102を形成する。本実施例ではレーザアニールにより結晶化を行う。
レーザアニールに用いられるレーザ発振装置には、連続発信型の気体または固体レーザを用いればよい。気体レーザとしてはArレーザ、Krレーザ等があり、固体レーザとしてはYAGレーザ、YVO4レーザ、YLFレーザ、YALO3レーザ、アレキサンドライトレーザ、Ti:サファイアレーザなどが挙げられる。固体レーザのレーザ媒質となる結晶にはCr3+、Cr4+、Nd3+、Er3+、Ce3+、Co2+、Ti3+、Yb3+、またはV3+から選択される一種または複数種が不純物としてドープされている。本実施例では、レーザ出力10WのYVO4レーザ(波長523nm)を用い、短軸20μm、長軸750μmの楕円状にレーザを加工する。そして被照射面へのレーザ入射角を30°とする。
後述するように本実施例では結晶化半導体膜102をTFTの活性層として用いる。このような場合、レーザ光の走査方向は、チャネル形成領域においてキャリアが移動する方向(チャネル長方向)と並行になるようにするのが望ましい。このようにするとレーザ光の走査方向に沿って結晶が成長し、結晶粒界をチャネル長方向と交差しにくくすることができる。
次いで図6(C)に示すように、結晶化半導体膜102を、エッチングにより所望の形状の結晶化半導体膜102a〜102dに分離する。次いで図6(D)に示すように結晶化半導体膜102a〜102d上にゲート絶縁膜103を形成する。ゲート絶縁膜103は、膜厚が例えば115nmであり、減圧CVD法、プラズマCVD法、またはスパッタリング法などによりシリコンを含む絶縁膜を形成すればよい。本実施例では酸化シリコン膜を形成する。この場合はプラズマCVD法を用いる。原料ガスにはTEOS(Tetraethyl Ortho Silicate)とO2とを混合したものを用いる。例えば反応圧力が40Pa、基板温度が300°〜400℃の条件下で、高周波(13.56MHz)電力密度を0.5〜0.8W/cm2としてプラズマを生成する。このようなプラズマにより作製される酸化シリコン膜は、その後400〜500℃の加熱処理によりゲート絶縁膜として良好な特性を示すようになる。
次いで図7(A)に示すように、ゲート絶縁膜103上に第1の導電層として膜厚30nmの窒化タンタル(TaN)膜を形成し、さらにその上に第2の導電層として膜厚370nmのタングステン(W)膜を形成する。TaN膜及びW膜は、双方ともにスパッタリング法により形成することができる。具体的には、TaN膜を形成する場合には窒素雰囲気中でTaターゲットをスパッタリングすればよく、W膜を形成する場合はWターゲットをスパッタリングすればよい。
なお本実施例では第1の導電層を膜厚30nmのTaN膜とし,第2の導電層を膜厚370nmのW膜としたが、第1及び第2の導電層は共にこれに限定されず、Ta、W、Ti、Mo、Al、Cu、Cr、Ndからなる群から選ばれた元素、またはこの群から選ばれた元素を主成分とする合金材料若しくは化合物材料から形成されてもよい。またリン等の不純物をドーピングした多結晶珪素膜に代表される半導体膜を用いてもよい。またAgPdCu合金を用いてもよい。さらに第1の導電層を形成する材料及び第2の導電層を形成する材料の組み合わせも適宜選択すればよい。膜厚の範囲は、例えば第一の導電層が20〜100nm、第2の導電層が100〜400nmである。
また本実施例ではゲート絶縁膜上の導電層を2層構造としたが、1層であってもよいし、3層以上の積層構造であってもよい。
次に、第2の導電層上にフォトレジスト膜を塗布し、このフォトレジスト膜を露光及び現像することによりレジストパターンを形成する。そしてこのレジストパターンを用いて第1及び第2の導電層をエッチングし、電極及び配線を形成する。ここでは、第1のエッチング処理と第2のエッチング処理が行われる。
第1のエッチング処理では第1のエッチング条件と第2のエッチング条件でエッチングが行われる。これらのエッチング条件は適宜選択される。本実施例では、ICP(Inductively Coupled Plasma:誘導結合プラズマ)エッチング法を用いる。そして第1のエッチング条件として、エッチング用ガスにCF4、Cl2及びO2の混合ガスを用いる。これらガスの流量比を25/25/10(sccm)とし、1.0Paの圧力でコイル型の電極に500WのRF(13.56MHz)電力を投入してプラズマを生成してエッチングを行う。このとき基板側(試料ステージ)にも150WのRF(13.56MHz)電力を投入し、実質的に負の自己バイアス電圧を印加する。この第1のエッチング条件により第2の導電膜であるW膜をエッチングし、また第1の導電層であるTaN膜の端部をテーパー形状とする。第1のエッチング条件でのW膜に対するエッチング速度は200.39nm/min、TaN膜に対するエッチング速度は80.32nm/minである。この第1のエッチング条件によって第2の導電膜であるW膜のテーパー角度は約26℃となる。
続いてマスクとなるレジストパターンを残したまま第2のエッチング条件に移ってエッチングを行う。エッチング用ガスにはCF4とCl2の混合ガスを用いる。これらの流量比は30/30(sccm)とし、500WのRF(13.56MHz)電力を投入してプラズマを生成し、約15秒エッチング処理を行う。このとき基板側(試料ステージ)にも20WのRF(13.56MHz)電力を投入し、実質的に負の自己バイアス電圧を印加する。
この第2のエッチング条件ではW膜とTaN膜は同程度にエッチングされる。第2のエッチング条件でのWのエッチング速度は58.97nm/min、TaNのエッチング速度は66.43nm/minである。なおゲート絶縁膜103上に残渣を残すことなくエッチングするためには、10〜20%程度ほどエッチング時間を増加させるとよい。
上記した第1のエッチング処理により、電極に覆われていないゲート絶縁膜は20nm〜50nm程度エッチングされる。そして基板側に印加されたバイアス電圧の効果により第1の導電層及び第2の導電層の端部はテーパー状となる。
次いでマスクとなるレジストパターンを残したまま第2のエッチング処理を行う。第2のエッチング処理では、エッチング用ガスにはSF6とCl2とO2が用いられる。それぞれのガス流量を24/12/24(sccm)とし、1.3Paの圧力でコイル型の電極に700WのRF(13.56MHz)電力を投入してプラズマを生成し、25秒程度エッチングを行う。このとき基板側(試料ステージ)にも10WのRF(13.56MHz)電力を投入し、実質的に負の自己バイアス電圧を印加する。この第2のエッチング処理により、第2の導電層であるW膜が選択的にエッチングされる。このとき第1の導電層はほとんどエッチングされない。
上記した第1及び第2のエッチング処理により、結晶化半導体膜102a〜102dそれぞれの上には、第1の導電層104a〜104d、及び第2の導電層105a〜105dが積層されたゲート電極が形成される。
そして図7(B)に示すようにマスクとなるレジストパターンを除去した後、P型となる領域を覆うレジストパターンを形成する。次いでこのレジストパターンをマスクとして第1のドーピング処理を行う。これによりN型となる領域にN型を付与する不純物が低濃度に添加される。第1のドーピング処理はイオンドープ法またはイオン注入法で行えばよい。イオンドープの条件は、ドーズ量が1×1013〜5×1014atoms/cm2、加速電圧が40〜80kVである。本実施例では加速電圧を50kVとして行う。N型を付与する不純物元素としては15族に属する元素を用いることができ、代表的にはリン(P)または砒素(As)が用いられる。この第1のドーピング処理では第1の導電層(104a等)がマスクとなり、これにより自己整合的に、低濃度の不純物が添加されている第1の不純物領域(N--領域)が形成される。
そして図7(C)に示すようにレジストパターンを除去した後、N型となる領域の一部及びP型となる領域を覆うレジストパターンを新たに形成する。次いでこのレジストパターンをマスクとして第1のドーピング処理よりも高い加速電圧で第2のドーピング処理を行い、N型となる領域にN型を付与する不純物を添加する。イオンドープの条件は、ドーズ量が1×1013〜3×1015atoms/cm2、加速電圧が60〜120kVである。本実施例ではドーズ量を3.0×1015atoms/cm2、加速電圧を65kVとして行う。第2のドーピング処理では第2の導電層(105a等)をマスクとして用い、第1の導電層の下方に位置する半導体層にも不純物元素が添加されるようにドーピングを行う。
第2のドーピング処理を行うと、結晶化半導体膜のうちレジストパターンにも第1の導電層にも覆われておらず露出している部分(第3の不純物領域:N+領域111a,112a)には1×1019〜5×1021atoms/cm3の濃度範囲で高濃度にN型を付与する不純物が添加される。結晶化半導体膜のレジストパターンに覆われていない部分のうち、第1の導電層には重なっており第2の導電層には重なっていない部分に、第2の不純物領域(N-領域111b、Lov領域)が形成される。第2の不純物領域には1×1018〜5×1019atoms/cm3の濃度範囲でN型を付与する不純物が添加される。第1のドーピング処理で形成された第1の不純物領域(N--領域)のうち、レジストパターンに覆われている部分(例えば112b)は第2のドーピング処理で不純物が添加されないため、引き続き第1不純物領域(N--領域)と呼ぶことにする。
なお本実施例では2回のドーピング処理により各不純物領域を形成したが、これに限定されることはなく、適宜条件を設定して1回若しくは3回以上のドーピングによって所望の不純物濃度を有する不純物領域を形成してもよい。
次いで図7(D)に示すようにレジストパターンを除去した後、新たにN型となる領域を覆うレジストパターンを形成し、このレジストパターンをマスクとして第3のドーピング処理を行う。これによりP型を付与する不純物がPチャネル型TFTとなる結晶化半導体膜に添加され、第4の不純物領域(P領域:例えば113a,114a)及び第5の不純物領域(P領域:例えば113b,114b)が形成される。
詳細には第3のドーピング処理では、レジストパターンに覆われておらず、かつ第1の導電層にも重なっていない部分に第4の不純物領域(P領域)が形成され、レジストパターンに覆われていないが第1の導電層と重なっており、かつ第2の導電層と重なっていない部分に第5の不純物領域(P領域)が形成される。P型を付与する不純物元素としてはホウ素(B)、アルミニウム(Al)、ガリウム(Ga)など周期律表第13族の元素を用いる。
そして第3のドーピング処理は、上記した第1の実施形態で示した方法のうち、ここではイオンドーピング法を適用し、P型の不純物イオンと欠陥形成用イオンを別々に注入する。本実施例では、第4の不純物領域及び第5の不純物領域を形成するP型の不純物元素としてホウ素(B)を選択する。そして欠陥形成用イオンであるArイオンを注入した後に不純物イオンであるBイオンを注入する。ドーピング条件は、加速電圧が80kV、ホウ素イオンのドーズ量が2×1016atoms/cm2である。この場合第4の不純物領域の不純物濃度は1×1019〜1×1021atoms/cm3、第5の不純物領域の不純物濃度は1×1019〜1×1021atoms/cm3となる。なおここでは不純物イオンを結晶化半導体膜に注入した後に欠陥形成用イオンを結晶化半導体膜に注入したが、欠陥形成用イオンを結晶化半導体膜に注入した後に不純物イオンを結晶化半導体膜に注入してもよい。
このように不純物イオンとともに欠陥形成用イオンを結晶化半導体膜に導入しているため、後述する不純物を活性化する処理において不純物イオンの活性化率は従来と比べて高くなる。従って従来と同一量の不純物を導入した場合にはポリシリコン層を低抵抗化することができる。また従来と同一の抵抗値を得たい場合には不純物の導入量(すなわち不純物の導入にかかる時間)を減らすことができるためスループットを上げることができる。また活性化温度が低くても従来と同程度にシート抵抗を下げることができるため、活性化のための熱処理を省略し、その後の熱工程のみで不純物を必要な量ほど活性化することも可能である。
なお上記例ではイオンドーピング法を用いて第3のドーピング処理を行い、不純物イオンと欠陥形成用イオンを別々に注入したが、プラズマドーピング法、イオン注入法を用いて不純物イオンと欠陥形成用イオンを別々の工程でポリシリコン膜に導入してもよい。
またプラズマドーピング法又はイオンドーピング法を用いて不純物イオンと欠陥形成用イオンを同時に結晶化半導体膜に導入してもよい。この場合は例えばレジストパターンの上方で、不純物元素を含むガス及び補償ガス(例えばArガス)を用いたプラズマを発生させ、このプラズマから不純物イオン及び欠陥形成用イオン(例えばArイオン)を同時に結晶化半導体膜に導入する。第4の不純物領域及び第5の不純物領域を形成するP型の不純物元素としてホウ素(B)を選択する場合は、不純物元素を含むガスとして例えばジボラン(B26)を用いる。
なお本実施例では、1回の第3のドーピング処理で第4の不純物領域(P領域)及び第5の不純物領域(P領域)を形成したが、これに限定されない。ドーピング処理の条件によって適宜複数回のドーピング処理により第4の不純物領域及び第5の不純物領域を形成してもよい。
上記した第1〜第3のドーピング処理によって、第1の不純物領域(N--領域)112b、第2の不純物領域(N-領域、Lov領域)111b、第3の不純物領域(N+領域)111a,112a、第4の不純物領域(P領域)113a,114a、及び第5の不純物領域(P領域)113b,114bが形成される。
次いで図8(A)に示すようにレジストパターンを除去した後、第1のパッシベーション膜120を形成する。この第1のパッシベーション膜120としてはシリコンを含む絶縁膜を100〜200nmの厚さに形成する。成膜方法としてはプラズマCVD法、またはスパッタリング法を用いればよい。本実施例ではプラズマCVD法により酸化窒化シリコン膜を形成する。酸化窒化シリコン膜は、例えばプラズマCVD法でSiH4、N2O及びNH3を用いることにより、若しくはSiH4及びN2Oを用いることにより成膜される。この場合の成膜条件は、反応圧力が20〜200Pa、基板温度が300〜400℃、高周波(60MHz)電力密度が0.1〜1.0W/cm2である。また第1のパッシベーション膜120としてSiH4、N2O及びH2から作製される酸化窒化水素化シリコン膜を適用してもよい。もちろん第1のパッシベーション膜120は、本実施例のような酸化窒化シリコン膜の単層構造に限定されるものではなく、他のシリコンを含む絶縁膜を単層構造または積層構造として用いてもよい。
その後、レーザアニールを行い、結晶化半導体膜の結晶性の回復及び結晶化半導体膜に添加された不純物元素の活性化を行う。これにより結晶化半導体膜の抵抗が下がる。またレーザ照射によって欠陥形成用イオンが結晶化半導体膜から効果的に抜けていくため、結晶化半導体膜の電気的特性が向上する。
なお本実施例ではレーザ出力1.8WのYVO4レーザ(波長523nm)を用い、光を短軸20μm、長軸250μmの楕円状に加工し、125μmピッチで800回スキャンする。レーザスキャン速度は25cm/secとする。またレーザアニールの他に、熱処理法、またはRTA法を適用することもできる。
また第1のパッシベーション膜120を形成した後に熱処理を行うことで、不純物元素の活性化処理と同時に結晶化半導体膜の水素化を行うこともできる。水素化は、第1のパッシベーション膜120に含まれる水素によって半導体のダングリングボンドを終端させるものである。
また第1のパッシベーション膜120を形成する前に加熱処理を行ってもよい。但し、第1の導電層104a〜104d及び第2の導電層105a〜105dを構成する材料が熱に弱い場合には、これらから形成される配線等を熱から保護するために、本実施例のように第1のパッシベーション120を形成した後に熱処理を行うのが望ましい。
なお第1のパッシベーション膜120を形成する前に加熱処理を行う場合には当然パッシベーション膜に含まれる水素を利用して水素化を行うことができない。この場合は、プラズマにより励起された水素を用いた水素化(プラズマ水素化)や、3〜100%の水素を含む雰囲気中において300〜450℃で1〜12時間の加熱処理による水素化を行えばよい。
次いで第1のパッシベーション膜120上に第1の層間絶縁膜121を形成する。第1の層間絶縁膜121としては、無機絶縁膜や有機絶縁膜を用いることができる。無機絶縁膜としては、CVD法により形成された酸化シリコン膜や、SOG(Spin On Glass)法により塗布された酸化シリコン膜がある。また有機絶縁膜としてはポリイミド、ポリアミド、BCB(ベンゾシクロブテン)、アクリル、またはポジ型感光性有機樹脂、ネガ型感光性有機樹脂等の膜を用いることができる。またアクリル膜と酸化窒化シリコン膜の積層構造を用いてもよい。
また第1の層間絶縁膜121を、シリコンと酸素の結合で骨格構造が構成され、置換基に少なくとも水素を含む材料で形成することもできる。さらには置換基にフッ素、アルキル基、または芳香族炭化水素のうち少なくとも一種を有する材料で形成することができる。これらの材料の代表例としては、シロキサン系ポリマーが挙げられる。シロキサン系ポリマーは、その構造により、例えばシリカガラス、アルキルシロキサンポリマー、アルキルシルセスキオキサンポリマー、水素化シルセスキオキサンポリマー、水素化アルキルシルセスキオキサンポリマーなどに分類することができる。
またSi−N結合を有するポリマー(ポリシラザン)を含む材料で層間絶縁膜を形成してもよい。
上記の材料を用いることで、膜厚を薄くしても十分な絶縁性及び平坦性を有する層間絶縁膜を得ることができる。また上記の材料は耐熱性が高いため、多層配線におけるリフロー処理にも絶えうる層間絶縁膜を得ることができる。さらに吸湿性が低いため、脱水量の少ない層間絶縁膜を得ることができる。
本実施例では、第1の層間絶縁膜121として膜厚1.6μmの非感光性アクリル膜を形成する。第1の層間絶縁膜121によって、基板100上に形成されたTFTによる凹凸を緩和し、表面を平坦化することができる。特に、第1の層間絶縁膜121は平坦化の意味合いが強いので、平坦化しやすい材質の絶縁膜を用いることが好ましい。
その後、第1の層間絶縁膜121上に窒化酸化シリコン膜等からなる第2のパッシベーション膜(図示せず)を、例えばRFスパッタリング法により形成する。膜厚は10〜200nm程度で形成すればよく、第2のパッシベーション膜によって第1の層間絶縁膜121に水分が出入りすることを抑制することができる。第2のパッシベーション膜には酸化窒化シリコン膜、窒化シリコン膜、窒化アルミニウム膜、酸化窒化アルミニウム膜、ダイヤモンドライクカーボン(DLC)膜、またはカーボンナイトライド(CN)膜を用いることもできる。
またRFスパッタリング法を用いて成膜された膜は緻密性が高く、バリア性に優れている。RFスパッタリングの条件は、例えば酸化窒化シリコン膜を成膜する場合、Siターゲットを使用し、チャンバー内のN2、Ar、N2Oのガスを流量比で31:5:4となるように流し、圧力0.8Pa、電力3000Wとして成膜する。また窒化シリコン膜を成膜する場合、チャンバー内のN2、Arをガスの流量比が20:20となるように流し、圧力0.8Pa、電力3000W,成膜温度を215℃として成膜する。本実施例では、RFスパッタリング法を用いて酸化窒化シリコン膜を70nmの膜厚で形成した。
次いで図8(B)に示すように、第2のパッシベーション膜上にフォトレジスト膜(図示せず)を塗布し、このフォトレジスト膜を露光及び現像することによりレジストパターンを形成する。そしてこのレジストパターンをマスクとして第2のパッシベーション膜、第1の層間絶縁膜121及び第1のパッシベーション膜120をエッチングし、第3の不純物領域及び第4の不純物領域に達するコンタクトホールを形成する。
次いで、各不純物領域とそれぞれ電気的に接続する配線 122〜129、及び電極を形成する。なおこれらの配線は、膜厚50nmのTi膜と膜厚500nmの合金膜(AlとTi)との積層膜をパターニングして形成する。もちろん、2層構造に限られることはなく、単層でも良いし3層以上の積層構造にしてもよい。また配線材料としてはAlとTiに限られない。例えばTaN膜上にAl膜やCu膜を形成し、さらにTi膜を形成した積層膜をパターニングして配線を形成してもよい。
以上の様にして駆動回路部と画素部を有する基板を形成することができる。画素部には、スイッチング用TFTと駆動用TFTが形成される。以下、本明細書中ではこのような基板を便宜上アクティブマトリクス基板と呼ぶ。
このように製造されるアクティグマトリクス型基板は、従来よりもPチャネル型TFTのソース及びドレインのシート抵抗を下げることが可能であるので、駆動回路に高速動作が必要な場合は特に良好な特性を示す。なお本発明の半導体装置は、本実施例のように表示装置に好適に利用することができるが、他の電子機器に利用することも可能である。
[実施例2]
本実施例は、実施例1で作製したアクティブマトリクス基板から、反射型のアクティブマトリクス型液晶表示装置を作製する方法である。以下、図9の平面概略図を参照しつつ本実施例を説明する。
まず、上記実施例1に示した工程により、例えば図8と同一のアクティブマトリクス基板301を形成する。アクティブマトリクス基板301にTFTのソース領域及びドレイン領域を形成する際に、不純物イオンとともに欠陥形成用イオンが導入されるため、従来と比べて不純物元素の活性化率を高くすることができる。このため導入される不純物量が従来と同じ場合、シート抵抗は低くなる。またシート抵抗を従来と同一にする場合、不純物の導入量を減らすことができるためスループットを上げることができる。
次いでアクティブマトリクス基板301上にアクリル樹脂膜等の有機樹脂膜を形成し、この有機樹脂膜をパターニングすることによって基板間隔を保持するための柱状のスペーサ(図示せず)を所望の位置に形成する。なお柱状のスペーサに代えて、球状のスペーサを基板全面に散布してもよい。次いでアクティブマトリクス基板301上に配向膜(図示せず)を形成しラビング処理を行う。
次いで、対向基板306を用意する。対向基板306には、アクティブマトリクス基板301の画素TFTに対向する部分に、着色層及び遮光層からなるカラーフィルタが設けられており、アクティブマトリクス基板301の駆動回路に対向する部分に、遮光層が設けられている。次いで対向基板306に、カラーフィルタ及び遮光層の双方を覆う平坦化膜(図示せず)を形成する。次いで平坦化膜上のうち画素TFTに対向する部分に、透明導電膜からなる対向電極(図示せず)を形成する。次いで対向基板306の全面上に配向膜(図示せず)を形成し、ラビング処理を施す。
次いで対向基板306上に液晶を滴下し、その後アクティブマトリクス基板301と対向基板306とをシール材307で張り合わせる。シール材307にはフィラーが混入されている。このフィラーと前記した柱状スペーサによって、アクティブマトリクス基板301と対向基板306は均一な間隔を持って貼り合わせられる。そして封止剤308によって両基板の間を完全に封止する。このようにしてアクティブマトリクス基板301と対向基板306の間には液晶が封止される。液晶材料には公知の液晶材料を用いれば良い。
なお、以下のようにしてアクティブマトリクス基板301と対向基板306の間に液晶を封止してもよい。まずアクティブマトリクス基板301と対向基板306とをシール材307で貼り合わせる。その後、両基板間を排気しながら両基板間に液晶材料を注入し、封止剤308によって両基板の間を完全に封止する。
以上の工程によりアクティブマトリクス型液晶表示装置が完成する。そして、必要があれば、アクティブマトリクス基板または対向基板もしくは双方の基板を所望の形状に分断する。さらに、公知の技術を用いて偏光板等を適宜設ける。そして、公知の技術を用いてフレキシブルプリント基板(Flexible Print Circuit:以下FPCと記載)305を、違法性導電膜を介して貼りつける。FPC305が貼り付けられる部分には接続電極(図示せず)が例えばITOによって形成されている。この接続電極は、アクティブマトリクス基板の層間絶縁膜および樹脂膜に形成されたコンタクトホールに一部が埋め込まれており、この埋め込まれている部分を介してアクティブマトリクス基板の配線に接続している。
こうして得られた液晶モジュールの構成を説明する。アクティブマトリクス基板301の中央には画素部304が配置されている。画素部304には複数の画素が形成されている。画素部304の上側には、ソース信号線を駆動するためのソース信号線駆動回路302が配置されている。画素部304の左右それぞれには、ゲート信号線を駆動するためのゲート信号線駆動回路303が配置されている。図9に示した例では、ゲート信号線駆動回路303は画素部に対して左右対称配置としているが、これは片側のみの配置でも良く、液晶モジュールにおける基板サイズ等を考慮して、設計者が適宜選択すれば良い。ただし、回路の動作信頼性や駆動効率等を考えると、図9に示した左右対称配置が望ましい。そして各駆動回路への信号の入力は、FPC305から行われる。
なお図9に示した例では、全ての駆動回路を基板の上方に形成した例を示したが、駆動回路の一部に数個のICを用いてもよい。
[実施例3]
実施例1では、画素電極が反射性を有する金属材料で形成された反射型の表示装置の作製方法を示したが、本実施例では画素電極を、透光性を有する導電膜で形成した透過型の表示装置の作製方法を示す。層間絶縁膜を形成する工程までは実施例1と同じであるので、ここでは省略する。
図10の断面概略図に示すように、実施例1に従って層間絶縁膜(本実施例では層間絶縁膜400)まで形成する。ここでTFTのソース領域及びドレイン領域を形成する際に、不純物イオンとともに欠陥形成用イオンが導入されるため、従来と比べて不純物元素の活性化率を高くすることができる。このため導入される不純物量が従来と同じ場合、シート抵抗は低くなる。またシート抵抗を従来と同一にする場合、不純物の導入量を減らすことができるためスループットを上げることができる。
その後、層間絶縁膜400にコンタクトホールを形成する。次いで、次いで層間絶縁膜400上に透光性を有する導電膜を形成し、この導電膜をパターニングすることにより、接続電極402を複数形成する。これら接続電極402は、コンタクトホールを通じて画素TFTのドレイン領域またはドレイン領域、もしくは容量素子205と接続されている。また、この接続電極と同時に他のTFTのソース領域及びドレイン領域に接続する電極も形成される。
次いで接続電極402上及び層間絶縁膜400上に層間絶縁膜409を形成した後、層間絶縁膜409にコンタクトホールを形成する。次いで層間絶縁膜409上に透光性を有する導電膜を形成し、この導電膜をパターニングすることにより画素電極401を形成する。画素電極401はコンタクトホールを通じて接続電極402に接続している。
なお透光性を有する導電膜としては、ITO(酸化インジウム酸化スズ合金)、酸化インジウム酸化亜鉛合金(In23―ZnO)、酸化亜鉛(ZnO)等を用いればよい。
以上のようにしてアクティブマトリクス基板410が形成される。
次いで対向基板411を用意する。この対向基板には、着色層、遮光層が各画素に対応して配置されたカラーフィルタ412が設けられている。なお駆動回路206に対応する部分にも遮光層が設けられている。またこのカラーフィルタ412と遮光層とを覆う平坦化膜407が設けられている。また平坦化膜407上には、透光性を有する導電膜からなる対向電極408が画素部207に対応する部分に形成されている。そして対向電極408上を含む全面上には配向膜422が形成され、ラビング処理が施されている。
次いでアクティブマトリクス基板410と対向基板410の間に液晶420を封止する。この封止方法は実施例2と同じ方法であり、シール材419及び封止材(図示せず)を用いて行われる。次いで偏光板403等を設けることにより液晶モジュールを作製し、バックライト404、導光板405を設け、カバー406で覆う。このようにして、図10にその断面図の一部を示したようなアクティブマトリクス型液晶表示装置が完成する。
なお、カバーと液晶モジュールは接着剤や有機樹脂を用いて互いに貼り合わせられる。また、基板と対向基板を貼り合わせる際、枠で囲んで有機樹脂を枠と基板との間に充填して接着してもよい。また本実施例は透過型であるため、偏光板403はアクティブマトリクス基板と対向基板の両方に貼り付けられる。
[実施例4]
本実施例では、実施例1により形成されたアクティブマトリクス基板を用いて、電界発光素子を備えた発光表示装置を作製する方法である。電界発光素子は例えばEL(Electro Luminescence)素子であり、電場を加えることで発光する化合物(発光材料)を含む層(以下、発光層と記す)と、陽極と、陰極とを有している。電界発光素子を用いた発光表示装置にとって、TFTはアクティブマトリクス駆動方式を実現する上で、必須の素子となっている。すなわち電界発光素子を用いた発光表示装置には、少なくとも、スイッチング素子として機能するTFTと、電界発光素子に電流を供給するTFTとが、各画素に設けられている。なおPチャネル型TFTのソース領域及びドレイン領域を形成する際に、不純物イオンとともに欠陥形成用イオンが導入されるため、従来と比べて不純物元素の活性化率を高くすることができる。このため導入される不純物量が従来と同じ場合、シート抵抗は低くなる。またシート抵抗を従来と同一にする場合、不純物の導入量を減らすことができるためスループットを上げることができる。
以下実施例1と同一の構成については同一の符号を付し、説明を省略する。
図11(A)は、表示モジュールを示す上面図、図11(B)は図11(A)をA−A’で切断した断面図である。基板1には、中央部に画素部207が形成されていると共に、駆動回路部にソース側駆動回路206a及びゲート側駆動回路206bが形成されている。ソース側駆動回路206a及びゲート側駆動回路206bは、TFTの構造を除いて実施例1の駆動回路206と略同一の構成である。また基板1の上方には封止基板1aが配置されているが、基板1と封止基板1aの間の空間はシール材518によりシールされている。シール材518としてはエポキシ系樹脂を用いるのが好ましい。
基板1のうち封止基板1aと重なっていない部分には配線508が配置されている。配線508は、外部入力端子となるFPC509からビデオ信号やクロック信号を受け取り、これら信号をソース側駆動回路206a及びゲート側駆動回路206bに伝送するための配線である。なお、ここではFPCしか図示されていないが、このFPCにはプリント配線基板(PWB)が取り付けられていても良い。本明細書における発光装置には、発光装置本体だけでなく、それにFPCもしくはPWBが取り付けられた状態をも含むものとする。
次に、断面構造について図11(B)を参照して説明する。基板1上に絶縁膜510が設けられ、絶縁膜510の上方には画素部207、ゲート側駆動回路206bが形成されている。画素部207には電流制御用TFT511、電流制御用TFT511のドレインに電気的に接続された第1の電極512を含む複数の画素、及びスイッチング用TFT513が形成されている。また、ゲート側駆動回路206bはnチャネル型TFT523とpチャネル型TFT524とを組み合わせたCMOS回路を用いて形成されている。
これらのTFT(511、513、523、524を含む)は逆スタガ型のTFTであるが、これらを作製するには上記第3の実施形態に従えばよい。
第1の電極512は電界発光素子(EL素子)の陽極として機能する。第1の電極512には、仕事関数の大きい材料(例えばITO、インジウム亜鉛酸化物、窒化チタン、クロム、タングステン、ジルコニウム、プラチナなどの単層膜の他、窒化チタンとアルミニウムを主成分とする膜との積層膜、またはこの積層膜膜と窒化チタン膜との3層膜等)を用いるのが好ましい。なお積層構造にすると、配線抵抗が低くなり、また良好なオーミックコンタクトを得ることができる。
また第1の電極512上には電界発光層(例えばEL層)516および第2の電極517が形成される。
電界発光層516は、発光層、電荷輸送層または電荷注入層により形成されるが、これらの組み合わせは任意である。例えば、発光層として低分子材料、高分子材料及び中分子材料を含む有機材料、無機材料、及び有機材料と無機材料の複合材料のいずれを用いてもよいが、一重項励起により発光(蛍光)する発光材料(シングレット化合物)からなる薄膜、または三重項励起により発光(リン光)する発光材料(トリプレット化合物)からなる薄膜を用いることもできる。また、電荷輸送層及び電荷注入層として炭化珪素等の無機材料を用いることも可能である。これら以外にも公知の材料を用いることができる。なお電界発光層516は、蒸着マスクを用いた蒸着法、又は液滴吐出法(インクジェット法)によって形成される。
第2の電極517は電界発光素子の陰極として機能するが、全画素に共通の配線としても機能し、配線508を経由してFPC509に電気的に接続されている。画素部207に含まれる素子は全て電界発光層516及び第2の電極517で覆われている。ただし第1の電極512を除く各素子と電界発光層516の間には絶縁層514が設けられている。第2の電極517は、仕事関数の小さい材料(Al、Ag、Li、Caまたはこれらの合金MgAg、MgIn、AlLi、CaF2またはCaN)を用いればよい。
また基板1と封止基板1aの間の空間には充填材507が充填されている。充填材507には例えばAr等の不活性気体、シール材、又は乾燥剤を用いることができる。
以上のような構造をとることにより、発光素子をシール材518及び保護膜で封止し、外部から完全に遮断することができる。これにより外部から水分や酸素等の電界発光層の酸化による劣化を促す物質が侵入することを防ぐことができる。従って、信頼性の高い発光装置を得ることができる。
また、画素電極を陰極とし、EL層と陽極を積層して図11とは逆方向に発光する構成としてもよい。図12にその一例を示す。以下、図11と同一の構成については同一の符号を付し、説明を省略する。なお、上面図は略同一であるので省略する。
図12に示した例では、第1の電極512は発光素子の陰極として機能し、第2の電極517は陽極として機能する。また、第1の電極512の両端にはバンク515が形成されている。
図12に示した例において、第2の電極517は薄い金属膜の上に透明材料(例えばITO、In23−ZnO、又はZnO)を積層した構造である。また第2の電極517は全画素に共通の配線としても機能し、配線508を経由してFPC509に電気的に接続されている。さらに、画素部207及びゲート側駆動回路206bに含まれる素子はシール材518で覆われ、そのシール材518はDLCからなる保護膜519で覆われている。さらに、接着材を用いてカバー材520で封止されている。熱や外力などによる変形に耐えるためカバー材520は基板1と同じ材質のもの、例えばガラス基板を用いることが望ましく、またサンドブラスト法などにより凹部形状(深さ3〜10μm)に加工されている。またさらに加工して、上記した凹部形状の底部に乾燥剤521が設置できる凹部(深さ50〜200μm)を形成することが望ましい。また、多面取りでELモジュールを作製する場合、基板とカバー材とを貼り合わせた後、CO2レーザ等を用いて端面が一致するように分断してもよい。
なお、本構造においてシール材518としては、できるだけ可視光に対して透明もしくは半透明な材料を用いるのが好ましい。また、シール材518はできるだけ水分や酸素を透過しない材料であることが望ましい。
また保護膜519をシール材518の表面(露呈面)に設けることが好ましいが、基板の裏面を含む全面に保護膜を設けてもよい。ここで、FPC509が設けられる部分に保護膜が成膜されないように注意することが必要である。マスクを用いて保護膜が成膜されないようにしてもよいし、CVD装置でマスキングテープとして用いるテープでFPC509が設けられる部分を覆うことで保護膜が成膜されないようにしてもよい。
[実施例5]
本発明を実施して形成された駆動回路や画素部は,実施例2〜4に示すように、様々な表示モジュール(アクティブマトリクス型液晶モジュール、アクティブマトリクス型電界発光モジュール)に用いることができる。そして本実施例では、これら表示モジュールを組み込んだ電子機器を示す。
ここで電子機器としては、ビデオカメラ、デジタルカメラ、ヘッドマウントディスプレイ(ゴーグル型ディスプレイ)、カーナビゲーション、プロジェクタ、カーステレオ、パーソナルコンピュータ、携帯情報端末(モバイルコンピュータ、携帯電話または電子書籍等)などが挙げられる。それらの一例を図13及び図14に示す。
図13(A)はパーソナルコンピュータであり、本体2001、画像入力部2002、表示部2003、キーボード2004等を含む。この表示部2003に、実施例2〜4に示した方法で作製された表示モジュールが用いられる。
図13(B)はビデオカメラであり、本体2101、表示部2102、音声入力部2103、操作スイッチ2104、バッテリー2105、受像部2106等を含む。この表示部2102に、実施例2〜4に示した方法で作製された表示モジュールが用いられる。
図13(C)はモバイルコンピュータ(モービルコンピュータ)であり、本体2201、カメラ部2202、受像部2203、操作スイッチ2204、表示部2205等を含む。この表示部2205に、実施例2〜4に示した方法で作製された表示モジュールが用いられる。
図13(D)はゴーグル型ディスプレイであり、本体2301、表示部2302、アーム部2303等を含む。この表示部2302に、実施例2〜4に示した方法で作製された表示モジュールが用いられる。
図13(E)はプログラムを記録した記録媒体(以下、記録媒体と呼ぶ)を用いるプレーヤーであり、本体2401、表示部2402、スピーカ部2403、記録媒体2404、操作スイッチ2405等を含む。なお、このプレーヤーは記録媒体としてDVD(Digtial VersatileDisc)、CD等を用い、音楽鑑賞や映画鑑賞やゲームやインターネットを行うことができる。表示部2402に、実施例2〜4に示した方法で作製された表示モジュールが用いられる。
図13(F)はデジタルカメラであり、本体2501、表示部2502、接眼部2503、操作スイッチ2504、受像部(図示しない)等を含む。この表示部2502に、実施例2〜4に示した方法で作製された表示モジュールが用いられる。
図14(A)は携帯電話であり、本体2901、音声出力部2902、音声入力部2903、表示部2904、操作スイッチ2905、アンテナ2906、画像入力部(CCD、イメージセンサ等)2907等を含む。この表示部2904に、実施例2〜4に示した方法で作製された表示モジュールが用いられる。
図14(B)は携帯書籍(電子書籍)であり、本体3001、表示部3002,3003、記憶媒体3004、操作スイッチ3005、アンテナ3006等を含む。この表示部3002,3003に、実施例2〜4に示した方法で作製された表示モジュールが用いられる。
図14(C)はディスプレイであり、本体3101、支持台3102、表示部3103等を含む。この表示部3103に、実施例2〜4に示した方法で作製された表示モジュールが用いられる。ちなみに図13(C)に示すディスプレイは中小型または大型のもの、例えば5〜20インチの画面サイズのものである。また、このようなサイズの表示部を形成するためには、基板の一辺が1mのものを用い、多面取りを行って量産することが好ましい。
以上の様に、本発明の適用範囲は極めて広く、あらゆる分野の電子機器の作製方法に適用することが可能である。
尚、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することが可能である。
本発明の第1の実施形態に係る半導体装置の作製方法を示す図。 第1の実施形態により作製された結晶性半導体膜のシート抵抗を示すグラフ。 第1の実施形態により作製された結晶性半導体膜中のAr残留量を示すグラフ。 第2の実施形態に係る半導体装置の作製方法を示す図。 第3の実施形態に係る半導体装置の作製方法を示す図。 実施例1に係るアクティブマトリクス基板の作製方法を示す図。 図6の次の工程を示す図。 図7の次の工程を示す図。 実施例2に係るアクティブマトリクス型液晶表示装置を示す平面概略図。 実施例3に係るアクティブマトリクス型液晶表示装置を示す断面概略図。 (A)は実施例4に係る発光表示方法の平面概略図、(B)は(A)のA−A´断面図。 実施例4の変形例に係る発光表示方法の平面概略図。 実施例5に係る電子機器であり、本発明を用いて作製された表示装置を用いた電子機器の概略図。 実施例5に係る電子機器であり、本発明を用いて作製された表示装置を用いた電子機器の概略図。
符号の説明
1…基板、2…下地絶縁膜、3…非晶質半導体膜、3a…結晶化半導体膜、4…レジストパターン、5…不純物層、10…結晶化半導体層、12…ゲート絶縁膜、13…ゲート電極、14…ソース領域、15…ドレイン領域、16…層間絶縁膜、17…ゲート電極、18…ドレイン電極

Claims (39)

  1. 半導体層に不純物イオン及び該半導体層を構成する元素と同等以上の大きさの希ガス元素、Si、Geのうちの少なくとも一つの元素からなる欠陥形成用イオンを導入する工程と、
    前記半導体層を熱処理する工程と
    を具備することを特徴とする半導体装置の作製方法。
  2. 半導体層に不純物イオンを導入すると同時に、前記半導体層に、該半導体層を構成する元素と同等以上の大きさの希ガス元素、Si及びGeのうちの少なくとも一つからなる欠陥形成用イオンを導入して欠陥を生じさせる工程と、
    前記半導体層を熱処理する工程と
    を具備することを特徴とする半導体装置の作製方法。
  3. 半導体層に不純物イオンを導入する工程と、
    前記半導体層に、該半導体層を構成する元素と同等以上の大きさの希ガス元素、Si及びGeのうちの少なくとも一つからなる欠陥形成用イオンを導入して欠陥を生じさせる工程と、
    前記半導体層を熱処理する工程と
    を具備することを特徴とする半導体装置の作製方法。
  4. 不純物元素を含む原料ガス、及び半導体層を構成する元素と同等以上の大きさの希ガス元素、Si、Geのうちの少なくとも一つを含む補償ガスを用いてプラズマを生成することにより、前記半導体層に不純物イオンをドーピングすると同時に、前記半導体層に前記希ガス元素、Si、Geのうちの少なくとも一つからなる欠陥形成用イオンをドーピングして欠陥を生じさせる工程と、
    前記半導体層を熱処理する工程と
    を具備することを特徴とする半導体装置の作製方法。
  5. 不純物元素を含む原料ガス、及び半導体層を構成する元素と同等以上の大きさの希ガス元素、Si、Geのうちの少なくとも一つを含む補償ガスを用いてプラズマを生成し、該プラズマから、前記半導体層に不純物イオンを加速させてドーピングすると同時に、前記半導体層に前記希ガス元素、Si、Geのうちの少なくとも一つからなる欠陥形成用イオンを加速させてドーピングすることにより該半導体層に欠陥を生じさせる工程と、
    前記半導体層を熱処理する工程と
    を具備することを特徴とする半導体装置の作製方法。
  6. 請求項1乃至5のいずれか一項において、前記熱処理する際の温度は300℃以下であることを特徴とする半導体装置の作製方法。
  7. 請求項1乃至5のいずれか一項において、前記熱処理する工程は、該熱処理により前記不純物イオンを活性化する工程であることを特徴とする半導体装置の作製方法。
  8. 請求項7において、前記熱処理する際の温度は400℃以上500℃以下であることを特徴とする半導体装置の作製方法。
  9. 半導体層に不純物イオン及び該半導体層を構成する元素と同等以上の大きさの希ガス元素からなる欠陥形成用イオンを導入する工程と、
    前記半導体層を熱処理することにより、前記不純物イオンを活性化すると共に該半導体層中の前記欠陥形成用イオンを除去する工程と
    を具備することを特徴とする半導体装置の作製方法。
  10. 半導体層に不純物イオンを導入すると同時に、前記半導体層に、該半導体層を構成する元素と同等以上の大きさの希ガス元素からなる欠陥形成用イオンを導入して欠陥を生じさせる工程と、
    前記半導体層を熱処理することにより、前記不純物イオンを活性化すると共に該半導体層中の前記欠陥形成用イオンを除去する工程と
    を具備することを特徴とする半導体装置の作製方法。
  11. 半導体層に不純物イオンを導入する工程と、
    前記半導体層に、該半導体層を構成する元素と同等以上の大きさの希ガス元素からなる欠陥形成用イオンを導入して欠陥を生じさせる工程と、
    前記半導体層を熱処理することにより、前記不純物イオンを活性化すると共に該半導体層中の前記欠陥形成用イオンを除去する工程と
    を具備することを特徴とする半導体装置の作製方法。
  12. 不純物元素を含む原料ガス、及び半導体層を構成する元素と同等以上の大きさの希ガス元素を含む補償ガスを用いてプラズマを生成することにより、前記半導体層に不純物イオンをドーピングすると同時に、前記半導体層に前記希ガス元素からなる欠陥形成用イオンをドーピングして欠陥を生じさせる工程と、
    前記半導体層を熱処理することにより、前記不純物イオンを活性化すると共に該半導体層中の前記欠陥形成用イオンを除去する工程と
    を具備することを特徴とする半導体装置の作製方法。
  13. 不純物元素を含む原料ガス、及び半導体層を構成する元素と同等以上の大きさの希ガス元素を含む補償ガスを用いてプラズマを生成し、該プラズマから、前記半導体層に不純物イオンを加速させてドーピングすると同時に、前記半導体層に前記希ガス元素からなる欠陥形成用イオンを加速させてドーピングすることにより該半導体層に欠陥を生じさせる工程と、
    前記半導体層を熱処理することにより、前記不純物イオンを活性化すると共に該半導体層中の前記欠陥形成用イオンを除去する工程と
    を具備することを特徴とする半導体装置の作製方法。
  14. 請求項9乃至13のいずれか一項において、前記熱処理する際の温度は500℃以上であることを特徴とする半導体装置の作製方法。
  15. 半導体層上にゲート絶縁膜を形成する工程と、
    前記ゲート絶縁膜上にゲート電極を形成する工程と、
    前記ゲート電極をマスクとして、前記半導体層に不純物イオン及び該半導体層を構成する元素と同等以上の大きさの希ガス元素、Si、Geのうちの少なくとも一つの元素からなる欠陥形成用イオンを導入する工程と、
    前記半導体層を熱処理する工程と
    を具備することを特徴とする半導体装置の作製方法。
  16. 請求項15において、前記半導体層に不純物イオン及び欠陥形成用イオンを導入する工程は、半導体層に不純物イオンを導入すると同時に、前記半導体層に、該半導体層を構成する元素と同等以上の大きさの希ガス元素、Si及びGeのうちの少なくとも一つからなる欠陥形成用イオンを導入して欠陥を生じさせる工程であることを特徴とする半導体装置の作製方法。
  17. 請求項15において、前記半導体層に不純物イオン及び欠陥形成用イオンを導入する工程は、前記半導体層に不純物イオンを導入する工程と、前記半導体層に、該半導体層を構成する元素と同等以上の大きさの希ガス元素、Si及びGeのうちの少なくとも一つからなる欠陥形成用イオンを導入して欠陥を生じさせる工程とを有することを特徴とする半導体装置の作製方法。
  18. 請求項15において、前記半導体層に不純物イオン及び欠陥形成用イオンを導入する工程は、不純物元素を含む原料ガス、及び半導体層を構成する元素と同等以上の大きさの希ガス元素、Si、Geのうちの少なくとも一つを含む補償ガスを用いてプラズマを生成することにより、前記半導体層に不純物イオンをドーピングすると同時に、前記半導体層に前記希ガス元素、Si、Geのうちの少なくとも一つからなる欠陥形成用イオンをドーピングして欠陥を生じさせる工程であることを特徴とする半導体装置の作製方法。
  19. 請求項15において、前記半導体層に不純物イオン及び欠陥形成用イオンを導入する工程は、不純物元素を含む原料ガス、及び半導体層を構成する元素と同等以上の大きさの希ガス元素、Si、Geのうちの少なくとも一つを含む補償ガスを用いてプラズマを生成し、該プラズマから、前記半導体層に不純物イオンを加速させてドーピングすると同時に、前記半導体層に前記希ガス元素、Si、Geのうちの少なくとも一つからなる欠陥形成用イオンを加速させてドーピングすることにより該半導体層に欠陥を生じさせる工程であることを特徴とする半導体装置の作製方法。
  20. 請求項15乃至19のいずれか一項において、前記熱処理する際の温度は300℃以下であることを特徴とする半導体装置の作製方法。
  21. 請求項15乃至19のいずれか一項において、前記熱処理する工程は、該熱処理により前記不純物イオンを活性化してソース領域の拡散層及びドレイン領域の拡散層を形成する工程であることを特徴とする半導体装置の作製方法。
  22. 請求項21において、前記熱処理する際の温度は400℃以上500℃以下であることを特徴とする半導体装置の作製方法。
  23. 請求項15乃至19のいずれか一項において、前記半導体層、前記ゲート絶縁膜及び前記ゲート電極は、プラスチック基板上、プラスチック基板の上方、ガラス基板上又はガラス基板の上方に形成されていることを特徴とする半導体装置の作製方法。
  24. 半導体層上にゲート絶縁膜を形成する工程と、
    前記ゲート絶縁膜上にゲート電極を形成する工程と、
    前記ゲート電極をマスクとして、前記半導体層に不純物イオン及び該半導体層を構成する元素と同等以上の大きさの希ガス元素からなる欠陥形成用イオンを導入する工程と、
    前記半導体層を熱処理することにより前記不純物イオンを活性化してソース領域の拡散層及びドレイン領域の拡散層を形成すると共に前記拡散層中の前記欠陥形成用イオンを除去する工程と
    を具備することを特徴とする半導体装置の作製方法。
  25. 請求項24において、前記半導体層に不純物イオン及び欠陥形成用イオンを導入する工程は、半導体層に不純物イオンを導入すると同時に、前記半導体層に、該半導体層を構成する元素と同等以上の大きさの希ガス元素からなる欠陥形成用イオンを導入して欠陥を生じさせる工程であることを特徴とする半導体装置の作製方法。
  26. 請求項24において、前記半導体層に不純物イオン及び欠陥形成用イオンを導入する工程は、前記半導体層に不純物イオンを導入する工程と、前記半導体層に、該半導体層を構成する元素と同等以上の大きさの希ガス元素からなる欠陥形成用イオンを導入して欠陥を生じさせる工程とを有することを特徴とする半導体装置の作製方法。
  27. 請求項24において、前記半導体層に不純物イオン及び欠陥形成用イオンを導入する工程は、不純物元素を含む原料ガス、及び半導体層を構成する元素と同等以上の大きさの希ガス元素を含む補償ガスを用いてプラズマを生成することにより、前記半導体層に不純物イオンをドーピングすると同時に、前記半導体層に前記希ガス元素からなる欠陥形成用イオンをドーピングして欠陥を生じさせる工程であることを特徴とする半導体装置の作製方法。
  28. 請求項24において、前記半導体層に不純物イオン及び欠陥形成用イオンを導入する工程は、不純物元素を含む原料ガス、及び半導体層を構成する元素と同等以上の大きさの希ガス元素を含む補償ガスを用いてプラズマを生成し、該プラズマから、前記半導体層に不純物イオンを加速させてドーピングすると同時に、前記半導体層に前記希ガス元素からなる欠陥形成用イオンを加速させてドーピングすることにより該半導体層に欠陥を生じさせる工程であることを特徴とする半導体装置の作製方法。
  29. 請求項24乃至28のいずれか一項において、前記熱処理する際の温度は500℃以上であることを特徴とする半導体装置の作製方法。
  30. 請求項7乃至14、21及び22、24乃至29のいずれか一項において、
    前記不純物イオンを活性化する工程は前記半導体層の結晶性を向上させる工程を兼ねることを特徴とする半導体装置の作製方法。
  31. 請求項1〜29のいずれか一項において、
    前記不純物はボロンであることを特徴とする半導体装置の作製方法。
  32. 請求項4、5、12、13、18、19、27及び28のいずれか一項において、
    前記プラズマ中において、前記不純物イオンに対する前記欠陥形成用イオンの割合は10〜50%であることを特徴とする半導体装置の作製方法。
  33. 請求項1乃至32のいずれか一項において、
    前記半導体層は多結晶シリコン層であり、
    前記希ガス元素はAr、Kr及びXeであることを特徴とする半導体装置の作製方法。
  34. 不純物イオンが半導体層に導入された拡散層を具備し、
    前記拡散層は、前記半導体層を構成する元素と同等以上の大きさの希ガス元素からなる欠陥形成用イオン及び不純物イオンそれぞれが導入された後、前記不純物イオンを活性化するために熱処理することにより形成されていることを特徴とする半導体装置。
  35. 請求項34において、前記欠陥形成用イオンは、前記半導体層を熱処理することにより除去されていることを特徴とする半導体装置。
  36. 請求項34又は35において、
    前記半導体層は多結晶シリコン層であり、
    前記欠陥形成用イオンはAr、Kr及びXeからなる群から選ばれた一種類又は複数種類のイオンであることを特徴とする半導体装置。
  37. 半導体層と、
    前記半導体層に不純物イオンを導入することにより形成されたソース領域及びドレイン領域と、
    前記半導体層上に形成されたゲート絶縁膜と、
    前記ゲート絶縁膜上に形成されたゲート電極と
    を具備し、
    前記ソース領域及び前記ドレイン領域は、前記半導体層を構成する元素と同等以上の大きさの希ガス元素からなる欠陥形成用イオン及び不純物イオンそれぞれが導入された後、前記不純物イオンを活性化するために熱処理することにより形成されていることを特徴とする半導体装置。
  38. 請求項37において、前記欠陥形成用イオンは、前記熱処理により前記ソース領域及び前記ドレイン領域から除去されていることを特徴とする半導体装置。
  39. 請求項34〜38のいずれか一項において、
    前記不純物はボロンであることを特徴とする半導体装置。

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