JP2005340262A - 半導体装置および半導体装置の製造方法 - Google Patents
半導体装置および半導体装置の製造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2005340262A JP2005340262A JP2004153229A JP2004153229A JP2005340262A JP 2005340262 A JP2005340262 A JP 2005340262A JP 2004153229 A JP2004153229 A JP 2004153229A JP 2004153229 A JP2004153229 A JP 2004153229A JP 2005340262 A JP2005340262 A JP 2005340262A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- film
- dielectric constant
- low dielectric
- insulating film
- interlayer insulating
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Abstract
【課題】この発明は、圧縮方向の膜ストレスを有する銅拡散防止膜の下面と接触している低誘電率層間絶縁膜の表面内に配設されている、配線間のリーク電流の発生を防止することができる半導体装置等を提供する。
【解決手段】本発明に係る半導体装置は、低誘電率層間絶縁膜4,7,22,33と、銅拡散防止膜6,9とを備えている。ここで、低誘電率層間絶縁膜4,7,22,33は、比誘電率が4未満であり、圧縮方向の膜ストレスを有している。また、銅拡散防止膜6,9は、低誘電率層間絶縁膜4,7,22,33上に形成される。また、銅拡散防止膜6,9は、圧縮方向の膜ストレスを有している。
【選択図】図3
【解決手段】本発明に係る半導体装置は、低誘電率層間絶縁膜4,7,22,33と、銅拡散防止膜6,9とを備えている。ここで、低誘電率層間絶縁膜4,7,22,33は、比誘電率が4未満であり、圧縮方向の膜ストレスを有している。また、銅拡散防止膜6,9は、低誘電率層間絶縁膜4,7,22,33上に形成される。また、銅拡散防止膜6,9は、圧縮方向の膜ストレスを有している。
【選択図】図3
Description
この発明は、半導体装置および半導体装置の製造方法に係る発明であり、特に、低誘電率層間絶縁膜を有する半導体装置および半導体装置の製造方法に関するものである。
90nmノード世代以降の先端システムLSIにおいて、デバイスの高速化を実現するためには、デバイスの信号遅延を低減することが重要である。ここで、デバイスの信号遅延は、トランジスタの信号遅延と配線遅延との和で表すことができる。
しかし、デバイスの縮小が進むに連れて、配線ピッチの縮小化が急速に進んでいる。したがって、トランジスタの信号遅延よりも配線遅延の方が、デバイスの信号遅延に対する影響が大きくなってきている。よって、デバイスの信号遅延を低減させるためには、配線遅延を以下に低減することができるかが重要な課題となる。
ところで、配線遅延は、(配線抵抗値R)×(層間絶縁膜容量値C)、に比例する。したがって、配線遅延を低減させるためには、配線抵抗値R、層間絶縁膜容量値Cの値を低減することが必要となる。
以上のことから、配線抵抗値R、層間絶縁膜容量値Cの値を低減する目的のために、埋め込み銅配線構造を有する低誘電率層間絶縁膜を備える半導体装置が検討されている。当該半導体装置では、低誘電率層間絶縁膜の表面内に銅配線が配設される。そして、銅配線を覆うように、低誘電率層間絶縁膜上には銅拡散防止膜が成膜される。
なお、非特許文献1,2,3に示されているように、現在までのところ、膜ストレスが引っ張り(Tensile)方向の低誘電率層間絶縁膜しか確認されていない。また、一般的に、銅拡散防止膜の膜ストレスは、圧縮(Compressive)方向である。
つまり、引っ張り方向の膜ストレスを有する低誘電率層間絶縁膜上に、圧縮方向の膜ストレスを有する銅拡散防止膜が形成されていた。
M.J LOBODA,"APPLICATIONS FOR ORGANOSILICON GASES IN PECVD PROCESSES FOR LOW−k DIELECTRICS",Proceeding of Advanced Metallization Conference1999,p371−377
Wai−Fan Yau etc.,"Black DiamondTM−−−A Low k Dielectric for Cu Damascene Applications",Proceeding of Advanced Metallization Conference1999,p379−386,
Munehiro TADA etc.,"CHARACTERIZATION OF PLASMA−POLYMERIZED DIVINYLSILOXANE BENZOCYCLOBUTENE(DVS−BCB)POLYMER FILM",Proceeding of Advanced Metallization Conference2000,p579−585
上記のように、膜ストレスの方向が異なる2つの膜を接合させた場合には、膜界面に大きなストレスが集中することになる。当該大きなストレスが膜界面に集中すると、低誘電率層間絶縁膜等内において、分子構造の欠陥が多く生成されてしまう。当該分子構造の欠陥は、銅配線からのリーク電流のパスとなるので、結果的に銅配線間の絶縁性が正常に保てなくなる。
そこで、この発明は、圧縮方向の膜ストレスを有する銅拡散防止膜の下面と接触している、低誘電率層間絶縁膜の表面内に配設されている配線間のリーク電流の発生を防止することができる半導体装置および半導体装置の製造方法を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために、本発明に係る請求項1に記載の半導体装置は、圧縮方向の膜ストレスを有する、比誘電率が4未満の第一の絶縁膜と、前記第一の絶縁膜上に形成される、圧縮方向の膜ストレスを有する第二の絶縁膜と、を備えている。
本発明の請求項1に記載の半導体装置は、圧縮方向の膜ストレスを有する、比誘電率が4未満の第一の絶縁膜と、前記第一の絶縁膜上に形成される、圧縮方向の膜ストレスを有する第二の絶縁膜と、を備えているので、第一の絶縁膜と第二の絶縁膜との界面付近における応力を緩和させることができる。よって、当該両絶縁膜の界面付近の第一の絶縁膜内において、分子構造の欠陥が生成されることを抑制することができる。そして、当該分子構造の欠陥の生成が抑制されるので、第一の絶縁膜の表面内に導電配線を配設したとしても、第一の絶縁膜内にリーク電流が流れることを防止することができる。
また、請求項6に記載の半導体装置の製造方法は、有機シランもしくは有機シロキサンを含む雰囲気内に対して、第一の周波数と当該第一の周波数よりも周波数の低い第二の周波数とが重畳した交流電圧を印加するので、圧縮方向の膜ストレスを有する、比誘電率が4未満の低誘電率層間絶縁膜を形成することができる。
以下、この発明をその実施の形態を示す図面に基づいて具体的に説明する。
<実施の形態1>
従来の低誘電率層間絶縁膜では、引っ張り方向の膜ストレスを有するものしか存しなかった。しかし、本実施の形態に係る半導体装置では、例えば下記の方法により形成可能な、圧縮方向の膜ストレスを有する低誘電率層間絶縁膜を有する点が特徴である。
従来の低誘電率層間絶縁膜では、引っ張り方向の膜ストレスを有するものしか存しなかった。しかし、本実施の形態に係る半導体装置では、例えば下記の方法により形成可能な、圧縮方向の膜ストレスを有する低誘電率層間絶縁膜を有する点が特徴である。
ここで、基板上に形成された膜が、図1に示すように、上方向に反る性質を有する場合には、当該膜は、圧縮方向の膜ストレスを有するという。これに対して、基板上に形成された膜が、図2に示すように、下方向に反る性質を有する場合には、当該膜は、引っ張り方向の膜ストレスを有するという。
たとえば、温度が低下した場合において、基板よりも膜の方が、収縮量が小さい場合には、膜は、圧縮性の膜ストレスを有することになる。また、基板よりも膜の方が、収縮量が大きい場合には、膜は、引っ張り性の膜ストレスを有することになる。
はじめに、本実施の形態に係る半導体装置の構造について説明する。図3は、本実施の形態に係る半導体装置の構成断面図である。
図3に示すように、シリコン基板1上には、トランジスタ等の能動素子を含む下地絶縁層2が形成されている。また、下地絶縁層2上には、膜ストレスが圧縮性の銅拡散防止膜3が形成されている。また、銅拡散防止膜3上には、膜ストレスが圧縮性の低誘電率層間絶縁膜4が形成されている。また、低誘電率層間絶縁膜4上には、膜ストレスが圧縮性の銅拡散防止膜6が形成されている。また、銅拡散防止膜6上には、膜ストレスが圧縮性の低誘電率層間絶縁膜7が形成されている。さらに、低誘電率層間絶縁膜7上には、膜ストレスが圧縮性の銅拡散防止膜9が形成されている。
ここで、各低誘電率層間絶縁膜4,7の表面内には、銅配線5,8が各々配設されている。なお、図3に示すように、銅配線5は、低誘電率層間絶縁膜4から銅拡散防止膜3に至って、配設されている。また、銅拡散防止膜3,6,9は、絶縁膜である。
低誘電率層間絶縁膜4,7の比誘電率は、4未満である。また、低誘電率層間絶縁膜4,7の材料としては、フッ素添加アモルファスカーボン(CF膜)、パリレン(Parylene)、炭素添加シリコン酸化膜(SiOC膜)等がある。
また、銅拡散防止膜3,6,9の材料としては、シリコン窒化膜(SiN膜)、シリコン炭化膜(SiC膜)、シリコン窒化炭化膜(SiCN膜)、シリコン酸化炭化膜(SiCO膜)等がある。
次に、各工程断面図に基づいて、本実施の形態に係る半導体装置の製造方法について説明する。
はじめに、図4に示すように、シリコン基板1を用意し、当該シリコン基板1上に、トランジスタ等の能動素子を含む下地絶縁層2を形成する。
次に、CVD法により、銅拡散防止膜3を下地絶縁層2上に形成する。銅拡散防止膜3形成後の図を、図5に示す。なお、銅拡散防止膜3は、圧縮方向の膜ストレスを有している。
次に、プラズマCVD法により、銅拡散防止膜3上に低誘電率層間絶縁膜4を形成する。低誘電率層間絶縁膜4形成後の図を、図6に示す。ここで、低誘電率層間絶縁膜4の誘電率は、4未満であり、また、圧縮方向の膜ストレスを有している。
以下において、上記低誘電率層間絶縁膜4の形成条件を、(この発明の)背景技術の引っ張り方向の膜ストレスを有する低誘電率層間絶縁膜の形成条件と比較しつつ説明する。なお、両者共に、膜材質は、SiOCである。
まず、(この発明の)背景技術の引っ張り方向の膜ストレスを有する低誘電率層間絶縁膜の製造方法について説明する。
プラズマCVD装置内に原料ガスとして、有機シランあるいは有機シロキサン、およびヘリウム(He)を導入する。
ここで、有機シランとしては、SiHnR4-n(nは、1,2,3;Rは、アルキル基(CnH2n+1)またはビニル基(C2H3))、あるいはSiRnR’4-n(R,R’は、アルキル基(CnH2n+1)またはビニル基(C2H3))などの構造を持つ材料が適用できる。
具体的には、有機シランとして、モノメチルシラン(SiH3CH3)、ジメチルシラン(SiH2(CH3)2)、トリメチルシラン(SiH(CH3)3)、テトラエチルシラン(Si(CH3)4)、ビニルシラン(SiH3C2H3)、ジビニルシラン(SiH2(C2H3)2)、トリメチルビニルシラン(SiC2H3(CH3)3)、ジメチルジビニルシラン(Si(C2H3)2(CH3)2)等がある。
また、有機シロキサンとしては、分子骨格のなかにSi−O結合を含んでおり、シリコンアルコキシド、鎖状シロキサン、または環状シロキサンなどの構造を持つ材料が適用できる。
ここで、シリコンアルコキシドは、SiRn(OR’)4-n、(R,R’は、アルキル基(CnH2n+1))である。また、鎖状シロキサンは、R2n+1(SiO)nSiRj、(Rは、アルキル基(CnH2n+1)または水素)である。また、環状シロキサンは、(R2SiO)n、(Rは、アルキル基(CnH2n+1)または水素、nは3以上)である。
具体的には、有機シロキサンとして、DMDMOS(Dimethyldimethoxysilane:Si(CH3)2(OCH3)2)、TMDMODSO(Tetramethyldimethoxydisiloxane:Si2O(CH3)4(OCH3)2)、HMDSO(Hexamethyldisiloxane:Si2O(CH3)5)、OMTS(1,1,1,3,5,7,7,7−Octamethyltetrasiloxane:Si4O3H2(CH3)8)、OMCTS(Octamethylcyclotetrasiloxane:Si4O4(CH3)8)、TMCTS(1,3,5,7−Tetramethylcyclotetrasiloxane:Si4O4H4(CH3)4)等がある。
なお、ここでは、原料ガスとして、DMDMOSとHeをプラズマCVD装置内に導入する。
プラズマCVD装置内に上記原料ガスを導入したら、電極間に13.56MHzあるいは27MHzのRF(Radio Frequency)電圧を印加する。これにより、プラズマ励起状態を作り出す。ここで、当該電圧の電力量は、1000W−4000Wである。
なお、プラズマCVD装置内の圧力は、300Pa−700Pa程度であり、基板温度は、300℃−450℃程度である。
当該条件の下に形成されたSiOC膜(低誘電率層間絶縁膜)の膜質は、以下の通りである。つまり、比誘電率は、2.2〜3.2であり、膜ストレスは、30MPa〜80MPa(引っ張り方向)であり、硬度は、0.4GPa〜3.3GPaであり、弾性率は、4GPa〜23GPaであり、密度は、0.9g/cc〜1.6g/ccであり、膜組成は、Si,C,O,Hである。
以上が、(この発明の)背景技術の引っ張り方向の膜ストレスを有する低誘電率層間絶縁膜の形成方法である。
これに対して、本実施の形態に係る圧縮方向の膜ストレスを有する低誘電率層間絶縁膜4の形成方法は、(この発明の)背景技術の形成方法とほぼ同じであるが、以下の点において異なる。
つまり、本実施の形態では、圧縮性の膜ストレスを有するSiOC膜(低誘電率層間絶縁膜4)を実現するために、電極間に比較的低周波である400KHzの電圧を、さらに印加する。ここで、当該電圧の電力量は、50W−400Wである。
上記のように、本実施の形態では、電極間に、13.56MHzあるいは27MHzの高周波(RF)の交流電圧に加えて、当該RFよりも周波数の低い(400KHz)の低周波の交流電圧をも重畳的に印加するのである。
その他の、原料ガス、基板温度、装置内圧力等は、(この発明の)背景技術の形成方法と同じである。
当該条件で形成された本実施の形態に係るSiOC膜(低誘電率層間絶縁膜4)は、圧縮方向の膜ストレスを有する。具体的に、以下の膜質を有する。
つまり、本実施の形態に係るSiOC膜(低誘電率層間絶縁膜4)の膜質は、比誘電率が、2.4〜3.2であり、膜ストレスが、−10MPa〜−50MPa(圧縮方向)であり、硬度が、0.9GPa〜3.3GPaであり、弾性率が、9GPa〜23GPaであり、密度が、1.4g/cc〜1.8g/ccであり、膜組成は、Si,C,O,Hである。
上記の方法により、圧縮性の膜ストレスを有する低誘電率層間絶縁膜4が形成されるのは、以下の原理による。
つまり、高周波(13.56MHzもしくは、27MHz)の周波数電源に加えて、低周波(400KHz)の周波数電源を加えることにより、プラズマ領域中のイオンの追従性が良くなる。
そうすると、プラズマ領域とシース領域との界面における陽イオンの偏りが、高周波電源のみを用いた(この発明の)背景技術の方法に比べて、大きくなる。このことは、高周波電源のみを用いた(この発明の)背景技術の方法に比べて、上記二種類の周波数電源を用いた方が、試料において発生する自己バイアスが大きくなることを意味する。
上記のように試料において発生する自己バイアスが大きくなると、プラズマ領域中の陽イオンは、より大きな加速度を持ち(すなわち、大きなイオンエネルギーを持って)、試料表面上へと引き込まれる。
したがって、試料に対するイオン衝撃の効果が増し、試料の緻密化が促進される。試料がより緻密化になると、温度の低下による試料自身の縮小量が小さくなる。
よって、圧縮方向の膜ストレスを有する試料(低誘電率層間絶縁膜4)が形成されるのである。
さて、半導体装置の製造方法に話を戻して、次に、図6で示した低誘電率層間絶縁膜4上にレジストを形成する。そして、リソグラフィ技術により当該レジストに所望の配線パターンを転写する。
次に、配線パターンを有するレジストをマスクとして用いて、ドライエッチングを施す。これにより、低誘電率層間絶縁膜4の一部および銅拡散防止膜3の一部が除去され、低誘電率層間絶縁膜4から銅拡散防止膜3にかけて配線溝10が形成される。当該配線溝10が形成され、レジストを除去した後の状態を図7に示す。
次に、スパッタリング法、ALD(Atomic Layer Deposition)法あるいはCVD法により、配線溝10内にバリアメタル(タンタル膜、窒化タンタル等)を成膜する。そして、スパッタリング法、CVD法あるいはメッキ法により、バリアメタル上に銅膜を形成する。
その後、CMP(Chemical Mechanical Polishing)法により、低誘電率層間絶縁膜4上に形成された銅膜等を除去する。ここまでの工程により、図8に示すように、低誘電率層間絶縁膜4から銅拡散防止膜3にかけて銅配線5が配設される。ここで、上記工程からも分かるように、図8に示した銅配線5は、バリアメタルと銅膜とで構成されている。
次に、上記と同様な方法により、銅配線5を覆うように、低誘電率層間絶縁膜4上に、圧縮方向の膜ストレスを有する銅拡散防止膜6を形成する。さらに、上記と同様な方法により、当該銅拡散防止膜6上に、圧縮方向の膜ストレスを有する低誘電率層間絶縁膜7を形成する。ここまでの工程により、図9に示す構造が形成される。
その後、上記と同様な方法により、低誘電率層間絶縁膜7の表面内に、銅配線8を配設する(図10)。そして、上記と同様な方法により、銅配線8を覆うように、低誘電率層間絶縁膜7上に、圧縮方向の膜ストレスを有する銅拡散防止膜9を形成する。以上により、図3に示した半導体装置が形成される。
なお、実際に使用する半導体装置は、多層配線である。したがって、図3に示した銅拡散防止膜9上には、さらに配線構造を有する低誘電率層間絶縁膜が形成される。また、図示していないが、実際に使用される半導体装置には、異層に配設されている配線同士を接続するビア等も形成される。
(この発明の)背景技術の技術では、比誘電率が4未満の低誘電率層間絶縁膜において、引っ張り方向の膜ストレスを有する膜しか形成することができなかった。
したがって、図11に示すように、引っ張り方向の膜ストレスを有する従来の低誘電率層間絶縁膜107上に、圧縮方向の膜ストレスを有する銅拡散防止膜109を形成した場合には、両膜107,109の界面において、反発し合う応力が働く。よって、当該両膜107,109の界面において、大きなストレスが集中することになる。
当該大きなストレスは、低誘電率層間絶縁膜107等の分子構造に欠陥を生じさせる。そして、分子構造の欠陥が、低誘電率層間絶縁膜107の銅拡散防止膜109との界面付近に発生した場合には、図11に示すように、低誘電率層間絶縁膜107の当該界面付近において、リーク電流のパス110が生じる。
当該問題を解消するために、低誘電率層間絶縁膜と同じ方向(引っ張り方向)の膜ストレスを有する銅拡散防止膜を採用してもよい。しかし、当該引っ張り方向の膜ストレスを有する銅拡散防止膜は、その機能を確保する目的において不適である。
また、比誘電率が4未満の低誘電率層間絶縁膜において、銅拡散防止膜と同じ方向(圧縮方向)の膜ストレスを有する低誘電率層間絶縁膜を形成すことは、(この発明の)背景技術では不可能であった。
そこで、本実施の形態に係る製造方法により、比誘電率が4未満で、圧縮方向の膜ストレスを有する低誘電率層間絶縁膜4,7を形成し、当該低誘電率層間絶縁膜4,7上に圧縮方向の膜ストレスを有する銅拡散防止膜6,9を形成し、当該構成を半導体装置に採用する。
このように、本実施の形態に係る製造方法により形成された、圧縮方向の膜ストレスを有する低誘電率層間絶縁膜4,7上に、同じく圧縮方向の膜ストレスを有する銅拡散防止膜6,9等を形成することにより、両膜の界面における応力集中を緩和させることができる(図12参照)。
したがって、当該両膜の界面付近の低誘電率層間絶縁膜内において、分子構造の欠陥が生成されることを抑制することができる。そして、当該分子構造の欠陥の生成が抑制されるので、低誘電率層間絶縁膜4,7の表面内に配設される、同層の銅配線5,8間において、リーク電流が流れることを防止することができる。つまり、低誘電率層間絶縁膜4,7の絶縁性能を確保することができる。
<実施の形態2>
実施の形態1では、上下の銅拡散防止膜間に存する層間絶縁膜は、圧縮方向の膜ストレスを有する低誘電率層間絶縁膜4,7、一層により形成されていた。
実施の形態1では、上下の銅拡散防止膜間に存する層間絶縁膜は、圧縮方向の膜ストレスを有する低誘電率層間絶縁膜4,7、一層により形成されていた。
しかし、本実施の形態に係る半導体装置では、上下の銅拡散防止膜間に存する層間絶縁膜は、圧縮方向の膜ストレスを有する低誘電率層間絶縁膜と引っ張り方向の膜ストレスを有する低誘電率層間絶縁膜との、二層により形成されている。具体的な構成は、以下の通りである。
図13は、本実施の形態に係る半導体装置の構成断面図である。
図13に示す半導体装置において、シリコン基板1から銅拡散防止膜6までの構成は、実施の形態1に係る半導体装置の構成と同じである。
しかし、本実施の形態に係る半導体装置では、銅拡散防止膜6上には、引っ張り方向の膜ストレスを有する低誘電率層間絶縁膜21が形成される。また、低誘電率層間絶縁膜21上には、圧縮方向の膜ストレスを有する低誘電率層間絶縁膜22が形成される。また、低誘電率層間絶縁膜22の表面内には、銅配線8が配設されており、当該銅配線8を覆うように、低誘電率層間絶縁膜22上には、銅拡散防止膜9が形成されている。
なお、本実施の形態に係る半導体装置においても、圧縮方向の膜ストレスを有する低誘電率層間絶縁膜4,22は、比誘電率が4未満の材質のものを想定している。また、当該低誘電率層間絶縁膜4,22は、実施の形態1に係る製造方法により形成される。
また、銅拡散防止膜3,6,9は、圧縮方向の膜ストレスを有する。
上記構成において、圧縮方向の膜ストレスを有する銅拡散防止膜9の下面と、同じく圧縮方向の膜ストレスを有する低誘電率層間絶縁膜22の上面とが接続されているので、両膜9,22の界面付近に生ずる応力を緩和することができる。したがって、実施の形態1と同様に、同層に配設されている銅配線8間にリーク電流が生じることを防止することができる。
さらに、本実施の形態に係る半導体装置では、ウエハ全体の反りを軽減する効果も有している。
つまり、実施の形態1に係る半導体装置のように、圧縮方向の膜ストレスを有する、低誘電率層間絶縁膜4,7および銅拡散防止膜3,6,9のみで半導体装置を構成したとする。
そうすると、図14に示すように、各膜3,6,9,4,7の圧縮方向の膜ストレスが重畳されることにより、ウエハ全体が圧縮方向に反り返ってしまう恐れがある。特に、実施の形態1に係る構造により、多層配線の半導体装置を構成した場合には、ウエハの反りは顕著となる。
しかし、本実施の形態に係る半導体装置のように、引っ張り方向の膜ストレスを有する低誘電率層間絶縁膜21をも含めて、半導体装置を構成することにより、当該低誘電率層間絶縁膜21を形成した分だけ、ウエハ全体の反りを緩和させることができる。したがって、多層配線構造の半導体装置を構成したとしても、ウエハの一方向への反りを緩和させることができる。
なお、銅拡散防止膜9の下面と接する部分には、圧縮方向の膜ストレスを有する低誘電率層間絶縁膜22を配置させ、それ以外の箇所で、引っ張り方向の膜ストレスを有する低誘電率層間絶縁膜21を配置させているので、両膜9,22の界面付近に生ずる銅配線8間のリーク電流を防止しながらも、ウエハ全体の一方向の反りも緩和させることができる。
ここで、図13では、圧縮方向の膜ストレスを有する低誘電率層間絶縁膜22の下面と、銅配線8の下面とが面一であったが、これに限るものではない。
つまり、図15に示すように、銅配線8を、圧縮方向の膜ストレスを有する低誘電率層間絶縁膜22から、引っ張り方向の膜ストレスを有する低誘電率層間絶縁膜21にかけて配設してもよい。
また、図16に示すように、銅配線8を、圧縮方向の膜ストレスを有する低誘電率層間絶縁膜22の表面内のみに配設してもよい。
上記いずれの場合においても、本実施の形態に係る半導体装置の効果を享受することができる。
また、引っ張り方向の膜ストレスを有する低誘電率層間絶縁膜は、圧縮方向の膜ストレスを有する銅拡散防止膜と、当該銅拡散防止膜の下面と接続する、圧縮方向の膜ストレスを有する低誘電率絶縁膜とを備える、積層体中に存するのであれば、どの位置に存しても良い。
<実施の形態3>
実施の形態1では、図3に示すように、圧縮方向の膜ストレスを有する銅拡散防止膜6は、圧縮方向の膜ストレスを有する低誘電率層間絶縁膜4,7間に挟まれているので、低誘電率層間絶縁膜7の存在により、低誘電率層間絶縁膜4の上面付近の応力をより緩和させることができていた。
実施の形態1では、図3に示すように、圧縮方向の膜ストレスを有する銅拡散防止膜6は、圧縮方向の膜ストレスを有する低誘電率層間絶縁膜4,7間に挟まれているので、低誘電率層間絶縁膜7の存在により、低誘電率層間絶縁膜4の上面付近の応力をより緩和させることができていた。
しかし、実施の形態2では、図13に示すように、圧縮方向の膜ストレスを有する銅拡散防止膜6の上面には、引っ張り方向の膜ストレスを有する低誘電率層間絶縁膜21が形成されているので、銅拡散防止膜6の下面と接続している、圧縮方向の膜ストレスを有する低誘電率層間絶縁膜4の上面付近の応力は、実施の形態1の場合と比べて、高くなる傾向にある。
そこで、本実施の形態に係る半導体装置は、圧縮方向の膜ストレスを有する銅拡散防止膜を、圧縮方向の膜ストレスを有する低誘電率層間絶縁膜で挟んだ構造を含む、積層体中のいずれかの場所に、引っ張り方向の膜ストレスを有する低誘電率層間絶縁膜を含ませることを特徴とする。具体的な構成は、以下の通りである。
図17は、本実施の形態に係る半導体装置の構成断面図である。
図17に示す半導体装置において、シリコン基板1から銅拡散防止膜6までの構成は、実施の形態1に係る半導体装置の構成と同じである。
しかし、本実施の形態に係る半導体装置では、銅拡散防止膜6上には、圧縮方向の膜ストレスを有する低誘電率層間絶縁膜31が形成される。また、低誘電率層間絶縁膜31上には、引っ張り方向の膜ストレスを有する低誘電率層間絶縁膜32が形成される。また、低誘電率層間絶縁膜32上には、圧縮方向の膜ストレスを有する低誘電率層間絶縁膜33が形成される。
低誘電率層間絶縁膜33の表面内には、銅配線8が配設されており、当該銅配線8を覆うように、低誘電率層間絶縁膜33上には、銅拡散防止膜9が形成されている。
なお、本実施の形態に係る半導体装置においても、圧縮方向の膜ストレスを有する低誘電率層間絶縁膜4,31,33は、比誘電率が4未満の材質のものを想定している。また、当該低誘電率層間絶縁膜4,31,33は、実施の形態1に係る製造方法により形成される。
また、銅拡散防止膜3,6,9は、他の実施の形態と同様、圧縮方向の膜ストレスを有する。
上記構成から分かるように、本実施の形態に係る半導体装置では、銅拡散防止膜6の上面には、引っ張り方向の膜ストレスを有する低誘電率層間絶縁膜ではなく、圧縮方向の膜ストレスを有する低誘電率層間絶縁膜31が形成されている。また、銅拡散防止膜9の下面には、他の実施の形態と同様に、圧縮方向の膜ストレスを有する低誘電率層間絶縁膜33が形成されている。さらに、引っ張り方向の膜ストレスを有する低誘電率層間絶縁膜32は、いずれの銅拡散防止膜6,9にも接触していない。
上記構成のように、圧縮方向の膜ストレスを有する銅拡散防止膜6の上面と、同じく圧縮方向の膜ストレスを有する低誘電率層間絶縁膜31の下面とが接続されているので、両膜6,31の界面付近に生ずる応力を緩和することができる。当該応力緩和の影響は、銅拡散防止膜6と低誘電率層間絶縁膜4との界面付近の応力にも及ぶ。
したがって、実施の形態1に係る半導体装置よりも、銅拡散防止膜6と低誘電率層間絶縁膜4との界面付近における応力を緩和させることができる。よって、実施の形態1よりも、同層に配設されている銅配線5間にリーク電流が生じることを防止することができる。
ここで、図17では、圧縮方向の膜ストレスを有する低誘電率層間絶縁膜33の下面と、銅配線8の下面とが面一であったが、これに限るものではない。
つまり、図18に示すように、銅配線8を、圧縮方向の膜ストレスを有する低誘電率層間絶縁膜33から、引っ張り方向の膜ストレスを有する低誘電率層間絶縁膜32にかけて配設してもよい。
また、図19に示すように、銅配線8を、圧縮方向の膜ストレスを有する低誘電率層間絶縁膜31の上面に至るまで、形成してもよい。
上記いずれの場合においても、本実施の形態に係る半導体装置の効果を享受することができる。
1 シリコン基板、2 下地絶縁層、3,6,9 (圧縮方向の膜ストレスを有する)銅拡散防止膜、4,7,22,31,33 (圧縮方向の膜ストレスを有する)低誘電率層間絶縁膜、5,8 銅配線、10 配線溝、21,32 (引っ張り方向の膜ストレスを有する)低誘電率層間絶縁膜。
Claims (6)
- 圧縮方向の膜ストレスを有する、比誘電率が4未満の第一の絶縁膜と、
前記第一の絶縁膜上に形成される、圧縮方向の膜ストレスを有する第二の絶縁膜と、を備える、
ことを特徴とする半導体装置。 - 前記第一の絶縁膜は、SiOC膜である、
ことを特徴とする請求項1に記載の半導体装置。 - 前記第一の絶縁膜の表面内に配設される導電部を、さらに備えている、
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の半導体装置。 - 前記第一の絶縁膜と前記第二の絶縁膜とを含む積層体中に、引っ張り方向の膜ストレスを有する第三の絶縁膜を、さらに備えている、
ことを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の半導体装置。 - 前記第二の絶縁膜上に形成される、圧縮方向の膜ストレスを有する第四の絶縁膜を、さらに備える、
ことを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の半導体装置。 - 有機シランもしくは有機シロキサンを含む雰囲気内に対して、第一の周波数と当該第一の周波数よりも周波数の低い第二の周波数とが重畳した交流電圧を印加することにより、圧縮方向の膜ストレスを有する、比誘電率が4未満の絶縁膜を形成する工程を、備えている、
ことを特徴とする半導体装置の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004153229A JP2005340262A (ja) | 2004-05-24 | 2004-05-24 | 半導体装置および半導体装置の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004153229A JP2005340262A (ja) | 2004-05-24 | 2004-05-24 | 半導体装置および半導体装置の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2005340262A true JP2005340262A (ja) | 2005-12-08 |
Family
ID=35493521
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2004153229A Pending JP2005340262A (ja) | 2004-05-24 | 2004-05-24 | 半導体装置および半導体装置の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2005340262A (ja) |
-
2004
- 2004-05-24 JP JP2004153229A patent/JP2005340262A/ja active Pending
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP4328725B2 (ja) | 改良された信頼性を有する超低誘電率(k)誘電体を集積化する構造および方法 | |
JP4338495B2 (ja) | シリコンオキシカーバイド、半導体装置、および半導体装置の製造方法 | |
JP4090740B2 (ja) | 集積回路の作製方法および集積回路 | |
US8927442B1 (en) | SiCOH hardmask with graded transition layers | |
US7193325B2 (en) | Reliability improvement of SiOC etch with trimethylsilane gas passivation in Cu damascene interconnects | |
US6737746B2 (en) | Semiconductor device containing copper diffusion preventive film of silicon carbide | |
JP5133852B2 (ja) | 半導体装置の製造方法及び半導体装置 | |
US20080038917A1 (en) | MULTILAYER HARDMASK SCHEME FOR DAMAGE-FREE DUAL DAMASCENE PROCESSING OF SiCOH DIELECTRICS | |
KR101144535B1 (ko) | 전구체 함유 질소를 사용한 유전 장벽 증착 | |
JP2004095865A (ja) | 半導体装置およびその製造方法 | |
JP2007294854A (ja) | 界面ラフネス緩和膜、界面ラフネス緩和膜形成材料、これらを用いた配線層および半導体装置ならびに半導体装置の製造方法 | |
JP4854938B2 (ja) | 半導体装置およびその製造方法 | |
JP4698813B2 (ja) | 半導体装置およびその製造方法 | |
US20060024979A1 (en) | Fabrication method of semiconductor device | |
WO2010113375A1 (ja) | 半導体装置及びその製造方法 | |
KR101152203B1 (ko) | 반도체 장치 및 그의 제조 방법 | |
JP4335932B2 (ja) | 半導体装置製造およびその製造方法 | |
JP2005340262A (ja) | 半導体装置および半導体装置の製造方法 | |
JP4747755B2 (ja) | 有機絶縁膜とその作製方法,及び有機絶縁膜を用いた半導体装置 | |
KR20040108598A (ko) | 반도체 장치의 제조 방법 | |
KR20060029762A (ko) | 반도체 장치의 박막 형성 방법 | |
JP4882893B2 (ja) | 半導体装置の製造方法 | |
JP5387627B2 (ja) | 半導体装置の製造方法 | |
JP3843275B2 (ja) | 半導体装置の製造方法 | |
TW440949B (en) | Method for forming low-k material |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Effective date: 20070501 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 |
|
A977 | Report on retrieval |
Effective date: 20090727 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20090804 |
|
A02 | Decision of refusal |
Effective date: 20091201 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 |