JP2005340060A - 放電ランプ点灯装置および電球形蛍光ランプ - Google Patents
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Abstract
【課題】
フィラメント電極加熱トランスの構成を改良することでフィラメント電極の加熱損失を低減した放電ランプ点灯装置および電球形蛍光ランプを提供する。
【解決手段】
放電ランプ点灯装置は、フィラメント電極2a、2bを備えた放電ランプDLを付勢して点灯する高周波点灯回路HOCと;1次巻線wpが高周波点灯回路HOCの出力端および放電ランプDLの間に直列に挿入され、2次巻線ws1、ws2が放電ランプDLのフィラメント電極2a、2bを加熱するように接続するとともに、始動時に2次巻線ws1、ws2に誘起された電圧により放電ランプDLのフィラメント電極2a、2bを加熱し、放電ランプDLの点灯後の温度上昇によりフィラメント電極2a、2bの加熱を実質的に停止するように低いキュリー温度を有するコア3を備えたフィラメント電極加熱トランスFHTと;を具備している。
【選択図】
図2
フィラメント電極加熱トランスの構成を改良することでフィラメント電極の加熱損失を低減した放電ランプ点灯装置および電球形蛍光ランプを提供する。
【解決手段】
放電ランプ点灯装置は、フィラメント電極2a、2bを備えた放電ランプDLを付勢して点灯する高周波点灯回路HOCと;1次巻線wpが高周波点灯回路HOCの出力端および放電ランプDLの間に直列に挿入され、2次巻線ws1、ws2が放電ランプDLのフィラメント電極2a、2bを加熱するように接続するとともに、始動時に2次巻線ws1、ws2に誘起された電圧により放電ランプDLのフィラメント電極2a、2bを加熱し、放電ランプDLの点灯後の温度上昇によりフィラメント電極2a、2bの加熱を実質的に停止するように低いキュリー温度を有するコア3を備えたフィラメント電極加熱トランスFHTと;を具備している。
【選択図】
図2
Description
本発明は、放電ランプを高周波点灯する放電ランプ点灯装置および電球形蛍光ランプに関する。
電球形蛍光ランプにおける電極フィラメントコイルによる加熱電力損失の低減および点滅寿命回数の増大を図るために、電極フィラメントコイルに並列に温度負特性抵抗素子を接続し、かつ、蛍光発光管に並列に接続されたコンデンサに温度正特性抵抗素子を並列接続して、予熱時においては温度正特性抵抗素子の抵抗インピーダンス値が低く、温度負特性抵抗素子の抵抗インピーダンス値が高い状態として電極フィラメントコイルを予熱し、予熱の過程で温度正特性抵抗素子の温度が予熱電流により上昇するにつれ、温度正特性抵抗素子の抵抗インピーダンス値が高まるとともに、温度負特性抵抗素子の温度も上昇してその抵抗インピーダンス値が低くなり、蛍光発光管が始動し、蛍光発光管の始動後の定常点灯時においては、温度負特性抵抗素子の温度が高く抵抗インピーダンス値が低い状態を維持するように構成することが知られている(特許文献1参照。)。
特許第3412814号公報
特許文献1の場合、温度負特性抵抗素子および温度正特性抵抗素子を付加するので、部品点数が多くなるという問題がある。
本発明は、フィラメント電極加熱トランスの構成を改良することでフィラメント電極の加熱損失を低減した放電ランプ点灯装置および電球形蛍光ランプを提供することを目的とする。
請求項1に係る発明の放電ランプ点灯装置は、フィラメント電極を備えた放電ランプを付勢して点灯する高周波点灯回路と;1次巻線が高周波点灯回路の出力端および放電ランプの間に直列に挿入され、2次巻線が放電ランプのフィラメント電極を加熱するように接続するとともに、始動時に2次巻線に誘起された電圧により放電ランプのフィラメント電極を加熱し、放電ランプの点灯後の温度上昇によりフィラメント電極の加熱を実質的に停止するように低いキュリー温度を有するコアを備えたフィラメント電極加熱トランスと;を具備していることを特徴としている。
本発明および以下の各発明において、特に指定しない限り用語の定義および技術的意味は次による。
〔放電ランプについて〕 本発明において、放電ランプは、フィラメント電極を備えている各種放電ランプであることを許容する。例えば、蛍光ランプおよび殺菌ランプなどである。なお、蛍光ランプは、バルブの内面側に蛍光体層を備えている放電ランプをいう。例えば、一般照明用の直管形、環形およびコンパクト形などに加え、電球形蛍光ランプなどの蛍光ランプが含まれる。フィラメント電極は、フィラメントを通電加熱したときに熱電子を放出する熱陰極形電極をいう。
〔高周波点灯回路について〕 高周波点灯回路は、高周波発生手段および限流手段を備えている。高周波発生手段は、商用交流電源などの低周波交流や電池電源などの直流を高周波交流に変換する手段であり、インバータなどの変換回路を主体として構成することができる。この場合、変換回路はどのような構成であってもよい。
また、低周波交流電源を用いて高周波交流を発生させる場合、低周波交流をいったん直流に変換してから高周波交流に変換することができる。インバータを用いて高周波に変換する場合、インバータはどのような回路方式であってもよい。例えば、並列インバータ、ハーフブリッジインバータ、一石式インバータなどを用いることができる。また、インバータは、自励式および他励式のいずれであってもよい。
限流手段は、放電ランプを安定に点灯するために、高周波発生手段と放電ランプとの間に直列に介在して、ランプ電流を所定値に限流する手段であり、適当なインピーダンス、例えばインダクタンスからなる。インダクタンスを限流手段とする場合、チョークコイルやトランスなどからなるインダクタを用いることができる。
また、高周波点灯回路は、入力端子および出力端子を備えている。入力端子は、電源に接続する。電源は、低周波交流電源および直流電源のいずれであってもよい。低周波交流電源の場合には、高周波点灯回路の内部に整流化直流回路部を配設することができる。なお、いずれの電源であっても、所望により例えば昇圧チョッパなどの直流電圧変換回路部を配設することができる。出力端子は、高周波を出力し、放電ランプおよび後述するフィラメント加熱トランスを付勢するように接続される。
さらに、高周波点灯回路は、上記の構成に加えて所望により、負荷共振回路および直流カットコンデンサなどを備えることが許容される。負荷共振回路は、限流手段としてのインダクタおよび共振コンデンサを含む直列共振回路を形成して、始動時に放電ランプに共振により高くなった電圧を印加して始動を促進する。上記インダクタは、後述するフィラメント電極加熱トランスおよび放電ランプと直列接続するように接続される。共振コンデンサは、放電ランプに並列的に接続される。すなわち、放電ランプに直接並列接続したり、フィラメント電極加熱トランスを介して放電ランプに間接的に並列接続したりすることができる。
なお、本発明において、高周波の周波数は、特段限定されないが、20kHz以上であれば、放電ランプの発光効率が向上するとともに、可聴周波数の問題も回避できる。
〔フィラメント電極加熱トランスについて〕 フィラメント電極加熱トランスは、放電ランプのフィラメント電極を始動時に予熱するための手段である。また、フィラメント電極加熱トランスは、1次巻線、2次巻線およびコアを備えている。1次巻線は、高周波点灯回路の出力端子および放電ランプの間に直列に挿入される。
2次巻線は、少なくともその1つが備えられていて、放電ランプの少なくとも一方のフィラメント電極の両端に接続する。すなわち、放電ランプは、一対のフィラメント電極の両方または一方の両端がフィラメント加熱トランスの2次巻線に接続される。
コアは、始動時に2次巻線に誘起された電圧により放電ランプのフィラメント電極を加熱し、放電ランプの点灯後の温度上昇によりフィラメント電極の加熱を実質的に停止するように低いキュリー温度を有する材料により形成されている。すなわち、コアは、許容される周囲温度である35℃より高い温度で、かつ、放電ランプの点灯後に到達するフィラメント加熱トランスの周囲温度より低い温度のキュリー温度を有している。このようなコアは、例えばMn−Zn系またはNi−Zn系のフェライトにおいて主成分の配合比および添加剤などの調整により得ることができる。
〔本発明の作用について〕 本発明の放電ランプ点灯装置は、以下のように動作する。すなわち、放電ランプ点灯装置の電源を投入すると、高周波点灯回路が作動してその出力端子間に高周波電圧が出力される。そのため、高周波交流電圧は、フィラメント電極加熱トランスを経由して放電ランプの一対のフィラメント電極間に印加される。一対の電極間に高周波交流電圧が印加されると、放電ランプが電極間で微放電を開始するので、これに伴ってフィラメント電極加熱トランスが付勢される。なお、放電ランプに負荷共振回路の共振コンデンサや後述する正特性抵抗器などが並列接続している場合には、高周波電圧の印加と同時に上記回路素子に電流が流れるので、放電ランプが電極間で微放電を開始するとしないとにかかわらず、フィラメント電極加熱トランスも同時に付勢される。
フィラメント電極加熱トランスが付勢すなわち1次巻線が励磁されると、トランス作用によりその2次巻線にフィラメント電極加熱電圧が誘起される。誘起されたフィラメント電極加熱電圧は、フィラメント電極に印加されるので、フィラメント電極にはフィラメント加熱電流が流れて、フィラメント電極は加熱される。
フィラメント電極が加熱されると、そこから熱電子が豊富に放出され、一対のフィラメント電極間に印加されている高周波交流電圧により反対極側へ吸引されて移動し、放電媒体の原子に衝突してこれを電離する。その結果、電子が急激に増加し、かつ、電界によって加速されるので、放電ランプが始動して点灯する。放電媒体、例えば水銀の原子は、それが電離する際にエネルギーを受けて励起されて紫外線を放射する。蛍光ランプの場合、放射した紫外線によりバルブの内面側に形成された蛍光体層の蛍光体粒子が励起されて可視光を発生する。
放電ランプが点灯すると、自己発熱や高周波点灯回路や放電ランプなどからの伝導熱のために、フィラメント電極加熱トランスのコアが温度上昇して、やがてキュリー温度に到達する。コアがキュリー温度に達すると、フィラメント電極加熱トランスは、そのトランス作用が弱まり、2次巻線の誘起電圧が低下する。その結果、フィラメント電極加熱トランスによるフィラメント電極の加熱は、実効的に停止する。したがって、放電ランプの点灯中において、フィラメント電極加熱トランスによってフィラメント電極に生じるフィラメント電極加熱損失を削減することができる。なお、本発明においては、フィラメント電極加熱トランスのトランス作用が放電ランプの点灯中完全に停止することが好ましいが、コアのヒステリシス特性の関係で多少のトランス作用が残存したとしても、それなりにフィラメント電極加熱損失の削減に寄与するので、許容されるものとする。
また、本発明においては、フィラメント電極加熱トランスの1次および2次巻線の巻数を適当に設定したり、負荷共振回路などの回路条件を適当に設定したりすることによって、適切なフィラメント電極加熱を容易に実現することができる。
請求項2に係る発明の放電ランプ点灯装置は、請求項1記載の放電ランプ点灯装置において、フィラメント電極を備えた放電ランプを具備していることを特徴としている。
本発明は、放電ランプをその一構成要素として含んでいる以外は請求項1に係る発明と同様である。
請求項3に係る発明の放電ランプ点灯装置は、請求項1または2記載の放電ランプ点灯装置において、放電ランプに並列接続するとともにフィラメント加熱トランスの1次巻線と直列接続した正特性非直線抵抗器を具備していることを特徴としている。
正特性非直線抵抗器は、正の温度係数を有する非直線抵抗器であり、その温度が上昇すると、抵抗値が増大する性質を有している。そして、正特性非直線抵抗器は、始動時にはその抵抗値が低く、放電ランプの安定点灯時には高くなっている。
本発明において、放電ランプ点灯装置の電源を投入する前の正特性非直線抵抗器は、周囲温度まで冷却した状態であるから、その抵抗値が小さい。このため、放電ランプ点灯装置の電源を投入すると、正特性非直線抵抗器に比較的大きな電流が流れる。この電流は、フィラメント電極加熱トランスの1次巻線を流れるので、その2次巻線には比較的高いフィラメント電極加熱電圧が誘起される。この電圧が印加されると、比較的大きなフィラメント電極加熱電流が流れるので、フィラメント電極は、急速に、しかも適切に加熱される。このため、放電ランプは、熱電子が十分豊富に放出されている状態下で速やかに始動して点灯する。その結果、放電ランプの点滅寿命回数が向上する。
請求項4に係る発明の電球形蛍光ランプは、フィラメント電極を備えた発光管と;ハーフブリッジ形高周波インバータ、ならびに直流カットコンデンサ、限流インダクタおよび共振コンデンサを直列に含み、発光管が共振コンデンサに並列接続した負荷回路を備えている高周波点灯回路と;発光管に並列接続した正特性非直線抵抗器と;1次巻線が高周波点灯回路の共振コンデンサおよび発光管の間において発光管に直列に挿入され、2次巻線が放電ランプのフィラメント電極を加熱するように接続するとともに、始動時に2次巻線に誘起された電圧により放電ランプのフィラメント電極を加熱し、放電ランプの点灯後の温度上昇によりフィラメント電極の加熱を実質的に停止するように低いキュリー温度を有するコアを備えたフィラメント電極加熱トランスと;を具備していることを特徴としている。
発光管は、バルブ、一対のフィラメント電極、蛍光体層および放電媒体を含んで構成され、蛍光ランプとしての機能を備えている。バルブは、ガラス管などが屈曲されたり、湾曲されたりしてなるコンパクトな形状をなしていて、その内部に放電路が形成されている。一対のフィラメント電極は、上記放電路内の両端近傍に位置するようにバルブ内に封装されている。蛍光体層は、バルブの内面側に保護膜を介して、または介さないで形成されている。放電媒体には、水銀およびアルゴンなどの希ガスを用いることができる。なお、水銀は、アマルガムとして封入することができる。また、所望により、フィラメント電極の近傍にインジウムなどからなる補助アマルガムを配設することができる。
高周波点灯回路は、ハーフブリッジ形高周波インバータおよび負荷回路を備えている。ハーフブリッジ形高周波インバータは、直流電圧を高周波電圧に変換する。なお、ハーフブリッジ形高周波インバータの入力端に直流電圧を供給するために、高周波点灯回路は、整流化直流電源部を備えている。
負荷回路は、直流カットコンデンサ、限流インダクタおよび共振コンデンサを直列に含み、主として限流インダクタおよび共振コンデンサによって直列共振回路を形成している。直流カットコンデンサは、ハーフブリッジ形高周波インバータから直流成分が負荷回路側へ流出するのを阻止する。また、負荷回路は、その両端がハーフブリッジ形高周波インバーの出力端間に接続している。さらに、負荷回路の共振コンデンサには、発光管が並列接続する。
正特性非直線抵抗器は、発光管に並列接続している。また、正特性非直線抵抗器は、請求項3に係る発明におけるのと同様に構成されている。
フィラメント電極加熱トランスは、請求項1ないし3におけるのと同様に構成されている。
以上の各構成要素が一体化され、さらに口金が装着されて電球形蛍光ランプが構成されている。
本発明においては、電球形蛍光ランプの電源を投入してハーフブリッジ形高周波インバータが動作を開始して高周波電圧が発生すると、その出力端から負荷回路の直流カットコンデンサ、限流インダクタ、フィラメント電極加熱トランスの1次巻線ならびに正特性非直線抵抗器および共振コンデンサの並列回路からなる直列回路を高周波交流電流が流れる。このときの高周波交流電流は、正特性非直線抵抗器の抵抗値が小さいので、比較的大きい値となる。
フィラメント電極加熱トランスは、その1次巻線に比較的大きな高周波交流電流が流れることにより、その2次巻線間に比較的大きなフィラメント電極加熱電圧が誘起される。2次巻線がフィラメント電極の両端間に接続しているので、フィラメント電極は、比較的大きなフィラメント電極加熱電圧の印加により流れる比較的大きな高周波交流電流によって適切に加熱されて熱電子放射状態となり、その結果発光管が速やかに始動して点灯する。
発光管が点灯すると、フィラメント電極加熱トランスのコアは、自己発熱や周囲温度の上昇に伴う熱伝導により温度が上昇してキュリー温度に到達するため、トランス作用が急激に低下する。そのため、フィラメント電極加熱トランスによるフィラメント電極の加熱は、実質的に停止される。その結果、フィラメント電極加熱トランスによって生じるフィラメント電極加熱損失は極端に少なくなる。なお、一対のフィラメント電極の温度は、放電によるイオン衝撃によって発熱して所要の程度に維持される。
一方、正特性非直線抵抗器は、通電による自己発熱や周囲温度の上昇に伴う伝導熱により、その温度が上昇するので、抵抗値が急激に上昇する。また、正特性非直線抵抗器の両端間に印加される電圧は、発光管が点灯すると、その一対の電極間の電圧が低下するので、正特性非直線抵抗器における電力損失は、極めてわずかになる。
本発明によれば、以上説明したように作用するので、安定点灯時のフィラメント電極加熱損失が低減してランプ効率が向上するとともに、点滅寿命回数が向上し、しかも適切なフィラメント電極加熱を行う電球形蛍光ランプを得ることができる。
請求項1ないし3の各発明によれば、放電ランプの点灯後の温度上昇によってフィラメント電極の加熱を実質的に停止するように低いキュリー温度を有するコアを備えたフィラメント電極加熱トランスを用いることにより、安定点灯時のフィラメント電極加熱損失が低減した放電ランプ点灯装置を提供することができる。
請求項2の発明によれば、加えて放電ランプを備えた放電ランプ点灯装置を提供することができる。
請求項3の発明によれば、加えて放電ランプに並列接続するとともにフィラメント電極加熱トランスの1次巻線と直列接続した正特性非直線抵抗器を具備していることにより、点滅寿命回数が向上するとともに、適切なフィラメント電極加熱を行う放電ランプ点灯装置を提供することができる。
請求項4の発明によれば、放電ランプの点灯後の温度上昇によってフィラメント電極の加熱を実質的に停止するように低いキュリー温度を有するコアを備えたフィラメント電極加熱トランスを用いるとともに、発光管に並列接続した正特性非直線抵抗器を具備していることにより、安定点灯時のフィラメント電極加熱損失が低減し、点滅寿命回数が向上するとともに、適切なフィラメント電極加熱を行う電球形蛍光ランプを提供することができる。
以下、図面を参照して本発明を実施するための形態を説明する。
図1は、本発明の放電ランプ点灯装置を実施するための第1の形態を示す回路図である。図において、放電ランプ点灯装置は、放電ランプDL、高周波点灯回路HOCおよびフィラメント電極加熱トランスFHTからなり、入力端子t1、t2および出力端子t3、t4を備えている。
放電ランプDLは、蛍光ランプからなり、バルブ1および一対のフィラメント電極2a、2bを備えている。バルブ1は、透明ガラス管の両端を封止して形成されている。また、バルブ1の内面側には、図示を省略している蛍光体層が形成されている。また、バルブ1の内部には、水銀およびアルゴンからなる放電媒体が封入されている。一対のフィラメント電極2a、2bは、バルブ1の内部に形成された放電路の両端内部に封装されていて、その両端がバルブ1の外部に気密に導出されている。
高周波点灯回路HOCは、整流化直流電源、インバータおよび負荷回路LCを具備している。整流化直流電源は、その入力端が入力端子t1、t2に接続し、低周波交流電源ACから供給される低周波交流電圧を整流して直流電圧に変換する。インバータは、整流化直流電源から出力される直流電圧を高周波交流電圧に変換する。負荷回路LCは、限流インダクタL1および共振コンデンサC1の直列回路を含み、入力端がインバータの出力端に接続し、出力端が出力端子t3、t4に接続している。
フィラメント電極加熱トランスFHTは、単一の1次巻線wp、一対の2次巻線ws1、ws2およびコア3を具備している。1次巻線wpは、高周波点灯回路HOCの出力端子t3と放電ランプDLにおける一方の電極2aの電源側端子との間に直列接続している。一方の2次巻線ws1は、放電ランプDLにおける一方の電極2aの両端子に接続し、他方の2次巻線ws2は、放電ランプDLにおける他方の電極2bの両端子に接続している。コア3は、そのキュリー温度が35℃より高くて、かつ、放電ランプDLの点灯後に到達するフィラメント電極加熱トランスFHTの周囲の温度より低い温度に設定されていて、放電ランプDLが点灯すると、コア3がキュリー温度に到達してフィラメント電極加熱電圧が実質的になくなる。
図2は、本発明の放電ランプ点灯装置を実施するための第2の形態を示す回路図である。図において、図1と同一部分については同一符号を付して説明を省略している。本形態は、放電ランプDLに並列接続した正特性非直線抵抗器PTRを具備している点で第1の形態と異なる。正特性非直線抵抗器PTRは、放電ランプDLが点灯すると、抵抗値が高くなる。
図3ないし図5は、本発明の電球形蛍光ランプを実施するための一形態を示し、図3は点灯回路の回路図、図4は一部断面正面図、図5はグローブを透視した平面図である。各図において、図1および図2と同一部分については同一符号を付して説明は省略する。
まず、図3を参照して点灯回路OCについて説明する。点灯回路OCは、高周波点灯回路HOC、フィラメント電極加熱トランスFHT、正特性非直線抵抗器PTRおよび放電ランプDLを備えて構成されている。高周波点灯回路HOCは、過電流フューズf、ノイズフィルタNF、整流化直流電源RDC、ハーフブリッジ形インバータHBIおよび負荷回路LCからなる。
過電流フューズfは、配線基板PBに一体に形成された細幅の導電パターンからなり、入力端子t1に接続する線路に直列に挿入されている。
ノイズフィルタNFは、入力端子t1、t2間に並列に挿入されているコンデンサC2および後述する整流化直流電源RDCの高圧側の出力端に直列に挿入されたインダクタL2とからなる。
整流化直流電源RDCは、ブリッジ形整流回路BRおよび出力端間に並列接続した平滑コンデンサC3からなる。
ハーフブリッジ形インバータHBIは、第1および第2のスイッチング素子Q1、Q2および制御回路CCからなる。第1のスイッチング素子Q1は、Nチャンネル形MOSFETからなる。そして、第1のスイッチング素子Q1のドレインが整流化直流電源RDCの正極に接続している。第2のスイッチング素子Q2は、Pチャンネル形MOSFETからなる。そして、第2のスイッチング素子Q2のソースが第1のスイッチング素子Q1のソースに接続し、ドレインが整流化直流電源RDCの負極に接続することにより、第1および第2のスイッチング素子Q1、Q2の直列回路の両端間に平滑化直流電圧が印加される。
制御回路CCは、帰還形駆動信号発生回路FDGおよび起動回路STからなる。帰還形駆動信号発生回路FDGは、帰還変圧器NST、ドライブ共振回路DRCおよびドライブ保護回路DPからなる。帰還変圧器NSTは、コア、1次巻線npおよび2次巻線nsからなる。コアは、ドラム形のフェライトコアによって構成されており、磁路が開放している。1次巻線wpは、負荷回路LCに直列に挿入されている。2次巻線wsは、その一端が第1および第2のスイッチング素子Q1、Q2のソースに接続されている。
ドライブ共振回路DRCは、帰還変圧器NSTの2次巻線nsおよびドライブ共振コンデンサC5を並列的に接続することにより、2次巻線nsのインダクタンスとドライブ共振コンデンサC5の静電容量とで形成された直列共振回路である。そして、ドライブ共振回路DRCの共振出力は、結合コンデンサC7を介してハーフブリッジ形インバータHBIの制御端である第1および第2のスイッチング素子Q1、Q2のゲートとソースの間に印加されている。そうして、2次巻線nsに誘起される帰還電圧は、ドライブ共振回路DRCにおいて直列共振する。
ドライブ保護回路DPは、一対のツェナーダイオードZD1、ZD2の逆直列回路からなり、第1および第2のスイッチング素子Q1、Q2のゲート・ソース間に接続されていて、所要の駆動電圧を越える電圧を吸収して、スイッチング素子Q1、Q2のゲートを過電圧から保護する。
起動回路STは、抵抗器R1、R2、R3およびコンデンサC9からなる。抵抗器R1は、第1のスイッチング素子Q1のドレインとゲートとの間に接続している。抵抗器R2は、結合コンデンサC7に並列接続している。抵抗器R3およびコンデンサコンデンサC9は、第2のスイッチング素子Q2のソース・ドレイン間に並列接続している。
負荷回路LCは、直流カットコンデンサC4、限流インダクタL1および共振コンデンサC1の直列回路からなり、その一端が帰還変圧器NSTの1次巻線npの一端に接続し、他端が整流化直流電源RDCの負極に接続している。
次に、図4および図5を参照して電球形蛍光ランプのランプ構造について説明する。各図中、LTは発光管、11はカバー、12は口金、13はグローブ、14は仕切り板、OCは点灯回路である。
発光管LTは、バルブ1a、蛍光体層、放電媒体および電極2a、2bを備えている点で図1に示す蛍光ランプと同様である。しかしながら、バルブ1aは、4本の外径10mmのU字状ガラス管1a1を3つの連結管1a2によって連結し、かつ、各U字状ガラス管1a1が円周上に等配されるように形成されている。各U字状ガラス管1a1は、その両端にシール部が形成されているとともに、それぞれ1個の細管が一つのシール部から外部へ突出している。細管は、バルブ1aの内部に連通している。そして、バルブ1aの内部を排気し、主アマルガム(図示しない。)の収納や希ガスの封入する際に利用する。連結管1a2は、吹き破り法によって形成されている。蛍光体層は、図示を省略しているが、3波長発光形蛍光体を主体として構成されており、バルブ1aの内面側に図示を省略しているアルミナ微粒子を主体とする保護膜を介して形成されている。放電媒体は、アルゴンおよび水銀からなる。水銀は、アマルガムおよびアルゴンから供給される。アマルガムは、主アマルガムおよび補助アマルガムからなる。主アマルガムは、バルブ1aの細管内に収納されている。そして、主アマルガムは、Bi−In−Hgからなる。補助アマルガム(図示しない。)は、主アマルガムの近傍に位置するように導入線に溶接されている。フィラメント電極2a、2bは、タングステン線からなる2重コイルにアルカリ土類金属からなる電子放射物質の酸化物を塗布してなる。
カバー11は、白色の遮光性の耐熱性合成樹脂をカップ状の筒体に成形して構成されている。そして、基端が細く絞られ、先端が開口し、内部が空洞を形成していて、点灯回路OCの殆どの部分を包囲している。
口金12は、E26形ねじ口金からなり、カバー13の基端にポンチによる加締めによって装着されている。
グローブ13は、透明ガラスバルブの内面に形成された光拡散性微粒子を含む塗付膜によって乳白色の光拡散性を備え、A形をなしていて、発光管LTを包囲している。そして、グローブ13の基端がカバー3の先端の開口に接続して、グローブ13およびカバー12は、外囲器AJを形成している。
仕切り板14は、発光管LTおよび配線基板PBを支持しているとともに、外囲器AJ内を発光室Aと点灯回路収納室Bとに区分している。また、仕切り板6は、グローブ13と一緒にカバー12にシリコーン接着剤(図示しない。)により接着して固定している。
点灯回路OCは、その回路構成の詳細については前述のとおりであるが、配線基板PBに実装され、かつ、カバー11の内部に配置されている。
1…バルブ、2a…フィラメント電極、2b…フィラメント電極、3…コア、C1…共振コンデンサ、DL…放電ランプ、FHT…フィラメント電極加熱トランス、HOC…高周波点灯回路、L1…限流インダクタ、LC…負荷回路、OC…点灯回路、PTR…正特性非直線抵抗器、wp…1次巻線、ws1…2次巻線、ws2…2次巻線
Claims (4)
- フィラメント電極を備えた放電ランプを付勢して点灯する高周波点灯回路と;
1次巻線が高周波点灯回路の出力端および放電ランプの間に直列に挿入され、2次巻線が放電ランプのフィラメント電極を加熱するように接続するとともに、始動時に2次巻線に誘起された電圧により放電ランプのフィラメント電極を加熱し、放電ランプの点灯後の温度上昇によりフィラメント電極の加熱を実質的に停止するように低いキュリー温度を有するコアを備えたフィラメント電極加熱トランスと;
を具備していることを特徴とする放電ランプ点灯装置。 - フィラメント電極を備えた放電ランプを具備していることを特徴とする請求項1記載の放電ランプ点灯装置。
- 放電ランプに並列接続するとともにフィラメント電極加熱トランスの1次巻線と直列接続した正特性非直線抵抗器を具備していることを特徴とする請求項1または2記載の放電ランプ点灯装置。
- フィラメント電極を備えた発光管と;
ハーフブリッジ形高周波インバータ、ならびに直流カットコンデンサ、限流インダクタおよび共振コンデンサを直列に含み、発光管が共振コンデンサに並列接続した負荷回路を備えている高周波点灯回路と;
発光管に並列接続した正特性非直線抵抗器と;
1次巻線が高周波点灯回路の共振コンデンサおよび発光管の間において発光管に直列に挿入され、2次巻線が放電ランプのフィラメント電極を加熱するように接続するとともに、始動時に2次巻線に誘起された電圧により放電ランプのフィラメント電極を加熱し、放電ランプの点灯後の温度上昇によりフィラメント電極の加熱を実質的に停止するように低いキュリー温度を有するコアを備えたフィラメント電極加熱トランスと;
を具備していることを特徴とする電球形蛍光ランプ。
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JP2004158888A JP2005340060A (ja) | 2004-05-28 | 2004-05-28 | 放電ランプ点灯装置および電球形蛍光ランプ |
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WO2008098881A1 (de) * | 2007-02-13 | 2008-08-21 | Osram Gesellschaft mit beschränkter Haftung | Zündtransformator für eine entladungslampe |
-
2004
- 2004-05-28 JP JP2004158888A patent/JP2005340060A/ja not_active Withdrawn
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