JP4259008B2 - 電球形蛍光ランプ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、位相制御形調光器と組み合わせて点灯できるように改良した点灯回路手段を備えている電球形蛍光ランプに関する。
【0002】
【従来の技術】
電球形蛍光ランプは、コンパクトな蛍光ランプとその点灯回路手段を一体化した構成を備え、一般照明用白熱電球のように小形で、片口金構造を有していながら蛍光ランプの特徴である高いランプ効率と長寿命とを併せて有し、大幅な省電力を図れる光源であるために、白熱電球に代えて多用されている。
【0003】
一般に市販されている電球形蛍光ランプは、蛍光ランプを高効率点灯することが可能で、しかも小形、軽量を要求されることから高周波点灯するものが主流となっていて、そのために高周波インバータを備えている。高周波インバータは、直流を入力して高周波に変換するために、整流回路を用いて低周波交流をいったん非平滑の直流に変換するとともに、平滑コンデンサを用いて非平滑の直流電圧から平滑化された直流を得ている(従来技術1)。このように整流化後の非平滑化直流電圧で直接平滑コンデンサを充電する回路方式をコンデンサインプット方式というが、この方式を用いた電球形蛍光ランプは後述する理由により位相制御形調光器を用いて調光することができない。
【0004】
これに対して、近時、調光可能な電球形蛍光ランプが開発された。この電球形蛍光ランプは、倍電圧整流回路を用いるとともに特殊な制御用ICを採用し、電源波形を監視して周波数制御を行なうことにより、調光を行なっている(従来技術2)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
従来技術1においては、回路構成が簡単で安価になるという利点があるが、低周波交流電源から点灯回路手段への入力電流は、平滑コンデンサへの充電電流になるから、その流入期間が短い。そのため、入力電流の休止期間中に位相制御形調光器がオンした場合、保持電流を確保できなくなり、位相制御形調光器は位相制御素子として用いているトライアックがオフしてしまうために、オン状態を半サイクル中維持することができない。その結果、電球形蛍光ランプの入力電流が増加して短寿命になる。また、特に調光下限において位相制御形調光器のトライアックが誤動作するために、明るさのちらつきが生じる不具合を呈する。
【0006】
これに対して、従来技術2においては、回路構成が複雑化してICなど回路部品点数が増大し、配線基板の面積が大きくなり、電球形蛍光ランプが大形化するという問題がある。
【0007】
本発明は、比較的良好な調光特性で調光が可能になるとともに、回路構成が比較的簡単で、かつ、安価な電球形蛍光ランプを提供することを目的とする。
【0008】
また、本発明は、調光下限付近において保護動作を行なって明るさのちらつきを生じないように構成された電球形蛍光ランプを提供することを他の目的とする。
【0009】
さらに、本発明は、平滑回路を改良して適切なフィラメント加熱を行なうようにした電球形蛍光ランプを提供することを他の目的とする。
【0010】
【課題を達成するための手段】
請求項1の発明の電球形蛍光ランプは、屈曲された放電路が内部に形成されるようにコンパクトな形に形成されている透光性放電容器、透光性放電容器の内面側に配設された蛍光体層、透光性放電容器の両端に封装された一対の電極、ならびに透光性放電容器の内部に封入されたイオン化媒体を備えた蛍光ランプと;位相制御形調光器を経由して低周波交流電源に接続する入力端、入力端に接続するノイズフィルタ、交流入力端がノイズフィルタの出力端側に接続した整流回路、整流回路の非平滑化直流出力電圧を平滑化する部分平滑回路、部分平滑回路の平滑化直流電圧が印加されるように直列的に接続された第1のスイッチング手段および第2のスイッチング手段、第1および第2のスイッチング手段の交互スイッチングにより発生した高周波交流により作動して蛍光ランプを点灯する負荷回路、ならびに負荷回路に流れる電流を帰還してスイッチング共振回路を作動させて第1および第2のスイッチング手段のスイッチング周波数を決定する帰還形ドライブ信号発生回路、ならびに部分平滑回路の平滑化直流電圧を検出して調光下限付近になって蛍光ランプに明るさのちらつきが発生したときにこれを検出するちらつき検出回路、ちらつき検出回路がちらつきを検出したときに第1のスイッチング手段および第2のスイッチング手段のスイッチング動作を停止させて蛍光ランプを消灯させる発振停止回路および発振停止回路が動作したときに部分平滑回路の出力側に抵抗負荷を接続する電流通流回路を含む保護回路を備えた点灯回路手段と;点灯回路手段を内部に収納するとともに、蛍光ランプを支持するカバーと;点灯回路手段の入力端に接続するとともにカバーの基端に配設された口金と;を具備していることを特徴としている。
【0011】
<蛍光ランプについて>
(透光性放電容器について)
透光性放電容器は、内部に屈曲された放電路が形成されるようにコンパクトな形に形成されていて、より小形化のためには外径が13mm以下、好ましくは8〜11mm、さらに一層小形化を図るには3〜9mmが好適である。たとえば、1本の細長いガラス管を鞍形に湾曲したり、U字状に屈曲した複数のU字状ガラス管を連結管により接続するとともに、各U字状ガラス管の部分を円周上に配列したり、U字状ガラス管の間に形成される空隙部分を一方向から見透せるように前後に揃えて配列することにより、さらにはガラス管をスパイラルに巻回することによっても、透光性放電容器をコンパクトな形に形成し、しかも内部に屈曲された放電路を形成することができる。なお、連結管は、吹き破り法により形成したり、別に用意した管を用いてガラス溶着して形成することができる。
【0012】
また、透光性放電容器のより小形化のための外径は、上記の数値範囲内で自由に選択できるが、外径が3mm未満であると、ランプ電流が絞られすぎてしまい、所望のランプ入力を確保するためには、ランプ電流が小さくなる分について放電路長を大きくして補わなければならなくなり、小形化を図れなくなる。また、これに伴いランプ電圧が高くなるから、始動電圧も高くなり、点灯回路も大形化するとともに、コストアップになる。反対に、透光性放電容器の外径が13mmを超えると、透光性放電容器が大きくなりすぎて、コンパクトな蛍光ランプを得にくくなる。なお、透光性放電容器の内径は、概ね外径に比例し、透光性放電容器の肉厚の2倍を外径から減算した値の平均値である。
【0013】
さらに、透光性放電容器の少なくとも両端には、シール部たとえばピンチシール部が形成されていて、さらに要すれば、これに加えて中間にもピンチシール部が形成される。たとえば、複数のU字状ガラス管を連結管によって連結して透光性放電容器が形成される場合には、透光性放電容器の中間にもシール部を形成することができる。すなわち、各U字状ガラス管の両端部にシール部を形成し、端部に近い中間部同士を連結管によって連結して、1本の屈曲した放電路を形成する。
【0014】
一方、透光性放電容器の長さ、したがって透光性放電容器の両端に封装した一対の電極の間に形成される放電路の長さすなわち放電路長は、外径が上記範囲内であれば、電球形蛍光ランプのランプ電力に応じて250〜500mmに設定することができる。
【0015】
さらに、透光性放電容器は、上記の構造を備えていれば、その材料は制限されないが、一般的にはガラスを用いて構成することができる。この場合、ガラスとしてはソーダライムガラス、鉛ガラス、バリウムシリケートガラスなどの軟質ガラスを用いるのが経済的であるが、要すればホウケイ酸ガラスなどの硬質または半硬質ガラスを用いることもできる。
【0016】
さらにまた、透光性放電容器の横断面形状は、通常円形にするのが一般的であるが、要すれば非円形たとえば楕円形その他任意の横断面形状にすることができる。
【0017】
(蛍光体層について)
蛍光体層は、放電によって発生した紫外線を波長変換して所望波長域の可視光を得るために用いる。用いる蛍光体の種類は限定されないが、3波長発光形蛍光体は、耐熱特性および負荷特性に優れたものを得ることができるとともに、演色性に優れているので、好適である。
【0018】
また、本発明において、蛍光体層が「透光性放電容器の内面側に配設されている」とは、蛍光体層は透光性放電容器の内面に直接形成されていてもよいし、保護膜、反射膜などを介して間接的に形成してもよいことを意味している。
【0019】
さらに、保護膜としては、Alの微粒子を主体とする膜構成を用いることができる。結晶構造は、β形およびα形のいずれでもよい。しかし、α形Alを用いた保護膜を用いることにより、優れた光束立ち上がり特性を得ることができる。
【0020】
(電極について)
透光性放電容器の両端には一対の電極がシール部を介して封装されるが、電極構造はフィラメント電極およびセラミックス電極などのいずれでもよい。
【0021】
電極がフィラメント電極で、シール部がピンチシール構造の場合には、封着の際にフィラメントの形状が乱れるのを防止するために、ビードマウント構造を採用して透光性放電容器の両端にピンチシールすることができる。
【0022】
セラミックス電極を用いる場合、セラミックス電極は以下に示す構成を備えている。すなわち、セラミックス電極は、複合酸化物や酸窒化物の焼結体と、この焼結体を担持する導電性基体とを備えている。焼結体は、アルカリ土類元素および遷移金属元素を主成分とする複合酸化物や酸窒化物の微粒子やその多孔質集合体からなる。また、焼結体の微粒子やその多孔質集合体の表面を炭化物たとえばTaCなどおよびまたは窒化物たとえばTiNなどで被覆することができる。これらの被覆を表面に形成することにより、Baなどの熱電子放出物質のスパッタリングを防止する作用がある。しかし、熱電子放出物質は、内部から熱拡散によって表面焼結体の温度が低いときに、電気伝導を補助する機能も有する。「導電性基体」とは、適度な導電性を備えていて、焼結体を担持する部材であればどのような材料によって構成されていてもよく、たとえばタングステンコイルに付着させて担持させたり、遷移金属または上記焼結体から形成したカップ状体の内部に収納して担持させたりすることができる。
【0023】
(イオン化媒体について)
透光性放電容器内に封入されるイオン化媒体は、広く普及している水銀および希ガスを用いることができる。しかし、要すれば、発光量が少なくなるが希ガスのみを用いることもできる。
【0024】
水銀を用いる場合、電球形蛍光ランプが点灯中高温になるので、高温下での水銀蒸気圧を最適に制御するために、アマルガムによって供給するのが一般的である。アマルガムを用いることにより、周囲温度の変化に対しても水銀蒸気圧を安定に制御でき、したがって安定した光出力を得ることができる。さらに、電極の近傍に補助アマルガムを配設することにより、点灯初期に水銀蒸気を供給して、光束立ち上がり特性を良好にすることができる。前者のアマルガムを補助アマルガムと区別するために、以下「主アマルガム」という。
【0025】
主アマルガムは、低圧水銀蒸気放電に必要な水銀を放出して透光性放電容器内に水銀蒸気を供給するもので、好ましくは細管内に収納される。そして、主アマルガムはBi−In−Hg、Bi−In−Sn−Hgなどの組成であるとともに、光束立ち上がりを良好にするために、4.5重量%以上好適には6重量%の水銀を含むものを用いることができる。
【0026】
しかし、水銀の含有量が上記含有量になると、水銀がアマルガムの表面に滲み出てべとつきを生じやすいので、配慮すべきである。すなわち、アマルガムを製造する際に、急冷して結晶粒子を小さくしたり、アマルガムの表面にべとつき防止処理をしたりすることができる。
【0027】
また、主アマルガムの封入量は、40〜120mg程度がよい。さらに、主アマルガムは、適当なサイズの粒子に加工して必要量が封入されるように複数の粒子を細管内に封入するのがよい。この場合、透光性放電容器の外径が小さくなるほど、点灯時に透光性放電容器の放電空間内の水銀蒸気圧が均一に分布するまでに時間がかかりやすくなるので、主アマルガムを透光性放電容器の複数の位置で供給することができる。
【0028】
補助アマルガムは、アマルガム形成金属たとえばインジウムInなどを所要の位置に配設することにより、透光性放電容器内において水銀が移動してアマルガムを形成するように構成される。アマルガム形成金属は、ステンレスなどの金属基体に蒸着などによって被着させることができる。また、補助アマルガムは、電極の近傍に配設される場合には、電極の導入線に溶接により支持させることができる。また、電極とは遠隔した位置に補助アマルガムが配設される場合には、シール部に基端が封着された適当な導入線のような部材に支持させることができる。
【0029】
希ガスは、アルゴン、クリプトン、キセノン、ネオンなどの一種または複数種を混合して数千〜数万Paの圧力で封入することができる。
【0030】
<点灯回路手段について>
本発明において点灯回路手段は、蛍光ランプを始動し、高周波点灯するための回路手段である。なお、点灯には、全光点灯および調光点灯を含む。また、点灯回路手段は、入力端、ノイズフィルタ、整流回路、部分平滑回路、直列的に接続された第1および第2のスイッチング手段、帰還形ドライブ信号発生回路、負荷回路、ならびに保護回路の回路要素を具備して構成されている。そして、必要に応じてその他の構成を具備することが許容される。なお、以上の回路要素は、一般的には配線基板に実装される。また、本発明において、「高周波」とは、周波数10kHz以上を意味し、好ましくは周波数20〜200kHzである。
【0031】
以下、回路要素ごとに分説する。
【0032】
(入力端について)
入力端は、点灯回路手段の最も低周波交流電源側に位置する回路要素であって、低周波交流電源から位相制御形調光器を経由した入力電源を受け入れる部分であり、後述する口金に接続する。したがって、入力端は、格別な部材により形成されている必要はない。
【0033】
(ノイズフィルタについて)
ノイズフィルタは、低周波交流電源と整流回路との間に介在して、高周波インバータを構成する第1および第2のスイッチング手段の高周波スイッチングによって発生した高周波ノイズが低周波交流電源側へ流出しないように阻止するものである。もちろん、低周波交流電源とノイズフィルタとの間に位相制御形調光器が介在して、位相制御された低周波交流電圧がノイズフィルタの入力端に印加され得る。そして、ノイズフィルタは、発明の範囲が限定されるものではないが、一般的には低周波交流電源と整流回路との間に直列に接続されるインダクタと、低周波交流電源に並列的に接続されるコンデンサとによって構成されている。また、ノイズフィルタのコンデンサを電球形蛍光ランプの入力インピーダンスを少なくとも調光器の位相制御素子がオフする非導通期間の間相対的に低インピーダンスに調整するための入力インピーダンス調整手段に用いるコンデンサと共用することができる。
【0034】
(整流回路について)
整流回路は、低周波交流を直流に変換する手段であって、その交流入力端がノイズフィルタを介して低周波交流電源に接続され、直流出力端に非平滑直流を出力するもので、各種整流回路を任意に採用することができる。たとえば、ブリッジ形全波整流回路、倍電圧形全波整流回路、センタータップ形全波整流回路、半波整流回路などを用いることができる。
【0035】
(部分平滑回路について)
部分平滑回路は、整流回路から出力された非平滑直流電圧の谷の部分を埋めて部分的な平滑電圧を形成するための回路手段である。そして、平滑コンデンサおよびダイオードに、さらに場合によりインダクタを含めて構成される。
【0036】
平滑コンデンサは、これを一または複数用いることができる。複数の平滑コンデンサを用いる場合、非平滑直流電圧による充電時には各平滑コンデンサが直列接続し、並列接続された状態で放電される。したがって、電球形蛍光ランプが100V交流電源に接続される場合に、2つの平滑コンデンサを用いた部分平滑回路であれば、一つの平滑コンデンサはピーク値が約71Vになる。同様に3つの平滑コンデンサの場合、ピーク値は約47Vになる。本発明においては、複数の平滑コンデンサを用いるいわゆる多段構成、好適には3段構成の部分平滑コンデンサを用いるのが好ましい。多段構成であると、平滑コンデンサの充電電流すなわち入力電流のピーク値を小さくすることができ、たとえば3段構成で、白熱電球100W相当の電球形蛍光ランプ(定格消費電力20〜23W)を構成した場合、入力電流が最大で0.4Aになる。
【0037】
また、部分平滑回路の出力である平滑化直流電圧は、平滑回路の名称から理解できるように、十分な平滑が行なわれていなくて、非平滑直流電圧のピーク値がそのまま残存している。
【0038】
(第1および第2のスイッチング手段について)
第1および第2のスイッチング手段は、部分平滑回路の平滑化直流電圧が印加されるように直列的に接続されていて、ハーフブリッジインバータの主体部分を構成する。そして、第1および第2のスイッチング手段の交互スイッチングにより高周波交流電圧を発生する。
【0039】
また、スイッチング手段は、電流ドライブ形のスイッチング手段たとえばバイポーラ形トランジスタ、ならびに電圧ドライブ形のスイッチング手段たとえばFETなどいずれのドライブ形式のものであってもよい。そして、同一極性および相補形のいずれでもよい。なお、FETは、電圧ドライブ形のスイッチング手段であるため、ドライブが容易である。また、MOSFETは、安全動作領域による制約の少ない電力用のスイッチング手段として効果的である。さらに、エンハンスメント形MOSFETは、電源投入時の処理が容易で電力用のスイッチング手段として好適である。さらにまた、Nチャンネル形MOSFETが現状では商品ラインアップが豊富であるから、有利である。しかし、要すれば、Pチャンネル形MOSFETを用いることができる。さらに、一方のスイッチング手段にNチャンネル形MOSFETを用い、他方のスイッチング手段にPチャンネル形MOSFETを用いることにより、第1および第2のスイッチング手段を相補形に構成することができる。
【0040】
ところで、スイッチング手段は、ドライブ端子を備えていることが許容される。そして、ドライブ端子に所定の極性のドライブ信号が供給されたときにドライブすなわちオンされる。エンハンスメント形MOSFETにおいては、ドライブ端子であるところのゲートと、ソースとの間にドライブ信号であるところのゲート電圧が印加されたときに、チャンネルが形成されてオン状態になる。したがって、ゲート電圧が印加されない状態ではオフ状態を維持する。
【0041】
「平滑化直流電圧が印加されるように直列的に接続される」とは、部分平滑化回路から見て第1および第2のスイッチング手段が直列的な接続関係にあることをいい、第1および第2のスイッチング手段と部分平滑回路との間に他の回路部品たとえばインダクタや抵抗器などが介在していてもよい。また、第1および第2のスイッチング手段の間に回路部品が介在していてもよい。
【0042】
(帰還形ドライブ信号発生回路について)
帰還形ドライブ信号発生回路は、自励形であり、後述する負荷回路に流れる電流を帰還してスイッチング共振回路を作動させて第1および第2のスイッチング手段に高周波スイッチングを行なわせる回路手段である。したがって、第1および第2のスイッチング手段のスイッチング周波数を決定する。負荷回路に流れる高周波電流を帰還するには、たとえば限流インダクタンスに帰還巻線を磁気結合させたり、帰還専用の電流変成器の1次巻線を負荷回路に挿入したりすることができる。なお、スイッチング手段が高周波スイッチングを開始するためには起動回路を高周波インバータに付設する。
【0043】
(負荷回路について)
負荷回路は、第1および第2のスイッチング手段の交互スイッチングにより高周波交流により作動して蛍光ランプを点灯する回路手段である。蛍光ランプを始動して点灯するために、限流インダクタンスおよび始動回路などを備えることができる。また、高周波インバータ部分から直流成分が負荷回路に流入しないように直流カットコンデンサを含ませることができる。さらに、始動回路として、たとえば限流インダクタンスと直列共振回路を形成する共振コンデンサを蛍光ランプと並列的に接続することができる。さらにまた、蛍光ランプの一対の電極を所要温度に加熱するために、電極加熱回路を付設することができる。
【0044】
また、負荷回路は、少なくとも限流インダクタンスおよび共振コンデンサからなる負荷共振回路を備えていて、その共振コンデンサの少なくとも一部に蛍光ランプを並列的に接続することができる。なお、限流インダクタンスは、蛍光ランプに対して直列接続されて蛍光ランプの負特性を補償して、ランプ電流を所定値に安定させる。また、限流インダクタンスは、チョークコイル、漏れ変圧器などによって構成することができる。さらに、共振コンデンサの一部として直流カットコンデンサを含むことができる。これにより、高周波インバータに対して導電的に接続した回路方式を採用することができる。一般に直流カットコンデンサは、静電容量の大きなコンデンサを用いるので、負荷共振回路にはほとんど寄与しないが、静電容量を相対的に小さくして負荷共振回路の共振コンデンサの明らかな一部を担当するように構成することもできる。なお、蛍光ランプは、共振コンデンサの一部または全部と並列に接続される。
【0045】
(保護回路について)
保護回路は、部分平滑回路の平滑化直流電圧を検出して調光下限付近になって蛍光ラン プに明るさのちらつきが発生したときにこれを検出するちらつき検出回路、ちらつき検出回路がちらつきを検出したときに第1のスイッチング手段および第2のスイッチング手段のスイッチング動作を停止させて蛍光ランプを消灯させる発振停止回路および発振停止回路が動作したときに部分平滑回路の出力側に抵抗負荷を接続する電流通流回路を含む。
【0046】
調光度合いが進んで調光下限になると、負荷電力の減少により調光器のトライアックなどの位相制御素子が誤動作を起こす。誤動作が発生すると、低周波交流の正負の導通期間が異なってしまう。その結果、蛍光ランプの発光に明るさのちらつきが生じる。
【0047】
このため、明るさのちらつきを生じる場合には、何らかの手段によってこれを検出して蛍光ランプを消灯して保護することが必要になる。
【0048】
従来においては、蛍光ランプの電圧を検出する電圧検出回路を付設して保護するようにしているが、回路構成が複雑となり、コストアップ要因になっている。
【0049】
これに対して、本発明においては、蛍光ランプの明るさのちらつきが蛍光ランプの負荷インピーダンスの変動となり、負荷回路に流れる共振電流の増加を伴う。そして、この共振電流の増加により、部分平滑回路の平滑コンデンサは、その電荷を放電させるので、端子電圧の低下を生じる。したがって、ちらつき検出回路が平滑コンデンサの電圧が所定値以下になったら、これを検出し、発振停止回路が蛍光ランプを消灯させて保護するとともに、電流通流回路が部分平滑回路の出力側において抵抗負荷を接続して電流を流す。
【0050】
ちらつき検出回路は、部分平滑回路の平滑化直流電圧を検出するが、部分平滑回路が複数の平滑コンデンサを用いている場合、その全部または一部の端子電圧により平滑化直流電圧を検出することができる。
【0051】
なお、部分平滑回路を用いている場合、放電の立ち消えは平滑電圧の谷部で生じやすいので、蛍光ランプが消灯すると、共振電流の増加がより顕著になる。その結果、平滑電圧の低下も顕著になるので、明るさのちらつき検出が一層確実になる。また、共振電流が増加した際に、限流インダクタンスが飽和するように、そのコアが構成されている場合には、一層検出が容易になる。
【0052】
発振停止回路は、ちらつき検出回路がちらつきを検出したときに第1のスイッチング手段および第2のスイッチング手段のスイッチング動作を停止させて蛍光ランプを消灯させることができる。スイッチング手段のスイッチングが停止すると、蛍光ランプが消灯する。
【0053】
さらに、スイッチング手段のスイッチングを停止したときに、抵抗器を平滑コンデンサに並列的に接続して、電流が流れるように構成することにより、平滑コンデンサの端子電圧を低下状態に維持して、保護状態を継続させることができる。
【0054】
電流通流回路は、発振停止回路が動作したときに、部分平滑回路の出力側において抵抗負荷を接続して入力電流を流入させる。
【0055】
入力電流を流入させる態様は、入力電圧の位相に関係なく継続して流入させてもよいし、ゼロクロス付近においてのみ流入するようにしてもよい。また、調光下限付近においてのみ入力電流を流入するようにしてもよい。
【0056】
<カバーについて>
カバーは、少なくともその内部に点灯回路手段を収納するとともに、蛍光ランプを支持し、かつ基端に口金を支持する。さらに、グローブを備えた電球形蛍光ランプにおいては、グローブをカバーに固定する。
【0057】
点灯回路手段をカバーの内部に収納し、かつ定置するために、補助的な部材たとえば仕切り板を利用することができる。すなわち、仕切り板に配線基板を支持させるとともに、仕切り板をカバーの開口端を塞ぐようにカバーに装着することにより、配線基板をカバー内に収納させることができる。この場合、さらに仕切り板をグローブと一緒にカバーに固定することができる。しかし、要すれば、配線基板を直接カバー内に支持させて収納することができるのはいうまでもない。
【0058】
また、蛍光ランプをカバーに支持させるのにも仕切り板を用いることができる。すなわち、蛍光ランプを仕切り板に支持させ、仕切り板をカバーの開口端に固定する。そうして、カバーの開口端に仕切り板を装着することによって、カバーに不要な開口ができないようにすることができる。
【0059】
さらに、カバーは、その基端に口金を支持し、かつ白熱電球用照明器具への適合率を高めるために、中間部から基端部にかけて細く形成するのがよい。しかし、カバー全体の形状は、電球形蛍光ランプとしてのデザインを考慮して決定されるべきである。すなわち、グローブを備えている場合のカバーと、グローブを備えていないで、蛍光ランプが露出する場合のカバーとでは、主としてデザイン的配慮から、カバーの形状が大きく異なるのは当然である。
【0060】
また、グローブの形状に応じてカバーの形状が異なるべきものである。たとえば、G形グローブの場合には、カバーをグローブと協働してG形バルブに近い形状になるように、球体の一部のような形状にすることができる。また、A形グローブの場合にも、カバーをグローブと協働してなるべくA形バルブに近い形状になるような形状にすることができる。
【0061】
<口金について>
口金は、受電手段であるとともに、電球形蛍光ランプを機械的に支持する手段として機能する。そして、既知の口金を適宜選定して用いることができるが、電球形蛍光ランプとして多用されているE26形ねじ口金が適当である。
【0062】
また、口金をカバーに支持させるための手段は、特に制限されないので、既知の支持手段たとえばポンチによる機械的固着すなわち加締めなどによって支持すればよい。
【0063】
<その他の構成について>
位相制御形調光器(以下、特に必要な場合を除き、単に「調光器」という。)は、一般的に電球形蛍光ランプを構成する回路要素ではなく、室内の壁面に埋設されたり、照明器具に内蔵されたりして用いられるが、本発明においては、要すれば電球形蛍光ランプに組み込むことが許容される。また、調光器は、位相制御素子と、位相制御素子のオン位相を制御する操作回路とを主構成要素としている。位相制御素子は、トライアックやサイリスタなどの無接点スイッチ素子からなる。また、操作回路は、位相制御素子の制御端子に所望位相の導通信号を供給する回路で、可変抵抗器およびコンデンサを直列に接続してなる移相回路およびダイアックなどのトリガー素子を備えている。また、位相制御素子に並列にコンデンサを接続して、位相制御素子のスイッチングに伴って発生するノイズを吸収するように構成されている。
【0064】
<本発明の作用について>
本発明においては、整流回路の非平滑直流電圧を平滑する平滑回路として部分平滑回路を用いていることにより、調光特性が良好になることが分かった。すなわち、調光によって非平滑直流電圧の導通角が変化するが、部分平滑回路においては、非平滑直流電圧の導通角に応じて整流回路から部分平滑回路に流入する入力電流の大きさが変化するとともに、平滑化直流電圧も変化する。このため、調光による導通角の変化と、蛍光ランプに供給されるランプ電流の大きさとが相関を示す。その結果、ドライブ回路が自励形であっても調光がスムーズとなり、調光特性が良好になる。
【0065】
また、ドライブ回路は、前述のように自励形の帰還形ドライブ信号発生回路であり、回路構成が簡単であるから、調光が可能な電球形蛍光ランプを安価に得ることができる。
【0066】
さらに、本発明においては、蛍光ランプがちらついて正常な点灯を維持できなくなるときに、保護回路のちらつき検出回路がこれを検出し、発振停止回路が第1のスイッチング手段および第2のスイッチング手段のスイッチング動作を停止させて蛍光ランプを消灯させるとともに、部分平滑回路の出力側に抵抗負荷を接続して入力電流を流すことにより、発振停止状態を維持することができる。
【0067】
なお、本発明の電球形蛍光ランプは、以上の説明から理解できるように、調光器と組み合わせて点灯する場合に比較的良好な調光特性をもって調光可能であるが、調光器と組み合わせなくても点灯することができる。
【0068】
請求項の発明の電球形蛍光ランプは、請求項1記載の電球形蛍光ランプにおいて、蛍光ランプは、一対の電極がフィラメント電極であり;部分平滑回路は、整流回路の非平滑化直流出力電圧を平滑化するとともに蛍光ランプのフィラメント電極を経由して少なくとも放電するように構成されている;ことを特徴としている。
【0069】
本発明は、部分平滑回路に対して行なわれる充放電のうち少なくとも放電がフィラメント電極を経由して行なわれるようにした構成を規定している。
【0070】
部分平滑回路に複数の平滑コンデンサを用いる場合、全部または一部の平滑コンデンサに対してフィラメント電極を経由して充電または放電するように構成することができる。また、部分平滑回路に対する充電および放電のいずれか一方または両方がフィラメント電極を経由するように構成することができる。さらに、一対のフィラメント電極のいずれか一方または両方を経由させることができる。しかし、低電圧側のフィラメント電極を経由させるように構成することにより回路設計が容易になる。
【0071】
本発明においては、以下に示す作用、効果が得られる。
【0072】
1 平滑コンデンサの充電または放電電流が突入電流になるのを抑制することができる。
【0073】
2 平滑コンデンサの充電または放電電流によってフィラメント電極の加熱を行なうことができるので、電力損失を生じないことにより回路効率が向上する。
【0074】
3 フィラメント電極が断線した場合、部分平滑回路が不能になるので、同一の調光器に接続されている他の負荷に悪影響を与えない。なお、部分平滑回路の充放電がフィラメント電極を経由しない場合、フィラメント電極が断線すると、平滑コンデンサの充放電のみが継続するので、同一の調光器に接続されている他の負荷が明るさのちらつきを生じる。
【0075】
4 部分平滑回路の平滑コンデンサの放電電流によってフィラメント電極の加熱を行なう構成の場合、ランプ電流の谷部でのみフィラメント電極加熱電流すなわち放電電流が流れる。この期間においては、平滑コンデンサの放電により直流電圧が低下するのに伴ってランプ電流も低減してフィラメント電極温度が低下する。したがって、この期間は、フィラメント電極にとって最も加熱が必要なときである。このようなときに、フィラメント電極の加熱を行なうことができるから、フィラメント電極温度を適正に維持することができる。このため、蛍光ランプが安定に点灯する。
【0076】
5 部分平滑の段数に応じてフィラメント電極の加熱期間と加熱電流とを変えることができるので、回路設計が容易になる。
【0077】
請求項の発明の電球形蛍光ランプは、請求項1または2記載の電球形蛍光ランプにおいて、全光点灯時のランプ電流のクレストファクタが1.7以上に設定されていることを特徴としている。
【0078】
ノイズフィルタに含まれる低周波交流電源に対して並列的なコンデンサにより位相制御された電源電圧が印加された際に、電源電圧の位相制御による急峻な立ち上がりの部分により、パルス状の電流が調光器をゼロクロスして流れると、トライアックがオフしてしまうため、明るさのちらつきが発生するという問題がある。なお、調光器を経由して電球形蛍光ランプを低周波交流電源に接続する場合、調光つまみを全光側にしていても、その出力電圧には20%程度のオフ期間を生じる。このため、上記の問題は、調光度に関係なしに生じる。
【0079】
そこで、従来は、この問題を防止するために、抵抗器とコンデンサとの直列回路をノイズフィルタと並列に接続している。この直列回路により、ノイズフィルタに流れるパルス状の電流より時間幅の長い電流を流して上記のゼロクロスを防止するようにしている。
【0080】
ところが、直列回路の抵抗器が電力損失を生じるので、回路効率がその分低下するという問題がある。
【0081】
これに対して、本発明においては、調光器の最短のオフ期間終了時に出力される電圧の瞬時値が70V程度であることから、平滑コンデンサの平滑電圧が70V以下に設定してあれば、調光器の出力電圧が印加された瞬間に平滑コンデンサに対する充電が開始されて充電電流が流入するので、ノイズフィルタによるパルス状の電流によるゼロクロスを防止することができる。そして、平滑コンデンサの平滑電圧が70V以下に設定するには、蛍光ランプに流れる高周波のランプ電流のエンベロープのクレストファクタを1.7以上に設定すればよい。なお、平滑回路に3段構成の部分平滑回路を用いるだけで、クレストファクタを1.7以上に設定することができる。
【0082】
そうして、本発明においては、簡単な回路構成で調光器の誤動作防止できるとともに、電力損失を生じる回路を付加する必要がなく、その分回路効率がよくなる。
【0083】
請求項4の発明の電球形蛍光ランプは、1ないしのいずれか一記載の電球形蛍光ランプにおいて、点灯回路手段は、部分平滑回路が整流回路の非平滑化直流出力電圧を平滑化して部分的に平滑化された直流出力電圧を出力し、全光時には谷埋め波形エンベロープのランプ電流を流し、調光時には調光器の非導通期間でランプ電流を立ち消えさせるように構成されている;ことを特徴としている。
【0084】
本発明は、低周波交流電圧の部分平滑において、調光時にいわゆる谷埋めの期間における蛍光ランプの点灯を再点弧点灯モードにした構成を規定している。
【0085】
部分平滑において、谷埋めの期間は、整流回路の整流出力が平滑コンデンサに充電されない期間であり、したがってこの期間に蛍光ランプを点灯する電気エネルギーは、平滑コンデンサに蓄積された電荷を放電することによって供給され、スイッチング手段により高周波交流電圧に変換されてから蛍光ランプを付勢することになる。このような期間に蛍光ランプを連続点灯モードで点灯するには、平滑コンデンサの静電容量を大きくして充電電荷を多くする必要がある。そして、これを実現するには、たとえば部分平滑回路を3段以上など回路構成を所要に設計する必要がある。なお、3段形の部分平滑回路は、平滑コンデンサ3個以上を直列接続にして充電し、各平滑コンデンサを並列接続にして放電させる回路構成である。しかし、3段以上の部分平滑回路を採用すると、平滑コンデンサの合成静電容量が大きくなるとともに、平滑コンデンサの数も多くなる。そのため、部品点数が増加し、実装の手間もかかり、コストアップになるばかりでなく、点灯回路手段が大形化するという問題がある。また、谷埋め期間中は、平滑回路の出力電圧が低下するので、その間も連続点灯モードを継続する構成の場合、負荷回路の共振電圧を高く設定して、放電を安定させる必要がある。しかしながら、このような回路構成にすると、周囲温度変化(特に低温時)などによって放電不安定が発生しやすく、したがって明るさのちらつきを生じる。さらに、平滑コンデンサとして電解コンデンサを用いるのが一般的であるが、電解コンデンサは、その放電量が多いと、調光器の導通期間に大きな突入電流が流れる。このように大きな突入電流は、調光器にストレスを与えるばかりでなく、電解コンデンサの信頼性を低下させるといった種々の問題を伴う。
【0086】
これに対して、本発明においては、上記のように構成することにより、上述した種々の問題を解決することができる。すなわち、調光時に部分平滑における谷埋めの期間の点灯を再点弧点灯モードにすることで、谷埋め期間中の電力消費量を低減する。再点弧点灯モードにするには、たとえば2段の部分平滑回路を用いて谷埋め部分の平滑度を低減したり、平滑コンデンサの静電容量を小さく選定したり、負荷回路の開放電圧を低く設定したり、するなどにより実現させることができる。
【0087】
しかし、たとえ谷埋めの期間で蛍光ランプが消灯しているとしても、フィラメント加熱動作を継続することが許容される。そのためには、平滑コンデンサの静電容量を適当に設定して、谷埋めの期間においてもスイッチング手段によるスイッチング動作が継続して高周波電圧を発生し続けるように構成するのがよい。なお、この場合、平滑電圧の低下に伴って負荷回路の開放電圧が低下しすぎると、フィラメント予熱量が不足して黒化するので、このような場合にも適切なフィラメント予熱量を確保できるように平滑コンデンサの静電容量を選定すべきである。
【0088】
これに対して、全光時においては、部分平滑の谷埋めの期間であっても、蛍光ランプは連続点灯モードで点灯するように構成されている。
【0089】
以上の説明から理解できるように、本発明において、部分平滑回路およびスイッチング手段およびその制御回路などについては具体的な回路構成は、特段限定されない。
【0090】
そうして、本発明においては、調光時に部分平滑における谷埋めの期間を再点弧点灯モードにしたことにより、小形で、かつ、安価であるとともに、調光時であっても明るさのちらつきがない電球形蛍光ランプを得ることができる。
【0091】
請求項の発明の電球形蛍光ランプは、請求項1ないしのいずれか一記載の電球形蛍光ランプにおいて、全光時におけるランプ電流のエンベロープの振幅変調度が60%以下であり、調光下限におけるランプ電流のエンベロープの振幅変調度が70%以上であることを特徴としている。
【0092】
本発明は、全光時と調光下限時のランプ電流の振幅変調度を規定することで、全光時の発光効率を高くし、かつ、調光時の発光効率を低下させるようにしたものである。すなわち、十分に平滑された直流電圧をスイッチングして形成した高周波交流電圧で蛍光ランプを点灯する回路方式の場合、高周波ランプ電流のエンベロープの振幅変調度は小さくなり、比較的高効率な発光を行なう。したがって、このような回路方式によって蛍光ランプを全光および調光点灯する場合は、全光から調光下限に至るまで高効率である。
【0093】
ところで、調光用の電球形蛍光ランプの場合、調光時には比較的大きな投入電力で全光束が所望に小さくなる、換言すれば、発光効率が低くなる方が望ましい。なぜなら、調光時においてもフィラメント加熱を十分に行なえるからである。これに対して、上記のように全光から調光下限まで高効率であると、調光時のフィラメント加熱が不足しやすい。しかし、従来、全光時に発光効率が高くて、調光時に発光効率が低くなるような点灯回路手段は、設計が困難であるばかりか、たとえ設計し得たとしても、大形で、しかも、高価になりやすいという問題があった。
【0094】
これに対して、本発明は、上述したように低周波交流電圧を整流し、部分平滑した直流電圧をスイッチングして得た高周波電圧により蛍光ランプを高周波点灯したときに流れるランプ電流のエンベロープの振幅変調度を、全光時と調光時とでそれぞれ所定値範囲に設定している。すなわち、本発明者による研究の結果、全光時におけるランプ電流のエンベロープの振幅変調度が60%以下であれば、変調度0%のときとほぼ同等な高い発光効率が得られる。これに対して、振幅変調度が70%以上になると、急激に発光効率が低下することを発見した。本発明は、この発見に基づいてなされたもので、全光時の振幅変調度を60%以下にすることで高発光効率とし、かつ、調光下限における振幅変調度を70%以上、好適には80%以上にすることで、発光効率を低下させることができる。したがって、調光器の導通角が小さくなるまで絞ることによって、蛍光ランプに対する投入電力を極端に小さくしなくても、全光束が少ない調光下限にすることができる。
【0095】
そうして、本発明においては、全光時には高効率で発光し、調光下限には発光効率を低くするので、調光器の導通角の変化範囲が少なくても、所定の全光束変化が得られる。また、調光下限における投入電力が相対的に多くなるので、調光下限付近においても、フィラメント加熱を良好にすることができる。これにより、フィラメント電極のダメージが低減する。
【0096】
次に、本発明の一実施形態を示せば、以下のとおりである。振幅変調度を約85%に設計した場合、調光下限でランプ電流50mA、ランプ電力3W程度となり、そのときの全光束が130lmである。これに対して、十分な平滑を行なうようにして、ランプ電流の振幅変調度が実質的に0%にした比較例の場合、調光下限でランプ電流20mA、ランプ電力2Wとなり、そのときの全光束は同様に130lmである。なお、上記のいずれにおいても、全光時は、ランプ電流250mA、ランプ電力19W、全光束が1370lmである。
【0097】
請求項の発明の電球形蛍光ランプは、請求項1ないしのいずれか一記載の電球形蛍光ランプにおいて、調光器の導通時間がt1のときに調光下限となって消灯し、調光器の導通時間がt1より長いt2のときに再始動するように構成されているとともに、交流電源の再投入を検出する再投入検出手段を備えていて、再投入検出手段が再投入を検出したときに調光器の導通時間がt1以上で始動するように構成されていることを特徴としている。
【0098】
本発明は、交流電源の再投入時に調光下限またはその付近でも始動するようにした構成を規定している。すなわち、蛍光ランプの調光下限の導通時間をt1とすれば、再始動はt1より導通時間が所定時間長いt2になるように設定して、これにより点滅の安定度を高くするのが一般的である。したがって、従来の電球形蛍光ランプは、調光下限近傍で交流電源をオフにした場合、再び点灯するためには、調光器を全光方向へ導通時間がt2になるまで操作しなければならない。したがって、操作が煩わしい。
【0099】
これに対して、本発明においては、上記のとおり構成されているので、調光下限付近で調光度を固定したままで、調光操作をすることなしに、交流電源のオン、オフのみで電球形蛍光ランプを点滅することができる。
【0100】
再投入検出手段は、交流電源の再投入を検出して、点灯回路手段を作動開始させることができれば、その具体的な回路構成は限定されない。
【0101】
また、点灯回路手段は、調光下限またはその付近の導通時間であっても蛍光ランプを始動可能に構成されている。たとえば、調光下限付近でも高い始動電圧を出力できるように、点灯回路手段に昇圧トランスを含ませることができる。
【0102】
そうして、本発明においては、再投入検出手段により交流電源の再投入を検出したときに、調光下限の導通時間t1以上で蛍光ランプが始動できるので、調光度を調光下限付近で固定した状態でも、交流電源のオン、オフのみで電球形蛍光ランプを点滅させることができる。
【0103】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
【0104】
図1は、本発明の電球形蛍光ランプの第1の実施形態を示す一部断面正面図である。
【0105】
図2は、同じくグローブを透視した平面図である。
【0106】
図3は、同じく分解斜視図である。
【0107】
各図において、1は蛍光ランプ、2は点灯回路手段、3はカバー、4は口金、5はグローブ、6は仕切り板である。
【0108】
〔蛍光ランプ1について〕
蛍光ランプ1は、透光性放電容器1a、蛍光体層、イオン化媒体および電極1bを備えている。
【0109】
透光性放電容器1aは、4本の外径10mmのU字状ガラス管1a1を3つの連結管1a2によって連結し、かつ各U字状ガラス管1a1が円周上に等配されるように形成されている。各U字状ガラス管1a1は、その両端にシール部1a3が形成されているとともに、それぞれ1個の細管1a4が一つのシール部1a3から外部へ突出している。細管1a4は、透光性放電容器1aの内部に連通している。そして、透光性放電容器1の内部を排気し、主アマルガム(図示しない。)の収納や希ガスの封入する際に利用する。連結管1a2は、吹き破り法によって形成されている。
【0110】
蛍光体層は、図示を省略しているが、3波長発光形蛍光体を主体として構成されており、透光性放電容器1aの内面側に図示を省略しているアルミナ微粒子を主体とする保護膜を介して形成されている。
【0111】
イオン化媒体は、アマルガムおよびアルゴンからなる。アマルガムは、主アマルガムおよび補助アマルガムからなる。主アマルガムは、透光性放電容器1の細管1a4内に収納されている。そして、主アマルガムは、Hgが6重量%のBi−In−Hgからなり、粒径約2.5mmの粒子3個を封入している。補助アマルガム(図示しない。)は、ステンレス鋼の薄板にインジウムInを鍍金してなり、主アマルガムの近傍に位置するように導入線に溶接されている。
【0112】
電極1bは、フィラメント電極によって構成されている。そして、電極1bは、タングステン線からなる2重コイルにアルカリ土類金属からなる電子放射物質の酸化物を塗布してなる。
【0113】
〔点灯回路手段2について〕
点灯回路手段2は、その回路構成の詳細については後述するが、ハーフブリッジ形インバータを主体として構成されていて、蛍光ランプ1を付勢して点灯させるもので、後述するカバー3内に収納されている。そして、高周波出力端は、後述するように蛍光ランプ1に所要に接続されている。また、点灯回路手段2は、配線基板2aおよびこれに実装された回路部品2bからなる。そして、主な回路部品2bは、図において配線基板2aの下面に実装されている。一方、回路部品2bは、カバー3の内部の空洞が逆切頭円錐状をなしているので、それに合わせて輪郭が背の高いコンデンサなどの回路部品を頂点とする概ね逆円錐状になるように配線基板2aに実装されている。また、一対のスイッチング手段Q1、Q2は、DIP端子を備えたドレイン露出モールドパッケージ形MOSFETからなる。
【0114】
〔カバー3について〕
カバー3は、白色の遮光性の耐熱性合成樹脂をカップ状の筒体に成形して構成されている。そして、基端3aが細く絞られ、先端3bが開口し、内部が回路部品を収納する空洞を形成している。
【0115】
〔口金4について〕
口金4は、E26形ねじ口金からなり、カバー3の基端3aにポンチによる加締めによって装着されている。なお、点灯回路手段2の入力端は口金4のセンターコンタクトと、口金シェルとに接続されている。
【0116】
〔グローブ5について〕
グローブ5は、透明ガラスバルブの内面に光拡散性微粒子を塗布して乳白色の光拡散性を備え、A形をなしていて、蛍光ランプ1を包囲している。そして、グローブ5の基端がカバー3の先端の開口に接続して、グローブ5およびカバー3は、外囲器AJを形成している。
【0117】
〔仕切り板6について〕
仕切り板6は、蛍光ランプ1および配線基板2aを支持しているとともに、外囲器AJ内を発光室Aと点灯回路収納室Bとに区分している。
【0118】
また、仕切り板6は、蛍光ランプ1および点灯回路手段2を支持するとともに、グローブ5と一緒にカバー3に固定するために、以下の構造を備えている。
【0119】
すなわち、仕切り板6は、図において下方に開放した頂部が閉塞した筒部6aおよび筒部6aの外側に突出した鍔部6bを備えている。そして、筒部6aの頂面6a1に蛍光ランプ1の透光性放電容器1aのU字状ガラス管1a1の両端のシール部近傍を挿入する挿入孔6a2を形成していて、U字状ガラス管1a1のシール部近傍を挿入し、シリコーン接着剤(図示しない。)により接着して、蛍光ランプ1を仕切り板6に支持し、固定している。
【0120】
また、仕切り板6の筒部6aの下端内部に配線基板2aを挿入して支持している。
【0121】
さらに、仕切り板6の鍔部6bがカバー3の開口部近傍の内面に当接するように仕切り板6がカバー3内に挿入され、上からグローブ5の開口端がカバー3の開口端に挿入した状態でシリコーン接着剤(図示しない。)によって固着されている。
【0122】
〔点灯回路手段2の回路構成について〕
図4は、本発明の電球形蛍光ランプの第1の実施形態における点灯回路手段および調光器を示す回路図である。
【0123】
図5は、同じく調光器の内部回路を示す回路図である。
【0124】
図において、ASは低周波交流電源、DMは調光器、a、bは入力端、NFはノイズフィルタ、FBRは整流回路、PSCは部分平滑回路、Q1、Q2は第1および第2のスイッチング手段、LCは負荷回路、FLは蛍光ランプ、FDGは帰還形ドライブ信号発生回路、PCは保護回路、STは起動回路である。以上の各構成要素ごとに説明する。
【0125】
<低周波交流電源ASについて>
低周波交流電源ASは、商用100V交流電源からなる。
【0126】
<調光器DMについて>
調光器DMは、図5に示すように、2線式であり、端子t1、t2、トライアックTRIAC、操作回路OCおよびコンデンサC2を備えている。端子t1は、図4において低周波交流電源ASの図の上側の極に接続する。端子t2は、同様に入力端aに接続される。また、端子t1、t2間にはトライアックTRIACおよびコンデンサC3が並列接続されている。操作回路OCは、移相回路PSCおよびダイアックDIACを備えている。移相回路PSCは、可変抵抗器R1およびコンデンサC2の直列回路からなるとともに、トライアックTRIACに並列接続され、移相出力端子とトライアックTRIACのトリガー端子との間にダイアックDIACが接続されている。
【0127】
<入力端a、bについて>
入力端a、bは、点灯回路手段の入力端を構成しており、図1の口金4に接続している。
【0128】
<ノイズフィルタNFについて>
ノイズフィルタNFは、低周波交流電源ASと整流回路FBRとの間において線路に直列に挿入されるインダクタL1および調光器DMと整流回路FBRとの間において線路間に並列的に接続されるコンデンサC4からなり、第1および第2のスイッチング手段Q1、Q2のスイッチングによって発生する高周波ノイズを低周波交流電源AS側に流出しないように除去する。
【0129】
<整流回路FBRについて>
整流回路FBRは、ブリッジ形全波整流回路からなり、その交流入力端がノイズフィルタNFの出力端間に接続している。また、直流出力端と直列に小さな抵抗器の抵抗器R2が接続していて、第1および第2のスイッチング手段Q1、Q2側へ突入電流が流出するのを防止している。
【0130】
<部分平滑回路PSCについて>
部分平滑回路PSCは、3個の平滑コンデンサC5、C6、C7、ダイオードD1ないしD6および高周波バイパスコンデンサC8からなる3段構成である。すなわち、平滑コンデンサC5、ダイオードD1、平滑コンデンサC6、ダイオードD2および平滑コンデンサC7を順方向に接続してなる直列回路が抵抗器R2を介して整流回路FBRの直流出力端間に接続して充電回路を形成している。また、ダイオードD3、D4、D5、D6が図のように接続して、各平滑コンデンサC5、C6、C7の電荷を、第1および第2のスイッチング手段Q1、Q2に対して、互いに並列的に放電するように構成されている。なお、平滑コンデンサC5、C6の電荷は後述する蛍光ランプFLの電極E2を経由して放電するように接続されている。高周波バイパスコンデンサC8は、上記直列回路に並列接続して、第1および第2のスイッチング手段Q1、Q2によって発生した高周波が整流回路FRC側へ流出しないようにバイパス作用を行なう。
【0131】
<第1および第2のスイッチング手段について>
第1のスイッチング手段Q1は、Nチャンネル形MOSFETからなる。そして、第1のスイッチング手段Q1のドレインが部分平滑回路PSCの正極に接続している。第2のスイッチング手段Q2は、Pチャンネル形MOSFETからなる。そして、第2のスイッチング手段Q2のソースが第1のスイッチング手段Q1のソースに接続し、ドレインが部分平滑回路PSCの負極に接続することにより、第1および第2のスイッチング素子Q1、Q2は部分平滑回路PSCの平滑化直流電圧が印加されるように直列接続している。
【0132】
<負荷回路LCについて>
負荷回路LCは、直流カットコンデンサC9、昇圧トランスSUT、限流インダクタンスL2および共振コンデンサC10の直列回路によって構成されていて、第2のスイッチング手段Q2に並列接続している。なお、後述する帰還形ドライブ信号発生回路FDGの帰還変圧器NSTの1次巻線wpが負荷回路LCに直列に挿入されている。そして、直流カットコンデンサC9の静電容量が相対的に大きいので、主として限流インダクタンスL2および共振コンデンサ10が共振回路を形成している。昇圧トランスSUTは、単巻トランス構造であり、蛍光ランプFLに印加する電圧を所要の値まで昇圧するために用いられていて、その1次巻線がコンデンサC11を介して負荷回路LCに対して並列的に接続している。また、限流インダクタンスL2には、延長コイルw1が単巻トランス構造をなすように配設されている。
【0133】
<蛍光ランプFLについて>
蛍光ランプFLは、負荷回路LCの共振コンデンサC10に並列接続している。また、電極E1は、限流インダクタンスL2の延長コイルw1に接続して、負荷電流が限流インダクタンスL2に流れたときに延長コイルw1に誘起される電圧により加熱される。また、電極E2は、部分平滑回路PSCの平滑コンデンサC5およびC6の放電電流によって加熱されるようにダイオードD3およびD5に接続している。
【0134】
<帰還形ドライブ信号発生回路FDGについて>
帰還形ドライブ信号発生回路FDGは、帰還変圧器NST、ドライブ共振回路DRCおよびドライブ保護回路DPからなる。
【0135】
帰還変圧器NSTは、コア、1次巻線wpおよび2次巻線wsからなる。コアは、ドラム形のフェライトコアによって構成されており、磁路が開放している。1次巻線wpは、その一端が2次巻線wsの一端すなわち第1および第2のスイッチング手段Q1、Q2のソースに、また他端が限流インダクタンスL2の一端に接続している。したがって、1次巻線wpは、負荷回路LCに直列に挿入されている。2次巻線wsは、その一端が第1および第2のスイッチング手段Q1、Q2のソースに接続されている。
【0136】
ドライブ共振回路DRCは、帰還変圧器NSTの2次巻線wsおよびドライブ共振コンデンサC12を並列接続することにより、2次巻線wsのインダクタンスとコンデンサC12の静電容量とで形成された直列共振回路である。すなわち、コンデンサC12は、その一端が2次巻線wsに並列接続している。そして、コンデンサC12および2次巻線wsの高電圧側の接続点をコンデンサC13およびそれぞれ抵抗器R3を直列に介して第1および第2のスイッチング手段Q1、Q2のゲートに接続し、低電圧側の接続点を第1および第2のスイッチング手段Q1、Q2のソースに接続している。
【0137】
そうして、2次巻線wsに誘起される帰還電圧は、ドライブ共振回路DRCにおいて直列共振する。
【0138】
ドライブ保護回路DPは、一対のツェナーダイオードZD1、ZD2の逆直列回路からなり、第1および第2のスイッチング手段Q1、Q2のゲート・ソース間に接続されている。
【0139】
<保護回路PCについて>
保護回路PCは、ちらつき検出回路FD、発振停止回路OS、電流通流回路CPおよびヒステリシス発生回路HGからなる。
【0140】
ちらつき検出回路FDは、ツェナーダイオードZD3、抵抗器R4、R5、R6、R7およびスイッチQ3からなり、部分平滑回路PSCの平滑コンデンサC7の端子電圧を検出する。すなわち、平滑コンデンサC7に並列接続し、抵抗器R4、R5の接続点をスイッチQ3のゲートに接続している。なお、スイッチQ3は、MOSFETからなる。抵抗器R6および抵抗器R7は、直列接続されてツェナーダイオードZD3および抵抗器R4、R5の直列回路に並列接続している。スイッチQ3のドレインおよびソースは、抵抗器R7に並列接続している。
【0141】
発振停止回路OSは、スイッチQ4およびダイオードD7からなる。スイッチQ4は、そのゲートが抵抗器R6およびR7の接続点に接続している。ダイオードD8は、そのアノードが第1および第2のスイッチング手段Q1、Q2のゲートにそれぞれ抵抗器R3を介して接続している。
【0142】
電流通流回路CPは、ダイオードD8、抵抗器R8およびスイッチQ4からなる。ダイオードD8は、そのアノードが部分平滑回路PSCの正極に接続し、カソードが抵抗器R8の一端に接続している。抵抗器R8の他端は、スイッチQ4のドレインに接続している。スイッチQ4は、発振停止回路OSのスイッチQ4が兼ねている。
【0143】
ヒステリシス発生回路HGは、調光器DMの導通期間t1で調光下限となって蛍光ランプFLが消灯した後も交流電源ASが投入されている場合、調光器DMを操作して、その導通期間をt1より大きいt2になるまで再始動しないようにヒステリシス特性を付与するための回路手段である。そして、ダイオードD9および抵抗器R9からなる。ダイオードD9は、そのカソードがスイッチQ4のドレインに接続し、アノードが抵抗器R9の一端に接続している。抵抗器R9は、その他端がスイッチQ3のゲートに接続している。
【0144】
<起動回路STについて>
起動回路STは、抵抗器R10、第1のスイッチング手段Q1のゲートに接続している抵抗器R3、ドライブ保護回路DPおよびコンデンサC14からなる。抵抗器R10は、入力端bと第1のスイッチング手段Q1のゲートとの間に接続している。コンデンサC14は、第2のスイッチング手段Q2のソース・ドレイン間に接続している。
【0145】
〔回路動作について〕
まず、調光器DMが接続されていないときの高周波発生動作について説明する。低周波交流電源ASを投入すると、部分平滑回路PSCにより平滑化直流電圧が直列接続された第1および第2のスイッチング手段Q1、Q2のドレイン・ソース間に印加される。しかし、第1および第2のスイッチング手段Q1、Q2は、ゲート電圧が印加されていないので、オフ状態のままである。
【0146】
一方、低周波交流電圧は、上記と同時に起動回路STにも印加される。これにより、抵抗器R10、R3およびコンデンサC14を介してドライブ保護回路DPの両端に交流電圧が分圧されて現れる。その結果、ドライブ保護回路に生じる電圧降下が第1および第2のスイッチング手段Q1、Q2のゲート・ソース間に対して順方向になるスイッチング手段がオンする。たとえば、第1のスイッチング手段Q1がオンすると、第2のスイッチング手段Q2は、ドライブ保護回路DPの電圧降下が逆方向なので、オフ状態を維持する。
【0147】
第1のスイッチング手段Q1がオンすると、部分平滑回路PSCの正極から第1のスイッチング手段Q1のドレイン・ソースおよび帰還変圧器NSTの1次巻線wpを直列に介して負荷回路LCすなわち限流インダクタンスL2、直流カットコンデンサC9、昇圧トランスSUTの1次巻線およびコンデンサC11および部分平滑回路PSCの負極の経路を励磁電流が流れる。このとき昇圧トランスSUTの2次巻線に昇圧電圧が誘起され、負荷回路LCの限流インダクタンスL2および共振コンデンサC10の直列部分に印加される。限流インダクタンスL2および共振コンデンサC10は、昇圧電圧が印加されると、直列共振を呈して共振コンデンサC10の端子電圧が高くなり、かつ、充電される。
【0148】
また、帰還変圧器NSTの1次巻線wpに電流が流れたことにより、電流波形に比例した波形の電圧が2次巻線wsに誘起される。帰還変圧器NSTの2次巻線wsは、そのインダクタンスがドライブ共振コンデンサC12の静電容量とドライブ共振回路DRCを形成しているので、2次巻線wsの誘起電圧が共振する。そして、その共振電圧は、コンデンサC13を介して第1のスイッチング手段Q1のゲート・ソース間に順方向電圧を引き続き印加して、オン状態を維持する。また、上記共振電圧は、第2のスイッチング手段Q2のゲート・ソース間に対して逆方向に印加されるので、第2のスイッチング手段Q2は引き続きオフ状態のままである。
【0149】
ところが、ドライブ共振回路DRCの共振電圧は、共振による振動によって次に極性が反転するので、そのとき第1のスイッチング手段Q1のゲート・ソース間電圧が逆電圧になってオフし、反対に第2のスイッチング手段Q2のゲート・ソース間電圧が順方向の極性になってオンする。
【0150】
したがって、第1のスイッチング手段Q1のオン時間は、ドライブ共振回路DRCのドライブ共振コンデンサC12の静電容量と帰還変圧器NSTの2次巻線wsのインダクタンスとにより決定される。
【0151】
第1のスイッチング手段Q1がオフになると、限流インダクタンスL2に蓄積されていた電磁エネルギーが放出されて、限流インダクタンスL2から共振コンデンサC10、第2のスイッチング手段Q2の寄生ダイオード、帰還変圧器NSTの1次巻線wp、直流カットコンデンサC9、昇圧トランスSUTの2次巻線および限流インダクタンスL2の経路を引き続き電流が流れ続けるが、その電流が零になると、今度は共振コンデンサC10の充電電荷が限流インダクタンスL2、昇圧トランスSUTの2次巻線、直流カットコンデンサC9、帰還変圧器NSTの1次巻線wp、第2のスイッチング手段Q2および共振コンデンサC10の経路を放電し、電流が上記とは逆方向に流れる。このとき、帰還変圧器NSTの2次巻線wsに誘起される電圧は、上述と逆になり、この電圧がドライブ共振回路DRCにおいて共振し、その共振電圧が印加される第1のスイッチング手段Q1はオフ状態を維持し、第2のスイッチング手段Q2はオン状態を維持する。
【0152】
ところが、ドライブ共振回路DRCの共振電圧が振動して極性が反転すると、再び第1のスイッチング手段Q1がオンし、第2のスイッチング手段Q2がオフする。その結果、限流インダクタンスL2に蓄積されていた電磁エネルギーが放出された後、再び部分平滑回路PSCの正極から、最初に説明したように電流が負荷回路LCに流れる。以下、以上説明した動作を繰り返して、第1および第2のスイッチング手段Q1、Q2は、ハーフブリッジ形インバータとして作動して高周波交流電圧を発生する。部分平滑回路PSCは、整流回路FRBの非平滑直流電圧によって平滑コンデンサC5、C6、C7を直列的に充電する。このとき、各平滑コンデンサC5、C6、C7には非平滑直流電圧のピーク値の1/3の電圧が充電される。一方、放電時にはダイオードD1ないしD6の作用により、各平滑コンデンサC5、C6、C7は、並列に放電する。このため、低周波交流電圧の半波整流波形における谷の部分が埋められて、平滑コンデンサC5、C6、C7の端子間にいわゆる部分平滑電圧が得られる。なお、ドライブ共振回路DRCの共振電圧がスイッチング手段Q1、Q2のゲート・ソース間に印加される際に、過電圧の部分は、ドライブ保護回路DPに吸収されるので、ゲートは過電圧から保護される。
【0153】
図6は、本発明の電球形蛍光ランプの第1の実施形態における2次開放状態のスイッチング手段のドレイン電流波形および平滑コンデンサ電圧波形を示す波形図である。
【0154】
図7は、同じく時間軸を延伸した状態の各部の電圧、電流波形を示す波形図である。
【0155】
図において、V20は2次開放電圧波形、IDQ1は第1のスイッチング手段Q1のドレイン電流波形、VPSCは部分平滑回路PSCの平滑コンデンサの電圧波形、をそれぞれ示す。
【0156】
ところで、負荷回路LCにおいては、以上の動作中限流インダクタンスL2に負荷電流が流れる際に、単巻トランスを構成する延長コイルw1に電圧が誘起され、蛍光ランプFLの電極E1を加熱する。また、蛍光ランプFLの電極E2は、部分平滑回路PSCの平滑コンデンサC5、C6の放電電流により加熱される。電極E1、E2は、上記により加熱されるので、熱電子放出状態になり、しかも負荷回路LCの共振による高い電圧が電極E1、E2間に印加されるので、やがて蛍光ランプFLはインスタントスタートのように始動して点灯する。
【0157】
蛍光ランプが点灯すると、その電極E1、E2間の電圧が直流電圧の半分程度に低いランプ電圧になるので、共振コンデンサC10の共振が緩和されるが、不飽和構成の帰還変圧器NSTの1次巻線wpにはランプ電流に比例した電圧誘起が継続される。
【0158】
図8は、本発明の電球形蛍光ランプの第1の実施形態における全光点灯状態の各部の電圧、電流波形を示す波形図である。
【0159】
図9は、同じく時間軸を延伸した状態の各部の電圧、電流波形であって、左半分は部分平滑回路の平滑化直流電圧の山部分、右半分は同じく谷部分における波形を示す波形図である。
【0160】
各図において、VINは入力電圧波形、ILはランプ電流波形、IDQ1は第1のスイッチング手段Q1のドレイン電流波形、VPSCは部分平滑回路PSCの平滑コンデンサの電圧波形、をそれぞれ示す。
【0161】
次に、調光器DMによる調光動作について説明する。
【0162】
調光器DMのトライアックTRIACの休止区間中にはコンデンサC2および電球形蛍光ランプの入力インピーダンスによって按分された低い電圧が電球形蛍光ランプに印加される。点灯回路手段2においては、この休止区間の電圧が整流回路FBRで整流され、部分平滑回路PSCにより部分平滑化される。そして、第1および第2のスイッチング手段Q1、Q2は、平滑化直流電圧を印加されてハーフブリッジ形インバータ動作を行なう。
【0163】
一方、調光器DMにおいては、その移相回路PSCの出力電圧すなわちコンデンサC3の端子電圧が上昇してダイアックDIACがオンすると、トライアックTRIACにゲート電流が流入してオンする。そして、操作回路OCの可変抵抗器R1の値を変えることにより、移相が行われトライアックTRIACの導通位相が変化して導通区間が変化する。このオン期間を通じてトライアックTRIACには、電球形蛍光ランプにおける入力電流が流れるために、保持電流を流すことができる。
【0164】
図10は、本発明の電球形蛍光ランプの第1の実施形態における部分平滑回路の動作を説明する各部の電圧、電流波形を示す波形図である。
【0165】
図において、(a)は入力電圧波形、(b)は平滑化直流電圧波形、(c)は入力電流波形、をそれぞれ示す。また、図の左半分は非調光状態、右半分は位相角90°のときの波形を示している。
【0166】
図から理解できるように、調光器を用いて電球形蛍光ランプを調光する場合、平滑回路に部分平滑回路を採用すると、入力電流および平滑化直流電圧が入力電圧の導通角に応じて変化するので、調光特性が良好になる。
【0167】
図11は、本発明の電球形蛍光ランプの第1の実施形態における調光特性を比較例のそれとともに示すグラフである。
【0168】
図において、横軸は、調光器のトライアック導通期間(%)を、縦軸は相対光束(%)を、それぞれ示す。また、曲線Aは本実施形態、曲線Bは比較例1、曲線Cは比較例2、をそれぞれ示す。なお、比較例1はコンデンサインプット形平滑回路を備えた電球形蛍光ランプ、比較例2は白熱電球である。
【0169】
調光器DMを介して電球形蛍光ランプを低周波交流電源に接続すると、図12に示すように、全光時であっても約20%程度のオフ期間が生じる。そのため、低周波交流電圧の立ち上がりの瞬間に70V0−P程度の急峻な電圧が電球形蛍光ランプのノイズフィルタNFのコンデンサに印加される。その結果、パルス電流がゼロクロスして流れると、調光器がオフしてしまい、明るさのちらつきを生じる。
【0170】
本実施形態においては、図13に示すように、高周波ランプ電流のエンベロープのクレストファクタが1.7以上になるように回路定数を設定している。その結果、平滑化直流電圧の谷埋め電圧が70V以下になるので、低周波交流電圧の立ち上がりの瞬間から部分平滑回路に充電電流が流入する。そのため、上記パルス電流と充電電流とが同時に流れることになり、ゼロクロスが発生しなくなる。
【0171】
図12は、調光器の全光操作時の出力電圧波形を示す波形図である。
【0172】
図13は、本発明の電球形蛍光ランプの第1の実施形態における各部の電圧、電流波形を示す波形図である。
【0173】
図において、VINは入力電圧、VPSCは平滑化直流電圧、ILはランプ電流である。
【0174】
さらに、本実施形態においては、放電ランプFLの電極E2を部分平滑回路の放電電流により加熱している。
【0175】
図14は、本発明の電球形蛍光ランプの第1の実施形態における全光点灯時の各部の電圧、電流波形を示す波形図である。
【0176】
図15は、同じく調光点灯時の各部の電圧、電流波形を示す波形図である。
【0177】
各図において、VINは入力電圧、ILはランプ電流、Ifは電極加熱電流である。
【0178】
各図から明らかなように、調光時の電極加熱電流は、全光時のそれより大きくなっている。
【0179】
次に、保護回路PCの回路動作について説明する。
【0180】
図4において、調光器DMを操作して調光する際に、調光下限になると、負荷電力の低下により調光器のトライアックが誤動作する。そして、低周波交流電圧の正負の導通期間が異なってしまう。そのため、蛍光ランプFLが明るさのちらつきを生じる。
【0181】
そうして、蛍光ランプFLが明るさのちらつきを生じると、蛍光ランプFLのインピーダンスがちらつきに同期して変化するので、負荷回路LCに過大な共振電流が流れ、部分平滑回路PSCの平滑コンデンサC5、C6、C7の電荷を放電させるので、その端子電圧が低下する。
【0182】
図16は、調光下限において低周波交流電圧の正負の導通期間が異なっているときの入力電圧波形を示す波形図である。
【0183】
図17は、調光下限における平滑化直流電圧およびランプ電流の波形示す波形図である。
【0184】
図において、VPSCは平滑化直流電圧を示している。そして、矢印Dは正常点灯時、矢印Eはちらつき発生時で、電圧が低下しているのが分かる。また、ILはランプ電流を示している。そして、矢印Fは正常点灯時、矢印Gはちらつき発生時で、両者は電流値が異なるのが分かる。
【0185】
本実施形態においては、蛍光ランプFLに明るさのちらつきが発生すると、ちらつき検出回路FDのツェナーダイオードZD3がオフする。これに伴いスイッチQ3がオフして、明るさのちらつきを検出する。なお、蛍光ランプFLの正常点灯状態のときは、ちらつき検出回路FDのツェナーダイオードZD3がオンし、これに伴いスイッチQ3もオンしている。
【0186】
ちらつき検出回路FDが明るさのちらつきを検出すると、発振停止回路OSのスイッチQ4がオンする。これにより、第1および第2のスイッチング手段Q1、Q2のゲートがダイオードD7およびスイッチQ4を介して接地されるので、スイッチング動作を停止する。したがって、蛍光ランプFLは消灯する。
【0187】
また、これと同時に、電流通流回路CPが作用して、部分平滑回路PSCからダイオードD8、抵抗器R8およびスイッチQ4の経路に電流が流れる。これにより、部分平滑回路PSCに抵抗器R8からなる抵抗負荷が接続されるので、入力電流が流入する。このため、調光器の誤動作を防止することができ、同一調光器に接続している他の負荷が悪影響を受けなくなる。
【0188】
さらに、ちらつき検出回路FDがちらつきを検出すると、ヒステリシス発生回路HGが動作する。すなわち、発振停止回路OSが動作すると、スイッチQ3のゲートは、抵抗器R9およびダイオードD9を介して低い電圧に強制的に保持され、発振停止状態を持続することができる。
【0189】
図18は、本発明の電球形蛍光ランプの第2の実施形態を示す回路図である。
【0190】
本実施形態においては、部分平滑回路PSCが平滑コンデンサC5、C6およびダイオードD1、D3、D4からなる2段部分平滑方式により構成されている。その結果、平滑コンデンサの合成静電容量が3段部分平滑方式の場合より小さくなり、調光器DMの非導通期間中蛍光ランプFLは、そのランプ電流が立ち消える、すなわち再点弧点灯モードになる。しかし、その間もスイッチング手段Q1、Q2のスイッチング動作は継続し、蛍光ランプFLのフィラメント電極E1、E2の予熱が行なわれている。
【0191】
図19は、本発明の電球形蛍光ランプの第2の実施形態における全光時における交流入力電圧波形およびランプ電流波形を示す波形図である。(a)は交流入力電圧、(b)はランプ電流、をそれぞれ示す。図から、全光時においては、蛍光ランプFLが連続点灯モードであることが分かる。
【0192】
図20は、同じく調光時における交流入力電圧波形およびランプ電流波形を示す波形図である。(a)、(b)は図20と同じである。図から、調光時においては、蛍光ランプFLが再点弧点灯モードであることが分かる。
【0193】
再び図18に戻って回路構成を説明すると、本実施形態においては、再投入検出手段RTDが配設されている。再投入検出手段RTDは、交流電源ASの再投入を検出して、調光器DMの導通時間が調光下限となるt1以上で蛍光ランプFLを始動するように構成されている。すなわち、再投入検出手段RTDは、ダイオードD4、抵抗器R6およびコンデンサC14の積分回路を主体として構成されていて、その一端が部分平滑回路PSCの正極に、コンデンサC14がスイッチQ4のゲート・ソース間に接続している。
【0194】
そうして、調光器DMの導通時間がt1になると、ツェナーダイオードZD3がオフし、これに連動してスイッチQ3がオフ、スイッチQ4がオン、スイッチング手段Q1、Q2が発振停止して、蛍光ランプFLが消灯する。
【0195】
蛍光ランプFLの消灯後も交流電源ASが引き続き投入されている場合は、抵抗器R9がスイッチQ3のゲートに接続しているため、ツェナーダイオードZD3がオンしても、抵抗器R5にはスイッチQ3をオンさせるのに必要な電圧が発生しない。したがって、導通時間t1ではスイッチQ3はオンできない。しかし、導通時間が導通時間t1より所定値だけ大きいt2以上になると、ツェナーダイオードZD3を通して抵抗器R5に流れる電流量が増えるため、抵抗器R5にはスイッチQ3をオンさせるのに必要な電圧が発生する。スイッチQ3がオンすると、スイッチQ4がオフして、スイッチング手段Q1、Q2のスイッチング動作が開始されて発振するので、蛍光ランプFLは始動する。
【0196】
これに対して、蛍光ランプFLの消灯後、交流電源ASがいったん遮断され、その後に再投入された場合、調光器DMの導通期間がt1以上、換言すれば、導通時間t1とt2の間にあったとすると、コンデンサC14が充電されていないため、スイッチQ4がオフしているので、スイッチング手段Q1、Q2がスイッチング動作を開始して、蛍光ランプFLは始動する。その後、ダイオードD4および抵抗器R6を経由してコンデンサC14の電圧が上昇するが、そのときには既にツェナーダイオードZD3がオン、スイッチQ3がオンしているので、スイッチQ4は、引き続きオフし、蛍光ランプFLは点灯し続ける。
【0197】
図21は、本発明の電球形蛍光ランプの第2の実施形態における点灯回路手段の実装例を示す一部切欠正面図である。すなわち、図18における部分平滑回路PSCを構成する電解コンデンサC5、C6を配線基板2aに対して巻線回路部品lを中間に介在させて配置している。この配置にするために、平滑コンデンサC5、C6は、そのリード線を延ばして配線基板2aに実装され、かつ、リード線を中間で折り曲げて、横向きに寝かされている。
【0198】
そうして、平滑コンデンサC5、C6を蛍光ランプ1の特に管端部から熱的に隔離しているので、その放射熱の影響が低減する。そのため、平滑コンデンサC5、C6の耐熱グレードを下げることができる。また、カバー3内の限られた空間の利用率が向上して、点灯回路手段2をコンパクトに構成することができる。
【0199】
【発明の効果】
請求項1の発明によれば、整流回路から出力された非平滑直流電圧の谷の部分を埋めて部分的な平滑電圧を形成する部分平滑回路においては非平滑直流電圧の導通角に応じて整流回路から部分平滑回路に入力する入力電流の大きさが変化して、調光による導通角と蛍光ランプに供給される入力電流とが相関を示すため、第1および第2のスイッチング手段のドライブ回路が自励形であっても調光がスムーズで調光特性が良好にな、回路構成が比較的簡単で、かつ、安価であるとともに、調光下限付近において保護動作を行って明るさのちらつきを生じないように構成された電球形蛍光ランプを提供することができる。
【0200】
また、保護回路が電流通流回路を含んでいて蛍光ランプの消灯時に入力電流を流すことにより、位相制御形調光器の誤動作を防止して同一調光器に接続する他の負荷に悪影響を与えないようにした電球形蛍光ランプを提供することができる。
【0201】
請求項の発明によれば、加えて部分平滑回路が蛍光ランプのフィラメント電極を経由して放電するように構成されていることにより、平滑コンデンサの放電電流が突入電流になるのを防止し、またその際に電力損失なくフィラメント電極を加熱するので、回路効率が良好になるとともに、フィラメント電極が断線したときに同一調光器に接続している他の負荷悪影響を与えない電球形蛍光ランプを提供することができる。
【0202】
請求項の発明によれば、加えて全光点灯時のランプ電流のクレストファクタが1.7以上に設定されていることにより、簡単な回路構成で調光器の誤動作防止できるとともに、電力損失を生じる回路を付加する必要がなく、その分回路効率のよい電球形蛍光ランプを提供することができる。
【0203】
請求項の発明によれば、加えて全光時には谷埋め波形エンベロープのランプ電流を流し、調光時には調光器の非導通期間でランプ電流を立ち消えさせるように構成されていることにより、部分平滑における谷埋めの期間を再点弧点灯モードにしたことにより、小形で、かつ、安価であるとともに、調光時であっても明るさのちらつきがない電球形蛍光ランプを提供することができる。
【0204】
請求項の発明によれば、加えて全光時におけるランプ電流の振幅変調度が60%以下であり、調光下限におけるランプ電流の振幅変調度が70%以上であることにより、全光時には高効率で発光し、調光下限には発光効率を低くするので、調光器の導通角の変化範囲が少なくても、所定の全光束変化が得られ、また、調光下限における投入電力が相対的に多くなるので、調光下限付近においても、フィラメント加熱が良好になり、フィラメント電極のダメージが低減する電球形蛍光ランプを提供することができる。
【0205】
請求項の発明によれば、加えて調光器の導通時間がt1のときが調光下限となって消灯するように構成されているとともに、調光器の導通時間がt1より長いt2のときに再始動し、かつ、交流電源の再投入を検出する再投入検出手段を備えて再投入を検出したときに調光器の導通時間がt1以上で始動するように構成されていることにより、再投入検出手段が交流電源の再投入を検出したときに、調光下限の導通時間t1以上であれば、蛍光ランプが始動するので、調光度を調光下限付近で固定した状態でも、交流電源のオン、オフのみで電球形蛍光ランプを点滅させ得る電球形蛍光ランプを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の電球形蛍光ランプの第1の実施形態を示す一部断面正面図
【図2】 同じくグローブを透視した平面図
【図3】 同じく分解斜視図
【図4】 本発明の電球形蛍光ランプの一実施形態における点灯回路手段および調光器を示す回路図
【図5】 同じく調光器の内部回路を示す回路図
【図6】 本発明の電球形蛍光ランプの一実施形態における2次開放状態のスイッチング手段のドレイン電流波形および平滑コンデンサ電圧波形を示す波形図
【図7】 同じく時間軸を延伸した状態の各部の電圧、電流波形を示す波形図
【図8】 本発明の電球形蛍光ランプの一実施形態における全光点灯状態の各部の電圧、電流波形を示す波形図
【図9】 同じく時間軸を延伸した状態の各部の電圧、電流波形であって、左半分は部分平滑回路の平滑化直流電圧の山部分、右半分は同じく谷部分における波形を示す波形図
【図10】 本発明の電球形蛍光ランプの一実施形態における部分平滑回路の動作を説明する各部の電圧、電流波形を示す波形図
【図11】 本発明の電球形蛍光ランプの一実施形態における調光特性を比較例のそれとともに示すグラフ
【図12】 位相制御形調光器の全光操作時の出力電圧波形を示す波形図
【図13】 本発明の電球形蛍光ランプの一実施形態における各部の電圧、電流波形を示す波形図
【図14】 本発明の電球形蛍光ランプの一実施形態における全光点灯時の各部の電圧、電流波形を示す波形図
【図15】 同じく調光点灯時の各部の電圧、電流波形を示す波形図
【図16】 調光下限において低周波交流電圧の正負の導通期間が異なっているときの入力電圧波形を示す波形図
【図17】 調光下限における平滑化直流電圧およびランプ電流の波形示す波形図
【図18】 本発明の電球形蛍光ランプの第2の実施形態を示す回路図
【図19】 本発明の電球形蛍光ランプの第2の実施形態における全光時における交流入力電圧波形およびランプ電流波形を示す波形図
【図20】 同じく調光時における交流入力電圧波形およびランプ電流波形を示す波形図
【図21】 本発明の電球形蛍光ランプの第2の実施形態における点灯回路手段の実装例を示す一部切欠正面図
【符号の説明】
a…入力端
AS…低周波交流電源
b…入力端
C5…平滑コンデンサ
C6…平滑コンデンサ
C7…平滑コンデンサ
C8…高周波バイパスコンデンサ
C9…直流カットコンデンサ
C10…共振コンデンサ
C12…ドライブ共振コンデンサ
CP…電流通流回路
DM…調光器
DP…ドライブ保護回路
DRC…ドライブ共振回路
E1…電極
E2…電極
FBR…整流回路
FD…ちらつき検出回路
FDG…帰還形ドライブ信号発生回路
FL…蛍光ランプ
HG…ヒステリシス発生回路
L2…限流インダクタンス
LC…負荷回路
NF…ノイズフィルタ
NST…帰還変圧器
OS…発振停止回路
PC…保護回路
PSC…部分平滑回路
Q1…第1のスイッチング手段
Q2…第2のスイッチング手段
Q3…スイッチ
Q4…スイッチ
ST…起動回路
SUT…昇圧トランス
wp…1次巻線
ws…2次巻線

Claims (6)

  1. 屈曲された放電路が内部に形成されるようにコンパクトな形に形成されている透光性放電容器、透光性放電容器の内面側に配設された蛍光体層、透光性放電容器の両端に封装された一対の電極、ならびに透光性放電容器の内部に封入されたイオン化媒体を備えた蛍光ランプと;
    位相制御形調光器を経由して低周波交流電源に接続する入力端、入力端に接続するノイズフィルタ、交流入力端がノイズフィルタの出力端側に接続した整流回路、整流回路の非平滑化直流出力電圧を平滑化する部分平滑回路、部分平滑回路の平滑化直流電圧が印加されるように直列的に接続された第1のスイッチング手段および第2のスイッチング手段、負荷回路に流れる電流を帰還してスイッチング共振回路を作動させて第1および第2のスイッチング手段のスイッチング周波数を決定する帰還形ドライブ信号発生回路、第1および第2のスイッチング手段の交互スイッチングにより発生した高周波交流により作動して蛍光ランプを点灯する負荷回路、ならびに部分平滑回路の平滑化直流電圧を検出して調光下限付近になって蛍光ランプに明るさのちらつきが発生したときにこれを検出するちらつき検出回路、ちらつき検出回路がちらつきを検出したときに第1のスイッチング手段および第2のスイッチング手段のスイッチング動作を停止させて蛍光ランプを消灯させる発振停止回路および発振停止回路が動作したときに部分平滑回路の出力側に抵抗負荷を接続する電流通流回路を含む保護回路を備えた点灯回路手段と;
    点灯回路手段を内部に収納するとともに、蛍光ランプを支持するカバーと;点灯回路手段の入力端に接続するとともにカバーの基端に配設された口金と;
    を具備していることを特徴とする電球形蛍光ランプ。
  2. 蛍光ランプは、一対の電極がフィラメント電極であり;
    部分平滑回路は、整流回路の非平滑化直流出力電圧を平滑化するとともに蛍光ランプのフィラメント電極を経由して少なくとも放電するように構成されている;
    ことを特徴とする請求項1記載の電球形蛍光ランプ。
  3. 全光点灯時のランプ電流のクレストファクタが1.7以上に設定されていることを特徴とする請求項1または2記載の電球形蛍光ランプ。
  4. 点灯回路手段は、部分平滑回路が整流回路の非平滑化直流出力電圧を平滑化して部分的に平滑化された直流出力電圧を出力し、全光時には谷埋め波形エンベロープのランプ電流を流し、調光時には調光器の非導通期間でランプ電流を立ち消えさせるように構成されている;
    ことを特徴とする1ないしのいずれか一記載の電球形蛍光ランプ。
  5. 全光時におけるランプ電流のエンベロープの振幅変調度が60%以下であり、調光下限におけるランプ電流のエンベロープの振幅変調度が70%以上であることを特徴とする請求項1ないしのいずれか一記載の電球形蛍光ランプ。
  6. 調光器の導通時間がt1のときに調光下限となって消灯し、調光器の導通時間がt1より長いt2のときに再始動するように構成されているとともに、交流電源の再投入を検出する再投入検出手段を備えていて、再投入検出手段が再投入を検出したときに調光器の導通時間がt1以上で始動するように構成されていることを特徴とする請求項1ないしのいずれか一記載の電球形蛍光ランプ。
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