JP2002015894A - 電球形蛍光ランプおよび照明装置 - Google Patents

電球形蛍光ランプおよび照明装置

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JP2002015894A
JP2002015894A JP2000199997A JP2000199997A JP2002015894A JP 2002015894 A JP2002015894 A JP 2002015894A JP 2000199997 A JP2000199997 A JP 2000199997A JP 2000199997 A JP2000199997 A JP 2000199997A JP 2002015894 A JP2002015894 A JP 2002015894A
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circuit
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frequency
filament
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Kunihiko Ikada
邦彦 筏
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Toshiba Lighting and Technology Corp
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Toshiba Lighting and Technology Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】調光器を経由して低周波交流電源に接続し、深
調光点灯した場合にも、フィラメント予熱を所要に得
て、寿命信頼性が低下しにくいとともに、比較的簡単な
回路構成で安価な電球形蛍光ランプおよびこれを用いた
照明装置を提供する。 【解決手段】コンパクトな形に形成されていて内面側に
蛍光体層が配設された透光性放電容器の両端に冷抵抗が
0.8〜6Ωの一対のフィラメント電極を封装し内部に
水銀および希ガスを含むイオン化媒体を封入した蛍光ラ
ンプFLと、ノイズフィルタNF、整流化直流電源RD
C、少なくとも1個のスイッチング手段Q1、Q2、な
らびに負荷回路LCを備え、非調光時のフィラメント電
極E1、E2の予熱時抵抗/冷抵抗比が3.0〜4.
5、調光時のフィラメント電極の予熱時抵抗/冷抵抗比
が4.0〜5.5になるように制御して蛍光ランプを高
周波点灯する点灯回路手段2と、点灯回路手段を内部に
収納するカバーと、口金とを具備していると、点灯回路
手段を内部に収納するカバーと、口金とを具備してい
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、調光点灯可能に改
良された電球形蛍光ランプおよびこれを用いた照明装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】電球形蛍光ランプは、コンパクトな形に
形成された蛍光ランプとその点灯回路手段を一体化した
構成を備え、一般照明用白熱電球のように小形で、かつ
片口金構造を有していながら蛍光ランプの特徴である高
いランプ効率と長寿命とを併せて有し、大幅な省電力を
図れる光源であるために、白熱電球に代えて多用されて
いる。
【0003】一般に市販されている電球形蛍光ランプ
は、蛍光ランプを高効率点灯することが可能で、しかも
小形、軽量なことから高周波点灯するものが主流となっ
ていて、そのために点灯回路手段が高周波インバータを
備えた構成となっている。高周波インバータは、直流を
入力してこれを高周波に変換するために、整流回路を用
いて低周波交流をいったん非平滑の直流に変換するとと
もに、平滑コンデンサを用いて非平滑の直流電圧から平
滑化された直流を得る。(従来技術1) このように整
流化直流で直接平滑コンデンサを充電する回路方式をコ
ンデンサインプット方式というが、後述する理由により
調光することができない。
【0004】これに対して、近時、調光可能な電球形蛍
光ランプが開発された。この電球形蛍光ランプは、倍電
圧整流回路を用いるとともに特殊な制御用ICを採用
し、電源波形を監視して高周波の周波数制御を行うこと
により、調光位相90から180°まで位相制御されて
も明るさのちらつきや立ち消えを起こしにくい。(従来
技術2) また、コンデンサインプット方式においても回路構成を
改良することにより調光が可能な電球形蛍光ランプも現
れた。(従来技術3)
【発明が解決しようとする課題】従来技術1において
は、低周波交流電源から点灯回路手段への入力電流は、
平滑コンデンサへの充電電流になるから、その流入期間
が短い。そのため、入力電流の休止期間中に位相制御式
の調光器がオンした場合、保持電流を確保できないか
ら、調光器はそのオンを半サイクル中維持することがで
きない。すなわち、調光器が正常に作動しなくなる。
【0005】また、コンデンサインプット方式の電球形
蛍光ランプにおいては、位相制御された入力電圧が印加
されると、大きな突入電流が流入する。そのため、特に
調光位相が90°近傍になると、突入電流は一層大きく
なるので、平滑コンデンサとして用いている電解コンデ
ンサが異常発熱を生じ、そのため防爆弁が作動して破壊
してしまう。
【0006】これに対して、従来技術2においては、回
路構成が複雑化してICなど回路部品点数が増大し、配
線基板の面積が大きくなり、電球形蛍光ランプが大形
で、しかも効果になるという問題がある。
【0007】また、従来技術3においては、深調光時に
所要のフィラメント電極の予熱が得られないという問題
がある。このため、蛍光ランプのフィラメント電極に対
向する管端部が黒化し、寿命信頼性が低下する。
【0008】本発明は、調光器を経由して低周波交流電
源に接続し、調光器を操作して深調光点灯した場合に
も、フィラメント予熱を所要に得て、寿命信頼性が低下
しにくいとともに、比較的簡単な回路構成で安価な電球
形蛍光ランプおよびこれを用いた照明装置を提供するこ
とを目的とする。
【0009】
【課題を達成するための手段】請求項1の発明の電球形
蛍光ランプは、屈曲された放電路が内部に形成されるよ
うにコンパクトな形に形成されている透光性放電容器、
透光性放電容器の内面側に配設された蛍光体層、透光性
放電容器の両端に封装され冷抵抗が0.8〜6Ωの一対
のフィラメント電極、ならびに透光性放電容器の内部に
封入された水銀および希ガスを含むイオン化媒体を備え
た蛍光ランプと;低周波交流電源に接続する入力端、入
力端に接続するノイズフィルタ、交流入力端がノイズフ
ィルタの出力端側に接続した整流化直流電源、整流化直
流電圧をスイッチングして高周波電圧を発生させるスイ
ッチング手段、ならびに共振インダクタンスおよびコン
デンサを含む負荷共振回路を備えコンデンサの少なくと
も一部および蛍光ランプの一対のフィラメント電極の直
列回路と並列的に当該蛍光ランプを接続するとともにス
イッチング手段のスイッチングによって発生した高周波
電圧が印加される負荷回路を備え、非調光時における蛍
光ランプのフィラメント電極の予熱時抵抗/冷抵抗比が
3.0〜4.5、調光時における予熱時抵抗/冷抵抗比
が4.0〜5.5になるように制御して蛍光ランプを高
周波点灯する点灯回路手段と;点灯回路手段を内部に収
納するとともに、蛍光ランプを支持するカバーと;点灯
回路手段の入力端に接続するとともにカバーの基端に配
設された口金と;を具備していることを特徴としてい
る。
【0010】本発明および以下の各発明において、特に
指定しない限り用語の定義および技術的意味は次によ
る。
【0011】<蛍光ランプについて> (透光性放電容器について)本発明において、透光性放
電容器は、その外径が特に限定されるものではないが、
好ましくは外径12mm以下、より好適には8〜11m
m、さらに一層小形化を図るには3〜9mmが好適であ
り、内部に屈曲された放電路が形成されるようにコンパ
クトな形に形成されている。たとえば、1本の細長いガ
ラス管を鞍形に湾曲したり、U字状に屈曲した複数のU
字状ガラス管を連結管により接続するとともに、各U字
状ガラス管の部分を仮想円周上に沿って配列したり、U
字状ガラス管の間に形成される空隙部分を一方向から見
透せるように前後に揃えて配列したりすることにより、
さらにはガラス管をスパイラルに巻回することによって
も、透光性放電容器をコンパクトな形に形成し、しかも
内部に屈曲された放電路を形成することができる。な
お、連結管は、吹き破り法により形成したり、別に用意
した管を用いてガラス溶着したりして形成することがで
きる。
【0012】また、透光性放電容器の外径は、外径が3
mm未満であると、ランプ電流が絞られすぎてしまい、
所望のランプ入力を確保するためには、ランプ電流が小
さくなる分について放電路長を大きくして補わなければ
ならなくなり、小形化を図れなくなる。また、これに伴
いランプ電圧が高くなるから、始動電圧も高くなり、点
灯回路も大形化するとともに、コストアップになる。反
対に、透光性放電容器の外径が12mmを超えると、透
光性放電容器が大きくなりすぎて、コンパクトな蛍光ラ
ンプを得にくくなる。なお、透光性放電容器の内径は、
概ね外径に比例し、透光性放電容器の肉厚の2倍を外径
から減算した値の平均値である。
【0013】さらに、透光性放電容器の少なくとも両端
には、シール部たとえばピンチシール部が形成されてい
て、さらに要すれば、これに加えて中間にもピンチシー
ル部が形成される。たとえば、複数のU字状ガラス管を
連結管によって連結して透光性放電容器が形成される場
合には、透光性放電容器の中間にもシール部を形成する
ことができる。すなわち、各U字状ガラス管の両端部に
シール部を形成し、端部に近い中間部同士を連結管によ
って連結して、1本の屈曲した放電路を形成する。
【0014】一方、透光性放電容器の長さ、したがって
透光性放電容器の両端に封装した一対の電極の間に形成
される放電路の長さすなわち放電路長は、外径が上記範
囲内であれば、電球形蛍光ランプのランプ電力に応じて
200〜500mm、好適には300〜420mmに設
定することができる。
【0015】さらに、透光性放電容器は、上記の構造を
備えていれば、その材料は制限されないが、一般的には
ガラスを用いて構成することができる。この場合、ガラ
スとしてはソーダライムガラス、鉛ガラスなどの軟質ガ
ラスを用いるのが経済的であるが、要すればホウケイ酸
ガラスなどの硬質または半硬質ガラスを用いることもで
きる。
【0016】さらにまた、透光性放電容器の横断面形状
は、通常円形にするのが一般的であるが、要すれば非円
形たとえば楕円形その他任意の横断面形状にすることが
できる。
【0017】(蛍光体層について)蛍光体層は、放電に
よって発生した紫外線を波長変換して所望波長域の可視
光を得るために用いる。用いる蛍光体の種類は限定され
ないが、3波長発光形蛍光体は、耐熱特性および負荷特
性に優れたものを得ることができるとともに、演色性に
優れているので、好適である。
【0018】また、本発明において、蛍光体層が「透光
性放電容器の内面側に配設されている」とは、蛍光体層
は透光性放電容器の内面に直接形成されていてもよい
し、保護膜、反射膜などを介して間接的に形成してもよ
いことを意味している。
【0019】さらに、保護膜としては、Alの微
粒子を主体とする膜構成を用いることができる。結晶構
造は、γ形およびα形のいずれでもよい。しかし、α−
Al を用いた保護膜を用いることにより、優れた
光束立ち上がり特性を得ることができる。
【0020】(フィラメント電極について)透光性放電
容器の両端には一対のフィラメント電極がシール部を介
して封装される。
【0021】シール部がピンチシール構造の場合には、
封着の際にフィラメントの形状が乱れるのを防止するた
めに、ビードマウント構造を採用して透光性放電容器の
両端にピンチシールすることができる。
【0022】本発明において、フィラメント電極は、冷
抵抗が0.8〜6Ωの範囲内に設定される。フィラメン
ト電極の冷抵抗が0.8Ω未満であると、調光時にフィ
ラメント予熱が不足するので、不可である。また、フィ
ラメント電極の冷抵抗が6.0Ωを超えると、非調光時
にフィラメント予熱が過剰になるとともにフィラメント
電極における予熱電力が多くなりすぎ、ランプ効率が低
下するので、不可である。したがって、非調光時および
調光時のいずれにおいても適切なフィラメント予熱を行
うために、本発明においては、冷抵抗を上記の範囲に設
定するのがよい。なお、電球形蛍光ランプにおいては、
透光性放電容器の管径が小さいので、フィラメント電極
は、トリプルコイル構造が好適である。この場合、冷抵
抗を上記の範囲に設定するには、タングステンからなる
主素線の線径およびその長さを適切に選定すればよい。
また、本発明においては、後述するように、フィラメン
ト電極の冷抵抗に対する点灯中における予熱時抵抗の比
(予熱時抵抗/冷抵抗)を後述する所定範囲に規定して
いるが、予熱時抵抗は、主としてフィラメント電極に印
加されるフィラメント電圧またはフィラメント電極に流
れるフィラメント電流に影響されるが、トリプルコイル
の2次コイルおよび3次コイルのマンドレル径およびピ
ッチ如何によっては、相互輻射が変化するので、フィラ
メント電極の温度、したがって予熱時抵抗が変化する。
したがって、予熱時抵抗の設定に際しては、フィラメン
ト電極の構造についても配慮すべきである。
【0023】(イオン化媒体について)透光性放電容器
内に封入されるイオン化媒体は、水銀および希ガスを含
んでいる。
【0024】水銀は、電球形蛍光ランプが点灯中高温に
なるので、高温下での水銀蒸気圧を最適範囲に制御する
ために、アマルガムによって供給することができる。ア
マルガムを用いることにより、周囲温度の変化に対して
も水銀蒸気圧を安定に制御でき、したがって安定した光
出力を得ることができる。さらに、電極の近傍に補助ア
マルガムを配設することにより、点灯初期に水銀蒸気を
供給して、光束立ち上がり特性を良好にすることができ
る。前者のアマルガムを補助アマルガムと区別するため
に、以下「主アマルガム」という。
【0025】主アマルガムは、低圧水銀蒸気放電に必要
な水銀を放出して透光性放電容器内に水銀蒸気を供給す
るもので、好ましくは細管内に収納される。そして、主
アマルガムはBi−In−Hg、Bi−In−Sn−H
gなどの組成であるとともに、光束立ち上がりを良好に
するために、4.5重量%以上好適には6重量%の水銀
を含むものを用いることができる。しかし、水銀の含有
量が上記含有量になると、水銀がアマルガムの表面に滲
み出てべとつきを生じやすいので、配慮すべきである。
すなわち、アマルガムを製造する際に、急冷して結晶粒
子を小さくしたり、アマルガムの表面にべとつき防止処
理をしたりすることができる。また、主アマルガムの封
入量は、40〜120mg程度がよい。さらに、主アマ
ルガムは、適当なサイズの粒子に加工して必要量が封入
されるように複数の粒子を細管内に封入するのがよい。
さらにまた、透光性放電容器の外径が小さくなるほど、
点灯時に透光性放電容器の放電空間内の水銀蒸気圧が均
一に分布するまでに時間がかかりやすくなるので、主ア
マルガムを透光性放電容器の複数の位置で供給すること
ができる。
【0026】一方、補助アマルガムは、アマルガム形成
金属たとえばインジウムInなどを所要の位置に配設す
ることにより、透光性放電容器内において水銀が移動し
てアマルガムを形成するように構成される。アマルガム
形成金属は、ステンレスなどの金属基体に蒸着などによ
って被着させることができる。さらに、補助アマルガム
は、電極の近傍に配設される場合には、電極の導入線に
溶接により支持させることができる。また、電極とは遠
隔した位置に補助アマルガムが配設される場合には、シ
ール部に基端が封着された適当な導入線のような部材に
支持させることができる。
【0027】水銀をアマルガムにして透光性放電容器内
に封入する場合に、上述のように水銀蒸気圧特性が高温
タイプだけでなく、液体水銀に近いアマルガムたとえば
Zn−Hgなどを用いることができる。これにより、水
銀蒸気圧が調光度に応じて変化しやすくなるので、調光
が容易になる。
【0028】希ガスは、アルゴン、クリプトン、キセノ
ン、ネオンなどの一種または複数種を混合して数千〜数
万Paの圧力で封入することができる。
【0029】<点灯回路手段について>本発明において
点灯回路手段は、蛍光ランプを始動し、高周波点灯する
ための回路手段である。そして、入力端、ノイズフィル
タ、整流化直流電源、スイッチング手段、ならびに負荷
回路を少なくとも具備して構成されている。なお、必要
に応じてその他の構成を具備することが許容される。ま
た、以上の回路要素は、一般的には配線基板に実装され
る。なお、本発明において、「高周波」とは、周波数1
0kHz以上を意味し、好ましくは周波数20〜200
kHzである。
【0030】以下、回路要素ごとに分説する。
【0031】(入力端について)入力端は、点灯回路手
段としてのものであり、したがって必ずしも電球形蛍光
ランプの口金である必要はない。たとえば、本発明にお
いては、電球形蛍光ランプが調光器としての機能を一体
化して備えていることが許容されるが、このような場
合、口金と点灯回路手段の入力端との間に調光回路が介
在する。また、入力端は、端子の形態を備えていなくて
もよい。
【0032】(ノイズフィルタについて)ノイズフィル
タは、低周波交流電源と整流化直流電源との間に介在し
て、スイッチング手段のスイッチングによって発生した
高周波ノイズが低周波交流電源側へ流出しないように阻
止するものである。そして、一般的には低周波交流電源
と整流化直流電源との間に直列に接続されるインダクタ
と、低周波交流電源に並列的に接続されるコンデンサと
によって構成されている。また、要すればノイズフィル
タのコンデンサを電球形蛍光ランプの入力インピーダン
スを少なくとも調光器の位相制御素子の休止区間の間相
対的に低インピーダンスに調整するための入力インピー
ダンス調整手段に含まれるコンデンサと共用することが
できる。
【0033】(整流化直流電源について)整流化直流電
源は、低周波交流を平滑化された直流に変換する手段で
あって、その交流入力端が直接または他の回路要素が介
在して間接的にノイズフィルタを介して低周波交流電源
に接続される。また、整流化直流電源は、低周波交流を
直流に整流する整流機能と非直流平滑化直流を平滑化直
流に変換する平滑化機能とを備えている。整流機能は、
各種回路方式の整流回路の中から所望により任意に採用
することができる。たとえば、ブリッジ形全波整流回
路、倍電圧形全波整流回路、センタータップ形全波整流
回路、半波整流回路などを用いて構成することができ
る。平滑化機能は、平滑コンデンサおよびアクティブフ
ィルタのいずれで構成してもよい。平滑コンデンサは、
整流回路の非平滑直流電圧を平滑にするための手段であ
り、一般的には整流回路の回路方式に応じて電解コンデ
ンサを一個または複数個用いる。アクティブフィルタ
は、昇圧チョッパ、降圧チョッパなどの他に、高周波電
圧を発生する高周波インバータのスイッチング手段を利
用してアクティブフィルタの作用をも行う複合形インバ
ータであってもよい。アクティブフィルタを用いると、
低周波交流電圧の各半サイクルのほぼ全位相域にわたっ
て平滑コンデンサが充電されるように構成し得るため、
高力率、低高調波歪にすることができる。平滑化機能を
上記のいずれの構成であったとしても、ほぼ完全にフラ
ットな平滑化直流電圧を得るように構成することもでき
るが、要すれば適度のリップルを含むような平滑化直流
を得るような構成であってもよい。
【0034】(スイッチング手段について)高周波イン
バータの主体部分を構成するために本発明においては、
少なくとも1個のスイッチング手段を用いる。高周波イ
ンバータの回路形式は自由であり、特定の回路形式に限
定されない。たとえば、交互にスイッチングする直列接
続された一対のスイッチング手段を用いるハーフブリッ
ジ形インバータや並列形インバータ、1個のスイッチン
グ手段を用いる一石形インバータなどを採用することが
できる。なお、スイッチング手段が高周波スイッチング
を行うために、起動回路およびドライブ信号発生回路な
どを高周波インバータに付設することができる。
【0035】また、スイッチング手段は、電流ドライブ
形のスイッチング手段たとえばバイポーラ形トランジス
タ、ならびに電圧ドライブ形のスイッチング手段たとえ
ばFETのいずれのドライブ形式のものであってもよ
い。FETとしては、MOSFETを用いることができ
る。MOSFETは、Nチャンネル形およびPチャンネ
ル形のいずれであってもよい。
【0036】さらに、スイッチング手段は、高周波イン
バータの主体部分だけでなく、前述したように、アクテ
ィブフィルたとしても作用する複合回路方式を構成する
ことができる。
【0037】さらにまた、高周波インバータは、自励形
および他励形のいずれであってもよい。
【0038】(負荷回路について)負荷回路は、少なく
とも共振インダクタンスおよびコンデンサを含む負荷共
振回路を備えている。そして、負荷共振回路のコンデン
サの少なくとも一部と蛍光ランプの一対のフィラメント
電極を含んでなる直列回路に対して当該蛍光ランプが並
列的に接続する。すなわち、負荷共振回路のコンデンサ
の少なくとも一部および一対のフィラメント電極は、蛍
光ランプに対して常時並列接続されたフィラメント予熱
回路を構成する。したがって、蛍光ランプの点灯中フィ
ラメント予熱回路には常時予熱電流が流れ、フィラメン
ト電極は、その予熱時抵抗/冷抵抗比が前述の所定の範
囲(非調光時において3.0〜4.5、調光時において
4.0〜5.5)内になるように点灯回路手段が設定さ
れている。これを実現するためには、たとえば負荷回路
の電圧・電流特性を調整したり、およびまたはフィラメ
ント電極にバイパスコンデンサを接続してフィラメント
予熱電流を調整したりすればよい。そうして、予熱時抵
抗/冷抵抗比を所定の範囲内になるように点灯回路手段
を設定することにより、調光時には、フィラメント電圧
またはフィラメント電流が増大してフィラメント予熱量
が非調光時より所定範囲内で増加する。
【0039】また、負荷回路は、共振インダクタンスお
よびコンデンサをそれぞれ一個または複数個のインダク
タおよびコンデンサから構成することができる。なお、
共振インダクタンスは、蛍光ランプに対して直列接続さ
れて蛍光ランプの負特性を補償して、所定のランプ電流
を通流させるための限流作用をも行う。そして、チョー
クコイル、漏れ変圧器などのインダクタによって構成す
ることができる。
【0040】一方、コンデンサの一部として直流カット
コンデンサを含むことができる。これにより、高周波イ
ンバータに対して導電的に接続した回路方式を採用する
ことができる。一般に直流カットコンデンサは、静電容
量の大きなコンデンサを用いるので、負荷共振回路には
ほとんど寄与しないが、静電容量を相対的に小さくして
負荷共振回路のコンデンサの明らかな一部を担当するよ
うに構成することもできる。なお、蛍光ランプは、コン
デンサの一部または全部と並列に接続される。
【0041】<カバーについて>カバーは、少なくとも
その内部に点灯回路手段を収納するとともに、蛍光ラン
プを支持し、かつその基端に口金を支持する。さらに、
グローブを備えた電球形蛍光ランプにおいては、グロー
ブをカバーに固定する。しかし、本発明の電球形蛍光ラ
ンプは、グローブを備えていることを必須とするもので
はなく、D形と称されるグローブを備えていない構成で
あってもよい。
【0042】点灯回路手段をカバーの内部に収納し、か
つ定置するために、補助的な部材たとえばグローブを備
えている場合には仕切り板を、またグローブを備えてい
ない場合にはキャップを利用することができる。すなわ
ち、仕切り板やキャップに配線基板を支持させるととも
に、仕切り板やキャップをカバーの開口端を塞ぐように
カバーに装着することにより、配線基板をカバー内に収
納させることができる。この場合、さらに仕切り板をグ
ローブと一緒にカバーに固定することができる。しか
し、要すれば、配線基板を直接カバー内に支持させて収
納することができるのはいうまでもない。
【0043】また、蛍光ランプをカバーに支持させるの
にも仕切り板やキャップを用いることができる。すなわ
ち、蛍光ランプを仕切り板やキャップに支持させ、仕切
り板やキャップをカバーの開口端に固定する。そうし
て、カバーの開口端に仕切り板やsを装着することによ
って、カバーに不要な開口ができないようにすることが
できる。
【0044】さらに、カバーは、その基端に口金を支持
し、かつ白熱電球用照明器具への適合率を高めるため
に、中間部から基端部にかけて細く形成するのがよい。
しかし、カバー全体の形状は、電球形蛍光ランプとして
のデザインを考慮して決定されるべきである。すなわ
ち、グローブを備えている場合のカバーと、グローブを
備えていないで、蛍光ランプが露出する場合のカバーと
では、主としてデザイン的配慮から、カバーの形状が大
きく異なるのは当然である。
【0045】また、グローブの形状に応じてカバーの形
状が異なるべきものである。たとえば、G形グローブの
場合には、カバーをグローブと協働してG形バルブに近
い形状になるように、球体の一部のような形状にするこ
とができる。また、A形グローブの場合にも、カバーを
グローブと協働してなるべくA形バルブに近い形状にな
るような形状にすることができる。
【0046】<口金について>口金は、受電手段である
とともに、電球形蛍光ランプを機械的に支持する手段と
して機能する。そして、既知の口金を適宜選定して用い
ることができるが、電球形蛍光ランプとして多用されて
いるE26形ねじ口金が適当である。
【0047】また、口金をカバーに支持させるための手
段は、特に制限されないので、既知の支持手段たとえば
ポンチによる機械的固着すなわち加締めなどによって支
持すればよい。
【0048】<その他の構成について> 1 入力インピーダンス調整手段について 低周波交流電源の各半サイクルにおいて、調光器のサイ
リスタなどの位相制御素子がオフしている休止区間に電
球形蛍光ランプに印加される電圧は、休止区間中の調光
器のインピーダンスと、電球形蛍光ランプの入力インピ
ーダンスとの按分比により決定される。そこで、上記区
間中に電球形蛍光ランプに印加される電圧を所望の小さ
な値にしたい場合、その入力端子間に入力インピーダン
ス調整手段を挿入することができる。入力インピーダン
ス調整手段としては、たとえばコンデンサおよび抵抗器
の直列回路により構成することができる。また、入力イ
ンピーダンス調整手段にスイッチ手段を直列に挿入し、
スイッチ手段を調光器の位相制御素子の休止区間中にの
みオンするように制御することにより、オン区間中の入
力インピーダンス調整手段に生じる電力損失を低減する
ことができる。
【0049】2 調光器について 調光器は、一般的に電球形蛍光ランプを構成する回路要
素ではなく、室内の壁面に埋設されたり、照明器具に内
蔵されて用いられるが、本発明においては、要すれば電
球形蛍光ランプに組み込むことが許容される。また、調
光器は、位相制御素子と、位相制御素子のオン位相を制
御する操作回路とを主構成要素としている。位相制御素
子は、トライアックなどのサイリスタなどの無接点スイ
ッチ素子からなる。また、操作回路は、位相制御素子の
制御端子に所望位相の導通信号を供給する回路で、可変
抵抗器およびコンデンサを直列に接続してなる移相回路
およびダイアックなどのトリガー素子を備えている。ま
た、位相制御素子に並列にコンデンサを接続して、位相
制御素子のスイッチングに伴って発生するノイズを吸収
するように構成されている。3 高周波出力制御手段に
ついて 負荷の蛍光ランプに対する点灯回路手段の高周波出力を
調光器の調光位相0〜90°に応じて円滑に制御するた
めに、高周波出力制御手段を必要に応じて配設すること
ができる。すなわち、調光器の調光位相0〜90°の範
囲においては、平滑コンデンサの充電電圧の変化が少な
いので、調光位相を変化させた割に蛍光ランプが実際に
調光される割合が少ない。そこで、この範囲において調
光位相に応じた大きな調光割合の実現を希望する場合に
は、スイッチング手段のスイッチング周波数を調光位相
に応じて変化させるとよい。負荷回路には、蛍光ランプ
の限流インピーダンスとして作用する共振インダクタン
スが含まれているので、スイッチング手段のスイッチン
グによって発生した高周波電圧の周波数を変化させる
と、共振インダクタンスのインピーダンス、したがって
負荷共振回路の共振度合が変化し、蛍光ランプに投入さ
れる電力が変化して、調光が行われる。高周波の周波数
を調光位相に応じて変化させるには、たとえば入力電圧
を検出し、その検出電圧に応じてスイッチング手段のス
イッチング周波数を各半サイクル中ほぼ一定の周波数に
なるように制御する。また、別の手段としては、入力電
圧の休止区間とオン区間とを判別して、休止区間のスイ
ッチング周波数を高く、オン区間の周波数を低く設定す
る。これにより、オン区間が多くなって調光位相が小さ
くなれば、高周波出力が増大し、反対にオン区間が少な
くなって調光位相が大きくなれば、高周波出力が減少す
る。
【0050】4 調光位相保護回路について 調光位相が不安定点灯領域に入る前に蛍光ランプを強制
的に消灯させる保護回路を所望により配設することがで
きる。保護回路を配設しても、所定の調光位相までは、
電球形蛍光ランプを点灯可能にする。なお、「調光位
相」とは、低周波交流電源電圧の各半波における位相制
御が開始される位相を意味する。本発明において、蛍光
ランプを消灯、すなわち保護動作をする所定の調光位相
は、これを電球形蛍光ランプの構成に応じて適宜設定す
ることができる。たとえば、明るさのちらつきの防止や
平滑コンデンサの保護などが施されていることによって
位相制御された入力電圧が印加されても別段差し支えな
い場合には、調光位相90°を超えているとともに、1
80°になる以前の適当な位相に設定する。
【0051】また、所定の調光位相になったことを検出
するのは、適当な手段によることができる。たとえば、
平滑コンデンサに流入する突入電流を検出する、平滑コ
ンデンサの充電電圧(すなわち平滑化電圧)を検出す
る、入力電圧の実効的な高さを検出する、調光位相をデ
ィジタル演算処理により検出する、などの手段を適宜選
択して用いればよい。
【0052】さらに、スイッチング手段を制御して保護
動作を行うには、スイッチング手段が高周波インバータ
としての動作を行わないようにすればよい。たとえば、
スイッチング手段のドライブ端子を短絡してドライブ信
号が到来してもスイッチング手段がドライブされないよ
うに不能化する、ドライブ信号がスイッチング手段に到
来しないようにドライブ回路を開放する、などの手段を
用いることができる。さらにまた、複数のスイッチング
手段が用いられている場合、全部または一部のスイッチ
ング手段を制御することができる。
【0053】<本発明の作用について>低周波交流電圧
は、整流化直流電源により整流され、平滑化されて平滑
化直流電圧に変換される。なお、平滑コンデンサの充電
電圧は、低周波的に見たときに多少のリップルを含んで
いたとしても、高周波的に見たときに、一定であるとし
て差し支えない。直流電圧は、スイッチング手段に印加
され、スイッチング手段のスイッチングによりさらに高
周波交流電圧に変換される。この高周波交流電圧は、負
荷回路に印加される。その結果、負荷共振回路が高周波
電圧に共振して正弦波形の高周波振動を行い、負荷共振
回路のコンデンサの両端に現れる共振電圧が蛍光ランプ
に印加され、蛍光ランプの始動を促進することができ
る。また、蛍光ランプの一対のフィラメント電極におけ
る非電源側端子間に負荷共振回路のコンデンサが接続さ
れていることにより、フィラメント加熱回路を形成して
いて、一対のフィラメント電圧が予熱され、蛍光ランプ
の始動を促進する。蛍光ランプが始動すると、負荷共振
回路の共振インダクタンスを介して蛍光ランプにランプ
電流が流れて蛍光ランプは点灯する。
【0054】次に、調光器を経由して電球形蛍光ランプ
を低周波交流電源に接続した場合について説明する。す
なわち、各半サイクルにおいて、調光器のサイリスタな
どの位相制御素子がオンすることによって位相制御され
て実効電圧が低下した低周波交流電圧が電球形蛍光ラン
プの点灯回路手段の入力端に印加される。そして、整流
化直流電源で整流され、平滑化されてから、スイッチン
グ手段に印加されて高周波交流電圧に変換される。その
結果、高周波交流電圧が低下し、これに伴って負荷回路
を介して蛍光ランプの一対の電極間に印加される電圧も
低下するので、調光が行われる。しかし、調光位相が0
〜90°の間は、低周波交流電圧のピーク値を含む電圧
が入力される関係で、高周波交流電圧の周波数を調光度
に合わせて変化させるなどの特別な制御をしない場合に
は、平滑コンデンサの充電電圧はピーク値に等しくなる
ので、調光位相に対する蛍光ランプの調光度合は少なく
なる。これに対して、調光位相が90°を超えると、調
光位相に応じて入力電圧の波高値が変化するから、平滑
コンデンサの充電電圧も変化するので、調光度合が多く
なる。
【0055】ところで、本発明においては、フィラメン
ト電極の冷抵抗と予熱時抵抗/冷抵抗比とを既述のよう
に所定範囲内に規定していることにより、非調光時およ
び調光時のいずれの点灯モードにおいても、それぞれの
点灯モードに所要のフィラメント予熱を行うことができ
る。このため、フィラメント電極の寿命を損なうことな
く調光点灯に対応する電球形蛍光ランプを得ることがで
きる。
【0056】また、点灯回路手段の回路回路構成を簡単
にしても、フィラメント電極の寿命を所要に確保できる
ので、小形化を損なうことなく、しかも安価に、調光点
灯に対応する電球形蛍光ランプを得ることができる。
【0057】請求項2の発明の電球形蛍光ランプは、請
求項1記載の電球形蛍光ランプにおいて、蛍光ランプの
一対のフィラメント電極に対して並列接続されたバイパ
スコンデンサを具備していることを特徴としている。
【0058】本発明は、フィラメント電流を調整する簡
単にして確実な回路手段を規定している。すなわち、フ
ィラメント予熱回路の負荷共振回路を構成するコンデン
サ部分に流れる予熱電流が一定と仮定した場合、バイパ
スコンデンサがなければ、フィラメント電極に全予熱電
流が流れる。これに対して、バイパスコンデンサがフィ
ラメント電極に並列接続されていれば、フィラメント電
極のインピーダンスとバイパスコンデンサのインピーダ
ンスとの比に逆比例してバイパスコンデンサに予熱電流
の一部がバイパスする。このため、フィラメント電極に
流れる予熱電流を少なくして、フィラメント電極の予熱
時抵抗を所望に調整することができる。
【0059】また、バイパスコンデンサには、実質的に
電力損失を生じないので、回路効率の低下は殆どない。
【0060】請求項3の発明の電球形蛍光ランプは、請
求項1または2記載の電球形蛍光ランプにおいて、蛍光
ランプは、透光性放電容器の外径が12mm以下で、放
電路長が200〜500mmであることを特徴としてい
る。
【0061】本発明は、調光点灯に対応し、しかもフィ
ラメント電極の寿命を確保するためには、フィラメント
電極の冷抵抗に加えて、透光性放電容器の管径および放
電路長が影響するとの本発明者の知見によりなされたも
のである。
【0062】すなわち、本発明においては、まずフィラ
メント電極の冷抵抗が0.8〜6Ωであることを規定し
ている。冷抵抗が高いほどフィラメント予熱を十分にと
れるが、6Ωを超えると、予熱が過剰になるとともに、
負荷回路の始動性が低下するので、不可である。反対
に、0.8Ω未満であると、フィラメント電極の温度上
昇が低下して予熱不足となり、寿命末期時の信頼性が低
下するので、不可である。
【0063】次に、コンデンサ予熱方式においては、管
径が12mmより大きいと、調光度に対するランプ電圧
およびフィラメント電圧の変化が少なくて、深調光のと
きに所要のフィラメント電圧が得られない。すなわち、
深調光度のときに最適フィラメント予熱を行うことがで
きないため、フィラメント電極の寿命を確保することが
できない。これに対して、透光性放電容器の管径が12
mm以下であれば、調光度に対するランプ電圧およびフ
ィラメント電極の変化が多くなり、したがって深調光度
のときにも最適フィラメント予熱を行うことができる。
また、管径が12mm以下であれば、電球形蛍光ランプ
の小形化にも効果的である。
【0064】また、コンデンサ予熱方式において、フィ
ラメント電圧は、蛍光ランプのランプ電圧により影響を
受け、所望のフィラメント電圧は、放電路長が200〜
500mmの範囲にある場合に得られる。放電路長が5
00mmを超えると、フィラメント電圧が高くなりすぎ
る。また、放電路長が200mm未満であると、フィラ
メント電圧が低くなりすぎる。なお、放電路長は、好適
には300〜420mmである。
【0065】そうして、本発明においては、小形で、回
路構成が簡単でありながら、調光時のフィラメント電極
の予熱を所要に行えるので、フィラメント電極の寿命を
確保することができる。
【0066】請求項4の発明の照明装置は、照明装置本
体と;照明装置本体に配設された請求項1ないし3記載
の電球形蛍光ランプと;を具備していることを特徴とし
ている。本発明において、「照明装置」とは、電球形蛍
光ランプの発光を利用するあらゆる装置を含む広い概念
である。たとえば、照明器具、表示灯などを含む。な
お、「照明装置本体」とは、照明装置から電球形蛍光ラ
ンプを除いた残余の部分をいう。
【0067】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を参照して説明する。
【0068】図1は、本発明の電球形蛍光ランプの第1
の実施形態を示す正面図である。
【0069】図2は、同じく蛍光ランプを展開状態にし
て示す正面図である。
【0070】図3は、同じく蛍光ランプの底面図であ
る。
【0071】各図において、1は蛍光ランプ、2は点灯
回路手段、3はカバー、4はキャップ、5は口金であ
る。
【0072】<蛍光ランプ1について>蛍光ランプ1
は、透光性放電容器1a、電極1b、蛍光体層1c、主
アマルガム1dおよび補助アマルガム1e、1gを備え
ている。
【0073】透光性放電容器1aは、3本の外径10m
mのU字状ガラス管1a1を2つの連結管1a2によっ
て連結して屈曲した1本の放電路を形成しているととも
に、図3に示すように、各U字状ガラス管1a1が仮想
円周上に等配されて、正三角形の各辺に位置するように
配置され、全体としてコンパクトな形に形成されてい
る。また、各U字状ガラス管1a1は、その両端にピン
チシール部1a3が形成されているとともに、それぞれ
1個の細管1a4が一つのピンチシール部1a3から外
部へ突出している。細管1a4は、透光性放電容器1a
の内部に連通しているが、便宜上中央の細管のみを内部
が透視可能に図示している。細管1a4は、透光性放電
容器1の内部を排気したり、主アマルガム1dの収納や
希ガスを封入したりする際に利用される。連結管1a2
は、吹き破り法によって形成されている。
【0074】電極1bは、フィラメント電極によって構
成されている。そして、電極1bは、タングステン線か
らなるトリプルコイル構造に形成され、3次コイルにア
ルカリ土類金属からなる電子放射性物質が塗布されてい
る。
【0075】主アマルガム1dは、透光性放電容器1の
細管1a4内に収納されている。また、主アマルガム1
dは、Zn−Hgからなり、粒径約2.0mmの粒子1
個を封入している。
【0076】補助アマルガム1eは、インジウムからな
り、ステンレス基板に鍍金され、ステンレス基板を電極
1bを支持する内部導入線に溶接されている。補助アマ
ルガム1gは、1eと基本的に同様な構成であるが、透
光性放電容器1aの中間位置においてU字状ガラス管1
a1のピンチシール部1a4を貫通した導入線に溶接さ
れて支持されている。
【0077】<点灯回路手段2について>点灯回路手段
2は、その回路構成の詳細については後述するが、ハー
フブリッジ形インバータを主体として構成されていて、
蛍光ランプ1を付勢して点灯させるもので、後述するカ
バー3内に収納されている。そして、高周波出力端は、
後述するように蛍光ランプ1に所要に接続されている。
また、点灯回路手段2は、配線基板2aおよびこれに実
装された回路部品2bからなる。そして、主な回路部品
2bは、配線基板2aの下面に実装されている。一方、
回路部品2bは、カバー3の内部の空洞が略逆切頭円錐
状をなしているので、それに合わせて輪郭が背の高いコ
ンデンサなどの回路部品を頂点とする概ね逆円錐状にな
るように配線基板2aに実装されている。また、一対の
スイッチング手段は、DIP端子を備えたドレイン露出
モールドパッケージ形MOSFETからなる。
【0078】<カバー3について>カバー3は、白色の
遮光性の耐熱性合成樹脂を成形してカップ状の筒体に構
成されている。そして、基端3aが細く絞られ、先端3
bが開口し、内部が回路部品を収納する空洞を形成して
いる。
【0079】<口金4について>口金4は、E26形ね
じ口金からなり、カバー3の基端3aにポンチによる加
締めによって装着されている。なお、点灯回路手段2の
入力端は口金4のセンターコンタクトと、口金シェルと
に接続されている。
【0080】<キャップ5について>キャップ5は、蛍
光ランプ1および配線基板2aを支持しているととも
に、カバー3の先端の開口を閉塞している。
【0081】以下、回路構成について説明する。
【0082】図4は、本発明の電球形蛍光ランプの第1
の実施形態における点灯回路手段および調光器を示す回
路図である。
【0083】図5は、同じく調光器を示す回路図であ
る。
【0084】各図において、ASは低周波交流電源、
a、bは交流端子、DMは調光器、c、dは入力端子、
fは過電流フューズ、NFはノイズフィルタ、RDCは
整流化直流電源、Q1、Q2は第1および第2のスイッ
チング手段、LCは負荷回路、FDGは帰還形ドライブ
信号発生回路、STは起動回路、Defはいのイーダン
ス調整手段である。以上の各構成要素ごとに説明する。
【0085】<低周波交流電源ASについて>低周波交
流電源ASは、商用100V交流電源からなる。
【0086】<交流端子a、bについて>交流端子a、
bは、点灯回路手段としての入力端であり、低周波交流
電源ASの両極に接続する。
【0087】<調光器DMについて>調光器DMは、図
5に示すように、端子t1、t2、トライアックTRI
AC、操作回路OCおよびコンデンサC2を備えてい
る。端子t1は、図4において交流端子aに接続する。
端子t2は、同様に入力端子cに接続される。また、端
子t1、t2間にはトライアックTRIACおよびコン
デンサC3が並列接続されている。操作回路OCは、移
相回路PSCおよびダイアックDIACを備えている。
移相回路PSCは、可変抵抗器R1およびコンデンサC
2の直列回路からなるとともに、トライアックTRIA
Cに並列接続され、移相出力端子とトライアックTRI
ACのトリガー端子との間にダイアックDIACが接続
されている。 <入力端子c、dについて>入力端子
c、dは、点灯回路手段の入力端を構成しており、図1
の口金4に接続している。
【0088】<過電流フューズfについて>過電流フュ
ーズfは、図1の点灯回路手段2の回路部品2bを実装
する配線基板2aに一体に形成したパターンヒューズか
らなり、低周波交流電源ASから調光器DMを介して電
球形蛍光ランプに流入する入力電流が過電流になった際
に、溶断して回路が焼損しないように保護する。
【0089】<ノイズフィルタNFについて>ノイズフ
ィルタNFは、低周波交流電源ASと整流化直流電源R
DCとの間において線路に直列に挿入されるインダクタ
L1および調光器DMと整流化直流電源RDCとの間に
おいて線路間に並列的に接続されるコンデンサC4から
なり、高周波インバータHFIにおけるスイッチングに
よって発生する高周波ノイズを低周波交流電源AS側に
流出しないように除去する。
【0090】<整流化直流電源RDCについて>整流化
直流電源RDCは、ブリッジ形全波整流回路FBRおよ
び複合化昇圧チョッパBUTからなる。
【0091】ブリッジ形全波整流回路FBRは、その交
流入力端がノイズフィルタNFの出力端間に接続してい
る。
【0092】複合化昇圧チョッパBUTは、インダクタ
L2、高周波電流通路HCP、スイッチング手段Q2、
ダイオードD2および平滑コンデンサC1を主な構成要
素としている。そして、インダクタL2の一端は、ダイ
オードD1を介して全波整流回路FBRの正極に接続
し、他端は高周波電流通路HCPの一端およびダイオー
ドD2のアノードに接続している。高周波電流通路HC
Pは、コンデンサC8を直列に含んでいて、その他端は
後述する負荷回路LCの限流インダクタンスL3の中点
に接続している。しかし、共振インダクタンスL3と直
流カットコンデンサC5との接続点に接続してもよい。
スイッチング手段Q2については後述する。ダイオード
D2は、そのカソードが平滑コンデンサC1の正極に接
続している。平滑コンデンサC1は、その負極が全波整
流回路FBRの負極に接続している。
【0093】<第1および第2のスイッチング手段Q
1、Q2について>第1のスイッチング手段Q1は、N
チャンネル形MOSFETからなる。そして、第1のス
イッチング手段Q1のドレインが複合化昇圧チョッパB
UTの平滑コンデンサC1の正極に接続している。第2
のスイッチング手段Q2は、Pチャンネル形MOSFE
Tからなる。 そうして、第2のスイッチング手段Q2
のソースが第1のスイッチング手段Q1のソースに接続
し、ドレインが平滑コンデンサC1の負極に接続するこ
とにより、第1および第2のスイッチング素子Q1、Q
2は平滑コンデンサC1の平滑化直流電圧が印加される
ように直列接続している。
【0094】<負荷回路LCについて>負荷回路LC
は、共振インダクタンスL3、直流カットコンデンサC
5および共振電圧取り出し用コンデンサC6の直列回路
によって構成されていて、第2のスイッチング手段Q2
に並列接続している。そして、直流カットコンデンサC
5および共振電圧取り出し用コンデンサC6は、本発明
にいう負荷共振回路のコンデンサを構成する。ただし、
直流カットコンデンサC3は、その静電容量が相対的に
大きいので、負荷共振回路のコンデンサとしては共振電
圧取り出し用コンデンサ6が支配的に作用する。
【0095】また、共振電圧取り出し用コンデンサC6
の両端に位置して蛍光ランプFLの一対のフィラメント
電極E1、E2が直列接続して直列回路を形成し、この
直列回路に対して蛍光ランプが並列接続される。したが
って、共振電圧取り出し用コンデンサC6は、蛍光ラン
プFLに対してコンデンサ方式のフィラメント予熱回路
FHCを形成している。なお、蛍光ランプFLは、図1
ないし図3に示す構成である。
【0096】共振インダクタンスL3は、負荷を構成す
る蛍光ランプFLに対して限流インピーダンスを提供す
るとともに、中間タップctを備えている。
【0097】<帰還形ドライブ信号発生回路FDGにつ
いて>帰還形ドライブ信号発生回路FDGは、不飽和構
成の帰還変圧器NST、ドライブ共振回路DRCおよび
ドライブ保護回路DPからなる。
【0098】(不飽和構成の帰還変圧器NSTについ
て)不飽和構成の帰還変圧器NSTは、コアCO、1次
巻線wpおよび2次巻線wsからなる。
【0099】コアCOは、ドラム形のフェライトコアに
よって構成されており、磁路が開放しているために、飽
和しないようになっている。
【0100】1次巻線wpは、2次巻線wsの上に絶縁
被覆導線を10ターン巻回して形成されている。そし
て、一端が2次巻線wsの一端すなわち第1および第2
のスイッチング手段Q1、Q2のソースに、また他端が
共振インダクタンスL3の一端に接続している。したが
って、1次巻線wpは、負荷回路LCに直列に挿入され
ている。
【0101】2次巻線wsは、コアの上に絶縁被覆導線
を270ターン巻回して形成されている。そして、一端
が第1および第2のスイッチング手段Q1、Q2のソー
スに接続されている。
【0102】(ドライブ共振回路DRCについて)ドラ
イブ共振回路DRCは、不飽和構成の帰還変圧器NST
の2次巻線wsおよびドライブ共振静電容量を構成する
コンデンサC7を並列接続することにより、2次巻線w
sのインダクタンスLn2とコンデンサC7のドライブ共
振静電容量とで形成された直列共振回路である。すなわ
ち、コンデンサC7は、その一端が2次巻線wsに並列
接続している。そして、コンデンサC7および2次巻線
wsの高電圧がわの接続点をコンデンサC8を介して第
1および第2のスイッチング手段Q1、Q2のゲートに
接続し、低電圧側の接続点を第1および第2のスイッチ
ング手段Q1、Q2のソースに接続している。
【0103】そうして、2次巻線wsに誘起される帰還
電圧は、ドライブ共振回路DRCにおいて直列共振す
る。
【0104】(ドライブ保護回路DPについて)ドライ
ブ保護回路DPは、一対のツェナーダイオードZD1、
ZD2の逆直列回路からなり、第1および第2のスイッ
チング手段Q1、Q2のゲート・ソース間に接続されて
いる。
【0105】<起動回路STについて>起動回路ST
は、抵抗器R4、抵抗器R3およびコンデンサC8、2
次巻線ws、ならびに抵抗器R5の直列回路により構成
されている。
【0106】抵抗器R4は、その一端が平滑化回路C1
の正極に接続し、他端が第1のスイッチング手段Q1の
ゲートに接続されている。抵抗器R5は、第2のスイッ
チング手段Q2のソース・ドレイン間に並列接続されて
いる。
【0107】したがって、起動回路STは、平滑化回路
C1の出力端間に直列接続されている。
【0108】<入力インピーダンス調整手段Defにつ
いて>入力インピーダンス調整手段Defは、コンデン
サC9および抵抗器R6の直列回路からなり、整流回路
FBRの直流出力側において両線路間に跨って接続され
ている。そして、調光器を介して点灯する際に、調光器
がオンした瞬間に振動によって入力電流が零にならない
ようにする。
【0109】〔回路動作について〕まず、調光器DMが
接続されていないときの高周波インバータHFIの動作
について説明する。
【0110】低周波交流電源ASを投入すると、平滑コ
ンデンサC1からの平滑化された直流電圧が直列接続さ
れた第1および第2のスイッチング手段Q1、Q2のド
レイン・ソース間に印加される。しかし、第1および第
2のスイッチング手段Q1、Q2は、ゲート電圧が印加
されていないので、オフ状態のままである。
【0111】また、上記の直流電圧は、同時に起動回路
STにも印加され、それぞれの抵抗値に応じた電圧降下
を生じる。その結果、抵抗器R3に並列接続しているコ
ンデンサC8の電圧降下が第1のスイッチング手段Q1
のゲート・ソース間に印加され、その充電電荷がゲート
・ソース間に放電される。これにより、第1のスイッチ
ング手段Q1は、チャンネルが形成されてオンする。こ
れに対して、第2のスイッチング手段Q2は、ドライブ
保護回路DPの電圧降下が逆方向なので、オフ状態を維
持する。
【0112】そうして、第1のスイッチング手段Q1が
オンすると、平滑化回路C1の正極から第1のスイッチ
ング手段Q1のドレイン・ソースおよび不飽和構成の帰
還変圧器NSTの1次巻線wpを直列に介して負荷回路
LCすなわち共振インダクタンスL3、直流カットコン
デンサC5、コンデンサC6および平滑化回路C1の負
極の経路を電流が流れる。このとき負荷回路LCの共振
インダクタンスL3、直流カットコンデンサC5および
コンデンサC6の直列共振回路が共振してコンデンサC
6の端子電圧が高くなり、かつ充電される。
【0113】また、不飽和構成の変圧器NSTの1次巻
線wpに電流が流れたことにより、電流波形に比例した
波形の電圧が2次巻線wsに誘起される。
【0114】一方、不飽和構成の変圧器NSTの2次巻
線wsは、そのインダクタンスLn2がコンデンサC7の
静電容量とドライブ共振回路DRCを形成しているの
で、2次巻線wsの誘起電圧が共振する。そして、その
共振電圧は、コンデンサC8を介して第1のスイッチン
グ手段Q1のゲート・ソース間に順方向電圧を引き続き
印加して、オン状態を維持する。
【0115】これに対して、上記共振電圧は、第2のス
イッチング手段Q2のゲート・ソース間に対して逆方向
に印加されるので、第2のスイッチング手段Q2は引き
続きオフ状態のままである。
【0116】ところが、ドライブ共振回路DRCの共振
電圧は、共振による振動によって次に極性が反転するの
で、そのとき第1のスイッチング手段Q1のゲート・ソ
ース間電圧が逆電圧になってオフし、反対に第2のスイ
ッチング手段Q2のゲート・ソース間電圧がドライブ方
向の極性になってオンする。
【0117】したがって、第1のスイッチング手段Q1
のオン時間は、ドライブ共振回路DRCのコンデンサC
7のドライブ共振静電容量と不飽和構成の帰還変圧器N
STの2次巻線wsのインダクタンスLn2とにより決定
される。
【0118】第1のスイッチング手段Q1がオフになる
と、共振インダクタンスL3に蓄積されていた電磁エネ
ルギーが放出されて、共振インダクタンスL3から直流
カットコンデンサC5、コンデンサC6、第2のスイッ
チング手段Q2の寄生ダイオード、不飽和構成の帰還変
圧器NSTの1次巻線pおよび共振インダクタンスL3
の経路を引き続き電流が流れ続けるが、その電流が零に
なると、今度はコンデンサC6の充電電荷が直流カット
コンデンサC5、共振インダクタンスL3、不飽和構成
の帰還変圧器NSTの1次巻線wp、第2のスイッチン
グ手段Q2、コンデンサC6の経路を放電し、電流が上
記とは逆方向に流れる。このとき、不飽和構成の帰還変
圧器NSTの2次巻線wsに誘起される電圧は、上述と
逆になり、この電圧がドライブ共振回路DRCにおいて
共振し、その共振電圧が印加される第1のスイッチング
手段Q1はオフ状態を維持し、第2のスイッチング手段
Q2はオン状態を維持する。
【0119】ところが、ドライブ共振回路DRCの共振
電圧が振動して極性が反転すると、再び第1のスイッチ
ング手段Q1がオンし、第2のスイッチング手段Q2が
オフする。
【0120】その結果、共振インダクタンスL3に蓄積
されていた電磁エネルギーが放出された後、再び平滑化
回路C1の正極から、最初に説明したように電流が負荷
回路LCに流れる。以下、以上説明した動作を繰り返し
て、ハーフブリッジ形インバータとして作動する。
【0121】なお、ドライブ共振回路DRCの共振電圧
が第1および第2のスイッチング手段Q1、Q2のゲー
ト・ソース間に印加される際に、過電圧の部分は、ドラ
イブ保護回路DPに吸収されるので、ゲートは過電圧か
ら保護される。
【0122】ところで、負荷回路LCにおいては、以上
の動作中共振コンデンサC6に電流が流れる際に、その
電流が蛍光ランプFLのフィラメント電極E1、E2に
フィラメント電流として流れてこれを通電加熱するの
で、フィラメント電極E1、E2は熱電子放出状態にな
り、しかも共振による高い電圧がフィラメント電極E
1、E2間に印加されるので、やがて蛍光ランプFLは
インスタントスタートのように始動して点灯する。
【0123】蛍光ランプが点灯すると、そのフィラメン
ト電極E1、E2間の電圧が直流電圧の半分程度の低い
ランプ電圧になるので、コンデンサC6の共振が緩和さ
れるが、不飽和構成の帰還変圧器NSTの1次巻線wp
にはランプ電流に比例した電圧誘起が継続される。
【0124】次に、複合化昇圧チョッパBUTの作用に
ついて説明する。すなわち、以上の動作において、第2
のスイッチング手段Q2がオンしたときに、全波整流回
路FBRの直流出力端の正極からダイオードD1、イン
ダクタL2、高周波電流通路HCP、共振インダクタン
スL3の中点ct、共振インダクタンスL3の図におい
て左側部分、第2のスイッチング手段Q2および全波整
流回路FBRの直流出力端の負極の経路を直接高周波電
流が流れる。また、一部の直接高周波電流は、蛍光ラン
プFLを通って流れる。そして、直接高周波電流が流れ
たときにインダクタL2に電磁エネルギーが蓄積され
る。引き続いて、第2のスイッチング手段Q2がオフす
ると、インダクタL2に蓄積されていた電磁エネルギー
は、ダイオードD2を介して平滑コンデンサC1に流
れ、これを昇圧的に充電する。そうして、直接高周波電
流は、低周波交流電圧のほぼ全期間を通じて流れる。本
実施形態における電気特性の一例を以下に示す。入力電
力16.4W、入力電流0.197mA、力率82.5
%次に、調光器DMによる調光動作について説明する。
【0125】調光器DMのトライアックTRIACの休
止区間中にはコンデンサC2および電球形蛍光ランプの
入力インピーダンスによって按分された低い電圧が電球
形蛍光ランプに印加される。点灯回路手段2において
は、この休止区間の電圧が全波整流回路FBRで整流さ
れ、複合化昇圧チョッパBUTの昇圧チョッパ的な動作
により平滑コンデンサC1を充電するので、この平滑化
された電圧を印加されてハーフブリッジ形インバータが
起動し、調光器DMの導通の有無にかかわらず、全波整
流回路FBRの非平滑直流電圧のほぼ全期間わたって高
周波電流通路HCPおよび第2のスイッチング手段Q2
を通じて比較的少ない値の直接高周波電流が流れる。な
お、直接高周波電流が流れることによるランプ効率の低
下を2%程度に抑制することが可能である。
【0126】一方、調光器DMにおいては、その移相回
路PSCの出力電圧すなわちコンデンサC3の端子電圧
が上昇してダイアックDIACがオンすると、トライア
ックTRIACにゲート電流が流入してオンする。そし
て、操作回路OCの可変抵抗器R1の値を変えることに
より、移相が行われトライアックTRIACの導通位相
が変化して導通区間が変化する。このオン期間を通じて
トライアックTRIACには、電球形蛍光ランプにおけ
る直接高周波電流が流れるために、保持電流をオン期間
中確保することができる。
【0127】図6は、本発明の電球形蛍光ランプの第1
の実施形態における調光位相角に対する電流、電圧およ
び予熱時抵抗/冷抵抗比の変化を示すグラフである。
【0128】図において、横軸は調光位相角(°)を、
縦軸はランプ電流、ランプ電圧、フィラメント電圧およ
び予熱時抵抗/冷抵抗比を、それぞれ示す。
【0129】図から理解できるように、調光位相角が大
きくなるにしたがってランプ電流は低下し、ランプ電圧
およびフィラメント電圧は上昇していく。また、予熱時
抵抗/冷抵抗比も上昇していくが、冷抵抗値によってそ
の勾配および初期値が異なる。すなわち、曲線Aが本実
施形態(冷抵抗0.3〜8Ω)、曲線Bが冷抵抗0.8
Ω未満の場合、曲線Cが冷抵抗8Ω超の場合である。そ
して、直線aおよびbの間の調光位相角が実質的な調光
時、曲線a以下の調光位相角が非調光時である。また、
直線cおよびdの間の予熱時抵抗/冷抵抗比が非調光時
の値の範囲、直線dおよびeの間の予熱時抵抗/冷抵抗
比が調光時の値の範囲である。
【0130】そうして、図から明らかなように、曲線B
では調光時にフィラメント予熱が過剰になり、曲線Cで
は非調光時にフィラメント予熱が過剰になる。
【0131】図7は、本発明の電球形蛍光ランプの第1
の実施形態における調光位相角に対するランプ電圧、フ
ィラメント電圧および予熱時抵抗/冷抵抗比の変化を比
較例のそれとともに示すグラフである。
【0132】図において、横軸は調光位相角(°)を、
縦軸はランプ電圧、フィラメント電圧および予熱時抵抗
/冷抵抗比を、それぞれ示す。なお、比較例は、透光性
放電容器の管径が12.5mmの他は本実施形態と同一
仕様の電球形蛍光ランプであって、図中曲線Yに示す。
また、本実施形態は曲線Xに示す。
【0133】図において、図6と同一部分については同
一符号を付して説明は省略する。図から明らかなよう
に、本実施形態の場合は、ランプ電圧およびフィラメン
ト電圧が調光時に調光位相角の変化に応じて敏感に変化
するが、比較例は変化が少ない。
【0134】また、予熱時抵抗/冷抵抗比は、調光時に
4.75以上であれば、電子放射性物質のスパッタが殆
ど発生しないが、本実施形態にあっては直線fで示す位
相角以上の実質的な調光範囲において4.75以上にな
っている。これに対して、比較例は調光時の殆どの位相
角範囲で4.75以下であって、電子放射性物質のスパ
ッタが生じる。
【0135】図8、本発明の電球形蛍光ランプの第2の
実施形態を示す正面図である。
【0136】図において、図1と同一部分については同
一符号を付して説明は省略する。本実施形態は、蛍光ラ
ンプLの透光性放電容器1aのU字状ガラス管1a1が
異なる。すなわち、透光性放電容器1aのU字状ガラス
管1a1は、屈曲部が角張っていて、その隅部に最冷部
が形成されるように構成されている。また、透光性放電
容器1aに封入するイオン化媒体の水銀は、蒸気圧が高
くて液体水銀に近いアマルガムを用いている。
【0137】そうして、本実施形態においては、調光操
作に対する発光量の変化の追従性が良好になっている。
【0138】図9、本発明の電球形蛍光ランプの第2の
実施形態を示す回路図である。
【0139】図において、図4と同一部分については同
一符号を付して説明は省略する。本実施形態は、蛍光ラ
ンプFLの一対のフィラメント電極E1、E2に並列に
バイパスコンデンサC10、C10を接続して、フィラ
メント電流を所望に調整するように構成している点で異
なる。
【0140】図10は、本発明の照明装置の一実施形態
としての電球形蛍光ランプを用いた壁面取付け灯を示す
正面図である。
【0141】図において、11は照明装置本体、12は
電球形蛍光ランプである。
【0142】照明装置本体11は、陶器製で、内部が中
空で、下面が開口し、側面に取付け部が形成されてい
る。また、内部にはランプソケット11aが配設されて
いる。
【0143】電球形蛍光ランプ12は、図1ないし図3
に示す構造であるが、全体としてグローブ5およびカバ
ー3がほぼ球形をなしたいわゆるG形をなしている。そ
して、その口金が照明装置本体11の下面から内部に挿
入され、ランプソケット11aにねじ込まれることによ
って、電球形蛍光ランプ12は照明装置本体11に装着
されている。
【0144】
【発明の効果】請求項1ないし3の各発明によれば、屈
曲された放電路が内部に形成されるようにコンパクトな
形に形成されていて内面側に蛍光体層が配設された透光
性放電容器の両端に冷抵抗が0.8〜6Ωの一対のフィ
ラメント電極を封装し内部に水銀および希ガスを含むイ
オン化媒体を封入した蛍光ランプと、ノイズフィルタ、
整流回路、平滑コンデンサ、少なくとも1個のスイッチ
ング手段、ならびに負荷回路を備え、非調光時における
フィラメント電極の予熱時抵抗/冷抵抗比が3.0〜
4.5、調光時におけるフィラメント電極の予熱時抵抗
/冷抵抗比が4.0〜5.5になるように制御して蛍光
ランプを高周波点灯する点灯回路手段と、点灯回路手段
を内部に収納するカバーと、口金とを具備していること
により、非調光時および調光時のいずれの点灯モードに
おいても所要のフィラメント予熱を行いフィラメント電
極の寿命信頼性が低下しにくい電球形蛍光ランプを提供
することができる。
【0145】請求項2の発明によれば、加えて蛍光ラン
プの一対のフィラメント電極に対して並列接続されたバ
イパスコンデンサを備えていることにより、フィラメン
ト電極に流れるフィラメント電流の調整が容易な電球形
蛍光ランプを提供することができる。
【0146】請求項3の発明によれば、加えて蛍光ラン
プの透光性放電容器の外径が12mm以下で、放電路長
が200〜500mmあることにより、小形で、回路構
成が簡単でありながら、調光時にもフィラメント予熱を
所要に行い、フィラメント電極の寿命を確保し得る電球
形蛍光ランプを提供することができる。
【0147】請求項4の発明によれば、請求項1ないし
3の効果を有する照明装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電球形蛍光ランプの第1の実施形態を
示す正面図
【図2】同じく蛍光ランプを展開状態にして示す正面図
【図3】同じく蛍光ランプの底面図
【図4】本発明の電球形蛍光ランプの第1の実施形態に
おける点灯回路手段を示す回路図
【図5】同じく調光器を示す回路図
【図6】本発明の電球形蛍光ランプの第1の実施形態に
おける調光位相角に対する電流、電圧および予熱時抵抗
/冷抵抗比の変化を示すグラフ
【図7】本発明の電球形蛍光ランプの第1の実施形態に
おける調光位相角に対するランプ電流、フィラメント電
圧および予熱時抵抗/冷抵抗比の変化を比較例のそれと
ともに示すグラフ
【図8】本発明の電球形蛍光ランプの第2の実施形態を
示す正面図
【図9】本発明の電球形蛍光ランプの第2の実施形態を
示す回路図
【図10】本発明の照明装置の一実施形態としての電球
形蛍光ランプを用いた壁面取付け灯を示す正面図
【符号の説明】
AS…低周波交流電源 a…交流端子 b…交流端子 c…入力端子 d…入力端子 DM…調光器 f…過電流フューズ NF…ノイズフィルタ Def…入力インピーダンス調整手段 RDC…整流化直流電源 FBR…全波整流回路 BUT…複合化昇圧チョッパ L2…インダクタ D2…ダイオード C1…平滑コンデンサ Q1…第1のスイッチング手段 Q2…第2のスイッチング手段 ST…起動回路 FDG…帰還形ドライブ信号発生回路 NST…不飽和構成の帰還変圧器 CO…コア wp…1次巻線 ws…2次巻線 DRC…ドライブ共振回路 DP…ドライブ保護回路 DC2…第2のドライブ回路 LC…負荷回路 L3…共振インダクタンス ct…中点 C5…直流カットコンデンサ C6…共振電圧取り出し用コンデンサ DP…ドライブ保護回路 FL…蛍光ランプ E1…フィラメント電極 E2…フィラメント電極

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】屈曲された放電路が内部に形成されるよう
    にコンパクトな形に形成されている透光性放電容器、透
    光性放電容器の内面側に配設された蛍光体層、透光性放
    電容器の両端に封装され冷抵抗が0.8〜6Ωの一対の
    フィラメント電極、ならびに透光性放電容器の内部に封
    入された水銀および希ガスを含むイオン化媒体を備えた
    蛍光ランプと;低周波交流電源に接続する入力端、入力
    端に接続するノイズフィルタ、交流入力端がノイズフィ
    ルタの出力端側に接続した整流化直流電源、整流化直流
    電圧をスイッチングして高周波電圧を発生させるスイッ
    チング手段、ならびに共振インダクタンスおよびコンデ
    ンサを含む負荷共振回路を備えコンデンサの少なくとも
    一部および蛍光ランプの一対のフィラメント電極の直列
    回路と並列的に当該蛍光ランプを接続するとともにスイ
    ッチング手段のスイッチングによって発生した高周波電
    圧が印加される負荷回路を備え、非調光時における蛍光
    ランプのフィラメント電極の予熱時抵抗/冷抵抗比が
    3.0〜4.5、調光時における予熱時抵抗/冷抵抗比
    が4.0〜5.5になるように制御して蛍光ランプを高
    周波点灯する点灯回路手段と;点灯回路手段を内部に収
    納するとともに、蛍光ランプを支持するカバーと;点灯
    回路手段の入力端に接続するとともにカバーの基端に配
    設された口金と;を具備していることを特徴とする電球
    形蛍光ランプ。
  2. 【請求項2】蛍光ランプの一対のフィラメント電極に対
    して並列接続されたバイパスコンデンサを具備している
    ことを特徴とする請求項1記載の電球形蛍光ランプ。
  3. 【請求項3】蛍光ランプは、透光性放電容器の外径が1
    2mm以下で、放電路長が200〜500mmであるこ
    とを特徴とする請求項1または2記載の電球形蛍光ラン
    プ。
  4. 【請求項4】照明装置本体と;照明装置本体に配設され
    た請求項1ないし3記載の電球形蛍光ランプと;を具備
    していることを特徴とする照明装置。
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