JP2005339878A - 単電池及びこの単電池を用いた固体酸化物型燃料電池 - Google Patents
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Abstract
【課題】集電層と燃料極及び空気極との接触抵抗を減らすと共に各電極へのガス供給量を増大させて発電出力を高めた単電池を提供する。また、発電出力を高めると同時に構造をコンパクト化した固体電解質型燃料電池を提供する。
【解決手段】電解質2と、電解質2の一方の面に形成された燃料極8と、電解質2の他方の面に形成された空気極9と、燃料極8及び空気極9の各電極表面に、燃料極8及び空気極9の構成材料よりも高い電子伝導性を有する材料から薄膜形成されて、かつ、複数の開口部3を有する集電層4と、を備えることを特徴とする。
【選択図】図1
【解決手段】電解質2と、電解質2の一方の面に形成された燃料極8と、電解質2の他方の面に形成された空気極9と、燃料極8及び空気極9の各電極表面に、燃料極8及び空気極9の構成材料よりも高い電子伝導性を有する材料から薄膜形成されて、かつ、複数の開口部3を有する集電層4と、を備えることを特徴とする。
【選択図】図1
Description
本発明は、単電池及びこの単電池を用いた固体酸化物型燃料電池に関する。
燃料電池は、電解質の種類に応じて、リン酸型、溶融炭酸塩型、固体電解質型などがある。この中でも、イオン導電性を有する固体材料を用いた固体電解質型燃料電池は、他の燃料電池に比べて発電出力が高く、排熱温度も高いため、発電効率の優れた発電システムを構築できるため、近年、特に注目を浴びている。
固体電解質型燃料電池の形態は、平板型と円筒型とに大きく分類される。平板型の固体電解質型燃料電池を構成する一単位である単電池は、基本的に、板状の電解質の両面に空気極及び燃料極の薄膜をコーティングした3層構造を有する。3層構造の単電池に集電機能を持たせた単電池の開発が行われている。
例えば、ランタンマンガナイト系の材料から成る空気極の表面に、導電率の高い材料である多孔質のLa系酸化物を被覆した単電池が開示されている(特許文献1参照)。固体電解質型燃料電池が大型化すると、板状の電解質の面に平行な方向に電流が流れて、この方向における抵抗により発電効率が下がるが、上記単電池の構成とすることにより、電池性能の低下を抑制することができる。しかし、特許文献1に記載の技術では、空気極表面にLa系等の酸化物を材料とした被膜を形成したため、一般に、導電率を高くし、又は部位に応じて多孔度等を制御することができず、各電極に導入するガスの供給量を調整することは困難であった。
特に、固体酸化物型燃料電池においては、集電による接触抵抗やガス流の圧損が生じると、セル出力のロスとなり、発電出力の低下を引き起こす要因となっていた。
そこで、各電極に導入するガスの供給量を調整して、発電効率の低下を抑制した燃料電池の開発も進められている。
例えば、高温型燃料電池の同一面内に複数のセルを設けて、面内の温度分布に応じてセルの形状やサイズを変えて、高温のガス入口及びガス出口に小さいセルを設けた燃料電池が開示されている(特許文献2参照)。この燃料電池によれば、発電出力が低下することなく、セルの熱応力による割れを抑制して耐久性を向上することができる。
さらに、固体電解質型燃料電池のセパレータと電極層との間に配置される集電体であり、この集電体は、3次元骨格構造を有する金属多孔体により構成し、外周縁部が中央部より気孔率が低く形成された燃料電池の集電体が開示されている(特許文献3参照)。この燃料電池の集電体によれば、噴出型の燃料電池スタック外周部での背圧により、外周部での発電効率の低下を防止することができる。
特開平9−190825号公報(第3頁、第2図)
特開2002−270198号公報(第2頁、第3図)
特開2003−100323号公報(第3頁、第3図)
しかしながら、特許文献2に記載の技術では、セルとセパレータとの接合部分が多いだけでなく、燃料電池スタックを構成する個々のセルに対して集電をとる構成としたため、燃料電池スタック自体の構造が複雑化していた。
また、特許文献3に記載の技術では、噴出型の燃料電池スタックに限定されているだけでなく、金属多孔体を使用するため、押さえつけ用の高強度のセパレータが必要となり、パッキング密度や重量の点で不利となっていた。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、すなわち、本発明の単電池は、電解質と、電解質の一方の面に形成された燃料極と、電解質の他方の面に形成された空気極と、燃料極及び空気極の各電極表面に、燃料極及び空気極の構成材料よりも高い電子伝導性を有する材料から薄膜形成されて、かつ、複数の開口部を有する集電層と、を備えることを要旨とする。
本発明の固体酸化物型燃料電池は、上記記載の単電池を複数個積層して構成した固体酸化物型燃料電池スタックを有することを要旨とする。
本発明の単電池によれば、燃料極及び空気極の表面に薄膜の集電層を形成し、かつ集電層に開口部を有する構成としたため、集電層と各電極との接触抵抗を減らして各電極へのガス供給量を増大させて、発電出力を高めると共に構造をコンパクト化することができる。
本発明の固体電解質型燃料電池によれば、上記構成の単電池を用いたため、発電出力が高まると同時に構造をコンパクト化することができる。
以下、本発明の実施の形態に係る単電池及びこの単電池を用いた固体酸化物型燃料電池について、図1から図6までを用いて説明する。
図1は、本発明の実施の形態に係る固体電解質型燃料電池における平板型の燃料電池スタックを構成する一単位であるセルを模式的に示した上面図である。図1に示すように、セル1は、板状の電解質2の中央部に、図示しない燃料極又は空気極の各電極上に複数の開口部3を有する集電層4を形成し、集電層4外周の1辺に入口側のガス流路5、入口側のガス流路5と対向する位置に出口側のガス流路6を各々形成している。集電層4に形成した入口側のガス流路5の開口部3(3a)の開口面積は小さく、出口側のガス流路6に向かって、開口部3(3b)の開口面積を大きくし、ガス流に対して集電層4を不均一に被覆している。集電層4及び各ガス流路5,6の外周には、締付用ボルト穴7を所定の間隔を空けて6個形成している。図1に示すA−B間の断面を図2に示す。図2に示すように、電解質2の両面側に燃料極8及び空気極9の各電極を形成し、燃料極8上に集電層4を形成している。
集電層4に形成する開口部3は、特定の形状に限定されず、開口部3は、開口部の形状をパターン化したマスクを利用して転写する方式、異なる角度を成す2枚の平行線状のマスクを利用してグリッドを形成する方式を用いて形成することができる。
また、導入されるガス流の方向に対して、不均一な開口面積の開口部3とし、図1に示すように、ガス流の上流側における開口部3の開口面積を小さくし、下流側における開口部3の開口面積を大きくすることが好ましい。ガス流の上流側における開口部3の開口面積を小さくした理由は、ガス上流側の流速が大きく、開口部3の開口面積が小さくても電極内にガスを導入することができ、また、集電効率を高めるため、開口部3の開口面積よりも開口部3を形成しない部位である薄膜形成部の面積を大きくすることが好ましいからである。また、上流のガス流入量が多いため、発電量が大となり高温化する傾向があるが、開口部3の開口面積を小さくし、過剰なガスの流入を抑制して高温化を未然に防止することができる。一方、ガス流の下流側の流速は小さいため、開口部3の開口面積を大として電極へのガスの供給量を増加させる。開口部3の開口面積を大にすると、薄膜形成部の面積が小さくなり集電効率が低下するが、ガス下流側の発電量を増加させて、ガス流の上流側と下流側との発電量のばらつきを低減することにより、両者の温度分布のばらつきを無くし、燃料電池スタック全体の効率や耐久性を向上することができる。なお、薄膜をメッシュ状に成膜した場合は、成膜部の幅が太く、ピッチが狭くなるほど開口部3の開口面積が小さくなる。
集電層4の厚さは、1nm〜100μmの範囲とすることが好ましい。本範囲の厚さの集電層4に集電機能を持たせることにより、燃料電池スタックの軽量化と高パッキング密度化を実現することができる。また、集電層4の厚さを本範囲に規定したが、この理由は、集電層4の厚さが100μmを超えて厚くなりすぎると、燃料極又は空気極と熱膨張係数の差がある場合に、体積膨張差が大きくなり剥離し易くなるためである。なお、集電層の最適な厚さは、成膜する材料の抵抗率または成膜法により異なるが、PtをEB蒸着で成膜した場合には、集電層の厚さを0.5μmとしても同様の効果を確認することができた。
上記集電層における薄膜形成部と開口部との面積比は、1:1から1:10000までの範囲とすることが好ましい。薄膜形成部よりも開口部の面積を広くすることにより、ガス下流部分の発電量を増加させて、燃料電池スタック内の温度分布及び出力分布を均一とすることができる。薄膜形成部と開口部との面積比は、電極の動作温度における抵抗率に応じて変えることが好ましい。抵抗が高い場合には、集電層4における薄膜形成部と開口部3との面積比を同等程度とする必要があり、抵抗が低い場合には、薄膜形成部よりも開口部3の開口面積を大きくすることが好ましい。
集電層4は、燃料極8及び空気極9の各電極よりも高い電子伝導性を有する材料から薄膜形成され、具体的には、導電性酸化物、導電性窒化物、導電性炭化物、Ni又はFeを含む合金材料、貴金属及びこれを含む合金材料の中から選択される材料から形成することが好ましい。導電性酸化物としては、ITO、ZnO、Ga添加ZnO、窒化物としては、TiN、TiAlN、合金材料としては、FeCrAl、FeCrSi、FeCrW等、貴金属としてはPt、Pd、Ru、Ag等を挙げることができる。集電層4は、燃料極8や空気極9及び電解質と熱膨張係数の値を近くすることが好ましい。逆に、集電層4と燃料極8や空気極9並びに電解質との熱膨張係数が大幅に異なる場合には、中間層や組成傾斜層等を形成して、応力を緩和する構造に形成する必要がある。
燃料極8又は空気極9の上に薄膜の集電層4を形成することにより、燃料極8又は空気極9との接触が安定化し、接触抵抗を減らすことができる。また、外部回路への取出部との接触において、集電層の抵抗が低いため接触抵抗を減らすことができる。集電層4の抵抗率が十分に低い場合には、燃料極8又は空気極9表面方向の導通が良くなり、電流の取り出し箇所を減らすことができる。
集電層4を構成する薄膜は、PVD法、CVD法、PLD法、AD法、電子ビーム蒸着等の乾式膜法ならびにスクリーン印刷、スプレー法等の湿式成膜法を用いて形成することが好ましい。乾式成膜法の場合は、電極表面にマスクを固定あるいはレジストしてパターンを形成し、成膜後、マスク又はレジストを除去する。湿式成膜法でも、スプレー法などの場合は、乾式の場合と同様にマスク又はレジストを利用してパターンを形成する。スクリーン印刷の場合は、スクリーンにパターンを形成する。メッシュ状のパターンを形成する場合は、平行線状の開口部を持つマスクで一度成膜を施し、開口部3の角度を変えて再度成膜して、メッシュ状のパターンとする。
上記構成の図1に示す平板型スタックのセルは、例えば、以下に示す方法を用いて製造することができる。
まず、板状の電解質2に入口側及び出口側のガス流路5,6と締付用ボルト穴7とを形成し、スクリーン印刷により電解質2の一方の面に燃料極8、他方の面に空気極9を成膜して電極を形成する。作製したセルの上面図を図3に示す。その後、セルに対してスクリーン印刷し、集電層4の構成材料のペーストを塗布する。スクリーンのパターンは、ガス流aの上流側から中間位置を経て下流側に向かい、その幅を同一とし、ピッチ間隔を次第に大きくしてメッシュを調整する。このメッシュパターンを燃料極8側及び空気極9側に印刷し、温度1100℃程度で焼成する。その後、セルに電流取り出し用の発砲Agとセパレータとを交互に積層し、集電層4を挿入して多層構造の燃料電池スタックとする。
なお、上記製造方法では、燃料極8上に集電層4をスクリーン印刷したが、集電層4は、スクリーン印刷法に限定されず、スパッタ成膜法を用いても良い。スパッタ成膜によりパターニングしたコーティングの例を図4に示す。まず、平行線状のマスクを2枚用意する。次に、図3に示すセル1に対して、図4の拡大図(a)(b)に示すように、線状のマスク10を直交させて開口部3を形成し、スパッタ成膜して集電層4を形成する。なお、スパッタ成膜時に使用する線状のマスク10は、マスクの幅と線の配置位置を各々変えて、ガスの入口側から出口側に向かって集電層4の開口部3の面積を次第に大きくしている。
前述した燃料電池スタックは平板型としたが、燃料電池スタックは平板型に限定されるものではなく、以下に示す円盤型のスタックに構成しても良い。
図5は、円盤型のセルの構造を説明する上面図である。なお、円盤型のセル11は、金属フレーム12上に形成したものであり、板状の電解質13の中央部に、入口側のガス流路14と出口側のガス流路15とを各々形成し、入口側と出口側の各ガス流路14,15の間に仕切り板16を配置し、入口側から出口側に向かってガスが流れるように構成している。
図5に示すセル11の燃料極8又は空気極9の各電極上に、複数の開口部17を有する集電層18を形成する。図6及び図7は、電極上に複数の開口部17を有する集電層18を形成した際の集電層18の上面図であり、図6はスクリーン印刷、図7はスパッタ成膜した場合を示す。図7の拡大図(a)(b)に示すように、スパッタ成膜時に使用する線状のマスク19の幅と線の配置位置を各々変えて、ガス流の入口側から出口側に向かって集電層4の開口部3の面積を次第に大きくして、開口部3を形成している。
上記構成のスタックを形成する材料として、以下のものを挙げることができる。例えば、電解質板としてYSZ、燃料極としてNiO-YSZ、空気極としてLSC、集電層として発泡Ag、セパレータとしてSUS430等を使用することができる。
図8は、大気中での薄膜材料の抵抗率の温度依存性を示す図である。窒化物としてTiAlN、酸化物として高温成膜したITO、金属としてAgの抵抗率を示した。空気極9側の集電層18として上記材料を使用することができる。
上記構成の各燃料電池スタックから電流を取り出す方法を説明する。燃料電池スタックでは、セパレータと電気的に結合した導電性材料を集電層4に接触、溶接又は圧着して、外部回路に電力を取り出す構成としている。
導電性材料を集電層4に接触させる場合には、導電性材料として可撓性を有する材料を使用することが好ましい。例えば、導電性材料として、発泡金属や金属繊維の不織布・織物、耐熱合金の板バネやメッシュバネ、導電性コートした炭素繊維等を使用することができる。また、導電性材料を集電層4に溶接する場合には、セパレータと電気的に接続された板状、ワイヤ状、メッシュ状、球状等の導電性材料をスポット溶接又はレーザ溶接等して集電層4に接続することができる。このようにスポット溶接又はレーザ溶接等する場合には、局所的な高熱に耐え得るように接触よりも集電層4を厚く形成する必要がある。さらに、導電性材料を集電層4に圧着する場合には、拡散接合やろう付け等を利用することができる。集電層4の抵抗が十分に低いと、電流取り出し位置を複数個形成しても問題ないが、電流取り出し位置は1ヶ所形成しても良い。ただし、集電層4の抵抗が高い場合は、取り出し位置が多いとロスが少なくなる。
図9及び図10は、電流の取り出し部を説明するセルの断面構造を示す模式図である。図9に示すように、集電層4とセパレータ20との間に可撓性の導電性材料21を挿入し、接触により電流を取り出した構成としている。また、図10に示すように、セパレータに接続した導電性材料であるPtワイヤを集電層4にろう付けして電流を取り出す構成としている。本構成の各セルでは、集電層4に流入した電流が、集電層4に接触、溶接又は圧着された導電性材料によってセパレータに導かれ、隣接するセルや外部回路に接続される。
上記構成の燃料電池スタックでは、集電層に取り出した電流を、少ない接合点で外部回路に取り出せるため、スタック構造を簡略化して信頼性を向上することができる。特に、電流取り出し部を溶接又は圧着することにより信頼性を向上することができる。
本発明の実施の形態に係る固体酸化物型燃料電池は、燃料極8及び空気極9の各電極上に、上記構成の集電層4を形成することが好ましい。本構成の集電層4を用いた単電池及び燃料電池を構成することにより、温度分布のばらつきが少なく、集電効率を向上させて発電出力を高め、長期に亘り信頼性の高い燃料電池とすることができる。また、集電層4や集電層4を押さえつける高強度のセパレータが不要となるため、パッキング密度が向上し、燃料電池の構造をコンパクト化することができる。
実施例1(図1、図2)
実施例1では、図1に示す形状の集電層を形成したセルを使用して燃料電池スタックを構成した。
実施例1では、図1に示す形状の集電層を形成したセルを使用して燃料電池スタックを構成した。
厚さ1.5mmのYSZから形成された電解質板に締付用ボルト穴とガス出入口とを形成し、スクリーン印刷にて電解質板の一方の面に燃料極材料であるNiO-YSZ、他方の面に空気極材料であるLSCを成膜してセルを作製した。
作製したセルに対し、スクリーン印刷によりPtペーストを塗布した。スクリーンのパターンは、ガス上流側の幅0.5mm、ピッチ1mm、中間位置の幅0.5mm、ピッチ3mm、ガス下流側の幅0.5mm、ピッチ5mmとし、10μm程度の膜厚となるようにメッシュを調整した。このメッシュパターンを燃料極側及び空気極側に印刷して1100℃で焼成した。その後、セルに電流取り出し用に発泡Agを、SUS430のセパレータと交互に積層し、集電層として発泡Agを挿入し、3層のスタックを構成した。
アノード側に水素500sccm、カソード側に空気500sccmを各々供給しながら、セルの発電出力を測定した。この結果、700℃において20mW/cm2の発電出力が得られた。
実施例2(図4)
実施例2では、実施例1と同様の製造方法で作製したセルを使用し、セルに対してスパッタ成膜してPt層を形成した。
実施例2では、実施例1と同様の製造方法で作製したセルを使用し、セルに対してスパッタ成膜してPt層を形成した。
まず、平行線状のマスクを2枚用意し、線状の開口部を直交させるようにして2回成膜した。ガス上流側のパターンは、幅50μm、ピッチ75μm、下流側のパターンは、幅1μm、ピッチ75μmとし、膜厚0.5μmに成膜した。燃料極側及び空気極側の両側にパターン成膜した。セルに対し、電流取り出し用に発泡AgをSUS430のセパレータと交互に積層し、集電層として発泡Agを挿入し、3層のスタックを形成した。
実施例1と同一条件でセルの発電出力を測定したところ、700℃において25 mW/cm2の出力が得られた。
実施例3(図5、図6)
実施例3では、円盤型のセルを使用し、スクリーン印刷して燃料電池スタックを構成した。
実施例3では、円盤型のセルを使用し、スクリーン印刷して燃料電池スタックを構成した。
まず、厚さ1.5mmのYSZから形成された電解質板に締付用ボルト穴とガス出入口とを形成し、スクリーン印刷にて電解質板の一方の面に燃料極材料であるNiO-YSZ、他方の面に空気極材料であるLSCを成膜して、図5に示すセルを作製した。
作製したセルに対し、スクリーン印刷によりPtペーストを燃料極側、空気極側に塗布した。スクリーンのパターンは、ガスの上流側で10mm×1mmの開口部を有し、開口部は下流側に向かうほど開口部の面積を拡大し、ガスの出口直前では開口部の大きさを10mm×8mmとした。膜厚は10μm程度となるようにメッシュを調整し、1100℃で焼成した。このセルの燃料極側に、電流取り出し用の発泡Agを置き、円盤状のセパレータと外周部を溶接し、袋構造を形成した。このディスクを3枚積層してスタックを形成した。
袋構造内のアノードに水素500sccm、袋構造外部のカソードに空気1000sccmで吹きつけながら、セルの発電出力を測定したところ、700℃において25 mW/cm2の出力が得られた。
実施例4(図7)
実施例4では、実施例3で作製した円盤型のセルに対して、図7に示すように、スパッタ成膜してPt層を形成し、燃料電池スタックを構成した。
実施例4では、実施例3で作製した円盤型のセルに対して、図7に示すように、スパッタ成膜してPt層を形成し、燃料電池スタックを構成した。
平行線状のマスクを2枚用意し、線状の開口部を直交させるようにして2回成膜した。上流側のパターンは、幅50μm、ピッチ75μm、下流側のパターンは、幅1μm、ピッチ75μmとし、膜厚は0.5μm程度となるように成膜した。このパターン成膜を燃料極側と空気極側とに施した。
実施例3と同様の条件でセルの発電出力を測定したところ、700℃において30mW/cm2の出力が得られた。
比較例1(図1)
比較例1では、電極層の表面に集電層を形成しない平板型の燃料電池スタックを使用した。
比較例1では、電極層の表面に集電層を形成しない平板型の燃料電池スタックを使用した。
図1は、本発明の実施の形態に係る固体電解質型燃料電池の平板型スタックの模式図である。図1に示すように、厚さ1.5mmのYSZから形成された電解質板に締付用ボルト穴とガス出入口とを形成し、スクリーン印刷にて電解質板の一方の面に燃料極材料であるNiO-YSZ、他方の面に空気極材料であるLSCを成膜して、セルを作製した。作製したセルに集電層として発泡AgをSUS430のセパレータとを交互に積層し、集電層として発泡Agを挿入し、3層のスタックを形成した。
アノード側に、水素500sccm、カソード側に空気500sccmを各々供給しながら、セルの発電出力を測定したところ、700℃において10mW/cm2の発電出力が得られた。
比較例2(図5)
比較例2では、図5に示す円盤型の燃料電池スタックを使用した。
比較例2では、図5に示す円盤型の燃料電池スタックを使用した。
図5は、円盤型スタックの模式図である。厚さ1.5mmのYSZから形成された電解質板の中心部に、締付用ボルト穴、ガス出入口を形成し、スクリーン印刷にて電解質板の一方の面に燃料極材料であるNiO-YSZ、他方の面に空気極材であるLSCを成膜してセルを作製した。さらに、セルにSUS430の金属フレームを接合し、集電層として発泡Agを挿入した後、セパレータとなるSUS430の円盤と外周部を接合して袋構造を形成した。ディスクを3枚積層し、スタックを構成した。
袋構造内のアノードに水素500sccm、袋構造外部のカソードに空気1000sccmを噴射しながら、セルの発電出力を測定した。この結果、700℃において15mW/cm2の出力が得られた。
表1に示すように、比較例1及び比較例2は、電極層上の集電層に開口部を形成していないため、発電出力が15mW/cm2以下の低い値となっていた。これに対して、実施例1から実施例4までの発電出力はいずれも20mW/cm2以上の高い値を示しており、発電出力が良好であった。
1…セル,
2…電解質板,
3…開口部,
4…集電層,
5…入口側のガス流路,
6…出口側のガス流路,
7…締付用ボルト穴,
8…燃料極,
9…空気極,
10…電極層,
2…電解質板,
3…開口部,
4…集電層,
5…入口側のガス流路,
6…出口側のガス流路,
7…締付用ボルト穴,
8…燃料極,
9…空気極,
10…電極層,
Claims (9)
- 電解質と、
前記電解質の一方の面に形成された燃料極と、
前記電解質の他方の面に形成された空気極と、
前記燃料極及び前記空気極の各電極表面に、前記燃料極及び空気極の構成材料よりも高い電子伝導性を有する材料から薄膜形成されて、かつ、複数の開口部を有する集電層と、
を備えることを特徴とする単電池。 - 前記集電層は、導入されるガス流の方向に対して、不均一の開口面積とした開口部を有することを特徴とする請求項1記載の単電池。
- 導入されるガス流の上流側における開口部の開口面積は小さく、ガス流の下流側における開口部の開口面積は大きいことを特徴とする請求項1又は2記載の単電池。
- 前記集電層は、導電性酸化物、導電性窒化物、導電性炭化物、Ni又はFeを含む合金材料、貴金属及びこれを含む合金材料の中から選択される材料から形成されることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の単電池。
- 前記集電層は、PVD法、CVD法、PLD法、AD法又は電子ビーム蒸着の乾式成膜法ならびにスクリーン印刷法又はスプレー法の湿式成膜法により薄膜形成されることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の単電池。
- 前記集電層の厚さが、1nm〜100μmの範囲にあることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の単電池。
- 前記集電層における薄膜形成部と開口部との面積比が、1:1から1:10000までの範囲にあることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の単電池。
- さらに、前記燃料極及び空気極の少なくとも一方の面側に配置したセパレータを備え、
前記セパレータと電気的に結合された導電性材料を前記集電層に接触、溶接又は圧着させて、外部回路に電力を取り出す構成としたことを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の単電池。 - 請求項1乃至8のいずれか1項に記載の単電池を複数個積層して構成した固体酸化物型燃料電池スタックを有することを特徴とする固体酸化物型燃料電池。
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