JP2005338718A - 光学フィルター及びその製造方法 - Google Patents

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Yoshihiro Takada
芳宏 高田
Toshimitsu Nakai
敏光 中井
Kumiko Okamoto
久美子 岡本
Hiromi Utsu
宏美 宇津
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Abstract

【課題】 透明基材表面に、複数の色素含有樹脂層同士が接した状態で形成され、且つ、所望の色調、吸収特性等の光学特性が発現されると共に、表面粗度も小さい積層体を含む光学フィルター、及びその製造方法を提供する。
【解決手段】 透明基材、及び、その透明基材表面に形成され、色素及びバインダー樹脂を含有する色素含有樹脂層A、及び、その色素含有樹脂層A表面に形成され、色素含有樹脂層Aに含有される色素とは化学構造上異なる色素及びバインダー樹脂を含有する色素含有樹脂層Bからなり、且つ、色素含有樹脂層B表面の表面粗さRaが400Å以下である積層体を含む光学フィルター、並びに、光学フィルターの製造方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、近赤外線吸収性能、熱線吸収性能、可視光線透過性能等を調節するための光学フィルターに関し、特にプラズマディスプレイ等のディスプレイ用フィルター、デジタルカメラ用赤外線吸収フィルター、熱線吸収フィルター等に好適に使用できる光学フィルターに関する。
近年、プラズマディスプレイパネルを用いた大型の壁掛けテレビをはじめ種々の電子機器のディスプレイパネルが注目されているが、これらのディスプレイパネルには、ディスプレイパネルが発光する近赤外線を吸収したり、ディスプレイパネルの色調を整えるために、様々な吸収特性を有する光学フィルターが必要とされている。
こうした光学フィルターは、一般に、透明基材表面に、所望の吸収特性を有する色素とバインダー樹脂を含む溶剤塗布液を塗布し、乾燥させて色素含有樹脂層を形成した積層体となすことにより製造されているが、その際、近赤外域に吸収特性を有する色素の中には、他の色素と混在すると吸収特性が変化したり、化学反応等や誘電的相互作用によって近赤外吸収能が変化するものがあることから、所望の吸収特性を有する複数の色素を混在させることは避け、複数の色素の各々を含有する複数の色素含有樹脂層に分けて形成する必要があることが知られている。ところが、各々の色素を含有する色素含有樹脂層同士を接した状態で形成した積層体においては、下層表面に上層の溶剤塗布液を塗布し、乾燥させて上層を形成するにおいて、上層に使用される溶剤が下層に浸透して下層の樹脂を溶解させ、対面する色素含有樹脂層の色素同士が相互作用等により劣化してフィルターの色が変色してしまい所望の光学特性が発現されなくなったり、上層の溶剤が下層に浸透することにより上層がレベリングに十分な時間が確保できないうちに乾燥してしまうこととなって、形成される上層表面の表面粗度が低下し、この表面粗度の低下が、光学フィルターを特にディスプレイ用途に使用する場合に画像の歪み等を発生させる、等の問題が生じることも、又、知られている。
従って、従来は、透明基材表面に各々の色素を含有する色素含有樹脂層を形成した複数の積層体を相互に粘着剤層を介して貼り合わせることにより様々な吸収特性を有する光学フィルターが製造されていた(例えば、特許文献1参照。)。しかしながら、このように何層も積層することにより形成される光学フィルターは、貼り合わせる工程の煩雑さ、工程数や部材点数の多さ等が生産性の低下を招くばかりでなく、全体の厚みが厚くなり、所望の光学特性が発現しにくく、又、カーリングが起こりやすくフィルターとしてのハンドリング性が低下する等の欠点を有していた。
特開2001−133624号公報。
本発明は、前述の従来技術に鑑みてなされたものであり、透明基材表面に、複数の色素含有樹脂層同士が接した状態で形成され、且つ、所望の色調、吸収特性等の光学特性が発現されると共に、表面粗度も小さい積層体を含む光学フィルター、及びその製造方法を提供することを目的とする。
本発明者等は、前記課題を解決すべく鋭意検討した結果、下層の色素含有樹脂層表面にその色素とは異なる色素含有樹脂の溶剤塗布液を塗布する際に、下層のバインダー樹脂が上層の塗布液の溶剤に溶解しないように、下層のバインダー樹脂と上層の溶剤とを選択することによって前記目的が達成できることを見出し本発明に到達したもので、即ち、本発明は、透明基材、及び、その透明基材表面に形成され、色素及びバインダー樹脂を含有する色素含有樹脂層A、及び、その色素含有樹脂層A表面に形成され、色素含有樹脂層Aに含有される色素とは化学構造上異なる色素及びバインダー樹脂を含有する色素含有樹脂層Bからなり、且つ、色素含有樹脂層B表面の表面粗さRaが400Å以下である積層体を含む光学フィルター、並びに、透明基材表面に、色素及びバインダー樹脂を含む溶剤塗布液を塗布し、乾燥させて色素含有樹脂層Aを形成し、次いで、その色素含有樹脂層A表面に、色素含有樹脂層Aにおける色素とは化学構造上異なる色素及びバインダー樹脂を含む溶剤塗布液を塗布し、乾燥させて色素含有樹脂層Bを形成することによって積層体となし、該積層体を含む光学フィルターを製造する方法であって、色素含有樹脂層Aにおけるバインダー樹脂と、色素含有樹脂層B形成時の塗布液の溶剤とを、前者樹脂の後者溶剤に対する溶解速度が6.0μm/分以下の関係を有するように選択する光学フィルターの製造方法、を要旨とする。
本発明は、透明基材表面に、複数の色素含有樹脂層同士が接した状態で形成され、且つ、所望の色調、吸収特性等の光学特性が発現されると共に、表面粗度も小さい積層体を含む光学フィルター、及びその製造方法を提供することができる。
以下に本発明の実施の態様を詳細に説明するが、本発明は以下の態様に限定されるものではない。
本発明の光学フィルターは、透明基材、及び、その透明基材表面に形成された、色素及びバインダー樹脂を含有する色素含有樹脂層A、及び、その色素含有樹脂層A表面に形成された、色素含有樹脂層Aに含有される色素とは化学構造上異なる色素及びバインダー樹脂を含有する色素含有樹脂層Bからなる積層体を含んでなる。
本発明において、積層体を構成する透明基材としては、この種基材として従来公知のものが挙げられ、具体的には、例えば、ガラス、ポリエステル系樹脂、ポリアリレート系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエーテルサルホン系樹脂、オレフィン系樹脂、環状オレフィン系樹脂、塩化ビニル系樹脂、アクリル系樹脂、セルロース系樹脂等が挙げられる。又、その形状としては、シート状或いはフィルム状であるのが好ましく、その厚みは、10〜500μの範囲のものが好ましく、20〜200μmの範囲のものが特に好ましい。尚、ここで、「透明」とは、光線透過率が30%以上、好ましくは50%以上、特に好ましくは80%以上の状態を言うこととする。
又、前記透明基材表面に形成され、積層体を構成する色素含有樹脂層Aにおける色素としても、この種色素として従来公知のもので、代表的には、可視域吸収色素、及び近赤外域吸収色素等が挙げられ、具体的には、可視域吸収色素としては、例えば、アゾ系、アジン系、アントラキノン系、インジゴイド系、オキサジン系、キノフタロン系、スクアリリウム系、スチルベンゼン系、トリフェニルメタン系、ナフトキノン系、ピラロゾン系、ポリメチン系、インドリノン系、キナクリドン系、バット系、フタロシアニン系、メチン系、テトラアザポルフィリン系、シアニン系、インドアニリン系等の有機系化合物、及び、コバルト化合物、鉄化合物、クロム化合物等の無機系化合物等が挙げられる。又、近赤外域吸収色素としては、例えば、ジインモニウム系、アミニウム系、フタロシアニン系、シアニン系、アゾ系、ポリメチン系、キノン系、ジフェニルメタン系、トリフェニルメタン系、メルカプトナフトール系、ジチオール金属錯体系、インドリウム系、ナフタロシアニン系、ニトロソ系及びその金属錯体系、スクアリリウム系、アミノチオフェノール金属錯体系、トリアリルメタン系、インモニウム系、ナフトキノン系、アントラキノン系、アミノ系等の有機系化合物等が挙げられる。
又、前記透明基材表面に形成され、積層体を構成する色素含有樹脂層Aにおけるバインダー樹脂としても、この種バインダー樹脂として従来公知のものが挙げられ、具体的には、例えば、脂肪族ポリエステル系樹脂、ポリアリレート系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリサルホン樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリビニルアセタール系樹脂、ポリビニルブチラール系樹脂、オレフィン系樹脂、塩化ビニル系樹脂、アクリル系樹脂、ビニルアルコール系樹脂、エポキシ系樹脂、フェノール系樹脂、フェノキシ系樹脂、メラミン系樹脂、ウレタン系樹脂、ロジン系樹脂、テルペン系樹脂等が挙げられ、又、日本合成ゴム(株)製「ARTON」、日本ゼオン(株)製「ZEONEX」、日立化成(株)製「OPTOREZ」、鐘紡(株)製「O−PET」等の市販の光学用樹脂を用いることもできる。
これらの中で、本発明においては、アクリル系樹脂が好ましく、そのアクリル系樹脂として、炭素数1〜6のアルキルアルコールの(メタ)アクリル酸エステルに由来する構成繰返し単位、又は、多環性脂環式アルコールの(メタ)アクリル酸エステルに由来する構成繰返し単位のいずれか1種以上の構成繰返し単位を含むものであるのが特に好ましい。尚、ここで言う多環性脂環式アルコールとは、脂環式炭化水素のうち2個以上の炭素原子を共有する環を2個以上有する骨格からなり、例えば、ノルボルナン、アダマンタン等の骨格を有するアルコールであり、IUPACによる命名法でビシクロ、トリシクロ、テトラシクロ等の接頭辞が付される化合物の一群である。これらの具体例としては、例えば、アダマンタノール、フェンコール、ボルネオール、イソボルネオール等が挙げられる。
又、前記色素含有樹脂層A表面に形成され、積層体を構成する色素含有樹脂層Bにおける色素としては、この種色素として従来公知のもので、前記色素含有樹脂層Aにおける色素として挙げたと同様のものが挙げられる。但し、前記色素含有樹脂層Aにおける色素と前記色素含有樹脂層Bにおける色素とは、化学構造上異なることが必要であり、具体的には、例えば、前記可視域吸収色素の中で化合物系の異なる色素、或いは、近赤外域吸収色素の中で化合物系の異なる色素を組み合わせる場合、又は、前記可視域吸収色素と前記近赤外域吸収色素とを組み合わせる場合等、が挙げられるが、中で、前記色素含有樹脂層Aにおける色素と前記色素含有樹脂層Bにおける色素の一方が前記近赤外域吸収色素であり、他方が前記可視域吸収色素である場合が好ましい。
又、前記色素含有樹脂層A表面に形成され、積層体を構成する色素含有樹脂層Bにおけるバインダー樹脂としては、この種色素として従来公知のもので、前記色素含有樹脂層Aにおけるバインダー樹脂として挙げたと同様のものが挙げられ、色素含有樹脂層Bにおけるバインダー樹脂は、前記色素含有樹脂層Aにおけるバインダー樹脂と異なっているのが好ましいが、同じものであってもよい。
尚、前記色素含有樹脂層A及び色素含有樹脂層Bにおいて、色素とバインダー樹脂との含有割合は、色素に対するバインダー樹脂の割合が1〜1,000重量倍であるのが好ましく、5〜500重量倍であるのが特に好ましい。
本発明の光学フィルターは、前記透明基材、及び、その透明基材表面に形成された、前記色素及び前記バインダー樹脂を含有する色素含有樹脂層A、及び、その色素含有樹脂層A表面に形成された、色素含有樹脂層Aに含有される色素とは化学構造上異なる前記色素及び前記バインダー樹脂を含有する色素含有樹脂層Bからなり、且つ、色素含有樹脂層Bの表面粗さRaが400Å以下である積層体を含むものであり、色素含有樹脂層Bの表面粗さRaが300Å以下であるのが好ましく、250Å以下であるのが特に好ましい。表面粗さRaが前記範囲超過では、光学フィルターをディスプレイ用として用いたときに、画像の歪みを発生させることとなる。尚、ここで、表面粗さRaとは、JIS B0601に規定される算術平均粗さRaを意味する。
又、本発明の光学フィルターを構成する前記積層体における前記色素含有樹脂層Aと前記色素含有樹脂層Bの厚みは、各々、0.5〜50μmであるのが好ましく、0.5〜20μmであるのが特に好ましい。又、前記色素含有樹脂層Aと前記色素含有樹脂層Bとの合計厚みが、前記透明基材の厚みの100%以下であるのが好ましく、50%以下であるのが更に好ましく、30%以下であるのが特に好ましい。
本発明の光学フィルターは、前記積層体を含むものであれば、その積層体のみからなるものであっても、更に他の層を含むものであってもいずれでもよい。その他層としては、例えば、電磁波遮蔽層、紫外線遮断層、反射防止層、ぎらつき防止(ノングレア)層、及び粘着剤層等が挙げられる。
その電磁波遮蔽層は、ディスプレイ装置からの発光に伴い発生する電磁波による生体や電子機器への悪影響を防ぐためのもので、本発明においては、従来公知の如く、酸化インジウムスズ(ITO)等の金属酸化物等の蒸着或いはスパッタリング法等により形成されるのが一般的であるが、酸化インジウム、酸化亜鉛等の透明な金属酸化物等による誘電体層と銀、銀−パラジウム合金等の金属層を基材上に交互にスパッタリング法等で3層、5層、7層或いは11層程度積層したものも用いられる。その際、基材として前記積層体を用いてスパッタリングすることにより電磁波遮蔽層を形成してもよいし、又、樹脂フィルム或いはガラス基材にスパッタリングした後、前記積層体と貼り合わせることで電磁波遮蔽層を形成することとしてもよい。更に、電磁波遮蔽層としては、アースした金属メッシュ、合成樹脂或いは金属繊維のメッシュに金属被覆したものも用いることもできる。
又、その紫外線吸収層は、光学フィルターを紫外線から防御するためのもので、従来公知の如く、紫外線吸収剤含有樹脂層として設けることができ、又、反射防止層は、表面の反射を抑えて光学フィルターの光線透過率を向上させるためのもので、従来公知の如く、金属酸化物、弗化物、珪化物、硼化物、炭化物、窒化物、硫化物等の無機物を蒸着或いはスパッタリング法等で単層或いは多層に積層させる方法、又は、アクリル系樹脂、弗素系樹脂等の屈折率の異なる樹脂を単層或いは多層に積層させる方法等により形成させることができる。又、反射防止処理を施したフィルムを前記積層体に貼り付けることにより設けることもできる。又、そのぎらつき防止(ノングレア)層は、透過光を散乱させ、光学フィルターとしての視野角を広げるためのもので、従来公知の如く、シリカ、メラミン樹脂、アクリル樹脂等の微粉体をインキ化して、前記積層体表面にコーティングすることにより形成することができる。又、ノングレア処理したフィルムを前記積層体に貼り付けることにより設けることもできる。又、その粘着剤層は、前記積層体を光学フィルターとしての装置への固定を簡便にするためにフィルターの最外層として設けられるもので、従来公知の如く、ゴム系或いは低重合度樹脂系の粘着剤を、溶剤塗布液として前記積層体に塗布し、乾燥させることにより形成することができる。
前記積層体、及び必要に応じて設けられた電磁波遮蔽層、紫外線遮断層、反射防止層、ぎらつき防止(ノングレア)層、及び粘着剤層等を有する本発明の光学フィルターは、例えばプラズマディスプレイパネルから出る近赤外線光が近赤外線通信を使用する電子機器に作用して誤作動を起こしたり音声にノイズが入ったりするのを防止するため、800〜1,200nmの波長域の平均光線透過率が15%以下であるのが好ましく、10%以下であるのが更に好ましく、5%以下であるのが特に好ましい。このような光学特性を有効に発現するためには、例えば、日本化薬(株)製「IRG−02」、「IRG−022」、「IRG−023」、「IRG−040」、日本触媒(株)製「IR1」、「IR2」、「IR3」、「IR4」、「TX−EX−905B」、三井化学(株)製「SIR−130」、「SIR−132」、「SIR−159」、日本カーリット(株)製「CIR−1080」、「CIR−1081」、「CIR−1085」、日本感光色素(株)製「NKX−1199」、みどり化学(株)製「MIR101」等の市販の色素を、前記色素含有樹脂層A又は色素含有樹脂層Bのいずれかの色素として用いるのが好ましい。
又、前記積層体、及び必要に応じて設けられた電磁波遮蔽層、紫外線遮断層、反射防止層、ぎらつき防止(ノングレア)層、及び粘着剤層等を有する本発明の光学フィルターは、例えばプラズマディスプレイパネルが発光する可視光をよりよく通し、ディスプレイの鮮明度の低下を抑えるため、380〜780nmの波長域の平均光線透過率が、10%以上であるのが好ましく、20%以上であるのが更に好ましく、40%以上であるのが特に好ましい。
又、前記積層体、及び必要に応じて設けられた電磁波遮蔽層、紫外線遮断層、反射防止層、ぎらつき防止(ノングレア)層、及び粘着剤層等を有する本発明の光学フィルターは、例えばプラズマディスプレイパネルでは、赤・緑・青の三原色蛍光体の発光の他のネオンガスからの560〜620nmの波長範囲の余分な発光を遮蔽するため、560〜620nmの波長範囲に光線透過率が0.01〜80%の極大吸収を有するのが好ましく、その光線透過率が0.1〜50%であるのが更に好ましい。このような光学特性を有効に発現するためには、例えば、特開2002−363434号公報等に記載のジフェニルスクアリリウム系色素、或いは、特開2002−40233号公報等に記載のテトラアザポリフィリン系色素等の色素を、前記色素含有樹脂層A又は色素含有樹脂層Bのいずれかの色素として用いるのが好ましい。
本発明の前記光学フィルターは、前記透明基材表面に、前記色素及び前記バインダー樹脂を含む溶剤塗布液を塗布し、乾燥させて色素含有樹脂層Aを形成し、次いで、その色素含有樹脂層A表面に、色素含有樹脂層Aにおける色素とは化学構造上異なる前記色素及び前記バインダー樹脂を含む溶剤塗布液を塗布し、乾燥させて色素含有樹脂層Bを形成することによって積層体となし、必要に応じて前記他層を設けることにより製造することができるが、本発明の光学フィルターの製造方法としては、その際、色素含有樹脂層Aにおけるバインダー樹脂と、色素含有樹脂層B形成時の塗布液の溶剤とを、前者樹脂の後者溶剤に対する溶解速度が6.0μm/分以下の関係を有するように選択することを必須とし、その溶解速度を5.0μm/分以下とするのが好ましく、4.0μm/分以下とするのが更に好ましく、3.0μm/分以下とするのが特に好ましく、2.0μm/分以下とするのが最も好ましい。
その際の溶剤塗布液に用いられる溶剤としては、色素及びバインダー樹脂を微分散、好ましくは溶解できるものであれば特に限定されず、この種溶剤として公知のものを用いることができ、具体的には、例えば、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタン等の脂肪族或いは脂環式炭化水素系、エタノール、プロパノール、ブタノール、アミルアルコール、ヘキサノール、ヘプタノール、オクタノール、デカノール、ウンデカノール、ジアセトンアルコール、フルフリルアルコール、エチレングリコール、ジエチレングリコール等のアルコール系、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート等のセロソルブ系、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールジメチルエーテル等のプロピレングリコール系、アセトン、ブタノン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、メチルアミルケトン、シクロヘキサノン、アセトフェノン等のケトン系、エチルエーテル、ジメトキシエタン、ジオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル系、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、酢酸アミル、酪酸エチル、酪酸ブチル、ジエチルオキサレート、ピルビン酸エチル、エチル−2−ヒドロキシブチレート、エチルアセトアセテート、乳酸メチル、乳酸エチル、3−メトキシプロピオン酸メチル等のエステル系、クロロホルム、塩化メチレン、テトラクロロメタン、塩化エチレン、テトラクロロエタン等のハロゲン化炭化水素系、ベンゼン、トルエン、キシレン、クレゾール等の芳香族炭化水素系、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等の高極性溶剤系が挙げられ、これらは2種以上を併用して用いることもできる。
又、その際の塗布液の調製は、前記色素、前記バインダー樹脂、及び前記溶剤を混合して、好ましくは5重量%以上50重量%以下、特に好ましくは5重量%以上30重量%以下の濃度の溶液或いは分散液となすことによりなされ、又、必要に応じて、分散剤、帯電防止剤、ブロッキング防止剤、消泡剤、酸化防止剤、粘度調製剤等の添加剤を添加してもよい。
又、その塗布液の塗布方法としては、この種塗布方法として公知の方法が用いられ、具体的には、例えば、バーコーター、ブレードコーター、スピンコーター、リバースコーター、ダイコーター、グラビアコーター、及びスプレー等の方法が挙げられる。
前記色素含有樹脂層Aは、前記透明基材表面に前記色素含有樹脂層Aの溶剤塗布液を塗布し、乾燥させることに形成され、又、前記色素含有樹脂層Bは、その色素含有樹脂層A表面に前記色素含有樹脂層Bの溶剤塗布液を塗布し、乾燥させることにより形成される。その際の塗布量は、前記色素含有樹脂層A及び前記色素含有樹脂層Bとも、乾燥膜厚として、各々、0.5〜50μmとするのが好ましい。又、乾燥温度は80℃〜250℃程度とするのが好ましく、80℃〜200℃程度とするのが特に好ましい。又、乾燥時間は10秒〜5分間の間に設定するのが好ましい。
本発明の光学フィルターの製造方法において、色素含有樹脂層Aと色素含有樹脂層Bの形成に当たり、色素含有樹脂層Aにおけるバインダー樹脂の、色素含有樹脂層B形成時の塗布液の溶剤に対する溶解速度が前記範囲となる組合せの具体例を以下に例示する。
(1) 色素含有樹脂層Aにおけるバインダー樹脂としてポリエステル系樹脂(例えば、東洋紡績(株)製「バイロン」)を使用する場合は、色素含有樹脂層B形成時の塗布液の溶剤としては、(a) 脂肪族炭化水素系であれば、n−ヘキサン、(b) アルコール系であれば、メタノール、エタノール、イソプロパノール、(c) ケトン系であれば、アセトン、メチルイソブチルケトン、(d) エステル系であれば、酢酸n−ブチル、(e) ハロゲン化炭化水素系であれば、テトラクロロメタン、(f) 芳香族炭化水素系であれば、トルエン、キシレン、等が好適である。
(2) 色素含有樹脂層Aにおけるバインダー樹脂としてポリアリレート樹脂(例えば、ユニチカ(株)製「U−ポリマー」)を使用する場合は、色素含有樹脂層B形成時の塗布液の溶剤としては、(a) 脂肪族炭化水素系であれば、n−ヘキサン、(b) アルコール系であれば、メタノール、エタノール、イソプロパノール、(c) エステル系であれば、酢酸メチル、酢酸イソプロピル、(d) ハロゲン化炭化水素系であれば、塩化エチレン、テトラクロロメタン、(e) 芳香族炭化水素系であれば、トルエン、キシレン、等が好適である。
(3) 色素含有樹脂層Aにおけるバインダー樹脂としてポリカーボネート系樹脂を使用する場合は、色素含有樹脂層B形成時の塗布液の溶剤としては、(a) 脂肪族炭化水素系であれば、n−ヘキサン、(b) アルコール系であれば、メタノール、エタノール、イソプロパノール、(c) ケトン系であれば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、(d) エステル系であれば、酢酸メチル、酢酸イソプロピル、酢酸n−ブチル、(e) ハロゲン化炭化水素系であれば、塩化エチレン、テトラクロロメタン、(f) 芳香族炭化水素系であれば、トルエン、キシレン、等が好適である。
(4) 色素含有樹脂層Aにおけるバインダー樹脂としてポリサルホン系樹脂(例えば、日産化学工業(株)製「ユーデルポリサルフォン」)を使用する場合は、色素含有樹脂層B形成時の塗布液の溶剤としては、(a) 脂肪族炭化水素系であれば、n−ヘキサン、(b) アルコール系であれば、メタノール、エタノール、イソプロパノール、(c) ケトン系であれば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、(d) エステル系であれば、酢酸メチル、酢酸イソプロピル、酢酸n−ブチル、(e) ハロゲン化炭化水素系であれば、塩化エチレン、テトラクロロメタン、(f) 芳香族炭化水素系であれば、トルエン、キシレン、等が好適である。
(5) 色素含有樹脂層Aにおけるバインダー樹脂としてポリビニルアセタール系樹脂(例えば、積水化学工業(株)製「エスレックスK」)を使用する場合は、色素含有樹脂層B形成時の塗布液の溶剤としては、(a) 脂肪族炭化水素系であれば、n−ヘキサン、(b) アルコール系であれば、メタノール、エタノール、イソプロパノール、(c) ケトン系であれば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、(d) エーテル系であれば、エチルエーテル、テトラヒドロフラン、(e) エステル系であれば、酢酸エチル、酢酸n−ブチル、(f) ハロゲン化炭化水素系であれば、クロロホルム、テトラクロロメタン、(g) 芳香族炭化水素系であれば、トルエン、キシレン、等が好適である。
(6) 色素含有樹脂層Aにおけるバインダー樹脂としてポリビニルブチラール系樹脂(例えば、積水化学工業(株)製「エスレックスB」)を使用する場合は、色素含有樹脂層B形成時の塗布液の溶剤としては、(a) 脂肪族或いは脂環式炭化水素系であれば、n−ヘキサン、シクロヘキサン、(b) アルコール系であれば、メタノール、エタノール、イソプロパノール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、(c) ケトン系であれば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、(d) エーテル系であれば、エチルエーテル、(e) エステル系であれば、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、酢酸n−ブチル、(f) ハロゲン化炭化水素系であれば、塩化エチレン、テトラクロロメタン、(g) 芳香族炭化水素系であれば、トルエン、キシレン、等が好適である。
(7) 色素含有樹脂層Aにおけるバインダー樹脂として塩化ビニル系樹脂(例えば、日信化学工業(株)製「SOLBIN」)を使用する場合は、色素含有樹脂層B形成時の塗布液の溶剤としては、(a) 脂肪族或いは脂環式炭化水素系であれば、n−ヘキサン、シクロヘキサン、(b) アルコール系であれば、メタノール、エタノール、イソプロパノール、エチレングリコール、(c) エステル系であれば、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸n−ブチル、(d) 芳香族炭化水素系であれば、トルエン、キシレン、等が好適である。
(8) 色素含有樹脂層Aにおけるバインダー樹脂としてアクリル系樹脂(例えば、三菱レイヨン(株)製「ダイヤナールBR」)を使用する場合は、色素含有樹脂層B形成時の塗布液の溶剤としては、(a) 脂肪族或いは脂環式炭化水素系であれば、n−ヘキサン、n−ヘプタン、シクロヘキサン、(b) アルコール系であれば、メタノール、エタノール、イソプロパノール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、(c) ケトン系であれば、2−ブタノン、メチルエチルケトン、(d) 芳香族炭化水素系であれば、トルエン、等が好適である。
(9) 色素含有樹脂層Aにおけるバインダー樹脂としてフェノキシ樹脂(例えば、巴工業(株)製「フェノキシ樹脂」)を使用する場合は、色素含有樹脂層B形成時の塗布液の溶剤としては、(a) 脂肪族或いは脂環式炭化水素系であれば、n−ヘキサン、シクロヘキサン、(b) アルコール系であれば、メタノール、エタノール、イソプロパノール、エチレングリコール、(c) エステル系であれば、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸n−ブチル、(d) ハロゲン化炭化水素系であれば、塩化エチレン、テトラクロロメタン、(e) 芳香族炭化水素系であれば、トルエン、キシレン、等が好適である。
かくして、本発明の光学フィルターの製造方法によれば、透明基材、及び、その透明基材表面に形成され、色素及びバインダー樹脂を含有する色素含有樹脂層A、及び、その色素含有樹脂層A表面に形成され、色素含有樹脂層Aに含有される色素とは化学構造上異なる色素及びバインダー樹脂を含有する色素含有樹脂層Bからなり、且つ、色素含有樹脂層B表面の表面粗さRaが400Å以下である積層体を含む光学フィルターを好適に製造することができる。
以下に、実施例により本発明の実施態様を説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。尚、以下の実施例及び比較例における各種評価に用いた測定法を以下に示す。
<溶解速度>
厚さ100μmのポリエチレンテレフタレートフィルム上に、色素含有樹脂層Aの形成に用いたバインダー樹脂により厚さ5〜10μmの層を形成し、これから10cm×10cmの大きさに切り出したサンプルを、色素含有樹脂層Bの形成に用いた溶剤200gを入れた金属製バット(14cm×17cm×3cm高さ)中に浸漬し、浸漬開始から樹脂層が完全に溶解するまでを目視で観察して、完全に溶解するまでの時間を計測し、その際の樹脂層の厚みを完全に溶解するまでの時間で割った値を溶解速度として算出した。
<表面粗さ>
KLA−Tencor社製の段差・表面粗さ・微細形状測定装置「P−15」を用いて、JIS B0601に規定される算術平均粗さRa、及び最大断面高さRtを、スキャン範囲:2,400μm、スキャン速度:100μm/秒、針圧:0.5mgで測定した。
<光線透過率>
島津製作所製分光光度計「UV3150」を用いて、1nm間隔の透過率を測定し、そのスペクトルから、(1) 800〜1,200nmの平均透過率、(2) 380〜780nmの平均透過率を算出し、又、(3) 550nmの透過率、(4) 490nmの透過率を読み取り、更に、(5) そのスペクトル波形から、560〜620nmに透過率の極大吸収を有しているか否かを確認し、有している場合はその極大吸収波長での透過率を読み取った。
<色調>
GretagMacbeth社製SpectroChart「SPM50」を用いて、約5cm×5cmに切り出したサンプルにつき、樹脂層側を測定面側として標準白色板の上に設置し、JIS Z8729に規定されるL* * * 表色系における明度L* 、色座標a* 、b* を、観測光源:C光源、観測視野:2゜で測定した。
実施例1
可視域吸収色素として、1,3−ビス〔2−(2−エチルヘキサノイルアミノ)−4,6−ジヒドロキシフェニル〕シクロブテンジイリウム−2,4−ジオラート0.4255g、同じく1−(2−エタンスルフォニルアミノ−4,6−ジヒドロキシフェニル)−3−(4−エタンスルフォニルアミノ−2,6−ジヒドロキシフェニル)シクロブテンジイリウム−2,4−ジオラート0.1341g、同じく1−〔2−(2−エチルヘキサノイルアミノ)−4,6−ジヒドロキシフェニル〕−3−(5−ヒドロキシ−1−メチル−3−プロピルー1H−ピラゾール−4−イル)シクロブテンジイリウム−2,4−ジオラート0.3182g、同じく1−(5−ヒドロキシ−1−メチル−3−プロポキシ−1H−ピラゾール−4−イル)−3−(5−ヒドロキシ−1−メチル−3−プロピル−1H−ピラゾール−4−イル)シクロブテンジイリウム−2,4−ジオラート0.2152g、及び同じく「ダイヤレジンイエローL3G」(三菱化学(株)製)0.5631gを、トルエン139.7gとジメトキシエタン153.9gの混合溶剤に溶解した溶液と、バインダー樹脂としてのアクリル系樹脂(三菱レイヨン(株)製「ダイヤナールBR―80」、ガラス転移温度105℃、重量平均分子量95,000)の30%ジメトキシエタン溶液406.5gとを混合した塗布液を、透明基材としてのポリエチレンテレフタレートフィルム(厚み100μm)表面にバーコーターで塗布し、乾燥させることにより、厚み7.3μmの可視域吸収色素含有樹脂層Aを形成した。
得られた可視域吸収色素含有樹脂層A表面に、近赤外域吸収色素として、「CIR−1085」(日本カーリット(株)製)9.8683g、及び同じくニッケル(2+),トリス[7−シクロヘキサンカルボキシアミド−5−[[4−(ジ-n- ペンチルアミノ)−2−メチルフェニル]イミノ]−8(5H)−キノリン−N1,O8]−,ビス[ヘキサフルオロホスフェート(1−)]4.3709g、並びに、バインダー樹脂としてのアクリル系樹脂(日立化成(株)製「OZ1100」)200.00gを、トルエン392.88gと2−ブタノン392.88gの混合溶媒に溶解させた塗布液を、バーコーターで塗布し、乾燥させることにより、厚み8.2μmの近赤外域吸収色素含有樹脂層Bを形成して、透明基材/可視域吸収色素含有樹脂層A/近赤外域吸収色素含有樹脂層Bの3層構成の積層体となし、光学フィルターを製造した。
その際の色素含有樹脂層Aにおけるバインダー樹脂の、色素含有樹脂層B形成時の塗布液の溶剤に対する溶解速度を測定し、結果を表1に示した。又、得られた光学フィルターについて、色素含有樹脂層Bの表面粗さ、光線透過率、並びに色調を測定し、結果を表1に示した。
参考例1
実施例1において、透明基材/可視域吸収色素含有樹脂層Aの積層体と、透明基材/近赤外域色素含有樹脂層Bの積層体とを作製し、両者を粘着剤層を介して積層し、透明基材/可視域吸収色素含有樹脂層A/粘着剤層/透明基材/近赤外域色素含有樹脂層Bの5層構成の積層体となした外は、実施例1と同様にして光学フィルターを製造した。得られた光学フィルターについて、光線透過率、及び色調を測定し、結果を表1に示した。
比較例1
実施例1において、色素含有樹脂層Aと色素含有樹脂層Bとの形成順序を入れ替えて、透明基材/近赤外域吸収色素含有樹脂層B/可視域吸収色素含有樹脂層Aの3層構成の積層体となした外は、実施例1と同様にして光学フィルターを製造した。その際の色素含有樹脂層Bにおけるバインダー樹脂の、色素含有樹脂層A形成時の塗布液の溶剤に対する溶解速度を測定し、結果を表1に示した。又、得られた光学フィルターについて、色素含有樹脂層Aの表面粗さ、光線透過率、並びに色調を測定し、結果を表1に示した。
参考例2
比較例1において、透明基材/近赤外域吸収色素含有樹脂層Bの積層体と、透明基材/可視域吸収色素含有樹脂層Aの積層体とを作製し、両者を粘着剤層を介して積層し、透明基材/近赤外域吸収色素含有樹脂層B/粘着剤層/透明基材/可視域吸収色素含有樹脂層Aの5層構成の積層体となした外は、実施例1と同様にして光学フィルターを製造した。得られた光学フィルターについて、光線透過率、及び色調を測定し、結果を表1に示した。
Figure 2005338718
本発明の光学フィルターは、透明基材表面に、複数の色素含有樹脂層同士が接した状態で形成され、且つ、所望の色調、吸収特性等の光学特性が発現されると共に、表面粗度も小さい積層体を含む光学フィルターであって、陰極管表示装置(CRT)、プラズマディスプレイ(PDP)、エレクトロルミネッセンスディスプレイ(ELD)、液晶ディスプレイ(LCD)、蛍光表示管、電解放射型ディスプレイ(FED)等の蛍光を利用する画像表示装置に好適に使用することができる。

Claims (8)

  1. 透明基材、及び、その透明基材表面に形成され、色素及びバインダー樹脂を含有する色素含有樹脂層A、及び、その色素含有樹脂層A表面に形成され、色素含有樹脂層Aに含有される色素とは化学構造上異なる色素及びバインダー樹脂を含有する色素含有樹脂層Bからなり、且つ、色素含有樹脂層B表面の表面粗さRaが400Å以下である積層体を含むことを特徴とする光学フィルター。
  2. 積層体の色素含有樹脂層Aと色素含有樹脂層Bにおけるいずれかの色素が、近赤外域吸収色素である請求項1に記載の光学フィルター
  3. 積層体の色素含有樹脂層Aと色素含有樹脂層Bとの合計厚みが、透明基材の厚みの100%以下である請求項1又は2に記載の光学フィルター。
  4. 800〜1,200nmの波長域の平均光線透過率が15%以下である請求項1乃至3のいずれかに記載の光学フィルター。
  5. 560〜620nmの波長範囲に光線透過率が0.01〜80%の極大吸収を有する請求項1乃至4のいずれかに記載の光学フィルター。
  6. 透明基材表面に、色素及びバインダー樹脂を含む溶剤塗布液を塗布し、乾燥させて色素含有樹脂層Aを形成し、次いで、その色素含有樹脂層A表面に、色素含有樹脂層Aにおける色素とは化学構造上異なる色素及びバインダー樹脂を含む溶剤塗布液を塗布し、乾燥させて色素含有樹脂層Bを形成することによって積層体となし、該積層体を含む光学フィルターを製造する方法であって、色素含有樹脂層Aにおけるバインダー樹脂と、色素含有樹脂層B形成時の塗布液の溶剤とを、前者樹脂の後者溶剤に対する溶解速度が6.0μm/分以下の関係を有するように選択することを特徴とする光学フィルターの製造方法。
  7. 色素含有樹脂層Aにおけるバインダー樹脂をアクリル系樹脂とし、色素含有樹脂層B形成時の塗布液の溶剤を、ケトン系溶剤、エーテル系溶剤、及び芳香族炭化水素系溶剤からなる群より選択された1種以上とする請求項6に記載の光学フィルターの製造方法。
  8. 色素含有樹脂層Aにおけるバインダー樹脂としてのアクリル系樹脂が、炭素数1〜6のアルキルアルコールの(メタ)アクリル酸エステルに由来する構成繰返し単位、又は、多環性脂環式アルコールの(メタ)アクリル酸エステルに由来する構成繰返し単位のいずれか1種以上の構成繰返し単位を含むものである請求項7に記載の光学フィルターの製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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