JP6484925B2 - 反射防止フィルム、反射防止フィルム付偏光板及びそれを具備した透過型液晶ディスプレイ - Google Patents

反射防止フィルム、反射防止フィルム付偏光板及びそれを具備した透過型液晶ディスプレイ Download PDF

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Description

本発明はディスプレイなどの表面、およびタッチパネルの偏光板の間に存在するエアギャップ層において、外光が反射することを防止することを目的として設けられる反射防止フィルム、反射防止フィルム付偏光板、及びそれを具備した透過型液晶ディスプレイに関する。
一般にディスプレイは、室内外での使用を問わず、外光などが入射する環境下で使用される。この外光等の入射光は、ディスプレイ表面等において正反射され、それによる反射像が表示画像と混合することにより、画面表示品質を低下させてしまう。そのため、ディスプレイ表面等に反射防止機能を付与することは必須であり、反射防止機能の高性能化が求められている。
一般に反射防止機能は、透明支持体上に金属酸化物等の透明材料からなる高屈折率層と低屈折率層の繰り返し構造による多層構造の反射防止層を形成することで得られる。これらの多層構造からなる反射防止層は、化学蒸着(CVD)法や、物理蒸着(PVD)法といった乾式成膜法により形成することができる。乾式成膜法を用いて反射防止層を形成する場合にあっては、低屈折率層、高屈折率層の膜厚を精密に制御できるという利点がある一方、成膜を真空中でおこなうため、生産性が低く、大量生産に適していないという問題を抱えている。一方、反射防止層の形成方法として、大面積化、連続生産、低コスト化が可能である塗液を用いた湿式成膜法による反射防止膜の生産が注目されている。
近年モバイル端末の普及が進み、画像表示装置そのものを手元にて操作する場合が増えている。また、日中の屋外においては、屋内にて使用する場合よりも強い外光にさらされるため、屋外でも視認性を損なわない、低反射率の反射防止フィルムが求められている。
また、定置設置型の画像表示装置に反射防止フィルムを適応する場合、その多くは、固定光源からの反射光を低減することが前提となっている。これは、外光の入射角が変化しないことを意味する。これに対しモバイル端末の場合、屋外での使用や手元での操作があるため、外光の入射が様々な角度から入射し、さらに、視聴者も様々な角度でディスプレイを観察する場合が多くなる。よって、モバイル端末に対して反射防止フィルムを適応しようとした場合、正面からの反射光のみではなく、あらゆる入射角の光源に対しての反射光、特に反射光の色味について検討する必要がある。現状、反射防止フィルムの多くは、定置設置型の画像表示装置に対応した設計となっているため、外光の入射角と反射角が変化することを想定していないフィルム設計となっていることが多い。
様々な角度から入射する外光の反射光に対しても色味が付くことを低減する反射防止フィルムを実現する手法の一つとして、光学多層膜を用いる手法がある。屈折率の異なる複数の層から構成され、通常、光学2層であれば透明支持体の屈折率よりも高屈折率である高屈折率層、透明支持体の屈折率よりも低屈折率な低屈折率層の順に積層したものを指し、光学3層であれば前記光学2層品における、透明支持体と高屈折率層の間に中屈折率層を設けた構成となるのが一般的である。また、高屈折率層と低屈折率層の層数を任意の数だけ増やした多層光学膜の層構成を使用することも原理上可能である。しかし、層数を増加させる場合、面性(膜厚ムラ)の劣化が課題となってくる。各層の膜厚ムラが少なくても、それらを積層していくにつれ、各層の膜厚ムラが重なり合い、全体としての膜厚ムラが大きくなってしまう。さらに、層数を増やすにつれ、各層の膜厚変化による積層体においての反射光の色相への影響が大きくなるため、膜厚ムラの抑制が重要となる。さらに反射率を低減していくにつれ、反射率が高い場合、反射光により見え辛くなっていた膜厚ムラが明確化してしまう。膜厚ムラを抑えるために、レベリング性付与に添加剤を通常用いるが、積層体における中間層ではリコート性の問題から、使用できる添加剤が制限されてしまう。また、層数を増やすことによりコストも増加してしまうため、前述した光学2層品または3層品が好適であるといえる。いずれの構成の場合でも透明支持体の屈折率よりも高屈折率な高屈折率層を積層することは必須である。また、前記高屈折率層に用いられる材料として、無機微粒子を用いる場合がほとんどである。(特許文献1)(特許文献2)
特開2005−283872号公報 特開2005−316350号公報
しかしながら、高屈折率層に無機微粒子を用いて屈折率の向上を図る場合、無機微粒子を膜として固定するためのバインダー樹脂を用いる。高屈折率層の屈折率を高くするには無機微粒子の使用割合を増やすことで対応できるが、高屈折率層の膜強度や膜均一性の悪化、塗液の安定性など悪影響が出るため、反射防止フィルムとしての品質を考慮した場合、無機微粒子の使用割合の上限が決まってしまい反射防止膜の光学設計の自由度を損なうという問題がある。
本発明の目的は、優れた反射防止機能を有し、正面からの反射光の反射率や色相を低減するとともに、様々な角度から入射する外光の反射光に対しても色味を低減することができ、また、膜厚ムラが良好で、密着性の優れる反射防止フィルム、該反射防止フィルムを備える画像表示装置または液晶表示装置、該反射防止フィルムを備える偏光板および透過型液晶ディスプレイを提供することにある。
本発明の請求項1に係る発明は、透明支持体の一方の面に、ハードコート層、高屈折率層、低屈折率層を順次積層してなる反射防止フィルムであって、
前記高屈折率層は少なくとも、分子内に芳香環を有するバインダー樹脂と、フッ素含有芳香族化合物、ケイ素含有芳香族化合物のうち一つ以上から選ばれる添加剤とを含有し、
且つ、高屈折率層形成用組成物の100質量部に対して、前記バインダー樹脂が6.00質量部配合されており、形成後の高屈折率層の屈折率が1.55〜1.75の範囲であり、
且つ、前記バインダー樹脂の100質量部に対して、前記添加剤が0.17〜0.18質量部の範囲に配合されており、前記ハードコート層および前記低屈折率層は樹脂からなる層であることを特徴とする反射防止フィルム。
請求項2に係る発明は、前記バインダー樹脂が、ビスフェノールA骨格を含むことを特徴とする請求項1に記載の反射防止フィルムである。
請求項3に係る発明は、請求項1または2に記載の反射防止フィルムを用いて、前記透明支持体の他方の面側に偏光板を備えたことを特徴とする反射防止フィルム付偏光板である。
請求項4に係る発明は、請求項3に記載の反射防止フィルム付偏光板を具備したことを特徴とする透過型液晶ディスプレイである。
透明支持体の一方の面に、ハードコート層、高屈折率層、低屈折率層を順次積層してなる反射防止フィルムであって、前記高屈折率層は少なくとも、分子内に芳香環を有するバインダー樹脂と、フッ素含有芳香族化合物、ケイ素含有芳香族化合物のうち一つ以上から選ばれる添加剤とを含有し、且つ、前記バインダー樹脂の100質量部に対して、前記添加剤を0.01〜0.2質量部の範囲に配合することにより、高屈折率層の強度と均一性との両方を向上することができる。
従来用いられているアクリル系の添加剤は、リコート性は良いが、レベリング性が悪いと言う問題があり、その解決方法として添加剤の添加量を増やすことが必要であり、その結果、層中の添加剤の比率が高くなり屈折率が低下するという問題があった。
しかしながら、本発明に係る高屈折率層は、フッ素含有芳香族化合物やケイ素含有芳香族化合物を添加剤として用いることで、リコート性を付与し、且つ、これらの添加剤に対して高い相溶性を供する、分子内に芳香環を有するバインダー樹脂を選定することで、前記添加剤の配合比率を低レベルに抑制することができ。この結果、高屈折率層の屈折率を低下させることなく、膜の強度と均一性を保持することができる。
また、請求項2によれば、分子内に芳香環を有する前記バインダー樹脂として、ビスフェノールA骨格を有する樹脂を選定することで、前記フッ素含有芳香族化合物やケイ素含有芳香族化合物から選ばれる添加剤に対して、より高い相溶性を供することができる。
また、請求項3によれば、請求項1または2に記載の反射防止フィルムを用いて、前記透明支持体の他方の面側に偏光板を備えることで、優れた反射防止機能を有する偏光板を提供することができる。
上記で説明したように、本発明の反射防止フィルム、及びそれを備えた反射防止フィルム付偏光板を透過型液晶ディスプレイに具備することで、反射防止機能に加えて、正面からの反射光の色相を低減するとともに、様々な角度から入射する外光の反射光に対しても色味が付くことを低減する透過型液晶ディスプレイを提供することができる。
本発明の反射防止フィルムの一実施形態の模式断面図である。 本発明に係るハードコートフィルム付偏光板の一実施形態を示す概略断面図。 本発明に係るハードコートフィルム付偏光板を具備した透過型液晶ディスプレイを示す概略断面図。 本発明に係るハードコートフィルム付偏光板を具備した透過型液晶ディスプレイを示す概略断面図。
以下、本発明の反射防止フィルムについて詳細に説明する。
本発明の反射防止フィルムは、図1に示すように透明支持体11の一方の面に、ハードコート層12、高屈折率層13、低屈折率層13を順次積層してなる反射防止フィルム1であって、前記高屈折率層13は少なくとも、分子内に芳香環を有するバインダー樹脂と、フッ素含有芳香族化合物、ケイ素含有芳香族化合物のうち一つ以上から選ばれる添加剤とを含有し、且つ、前記バインダー樹脂の100質量部に対して、前記添加剤が0.01〜0.2質量部の範囲に配合比されていることを特徴とする。
本発明の反射防止フィルムの視感平均反射率は、0.05%以上1.00%以下の範囲内であることが好ましい。視感平均反射率が0.05%に満たない場合、高屈折率層の屈折率をより高く、低屈折率層の屈折率をより低く調整しなければならない。
しかしながら、一般に屈折率を調整するためには金属酸化微粒子やシリカ微粒子などの
屈折率調整材料の添加量を多くしなければならず、そのために微粒子の分散性の低下による面性の劣化や、膜硬度の低下を引き起こすという問題が生じる。また、視感平均反射率が1.00%より高い場合、反射防止機能劣化によるディスプレイ等に搭載した際にコントラストの低下が発生してしまう。
本発明の反射防止フィルムは、正面からの反射光の色相を低減するとともに、様々な角度から入射する外光の反射光に対しても色味が付くことを低減することができる。より具体的には、以下に示す条件を満たすことが望ましい。CIE標準光源であるC光源の波長380nmから780nmの領域における、入射角が5°から45°の範囲で、入射角と反射角が等しい反射条件における反射光の色相が、CIE1976L色空間において、−3≦a≦3、−5≦b≦5を満たすことで、外光の入射角度が変化した場合でも、反射防止フィルムの反射光の色相がニュートラルカラーとなり、これを満たすのがよい。反射光の色相は、いずれの角度においてもa=0、b=0であるほどよいため、−1≦a≦1、−1≦b≦1であれば更に好ましい。
以下、本発明に係る反射防止フィルムの層構成について詳細に説明する。
本発明の反射防止フィルム1は、一実施形態として図1に示したように、透明支持体11上にハードコート層12、高屈折率層13、低屈折率層14を順次積層した3層構成である。このとき、高屈折率層13と低屈折率層14の層数を任意の数だけ増やした多層膜の層構成とすることも可能である。
具体的には、上記各層の膜厚と屈折率を調整していくことで、反射光の色相パラメータであるa値、b値を目的のものへ合わせ込むことが出来る。本発明の反射防止フィルムは、それを構成する透明支持体11、ハードコート層12、高屈折率層13、及び低屈折率層14において、それぞれの層の屈折率の関係が、高屈折率層>ハードコート層、透明支持体>低屈折率層となることを特徴とする。このとき、ハードコート層12の屈折率が1.45〜1.55の範囲、高屈折率層13の屈折率nが1.55〜1.75の範囲、かつ低屈折率層14の屈折率nが1.25〜1.35の範囲であることが望ましい。
また、このときの各層の膜厚は、ハードコート層の膜厚が3.0〜10μmの範囲、高屈折率層の膜厚dおよび低屈折率層の膜厚dは、それぞれ下記式(1)、(2)の範囲(単位nm)であることが望ましい。
式(1) (2×λ/4)×0.8<n<(2×λ/4)×1.2
式(2) (1×λ/4)×0.9<n<(1×λ/4)×1.1
ここで、λは本発明の反射防止フィルムにおける、反射防止設計中心波長である。この波長は通常、人間が最も感知しやすい緑色の波長帯(例えば550nm)が選ばれる。
本発明におけるハードコート層及び高屈折率層及び低屈折率層の塗工方法としては、スプレー法、スクリーン印刷法、ドクターブレード法、グラビア印刷法、ダイコート法、インクジェット法等既存の塗布方法が挙げられるが、特に限定しない。
本発明に係る透明支持体11としては、透明性や光の屈折率等の光学特性、さらには耐衝撃性、耐熱性、耐久性などの諸物性を考慮して、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル系、トリアセチルセルロース、ジアセチルセルロース、セロファン等のセルロース系、6−ナイロン、6,6−ナイロン等のポリアミド系、ポリメチルメタクリレート等のアクリル系、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリイミド、ポリビニルアルコール、ポリカーボネート、エチレンビニルアルコール等の有機高分子からなるものが用いられる。特に、ポリエチレンテレフタレート、トリアセチルセルロース、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレートが好ましい。中でも、トリアセチルセルロースにあっては、複屈折率が小さく、透明性が良好であることから各種ディスプレイに対し好適に用いることができる。
さらに、これらの有機高分子に公知の添加剤、例えば、紫外線吸収剤、赤外線吸収剤、可塑剤、滑剤、着色剤、酸化防止剤、難燃剤等を添加することにより機能を付加させたものも使用できる。また、透明支持体は上記の有機高分子から選ばれる1種または2種以上の混合物、または重合体からなるものでもよく、複数の層を積層させたものであってもよい。
なお、透明支持体の厚みは20〜200μmの範囲であることが好ましく、さらには、20〜80μmの範囲であることが好ましい。
また、本発明に係るハードコート層12としては、アクリル系材料を用いることができる。アクリル系材料としては、多価アルコールのアクリル酸またはメタクリル酸エステルのような単官能、2官能または3官能以上の(メタ)アクリレート化合物、ジイソシアネートと多価アルコール及びアクリル酸またはメタクリル酸のヒドロキシエステル等から合成されるような多官能のウレタン(メタ)アクリレート化合物を使用することができる。またこれらの他にも、電離放射線型材料として、アクリレート系の官能基を有するポリエーテル樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、アルキッド樹脂、スピロアセタール樹脂、ポリブタジエン樹脂、ポリチオールポリエン樹脂等を使用することができる。
なお、本発明において「(メタ)アクリレート」とは「アクリレート」と「メタクリレート」の両方を示している。たとえば、「ウレタン(メタ)アクリレート」は「ウレタンアクリレート」と「ウレタンメタアクリレート」の両方を示している。
単官能の(メタ)アクリレート化合物としては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、アクリロイルモルフォリン、N−ビニルピロリドン、テトラヒドロフルフリールアクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、セチル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、2−エトキシエチル(メタ)アクリレート、3−メトキシブチル(メタ)アクリレート、エチルカルビトール(メタ)アクリレート、リン酸(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性リン酸(メタ)アクリレート、フェノキシ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性フェノキシ(メタ)アクリレート、プロピレンオキサイド変性フェノキシ(メタ)アクリレート、ノニルフェノール(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性ノニルフェノール(メタ)アクリレート、プロピレンオキサイド変性ノニルフェノール(メタ)アクリレート、メトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシプロピレングリコール(メタ)アクリレート、2−(メタ)アクリロイルオキシエチル−2−ヒドロキシプロピルフタレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルハイドロゲンフタレート、2−(メタ)アクリロイルオキシプロピルハイドロゲンフタレート、2−(メタ)アクリロイルオキシプロピルヘキサヒドロハイドロゲンフタレート、2−(メタ)アクリロイルオキシプロピルテトラヒドロハイドロゲンフタレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、テトラフルオロプロピル(メタ)アクリレート、ヘキサフルオロプロピル(メタ)アクリレート、オクタフルオロプロピル(メタ)アクリレート、オクタフルオロプロピル(メタ)アクリレート、2−アダマンタンおよびアダマンタンジオールから誘導される1価のモノ(メタ)アクリレートを有するアダマンチルアクリレートなどのアダマンタン誘導体モノ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
前記2官能の(メタ)アクリレート化合物としては、例えば、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、エトキシ化ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、プロポキシ化ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、エトキシ化ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレートなどのジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
前記3官能以上の(メタ)アクリレート化合物としては、例えば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エトキシ化トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、プロポキシ化トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリス2−ヒドロキシエチルイソシアヌレートトリ(メタ)アクリレート、グリセリントリ(メタ)アクリレート等のトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート等の3官能の(メタ)アクリレート化合物や、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンヘキサ(メタ)アクリレート等の3官能以上の多官能(メタ)アクリレート化合物や、これら(メタ)アクリレートの一部をアルキル基やε−カプロラクトンで置換した多官能(メタ)アクリレート化合物等が挙げられる。
アクリル系材料の中でも、所望する分子量、分子構造を設計でき、形成されるハードコート層の物性のバランスを容易にとることが可能であるといった理由から、多官能ウレタンアクリレートを好適に用いることができる。ウレタンアクリレートは、多価アルコール、多価イソシアネート及び水酸基含有アクリレートを反応させることによって得られる。具体的には、共栄社化学社製、UA−306H、UA−306T、UA−306l等、日本合成化学社製、UV−1700B、UV−6300B、UV−7600B、UV−7605B、UV−7640B、UV−7650B等、新中村化学社製、U−4HA、U−6HA、UA−100H、U−6LPA、U−15HA、UA−32P、U−324A等、ダイセルユーシービー社製、Ebecryl−1290、Ebecryl−1290K、Ebecryl−5129等、根上工業社製、UN−3220HA、UN−3220HB、UN−3220HC、UN−3220HS等を挙げることができるがこの限りではない。
またこれらの他にも、電離放射線型材料として、アクリレート系の官能基を有するポリエーテル樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、アルキッド樹脂、スピロアセタール樹脂、ポリブタジエン樹脂、ポリチオールポリエン樹脂等を使用することができ、特にその材料を限定しない。
また、電離放射線硬化型材料は紫外線により硬化されるため、ハードコート層形成用塗液には光重合開始剤を添加する。光重合開始剤としては、紫外線が照射された際にラジカルを発生するものであれば良く、例えば、アセトフェノン類、ベンゾイン類、ベンゾフェノン類、ホスフィンオキシド類、ケタール類、アントラキノン類、チオキサントン類を用いることができる。また、光重合開始剤の添加量は、電離放射線硬化型材料100重量部に対して0.1重量部〜10重量部、好ましくは1重量部〜7重量部、更に好ましくは1重量部〜5重量部である。
さらに、ハードコート層形成用塗液には、必要に応じて、溶媒や各種添加剤を加えることができる。溶媒としては、トルエン、キシレン、シクロヘキサン、シクロヘキシルベンゼンなどの芳香族炭化水素類、n−ヘキサンなどの炭化水素類、ジブチルエーテル、ジメトキシメタン、ジメトキシエタン、ジエトキシエタン、プロピレンオキシド、ジオキサン、ジオキソラン、トリオキサン、テトラヒドロフラン、アニソールおよびフェネトール等のエーテル類、また、メチルイソブチルケトン、メチルブチルケトン、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、ジプロピルケトン、ジイソブチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノン、およびメチルシクロヘキサノン等のケトン類、また蟻酸エチル、蟻酸プロピル、蟻酸n−ペンチル、酢酸メチル、酢酸エチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、酢酸n−ペンチル、およびγ−プチロラクトン等のエステル類、さらには、メチルセロソルブ、セロソルブ、ブチルセロソルブ、セロソルブアセテート等のセロソルブ類、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ブタノール等のアルコール類の中から塗工適正等を考慮して適宜選択される。また、塗液には添加剤として、表面調整剤、屈折率調整剤、密着性向上剤、硬化剤等を加えることもできる。
また、ハードコート層形成用塗液にはその他添加剤を加えても良い。添加剤としては、例えば泡消剤、レベリング剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、重合禁止剤などが挙げられる。
本発明に係る高屈折率層13としては、少なくとも、分子内に芳香環を有するバインダー樹脂と、フッ素含有芳香族化合物、ケイ素含有芳香族化合物のうち一つ以上から選ばれる添加剤とを含有してなり、他に、金属微粒子、シランカップリング剤や有機微粒子を添加したものを用いることができる。これらの成分は要求される屈折率により適宜選択され、材料の組み合わせ、混合比などにより屈折率を調整する。
前記バインダー樹脂としては、屈折率が1.50以上の樹脂が好ましく、例えば、フェノール樹脂(ビスフェノールA・ビスフェノールF・ビスフェノールS等)、オキセタン樹脂等が挙げられる。
上記の芳香環を含有する樹脂の中では、ビスフェノールA含有のアクリレートが好適に用いられる。具体的には、EO変性ビスフェノールAジアクリレートやPO変性ビスフェノールAジアクリレートなどを用いることができる。
これに加え、ハードコート層形成用塗液に含まれる電離放射線硬化型材料として例示したアクリル系材料を混合し併用することができる。アクリル系材料としては、多価アルコールのアクリル酸またはメタクリル酸エステルのような多官能または多官能の(メタ)アクリレート化合物、ジイソシアネートと多価アルコール及びアクリル酸またはメタクリル酸のヒドロキシエステル等から合成されるような多官能のウレタン(メタ)アクリレート化合物を使用することができる。またこれらの他にも、電離放射線型材料として、アクリレート系の官能基を有するポリエーテル樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、アルキッド樹脂、スピロアセタール樹脂、ポリブタジエン樹脂、ポリチオールポリエン樹脂等を使用することができる。
前記金属微粒子や有機微粒子を添加する場合、Ti、Ta、Zr、In、Znなどの金属アルコキシドや、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛、酸化インジウム、酸化アンチモンなどの金属微粒子を用いることができる。特に酸化アンチモンが好適に用いられる。
希釈溶媒として用いられるものは、特に限定されないが、組成物の安定性、ハードコート層に対する濡れ性、揮発性などを考慮して、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、2−メトキシエタノール等のアルコール類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチル等のケトン類、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類、ジイソプロピルエーテル等のエーテル類、エチレングリコール、プロピレングリコール、ヘキシレングリコール等のグリコール類、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、エチルカルビトール、ブチルカルビトール等のグリコールエーテル類、ヘキサン、ヘプタン、オクタン等の脂肪族炭化水素類、ハロゲン化炭化水素、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素、N−メチルピロリドン、ジメチルホルムアミド等が挙げられる。また、溶媒は1種類のみならず2種類以上の混合物として用いることも可能である。
また、塗膜の膜厚ムラを防ぐために添加剤を加えることが望ましい。中間層に使用する添加剤はアクリル系などの比較的表面エネルギーの低化能が低く、塗膜表面に偏在しづらい添加剤が用いられる。しかし、アクリル系の添加剤はリコート性は良いがレベリング性が弱く、膜厚ムラを抑制するためには添加量を多くしなければならない。そのため、添加剤の比率が高くなり屈折率が低くなってしまう。本発明において用いられる添加剤はフッ素またはシリコンの少なくとも一方と芳香環を分子内に含有することを特徴としている。
一般に、フッ素やシリコンは表面エネルギー低下能が高く、レベリング性に優れている。しかし、通常フッ素やシリコンを含む添加剤を中間層に用いると、リコート性が悪く、上層が弾いてしまい塗工することが困難である。添加剤の分子内に芳香環を含有することで本発明において特徴としている同様に分子内に芳香環を含有するバインダーとの相溶性が良くなる。そのため、塗液中では溶剤比率が高いため、添加剤が塗膜表面に偏在し、レベリング性を発揮し、乾燥過程にて溶剤が揮発することで溶剤比率よりバインダー比率が高くなり、添加剤がバインダー内部に取り込まれ表面への偏在が少なくなり、上層を塗工した際の弾きが抑制される。また、添加剤の分子内に屈折率の低いフッ素が含まれていても、屈折率の高い芳香環を含有することで添加剤自体の屈折率が上がり、添加剤による高屈折率層の屈折率低下も抑制することができる。
フッ素またはシリコンの少なくとも一方と芳香環を分子内に含有する添加剤の添加量はバインダー樹脂100重量部に対し、0.05〜0.2重量部が望ましい。添加量が0.05重量部に満たない場合、レベリング性が弱く、膜厚ムラを抑制することができない。一方、添加量が0.2重量部より多い場合、リコート性が悪く、高屈折率層上に低屈折率層を積層する際にハジキが発生してしまう。
本発明に係る低屈折率層14としては、低屈折粒子としては、LiF、MgF、3NaF・AlFまたはAlF(いずれも、屈折率1.4)、または、NaAlF(氷晶石、屈折率1.33)等の低屈折材料からなる低屈折率粒子を用いることができる。また、粒子内部に空隙を有する粒子を好適に用いることができる。粒子内部に空隙を有する粒子にあっては、空隙の部分を空気の屈折率(≒1)とすることができるため、非常に低い屈折率を備える低屈折率粒子とすることができる。具体的には、内部に空隙を有する低屈折率シリカ粒子を用いることができる。
前記低屈折率粒子としては、粒径が1nm以上100nm以下であることが好ましい。粒径が100nmを超える場合、レイリー散乱によって光が著しく反射され、低屈折率層が白化して反射防止フィルムの透明性が低下する傾向にある。一方、粒径が1nm未満の場合、粒子の凝集による低屈折率層における粒子の不均一性等の問題が生じる。
低屈折率層14を形成するためのバインダマトリックス形成材料としては電離放射線硬化型材料を含む。電離放射線硬化型材料としては、ハードコート層形成用塗液に含まれる電離放射線硬化型材料として例示したアクリル系材料を用いることができる。アクリル系材料としては、多価アルコールのアクリル酸またはメタクリル酸エステルのような多官能または多官能の(メタ)アクリレート化合物、ジイソシアネートと多価アルコール及びアクリル酸またはメタクリル酸のヒドロキシエステル等から合成されるような多官能のウレタン(メタ)アクリレート化合物を使用することができる。またこれらの他にも、電離放射線型材料として、アクリレート系の官能基を有するポリエーテル樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、アルキッド樹脂、スピロアセタール樹脂、ポリブタジエン樹脂、ポリチオールポリエン樹脂等を使用することができる。
本発明に係る反射防止フィルム1は、ディスプレイ部材、画像装置の一部として好適に用いることができる。以下、その応用例として、反射防止フィルム付偏光板の一実施形態について図2に基づき説明する。
図2に示すように、反射防止フィルム付偏光板200は、反射防止フィルム1と偏光板2とを備えている。具体的には、反射防止フィルム1を構成する透明基材11のハードコート層12が形成されていない面側に、偏光層23および透明基材21からなる偏光板2が配置されている。すなわち、透明基材11の一方の面(図2では上面)に、ハードコート層12、高屈折率層13、低屈折率層14が積層されており、透明基材11のもう一方の面(図2では下面)に、透明基材11側から順に、偏光層23および透明基材21が積層されている。
次に、前記反射防止フィルム付偏光板を具備した透過型液晶ディスプレイの一実施形態について、以下に説明する。
図3に示すように、透過型液晶ディスプレイ300は、反射防止フィルム付偏光板200aと、液晶セル3と、偏光板4と、バックライトユニット5とを備え、該反射防止フィルム付偏光板200aにおいて、反射防止フィルム1が形成されている面とは反対の面側に、液晶セル3と、偏光板4と、バックライトユニット5とがこの順に保持されている。
液晶セル3は、反射防止フィルム付偏光板200aにおいて、透明基材11に対してハードコート層12が形成された側とは反対側に保持されている。反射防止フィルム付偏光板200aは、反射防止フィルム1と、該反射防止フィルム1の透明基材11側に偏光板2aを備えている。偏光板2aは、透明基材11側から順に、透明基材22と偏光層23と透明基材21とが積層されたものである。液晶セル3は、反射防止フィルム付偏光板200aのハードコート層12が形成されている面とは反対の面側、すなわち、透明基材21側に保持されている。このとき、透過型液晶ディスプレイ300において、反射防止フィルム1側が観察側、すなわち、ディスプレイ表面となる。
透過型液晶ディスプレイ300は、反射防止フィルム1の透明基材11と、偏光板2aの透明基材22とを別々に備える。
バックライトユニット5は、光源と光拡散板と(図示しない)を備える。液晶セル3は、図示しないが、一方の透明基材に電極が設けられ、もう一方の透明基材に電極およびカラーフィルタを備えており、両電極間に液晶が封入された構造となっている。液晶セル3を挟むように設けられる偏光板2aにおいては、透明基材21と、透明基材22との間に偏光層23が挟持され、偏光板4においては、透明基材41と、透明基材42との間に偏光層43が挟持された構造となっている。
また、本発明に係る透過型液晶ディスプレイは、図4に示すような(図3とは異なる)反射防止フィルム付偏光板200を備えた形態も可能である。
図4に示す透過型液晶ディスプレイ400は、反射防止フィルム付偏光板200と、液晶セル3と、偏光板4と、バックライトユニット5とを備え、該反射防止フィルム付偏光板200において、反射防止フィルムが形成されている面とは反対の面側に、液晶セル3と、偏光板4と、バックライトユニット5とがこの順に保持されている。反射防止フィルム付偏光板200は、反射防止フィルム1と、該反射防止フィルム1の透明基材11側に偏光板2を備えている。偏光板2は、透明基材11側から順に、偏光層23と透明基材21とが積層されたものである。液晶セル3は、反射防止フィルム付偏光板200の低屈折率層14が形成されている面とは反対の面側、すなわち、透明基材21側に保持されている。このとき、透過型液晶ディスプレイ400において、ハードコートフィルム1側が観察側、すなわち、ディスプレイ表面となる。
透過型液晶ディスプレイ400は、反射防止フィルム1のハードコート層12が形成されていない面、すなわち、透明基材11面に、偏光板2として、偏光層23と透明基材22とがこの順に設けられている。
透過型液晶ディスプレイ300と同様に、バックライトユニット5は、光源と光拡散板と(図示しない)を備える。液晶セル3は、図示しないが、一方の透明基材に電極が設けられ、もう一方の透明基材に電極およびカラーフィルタを備えており、両電極間に液晶が封入された構造となっている。液晶セル3を挟むように設けられる偏光板2(反射防止フィルム付偏光板200の一部)においては透明基材21と、透明基材11との間に偏光層23が挟持され、偏光板4においては、透明基材41と、透明基材42との間に偏光層43が挟持された構造となっている。
なお、本発明の透過型液晶ディスプレイ300および400は、他の機能性部材を備えていてもよい。他の機能性部材としては、例えば、バックライトから発せられる光を有効に使うための、拡散フィルム、プリズムシート、輝度向上フィルムや、液晶セルや偏光板の位相差を補償するための位相差フィルム等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
以下、本発明について実施例を基づきより具体的に説明する。
<実施例1>
「ハードコート層の形成」
透明支持体としては、厚さ80μmのトリアセチルセルロースフィルムを用い、下記組成のハードコート層形成用組成物をバーコーティング法により乾燥後の膜厚が5μmになるように塗工、乾燥させた。その後、酸素濃度1000ppmの雰囲気下で、高圧水銀灯により300mJ/cmの紫外線を照射してハードコート層を形成し、ハードコート層を形成した。
<ハードコート層形成用組成物>
ペンタエリスリトールトリアクリレート(PE3A) 15.00重量部
ペンタエリスリトールテトラアクリレート(PE4A) 15.00質量部
ウレタンアクリレート(UA) 25.00重量部
光重合開始剤 2.00重量部
(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製:イルガキュア184)
添加剤 0.10重量部
(ビックケミー・ジャパン社製:BYK−350)
メチルエチルケトン(MEK) 42.90重量部
「高屈折率層の形成」
次に前記ハードコート層の上に、下記組成からなる高屈折率層形成用塗液を用いて、バーコーティング法により塗工し、乾燥後の膜厚が150nmとなるように乾燥させた。その後、酸素濃度1000ppmの雰囲気下で高圧水銀灯により300mJ/cmの紫外線を照射して、高屈折率層を形成した。
<高屈折率層形成用組成物>
ビスフェノールAEO付加物ジメタクリレート 6.00重量部
(大阪有機化学製:ビスコート#700)
酸化アンチモン微粒子分散液 14.00重量部
(平均粒子径10nm、固形分25%、溶剤メチルイソブチルケトン)
光重合開始剤 0.10重量部
(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製:イルガキュア184)
添加剤 0.010重量部
(フッ素、シリコン含有芳香族オリゴマー)
メチルイソブチルケトン(MIBK) 80.00重量部
「低屈折率層の形成」
次に前記高屈折率層の上に、下記組成からなる低屈折率層形成用塗液を用いて、バーコーティング法により、乾燥後の膜厚が100nmになるように塗工、乾燥させた。その後、酸素濃度1000ppmの雰囲気下で高圧水銀灯により300mJ/cmの紫外線を照射して、低屈折率層を形成して反射防止フィルムを作製した。
<低屈折率層形成用組成物>
多孔質シリカ微粒子分散液 32.08重量部
(平均粒子径50nm、固形分20%、溶剤メチルイソブチルケトン)
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート 1.68重量部
光重合開始剤 0.07重量部
(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製:Irg.184)
レベリング剤 0.18重量部
(BYK−UV3500、ビックケミー・ジャパン社製、固形分>97%)
メチルイソブチルケトン(MIBK) 66.00重量部
<実施例2>
高屈折率層の形成に関して、酸化アンチモン微粒子分散液を15.00重量部、添加剤をフッ素含有、ビスフェノールAEO付加物ジメタクリレート0.011重量部、MIBKを79.00重量部で、膜厚を140nmとした以外は、実施例1と同様にして反射防止フィルムを作製した。
<参考例1>
高屈折率層の形成に関して、ビスフェノールAEO付加物ジメタクリレートを2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート(共栄社化学製:エポキシエステルM−600A)5.00重量部、酸化アンチモン微粒子分散液を13.00重量部、添加剤をフッ素、シリコン含有、芳香族オリゴマー0.007重量部、MIBKを82.00重量部で、膜厚を160nmとした以外は、実施例1と同様にして反射防止フィルムを作製した。
<参考例2>
高屈折率層の形成に関して、ビスフェノールAEO付加物ジメタクリレートを2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート6.00重量部、酸化アンチモン微粒子分散液を12.00重量部、添加剤をシリコン含有、芳香族オリゴマー0.005重量部、MIBKを82.00重量部で、膜厚を160nmとした以外は、実施例1と同様にして反射防止フィルムを作製した。
<比較例1>
高屈折率層の形成に関して、ビスフェノールAEO付加物ジメタクリレートを7.00重量部、酸化アンチモン微粒子分散液を17.00重量部、添加剤をアクリルオリゴマー0.013重量部、MIBKを76.00重量部にした以外は、実施例1と同様にして反射防止フィルムを作製した。
<比較例2>
高屈折率層の形成に関して、ビスフェノールAEO付加物ジメタクリレートを5.00重量部、酸化アンチモン微粒子分散液を16.00重量部、添加剤をフッ素、シリコン含有オリゴマー0.008重量部、MIBKを79.00重量部にした以外は、実施例1と同様にして反射防止フィルムを作製した。
<比較例3>
高屈折率層の形成に関して、ビスフェノールAEO付加物ジメタクリレートをペンタエリスリトールトリアクリレート(PE3A)4.00重量部、酸化アンチモン微粒子分散液を15.00重量部、添加剤をフッ素、シリコン含有、芳香族オリゴマー0.007重量部、MIBKを81.00重量部にした以外は、実施例1と同様にして反射防止フィルムを作製した。
<比較例4>
高屈折率層の形成に関して、ビスフェノールAEO付加物ジメタクリレートを7.00重量部、酸化アンチモン微粒子分散液を28.00重量部、添加剤をフッ素、シリコン含有、芳香族オリゴマー0.0005重量部、MIBKを65.00重量部にした以外は、実施例1と同様にして反射防止フィルムを作製した。
<比較例5>
高屈折率層の形成に関して、ビスフェノールAEO付加物ジメタクリレートを5.00重量部、酸化アンチモン微粒子分散液を22.00重量部、添加剤をフッ素、シリコン含有、芳香族オリゴマー0.012重量部、MIBKを73.00重量部にした以外は、実施例1と同様にして反射防止フィルムを作製した。
<比較例6>
高屈折率層の形成に関して、ビスフェノールAEO付加物ジメタクリレートを4.00重量部、酸化アンチモン微粒子分散液を17.00重量部、添加剤を芳香族オリゴマー0.007重量部、MIBKを79.00重量部にした以外は、実施例1と同様にして反射防止フィルムを作製した。
なお、実施例1、2、参考例1、2、及び比較例1〜6に用いた高屈折率層形成用組成物を以下の表1に記す。

<評価>
実施例1、2、参考例1、2、および比較例1〜6で得られた反射防止フィルムについて、以下の方法で評価を行った。その結果を以下の表2に記す。
(反射光の色相)
得られた反射防止フィルムの低屈折率層表面について、自動分光光度計(日立製作所製、U−4100)を用い、入射角5°における分光反射率を測定し、得られた分光反射率曲線から反射光の色相を求め、この色相がCIE1976L色空間において、−3≦a≦3、−5≦b≦5を満たすかどうかを判定した。なお、測定の際には透明支持体であるトリアセチルセルロースフィルムのうち低屈折率層の形成されていない面につや消し黒色塗料を塗布し、反射防止の処置をおこなった。判定基準を以下に示す。
○:目的の反射色相を満たす
×:目的の反射色相を満たさない
(膜厚ムラ)
反射防止フィルムの低屈折率層の形成されていない面につや消し黒色塗料を塗布し、目視により反射防止フィルムのムラの評価を行った。判定基準を以下に示す。
○:ムラなし
×:ムラあり
(低屈折率層ハジキ)
反射防止フィルムの低屈折率層の形成されていない面につや消し黒色塗料を塗布し、目視により低屈折率層のハジキの評価を行った。判定基準を以下に示す。
○:低屈折率層ハジキなし
×:低屈折率層ハジキあり
(密着性)
得られた反射防止フィルムの低屈折率層表面に、1マスが1mm角で10マス×10マス=100マスとなるように碁盤目状に切れ込みを入れ、粘着テープ(ニチバン社製)を用いて剥離試験をおこない、100マス部の残存率で評価した。判定基準を以下に示す。
○:すべてのマスが剥がれない
×:1マス以上剥がれあり
(耐擦傷性)
得られた反射防止フィルムの低屈折率層表面に、スチールウール(日本スチールウール社製、ボンスター#0000)を用いて、荷重250g/cmで10往復擦り、傷の有無を目視にて観察して評価した。判定基準を以下に示す。
○:傷が確認されなかった
△:傷が僅かに確認された
×:傷が確認された


実施例1、2、参考例1、2で得られた本発明品である反射防止フィルムは、耐擦傷性において参考例1、2は僅かに実施例1、2には劣ったが、全評価試験においては、いずれも良好な性能を示した。一方、比較例1〜6で得られた比較例品では、全評価試験に対して何らかの不具合が確認された。具体的には、比較例1で得られた比較例品は膜厚ムラが発生し、比較例2では低屈折率層においてハジキが発生し、良好な密着性を得られなかった。また、比較例3は低屈折率層においてハジキが発生し、良好な密着性を得られず、さらに耐擦傷性にて傷が発生した。また、比較例4は膜厚ムラが発生した。また、比較例5は低屈折率層においてハジキが発生し、良好な密着性を得られず、耐擦傷性にて傷が発生した。比較例6は膜厚ムラが発生し良好な密着性を得られなかった。
実施例から、本発明によれば、優れた反射防止機能を有し、正面からの反射光の反射率や色相を低減するとともに、様々な角度から入射する外光の反射光に対しても色味を低減することができ、また、膜厚ムラが良好で、優れた密着性を有する反射防止フィルムが得られることが実証された。
1 反射防止フィルム
11、21、22、41、42 透明支持体
12 ハードコート層
13 高屈折率層
14 低屈折率層
2、2a 偏光板
23、43 偏光層
200、200a 反射防止フィルム付偏光板
3 液晶セル
300、400 透過型液晶ディスプレイ
4 偏光板
5 バックライトユニット

Claims (4)

  1. 透明支持体の一方の面に、ハードコート層、高屈折率層、低屈折率層を順次積層してなる反射防止フィルムであって、
    前記高屈折率層は少なくとも、分子内に芳香環を有するバインダー樹脂と、フッ素含有芳香族化合物、ケイ素含有芳香族化合物のうち一つ以上から選ばれる添加剤とを含有し、
    且つ、高屈折率層形成用組成物の100質量部に対して、前記バインダー樹脂が6.00質量部配合されており、形成後の高屈折率層の屈折率が1.55〜1.75の範囲であり、
    且つ、前記バインダー樹脂の100質量部に対して、前記添加剤が0.17〜0.18質量部の範囲に配合されており、前記ハードコート層および前記低屈折率層は樹脂からなる層であることを特徴とする反射防止フィルム。
  2. 前記バインダー樹脂が、ビスフェノールA骨格を含むことを特徴とする請求項1に記載の反射防止フィルム。
  3. 請求項1または2に記載の反射防止フィルムを用いて、前記透明支持体の他方の面側に偏光板を備えたことを特徴とする反射防止フィルム付偏光板。
  4. 請求項3に記載の反射防止フィルム付偏光板を具備したことを特徴とする透過型液晶ディスプレイ。

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