JP2014026100A - 低屈折率層形成用樹脂組成物、反射防止フィルム - Google Patents
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Abstract
【課題】反射防止性能に優れる偏光板用保護フィルムすなわち反射防止フィルムを安価に提供し、かつ、反射率および耐擦傷性に優れた反射フィルムを提供する。
【解決手段】透明基材11、ハードコート層12、低屈折率層13を備えた反射防止フィルム1であって、低屈折率層形成用樹脂組成物は、少なくとも、パーフルオロアルキル基もしくはパーフルオロポリエーテル基と、ウレタン結合と、エチレン性二重結合を有する、屈折率が1.34〜1.41のフッ素化合物およびアクリレートモノマーもしくはメタクリレートレートモノマーを含有する。
【選択図】図1
【解決手段】透明基材11、ハードコート層12、低屈折率層13を備えた反射防止フィルム1であって、低屈折率層形成用樹脂組成物は、少なくとも、パーフルオロアルキル基もしくはパーフルオロポリエーテル基と、ウレタン結合と、エチレン性二重結合を有する、屈折率が1.34〜1.41のフッ素化合物およびアクリレートモノマーもしくはメタクリレートレートモノマーを含有する。
【選択図】図1
Description
本発明は耐擦傷性と反射率を両立する低屈折率層形成用樹脂組成物及び反射防止フィルムに関するものである。
近年、液晶ディスプレイやプラズマディスプレイパネル(PDP)等に代表される高精細かつ大画面ディスプレイの開発が急速に進んでいる。ディスプレイの表示面には、その視認性を高めるために、画面への蛍光灯など外光の映り込みを防止するため反射防止機能を有する反射防止層を表面に配置する必要がある。
反射防止フィルムなど光学フィルムの製造過程において、塗工方法は、大面積化、および連続生産ができ、低コスト化が可能なウエットコーティング法が注目されている。また近年、プラズマディスプレイパネルなどの光学フィルムがその一部に用いられているディスプレイを有する薄型テレビジョンなどの価格競争は極めて熾烈であり、これらに用いられる光学用フィルムのコストダウンの要求も極めて高くなってきている。
偏光板は液晶表示装置(LCD)において不可欠な光学材料である。偏光板は、一般に、偏向膜が2枚の保護フィルムによって保護されている構造をしている。
これらの保護フィルムに反射防止機能や防眩機能を付与することで大幅なコスト削減、表示装置の薄手化が可能となる。
これらの保護フィルムに反射防止機能や防眩機能を付与することで大幅なコスト削減、表示装置の薄手化が可能となる。
反射率を下げる技術としては、最表面の低屈折率層の屈折率を低下させることで、反射率を下げることが知られている。低屈折率層に微粒子を入れるなど、空隙を多くして屈折率を下げる方式が多く用いられている。
しかし、空隙が多くなると、反射防止フィルムの強度が下がり、耐擦傷性が不十分であるといった欠点を有する。この問題を改善するために、表面粗さを制御することにより、耐擦傷性の改善をすることが提案されている(特許文献1参照)。また一方で低屈折率のフッ素樹脂を用いて低反射率にすることも提案されている。(特許文献2参照)。
しかしながら、耐擦傷性能が未だ不十分である。特に、反射率を大幅に低減するために空隙を多くすると、表面粗さの制御が難しくなり、耐擦傷性が劣るという欠点が生じる。またフッ素樹脂を多くしようすると、塗膜が白化し外観が悪くなる可能性がある。
本発明にあっては、反射防止性能に優れる偏光板用保護フィルムすなわち反射防止フィルムを安価に提供することにあり、かつ、反射率および耐擦傷性に優れた反射フィルムを提供することを課題とする。
上記課題を解決するために請求項1にかかる発明としては、少なくとも、パーフルオロアルキル基もしくはパーフルオロポリエーテル基と、ウレタン結合と、エチレン性二重結合を有する、屈折率が1.34〜1.41のフッ素化合物およびアクリレートモノマーもしくはメタクリレートレートモノマーを含有することを特徴とする低屈折率層形成用樹脂組成物とした。
また、請求項2にかかる発明としては、前記エチレン性二重結合を1個のみ有することを特徴とする請求項1に記載の低屈折率層形成用樹脂組成物とした。
また、請求項3にかかる発明としては、前記フッ素化合物が、下記一般式(1)で表されることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の低屈折率層形成用樹脂組成物とした。
また、請求項4にかかる発明としては、前記エチレン性二重結合を2個以上6個以下有することを特徴とする請求項1に記載の低屈折率層形成用樹脂組成物とした。
また、請求項5にかかる発明としては、前記フッ素化合物が、下記一般式(2)で表されることを特徴とする請求項1または請求項4に記載の低屈折率層形成用樹脂組成物とした。
また、請求項6にかかる発明としては、前記フッ素化合物が、塗料のバインダー成分に対し10wt%以上50wt%以下含有することを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の低屈折率層形成用樹脂組成物とした。
また、請求項7にかかる発明としては、前記アクリレートモノマーもしくはメタクリレートモノマーが、官能基数が3以上8以下の多官能のアクリレートモノマーもしくはメタクリレートモノマーであることを特徴とする請求項1乃至請求項6に記載の低屈折率層形成用樹脂組成物とした。
また、請求項8にかかる発明としては、シリコーン系およびフッ素系の2種類のレベリング剤もしくは一分子内にシリコーン鎖とフッ素鎖を有するレベリング剤を含有することを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれか1項に記載の低屈折率層形成用樹脂組成物とした。
また、請求項9にかかる発明としては、透明基材の少なくとも一方の面に、ハードコート層が形成され、前記ハードコート層の前記透明基材に接する面の反対側の面に請求項1乃至請求項8のいずれか1項に記載の低屈折率層形成用樹脂組成物により形成される低屈折率層を有することを特徴とする反射防止フィルムとした。
また、請求項10にかかる発明としては、請求項9に記載の反射防止フィルムの前記ハードコート層および前記低屈折率層が形成された面の他方の面に偏光層および第2の透明基材を有することを特徴とする偏光板とした。
また、請求項11にかかる発明としては、請求項10に記載の偏光板を有する表示装置とした。
なお、本発明において「(メタ)アクリレート」とは「アクリレート」と「メタクリレート」の両方を示している。たとえば、「ウレタン(メタ)アクリレート」は「ウレタンアクリレート」と「ウレタンメタアクリレート」の両方を示している。
本発明の低屈折率層形成用樹脂組成物を用いることにより、反射防止性と耐擦傷性に優れる反射防止フィルムとすることができた。
最初に本発明の反射防止フィルムについて説明する。
図1に本発明の反射防止フィルムの断面模式図を示した。反射防止フィルムは透明基材11の少なくとも一方の面にハードコート層12と低屈折率層13を順に備える。透明基材11にハードコート層12を設けることにより、反射防止フィルム表面に高い表面硬度を付与することができ、耐擦傷性に優れた反射防止フィルムとすることができる。また、ハードコート層12上には低屈折率層13が設けられる。可視光領域において波長の1/4となるような光学膜厚を有する層厚の低屈折率層を設けることにより、反射防止フィルム表面に入射する外光の反射を抑制することができる。なお、ハードコート層12に導電性材料を添加することにより、ハードコート層に帯電防止性を付与してもよい。
本発明の低屈折率層形成用樹脂組成物について説明する。
本発明の低屈折率層形成用樹脂組成物にあっては、成分としてパーフルオロアルキル基もしくはパーフルオロポリエーテル基と、ウレタン結合と、エチレン性二重結合を有する、屈折率が1.34〜1.41のフッ素化合物と、(メタ)アクリレートモノマーを併用することで樹脂の強度が増し、結果的に反射率と耐擦傷性に優れた反射防止フィルムとすることができる。
本発明の低屈折率層形成用の樹脂組成物にあっては、前記フッ素化合物のエチレン性二重結合の数が、1個もしくは2個以上6個以下であることが好ましい。前記フッ素化合物のエチレン性二重結合の数が1個である場合においては、該分子内にウレタン結合を導入することにより、隣接メチレン基のプロトンが引き抜かれやすくラジカル化するため、単官能でも架橋構造が構築でき、しかも、分子中の炭素原子含有量を少なくなることから、より低い屈折率が得られるためである。また、前記フッ素化合物のエチレン性二重結合の数が2個以上6個以下である場合においては、該分子内にウレタン結合を導入することにより、隣接メチレン基のプロトンが引き抜かれやすくラジカル化するため、(メタ)アクリレートモノマーとの架橋構造が構築しやすくなり、低い屈折率で強度の高い低屈折率層が得られるためである。
本発明の低屈折率層形成用樹脂組成物にあっては、前記低屈折率層形成用樹脂組成物に含有される前記フッ素化合物の量が、前記低屈折率層形成用樹脂組成物に含有されるバインダー成分の量に対し10wt%〜50wt%であることが好ましい。ここで、前記バインダー成分の量は前記フッ素化合物の量に前記(メタ)アクリレートモノマーの量を合算したものをいう。フッ素化合物の含有量がバインダー成分の量の10wt%未満であると強度が増す効果および屈折率の低下が得られない場合があり、逆に、フッ素化合物の含有量がバインダー成分の量の50wt%を超えると、強度で(メタ)アクリレートモノマーに劣る前記フッ素化合物が支配的となり、耐擦傷性が低下してしまう場合がある。
本発明の低屈折率層形成用樹脂組成物にあっては、前記(メタ)アクリレートモノマーとしては、官能基数が3〜8の多官能の(メタ)アクリレートモノマーを使用することが好ましい。単官能および2官能の(メタ)アクリレートモノマーであると低屈折率層の硬さが得られず、耐擦傷性が低下してしまう場合がある。また、(メタ)アクリレートモノマーは官能基数が増えると屈折率が高くなることから、上記の数よりも官能基数が多くなる場合低屈折率層形成用樹脂としての用途に適さなくなる場合がある。
さらに、低屈折率層形成用の塗液には、必要に応じて、溶媒や各種添加剤を加えることができる。溶媒としては、トルエン、キシレン、シクロヘキサン、シクロヘキシルベンゼンなどの芳香族炭化水素類、n−ヘキサンなどの炭化水素類、ジブチルエーテル、ジメトキシメタン、ジメトキシエタン、ジエトキシエタン、プロピレンオキシド、ジオキサン、ジオキソラン、トリオキサン、テトラヒドロフラン、アニソールおよびフェネトール等のエーテル類、また、メチルイソブチルケトン、メチルブチルケトン、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、ジプロピルケトン、ジイソブチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノン、およびメチルシクロヘキサノン等のケトン類、また蟻酸エチル、蟻酸プロピル、蟻酸n−ペンチル、酢酸メチル、酢酸エチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、酢酸n−ペンチル、およびγ−プチロラクトン等のエステル類、さらには、メチルセロソルブ、セロソルブ、ブチルセロソルブ、セロソルブアセテート等のセロソルブ類等の中から塗工適正等を考慮して適宜選択される。また、塗液には添加剤として、表面調整剤、屈折率調整剤、密着性向上剤、硬化剤等を加えることもできる。
また、低屈折率層形成用の塗液にはその他添加剤を加えても良い。添加剤としては、例えば泡消剤、レベリング剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、重合禁止剤などが挙げられる。
また、低屈折率層形成用の塗液には、導電性材料を添加してもよい。ハードコート層形成用塗液に導電性材料を添加することにより、得られる反射防止フィルムに帯電防止性能を付与することができる。導電性材料としては、四級アンモニウム塩材料、金属酸化物粒子、導電性高分子等を用いることができる。
導電性材料である四級アンモニウム塩材料としては、四級アンモニウム塩材料を官能基として分子内に含む材料を好適に用いることができる。四級アンモニウム塩材料は−N+ X−の構造を示し、四級アンモニウムカチオンとアニオンを備えることによりハードコート層に導電性を発現させる。また、導電性材料として用いられる金属酸化物粒子としては、酸化ジルコニウム、アンチモン含有酸化スズ(ATO)、リン含有酸化スズ(PTO)、スズ含有酸化インジウム、酸化アルミニウム、酸化セリウム、酸化亜鉛、アルミニウム含有酸化亜鉛、酸化スズ、アンチモン含有酸化亜鉛及びインジウム含有酸化亜鉛から選択される1種又は2種以上の金属酸化物を主成とする導電性を有する金属酸化物粒子を用いることができる。また、導電性材料として用いられる導電性高分子としては、ポリアセチレン、ポリアニリン、ポリチオフェン、ポリピロール、ポリフェニレンサルファイド、ポリ(1,6−ヘプタジイン)、ポリビフェニレン(ポリパラフェニレン)、ポリパラフィニレンスルフィド、ポリフェニルアセチレン、ポリ(2,5−チエニレン)及びこれらの誘導体から選ばれる1種または2種以上の混合物を用いることができる。
加えて平滑性、かつ滑り性を付与するレベリング剤がシリコーン系、フッ素系の2種類のレベリング剤もしくは一分子内にフッ素鎖とシリコーン鎖を持つフッ素シリコーン系のレベリング剤を使用することが好ましい。シリコーン系レベリング剤だけでは、屈折率があがってしまう場合がある。一方でフッ素系レベリング剤だけでは滑り性が足りず耐SW性が低下してしまう場合がある。
さらに詳細に本発明の低屈折率層形成用樹脂組成物および反射防止フィルムについて説明する。
まず、本発明の低屈折率層形成用樹脂組成物の内容について説明する。
本発明の低屈折率層形成用樹脂におけるフッ素化合物は、パーフルオロアルキル基もしくはパーフルオロポリエーテル基と水酸基を有する化合物と、イソシアネート基及び(メタ)アクリロイル基を有する化合物を反応させることによって得られる。パーフルオロアルキル基もしくはパーフルオロポリエーテル基と水酸基を有する化合物としては、フッ素化合物の有するエチレン性二重結合が1個のみである場合においては、例えば下記一般式(3)等で表される化合物があり、フッ素化合物の有するエチレン性二重結合が2個以上6個以下である場合においては、例えば下記一般式(4)や(5)等で表される化合物がある。一般式中のRaは炭化水素基、Rfはパーフルオロアルキル基またはパーフルオロポリエーテル基、Aは水素またはフッ素またはメチル基を表す代替記号である。各記号はそれぞれ独立しており、RaおよびRfは一部に環状構造や枝分かれ構造を有していてもよい。また、Rfに含まれるフッ素の一部が水素またはメチル基または水酸基に置換されてもよい。また、Raに含まれる水素の一部が水酸基に置換されてもよい。イソシアネート基およびアクリル基を有する化合物としては、例えば一般式(6)であらわされる化合物がある。
一般式(2)で表される化合物として具体的には、2−パーフルオロブチルエタノール、3−パーフルオロブチルプロパノール、6−パーフルオロブチルヘキサノール、2−パーフルオロヘキシルエタノール、4−パーフルオロヘキシルブタノール、6−パーフルオロヘキシルヘキサノール、2−パーフルオロブチルプロパノール、3−パーフルオロブチルヘキサノール、2H−ヘキサフルオロ−2−プロパノール、1H,1H,7H−ドデカフルオロヘプタノール、3−パーフルオロブトキシプロパノール、2−パーフルオロヘキソキシエタノール、6−ヒドロパーフルオロヘキソキシ−3−プロパノール、3−パーフルオロブトキシプロパノール、2−パーフルオロプロポキシ−2,3,3,3−テトラフルオロプロパノール、1H,1H−ジヒドロパーフルオロデシルメタノール、1H,1H,3H−ヘキサフルオロブタノール、6−パーフルオロ−1−メチルエチルヘキサノール、3,4−ジパーフルオロプロピル−3,4−ジフルオロブタノール、1H,1H−ジヒドロパーフルオロシクロヘキシルメタノール、2−パーフルオロシクロペンチルプロパノール、2−パーフルオロブチルヘキサノール、1H,1H,8H,8H−テトラヒドロパーフルオロトリエチレングリコールモノメチルエーテル、6−ヒドロパーフルオロヘキシル−4−ブタノール、1H,1H−2,5−ジトリフルオロメチル−3,6−ジオキサウンデカフルオロノナノール、2,2,2−トリパーフルオロプロピルエタノール、1H,1H,11H,11H−テトラヒドロパーフルオロテトラエチレングリコールモノメチルエーテル等を挙げられるがこの限りではない。
一般式(3)で表される化合物として具体的には、昭和電工社製、カレンズAOI(2−アクリロイルオキシエチルイソシアナート)、カレンズMOI(2−メタクリロイルオキシエチルイソシアナート)、4−アクリロイルオキシブチルイソシアナート等を挙げられるがこの限りではない。
上記反応を経て本発明記載のフッ素化合物が得られる。フッ素化合物の有するエチレン性二重結合が1個のみである場合においては、一般式(1)が得られる。具体的には、例えば一般式(7)〜(10)等を挙げられるがこの限りではない。また、フッ素化合物の有するエチレン性二重結合が2個以上6個以下である場合においては、一般式(2)が得られる。具体的には、例えば一般式(11)〜(13)等を挙げられるがこの限りではない。
また、本発明の低屈折率層形成用樹脂における(メタ)アクリレートモノマーとしては、例えば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エトキシ化トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、プロポキシ化トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリス2−ヒドロキシエチルイソシアヌレートトリ(メタ)アクリレート、グリセリントリ(メタ)アクリレート等のトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート等の3官能の(メタ)アクリレート化合物や、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンヘキサ(メタ)アクリレート等の3官能以上の多官能(メタ)アクリレート化合物や、これら(メタ)アクリレートの一部をアルキル基やε−カプロラクトンで置換した多官能(メタ)アクリレート化合物等が挙げられる。
また、これら電離放射線硬化型材料は紫外線により硬化されるため、低屈折率層形成用塗液には光重合開始剤が添加される。光重合開始剤としては、紫外線が照射された際にラジカルを発生するものであれば良く、例えば、アセトフェノン類、ベンゾイン類、ベンゾフェノン類、ホスフィンオキシド類、ケタール類、アントラキノン類、チオキサントン類を用いることができる。また、光重合開始剤の添加量は、電離放射線硬化型材料100wt%に対して0.1wt%〜10wt%、好ましくは1wt%〜7wt%、更に好ましくは1wt%〜5wt%である。
次に、本発明における反射防止フィルムの形成方法について説明する。
本発明の反射防止フィルムにおける透明基材としては、種々の有機高分子からなるフィルムまたはシートを用いることができる。例えば、ディスプレイ等の光学部材に通常使用される基材が挙げられ、透明性や光の屈折率等の光学特性、さらには耐衝撃性、耐熱性、耐久性などの諸物性を考慮して、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル系、トリアセチルセルロース、ジアセチルセルロース、セロファン等のセルロース系、6−ナイロン、6,6−ナイロン等のポリアミド系、ポリメチルメタクリレート等のアクリル系、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリイミド、ポリビニルアルコール、ポリカーボネート、エチレンビニルアルコール等の有機高分子からなるものが用いられる。特に、ポリエチレンテレフタレート、トリアセチルセルロース、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレートが好ましい。中でも、トリアセチルセルロースにあっては、複屈折率が小さく、透明性が良好であることから液晶ディスプレイに対し好適に用いることができる。なお、透明基材の厚みは25μm以上200μm以下の範囲内にあることが好ましい。
さらに、これらの有機高分子に公知の添加剤、例えば、紫外線吸収剤、赤外線吸収剤、可塑剤、滑剤、着色剤、酸化防止剤、難燃剤等を添加することにより透明基材に機能を付加させたものも使用できる。また、透明基材は上記の有機高分子から選ばれる1種または2種以上の混合物、または重合体からなるものでもよく、複数の層を積層させたものであってもよい。
次にハードコート層の形成方法について説明する。
次に、ハードコート層の形成方法について述べる。ハードコート層は、電子放射線硬化型材料を含むハードコート層形成用塗液を透明基材上に塗布し、透明基材上に塗膜を形成し、該塗膜に対し、必要に応じて乾燥をおこない、その後、紫外線、電子線といった電離放射線を照射することにより電離放射線硬化型材料の硬化反応をおこなうことにより、ハードコート層とすることができる。
ハードコート層を形成するための電離放射線硬化型材料としては、アクリル系材料を用いることができる。アクリル系材料としては、多価アルコールのアクリル酸またはメタクリル酸エステルのような多官能または多官能の(メタ)アクリレート化合物、ジイソシアネートと多価アルコール及びアクリル酸またはメタクリル酸のヒドロキシエステル等から合成されるような多官能のウレタン(メタ)アクリレート化合物を使用することができる。またこれらの他にも、電離放射線型材料として、アクリレート系の官能基を有するポリエーテル樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、アルキッド樹脂、スピロアセタール樹脂、ポリブタジエン樹脂、ポリチオールポリエン樹脂等を使用することができる。
単官能の(メタ)アクリレート化合物としては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、アクリロイルモルフォリン、N−ビニルピロリドン、テトラヒドロフルフリールアクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、セチル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、2−エトキシエチル(メタ)アクリレート、3−メトキシブチル(メタ)アクリレート、エチルカルビトール(メタ)アクリレート、リン酸(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性リン酸(メタ)アクリレート、フェノキシ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性フェノキシ(メタ)アクリレート、プロピレンオキサイド変性フェノキシ(メタ)アクリレート、ノニルフェノール(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性ノニルフェノール(メタ)アクリレート、プロピレンオキサイド変性ノニルフェノール(メタ)アクリレート、メトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシプロピレングリコール(メタ)アクリレート、2−(メタ)アクリロイルオキシエチル−2−ヒドロキシプロピルフタレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルハイドロゲンフタレート、2−(メタ)アクリロイルオキシプロピルハイドロゲンフタレート、2−(メタ)アクリロイルオキシプロピルヘキサヒドロハイドロゲンフタレート、2−(メタ)アクリロイルオキシプロピルテトラヒドロハイドロゲンフタレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、テトラフルオロプロピル(メタ)アクリレート、ヘキサフルオロプロピル(メタ)アクリレート、オクタフルオロプロピル(メタ)アクリレート、オクタフルオロプロピル(メタ)アクリレート、2−アダマンタンおよびアダマンタンジオールから誘導される1価のモノ(メタ)アクリレートを有するアダマンチルアクリレートなどのアダマンタン誘導体モノ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
前記2官能の(メタ)アクリレート化合物としては、例えば、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、エトキシ化ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、プロポキシ化ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、エトキシ化ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレートなどのジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
前記3官能以上の(メタ)アクリレート化合物は、低屈折率層形成用樹脂で用いた化合物を用いることができる。
アクリル系材料の中でも、所望する分子量、分子構造を設計でき、形成されるハードコート層の物性のバランスを容易にとることが可能であるといった理由から、低屈折率層形成用樹脂で用いた多官能ウレタン(メタ)アクリレートを好適に用いることができる。ウレタン(メタ)アクリレートは、多価アルコール、多価イソシアネート及び水酸基含有(メタ)アクリレートを反応させることによって得られる。具体的には、共栄社化学社製、UA−306H、UA−306T、UA−306l等、日本合成化学社製、UV−1700B、UV−6300B、UV−7600B、UV−7605B、UV−7640B、UV−7650B等、新中村化学工業社製、U−4HA、U−6HA、UA−100H、U−6LPA、U−15HA、UA−32P、U−324A等、ダイセルユーシービー社製、Ebecryl−1290、Ebecryl−1290K、Ebecryl−5129等、根上工業社製、UN−3220HA、UN−3220HB、UN−3220HC、UN−3220HS等を挙げることができるがこの限りではない。
またこれらの他にも、電離放射線型材料として、アクリレート系の官能基を有するポリエーテル樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、アルキッド樹脂、スピロアセタール樹脂、ポリブタジエン樹脂、ポリチオールポリエン樹脂等を使用することができる。
また、電離放射線硬化型材料は紫外線により硬化されるため、ハードコート層形成用塗液には光重合開始剤が添加される。光重合開始剤は低屈折率層形成用塗液で用いた化合物を用いることができる。
さらに、ハードコート層形成用塗液には、必要に応じて、溶媒や各種添加剤を加えることができる。溶媒としては低屈折率層形成用塗液で用いた溶媒を用いることができる。また、塗液には添加剤として、表面調整剤、屈折率調整剤、密着性向上剤、硬化剤等を加えることもできる。
また、ハードコート層形成用塗液にはその他添加剤を加えても良い。添加剤としては、例えば泡消剤、レベリング剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、重合禁止剤などが挙げられる。
また、ハードコート層形成用塗液には、導電性材料を添加してもよい。ハードコート層形成用塗液に導電性材料を添加することにより、得られる反射防止フィルムに帯電防止性能を付与することができる。導電性材料としては低屈折率層形成用塗液で用いた材料を用いることができる。
以上の材料を調製して得られるハードコート層形成用塗液を湿式成膜法により透明基材上に塗布し、塗膜を形成し、必要に応じて塗膜の乾燥をおこなったあとに、電離放射線である紫外線を照射することにより、ハードコート層が形成される。
このとき、湿式成膜法としては、ロールコーター、リバースロールコーター、グラビアコーター、マイクログラビアコーター、ナイフコーター、バーコーター、ワイヤーバーコーター、ダイコーター、ディップコーターを用いた塗布方法を用いることができる。
ハードコート層形成用塗液を透明基材上に塗布することにより得られる塗膜に対し、紫外線を照射することによりハードコート層が形成される。紫外線を照射するにあっては、高圧水銀灯、低圧水銀灯、超高圧水銀灯、メタルハライドランプ、カーボンアーク、キセノンアーク等の紫外線照射ランプが利用できる。また、紫外線照射の際に酸素濃度を低下させるために導入される不活性ガスとしては、窒素を用いることができる。
なお、硬化によりハードコート層を形成する工程の前後に乾燥工程もしくは加熱工程を設けてもよい。特に、塗液が溶媒を含む場合、形成された塗膜の溶媒を除去するために電離放射線を照射する前に乾燥工程を設ける必要がある。乾燥手段としては加熱、送風、熱風などが例示される。
本発明の低屈折率層の形成方法について示す。本発明の低屈折率層にあっては、湿式成膜法により形成でき、低屈折率粒子と前述の低屈折率層形成用樹脂を含む塗液を塗布することにより形成することができる。
低屈折粒子としては、LiF、MgF2、3NaF・AlF3またはAlF3(いずれも、屈折率1.4)、または、Na3AlF6(氷晶石、屈折率1.33)等の低屈折材料からなる低屈折率粒子を用いることができる。また、粒子内部に空隙を有する粒子を好適に用いることができる。粒子内部に空隙を有する粒子にあっては、空隙の部分を空気の屈折率(≒1)とすることができるため、非常に低い屈折率を備える低屈折率粒子とすることができる。具体的には、多孔質シリカ粒子や、内部に空隙を有する低屈折率シリカ粒子を用いることができる。
本発明の低屈折率層に用いられる低屈折率粒子としては、粒径が1nm以上100nm以下であることが好ましい。粒径が100nmを超える場合、レイリー散乱によって光が著しく反射され、低屈折率層が白化して反射防止フィルムの透明性が低下する傾向にある。一方、粒径が1nm未満の場合、粒子の凝集による低屈折率層における粒子の不均一性等の問題が生じる。
また、紫外線、電子線といった電離放射線を照射することにより低屈折率層を形成するため、塗液に光重合開始剤が加えられる。光重合開始剤としては、ハードコート層形成用塗液に含まれる光重合開始剤として例示した光重合開始剤を使用することができる。
以上の低屈折率層形成用樹脂と低屈折率粒子とを含む塗液を塗布し透明基材上に塗膜を形成し、該塗膜に対し、必要に応じて乾燥をおこない、その後、紫外線、電子線といった電離放射線を照射することにより樹脂組成物の硬化反応をおこなうことでバインダマトリックスとすることができ、低屈折率層を形成することができる。このとき塗布方法としては、ハードコート層形成用塗液を塗布する際に例示した湿式成膜法を用いることができる。さらに乾燥方法、硬化方法についても、ハードコート層の形成方法で例示した方法を用いることができる。
なお、塗液には、必要に応じて、溶媒や各種添加剤を加えることができる。溶媒としては、トルエン、キシレン、シクロヘキサン、シクロヘキシルベンゼンなどの芳香族炭化水素類、n−ヘキサンなどの炭化水素類、ジブチルエーテル、ジメトキシメタン、ジメトキシエタン、ジエトキシエタン、プロピレンオキシド、ジオキサン、ジオキソラン、トリオキサン、テトラヒドロフラン、アニソールおよびフェネトール等のエーテル類、また、メチルイソブチルケトン、メチルブチルケトン、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、ジプロピルケトン、ジイソブチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノン、およびメチルシクロヘキサノン等のケトン類、また蟻酸エチル、蟻酸プロピル、蟻酸n−ペンチル、酢酸メチル、酢酸エチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、酢酸n−ペンチル、およびγ−プチロラクトン等のエステル類、さらには、メチルセロソルブ、セロソルブ、ブチルセロソルブ、セロソルブアセテート等のセロソルブ類、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール等のアルコール類、水等の中から塗工適正等を考慮して適宜選択される。また、塗液には添加剤として、表面調整剤、レベリング剤、屈折率調整剤、密着性向上剤、光増感剤等を加えることもできる。
以上により、本発明の反射防止フィルムは形成される。本発明の反射防止フィルムにあっては、低屈折率層が形成されている側の反対側の透明基材側の面に偏光層、第2の透明基材を設けることにより、偏光板とすることができる。偏光層としては、例えば、ヨウ素を加えた延伸ポリビニルアルコール(PVA)を用いることができる。また、もう一方の透明基材としては、反射防止フィルムに用いる透明基材を用いることができ、トリアセチルセルロースからなるフィルムを好適に用いることができる。反射防止フィルム及び第2の透明基材にあっては、偏光層と貼りあわされる前に、ケン化処理がおこなわれる。ケン化処理は、反射防止フィルム及び第2の透明基材をアルカリ溶液に浸漬することによりおこなわれ、アルカリ溶液としては水酸化ナトリウム水溶液、水酸化カリウム水溶液等を例示することができる。
なお、本発明の反射防止フィルムは、偏光板化され、さらに、透過型液晶ディスプレイの前面、すなわち、観察側に反射防止層が最表面となるように設けられる。
以下に実施例を示す。
(フッ素化合物の製造例1)
攪拌装置、温度計、コンデンサーを備えた反応容器に、2−(パーフルオロヘキシル)エタノール(ダイキン社製)182.05g(0.5mol)、及び2−アクリロイルオキシエチルイソシアナート(商品名:カレンズAOI、昭和電工社製)71g(0.5mol)、p−メトキシフェノール及びジ−t−ブチル−ヒドロキシトルエンを各々1.0gずつ投入した。攪拌しながら60℃まで加熱した後、加熱を停止してジブチル錫ジラウレート0.2gを添加した。反応容器内の温度が低下し始めたら再度加熱を始め、80℃で攪拌を続け、赤外線吸収スペクトルでイソシアナート基の吸収スペクトル(2,280cm-1)が消失したことを確認して反応を終了し、粘稠液体のフッ素化合物F−UA1を得た。
攪拌装置、温度計、コンデンサーを備えた反応容器に、2−(パーフルオロヘキシル)エタノール(ダイキン社製)182.05g(0.5mol)、及び2−アクリロイルオキシエチルイソシアナート(商品名:カレンズAOI、昭和電工社製)71g(0.5mol)、p−メトキシフェノール及びジ−t−ブチル−ヒドロキシトルエンを各々1.0gずつ投入した。攪拌しながら60℃まで加熱した後、加熱を停止してジブチル錫ジラウレート0.2gを添加した。反応容器内の温度が低下し始めたら再度加熱を始め、80℃で攪拌を続け、赤外線吸収スペクトルでイソシアナート基の吸収スペクトル(2,280cm-1)が消失したことを確認して反応を終了し、粘稠液体のフッ素化合物F−UA1を得た。
(フッ素化合物の製造例2)
2−(パーフルオロヘキシル)エタノールの代わりに2H−ヘキサフルオロ−2−プロパノール(ダイキン社製)84g(0.5mol)を使用した以外は製造例1と同様にして合成し、フッ素化合物F−UA2を得た。
2−(パーフルオロヘキシル)エタノールの代わりに2H−ヘキサフルオロ−2−プロパノール(ダイキン社製)84g(0.5mol)を使用した以外は製造例1と同様にして合成し、フッ素化合物F−UA2を得た。
(フッ素化合物の製造例3)
2−(パーフルオロヘキシル)エタノールの代わりに1H,1H,7H−ドデカフルオロヘプタノール(ダイキン社製)166g(0.5mol)を使用した以外は製造例1と同様にして合成し、フッ素化合物F−UA3を得た。
2−(パーフルオロヘキシル)エタノールの代わりに1H,1H,7H−ドデカフルオロヘプタノール(ダイキン社製)166g(0.5mol)を使用した以外は製造例1と同様にして合成し、フッ素化合物F−UA3を得た。
(フッ素化合物の製造例4)
2−(パーフルオロヘキシル)エタノールの代わりに2−パーフルオロプロポキシ−2,3,3,3−テトラフルオロプロパノール(ダイキン社製)158g(0.5mol)を使用した以外は製造例1と同様にして合成し、フッ素化合物F−UA4を得た。
2−(パーフルオロヘキシル)エタノールの代わりに2−パーフルオロプロポキシ−2,3,3,3−テトラフルオロプロパノール(ダイキン社製)158g(0.5mol)を使用した以外は製造例1と同様にして合成し、フッ素化合物F−UA4を得た。
(フッ素化合物の製造例5)
攪拌装置、温度計、コンデンサーを備えた反応容器に、2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7−ドデカフルオロ−1,8−オクタンジオール(ダイキン社製)181.06g(0.5mol)、及び2−アクリロイルオキシエチルイソシアナート142g(1.0mol)、p−メトキシフェノール及びジ−t−ブチル−ヒドロキシトルエンを各々1.0gずつ投入した。攪拌しながら60℃まで加熱した後、加熱を停止してジブチル錫ジラウレート0.2gを添加した。反応容器内の温度が低下し始めたら再度加熱を始め、80℃で攪拌を続け、赤外線吸収スペクトルでイソシアナート基の吸収スペクトル(2,280cm-1)が消失したことを確認して反応を終了し、粘稠液体のフッ素化合物F−UDA1を得た。
攪拌装置、温度計、コンデンサーを備えた反応容器に、2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7−ドデカフルオロ−1,8−オクタンジオール(ダイキン社製)181.06g(0.5mol)、及び2−アクリロイルオキシエチルイソシアナート142g(1.0mol)、p−メトキシフェノール及びジ−t−ブチル−ヒドロキシトルエンを各々1.0gずつ投入した。攪拌しながら60℃まで加熱した後、加熱を停止してジブチル錫ジラウレート0.2gを添加した。反応容器内の温度が低下し始めたら再度加熱を始め、80℃で攪拌を続け、赤外線吸収スペクトルでイソシアナート基の吸収スペクトル(2,280cm-1)が消失したことを確認して反応を終了し、粘稠液体のフッ素化合物F−UDA1を得た。
(フッ素化合物の製造例6)
2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7−ドデカフルオロ−1,8−オクタンジオールの代わりに2,2,3,3,4,4,5,5−オクタフルオロ−1,8−ヘキサンジオール(ダイキン社製)131g(0.5mol)を使用した以外は製造例1と同様にして合成し、フッ素化合物F−UDA2を得た。
2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7−ドデカフルオロ−1,8−オクタンジオールの代わりに2,2,3,3,4,4,5,5−オクタフルオロ−1,8−ヘキサンジオール(ダイキン社製)131g(0.5mol)を使用した以外は製造例1と同様にして合成し、フッ素化合物F−UDA2を得た。
(フッ素化合物の製造例7)
2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7−ドデカフルオロ−1,8−オクタンジオールの代わりにパーフルオロポリエーテルジオール(ソルベイソレクシス社製、FluorolinkD10H)751.10g(0.5mol)を使用した以外は製造例1と同様にして合成し、フッ素化合物F−UDA3を得た。
2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7−ドデカフルオロ−1,8−オクタンジオールの代わりにパーフルオロポリエーテルジオール(ソルベイソレクシス社製、FluorolinkD10H)751.10g(0.5mol)を使用した以外は製造例1と同様にして合成し、フッ素化合物F−UDA3を得た。
(ハードコート層形成用塗液の調製)
ペンタエリスリトールトリアクリレート(商品名:ビスコート#300、大阪有機工業株式会社製)をイソプロピルアルコール(IPA)により固形分濃度50%になるよう調製し、光重合開始剤としてIrgacure184をPETAに対して5wt%加え、ハードコート層形成用塗液を調製した。
ペンタエリスリトールトリアクリレート(商品名:ビスコート#300、大阪有機工業株式会社製)をイソプロピルアルコール(IPA)により固形分濃度50%になるよう調製し、光重合開始剤としてIrgacure184をPETAに対して5wt%加え、ハードコート層形成用塗液を調製した。
(低屈折率層形成用塗液の調製1)
多孔質シリカ微粒子分散液(平均粒子径50nm、固形分20%、溶剤:メチルイソブチルケトン)14.94wt%、ペンタエリスリトールトリアクリレート(商品名:ビスコート#300、大阪有機工業株式会社製)1.47wt%、フッ素化合物F−UA1 0.52wt%、重合開始剤(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ(株)製、商品名;イルガキュア184)0.07wt%、TSF4460(商品名、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン製:アルキルポリエーテル変性シリコーンオイル)0.10wt%を、F470(商品名、DIC(株)製:フッ素系レベリング剤)0.10wt%を、溶媒であるメチルイソブチルケトン82wt%で希釈した。
多孔質シリカ微粒子分散液(平均粒子径50nm、固形分20%、溶剤:メチルイソブチルケトン)14.94wt%、ペンタエリスリトールトリアクリレート(商品名:ビスコート#300、大阪有機工業株式会社製)1.47wt%、フッ素化合物F−UA1 0.52wt%、重合開始剤(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ(株)製、商品名;イルガキュア184)0.07wt%、TSF4460(商品名、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン製:アルキルポリエーテル変性シリコーンオイル)0.10wt%を、F470(商品名、DIC(株)製:フッ素系レベリング剤)0.10wt%を、溶媒であるメチルイソブチルケトン82wt%で希釈した。
(低屈折率層形成用塗液の調製2)
フッ素化合物F−UA1 0.52wt%の代わりに、フッ素化合物F−UA2を0.52wt%加える以外は、低屈折率層形成用塗液の調製1と同様に低屈折率層形成用塗液2を調製した。
フッ素化合物F−UA1 0.52wt%の代わりに、フッ素化合物F−UA2を0.52wt%加える以外は、低屈折率層形成用塗液の調製1と同様に低屈折率層形成用塗液2を調製した。
(低屈折率層形成用塗液の調製3)
フッ素化合物F−UA1 0.52wt%の代わりに、フッ素化合物F−UA3を0.52wt%加える以外は、低屈折率層形成用塗液の調製1と同様に低屈折率層形成用塗液3を調製した。
フッ素化合物F−UA1 0.52wt%の代わりに、フッ素化合物F−UA3を0.52wt%加える以外は、低屈折率層形成用塗液の調製1と同様に低屈折率層形成用塗液3を調製した。
(低屈折率層形成用塗液の調製4)
フッ素化合物F−UA1 0.52wt%の代わりに、フッ素化合物F−UA4を0.52wt%加える以外は、低屈折率層形成用塗液の調製1と同様に低屈折率層形成用塗液4を調製した。
フッ素化合物F−UA1 0.52wt%の代わりに、フッ素化合物F−UA4を0.52wt%加える以外は、低屈折率層形成用塗液の調製1と同様に低屈折率層形成用塗液4を調製した。
(低屈折率層形成用塗液の調製5)
フッ素化合物F−UA1 0.52wt%の代わりに、前記LINC−101UA(共栄社化学社製)を0.52wt%加える以外は、低屈折率層形成用塗液の調製1と同様に低屈折率層形成用塗液5を調製した。
フッ素化合物F−UA1 0.52wt%の代わりに、前記LINC−101UA(共栄社化学社製)を0.52wt%加える以外は、低屈折率層形成用塗液の調製1と同様に低屈折率層形成用塗液5を調製した。
(低屈折率層形成用塗液の調製6)
ペンタエリスリトールトリアクリレート(商品名:ビスコート#300、大阪有機工業株式会社製)を1.81wt%、フッ素化合物F−UA1を0.18wt%とする以外は低屈折率層形成用塗液の調製1と同様に低屈折率層形成用塗液6を調製した。
ペンタエリスリトールトリアクリレート(商品名:ビスコート#300、大阪有機工業株式会社製)を1.81wt%、フッ素化合物F−UA1を0.18wt%とする以外は低屈折率層形成用塗液の調製1と同様に低屈折率層形成用塗液6を調製した。
(低屈折率層形成用塗液の調製7)
ペンタエリスリトールトリアクリレート(商品名:ビスコート#300、大阪有機工業株式会社製)を1.08wt%、フッ素化合物F−UA1を0.91wt%とする以外は低屈折率層形成用塗液の調製1と同様に低屈折率層形成用塗液7を調製した。
ペンタエリスリトールトリアクリレート(商品名:ビスコート#300、大阪有機工業株式会社製)を1.08wt%、フッ素化合物F−UA1を0.91wt%とする以外は低屈折率層形成用塗液の調製1と同様に低屈折率層形成用塗液7を調製した。
(低屈折率層形成用塗液の調製8)
多孔質シリカ微粒子分散液(平均粒子径50nm、固形分20%、溶剤:メチルイソブチルケトン)15.41wt%、 ペンタエリスリトールトリアクリレート(商品名:ビスコート#300、大阪有機工業株式会社製)を1.17wt%、フッ素化合物F−UAを0.41wt%とする以外は低屈折率層形成用塗液の調製1と同様に低屈折率層形成用塗液8を調製した。
多孔質シリカ微粒子分散液(平均粒子径50nm、固形分20%、溶剤:メチルイソブチルケトン)15.41wt%、 ペンタエリスリトールトリアクリレート(商品名:ビスコート#300、大阪有機工業株式会社製)を1.17wt%、フッ素化合物F−UAを0.41wt%とする以外は低屈折率層形成用塗液の調製1と同様に低屈折率層形成用塗液8を調製した。
(低屈折率層形成用塗液の調製9)
ペンタエリスリトールトリアクリレート(商品名:ビスコート#300、大阪有機工業株式会社製)の代わりに、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(商品名:ライトアクリレート、共栄社化学製)1.47wt%を加える以外は、低屈折率層形成用塗液の調製1と同様に低屈折率層形成用塗液9を調製した。
ペンタエリスリトールトリアクリレート(商品名:ビスコート#300、大阪有機工業株式会社製)の代わりに、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(商品名:ライトアクリレート、共栄社化学製)1.47wt%を加える以外は、低屈折率層形成用塗液の調製1と同様に低屈折率層形成用塗液9を調製した。
(低屈折率層形成用塗液の調製10)
フッ素化合物F−UA1 0.52wt%の代わりに、フッ素化合物F−UDA1 0.52wt%加える以外は、低屈折率層形成用塗液の調製1と同様に低屈折率層形成用塗液10を調製した。
フッ素化合物F−UA1 0.52wt%の代わりに、フッ素化合物F−UDA1 0.52wt%加える以外は、低屈折率層形成用塗液の調製1と同様に低屈折率層形成用塗液10を調製した。
(低屈折率層形成用塗液の調製11)
フッ素化合物F−UA1 0.52wt%の代わりに、フッ素化合物F−UDA2を0.52wt%加える以外は、低屈折率層形成用塗液の調製1と同様に低屈折率層形成用塗液11を調製した。
フッ素化合物F−UA1 0.52wt%の代わりに、フッ素化合物F−UDA2を0.52wt%加える以外は、低屈折率層形成用塗液の調製1と同様に低屈折率層形成用塗液11を調製した。
(低屈折率層形成用塗液の調製12)
フッ素化合物F−UA1 0.52wt%の代わりに、フッ素化合物F−UDA3を0.52wt%加える以外は、低屈折率層形成用塗液の調製1と同様に低屈折率層形成用塗液12を調製した。
フッ素化合物F−UA1 0.52wt%の代わりに、フッ素化合物F−UDA3を0.52wt%加える以外は、低屈折率層形成用塗液の調製1と同様に低屈折率層形成用塗液12を調製した。
(低屈折率層形成用塗液の調製13)
フッ素化合物F−UA1 0.52wt%の代わりに、LINC−202UA(共栄社化学社製)を0.52wt%加える以外は、低屈折率層形成用塗液の調製1と同様に低屈折率層形成用塗液13を調製した。
フッ素化合物F−UA1 0.52wt%の代わりに、LINC−202UA(共栄社化学社製)を0.52wt%加える以外は、低屈折率層形成用塗液の調製1と同様に低屈折率層形成用塗液13を調製した。
(低屈折率層形成用塗液の調製14)
フッ素化合物F−UA1 0.52wt%の代わりに、LINC−182UA(共栄社化学社製)を0.52wt%加える以外は、低屈折率層形成用塗液の調製1と同様に低屈折率層形成用塗液14を調製した。
フッ素化合物F−UA1 0.52wt%の代わりに、LINC−182UA(共栄社化学社製)を0.52wt%加える以外は、低屈折率層形成用塗液の調製1と同様に低屈折率層形成用塗液14を調製した。
(低屈折率層形成用塗液の調製15)
ペンタエリスリトールトリアクリレート(商品名:ビスコート#300、大阪有機工業株式会社製)を1.81wt%、フッ素化合物F−UDA1を0.18wt%とする以外は低屈折率層形成用塗液の調製1と同様に低屈折率層形成用塗液15を調製した。
ペンタエリスリトールトリアクリレート(商品名:ビスコート#300、大阪有機工業株式会社製)を1.81wt%、フッ素化合物F−UDA1を0.18wt%とする以外は低屈折率層形成用塗液の調製1と同様に低屈折率層形成用塗液15を調製した。
(低屈折率層形成用塗液の調製16)
ペンタエリスリトールトリアクリレート(商品名:ビスコート#300、大阪有機工業株式会社製)を1.08wt%、フッ素化合物F−UDA1を0.91wt%とする以外は低屈折率層形成用塗液の調製1と同様に低屈折率層形成用塗液16を調製した。
ペンタエリスリトールトリアクリレート(商品名:ビスコート#300、大阪有機工業株式会社製)を1.08wt%、フッ素化合物F−UDA1を0.91wt%とする以外は低屈折率層形成用塗液の調製1と同様に低屈折率層形成用塗液16を調製した。
(低屈折率層形成用塗液の調製17)
多孔質シリカ微粒子分散液(平均粒子径50nm、固形分20%、溶剤:メチルイソブチルケトン)15.41wt%、 ペンタエリスリトールトリアクリレート(商品名:ビスコート#300、大阪有機工業株式会社製)を1.17wt%、フッ素化合物F−UDA1を0.41wt%とする以外は低屈折率層形成用塗液の調製1と同様に低屈折率層形成用塗液17を調製した。
多孔質シリカ微粒子分散液(平均粒子径50nm、固形分20%、溶剤:メチルイソブチルケトン)15.41wt%、 ペンタエリスリトールトリアクリレート(商品名:ビスコート#300、大阪有機工業株式会社製)を1.17wt%、フッ素化合物F−UDA1を0.41wt%とする以外は低屈折率層形成用塗液の調製1と同様に低屈折率層形成用塗液17を調製した。
(低屈折率層形成用塗液の調製18)
ペンタエリスリトールトリアクリレート(商品名:ビスコート#300、大阪有機工業株式会社製)を1.99wt%とし、フッ素化合物F−UA1を加えない以外は、低屈折率層形成用塗液の調製1と同様に低屈折率層形成用塗液18を調製した。
ペンタエリスリトールトリアクリレート(商品名:ビスコート#300、大阪有機工業株式会社製)を1.99wt%とし、フッ素化合物F−UA1を加えない以外は、低屈折率層形成用塗液の調製1と同様に低屈折率層形成用塗液18を調製した。
(低屈折率層形成用塗液の調製19)
フッ素化合物F−UA1 0.52wt%の代わりに、2−(パーフルオロヘキシル)エチルアクリレート(ダイキン社製)0.52wt%加える以外は、低屈折率層形成用塗液の調製1と同様に低屈折率層形成用塗液19を調製した。
フッ素化合物F−UA1 0.52wt%の代わりに、2−(パーフルオロヘキシル)エチルアクリレート(ダイキン社製)0.52wt%加える以外は、低屈折率層形成用塗液の調製1と同様に低屈折率層形成用塗液19を調製した。
(低屈折率層形成用塗液の調製20)
ペンタエリスリトールトリアクリレート(商品名:ビスコート#300、大阪有機工業株式会社製)を0.52wt%、フッ素化合物F−UA1を1.47wt%とする以外は低屈折率層形成用塗液の調製1と同様に低屈折率層形成用塗液20を調製した。
ペンタエリスリトールトリアクリレート(商品名:ビスコート#300、大阪有機工業株式会社製)を0.52wt%、フッ素化合物F−UA1を1.47wt%とする以外は低屈折率層形成用塗液の調製1と同様に低屈折率層形成用塗液20を調製した。
(低屈折率層形成用塗液の調製21)
ペンタエリスリトールトリアクリレート(商品名:ビスコート#300、大阪有機工業株式会社製)を0.52wt%、フッ素化合物F−UDA1を1.47wt%とする以外は低屈折率層形成用塗液の調製1と同様に低屈折率層形成用塗液21を調製した。
ペンタエリスリトールトリアクリレート(商品名:ビスコート#300、大阪有機工業株式会社製)を0.52wt%、フッ素化合物F−UDA1を1.47wt%とする以外は低屈折率層形成用塗液の調製1と同様に低屈折率層形成用塗液21を調製した。
(低屈折率層形成用塗液の調製22)
フッ素化合物F−UA1 0.52wt%の代わりに、LINC162A(共栄社化学製、化学式(4))0.52wt%加える以外は、低屈折率層形成用塗液の調製1と同様に低屈折率層形成用塗液22を調製した。
フッ素化合物F−UA1 0.52wt%の代わりに、LINC162A(共栄社化学製、化学式(4))0.52wt%加える以外は、低屈折率層形成用塗液の調製1と同様に低屈折率層形成用塗液22を調製した。
[実施例1]
(ハードコート層の形成)
透明基材としてトリアセチルセルロースフィルム(TACフィルム)(厚さ80μm)を用いた。前記ハードコート形成用塗液をマイクログラビア法によりTACフィルム上に形成されるハードコート層の膜厚が6μmとなるように塗布し塗膜を形成し、オーブンを通過させることにより塗膜を乾燥させ、その後、窒素パージ下で紫外線照射をおこない、ハードコート層を形成した。
(低屈折率層の形成)
得られたハードコート層を備える透明基材のハードコート層上に、マイクログラビア法を用いて前記低屈折率層形成用塗液1を塗布し、乾燥、窒素パージ下で紫外線照射して低屈折率層を形成し、反射防止フィルムを製造した。
[実施例2〜17]
低屈折率層形成用塗液1の代わりに低屈折率層形成用塗液2〜17を塗布する以外は実施例1と同様にして、各反射防止フィルムを製造した。
[比較例18〜22]
低屈折率層形成用塗液1の代わりに低屈折率層形成用塗液18〜22を塗布する以外は実施例1と同様にして、各反射防止フィルムを製造した。
(ハードコート層の形成)
透明基材としてトリアセチルセルロースフィルム(TACフィルム)(厚さ80μm)を用いた。前記ハードコート形成用塗液をマイクログラビア法によりTACフィルム上に形成されるハードコート層の膜厚が6μmとなるように塗布し塗膜を形成し、オーブンを通過させることにより塗膜を乾燥させ、その後、窒素パージ下で紫外線照射をおこない、ハードコート層を形成した。
(低屈折率層の形成)
得られたハードコート層を備える透明基材のハードコート層上に、マイクログラビア法を用いて前記低屈折率層形成用塗液1を塗布し、乾燥、窒素パージ下で紫外線照射して低屈折率層を形成し、反射防止フィルムを製造した。
[実施例2〜17]
低屈折率層形成用塗液1の代わりに低屈折率層形成用塗液2〜17を塗布する以外は実施例1と同様にして、各反射防止フィルムを製造した。
[比較例18〜22]
低屈折率層形成用塗液1の代わりに低屈折率層形成用塗液18〜22を塗布する以外は実施例1と同様にして、各反射防止フィルムを製造した。
得られた反射防止フィルムについて、以下の評価をおこなった。
[視感平均反射率]
得られた反射防止フィルムの低屈折率層形成面と反対側の面を黒色艶消しスプレーにより黒色に塗布した。塗布後、自動分光光度計(日立製作所製、U−4000)を用い、光源としてC光源として用い、光源及び受光器の入出射角を反射防止フィルム表面に対して垂直方向から5°に設定し、2°視野の条件下で、正反射方向の分光反射率を測定し、視感平均反射率を算出した。
得られた反射防止フィルムの低屈折率層形成面と反対側の面を黒色艶消しスプレーにより黒色に塗布した。塗布後、自動分光光度計(日立製作所製、U−4000)を用い、光源としてC光源として用い、光源及び受光器の入出射角を反射防止フィルム表面に対して垂直方向から5°に設定し、2°視野の条件下で、正反射方向の分光反射率を測定し、視感平均反射率を算出した。
[耐擦傷性評価]
実施例1〜17、比較例18〜22で得られた反射防止フィルムを、ラビングテスターを用いて以下の条件で低屈折率層表面のこすりテストをおこなった。
(評価環境条件)
25℃、50%RH
(こすり材)
試料と接触するテスターのこすり先端部(1cm×1cm)に、スチールウールを巻いて、動かないようバンド固定した低屈折率層表面をこするためのこすり材を用意した。
(移動距離、こすり速度、荷重先端部接触面積、こすり回数)
移動距離:片道13cm、こすり速度:13cm/秒、荷重:200g/cm2
先端部接触面積:1cm×1cm、こすり回数:10往復
実施例1〜17、比較例18〜22で得られた反射防止フィルムを、ラビングテスターを用いて以下の条件で低屈折率層表面のこすりテストをおこなった。
(評価環境条件)
25℃、50%RH
(こすり材)
試料と接触するテスターのこすり先端部(1cm×1cm)に、スチールウールを巻いて、動かないようバンド固定した低屈折率層表面をこするためのこすり材を用意した。
(移動距離、こすり速度、荷重先端部接触面積、こすり回数)
移動距離:片道13cm、こすり速度:13cm/秒、荷重:200g/cm2
先端部接触面積:1cm×1cm、こすり回数:10往復
こすり終えた試料の裏側に油性黒インキを塗り、反射光で目視観察して、こすり部分の傷を、以下の基準で評価した。
二重丸印:非常に注意深く見ても、全く傷が見えない。
丸 印:非常に注意深く見ると僅かに弱い傷が見える。
三角 印:注意深く見ると僅かに弱い傷が見える。
バツ 印:一目見ただけで分かる傷がある。
二重丸印:非常に注意深く見ても、全く傷が見えない。
丸 印:非常に注意深く見ると僅かに弱い傷が見える。
三角 印:注意深く見ると僅かに弱い傷が見える。
バツ 印:一目見ただけで分かる傷がある。
各種特性評価の評価結果について示す。
以上より、実施例1、3、6、9の反射防止フィルムは反射率も耐擦傷性も優れていることがわかった。
1 反射防止フィルム
11 透明基材
12 ハードコート層
13 低屈折率層
11 透明基材
12 ハードコート層
13 低屈折率層
Claims (11)
- 少なくとも、パーフルオロアルキル基もしくはパーフルオロポリエーテル基と、ウレタン結合と、エチレン性二重結合を有する、屈折率が1.34〜1.41のフッ素化合物およびアクリレートモノマーもしくはメタクリレートレートモノマーを含有することを特徴とする低屈折率層形成用樹脂組成物。
- 前記エチレン性二重結合を1個のみ有することを特徴とする請求項1に記載の低屈折率層形成用樹脂組成物。
- 前記エチレン性二重結合を2個以上6個以下有することを特徴とする請求項1に記載の低屈折率層形成用樹脂組成物。
- 前記フッ素化合物が、塗料のバインダー成分に対し10wt%以上50wt%以下含有することを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の低屈折率層形成用樹脂組成物。
- 前記アクリレートモノマーもしくはメタクリレートモノマーが、官能基数が3以上8以下の多官能のアクリレートモノマーもしくはメタクリレートモノマーであることを特徴とする請求項1乃至請求項6に記載の低屈折率層形成用樹脂組成物。
- シリコーン系およびフッ素系の2種類のレベリング剤もしくは一分子内にシリコーン鎖とフッ素鎖を有するレベリング剤を含有することを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれか1項に記載の低屈折率層形成用樹脂組成物。
- 透明基材の少なくとも一方の面に、ハードコート層が形成され、前記ハードコート層の前記透明基材に接する面の反対側の面に請求項1乃至請求項8のいずれか1項に記載の低屈折率層形成用樹脂組成物により形成される低屈折率層を有することを特徴とする反射防止フィルム。
- 請求項9に記載の反射防止フィルムの前記ハードコート層および前記低屈折率層が形成された面の他方の面に偏光層および第2の透明基材を有することを特徴とする偏光板。
- 請求項10に記載の偏光板を有する表示装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2012166016A JP2014026100A (ja) | 2012-07-26 | 2012-07-26 | 低屈折率層形成用樹脂組成物、反射防止フィルム |
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN104844759A (zh) * | 2015-04-21 | 2015-08-19 | 衢州氟硅技术研究院 | 一种含氨基甲酰基聚合物及其制备方法 |
CN110981756A (zh) * | 2019-11-25 | 2020-04-10 | 三明学院 | 一种六氟异丙基丙烯酸酯类单体及其制备方法 |
JP2022524160A (ja) * | 2019-03-11 | 2022-04-27 | ヨアノイム リサーチ フォルシュングスゲゼルシャフト エムベーハー | オリゴマーヘキサフルオロプロピレンオキシド誘導体 |
-
2012
- 2012-07-26 JP JP2012166016A patent/JP2014026100A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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DE102019106081B4 (de) | 2019-03-11 | 2024-05-08 | Joanneum Research Forschungsgesellschaft Mbh | Oligomere Hexafluorpropylenoxidderivate |
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