JP2005337402A - 断熱材及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】断熱機能に加えて他の付加機能をもたせた断熱材を提供する。
【解決手段】連続気泡の発泡ポリスチレン板等の通気性を有する断熱材料1に、この断熱材料とは異なる特性を有するゼオライト等の添加物質2を含浸させた。
【選択図】図1

Description

この発明は断熱材に関する。
断熱材は、建材、土木材、家具材、車両内装材、防寒衣類等に広く利用されている。
前記断熱材には、発泡樹脂、綿、不織布等の断熱材料が用いられているが、従来の断熱材は、いずれも断熱機能だけを有するものであった。
この発明は、断熱機能に加えて他の付加機能をもたせた断熱材を提供するとともに、その断熱材の製造方法を提供することを目的としたものである。
この発明の断熱材は、通気性を有する断熱材料に、前記断熱材料とは異なる特性を有する添加物質を含浸させたことを特徴とする。
この発明において、前記添加物質は、前記断熱材料の全厚にわたって含浸させても、前記断熱材料の外面から所定の厚さにわたって含浸させてもよく、さらに、前記断熱材料の一部分と他の部分とに、互いに異なる特性を有する添加物質を含浸させてもよい。
この発明において、前記添加物質は、有害物質吸着剤、脱臭剤、吸湿剤、防虫剤、芳香剤のいずれか1つもしくは2つ以上であるのが望ましく、さらに、前記有害物質吸着剤はゼオライトが好ましい。
また、この発明においては、前記添加物質を含浸させた断熱材料の外面に表面材を設けてもよく、その場合、前記表面材は、前記断熱材料の外面に塗布されたモルタルまたは塗料層、あるいは前記断熱材料の外面に貼付けられた表装材が望ましい。
この発明の断熱材製造方法は、通気性を有する断熱材料の上に、前記断熱材料とは異なる特性を有する粉粒状の添加物質を供給し、前記断熱材料に振動を与えてこの断熱材料中に前記添加物質を入り込ませることを特徴とする。
また、この発明の他の断熱材製造方法は、通気性を有する断熱材料を、前記断熱材料とは異なる特性を有する添加物質の水溶液中に浸して前記断熱材料に前記水溶液を浸透させ、その後、前記断熱材料を乾燥することを特徴とする。
さらに、この発明の他の断熱材製造方法は、通気性を有する断熱材料にその外面から前記断熱材料とは異なる特性を有する添加物質を吹き付けて前記断熱材料に前記添加物質を含浸させることを特徴とする。
この発明の断熱材は、通気性を有する断熱材料に、前記断熱材料とは異なる特性を有する添加物質を含浸させたものであるため、断熱機能に加えて、前記添加物質の特性に応じた他の付加機能をもたせることができる。
しかも、この断熱材は、前記断熱材料1に前記添加物質を含浸させたものであるため、例えば前記断熱材料の外面の汚れを拭き取ったりしても前記添加物質による付加機能を失うことは無く、したがって、長期にわたって前記付加機能を発揮することができる。
この発明において、前記添加物質は、前記断熱材料の全厚にわたって含浸させても、前記断熱材料の外面から所定の厚さにわたって含浸させてもよく、前記断熱材料の全厚にわたって前記添加物質を含浸させることにより、断熱材全体に付加機能をもたせ、前記断熱材料の外面から所定の厚さにわたって前記添加物質を含浸させることにより、断熱材の添加物質含浸部分に付加機能をもたせることができる。
さらに、この発明においては、前記断熱材料の一部分と他の部分とに、互いに異なる特性を有する添加物質を含浸させてもよく、このようにすることにより、断熱材に、前記断熱材料の一部分に含浸された添加物質の特性に応じた付加機能と、他の部分に含浸された添加物質の特性に応じた付加機能とをもたせることができる。
この発明において、前記添加物質は、有害物質吸着剤、有害物質分解剤、脱臭剤、吸湿剤、防虫剤、芳香剤のいずれか1つもしくは2つ以上であるのが望ましく、その添加物質を前記断熱材料に含浸させることにより、断熱材に、断熱機能に加えて、有害物質吸着、有害物質分解、脱臭、吸湿、防虫、芳香のいずれか1つもしくは2つ以上の付加機能をもたせることができる。
前記有害物質吸着剤はゼオライトが好ましく、前記断熱材料にゼオライトを含浸させることにより、断熱材に、断熱機能に加えて、有害物質吸着、脱臭、吸湿、及び防虫の各付加機能をもたせることができる。
また、この発明においては、前記添加物質を含浸させた断熱材料の外面に表面材を設けてもよく、このようにすることにより、前記断熱材料の外面を前記表面材により保護するとともに、断熱材の外観に前記表面材の質感をもたせることができる。
その場合、前記表面材は、前記断熱材料の外面に塗布されたモルタルまたは塗料層、あるいは前記断熱材料の外面に貼付けられた表装材が望ましく、このようにすることにより、断熱材を、例えば建築物の外壁材や内装材等に使用することができる。
この発明の断熱材製造方法は、通気性を有する断熱材料の上に、前記断熱材料とは異なる特性を有する粉粒状の添加物質を供給し、前記断熱材料に振動を与えてこの断熱材料中に前記添加物質を入り込ませるものであるため、通気性を有する断熱材料に前記断熱材料とは異なる特性を有する添加物質を含浸させた前記断熱材を、容易に、低コストに製造することができる。
また、この発明の他の断熱材製造方法は、通気性を有する断熱材料を、前記断熱材料とは異なる特性を有する添加物質の水溶液中に浸して前記断熱材料に前記水溶液を浸透させ、その後、前記断熱材料を乾燥するものであるため、通気性を有する断熱材料に前記断熱材料とは異なる特性を有する添加物質を含浸させた前記断熱材を、容易に、低コストに製造することができる。
さらに、この発明の他の断熱材製造方法は、通気性を有する断熱材料にその外面から前記断熱材料とは異なる特性を有する添加物質を吹き付けて前記断熱材料に前記添加物質を含浸させるものであるため、通気性を有する断熱材料に前記断熱材料とは異なる特性を有する添加物質を含浸させた前記断熱材を、容易に、低コストに製造することができる。
図1はこの発明の第1の実施例を示す断熱材の斜視図であり、この断熱材は、通気性を有する1〜10cmの厚さの板状断熱材料1に、この断熱材料1とは異なる特性を有する添加物質2を、前記断熱材料の全厚にわたって含浸させたものである。
前記断熱材料1は、例えば、20〜30%の空孔容積を有する連続気泡の発泡ポリスチレン板であり、通気性、通水性、耐圧縮性をもち、また軽量で、断熱性に優れている。
また、前記添加物質2は有害物質吸着剤であり、この実施例では天然の鉱物から得られる粉粒状のゼオライトを用いている。以下、この添加物質2をゼオライトという。
前記鉱物は、アルカリ金属(Na,K)、アルカリ土類金属(Ca)を含み、水分子を結晶水として構造中に取込んだ、アルミニウムの含水珪酸塩鉱物であり、その結晶水は沸石水と呼ばれ、加熱すると比較的低温で脱水する。
ゼオライトは、前記鉱物の結晶水(沸石水)を脱水させて得られた粉粒体であり、結晶水があった部分に残された微小な細孔を有し、その細孔に水分やガス物質を吸着する性質をもっている。
このゼオライトは、「シックハウス症候群」の原因である合成材を用いた建築内装材や家具類から空気中に放出されるホルムアルデヒド等の有害な化学物質の吸着性に優れ、また、脱臭、吸湿、及び防虫特性をもち、しかも、人体は勿論、家畜等の動物にも安全であるという特性をもっている。
図2及び図3はそれぞれ前記断熱材の製造方法を示している。
図2に示した製造方法は、図2(a)のように前記断熱材料1の上に前記粉粒状のゼオライト2を適当量供給し、その状態で前記断熱材料1に振動を与えて、この断熱材料1中、つまり発泡ポリスチレン板の連続気泡内に前記ゼオライト2を図2(b)のように入り込ませる方法であり、この方法によれば、前記断熱材を、容易に、低コストに製造することができる。
また、図3に示した製造方法は、水槽10内に、前記粉粒状のゼオライト2を清浄水に溶解させたゼオライト水溶液11を、前記断熱材料1の厚さよりも大きい深さに収容し、そのゼオライト水溶液11中に前記断熱材料1の全体を浸して、この断熱材料1中に前記ゼオライト水溶液11を浸透させ、その後、前記断熱材料1を前記水槽10内から取出して乾燥させることにより、前記断熱材料1中に浸透したゼオライト水溶液11の水分を蒸発させて、前記断熱材料1中、つまり発泡ポリスチレン板の連続気泡内にゼオライト2を残留させる方法であり、この方法によっても、前記断熱材を、容易に、低コストに製造することができる。
さらに、前記断熱材は、前記図2及び図3に示した製造方法の他に、前記断熱材料1にその外面から前記粉粒状のゼオライト2またはその水溶液を高圧力で吹き付けて前記断熱材料1に前記ゼオライト2を含浸させる方法によっても製造することができ、この製造方法によっても、前記断熱材を、容易に、低コストに製造することができる。
なお、この方法で前記断熱材を製造する場合は、例えば建築物の断熱材設置部に断熱材料1を取付けた後に、その外面からゼオライト2を吹き付けて前記断熱材料1に前記ゼオライト2を含浸させてもよい。
前記断熱材は、連続気泡の発泡ポリスチレン板からなる通気性断熱材料1に、前記断熱材料1とは異なる特性を有する添加物質としてゼオライト2を含浸させたものであるため、断熱機能に加えて、前記ゼオライト2の特性に応じた他の付加機能をもたせることができる。
すなわち、前記ゼオライト2は、上述したように、ホルムアルデヒド等の有害物質の吸着性に優れ、また、脱臭、吸湿、及び防虫特性をもっているため、前記断熱材に、断熱機能に加えて、有害物質吸着、脱臭、吸湿、及び防虫の複数の付加機能をもたせることができる。
しかも、この断熱材は、前記断熱材料1に前記ゼオライト2を含浸させたものであるため、例えば前記断熱材料1の外面の汚れを拭き取ったりしても前記ゼオライト2による付加機能を失うことは無く、したがって、長期にわたって前記付加機能を発揮することができる。
また、この断熱材は、前記断熱材料1の全厚にわたって前記ゼオライト2を含浸させたものであるため、断熱材全体に前記付加機能をもたせることができる。
なお、前記断熱材は、断熱材料1に、前記断熱材料1とは異なる特性を有する添加物質としてゼオライト2を含浸させたものであるが、前記添加物質は、ゼオライトまたはゼオライト以外の有害物質吸着剤、光触媒等の有害物質分解剤、脱臭剤、吸湿剤、防虫剤、芳香剤のいずれか1つもしくは2つ以上でもよく、その添加物質を前記断熱材料1に含浸させることにより、断熱材に、断熱機能に加えて、有害物質吸着、有害物質分解、脱臭、吸湿、防虫、芳香のいずれか1つもしくは2つ以上の付加機能をもたせることができる。
その一例は、前記ゼオライトと酸化チタン(TiO)等の光触媒との混合物であり、その混合物からなる添加物質を前記断熱材料1に含浸させることにより、断熱材に、断熱機能に加えて、ゼオライトによる有害物質吸着、脱臭、吸湿、及び防虫機能と、前記断熱材料1の外部からの入射光が到達する表面層付近の光触媒による有害物質分解(例えば酸化チタンによる有機物の炭酸ガスと水とへの分解)機能とをもたせることができる。
図4はこの発明の第2の実施例を示す断熱材の斜視図であり、この断熱材は、前記連続気泡の発泡ポリスチレン板からなる通気性断熱材料1の両面のいずれか一方の面側の部分に、その外面から所定の厚さにわたってゼオライト2を含浸させたものである。
この断熱材は、例えば、図5に示したように、水槽10a内に上述したゼオライト水溶液11を前記断熱材料1へのゼオライト2の含浸深さに応じた深さに収容し、そのゼオライト水溶液11中に前記断熱材料1を浸して、この断熱材料1中(発泡ポリスチレン板の連続気泡内)に前記ゼオライト水溶液11を浸透させ、その後、前記断熱材料1を前記水槽10a内から取出して乾燥させることにより製造することができる。
また、この断熱材は、前記断熱材料1の上に、粉粒状のゼオライト2を供給し、前記断熱材料1に振動を与えてこの断熱材料中(発泡ポリスチレン板の連続気泡内)に前記添加物質を入り込ませる方法によっても製造することもでき、その場合は、断熱材料1上へのゼオライト2の供給量と前記断熱材料1の振動時間とを、前記断熱材料1へのゼオライト2の含浸深さに応じて選択すればよい。
この断熱材は、前記断熱材料1に、その外面から所定の厚さにわたってゼオライト2を含浸させたものであるため、断熱機能に加えて、前記ゼオライト2を含浸させた部分に上述した付加機能をもたせることができるとともに、長期にわたって前記付加機能を発揮することができる。
なお、図4に示した断熱材は、前記断熱材料1の一方の面側の部分にその外面から断熱材料1の略半分の厚さにわたってゼオライト2を含浸させたものであるが、前記ゼオライト2の含浸深さは任意でよく、また、前記ゼオライト2は、前記断熱材料1の一方の面側の部分と他方の面側の部分との両方に含浸させてもよい。
また、この断熱材においても、前記断熱材料1に含浸させる添加物質は、ゼオライトまたはゼオライト以外の有害物質吸着剤、光触媒等の有害物質分解剤、脱臭剤、吸湿剤、防虫剤、芳香剤のいずれか1つもしくは2つ以上でもよい。
図6はこの発明の第3の実施例を示す断熱材の斜視図であり、この断熱材は、前記連続気泡の発泡ポリスチレン板からなる通気性断熱材料1の一方の面側の部分と他方の面側の部分とに、互いに異なる特性を有する添加物質、例えば前記ゼオライト2と芳香剤3とを含浸させたものである。
この断熱材は、上述した2つの製造方法(断熱材料の上に粉粒状の添加物質を供給して振動により前記断熱材料中に前記添加物質を入り込ませる方法、または断熱材料を添加物質の水溶液中に浸して前記断熱材料に前記水溶液を浸透させた後に乾燥する方法)のいずれかを、含浸させる添加物質を変えて2回繰返すことにより製造することができる。
この断熱材は、前記断熱材料1の一方の面側の分部にゼオライト2を含浸させ、前記断熱材料1の他方の面側の部分に芳香剤3を含浸させたものであるため、断熱機能に加えて、前記ゼオライト2による有害物質吸着、脱臭、吸湿、及び防虫の複数の付加機能と、前記芳香剤3による付加機能である芳香機能とをもたせることができる。
なお、図6に示した断熱材は、前記断熱材料1の両面のいずれか一方の面側の部分に、その外面から断熱材料1の略半分の厚さにわたってゼオライト2を含浸させ、前記断熱材料1の他方の面側の部分に、その外面から断熱材料1の略半分の厚さにわたって芳香剤3を含浸させたものであるが、前記ゼオライト2の含浸深さと前記芳香剤3の含浸深さは任意でよく、また、前記ゼオライト2と芳香剤3の含浸深さの割合も任意でよい。
また、図6に示した断熱材は、断熱材料1の一方の面側の部分と他方の面側の部分とに、互いに異なる特性を有する添加物質(ゼオライト2と芳香剤3)を含浸させたものであるが、これらの添加物質は、例えば断熱材料1の一端側と他端側の部分や、断熱材料1の中央部と周囲部分とに含浸させてもよい。
さらに、図6に示した断熱材は、断熱材料1にゼオライト2と芳香剤3とを含浸させたものであるが、互いに異なる特性を有する添加物質の組合せは、ゼオライトと光触媒等の有害物質分解剤、ゼオライトと脱臭剤、ゼオライトと吸湿剤、ゼオライトと防虫剤等でもよく、これらの組合せのいずれかとすることにより、ゼオライトの有害物質吸着以外の特性である脱臭、吸湿、及び防虫のうちのいずれかの機能を増強することができる。
また、前記互いに異なる特性を有する添加物質の組合せは、ゼオライト以外の有害物質吸着剤、有害物質分解剤、脱臭剤、吸湿剤、防虫剤、芳香剤のいずれか1つずつ、あるいは2つ以上ずつの組合せでもよい。
図7及び図8はこの発明の第4及び第5の実施例を示す断熱材の斜視図であり、図7に示した断熱材は、ゼオライト2を含浸させた断熱材料1の一方の外面に表面材4を設けたものであり、図7に示した断熱材は、前記添加物質を含浸させた断熱材料1の一方と他方の外面にそれぞれ表面材5,6を設けたものである。
なお、図7及び図8に示した断熱材はいずれも、断熱材料1にその全厚にわたってゼオライト2を含浸させたものであるが、断熱材料1に含浸させる添加物質は、ゼオライトまたはゼオライト以外の有害物質吸着剤、有害物質分解剤、脱臭剤、吸湿剤、防虫剤、芳香剤のいずれか1つもしくは2つ以上でもよく、また、前記添加物質は、前記断熱材料1の表面から所定の厚さにわたって含浸させても、あるいは前記断熱材料1の一部分と他の部分とに、互いに異なる特性を有する添加物質を含浸させてもよい。
これらの断熱材は、ゼオライト2等の添加物質を含浸させた断熱材料1の外面に表面材4,5,6を設けたものであるため、前記断熱材料1の外面を前記表面材4,5,6により保護するとともに、断熱材の外観に前記表面材4,5,6の質感をもたせることができる。
これらの断熱材において、前記表面材4,5,6は、前記断熱材料1の外面に塗布されたモルタルまたは塗料層、あるいは前記断熱材料1の外面に貼付けられた表装材が望ましく、このようにすることにより、断熱材を、例えば建築物の外壁材や内装材等に使用することができる。
図9は、木造住宅における上記断熱材の使用例を示しており、この例は、屋根裏断熱材Aに、前記各実施例の断熱材のうちの表面材を備えないものを用い、外壁材Bに、断熱材料1の一方の外面にモルタルまたは塗料層からなる表面材4aを設けた断熱材を用い、床材Cに、断熱材料1の一方の外面にフローリング材等の床表装材からなる表面材4bを設けた断熱材を用い、内壁材Dに、断熱材料1の一方の外面に壁クロス等の通気性を有する壁表装材からなる表面材4cを設けた断熱材を用い、間仕切壁Eに、断熱材料1の一方と他方の外面にそれぞれ前記壁クロス等の通気性を有する壁表装材からなる表面材5a,6aを設けた断熱材を用い、天井材Fに、断熱材料1の一方の外面に天井板等の天井表装材からなる表面材4dを設けた断熱材を用いたものである。
この木造住宅は、上記のような構造であるため、室内の空気を、図に矢線で示したように、前記内壁材D内及びこの内壁材Dと外壁材Bとの間の空間や前記間仕切壁E内及び天井材Fを通して小屋裏に流し、室内を換気するとともに、前記断熱材による空気中のホルムアルデヒド等の有害物質の除去、脱臭、除湿、防虫、芳香等の効果を発揮させることができる。
なお、木造住宅には、天井材を設けないものもあるが、その場合は、屋根裏断熱材に、前記天井材Fと同じ断熱材(断熱材料1の一方の外面に天井板等の天井表装材からなる表面材4dを設けたもの)を用いればよい。
また、この発明の断熱材は、木造住宅用の建材に限らず、高層ビル、工場、その他の各種建築物の外壁材や内装材、トンネルの内張材や側溝蓋等の土木材、寝具用敷物(マットレス)、耐熱ロッカー等の家具材、道路及び鉄道車両の内装材等にも使用することができる。
さらに、上記各実施例の断熱材は、通気性を有する断熱材料1に連続気泡の発泡ポリスチレン板を用いたものであるが、断熱材料は、通気性を有するものであれば、例えば連続気泡の発泡ポリウレタン等の発泡樹脂、木屑の圧縮材、天然または合成綿、不織布等でもよく、また、発泡ポリウレタンや綿等の柔軟な断熱材料を用いた断熱材は、防寒衣類等にも利用することができる。
この発明の第1の実施例を示す断熱材の斜視図。 第1の実施例の断熱材の製造方法を示す図。 第1の実施例の断熱材の他の製造方法を示す図。 この発明の第2の実施例を示す断熱材の斜視図。 第2の実施例の断熱材の製造方法の一例を示す図。 この発明の第3の実施例を示す断熱材の斜視図。 この発明の第4の実施例を示す断熱材の斜視図。 この発明の第5の実施例を示す断熱材の斜視図。 木造住宅における断熱材の使用例を示す図。
符号の説明
1…断熱材料、2…ゼオライト(付加物質)、3…芳香剤(付加物質)、4,5,6…表面材、11…ゼオライト水溶液。

Claims (11)

  1. 通気性を有する断熱材料に、前記断熱材料とは異なる特性を有する添加物質を含浸させたことを特徴とする断熱材。
  2. 添加物質は、断熱材料の全厚にわたって含浸されていることを特徴とする請求項1に記載の断熱材。
  3. 添加物質は、断熱材料の外面から所定の厚さにわたって含浸されていることを特徴とする請求項1に記載の断熱材。
  4. 断熱材料の一部分と他の部分とに、互いに異なる特性を有する添加物質が含浸されていることを特徴とする請求項2または3に記載の断熱材。
  5. 添加物質は、有害物質吸着剤、有害物質分解剤、脱臭剤、吸湿剤、防虫剤、芳香剤のいずれか1つもしくは2つ以上であることを特徴とする請求項1に記載の断熱材。
  6. 有害物質吸着剤はゼオライトであることを特徴とする請求項5に記載の断熱材。
  7. 添加物質を含浸させた断熱材料の外面に表面材が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の断熱材。
  8. 表面材は、断熱材料の外面に塗布されたモルタルまたは塗料層、あるいは前記断熱材料の外面に貼付けられた表装材であることを特徴とする請求項6に記載の断熱材。
  9. 通気性を有する断熱材料の上に、前記断熱材料とは異なる特性を有する粉粒状の添加物質を供給し、前記断熱材料に振動を与えてこの断熱材料中に前記添加物質を入り込ませることを特徴とする断熱材の製造方法。
  10. 通気性を有する断熱材料を、前記断熱材料とは異なる特性を有する添加物質の水溶液中に浸して前記断熱材料に前記水溶液を浸透させ、その後、前記断熱材料を乾燥することを特徴とする断熱材の製造方法。
  11. 通気性を有する断熱材料にその外面から前記断熱材料とは異なる特性を有する添加物質を吹き付けて前記断熱材料に前記添加物質を含浸させることを特徴とする断熱材の製造方法。
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