JP2005336448A - 生分解性樹脂用可塑剤 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 一般式(1)で表される化合物を含有する生分解性樹脂用可塑剤、及び生分解性樹脂とこの可塑剤とを含有する生分解性樹脂組成物。
R1O(AO)nR2 (1)
[式中、R1は炭素数1〜15の直鎖もしくは分岐鎖のアルキル基、アルケニル基、又は炭素数7〜18のアルキルフェニル基、R2は炭素数2〜15のアシル基、アルキル基もしくはアルケニル基であり、かつR1とR2の合計炭素数は4〜18である。Aは炭素数2〜4のアルキレン基、nは1〜20の数である。]
【選択図】 なし
Description
[式中、R1は炭素数1〜15の直鎖もしくは分岐鎖のアルキル基、アルケニル基、又は炭素数7〜18のアルキルフェニル基、R2は炭素数2〜15のアシル基、アルキル基もしくはアルケニル基であり、かつR1とR2の合計炭素数は4〜18である。Aは炭素数2〜4のアルキレン基、nはアルキレンオキサイドの平均付加モル数を示す1〜20の数であり、n個のAは同一でも異なっていてもよい。]
化合物(1)において、R1は炭素数1〜15の直鎖もしくは分岐鎖のアルキル基、アルケニル基、又は炭素数7〜18のアルキルフェニル基を示すが、炭素数1〜14、更に1〜12のアルキル基又はアルケニル基が好ましい。R2は炭素数2〜15、好ましくは2〜14、更に好ましくは2〜12のアシル基、アルキル基もしくはアルケニル基を示すが、炭素数2〜15のアシル基が特に好ましい。また、R1とR2の合計炭素数は4〜18であり、4〜12が好ましい。Aは炭素数2〜4のアルキレン基を示すが、エチレン基が好ましい。nはアルキレンオキサイドの平均付加モル数を示す1〜20の数であるが、1〜15が好ましく、3〜15が更に好ましい。
また、結晶性の生分解性樹脂に添加する場合に、より好ましい範囲は、R1とR2の合計炭素数は4〜10であり、Aはエチレン基が好ましく、nは1〜10が好ましく、3〜10が更に好ましい。
結晶性の生分解性樹脂としては、ポリ乳酸、ポリブチレンサクシネート、ポリヒドロキシアルカノエート等が挙げられる。
また、エステル結合を含まない場合は、NMRによる公知の方法によって疎水基及びアルキレンオキサイドの鎖長及び付加量を決定し、分子量を算出する。
また、化合物(1)の凝固点は30℃以下が好ましく、10℃以下が更に好ましい。
本発明で使用される生分解性樹脂としては、JIS K6953 (ISO14855)「制御された好気的コンポスト条件の好気的かつ究極的な生分解度及び崩壊度試験」に基づいた生分解性を有するポリエステル樹脂が好ましい。
ポリ乳酸樹脂の中で好ましいものとしては、耐熱性の観点から、光学純度90%以上の結晶性ポリ乳酸と光学純度90%未満のポリ乳酸の割合が重量比で、光学純度90%以上の結晶性ポリ乳酸/光学純度90%未満のポリ乳酸=100/0〜10/90、好ましくは100/0〜25/75のポリ乳酸樹脂が挙げられる。
本発明の生分解性樹脂組成物は、本発明の可塑剤と生分解性樹脂とを含有する。本発明の可塑剤の含有量は、生分解性樹脂100重量部に対し、柔軟性、透明性、耐ブリード性及び経済性の観点から、好ましくは1〜70重量部、更に好ましくは3〜50重量部、特に好ましくは5〜30重量部である。
結晶核剤としては、天然または合成珪酸塩化合物、酸化チタン、硫酸バリウム、リン酸三カルシウム、炭酸カルシウム、リン酸ソーダなどが挙げられ、珪酸塩化合物としては、カオリナイト、ハロイサイト、タルク、スメクタイト、バーミュライト、マイカなどが例示できる。これら結晶核剤の含有量は、生分解性樹脂100重量部に対し、0.05〜5重量部が好ましく、0.1〜2重量部が更に好ましい。
エチレンオキサイド用の計量槽の付いた10Lの攪拌回転式オートクレーブ中にヘキシルアルコール(東京化成工業製試薬特級)を510g、水酸化カリウムを1.7g仕込み、窒素置換を行った後110℃に昇温し、5.3kPaで1時間脱水を行った。次に150℃に昇温し、エチレンオキサイドを3.5kg/cm2の圧力で1100gオートクレーブ中に導入し圧力が低下し一定になるまで反応させた。反応終了後、温度を低下させて合成したサンプルを抜き出した。抜き出したサンプルを3Lフラスコに移し、キョーワード600S(協和化学工業(株)製)を14g添加し、80℃窒素微加圧条件で1時間触媒の吸着処理を行った。処理後吸着剤を濾過し約1.5kgの中間体であるポリオキシエチレンヘキシルエーテル(エチレンオキサイド平均付加モル数5)を得た。
ヘキシルアルコールの代わりにオクチルアルコール(花王(株)製カルコール0898)を用いた他は合成例1と同様な手順で、エチレンオキサイドを10モル付加した可塑剤2(アセチル化ポリオキシエチレン(10)オクチルエーテル)を得た。
ヘキシルアルコールの代わりにデシルアルコール(花王(株)製カルコール1098)を用いた他は合成例1と同様な手順で、エチレンオキサイドを5モル付加した可塑剤3(アセチル化ポリオキシエチレン(5)デシルエーテル)を得た。
ヘキシルアルコールの代わりにラウリルアルコール(花王(株)製カルコール2098)を用いた他は同様な手順で、エチレンオキサイドを10モル付加した可塑剤4(アセチル化ポリオキシエチレン(10)ラウリルエーテル)を得た。
エチレンオキサイドの付加モル数を変える以外は合成例1と同様な手順で、エチレンオキサイドを7モル付加した可塑剤5(アセチル化ポリオキシエチレン(7)ヘキシルエーテル)を得た。
ポリオキシエチレン(4)メチルエーテル(日本乳化剤(株)製、MPG)とカプリル酸(花王(株)製ルナック8−98)をパラトルエンスルホン酸触媒を用いて180℃で反応させた。反応後キョーワード500SH(協和化学工業(株)製)で触媒を吸着除去し、減圧条件で生成物を蒸留し可塑剤6(ポリオキシエチレン(4)メチルカプリレート)を得た。
ヘキシルアルコールの代わりにデシルアルコール(花王(株)製カルコール1098)を用いた他は合成例1と同様な手順で、エチレンオキサイドを24モル付加した比較可塑剤1(アセチル化ポリオキシエチレン(24)デシルエーテル)を得た。
ポリオキシエチレンヘキシルエーテルの代わりにエマルゲン320P(花王(株)製、ステアリル/セチルアルコールEO12モル付加品)を用いた他は合成例1と同様な手順でアセチル化し、比較可塑剤2(アセチル化ポリオキシエチレン(12)ステアリル/セチルエーテル)を得た。
エマルゲン106(花王(株)製、ラウリルアルコールEO5モル付加品)を比較可塑剤3(ポリオキシエチレン(5)ラウリルエーテル)とする。
ポリオキシエチレン(12)メチルエーテル(アルドリッチ製試薬)を使用し、合成例1と同様な手順でアセチル化し、比較可塑剤4(アセチル化ポリオキシエチレン(12)メチルエーテル)を得た。
生分解性樹脂として、50℃で24時間真空乾燥したポリ乳酸樹脂(三井化学(株)製 レイシア(LACEA)H−280)100重量部、表1に示す種類と量の可塑剤からなる組成物を、130℃の4インチロールにて15分間混練し、160℃のプレス成形機にて厚さ0.5mmのテストピースを作成した。
テストピースを3号ダンベルで打ち抜き、温度23℃、湿度50%RHの恒温室に24時間放置し、引張速度200mm/minで引張試験を行い、100%モジュラスで示した。
JIS−K7105規定の積分球式光線透過率測定装置(ヘイズメーター)を用い、テストピースのヘイズ値を測定した。数字の小さい方が透明性良好であることを示す。
テストピース(縦100mm×横100mm×厚さ0.5mm)を40℃の恒温室に1週間放置し、その表面における可塑剤のブリードの有無を肉眼で観察した。
*2:測定不可(テストピースが100%モジュラス値を測定する前に破断)
生分解性樹脂として、50℃で24時間真空乾燥したポリ乳酸樹脂(三井化学(株)製 レイシア(LACEA)H−400)100重量部、表2に示す種類と量の可塑剤からなる組成物を、180℃のラボプラストミルにて10分間混練し、190℃のプレス成形機にて厚さ0.5mmのテストピースを作成した。
<耐ブリード性(ブリードの有無)>
テストピース(縦100mm×横100mm×厚さ0.5mm)を70℃の恒温室に3日間放置し、その表面における可塑剤のブリードの有無を肉眼で観察した。
Claims (6)
- 一般式(1)で表される化合物を含有する生分解性樹脂用可塑剤。
R1O(AO)nR2 (1)
[式中、R1は炭素数1〜15の直鎖もしくは分岐鎖のアルキル基、アルケニル基、又は炭素数7〜18のアルキルフェニル基、R2は炭素数2〜15のアシル基、アルキル基もしくはアルケニル基であり、かつR1とR2の合計炭素数は4〜18である。Aは炭素数2〜4のアルキレン基、nはアルキレンオキサイドの平均付加モル数を示す1〜20の数であり、n個のAは同一でも異なっていてもよい。] - 一般式(1)で表される化合物の平均分子量が250以上である請求項1記載の生分解性樹脂用可塑剤。
- 一般式(1)で表される化合物のR2を除く部分のHLBが5〜18である請求項1又は2記載の生分解性樹脂用可塑剤。
- 一般式(1)で表される化合物の凝固点が30℃以下であり、Aがエチレン基である請求項1〜3いずれかに記載の生分解性樹脂用可塑剤。
- 一般式(1)で表される化合物のR2が炭素数2〜15のアシル基である請求項1〜4いずれかに記載の生分解性樹脂用可塑剤。
- 生分解性樹脂と、請求項1〜5いずれかに記載の可塑剤とを含有する生分解性樹脂組成物。
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