JP2005336448A - 生分解性樹脂用可塑剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】 生分解性樹脂の透明性を阻害せずに柔軟性を付与することができる生分解性樹脂用可塑剤、並びに柔軟性、透明性及び耐ブリード性に優れた生分解性樹脂組成物の提供。
【解決手段】 一般式(1)で表される化合物を含有する生分解性樹脂用可塑剤、及び生分解性樹脂とこの可塑剤とを含有する生分解性樹脂組成物。
1O(AO)n2 (1)
[式中、R1は炭素数1〜15の直鎖もしくは分岐鎖のアルキル基、アルケニル基、又は炭素数7〜18のアルキルフェニル基、R2は炭素数2〜15のアシル基、アルキル基もしくはアルケニル基であり、かつR1とR2の合計炭素数は4〜18である。Aは炭素数2〜4のアルキレン基、nは1〜20の数である。]
【選択図】 なし

Description

本発明は、生分解性樹脂用可塑剤、並びに柔軟性、透明性及び耐ブリード性に優れた生分解性樹脂組成物に関する。
ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン等の石油を原料とする汎用樹脂は、軽量であることや、良好な加工性、物性及び耐久性等の性質から、日用雑貨、家電製品、自動車部品、建築材料あるいは食品包装等の様々な分野に使用されている。しかしながらこれらの樹脂製品は、役目を終えて廃棄する段階で良好な耐久性が欠点となり、自然界における分解性に劣るため、生態系に影響を及ぼす可能性がある。
このような問題を解決するために、熱可塑性樹脂で生分解性を有するポリマーとして、ポリ乳酸及び乳酸と他の脂肪族ヒドロキシカルボン酸とのコポリマー、脂肪族多価アルコールと脂肪族多価カルボン酸から誘導される脂肪族ポリエステル及びそれらのユニットを含むコポリマー等の生分解性樹脂が開発されている。
これらの生分解性樹脂は、土壌、海水中、あるいは動物の体内等に置かれた場合、自然に生息する微生物の産出する酵素の働きによって、数週間で分解が始まり、約1年から数年の間に消滅する。さらに分解物は、人体に無害な乳酸、二酸化炭素、水等になる。脂肪族ポリエステルの中でもポリ乳酸樹脂は、トウモロコシ、芋等からとれる糖分から、発酵法によりL−乳酸が大量に作られ安価になってきたこと、原料が自然農作物なので総二酸化炭素排出量が極めて少ない、また得られたポリマーの性能として剛性が強く透明性が良いという特徴があるので、現在その利用が期待され、フラットヤーン、ネット、園芸資材、育苗用ポット等の農業土木資材分野、窓付き封筒、買い物袋、コンポストバッグ、文具、雑貨等に使用されている。しかしながらポリ乳酸樹脂の場合は、脆く、硬く、可撓性に欠ける特性のためにいずれも硬質成形品分野に限られ、フィルム等に成形した場合は、柔軟性が不足したり、折り曲げたとき白化等の問題があり、軟質または半硬質分野に使用されていないのが現状である。軟質、半硬質分野に応用する技術として可塑剤を添加する方法が種々提案されている。例えばグリセリンジアセチルモノ脂肪酸エステル等の可塑剤を添加する技術(特許文献1)が開示されているが、透明性、耐折り曲げ白化性等の性能が満足いくものではない。
特開2000−302956号公報
本発明の課題は、生分解性樹脂の透明性を阻害せずに柔軟性を付与することができる生分解性樹脂用可塑剤、並びに柔軟性、透明性及び耐ブリード性に優れた生分解性樹脂組成物を提供することにある。
本発明は、一般式(1)で表される化合物(以下化合物(1)という)を含有する生分解性樹脂用可塑剤、及び生分解性樹脂と、この可塑剤とを含有する生分解性樹脂組成物を提供する。
1O(AO)n2 (1)
[式中、R1は炭素数1〜15の直鎖もしくは分岐鎖のアルキル基、アルケニル基、又は炭素数7〜18のアルキルフェニル基、R2は炭素数2〜15のアシル基、アルキル基もしくはアルケニル基であり、かつR1とR2の合計炭素数は4〜18である。Aは炭素数2〜4のアルキレン基、nはアルキレンオキサイドの平均付加モル数を示す1〜20の数であり、n個のAは同一でも異なっていてもよい。]
本発明の可塑剤は、生分解性樹脂の透明性を阻害させずに柔軟性を付与することができ、また、本発明の生分解性樹脂組成物は柔軟性、透明性及び耐ブリード性に優れ、本発明の生分解性樹脂組成物からなるシートやフィルムを折り曲げた時の白化を防止することもできる。
[可塑剤]
化合物(1)において、R1は炭素数1〜15の直鎖もしくは分岐鎖のアルキル基、アルケニル基、又は炭素数7〜18のアルキルフェニル基を示すが、炭素数1〜14、更に1〜12のアルキル基又はアルケニル基が好ましい。R2は炭素数2〜15、好ましくは2〜14、更に好ましくは2〜12のアシル基、アルキル基もしくはアルケニル基を示すが、炭素数2〜15のアシル基が特に好ましい。また、R1とR2の合計炭素数は4〜18であり、4〜12が好ましい。Aは炭素数2〜4のアルキレン基を示すが、エチレン基が好ましい。nはアルキレンオキサイドの平均付加モル数を示す1〜20の数であるが、1〜15が好ましく、3〜15が更に好ましい。
また、結晶性の生分解性樹脂に添加する場合に、より好ましい範囲は、R1とR2の合計炭素数は4〜10であり、Aはエチレン基が好ましく、nは1〜10が好ましく、3〜10が更に好ましい。
結晶性の生分解性樹脂としては、ポリ乳酸、ポリブチレンサクシネート、ポリヒドロキシアルカノエート等が挙げられる。
尚、R1とR2の合計炭素数が3以下の場合は、樹脂との相溶性が低下し、加熱処理などをするとブリードし易くなるので好ましくなく、かつR1とR2それぞれの炭素数が少なくなるため、親水性が向上し、樹脂組成物の耐水性や耐久性を低下させる。また、ブリードを防ぐため分子量を大きくすれば可塑剤の結晶性が高まり相分離し易い問題や、可塑剤の結晶性が無くなるほど低分子量化すれば、沸点が低下して加工時の揮発が大きく、作業性が低下する問題があり、可塑剤としての十分な機能を発揮できない。
化合物(1)の平均分子量は、柔軟性、透明性、耐ブリード性及び耐揮発性の観点から、250以上が好ましく、250〜800がより好ましく、300〜800が特に好ましい。尚、分子量は、エステル結合を有する場合、JIS K0070に記載の方法で鹸化価と水酸基価とを求め、次式より計算で求めることができる。
分子量=56108/[鹸化価+水酸基価]
また、エステル結合を含まない場合は、NMRによる公知の方法によって疎水基及びアルキレンオキサイドの鎖長及び付加量を決定し、分子量を算出する。
化合物(1)のR2を除く部分のHLBは5〜18が好ましく、7〜17が更に好ましい。尚、HLBはグリフィンの式に従って計算した値であり、Aがエチレン基以外のアルキレン基の場合にはグリフィンの式に定義されていないので、炭素数3のアルキレン基はメチレン0.3個、炭素数4のアルキレン基はメチレン1個分の疎水基として換算することとする。
また、化合物(1)の凝固点は30℃以下が好ましく、10℃以下が更に好ましい。
化合物(1)の好ましい具体例として、アセチル化ポリオキシエチレンアルキル(アルキル基の炭素数2〜15)エーテル、ポリオキシエチレンアルキル(アルキル基の炭素数1〜15)エーテルプロピオン酸エステル、ポリオキシエチレンアルキル(アルキル基の炭素数1〜14)エーテル酪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキル(アルキル基の炭素数1〜13)エーテル吉草酸エステル、ポリオキシエチレンアルキル(アルキル基の炭素数1〜12)エーテルカプロン酸エステル、ポリオキシエチレンアルキル(アルキル基の炭素数1〜11)エーテルエナント酸エステル、ポリオキシエチレンアルキル(アルキル基の炭素数1〜10)エーテルカプリル酸エステル、ポリオキシエチレンアルキル(アルキル基の炭素数1〜9)エーテルペラルゴン酸エステル、ポリオキシエチレンアルキル(アルキル基の炭素数1〜8)エーテルカプリン酸エステル、ポリオキシエチレンアルキル(アルキル基の炭素数1〜7)エーテルウンデカン酸エステル、ポリオキシエチレンアルキル(アルキル基の炭素数1〜6)エーテルラウリン酸エステル、ポリオキシエチレンアルキル(アルキル基の炭素数1〜5)エーテルトリデカン酸エステル、ポリオキシエチレンアルキル(アルキル基の炭素数1〜4)エーテルミリスチン酸エステル、ポリオキシエチレンアルキル(アルキル基の炭素数1〜3)エーテルペンタデカン酸エステルなどが挙げられる。また、これらを混合して使用することもできるし、R1及び/又はR2として、上記範囲内の成分をあらかじめ混合して使用することもできる。
本発明の化合物(1)の製造方法は特に限定されず、例えばアルコールにエチレンオキサイド等のアルキレンオキサイドを付加し、次いで脂肪酸によりエステル化するか、もしくはアルカリ触媒下で塩化アルキル等と反応させることによって得られる。
本発明の可塑剤は、化合物(1)以外に、化合物(1)の製造における未反応分や、化合物(1)以外の可塑剤等を含有することができる。
化合物(1)以外の可塑剤としては、アセチル化モノグリセライド、アセチル化トリブチルサイトレート等が挙げられる。
本発明の可塑剤中の、化合物(1)の含有量は、本発明の目的を達成する観点から、好ましくは50重量%以上であり、より好ましくは70重量%以上であり、さらに好ましくは90重量%以上である。
[生分解性樹脂]
本発明で使用される生分解性樹脂としては、JIS K6953 (ISO14855)「制御された好気的コンポスト条件の好気的かつ究極的な生分解度及び崩壊度試験」に基づいた生分解性を有するポリエステル樹脂が好ましい。
本発明で使用される生分解性樹脂は、自然界において微生物が関与して低分子化合物に分解される生分解性を有していればよく、特に限定されるものではない。例えば、ポリヒドロキシブチレート、ポリカプロラクトン、ポリブチレンサクシネート、ポリブチレンサクシネート/アジペート、ポリエチレンサクシネート、ポリ乳酸樹脂、ポリリンゴ酸、ポリグリコール酸、ポリジオキサノン、ポリ(2−オキセタノン)等の脂肪族ポリエステル;ポリブチレンサクシネート/テレフタレート、ポリブチレンアジペート/テレフタレート、ポリテトラメチレンアジペート/テレフタレート等の脂肪族芳香族コポリエステル;デンプン、セルロース、キチン、キトサン、グルテン、ゼラチン、ゼイン、大豆タンパク、コラーゲン、ケラチン等の天然高分子と上記の脂肪族ポリエステルあるいは脂肪族芳香族コポリエステルとの混合物等が挙げられる。
これらのなかで加工性、経済性、大量に入手できることなどから、脂肪族ポリエステルが好ましく、物性の点からポリ乳酸樹脂がさらに好ましい。ここで、ポリ乳酸樹脂とは、ポリ乳酸、又は乳酸とヒドロキシカルボン酸とのコポリマーである。ヒドロキシカルボン酸として、グリコール酸、ヒドロキシ酪酸、ヒドロキシ吉草酸、ヒドロキシペンタン酸、ヒドロキシカプロン酸、ヒドロキシヘプタン酸等が挙げられ、グリコール酸、ヒドロキシカプロン酸が好ましい。好ましいポリ乳酸の分子構造は、L−乳酸又はD−乳酸いずれかの単位20〜100モル%とそれぞれの対掌体の乳酸単位0〜80モル%からなるものである。また、乳酸とヒドロキシカルボン酸とのコポリマーは、L−乳酸又はD−乳酸いずれかの単位85〜100モル%とヒドロキシカルボン酸単位0〜15モル%からなるものである。これらのポリ乳酸樹脂は、L−乳酸、D−乳酸及びヒドロキシカルボン酸の中から必要とする構造のものを選んで原料とし、脱水重縮合することにより得ることができる。好ましくは、乳酸の環状二量体であるラクチド、グリコール酸の環状二量体であるグリコリド及びカプロラクトン等から必要とする構造のものを選んで開環重合することにより得ることができる。ラクチドにはL−乳酸の環状二量体であるL−ラクチド、D−乳酸の環状二量体であるD−ラクチド、D−乳酸とL−乳酸とが環状二量化したメソ−ラクチド及びD−ラクチドとL−ラクチドとのラセミ混合物であるDL−ラクチドがある。本発明ではいずれのラクチドも用いることができる。但し、主原料は、D−ラクチド又はL−ラクチドが好ましい。
ポリ乳酸樹脂の中で好ましいものとしては、耐熱性の観点から、光学純度90%以上の結晶性ポリ乳酸と光学純度90%未満のポリ乳酸の割合が重量比で、光学純度90%以上の結晶性ポリ乳酸/光学純度90%未満のポリ乳酸=100/0〜10/90、好ましくは100/0〜25/75のポリ乳酸樹脂が挙げられる。
市販されている生分解性樹脂としては、例えば、デュポン社製、商品名バイオマックス;BASF社製、商品名Ecoflex;EastmanChemicals社製、商品名EasterBio;昭和高分子(株)製、商品名ビオノーレ;日本合成化学工業(株)製、商品名マタービー;三井化学(株)製、商品名レイシア;日本触媒(株)製、商品名ルナーレ;チッソ(株)製、商品名ノボン;カーギル・ダウ・ポリマーズ社製、商品名Nature Works等が挙げられる。
これらの中では、好ましくはポリ乳酸樹脂(例えば三井化学(株)製、商品名レイシアH−100,H−280,H−400,H−440;カーギル・ダウ・ポリマーズ社製、商品名Nature Works) 、ポリブチレンサクシネート等の脂肪族ポリエステル(例えば昭和高分子(株)製、商品名ビオノーレ) 、ポリ(ブチレンサクシネート/テレフタレート)等の脂肪族芳香族コポリエステル(デュポン社製、商品名バイオマックス)が挙げられる。
耐熱性の観点では、L−乳酸純度が高い結晶性生分解性樹脂が好ましく、延伸により配向結晶化させることが好ましい。結晶性生分解性樹脂としては、三井化学(株)製、レイシアH−100、H−400、H−440等が挙げられる。
[生分解性樹脂組成物]
本発明の生分解性樹脂組成物は、本発明の可塑剤と生分解性樹脂とを含有する。本発明の可塑剤の含有量は、生分解性樹脂100重量部に対し、柔軟性、透明性、耐ブリード性及び経済性の観点から、好ましくは1〜70重量部、更に好ましくは3〜50重量部、特に好ましくは5〜30重量部である。
本発明の生分解性樹脂組成物中の、生分解性樹脂の含有量は、本発明の目的を達成する観点から、好ましくは50重量%以上であり、より好ましくは70重量%以上である。
本発明の組成物は、上記可塑剤以外に、滑剤、結晶核剤等の他の成分を含有することができる。滑剤としては、例えば、ポリエチレンワックス等の炭化水素系ワックス類、ステアリン酸等の脂肪酸類、グリセロールエステル等の脂肪酸エステル類、ステアリン酸カルシウム等の金属石鹸類、モンタン酸ワックス等のエステルワックス類、アルキルベンゼンスルホン酸塩等の芳香環を有するアニオン型界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩等のアルキレンオキサイド付加部分を有するアニオン型界面活性剤等が挙げられる。これら滑剤の含有量は、生分解性樹脂100重量部に対し、0.05〜5重量部が好ましく、0.05〜3重量部が更に好ましく、0.1〜2重量部が特に好ましい。
結晶核剤としては、天然または合成珪酸塩化合物、酸化チタン、硫酸バリウム、リン酸三カルシウム、炭酸カルシウム、リン酸ソーダなどが挙げられ、珪酸塩化合物としては、カオリナイト、ハロイサイト、タルク、スメクタイト、バーミュライト、マイカなどが例示できる。これら結晶核剤の含有量は、生分解性樹脂100重量部に対し、0.05〜5重量部が好ましく、0.1〜2重量部が更に好ましい。
本発明の組成物は、上記以外の他の成分として、帯電防止剤、防曇剤、光安定剤、紫外線吸収剤、顔料、無機充填剤、防カビ剤、抗菌剤、発泡剤、難燃剤、上記本発明の可塑剤以外の可塑剤等を、本発明の目的達成を妨げない範囲で含有することができる。
本発明の組成物は、加工性が良好で、例えば160〜190℃等の低温で加工することができるため、カレンダー加工も可能であり、また可塑剤の分解も起こりにくい。本発明の組成物は、フィルムやシートに成形して、各種用途に用いることができる。
合成例1
エチレンオキサイド用の計量槽の付いた10Lの攪拌回転式オートクレーブ中にヘキシルアルコール(東京化成工業製試薬特級)を510g、水酸化カリウムを1.7g仕込み、窒素置換を行った後110℃に昇温し、5.3kPaで1時間脱水を行った。次に150℃に昇温し、エチレンオキサイドを3.5kg/cm2の圧力で1100gオートクレーブ中に導入し圧力が低下し一定になるまで反応させた。反応終了後、温度を低下させて合成したサンプルを抜き出した。抜き出したサンプルを3Lフラスコに移し、キョーワード600S(協和化学工業(株)製)を14g添加し、80℃窒素微加圧条件で1時間触媒の吸着処理を行った。処理後吸着剤を濾過し約1.5kgの中間体であるポリオキシエチレンヘキシルエーテル(エチレンオキサイド平均付加モル数5)を得た。
上記ポリオキシエチレンヘキシルエーテル330gを1Lのフラスコに仕込み、撹拌装置を用いて攪拌しながら無水酢酸160gを滴下し反応温度80〜130℃で1時間反応し、さらに120℃で3時間熟成した。反応終了後100℃/2.5kPaで未反応の無水酢酸と副生した酢酸を留去させ、さらに100℃/1.3kPaでスチーミングを行い、目的とする可塑剤1(アセチル化ポリオキシエチレン(5)ヘキシルエーテル)を得た。
合成例2
ヘキシルアルコールの代わりにオクチルアルコール(花王(株)製カルコール0898)を用いた他は合成例1と同様な手順で、エチレンオキサイドを10モル付加した可塑剤2(アセチル化ポリオキシエチレン(10)オクチルエーテル)を得た。
合成例3
ヘキシルアルコールの代わりにデシルアルコール(花王(株)製カルコール1098)を用いた他は合成例1と同様な手順で、エチレンオキサイドを5モル付加した可塑剤3(アセチル化ポリオキシエチレン(5)デシルエーテル)を得た。
合成例4
ヘキシルアルコールの代わりにラウリルアルコール(花王(株)製カルコール2098)を用いた他は同様な手順で、エチレンオキサイドを10モル付加した可塑剤4(アセチル化ポリオキシエチレン(10)ラウリルエーテル)を得た。
合成例5
エチレンオキサイドの付加モル数を変える以外は合成例1と同様な手順で、エチレンオキサイドを7モル付加した可塑剤5(アセチル化ポリオキシエチレン(7)ヘキシルエーテル)を得た。
合成例6
ポリオキシエチレン(4)メチルエーテル(日本乳化剤(株)製、MPG)とカプリル酸(花王(株)製ルナック8−98)をパラトルエンスルホン酸触媒を用いて180℃で反応させた。反応後キョーワード500SH(協和化学工業(株)製)で触媒を吸着除去し、減圧条件で生成物を蒸留し可塑剤6(ポリオキシエチレン(4)メチルカプリレート)を得た。
比較合成例1
ヘキシルアルコールの代わりにデシルアルコール(花王(株)製カルコール1098)を用いた他は合成例1と同様な手順で、エチレンオキサイドを24モル付加した比較可塑剤1(アセチル化ポリオキシエチレン(24)デシルエーテル)を得た。
比較合成例2
ポリオキシエチレンヘキシルエーテルの代わりにエマルゲン320P(花王(株)製、ステアリル/セチルアルコールEO12モル付加品)を用いた他は合成例1と同様な手順でアセチル化し、比較可塑剤2(アセチル化ポリオキシエチレン(12)ステアリル/セチルエーテル)を得た。
比較合成例3
エマルゲン106(花王(株)製、ラウリルアルコールEO5モル付加品)を比較可塑剤3(ポリオキシエチレン(5)ラウリルエーテル)とする。
比較合成例4
ポリオキシエチレン(12)メチルエーテル(アルドリッチ製試薬)を使用し、合成例1と同様な手順でアセチル化し、比較可塑剤4(アセチル化ポリオキシエチレン(12)メチルエーテル)を得た。
実施例1〜4及び比較例1〜3
生分解性樹脂として、50℃で24時間真空乾燥したポリ乳酸樹脂(三井化学(株)製 レイシア(LACEA)H−280)100重量部、表1に示す種類と量の可塑剤からなる組成物を、130℃の4インチロールにて15分間混練し、160℃のプレス成形機にて厚さ0.5mmのテストピースを作成した。
得られたテストピースについて下記の方法で柔軟性、透明性及び耐ブリード性を評価した。また、このテストピースを手で180°折り曲げ、白化の有無を肉眼で観察した。これらの結果を表1に示す。
<柔軟性の評価法>
テストピースを3号ダンベルで打ち抜き、温度23℃、湿度50%RHの恒温室に24時間放置し、引張速度200mm/minで引張試験を行い、100%モジュラスで示した。
<透明性の評価法>
JIS−K7105規定の積分球式光線透過率測定装置(ヘイズメーター)を用い、テストピースのヘイズ値を測定した。数字の小さい方が透明性良好であることを示す。
<耐ブリード性(ブリードの有無)>
テストピース(縦100mm×横100mm×厚さ0.5mm)を40℃の恒温室に1週間放置し、その表面における可塑剤のブリードの有無を肉眼で観察した。
Figure 2005336448
*1:JIS K0065に準拠した自動凝固点測定装置を用いて測定した。
*2:測定不可(テストピースが100%モジュラス値を測定する前に破断)
実施例5〜6及び比較例4
生分解性樹脂として、50℃で24時間真空乾燥したポリ乳酸樹脂(三井化学(株)製 レイシア(LACEA)H−400)100重量部、表2に示す種類と量の可塑剤からなる組成物を、180℃のラボプラストミルにて10分間混練し、190℃のプレス成形機にて厚さ0.5mmのテストピースを作成した。
得られたテストピースについて実施例1〜4と同様の方法で柔軟性、透明性を評価し、下記方法で耐ブリード性を評価した。また、このテストピースを手で180°折り曲げ、白化の有無を肉眼で観察した。これらの結果を表2に示す。
<耐ブリード性(ブリードの有無)>
テストピース(縦100mm×横100mm×厚さ0.5mm)を70℃の恒温室に3日間放置し、その表面における可塑剤のブリードの有無を肉眼で観察した。
Figure 2005336448

Claims (6)

  1. 一般式(1)で表される化合物を含有する生分解性樹脂用可塑剤。
    1O(AO)n2 (1)
    [式中、R1は炭素数1〜15の直鎖もしくは分岐鎖のアルキル基、アルケニル基、又は炭素数7〜18のアルキルフェニル基、R2は炭素数2〜15のアシル基、アルキル基もしくはアルケニル基であり、かつR1とR2の合計炭素数は4〜18である。Aは炭素数2〜4のアルキレン基、nはアルキレンオキサイドの平均付加モル数を示す1〜20の数であり、n個のAは同一でも異なっていてもよい。]
  2. 一般式(1)で表される化合物の平均分子量が250以上である請求項1記載の生分解性樹脂用可塑剤。
  3. 一般式(1)で表される化合物のR2を除く部分のHLBが5〜18である請求項1又は2記載の生分解性樹脂用可塑剤。
  4. 一般式(1)で表される化合物の凝固点が30℃以下であり、Aがエチレン基である請求項1〜3いずれかに記載の生分解性樹脂用可塑剤。
  5. 一般式(1)で表される化合物のR2が炭素数2〜15のアシル基である請求項1〜4いずれかに記載の生分解性樹脂用可塑剤。
  6. 生分解性樹脂と、請求項1〜5いずれかに記載の可塑剤とを含有する生分解性樹脂組成物。
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