JP2005336089A - 多層型化粧料 - Google Patents
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Abstract
【課題】 使用時に振盪により容易に均一に混合して白濁の乳化状態になり、静置すると速やかに分離する多層型化粧料の提供。
【解決手段】 充填パラメータが0.6〜1.2の非イオン界面活性剤と、イオン性界面活性剤を、質量比10:1〜1:2で含有し、25℃における粘度が10cs以下のシリコーン油を50質量%以上含む液体油 1〜15質量%、多価アルコールを含む水相 50〜98質量%を含有する多層型化粧料。
【選択図】なし
【解決手段】 充填パラメータが0.6〜1.2の非イオン界面活性剤と、イオン性界面活性剤を、質量比10:1〜1:2で含有し、25℃における粘度が10cs以下のシリコーン油を50質量%以上含む液体油 1〜15質量%、多価アルコールを含む水相 50〜98質量%を含有する多層型化粧料。
【選択図】なし
Description
本発明は、振盪することより容易に均一に混合して白濁の乳化状態になり、静置すると速やかに分離してもとの状態にもどる多層型化粧料に関する。
多層型化粧料は、静置時に2層以上の複数層に分離しているという外観上の特徴から、外観の奇抜さ及び美しさを目的とした化粧料として広く使用されている。特に、透明な分離層を有する化粧料では美的側面が大きな特徴である。また、静置時に層分離しているため、その各層に見合った化粧料成分、特に有効成分を安定に配合できるという特徴を有する。
このような多層型化粧料においては、静置時に分離している層状態を使用時に振盪することにより、均一な状態にする必要がある。このように層分離状態から均一な乳化状態にし、そして静止後速やかに分離するという層変化を起こさせるために、乳化剤・分散剤として、種々の界面活性剤が使用されている。しかし、界面活性剤の作用が強すぎると、少しの振盪で十分に乳化混合した状態となる反面、混合状態から分層してもとの分離層を形成するのに長時間を要したり、また十分に分離せずに分層後に乳化滴が油性層又は水性層に残るため、特に透明な層を得るのが困難になる。
二層型化粧用組成物として、特許文献1にはトリグリセロール脂肪酸モノエステルを用いることが開示されている。また、特許文献2には、ジグリセリンモノイソステアレート及び/又はジグリセリンモノオレートを含有する多層型のクレンジング料が記載されている。このクレンジング料は、特に低粘度の液状油を15〜50重量%含むことにより、振盪により速やかな乳化状態を呈するものであり、乳化層を含んだ多層型化粧料である。
さらに、これらの多層型化粧料では、使用するときに振盪操作を行なっても容易に均一に混合することができなかったり、使用後に静置したときに分層に時間がかかるなどの問題があった。加えて、分離後の油性層又は水性層が白濁するという問題もあった。
特開平5−97628号公報
特開平8−99836号公報
本発明の目的は、振盪することより容易に混合して均一な白濁の乳化状態になり、静置すると速やかに分離して透明層を有する状態にもどる多層型化粧料を提供することにある。
本発明者らは、充填パラメータが0.6〜1.2の非イオン界面活性剤と、イオン性界面活性剤を一定比率で含有し、さらに、低粘度のシリコーン油を含む液体油と、多価アルコールを含む水相を組合わせて用いることにより、透明な分離層を有し、振盪により容易に均一に混合して乳化状態になり、静置すると速やかに分離する多層型化粧料が得られることを見出した。
本発明は、充填パラメータが0.6〜1.2の非イオン界面活性剤と、イオン性界面活性剤とを、質量比10:1〜1:2で含有し、25℃における粘度が10cs以下のシリコーン油を50質量%以上含む液体油 1〜15質量%、多価アルコールを含む水相 50〜98質量%を含有する多層型化粧料を提供するものである。
本発明の多層型化粧料は、さっぱりとした軽い使用感としっとり感を兼ね備え、静置時には分離しているが、使用時に振盪することより容易に均一に混合して白濁の乳化状態になり、静置すると速やかに分離してもとの状態にもどるものである。
本発明で用いる非イオン界面活性剤は、充填パラメータが0.6〜1.2、好ましくは0.8〜1.0のものである。この範囲外では、透明な分離層を有し、振盪により容易に均一に混合して乳化状態になり、静置すると速やかに分離する多層型化粧料は得られない。
「充填パラメータ」とは、ミセル殻中の疎水基の占有容積をV、ミセル殻中の疎水基の長さをl、ミセル−溶液界面での親水基の占有面積をaとすると、V/(l・a)で示される値で、分子構造と会合構造の関係を説明するためのパラメータである。Israelachviliによって、臨界充填パラメータと安定にとり得る会合構造との関係が示されている(「Intermolecular and Surface Forces, with Applications to Colloidal and Biological Systems」Academic Press, London, 1985, p247;「分子間力と表面力」第2版、J.N.イスラエルアチヴェリ著、近藤保、大島広行訳、朝倉書店、1996、p368;「界面活性剤と界面現象」M.J.ローゼン著、坪根和幸、坂本一民監修、フレグランスジャーナル社、1995、p116)。
一般に単独の界面活性剤溶液中では、界面活性剤の充填パラメータが1以上では逆ミセルが形成される傾向にあり、1以下ではミセルが形成される。特に疎水基と親水基のバランスがとれた1付近では、ラメラ構造が形成される傾向にある。本発明は、非イオン界面活性剤とイオン性界面活性剤の混合系においても、上記の単独系と同様に、用いる非イオン界面活性剤の充填パラメータが疎水基と親水基のバランスがとれた領域又はやや親油性の領域である0.6〜1.2の範囲で、2又は3層型状態が形成されるものである。
また、非イオン界面活性剤を2種以上用いる場合は、充填パラメータはその平均値を用いる。平均値は、使用する2種以上の非イオン界面活性剤のモル分率に応じて計算することができる。例えば、成分Aと成分Bの2種類を用いる場合には、
「充填パラメータ=Aの充填パラメータ×Aのモル分率+Bの充填パラメータ×Bのモル分率」により計算できる。
「充填パラメータ=Aの充填パラメータ×Aのモル分率+Bの充填パラメータ×Bのモル分率」により計算できる。
非イオン界面活性剤としては、単独での充填パラメータが0.6〜1.2であれば制限されない。具体的には、グリセリンモノカプリル酸エステル(充填パラメータ:1.0)、ジグリセリンモノカプリン酸エステル(充填パラメータ:0.9)、グリセリンモノミリスチン酸エステル(充填パラメータ:1.0)、ジグリセリンモノミリスチン酸エステル(充填パラメータ:0.9)、グリセリンモノラウリン酸エステル(充填パラメータ:1.0)、ジグリセリンモノラウリン酸エステル(充填パラメータ:0.9)、グリセリンモノラウリルエーテル(充填パラメータ:1.0)、ジグリセリンモノラウリルエーテル(充填パラメータ:0.9)、グリセリンモノイソデシルエーテル(充填パラメータ:1.1)、ジグリセリンモノパルミチン酸エステル、ジグリセリンモノカプリルエーテル、ジグリセリンモノミリスチルエーテル、ジグリセリンモノパルミチルエーテル等が挙げられる。これらのうち、炭素数10〜18の脂肪酸残基を有するジグリセリン脂肪酸モノエステル、炭素数10〜18のアルキル基を有するジグリセリンモノアルキルエーテルが好ましく、中でも、ジグリセリンモノパルミチン酸エステル(充填パラメータ:0.9)、ジグリセリンモノラウリン酸エステル(充填パラメータ:0.9)、ジグリセリンモノラウリルエーテル(充填パラメータ:0.9)が、分離性により優れるので好ましい。
また単独では使用できないが、2種以上の組み合わせで使用可能なものとして、トリグリセリンモノラウリン酸エステル(充填パラメータ:0.5)、グリセリンモノ2−エチルヘキシルエーテル(充填パラメータ:1.4)、グリセリンモノ1−ペンチルヘキシルエーテル(充填パラメータ:2.0)などが挙げられる。
非イオン界面活性剤は、1種以上を用いることができ、全組成中に0.02〜3.6質量%、特に0.1〜2質量%含有するのが、使用感が良好であるので好ましい。
本発明で用いるイオン性界面活性剤とは、水に溶解したときにイオンに解離するものであり、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤が含まれる。アニオン界面活性剤としては、例えばポリオキシエチレンラウリルエーテルリン酸ナトリウム等のポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸塩;2−ヘキシルデシルリン酸アルギニン等の分岐アルキルリン酸塩;N−ステアロイル−N−メチルタウリンナトリウム等の高級脂肪酸アミドスルホン酸塩;N−ラウロイルサルコシンナトリウム等のN−アシルサルコシン酸塩;N−ラウロイルグルタミン酸モノナトリウム、N−ステアロイルグルタミン酸ジナトリウム等のN−アシルグルタミン酸塩などが挙げられる。また、カチオン界面活性剤としては、例えば塩化ジステアリルジメチルアンモニウム等のジアルキルジメチルアンモニウム塩などが挙げられ、両性界面活性剤としては、ステアリルベタイン、ミリスチルベタイン、オレイルベタイン、ヤシ油アルキルベタイン等のアルキルベタインなどが挙げられる。
特に、アニオン界面活性剤として、ポリオキシエチレンアルキル(C10−18)エーテルリン酸塩、分岐アルキル(C10−18)リン酸塩;カチオン界面活性剤として、ジアルキル(C10−18)ジメチルアンモニウム塩が好ましい。
特に、アニオン界面活性剤として、ポリオキシエチレンアルキル(C10−18)エーテルリン酸塩、分岐アルキル(C10−18)リン酸塩;カチオン界面活性剤として、ジアルキル(C10−18)ジメチルアンモニウム塩が好ましい。
イオン性界面活性剤は、1種以上を用いることができ、全組成中に0.005〜2.7質量%、特に0.1〜1質量%含有するのが、使用感が良好であるので好ましい。
非イオン界面活性剤とイオン性界面活性剤の質量比は、非イオン界面活性剤:イオン性界面活性剤=10:1〜1:2、好ましくは3:1〜1:1.5であることが必要である。両者をこの範囲で含有することにより、振盪時の乳化性と分離性を兼ね備え、さらに静止時の透明な層の形成に効果的である。
また、上記を含む全界面活性剤は、全組成中に0.05〜4質量%、特に0.05〜1質量%含有させるのが、乳化性及び分離性に優れており、また使用感も良好なものが得られるので好ましい。
また、上記を含む全界面活性剤は、全組成中に0.05〜4質量%、特に0.05〜1質量%含有させるのが、乳化性及び分離性に優れており、また使用感も良好なものが得られるので好ましい。
本発明の多層型化粧料は、25℃における粘度が10cs以下のシリコーン油を50質量%以上含む液体油を含有することにより油相が構成される。液体油とは、25℃で液体の油性成分であり、分離性、肌へのなじみ、及び使用感の兼ね合いから、全組成中に1〜15質量%、好ましくは2〜15質量%含有される。1質量%未満では、塗布時の肌へのなじみや塗布後のしっとり感に劣る傾向があり、15質量%を超えると、分離性が悪く、油性感が強すぎるため好ましくない。
粘度10cs以下のシリコーン油としては、ジメチルポリシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン等が挙げられる。液体油中に含まれるシリコーン油は、使用感の点で50質量%以上であることが必要であり、肌へのなじみ等から、特に60質量%以上であることが好ましい。
また、シリコーン油以外の液体油としては、通常の化粧料に用いられ、25℃において液体状のものを用いることができる。例えば、オリーブ油、ヒマワリ油、ホホバ油、ヤシ油、アボガド油等の植物油;スクワラン、流動パラフィン等の炭化水素油;イソステアリン酸、オレイン酸等の高級脂肪酸;イソステアリルアルコール等の高級アルコール;オクタン酸イソプロピル、カプリン酸イソプロピル、イソステアリン酸エチル、イソステアリン酸セチル、イソステアリン酸オクチルドデシル、アジピン酸ジイソオクチル、アジピン酸ジイソセチル、アジピン酸ジヘキシルデシル、アジピン酸ジヘプチルウンデシル、コハク酸ジ2−エチルへキシル、コハク酸ジエトキシエチル、セバシン酸ジオクチル、セバシン酸ジブチル、ジ2−エチルヘキサン酸ネオペンチルグリコール、ジイソステアリン酸プロピレングリコール、ジオクタン酸エチレングリコール、ジオクタン酸ネオペンチルグリコール、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、ジオレイン酸エチレングリコール、ジオレイン酸プロピレングリコール、ジカプリン酸エチレングリコール、ジカプリン酸プロピレングリコール、ジカプリル酸プロピレングリコール、ジカプロン酸プロピレングリコール、ジステアリン酸エチレングリコール、ジステアリン酸ジエチレングリコール、ジステアリン酸トリエチレングリコール、ジステアリン酸プロピレングリコール、トリ2−エチルヘキサン酸グリセリル、トリカプリン酸グリセリル、モノミリスチン酸モノイソステアリン酸グリセリル等のエステル油などが挙げられる。
更に、本発明の油相中には、固体の油性成分、例えば高級アルコール、脂肪酸、脂肪酸エステル、コレステロール、コレステロールエステル等も、必要に応じて含有することができる。
更に、本発明の油相中には、固体の油性成分、例えば高級アルコール、脂肪酸、脂肪酸エステル、コレステロール、コレステロールエステル等も、必要に応じて含有することができる。
本発明において、多価アルコールを含む水相は、化粧料中に50〜98質量%、好ましくは70〜95質量%含有される。この範囲内であれば、使用感が良好である。
多価アルコールとしては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール、ヘキシレングリコール、ポリエチレングリコール、エトキシジグリコール、グリセリン等が挙げられる。これらのうち、保湿効果の点から、特に、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール(分子量200〜2万)、エトキシジグリコール、グリセリンが好ましい。
多価アルコールは、1種以上を用いることができ、水相中に1〜10質量%、特に1〜6質量%含有するのが好ましい。
多価アルコールとしては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール、ヘキシレングリコール、ポリエチレングリコール、エトキシジグリコール、グリセリン等が挙げられる。これらのうち、保湿効果の点から、特に、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール(分子量200〜2万)、エトキシジグリコール、グリセリンが好ましい。
多価アルコールは、1種以上を用いることができ、水相中に1〜10質量%、特に1〜6質量%含有するのが好ましい。
また、本発明の多層型化粧料は、水溶性の無機塩もしくは有機酸塩又は有機酸を含有することができ、使用感が良好なので好ましい。
水溶性塩としては、硫酸ナトリウム、硫酸マグネシウム、炭酸ナトリウム、炭酸カルシウム、リン酸二水素ナトリウム、亜硫酸ナトリウム等の無機塩;クエン酸ナトリウム、乳酸ナトリウム等の有機酸塩が挙げられる。有機酸としては、クエン酸、リンゴ酸、コハク酸、乳酸、酒石酸等が挙げられる。水溶性塩及び有機酸は、それぞれ1種以上を用いることができ、その全量は、全組成中に0.01〜5質量%、特に0.05〜3質量%であるのが好ましい。
水溶性塩としては、硫酸ナトリウム、硫酸マグネシウム、炭酸ナトリウム、炭酸カルシウム、リン酸二水素ナトリウム、亜硫酸ナトリウム等の無機塩;クエン酸ナトリウム、乳酸ナトリウム等の有機酸塩が挙げられる。有機酸としては、クエン酸、リンゴ酸、コハク酸、乳酸、酒石酸等が挙げられる。水溶性塩及び有機酸は、それぞれ1種以上を用いることができ、その全量は、全組成中に0.01〜5質量%、特に0.05〜3質量%であるのが好ましい。
さらに、本発明の多層型化粧料は、前記成分以外に、通常の化粧料に用いられる成分を含有することができる。かかる成分としては、エタノール等の低級アルコール類;保湿剤;増粘剤;防腐剤;植物抽出物等の各種薬効成分;粉体;着色剤;香料などが挙げられる。
本発明の多層型化粧料は、例えば、油相成分及び水相成分をそれぞれ攪拌しながら混合することにより製造することができる。
一般に、多層型化粧料は、以下の状態I〜Vのものに分類される。
状態I:上層が白濁乳化、下層が白濁〜半透明の二層で、振るとO/W乳化物。
状態II:上層が透明、下層が白濁〜半透明の二層で、振るとO/W乳化物。
状態III:上層が透明、中間層が半透明、下層が透明の三層で、振ると白濁状乳化物。
状態IV:上層が透明、下層が透明の二層で、振ると油滴が見えない白濁状乳化物。
状態V:上層が透明、下層が透明の二層で、振ると油滴が見えるW/O乳化物。
状態I:上層が白濁乳化、下層が白濁〜半透明の二層で、振るとO/W乳化物。
状態II:上層が透明、下層が白濁〜半透明の二層で、振るとO/W乳化物。
状態III:上層が透明、中間層が半透明、下層が透明の三層で、振ると白濁状乳化物。
状態IV:上層が透明、下層が透明の二層で、振ると油滴が見えない白濁状乳化物。
状態V:上層が透明、下層が透明の二層で、振ると油滴が見えるW/O乳化物。
本発明の多層型化粧料は、上記分類のうちの状態IV又は状態IIIのものであり、分離した油層と水層がともに透明で存在する。その透明な層状態が、振盪することにより均一に乳化、分散して白濁したローションになり、その後静置すると非常に速く分離して、透明な多層の状態に戻る。
具体的には、状態IIIは、油層、界面活性剤層、水層の3層がつりあった状態で界面張力が非常に低いために、振盪により容易に均一に混ぜることができる。すなわち、透明な上下層及び半透明の中間層からなる3層型化粧料であり、振盪により白濁の乳化状態を呈し、静置すると3層に分離するものである。
また、状態IVは、状態IIIの界面活性剤層が油層側に溶け込んだ状態で、同じく界面張力が低いため、容易に均一に混ぜることができる。すなわち、透明な上下層からなる2層型化粧料であり、振盪により白濁の乳化状態を呈し、静置すると透明な2層に分離するものである。
なお、本発明において、透明とは、分光光度計(島津紫外可視分光光度計UV−160、光路長:10mm、島津製作所)を用いて測定し、コントロールを精製水とし、精製水の透過率を100としたときの透過率が50%以上のものである。
なお、本発明において、透明とは、分光光度計(島津紫外可視分光光度計UV−160、光路長:10mm、島津製作所)を用いて測定し、コントロールを精製水とし、精製水の透過率を100としたときの透過率が50%以上のものである。
(評価方法)
(1)外観及び透過率:
得られた化粧料の外観を肉眼により観察し、上層及び下層の状態を上記の基準で評価した。
また、得られた化粧料の各層について、分光光度計(島津紫外可視分光光度計UV−160、光路長:10mm、島津製作所)を用いて透明度を測定した。コントロールは精製水とし、精製水の透過率を100としたときの透過率により、以下のとおり評価した。
透明:透過率 50%以上。
サンプル容器に記載した文字が裏側から読める。
半透明:透過率 20%以上50%未満。
サンプル容器に記載した文字が裏側から見えるが読めない。
白濁:透過率 20%未満。
サンプル容器に記載した文字が裏側から見えない。
サンプル容器:100mL用スクリュー管(直径約3cmの透明ガラス瓶)
(1)外観及び透過率:
得られた化粧料の外観を肉眼により観察し、上層及び下層の状態を上記の基準で評価した。
また、得られた化粧料の各層について、分光光度計(島津紫外可視分光光度計UV−160、光路長:10mm、島津製作所)を用いて透明度を測定した。コントロールは精製水とし、精製水の透過率を100としたときの透過率により、以下のとおり評価した。
透明:透過率 50%以上。
サンプル容器に記載した文字が裏側から読める。
半透明:透過率 20%以上50%未満。
サンプル容器に記載した文字が裏側から見えるが読めない。
白濁:透過率 20%未満。
サンプル容器に記載した文字が裏側から見えない。
サンプル容器:100mL用スクリュー管(直径約3cmの透明ガラス瓶)
また、肉眼により界面を観察し、下記基準で評価した。
○;均一
×;不均一
○;均一
×;不均一
(2)乳化性:
各化粧料100gを調製し100mL用スクリュー管に入れ、蓋をして手で上下に3回振盪した。その直後の外観を肉眼で観察し、以下の基準で評価した。
○;液滴が見えない。
×;液滴が見える。
各化粧料100gを調製し100mL用スクリュー管に入れ、蓋をして手で上下に3回振盪した。その直後の外観を肉眼で観察し、以下の基準で評価した。
○;液滴が見えない。
×;液滴が見える。
(3)分離性:
化粧料を振盪して均一に乳化させた後、5時間後の分離層を肉眼により観察し、以下の基準で評価した。
○;分離層が透明。
×;分離層が透明でない。
化粧料を振盪して均一に乳化させた後、5時間後の分離層を肉眼により観察し、以下の基準で評価した。
○;分離層が透明。
×;分離層が透明でない。
実施例1〜2、比較例1〜4
表1に示す組成の2層型化粧料を製造し、その外観、乳化性及び分離性を評価した。結果を表1に併せて示す。
表1に示す組成の2層型化粧料を製造し、その外観、乳化性及び分離性を評価した。結果を表1に併せて示す。
(製法)
油相成分を80℃で加熱溶解し、油相を形成する。別途、80℃に加熱して得た水相を、前記油相に攪拌しながら加え、更に攪拌しながら室温まで冷却して、2層型化粧料を製造した。
油相成分を80℃で加熱溶解し、油相を形成する。別途、80℃に加熱して得た水相を、前記油相に攪拌しながら加え、更に攪拌しながら室温まで冷却して、2層型化粧料を製造した。
実施例1〜2で得られた2層型化粧料はいずれも、使用時に振盪により容易に均一に混合して白濁の乳化状態になり、静置すると速やかに分離するものである。
実施例3
表2に示す組成の2層型化粧料を、実施例1と同様にして製造した。
得られた2層型化粧料は、上層及び下層が透明で、界面が均一な外観であり、使用時に振盪により容易に均一に混合して白濁の乳化状態になり、静置すると速やかに分離するものである。
表2に示す組成の2層型化粧料を、実施例1と同様にして製造した。
得られた2層型化粧料は、上層及び下層が透明で、界面が均一な外観であり、使用時に振盪により容易に均一に混合して白濁の乳化状態になり、静置すると速やかに分離するものである。
実施例4
表3に示す組成の3層型化粧料を、実施例1と同様にして製造した。
得られた3層型化粧料は、上層が透明で中間層が白濁から半透明で下層が透明の外観を呈する(界面は透明層と白濁層が接しており、外観上不均一感のないものである)。また、使用時に振盪により容易に均一に混合して白濁の乳化状態になり、静置すると速やかに分離するものである。
表3に示す組成の3層型化粧料を、実施例1と同様にして製造した。
得られた3層型化粧料は、上層が透明で中間層が白濁から半透明で下層が透明の外観を呈する(界面は透明層と白濁層が接しており、外観上不均一感のないものである)。また、使用時に振盪により容易に均一に混合して白濁の乳化状態になり、静置すると速やかに分離するものである。
実施例5
表4に示す組成の3層型化粧料を、実施例1と同様にして製造した。
得られた3層型化粧料は、上層が透明で中間層が白濁から半透明で下層が透明の外観を呈する(界面は透明層と白濁層が接しており、外観上不均一感のないものである)。また、使用時に振盪により容易に均一に混合して白濁の乳化状態になり、静置すると速やかに分離するものである。
表4に示す組成の3層型化粧料を、実施例1と同様にして製造した。
得られた3層型化粧料は、上層が透明で中間層が白濁から半透明で下層が透明の外観を呈する(界面は透明層と白濁層が接しており、外観上不均一感のないものである)。また、使用時に振盪により容易に均一に混合して白濁の乳化状態になり、静置すると速やかに分離するものである。
実施例6
表5に示す組成の3層型化粧料を、実施例1と同様にして製造した。
得られた3層型化粧料は、上層が透明で中間層が白濁から半透明で下層が透明の外観を呈する(界面は透明層と白濁層が接しており、外観上不均一感のないものである)。また、使用時に振盪により容易に均一に混合して白濁の乳化状態になり、静置すると速やかに分離するものである。
表5に示す組成の3層型化粧料を、実施例1と同様にして製造した。
得られた3層型化粧料は、上層が透明で中間層が白濁から半透明で下層が透明の外観を呈する(界面は透明層と白濁層が接しており、外観上不均一感のないものである)。また、使用時に振盪により容易に均一に混合して白濁の乳化状態になり、静置すると速やかに分離するものである。
Claims (6)
- 充填パラメータが0.6〜1.2の非イオン界面活性剤と、イオン界面活性剤を、質量比10:1〜1:2で含有し、25℃における粘度が10cs以下のシリコーン油を50質量%以上含む液体油 1〜15質量%、多価アルコールを含む水相 50〜98質量%を含有する多層型化粧料。
- 更に、水溶性の無機塩もしくは有機酸塩又は有機酸を0.01〜5質量%含有する請求項1記載の多層型化粧料。
- 非イオン界面活性剤が、ジグリセリン脂肪酸モノエステル及びジグリセリンモノアルキルエーテルから選ばれるものである請求項1又は2記載の多層型化粧料。
- イオン性界面活性剤が、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸塩、分岐アルキルリン酸塩及びジアルキルジメチルアンモニウム塩から選ばれるものである請求項1〜3のいずれか1項記載の多層型化粧料。
- 透明な上下層からなる2層型化粧料であり、振盪により白濁の乳化状態を呈し、静置すると透明な2層に分離するものである請求項1〜4のいずれか1項記載の多層型化粧料
- 透明な上下層及び半透明の中間層からなる3層型化粧料であり、振盪により白濁の乳化状態を呈し、静置すると3層に分離するものである請求項1〜4のいずれか1項記載の多層型化粧料。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
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