JP2005331356A - タイヤ試験機とそのタイヤ試験機の芯ぶれ測定方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】タイヤTの非装着時に、ロック部材18を係止部40に係止した状態において、スピンドルの少なくともどちらか一方を相互離反方向へ移動させて、ロック部材18と係止部40とをスピンドルの軸線方向に密着係合させる軸方向係合手段を設けた。
【選択図】図1
Description
そして、一対のスピンドルは上下に同一軸芯上に配置され、上スピンドルに上側リムが支持され、下スピンドルにはその上端部に下側リムが支持されている。
これら上下スピンドルのうち一方が同他方に近接したり離反したりすることで、上下リムがそれぞれ相対的に近接したり離反したりする。
しかしながら、上下リムはタイヤのサイズ替えをするたびにスピンドルに対する脱着が必要なものであり、その都度、上下スピンドルと各リムとの支持間における位置関係にバラツキが生じる可能性は否定できない。もし、この位置関係にバラツキが生じていれば、リムには回転によって面ブレや芯ブレ等に至ることが必定であり、結果、これらがタイヤの測定結果にも反映してしまうことになる。またリム自体に製作誤差やその後の取り扱いに伴う微少な変形が生じていれば、それもリム回転時の面ブレや芯ブレ等に至ることになる。
ところが従来のタイヤ試験機では、上記したように装着保持させたタイヤを加圧気体で膨らませたときに上下スピンドルが相互に上下方向へと付勢され、これによってはじめて上下スピンドルはガタの生じない安定状態になるので、タイヤを装着しないままリムの取付状態を測定したとしても、上下スピンドル相互にはガタが含まれた状態にあると言うべきであり、これを機械精度としてそのまま扱うには無理があった。
即ち、本発明に係るタイヤ試験機は、一対のリムの一方を有する筒状の第1スピンドルと、前記一対のリムの他方を有し且つ前記第1スピンドルに内嵌する柱状の第2スピンドルとを備え、第1又は第2スピンドルのうち一方のスピンドルの周壁に係止部が設けられ、他方のスピンドルに前記係止部と係合して第1スピンドルと第2スピンドルとが離反するのを阻止するロック部材が設けられたタイヤ試験機において、タイヤを前記リムに非装着の状態且つ、前記ロック部材を係止部に係合した状態で、前記スピンドルの少なくともどちらか一方を相互離反方向へ移動させて、前記ロック部材と前記係止部とをスピンドルの軸線方向に密着係合させる軸方向係合手段が設けられている点にある。
前記軸方向係合手段は、前記ロック部材を係止部に係合した状態において、両スピンドル間に形成されている空間に気体を供給する押圧力供給路を有していることが好ましい。
これによれば、ロック部材を係止部に係合したことによって形成される両スピンドル間の空間に、気体を供給することによって両スピンドルを離反方向に移動させることができ、気体の圧力を調整することによって、従来のようにタイヤインフレート状態と略同じロック部材のロック状態、言い換えれば、第1スピンドルと第2スピンドルとがタイヤがインフレートされたときと略同じ位置となる。
これによれば、タイヤ非装着時に、タイヤ圧供給路に気体を送ることによって空間に圧力を供給することができる。また、タイヤ圧供給路から押圧力供給路を分岐させているので構成を簡素化できる。
前記軸方向係合手段は、前記空間を気密にすべくリング状のシールを第1スピンドルと第2スピンドルとの間に備えていることが好ましい。
本発明のタイヤ試験機の芯ぶれ測定方法は、前記ロック部材と前記係止部とを係合し、前記第1スピンドルと前記第2スピンドルとの間に形成される空間に気体を供給し、この供給された気体による圧力でスピンドルの少なくともどちらか一方を相互離反方向へ移動させて前記ロック部材と前記係止部とをスピンドルの軸線方向に密着係合した後に、タイヤが非装着状態のリムの芯ぶれを測定する方法である。
図1〜図3は、本発明に係るタイヤ試験機1の第1実施形態を示している。
タイヤ試験機1は、一端が大きく開口した筒状の第1スピンドル3と、この開口を通って第1スピンドル3に内嵌する外観が柱状の第2スピンドル2と、第2スピンドル2に径方向出退自在に嵌合されたロック部材18と、を有している。この第1スピンドル3と第2スピンドル2とは、上下に配置されていて相対移動自在となっており、第1スピンドル3が下スピンドルとされ、第2スピンドル2が上スピンドルとされている。
これら上側リム5や下側リム7は、タイヤTにおける両側のビード部に各別に当接可能となった円盤状のもので、タイヤTのタイヤサイズに合わせて複数種類のサイズのものが準備され、この中から測定ごとに適用サイズのものに交換される。
また、これに対して下スピンドル3は、装置フレーム9及びベアリングハウジング10により、上下動はしないが上スピンドル2と同軸回りで水平回転自在となる状態に保持されている。
このタイヤ試験機には、リム5,7に装着したタイヤTをインフレートするインフレート手段20が設けられている。このインフレート手段20は、上下の各リム5,7間でタイヤTを装着保持させた後、このタイヤT内に加圧気体(空気など)を充填させるためのもので、下スピンドル3内を貫通するタイヤ圧供給路21を有している。
下スピンドル3は円筒状に形成されており、図3に示すように、下スピンドル3の内壁には、この内壁から径内方向へ突出した凸状の係止部40がその内壁の全周に亘って設けられている。この係止部40は、軸芯方向に複数設けられている。
このロック部材18の先端部には、前記係止部40に係脱する凸状の被係止部41が設けられており、このロック部材3の基端部を、上スピンドル2の中空内に設けられたクサビ形のロック切替部材16の外周上に摺動させることによって、被係止部41の係止部40への係脱が行われるように構成されている。
被係止部41が係止部40から離れロック解除となり、一方で、ロック切替部材16を上方に移動させてロック部材3の基端部をロック切替部材16の下部側へ摺動させれば、ロック部材18が径外方向へ移動して被係止部41が係止部40に係合しロック状態となる。
なお、この軸方向係合手段45は、上下スピンドル2,3の少なくともどちらか一方を相互離反方向へ移動させて、ロック部材18を係合する側のスピンドルの係止部40にスピンドルの軸線方向に向けて密着係合させるものであればよく、例えば、上下スピンドル2,3の両方を相互離反方向に移動させるものであっても、一方スピンドルのみを相互離反方向に移動させるものであってもよい。
このとき、上スピンドル2の下部と下スピンドル3との間には、空間30が形成されている。即ち、ロック状態であるとき、上スピンドル2の下端2aと、上スピンドル2を嵌合する下スピンドル3の嵌合凹部47の底部47aとは、上下に離れており、その間に空間30が形成されている。
この押圧力供給路27は、空間30に気体を供給するためのものであり、タイヤ圧供給路21の中途部から分岐して空間30に連通している。
したがって、供給源からタイヤ圧供給路21に気体を供給するとその気体はタイヤ圧供給路21から分岐した押圧力供給路27に流れ、この押圧力供給路27を介して空間30に供給するようになっている。
軸方向係合手段45は、タイヤ圧供給路21の気体出口22に対して着脱自在となる栓体32(図2に示す)を有している。この栓体32は、タイヤTの非装着時などに、タイヤ圧供給路21に供給された気体を押圧力供給路27へ強制的に送るものである。
したがって、栓体32を気体出口22に着装し、タイヤ圧供給路21に気体を供給すれば、タイヤ圧供給路21を流れる気体は、タイヤ圧供給路21から分岐した押圧力供給路27に流れ、この押圧力供給路27を介して空間30に供給される。
このとき、空間30に入った気体の圧力によって、上スピンドル2がその軸線方向上方、即ち、相互離反方向へ移動するようになるのである。
なお、リング状シールは下スピンドル3の嵌合凹部47の周壁及び上スピンドル2の先端面に密着し得るように設けてもよい。
このような構成のタイヤ試験機1を使用する方法及び、このタイヤ試験機1のリム5、7の芯ぶれ測定方法について説明する。
この状態でインフレート手段20の給気管23を介して下スピンドル3のタイヤ圧供給路21へ気体を供給する。すると、上記したように気体は気体出口22から噴出できないために押圧力供給路27を介して空間30へと噴出し、上スピンドル2を押し上げるようになる。
この安定状態は、恰も、上下のスピンドル2,3に取り付けた上下のリム5,7でタイヤTを装着(挟持)保持させ、更にこのタイヤTを加圧気体で膨らませたときと同じ、と見なすことのできる疑似インフレート状態となる。
上記からわかるように、リムの芯ぶれ測定方法は、ロック部材18を下スピンドル3に係合したときに上スピンドル2と下スピンドル3との間に形成される空間30に気体を供給して、上スピンドル2を相互離反方向へ移動させてロック部材18と上スピンドル2とを密着係合した後に、リム5、7の芯ぶれを測定するものである。
このような測定結果に基づき、装置側での適宜調整を行う。装置側での調整ができない場合、或いは装置側で調整するほどに満たない微少なものについては、上記の測定結果を、その後に行うタイヤTのタイヤユニフォミティ測定に対する補正値として反映させるものとしてもよい。
図4は、本発明に係るタイヤ試験機の第2実施形態を示している。
上記第1実施形態では、上スピンドル2が下スピンドル3に内嵌されていたが、この第2実施形態のタイヤ試験機1では、下スピンドル3が上スピンドル2に内嵌している。
即ち、上下のスピンドル2,3の嵌合関係が上下で逆になっている点にある。
そしてこの構成の違いから、上スピンドル2に対してインフレート手段20のタイヤ圧供給路21が設けられているものであり、また軸方向係合手段45(タイヤ圧供給路21に対してその中途部に押圧力供給路27が接続され且つタイヤ圧供給路21の気体出口22を遮断する栓体32が着脱自在に設けられる構成)についても、上スピンドル2に対して設けられていることになる。
そのため結果として、これでロック部材18の被係止部41と下スピンドル3の係止部40との軸方向の接触面(接触部)が密着するようになり、その結果、機械的に生じる被係止部41と係止部40との軸方向の微少な遊び(ギャップ)が殺され、上下のスピンドル2,3の間がガタのない安定状態になる。
ところで、本発明は、上記各実施形態に限定されるものではなく、実施の形態に応じて適宜変更可能である。
例えば、軸方向係合手段45として用いる栓体32は、板状に形成することが限定されるものではなく、プラグ状など、要は気体出口22を遮断することのできる形状であればどのようなものであってもよい。
また図示は省略するが、この軸方向係合手段45では、栓体32の使用に代えて開閉弁を用いる構造にすることもできる。この場合、開閉弁は、インフレート手段20のタイヤ圧供給路21に対して押圧力供給路27が接続される位置と、タイヤ圧供給路21の気体出口22までとの間の適所に設ければよいことになる。
リム5,7の上下位置関係は限定されず、また左右方向で対向配置されるものとしてもよい。その他、タイヤ試験機自体の細部構成は適宜変更可能である。
1 タイヤ試験機
2 上スピンドル
3 下スピンドル
5 上側リム
7 下側リム
20 インフレート手段
21 タイヤ圧供給路
22 気体出口
27 押圧力供給路
30 空間
32 栓体
45 軸方向係合手段
Claims (5)
- 一対のリムの一方を有する筒状の第1スピンドルと、前記一対のリムの他方を有し且つ前記第1スピンドルに内嵌する柱状の第2スピンドルとを備え、第1又は第2スピンドルのうち一方のスピンドルの周壁に係止部が設けられ、他方のスピンドルに前記係止部と係合して第1スピンドルと第2スピンドルとが離反するのを阻止するロック部材が設けられたタイヤ試験機において、
タイヤを前記リムに非装着の状態且つ、前記ロック部材を係止部に係合した状態で、前記スピンドルの少なくともどちらか一方を相互離反方向へ移動させて、前記ロック部材と前記係止部とをスピンドルの軸線方向に密着係合させる軸方向係合手段が設けられていることを特徴とするタイヤ試験機。 - 前記軸方向係合手段は、前記ロック部材を係止部に係合した状態において、両スピンドル間に形成されている空間に気体を供給する押圧力供給路を有していることを特徴とする請求項1に記載のタイヤ試験機。
- 前記押圧力供給路は、タイヤをインフレートするためのタイヤ圧供給路から分岐しており、前記軸方向係合手段は、前記タイヤ圧供給路に供給された気体を強制的に前記押圧力供給路へ送る栓体を有していることを特徴とする請求項2に記載のタイヤ試験機。
- 前記軸方向係合手段は、前記空間を気密にすべくリング状のシールを第1スピンドルと第2スピンドルとの間に備えていることを特徴とする請求項2,3のいずれかに記載のタイヤ試験機。
- 一対のリムの一方を有する第1スピンドルを、前記一対のリムの他方を有する第2スピンドルに外嵌して、一方のスピンドルに設けたロック部材を他方のスピンドルに設けた係止部に係合して両スピンドルの位置決めを行った後に、前記両リムにタイヤを装着してタイヤユニフォミティを測定するようにしたタイヤ試験機で、
前記ロック部材と前記係止部とを係合し、前記第1スピンドルと前記第2スピンドルとの間に形成される空間に気体を供給し、この供給された気体による圧力でスピンドルの少なくともどちらか一方を相互離反方向へ移動させて前記ロック部材と前記係止部とをスピンドルの軸線方向に密着係合した後に、タイヤが非装着状態のリムの芯ぶれを測定するタイヤ試験機の芯ぶれ測定方法。
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