JP2005330247A - ポリエーテル組成物及びその製造方法 - Google Patents

ポリエーテル組成物及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】ポリエーテル化合物を高濃度で含むポリエーテル組成物を得る。
【解決手段】(A)成分:
【化1】
Figure 2005330247

(R1は炭化水素基であり;R2及びR3は炭素数1〜8のアルキレン基であり、同一でも異なってもよく;A及びA’は炭素数2〜4のアルキレン基の1種又は2種以上であり;n及びmは0以上の整数であり、同時に0にはならない)と、
(B)成分:
【化2】
Figure 2005330247

(R4、R7及びR8は水素原子又は炭化水素基であり;R5及びR6は炭素数1〜8のアルキレン基であり;B、B’及びB”は炭素数2〜4のアルキレン基の1種又は2種以上であり;e、f及びgは0又は1の数であり、全て同時に0にはならず、e、f及びgが0の時はそれぞれに対応するR4、R及びRは水素原子となり、p、q及びrは0以上の整数であり、全て同時に0にはならない)
とを含有し、(B)成分の含有量が(A)成分100質量部に対して50質量部以下であるポリエーテル組成物とする。
【選択図】なし

Description

本発明は、界面活性剤、潤滑油及び合成樹脂等の広範囲の用途で大量に使用されているポリエーテル組成物、並びにその製造方法に関する。さらに詳しくは、特定の触媒の存在下において、アミド化合物にアルキレンオキシドを付加させたポリエーテル組成物、並びにその製造方法に関する。
ポリエーテル化合物は、通常、アルキレンオキシド等のモノエポキシドを、アルカリ金属の水酸化物等の塩基触媒、又は硫酸、リン酸及び塩酸のような鉱酸若しくはその金属塩からなる酸触媒の存在下で、アルコール類やアミン類等の活性水素基を持つ化合物に、少なくとも1個以上開環重合(付加反応)させることによって製造することができる。
しかし、上記のような酸触媒を使用した場合には、ポリアルキレングリコールが大量に副生したり、アルキレンオキシドがエチレンオキシドの場合には、有害なジオキサンが副生したりする等の問題があり、一般的にはアルカリ金属の水酸化物等の塩基性触媒が工業用として使用されている。
ところが、アミド結合やエステル結合を含有している化合物にアルキレンオキシドを付加する場合に、触媒としてアルカリ金属の水酸化物等の塩基性触媒を使用すると、反応中に副反応が生じてしまう。より具体的には、例えば、アミド結合を有する化合物の場合には、アミド交換反応等の転移反応が起こり、エステル化合物等の副反応物が生成し、目的物(アミド基含有アルキレンオキシド付加物)の収率が低下してしまう。
また、アルキレンオキシド付加反応の触媒として、第四級アンモニウム塩に代表される相間移動触媒が知られているが、これらの触媒を使用した場合でも、アルカリ金属の水酸化物等の塩基性触媒と同様にアミド交換反応が起こり、目的物の収率が低下してしまう(例えば、特許文献1及び2)。
これら副反応により生成するエステル化合物は、目的物100質量部に対して、通常65〜150質量部である。これらの副生成物は、通常、精製によって除去することができないので、最終製品にそのまま混入される。このような副反応が生じると、例えば、洗浄剤として用いた時に泡立ちが悪くなったり、乳化剤として用いた時に乳化特性が悪くなったりする等の問題が生じてしまう。
このような副反応を抑制するために、反応温度を低くすることが一般的に知られているが、反応温度を低くしても副反応を完全に抑制することはできず、また反応速度が遅くなるために、工業的に実施することは困難である。
また、副反応の起きないその他の反応条件や触媒は、まだ知られていない。
特開昭56−38323号公報 特開平7−233111号公報
従って本発明は、アミド基を含有する化合物にアルキレンオキシドを付加する反応において、副生成物(エステル結合を持つポリエーテル化合物)が少なく、目的とする化合物(ポリエーテル化合物)を高濃度で含むポリエーテル組成物を得ることを目的とする。さらに、転移反応等の副反応を制御することができるポリエーテル組成物の製造方法を提供することを目的とする。
本発明のポリエーテル組成物は、下記の一般式(1)を有する(A)成分:
Figure 2005330247
(式中、R1は炭化水素基であり;R2及びR3は炭素数1〜8のアルキレン基であり、同一でも異なっていてもよく;A及びA’は炭素数2〜4のアルキレン基の1種又は2種以上であり;n及びmは0以上の整数であり、同時に0にはならない)と、
下記の一般式(2)を有する(B)成分:
Figure 2005330247
(式中、R4、R7及びR8は水素原子又は炭化水素基であり;R5及びR6は炭素数1〜8のアルキレン基であり;B、B’及びB”は炭素数2〜4のアルキレン基の1種又は2種以上であり;e、f及びgは0又は1の数であり、全て同時に0にはならず、e、f及びgが0の時はそれぞれに対応するR4、R及びRは水素原子となり、p、q及びrは0以上の整数であり、全て同時に0にはならない)
とを含有し、(B)成分の含有量が、(A)成分100質量部に対して、50質量部以下であることを特徴とする。
また、本発明のポリエーテル組成物の製造方法は、触媒としてアルカリ金属化合物及び/又はアルカリ土類金属化合物、及び水酸化テトラアルキルアンモニウムを使用し、活性水素基を持つ化合物の活性水素基にアルキレンオキシドを付加することを特徴とする
本発明により、アミド基を含有する化合物にアルキレンオキシドを付加する反応において、特定の触媒を使用することにより、副生成物(エステル結合を持つポリエーテル化合物)が少なく、目的とする化合物(ポリエーテル化合物)を高濃度で含むポリエーテル組成物を提供することができる。更に、転移反応等の副反応を制御することができるポリエーテル組成物の製造方法を提供することができる。
本発明のポリエーテル組成物は、下記の一般式(1)を有する(A)成分:
Figure 2005330247
及び、下記の一般式(2)を有する(B)成分:
Figure 2005330247
を含有するものである。
ここで(A)成分は、本発明の目的とする化合物(ポリエーテル化合物)であり、(B)成分は、副生成物(エステル結合を持つポリエーテル化合物)である。本発明のポリエーテル組成物は、(B)成分の除去困難性の観点から、副生成物(すなわち不純物)である(B)成分を(A)成分と共に含有するものである。
一般式(1)において、R1は炭化水素基であり、例えばアルキル基、アルケニル基、アリール基、シクロアルキル基及びシクロアルケニル基等が挙げられる。なお、これらの基は、例えば、アルコキシ基、エステル基、アミド基、アミノ基、水酸基、シアノ基及びニトロ基等の置換基を有していてもよい。
アルキル基としては、例えばメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、2級ブチル、ターシャリーブチル、ペンチル、イソペンチル、2級ペンチル、ネオペンチル、ターシャリペンチル、ヘキシル、2級ヘキシル、ヘプチル、2級ヘプチル、オクチル、2−エチルヘキシル、2級オクチル、ノニル、2級ノニル、デシル、2級デシル、ウンデシル、2級ウンデシル、ドデシル、2級ドデシル、トリデシル、イソトリデシル、2級トリデシル、テトラデシル、2級テトラデシル、ヘキサデシル、2級ヘキサデシル、ステアリル、エイコシル、ドコシル、テトラコシル、トリアコンチル、2−ブチルオクチル、2−ブチルデシル、2−ヘキシルオクチル、2−ヘキシルデシル、2−オクチルデシル、2−ヘキシルドデシル、2−オクチルドデシル、2−デシルテトラデシル、2−ドデシルヘキサデシル、2−ヘキサデシルオクタデシル、2−テトラデシルオクタデシル及びモノメチル分枝−イソステアリル等が挙げられる。
アルケニル基としては、例えばビニル、アリル、プロペニル、イソプロペニル、ブテニル、イソブテニル、ペンテニル、イソペンテニル、ヘキセニル、ヘプテニル、オクテニル、ノネニル、デセニル、ウンデセニル、ドデセニル、テトラデセニル及びオレイル等が挙げられる。
アリール基としては、例えばフェニル、トルイル、キシリル、クメニル、メシチル、ベンジル、フェネチル、スチリル、シンナミル、ベンズヒドリル、トリチル、エチルフェニル、プロピルフェニル、ブチルフェニル、ペンチルフェニル、ヘキシルフェニル、ヘプチルフェニル、オクチルフェニル、ノニルフェニル、デシルフェニル、ウンデシルフェニル、ドデシルフェニル、スチレン化フェニル、p−クミルフェニル、フェニルフェニル、ベンジルフェニル、α−ナフチル及びβ−ナフチル基等が挙げられる。
シクロアルキル基及びシクロアルケニル基としては、例えばシクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、メチルシクロペンチル、メチルシクロヘキシル、メチルシクロヘプチル、シクロペンテニル、シクロヘキセニル、シクロヘプテニル、メチルシクロペンテニル、メチルシクロヘキセニル及びメチルシクロヘプテニル基等が挙げられる。
これらの炭化水素基は、本発明のポリエーテル組成物が使用される用途に応じて、適宜選択すればよく、種類の違う炭化水素基を混合していてもよいが、工業的な入手容易性及び優れた洗浄性や乳化性等の性能の観点から、炭素数8〜22が好ましく、炭素数10〜20がより好ましく、炭素数12〜18がさらに好ましい。また、芳香族炭化水素よりも脂肪族炭化水素の方が好ましい。
2、R3は炭素数1〜8のアルキレン基であり、例えばメチレン、エチレン、プロピレン、メチルエチレン、ブチレン、1−メチルプロピレン、2−メチルプロピレン、1,2−ジメチルプロピレン、1,3−ジメチルプロピレン、1−メチルブチレン、2−メチルブチレン、3−メチルブチレン、4−メチルブチレン、2,4−ジメチルブチレン、1,3−ジメチルブチレン、ペンチレン、へキシレン、ヘプチレン、オクチレン、エタン−1,1−ジイル、プロパン−2,2−ジイル、シクロプロパン−1,1−ジイル、シクロブタン−1,1−ジイル、2,4−ジメチルシクロブタン−1,1−ジイル、3−ジメチルシクロブタン−1,1−ジイル、シクロペンタン−1,1−ジイル、シクロヘキサン−1及び1−ジイル等が挙げられる。これらの中では、優れた洗浄性や乳化性等の性能の観点から、エチレン、プロピレン、メチルエチレン及びブチレンが好ましく、エチレン及びプロピレンがより好ましい。
A及びA’は炭素数2〜4のアルキレン基であり、例えばエチレン、プロピレン、メチルエチレン、ブチレン、1−メチルプロピレン及び2−メチルプロピレン等が挙げられ、これらは、エチレンオキシド、プロピレンオキシド及びブチレンオキシド等から導かれる。アルキレンオキシドの種類やその付加モル数は、用途に応じて適宜選択すればよい。例えば、洗浄剤等の水性媒体に使用する場合及び樹脂用途に使用する場合には、エチレンオキシドが好ましく、潤滑油等の非水性媒体に使用する場合には、プロピレンオキシドやブチレンオキシドが好ましい。また、アルキレンオキシドの付加モル数は、洗浄剤や起泡剤等として用いる場合には、1〜20モルが好ましく、2〜15モルがより好ましく、2〜12モルがさらに好ましい。この場合、1モル未満であると十分な洗浄性や起泡性が得られず、一方20モルを超えると洗浄性や起泡性が悪化することがあるために好ましくない。乳化剤や分散剤として用いる場合には、10〜60モルが好ましく、15〜50モルがより好ましく、20〜40モルがさらに好ましい。この場合、10モル未満であると十分な乳化性能が得られず、一方60モルを超えると乳化後の乳液の安定性が悪化することがあるので好ましくない。また、付加させるアルキレンオキシドの重合形態は限定されず、アルキレンオキシドの単独重合、2種類以上のアルキレンオキシドのランダム共重合、ブロック共重合又はランダム/ブロック共重合等であってよい。
一般式(2)において、R4、R7及びR8は、水素原子又は炭化水素基であり、炭化水素基の場合には、一般式(1)のR1に依存する。R1が単一の場合には、R4、R7及びR8は全てR1と同じであり、R1が複数の場合には、R1を構成する炭化水素基の一つが、R4、R7及びR8となる。従って、R4、R7及びR8の炭化水素基は、R1に対応するものであるので、上記したR1と同様の例が挙げられる。
5、R6は、炭素数1〜8のアルキレン基であり、一般式(1)のR2、R3に対応するものであるので、上記したR2、R3と同様の例が挙げられる。
B、B’及びB”は、炭素数2〜4のアルキレン基であり、例えばエチレン、プロピレン、メチルエチレン、ブチレン、1−メチルプロピレン及び2−メチルプロピレン等が挙げられ、これらは、エチレンオキシド、プロピレンオキシド及びブチレンオキシド等から導かれ、アルキレンオキシドの種類やその付加モル数は、上記と同様に、一般式(1)のAに対応するものである。
なお、一般式(2)で表される(B)成分は、副生成物の主成分であり、副生成物には、さらにモノエステル、ジエステル、トリエステル等の複数のエステル化合物の混合物を含有している。従って、不純物である(B)成分は、(A)成分100質量部に対して、50質量部以下を含有することが好ましく、40質量部以下を含有することがより好ましく、30質量部以下を含有することが更に好ましい。50質量部を超えると副生成物が多すぎてしまい、例えば洗浄剤として用いた時に泡立ちが悪くなったり、乳化剤として用いた時に乳化特性が悪くなったりすることがあるので好ましくない。
また、その他の不純物である複数のエステル化合物の混合物も、できるだけ少ないことが好ましい。
このようなポリエーテル組成物は、触媒を使用し、活性水素基を持つ化合物の活性水素基にアルキレンオキシドを付加することによって製造されることが好ましく、アシル基と活性水素基を持つ化合物の活性水素基に、アルキレンオキシドを付加することによって製造されることがより好ましい。
活性水素基を持つ化合物は、例えば一般式(3):
Figure 2005330247
で表されるアミド化合物が挙げられる。
一般式(3)において、R1は炭化水素基であり、R2、R3は炭素数1〜8のアルキレン基であり、同一でも異なっていてもよい。ここで、R1、R2及びR3は、一般式(1)のR1、R2及びR3に対応するものであるので、上記したR1、R2及びR3と同様の例が挙げられる。
本発明において使用できる触媒としては、水酸化テトラアルキルアンモニウム、アルカリ金属化合物及びアルカリ土類金属化合物であり、水酸化テトラアルキルアンモニウムを必須の成分とし、アルカリ金属化合物及び/又はアルカリ土類金属化合物が併用される。このような触媒を使用することによって、従来抑制することが困難であったエステル結合を有する化合物を生成する副反応を、製造効率を低下させることなく抑制することができる。
本発明において使用できる水酸化テトラアルキルアンモニウムとしては、下記一般式(4):
Figure 2005330247
で表される。ここで、R9〜R12は同一又は異なってもよく、炭素数1〜20の直鎖状又は分岐状の炭化水素基である。水酸化テトラアルキルアンモニウムは、加熱分解されると、トリアルキルアンモニウムとモノアルキルアルコールやアルケニル化合物等に分解され、分解生成物は、加熱減圧等によって系外に除去することができる。特にアルキル鎖長の短いものは容易に系外へ除去することが可能であるので、触媒除去の観点から、R9〜R12は炭素数6以下であることが好ましく、R9〜R12は炭素数4以下であることがより好ましく、R9〜R12は全て炭素数1であることが最も好ましい。なお、炭素数が20を超えると分子量が大きくなり、反応終了後の触媒除去が困難になるので好ましくない。このような水酸化テトラアルキルアンモニウムとしては、水酸化テトラメチルアンモニウム、水酸化テトラエチルアンモニウム、水酸化テトラプロピルアンモニウム及び水酸化テトラブチルアンモニウムが例示される。
本発明において使用できるアルカリ金属化合物としては、塩基性のアルカリ金属化合物であり、例えば水酸化リチウム及び炭酸リチウム等のリチウム化合物;水酸化ナトリウム、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、炭酸ナトリウム及び酸化ナトリウム等のナトリウム化合物;水酸化カリウム、カリウムメトキシド、カリウムエトキシド、カリウム−t−ブトキシド、炭酸カリウム及び酸化カリウム等のカリウム化合物;水酸化ルビジウム並びに水酸化セシウム等が挙げられる。これら塩基性のアルカリ金属化合物の中でも、比較的温和な条件で反応し、着色が少ないことから、ナトリウム化合物及びカリウム化合物が好ましい。
本発明において使用できるアルカリ土類金属化合物としては、塩基性のアルカリ土類金属化合物であり、例えば水酸化ベリリウム、炭酸ベリリウム及び酸化ベリリウム等のベリリウム化合物;水酸化マグネシウム、炭酸マグネシウム及び酸化マグネシウム等のマグネシウム化合物;水酸化カルシウム、炭酸カルシウム及び酸化カルシウム等のカルシウム化合物;水酸化ストロンチウム、炭酸ストロンチウム及び酸化ストロンチウム等のストロンチウム化合物;水酸化バリウム、炭酸バリウム及び酸化バリウム等のバリウム化合物が挙げられる。これら塩基性のアルカリ土類金属化合物の中でも、比較的温和な条件で反応し、着色が少ないことから、マグネシウム、カルシウム及びバリウム含有の化合物が好ましい。
水酸化テトラアルキルアンモニウムの添加量は、アルキレンオキシド付加前のアミド化合物の質量に対して、0.01モル/kg〜1モル/kgが好ましく、0.02モル/kg〜0.8モル/kgがより好ましく、0.04モル/kg〜0.4モル/kgが最も好ましい。0.01モル/kg未満であると、副反応が起こって目的物の収率が低くなることあるので好ましくない。一方、1モルを超えると、反応終了後の触媒除去が困難になり、また着色の原因になることがあるので好ましくない。
アルカリ金属化合物及び/又はアルカリ土類金属化合物の添加量は、少量混入されていればよく、アルキレンオキシド付加前のアミド化合物の質量に対して、金属分換算で0.0002モル/kg〜0.04モル/kgが好ましく、0.0004モル/kg〜0.02モル/kgがより好ましく、0.001モル/kg〜0.006モル/kgが最も好ましい。0.0002モル/kg未満であると、反応速度が遅くなって製造時間が長くなる場合があるので好ましくない。一方、0.04モル/kgを超えるとになると、副反応が起こって目的物の収率が低くなることがあるので好ましくない。
水酸化テトラアルキルアンモニウムと、アルカリ金属化合物及び/又はアルカリ土類金属化合物との比は、任意であるが、水酸化テトラアルキルアンモニウムとアルカリ金属及び/又はアルカリ土類金属とのモル数の比は、1:1〜1:0.0005が好ましく、1:0.5〜1:0.001がより好ましく、1:0.2〜1:0.005が最も好ましい。アルカリ金属及び/又はアルカリ土類金属のモル数が、水酸化テトラアルキルアンモニウムのモル数を超えると、副反応が起こり、(A)成分の収率が低くなることがあるので好ましくない。一方、アルカリ金属及び/又はアルカリ土類金属のモル数が、水酸化テトラアルキルアンモニウムのモル数の0.05%未満になると、反応速度が遅くなり、反応が終結しないことがあるので好ましくない。
このような触媒は、アルキレンオキシドを付加する前であればいつでも添加することができる。また、アミド化合物(例えば、一般式(3)で表される化合物)を製造する際に使用した触媒が、本発明のポリエーテル組成物を製造する際に使用できる触媒であるならば、それを除去することなしに、そのままアルキレンオキシド付加反応に使用することもできる。
ただし、通常のアルキレンオキシド付加反応と同様に、反応系内に水分が存在すると、低分子量のポリアルキレンオキシドが生成してしまうため、付加反応前に反応系内から水分を除去してやる必要がある。脱水は触媒添加前若しくは後にすることが可能であるが、触媒添加後にすることが好ましい。
脱水は加熱して減圧することが好ましい。加熱は、40〜120℃にすることが好ましく、50〜110℃がより好ましく、60〜100℃が最も好ましい。40℃未満であると、水分が完全に除去できないことがあるので好ましくない。一方、120℃を超えると、触媒の水酸化テトラアルキルアンモニウムが分解することがあるので好ましくない。減圧条件は、5KPa以下が好ましく、3KPa以下がより好ましく、1KPa以下が最も好ましい。5KPaを超えると、水分が完全に除去できない場合があるので好ましくない。
アルキレンオキシド付加反応は、0.03MPa〜1.0MPaの圧力下で行うことが好ましい。この場合、0.03MPa未満であると反応速度が遅くなるために反応が終結しないことがあり、一方1.0MPaを超えると加圧に見合った反応速度が得られず、また反応容器も高圧対応にする必要があるので好ましくない。又は、必要に応じて、窒素やヘリウム等の不活性ガスにより、0.1〜1.0MPa程度に加圧して行ってもよい。この場合、0.1MPa未満であると十分な反応速度が得られず、一方1.0MPaを超えると加圧に見合った反応速度が得られず、また反応容器も高圧対応にする必要があるので好ましくない。
また、反応温度は40℃〜120℃が好ましく、50℃〜110℃がより好ましく、60℃〜100℃が更に好ましく、80℃〜95℃が最も好ましい。反応温度が40℃未満になると、反応速度が遅くなるために反応が終結しないことがあるので好ましくない。一方、反応温度が120℃を超えると、触媒の水酸化テトラアルキルアンモニウムが分解して反応が進まないことがあるので好ましくない。
反応終了後の触媒除去には、当該技術分野において公知である全ての方法を用いることができる。公知の方法は、例えば触媒を中和してろ過する方法、無機吸着剤で触媒を吸着してろ過する方法、触媒を加熱分解し減圧にして系外に放出する方法、触媒を過熱分解して窒素やヘリウム等の不活性ガスを吹き込み、系外に放出する方法等であり、これらを併用して用いることができる。中でも、アルカリ金属及び/又はアルカリ土類金属の金属化合物を除去する方法としては、無機吸着剤で除去する方法が好ましく、水酸化テトラアルキルアンモニウムを除去する方法としては、触媒を加熱分解して除去する方法が好ましい。本発明では、これら二つの方法を併用することが最も好まし。なお、吸着処理と加熱分解処理の順序は、特には限定されず、どちらを先に行ってもよく、また同時に行ってもよい。
無機吸着剤としては、例えばケイ酸マグネシウム、ケイ酸アルミニウム、アルミン酸マグネシウム、酸化マグネシウム、酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム、活性白土及びゼオライト等が挙げられ、中でも、優れた吸着性の観点からケイ酸アルミニウム及びアルミン酸マグネシウムが好ましい。
無機吸着剤の添加量は、アシル基と水酸基とを有する脂肪族化合物のアルキレンオキシド付加物中の金属原子100質量部に対して、50〜2000質量部であることが好ましく、100〜1000質量部であることがより好ましい。添加量が50質量部未満であると金属化合物を完全に吸着することができず、一方2000質量部を超えると吸着剤に反応物目的物が大量にしみ込み、収率が低下してしまうので好ましくない。
吸着処理を行う場合は、触媒の金属化合物を含有する本発明のポリエーテル組成物に、無機吸着剤を添加し、攪拌した後、無機吸着剤を濾過・分離するのが一般的であるが、無機吸着剤が充填された容器(カラム)に金属化合物を含有する本発明のポリエーテル組成物を通過させてもよい。吸着処理の温度は、常温〜150℃程度であり、60〜120℃が好ましく、80〜110℃がより好ましい。温度が常温未満であると完全に吸着できないことがあり、一方150℃を超えると反応目的物が着色してしまうことがあるので好ましくない。また、処理時間は30分〜3時間がこのましい。処理時間が30分未満であると吸着処理が完全に終わらないことがあり、一方3時間を超えると吸着剤に含まれる金属分が溶出することがあるために好ましくない。
なお、吸着処理は1回だけでもよいが、使用する無機吸着剤を分割して複数回に分割して行ってもよい。吸着処理を複数回行うことは煩雑であるが、無機吸着剤の使用量を削減できるという利点がある。また、吸着剤を添加する前に、少量の水を添加したり、鉱酸や二酸化炭素により金属化合物を中和したりしてもよい。吸着処理終了後、無機吸着剤を分離する方法は特に限定されず、遠心分離やフィルターを用いた濾過等の当該技術分野において公知である方法を用いることができる。
さらに、無機吸着剤を分離した後の本発明のポリエーテル組成物は、無機吸着剤が水分を含んでいるために多少水分を含有していることがあるので、必要であれば吸着処理終了後、無機吸着剤の分離前又は分離中又は分離後に、アシル基と水酸基とを有する脂肪族化合物中のアルキレンオキシド付加物の水分を除去するために、加熱減圧等の工程が入ってもよい。
水酸化テトラアルキルアンモニウムを加熱分解する場合の温度は、100℃〜160℃であり、110℃〜150℃が好ましく、120〜145℃が好ましい。分解温度が100℃未満であると、水酸化テトラアルキルアンモニウムが完全に分解しないことがあり、160℃を超えると、ポリエーテル組成物が着色及び着臭することがあるので好ましくない。また、処理時間は30分〜3時間である。処理時間が30分未満であると水酸化テトラアルキルアンモニウムを完全に分解できないことがあり、一方3時間を超えると着色及び着臭してしまうことがあるために好ましくない。
また、アルキル基が長く、加熱減圧等で系外へ除去することが困難な分解生成物については、蒸留や無機吸着剤等により除去することができる。
上記製造方法により得られた本発明のポリエーテル組成物は、金属残存量が10質量ppm以下であることが好ましく、5質量ppm以下であることがより好ましく、3質量ppm以下であることが最も好ましい。なお、金属残存量が10ppmを超えると、長期間高温で保存するときに、経時的にゲル状物質が生成分離することがあり、また特定の用途、例えばウレタンの原料として使用すると、ゲル化(異常反応)を起こすことがあるので好ましくない。
本発明のようなポリエーテル組成物の製造方法は、活性水素基を持つ化合物の活性水素基にアルキレンオキシドを付加する反応において、転移反応等の副反応を制御することができるので、副生成物が少なく、ポリエーテル化合物を高濃度で含むポリエーテル組成物を得ることができる。
以下に実施例を挙げて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。
なお、以下の実施例では、実施例1〜6及び比較例1〜3を起泡剤、実施例7〜8及び比較例4〜5を乳化剤、並びに実施例9〜10及び比較例6〜7を消泡剤として調製した。
[実施例1]
攪拌装置、温度計及び窒素ガス導入管を備えた3リットルオートクレーブにラウリルジエタノールアミド287g(1モル)、及び触媒として水酸化ナトリウム0.04g(Na換算0.0035モル/kg)及び25%水溶液の水酸化テトラメチルアンモニウム12.5g(0.12モル/kg)を仕込んだ。90℃に昇温した後、2kPa以下で1時間減圧脱水し、その後80℃まで冷却して、反応温度80〜90℃でエチレンオキシド352g(8モル)を3時間かけて反応させた。反応終了後、140℃で1時間撹拌して、触媒である水酸化テトラメチルアンモニウムを分解し、更に、140℃、1kPa以下で1時間減圧して、分解物であるトリメチルアミンとメタノールを除去した。その後、無機吸着剤として合成ケイ酸アルミニウム(協和化学製、商品名キョーワード700)を5g添加して100℃で1時間攪拌してろ過し、水酸化ナトリウムを吸着させた無機吸着剤を除去した。その後、撹拌しながら100℃で1kPa以下に1時間減圧して水分を除去することによってラウリルジエタノールアミド8EO付加物を得た。
[実施例2]
実施例1と同様の反応装置に、オレイルジプロパノールアミド397g(1モル)を仕込み、触媒として水酸化カリウム0.11g(K換算0.005モル/kg)及び25%水溶液の水酸化テトラメチルアンモニウム28.9g(0.2モル/kg)を使用し、エチレンオキシド660g(15モル)を実施例1と同様の方法で反応・処理することによってオレイルジプロパノールアミド15EO付加物を得た。
[実施例3]
実施例1と同様の反応装置に、ステアリルジエタノールアミド371g(1モル)を仕込み、触媒として水酸化ナトリウム0.1g(Na換算0.007モル/kg)及び50%水溶液の水酸化テトラエチルアンモニウム54.5g(0.5モル/kg)を使用し、エチレンオキシド792g(18モル)を実施例1と同様の方法で反応・処理することによってステアリルジエタノールアミド18EO付加物を得た。
[実施例4]
実施例1と同様の反応装置に、ラウリルジエタノールアミド287g(1モル)を仕込み、触媒として水酸化ナトリウム0.04g(Na換算0.0035モル/kg)及び25%水溶液の水酸化テトラメチルアンモニウム94.0g(0.9モル/kg)を使用し、エチレンオキシド440g(10モル)を実施例1と同様の方法で反応・処理することによってラウリルジエタノールアミド10EO付加物を得た。
[実施例5]
実施例1と同様の反応装置に、ラウリルジエタノールアミド287g(1モル)を仕込み、触媒として水酸化ナトリウム0.34g(Na換算0.03モル/kg)及び25%水溶液の水酸化テトラメチルアンモニウム10.4g(0.1モル/kg)を使用し、エチレンオキシド440g(10モル)を実施例1と同様の方法で反応・処理することによってラウリルジエタノールアミド10EO付加物を得た。
[実施例6]
実施例1と同様の反応装置に、ラウリルジエタノールアミド287g(1モル)を仕込み、触媒として水酸化ナトリウム0.34g(Na換算0.03モル/kg)及び25%水溶液の水酸化テトラメチルアンモニウム5.2g(0.05モル/kg)を使用し、エチレンオキシド440g(10モル)を実施例1と同様の方法で反応・処理することによってラウリルジエタノールアミド10EO付加物を得た。
[実施例7]
実施例1と同様の反応装置に、ラウリルジプロパノールアミド315g(1モル)を仕込み、触媒として水酸化セシウム0.38g(Cs換算0.008モル/kg)及び25%水溶液の水酸化テトラメチルアンモニウム68.8g(0.6モル/kg)を使用し、プロピレンオキシド116g(2モル)及びエチレンオキシド660g(15モル)を実施例1と同様の方法で反応・処理することによってラウリルジプロパノールアミド2PO15EO付加物を得た。
[実施例8]
実施例1と同様の反応装置に、オレイルジエタノールアミド369g(1モル)を仕込み、触媒として水酸化ナトリウム0.15g(Na換算0.01モル/kg)及び25%水溶液の水酸化テトラメチルアンモニウム8.1g(0.06モル/kg)を使用し、エチレンオキシド880g(20モル)を実施例1と同様の方法で反応・処理することによってオレイルジエタノールアミド20EO付加物を得た。
[実施例9]
実施例1と同様の反応装置に、2−エチルヘキシルジエタノールアミド231g(1モル)を仕込み、触媒として水酸化ナトリウム0.018g(Na換算0.002モル/kg)及び25%水溶液の水酸化テトラメチルアンモニウム10.1g(0.12モル/kg)を使用し、プロピレンオキシド406g(7モル)を実施例1と同様の方法で反応・処理することによって2−エチルヘキシルジエタノールアミド7PO付加物を得た。
[実施例10]
実施例1と同様の反応装置に、オレイルジプロパノールアミド397g(1モル)を仕込み、触媒としてカリウムメトキシド1.11g(K換算0.04モル/kg)及び25%水溶液の水酸化テトラメチルアンモニウム14.5g(0.1モル/kg)を使用し、プロピレンオキシド464g(8モル)及びエチレンオキシド88g(2モル)を実施例1と同様の方法で反応・処理することによってオレイルジプロパノールアミド8PO2EO付加物を得た。
[比較例1]
実施例1と同様の反応装置に、ラウリルジエタノールアミド287g(1モル)を仕込み、触媒として水酸化ナトリウム0.73g(Na換算0.064モル/kg)を使用し、エチレンオキシド440g(10モル)を実施例1と同様の方法で反応させた後、無機吸着剤として合成ケイ酸アルミニウム(協和化学製、商品名キョーワード700)を5g添加して100℃で1時間攪拌してろ過し、水酸化ナトリウムを吸着させた無機吸着剤を除去した後、撹拌しながら100℃で1kPa以下に1時間減圧して水分を除去することによってラウリルジエタノールアミド10EO付加物を得た。
[比較例2]
比較例1と同様の方法で、オレイルジプロパノールアミド391g(1モル)を仕込み、触媒として水酸化カリウム1g(K換算0.046モル/kg)を使用し、エチレンオキシド660g(15モル)を反応・処理することによってオレイルジプロパノールアミド15EO付加物を得た。
[比較例3]
比較例1と同様の方法で、ステアリルジエタノールアミド371g(1モル)を仕込み、触媒としてナトリウムメトキシド1g(Na換算0.05モル/kg)を使用し、エチレンオキシド792g(18モル)を反応・処理することによってステアリルジエタノールアミド18EO付加物を得た。
[比較例4]
比較例1と同様の方法で、ラウリルジプロパノールアミド315g(1モル)を仕込み、触媒として水酸化セシウム1g(Cs換算0.021モル/kg)を使用し、プロピレンオキシド116g(2モル)及びエチレンオキシド660g(15モル)を反応・処理することによってラウリルジプロパノールアミド2PO15EO付加物を得た。
[比較例5]
比較例1と同様の方法で、オレイルジエタノールアミド369g(1モル)を仕込み、触媒として水酸化ナトリウム1.5g(Na換算0.102モル/kg)を使用し、エチレンオキシド880g(20モル)を反応・処理することによってオレイルジエタノールアミド20EO付加物を得た。
[比較例6]
比較例1と同様の方法で、2−エチルヘキシルジエタノールアミド231g(1モル)を仕込み、触媒として水酸化ナトリウム0.65g(Na換算0.07モル/kg)を使用し、プロピレンオキシド406g(7モル)を反応・処理することによって2−エチルヘキシルジエタノールアミド7PO付加物を得た。
[比較例7]
比較例1と同様の方法で、オレイルジプロパノールアミド397g(1モル)を仕込み、触媒としてカリウムメトキシド1g(K換算0.036モル/kg)を使用し、プロピレンオキシド464g(8モル)及びエチレンオキシド88g(2モル)を反応・処理することによってオレイルジプロパノールアミド8PO2EO付加物を得た。
[比較例8]
実施例1と同様の反応装置に、ラウリルジエタノールアミド287g(1モル)を仕込み、触媒として水酸化ナトリウム0.04g(Na換算0.0035モル/kg)を使用し、エチレンオキシド440g(10モル)を実施例1と同様の方法で反応させた。しかし、20時間過ぎてもオートクレーブ内の圧力は低下せず、反応は完結しなかった。
[比較例9]
実施例1と同様の反応装置に、ラウリルジエタノールアミド287g(1モル)を仕込み、触媒として25%水溶液の水酸化テトラメチルアンモニウム12.5g(0.12モル/kg)を使用し、エチレンオキシド440g(10モル)を実施例1と同様の方法で反応させた。しかし、20時間過ぎてもオートクレーブ内の圧力は低下せず、反応は完結しなかった。
以上、実施例1〜10及び比較例1〜9において得られた生成物を表1に示した。
Figure 2005330247
[起泡性試験]
界面活性剤の起泡力及び泡の安定度の測定は、JIS K3362の合成洗剤試験方法(ロスマイルス法)に基づいて行った。実施例1〜6及び比較例1〜3の起泡剤の0.1質量%水溶液を調製し、試料水溶液とした。試料水溶液50mlを試験装置下部に入れ、試料水溶液200mlを25℃の温度条件のもとで900mmの高さから30秒間で液面上に落下させたときに生じる泡の高さを測って起泡力とし、その直後、1分、3分、5分後の高さを泡の安定度とした。その結果を表2に示した。
Figure 2005330247
表2に示されるように、実施例1〜6は、比較例1〜3に比べて高い起泡力及び安定度を有していた。
[乳化性試験]
200mlの栓付メスシリンダーに、水を60ml及びアクリル酸エチルエステルを140ml入れ、本発明品7〜8及び比較品4〜5の乳化剤を1.5g添加した。栓をして、上下に10回強振した後静置して、30秒後、1分後、3分後、5分後のメスシリンダー内の乳化状態を観察した。その結果を表3に示した。
Figure 2005330247
表3に示されるように、実施例7〜8は、比較例4〜5に比べて同等若しくは高い乳化性を有していた。
[消泡性試験]
0.01mol/lのドデシル硫酸ナトリウム水溶液を発泡液として、該水溶液200ml中に実施例9〜10及び比較例6〜7の消泡剤を0.2g加えた後、該混合物を1000mlメスシリンダーに入れ、25℃にて空気吹き込み速度1000ml/分で直径2.5cmのボールフィルターで通気した際の発泡量を、0分後から5分後まで1分ごとに測定した。その結果を表4に示した。
Figure 2005330247
表4に示されるように、実施例9〜10の消泡性は、3分後までは比較例6〜7と同等であったが、5分後になると比較例6〜7よりも高かった。
[アミド化合物の副反応生成物確認試験]
アシル基及び水酸基を有する脂肪族化合物がアミド化合物の場合、副反応によりエステル化合物が生成する。このエステルの生成量を測定することにより、副反応の大きさを見積もることができる。測定は、アルキレンオキシド付加反応の前後で赤外吸収分析(FT−IR−430:日本分光株式会社)を行い、1600〜1650cm−1に現れるアミド結合の吸収と、1700〜1750cm−1に現れるエステル結合の吸収との大きさを比較した。比較方法は、得られたチャートのベースラインから、それぞれの吸収ピーク頂点までの高さを測定し、エステル吸収とアミド吸収との比から、系内のアミドとエステルとの質量比を算出した。その結果を表5に示した。
Figure 2005330247
表5に示されるように、実施例1〜10は、比較例1〜7よりも明らかに含有アミド化合物量が少ない。すなわち、実施例によれば、比較例よりも副反応が抑制されることが確認された。
従って、本発明によれば、アミド基を含有する化合物にアルキレンオキシドを付加する反応において、副生成物が少なく、高濃度のポリエーテル化合物を含むポリエーテル組成物を得ることができる。
本発明のポリエーテル組成物は、従来のものと同様に、液体洗浄剤の洗浄剤、汚れ分散剤、起泡剤、泡安定化剤;石油製品用の添加剤;合成樹脂の滑剤、離型剤、帯電防止剤、ポリウレタン樹脂原料等として使用することができる。

Claims (6)

  1. 下記の一般式(1)を有する(A)成分:
    Figure 2005330247
    (式中、R1は炭化水素基であり;R2及びR3は炭素数1〜8のアルキレン基であり、同一でも異なっていてもよく;A及びA’は炭素数2〜4のアルキレン基の1種又は2種以上であり;n及びmは0以上の整数であり、同時に0にはならない)と、
    下記の一般式(2)を有する(B)成分:
    Figure 2005330247
    (式中、R4、R7及びR8は水素原子又は炭化水素基であり;R5及びR6は炭素数1〜8のアルキレン基であり;B、B’及びB”は炭素数2〜4のアルキレン基の1種又は2種以上であり;e、f及びgは0又は1の数であり、全て同時に0にはならず、e、f及びgが0の時はそれぞれに対応するR4、R及びRは水素原子となり、p、q及びrは0以上の整数であり、全て同時に0にはならない)
    とを含有し、(B)成分の含有量が、(A)成分100質量部に対して、50質量部以下であることを特徴とするポリエーテル組成物。
  2. (B)成分を含む全てのエステル結合を有するポリエーテル化合物の含有量が、(A)成分100質量部に対して、50質量部以下であることを特徴とする請求項1に記載のポリエーテル組成物。
  3. 触媒としてアルカリ金属化合物及び/又はアルカリ土類金属化合物、及び水酸化テトラアルキルアンモニウムを使用し、活性水素基を持つ化合物の活性水素基にアルキレンオキシドを付加することを特徴とするポリエーテルの製造方法。
  4. 前記水酸化テトラアルキルアンモニウムが、水酸化テトラメチルアンモニウム、水酸化テトラエチルアンモニウム、水酸化テトラプロピルアンモニウム及び水酸化テトラブチルアンモニウムからなる群から選択される何れか一つであることを特徴とする請求項3に記載のポリエーテルの製造方法。
  5. 前記水酸化テトラアルキルアンモニウムと、前記アルカリ金属及び/又はアルカリ土類金属とのモル数の比が1:1〜1:0.0005の範囲であることを特徴とする請求項3又は4に記載のポリエーテルの製造方法。
  6. 前記活性水素基を持つ化合物が一般式(3):
    Figure 2005330247
    (式中、R1は炭化水素基を表し;R2、R3は炭素数1〜8のアルキレン基を表し、同一でも異なっていてもよい)
    で表されることを特徴とする請求項3〜5のいずれか一項に記載のポリエーテル組成物の製造方法。
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