JP2005330213A - 酸化ストレス抑制剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】 安全性の高いすぐれた酸化ストレス抑制剤及び免疫賦活剤を提供する。
【解決手段】 有効成分として、ウリジル酸、ウリジン、ウラシルの少なくともひとつを用いてなる酸化ストレス抑制剤及び免疫賦活剤。その具体的作用としては、IgA抗体産生促進、SOD活性増強、過酸化脂質抑制、IFN−γ産生促進の各作用が例示される。本剤は医薬のほか飲食品や飼餌料としても利用することができ、しかも利用対象としては、ヒトのほかヒト以外の動物(家畜、家禽、ペットその他)も広く包含される。また本発明は、上記有効成分を投与することによる酸化ストレス等の予防及び/又は治療方法も提供するものである。
【選択図】 なし

Description

本発明は、酸化ストレス抑制剤に関するものであり、更に詳細には、ウリジル酸等の核酸関連物質を用いることによるIgA抗体を産生する剤、および酸化ストレスを抑制する剤に関するものである。
また、本発明は、感染防御剤、アレルギー抑制剤を提供するだけでなく、生体内酸化ストレスを抑制することにより、老化抑制剤、免疫賦活剤、アレルギー抑制剤、抗癌剤、動脈硬化抑制剤、糖尿病抑制剤、ぼけや痴呆抑制剤、アルツハイマー抑制剤、皮膚の炎症抑制剤、肺気腫抑制剤、腎炎抑制剤、白内障、未熟児網膜症、眼球鉄症、網膜炎などの眼の疾患の抑制剤として使用できる。本発明は、更に、これらを抑制(予防、治療を含む)する作用を有する飲食品も提供するものである。なお、本発明の利用対象は、ヒト及びヒト以外の動物であって、後者には家畜、家禽、ペット、動物園等で飼育されている動物や鳥類、実験動物等も広く包含される。
日本における仔ウシの出生頭数は、1年当たり約140万頭である。このうち、成長不良を起こすだけでなく、斃死するものも多い(平均斃死率が4.9%という事例もある)。このことは、乳肉の質、量いずれの点からも生産性を落とし、畜産経営上の圧迫要因となっている。
下痢などの疾病の原因としては、初乳摂取量の不足、初乳の質と量、初乳給与時期、飼料の変化(代用乳、スターター・人工乳)、輸送・環境変化のストレスなどが挙げられる。仔ウシは給与飼料の変化や増量、環境ストレスに対して順応性が乏しい。また、導入時には輸送ストレスを受ける。離乳時のストレスも大きい。このようなストレスにより、仔ウシはロタウィルスなどのウィルスに罹患して下痢を起こす。
また、ストレスによって、粘膜組織で活性酸素やフリーラジカルの出現が増加し、細胞は酸化ストレスを被る。生体組繊では、酸化ストレスによって脂質酸化が起こると、細胞膜、組織が損傷する。このため、赤血球のSOD活性を高めて、生体内の活性酸素の排除を促すことが大切である。実際、仔ウシが輸送ストレスを受けているときには、白血球および好中球化学発光能が低位に推移するという報告があり、仔ウシが健康に育つには酸化ストレスを軽減することが大切である。しかし、仔ウシ用の代用乳には酸化ストレス抑制効果を有する有効物質は含まれていない。
また、ヒトでも高齢化に伴い酸化ストレスが上昇し、免疫機能の低下、動脈硬化、癌、糖尿病、痴呆などの生活習慣病による患者や死亡率が高くなる。乳児でも、臨床試験で人工乳哺育新生児では、母乳哺育児に比べて酸化ストレスが高いことが報告されている。ヒト用の人工乳でも、酸化ストレス抑制効果を有する有効物質は殆んど含まれていない。
また、ストレスにより免疫力が低下すると、感染症、呼吸器疾患に罹りやすくなる。ストレスによって、NK細胞低下、IgA産生能の低下、ヘルパーT細胞のバランスがTh2優位になることなどがある。仔ウシの下痢や肺炎の発症には、免疫機能が密接に関係している。出生後一週間前後で下痢を起こすウシは、出生時の段階から好中球機能が低いものが多い。肺炎が多発する仔ウシ群では、生後1ヶ月において、T細胞の機能低下が認められている。初乳未摂取の仔ウシでは、T細胞が正常に成熟せず、初乳を摂取した仔ウシに比べて、生後1ヶ月の期間内ではT細胞が徐々に減少する。生後の仔ウシが順調に発育するためには、正常な免疫機能を構築する必要がある。仔ウシ自身が抗体を作り出すまでの期間(4〜8週齢まで)は、仔ウシの免疫系を賦活する必要がある。
仔ウシの感染症を予防するためにワクチンや抗生物質が使われているが、今後は仔ウシの免疫機能を生かして感染症を予防することで、健康な発育を促すことが出来るようにすることが期待されている。すなわち、免疫機能を亢進することで、感染症を防止する栄養管理法が重要である。このように免疫賦活能を有する天然素材が求められている。これまでの代用乳には、免疫機能を亢進させて、感染症を防止するような物質はほとんど含まれていない。
腸管は常に無数の外来抗原や細菌に曝されており、それらの体内への侵入を阻止したり、過剰な免疫応答を抑制するために、パイエル板や腸間膜リンパ節等からなる腸管付属リンパ組織が発達している。腸管のIgAは病原性微生物が体内に侵入するのを防ぐことで、感染防御効果がある。また、食物抗原などの外来の抗原が体内に侵入してアレルギーの発症を防ぐ役割を果たす。
仔ウシの感染症を予防するためには、腸管粘膜の免疫機能を高めることが大切である。仔ウシの粘膜表面は外界と接しており、絶えず抗原や病原菌に曝されている。これらの粘膜表面で内分泌される抗体の作用は生体防御機構の一つであり、血清抗体以上に細菌やウィルスの感染防御に関与する。分泌型IgAは腸管分泌液中の主要な免疫グロブリンで、巨大分子や異種抗原だけでなく、ウィルスや細菌など病原性微生物の侵入に対する第一次防御機構として大切である。以上より、免疫賦活効果を有する天然素材の中でも、腸内での分泌型免疫機構を成熟させ、感染を予防する素材が求められている。
一方、ヌクレオシド、ヌクレオチド等の核酸関連物質の一部は調味料や医薬として有用であることは知られているが(例えば、非特許文献1参照)、ウリジル酸の単用で酸化ストレスが抑制されるという一般的知見は従来知られていないし、ましてや、実際の仔ウシを用いて生体内でこの作用を確認したという報告はなされていない。
「バイオテクノロジー事典」(株)シー エム シー、1986年、10月9日、第246〜247頁
本発明は、ストレスを抑制し、免疫を賦活するためのシステム、しかも天然物を利用する安全性の高い新規システムを開発する目的でなされたものである。
本発明者らは、上記の問題を解決するために、実際に仔ウシを用いて、ウリジル酸が酸化ストレスに与える影響について検討した結果、ウリジル酸が、SOD活性を促進し、過酸化脂質量を抑制することを見いだした。
さらに、ウリジル酸が腸管免疫系に与える影響を検討した結果、ウリジンが腸管のIgA産生を高めることを見いだした。また、このとき、末梢血リンパ細胞のIFN−
γ産生が上昇することもはじめて見出した。
本発明は、これらの有用新知見に基づき、更に研究した結果、遂に完成されたものであって、ウリジル酸、ウリジン、ウラシルの少なくともひとつを有効成分とする酸化ストレス抑制ないし免疫賦活組成物を基本的技術思想とするものである。
以下、本発明について詳述する。
本発明においてはウラシルを塩基として有する核酸関連化合物を有効成分として使用するものであり、核酸関連化合物としては、ウラシル、ウリジン、ウリジル酸から選ばれる少なくともひとつが例示使用される。
核酸関連物質の由来には格別の制限はなく、合成品でもよいが、酵母、細菌、乳、魚介類、動物、植物等の天然物由来のものが好適である。核酸関連物質の精製方法についても、格別の制限はなく、完全に精製されたものが使用できることはもちろんのこと、粗製物や含有物等も自由に使用することができ、乾燥品〜ペースト状物〜液状ないし懸濁状物にした処理物も広く使用することができる。
本発明は、核酸関連物質の有効性(つまり、機能性、生理活性ないし生理作用)を実際の仔ウシを用いて直接確認した点にきわめて大きな特徴を有するものである。具体的には核酸関連物質を仔ウシに経口投与した後、仔ウシから採血を行い、また仔ウシを屠殺して回腸粘膜を採取し、これらの生体サンプルについて分析を行って、各種の生理作用を実際に且つ直接確認した点、しかも、核酸関連物質としては、他の塩基由来の核酸関連物質ではなく、また、他の塩基由来の核酸関連物質との併用ではなく、ウラシル系の核酸関連物質のみの単用で有効であることを実際に確認した点においてきわめて特徴的である。
本発明は、有効成分を生きた仔ウシに直接投与し、生体サンプルを分析して各種生理作用(生理活性)を確認してなされたものであって、仔ウシを用いた実際の生体実験(in vivo試験)の結果確認されたものである。このようにして、実際に直接確認された生理作用(効果ないし有用性)は次のものが例示される:IgA抗体産生促進、SOD(スーパーオキサイドディスムターゼ)活性促進、過酸化脂質量抑制、これらの内の少なくともひとつの作用による酸化ストレスの抑制、IgA抗体産生促進及び/又はIFN−γ(γ−インターフェロン)産生促進による免疫賦活(例えば、感染防御ないしアレルギー抑制)、IFN−γ産生促進等。
本発明によれば、これらの核酸関連物質を有効成分として、ヒト又はヒト以外の動物用の医薬品、飲食品、サプリメント、調製粉乳、経腸栄養剤、健康飲食品、飼餌料添加物、培養細胞の培地添加物等各種タイプの組成物として実用に供することができる。また、投与方法は、経口投与、静脈内投与、患部への直接投与のどの方法で用いてもよい。
有効成分の配合量は、任意でよいが、使用目的(予防、保健、又は治療)、患者の年令、投与方法、剤型等に応じて適宜定めればよく、通常、0.0001〜10%の範囲が適当である。しかしながら、長期間に亘って保険上ないし健康維持の目的で摂取する場合には、上記範囲よりも少量であってもよいし、また本有効成分は、安全性について問題がないので、上記範囲よりも多量に使用しても一向にさしつかえない。現にマウスを用いた10日間の急性毒性試験の結果、1000mg/kgの経口投与でも死亡例は認められなかった。
飲食品(サプリメントのほか、特定保健用食品や栄養機能食品等の機能性食品を含む)として使用する場合には、本有効成分(含有物や処理物も含む)をそのまま使用したり、他の食品ないし食品成分と併用したりして適宜常法にしたがって使用できる。本有効成分を用いる本発明に係る組成物は、固体状(粉末、顆粒状その他)、ペースト状、液状ないし懸濁状のいずれでもよいが、甘味料、酸味料、ビタミン剤その他ドリンク剤製造に常用される各種成分を用いて、健康ドリンクに製剤化すると好適である。
ヒト及び/又は動物用医薬品として使用する場合、本有効成分は、種々の形態で投与される。その投与形態としては例えば錠剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤、シロップ剤等による経口投与をあげることができる。これらの各種製剤は、常法に従って主薬に賦形剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤、矯味矯臭剤、溶解補助剤、懸濁剤、コーティング剤などの医薬の製剤技術分野において通常使用しうる既知の補助剤を用いて製剤化することができる。その使用量は症状、年令、体重、投与方法および剤形等によって異なるが、通常は、成人に対して、1日当り、静脈投与の場合は、体重1kg当り、0.01mg〜1000mgを投与することができ、筋肉投与の場合は同じく0.01mg〜1000mgを投与することができる。また、経口投与の場合には同じく0.5〜2000mg、好ましくは1〜1000mgの範囲内で投与するのがよい。
また、飼料あるいは飼料添加物として使用する場合も、上記と同様に常用される飼料、代用乳、飲料水等に有効成分を配合して製造すればよい。更に本発明は、ヒトを除く動物に有効成分を投与することによるストレス抑制方法、免疫賦活方法も提供するものであって、例えば30日齢までのホルスタイン種仔ウシの場合、ウリジル酸を1日当り、0.1〜20g、好ましくは0.5〜10g、更に好ましくは1〜5g代用乳に混ぜて経口投与することにより、IgA産生促進、SOD活性増強、過酸化脂質抑制、IFN−γ産生促進が実際に確認され、酸化ストレスの抑制及び感染防御、アレルギー抑制のための治療及び/又は予防が実施される。他の動物についても仔ウシの場合に準じて、治療及び/又は予防を実施すればよい。
本発明によれば、安全性の高いウリジル酸系核酸関連物質を有効成分とする酸化ストレス抑制組成物及び免疫賦活組成物を提供することが可能となる。
本発明に係る組成物には、酸化ストレスの予防及び/又は治療を含め、酸化ストレスを抑制するヒト又は動物用医薬品、飲食品、動物用飼餌料が広く包含され、また免疫賦活作用を有するヒト又は動物用医薬、飲食品、飼餌料が広く包含されるので、本発明は、ウリジル酸等を有効成分とするヒト又は動物用の酸化ストレス抑制剤、酸化ストレス抑制活性を有する飲食品、同飼餌料を提供することができ、また、同じくヒト又は動物用の免疫賦活剤、免疫賦活活性を有する飲食品、同飼餌料を提供することもできる。
また、本発明は、ウリジル酸等を有効成分とするIgA産生促進作用を有する剤、飲食品、飼餌料、及び、SOD活性増強作用を有する剤、飲食品、飼餌料、及び、過酸化脂質量抑制作用を有する剤、飲食品、飼餌料、及び、IFN−γ産生促進作用を有する剤、飲食品、飼餌料の少なくともひとつを提供することもできる。
更にまた、本発明は、ウリジル酸の有効成分をヒト又は動物に投与することによる酸化ストレス抑制方法、免疫賦活方法を提供するものであって、生体内におけるIgA産生促進方法、SOD活性増強方法、過酸化脂質量抑制方法、IFN−γ産生促進方法の少なくともひとつを提供することができ、投与方法としては経口投与、非経口投与のほか常法が適宜利用可能である。
また本発明によれば、有効成分としてウリジル酸、ウリジン、ウラシルの少なくともひとつのみを用いて、医薬品や飲食品、飼餌料を提供することができるが、その際、治療だけでなく、有効成分の含有量を低下させた場合は予防を目的とした保険用途にも利用可能であり、例えば予防用の飲食品や飼餌料とすることもできる。
更に本発明によれば、ウリジル酸等の有効成分がIgA抗体の産生を促進し、酸化ストレスを抑制することができる。IgA抗体の産生を促進することにより、感染防御剤、アレルギー抑制剤として使用できる。また、酸化ストレスを抑制することにより、老化抑制剤、免疫賦活剤、アレルギー抑制剤、抗癌剤、動脈硬化抑制剤、糖尿病抑制剤、ぼけや痴呆抑制剤、アルツハイマー抑制剤、皮膚の炎症抑制剤、肺気腫抑制剤、腎炎抑制剤、白内障、未熟児網膜症、眼球鉄症、網膜炎などの眼の疾患の抑制剤として使用できる。本発明の利用対象は、ヒト、家畜、家禽、ペットなどであって、非常に広範に亘っていることも本発明の利点の一つである。したがって、本発明によれば、有効成分を動物に投与することによって、ストレスを抑制し、感染症を防止することにより、成長促進、健康増進を図ることができ、特に仔ウシ等の幼少家畜の飼育に好適である。
以下、実施例をあげて本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。
(実施例1)
ホルスタイン種新生仔ウシ(12頭)に対し、出生直後に各母ウシの初乳を給与し続く3日齢までIgGを強化した人工初乳を与えた。4日齢より仔ウシを2群に分け、10日齢に達するまでの7日間試験区(6頭)にウリジル酸入り代用乳(ウリジル酸 2g/日)を対照区(6頭)に通常の代用乳を給与した。その後、仔ウシを屠殺し、回腸粘膜を採取、液体窒素で凍結させIgA分析サンプルとした。
凍結させたサンプルに、ダルベッコPBS(−)を9倍量添加しホモゲナイズした。ホモゲナイズした溶液を0.05%Tween20含有TBS溶液で100倍希釈し、Bovine IgA ELISA Quantitation Kit(フナコシ株式会社)にて腸管粘膜IgA濃度を測定した。
その結果、試験区において腸管粘膜IgA濃度の有意(P<0.05)な上昇が見られた(図1)。このことから、ウリジル酸の経口投与により腸管IgA産生が高まることが明らかとなった。
(実施例2)
ホルスタイン種新生仔ウシ(12頭)に対し、出生直後に各母ウシの初乳を給与し続く3日齢までIgGを強化した人工初乳を与えた。4日齢より仔ウシを2群に分け、10日齢に達するまでの7日間試験区(6頭)にウリジル酸入り代用乳(ウリジル酸2g/日)を、対照区(6頭)に通常の代用乳を給与し、以後、24日齢まで試験区、対照区とも通常の代用乳を給与した。
採血は24日齢で行い、血液より分離した末梢血リンパ細胞をマイトジェンで刺激した際のIFN−γ産生量を測定した。
血液より採取した末梢血リンパ細胞を1μg/ml、3μg/mlのConA(コンカナバリンA T細胞刺激)及び50μg/mlのLPS(B細胞刺激)とともに5%FCS含有RPMI培地で3日間培養後、培養上清中のIFN−γ濃度をBio−X−Gamma Interferon Elisa Kitにて測定した。
その結果、対照区に比べ試験区においてIFN−γ産生が高くなる(図2)傾向が見られた。したがって、ウリジル酸の経口投与により末梢血リンパ細胞のIFN−γ産生能が高まることが示された。
(実施例3)
ホルスタイン種新生仔ウシ(12頭)に対し、出生直後に各母ウシの初乳を給与し続く3日齢までIgGを強化した人工初乳を与えた。4日齢より仔ウシを2群に分け、10日齢に達するまでの7日間試験区(6頭)にウリジル酸入り代用乳(ウリジル酸2g/日)を、対照区(6頭)に通常の代用乳を給与した。
10日齢となったところで、細菌の毒素であるLPS(リポポリサッカライド)を頚静脈より投与しストレス負荷とした。経時的に採血を実施し、ストレス負荷に対する赤血球SOD活性、血漿中過酸化脂質量の変化を調査した。
赤血球SOD活性は、採血した血液をTsuchihashi法により前処理した後、SOD Assay Kit−WST(Dojindo)にて測定した。また、血漿中過酸化脂質量はTBA法により測定した。
試験区、対照区ともLPS投与後約45分で震え、呼吸数の増大などの臨床症状が見られた。その際、試験区において赤血球SOD活性が上昇した(図3)。また、同じ時間において対照区では血漿中過酸化脂質量が増加したが、試験区では変化しなかった(図4)。これらのことから、ウリジル酸の経口投与により赤血球SOD活性が増強され、酸化ストレスを緩和することがわかった。
4〜10日齢まで通常の代用乳、ウリジル酸入り代用乳をそれぞれ給与した仔ウシの回腸粘膜中IgA濃度を示す。 4〜10日齢まで通常の代用乳、ウリジル酸入り代用乳をそれぞれ給与した仔ウシが24日齢に達した際に採血した血液より分離した末梢血リンパ細胞を1μg/ml、3μg/mlのConA及び50μg/mlのLPSとともに3日間培養したときのIFN−γ産生量を示す。 4〜10日齢まで通常の代用乳、ウリジル酸入り代用乳をそれぞれ給与した仔ウシに、10日齢時にLPSを投与した際の、赤血球SOD活性の経時変化をLPS投与時における数値を100として示したものである。 4〜10日齢まで通常の代用乳、ウリジル酸入り代用乳をそれぞれ給与した仔ウシに、10日齢時にLPSを投与した際の、血漿中過酸化脂質量の経時変化をLPS投与時における数値を100として示したものである。

Claims (10)

  1. ウリジル酸、ウリジン、ウラシルからなる核酸関連物質から選ばれる1種又は2種以上を有効成分としてなること、を特徴とする酸化ストレス抑制剤。
  2. IgA抗体産生促進又はSOD活性増強によること、を特徴とする請求項1に記載のストレス抑制剤。
  3. ウリジル酸、ウリジン、ウラシルからなる核酸関連物質から選ばれる1種又は2種以上を有効成分としてなること、を特徴とする免疫賦活剤。
  4. IFN−γ産生促進によること、を特徴とする請求項3に記載の免疫賦活剤。
  5. ウリジル酸、ウリジン、ウラシルからなる核酸関連物質から選ばれる1種又は2種以上を有効成分としてなること、を特徴とするIgA産生促進、SOD活性増強、IFN−γ産生促進の少なくともひとつの活性を有する剤。
  6. 剤がヒト又は動物用であること、を特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の剤。
  7. ウリジル酸、ウリジル、ウラシルからなる核酸関連物質から選ばれる1種又は2種以上を有効成分として含有すること、を特徴とする酸化ストレス抑制活性又は免疫賦活活性を有するヒト又は動物用飲食品。
  8. 該有効成分が、精製物、粗製物及び含有物から選ばれる少なくともひとつであること、を特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の剤又は飲食品。
  9. ウリジル酸、ウリジル、ウラシルからなる核酸関連物質を投与すること、を特徴とする酸化ストレス抑制方法。
  10. ウリジル酸、ウリジル、ウラシルからなる核酸関連物質を投与すること、を特徴とする免疫賦活方法。
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