JP2005328979A - ミシンの糸移送装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 ミシンの糸移送装置において、糸駒から延びる上糸を縫針の目孔に確実に糸通し可能に、更に糸掛け部(針棒糸案内)に確実に糸掛け可能にすると共に、構造を簡単化して製作コストを低減すること、ミシンを小型化、軽量化するうえで有利なものにすること、縫製前の上糸セット作業を効率よく行えるようにすること、等である。
【解決手段】 ミシンMの糸移送装置17は、基端部が回動可能に支持され且つ先端部に上糸を保持する為の糸保持部51を有する糸移送部材50と、糸移送部材50をその基端部を回動中心として回動させることにより先端部を上下方向に揺動可能に構成すると共に、先端部と基端部とを結ぶ軸心回りに回動可能に構成し、上糸を糸保持部51で受け止めて保持可能な第1位置と、糸保持部51で保持した上糸を糸通し機構16による糸通しに供する第2位置とに亙って移動可能な糸移送部材移動機構60とを有する。
【選択図】 図2-2

Description

本発明は、縫製前に針棒に装着された縫針の目孔に上糸を通してセットするために上糸を移送する糸移送装置に関するものである。
従来、家庭用ミシンに装備される糸通し機構として、針棒付近に昇降可能に配設された糸通し軸と、この糸通し軸と一体的に昇降可能な糸通しガイド軸と、糸通し軸の下端に設けられ且つ縫針の目孔を挿通可能な糸通しフックと、糸通し軸をその下降限界位置付近で糸通しフックが縫針の目孔に挿通するように所定角度だけ回動させる回動機構とを備えたものが周知である。このような糸通し機構は、ミシン頭部等に設けた操作部を押し下げることにより作動するものが多く、その動作は、先ず、糸通し軸が下降限界位置付近まで下降して、糸通しフックが縫針の目孔と同高さ位置になり、続いて、回動機構により糸通しフックが回動されて、糸通しフックが縫針の目孔を挿通して目孔付近位置に保持された上糸を引っ掛ける。その後、糸通しフックが縫針の目孔から抜けてその目孔に上糸が通され、その後、糸通し軸と共に糸通しフックが上昇して元の位置に復帰する。
ところで、糸通し機構を作動させて縫針の目孔に上糸を糸通しする前には、予め、糸駒から延びる上糸を糸調子皿→天秤→針棒糸案内等を経由する所定の上糸経路に掛け、前記目孔付近位置又は目孔付近位置へ導く位置に上糸を保持して準備しておく必要がある。一方、本願出願人は、糸駒を収容する糸カセットを設け、この糸カセットをミシン頭部に設けたカセット装着部に上方から着脱可能に装着することにより、糸カセットから延びる上糸を、自動的に、糸調子皿、天秤、針棒糸案内に糸掛けすると共に縫針の目孔に糸通しするミシン(例えば、特許文献1参照)を実用化している。
この糸カセット着脱式のミシンでは、自動的に上糸の糸掛けと糸通しとを可能にするために、糸カセット装着動作に連動して作動する糸通し機構と、糸カセットに糸準備経路が設けられ、糸駒から延びる上糸をその糸準備経路に掛けて準備しておき、その糸準備経路に掛かる上糸を縫針の目孔付近位置に移送する為の糸移送部材が、糸カセット装着動作に連動して作動するように構成された糸移送装置が設けられている。
この糸移送装置は、先端部に上糸を保持する為の糸保持部を有する糸移送部材と、この糸移送部材を同一鉛直面内で上下方向且つ前後方向へ移動させて、待機位置と、上糸を糸保持部で受け止めて保持可能な糸受止位置と、糸保持部で保持した上糸を糸通し機構による糸通しに供する糸通実行位置とに亙って切り換え可能な糸移送部材移動機構が設けられている。糸移送部材移動機構は、可動フレーム、可動フレームを機枠に昇降自在に且つ適切な姿勢に切り換え可能にガイドする機構、可動フレームを昇降駆動するワイヤと複数の滑車を有する機構、糸移送部材を可動フレームに昇降自在に且つ適切な姿勢に切換え可能にガイドする機構、可動フレームに対して糸移送部材を昇降駆動するワイヤと複数の滑車を有する機構、等を有する。
また、この糸カセット着脱式のミシンには、糸カセット装着動作に連動して作動し、針棒の下端側部分に設けられた針棒糸案内へ上糸を自動的に糸掛けする糸掛け機構が別途設けられている。この糸掛け機構は、頭部の下側に固定されたベース部材、ベース部材に左右方向へ移動自在にガイドされた可動部材、可動部材に連結されたフック部材、等を有し、糸カセットから受ける駆動力により、可動部材を左右方向へ移動させフック部材を回動させて、フック部材で上糸を引っ掛けて針棒糸案内に導入する。
特開2004−65323号公報
特許文献1のミシンでは、糸移送部材移動機構が、可動フレーム、可動フレームのガイド及び駆動の為の機構、糸移送部材のガイド及び駆動の為の機構を有し、これらの機構も夫々複雑であるため、糸移送部材移動機構は全体的に非常に部品点数が多い複雑な構造になる。また、糸移送部材、糸移送部材移動機構だけでは、針棒糸案内に上糸を掛けることができず、それ故、糸掛け機構が別途設けられているが、その糸掛け機構も、ベース部材、可動部材、フック部材、可動部材を駆動する機構等を有する複雑な構造になる。
つまり、特許文献1のミシンでは、前記糸移送部材移動機構、更には、前記糸掛け機構を設けたことにより、製作コストが高価になり、また、糸移送部材移動機構、糸掛け機構が大型になるため、ミシンを小型化、軽量化するうえで不利になる。ここで、糸カセット着脱式のミシン以外に、糸通し機構を備えたミシンにおいて、特許文献1のような糸移送装置を適用することは可能であるが、上記と同様の問題が生じる。
本発明の目的は、ミシンの糸移送装置において、糸駒から延びる上糸を縫針の目孔に確実に糸通し可能に、更に糸掛け部(針棒糸案内)に確実に糸掛け可能にすると共に、構造を簡単化して製作コストを低減すること、ミシンを小型化、軽量化するうえで有利なものにすること、縫製前の上糸セット作業を効率よく行えるようにすること、等である。
請求項1のミシンの糸移送装置は、針棒に装着された縫針の目孔に上糸を糸通しする糸通し機構を備えたミシンにおいて、基端部が回動可能に支持され且つ先端部に上糸を保持する為の糸保持部を有する糸移送部材と、前記糸移送部材をその基端部を回動中心として回動させることにより先端部を上下方向に揺動可能に構成すると共に、先端部と基端部とを結ぶ軸心回りに回動可能に構成し、上糸を糸保持部で受け止めて保持可能な第1位置と、糸保持部で保持した上糸を前記糸通し機構による糸通しに供する第2位置とに亙って移動可能な糸移送部材移動機構とを備えたことを特徴とする。
この糸移送装置は、糸通し機構を備えたミシンにおいて、ミシン本体に糸供給源である糸駒をセットし、その糸駒から延びる糸を上糸として使用する一般的なミシンに適用してもよいが、特に、糸駒を収容する糸カセットを設け、この糸カセットをミシンのアーム部の頭部に設けたカセット装着部に上方から着脱可能に装着し、その糸カセットから延びる糸を上糸として使用する糸カセット着脱式のミシンに適用できる。本発明の糸移送装置、糸通し機構については、作業者が間接的に又は直接的に操作して、その操作力により作動するように構成してもよいし、電動モータやエアシリンダ等のアクチュエータを備え、そのアクチュエータにより作動するように構成してもよい。特に、糸カセット着脱式のミシンにおいては、糸カセットをカセット装着部に装着させる操作力により、糸移送装置、糸通し機構が作動するように構成することができる。
この糸移送装置では、例えば、針棒近くのミシン機枠に、糸移送部材の基端部が回動可能に支持(枢支)され、糸移送部材の先端部に上糸を保持する為の糸保持部が設けられている。糸移送部材移動機構により、この糸移送部材が、その基端部を回動中心として回動されて、糸移送部材の先端部(糸保持部)が上下方向に揺動し、先端部と基端部とを結ぶ軸心回りに回動され、上糸を糸保持部で保持可能な第1位置と、糸保持部で保持した上糸を糸通し機構による糸通しに供する第2位置とに亙って移動する。
例えば、糸移送部材が第1位置に位置しているときには、糸移送部材はその基端部から先端へ向かって斜め上側へ延びるように傾斜した状態となり、この状態で、糸移送部材の糸保持部に上糸が保持され、その後、糸移送部材移動機構により、糸移送部材が水平軸心回りに回動されてその先端部(糸保持部)が下方へ揺動し、また、この水平軸心と直交する軸心回りに回動されて、糸移送部材が第1位置から第2位置へ移動して、糸保持部により保持された上糸が移送される。例えば、糸移送部材が第2位置に位置しているときには、糸保持部が縫針の目孔付近に位置する状態となり、この状態で、糸保持部に保持された上糸が、糸通し機構において、針棒の目孔を挿通したフックにより引っ掛けられ目孔に通され、その後、糸移送部材が第2位置から第1位置へ復帰移動する。
請求項1のミシンの糸移送装置については次のように構成することができる。
前記ミシンのアーム部の頭部のカセット装着部に上方から着脱可能に装着され且つ糸供給源を収容する糸カセットを設けると共に、この糸カセットに上糸を掛ける糸準備経路を設ける(請求項2)。前記糸通し機構が、針棒の付近に昇降可能に配設された糸通し軸と、この糸通し軸と一体的に昇降可能な糸通しガイド軸と、糸通し軸の下端に設けられ且つ縫針の目孔に挿通可能な糸通しフックと、糸通し軸をその下降限界位置付近で糸通しフックが縫針の目孔に挿通するように所定角度だけ回動させる回動機構とを備える(請求項3)。
前記糸移送部材移動機構は、糸カセットのカセット装着部への装着動作に連動して下降移動する昇降部材を有し、この昇降部材の下降移動に連動して糸移送部材を第1位置から第2位置へ移動させる(請求項4)。前記糸移送部材移動機構は、カセット装着部に糸カセットが装着されて糸通しが完了したときに、糸移送部材を第2位置から第1位置へ復帰させる復帰手段を有する(請求項5)。
前記糸カセットに収容した糸供給源から延びる上糸を前記糸準備経路に掛けた状態でその糸カセットをカセット装着部に装着する際、第1位置の糸移送部材の糸保持部に上糸が上側から引っ掛かって保持された後、前記糸移送部材移動機構が作動するように構成する(請求項6)。前記糸移送部材移動機構は、機枠に回動自在に支持された水平な第1軸部材と、この第1軸部材に直交状に付設され且つ糸移送部材の基端部が回転自在に支持された第2軸部材と、第1軸部材を回動させる第1回動駆動部と、糸移送部材を回動させる第2回動駆動部とを有する(請求項7)。
前記第1回動駆動部は、前記糸通しガイド軸に上下移動自在に支持され且つ前記昇降部材から駆動力を受けるラック形成部材と、このラック形成部材のラックに噛合するピニオンを含みラック形成部材の下降動作を第1軸部材の回転動作に変換するギヤ機構を有する(請求項8)。前記第2回動駆動部は、前記第1軸部材と同軸上に機枠に固着された冠歯車又は傘歯車と、第2軸部材に回転自在に枢支されて前記冠歯車又は傘歯車と噛合し且つ糸移送部材の基端部が連結されたピニオンギヤとを有する(請求項9)。
前記冠歯車はセクタ冠ギヤからなり、このセクタ冠ギヤとこれに噛合するピニオンギヤの少なくとも一方のギヤの一部が欠歯部を有する(請求項10)。前記第1軸部材が所定量回動するまでの間は、前記少なくとも一方のギヤの欠歯部が他方のギヤの歯部に当接し、第1軸部材が所定量回動した時点で前記一方のギヤの歯部と他方のギヤの歯部が噛合するように構成する(請求項11)。
前記冠歯車はセクタ冠ギヤからなり、このセクタ冠ギヤとこれに噛合するピニオンギヤの双方のギヤの一部が欠歯部に形成され、第1軸部材が所定量回動するまでの間は、セクタ冠ギヤの欠歯部とピニオンギヤの欠歯部とが当接し、第1軸部材が所定量回動した時点でセクタ冠ギヤの歯部とピニオンギヤの歯部が噛合するように構成する(請求項12)。前記糸移送部材移動機構は、操作部材により動作するように構成する(請求項13)。前記針棒の下端側部分に前記糸掛け部としての針棒糸案内を設け、前記糸移送部材が第1位置から第2位置に移行する途中の第3位置において、前記糸カセットに収容された糸供給源と前記糸保持部との間に亙る上糸を引っ掛ける為の引掛部を糸移送部材に設け、この引掛部を前記針棒糸案内への上糸導入方向に移動させる(請求項14)。
請求項15のミシンの糸移送装置は、針棒に装着された縫針の目孔に上糸を糸通しする糸通し機構を備えたミシンにおいて、基端部が回動可能に支持され且つ先端部に上糸を保持する為の糸保持部を有する糸移送部材と、前記糸移送部材をその基端部を回動中心として回動させることにより先端部を上下方向に揺動させて、上糸を糸保持部で受け止めて保持可能な第1位置と、糸保持部で保持した上糸を前記糸通し機構による糸通しに供する第2位置とに亙って移動可能な糸移送部材移動機構とを備え、前記糸移送部材の基端部と先端部との間の距離が、前記基端部から糸通し位置に位置する縫針の目孔との間の距離と略等しくなる位置に、糸移送部材の基端部を枢支したことを特徴とする。
この糸移送装置では、糸移送部材の基端部と先端部との間の距離が、前記基端部から糸通し位置に位置する縫針の目孔との間の距離と略等しくなる位置に、糸移送部材の基端部が枢支されているので、糸移送部材が第2位置に位置しているときには、糸保持部が縫針の目孔付近に確実に位置する。その他、請求項1と同様の作用を奏する。
ここで、前記第2位置は、前記糸移送部材移動機構により回動された糸移送部材の糸保持部が、前記糸通し位置にある縫針の目孔の近傍部に移動した位置であるということが好ましい(請求項16)。
請求項1の発明によれば、前記糸移送部材と糸移送部材移動機構を設けたことにより、糸移送部材を、その基端部を回動中心として回動させて、糸移送部材の先端部(糸保持部)を上下方向に揺動させ、また、先端部と基端部とを結ぶ軸心回りに回動させて、上糸を糸保持部で保持可能な第1位置と、糸保持部で保持した上糸を糸通し機構による糸通しに供する第2位置とに亙って移動させることができる。つまり、第1位置の糸移送部材の糸保持部で上糸を確実に保持して、糸移送部材を第1位置から第2位置へ移動させることにより、糸保持部で保持された上糸を移送して縫針の目孔付近の位置で保持し、その上糸を糸通し機構により縫針の目孔に確実に通すことが可能になる。特に、この糸移送部材移動機構は、従来(例えば、特許文献1)の糸移送装置に比べると、部品点数を低減した非常に簡単な構造になるため、製作コストを大幅に低減することが可能になり、ミシンを小型化、軽量化するうえで非常に有利なものになり、それで以て、上記のように、糸通し機構により上糸を縫針の目孔に確実に通すことが可能になるため、縫製前の上糸セット作業を容易に行うことでき、作業者の負荷も軽減することができる。
請求項2の発明によれば、ミシンのアーム部の頭部のカセット装着部に上方から着脱可能に装着され且つ糸供給源を収容する糸カセットを設けると共に、この糸カセットに上糸を掛ける糸準備経路を設けたので、糸カセットに収容した糸供給源から延びる上糸を糸準備経路に掛けた状態でその糸カセットをカセット装着部に装着することにより、第1位置の糸移送部材の糸保持部で糸準備経路に掛けた上糸を確実に保持してから、その糸移送部材を第1位置から第2位置へ移動させることができる。
請求項3の発明によれば、糸通し機構が、針棒の付近に昇降可能に配設された糸通し軸と、この糸通し軸と一体的に昇降可能な糸通しガイド軸と、糸通し軸の下端に設けられ且つ縫針の目孔に挿通可能な糸通しフックと、糸通し軸をその下降限界位置付近で糸通しフックが縫針の目孔に挿通するように所定角度だけ回動させる回動機構とを備えたので、この糸通し機構により、第2位置の糸移送部材の糸保持部で保持された上糸を縫針の目孔に確実に糸通しすることができる。
請求項4の発明によれば、糸移送部材移動機構は、糸カセットのカセット装着部への装着動作に連動して下降移動する昇降部材を有し、この昇降部材の下降移動に連動して糸移送部材を第1位置から第2位置へ移動させるので、糸カセットのカセット装着部への装着と、糸移送部材の第1位置から第2位置への移動とを一挙に行うことができるため、縫製前の上糸セット作業を効率的に行うことでき、更に、昇降部材の下降移動に連動して糸通し機構を作動させるようにして、縫製前の上糸セット作業をより効率的に行うことが可能になる。
請求項5の発明によれば、糸移送部材移動機構は、カセット装着部に糸カセットが装着されて糸通しが完了したときに、糸移送部材を第2位置から第1位置へ復帰させる復帰手段を有するので、糸移送部材を第2位置から第1位置へ簡単に復帰移動させることができ、第1位置以外の縫製等の邪魔になる位置に糸移送部材が滞在することを防止することができる。
請求項6の発明によれば、ミシンの糸カセットに収容した糸供給源から延びる上糸を前記糸準備経路に掛けた状態でその糸カセットをカセット装着部に装着する際、第1位置の糸移送部材の糸保持部に上糸が上側から引っ掛かって保持された後、糸移送部材移動機構が作動するように構成したので、糸カセットをカセット装着部に上方から装着することにより、上糸を糸移送部材の糸保持部で確実に保持し、その糸移送部材を第1位置から第2位置へ確実に移動させることができる。
請求項7の発明によれば、糸移送部材移動機構は、機枠に回動自在に支持された水平な第1軸部材と、この第1軸部材に直交状に付設され且つ糸移送部材の基端部が回転自在に支持された第2軸部材と、第1軸部材を回動させる第1回動駆動部と、糸移送部材を回動させる第2回動駆動部とを有するので、第1回動駆動部により第1軸部材を回動させることにより、糸移送部材の先端部(糸保持部)を上下方向に確実に揺動させ、また、第2回動駆動部により第2軸部材の回りに糸移送部材を確実に回動させて、糸移送部材を第1位置と第2位置とに亙って確実に移動させることができる。
請求項8の発明によれば、第1回動駆動部は、糸通しガイド軸に上下移動自在に支持され且つ前記昇降部材から駆動力を受けるラック形成部材と、このラック形成部材のラックに噛合するピニオンを含みラック形成部材の下降動作を第1軸部材の回転動作に変換するギヤ機構を有するので、糸カセットをカセット装着部に上方から装着することにより、ラック形成部材を下方へ移動させて、そのラック、ピニオンを含むギヤ機構により第1軸部材を確実に回動させることができる。
請求項9の発明によれば、第2回動駆動部は、第1軸部材と同軸上に機枠に固着された冠歯車又は傘歯車と、第2軸部材に回転自在に枢支されて前記冠歯車又は傘歯車と噛合し且つ糸移送部材の基端部が連結されたピニオンギヤとを有するので、糸カセットをカセット装着部に上方から装着することにより、ラック形成部材を下方へ移動させて第1軸部材を回動させて、この第1軸部材の回りに回動する第2軸部材に枢支されたピニオンギヤが冠歯車又は傘歯車と噛合して回動するため、第2軸部材の回りに糸移送部材を確実に回動させることができる。
請求項10の発明によれば、前記冠歯車はセクタ冠ギヤからなり、このセクタ冠ギヤとこれに噛合するピニオンギヤの少なくとも一方のギヤの一部が欠歯部を有するので、欠歯部が当接している間は、第2軸部材の回りに糸移送部材を回動させないようにすることができる。
請求項11の発明によれば、第1軸部材が所定量回動するまでの間は、前記少なくとも一方のギヤの欠歯部が他方のギヤの歯部に当接し、第1軸部材が所定量回動した時点で前記一方のギヤの歯部と他方のギヤの歯部が噛合するように構成したので、糸カセットをカセット装着部に装着するときの動作に伴って、第1位置の糸移送部材の糸保持部に上糸を確実に保持した後、先ず、第1軸部材だけを回動させて糸移送部材を前記カセット装着部から所定距離だけ下降移動させ、その後、ピニオンギヤと共に糸移送部材を第2軸部材の回りに回動させて、第1位置から第2位置へ移動させることができる。
請求項12の発明によれば、前記冠歯車はセクタ冠ギヤからなり、このセクタ冠ギヤとこれに噛合するピニオンギヤの双方のギヤの一部を欠歯部に形成し、第1軸部材が所定量回動するまでの間は、セクタ冠ギヤの欠歯部とピニオンギヤの欠歯部とが当接し、第1軸部材が所定量回動した時点でセクタ冠ギヤの歯部とピニオンギヤの歯部が噛合するように構成したので、糸カセットをカセット装着部に装着するときの動作に伴って、第1位置の糸移送部材の糸保持部に上糸を確実に保持した後、先ず、第1軸部材だけを回動させて糸移送部材を前記カセット装着部から所定距離だけ下降移動させ、その後、ピニオンギヤと共に糸移送部材を第2軸部材の回りに回動させて、第1位置から第2位置へ移動させることができる。
請求項13の発明によれば、糸移送部材移動機構は、操作部材により動作するように構成したので、特別なアクチュエータを設けることなく、作業者の操作力により糸移送装置を作動させることができる。
請求項14の発明によれば、針棒の下端側部分に前記糸掛け部としての針棒糸案内を設け、前記糸移送部材が第1位置から第2位置に移行する途中の第3位置において、糸カセットに収容された糸供給源と糸保持部との間に亙る上糸を引っ掛ける為の引掛部を糸移送部材に設け、この引掛部を針棒糸案内への上糸導入方向に移動させるので、糸カセットをカセット装着部に装着することにより、糸カセットから延びる上糸を針棒糸案内に簡単且つ確実に掛けることができ、従来(例えば、特許文献1)の糸移送装置のように、別途糸掛け機構を設けなくてもよいので、従来の糸移送装置と比べると、より構造を簡単化し製作コストを低減することが可能になる。
請求項15の発明によれば、基端部が回動可能に支持され且つ先端部に上糸を保持する為の糸保持部を有する糸移送部材と、前記糸移送部材をその基端部を回動中心として回動させることにより先端部を上下方向に揺動させて、上糸を糸保持部で受け止めて保持可能な第1位置と、糸保持部で保持した上糸を前記糸通し機構による糸通しに供する第2位置とに亙って移動可能な糸移送部材移動機構とを備え、前記糸移送部材の基端部と先端部との間の距離が、前記基端部から糸通し位置に位置する縫針の目孔との間の距離と略等しくなる位置に、前記糸移送部材の基端部を枢支した。従って、糸移送部材が第2位置に位置しているときには、糸保持部を縫針の目孔付近に確実に位置させ、糸通し機構により縫針の目孔に上糸を確実に糸通しすることができる。その他、請求項1と同様の効果を奏する。
請求項16の発明によれば、前記第2位置は、前記糸移送部材移動機構により回動された糸移送部材の糸保持部が、前記糸通し位置にある縫針の目孔の近傍部に移動した位置であるので、糸通し機構により縫針の目孔に上糸を確実に糸通しすることができる。
本発明の糸移送装置は、ミシン頭部に設けたカセット装着部に、糸駒を収容する糸カセットを着脱可能に装着し、その糸カセットから延びる上糸を縫針の目孔に通して使用する、家庭用の糸カセット着脱式のミシンに適用したものであり、主要な構成として、基端部が回動可能に支持され且つ先端部に上糸を保持する為の糸保持部を有する糸移送部材と、糸移送部材をその基端部を回動中心として回動させることにより先端部を上下方向に揺動可能に構成すると共に、先端部と基端部とを結ぶ軸心回りに回動可能に構成し、上糸を糸保持部で受け止めて保持可能な第1位置と、糸保持部で保持した上糸を前記糸通し機構による糸通しに供する第2位置とに亙って移動可能な糸移送部材移動機構とを備えている。
以下、本発明の実施例について図面を参照しながら説明する。
図1に示すように、ミシンMは、ベッド部1、ベッド部1の右端側部分に立設された脚柱部2、脚柱部2の上部からベッド部1と対向するように左方へ延びるアーム部3、アーム部3の左端部分に設けられた頭部4を有する。頭部4には、糸カセット10が上方から着脱自在に装着されるカセット装着部5が設けられ、カセット装着部5に装着された糸カセット10から延びる上糸11が、針棒12に装着された縫針15の目孔15aに通されて使用される。頭部4には、縫製開始スイッチ、縫製終了スイッチ、等々の操作スイッチ類(図示略)が設けられ、アーム部3には液晶ディスプレイ6が設けられている。
図1、図2-1〜図7-2に示すように、頭部4には、針棒12、天秤13、糸カセット10から延びる上糸11の糸調子を調節する糸調子機構14、同上糸11を縫針15の目孔15aに糸通しする糸通し機構16、同上糸11を糸通し機構16により糸通し可能な目孔付近位置(図9-1参照)へ移送する糸移送装置17が設けられ、糸通し機構16と糸移送装置17は、糸カセット10をカセット装着部5に装着する動作に連動して作動する。針棒12の下端側部分には針棒糸案内18が設けられ、糸移送装置17は、糸カセット10から延びる上糸11を針棒糸案内18に導入する機能も備えている。カセット装着部5に糸カセット10が装着されると、この糸カセット10から延びる上糸11が、天秤13、糸調子機構14の1対の糸調子皿14aの間、針棒糸案内18に、この経路順で掛けられ、縫針15の目孔15aに糸通しされた状態になる。
一方、図示省略するが、ベッド部1にはボビン装着部が設けられ、このボビン装着部に装着されたボビンから延びる糸が下糸として使用される。また、ベッド部1には、釜機構が設けられている。上糸11と下糸を縫製可能にセットした状態で、ミシンモータが駆動されると、針棒駆動機構により針棒12が上下駆動されると共に、天秤駆動機構により天秤13が上下に揺動駆動され、これに同期して釜機構が駆動されて、その釜機構によりベッド部1の針板1aよりも下側に下降した縫針15付近の上糸11が引っ掛けられ、その上糸11と下糸とが交絡して縫目が形成される。
ここで、糸カセット10について説明する。
図8-1〜図8-4に示すように、糸カセット10は開閉可能なカセット本体20を有し、このカセット本体20の内部に形成された糸収容部21に糸供給源である糸駒22が収容されている。糸収容部21には糸立棒23が立設され、この糸立棒23に糸駒22が着脱される。糸カセット10には、糸収容部21に収容された糸駒22から延びる上糸11を掛ける糸準備経路24が設けられ、糸カセット10をカセット装着部5に装着する前には、次のように上糸11が糸準備経路24に掛けられる。
糸駒22から上糸11が上方へ延びて糸収容部21の外部に導出され、糸収容部21の上側の糸掛部25aに掛けられて左斜め下方へ延び、カセット本体20の左端から右側へ凹んだ左側壁に沿って下方へ延び、その下端部の糸掛部25bに掛けられる。ここから、上糸11は右方へ延びて仕切壁20aの下端部の糸掛部25cとカセット本体20の右下端部の糸掛部25dに掛けられ、更に前斜め下方へ延びてから糸掛部25eに掛けられてUターンし、左方へ延びて糸保持部26に保持され、さらに、糸保持部26の左側の刃27で切断され、糸掛部25fに掛けられる。
糸カセット10には、カセット本体20の仕切壁20aと右側壁との間に後方と下方を開口した天秤スペース28がほぼ上下全長に亙って形成され、仕切壁20aと右側壁との間に下方を開口した糸調子スペース29が形成され、この糸調子スペース29に臨むカセット本体20の後壁に糸調子軸挿入穴20bが下側から切欠いて形成されている。糸準備経路24に上糸11を掛けた糸カセット10を下降させカセット装着部5に挿入していくと、天秤スペース28に下側から天秤13が入り込み、糸準備経路24の糸掛部25c,25dの間の糸部分11aが天秤13に掛けられる。
また、糸調子スペース29に下側から糸調子機構14の1対の糸調子皿14aが入り込み、糸準備経路24の糸掛部25b,25cの間の糸部分11bが1対の糸調子皿14aの間に掛けられる。また、天秤スペース28には、下側から天秤13が入り込んだ後に、糸移送装置17の糸移送部材50の糸保持部51が入り込み、この糸移送装置17により、糸準備経路24の糸掛部25eと糸保持部26の間の糸部分11cが糸保持部51で保持されて、前記目孔付近位置へ移送され、この目孔付近位置の糸部分11cが糸通し機構16により、縫針15の目孔15aに糸通しされる。
次に、糸通し機構16について説明する。
図1、図2-1〜図7-2、図9-1、図9-2に示すように、糸通し機構16は、針棒12のすぐ左側(付近)に昇降可能に配設された上下に長い糸通し軸30、糸通し軸30のすぐ左側に配設されて糸通し軸30と一体的に昇降可能な上下に長い糸通しガイド軸31、糸通し軸30と糸通しガイド軸31の上端部分に昇降可能に外嵌され且つ糸カセット10のカセット装着部5への装着動作に連動して下降移動する昇降部材である糸通しスライダ32、カセット装着部5に着脱される糸カセット10と一体的に昇降し下降する際には糸通しスライダ32を下方へ押動する糸カセットスライダ33、糸通し軸30の下端に設けられ且つ縫針15の目孔15aに挿通可能な糸通しフック45を有するフック機構34、糸通し軸30をその下降限界位置付近で糸通しフック45が縫針15の目孔15aに挿通するように所定角度(例えば、90度)だけ回動させる回動機構35を備えている。
糸通し軸30及び糸通しガイド軸31は、針棒12と共に針棒台36に昇降自在に支持され、針棒12、糸通し軸30、糸通しガイド軸31、針棒台36は、図示しない針棒揺動機構により一体的に揺動される。尚、糸通し機構16により、縫針15の目孔15aに上糸11を確実に糸通しできるように、例えば、針棒12の揺動方向位置は最も左側に、上下方向位置は上昇限界位置よりもやや下側位置になるようにしてある。以下、この針棒12(縫針15)の位置を糸通し位置という。
糸通し軸30の上端側部分には、上下に所定距離離間したピン30a,30bが突設され、針棒12に対して糸通し軸30が下降すると、上側のピン30aが針棒12の上下方向途中部に固定された規制部材12aに係合して下降限界位置になる。糸通しスライダ32には上半部の直線溝と下半部の螺旋溝とからなるカム溝32aが形成され、このカム溝32aにピン30aが係合している。糸通し軸30には、糸通しスライダ32と下側のピン30bの間に、糸通しスライダ32を上方へ付勢する圧縮コイルバネ37が外装され、針棒台36の上端部と糸通しスライダ32には糸通しスライダ32を上方へ付勢する引張コイルバネ38の両端部が連結されている。
糸カセットスライダ33は、糸通しガイド軸31の左側に配設され、ガイド軸40に昇降自在にガイド支持され、引張コイルバネ41により上方へ付勢されている。糸カセットスライダ33の下端部には、カセット装着部5側へ突出する係合片33aが一体的に設けられ、カセット装着部5に糸カセット10を装着する際に、糸カセット10が係合片33aに上側から係合して、糸カセット10と一体的に糸カセットスライダ33が下降する。糸カセットスライダ33の上端部には、糸通し係合部材42が正面視にて左右方向の軸心回りに回動可能に連結され、その糸通し係合部材42は捩じりバネ43により左側面視にて時計回り方向に付勢され、通常、糸通し係合部材42は、糸通しスライダ32の上部突出部32bに上側から係合可能な姿勢になっている。
カセット装着部5に糸カセット10が装着されたとき、糸通し係合部材42は、捩じりバネ43で付勢される方向に対して逆方向に回動させることで糸通しスライダ32との係合が解除されるように構成されている。この係合が解除されると、糸通し軸30、糸通しガイド軸31、糸通しスライダ32は、コイルバネ37,38により、下降限界位置から上昇して元の位置へ復帰する。
フック機構34は、上糸11を引っ掛ける糸通しフック45と、糸通しフック45の両側に位置する2枚のガイド部材46と、糸通しフック45の先端のフック部45aに係合可能に張られた糸保持ワイヤ47と、糸通しフック45とガイド部材46等を保持するフック保持部材48を有し、このフック保持部材48が糸通し軸30の下端に固定され、糸通し軸30が下降限界位置に位置すると、縫針15の目孔15aと糸通しフック45のフック部45aが同高さ位置となり、ここで、回動機構35により、糸通し軸30と一体的に糸通しフック45が回動され、フック部45aが目孔15aに挿通する。
回動機構35は、前記糸通しスライダ32、糸通しスライダ32に形成されたカム溝32a、糸通し軸30に突設されカム溝32aに係合し且つ針棒12に固定された規制部材12aに上側から係合可能なピン30a、コイルバネ37,38等を有する。糸通しスライダ32に対して下方へ付勢された糸通し軸30のピン30aが規制部材12aに係合した後、更に、糸通しスライダ32が下降し、ピン30aがカム溝32aの螺旋溝に係合した状態で、糸通しスライダ32が昇降されると、このカム溝32aにガイドされたピン30aと一体的に糸通し軸30が約90度に亙って回動される。
次に、本願特有の糸移送装置17について説明する。
図2-1〜図7-2、図10-1〜図14-2に示すように、糸移送装置17は、基端部が針棒12の下部の前側において針棒台36に回動可能に支持され且つ先端部に上糸11を保持する為の糸保持部51を有する糸移送部材50と、糸移送部材50をその基端部を回動中心として回動させることにより先端部を上下方向に揺動可能に構成すると共に、先端部と基端部とを結ぶ軸心回りに回動可能に構成し、上糸11を糸保持部51で受け止めて保持可能な第1位置(図2-1〜図3-2、図10-1〜図10-4参照)と、糸保持部51で保持した上糸11を糸通し機構16による糸通しに供する第2位置(図6-1、図6-2、図13-1〜図13-4参照)とに亙って移動可能な糸移送部材移動機構60とを備えている。
糸移送部材50は、所定間隔を開けて平行に延びる1対の糸移送片52,53と、1対の糸移送片52,53の基端部を連結する連結部54とを有し、この連結部54が、糸移送部材移動機構60の第2軸部材62に回動自在に且つ第2軸部材62の軸心方向へ移動不能に支持されると共に、第2軸部材62に回動可能に外嵌されたピニオンギヤ76に固定されている。第1位置の糸移送部材50(図10-1〜図10-4参照)は、基端部から前方斜め上側へ約130度の方向へ延びるように傾斜し、糸保持部51がカセット装着部5側へ突出した状態となり、第2位置の糸移送部材50(図13-1〜図13-4参照)は、基端部からほぼ下側へ延び、糸保持部51が前記糸通し位置の縫針15の目孔15aの近傍前側に移動した状態となる。このように、糸移送部材50の基端部と先端部との間の距離が、糸移送部材50の基端部から糸通し位置に位置する縫針15の目孔15aとの間の距離とほぼ等しくなる位置に、糸移送部材50の基端部が枢支されている。
糸移送部材50の糸保持部51として、1対の糸移送片52,53の先端部に糸把持部52a,53aが設けられ、糸移送部材50が第1位置に位置している状態で、糸準備経路24に上糸11を糸掛けした糸カセット10をカセット装着部5に装着することにより、その上糸11の前記糸部分11cが、1対の糸把持部52a,53aに上側から引っ掛かって保持される。糸移送片52の先端部分には、糸挟持片55が枢支され、この糸挟持片55を回動付勢するバネ56が設けられ、この糸挟持片55とバネ56により、糸把持部52aと協動して上糸11を確実に挟持して保持する。
また、糸移送片52の基端側部分には、糸移送部材50が第1位置から第2位置に移行する途中の第3位置(図5-1、図5-2、図12-1〜図12-4参照)において、糸カセット10に収容された糸駒22と糸保持部51との間に亙る上糸11(詳細には、天秤13と糸保持部51の間の上糸11)を引っ掛ける為の引掛部57が一体的に設けられている。糸移送部材50が第1位置に位置している状態で、引掛部57は後方斜め上側へ張り出すように設けられ、糸移送部材50が第3位置から第2位置へ移動すると、引掛部57が針棒糸案内18への上糸導入方向に移動する。
糸移送部材移動機構60は、糸通し機構16と兼用の糸通しガイド軸31と糸通しスライダ32と糸カセットスライダ33等と、針棒台36(機枠)の下端部前側部分に回動自在に支持された左右方向に水平な第1軸部材61、第1軸部材61の右端部分に第1軸部材61に直交状に付設され且つ糸移送部材50の基端部の連結部54が回転自在に支持された第2軸部材62と、第1軸部材61を回動させる第1回動駆動部63と、糸移送部材50を第2軸部材62の軸心回りに回動させる第2回動駆動部64とを有する。
図4-1、図4-2に示すように、第1軸部材61は、針棒台36の下端部に連結されたブラケット65に挿通状に支持され、この第1軸部材61のうち、ブラケット65よりも左側部分に第1回動駆動部63のギヤ74が第1軸部材61と同軸上に固着され、ブラケット65よりも右側部分に第2軸部材62の基端部が固着されている。ブラケット65の右端部に第1軸部材61と同軸上に第2回動駆動部64のセクタ冠ギヤ75が固定され、このセクタ冠ギヤ75に右側から対向する第2回動駆動部64のピニオンギヤ76が、セクタ冠ギヤ75に噛合可能に第2軸部材62に回動可能に支持されている。尚、ギヤ74とブラケット65との間には、波座金66が装着されている。
第1回動駆動部63は、糸通しガイド軸31に上下移動自在に支持され且つ糸通しスライダ32から駆動力を受けるラック形成部材70と、ラック形成部材70のラック71に噛合するピニオン73を含みラック形成部材70の下降動作を第1軸部材61の回転動作に変換するギヤ機構72を有する。ここで、糸通しガイド軸31は、その上端部分が糸通しスライダ32を介して糸通し軸30に連結され、その下端部が連結部材39により糸通し軸30の下端部に連結され、糸通しスライダ32と連結部材39の間の部分が、針棒台36の中央支持部36aと下端支持部36bに挿通されている。
ラック形成部材70は上下に長いコ字形に形成され、その上端水平片70aが針棒台36の中央支持部36aの上側において糸通しガイド軸31に外嵌され、下端水平片70bが、針棒台36の下端支持部36bの下側において糸通しガイド軸31に外嵌され、このラック形成部材70の前端部にラック71が形成されている。糸通しガイド軸31には、ラック形成部材70の上端水平片70aと針棒台36の中央支持部36aの間に圧縮コイルバネ79が外装され、この圧縮コイルバネ79によりラック形成部材70が上方へ付勢され、ラック形成部材70の下端水平片70bが針棒台36の下端支持部36bに下側から当接し、この位置がラック形成部材70の待機位置となる。
前記圧縮コイルバネ79が、カセット装着部5に糸カセット10が装着されて糸通しが完了したときに、ラック形成部材70を上昇させ、これにより、第1軸部材61と第2軸部材62とを、糸カセット10装着の際とは逆方向に回動させて、糸移送部材50を第2位置から第1位置へ復帰させる復帰手段に相当するものである。
第2回動駆動部64は、第1軸部材61と同軸上にブラケット65(機枠)に固着されたセクタ冠ギヤ75と、第2軸部材62に回転自在に枢支されてセクタ冠ギヤ75と噛合し且つ糸移送部材50の基端部が連結されたピニオンギヤ76とを有する。図14-1、図14-2に示すように、セクタ冠ギヤ75とこれに噛合するピニオンギヤ76の双方のギヤの一部が欠歯部75a,76aに形成され、ラック形成部材70が下降すると第1軸部材61が回動するが、第1軸部材61が所定量(例えば、回動角度;約25度)回動するまでの間は、セクタ冠ギヤ75の欠歯部75aとピニオンギヤ76の欠歯部76aとが当接し、第1軸部材61が所定量回動した時点で、セクタ冠ギヤ75の歯部とピニオンギヤ76の歯部が噛合する。このように双方の歯部が噛合してピニオンギヤ76が回動を始める時において、前記ギヤ74とブラケット65との間に装着されている波座金66の弾性力が、ピニオンギヤ76の回動の開始動作を補助するように作用する。
次に、このミシンMの糸移送装置17の動作について説明する。
図2-1、図2-2、図10-1〜図10-4に示すように、カセット装着部5に糸カセット10が装着されていない状態では、針棒12(縫針15)が所定の糸通し位置に位置し、糸通し軸30、糸通しガイド軸31、糸通しスライダ32、糸カセットスライダ33、ラック形成部材70が、夫々、所定の待機位置に位置し、糸カセットスライダ33に連結された糸通し係合部材42が、糸通しスライダ32に上側から係合可能な姿勢になっている。また、セクタ冠ギヤ75の欠歯部75aとピニオンギヤ76の欠歯部76aとが当接し(図14-1参照)、このピニオンギヤ76に基端部が連結された糸移送部材50は第1位置に位置して、その基端部から前方斜め上側へ傾斜し、糸保持部51がカセット装着部5側へ突出し、その糸保持部51でカセット装着部5に装着される糸カセット10の上糸11を上方から受け止め可能な姿勢になっている。
次に、ミシンMに上糸11をセットするために、先ず、糸カセット10の糸収容部21に収容された糸駒22から延びる上糸11を糸準備経路24に掛けておく。この状態で、糸カセット10をカセット装着部5に挿入すると、糸カセット10(例えば、その糸収容部21の底壁)が、糸カセットスライダ33の係合片33aに上側から係合する。
糸カセット10が糸カセットスライダ33の係合片33aに係合した後、続いて、糸カセット10をカセット装着部5に挿入していくと、糸カセット10と一体的に糸カセットスライダ33が下降し、その糸カセットスライダ33の糸通し係合部材42が糸通しスライダ32の上部突出部32bに上側から係合するため、糸通しスライダ32、糸通し軸30、糸通しガイド軸31も一体的に下降する。その後、糸カセット10をカセット装着部5に図3-1、図3-2に示す位置まで挿入すると、糸通しスライダ32がラック形成部材70に上側から当接するが、これまでの間に、糸準備経路24の糸掛部25c,25dの間の糸部分11aが天秤13に上側から掛けられる。
図3-1、図3-2に示すように、糸通しスライダ32がラック形成部材70に上側から当接すると、糸準備経路24の糸掛部25eと糸保持部26の間の糸部分11cが糸保持部51に上側から掛けられ保持された状態となり、続いて、糸カセット10をカセット装着部5に挿入していくと、糸カセット10及び糸カセットスライダ33と一体的に、糸通しスライダ32、糸通し軸30、糸通しガイド軸31、更には、ラック形成部材70が下降する。ラック形成部材70が下降すると、ラック71、ピニオン73、ギヤ74を介して第1軸部材61が左側面視にて時計回りに回動するため、第2軸部材62と共に糸移送部材50の基端部が第1軸部材61の軸心回りに回動して、糸移送部材50の先端部の糸保持部51が上糸11を保持した状態で下降する。
その後、図4-1、図4-2、図11-1〜図11-4に示すように、第1軸部材61が所定量回動した時点で、セクタ冠ギヤ75の歯部とピニオンギヤ76の歯部が噛合するが、これまでの間に、糸準備経路24の糸掛部25b,25cの間の糸部分11bが1対の糸調子皿14aの間に上側から掛けられる。尚、カセット装着部5への糸カセット10の装着動作に連動して、糸部分11bを掛ける為に1対の糸調子皿14aが開かれ、その糸掛け後に糸調子皿14aが閉じられる。
セクタ冠ギヤ75の歯部とピニオンギヤ76の歯部が噛合した状態で、糸カセット10をカセット装着部5に挿入していくと、糸カセット10及び糸カセットスライダ33と一体的に、糸通しスライダ32、糸通し軸30、糸通しガイド軸31、ラック形成部材70が下降し、第1軸部材61が回動すると共に、第2軸部材62及びピニオンギヤ76が第1軸部材61の軸心回りに回動するため、ピニオンギヤ76がその先端側から視て時計回りに回動し、糸移送部材50の先端部の糸保持部51は、上糸11を保持した状態で、下降しつつ、第2軸部材62の軸心回りに回動する。
次に、図5-1、図5-2、図12-1〜図12-4に示すように、糸通し軸30のピン30aが規制部材12aに上側から係合して、糸通し軸30と糸通しガイド軸31が下降限界位置となる。この状態で、糸移送部材50がほぼ第3位置となり、ここで、天秤13と糸保持部51との間の上糸11が、糸移送部材50の引掛部57に引っ掛けられる。続いて、糸カセット10をカセット装着部5に挿入していくと、糸通しスライダ32が糸通し軸30及び糸通しガイド軸31に対して下降するため、糸通しスライダ32のカム溝32aと、そのカム溝32aに係合した糸通し軸30のピン30aにより、糸通し軸30が平面視にて時計回りに回動する。
続いて、糸カセット10をカセット装着部5に挿入していくと、糸移送部材50が第3位置から、図6-1、図6-2、図12-1〜図12-4に示すように、その基端部からほぼ下方へ延びる第2位置へ移動し、その際、引掛部57が上糸11を引っ掛けて針棒糸案内18への上糸導入方向に移動するため、上糸11が針棒糸案内18に掛けられる。糸移送部材50が第2位置へ移動した状態では、糸通し軸30と一体的に回動した糸通しフック45が縫針15の目孔15aを挿通した状態となる。この糸通しフック45が、縫針15の目孔15a近傍の第2位置に移動している糸保持部51に保持された上糸11を引っ掛ける。
図7-1、図7-2に示すように、糸カセット10がカセット装着部5に完全に装着されると、糸通し係合部材42が回動され、糸通し係合部材42と糸通しスライダ32との係合が解除されるため、糸通し軸30、糸通しガイド軸31、糸通しスライダ32、ラック形成部材70が上昇して元の位置へ復帰する。このとき、先ず、糸通しスライダ32が上昇するため、糸通し軸30と糸通しフック45が平面視にて反時計回りに回動され、これにより、糸通しフック46が縫針15の目孔15aから抜けて、上糸11が目孔15aに通され、続いて、糸通しガイド軸31、糸通しスライダ32、ラック形成部材70が上昇する。
このミシンMの糸移送装置17によれば、次の効果を奏する。
前記糸移送部材50と糸移送部材移動機構60を設けたことにより、糸移送部材50を、その基端部を回動中心として回動させて、糸移送部材50の先端部の糸保持部51を上下方向に揺動させ、また、先端部と基端部とを結ぶ軸心回りに回動させて、上糸11を糸保持部51で保持可能な第1位置と、糸保持部51で保持した上糸11を糸通し機構16による糸通しに供する第2位置とに亙って移動させることができる。つまり、第1位置の糸移送部材50の糸保持部51で上糸11を確実に保持して、糸移送部材50を第1位置から第2位置へ移動させることにより、糸保持部51で保持された上糸11を移送して縫針15の目孔15aの付近の位置で保持し、その上糸11を糸通し機構16により縫針15の目孔15aに確実に通すことが可能になる。
特に、この糸移送部材移動機構60は、従来(例えば、特許文献1)の糸移送装置に比べると、部品点数を低減した非常に簡単な構造になるため、製作コストを大幅に低減することが可能になり、ミシンMを小型化、軽量化するうえで非常に有利なものになり、それで以て、上記のように、糸通し機構16により上糸11を縫針15の目孔15aに確実に通すことが可能になるため、縫製前の上糸セット作業を容易に行うことでき、作業者の負荷も軽減することができる。
ミシンMのアーム部3の頭部4のカセット装着部5に上方から着脱可能に装着され且つ糸駒22を収容する糸カセット10を設けると共に、この糸カセット10に上糸11を掛ける糸準備経路24を設けたので、糸カセット10に収容した糸駒22から延びる上糸11を糸準備経路24に掛けた状態でその糸カセット10をカセット装着部5に装着することにより、第1位置の糸移送部材50の糸保持部51で糸準備経路24に掛けた上糸11を確実に保持してから、その糸移送部材50を第1位置から第2位置へ移動させることができる。
糸通し機構16が、針棒12の付近に昇降可能に配設された糸通し軸30と、この糸通し軸30と一体的に昇降可能な糸通しガイド軸31と、糸通し軸30の下端に設けられ且つ縫針15の目孔15aに挿通可能な糸通しフック45と、糸通し軸30をその下降限界位置付近で糸通しフック45が縫針15の目孔15aに挿通するように所定角度だけ回動させる回動機構35とを備えたので、この糸通し機構16により、第2位置の糸移送部材50の糸保持部51で保持された上糸11を縫針15の目孔15aに確実に糸通しすることができる。
糸移送部材移動機構60は、糸カセット10のカセット装着部5への装着動作に連動して下降移動する糸通しスライダ32を有し、この糸通しスライダ32の下降移動に連動して糸移送部材50を第1位置から第2位置へ移動させるので、糸カセット10のカセット装着部5への装着と、糸移送部材50の第1位置から第2位置への移動とを一挙に行うことができるため、縫製前の上糸セット作業を効率的に行うことでき、更に、糸通しスライダ32の下降移動に連動して糸通し機構16を作動させるので、縫製前の上糸セット作業をより効率的に行うことが可能になる。
糸移送部材移動機構60は、カセット装着部5に糸カセット10が装着されて糸通しが完了したときに、糸移送部材50を第2位置から第1位置へ復帰させる復帰手段として、ラック形成部材70を上方へ付勢する圧縮コイルバネ79を設けたので、糸移送部材50を第2位置から第1位置へ簡単に復帰移動させることができ、第1位置以外の縫製等の邪魔になる位置に糸移送部材50が滞在することを防止することができる。
糸カセット10に収容した糸駒22から延びる上糸11を糸準備経路24に掛けた状態でその糸カセット10をカセット装着部5に装着する際、第1位置の糸移送部材50の糸保持部51に上糸11が上側から引っ掛かって保持された後、糸移送部材移動機構60が作動するように構成したので、糸カセット10をカセット装着部5に上方から装着することにより、上糸11を糸移送部材50の糸保持部51で確実に保持し、その糸移送部材50を第1位置から第2位置へ確実に移動させることができる。
糸移送部材移動機構60は、ブラケット65に回動自在に支持された水平な第1軸部材61と、この第1軸部材61に直交状に付設され且つ糸移送部材50の基端部が回転自在に支持された第2軸部材62と、第1軸部材61を回動させる第1回動駆動部63と、糸移送部材50を回動させる第2回動駆動部64とを有するので、第1回動駆動部63により第1軸部材61を回動させることにより、糸移送部材50の先端部(糸保持部51)を上下方向に確実に揺動させ、また、第2回動駆動部64により第2軸部材62の回りに糸移送部材50を確実に回動させて、糸移送部材50を第1位置と第2位置とに亙って確実に移動させることができる。
第1回動駆動部63は、糸通しガイド軸31に上下移動自在に支持され且つ糸通しスライダ32から駆動力を受けるラック形成部材70と、このラック形成部材70のラック71に噛合するピニオン73とそのピニオン73に噛合するギヤ74からなりラック形成部材70の下降動作を第1軸部材61の回転動作に変換するギヤ機構72を有するので、糸カセット10をカセット装着部5に上方から装着することにより、ラック形成部材50を下方へ移動させて、そのラック71、ピニオン73を含むギヤ機構72により第1軸部材61を確実に回動させることができる。
第2回動駆動部64は、第1軸部材61と同軸上にブラケット65に固着されたセクタ冠ギヤ75と、第2軸部材62に回転自在に枢支されてセクタ冠ギヤ75と噛合し且つ糸移送部材50の基端部が連結されたピニオンギヤ76とを有するので、糸カセット10をカセット装着部5に上方から装着することにより、ラック形成部材70を下方へ移動させて第1軸部材61を回動させて、この第1軸部材61の回りに回動する第2軸部材62に枢支されたピニオンギヤ76がセクタ冠ギヤ75と噛合して回動するため、第2軸部材62の回りに糸移送部材50を確実に回動させることができる。
セクタ冠ギヤ75とこれに噛合するピニオンギヤ76の双方のギヤの一部を欠歯部75a,76aに形成し、第1軸部材61が所定量回動するまでの間は、セクタ冠ギヤ75の欠歯部75aとピニオンギヤ76の欠歯部76aとが当接し、第1軸部材61が所定量回動した時点でセクタ冠ギヤ75の歯部とピニオンギヤ76の歯部が噛合するように構成したので、糸カセット10をカセット装着部5に装着していった場合に、第1位置の糸移送部材50の糸保持部51に上糸11を確実に保持した後、先ず、第1軸部材61だけを回動させて糸移送部材50を前記カセット装着部5から所定距離だけ下降させ、その後、ピニオンギヤ76と共に糸移送部材50を第2軸部材62の回りに回動させて、第1位置から第2位置へ移動させることができる。
針棒12の下端側部分に糸掛け部としての針棒糸案内18を設け、糸移送部材50が第1位置から第2位置に移行する途中の第3位置において、糸カセット10に収容された糸駒22と糸保持部51との間に亙る上糸11を引っ掛ける為の引掛部57を糸移送部材50に設け、この引掛部57を針棒糸案内18への上糸導入方向に移動させるので、糸カセット10をカセット装着部5に装着することにより、糸カセット10から延びる上糸11を針棒糸案内18に簡単且つ確実に掛けることができ、従来(例えば、特許文献1)の糸移送装置のように、別途糸掛け機構を設けなくてもよいので、従来の糸移送装置と比べると、より構造を簡単化し製作コストを低減することが可能になる。
前記実施例を部分的に変更した変形例について説明する。
1]第2回動駆動部は、セクタ冠ギヤの代わりに第1軸部材と同軸上に機枠に固着された傘歯車と、第2軸部材に回転自在に枢支されて傘歯車と噛合し且つ糸移送部材の基端部が連結されたピニオンギヤとを有するものにしてもよい。また、セクタ冠ギヤではなく、単なる冠歯車を設けてもよい。
2]セクタ冠ギヤ(冠歯車)とこれに噛合するピニオンギヤのうち、セクタ冠ギヤのみのギヤの一部が欠歯部を有するものにしてもよい。また、セクタ冠ギヤ(冠歯車)とこれに噛合するピニオンギヤのうち、ピニオンギヤのみのギヤの一部が欠歯部を有するものにすることも可能である。この場合、第1軸部材が所定量回動するまでの間は、セクタ冠ギヤ又はピニオンギヤのギヤの欠歯部が、ピニオンギヤ又はセクタ冠ギヤの歯部に当接し、第1軸部材が所定量回動した時点で、セクタ冠ギヤとピニオンギヤの歯部が噛合するように構成することができる。
3]ミシン本体に糸供給源である糸駒をセットし、その糸駒から延びる糸を上糸として使用する一般的なミシンに適用してもよい。
4]糸移送装置(糸移送部材移動機構)、糸通し機構については、作業者が直接的にレバー等を操作して、その操作力により作動するように構成してもよい。
5]糸移送装置、糸通し機構については、電動モータやエアシリンダ等のアクチュエータを備え、そのアクチュエータにより作動するように構成してもよい。
6]その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を付加して実施することは可能である。
本発明の実施例に係るミシンの正面図である。 ミシン(糸カセット装着前)の正面図である。 図2-1のミシンの左側面図である。 ミシン(糸カセット装着途中)の正面図である。 図3-1のミシンの左側面図である。 ミシン(糸カセット装着途中)の正面図である。 図4-1のミシンの左側面図である。 ミシン(糸カセット装着途中)の正面図である。 図5-1のミシンの左側面図である。 ミシン(糸カセット装着途中)の正面図である。 図6-1のミシンの左側面図である。 ミシン(糸カセット装着完了)の正面図である。 図7-1のミシンの左側面図である。 糸カセットの正面図である。 糸カセットの左側面図である。 糸カセットの右側面図である。 糸カセットの底面図である。 糸通し機構の糸通し直前の状態を示すフックと上糸等の斜視図である。 糸通し機構の糸通し直後の状態を示すフックと上糸等の斜視図である。 第1位置の糸移送部材と糸移送部材移動機構の正面図である。 図10-1の糸移送部材と糸移送部材移動機構の左側面図である。 図10-1の糸移送部材と糸移送部材移動機構の右側面図である。 図10-1の糸移送部材と糸移送部材移動機構の背面図である。 移動途中の糸移送部材と糸移送部材移動機構の正面図である。 図11-1の糸移送部材と糸移送部材移動機構の左側面図である。 図11-1の糸移送部材と糸移送部材移動機構の右側面図である。 図11-1の糸移送部材と糸移送部材移動機構の背面図である。 移動途中の糸移送部材と糸移送部材移動機構の正面図である。 図12-1の糸移送部材と糸移送部材移動機構の左側面図である。 図12-1の糸移送部材と糸移送部材移動機構の右側面図である。 図12-1の糸移送部材と糸移送部材移動機構の背面図である。 第2位置の糸移送部材と糸移送部材移動機構の正面図である。 図13-1の糸移送部材と糸移送部材移動機構の左側面図である。 図13-1の糸移送部材と糸移送部材移動機構の右側面図である。 図13-1の糸移送部材と糸移送部材移動機構の背面図である。 糸移送部材移動機構の要部の正面図である。 図14-1の糸移送部材移動機構の要部の右側面図である。
符号の説明
M ミシン
4 頭部
5 カセット装着部
10 糸カセット
11 上糸
12 針棒
15 縫針
15a 目孔
16 糸通し機構
17 糸移送装置
18 針棒糸案内
22 糸駒
24 糸準備経路
30 糸通し軸
31 糸通しガイド軸
32 糸通しスライダ
37,38 コイルバネ
35 回動機構
45 糸通しフック
50 糸移送部材
51 糸保持部
60 糸移送部材移動機構
61 第1軸部材
62 第2軸部材
63 第1回動駆動部
64 第2回動駆動部
70 ラック形成部材
71 ラック
72 ギヤ機構
73 ピニオン
75 セクタ冠ギヤ
76 ピニオンギヤ
79 圧縮コイルバネ

Claims (16)

  1. 針棒に装着された縫針の目孔に上糸を糸通しする糸通し機構を備えたミシンにおいて、
    基端部が回動可能に支持され且つ先端部に上糸を保持する為の糸保持部を有する糸移送部材と、
    前記糸移送部材をその基端部を回動中心として回動させることにより先端部を上下方向に揺動可能に構成すると共に、先端部と基端部とを結ぶ軸心回りに回動可能に構成し、上糸を糸保持部で受け止めて保持可能な第1位置と、糸保持部で保持した上糸を前記糸通し機構による糸通しに供する第2位置とに亙って移動可能な糸移送部材移動機構と、
    を備えたことを特徴とするミシンの糸移送装置。
  2. 前記ミシンのアーム部の頭部のカセット装着部に上方から着脱可能に装着され且つ糸供給源を収容する糸カセットを設けると共に、この糸カセットに上糸を掛ける糸準備経路を設けたことを特徴とする請求項1に記載のミシンの糸移送装置。
  3. 前記糸通し機構が、針棒の付近に昇降可能に配設された糸通し軸と、この糸通し軸と一体的に昇降可能な糸通しガイド軸と、糸通し軸の下端に設けられ且つ縫針の目孔に挿通可能な糸通しフックと、糸通し軸をその下降限界位置付近で糸通しフックが縫針の目孔に挿通するように所定角度だけ回動させる回動機構とを備えたことを特徴とする請求項1又は2に記載のミシンの糸移送装置。
  4. 前記糸移送部材移動機構は、糸カセットのカセット装着部への装着動作に連動して下降移動する昇降部材を有し、この昇降部材の下降移動に連動して前記糸移送部材を第1位置から第2位置へ移動させることを特徴とする請求項2に記載のミシンの糸移送装置。
  5. 前記糸移送部材移動機構は、カセット装着部に糸カセットが装着されて糸通しが完了したときに、糸移送部材を第2位置から第1位置へ復帰させる復帰手段を有することを特徴とする請求項2又は4に記載のミシンの糸移送装置。
  6. 前記糸カセットに収容した糸供給源から延びる上糸を前記糸準備経路に掛けた状態でその糸カセットをカセット装着部に装着する際、第1位置の糸移送部材の糸保持部に上糸が上側から引っ掛かって保持された後、前記糸移送部材移動機構が作動するように構成されたことを特徴とする請求項4又は5に記載のミシンの糸移送装置。
  7. 前記糸移送部材移動機構は、機枠に回動自在に支持された水平な第1軸部材と、この第1軸部材に直交状に付設され且つ糸移送部材の基端部が回転自在に支持された第2軸部材と、第1軸部材を回動させる第1回動駆動部と、糸移送部材を回動させる第2回動駆動部とを有することを特徴とする請求項1〜6の何れかに記載のミシンの糸移送装置。
  8. 前記第1回動駆動部は、前記糸通しガイド軸に上下移動自在に支持され且つ前記昇降部材から駆動力を受けるラック形成部材と、このラック形成部材のラックに噛合するピニオンを含みラック形成部材の下降動作を第1軸部材の回転動作に変換するギヤ機構を有することを特徴とする請求項7に記載のミシンの糸移送装置。
  9. 前記第2回動駆動部は、前記第1軸部材と同軸上に機枠に固着された冠歯車又は傘歯車と、第2軸部材に回転自在に枢支されて前記冠歯車又は傘歯車と噛合し且つ糸移送部材の基端部が連結されたピニオンギヤとを有することを特徴とする請求項7又は8に記載のミシンの糸移送装置。
  10. 前記冠歯車はセクタ冠ギヤからなり、このセクタ冠ギヤとこれに噛合するピニオンギヤの少なくとも一方のギヤの一部が欠歯部を有することを特徴とする請求項9に記載のミシンの糸移送装置。
  11. 前記第1軸部材が所定量回動するまでの間は、前記少なくとも一方のギヤの欠歯部が他方のギヤの歯部に当接し、第1軸部材が所定量回動した時点で前記一方のギヤの歯部と他方のギヤの歯部が噛合するように構成されたことを特徴とする請求項10に記載のミシンの糸移送装置。
  12. 前記冠歯車はセクタ冠ギヤからなり、このセクタ冠ギヤとこれに噛合するピニオンギヤの双方のギヤの一部が欠歯部に形成され、第1軸部材が所定量回動するまでの間は、セクタ冠ギヤの欠歯部とピニオンギヤの欠歯部とが当接し、第1軸部材が所定量回動した時点でセクタ冠ギヤの歯部とピニオンギヤの歯部が噛合するように構成されたことを特徴とする請求項9に記載のミシンの糸移送装置。
  13. 前記糸移送部材移動機構は、操作部材により動作するように構成されたことを特徴とする請求項1〜12の何れかに記載のミシンの糸移送装置。
  14. 前記針棒の下端側部分に前記糸掛け部としての針棒糸案内を設け、
    前記糸移送部材が第1位置から第2位置に移行する途中の第3位置において、前記糸カセットに収容された糸供給源と前記糸保持部との間に亙る上糸を引っ掛ける為の引掛部を糸移送部材に設け、この引掛部を前記針棒糸案内への上糸導入方向に移動させるようにしたことを特徴とする請求項2、4〜6の何れかに記載のミシンの糸移送装置。
  15. 針棒に装着された縫針の目孔に上糸を糸通しする糸通し機構を備えたミシンにおいて、
    基端部が回動可能に支持され且つ先端部に上糸を保持する為の糸保持部を有する糸移送部材と、
    前記糸移送部材をその基端部を回動中心として回動させることにより先端部を上下方向に揺動させて、上糸を糸保持部で受け止めて保持可能な第1位置と、糸保持部で保持した上糸を前記糸通し機構による糸通しに供する第2位置とに亙って移動可能な糸移送部材移動機構とを備え、
    前記糸移送部材の基端部と先端部との間の距離が、前記基端部から糸通し位置に位置する縫針の目孔との間の距離と略等しくなる位置に、糸移送部材の基端部を枢支したことを特徴とするミシンの糸移送装置。
  16. 前記第2位置は、前記糸移送部材移動機構により回動された糸移送部材の糸保持部が、前記糸通し位置にある縫針の目孔の近傍部に移動した位置であることを特徴とする請求項15に記載のミシンの糸移送装置。
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