JP3729405B2 - 縫製装置及び縫製装置の針棒位置制御プログラム - Google Patents

縫製装置及び縫製装置の針棒位置制御プログラム Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は縫製装置及び縫製装置の針棒位置制御プログラムに関し、特に、カセット着脱式の縫製装置において、カセット装着部からの糸カセットの取り外しに起因して、針棒を糸通し機構で糸通し可能な所定の針振り位置に自動的に揺動させるようにした技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、糸駒を収容した糸カセットをカセット装着部に着脱自在に装着し、その糸カセットから延びる糸を上糸として使用するようにしたカセット着脱式の縫製装置が実用に供されている。カセット装着部に装着する糸カセットから導出される糸が、1対の糸調子皿の間に掛けられ、この糸調子皿から下流側に延びる糸が天秤に掛けられ、この天秤から下流側に延びる糸が針棒に装着された縫針の針穴に通されてセットされる。
【0003】
このカセット着脱式の縫製装置において、カセット装着部に装着する糸カセットから導出される糸を縫針の針穴に通す糸通し機構を備えたものが考えられる。本願出願人は、糸カセットをカセット装着部に装着する動作に連動して作動する糸搬送機構及び糸通し機構を備え、その糸搬送機構と糸通し機構により、糸カセットから導出される糸を自動的に縫針の針穴に通すようにした縫製装置(例えば、特願2002-91558号参照)を出願している。
【0004】
この縫製装置において、糸搬送機構は糸係合部材を有し、糸搬送機構が作動すると、糸係合部材が下降して糸カセットから導出される糸を引っ掛けて、針棒に装着された縫針の針穴付近まで運び糸を針穴の手前で張る。糸通し機構は、針棒に沿って配設されて上下動可能且つ回動可能に設けられた糸通し軸と、この糸通し軸の下端部に取り付けられ縫針の針穴を貫通可能な糸通しフックとを有する。
【0005】
糸通し機構が作動すると、糸通し軸が下降して針棒に対して位置決めされて下降を停止し、続いて、糸通し軸が回動して糸通しフックが針穴を貫通する。ここで、糸搬送機構の糸係合部材により糸カセットから導出される糸が縫針の針穴付近に運ばれてきており、その糸が針穴を貫通した糸通しフックの先端で引っ掛けられてから、糸通し軸が前記と逆方向に回動して糸通しフックが針穴から抜けると、針穴に糸が通される。
【0006】
さて、針棒を揺動させる針棒揺動機構を備えた縫製装置では、針棒が針棒台に上下動自在に支持され、この針棒台がフレームに水平軸心回りに枢支されており、糸通し機構を備えた場合、その糸通し機構は針棒台に設けられて針棒と一体的に揺動し、更に、糸搬送機構を備えた場合、その糸搬送機構は針棒台が枢着されたフレームに設けられて針棒や糸通し機構のようには揺動しない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
従来、カセット着脱式の縫製装置において、前記針棒揺動機構と糸通し機構を備えたものでは、糸カセットをカセット装着部に装着する際、糸通し機構で糸通しを行うときに、針棒をどの針振り位置に停止させて行うかということが重要となり、その針振り位置によっては、糸通しを良好に行えないという虞がある。
【0008】
特に前記糸搬送機構を備えた場合には、針棒及び糸通し機構が揺動するのに対して、糸搬送機構は針棒や糸通し機構のようには揺動しないため、糸搬送機構で糸通しするときに、針棒を停止させた針振り位置によって、縫針及び糸通し機構と糸搬送機構の位置関係が変化し、その位置関係によっては、糸通しが成功しにくくなるとうい不具合が生じる。
【0009】
結局、針棒を所定の針振り位置に停止させた状態で、糸カセットをカセット装着部に装着し、糸通し機構を作動させると、糸通しを良好に行うことができるが、前もって針棒を所定の針振り位置に揺動させておくようにしたものもなかった。つまり、カセット装着部に装着する糸カセットから導出される糸を縫針の針穴に簡単に且つ確実に通すことが難しいという問題がある。
【0010】
本発明の目的は、糸カセットをカセット装着部から取り外すときに、糸カセットの次の装着に備えて、針棒を糸通し機構で糸通し可能な所定の針振り位置に自動的に揺動させて、カセット装着部に装着する糸カセットから導出される糸を縫針の針穴に簡単に且つ確実に通すことができる縫製装置を提供すること、及び、その縫製装置に適用可能な針棒位置制御プログラムを提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
請求項1の縫製装置は、針棒を揺動させる針棒揺動機構と、糸供給源を収容する糸収容部を有する前記糸カセットが着脱自在に装着されるカセット装着部と、このカセット装着部に装着する糸カセットから導出される糸を前記針棒に装着された縫針の針穴に通す糸通し機構とを備えた縫製装置において、前記カセット装着部からの前記糸カセットの取り出しを検出する検出手段と、前記検出手段の検出に基づいて前記カセット装着部からの前記糸カセットの取り外しに起因して、前記針棒を前記糸通し機構で糸通し可能な所定の針振り位置に揺動させるように前記針棒揺動機構を制御する針棒位置制御手段とを備えている。
【0012】
カセット装着部からの糸カセットの取り出しを検出する検出手段として、例えば、リミットスイッチ等をカセット装着部に設け、この検出手段によりカセット装着部から糸カセットの取り出しを直接的に検出してもよい。また、糸カセットをカセット装着部から取り外す為に操作される操作部材を設けた場合、前記検出手段によりこの操作部材が操作されたことを検出し、これにより、カセット装着部からの糸カセットの取り出しを間接的に検出するようにしてもよい。
【0013】
この縫製装置においては、検出手段によりカセット装着部からの糸カセットの取り出しが検出され、この検出手段の検出に基づいてカセット装着部からの糸カセットの取り外しに起因して、針棒位置制御手段により針棒揺動機構が制御されて、針棒が糸通し機構で糸通し可能な所定の針振り位置に揺動される。つまり、糸カセットをカセット装着部から取り外す際に、糸カセットの次の装着に備えて、針棒を前記所定の針振り位置に揺動させておいて、次にカセット装着部に装着する糸カセットから導出される糸を、糸通し機構により針棒に装着された縫針の針穴に簡単に且つ確実に通すことが可能になる。
【0014】
請求項2の縫製装置は、請求項1の発明において、前記糸カセットを前記カセット装着部に装着する際に、前記糸カセットから導出される糸を引っ掛けて前記縫針の針穴付近まで運ぶ糸搬送機構を設けると共に、前記糸通し機構は前記糸搬送機構で運ばれてきた糸を前記縫針の針穴に通すように構成され、前記所定の針振り位置は、前記糸搬送機構の位置に対して設定されたことを特徴とするものである。
【0015】
糸カセットをカセット装着部に装着する際に、糸搬送機構により、糸カセットから導出される糸が引っ掛けられて縫針の針穴付近まで運ばれ、糸通し機構により、糸搬送機構で運ばれてきた糸が縫針の針穴に通される。前記所定の針振り位置は糸搬送機構の位置に対して設定され、特に糸通し機構を針棒と一体的に揺動させるようにしても、この所定の針振り位置に針棒を揺動させた状態で、針棒(縫針)及び糸通し機構と糸搬送機構を適切な位置関係にして、糸通し機構により縫針の針穴に糸を確実に通せるように構成することができる。
【0016】
請求項3の縫製装置は、請求項1又は2の発明において、前記針棒を上下動させる針棒上下動機構を設け、この針棒上下動機構が作動している状態で前記検出手段の検出に基づいて前記カセット装着部からの前記糸カセットの取り外しに起因して、前記針棒上下動機構の作動を停止させるように構成したことを特徴とするものである。針棒を上下動させる針棒上下動機構が作動している状態で、糸カセットをカセット装着部から取り外すときに、針棒上下動機構の作動を停止させることができ、それから、次の糸カセットの装着に備えて、針棒を所定の針振り位置に揺動させることができる。
【0017】
請求項4の縫製装置は、請求項1〜3の何れかの発明において、前記カセット装着部に装着する前記糸カセットから導出される糸の糸調子を調節する糸調子手段と、前記検出手段の検出に基づいて前記糸カセットのカセット装着部からの取り外しに起因して、前記糸調子手段を開放させるように制御する糸調子制御手段とを設けたことを特徴とするものである。
【0018】
この縫製装置においては、糸調子手段により、カセット装着部に装着する糸カセットから導出される糸の糸調子が調節され、検出手段の検出に基づいてカセット装着部からの糸カセットの取り外しに起因して、糸調子制御手段により糸調子手段が開放するように制御される。つまり、糸カセットをカセット装着部から取り外す際に、糸調子手段が開放するため、糸カセットから導出される糸が糸調子手段から確実に解き放されて、糸が糸調子手段に引っ掛かることなく、カセット装着部からの糸カセットの取り外しをスムーズに行うことができる。
【0019】
請求項5の縫製装置の針棒位置制御プログラムは、縫製装置のコンピュータによって、糸供給源を収容する糸収容部を有する糸カセットのカセット装着部からの取り外しに起因して、針棒を揺動させる針棒揺動機構を制御する為に用いる針棒位置制御プログラムであって、前記カセット装着部に装着する前記糸カセットから導出される糸を前記針棒に装着された縫針の針穴に通す糸通し手段と、前記カセット装着部からの前記糸カセットの取り出しを検出する検出手段とを予め設けておき、前記検出手段の検出に基づいて前記糸カセットのカセット装着部からの取り外しに起因して、前記針棒を前記糸通し手段で糸通し可能な所定の針振り位置に揺動させるように前記針棒揺動機構を制御することを特徴とするものである。
【0020】
この縫製装置の針棒位置制御プログラムは、インターネット等の通信手段を介してユーザー等に供給してもよいし、CDやMDやFD等の記録媒体に記録してその記録媒体と共にユーザー等に供給してもよい。この針棒位置制御プログラムは、縫製装置のコンピュータに適用されて、その縫製装置において、検出手段の検出に基づいてカセット装着部からの糸カセットの取り外しに起因して、針棒揺動機構が制御されて、針棒が糸通し手段で糸通し可能な所定の針振り位置に揺動される。この針棒位置制御プログラムを適用した縫製装置は、請求項1と同様の作用を奏する。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。本実施の形態は、糸供給源を収容する糸収容部を有する糸カセットが着脱自在に装着されるカセット装着部を備えた家庭用ミシンに、本発明を適用した場合の一例である。
【0022】
図1〜図4に示すように、家庭用のミシンMは、水平なベッド面を有するベッド部1と、ベッド部1の右端部分に立設された脚柱部2と、脚柱部2の上部からベッド部1と対向するように左方へ延びるアーム部3と、アーム部3の左端部分に設けられた頭部4とを有する。頭部4には、糸カセット10が着脱自在に装着されるカセット装着部5が設けられ、カセット装着部5に装着された糸カセット10から導出される糸11が上糸として使用される。
【0023】
アーム部3(の頭部4)には、縫製開始スイッチ、縫製終了スイッチ、等々の操作スイッチ類6(図17参照)が設けられている。また、アーム部3には、画面を正面に向けた液晶ディスプレイ7が設けられ、その液晶ディスプレイ7の表面にタッチパネル8(図17参照)が設けられている。
【0024】
図2、図4、図9、図10に示すように、頭部4には、針棒12、天秤13、カセット装着部5に装着する糸カセット10から導出される糸11の糸調子を調節する糸調子機構14、取外操作部材60が操作された場合に糸調子機構14を開放状態にする糸調子開放機構15、カセット装着部5に糸カセット10を装着する際に、そのカセット装着動作に連動して作動する糸搬送機構16A及び糸通し機構16B及び糸掛け機構17、針棒12を上下動させる針棒上下動機構18、針棒12を揺動させる針棒揺動機構19、天秤駆動機構等が設けられている。
【0025】
糸搬送機構16Aは、カセット装着部5に装着する糸カセット10から導出される糸11を引っ掛けて針棒12に装着された縫針12aの針穴12b付近まで運んでくる機構であり、糸通し機構16Bは、カセット装着部5に装着する糸カセット10から導出されて糸搬送機構16Aで針穴12b付近まで運ばれてきた糸11を針穴12b通す機構である。尚、糸掛け機構17は、前記糸搬送機構16Aとは異なり、カセット装着部5に装着する糸カセット10から導出される11を針棒12の針棒糸案内H(図1参照)に糸掛けする機構である。
【0026】
図3、図4に示すように、カセット装着部5に装着された糸カセット10から導出される糸11は、糸調子機構14の1対の糸調子皿41,42の間の糸調子軸40(図11等参照)に上側から掛けられ、その糸調子軸40から下流側へ延びる糸11が天秤13に掛けられ、天秤13から下流側へ延びる糸11が針棒12に装着された縫針12aの針穴12bに通されて縫製可能にセットされる。
【0027】
一方、ベッド部1にはボビン装着部(図示略)が設けられ、このボビン装着部に装着されたボビン(図示略)から延びる糸が下糸として使用される。また、ベッド部1には、釜機構(図示略)が設けられている。上糸と下糸を縫製可能にセットした状態で、ミシンモータ9(図17参照)が駆動されると、針棒上下動機構18により針棒12が上下動され、これに同期して釜機構が駆動されて、その釜機構によりベッド部1の針板1aよりも下側に下降した縫針12a付近の上糸11が引っ掛けられ、その上糸11と下糸とが交絡して縫目が形成される。
【0028】
ここで、糸カセット10について説明する。
図5〜図8に示すように、糸カセット10は、カセット本体10と、カセット本体20に枢着された開閉部材21とを有し、これらの内部に糸供給源である糸駒22を収容する糸収容部23が形成されている。開閉部材21には糸立棒24が取り付けられ、開閉部材21を前側へ開くと(図7参照)、糸立棒24への糸駒22の着脱が可能になり、糸駒22が糸立棒24に装着された状態で、開閉部材21を閉めるとその糸駒22が収容部23に収容される。
【0029】
糸駒22からは糸11が上側へ延びて収容部23外に導出され、そこから、カセット本体20と開閉部材21の左端間の糸経路25を通って、糸カセット10の左下端部の糸掛け部26aに導かれてそこに掛けられ、そこから右方へ延びて仕切壁27の下端部の糸掛け部26bと糸カセット10の右下端部の糸掛け部26cに掛けられ、そこから前方へ延びてから糸掛け部26dに掛けられてUターンし、左方へ延びて糸保持部28に保持されて、更に左方へ延びる糸11は、糸保持部28の左側の刃29で切断され糸掛け部26eに掛けられる。
【0030】
以上のように糸11をセットした糸カセット10は、カセット装着部5に装着された状態のものでなく、カセット装着部5に装着するために準備された状態のものである。さて、この糸カセット10の右端部分には、後方と下方を開口した天秤ガイドスペース30がほぼ上下全長に亙って形成され、糸カセット10の下端部分の中央部分に下方を開口した糸調子スペース31が形成され、これらのスペース30,31が仕切壁27により仕切られている。
【0031】
カセット装着部5には糸カセット10を下降させて挿入していくが、その際に、天秤ガイドスペース30に天秤13とこの天秤13をガイドする天秤ガイド13a(図2等参照)が下側から入り込み、糸調子スペース31に糸調子機構14の糸調子軸40と1対の糸調子皿41,42が下側から入り込む。尚、糸調子軸40等が糸カセット10と干渉しないように、カセット本体20の後壁下端部に切欠き20aが形成されている。糸カセット10をカセット装着部5に少し挿入したところで、先ず、天秤ガイドスペース30に入り込んだ天秤13に、糸11の糸掛け部26b,26cの間の糸部分11aが引っ掛かる。
【0032】
その後、糸カセット10をカセット装着部5に挿入していくと、前記糸部分11aが掛かった天秤13に対して糸掛け部26a,26bが下降していくが、この糸部分11aよりも下流側の糸11は糸保持部28に保持された状態が維持されるため、糸収容部23の糸駒22から糸11が引き出されていって、例えば、糸カセット10を2/3程度挿入したときの糸部分11aは図1、図2のような山型になる。糸カセット10をカセット装着部5に装着すると、図3、図4に示すように、糸掛け部26a,26bの間の糸部分11bが、糸調子スペース31に入り込んだ1対の糸調子皿41,42の間の糸調子軸40に引っ掛かる。
【0033】
次に、糸調子機構14について説明する。
図9〜図13に示すように、糸調子機構14は、フレーム40aに固定されて後方へ延びる糸調子軸40と、糸調子軸40に固定的に外嵌された前糸調子皿41と、前糸調子皿41に面接触可能に糸調子軸40に外嵌された後糸調子皿42と、糸調子軸40に外装されて後糸調子皿42を前方の前糸調子皿41に付勢する圧縮コイルバネからなる糸調子バネ42aと、1対の糸調子皿41,42を開閉させるパルスモータ44を含む開閉機構部43とを有する。
【0034】
図12、図13に示すように、開閉機構部43は、パルスモータ44、駆動ギヤ45、カム部材46、リンク部材47、連桿部材48、回動リンク部材49、引っ張りコイルバネ50、押動リンク部材51、開放レバー部材52を有する。パルスモータ44の出力軸に固着された駆動ギヤ45がカム部材46のギヤ部46aに噛合している。リンク部材47はその中央部が支軸47aを介して前後軸心回りに枢支されて、上端部のカム従動子47bがカム部材46のカム溝46bに係合し、下端部のピン47cが、連桿部材48の中央部分の長穴48aに係合している。連桿部材48は左右方向へ移動自在にガイド支持されている。
【0035】
回動リンク部材49は、その中央部が支軸49aを介して鉛直軸心回りに枢支され、引っ張りコイルバネ50により反時計回り方向へ付勢されている。回動リンク部材49の後端部の係合部49bが、連桿部材48の左端の長穴49bに係合し、回動リンク部材49の右端部のピン49cが押動部材51の中央部の長穴51bに係合している。押動部材51はその右端部が支軸51aを介して鉛直軸心回りに枢支され、開放レバー部材52は糸調子バネ42aに圧接されている。
【0036】
図12に示すように、カム溝46bの同径のカム溝部46b1にカム従動子47bが係合しているとき、1対の糸調子皿41,42が閉じた状態になる。カム溝部46b1は約80度に亙って形成され、カム従動子47bがカム溝部46b1に係合した状態を維持して、前記約80度に対応する角度範囲でパルスモータ44を駆動することができる。
【0037】
これは、パルスモータ44と駆動ギヤ45が針棒揺動機構19の一部として兼用されているからであり、これにより、1対糸調子皿41,42を閉じた状態にしたまま、針棒12を揺動させることが可能になる。尚、針棒揺動機構19は、パルスモータ44、駆動ギヤ45、駆動ギヤ45に噛合するギヤ19a、ギヤ19aに固定的に設けられたカム19bを有し、回転するカム19bにより針棒12の揺動動作を発生させるようにしている。
【0038】
一方、図13に示すように、パルスモータ44が駆動されて、カム部材46が矢印で示す時計回り方向へ回動され、カム溝46bのカム溝部46b2にカム従動子47bが係合して、カム部材46の中心側へ移動していくと、リンク部材47、連桿部材48、回動リンク部材49が連動して矢印の方向へ移動し、前方へ移動する押動部材51の左部のレバー部51cにより開放レバー部材52が前方へ押動され、これにより、後糸調子皿42が傾くように移動して1対の糸調子皿41,42はこれらの間に隙間ができて開放される。
【0039】
1対の糸調子皿41,42が開放した状態で、糸カセット10がカセット装着部5に装着されると、糸カセット10から導出される糸11の前記糸部分11bが、1対の糸調子皿41,42の間の糸調子軸40に引っ掛かる。そして、パルスモータ44が駆動されて、カム部材46が矢印と反対の反時計回り方向へ回動されると、引っ張りコイルバネ50の付勢力により、回動リンク部材49が元の位置に戻るため、糸調子バネ42aにより1対の糸調子皿41,42が閉じる。尚、1対の糸調子皿41,42が開放した状態で、針棒12は図9に鎖線で示す左基線位置に移動された状態になる。
【0040】
次に、糸調子開放機構15について説明する。
図9、図12(b)、図13(b)に示すように、糸調子開放機構15は、糸カセット10をカセット装着部5から取外す為に操作される取外操作手段としての取外操作部材60と、この取外操作部材60の操作力を伝達するリンク機構を含む操作力伝達機構部61と、この操作力伝達機構部61を介して伝達された操作力で前方へ移動される糸開放部材62とを有する。
【0041】
取外操作部材60が操作されて、糸開放部材62が前方へ移動すると、糸開放部材62の押動部62aにより押動部材51のレバー部51cが前方へ押され、これにより、前記同様に、1対の糸調子皿41,42が開放される。このとき、回動リンク部材49は時計回り方向へ回動し、その係合部49bが右方へ移動するが、係合部49bは連桿部材48の長穴48bに対して右方へ移動可能に係合しているため、連桿部材48は移動されることはない。
【0042】
次に、糸搬送機構16Aについて説明する。
図9、図14に示すように、糸搬送機構16Aは、針棒台80(図15参照)が枢着されたフレームに設けられ、糸カセット10から導出される糸11を引っ掛ける糸掛け部材70と、糸掛け部材70を待機位置(図9参照)から姿勢を変化させつつ下降させて糸掛け位置(図示略)→糸運び位置(図14参照)へと移動させる糸掛け駆動機構部75とを有する。
【0043】
糸掛け部材70は前後1対の糸掛け板71を有し、前記糸掛け位置において、糸カセット10から導出される糸11の天秤13よりも下流側部分が、1対の糸掛け板71に亙ってピンと張った状態に引っ掛けられ、前記糸運び位置において、糸掛け部材70の上下方向位置は針棒12の位置に対して位置決めされ、1対の糸掛け板71の間に縫針12aが位置して、糸11が針穴12bに接近する。
【0044】
糸通し機構16Bについて説明する。
図15、図16に示すように、糸通し機構16Bは針棒台80に設けられ、針棒12の左側において針棒台80に上下動可能に支持された糸通し軸81及びスライダガイド軸82と、これら糸通し軸81とスライダガイド軸82の上端部分に上下動自在に外嵌された糸通しスライダ83と、糸通し軸81の下端部に取り付けられたフック機構部84を有する。尚、針棒12は針棒台80に上下動可能に支持され、この針棒台80の上端部がフレームに枢支されて、針棒12と糸通し機構16Bは一体的に揺動する。
【0045】
糸通し軸81の上部に上下2本のピン85a,85bが突出され、上側のピン85aが糸通しスライダ83に形成された螺旋的な係合溝83aに係合し、下側のピン85bが針棒12に外嵌固着された係合部材12cに上側から係合可能になっている。糸通し軸81には糸通し軸81に対してスライダ83を上方へ付勢する圧縮コイルバネ86が外装され、通常、ピン85aは係合溝83aの下端部に係合している。またスライダガイド軸82には糸通しスライダ83を上方へ付勢する圧縮コイルバネ87が外装され、通常、糸通し軸81と糸通しスライダ83は上限位置に位置している。
【0046】
図16に示すように、フック機構部84は、針穴12bを貫通可能で先端に糸掛部88aを有する糸通しフック88と、糸通しフック88の両側に位置する2枚のガイド部材89と、糸通しフック88の糸掛け部88aに係合可能なワイヤ90とを有する。
【0047】
糸カセット10がカセット装着部5に装着されていないときには、糸通し機構16Bは図15に示す状態になっているが、糸カセット10をカセット装着部5に装着していくと、糸通しスライダー83が下降し、最初は、糸通し軸81も一体的に下降する。そして、糸通し軸81は、そのピン85bが針棒12の係合部材12cに上側から係合すると下方への移動が禁止されて停止し、針棒12に対する糸通し軸81の上下方向位置が位置決めされる。
【0048】
その後、糸通し軸81に対して糸通しスライダー83が下降するため、ピン85aが糸通しスライダ83の螺旋的な係合溝83aを上側へと係合していって、糸通し軸81が回動される。このとき、フック機構部84は、縫針12a付近に位置しており、しかも、前記糸搬送機構16Aにより糸カセット10から導出される糸11も縫針12a付近に運ばれ、縫針12aの手前に張られた状態で保持されている。
【0049】
即ち、糸通し軸81が回動されると、図16(a)に示すように、フック機構部84の糸通しフック88が針穴12bを貫通して、図16(b)に示すように、糸通しフック88の先端の糸掛け部88aにより糸11が引っ掛けられてから、糸通し軸81が前記と逆方向に回動されると、糸通しフック88が針穴12bから抜けて、針穴12bに糸11が通される。尚、このとき、針棒糸案内Hにも糸11は糸掛け機構17によって掛けられる。
【0050】
ここで、針棒12と糸通し機構16Bが揺動するのに対して、糸搬送機構16Aは針棒12や糸通し機構16Bのようには揺動しないため、針棒12の針振り位置によって、縫針12a及び糸通し機構16Bと糸搬送機構16Aの位置関係は変化するため、この位置関係によって、糸通し機構16Bで針穴12bに糸通しする成功率が異なってくる。
【0051】
この縫製装置Mでは、針棒12を所定の上下方向位置である針上付近位置に位置させ、しかも、所定の針振り位置である左基線位置(図9に鎖線で示す)に位置させた状態で、糸搬送機構16Aと糸通し機構16Bを作動させた場合に、針穴12bに糸11を確実に糸通しできるように設定してある(つまり、左基線位置は糸搬送機構16Aの位置に対して設定されている)。即ち、針穴12bに糸11を確実に糸通しできるように、糸カセット10をカセット装着部5から取り外した状態で、針棒12を針上付近位置且つ左基線位置に位置させておき、この状態で、糸カセット10をカセット装着部5に装着して、糸搬送機構16A及び糸通し機構16Bを作動させる必要がある。
【0052】
ここで、カセット装着部5からの糸カセット10の取り出しを検出する検出手段としてのカセット検出スイッチ102 (図17参照)が設けられている。このカセット検出スイッチ102 は、例えば、リミットスイッチからなり、カセット装着部5の下端付近部に取り付けられ、カセット装着部5に糸カセット10が装着されるとONになり、糸カセット10が取り出されるとOFFになる。
【0053】
次に、ミシンMの制御系について説明する。
図17に示すように、ミシンMの制御装置100 は、CPU100a、ROM100b、RAM100c、入力インターフェース100d、出力インターフェース100eを有する。入力インターフェース100dに、操作スイッチ類6、タッチパネル8、主軸回転角検出センサ101 、カセット検出スイッチ102 が電気的に接続され、出力インターフェース100eに、ミシンモータ9、パルスモータ44、液晶ディスプレイ7、ランプ類103 を夫々駆動する為の駆動回路104a〜104dが電気的に接続されている。尚、制御装置70が本発明の針棒位置制御手段と糸調子制御手段に相当する。
【0054】
図18に示すように、ROM100bには、ミシンMの制御プログラムが格納されており、その制御プログラムは、縫製する為の縫製制御プログラム、カセット装着部5に糸カセット10を着脱する為の糸調子制御プログラムと針棒位置制御プログラムを含むカセット着脱制御プログラム、液晶ディスプレイ7に各種情報を表示させる為の表示制御プログラム等を備えている。
【0055】
次に、制御装置100 が実行するカセット着脱制御を含む制御について、図19、図20のフローチャートに基づいて説明する。但し、フローチャート中のSi(i=1、2、3・・・)は各ステップを示す。
【0056】
図19に示すように、この制御は、1msec毎のインターバル割り込みにより開始され、ミシンモータ9が停止中のとき(S1)S2へ移行し、主軸角度が糸カセット挿入可能角度範囲のとき(S2;Yes )S3へ移行し、カセット検出スイッチ102 がONになって、糸カセット10がカセット装着部5に装着されたと判断されると(S3;Yes )S4へ移行して、針振りカウンターTに30(msec)がセットされ(S4)S5へ移行する。S1〜S3がNo判定のときには、その後S5へ移行する。
【0057】
ここで、主軸の回転角度は、針棒12(縫針12a)が上限位置となる針上位置の主軸の回転角度を0度(360度)として、エンコーダ等からなる主軸回転角検出センサ71からの情報に基づいて演算され、S2における糸カセット挿入可能角度範囲として、例えば、20度〜50度が予め設定されている。
【0058】
S5のその他のインターバル処理の後、カセット検出スイッチ102 がON状態で、糸カセット10がカセット装着部5に装着されているとき(S6;Yes )S7へ移行し、主軸角度が針振り可能角度範囲のときに(S7;Yes )S8へ移行する。ここで、S7における針振り可能角度範囲として、基本的には縫針12aが針板1aよりも上側に位置する回度範囲とすればよいが、例えば、280〜75度が予め設定されている。
【0059】
次に、針振りカウンターTが0でないとき(S8;No)S9へ移行し、針振りカウンターTが(T−1)にディクリメントされ(S9)S10へ移行し、針振りカウンターTが0のときには(S10;Yes )S11へ移行する。S6〜S8、S10がNo判定のときには、その後S13へ移行する。
【0060】
S10がYes 判定のとき、次にS11において、パルスモータ44の駆動が開始されて、カム部材13が図13(a)に示す位置に回動され、これにより、針棒12が糸カセット挿入可能位置(左基線位置であり、糸通し機構16Bで針穴12bへの糸通しが良好に行える位置である)から正規の針振り位置(例えば、針棒が鉛直となる中立位置)へ動かされ、これと共にS12において、1対の糸調子皿41,42が閉じられ、S14へ移行する。
【0061】
図20に示すように、S13のその他のインターバル処理の後、カセット検出スイッチ102 がOFFになって、糸カセット10がカセット装着部5から抜かれたと判断されると(S14;Yes )、ミシンモータ9が作動中のときには(S15;Yes )、ミシンモータ9の駆動停止処理(S16)が行われて、針棒上下動機構18の作動を停止させた後、主軸角度が前記針振り可能角度範囲のときには(S17)S18へ移行する。
【0062】
S18においては、パルスモータ44の駆動が開始されて、カム部材13が図12(a)に示す位置に回動され、これにより、針棒12が前記正規の針振り位置から前記糸カセット挿入可能位置(所定の針振り位置に相当する左基線位置)へ動かされ、これと共にS19において、1対の糸調子皿41,42が開放され、その後、その他のインターバル処理(S20)が行われた後に終了する。S14、S17がNo判定のときには、その後S20へ移行する。
【0063】
以上のように、このミシンMによれば、カセット検出スイッチ102 の検出に基づいてカセット装着部5からの糸カセット10の取り外しに起因して、針棒12を糸通し機構16Bで糸通し可能な所定の針振り位置(左基線位置)に揺動させる。つまり、糸カセット10をカセット装着部5から取り外す際に、次の糸カセット10の装着に備えて、針棒12を所定の針振り位置に揺動させておいて、次に装着する糸カセット10から導出される糸11を、糸通し機構16Bにより縫針12aの針穴12bに簡単に且つ確実に通すことができる。
【0064】
前記所定の針振り位置を、糸搬送機構16Aの位置に対して設定したので、糸通し機構16Bを針棒12は一体的に揺動するが、この所定の針振り位置に針棒12を揺動させた状態で、針棒12(縫針12a)及び糸通し機構16Bと糸搬送機構16Aを適切な位置関係にして、糸通し機構16Bにより縫針12aの針穴12bに糸11を確実に通せるように構成することができる。
【0065】
針棒上下動機構18が作動している状態で、カセット検出スイッチ102 の検出に基づいてカセット装着部5からの糸カセット10の取り外しに起因して、針棒上下動機構18の作動を停止させるように構成したので、針棒上下動機構18が作動している状態でも、糸カセット10をカセット装着部5から取り外す際に、針棒上下動機構18の作動を停止させることができ、それから、次の糸カセット10の装着に備えて、針棒12を所定の針振り位置に揺動させることができる。
【0066】
カセット検出スイッチ102 の検出に基づいて糸カセット10のカセット装着部5からの取り外しに起因して、糸調子機構14を開放させる。つまり、糸カセット10をカセット装着部5から取り外す際に、糸調子機構14が開放するため、糸カセット10から導出される糸11が糸調子機構14から確実に解き放されて、糸11が糸調子機構14に引っ掛かることなく、カセット装着部5からの糸カセット10の取り外しをスムーズに行うことができる。
従来の装置では、糸カセット装着の際に針棒を所定の針振り位置に揺動させる手間が必要であったが、本実施の形態においては、糸カセット10の取り出しに起因して針棒12を所定の針振り位置に自動的に揺動させるのでその手間がない。
【0067】
次に、変更形態について説明する。
1]前記実施形態の糸カセットは一例を開示したもにすぎず、適用可能な糸カセットとして、例えば、糸駒等に糸を巻いた糸供給源ではなく、糸を塊状にした糸供給源を収容部に収容して使用する糸カセットとしてもよい。また、糸収容部を覆う壁を少なくとも1つ省略し、糸立棒等の保持部に糸駒等を保持して収容するようにしてもよい。
【0068】
2]取外操作部材60が操作されたことを直接検出する検出スイッチを設け、この検出スイッチにより、取外操作部材60が操作されたことを検出することにより、糸カセット10がカセット装着部5から取り外されたことを間接的に検出するようにししてもよい。
【0069】
3]前記糸調子機構14と針棒揺動機構19において、パルスモータ44を共通のアクチュエータとする必要はなく、これら機構14,19に夫々独立の電動モータ等のアクチュエータを設けた構成にしてもよい。更に、このように構成した場合には、ユーザーが糸調子の設定を変更操作したときには、その変更された糸調子になるように、この糸調子機構14の為の独立のアクチュエータを作動させるようにする。即ち、縫製のために糸調子を自動的に変化させるアクチュエータで、糸カセット排出時の糸調子を開放するように構成してもよい。
【0070】
4]この場合、糸調子機構14の1対の糸調子皿41,42を開放させる為のアクチュエータとしてソレノイドアクチュエータを適用してもよい。この場合、ソレノイドアクチュエータで糸調子皿42を直接的に押動して、1対の糸調子皿41,42を開放させるようにしてもよい。また、糸調子皿40,41を完全に開放しなくても、弱めたり、所定の糸調子(張力小)にするようにしてもよい。
5]前記所定の針振り位置については、針棒12を左基線位置に位置させた位置とする以外の位置に設定してもよい。但し、この所定の針振り位置に針棒12を位置させた状態で、糸カセット10をカセット装着部5に装着する際、糸搬送機構16Aと糸通し機構16Bにより糸カセット10から導出される糸11を確実に針穴12bに糸通しできるように、これら機構の位置等を設定する。
6]前記の実施の形態では、針棒12を所定の針振り位置に自動的に移動させているが、ユーザーがその移動の可否を確認できるようにして、ユーザーがその移動の許可入力をすると、針棒12を所定の針振り位置に自動的に移動させるように、ミシンMを構成してもよい。
【0071】
7]制御装置100 のROM100bに格納されている、針棒位置制御プログラムを含むカセット着脱制御プログラムは、前記ミシンMと同等のミシンに適用できるものであり、このカセット着脱制御プログラム、或いは、その中の針棒位置制御プログラム自体を、インターネット等の通信手段を介して、或いは、CDやMDやFD等の記録媒体に記録してその記録媒体と共にユーザー等に供給してもよい。8]その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を付加して実施可能である。
【0072】
前記の実施の形態においては、糸カセット10の装着の過程において、その装着動作と並行して糸通し動作が行われるように、ミシンMが構成されているが、糸カセット10の装着後に別途、糸通し動作が行われるように、ミシンMを構成してもよい。或いは、糸カセット10をカセット装着部5に装着する前に、糸通し動作が行われるように、ミシンMを構成してもよい。即ち、糸通し機構16Bの構成は、糸カセット10から導出される糸11を縫針12aの針穴に通すことができるものであればよい。
【0073】
また、前記の実施の形態においては、電源の投入の有無に関わらず、糸カセット10を装着すれば、糸通し機構16B、糸搬送機構16A、並びに、糸掛け機構17が糸カセット10の下降に伴って、夫々が所定の動作を行うように、それらの機構がメカ的に連結されている。即ち、ミシンMの電源が入っていない状態でも、針棒12が所定の針振り位置にさえあれば、糸カセット10の装着に伴って糸通しを行える構成である。従って、本実施の形態では、電源投入中に、前記のように糸カセット10の取り出しに起因して、針振り位置が所定の針振り位置に移動されるので、その後電源が落とされても、糸通しを確実に行うことが可能になる。
【0074】
【発明の効果】
請求項1の縫製装置によれば、カセット装着部からの糸カセットの取り出しを検出する検出手段と、この検出手段の検出に基づいてカセット装着部からの糸カセットの取り外しに起因して、針棒を糸通し機構で糸通し可能な所定の針振り位置に揺動させるように針棒揺動機構を制御する針棒位置制御手段とを設けたので、糸カセットをカセット装着部から取り外す際に、次の糸カセットの装着に備えて、針棒を前記所定の針振り位置に揺動させておいて、次にカセット装着部に装着する糸カセットから導出される糸を、糸通し機構により縫針の針穴に簡単に且つ確実に通すことができる。
【0075】
請求項2の縫製装置によれば、糸カセットをカセット装着部に装着する際に、糸カセットから導出される糸を引っ掛けて縫針の針穴付近まで運ぶ糸搬送機構を設けると共に、糸通し機構を糸搬送機構で運ばれてきた糸を縫針の針穴に通すように構成し、前記所定の針振り位置を、糸搬送機構の位置に対して設定したので、特に糸通し機構を針棒と一体的に揺動させるようにしても、この所定の針振り位置に針棒を揺動させた状態で、針棒(縫針)及び糸通し機構と糸搬送機構を適切な位置関係にして、糸通し機構により縫針の針穴に糸を確実に通せるように構成することができる。
【0076】
請求項3の縫製装置によれば、針棒を上下動させる針棒上下動機構を設け、この針棒上下動機構が作動している状態で検出手段の検出に基づいてカセット装着部からの糸カセットの取り外しに起因して、針棒上下動機構の作動を停止させるように構成したので、針棒上下動機構が作動している状態でも、糸カセットをカセット装着部から取り外す際に、針棒上下動機構の作動を停止させることができ、それから、次の糸カセットの装着に備えて、針棒を所定の針振り位置に揺動させることができる。
【0077】
請求項4の縫製装置によれば、カセット装着部に装着する糸カセットから導出される糸の糸調子を調節する糸調子手段と、検出手段の検出に基づいて糸カセットのカセット装着部からの取り外しに起因して、糸調子手段を開放させるように制御する糸調子制御手段とを設けたので、糸カセットをカセット装着部から取り外す際に、糸調子手段が開放するため、糸カセットから導出される糸が糸調子手段から確実に解き放されて、糸が糸調子手段に引っ掛かることなく、カセット装着部からの糸カセットの取り外しをスムーズに行うことができる。
【0078】
請求項5の縫製装置の針棒位置制御プログラムは、特に、カセット装着部に装着する糸カセットから導出される糸を針棒に装着された縫針の針穴に通す糸通し手段と、糸カセットがカセット装着部に装着されたか否か検出する検出手段とを予め設けた縫製装置に適用されて、検出手段の検出に基づいて糸カセットがカセット装着部から取り外しに起因して、針棒を糸通し手段で糸通し可能な所定の針振り位置に揺動させるように針棒揺動機構を制御することができる。この針棒位置制御プログラムを適用した縫製装置は、請求項1と同様の効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係るミシン(糸カセット装着途中状態)の正面図である。
【図2】ミシン(糸カセット装着途中状態)の頭部を切り欠いた正面図である。
【図3】ミシン(糸カセット装着状態)の正面図である。
【図4】ミシン(糸カセット装着状態)の頭部を切り欠いた正面図である。
【図5】糸カセットの正面図である。
【図6】糸カセットの背面図である。
【図7】糸カセット(開閉部材開放状態)の左側面図である。
【図8】糸カセットの底面図である。
【図9】ミシンの頭部内の前側の正面図である。
【図10】ミシンの頭部内の前側の正面図である。
【図11】糸調子機構の糸調子皿等の平面図である。
【図12】糸調子機構を閉じた状態の(a)は正面図(b)は平面図である。
【図13】糸調子機構を開放した状態の(a)は正面図(b)は平面図である。
【図14】糸搬送機構の左側面図である。
【図15】糸通し機構の(a)は左側面図(b)は正面図である。
【図16】糸通し機構の作動説明図であり(a)は糸通しフックが針穴を貫通した状態(b)は糸通しフックが針穴から抜けて糸が通された状態を示す。
【図17】ミシンの制御系のブロック図である。
【図18】制御装置のROMに格納されているプログラムを示す図表である。
【図19】針棒位置制御を含むフローチャートの前半である。
【図20】針棒位置制御を含むフローチャートの後半である。
【符号の説明】
M ミシン
5 カセット装着部
10 糸カセット
14 糸調子機構
16A 糸搬送機構
16B 糸通し機構
18 針棒上下動機構
19 針棒揺動機構
22 糸駒
23 糸収容部
100 制御装置
102 カセット検出スイッチ

Claims (5)

  1. 針棒を揺動させる針棒揺動機構と、糸供給源を収容する糸収容部を有する前記糸カセットが着脱自在に装着されるカセット装着部と、このカセット装着部に装着する糸カセットから導出される糸を前記針棒に装着された縫針の針穴に通す糸通し機構とを備えた縫製装置において、
    前記カセット装着部からの前記糸カセットの取り出しを検出する検出手段と、
    前記検出手段の検出に基づいて前記カセット装着部からの前記糸カセットの取り外しに起因して、前記針棒を前記糸通し機構で糸通し可能な所定の針振り位置に揺動させるように前記針棒揺動機構を制御する針棒位置制御手段と、
    を備えたことを特徴とする縫製装置。
  2. 前記糸カセットを前記カセット装着部に装着する際に、前記糸カセットから導出される糸を引っ掛けて前記縫針の針穴付近まで運ぶ糸搬送機構を設けると共に、前記糸通し機構は前記糸搬送機構で運ばれてきた糸を前記縫針の針穴に通すように構成され、
    前記所定の針振り位置は、前記糸搬送機構の位置に対して設定されたことを特徴とする請求項1に記載の縫製装置。
  3. 前記針棒を上下動させる針棒上下動機構を設け、この針棒上下動機構が作動している状態で前記検出手段の検出に基づいて前記カセット装着部からの前記糸カセットの取り外しに起因して、前記針棒上下動機構の作動を停止させるように構成したことを特徴とする請求項1又は2に記載の縫製装置。
  4. 前記カセット装着部に装着する前記糸カセットから導出される糸の糸調子を調節する糸調子手段と、前記検出手段の検出に基づいて前記糸カセットのカセット装着部からの取り外しに起因して、前記糸調子手段を開放させるように制御する糸調子制御手段とを設けたことを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の縫製装置。
  5. 縫製装置のコンピュータによって、糸供給源を収容する糸収容部を有する糸カセットのカセット装着部からの取り外しに起因して、針棒を揺動させる針棒揺動機構を制御する為に用いる針棒位置制御プログラムであって、
    前記カセット装着部に装着する前記糸カセットから導出される糸を前記針棒に装着された縫針の針穴に通す糸通し手段と、前記カセット装着部からの前記糸カセットの取り出しを検出する検出手段とを予め設けておき、
    前記検出手段の検出に基づいて前記糸カセットのカセット装着部からの取り外しに起因して、前記針棒を前記糸通し手段で糸通し可能な所定の針振り位置に揺動させるように前記針棒揺動機構を制御することを特徴とする縫製装置の針棒位置制御プログラム。
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