以下、本発明の顕微鏡デジタルカメラシステムについての複数の実施形態例及び、それらの変形例を挙げて詳しく説明する。
(第1の実施の形態・実施例) 図1aには本発明に関わる第一の実施形態例の顕微鏡用撮像装置が顕微鏡本体1の上に搭載された図を示し、その内部の構成要素を概略的に示している。顕微鏡用撮像装置3のうちカメラヘッド部2は顕微鏡本体1から射出する光の光路上に配置される。顕微鏡用撮像装置3はカメラヘッド部2と、これと別体の構成で、これを操作する操作部位4とカメラヘッド部2に導かれた標本像を表示する表示部位5を一体的に備えた操作表示部6とを備える。
表示部位5は標本像を表示するのみならず、操作部位4によって行われる各撮影設定等をも表示する機能を有している。またカメラヘッド部2と操作表示部6はUSBケーブル7により接続されており、お互いに電気的信号の送受が出来るようになっている。この為、USBケーブル7の許す範囲で操作表示部6はカメラヘッド部2から離して設置してもカメラヘッド部2による写真撮影動作が可能となっている。また操作部位4と表示部位5は一定の角度を保って固定されており、操作表示部6を机上に設置した場合、操作部位4は机上とほぼ水平、表示部位5は机上と0〜90°の範囲で検者の操作しやすい角度、例えば90°程度となっている。ここで、0°の状態とは操作部位4と表示部位5が水平状態、すなわち同一面上に画像表示パネル41や操作部位のモードスイッチ32等の種々スイッチが配置されている事を示す。
また、PC等の外部制御用のPC通信端子B37はUSBケーブル101を介してPC100と接続されている。 PC100の構成は図1b内に示すように、顕微鏡用撮像装置3との通信を送受信するPC通信制御系106やUSBケーブルを接続するUSB端子111をはじめとして、一時的に画像や動作中のアプリケーションソフトを保存するメモリ(RAM)107や、画像やアプリケーションソフトの実行オブジェクトが格納されるハードディスク(HD)108、モニタ104と、メモリ(RAM)107内等にある画像やアプリケーションソフトその他の情報をモニタ表示形式に変換するモニタ制御系109、これらPC100内の処理を行うPC-CPU110とから構成される標準的な市販PCである。
なお、ハードディスク(HD)108内には、本顕微鏡デジタルカメラ装置と通信、撮影制御、撮影画像の表示、編集等が可能なカメラソフトの実行オブジェクト、DCS.exeが格納されている。
図1cにはカメラヘッド部2、操作表示部6、PC100の電源環境が示されている。カメラヘッド部2と操作表示部6とはUSBケーブル7で接続されている。このUSBケーブル7は+5VDC電源線7a(GND線を含む)と、通信線7bで構成されている。通信線7bについて、USBでは2つの信号線、D+SIGNALとD-SIGNALとから構成されるが、2つの信号線で1つのデータを構成するので、ここでは単線として扱う。
操作表示部6はACアダプタ112が接続されており、ACアダプタ112を家庭用100Vコンセントに接続、操作表示部6に+5VDC、3Aの電源容量を供給可能である。 操作表示部6は、ACアダプタ112からの+5VDCを操作表示部内のDC-DCコンバータ(図示しない)にて適宜、12.5VDCや3.3VDCに昇圧、減圧して操作表示部6内の各機関で消費する。また、USBケーブル7内の+5VDC電源線7aに+5VDC 500mAの電源を供給する。
カメラヘッド部2は、図1cのようにDC-DCコンバータ115を持ち、USBケーブル7内の+5VDC電源線7aはこのDC-DCコンバータ115と接続されている。ここにて、適宜、12.5VDCや3.3VDCに昇圧、減圧され、カメラヘッド部2内の光電変換素子20や画像処理部23、カメラヘッドCPU28などの各機関の電源を供給する。 操作表示部6とPC100はUSBケーブル101にて接続されている。このUSBケーブル101もUSBケーブル7同様に+5VDC電源線と通信線で構成されているが、操作表示部6の電源はACアダプタ112、PC100の電源は家庭用100Vコンセント113にて供給しているので、USBケーブル101内の+5VDC電源線は特段使用してはいない。
また、図2のように、カメラヘッド部2には顕微鏡本体1からの標本像を光電変換する光電変換素子20と、この光電変換素子20から供給された電気信号を基にしてサンプリングするサンプリング回路21と、得られたアナログ信号をデジタル信号に変換するA/D変換器22と、変換されたデジタル信号を基に再生の為の処理を施す画像処理部23と、カメラヘッドCPU28と、光電変換素子20に投影する光像を所望の時に遮断するシャッタ手段25と、画像を通信信号に変換するカメラヘッド通信手段24と操作部位4とUSBケーブル7で接続する際のカメラヘッド通信端子B26と、が図示のように内臓されている。
なお、本例の光電変換素子20には例えば、CCDのような素子が採用されている。また、カメラヘッドCPU28は、操作部位4からの命令をカメラヘッド通信手段24により翻訳、命令に該当する内容、例えば、画像処理部の画質設定やシャッタ手段25の制御などを行っている。シャッタ手段25はカメラヘッドCPU28からの命令によって、開閉制御が可能となっている。
図3aに示すように、操作部位4には撮影動作を行なう"撮影動作モード"や撮影像を再生する"再生モード"、外部PCによる制御が可能になる"PCモード"といった少なくても3つのモードを選択するモードスイッチ32、露光補正値を設定する露光補正スイッチ33、撮影像を保存するメモリ装置34を設けている。また、その他、カメラヘッド部2や表示部位5に対して種々の制御スイッチを設けている(図示しない)。
メモリ装置34は、例えばPC等で広く採用されているフロッピー(登録商標)ディスクといった着脱可能なリムーバブルメディア35と、リムーバブルメディア35に撮影画像の書き込み、読み出しを行なえるメモリ読み出し書き込み手段36を含んでいる。また、メモリ装置34へのアクセス、または操作部4に設置された種々のスイッチ制御をPC等によりリモートで行なうためのPC通信端子B37を装備している。
また、図3bには操作部位4の電気回路の内部構成が示してある。検者の種々の操作はCPU、CPU用のプログラム格納用ROM、RAM等を含む制御回路(以下CPUとする)201により解析、処理され、表示部位へ表示する場合は表示用RAM200へ表示用のデータを書き込む。また、撮影に関わる制御の場合は、カメラヘッド通信端子A203を介してカメラヘッド部2へ露光時間等を制御する事になる。また、画像処理部23からのデジタル画像データをリムーバブルメディア35へ記録する場合は、USBケーブル7、CPU201を経由してメモリ読み出し書き込み部位36を介して書き込まれる事となる。
PC通信端子B37はPC通信手段38を介してCPU201と接続されており、USBケーブル101によりPCと顕微鏡用撮像装置3との通信を可能としている。さらに、観察画像に記号列を書き込む際の文字、数字、各種記号といった記号列フォントデータを格納しておく記号列ROM63、観察画像に記号列を合成する観察画像―記号列合成器65を持つ。
操作部位4は撮影をする場合のEXPOSE スイッチ31、モードを設定する場合のモードスイッチ32のみならず、カメラヘッド部2や表示部位5について所望の操作を行なえる為のスイッチを配置している。その為、カメラヘッド部2や表示部位5は、検者がそれらスイッチを操作する事でその制御に応じた所定動作を行なう。 表示部位5には図4に示すように、撮影像や、メモリ装置34に保存された画像の再生像を表示する画像表示パネル41と、撮影の際の露光時間、露光補正等の撮影情報や、再生時の画像ファイル等の再生情報を表示する情報表示パネル42を設けている。また表示用RAM200からのデジタル画像データを表示する際に必要となる、デジタル画像データ信号をアナログ信号に変換するD/A変換器43を設けている。
顕微鏡本体1は本発明の構成ではない標本50を載置する為のステージ51と標本50を観察するための対物レンズ52とこの光軸53と検者が覗き見る接眼レンズ54等で主に構成されている。
以上のような構成の顕微鏡用撮像装置3について第1の実施例に基づき詳説する。 顕微鏡本体1からの標本像は結像レンズ55を経て光電変換素子20に結像される。これにより標本50の標本像は光電変換素子20によって電気信号に変換され、画像をあらわすその電気信号を空間、時間的にサンプリングするサンプリング回路21を介してA/D変換器22によりデジタル化された後、そのサンプリング成分に基づく所定の画像処理が画像処理部23によって行われ、再現可能な当該標本のデジタル画像データ信号が生成される。このデジタル画像データ信号は、カメラヘッド通信手段24にてUSB規格に基づいた通信信号に変換される。この通信信号はカメラヘッド通信端子B26に接続されたUSBケーブル7を経由して操作部位6に通信される。これを操作部通信手段39にて画像データ信号に再変換した上でCPU201を介して表示用RAM200に記憶される。記憶されたデジタル画像データ信号は表示部位5へ伝達され、D/A変換器43によってアナログ信号化され画像表示パネル41に表示出力される。 画像表示パネル41に画像を表示する場合、モードスイッチ32により少なくとも"撮影モード"と"再生モード"に検者の選択により設定できるようになっている。 さらに"撮影モード"を選択した場合、カメラヘッド部2に対して「ライブ状態」と「レックビュー状態」の少なくとも2つのモードが存在する。
「ライブ状態」においては、カメラヘッド部2が顕微鏡標本50の動的な画像をリアルタイムに撮像して、この画像をリアルタイムに画像表示パネル41に表示する事ができる。「レックビュー状態」とは、検者のEXPOSE スイッチ31の押下による撮影操作で撮影された画像を一定時間(例えば10秒間)表示することである。シャッタ手段25、たとえばメカニカルシャッタまたは電子シャッタ(図示しない)が適正な露光時間に応じて開閉する事でカメラヘッド部2として停止状態の標本の顕微鏡写真を撮影出来る。この時の撮影画像は画像表示パネル41へ、撮影条件等の情報は情報表示パネル42へ、それぞれ表示される。
また、デジタル画像データはメモリ装置34によりリムーバブルメディア35への撮影画像の記録保存が出来る。また、記号列ROM63に格納された記号列データのうち、観察者が設定、または操作部4が自動的に選択した記号列が「ライブ状態」の画像の上に表示されている。すなわちカメラヘッドからの観察画像に、記号列を観察データの指定位置への上書きを観察画像―記号列合成器65にて施した後、表示用RAM200へと入力する。記号列として、露出時間、露出補正値などといった撮影条件の各項目や顕微鏡名、顕微鏡の倍率、検鏡法などといった顕微鏡条件の各項目があげられる。
"再生モード"を選択した場合、メモリ装置34によりリムーバブルメディア35に記録された撮影像をメモリ読み出し書き込み手段36を介して読み出し、画像表示パネル41へ、再生ファイル名等の再生画像情報は情報表示パネル42へ表示される。 "PCモード"を選択した場合、上記"撮影モード"、"再生モード"で可能な動作をPCが制御する事となる。また、メモリ装置34内のリムーバブルメディアが保存している画像を、PC100側のメモリ装置に保存したり、PC画面上にメモリ装置34内の画像を表示したり、表示部位5が表示している内容をPC画面上に表示したりする事ができる。
図1dには、カメラヘッド2とPC100がUSBケーブル7にて接続されている。この場合は、カメラヘッド通信端子B 26からの信号をUSBケーブル7にて操作部位4ではなくPC100に接続している。 この場合のカメラ制御について説明する。 図5にはPC100上のカメラ制御アプリケーションDCS.exeのGUIが表示されている。ユーザがPC100の操作によりDCS.exeを実行した場合、図5に示されるカメラソフト300がPCモニタ上に表示される。
この場合の動作について詳説する。まず、DCS.exe起動により、PC100に接続したデジタルカメラ種の取得を行う。これはPCCPU110からPC-通信制御系106経由でデジタルカメラ種別取得コマンド"GetCamera"が発行される事で行われる。USBケーブル7でPC-通信制御系106と接続されたカメラヘッド部2はコマンド"GetCamera"をカメラヘッド通信手段24にて受信、カメラヘッドCPU28へ送る。カメラヘッドCPU28は受信コマンド"GetCamera"を受け、デジタルカメラ種DC-1をカメラヘッド通信手段24から送信する(カメラヘッドのデジタルカメラ種をDC-1とする)。この場合の返信コマンドは受信コマンドにスペースと応答値を付加する形式となり、"GetCamera DC-1"となる。PC100はこれを受信、接続されたデジタルカメラがDC-1であることを認識する。PC100はこの情報から図5のカメラソフトを起動、PCモニタ上に表示する。なお、カメラヘッド部2をPC100に直接接続せずに、操作表示部6とカメラヘッド部2を接続して、操作表示部6とPC100を接続した場合も上記と同様である。その際、PC100からのコマンドは操作表示部6を経由してカメラヘッド部2が受信することとなるし、カメラヘッド部2からのコマンドは操作表示部6を経由してPC100が受信する。
図5のカメラソフト300について説明する。デジタルカメラ種301は通信により取得されたデジタルカメラ種であるDC-1が表示されている。ライブ像302は現在の標本像をリアルタイムで表示する動画像であり1秒間に10〜30フレーム程度を表示更新する。撮影ボタン303を押すとその時の画像が静止画像としてハードディスク(HD)108に保存される。露出バー306はライブ像302へ表示される画像の明るさの設定で、このバー位置に応じて、PC100よりカメラヘッド2へ露出設定コマンド"SetExp n"が送信される。ここで、nは露出バー306のバー位置に応じた数字である。なお、バー位置が最左端にある場合は(例えばこの位置をn=0とする)、露出設定コマンド"SetExp 0"は、特別な意味を持たせ、露出について自動設定モードとする。露出補正バー312はライブ像302へ表示される画像の明るさの設定で、露出バー306が"オート"の位置の場合(n=0時)、に、自動で設定された露出を補正する。このバー位置に応じて、PC100よりカメラヘッド2へ露出補正設定コマンド"SetExpAdj n"が送信される。 終了ボタン308はカメラソフトを終了する場合に押すボタンである。画面切り替えボタン309は撮影等、顕微鏡デジタルカメラを制御する"REC"ボタンと撮影した画像を閲覧する"PLAY"ボタンとからなる。
図5は"REC"ボタンが選択されている。"PLAY"ボタンを押した場合が図6である。図6では撮影画像310として4枚の画像が表示されている事で、撮影した画像の確認が可能である。 なお、この場合の電源はPC100からUSBケーブル7内の+5VDC電源線7aにてカメラヘッド部2に供給される。
以上のような第1の実施例の顕微鏡用撮像装置では次のような効果がある。カメラヘッド部2と操作表示部6とを接続した状態で、操作表示部6を使用した顕微鏡標本撮影が行え、PCから制御する場合は、操作表示部6を廃止してカメラヘッド部とPCを接続して行えるので、PC制御時に机上スペースの確保が容易になる。また、カメラヘッド部と操作表示部6とを接続した状態で、操作表示部とPCを接続してPC制御することも可能なので、PC制御の際、カメラレイアウトのバリエーションが増える。例えば、通常はPCを用いず、カメラヘッド部と操作表示部6とを接続した状態で、カメラ制御を行っている場合に、短時間、PCと接続する時、観察者の手元にある操作表示部とPCを接続してPC制御することも可能であるし、長時間使用の場合はPCとカメラヘッドを直接接続して、操作表示部は取り外すことも出来る。その上、PCとカメラヘッドを直接接続して、カメラ制御をしている間に、別の観察者が、取り外した操作表示部を別室にある別のPCと接続、操作表示部内のリムーバブルメディアに収まっている画像をPCに転送したり、閲覧したりすることも可能となる。また、PC制御のみでカメラ制御する場合は、操作表示部が不要となるので、コスト削減になる。さらに、カメラヘッド部と操作表示部の接続ケーブルをUSBケーブルとしたので、市販のUSBケーブルやUSBハブを組み合わせることで、カメラヘッド部と操作表示部の距離を長くするなど可能なので、配置の自由度が向上する。
(第1実施実施例の変形例1)第1実施実施例において、操作表示部6のPC通信端子B37を廃止した場合。
この場合、PCレスでのカメラ操作は、カメラヘッド部と操作表示部6とを接続した状態で行い、PC制御時は図1dのようにカメラヘッド部とPC100を接続することとなる。操作表示部6の通信端子B37を廃止したので、PC通信手段38の廃止を含め、操作表示部6のコスト低減、省スペース実現が可能となる。
(第2実施実施例)次に、本発明の第2実施例について説明する。第1実施例のカメラヘッド部2と操作表示部6との間のUSBケーブル7が専用の電源、通信ケーブルとなっている場合であり、その他の構成は第1実施例と同様であり説明を省略する。
図7に本実施例での、カメラヘッド部2と操作表示部6との接続方法を示す。図7のようにカメラヘッド専用高速ケーブル117によりカメラヘッド部2と操作表示部6が接続されている。この場合のカメラヘッド専用高速ケーブル117は+5VDC電源線117aと通信線群117bとから構成され、通信線群117bは複数の通信線をもっている。このため、カメラヘッド部2と操作表示部6との通信はこの複数の通信線群117bが使用できるために高速化が可能となる。
具体的には、第1の実施例での通信線7bは12Mbps(メガビット/秒)の通信速度を持っており、640x480画素の画像を送信するのに約0.6秒要するとする(1画素あたり、色の要素がRGBと3種あり、1色要素に8bitとして、640x480x3x8=約7.4Mbitデータ。7.4/12Mbps = 0.6s)。本実施例では、通信線群117bが8本の通信線7bから構成されているとすると、この8本の通信線で同時並行に画像を送信可能となる。このため0.6秒/8本 = 約0.08秒と8倍に高速化が可能となる。
図8a、図8bにこの場合のカメラヘッド部2と操作部4の回路構成を示す。図8aでは図2に示した第1実施例のカメラヘッド部2に対して、高速カメラヘッド通信手段119と高速カメラヘッド通信端子B 118が追加されている。カメラヘッド専用高速ケーブル117はこの高速カメラヘッド通信端子B 118に接続される。また、カメラヘッド専用高速ケーブル117がもつ複数の通信線に対しては高速カメラヘッド通信手段119を使用することで同時に複数通信信号の送受信を可能としている。この高速カメラヘッド通信手段119は、画像などの送信データを通信線群117b (8本の通信線7bから構成される)の本数である8分割にして通信線群117bに同時並行に送信可能である(受信分割データの復元も可能)。このような複数通信線があるために、特にカメラヘッド部2から操作部4へ画像の送信のような大量なデータ通信の高速化が可能となる。
図8bでは図3bに示した第1実施例の操作部に対して、カメラヘッド通信端子A203と操作部通信手段39が廃止されて、新たに、カメラヘッド高速通信端子A150と操作部高速通信手段120が追加されている。操作部高速通信手段120は、通信線群117bの複数線により分割、同時並行に送られたデータを1つのデータに変換することが可能である(送信データの分割、送信も可能)。これによりカメラヘッド部とカメラヘッド専用高速ケーブル117を経由した高速な通信を可能にしている。また、第1実施例同様に、カメラヘッド部2に装備するカメラヘッド通信端子B26をUSBケーブル7にてPCに接続することで、PC制御も可能である。
以上のような第2の実施例の顕微鏡用撮像装置では次のような効果がある。カメラヘッド部2と操作部4との通信の高速化が可能となり、観察者のカメラ観察操作性の向上に繋がる。
(第3実施実施例)次に、本発明の第3実施例について説明する。カメラヘッド部2にある画像処理部23がカメラヘッド部2と別体になっていて、画像処理部23がカメラヘッド部2、操作部4、PC100のいずれかに着脱自在になっている場合。
図9a、図9b,図9cに本実施例でのカメラヘッド部2と操作表示部6の構成を示す。図9aのように、図2に示した第1実施例のカメラヘッド部2に対して、カメラヘッド部2から画像処理部23が廃止されている。それ以外は第1実施例のカメラヘッド部2と同様である。図9bに示すように、画像処理部23が画像処理ユニット123として操作表示部6に接続されている。この場合の画像処理部23は図9cのようにCPU201と接続されている。それ以外は第1実施例の操作表示部6と同様である。また、図9dには画像処理ユニット123の内部構成が示されている。画像処理部23が画像処理ユニット通信端子B 124にて接続されている。この画像処理ユニット通信端子B124が操作部4内の画像ユニット通信端子A125と接続されることとなる。
このようにすると画像処理部23が着脱自在たために、例えば、より高色再現性がある画像処理が可能な画像処理部23−1、より高速に処理が行われる画像処理部23−2、廉価版の画像処理部23−3といった種々の画像処理部23を準備して、これらのいずれかを装備した画像処理ユニット123をバリエーションとして増やすことで、観察者が好みな画像処理ユニット123を購入、接続可能とすることが出来る。
画像処理部23−1、23−2、23−3について、簡単に例をあげる。図27aには、高色再現性がある画像処理が可能な画像処理部23−1の構成を示す。画像処理前の12bitRGBデータが12bit色補正回路151に入力する。12bit色補正回路151はあらかじめ設定されたパラメータにて入力RGBデータを補正する。補正が終了すると、12bitWB処理回路152にて白バランスの補正がなされる。この後、12bit-8bit変換回路(γ補正)153にて、12bitのデータを8bitに変換する。最後に輪郭強調処理回路154にて、画像の輪郭部の強調処理を施し、画像処理が完了した8bitRGBデータとして出力する。この際、各回路での処理動作を決定する画像処理部動作クロック156、処理中のバッファとして23−1用メモリ155も画像処理部23−1の構成に含まれる。23−1用メモリ155は12bitRGBデータが収まる分だけの容量が必要となる。
図27bでは、画像処理部23−2の構成を示す。画像処理前の12bitRGBデータが、12bit-8bit回路157で8bitRGBデータに変換される。この8bitデータを8bit色補正回路163、8bitWB処理回路158、に8bit-8bit変換回路(γ補正)159、輪郭強調処理回路154にて、各画像処理を施し、画像処理が完了した8bitRGBデータとして出力する。この場合、画像処理部23−1に対して、最初に扱うデータを12bitから8bitに減じているので、処理の高速化が可能となる。但し、各画像処理機関で使用するデータが画像処理部23−1の12bitから8bitに減じられるために色再現性は画像処理部23−1に対して劣ることとなる。また、23−2用メモリ160は8bitデータを扱うために23−1用メモリ155よりも省容量化、低コスト化が可能である。
図27cでは画像処理部23−3の構成を示す。図27bの画像処理部23−2の構成から輪郭強調処理回路154を廃止している。また、画像処理部動作クロック156を、より低速となる低速画像処理部動作クロック165に変更している。これにより画像処理部23−1や23−2よりも低コスト化を実現している。いずれの画像処理部23も入力データ、出力データ形式が統一なので、これらのいずれかを装備した画像処理ユニット123は操作表示部6に接続が可能である。
以上のような第3の実施例の顕微鏡用撮像装置では次のような効果がある。カメラヘッド部2にある画像処理部23がカメラヘッドと別体になっていて、画像処理部23がカメラヘッド部2、操作部4、PC100のいずれかに着脱自在になっていることで、カメラシステムのバリエーション向上が可能となり、観察者の好みに応じたカメラシステムの構築が容易となる。また、例えば、PCレスでの使用を前提にした観察者に対しては、画像処理部23を操作部4に接続することで、画像処理部23が廃止され小型化されたカメラヘッドを提供し、PC制御専用の観察者に対してはカメラヘッド部に画像処理部23を接続して、表示操作部6を廃止したカメラヘッドを提供するといったカメラシステムのバリエーションの増大が容易になる。また、PCに画像処理ユニット123を接続すれば、PC制御専用の観察者でもカメラヘッド部から画像処理部を廃止可能であるからカメラヘッドの小型化が可能となる。
(第3実施実施例の変形例1)画像処理ユニット123をカメラヘッド部2、操作表示部6、PC100と別体とした場合。
図10aに本変形例の画像処理ユニット123を操作表示部6に接続した場合が示されている。このように画像処理ユニット接続ケーブル126にて接続している。図10bには本変形例での画像処理ユニット123の内部構成が示される。本変形例では画像処理ユニット接続ケーブル126にて画像処理ユニット123とカメラヘッド部2、または操作表示部6、PC100とが接続される。例えば、画像処理ユニット接続ケーブル126をUSBケーブルとした場合、市販のPCの大勢にはUSB端子111が実装されているから画像処理部のPCへの接続性能が向上する。この場合、画像処理ユニット通信端子B124はUSBケーブルが接続可能なコネクタであり、USB通信やその通信内容の画像処理部23への設定は画像処理ユニット翻訳機127が担当するのは言うまでもない。
(第3実施実施例の変形例2)画像処理ユニット123を接続しなくても動作可能な場合。画像処理ユニット123が接続されていない場合は、画像処理を施さずに、光電変換素子20からのデータそのまま(RAWデータ)をリムーバブルメディア35やPC100のHD108に保存する場合。光電変換素子20からのデータそのまま(RAWデータ)でよい観察者は画像処理部23を使用せずに済むので、画像処理部23の削減だけ、省スペース、低コストが実現する。
(第4実施実施例)画像処理ユニット123のIFが例えばPCI-IFの場合。
この場合のPCI画像処理ユニット132の構成を図11に示す。画像処理ユニット通信端子B124が廃止されて、画像処理ユニットPCI通信端子B128が追加されている点が画像処理ユニット123の第3実施例変形例1と異なっている。カメラヘッド部2や操作部4のPCI画像処理ユニット132との接続部もこれに合わせてPCI-IFとなっている(図示しない)。
これにより、画像処理部23とカメラヘッド部2等との通信が高速になる上に、PCとの接続性も、市販のデスクトップ型PCの大勢にはPCIコネクタが実装されているから、確保できる。
以上のような第4の実施例の顕微鏡用撮像装置では次のような効果がある。カメラヘッドや操作表示部、PCと別体とした画像処理部が高速な汎用IFを装備することで、より観察者のカメラ操作性が向上する。汎用IFにしたことで、PCとの接続性が向上する。画像処理部23がカメラヘッド部2、操作部4、PC100のいずれかに着脱自在になっていることで、更なるカメラシステムのバリエーションを増加させることが可能となり、観察者好みのカメラシステムの提供が可能となる。
(第5実施実施例)PCI画像処理ユニット132内にカメラヘッド通信端子Aを含め、PCレス接続の場合は操作部4にPCI画像処理ユニット132を接続、PC接続の場合はPCにPCI画像処理ユニット132を接続する場合。
図12に本実施例でのPCI画像処理ユニット132を示す。カメラヘッド通信端子A203がPCI画像処理ユニット132内に設けられている。図13a、図13bにPCI画像処理ユニット132が操作部4に接続されている構成を示す。図13aのように操作表示部6にPCI画像処理ユニット132を接続する。この場合の回路接続が図13bに示される。図13bのようにカメラヘッド通信端子A203と画像処理部23が直結され、またCPU201とも画像処理ユニットPCI通信端子B 128、画像処理ユニットPCI通信端子A 130によって接続している。カメラヘッド通信端子A203とCPU201とも直結されている。
このようにすることで、カメラヘッドからの画像データについて、CPU201を介さず直接に画像処理部23で画像処理を施すことが可能となる。またCPU201から画像処理部23に命令を下すことも可能であり、CPU201から操作部通信手段39を経由しながらカメラヘッド部2と通信することも可能である。図14aにこの場合のカメラシステム構成を示す。この図のように操作表示部6とPCI画像処理ユニット132が一体となり、USBケーブル7にてPCI画像処理ユニット132とカメラヘッド部2が接続されている。
図14b、図15にはPC100と接続する場合が示されており、PC100内に装備するPCIスロット131にPCI画像処理ユニット132を接続、PCI画像処理ユニット132とカメラヘッド部2をUSBケーブル7にて接続している。
以上のような第5の実施例の顕微鏡用撮像装置では次のような効果がある。カメラヘッドからの画像データについて、CPU201を介さず直接に画像処理部23で画像処理を施すことで処理の高速化が実現できるので、観察者の操作性が向上する。PCI画像処理ユニット132を操作部4に接続すればPCレスなカメラとなり、PCI画像処理ユニット132をPC100に接続すれば、PC制御カメラとなるので、カメラシステムのバリエーションを増やすことができる。PCI画像処理ユニット132内にカメラヘッド接続端子を設けたので、PCに接続した場合に、PCにあるUSB端子111を使用せずに済む。よって、観察者が使用のPCの周辺機器接続数を阻害せずに済む。
(第6実施実施例)PCI画像処理ユニット132とカメラヘッド部2の接続をカメラヘッド専用高速ケーブル133で接続する場合。
図16に本実施例のPCI画像処理ユニット132を示す。カメラヘッド通信端子A203から画像処理部23に複数本の通信線で構成される、画像処理専用通信線群133cが接続されている。図17aのようにカメラヘッドとの接続はカメラヘッド専用高速ケーブル133を使用するが、図17bにケーブルの詳細を示す。このように通信線133bとは別に複数本から成る画像処理専用通信線群133cが存在する。これにより、カメラ制御命令の送受信には通信線133bを使用し、大容量データとなる画像の転送には画像処理専用通信線群133cを使用することが可能となる。この場合、複数の通信線を使用することでより高速な処理が可能となる。
以上のような第6の実施例の顕微鏡用撮像装置では次のような効果がある。PCI画像処理ユニット132とカメラヘッド部2の接続を専用の通信線としたので、画像処理部23に最適な通信方法を用いることで画像処理の高速化が可能となった。これにより観察者の操作性が向上する。
(第6実施実施例の変形例1)PCI画像処理ユニット132内に操作部通信手段39を設置した場合。
この場合、操作部4内の操作部通信手段39は廃止する。操作部通信手段39によりPC100が処理可能な形式の信号に変換されるので、通信線133b を通して行われるPCI画像処理ユニット132とカメラヘッド部2の通信に任意な通信プロトコルを使用可能となる。それゆえ、第5実施例で用いているUSB通信よりも単純な通信プロトコルを用いることが可能になり、通信速度をさらに向上できる。
(第7実施実施例)第一実施例で、USBケーブル7の+5VDC電源線7aの電気容量を5V 500mAから5V 1Aに耐えうるよう強化した場合。
カメラヘッド部2や操作部4への接続方法、コネクタ形状は変更せずに、また、通信線7bを用いた通信も変更しない。この場合、カメラヘッド部2内で使用する光電変換素子20等のような各素子毎に使用可能な電流容量の大型化が可能となる。また、USBケーブル本来の容量である5V、500mAを超えても、別途電源を準備する必要がない。
以上のような第7の実施例の顕微鏡用撮像装置では次のような効果がある。光電変換素子20の画素数アップや、画像処理部23の高速化といった、電流容量が大きくなりがちな性能改善が可能となるので、観察者の操作性の向上につながる。また、別途電源を準備する必要がないので、カメラ設置の際に手間の減少につながる。
(第7実施実施例変形例1)+5VDC電源線7aをUSBケーブル7と独立して設けた場合。図28a〜図28dに本変形例の構成を示す。図28aのように、高容量+5VDC電源線166がUSBケーブル7と独立して設けられている。この場合、この高容量+5VDC電源線166によって、操作表示部6から5V 1Aの電源がカメラヘッド部2に供給されている。図28bにはカメラヘッド部2をPC100に直接接続した場合が示される。この場合、PC100とカメラヘッド部2とはUSBケーブル7で接続されるから、PC100より5V 1Aの電源供給は不可能である。このため、カメラヘッド部2はACアダプタ112と接続、これを電源とし、USBケーブル7からは電源供給を受けない。図28cのようにUSBケーブル7を接続する、カメラヘッド通信端子B26と、高容量+5VDC電源線166を接続する、カメラヘッドー操作部電源端子B172の形状、位置関係を示す。カメラヘッド通信端子B26とカメラヘッドー操作部電源端子B172はこの図28cのようにおよそ15mmの間隔離れてカメラヘッド部2に装備されている。また、操作表示部6側にも同様な構成にてUSBケーブル7と高容量+5VDC電源線166がおよそ15mmの間隔離れて接続可能になっている。図28dには図28cのコネクタに接続されるケーブル、USB一体型高容量+5VDC電源ケーブル168の形状が示される。図28dのように、USBケーブル7と高容量+5VDC電源線 166がゴムチューブ167により一体的になっている。これにより観察者は、独立したUSBケーブル7と高容量+5VDC電源線 166をひとつのケーブルとして扱うことが可能となる。この際、図28cに示されるコネクタ位置関係に合わせて、USB一体型高容量+5VDC電源ケーブル168もUSBケーブル7と高容量+5VDC電源線 166の間隔が15mmとなるようにケーブル緩衝材173で調整されている。
(第8実施実施例)カメラヘッド部2と操作表示部6を接続する際に、カメラヘッド部2の電源として、ACアダプタを使用する場合において、カメラヘッド部2、操作表示部6のいずれか一方、または両方にACアダプタを接続可能とした場合。
図19に、カメラヘッド部2と操作表示部6を接続、ACアダプタ112をカメラヘッド部2と操作表示部6の両方に接続した場合を示す。この場合、カメラヘッド部2に接続されたACアダプタ112はカメラヘッド逆流防止機構134の制御により、電気的にはカメラヘッド部2と非接続状態となっている。このため、操作表示部6に接続されたACアダプタ112から供給される電源にて、操作表示部6は駆動が可能となり、カメラヘッド専用ケーブル117内の+5VDC電源線117aによって、操作表示部6からカメラヘッド部2に電源が供給され、カメラヘッド部2の駆動が可能となっている。カメラヘッド逆流防止機構134について、図20により説明する。まず、初期状態として、ACアダプタがカメラヘッド部2にも操作表示部6にも接続されておらず、カメラヘッドCPU28に電源が一切供給されていないと、ACアダプタスイッチ137、CPU-スイッチ139はon状態となっている。
この状態でACアダプタ112をカメラヘッド部に接続すると、CPU電源供給器146でACアダプタ電圧+5VDCをCPU駆動電圧+3.3Vに変換してカメラヘッドCPU28に電源が供給され、カメラヘッドCPU28が駆動開始する。カメラヘッドCPU28はACアダプタスイッチ制御手段136によりACアダプタスイッチ137をoffとする。次にカメラヘッドCPU28はこの状態でのDC-DCコンバータ115側の電圧を電圧計145にて計測する。この際の電圧値が0Vであれば、操作表示部6側に電源が存在しないと判断し、ACアダプタスイッチ137をonにする。こうすると、カメラヘッド部2側に接続したACアダプタ112の電源が、カメラヘッド部2と操作表示部6の電源として使用される。DC-DCコンバータ115側の電圧が0Vではなく5Vであった場合は、操作表示部6側に電源が存在すると判断し、ACアダプタスイッチ137、CPU-スイッチ139をoffとすることで、カメラヘッド側に接続したACアダプタ112は電気的に非接続状態となる。
同様の逆流防止機構が操作部4側にも実装されていることで、ACアダプタをカメラヘッド部2、操作表示部6のいずれか一方または両方に接続しても、電気的にはいずれか一方に接続したことと同じとなり、かつ、カメラヘッド部2、操作表示部6の両方に電源の供給が可能である。なお、操作表示部6を切り離し、カメラヘッド部2とPCを直接接続する場合や、操作表示部6単体をPCと接続する場合はそれぞれに接続されたACアダプタを電源として使用することとなる。例えば、操作表示部6を切り離し、カメラヘッド部2とPCを直接接続する場合、PC100より使用ACアダプタ指定コマンド"SetAdoptor CameraHead"がカメラヘッド部2に通知される。カメラヘッド部2はこれを受信すると、使用するACアダプタはカメラヘッドと認識し、ACアダプタスイッチ137、CPU-スイッチ139をonとする。これによりカメラヘッド部の電源が確保される。
以上のような第8の実施例の顕微鏡用撮像装置では次のような効果がある。ACアダプタを、カメラヘッド部2、操作表示部6のいずれに接続してもよいので、観察者がカメラを設置しやすくなる。
(第8実施実施例 変形例1)カメラヘッド逆流防止機構134を廃止して電源監視機構を使用する場合。図21に構成を示す。カメラヘッド逆流防止機構134が廃止され、カメラヘッドACアダプタ昇圧器140と電源監視機構141が追加されている。カメラヘッドACアダプタが接続されると、カメラヘッドACアダプタ昇圧器140により電圧が+5VDCから+6VDCに昇圧されて図22のように電源監視機構141の端子1に入力する。一方、図22に示すように電源監視機構141の端子2には操作表示部から(PC接続時はPCから)の電源が接続される。端子2には接続時、+5VDCが供給されている。図22の端子3は各素子への電源元であるDC-DCコンバータ115が接続しているが、端子3への出力は端子1、端子2のうち、電圧の高い方となる。このため、カメラヘッド部2、操作表示部6の両方にACアダプタ接続時はカメラヘッド側ACアダプタが電源と採用され、いずれか一方に接続時は、それを電源とする。この場合は、操作表示部6に逆流防止機構や、電源監視機構が不要なので、操作表示部の回路構成を低減できる。
(第8実施実施例 変形例2)カメラヘッド逆流防止機構134を廃止して、ソフト制御にて使用ACアダプタを切り替える場合。図23にカメラヘッド部2の構成を示す。ACアダプタ112をACアダプタコネクタ135bに挿入すると、ACアダプタ接続検出器144によりACアダプタの接続がカメラヘッドCPU28に通知される。カメラヘッドCPU28はこれを操作部4にあるCPU201に通知する。操作表示部6にも同様な機構を設けることで、CPU201は操作表示部6にACアダプタが接続されているかどうか判断する。もし、カメラヘッド部2と操作表示部6の両方にACアダプタが接続されている場合は、CPU201からカメラヘッドCPU28にカメラヘッド部2に接続のACアダプタの切断要求を行う。カメラヘッドCPU28はこれを受けACアダプタ遮断機145によりカメラヘッド部2に接続されているACアダプタの電気接続を切断する。これにより、両方にACアダプタが接続されていれば、操作表示部6側のACアダプタを使用し、いずれか一方にのみACアダプタが接続時は、それを使用することが可能となる。
(第9実施実施例)第1実施例で、操作表示部6のカメラヘッド通信端子A203に、想定外の機器が接続された場合に、警告を発し、接続を電気的に解除する場合。
本実施例の操作表示部6の構成を図24に示す。操作部通信手段39とカメラヘッド通信端子A203の間にカメラヘッド接続スイッチ142が追加され、このスイッチを制御するカメラヘッド接続スイッチ手段143がCPU201と接続されている。カメラヘッド接続スイッチ142はカメラヘッド通信端子A203に何も接続していないとonとなるように設置されている。それ以外は第1実施例と同様である。
カメラヘッド通信端子A203にカメラヘッド部2を含めUSB機器が接続されると、USB通信規約に基づき、接続された機器の種類を操作表示部6が判別する。その結果、接続機器がカメラヘッド部2ではなく、例えばハードディスクであった場合、カメラヘッド接続スイッチ手段143によりカメラヘッド接続スイッチ142がoffされる。また同時に、操作表示部6の画像表示パネル41上に「接続された機器は使用できません。ただちに取り外してください」を表示し、観察者に警告する。観察者がハードディスクをカメラヘッド通信端子A203から取り外すと、カメラヘッド接続スイッチ142は自動的にonとなり、画像表示パネル41上の警告文もこれに同期して消滅する。観察者がカメラヘッド部2をカメラヘッド通信端子A203に接続すれば、操作表示部6はこれを判別、カメラヘッド接続スイッチ142をonのままとし、通常のカメラ制御が可能となるのは言うまでもない。
以上のような第9の実施例の顕微鏡用撮像装置では次のような効果がある。コネクタ形状から物理的に接続が可能な機器を接続しても動作不能な場合に警告するので、観察者は自身のあやまりに容易に気づき、且つその対処が可能となる。また、カメラヘッド接続スイッチ142をoffするので、動作不能な機器に不用意に電源を供給しないため、操作表示部6、接続した動作不可機器(上記例なら、ハードディスク)ともに誤動作、破損などを未然に防ぐことができる。
(第10実施実施例)第1実施例で、操作表示部6のカメラヘッド通信端子A203に、想定外の機器が接続された場合に、カメラヘッド通信端子A203はUSBハブとなる場合。
この場合、操作表示部6をPC100と接続しておけば、カメラヘッド通信端子A203に接続された機器がPC100に認識され、PC100からの制御にて動作可能となる。操作表示部6のカメラヘッド通信端子A203に機器が接続されると、接続機器認識作業を行う。接続機器は唯一なプロダクトID,ベンダーIDを所有しているので、これを操作表示部6が取得する。取得した両IDがカメラヘッド部2と異なる場合、操作表示部6は操作表示部6のCPU201を再起動する。この時、CPU201はUSB通信について、USBハブとして機能する「USBハブモード」にて再起動復帰する。そのため、再起動復帰すると、PC100からは操作表示部6がUSBハブとして認識される。カメラヘッド通信端子A203に接続の機器は、USBハブ(操作表示部6)に接続されたUSB機器としてPC100から認識され、制御が可能となる。
以上のような第10の実施例の顕微鏡用撮像装置では次のような効果がある。操作表示部6のカメラヘッド通信端子A203に、想定以外の機器を接続しても、操作表示部6をPC100と接続しておけばPC100から制御できるので、観察者の利便性が向上する。
(第10実施実施例 変形例1)第1実施例で、操作表示部6がPC100と接続中は、常にカメラヘッド通信端子A203がUSBハブとなる場合。この場合は、カメラヘッド部2を接続してもPC100と操作表示部6が接続されている場合、操作表示部6はUSBハブ機能となっており、カメラヘッド部2の操作はPC100からのみに限定される。PC100を操作表示部6に接続していない場合は、第1実施例同様に操作表示部6からの操作が可能となる。この場合、カメラヘッド部2と操作表示部6を接続した状態で、操作表示部6にPC100を接続した際に、操作表示部6をPCモードに設定する必要がなくなる。
(第11実施実施例)操作表示部6とカメラヘッド部2を接続し、操作表示部6とPC100を接続する場合に、PC100がカメラヘッド部2を制御する(カメラヘッド通信端子A203がUSBハブ状態)か、PC100の制御対象は操作表示部6であるか、を設定可能な場合。
図25に操作表示部6の画像表示パネル41に表示されるメニュー画面を示す。「カメラヘッド接続方法MENU」で「専用」を選択すると、PC100の制御対象は操作表示部6となる。この場合、操作表示部6の操作により「PCモード」が指定されると、PC制御可能な状態となる。「PCモード」が選択されないとPC制御は不能である。操作表示部6とカメラヘッド部2からなる顕微鏡撮像装置をPC100がリモート制御する、ということになるから、PC100からカメラヘッド部2のみとしては認識できない(操作表示部6とカメラヘッド部2からなる顕微鏡撮像装置として認識する)。
図25の「カメラヘッド接続方法MENU」で「USBハブ」を選択すると、PC100からはハブとしての操作表示部6とハブに接続されたカメラヘッド部2が認識される。この状態では操作表示部6の操作によるカメラ制御や「PCモード」選択はできず、カメラヘッド部2の操作が可能なのは唯一PC100となる。この状態で操作表示部6からカメラ操作を行うには、操作表示部6とPC100のUSB接続を切断するしかない。
以上のような第11の実施例の顕微鏡用撮像装置では次のような効果がある。例えば、カメラ操作を操作表示部6から行う場合とPC100から行う場合と頻繁に切り替える場合は、「カメラヘッド接続方法MENU」で「専用」を選択、操作表示部6の操作を禁止したい時は「USBハブ」というように、その時々の状況に応じて設定を自由に変更できる。よって、観察者の操作性が向上する。
(第12実施実施例)第1実施例で、操作表示部6のカメラヘッド通信端子A203に、あらかじめ操作表示部6に設定された機器が接続された場合に、操作表示部から制御可能となる場合。
例えば、特定のメーカ、型式のハードディスクを制御可能とする場合。図26には操作表示部6が制御可能とする機器のリストが示されている(カメラヘッド部2は当然制御可能としてリストには示されない)。ここでは、AAA社製のハードディスクの型名BBBがリストにあがっている。操作表示部6はカメラヘッド通信端子A203に機器が接続された際デバイスID,プロダクトIDを取得する。取得した両IDが、図26のリストにある対応デバイスID,対応プロダクトIDと一致しているか判断し、両IDとも一致の場合は、操作制御部6から制御可能とする。図26の機器の場合は、ハードディスクであるから、操作表示部6に接続されたリムーバブルメディアとして認識することになる。
以上のような第12の実施例の顕微鏡用撮像装置では次のような効果がある。カメラヘッド通信端子A203に、カメラヘッド以外に制御可能な機器を接続できるので、観察者の操作性が向上する。操作表示部6のリムーバブルメディア35のデータを接続中のAAA社製のハードディスク(型名BBB)に容易にデータコピーできるので、観察者の操作性が向上する。なお、カメラヘッド通信端子A203を複数個設けて、カメラヘッド部2を接続し、かつAAA社製のハードディスク(型名BBB)も接続すれば、撮影制御しながら、撮影画像をハードディスクに保存ができるので、よりいっそう操作性が向上する。
(第13実施実施例)操作表示部6が複数のカメラヘッド通信端子A203をもつ場合。
図29のように第2カメラヘッド通信端子A169と第2操作部通信手段170が図3bに示された第1実施例の操作表示部に対して追加されている。第2カメラヘッド通信端子A169と第2操作部通信手段170の機能は、カメラヘッド通信端子A203と第2操作部通信手段39と同様である。このため、複数のカメラヘッド部2を操作表示部6に接続可能となる。この場合、操作表示部6の持つMENU機能(図示しない)で複数のカメラのうち、制御対象とする1つのカメラヘッドを選択してカメラ制御を行う。また、操作表示部6とPC100と接続しての複数カメラ制御も可能である。図30にその場合のカメラソフトDCS.exeのGUIを示す。図5のデジタルカメラ種301部分が複数デジタルカメラ種切り替えスイッチ 171になっている点が、図30の本実施例でのGUIと図5の第1実施例でのGUIとの相違点となる。
操作表示部6に接続中の2台のカメラから取得のデジタルカメラ種がGUI上の複数デジタルカメラ種切り替えスイッチ171に表記されている(1台がDC-1でもう1台がDC-2)。このうち図30では「DC-1」が選択されており、この状態で撮影ボタン303を押せば、DC-1カメラヘッドで観察中の画像が撮影される。DC-2カメラヘッドの操作をする場合は、複数デジタルカメラ種切り替えスイッチ 171を押下する。するとDC-2が選択され、DC-2に対して露出,撮影制御等が可能となる。
以上のような第13の実施例の顕微鏡用撮像装置では次のような効果がある。1つの操作表示部6で複数のカメラヘッドが制御可能なので、机上スペース確保、低コスト化が可能となり、観察者の操作性が向上する。
(第13実施実施例変形例1)操作表示部6に接続された2台のうち1台はPC制御、1台は操作表示部6からの制御というように、1台づつ制御ホストが選択可能な場合。この場合、操作表示部6のMENU機能により接続中のカメラヘッド1台づつ、制御ホストを設定、以後はそのホストにて動作する。このようにすると、接続中の複数カメラヘッドのホストを別々に出来るので観察者の操作性向上につながる。
(第13実施実施例変形例2)接続された複数カメラヘッドを同時制御する場合。操作表示部6に2台のカメラヘッドが接続されている時に、操作表示部6で行うカメラ制御命令が2台に同時に発せられ、2台のカメラヘッドが同じ動作を行う場合。例えば、観察者が操作表示部6上のEXPOSEスイッチ31を押すと、2台のカメラヘッドに対して撮影命令が発せられて、2台とも撮影を行う。このようにすると、2台のカメラヘッドを同じ標本の異なる場所位置に設置して、その2カ所を同時に撮影することもできる。また、2台のカメラヘッドの標本位置を同じにしておき、1台のカメラヘッドはピント位置、もう1台のカメラヘッドはピント位置が微妙に異なる位置で撮影して、2台のカメラヘッドの画像を合成、より合焦ダイナミックレンジを稼いだ画像を取得する、といったことにも応用が可能となる。
以上、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変形実地が可能である。例えば、本実施例では、顕微鏡デジタルカメラとPCがUSB接続される場合としたが、その他の通信IF(IEE1394、LANなど)としてもよい。