図1および図2は、本発明を適用した電子カメラの一実施例の構成を示す斜視図である。説明の便宜上、被写体を撮影する場合において、電子カメラ1を構成する6つの面のうち、被写体に向けられる面を面X1とし、ユーザ側に向けられる面を面X2とする。面X1の上端部には、被写体の撮影範囲の確認に用いられるファインダ2、被写体の光画像を取り込む撮影レンズ3、被写体を照明する光を発光する発光部(ストロボ)4、および赤目現象を抑制するための赤目軽減ランプ44が設けられている。
一方、面X1に対向する面X2の上端部(面X1のファインダ2、撮影レンズ3、および発光部4が形成されている上端部に対応する位置)には、上記ファインダ2、およびスピーカ5が設けられ、スピーカ5は、電子カメラ1が内蔵するメモリカード等に記録されている音声データに対応する音声を出力するようになされている。また、面X2上に形成されているLCD6および操作キー7は、ファインダ2、撮影レンズ3、発光部4、およびスピーカ5よりも、鉛直下側に配置されている。また、LCD6の表面上には、所定のペン型指示装置(以下、適宜ペンと略記する)46の接触操作によって指示された位置に対応する位置データを出力する、いわゆるタッチタブレット6Aが形成されている。
このタッチタブレット6Aは、ガラス、樹脂等の透明な材料によって構成されており、ユーザは、タッチタブレット6Aの内側に形成されているLCD6に表示される画像を、タッチタブレット6Aを介して観察することができるようになっている。
操作キー7は、後述するように各種の機能に対応した複数のキーによって構成されており、ペン型指示装置46により操作され、内蔵するメモリカード等に記録した画像データ、音声データ、あるいはテキストデータ等の記録データを再生し、LCD6に表示する場合などに用いられる。例えば、メニューキー7Aは、LCD6上にメニュー画面を表示させるとき、操作される。実行キー7Bは、ユーザによって選択された記録データを再生するとき、操作される。
また、クリアキー7Cは、記録データを削除するとき、操作される。キャンセルキー7Dは、記録データの再生処理を中断するとき、操作される。スクロールキー7Eは、LCD6に記録データの一覧が表示されている場合において、画面を上下方向にスクロールさせるとき、操作される。
この電子カメラ1の上面である面Zには、音声を集音するマイクロホン(マイク)8、および図示せぬイヤホンを接続するためのイヤホンジャック9が設けられている。
左側面(面Y1)には、被写体を撮影するときに操作されるレリーズスイッチ10、および電源のオン/オフを切り替える電源スイッチ11が設けられている。このレリーズスイッチ10、および電源スイッチ11は、面X1の上端部に設けられているファインダ2、撮影レンズ3、および発光部4よりも鉛直下側に配置されている。
一方、面Y1に対向する面Y2(右側面)には、音声を録音するときに操作される録音スイッチ12と、撮影時の連写モードを切り換えるときに操作される連写モード切り換えスイッチ13が設けられている。この録音スイッチ12および連写モード切り換えスイッチ13は、上記レリーズスイッチ10および電源スイッチ11の場合と同様に、面X1の上端部に設けられているファインダ2、撮影レンズ3、および発光部4よりも鉛直下側に配置されている。また、録音スイッチ12は、面Y1のレリーズスイッチ10とほぼ同じ高さに配置されており、左右どちらの手で持っても、違和感がないようになっている。
なお、レリーズスイッチ10の高さと、録音スイッチ12の高さを、あえて異ならせるようにし、例えば、一方のスイッチだけを指で押した場合に、この押圧力によって発生するモーメントを打ち消すために、同時に反対側の側面を指で保持したとき、反対側の側面に設けられたスイッチを誤って押してしまわないようにすることができる。
上記連写モード切り換えスイッチ13は、ユーザがレリーズスイッチ10を押して被写体を撮影するとき、被写体を1コマだけ撮影するのか、または、所定の複数コマを連続して撮影するのかを設定する場合に用いられる。例えば、連写モード切り換えスイッチ13の指針が「S」と印刷された位置に切り換えられている(すなわち、Sモードに切り換えられている)場合において、レリーズスイッチ10が押されると、1コマだけ撮影が行われる。
また、連写モード切り換えスイッチ13の指針が「L」と印刷された位置に切り換えられている(すなわち、Lモードに切り換えられている)場合において、レリーズスイッチ10が押されると、レリーズスイッチ10が押されている間、例えば、1秒間に8コマの割合で撮影が行われる。すなわち、低速連写モードによる撮影が行われる。
さらに、連写モード切り換えスイッチ13の指針が「H」と印刷された位置に切り換えられている(すなわち、Hモードに切り換えられている)場合において、レリーズスイッチ10が押されると、レリーズスイッチ10が押されている間、例えば、1秒間に30コマの割合で撮影が行われる。すなわち、高速連写モードでの撮影が行われる。
次に、電子カメラ1の内部の構成について説明する。図3は、図1および図2に示す電子カメラの内部の構成例を示す斜視図である。CCD20は、撮影レンズ3の後段(面X2側)に設けられており、撮影レンズ3を介して結像する被写体の光画像を対応する電気信号(画像信号)に光電変換して出力するようになされている。
LCD6の鉛直下側には、例えば、円柱形状の4本のバッテリ(例えば単3の乾電池)21が並べて配置されており、このバッテリ21に蓄積されている電力が各部に供給される。また、発光部4が発光するとき必要とされる電荷を蓄積するコンデンサ22が、バッテリ21と並べて配置されている。
回路基板23には、この電子カメラ1の各部を制御する、種々の制御回路が形成されている。また、回路基板23と、LCD6およびバッテリ21の間には、挿抜可能なメモリカード(記録媒体)24が設けられており、電子カメラ1に入力される各種の情報がメモリカード24の予め設定された各領域に記録される。
なお、本実施例においては、メモリカード24は挿抜可能とされているが、回路基板23上にメモリを設け、そのメモリに各種情報を記録可能とするようにしてもよい。さらに、メモリカード(またはメモリ)24に記録されている各種情報を、入出力ポート25を介して外部のパーソナルコンピュータ等に出力させるようにすることも可能である。
次に、本実施例の電子カメラ1の内部の電気的構成例を、図4に示したブロック図を参照して説明する。複数の画素を備えているCCD20は、各画素に結像した光画像を画像信号(電気信号)に光電変換するようになされている。CCD駆動回路39は、後述するディジタルシグナルプロセッサ(以下、DSPという)33に制御され、CCD20を駆動するようになされている。レンズ駆動回路30は、撮影レンズ3を光軸方向に移動させ、フォーカシング制御等を行うようになされている。
画像処理部31は、相関二重サンプリング回路(以下、CDSという)およびAGC(自動利得制御回路)等により構成され、CDSは、CCD20が光電変換した画像信号を所定のタイミングでサンプリングするようになされている。AGCは、CDSによりサンプリングされた信号の利得(ゲイン)を制御するようになされている。アナログ/ディジタル変換回路(以下、A/D変換回路という)32は、画像処理部31のCDSによってサンプリングされた画像信号をディジタル化してDSP33に供給するようになされている。
DSP33は、ディジタル化された画像データをバッファメモリ35に一旦供給し、記憶させる。そして、バッファメモリ35に記憶された画像データを読み出し、例えば、後述するJPEG(Joint Photographic Experts Group)方式等で圧縮した後、データバス48を介してメモリカード24に供給し、所定の領域(画像記録領域)に記録させるようになされている。
また、CPU36は、タイマ45から時刻を取得し、撮影した日時の情報を画像データのヘッダ情報として、メモリカード24の画像記録領域に記録するようになされている。すなわち、メモリカード24の画像記録領域に記録される画像データには、撮影日時のデータが付加される。
マイクロホン(マイク)8は音声を入力し、その音声に対応する音声信号をA/D−D/A変換器38に供給するようになされている。A/D−D/A変換器38は、供給された音声信号をディジタルの音声データに変換し、DSP33に供給するようになされている。DSP33は、A/D−D/A変換器38より供給された音声データを圧縮した後、メモリカード24に供給し、所定の領域(音声記録領域)に記録させるようになされている。また、このとき、メモリカード24の音声記録領域には、録音日時のデータが音声データのヘッダ情報として記録されるようになされている。
また、ストロボ駆動回路41は、CPU36により制御され、ストロボ(発光部)4を駆動するようになされている。ストロボ4は、ストロボ駆動回路41により駆動され、所定のタイミングで発光し、被写体に対して光を照射するようになされている。充電電圧検出回路53は、ストロボ駆動回路41を構成するコンデンサ22の電圧値を検出し、検出した電圧値に対応する信号をCPU36に供給するようになされている。
赤目軽減ランプ駆動回路43は、CPU36によって制御され、赤目軽減ランプ44を駆動するようになされている。赤目軽減ランプ44は、赤目軽減ランプ駆動回路43によって駆動され、所定のタイミングで発光するようになされている。
ユーザが操作するペン型指示装置46によって、タッチタブレット6Aの所定の位置が押圧されると、CPU36は、タッチタブレット6Aの押圧された位置に対応するXY座標を読み取り、その座標データ(後述する線画情報を構成する)を図示せぬ所定のメモリに蓄積するようになされている。また、CPU36は、メモリに蓄積した線画情報を、線画情報を入力した日時等のヘッダ情報とともに、メモリカード24に供給し、線画情報記録領域に記録させるようになされている。
CPU36には、CPU制御バス49を介してバッファメモリ35とフレームメモリ47が接続されており、フレームメモリ47にはLCD6が接続されている。そして、バッファメモリ35に記憶されている画像データに対応する画像を、フレームメモリ47を介してLCD6に表示することができるようになされている。但し、圧縮処理を受けた画像データは、一旦、DSP33によって伸長されてからデータバス48を介してバッファメモリ35に供給されるようになされている。
また、A/D−D/A変換器38には、スピーカ5が接続されており、メモリカード24より読み出された音声データは、DSP33によって伸張され、A/D−D/A変換器38によりアナログの音声信号に変換された後、スピーカ5より出力されるようになされている。検出回路40は、バッテリ21の電圧値を検出し、検出した電圧値に対応するデータをCPU36に供給するようになされている。
また、操作キー7、および図1乃至図3におけるレリーズスイッチ10、電源スイッチ11、録音スイッチ12、および連写モード切り替えスイッチ13等の各スイッチが操作されると、対応する信号がCPU36に供給されるようになされている。そして、CPU36は、操作キー7または各スイッチが操作されたとき、対応する所定の処理を実行するようになされている。
ファインダ表示回路51は、ファインダ2内に設けられたファインダ表示素子52を制御し、例えば、現在、設定されているシャッタ速度や絞り値、合焦しているか否かを示す情報、ストロボ4を使用できるか否かを示す情報(コンデンサ22の充電電圧が所定値であるか否か)等の情報を文字や図形で表示し、ユーザに知らせるようになされている。
インタフェース50は、入出力ポート25を介して外部機器との間でデータの入出力を行うようになされている。
次に、その動作について説明する。最初に、上記実施例における音声の入出力処理について説明する。図1に示す電源スイッチ11が「ON」と印刷されている側に切り換えられ、電子カメラ1に電源が投入され、面Y2に設けられている録音スイッチ12が押されると、録音処理(音声の入力とその記録を行う処理)が開始される。即ち、マイクロホン8を介して入力された音声は、A/D−D/A変換器38によって、ディジタルの音声データに変換され、DSP33において圧縮処理が施された後、メモリカード24に供給され、メモリカード24の音声記録領域に記録される。このとき、メモリカード24の音声記録領域には、録音日時等のデータが、圧縮された音声データのヘッダ情報として記録される。このような動作が、例えば、録音スイッチ12を押圧している間、繰り返し実行される。あるいは、録音スイッチ12を押した後、所定の時間だけ繰り返し実行される。
なお、音声の圧縮方法としては、PCM(Pulse Code Modulation)方式、その他の方法を用いることができる。
次に、被写体を撮影する場合の動作について説明する。最初に、面Y2に設けられている連写モード切り換えスイッチ13が、Sモード(1コマだけ撮影を行うモード)に切り換えられている場合について説明する。まず、図1に示したように、面Y1側に設けられた電源スイッチ11を「ON」と印刷されている側に切り換えて、電子カメラ1に電源を投入する。ファインダ2で被写体を確認し、面Y1に設けられているレリーズスイッチ10を押すと、被写体の撮影処理が開始される。
ファインダ2で観察される被写体の光画像が撮影レンズ3によって集光され、複数の画素を備えるCCD20に結像する。CCD20に結像した被写体の光画像は、各画素において画像信号に光電変換され、画像処理部31を構成するCDSによってサンプリングされる。CDSによってサンプリングされた画像信号は、画像処理部31を構成するAGCにおいてそのゲインが制御された後、A/D変換回路32に供給され、そこでディジタル化されてDSP33に供給される。
DSP33は、ディジタル化された画像データをバッファメモリ35に一旦供給し、記憶させる。そして、バッファメモリ35に記憶された画像データを、離散的コサイン変換、量子化、およびハフマン符号化を組み合わせたJPEG方式に従って圧縮する。その後、圧縮した画像データをデータバス48を介してメモリカード24に供給する。メモリカード24は、DSP33より供給された画像データを画像記録領域に記録する。このとき、メモリカード24の画像記録領域には、撮影日時のデータが上記画像データのヘッダ情報として記録される。
なお、連写モード切り換えスイッチ13がSモードに切り換えられている場合においては、レリーズスイッチ10が押される毎に、1コマの撮影だけが行われる。従って、レリーズスイッチ10を押し、そのまま継続して押し続けても、1コマの撮影だけが行われる。また、例えば、レリーズスイッチ10が所定の時間だけ継続して押され続けると、LCD6上にいま撮影した画像が表示されるようにすることもできる。
次に、連写モード切り換えスイッチ13がLモード(1秒間に8コマの連写を行うモード)に切り換えられている場合について説明する。電源スイッチ11を「ON」と印刷されている側に切り換えて電子カメラ1に電源を投入し、面Y1に設けられているレリーズスイッチ10を押すと、次のようにして、被写体の撮影処理が開始される。
ファインダ2で観察される被写体からの光が撮影レンズ3によって集光され、複数の画素を備えるCCD20上に結像する。CCD20に結像した被写体の光画像は、各画素において画像信号に光電変換され、画像処理部31のCDSによって1秒間に8回の割合でサンプリングされる。また、このとき、CDSは、CCD20からの全画素に対応する画像電気信号のうち、例えば、その4分の3の画素に相当するものを間引く。
CDSによってサンプリングされた画像信号(CCD20の全画素中の4分の1の画素の画像信号)は、A/D変換回路32に供給され、そこでディジタル化されてDSP33に出力される。
ディジタル化された画像データは、DSP33によりバッファメモリ35に一旦供給され、記憶される。そして、バッファメモリ35に記憶された画像データは、DSP33により読み出され、JPEG方式に従って圧縮される。圧縮処理された画像データは、データバス48を介してメモリカード24に供給され、画像記録領域に記録される。このとき、メモリカード24の画像記録領域には、撮影日時のデータが、上記画像データのヘッダ情報として記録される。
次に、連写モード切り換えスイッチ13がHモード(1秒間に30コマの連写を行うモード)に切り換えられている場合について説明する。電源スイッチ11を「ON」と印刷されている側に切り換えて電子カメラ1に電源を投入し、面Y1に設けられているレリーズスイッチ10を押すと、次のようにして、被写体の撮影処理が開始される。
ファインダ2で観察される被写体からの光が撮影レンズ3によって集光され、CCD20上に結像する。複数の画素を備えるCCD20に結像した被写体の光画像は、各画素において画像信号に光電変換され、画像処理部31のCDSによって1秒間に30回の割合でサンプリングされる。また、このとき、CDSは、CCD20からの全画素に対応する画像電気信号のうち、例えば、その9分の8の画素に相当するものを間引く。
CDSによってサンプリングされた画像信号(CCD20の全画素中の9分の1の画素の画像信号)は、A/D変換回路32に供給され、そこでディジタル化されてDSP33に出力される。
DSP33は、ディジタル化された画像データをバッファメモリ35に一旦供給し、記憶させる。そして、DSP33は、バッファメモリ35に記憶された画像データを読み出し、JPEG方式に従って圧縮する。このようにして、ディジタル化および圧縮処理された画像データは、データバス48を介してメモリカード24に供給され、撮影日時のヘッダ情報とともに、メモリカード24の画像記録領域に記録される。
なお、被写体の撮影時に、必要に応じてストロボ(発光部)4を動作させ、被写体に光を照射することもできる。その場合、ストロボ駆動回路41の制御により、ストロボ4が所定のタイミングで発光する。また、赤目現象を抑制するために、赤目軽減ランプ44を発光させることもできる。その場合、赤目軽減ランプ駆動回路43の制御により、赤目軽減ランプ44が所定のタイミングで発光する。
次に、タッチタブレット6Aを用いて、2次元の情報(ペン入力情報(線画情報))を入力する場合の動作について説明する。タッチタブレット6Aにペン型指示装置46のペン先を接触させると、接触した箇所のXY座標に対応するデータがCPU36に供給される。CPU36は、このXY座標に対応するデータに基づいて、フレームメモリ47の上記XY座標に対応する位置に、例えば、所定の大きさの点に対応する画像データを書き込む。これにより、LCD6上の対応する位置に、所定の大きさの点が表示される。
上述したように、LCD6の表面上に形成されているタッチタブレット6Aは、透明部材によって構成されているので、ユーザは、LCD6上の、ペン型指示装置46のペン先でタッチタブレット6Aを押圧した位置に表示される点を観察することができ、あたかもLCD6上に直接ペン入力をしたかのように感じることができる。また、ペン型指示装置46をタッチタブレット6Aに接触させながら移動させると、LCD6上には、ペン型指示装置46が移動した軌跡に沿って線が表示される。さらに、ペン型指示装置46をタッチタブレット6A上で断続的に移動させると、LCD6上には、ペン型指示装置46の移動に伴って破線が表示される。以上のようにして、ユーザは、タッチタブレット6A、LCD6を用いて、所望の文字、図形等の線画情報を入力することができる。
また、LCD6上に画像が表示されている場合において、ペン型指示装置46によって例えば文字等の線画情報が入力されると、この線画情報がフレームメモリ47で合成され、画像情報とともにLCD6上に同時に表示される。
なお、ユーザは、図示せぬ色選択スイッチを操作することにより、LCD6上に表示される線画の色を、黒、白、赤、青等の複数の色から選択するようにすることができる。
ペン型指示装置46とタッチタブレット6Aによる線画情報の入力後、操作キー7の実行キー7Bが押されると、バッファメモリ35等に一旦蓄積されていた線画情報が、DSP33によって圧縮された後、入力日時のヘッダ情報とともにCPU制御バス49を介してメモリカード24に供給され、メモリカード24の線画情報記録領域に記録される。
このように、メモリカード24に記録される線画情報は、圧縮処理が施された情報である。タッチタブレット6Aによって入力された線画情報は空間周波数成分の高い情報を多く含んでいるので、上記画像の圧縮に用いられるJPEG方式によって圧縮処理を行うと、圧縮効率が悪く、情報量があまり少なくならない。また、JPEG方式による圧縮は、非可逆圧縮であるので、情報量の少ない線画情報の圧縮には適していない。これは、伸長してLCD6上に表示した場合、情報の欠落に伴うギャザ、にじみ等が際だってしまうためである。
そこで、例えば、ファックス等において用いられるランレングス法によって、線画情報を圧縮するようにする。ランレングス法とは、線画を水平方向に走査し、黒、白、赤、青等の各色の情報(点)の継続する長さ、および無情報(ペン入力のない部分)の継続する長さを符号化することにより、線画情報を圧縮する方法である。
このランレングス法を用いることにより、線画情報を効率的に圧縮することができ、また、圧縮された線画情報を伸長した場合においても、情報の欠落を抑制することが可能になる。なお、線画情報の情報量が比較的少ない場合には、それを圧縮しないようにすることもできる。
また、上述したように、LCD6上に画像が表示されている場合において、ペン入力を行うと、画像データとペン入力された線画情報がフレームメモリ47で合成され、画像と線画の合成画像がLCD6上に表示される。しかしながら、メモリカード24上においては、画像データは画像記録領域に、線画情報は線画情報記録領域に別々に記録される。このように、2つの情報が、それぞれ異なる領域に記録されるので、ユーザは、画像と線画の合成画像から、いずれか一方だけを削除することができる。また、各画像情報を個別の圧縮方法で圧縮して記録することもできる。
メモリカード24の音声記録領域、画像記録領域、および線画情報記録領域の少なくともいずれか1つにデータを記録した場合、図5に示すように、記録された情報の一覧を示す一覧表示画面をLCD6に表示することができる。図5に示すLCD6の一覧表示画面上においては、情報を記録した時点の年月日(記録年月日)(この場合、1995年8月25日)が画面の下端部に表示され、その記録年月日に記録された情報の記録時刻が画面の最も左側に表示される。
記録時刻の右隣には、画像データが記録されている場合、サムネイル画像が表示される。このサムネイル画像は、メモリカード24に記録された各画像に対応するビットマップデータを間引くことによって作成された縮小画像である。従って、サムネイル画像が表示されている情報は、画像情報を含む情報である。即ち、「10時16分」と「10時21分」に記録(入力)された情報には、画像情報が含まれており、「10時05分」、「10時28分」、「10時54分」、「13時10分」に記録された情報には、画像情報が含まれていない。
また、メモ記号「*」は、所定のメモが線画情報として記録されていることを表している。
さらに、サムネイル画像の表示領域の右側には、音声情報バーが表示され、音声が録音された時間に対応する所定の長さを有するバー(線)が表示される。音声情報が記録されていない場合、この音声情報バーは表示されない。
ユーザは、図5に示した画面上において、所望の情報が表示された矩形領域内を、ペン型指示装置46のペン先で押圧することにより、再生すべき情報を選択指定し、図2に示した実行キー7Bをペン型指示装置46のペン先で押圧することによって、選択した情報の再生を指示する。これにより、選択された情報が出力される。
例えば、図5に示した画面上において、「10:05」が表示されている帯状の領域内がペン型指示装置46によって押圧されると、CPU36は、DSP33に、選択された録音日時(10時05分)に対応する音声を再生するように指令する。
DSP33は、CPU36からの指令に従って、メモリカード24から音声データを読み出し、伸張処理を施した後、A/D−D/A変換器38に供給する。A/D−D/A変換器38は、DSP33より供給された伸張された音声データをアナログ信号に変換した後、スピーカ5より出力させる。なお、イヤホンジャック9に図示せぬイヤホンが接続されている場合においては、スピーカ5からは音声が出力されず、イヤホンより音声が出力される。
メモリカード24に記録した画像データを再生する場合、ユーザは、所望のサムネイル画像をペン型指示装置46のペン先で押圧することにより、その情報を選択し、次に、実行キー7Bを押すことにより、選択した情報の再生を指示する。
選択されたサムネイル画像に対応する画像データは、DSP33によってメモリカード24から読み出され、伸長される。伸張された画像データは、CPU制御バス49を介してフレームメモリ47に供給され、ビットマップデータとして記憶される。次に、フレームメモリ47に記憶された画像データに対応する制御信号がLCD6に供給され、対応する画像が表示される。
このとき、音声データも記録されている場合(例えば、記録時刻が「10:16」、「10:21」の場合)、上述したようにして、スピーカ5またはイヤホンより音声を出力させるようにすることもできる。
次に、図6乃至図8に示したフローチャートを参照して、主に電子カメラ1の記録モードにおける動作について説明する。最初、図6のステップS1において、CPU36は、記録モード、再生モード等のモードを示すモードフラグの値を0に設定する。次に、ステップS2において、CPU36により、モードフラグの値が判定される。モードフラグの値が0であると判定された場合、ステップS4に進み、記録モードにおける処理が実行される。いまの場合、ステップS1においてモードフラグの値が0に設定されているので、ステップS4に進み、記録モードにおける処理が実行されることになる。
図7は、図6のステップS4において実行される記録モードにおける処理の手順を示すフローチャートである。最初に、ステップS11において、ストロボ4を充電する処理が実行される。即ち、ストロボ4が動作するために必要とされる電荷をコンデンサ22に供給する処理が実行される。
図8は、図7のステップS11において実行される処理の詳細を示すフローチャートである。最初、ステップS21において、タイマ45のカウント値を0にリセットする。次に、ステップS22において、ストロボ4の充電を開始する処理が行われる。例えば、バッテリ21とコンデンサ22とを接続し、バッテリ21からコンデンサ22へ電力が供給されるようにする。上述したように、コンデンサ22はストロボ駆動回路41を構成し、充電電圧検出回路53は、コンデンサ22の充電電圧を検出するようになされている。
ステップS23においては、充電電圧検出回路53により、ストロボ駆動回路41を構成するコンデンサ22の充電電圧が検出され、コンデンサ22の充電電圧がストロボ4を発光させるために必要な所定の値であるか否かが判定される。コンデンサ22の充電電圧が所定の値であると判定された場合、ステップS24に進み、例えば、3秒間だけ追加充電を行う。これは、充電電圧検出回路53の検出精度にばらつきがあるため、それを補償するために行われる。
次に、ステップS25において、CPU36の制御により、充電終了処理が行われる。例えば、CPU36の制御下、ストロボ駆動回路41はバッテリ21とコンデンサ22との間の接続を切り、バッテリ21からコンデンサ22への電力の供給を停止させ、リターンする。
一方、ステップS23において、コンデンサ22の充電電圧が所定値より小さいと判定された場合、ステップS26に進み、記録モードを抜け出す操作がなされたか否かが判定される。例えば、記録モードや再生モードを設定するためのスイッチが操作されたか否かが判定される。記録モードを抜け出す操作がなされたと判定された場合、ステップS27に進み、充電終了処理が実行される。次に、ステップS28において、モードフラグに他のモード(この場合、記録モード以外の再生モード等のモード)に対応する値を設定し、リターンする。
また、ステップS26において、記録モードを抜け出す操作がなされていないと判定された場合、ステップS29に進み、他の操作がなされたか否かが判定される。例えば、レリーズスイッチ10、録音スイッチ12、タッチタブレット6A、操作キー7等が操作されたか否かが判定される。他の操作がなされていないと判定された場合、ステップS23に戻り、ステップS23以降の処理が繰り返し実行される。一方、他の操作がなされたと判定された場合、リターンする。
ステップ25、またはステップS28、またはステップS29の処理が終了し、リターンすると、次に、図7のステップS12に進み、モードフラグの値が判定される。モードフラグの値が0(記録モード)であると判定された場合、ステップS13に進み、図8のステップS29において、所定の処理Aを実行させるための操作がなされていた場合、処理Aが実行される。ステップS14においては、図8のステップS29において、所定の処理Bを実行させるための操作がなされていた場合、処理Bが実行される。
次に、ステップS15において、タイマ45のカウント値が所定の時間に対応するカウント値より大きいか否かが判定され、タイマ45のカウント値が所定の基準時間に対応するカウント値より大きいと判定された場合、ステップS11に戻り、ストロボ4の充電処理が再度、実行される。ここでの基準時間は、例えば2分間とすることができる。これにより、ほぼ2分間隔でコンデンサ22を充電することができ、コンデンサ22に蓄積された電荷が自然放電され、充電電圧がストロボ4を発光させるために必要とされる基準電圧より低下することを防止することができる。
一方、タイマ45のカウント値が所定の基準時間に対応するカウント値より小さいかまたは等しいと判定された場合、ステップS12に戻り、ステップS12以降の処理が繰り返し実行される。
また、ステップS12において、モードフラグの値が0以外であると判定された場合、即ち、図8のステップS26において、記録モードを抜け出す操作がなされたと判定され、ステップS28において、モードフラグに他のモード(この場合、記録モード以外のモード)に対応する値(0以外)が設定された場合、リターンし、図6のステップS2に戻る。
図8のステップS28において、例えば、モードフラグの値が1(再生モード)に設定された場合、図6のステップS2において、モードフラグの値が1であると判定され、ステップS3に進み、再生モードにおける処理が実行される。また、図8のステップS28において、モードフラグの値が0および1以外の値に設定された場合、図6のステップS2において、モードフラグの値は、0および1以外の値であると判定され、ステップS5に進み、その他のモードの処理が実行される。
ステップS3における処理、またはステップS4における処理、またはステップS5における処理が終了すると、ステップS2に戻り、ステップS2以降の処理が繰り返し実行される。
また、ステップS4の記録モードの処理における場合と同様に、ステップS3、ステップS5において、モードを変更する操作がなされると、リターンし、ステップS2に戻り、ステップS2以降の処理が繰り返し実行される。
このように、電源スイッチ11をオンにすると、直ちに記録モードに入るため、ユーザは、電源スイッチ11をオンにした後、レリーズスイッチ10を操作することにより、所定の被写体の画像を撮影することができるので、撮影チャンスを逃すことがないようにすることができる。同様に、電源スイッチ11をオンにした後、録音スイッチ12を操作することにより、所定の音声を記録することができるので、録音チャンスを逃すことがないようにすることができる。
また、記録モードにおいては、所定の時間間隔でストロボ4への充電が行われているため、所定の被写体を撮影する場合に、ストロボ4への充電が行われていないため、ストロボ4を発光させることができずに撮影チャンスを逃すといったことを抑制することができる。また、記録モード以外のモードでは、ストロボ4への充電が停止されるので、バッテリ21の無駄な消耗を抑制することができる。
さらに、記録モード以外のモードにおいては、光学ファインダ2内に設けられたファインダ表示回路51およびファインダ表示素子52への電力の供給を停止するようにすることができる。また、記録モード以外のモードにおいては、CCD20、画像処理部31、レンズ駆動回路30、CCD駆動回路39等の撮像に関連した処理を行う撮像部への電力の供給を停止する。これにより、バッテリ21の無駄な消耗を抑制することができる。
また、上記実施例で挙げた以外に、記録モード以外のモードにおいては、記録のみに関係する機能の駆動を停止させてよい。例えば、電動ズームレンズを撮影レンズとして使用するカメラ、オートフォーカス機能を有するカメラにおける、撮影レンズのレンズ駆動を停止させるようにしてもよい。
ところで、上述したように、記録モードにおいては、録音スイッチ12は、マイクロホン8より入力された音声のメモリカード24への記録の開始を指示する機能を有している。ところが、再生モードにおいては、この録音スイッチ12は何の機能も有していない状態となる。そこで、再生モードにおいては、録音スイッチ12が、メモリカード24に記録された音声データの再生の開始を指示するスイッチ(再生スイッチ)として機能するようにする。
これにより、1つのスイッチに複数の機能を持たせることができ、操作部材の簡略化を行うとともに、操作性を向上させることができる。
なお、上記実施例においては、ファインダ2を光学的なものとしたが、液晶を用いた液晶ファインダを用いるようにすることも可能である。
また、上記実施例においては、マイクロホンを1つだけ設けるようにしたが、マイクロホンを左右に2つ設けるようにし、音声をステレオで記録するようにすることも可能である。
また、上記実施例においては、ペン型指示装置を用いて各種情報を入力するようにしたが、指を用いて入力するようにすることも可能である。
さらに、LCD6に表示された表示画面は一例であって、これに限定されるものではなく、様々なレイアウトの画面を用いるようにすることが可能である。同様に、操作キーの種類やレイアウトも一例であって、これに限定されるものではない。