以下、本発明の実施例を図面を参照して説明する。
図1および図2は、本発明を適用した電子カメラの第1の実施例の構成を示す斜視図である。本実施例の電子カメラにおいては、被写体を撮影する場合において、被写体に向けられる面が面X1とされ、ユーザ側に向けられる面が面X2とされている。面X1の上端部には、被写体の撮影範囲の確認に用いられるファインダ2、被写体の光画像を取り込む撮影レンズ3(集光手段)、および、被写体を照明する光を発光するストロボ4が設けられている。
一方、面X1に対向する面X2の上端部(面X1のファインダ2、操作レンズ3、ストロボ4が形成されている上端部に対応する位置)には、上記ファインダ2、および、この電子カメラ1に記録されている音声を出力するスピーカ5が設けられている。また、面X2に形成されているLCD6(表示手段)および操作キー7は、ファインダ2、撮影レンズ3、ストロボ4およびスピーカ5よりも、鉛直下側に形成されている。LCD6の表面上には、ペン型指示部材での接触操作により、指示された位置に対応する位置データを出力する、いわゆるタッチタブレット6Aが配置されている。
このタッチタブレット6Aは、ガラス、樹脂等の透明な材料によって構成されており、ユーザは、タッチタブレット6Aの内側に形成されているLCD6に表示される画像を、タッチタブレット6Aを介して観察することができる。
操作キー7は、LCD6に記録データを再生表示する場合などに操作されるキーであり、ユーザによる操作(入力)を検知し、その操作に対応する信号をCPU39(図4)に供給するようになされている。
操作キー7のうちのメニューキー7Aは、LCD6上にメニュー画面を表示する場合に操作されるキーである。実行キー7Bは、ユーザによって選択された記録情報を再生する場合に操作されるキーである。
クリアキー7Cは、記録した情報を削除する場合に操作されるキーである。キャンセルキー7Dは、記録情報の再生処理を中断する場合に操作されるキーである。スクロールキー7Eは、LCD6に記録情報の一覧が表示されている場合において、画面を上下方向にスクロールさせるときに操作されるキーである。
面X2には、LCD6を使用していないときに保護する、しゅう動自在なLCDカバー14が設けられている。LCDカバー14は、鉛直上方向に移動させた場合、LCD6およびタッチタブレット6Aを覆うようになされている。また、LCDカバー14を鉛直下方向に移動した場合、LCD6およびタッチタブレット6Aが現れるとともに、LCDカバー14の腕部14Aによって、面Y2に配置された電源スイッチ11がオン状態に切り換えられるようになされている。
この電子カメラ1の上面である面Zには、音声を集音するマイクロホン8、および、図示せぬイヤホンが接続されるイヤホンジャック9が設けられている。
左側面(面Y1)には、被写体を撮像するときに操作されるレリーズスイッチ10、撮影時において撮影レンズ3の焦点距離を変更するときに操作されるとともに、画像の再生時において表示画像の倍率を変更するときに操作されるズームボタン15(操作手段)、および、撮影時の連写モードを切り換えるときに操作される連写モード切り換えスイッチ13が設けられている。このレリーズスイッチ10および連写モード切り換えスイッチ13は、面X1の上端部に設けられているファインダ2、撮影レンズ3およびストロボ4よりも鉛直下側に配置されている。
一方、面Y1に対向する面Y2(右側面)には、音声を録音するときに操作される録音スイッチ12と、電源スイッチ11が設けられている。この録音スイッチ12および電源スイッチ11は、上記レリーズスイッチ10および連写モード切り換えスイッチ13と同様に、面X1の上端部に設けられているファインダ2、撮影レンズ3およびストロボ4よりも鉛直下側に配置されている。また、録音スイッチ12は、面Y1のレリーズスイッチ10とほぼ同じ高さに形成されており、左右どちらの手で持っても、違和感のないように構成されている。
なお、録音スイッチ12とレリーズスイッチ10の高さを、あえて異ならせることにより、一方のスイッチを押す場合に、この押圧力によるモーメントを打ち消すために反対側の側面を指で保持したとき、誤ってこの反対側の側面に設けられたスイッチが押されてしまわないようにしてもよい。
上記連写モード切り換えスイッチ13は、ユーザがレリーズスイッチ10を押して被写体を撮影するとき、被写体を1コマだけ撮影するのか、または、所定の複数コマ撮影するのかを設定する場合に用いられる。例えば、連写モード切り換えスイッチ13の指針が「S」と印刷された位置に切り換えられている(すなわち、Sモードに切り換えられている)場合において、レリーズスイッチ10が押されると、1コマだけ撮影が行われるようになされている。
また、連写モード切り換えスイッチ13の指針が「L」と印刷された位置に切り換えられている(すなわち、Lモードに切り換えられている)場合において、レリーズスイッチ10が押されると、レリーズスイッチ10の押されている期間中、1秒間に8コマの撮影が行われるようになされている(すなわち、低速連写モードになる)。
さらに、連写モード切り換えスイッチ13の指針が「H」と印刷された位置に切り換えられている(すなわち、Hモードに切り換えられている)場合において、レリーズスイッチ10が押されると、レリーズスイッチ10の押されている期間中、1秒間に30コマの撮影が行われるようになされている(すなわち、高速連写モードになる)。
ズームボタン15は、2つのスイッチを内蔵しており、一方のスイッチは、ズームボタン15の「T」と印刷された部分が押されている間だけオン状態になり、他方のスイッチは、「W」と印刷された部分が押されている間だけオン状態になる。いずれも押されていない場合(即ち、ズームボタン15が操作されていない場合)は、2つのスイッチともオフ状態になる。
そして、被写体の撮影時においては、ズームボタン15の「T」と印刷された部分が押されると、一方のスイッチがオン状態になり、それに対応して、撮影レンズ3の一部を移動させ、焦点距離を長くする。一方、被写体の撮影時において、ズームボタン15の「W」と印刷された部分が押されると、他方のスイッチがオン状態になり、それに対応して、撮影レンズ3の一部を移動させ、焦点距離を短くする。
このように、撮影時においてズームボタン15を操作することにより、撮影レンズ3の焦点距離を連続的に変更することができる。また、焦点距離が変更することにより、電子ビューファインダとしてのLCD6に表示されている被写体の画像の倍率が変化する(焦点距離を長くすると、被写体が拡大して表示され、焦点距離を短くすると、被写体が縮小して表示される)。
また、既に記録されている画像を再生してLCD6に表示しているときに、ズームボタン15を操作すると、表示されている画像の拡大または縮小が行われる。既に記録されている画像を再生しているとき、ズームボタン15の「T」と印刷された部分が押されると、ズームボタン15の2つのスイッチのうちの一方がオン状態となり、そのスイッチの状態に対応して、LCD6に表示されている画像が拡大される。一方、ズームボタン15の「W」と印刷された部分を押すことにより、他方のスイッチがオン状態になり、そのスイッチの状態に対応して、LCD6に表示されている画像が縮小される。
次に、電子カメラ1の内部の構成について説明する。図3は、図1および図2に示す電子カメラの内部の構成例を示す斜視図である。CCD20(光電変換手段)は、撮影レンズ3の後段(面X2側)に設けられており、撮影レンズ3を介して結像する被写体の光画像を電気信号に光電変換するようになされている。
LCD6の鉛直下側には、円柱形状の4本のバッテリ(単3の乾電池)21が縦に並べられており、このバッテリ21に蓄積されている電力が各部に供給される。さらに、LCD6の鉛直下側には、バッテリ21とともに、ストロボ4に光を発光させるための電荷を蓄積しているコンデンサ22が配置されている。
回路基板23には、この電子カメラ1の各部を制御する、種々の制御回路が形成されている。また、回路基板23と、LCD6およびバッテリ21の間には、挿抜可能なメモリカード24(記憶手段)が設けられており、この電子カメラ1に入力される各種の情報が、それぞれ、メモリカード24の予め設定されている領域に記録される。
さらに、電源スイッチ11に隣接して配置されているLCDスイッチ25は、その突起部が押圧されている間のみオン状態となるスイッチであり、LCDカバー14を鉛直下方向に移動させた場合、LCDカバー14の腕部14Aによって、電源スイッチ11とともにオン状態に切り換えられるようになされている。
なお、LCDカバー14が鉛直上方向に位置する場合、電源スイッチ11は、LCDスイッチ25とは独立に、ユーザによって操作される。電源スイッチ11およびLCDスイッチ25が、両方ともオン状態であるとき、LCD6に電力が供給され、LCDスイッチ25がオフ状態であるとき(即ち、LCDカバー14が閉じているとき)は、LCD6は消灯するようになされている(このとき、電源スイッチ11がオン状態であれば、他の回路には、電力が供給される)。
なお、本実施例においては、メモリカード24は挿抜可能とされているが、回路基板23上にメモリを設け、そのメモリに各種情報を記録可能とするようにしてもよい。また、メモリ(メモリカード24)に記録されている各種情報を、図示せぬインタフェースを介して外部のパーソナルコンピュータに出力することができるようにしてもよい。
次に、本実施例の電子カメラ1の内部の電気的構成を、図4のブロック図を参照して説明する。複数の画素を備えているCCD20は、各画素に結像した光画像を画像信号(電気信号)に光電変換するようになされている。ディジタルシグナルプロセッサ(以下、DSPという)33は、CCD20にCCD水平駆動パルスを供給するとともに、CCD駆動回路(VDRV)34を制御し、CCD20にCCD垂直駆動パルスを供給させるようになされている。
相関二重サンプリング回路(以下、CDSという)31は、CPU39(拡大縮小手段)に制御され、CCD20が光電変換した画像信号を所定のタイミングでサンプリングし、そのサンプリングした信号を、内蔵する自動利得調整器(Automatic Gain Controller)(以下、AGCという)31Aで所定のレベルに増幅するようになされている。アナログ/ディジタル変換回路(以下、A/D変換回路という)32は、CDS31でサンプリングした画像信号をディジタル化してDSP33に供給するようになされている。
圧縮伸張回路およびメモリコントローラ35は、DSP33、バッファメモリ36およびメモリカード24を接続するデータバスを制御し、DSP33に供給された画像信号をバッファメモリ36のデータ領域(後述)に一旦記憶させ、バッファメモリ36のデータ領域に記憶されている画像データを読み出し、その画像データを圧縮した後、その圧縮処理された画像データ(以下、単に撮影画像データという)を、メモリカード24の所定の領域(撮影画像記録領域)に記録するようになされている。
バッファメモリ36は、データ領域とフレームメモリ領域に分割されている。バッファメモリ36のデータ領域は、処理の途中のデータを一時的に保持する他、メモリカード24に対するデータの入出力の速度と、CPU39やDSP33などにおける処理速度の違いを緩和するために利用され、バッファメモリ36のフレームメモリ領域は、LCD6の各画素の値を保持するフレームメモリとして使用される。
また、圧縮伸張回路およびメモリコントローラ35は、DSP33に供給された画像データをバッファメモリ36のフレームメモリ領域に記憶させ、電子ビューファインダとしてのLCD6に表示させるとともに、メモリカード24から撮影画像データを読み出し、その撮影画像データを伸張した後、伸張後の画像データをバッファメモリ36のフレームメモリ領域に記憶させ、LCD6に表示させるようになされている。
この他、圧縮伸張回路およびメモリコントローラ35は、メモリカード24への記録、伸張後の画像データのバッファメモリ36への記憶などにおけるデータ入出力のタイミング管理を行うようになされている。
また、圧縮伸張回路およびメモリコントローラ35は、図示せぬ時計回路及びバックアップ電池を内蔵しており、撮影した日時の情報を画像データのヘッダ情報として、メモリカード24の撮影画像記録領域に記録するようになされている。(すなわち、メモリカード24の撮影画像記録領域に記録される撮影画像データには、撮影日時のデータが付随している)。
マイクロホン8は、音声情報を入力し(音声を集音し)、その音声情報を音声処理回路(音声IC)42に供給するようになされている。音声処理回路42は、供給された音声情報をディジタル化してCPU39に出力するようになされている。
CPU39は、ディジタル化された音声情報を圧縮した後、ディジタル化および圧縮化された音声データを一旦、バッファメモリ36(データ領域)に記憶させた後、メモリカード24の所定の領域(音声記録領域)に記録するようになされている。また、このとき、メモリカード24の音声記録領域には、録音日時のデータが音声データのヘッダ情報として記録されるようになされている。
音声処理回路42は、CPU39より供給された音声データをアナログ化し、アナログ化した音声信号をスピーカ5に出力するようになされている。
また、ユーザの操作するペン(ペン型指示部材)41によってタッチタブレット6Aの所定の位置が押圧されると、CPU39は、タッチタブレット6Aの押圧された位置のX−Y座標を読み取り、その座標データ(後述する線画情報)を、バッファメモリ36のデータ領域に蓄積するようになされている。また、CPU39は、バッファメモリ36に蓄積した線画情報を、線画情報入力日時のヘッダ情報とともに、メモリカード24の線画情報記録領域に記録するようになされている。
CPU39は、電源スイッチ11や録音スイッチ12などの操作スイッチ40からの信号を受け取り、適宜処理するようになされている。
CPU39は、ストロボ駆動回路37を制御して、ストロボ4を適宜発光させるようになされている。また、CPU39は、AF駆動回路30を制御し、撮影レンズ3の一部のレンズ3Aを移動させることにより、オートフォーカス動作を行うとともに、操作スイッチ40のうちのズームボタン15における操作に応じて、ズーム駆動回路43を制御し、撮影レンズ3の一部のレンズ3Bを移動させることにより、撮影レンズ3の焦点距離を変更するようになされている。
さらに、メモリカード24に記憶されている画像をLCD6に表示している場合、CPU39は、ズームボタン15における操作に応じて、表示している画像の倍率を変更する(拡大または縮小する)。
CPU39は、画像を拡大する場合、バッファメモリ36のフレームメモリ領域に記憶されている元の画像の各画素の値から、拡大した画像の画素の値を補間することにより、拡大した画像を生成し、その拡大した画像をフレームメモリ領域に記憶させる。一方、画像を縮小する場合、CPU39は、バッファメモリ36のフレームメモリ領域に記憶されている元の画像の各画素の値から、所定の画素を間引くことにより、縮小した画像を生成し、その縮小した画像をフレームメモリ領域に記憶させる。
なお、この場合(画像の再生時)、ズームボタン15が操作されても、CPU39は、撮影レンズ3の焦点距離の変更を行わない。
次に、本実施例の電子カメラ1の各種動作について説明する。最初に、本装置による被写体の撮影について説明する。
第1に、面Y1に設けられている連写モード切り換えスイッチ13が、Sモード(1コマだけ撮影を行うモード)に切り換えられている場合について説明する。最初に、図1に示す電源スイッチ11を「ON」と印刷されている側に切り換えて電子カメラ1に電源を投入する。ファインダ2で被写体を確認し、面Y1に設けられているレリーズスイッチ10を押すと、被写体の撮影処理が開始される。
ファインダ2で観察される被写体の光画像が撮影レンズ3によって集光され、複数の画素を備えるCCD20に結像する。CCD20に結像した被写体の光画像は、各画素で画像信号に光電変換され、CDS31によってサンプリングされる。CDS31によってサンプリングされた画像信号は、A/D変換回路32に供給され、そこでディジタル化されてDSP33に出力される。
DSP33は、その画像データをバッファメモリ36のデータ領域に出力する。そして、圧縮伸張回路およびメモリコントローラ35は、バッファメモリ36より、その画像データを読み出し、離散的コサイン変換、量子化およびハフマン符号化を組み合わせたJPEG(Joint Photographic Experts Group)方式に従って圧縮し、メモリカード24の撮影画像記録領域に記録させる。このとき、メモリカード24の撮影画像記録領域には、撮影日時のデータが、撮影画像データのヘッダ情報として記録される。
なお、連写モード切り換えスイッチ13がSモードに切り換えられている場合においては、1コマの撮影だけが行われ、レリーズスイッチ10が継続して押され続けても、それ以降の撮影は行われない。また、レリーズスイッチ10が継続して押され続けると、LCD6上に、撮影した画像が表示される。
第2に、連写モード切り換えスイッチ13がLモード(1秒間に8コマの連写を行うモード)に切り換えられている場合について説明する。電源スイッチ11を「ON」と印刷されている側に切り換えて電子カメラ1に電源を投入し、面Y1に設けられているレリーズスイッチ10を押すと、被写体の撮影処理が開始される。
ファインダ2で観察される被写体の光画像が撮影レンズ3によって集光され、複数の画素を備えるCCD20に結像する。CCD20に結像した被写体の光画像は、各画素で画像信号に光電変換され、CDS31によって1秒間に8回の割合でサンプリングされる。また、このとき、CDS31は、CCD20の全画の画像電気信号のうち4分の3の画素を間引く。
すなわち、CDS31は、マトリクス状に配列されているCCD20の画素を、図5に示すように、2×2画素(4つの画素)を1つとする領域に分割し、その1つの領域から、所定の位置に配置されている1画素の画像信号をサンプリングし、残りの3画素を間引く。
例えば、第1回目のサンプリング時(1コマ目)においては、各領域の左上の画素aがサンプリングされ、その他の画素b,c,dが間引かれる。第2回目のサンプリング時(2コマ目)においては、各領域の右上の画素bがサンプリングされ、その他の画素a,c,dが間引かれる。以下、第3回目、第4回目のサンプリング時においては、左下の画素c、右下の画素dが、それぞれ、サンプリングされ、その他の画素が間引かれる。つまり、4コマ毎に各画素がサンプリングされる。
CDS31によってサンプリングされた画像信号(CCD20の全画素中の4分の1の画素の画像信号)は、A/D変換回路32に供給され、そこでディジタル化されてDSP33に出力される。
DSP33は、ディジタル化された画像信号をバッファメモリ36のデータ領域に出力し、圧縮伸張回路およびメモリコントローラ35は、その画像信号を読み出し、JPEG方式に従って圧縮した後、ディジタル化および圧縮処理された撮影画像データを、メモリカード24の撮影画像記録領域に記録する。このとき、メモリカード24の撮影画像記録領域には、撮影日時のデータが、撮影画像データのヘッダ情報として記録される。
第3に、連写モード切り換えスイッチ13がHモード(1秒間に30コマの連写を行うモード)に切り換えられている場合について説明する。電源スイッチ11を「ON」と印刷されている側に切り換えて電子カメラ1に電源を投入し、面Y1に設けられているレリーズスイッチ10を押すと、被写体の撮影処理が開始される。
ファインダ2で観察される被写体の光画像が撮影レンズ3によって集光され、CCD20に結像する。複数の画素を備えるCCD20に結像した被写体の光画像は、各画素で画像信号に光電変換され、CDS31によって1秒間に30回の割合でサンプリングされる。また、このとき、CDS31は、CCD20の全画素の画像電気信号のうち9分の8の画素を間引く。
すなわち、CDS31は、マトリクス状に配列されているCCD20の画素を、図6に示すように、3×3画素を1つとする領域に分割し、その1つの領域から、所定の位置に配置されている1画素の画像電気信号を、1秒間に30回の割合でサンプリングし、残りの8画素を間引く。
例えば、第1回目のサンプリング時(1コマ目)においては、各領域の左上の画素aがサンプリングされ、その他の画素b乃至iが間引かれる。第2回目のサンプリング時(2コマ目)においては、画素aの右側に配置されている画素bがサンプリングされ、その他の画素a,c乃至iが間引かれる。以下、第3回目以降のサンプリング時においては、画素c、画素d・・・が、それぞれ、サンプリングされ、その他の画素が間引かれる。つまり、9コマ毎に各画素がサンプリングされる。
CDS31によってサンプリングされた画像信号(CCD20の全画素中の9分の1の画素の画像信号)は、A/D変換回路32に供給され、そこでディジタル化されてDSP33に出力される。
DSP33は、ディジタル化された画像信号をバッファメモリ36のデータ領域に出力し、圧縮伸張回路およびメモリコントローラ35は、その画像信号を読み出し、JPEG方式に従って圧縮した後、ディジタル化および圧縮処理された撮影画像データを、撮影日時のヘッダ情報を付随して、メモリカード24の撮影画像記録領域に記録する。
なお、必要に応じて、ストロボ4を動作させ、被写体に光を照射させることもできる。
次に、タッチタブレット6Aから2次元の情報(ペン入力情報)を入力する場合の動作について説明する。
タッチタブレット6Aがペン41のペン先で押圧されると、接触した箇所のX−Y座標が、CPU39に入力される。このX−Y座標は、バッファメモリ36のデータ領域に記憶される。また、バッファメモリ36のフレームメモリ領域における上記X−Y座標の各点に対応した箇所にデータを書き込み、LCD6における上記X−Y座標に、ペン41の接触に対応した線画を表示させることができる。
上述したように、タッチタブレット6Aは、透明部材によって構成されているので、ユーザは、LCD6上に表示される点(ペン41のペン先で押圧された位置の点)を観察することができ、あたかもLCD6上に直接ペン入力をしたかのように感じることができる。また、ペン41をタッチタブレット6A上で移動させると、LCD6上には、ペン41の移動に伴う線が表示される。さらに、ペン41をタッチタブレット6A上で断続的に移動させると、LCD6上には、ペン41の移動に伴う破線が表示される。以上のようにして、ユーザは、タッチタブレット6A(LCD6)に所望の文字、図形等の線画情報を入力する。
また、LCD6上に撮影画像が表示されている場合において、ペン41によって線画情報が入力されると、この線画情報が、撮影画像情報とともに、バッファメモリ36のフレームメモリ領域で合成され、LCD6上に同時に表示される。
なお、ユーザは、図示せぬ色選択スイッチを操作することによって、LCD6上に表示される線画の色を、黒、白、赤、青等の色から選択することができる。
ペン41によるタッチタブレット6Aへの線画情報の入力後、操作キー7の実行キー7Bが押されると、バッファメモリ36のデータ領域に蓄積されている線画情報が、入力日時のヘッダ情報とともにメモリカード24に供給され、メモリカード24の線画情報記録領域に記録される。
なお、メモリカード24に記録される線画情報は、圧縮処理の施された情報である。タッチタブレット6Aに入力された線画情報は空間周波数成分の高い情報を多く含んでいるので、上記撮影画像の圧縮に用いられるJPEG方式によって圧縮処理を行うと、圧縮効率が悪く情報量が小さくならず、圧縮および伸張に必要とされる時間が長くなってしまう。さらに、JPEG方式による圧縮は、非可逆圧縮であるので、情報量の少ない線画情報の圧縮には適していない(伸張してLCD6上に表示した場合、情報の欠落に伴うギャザ、にじみが際だってしまうため)。
そこで、本実施例においては、ファックス等において用いられるランレングス法によって、線画情報を圧縮するようにしている。ランレングス法とは、線画画面を水平方向に走査し、黒、白、赤、青等の各色の情報(点)の継続する長さ、および無情報(ペン入力のない部分)の継続する長さを符号化することにより、線画情報を圧縮する方法である。
このランレングス法を用いることにより、線画情報を最小に圧縮することができ、また、圧縮された線画情報を伸張した場合においても、情報の欠落を抑制することが可能になる。なお、線画情報は、その情報量が比較的少ない場合には、圧縮しないようにすることもできる。
また、上述したように、LCD6上に撮影画像が表示されている場合において、ペン入力を行うと、撮影画像データとペン入力の線画情報がバッファメモリ36のフレームメモリ領域で合成され、撮影画像と線画の合成画像がLCD6上に表示される。その一方で、メモリカード24においては、撮影画像データは、撮影画像記録領域に記録され、線画情報は、線画情報記録領域に記録される。このように、2つの情報が、各々異なる領域に記録されるので、ユーザは、撮影画像と線画の合成画像から、いずれか一方の画像(例えば線画)を削除することができ、さらに、各々の画像情報を個別の圧縮方法で圧縮することもできる。
メモリカード24の音声記録領域、撮影画像記録領域、または線画情報記録領域にデータを記録した場合、図7に示すように、LCD6に所定の表示が行われる。
図7に示すLCD6の表示画面上においては、情報を記録した時点の年月日(記録年月日)(この場合、1995年8月25日)が画面の下端部に表示され、その記録年月日に記録された情報の記録時刻が画面の最も左側に表示されている。
記録時刻の右側には、サムネイル画像が表示されている。このサムネイル画像は、メモリカード24に記録された撮影画像データの各画像データのビットマップデータを間引いて(縮小して)作成されたものである。この表示のある情報は、撮影画像情報を含む情報である。つまり、「10時16分」と「10時21分」に記録(入力)された情報には、撮影画像情報が含まれており、「10時05分」、「10時28分」、「10時54分」、「13時10分」に記録された情報には、画像情報が含まれていない。
また、メモ記号「*」は、線画情報として所定のメモが記録されていることを表している。
サムネイル画像の表示領域の右側には、音声情報バーが表示され、録音時間の長さに対応する長さのバー(線)が表示される(音声情報が入力されていない場合は、表示されない)。
ユーザは、図7に示すLCD6の所望の情報の表示ラインのいずれかの部分を、ペン41のペン先で押圧して再生する情報を選択指定し、図2に示す実行キー7Bをペン41のペン先で押圧することにより、選択した情報を再生する。
例えば、図7に示す「10時05分」の表示されているラインがペン41によって押圧されると、CPU39は、選択された録音日時(10時05分)に対応する音声データをメモリカード24から読み出し、その音声データを伸張した後、音声処理回路42に供給する。音声処理回路42は、供給された音声データをアナログ化した後、スピーカ5を介して再生する。
メモリカード24に記録した撮影画像データを再生する場合、ユーザは、所望のサムネイル画像を、ペン41のペン先で押圧することによりその情報を選択し、実行キー7Bを押して選択した情報を再生させる。
CPU39は、選択された撮影日時に対応する撮影画像データをメモリカード24から読み出すように、圧縮伸張回路およびメモリコントローラ35に指示する。圧縮伸張回路およびメモリコントローラ35は、メモリカード24より読み出された撮影画像データ(圧縮されている撮影画像データ)を伸張し、この撮影画像データをビットマップデータとしてバッファメモリ36のフレームメモリ領域に蓄積させ、LCD6に表示させる。
Sモードで撮影された画像は、LCD6上に、静止画像として表示される。この静止画像は、CCD20の全ての画素の画像信号を再生したものであることはいうまでもない。
Lモードで撮影された画像は、LCD6上において、1秒間に8コマの割合で連続して表示される。このとき、各コマに表示される画素数は、CCD20の全画素数の4分の1である。
通常、人間の目は、静止画像の解像度の劣化に対しては敏感に反応するため、静止画像の画素を間引くことは、ユーザに画質の劣化として捉えられてしまう。しかしながら、撮影時の連写速度が上がり、Lモードにおいて1秒間に8コマ撮影され、この画像が1秒間に8コマの早さで再生された場合においては、各コマの画素数がCCD20の画素数の4分の1になるが、人間の目は1秒間に8コマの画像を観察するので、1秒間に人間の目に入る情報量は、静止画像の場合に比べて2倍になる。
すなわち、Sモードで撮影された画像の1コマの画素数を1とすると、Lモードで撮影された画像の1コマの画素数は1/4となる。Sモードで撮影された画像(静止画像)がLCD6に表示された場合、1秒間に人間の目に入る情報量は1(=(画素数1)×(コマ数1))となる。一方、Lモードで撮影された画像がLCD6に表示された場合、1秒間に人間の目に入る情報量は2(=(画素数1/4)×(コマ数8))となる(すなわち、人間の目には、静止画像の2倍の情報が入る)。従って、1コマ中の画素の数を4分の1にしても、再生時において、ユーザは、画質の劣化をさほど気にすることなく再生画像を観察することができる。
さらに、本実施例においては、各コマ毎に異なる画素をサンプリングし、そのサンプリングした画素をLCD6に表示するようにしているので、人間の目に残像効果が起こり、1コマ当たり4分の3画素を間引いたとしても、ユーザは、画質の劣化をさほど気にすることなくLCD6に表示されるLモードで撮影された画像を観察することができる。
また、Hモードで撮影された画像は、LCD6上において、1秒間に30コマの割合で連続して表示される。このとき、各コマに表示される画素数は、CCD20の全画素数の9分の1であるが、Lモードの場合と同様の理由で、ユーザは、画質の劣化をさほど気にすることなくLCD6に表示されるHモードで撮影された画像を観察することができる。
本実施例においては、LモードまたはHモードで被写体を撮像する場合、CDS31が、再生時における画質の劣化が気にならない程度にCCD20の画素を間引くようにしているので、DSP33と、圧縮伸張回路およびメモリコントローラ35の負荷を低減することができ、DSP33と、圧縮伸張回路およびメモリコントローラ35を、低速度、低電力で作動させることができる。また、このようにすることにより、装置の低コスト化および低消費電力化が可能になる。
このようにして既に記録されている画像がLCD6に表示されているときに、ズームボタン15を操作すると、表示画像の拡大または縮小を行うことができる。なお、表示画像の倍率(元の表示画面に対する拡大率または縮小率)は、ズームボタン15における操作に対応して連続的に設定することができる。
ところで、本実施例においては、上述したように、メモリカード24に記録される各種の情報(データ)には、それぞれの情報が入力された日時のデータがヘッダ情報として付随されている。ユーザは、LCD6上に表示される日時のデータから、所望の情報を選択して再生することができる(図7)。
また、複数の情報(撮影画像、音声、線画)が同時に入力された場合、各々の情報は、記録カード24の所定の領域に別個に記録されるが、その各々の情報には、互いに同一の日時のヘッダ情報が付随している。
例えば、情報A(撮影画像)、情報B(音声)、情報C(線画)が同時に入力された場合、メモリカード24の所定の領域に記録される各情報A,B,Cは、同一の入力日時のデータをヘッダ情報として各々備えるようにする。また、情報Aのヘッダ情報を入力日時のデータとし、情報BおよびCのヘッダ情報を、情報Aに関連する旨のデータとするようにしてもよい。
以上のようにすることにより、同時に入力された情報は、再生時において、同時に再生される。
また、本実施例においては、第1の情報(例えば、撮影画像)を記録した後に、第1の情報と異なる第2の情報(例えば、線画)を、第1の情報に追加した形で記録させることもできる。このように、第1の情報に追加して、第2の情報を加える場合、第1の情報を再生した状態で、第2の情報を入力するようにする。以下に、この場合の詳細な説明をする。
例えば、予め記録されている音声情報が再生されている場合において、レリーズスイッチ10が押され、被写体の撮影処理が行われると、メモリカード24の撮影画像記録領域に記録される撮影画像データには、その音声情報の記録が開始された日時のヘッダ情報が付随される。
また、例えば、1995年8月25日10時5分に記録が開始された音声情報の再生中において、再生開始から1分経過したとき(すなわち、再生データが1995年8月25日10時6分のデータになったとき)、撮影処理が行われると、メモリカード24の撮影画像記録領域に記録される撮影画像データには、1995年8月25日10時6分のヘッダ情報が付随されるようにすることもできる(なお、開始時刻(10時5分)をヘッダ情報とするようにしてもよいし、いずれか一方をデフォルトとして登録するようにしてもよい(その選択は、ユーザによってなされる))。
同様に、予め記録されている音声情報が再生されている場合において、線画情報が入力されると、メモリカード24の線画情報記録領域には、その線画情報とともに、音声情報の記録日時のヘッダ情報と同一のヘッダ情報が記録される。
予め、同時に入力された音声情報および撮影画像情報が再生されている場合において、線画情報が入力されると、メモリカード24の線画情報記録領域には、その線画情報とともに、音声情報(または撮影画像情報)の記録日時のヘッダ情報と同一のヘッダ情報が記録される。
予め、同時に入力された音声情報および線画情報が再生されている場合において、撮影画像情報が入力されると、メモリカード24の撮影画像記録領域には、その撮影画像データとともに、音声情報(または線画情報)の記録日時のヘッダ情報と同一のヘッダ情報が記録される。
予め入力されている撮影画像が再生されている場合において、音声情報が入力されると、メモリカード24の音声情報記録領域には、その音声データとともに、撮影画像の記録日時のヘッダ情報と同一のヘッダ情報が記録される。
予め入力されている撮影画像が再生されている場合において、線画情報が入力されると、メモリカード24の線画情報記録領域には、その線画情報とともに、撮影画像の記録日時のヘッダ情報と同一のヘッダ情報が記録される。
予め、同時に入力された撮影画像情報および線画情報が再生されている場合において、音声情報が入力されると、メモリカード24の音声記録領域には、その音声データとともに、撮影画像情報(または線画情報)の記録日時のヘッダ情報と同一のヘッダ情報が記録される。
予め入力されている線画情報が再生されている場合において、撮影画像情報が入力されると、メモリカード24の撮影画像記録領域には、その撮影画像データとともに、線画情報の記録日時のヘッダ情報と同一のヘッダ情報が記録される。
予め入力されている線画情報が再生されている場合において、音声情報が入力されると、メモリカード24の音声記録領域には、その音声データとともに、線画情報の記録日時のヘッダ情報と同一のヘッダ情報が記録される。
以上のように、予め記録されている第1の情報が再生されている場合において、第2の情報が入力されると、第1の情報の記録日時が第2の情報のヘッダ情報となる(以下、通常モードという)。このようにすることによって、後から情報を追加しても、元の情報と追加された情報の関係を保つことができる。
さらに、本実施例においては、予め記録されている第1の情報に第2の情報を追加した場合、第2の情報の入力時刻を第2の情報のヘッダ情報として記録するだけでなく、第1の情報のヘッダ情報を、第2の情報のヘッダ情報で書き換えるようにしてもよい(以下、記録日時変更モードという)。このようにする場合、電子カメラ1に、記録日時のモード切り換えスイッチ(図示せず)をさらに設け、ユーザの選択により記録日時の変更(通常モードと記録日時変更モードの切り換え)が行われるようにする。
例えば、ユーザが、後日の特定の時刻に、特定の被写体を撮影することを予定しており、その撮影画像についてのコメントを予め線画情報として記録した場合(すなわち、線画情報が第1の情報)、上記の記録日時のモード切り換えスイッチを、記録日時変更モードに切り換え、記録した線画情報を再生しながら上記被写体を撮影する(すなわち、撮影画像が第2の情報)。すると、線画情報(第1の情報)および撮影画像(第2の情報)の両方に、撮影画像(第2の情報)の入力日時がヘッダ情報として付随される。
また、入力される情報に優先順位を付け、その優先順位に対応させて、各情報に入力時刻のヘッダ情報を付随させるようにしてもよい。
例えば、撮影画像の優先順位を第1位とし、音声情報の優先順位を第2位とし、線画情報の優先順位を第3位とした場合、予め記録されている線画情報を再生させながら、音声情報を入力すると、メモリカード24に記録される線画情報および音声情報の両者には、音声情報の入力時刻を含むヘッダ情報が付随される(音声情報の優先順位が線画情報の優先順位よりも上位とされているため)。さらに、その音声情報および線画情報を再生させながら、撮影画像を入力すると、メモリカード24に記録される線画情報、音声情報、および、撮影画像には、撮影画像の入力時刻を含むヘッダ情報が付随される(撮影画像の優先順位が、他の情報の優先順位よりも上位とされているため)。この優先順位は、ユーザによって設定されるものとしてもよい。
次に、被写体を撮影しているときに、音声を記録する場合について説明する。
まず、連写モード切り換えスイッチ13がSモード(単写モード)に切り換えられている場合について説明する。最初に、録音スイッチ12が押されると、音声情報の入力が行われ、メモリカード24の音声情報記録領域には、音声データとともに、記録開始日時のヘッダ情報が記録される。そして、音声情報の入力中、レリーズスイッチ10が押されると(Sモード)、被写体が1コマ撮影され、その撮影画像データがメモリカード24に記録される。この撮影画像データには、レリーズスイッチ10が押されたとき(撮影開始時)の日時のヘッダ情報が付随している。
一方、最初に、レリーズボタン10が押されると、被写体が1コマ撮影される。このとき、メモリカード24に記録される撮影画像データには、撮影時の日時がヘッダ情報として記録される。さらに、レリーズボタン10が継続して押されていると、撮影した画像が、LCD6上に表示される。また、このとき、録音スイッチ12が押されると、音声情報が入力される。このとき、メモリカード24の音声情報記録領域に記録される音声データには、撮影したときの日時がヘッダ情報として付随される。
次に、連写モード切り換えスイッチ13が、LモードまたはHモード(連写モード)に切り換えられている場合について説明する。最初に、レリーズスイッチ10が押され、次に録音スイッチ12が押された場合、および、レリーズスイッチ10と録音スイッチ12が同時に押された場合、撮影画像および音声情報は、次に示すように記録される。
連写モード切り換えスイッチ13がLモードに切り換えられている場合においては、1秒間に8コマの撮影が行われ、メモリカード24の撮影画像記録領域に記録される各コマの撮影画像データには、各々が撮影された日時のヘッダ情報が付随される。従って、各コマのヘッダには、0.125秒間隔の日時が記録されることになる。また、このとき、音声情報は0.125秒毎に記録され(但し、継続して入力される)、メモリカード24の音声情報記録領域に記録される音声データにも、0.125秒間隔の日時のヘッダ情報が記録される。
同様に、連写モード切り換えスイッチ13がHモードに切り換えられている場合においては、1秒間に30コマの撮影が行われ、メモリカード24の撮影画像記録領域に記録される各コマの撮影画像データには、各々が撮影された日時のヘッダ情報が付随される。従って、各コマのヘッダには、1/30秒間隔の日時が記録されることになる。また、このとき、音声情報は1/30秒毎に記録され(但し、継続して入力される)、メモリカード24の音声情報記録領域に記録される音声データにも、1/30秒間隔の日時のヘッダ情報が記録される。
以上のようにすることにより、記録後に撮影画像または音声を編集する場合、任意の撮影画像を除去すると、その撮影画像のヘッダ情報と同一のヘッダ情報を有する音声情報も除去することができる。
一方、連写モード切り換えスイッチ13が、LモードまたはHモードに切り換えられている場合(連写モードに切り換えられている場合)において、最初に録音スイッチ12が押され、後からレリーズスイッチ10が押されると、メモリカード24に記録される情報には、以下に示すヘッダ情報が記録される。
すなわち、この場合においては、レリーズスイッチ10が押されるまでの音声データが、メモリカード24の音声情報記録領域に、1つのファイルとして記録される。その後、レリーズスイッチ10が押された場合には、撮影画像の各コマに対応する日時のヘッダ情報が音声データとともに記録される。
以上のようにして、第1の実施例である電子カメラ1においては、画像、音声、線画情報などが記録される。そして、ズームボタン15を操作すると、画像の撮影時においては、撮影レンズ3の焦点距離が変更されるとともに、それに応じて表示画像の倍率が変化し、画像の再生時においては、再生画像の倍率が変更される。
なお、上記実施例においては、被写体の撮影時においてズームボタン15を操作することにより、撮影レンズ3の焦点距離を変更し、光学的に撮影画像の倍率を変更させているが、ズームボタン15の操作に対応して、撮影した画像の倍率を電気的に変更させるようにすることもできる。
次に、本発明を適用した電子カメラの第2の実施例について説明する。
第2の実施例は、第1の実施例と同様の構成を有し、上述の動作と同様の動作を行う他、タッチタブレット6Aを利用して、画像の再生時においては、表示画像の拡大または縮小を行うことができ、撮影時においては、撮影レンズ3の焦点距離を変化させることができる。また、画像の再生時においては、タッチタブレット6Aを操作することにより、表示画像における拡大する部分の選択を行うこともできる。
次に、画像の再生時において、タッチタブレット6Aに対する操作に応じて、表示画像を拡大または縮小させる場合の本実施例の動作について説明する。
例えば、図8に示すように、LCD6に所定の画像が表示されているとき、ペン41のペン先をLCD6(タッチタブレット6A)の所定の位置(ドラッグ開始点(例えば図8の点a))に押圧し、外側方向の所定の位置(ドラッグ終了点(例えば図8の点b))まで、ペン先をLCD6(タッチタブレット6A)に押圧した状態で移動させる(ドラッグさせる)。
このとき、CPU39は、タッチタブレット6Aからドラッグ開始点とドラッグ終了点の座標値を受け取り、このドラッグの距離(ドラッグ開始点からドラッグ終了点までの距離)と、ドラッグの方向(LCD6の長辺の右方向を0度としたときの、ドラッグ開始点に対するドラッグ終了点の角度)を算出し、ドラッグの方向が所定の角度範囲内にある場合、図9に示すように、ドラッグ開始点(図8の点a)がLCD6の中心に表示されるようにして、ドラッグの距離に比例した倍率で画像を拡大する。
一方、図10に示すように、ペン41のペン先を、点c(ドラッグ開始点)から点dまで、LCD6の中心方向に向かってドラッグした場合、CPU39は、このドラッグの距離と、ドラッグの方向を算出し、ドラッグの方向が所定の角度範囲内にあるとき、図11に示すように、ドラッグ開始点(図10の点c)がLCD6の中心に表示されるようにして、ドラッグの距離に比例した倍率で画像を縮小する。
なお、画像を縮小したために生じるLCD6の余白には、予め設定されている背景(壁紙)72が表示される。また、画像を縮小した場合、縮小された画像の上方にセンタリングボタン71が表示され、このボタン71をペン41で押圧すると、図12に示すように、画像の中心がLCD6の中心に配置されて、縮小した画像全体が表示される。
次に、ペン41によるドラッグの方向と、表示画像の拡大および縮小との対応関係について、図13を参照して説明する。
最初に、タッチタブレット6A(LCD6)を、右上、右下、左上、左下の4つの領域A乃至Dに分割する。そして、図13(a)に示すように、ドラッグ開始点が領域Aにあり、かつ、ドラッグの方向が0度乃至90度の範囲内にある場合、CPU39は、そのドラッグ開始点の画像がLCD6の中心に表示されるようにするとともに、ドラッグの距離に対応する倍率で画像を拡大する。一方、ドラッグ開始点が領域Aにあり、かつ、ドラッグの方向が180度乃至270度の範囲内にある場合、CPU39は、そのドラッグ開始点の画像がLCD6の中心に表示されるようにするとともに、ドラッグの距離に対応する倍率で画像を縮小する。
次に、図13(b)に示すように、ドラッグ開始点が領域Bにあり、かつ、ドラッグの方向が270度乃至360度(即ち0度)の範囲内にある場合、CPU39は、そのドラッグ開始点の画像がLCD6の中心に表示されるようにするとともに、ドラッグの距離に対応する倍率で画像を拡大する。一方、ドラッグ開始点が領域Bにあり、かつ、ドラッグの方向が90度乃至180度の範囲内にある場合、CPU39は、そのドラッグ開始点の画像がLCD6の中心に表示されるようにするとともに、ドラッグの距離に対応する倍率で画像を縮小する。
また、図13(c)に示すように、ドラッグ開始点が領域Cにあり、かつ、ドラッグの方向が90度乃至180度の範囲内にある場合、CPU39は、そのドラッグ開始点の画像がLCD6の中心に表示されるようにするとともに、ドラッグの距離に対応する倍率で画像を拡大する。一方、ドラッグ開始点が領域Cにあり、かつ、ドラッグの方向が270度乃至360度(即ち0度)の範囲内にある場合、CPU39は、そのドラッグ開始点の画像がLCD6の中心に表示されるようにするとともに、ドラッグの距離に対応する倍率で画像を縮小する。
そして、図13(d)に示すように、ドラッグ開始点が領域Dにあり、かつ、ドラッグの方向が180度乃至270度の範囲内にある場合、CPU39は、そのドラッグ開始点の画像がLCD6の中心に表示されるようにするとともに、ドラッグの距離に対応する倍率で画像を拡大する。一方、ドラッグ開始点が領域Dにあり、かつ、ドラッグの方向が0度乃至90度の範囲内にある場合、CPU39は、そのドラッグ開始点の画像がLCD6の中心に表示されるようにするとともに、ドラッグの距離に対応する倍率で画像を縮小する。
なお、ドラッグの方向が、上述のように設定された範囲内にない場合、画像の拡大および縮小は行われない。
あるいは、ペン41によるドラッグの方向と、表示画像の拡大または縮小との対応関係を、図14に示すように設定することもできる。最初に、タッチタブレット6A(LCD6)を、右上、右下、左上、左下の4つの領域A乃至Dに分割する。
そして、図14(a)に示すように、ドラッグ開始点が領域Aにあり、かつ、ドラッグの方向が315度乃至135度の範囲内(315度乃至360度の範囲内または0度乃至135度の範囲内)にある場合、CPU39は、そのドラッグ開始点の画像がLCD6の中心に表示されるようにするとともに、ドラッグの距離に対応する倍率で画像を拡大する。一方、ドラッグ開始点が領域Aにあり、かつ、ドラッグの方向が135度乃至315度の範囲内にある場合、CPU39は、そのドラッグ開始点の画像がLCD6の中心に表示されるようにするとともに、ドラッグの距離に対応する倍率で画像を縮小する。
次に、図14(b)に示すように、ドラッグ開始点が領域Bにあり、かつ、ドラッグの方向が225度乃至45度の範囲内(225度乃至360度の範囲内または0度乃至45度の範囲内)にある場合、CPU39は、そのドラッグ開始点の画像がLCD6の中心に表示されるようにするとともに、ドラッグの距離に対応する倍率で画像を拡大する。一方、ドラッグ開始点が領域Bにあり、かつ、ドラッグの方向が45度乃至225度の範囲内にある場合、CPU39は、そのドラッグ開始点の画像がLCD6の中心に表示されるようにするとともに、ドラッグの距離に対応する倍率で画像を縮小する。
また、図14(c)に示すように、ドラッグ開始点が領域Cにあり、かつ、ドラッグの方向が45度乃至225度の範囲内にある場合、CPU39は、そのドラッグ開始点の画像がLCD6の中心に表示されるようにするとともに、ドラッグの距離に対応する倍率で画像を拡大する。一方、ドラッグ開始点が領域Cにあり、かつ、ドラッグの方向が225度乃至45度の範囲内(225度乃至360度の範囲内または0度乃至45度の範囲内)にある場合、CPU39は、そのドラッグ開始点の画像がLCD6の中心に表示されるようにするとともに、ドラッグの距離に対応する倍率で画像を縮小する。
そして、図14(d)に示すように、ドラッグ開始点が領域Dにあり、かつ、ドラッグの方向が135度乃至315度の範囲内にある場合、CPU39は、そのドラッグ開始点の画像がLCD6の中心に表示されるようにするとともに、ドラッグの距離に対応する倍率で画像を拡大する。一方、ドラッグ開始点が領域Dにあり、かつ、ドラッグの方向が315度乃至135度の範囲内(315度乃至360度の範囲内または0度乃至135度の範囲内)にある場合、CPU39は、そのドラッグ開始点の画像がLCD6の中心に表示されるようにするとともに、ドラッグの距離に対応する倍率で画像を縮小する。
このようにすることにより、表示画像のうち、所望の部分を拡大することができる。なお、ペン41で、タッチタブレット6A(LCD6)の任意の位置を2回連続してピックすることにより、元の倍率の表示画像に戻すことができる。
次に、被写体の撮影時において、タッチタブレット6Aに対する操作に応じて、撮影レンズ3の焦点距離を変更させる場合の本実施例の動作について説明する。
被写体の撮影時においては、上述の再生画像の倍率を変更する操作と同様に、CPU39は、タッチタブレット6Aにおけるドラッグの距離と方向を検出する。そして、CPU39は、ドラッグの方向に応じて、焦点距離の変更の方向(焦点距離を長くするか、あるいは、短くするか)を判断し、ドラッグの距離に対応して、撮影レンズ3の焦点距離を変更させる。
このときのドラッグの方向と焦点距離の変更の方向との対応関係は、画像の再生時におけるドラッグの方向と表示画像の倍率の変更方向(拡大あるいは縮小)との対応関係(図13または図14)と同様に設定されている。即ち、画像の再生時に表示画像を拡大する操作と同一の操作が、撮影時に、タッチタブレット6Aに対して行われた場合、CPU39は、ズーム駆動回路43を制御し、撮影レンズ3の焦点距離を増加させる。一方、画像の再生時に表示画像を縮小する操作と同一の操作が撮影時に行われた場合、CPU39は、ズーム駆動回路43を制御し、撮影レンズ3の焦点距離を減少させる。
なお、画像の再生時においては、ドラッグの開始点の画像をLCD6の中心に表示するようにしているが、撮影時においては、撮影レンズ3の焦点距離を変更するだけである。
また、タッチタブレット6Aに対する操作により、焦点距離が、予め設定されている上限値より長くなってしまう場合、CPU39は、撮影レンズ3の一部のレンズ3Bを、焦点距離が上限値になるように移動させた後、デジタルズームに切り替え、CCD20で受光された被写体の画像信号に対して信号処理を行い、被写体の画像の倍率を電気的に変更することにより、上限値を超えた分に対応する倍率で、被写体の画像を拡大して、電子ビューファインダとしてのLCD6に表示させる。
一方、タッチタブレット6Aに対する操作により、焦点距離が、予め設定されている下限値より短くなってしまう場合、CPU39は、撮影レンズ3の一部のレンズ3Bを、焦点距離が下限値になるように移動させる。このとき、特に、デジタルズームを利用して、被写体の画像を縮小する動作は行われない。
以上のようにして、第2の実施例である電子カメラ1においては、第1の実施例と同様に、ズームボタン15を操作すると、画像の撮影時においては、撮影レンズ3の焦点距離が変更されるとともに、それに応じて表示画像の倍率が変化し、画像の再生時においては、再生画像の倍率が変更される他、タッチタブレット6Aを操作することにより、画像の撮影時における撮影レンズ3の焦点距離の変更、および、画像の再生時における表示画像の倍率の変更を行うことができる。
なお、第2の実施例においては、タッチタブレット6Aに対する操作により、焦点距離が、予め設定されている上限値より長くなってしまう場合、撮影レンズ3の一部のレンズ3Bを、焦点距離が上限値になるように移動させた後、デジタルズームに切り替えるようにしているが、撮影レンズ3の一部のレンズ3Bを、焦点距離が上限値になるように移動させるだけで、特にデジタルズームを利用しないようにすることもできる。その場合、LCD6に表示される被写体の画像は、焦点距離が上限値であるときの被写体の画像より高い倍率で拡大されることはない。
また、上記実施例においては、焦点距離を変更することが可能なズームレンズ(撮影レンズ3)を設けた電子カメラについて説明したが、焦点距離が固定されている単焦点レンズの電子カメラであっても、第2の実施例で説明したデジタルズームが可能な電子カメラであれば、本発明を適用して、ズームボタン15あるいはタッチタブレット6Aを操作することにより、再生時の画像の倍率および撮影時の被写体の画像の倍率を変更させるようにすることができる。