以下、本発明の実施例を図面を参照して説明する。
図1及び図2は、本発明を適用した情報入力装置の一実施例の構成を示す斜視図である。本実施例の情報入力装置においては、被写体を撮影する場合において、被写体に向けられる面が面X1とされ、ユーザ側に向けられる面が面X2とされている。面X1の上端部には、被写体の撮影範囲の確認に用いられるファインダ2、被写体からの光を取り込む撮影レンズ3、及び被写体を照明する光を発光する発光部4(いずれも、撮影手段)が設けられている。
一方、面X1に対向する面X2の上端部(面X1のファインダ2、操作レンズ3、発光部4が形成されている上端部に対応する位置)には、上記ファインダ2、及びこの情報入力装置1に記録されている音声を出力するスピーカ5が設けられている。また、面X2に形成されているLCD(表示装置)6及び操作キー7は、ファインダ2、撮影レンズ3、発光部4及びスピーカ5よりも、鉛直下側に形成されている。LCD6の表面上には、ペン型指示装置(例えば、図14のペン型指示装置110)の押圧操作により、線画情報(位置情報)が入力される、いわゆるタッチタブレット6Aが形成されている。
このタッチタブレット6Aは、ガラス樹脂等の透明な樹脂によって構成されており、ユーザは、タッチタブレット6Aの内側に形成されているLCD6の表示する画像を、タッチタブレット6Aを介して観察することができる。
操作キー7は、LCD6に表示される記録データの再生等を実行する場合に操作されるキーであり、以下に示すキーによって構成されている。すなわち、メニューキー7Aは、LCD6上にメニュー画面(図示せず)を表示する場合に操作されるキーである。実行キー7Bは、ユーザによって選択された(後述する)記録情報を再生する場合に操作されるキーである。
クリアキー7Cは、記録した情報を削除する場合に操作されるキーである。キャンセルキー7Dは、記録情報の再生処理を中断する場合に操作されるキーである。スクロールキー7Eは、LCD6に記録情報の一覧が表示されている場合において(後述する)、画面を上下方向にスクロールさせるときに操作されるキーである。
この情報入力装置1の上面(面Z)には、音声を集音するマイクロホン8、及び図示せぬイヤホンが接続されるイヤホンジャック9が設けられている。
左側面(面Y1)には、被写体を撮影するときに操作されるレリーズスイッチ10及び電源スイッチ11が設けられている。このレリーズスイッチ10及び電源スイッチ11は、面X1の上端部に設けられているファインダ2、撮影レンズ3及び発光部4よりも鉛直下側に配置されている。
一方、面Y1に対向する面Y2(右側面)には、音声を録音するときに操作される録音スイッチ12と、撮影時の連写モードを切り換えるときに操作される連写モード切り換えスイッチ13が設けられている。この録音スイッチ12及び連写モード切り換えスイッチ13は、上記レリーズスイッチ10及び電源スイッチ11と同様に、面X1の上端部に設けられているファインダ2、撮影レンズ3及び発光部4よりも鉛直下側に配置されている。また、録音スイッチ12は、面Y1のレリーズスイッチ10とほぼ同じ高さに形成されており、左右どちらの手で持っても、違和感のないように構成されている。
なお、録音スイッチ12とレリーズスイッチ10の高さを、あえて異ならせることにより、一方のスイッチを押す場合に、この押圧力によるモーメントを打ち消すために反対側の側面を指で保持したとき、誤ってこの反対側の側面に設けられたスイッチが押されてしまわないようにしてもよい。
上記連写モード切り換えスイッチ13は、ユーザがレリーズスイッチ10を押して被写体を撮影するとき、被写体を1コマだけ撮影するのか、または、所定の複数コマ撮影するのかを設定する場合に用いられる。例えば、連写モード切り換えスイッチ13の指針が「S」と印刷された位置に切り換えられている(すなわち、Sモードに切り換えられている)場合において、レリーズスイッチ10が押されると、1コマだけ撮影が行われるようになされている。
また、連写モード切り換えスイッチ13の指針が「L」と印刷された位置に切り換えられている(すなわち、Lモードに切り換えられている)場合において、レリーズスイッチ10が押されると、レリーズスイッチ10の押されている期間中、1秒間に8コマの撮影が行われるようになされている(すなわち、低速連写モードになる)。
さらに、連写モード切り換えスイッチ13の指針が「H」と印刷された位置に切り換えられている(すなわち、Hモードに切り換えられている)場合において、レリーズスイッチ10が押されると、レリーズスイッチ10の押されている期間中、1秒間に30コマの撮影が行われるようになされている(すなわち、高速連写モードになる)。
次に、情報入力装置1の内部の構成について説明する。図3は、図1及び図2に示す情報入力装置の内部の構成例を示す斜視図である。CCD20は、撮影レンズ3の後段(面X2側)に設けられており、撮影レンズ3を介して結像する被写体からの光を電気信号に光電変換するようになされている。
LCD6の鉛直下側には、円柱形状の4本のバッテリ(単3の乾電池)21が縦に並べられており、このバッテリ21に蓄積されている電力が各部に供給される。また、発光部4に光を発光させるための電荷を蓄積しているコンデンサ22が、バッテリ21と並べて配置されている。
回路基板23には、この情報入力装置1の各部を制御する、種々の制御回路が形成されている。また、回路基板23と、LCD6及びバッテリ21の間には、挿抜可能なメモリカード24が設けられており、この情報入力装置1に入力される各種の情報が、それぞれ、メモリカード24の予め設定されている領域に記録される。
なお、本実施例においては、メモリカード24は挿抜可能とされているが、回路基板23上にメモリを設け、そのメモリに各種情報を記録可能とするようにしてもよい。また、メモリ(メモリカード24)に記録されている各種情報を、図示せぬインタフェースを介して外部のパーソナルコンピュータに出力することができるようにしてもよい。
次に、本実施例の情報入力装置1の内部の電気的構成を、図4のブロック図を参照して説明する。複数の画素を備えているCCD20は、各画素に結像した光画像を画像信号(電気信号)に光電変換するようになされている。
相関二重サンプリング回路(以下、CDSという)31は、CCD20が光電変換した画像信号を所定のタイミングでサンプリングするようになされている。アナログ/ディジタル変換回路(以下、A/D変換回路という)32は、CDS31でサンプリングした画像信号をディジタル化してディジタルシグナルプロセッサ(以下、DSPという)33に供給するようになされている。
DSP33は、ディジタル化された画像信号を圧縮してCPU34に出力するようになされている。CPU34は、ディジタル化及び圧縮処理された画像信号(以下、単に撮影画像データという)を、インタフェース(以下、I/Fという)35を介してメモリカード24の所定の領域(撮影画像記録領域)に記録するようになされている。
また、CPU34は、図示せぬ時計回路を内蔵しており、撮影した日時の情報を画像データのヘッダ情報として、メモリカード24の撮影画像記録領域に記録するようになされている。(すなわち、メモリカード24の撮影画像記録領域に記録される撮影画像データには、撮影日時のデータが付随している)。
マイクロホン8は音声情報を入力し(音声を集音し)、その音声情報をA/D変換回路36に供給するようになされている。A/D変換回路36は、供給された音声情報をディジタル化してDSP33に出力するようになされている。DSP33は、ディジタル化された音声情報を圧縮してCPU34に出力するようになされている。
CPU34は、ディジタル化及び圧縮化された音声データをI/F35を介してメモリカード24の所定の領域(音声記録領域)に記録するようになされている。また、このとき、メモリカード24の音声記録領域には、録音日時のデータが音声データのヘッダ情報として記録されるようになされている。
ユーザの操作するペン型指示装置によってタッチタブレット6Aの所定の位置が押圧されると、CPU34は、タッチタブレット6Aの押圧された位置のX−Y座標を読み取り、その座標データ(後述する線画情報)を内部の図示せぬバッファメモリに蓄積するようになされている。また、CPU34は、バッファメモリに蓄積した線画情報を、線画情報入力日時のヘッダ情報とともに、メモリカード24の線画情報記録領域に記録するようになされている。
CPU34には、フレームメモリ37を介してLCD6が接続されており、画像の表示が可能とされている。但し、圧縮処理を受けた撮影画像データは、一旦、DSP33に入力され、そこで、伸長されてからフレームメモリ37に供給されるようになされている。
さらに、DSP33には、ディジタル/アナログ変換回路(以下、D/A変換回路という)38を介してスピーカ5が接続されており、D/A変換回路38でアナログ化された音声信号がスピーカ5から出力されるようになされている。
次に、本実施例の情報入力装置1の各種動作について説明する。
まず、本装置の音声情報の入出力処理(但し、音声情報のみの入出力処理)について説明する。図1に示す電源スイッチ11が「ON」と印刷されている側に切り換えられ、情報入力装置1に電源が投入され、面Y2に設けられている録音スイッチ12が押されると、音声の録音処理(音声情報の入力処理)が開始される。音声情報はマイクロホン8を介して入力され、A/D変換回路36によって、ディジタル化されてDSP33に出力される。
DSP33は、ディジタル化された音声データを圧縮する。DSP33によって圧縮された音声データは、CPU34、I/F35を介してメモリカード24の音声記録領域に記録される。このとき、メモリカード24の音声記録領域には、録音日時のデータが、圧縮された音声データのヘッダ情報として記録される。
なお、この場合における音声は、PCM方式で圧縮、記録されるが、他の方式を用いるようにしてもよい。
メモリカード24の音声記録領域に記録された音声データを再生させる場合、図5に示すLCD6の表示を操作する。図5に示すLCD6の表示画面上においては、情報を記録した時点の年月日(記録年月日)(この場合、1995年8月25日)が画面の下端部に表示され、その記録年月日に記録された情報の記録時刻が画面の最も左側に表示されている。
記録時刻に右隣には、サムネイル画像及びサムネイル画像準備記号「*」(いずれも後述する)が表示されている。この表示のある情報は、撮影画像情報を含む情報である。つまり、「10時16分」、「10時21分」、「10時54分」、「13時10分」に記録(入力)された情報には、撮影画像情報が含まれており、「10時05分」、「10時28分」に記録された情報には、画像情報が含まれていない。
サムネイル画像の表示領域の右側には、音声情報バーが表示され、録音時間の長さに対応する長さのバー(線)が表示される(音声情報が入力されていない場合は、表示されない)。
ユーザは、図5に示すLCD6の所望の情報の表示ラインのいずれかの部分を、ペン型指示装置のペン先で押圧して再生する情報を選択し、図2に示す実行キー7Bをペン型指示装置のペン先で押圧することにより、選択した情報を再生する。
例えば、図5に示す「10時05分」の表示されているラインがペン型指示装置によって押圧されると、CPU34は、選択された録音日時(10時05分)に対応する音声データをメモリカード24から読み出し、DSP33に供給する。DSP33に供給された音声データ(圧縮されている音声データ)は、そこで伸長され、D/A変換回路38に出力される。
D/A変換回路38においてアナログ化された音声信号は、スピーカ5を介して再生される。なお、イヤホンジャック9に図示せぬイヤホンが接続されている場合においては、スピーカ5からは音声が再生されず、図示せぬイヤホンを介して音声が再生される。
次に、本装置による被写体の撮影及び撮影画像の出力について説明する。
第1に、面Y2に設けられている連写モード切り換えスイッチ13が、Sモード(1コマだけ撮影を行うモード)に切り換えられている場合について説明する。図1に示す電源スイッチ11を「ON」と印刷されている側に切り換えて情報入力装置1に電源を投入し、面Y1に設けられているレリーズスイッチ10を押すと、被写体の撮影処理が開始される。
ファインダ2で観察される被写体からの光が撮影レンズ3によって集光され、複数の画素を備えるCCD20に結像する。CCD20に結像した被写体からの光は、各画素で画像信号に光電変換され、CDS31によってサンプリングされる。CDS31によってサンプリングされた画像信号は、A/D変換回路32に供給され、そこでディジタル化されてDSP33に出力される。
DSP33は、ディジタル化された画像信号を、離散的コサイン変換、量子化及びハフマン符号化を組み合わせたJPEG(Joint Photografic Experts Group)方式に従って圧縮し、CPU34に出力する。CPU34は、ディジタル化及び圧縮処理された撮影画像データを、I/F35を介して、メモリカード24の撮影画像記録領域に記録させる。このとき、メモリカード24の撮影画像記録領域には、撮影日時のデータが、撮影画像データのヘッダ情報として記録される。
なお、連写モード切り換えスイッチ13がSモードに切り換えられている場合においては、1コマの撮影だけが行われ、レリーズスイッチ10が継続して押され続けても、それ以降の撮影は行われない。また、レリーズスイッチ10が継続して押され続けると、LCD6上に、撮影した画像が表示される。
第2に、連写モード切り換えスイッチ13がLモード(1秒間に8コマの連写を行うモード)に切り換えられている場合について説明する。電源スイッチ11を「ON」と印刷されている側に切り換えて情報入力装置1に電源を投入し、面Y1に設けられているレリーズスイッチ10を押すと、被写体の撮影処理が開始される。
ファインダ2で観察される被写体からの光が撮影レンズ3によって集光され、複数の画素を備えるCCD20に結像する。CCD20に結像した被写体からの光は、各画素で画像信号に光電変換され、CDS31によって1秒間に8回の割合でサンプリングされる。また、このとき、CDS31は、CCD20の全画素の画像電気信号のうち4分の3の画素を間引く。
すなわち、CDS31は、マトリクス状に配列されているCCD20の画素を、図6に示すように、2×2画素(4つの画素)を1つとする領域に分割し、その1つの領域から、所定の位置に配置されている1画素の画像信号をサンプリングし、残りの3画素を間引く。
例えば、第1回目のサンプリング時(1コマ目)においては、各領域の左上の画素aがサンプリングされ、その他の画素b,c,dが間引かれる。第2回目のサンプリング時(2コマ目)においては、各領域の右上の画素bがサンプリングされ、その他の画素a,c,dが間引かれる。以下、第3回目、第4回目のサンプリング時においては、左下の画素c、右下の画素dが、それぞれ、サンプリングされ、その他の画素が間引かれる。つまり、4コマ毎に各画素がサンプリングされる。
CDS31によってサンプリングされた画像信号(CCD20の全画素中の4分の1の画素の画像信号)は、A/D変換回路32に供給され、そこでディジタル化されてDSP33に出力される。
DSP33は、ディジタル化された画像信号を、JPEG方式に従って圧縮し、CPU34に供給する。CPU34は、ディジタル化及び圧縮処理された撮影画像データを、I/F35を介して、メモリカード24の撮影画像記録領域に記録する。このとき、メモリカード24の撮影画像記録領域には、撮影日時のデータが、撮影画像データのヘッダ情報として記録される。
第3に、連写モード切り換えスイッチ13がHモード(1秒間に30コマの連写を行うモード)に切り換えられている場合について説明する。電源スイッチ11を「ON」と印刷されている側に切り換えて情報入力装置1に電源を投入し、面Y1に設けられているレリーズスイッチ10を押すと、被写体の撮影処理が開始される。
ファインダ2で観察される被写体からの光が撮影レンズ3によって集光され、CCD20に結像する。複数の画素を備えるCCD20に結像した被写体からの光は、各画素で画像信号に光電変換され、CDS31によって1秒間に30回の割合でサンプリングされる。また、このとき、CDS31は、CCD20の全画素の画像電気信号のうち9分の8の画素を間引く。
すなわち、CDS31は、マトリクス状に配列されているCCD20の画素を、図7に示すように、3×3画素を1つとする領域に分割し、その1つの領域から、所定の位置に配置されている1画素の画像電気信号を、1秒間に30回の割合でサンプリングし、残りの8画素を間引く。
例えば、第1回目のサンプリング時(1コマ目)においては、各領域の左上の画素aがサンプリングされ、その他の画素b乃至iが間引かれる。第2回目のサンプリング時(2コマ目)においては、画素aの右側に配置されている画素bがサンプリングされ、その他の画素a,c乃至iが間引かれる。以下、第3回目以降のサンプリング時においては、画素c、画素d・・・が、それぞれ、サンプリングされ、その他の画素が間引かれる。つまり、9コマ毎に各画素がサンプリングされる。
CDS31によってサンプリングされた画像信号(CCD20の全画素中の9分の1の画素の画像信号)は、A/D変換回路32に供給され、そこでディジタル化されてDSP33に出力される。
DSP33は、ディジタル化された画像信号を、JPEG方式に従って圧縮し、CPU34に出力する。
CPU34は、ディジタル化及び圧縮処理された撮影画像データを、撮影日時のヘッダ情報を付随して、メモリカード24の撮影画像記録領域に記録する。
メモリカード24に記録した撮影画像データを再生する場合、上述した音声データの再生処理と同様に、図5に示すLCD6の表示画面を操作するようにする。なお、図5に示すサムネイル画像は、メモリカード24に記録された撮影画像データの各画像データのビットマップデータを間引いて(縮小して)作成されたものである。
この場合、図5に示す表示画面のうちの、サムネイル画像またはサムネイル画像準備記号「*」が表示されているラインの情報に、撮影した画像情報が含まれている。ユーザは、所望のサムネイル画像を、ペン型指示装置のペン先で押圧することによりその情報を選択し、実行キー7Bを押して選択した情報を再生させる。
CPU34は、選択された撮影日時に対応する撮影画像データをメモリカード24から読み出し、DSP33に供給する。DSP33に供給された撮影画像データ(圧縮されている撮影画像データ)はそこで伸長され、CPU34に再び出力される。CPU34は、この撮影画像データをビットマップデータとしてフレームメモリ27に一旦蓄積させ、LCD6に表示させる。
Sモードで撮影された画像は、LCD6上に、静止画像として表示される。この静止画像は、CCD20の全ての画素の画像信号を再生したものであることはいうまでもない。
Lモードで撮影された画像は、LCD6上において、1秒間に8コマの割合で連続して表示される。このとき、各コマに表示される画素数は、CCD20の全画素数の4分の1である。
通常、人間の目は、静止画像の解像度の劣化に対しては敏感に反応するため、静止画像の画素を間引くことは、ユーザに画質の劣化として捉えられてしまう。しかしながら、撮影時の連写速度が上がり、Lモードにおいて1秒間に8コマ撮影され、この画像が1秒間に8コマの早さで再生された場合においては、各コマの画素数がCCD20の画素数の4分の1になるが、人間の目は1秒間に8コマの画像を観察するので、1秒間に人間の目に入る情報量は、静止画像の場合に比べて2倍になる。
すなわち、Sモードで撮影された画像の1コマの画素数を1とすると、Lモードで撮影された画像の1コマの画素数は1/4とされる。Sモードで撮影された画像(静止画像)がLCD6に表示された場合、1秒間に人間の目に入る情報量は1(=(画素数1)×(コマ数1))となる。一方、Lモードで撮影された画像がLCD6に表示された場合、1秒間に人間の目に入る情報量は2(=(画素数1/4)×(コマ数8))となる(すなわち、人間の目には、静止画像の2倍の情報が入る)。従って、1コマ中の画素の数を4分の1にしても、再生時において、ユーザは、画質の劣化をさほど気にすることなく再生画像を観察することができる。
さらに、本実施例においては、各コマ毎に異なる画素をサンプリングし、そのサンプリングした画素をLCD6に表示するようにしているので、人間の目に残像効果が起こり、1コマ当たり4分の3画素を間引いたとしても、ユーザは、画質の劣化をさほど気にすることなくLCD6に表示されるLモードで撮影された画像を観察することができる。
また、Hモードで撮影された画像は、LCD6上において、1秒間に30コマの割合で連続して表示される。このとき、各コマに表示される画素数は、CCD20の全画素数の9分の1であるが、Lモードの場合と同様の理由で、ユーザは、画質の劣化をさほど気にすることなくLCD6に表示されるHモードで撮影された画像を観察することができる。
本実施例においては、Lモード及びHモードで被写体を撮影する場合、CDS31が、再生時における画質の劣化が気にならない程度にCCD20の画素を間引くようにしているので、DSP33の負荷を低減することができ、DSP33を、低速度、低電力で作動させることができる。また、このことにより、装置の低コスト化及び低消費電力化が可能になる。
なお、必要に応じて、発光部4を動作させ、被写体に光を照射させることもできる。
次に、タッチタブレット6Aから2次元の情報(ペン入力情報)を入力する場合の動作について説明する。タッチタブレット6Aが図示せぬペン型指示装置のペン先で押圧されると、接触した箇所のX−Y座標がCPU34に入力される。このX−Y座標は、CPU34の内部のバッファメモリ(図示せず)に蓄積されるとともに、フレームメモリ37の内部の上記X−Y座標の各点に対応した箇所にデータが書き込まれ、LCD6上に表示される。
上述したように、LCD6の表面上に形成されているタッチタブレット6Aは、透明部材によって構成されているので、ユーザは、LCD6上に表示される点(ペン型指示装置のペン先で押圧された位置の点)を観察することができ、あたかもLCD6上に直接ペン入力をしたかのように感じることができる。また、ペン型指示部材をタッチタブレット6A上で移動させると、LCD6上には、ペン型指示装置の移動に伴う線が表示される。さらに、ペン型指示装置をタッチタブレット6A上で断続的に移動させると、LCD6上には、ペン型指示装置の移動に伴う破線が表示される。以上のようにして、ユーザは、タッチタブレット6A(LCD6)に所望の文字、図形等の線画情報を入力する。
また、後述するように、LCD6上に撮影画像が表示されている場合において、ペン型指示装置によって線画情報が入力されると、この線画情報が、撮影画像情報とともに、フレームメモリ37で合成され、LCD6上に同時に表示される。
なお、ユーザは、図示せぬ色選択スイッチを操作することによって、LCD6上に表示される線画の色を、黒、白、赤、青等の色から選択することができる。
ペン型指示装置によるタッチタブレット6Aへの線画情報の入力後、操作キー7の実行キー7Bが押されると、CPU33の内部のバッファメモリに蓄積されている線画情報が、入力日時のヘッダ情報とともにI/F35を介してメモリカード24に供給され、メモリカード24の線画情報記録領域に記録される。
なお、メモリカード24に記録される線画情報は、圧縮処理の施された情報である。タッチタブレット6Aに入力された線画情報は空間周波数成分の高い情報を多く含んでいるので、上記撮影画像の圧縮に用いられるJPEG方式によって圧縮処理を行うと、圧縮効率が悪く情報量が小さくならず、圧縮及び伸長に必要とされる時間が長くなってしまう。さらに、JPEG方式による圧縮は、非可逆圧縮であるので、情報量の少ない線画情報の圧縮には適していない(伸長してLCD6上に表示した場合、情報の欠落に伴うギャザ、にじみが際だってしまうため)。
そこで、本実施例においては、ファックス等において用いられるランレングス法によって、線画情報を圧縮するようにしている。ランレングス法とは、線画画面を水平方向に走査し、黒、白、赤、青等の各色の情報(点)の継続する長さ、及び無情報(ペン入力のない部分)の継続する長さを符号化することにより、線画情報を圧縮する方法である。
このランレングス法を用いることにより、線画情報を最小に圧縮することができ、また、圧縮された線画情報を伸長した場合においても、情報の欠落を抑制することが可能になる。なお、線画情報は、その情報量が比較的少ない場合には、圧縮しないようにすることもできる。
また、上述したように、LCD6上に撮影画像が表示されている場合において、ペン入力を行うと、撮影画像データとペン入力の線画情報がフレームメモリ37で合成され、撮影画像と線画の合成画像がLCD6上に表示される。その一方で、メモリカード24においては、撮影画像データは、撮影画像記録領域に記録され、線画情報は、線画情報記録領域に記録される。このように、2つの情報が、各々異なる領域に記録されるので、ユーザは、撮影画像と線画の合成画像から、いずれか一方の画像(例えば線画)を削除することができ、さらに、各々の画像情報を個別の圧縮方法で圧縮することもできる。
ところで、本実施例においては、上述したように、メモリカード24に記録される各種の情報(データ)には、それぞれの情報が入力された日時のデータがヘッダ情報として付随されている。ユーザは、LCD6上に表示される日時のデータから、所望の情報を選択して再生することができる(図5)。
また、複数の情報(撮影画像、音声、線画)が同時に入力された場合、各々の情報は、メモリカード24の所定の領域に別個に記録されるが、その各々の情報には、互いに同一の日時のヘッダ情報が付随している。
例えば、情報A(撮影画像)、情報B(音声)、情報C(線画)が同時に入力された場合、メモリカード24の所定の領域に記録される各情報A,B,Cは、同一の入力日時のデータをヘッダ情報として各々備えるようにする。また、情報Aのヘッダ情報を入力日時のデータとし、情報B及びCのヘッダ情報を、情報Aに関連する旨のデータとするようにしてもよい。
以上のようにすることにより、同時に入力された情報は、再生時において、同時に再生される。
また、本実施例においては、第1の情報(例えば、撮影画像)を記録した後に、第1の情報と異なる第2の情報(例えば、線画)を、第1の情報に追加した形で記録させることもできる。このように、第1の情報に追加して、第2の情報を加える場合、第1の情報を再生した状態で、第2の情報を入力するようにする。以下に、この場合の詳細な説明をする。
例えば、予め記録されている音声情報が再生されている場合において、レリーズスイッチ10が押され、被写体の撮影処理が行われると、メモリカード24の撮影画像記録領域に記録される撮影画像データには、その音声情報の記録が開始された日時のヘッダ情報が付随される。
また、例えば、1995年8月25日10時5分に記録が開始された音声情報の再生中において、再生開始から1分経過したとき(すなわち、再生データが1995年8月25日10時6分のデータになったとき)、撮影処理が行われると、メモリカード24の撮影画像記録領域に記録される撮影画像データには、1995年8月25日10時6分のヘッダ情報が付随されるようにすることもできる(なお、開始時刻(10時5分)をヘッダ情報とするようにしてもよいし、いずれか一方をデフォルトとして登録するようにしてもよい(その選択は、ユーザによってなされる))。
同様に、予め記録されている音声情報が再生されている場合において、線画情報が入力されると、メモリカード24の線画情報記録領域には、その線画情報とともに、音声情報の記録日時のヘッダ情報と同一のヘッダ情報が記録される。
予め、同時に入力された音声情報及び撮影画像情報が再生されている場合において、線画情報が入力されると、メモリカード24の線画情報記録領域には、その線画情報とともに、音声情報(または撮影画像情報)の記録日時のヘッダ情報と同一のヘッダ情報が記録される。
予め、同時に入力された音声情報及び線画情報が再生されている場合において、撮影画像情報が入力されると、メモリカード24の撮影画像記録領域には、その撮影画像データとともに、音声情報(または線画情報)の記録日時のヘッダ情報と同一のヘッダ情報が記録される。
予め入力されている撮影画像が再生されている場合において、音声情報が入力されると、メモリカード24の音声情報記録領域には、その音声データとともに、撮影画像の記録日時のヘッダ情報と同一のヘッダ情報が記録される。
予め入力されている撮影画像が再生されている場合において、線画情報が入力されると、メモリカード24の線画情報記録領域には、その線画情報とともに、撮影画像の記録日時のヘッダ情報と同一のヘッダ情報が記録される。
予め、同時に入力された撮影画像情報及び線画情報が再生されている場合において、音声情報が入力されると、メモリカード24の音声記録領域には、その音声データとともに、撮影画像情報(または線画情報)の記録日時のヘッダ情報と同一のヘッダ情報が記録される。
予め入力されている線画情報が再生されている場合において、撮影画像情報が入力されると、メモリカード24の撮影画像記録領域には、その撮影画像データとともに、線画情報の記録日時のヘッダ情報と同一のヘッダ情報が記録される。
予め入力されている線画情報が再生されている場合において、音声情報が入力されると、メモリカード24の音声記録領域には、その音声データとともに、線画情報の記録日時のヘッダ情報と同一のヘッダ情報が記録される。
以上のように、予め記録されている第1の情報が再生されている場合において、第2の情報が入力されると、第1の情報の記録日時が第2の情報のヘッダ情報となる。このようにすることによって、後から情報を追加しても、元の情報と追加された情報の関係を保つことができる。
次に、被写体を撮影しているときに、音声を記録する場合について説明する。
まず、連写モード切り換えスイッチ13がSモード(単写モード)に切り換えられている場合について説明する。最初に、録音スイッチ12が押されると、音声情報の入力が行われ、メモリカード24の音声情報記録領域には、音声データとともに、記録開始日時のヘッダ情報が記録される。そして、音声情報の入力中、レリーズスイッチ10が押されると(Sモード)、被写体が1コマ撮影され、その撮影画像データがメモリカード24に記録される。この撮影画像データには、レリーズスイッチ10が押されたとき(撮影開始時)の日時のヘッダ情報が付随している。
一方、最初に、レリーズボタン10が押されると、被写体が1コマ撮影される。このとき、メモリカード24に記録される撮影画像データには、撮影時の日時がヘッダ情報として記録される。さらに、レリーズボタン10が継続して押されていると、撮影した画像が、LCD6上に表示され、このとき、録音スイッチ12が押されると、音声情報が入力される。このとき、メモリカード24の音声情報記録領域に記録される音声データには、撮影したときの日時がヘッダ情報として付随される。
次に、連写モード切り換えスイッチ13が、LモードまたはHモード(連写モード)に切り換えられている場合について説明する。最初に、レリーズスイッチ10が押され、次に録音スイッチ12が押された場合、及びレリーズスイッチ10と録音スイッチ12が同時に押された場合、撮影画像及び音声情報は、次に示すように記録される。
連写モード切り換えスイッチ13がLモードに切り換えられている場合においては、1秒間に8コマの撮影が行われ、メモリカード24の撮影画像記録領域に記録される各コマの撮影画像データには、各々が撮影された日時のヘッダ情報が付随される。従って、各コマのヘッダには、0.125秒間隔の日時が記録されることになる。また、このとき、音声情報は0.125秒毎に記録され(但し、継続して入力される)、メモリカード24の音声情報記録領域に記録される音声データにも、0.125秒間隔の日時のヘッダ情報が記録される。
同様に、連写モード切り換えスイッチ13がHモードに切り換えられている場合においては、1秒間に30コマの撮影が行われ、メモリカード24の撮影画像記録領域に記録される各コマの撮影画像データには、各々が撮影された日時のヘッダ情報が付随される。従って、各コマのヘッダには、1/30秒間隔の日時が記録されることになる。また、このとき、音声情報は1/30秒毎に記録され(但し、継続して入力される)、メモリカード24の音声情報記録領域に記録される音声データにも、1/30秒間隔の日時のヘッダ情報が記録される。
以上のようにすることにより、記録後に撮影画像または音声を編集する場合、任意の撮影画像を除去すると、その撮影画像のヘッダ情報と同一のヘッダ情報を有する音声情報も除去することができる。
一方、連写モード切り換えスイッチ13が、LモードまたはHモードに切り換えられている場合(連写モードに切り換えられている場合)において、最初に録音スイッチ12が押され、後からレリーズスイッチ10が押されると、メモリカード24に記録される情報には、以下に示すヘッダ情報が記録される。
すなわち、この場合においては、レリーズスイッチ10が押されるまでの音声データが、メモリカード24の音声情報記録領域に、1つのファイルとして記録される。その後、レリーズスイッチ10が押された場合には、撮影画像の各コマに対応する日時のヘッダ情報が音声データとともに記録される。
次に、本実施例の情報入力装置1の保持について図8及び図9を参照して説明する。すなわち、本実施例の情報入力装置1においては、被写体の撮影に用いられるファインダ2、撮影レンズ3及び発光部4が、装置本体の上端部に設けられている。また、音声を入力するマイクロホン8が、装置本体の上面(面Z)上に設けられている。
また、被写体を撮影する場合に操作されるレリーズスイッチ10、及び音声を入力する場合に操作される録音スイッチ12が、それぞれ、上記ファインダ2、撮影レンズ3、発光部4及びマイクロホン8よりも鉛直下側の面Y1、面Y2上に設けられている。
さらに、面X2上において、LCD6がファインダ2よりも鉛直下側に配置され、装置の内部においては、LCD6の鉛直下側には、図3に示すバッテリ21及びコンデンサ22が設けられている。
図示せぬペン型指示装置を右手に持ち、LCD6(タッチタブレット6A)に線画情報を入力する場合、図8及び図9に示すように、ユーザは、面X1(LCD6の形成されている面X1に対向する面)を、左手120の手のひらによって確実に保持する。
この情報入力装置1においては、ファインダ2、撮影レンズ3、発光部4の鉛直下側に、充分な長さが確保されており(バッテリ21及びコンデンサ22が設けられているため)、装置を保持する左手120によって、上記各部2乃至4が覆われることがなくなる。また、本実施例においては、ユーザの左手120の人差し指が、面Y2上に設けられているレリーズスイッチ120の形成位置に配置され、左手120の親指が、面Y1上に設けられている録音スイッチ12の形成位置に配置される。従って、タッチタブレット6Aに線画情報を入力している場合において、突然シャッタチャンス等が発生しても、左手の人差し指でレリーズスイッチ10を押して、被写体を撮影することができ、親指で、録音スイッチ12を押して、音声を入力することができる。
また、ユーザ側に向けられる面X2の右側側面(面Y1)にレリーズスイッチが設けられているので、ユーザは、通常のカメラと同様に、レリーズスイッチ10を右手で操作することができる。
なお、本実施例の情報入力装置1においては、ユーザが、情報入力装置1を保持するとき、右手または左手のいずれを用いても支障がないように、レリーズスイッチ10と録音スイッチ12が、左右対称に形成されている(ほぼ同じ高さに形成されている)。
さらに、レリーズスイッチ10及び録音スイッチ12を、図10及び図11に示すように、それぞれ、面X1及び面X2上に配置することもできる。この場合においても、各スイッチ10及び12は、ファインダ2、撮影レンズ3、発光部4等よりも、鉛直下側に配置されている。このような配置にした場合においても、ユーザは、この情報入力装置1Aを、左手120によって上記各部2乃至4を覆うことなく、確実に保持することができ、その親指で録音スイッチ12を操作し、その人差し指でレリーズスイッチ10を操作することができる。
なお、以上においては、撮影画像データと音声データを、ヘッダ情報で対応させるようにしたが、対応関係を例えば検索情報として、撮影画像データおよび音声データとは別に、まとめて記録することもできる。