JP2005328013A - 半導体装置の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 炭化珪素を用いてトレンチ形の半導体素子を形成する場合において、トレンチ内壁の結晶欠陥や形状の改善を図る。
【解決手段】 ドライエッチングによって炭化珪素(000−1)C面の基板20にアスペクト比2以上、かつ、トレンチ傾斜角80度以上のトレンチ6を形成したのち、ドライエッチング時におけるトレンチ内面のダメージ領域を1600℃以上の減圧水素雰囲気でエッチング除去する。これにより、高温水素の特性から短時間でダメージ領域除去が可能となる。そして、ダメージが除去されたトレンチ内には、表面凹凸、変質層が残っていないため、変質層から生じる準位が存在しないようにできる。また、表面凹凸も極めて小さくすることができる。
【選択図】 図2

Description

炭化珪素半導体基板にトレンチを形成して、その内部にエピタキシャル層を埋め込んだ半導体装置の製造方法に関するものである。
従来、非特許文献1において、炭化珪素半導体の埋め込み技術について記載されている。この非特許文献1では、トレンチ傾斜角約50度、アスペクト比1以下の様々のトレンチ幅を有する試料を用いて、成長温度1480と1620℃、C/Si比1.2と4.0でエピタキシャル成長を行った実験が行われている。
図7(a)、(b)は、エピタキシャル層の成長形状の一例を示したものである。図7(a)、(b)からも判るように、非特許文献1には、エピタキシャル層の成長形状は、成長温度よりもC/Si比に強く依存しており、C/Si比が低い場合には、表面反応律速となって、複数のファセット面が現れるファセット面成長となり、C/Si比が高い場合には、気相拡散律速になることが記載されている。
また、トレンチ内をエピタキシャル膜で埋め込む従来技術としては、シリコン半導体に関する技術が多数開示されている。例えば、特許文献1では、トレンチエッチング工程で発生するトレンチ内面(側面、底面)の面荒れや結晶欠陥について、非酸化性雰囲気で熱処理を行うことでトレンチ内面を平滑化し、埋め込み層の結晶性を向上させることが示されている。
また、特許文献2では、トレンチ底部角部を丸く整形する効果が記述されており、トレンチ底部の応力を緩和させ、トレンチ底部での成長レート減少を防止できることが示されている。この技術は、記載事実の視点を変えれば、特定面(例えば、底面と側面)の成長が互いに合流する領域が小さければ応力が大きくなるが、角を丸める(特定面が出ないようにする)ことにより、合流する領域を大きくして応力緩和を図っていると見ることもできる。すなわち、トレンチ底部角部を丸く整形することは、成長時の結晶応力を緩和し、結晶性の良好な埋め込み層を形成する必要条件であるといえる。
特許3424667号公報 特開2003−218038号公報 1998年、Materials Science Forum Vols.264−268、P.131〜134
しかしながら、特開2003−69041号公報に開示された炭化珪素トレンチJ−FETにおける、トレンチ内に形成されるN型チャネル層やp+型ゲート領域を形成する場合、特に、トレンチのアスペクト比が2以上で、傾斜角がほぼ垂直である場合、前述した従来技術では対応できない課題が発生する。
すなわち、非特許文献1では、対象とする傾斜角が垂直で高アスペクトなトレンチの埋め込みに関して、高C/Si比条件では、非トレンチ部に比較してトレンチ内部への原料ガスの供給が少なくなるため、N型チャネル層の形成では、図7(a)に示されるように形状がオ一バーハング状態となり、P型ゲート領域の形成では、トレンチ内に空洞が発生するという課題があった。さらに、図7(b)に示されるように必然的に非トレンチ部に比較してトレンチ内部の成長レートが低くなるため、たとえ空洞が発生しないように埋め込みができたとしても、埋め込み後のエッチバック工程における不要なエピタキシャル膜の除去膜厚が、トレンチ深さより必ず大きくなるという課題もあった。
また、低C/Si比条件ではファセット面成長が支配的となるとしているが、面方位による成長レートの差は明かにされておらず、非トレンチ部に比較してトレンチ内部の成長レートをいかに大きくし、埋め込み後のエッチバック工程における不要なエピタキシャル膜の除去膜厚をいかに減少させるかも示されていなかった。
また、シリコン技術におけるトレンチ内面の平滑化は、熱処理中のSi結晶流動性(例えば、特開平11−74483参照)の特徴を生かしたもので、効果的に表面凹凸、結晶欠陥を低減することができる。しかも同時にトレンチ角部も丸めることが可能で、トレンチ幅をほとんど変えることなく、トレンチ開口部を拡大し、トレンチ内への原料ガス供給を効果的に増加できるし、トレンチ底部も角部がないため、埋め込み層の結晶性も良好で、しかも、その形状から半導体素子のオフ時の電界集中も抑制できる。
一方、炭化珪素では液相状態が存在しないため流動性がない。そのため、炭化珪素では、トレンチエッチング工程で発生するトレンチ内面(側面、底面)の面荒れや結晶欠陥の除去は、それらを含む炭化珪素結晶領域をエッチングで除去する必要がある。ところが、炭化珪素には、トレンチエッチングダメージを効果的に除去できるウエットエッチング液、ドライエッチング条件も明確でなく、また、犠牲酸化も酸化レートが低く長時間の酸化時間が必要になるという問題点があった。
その他、有効なエッチング技術としては、平面エピタキシャル成長の成長前処理として一般的に用いられている水素エッチングやHCLエッチングがある。通常、これらの技術は、Siでも1000℃程度で用いられており、炭化珪素でも同様なメカニズムが作用していると考えられやすいが、Siと炭化珪素ではそのメカニズムは全く異なっている。
すなわち、Siでは1000℃程度の熱処理でSiの流動性を促進して再結晶化することにより、面荒れや結晶欠陥の除去が行われる。そのため、雰囲気としては、非酸化雰囲気であれば充分な効果が得られる。一方、炭化珪素は、CとSiの2つの元素から構成されており、流動性もないため、それぞれの元素を基板表面から離脱させる必要がある。通常、C元素は、高温水素と反応させハイドロカーボン(CxHy)として離脱させ、Si元素は減圧下での気化作用で離脱させる。そのため、炭化珪素のエッチングでは、減圧下で1300℃以上の水素雰囲気もしくは、常圧下では、1300℃以上のHClを添加した水素雰囲気が必要不可欠となる。そのため、常圧でHClを添加しない水素雰囲気で熱処理を行うと、C元素のみが離脱し、Si元素の離脱が阻害されるため、Siのみが基板表面に残留し凝集するいわゆるSiドロップレット現象というSi技術にはない現象が発生する。
このような特徴を有する炭化珪素における水素エッチングであるが、これをトレンチ形状に適用した場合、これまで詳細に議論された例はなかった。そのため、エッチング面の面方位によるエッチングレート差も明らかでなく、また、トレンチ角部も、複数のファセット面が発生する表面反応律速をいかに防止して丸くするのか、その条件も明確でないという課題があった。さらに、トレンチ内部(側面、底面)のトレンチエッチングダメージ領域を除去した場合、どの程度、表面凹凸、結晶欠陥の低減効果があるのかも明確でなかった。
本発明は上記点に鑑みて、炭化珪素を用いてトレンチ形の半導体素子を形成する場合において、トレンチ内壁の結晶欠陥や形状の改善を図ることができる炭化珪素半導体装置の製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するべく、本発明者らは、まず初めに、水素エッチングのトレンチ形状に適用した場合の課題について検討を行った。
前述したように、埋め込み成長前処理としては、トレンチ底部角部を丸く整形する必要があるが、それには、エッチング反応を気相拡散律速にしてファセット面が出現する表面反応律速を抑えることが必要である。複数のファセット面は、エッチング反応で生成される反応生成物の拡散(排出)が充分で、かつ、比較的反応温度が低い場合に、それぞれの結晶面の表面エネルギーの差に従って出現する。このファセット面が発生するような条件のときには、表面反応律速となる。従って、気相拡散律速にするためには、どの面方位でも充分反応できるように反応温度を高くしたり、反応生成物の拡散を抑えるように圧力を高くすれば良いことになる。
したがって、本発明者らは、実際の(000−1)C面炭化珪素基板にトレンチ形状を形成した試料を用いて水素エッチングの実験を行った。このとき、基板温度を1500〜1650℃、圧力を2.7×10Pa(200Torr)と8.6×10Pa(600Torr)としている。図3は、この実験結果を示した図である。
この図に示されるように、1625℃以上では、いずれの圧力でも角部を丸くすることができた。一方、1500℃では、いずれの圧力ともファセット面が現れた。すなわち、炭化珪素における埋め込み前の水素エッチング条件として、1625℃以上が必要であることを見出した。また、8.6×10Pa(600Torr)の圧力では、1600℃でもファセット面が現れないことが判明した。
また、別の実験からエッチングレートの面方位異方性として、いかなる条件においてもSi面、a面、C面の順にエッチングレートが大きくなることが判明した。このことは、基板表面におけるSi原子とC原子の割合がエッチングレートを決めており、本質的にはSi原子の離脱過程が律速過程であると考えられる。
次に、本発明者らは埋め込み形状が、初期段階でオーバーハング状態になったり、最終段階で空洞が発生するという課題及び、非トレンチ部に比較してトレンチ内部の成長レートが低くなるという課題について検討を行った。
まず、成長反応が表面反応律速(非特許文献1では、低C/Si比条件に相当)の場合、すなわち比較的低温度で原料ガスの供給が充分である成長の場合、成長レートは結晶面方位で決まるため、トレンチ側面の成長レートが底面に比べ大きい場合にはかなり有効な手段となる。ただ、前述したように、特定面の成長が互いに合流する領域が表面反応律速ゆえに徐々に小さくなってしまい、応力発生のため結晶性の良好な埋め込み層を最終的には形成できない可能性がある。
そして、成長反応が気相拡散律速(非特許文献1では、高C/Si比条件)の場合、すなわち比較的高温度で原料ガスの供給が充分である成長の場合には、非トレンチ部に比べ、トレンチ内部特にトレンチ底部への原料ガス供給が必然的に少なくなるため、オーバーハングや空洞、非トレンチ部膜厚増大の課題が発生する。
しかしながら、エピタキシャル膜の成長は可逆反応であり、デポジションとエッチングのバランスで実質的な成長量が決まっている。すなわち、デポジション量からエッチング量を差し引いた値が実質的な成長量で、プラスなら成長、マイナスならエッチングとなる。一般的成長では、デポジション量に比べエッチング量が無視できるほど小さいため、デポジション量がそのまま成長量とみなされる。そこで、デポジションとエッチングを共に活性化させた場合、すなわち基板温度を高めた場合どうなるかを検討した。
図8(a)、(b)は、(000−1)C面にトレンチ100を形成し、側面をa面とした場合の予想成長形態の概念図である。図8(a)は、一般的な原料供給律速(気相拡散律速)の場合の成長形状である。通常は、1550℃程度の成長温度と2.5μm/h程度の成長レートで実現される。
ここで、エピタキシャル成長の温度を更に高める(気相拡散律速を強める)と、前述した水素エッチングの面方位異方性が強く作用する。すなわち、a面に比べC面のエッチングレートが大きいことが影響して、成長レートとしてはC面に比べa面が大きくなり、図8(b)に示す形状が実現される。この場合、トレンチ側面の成長が最も速くなり、初期段階でのオーバーハングや最終段階での空洞の発生が抑制される。この場合、エッチングによる平坦化作用も少なからず作用してトレンチ100の開口部の閉塞を防止している。また、成長レートの面方位異方性により、埋め込み完了時には、トレンチ深さに比べ、非トレンチ部の成長膜厚が小さくなるため、埋め込み後のエッチバック工程における不要なエピタキシャル膜の除去膜厚も小さくできる。
本発明者らは、実際の(000−1)C面炭化珪素基板にトレンチ形状を形成した試料を用い、成長パラメータとして、成長温度と原料ガス供給量(実質的成長レート)を変化させて埋め込み成長を行った。なお、埋め込み前の水素エッチングの条件は、温度を1625℃、圧力を2.7×10Pa(200Torr)としている。
図9に結果を示す。この結果、成長温度1625℃以上、成長レート約2.5μm以下の試料において上記課題を解決することができた。すなわち、初期段階でオーバーハング状態にもならないし、最終段階で空洞の発生もなくなった。また、エピタキシャルの成長レートは、非トレンチ部、トレンチ100の底部、トレンチ100の上部側面、トレンチ100の下部側面の順で大きくなっている。すなわち、埋め込み完了時には、トレンチ深さに比べ、非トレンチ部の成長膜厚を小さくできることもわかった。
したがって、請求項1に記載の発明では、トレンチマスク形成工程にて、炭化珪素からなる(000−1)C面の半導体基板(20、45)の上面にトレンチエッチング用マスク(21、60)を形成したのち、トレンチ形成工程にて、このトレンチエッチング用マスク(21、60)を用いたエッチングを行って、半導体基板(20、45)にアスペクト比2以上でかつ、トレンチ傾斜角80度以上のトレンチ(6、47)を形成し、その後、ダメージ除去工程にて、半導体基板(21、60)に形成されたトレンチ(6、47)の内面のトレンチエッチングダメージ領域を1600℃以上の減圧の水素雰囲気でエッチング除去することを特徴としている。
このように、1600℃以上の減圧の水素雰囲気でエッチングすることにより、高温水素の特性から短時間でダメージ領域除去が可能となる。この場合、側面のa面に比べ底面のC面のエッチングレートが大きい。そのため、トレンチ形成工程で発生した側面より深くに存在する底面のエッチング変質層を選択的に除去でき、効率的にトレンチ内の変質層を無くすことができる。
その結果、後工程でエピタキシャル成長を行ったときに、基板とエピタキシャル層界面での準位の発生を防止することができる。そのため、半導体基板(20、45)を構成する各層とエピタキシャル層とによるPN接合に関して、リーク電流の少ない接合とすることができる。
請求項2に記載の発明では、ダメージ除去工程前において、トレンチエッチング用マスク(21、60)を除去するトレンチマスク除去工程を行うことを特徴としている。このように、ダメージ除去工程前にトレンチエッチング用マスク(21、60)を除去しておくことにより、エピタキシャル成長時にそのマスク材中に含まれる不純物の影響を完全になくすことができる。
請求項3に記載の発明では、トレンチマスク除去工程の後において、半導体基板(20、45)の上面におけるトレンチ(6、47)とは異なる領域の一部に選択エピタキシャル用マスク(31)を形成する選択マスク形成工程を有することを特徴としている。
このように、アライメント用に形成したトレンチ領域上に選択マスクを形成するようにすれば、エピタキシャル成長時の埋め込みを防止し、エピタキシャル成長前後のアライメントを確保することができる。また、選択マスクを除去した後、エッチバック工程時にアライメント用に形成したトレンチの深さを測定しながらエッチバックすることにより、所望のエッチング量に制御することも可能となる。
請求項4に記載の発明では、ダメージ除去工程では、気相拡散律速反応によってダメージ除去を行うことで、トレンチ(6、47)の角部を丸くすることを特徴としている。
このように丸形状にすることにより、トレンチ開口部では、次工程のエピタキシャル成長時に、効果的に原料ガスのトレンチ内への侵入を促進する。
また、トレンチ底部では、エピタキシャル成長時の結晶応力を分散して緩和する効果を有するため、結晶性の良好なエピタキシャル膜の形成を可能にできる。
例えば、請求項5に示されるように、ダメージ除去工程では、Pを雰囲気圧力(Pa)、Tを基板温度(℃)、aを4.16×10、bを2.54×10とした場合に、P×1.33×10≧a/T−bの関係を満たす条件でダメージ除去が行われる。
なお、請求項6に示されるように、ダメージ除去工程を1700℃以下で行うのが好ましい。これは、1700℃を超えると基板表面でステップバンチングが発生する可能性があるためであり、1700℃以下とすれば、ステップバンチングの発生を防止することができる。
請求項7に記載の発明では、ダメージ除去工程では、炭化水素を含む水素雰囲気での熱処理によりダメージ除去を行うことを特徴としている。このように、炭化水素を添加することにより、炭化珪素結晶中の炭素原子のエッチングが抑制され、全体としてエッチングレートが低下し、エッチング反応は、さらに気相拡散律速側にシフトする。したがって、このように炭化水素を含む水素雰囲気中で熱処理を行うようにすれば、水素のみの雰囲気に比べ容易にトレンチ(6、47)の角部の丸形状が実現できる。
請求項8に記載の発明では、ダメージ除去工程では、不活性ガスを含む水素雰囲気での熱処理によりダメージ除去を行うことを特徴としている。雰囲気圧力が変わらない場合、Ar等の不活性ガスの添加は、水素の濃度を相対的に低減する。そのため、反応生成物の拡散効果については変化しないが、エッチングレートが低下し、炭化水素と同様に気相拡散律速側にシフトする。従って、Ar等の不活性ガスの添加においても、水素のみの雰囲気に比べ容易にトレンチ(6、47)の角部の丸形状が実現できる。

請求項9に記載の発明では、ダメージ除去工程の後において、エピタキシャル成長法によりトレンチ(6、47)内にエピタキシャル層(7、48)を1500℃以上で形成することを特徴としている。
このような低温領域のエピタキシャル成長でも、エッチング量とデポジション量が均衡するように、原料ガス供給量を制限し、成長レートを低減しておけば、成長レートとしては、非トレンチ部、トレンチ底面、トレンチ側面と順に大きくなる成長形態が実現される。また同時に、側面においても上部に比べ下部の成長レートが大きくできるため、いわゆるオーバーハング形状が抑制される。
尚、請求項10に記載のように、エピタキシャル層(7、48)の形成温度を1550℃以上とすれば、エッチングとデポジションが共に活性化され、成長レートを全体的に増加させることができる。
さらに、請求項11に記載のように、エピタキシャル層(7、48)の形成温度を1625℃以上とすれば、トレンチ側面の成長レートを2.5μm/h程度に高めてもオーバーハング形状とならないため、短時間で空洞のない埋め込み層が形成できる。
請求項12に記載の発明では、ダメージ除去工程とエピタキシャル層(7、48)の形成工程とを、同一の装置を用いて連続して行うことを特徴としている。
このように、ダメージ除去工程とエピタキシャル薄膜形成工程とを同一装置で行うことで、半導体基板を大気中に曝させないようにでき、基板表面への汚染物の付着を低減できる。しかも、基板加熱における昇降温時間を省略することが可能となるため、半導体装置製造のスループットを向上させることが可能となる。
請求項13に記載の発明では、エピタキシャル層形成工程では、気相拡散律速によってエピタキシャル成長が行われ、エピタキシャル層(7、48)の角部が丸くなるようにすることを特徴としている。
このように、気相拡散律速で複数のファセット面がない丸形状となるようにエピタキシャル層(7、48)を形成すれば、エピタキシャル成長時の結晶応力を分散して緩和する効果を有するため、結晶性の良好なエピタキシャル膜の形成を可能にできる
請求項14に記載の発明では、エピタキシャル層形成工程では、トレンチ側面の成長レートが2.5μm/h以下であることを特徴としている。
このような成長レートとすれば、エピタキシャル層形成が気相拡散律速で行われ、複数のファセット面が出現することを防止することができる。
請求項15に記載の発明では、エピタキシャル層形成工程を1700℃以下で行うことを特徴としている。これにより、請求項6と同様の効果を得ることができる。
請求項16に記載の発明では、エピタキシャル層形成工程では、原料ガス、キャリアガスの他にエッチング作用を有するガスを含有させてエピタキシャル成長を行うことを特徴としている。
このようなエッチング作用を有するガスを導入することにより、比較的低温でエピタキシャル成長を行ってもエッチング作用とデポジション作用が均衡する状態を作り出すことが可能となり、C面のエッチングレートをa面より大きくすることが可能となり、側面の成長が支配的となるため、オーバーハングや空洞の発生を防止できる。例えば、このようなエッチング作用を有するガスとしては、請求項17に示されるように、塩化水素ガスを用いることができる。
請求項18に記載の発明では、エピタキシャル層形成工程では、エピタキシャル初期段階と最終段階で不純物濃度が異なるよう濃度制御を行うことを特徴としている。例えば、請求項19に示されるように、初期段階に比べ最終段階で不純物濃度が大きくなるよう制御される。
このような不純物濃度制御を行うことにより、PN接合界面を形成する成長初期層では、比較的不純物濃度が低くなるため結晶歪が小さく、結晶性が良好でリーク電流の少ないPN接合が形成できる。一方、最終段階にかけては、不純物濃度を高く設定して埋め込み層のシート抵抗を低く、また、電極とのコンタクト抵抗を小さくする。こうして、パワーデバイスのスイッチング速度を小さくすることができる。
請求項20に記載の発明では、トレンチ形成工程では、トレンチ(6、47)の表面パターンが半導体基板(20、45)のオフ方向に平行なストライプ形状となるようにすることを特徴としている。
このように、トレンチパターンが基板のオフ方向に平行なストライプになるようにすれば、トレンチ両側面に形成されるエピタキシャル膜は、形状および不純物プロファイルが完全に対称的となり、半導体装置の閾値電圧等の電気特性が均一化できる。さらに、トレンチ上部角部から発生するC面ファセット面の形成を防止することもできる。このため、オンオフ性能の優れた素子が実現できる。
請求項21に記載の発明では、トレンチ形成工程では、トレンチ(6、47)の表面パターンは、内角が等しい六角形状となるようにすることを特徴としている。
このようなパターンとすれば、トレンチ側面に形成されるエピタキシャル膜は、形状および不純物濃度プロファイルがほぼ等しいものとなる。従って、トランジスタのチャネル幅密度を最大化することができ、しかもストライプ形状と同様にオンオフ特性の優れた半導体装置を提供することができる。
なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
以下、本発明の実施形態について図に基づいて説明する。なお、以下の各実施形態相互において、互いに同一もしくは均等である部分には、図中、同一符号を付してある。
(第1実施形態)
図1に、本発明の第1実施形態における炭化珪素半導体装置に備えられるJ−FETの断面構成を示す。以下、図1に基づきJ−FETの構成について説明する。
図1に示すように、例えば1×1019cm−3以上の高い不純物濃度とされた炭化珪素(000−1)C面のN型基板1が用いられ、このN型基板1の主表面上に、例えば1×1015〜5×1016cm−3の低い不純物濃度とされたN型ドリフト層2が形成されている。また、N型ドリフト層2の表面にはP型層からなる第1ゲート領域3がエピタキシャル成長されている。この第1ゲート領域3は、例えば5×1017〜5×1019cm−3の高い不純物濃度とされている。
さらに、第1ゲート領域3の表面には、N型領域4がエピタキシャル成長され、また、N型領域4の表面には、例えば1×1018〜5×1019cm−3の高い不純物濃度とされたN型ソース領域5がエピタキシャル成長されている。N型領域4は、N型ソース領域5とP型の第1ゲート領域3との間に挟まれることで、高濃度なPNジャンクション間の電界緩和を行うものである。以下、N型領域4を電界緩和領域(第1の電界緩和領域)という。この電界緩和領域4の厚さは例えば0.5μm以下とされ、その不純物濃度はN型ソース領域5よりも低くされている。
また、N型ソース領域5の表面から、N型ソース領域5、電界緩和領域4および第1ゲート領域3を貫通し、N型ドリフト領域2に達するトレンチ6が形成されている。このトレンチ6の内壁にはN型ドリフト領域2とほぼ同等の不純物濃度とされたN型チャネル層7がエピタキシャル成長されており、このN型チャネル層7の表面にはトレンチ6を埋め込むように、第1ゲート領域3とほぼ同等の不純物濃度とされたP型の第2ゲート領域8がエピタキシャル成長されている。これらN型チャネル層7と第2ゲート領域8の表面は、N型ソース領域5の表面と同一面となっている。
第2ゲート領域8の表面には、第2ゲート電極9が電気的に接続されており、この第2ゲート電極9を覆うように層間絶縁膜10が形成されている。また、層間絶縁膜10に形成されたコンタクトホールを介してN型ソース領域5と電気的に接続されたソース電極11が形成されている。
また、図1とは別断面において、第1ゲート領域3も第1ゲート電極12と電気的に接続され、第1ゲート電極12を介して第1ゲート領域3への印加電圧を制御できるようになっている。そして、N型基板1の裏面側にはドレイン電極13が形成され、図1に示す構造が構成されている。

このように構成されたJ−FETはノーマリオフで作動する。この作動は、第1ゲート電極12および第2ゲート電極9の接続態様によって異なっており、以下のように行われる。
第1、第2ゲート電極12、9との電位が制御可能な態様の場合には、第1、第2ゲート電極12、9の電位に基づいて第1、第2ゲート領域3、8の双方からN型チャネル層7側に延びる空乏層の延び量を制御するダブルゲート駆動が行われる。例えば、第1、第2ゲート電極12、9に電圧を印加していない時には、N型チャネル層7が第1、第2ゲート領域3、8の双方から延びる空乏層によってピンチオフされる。これにより、ソース−ドレイン間の電流がオフされる。そして、第1、第2ゲート領域3、8とN型チャネル層7との間に順バイアスをかけると、N型チャネル層7に延びる空乏層の延び量が縮小される。これにより、チャネルが設定されて、ソース−ドレイン間に電流が流される。
第1ゲート電極12の電位のみが独立して制御可能で、第2ゲート電極9の電位が例えばソース電極11と同電位とされる態様の場合には、第1ゲート電極12の電位に基づいて第1ゲート領域3側からN型チャネル層7側に延びる空乏層の延び量を制御するシングルゲート駆動が行われる。この場合にも基本的にはダブルゲート駆動の場合と同様の作動を行うが、チャネルの設定が第1ゲート領域3側から延びる空乏層のみによって行われることになる。
第2ゲート電極9の電位のみが独立して制御可能で、第1ゲート電極12の電位が例えばソース電極11と同電位とされる態様の場合には、第2ゲート電極9の電位に基づいて第2ゲート領域8側からN型チャネル層7側に延びる空乏層の延び量を制御するシングルゲート駆動が行われる。この場合にも基本的にはダブルゲート駆動の場合と同様の作動を行うが、チャネルの設定が第2ゲート領域8側から延びる空乏層のみによって行われることになる。
次に、図1に示す炭化珪素半導体装置の製造方法について、図2に示す炭化珪素半導体装置の製造工程を参照して説明する。
〔図2(a)に示す工程〕
まず、炭化珪素(000−1)C面のN型基板1を用意する。このような面方位の基板を用いると、例えばトレンチ6の傾斜角が90度でなくても、トレンチ側面表面に存在するカーボン原子とシリコン原子の割合をほぼ同じとすることが可能となる。そのため、半導体装置のパラメータ設計を容易にすることが可能となる。
そして、このような面方位を有するN型基板1の上に、エピタキシャル膜からなるN型ドリフト層2、P型の第1ゲート領域3、N型領域4、N型ソース領域5を順次積層した炭化珪素からなる半導体基板20を用意し、その上面にトレンチエッチング用マスクとなるLTO膜(酸化膜)21を成膜した後、フォトリソグラフィによりパターニングする。パターンとしては、その開口部分の長手方向が基板のオフ方向と平行になるストライプパターンとし、開口部分の幅(トレンチ幅)が例えば2μmとなるように設定する。
このようなオフ方向と平行になるストライプパターンとすれば、結晶面方位の点から両側面の結晶面が完全に対称的になる。さらに、後述するエピタキシャル成長時に、トレンチ上部の角部から発生するC面ファセットの形成を防止することも可能となる。そのため、トレンチ両側面に形成されるエピタキシャル膜が形状および不純物プロファイルにおいて完全に対称的となり、半導体装置のしきい値電圧などの電気特性を均一化できる。また、トレンチ上部にC面ファセットがないことから、半導体装置のリーク電流不良を防止することも可能となる。
〔図2(b)に示す工程〕
次に、LTO膜をマスクとしてトレンチ形成のためのドライエッチングを行い、第1ゲート領域3を貫通しN型ドリフト層2に達する傾斜角が80度以上でトレンチ深さが例えば4μm以上、すなわちアスペクト比2以上のトレンチ6を形成する。このとき、ドライエッチングのダメージにより、トレンチ側面には100nm程度、トレンチ底面には10nm程度の表面凹凸が発生する。また、ドライエッチングによる変質層がトレンチ側面には10nm程度、底面には20nm程度の深さまで発生している。
〔図2(c)に示す工程〕
次に、高温水素雰囲気中でトレンチエッチングのダメージ除去工程を行う。具体的には、このときのダメージ除去工程の条件は、実験結果に基づいて決められている。
すなわち、基板温度をTとしたときに、その逆数(1/T)と圧力Pとの関係を調べたところ、図3に示される結果が得られた。この図中、○印は気相拡散律速となる場合、△印は基本的に気相拡散律速であるが僅かに表面反応律速が含まれる場合、×印は表面反応律速となる場合を示している。この図から、気相拡散律速となる場合とそれに表面反応律速が含まれる場合との基板温度と圧力の境界として、実験結果から求められている気相拡散律速となる場合の基板温度と圧力の最大値に直線を引き、その直線を一次式として表したところ、次式の関係を満たせば気相拡散律速になることが判った。
(数1)
P×1.33×10≧a/T−b
なお、a、bは定数であり、a=4.16×10、b=2.54×10である。
したがって、本実施形態では、1600度以上の減圧下での水素雰囲気、例えば1625℃、2.7×10Pa(200Torr)の高温水素雰囲気中でトレンチエッチングのダメージ除去を5分間程度行っている。
ただし、このとき、ダメージ除去工程の上限温度を1700℃としている。これは、1700℃を超えると基板表面でステップバンチングが発生する可能性があるためであり、1700℃以下とすれば、ステップバンチングの発生を防止することができる。
このように、ダメージ除去工程を2分間程度行うことにより、トレンチの側面では80nm程度、底面では200nm程度エッチングされ、表面凹凸及び変質層が完全に除去される。
また、このとき同時にトレンチエッチング用マスクのLTO膜21も完全に除去される。すなわち、トレンチエッチング用マスクとしてLTO膜21を用いているが、半導体グレードの酸化膜は高温水素で容易にエッチングされ、しかも金属等の汚染物が含まれていないという特徴がある。このため、その特徴を生かせば、高温水素を用いたダメージ除去工程と同時にトレンチマスク除去工程が同時に実施できる。これにより、トレンチ形成工程と高温水素を用いたダメージ除去工程間で必要と考えられるトレンチマスク除去工程を省略できる。
さらに、このとき、トレンチ側面の表面凹凸も5nm程度まで低減される。このときのエッチング条件では、エッチング反応は気相拡散律速となる。そのため、トレンチ開口部やトレンチ底部といったトレンチ角部は、ファセット面のない丸形状となる。この丸形状により、トレンチ開口部では、次工程のエピタキシャル成長時に、効果的に原料ガスのトレンチ内への侵入を促進することができることから、トレンチ6のアスペクト比が高くされる場合におけるオーバーハング形状の発生を防止できる。このため、後工程でN型チャネル層7とP型の第2ゲート領域8を形成しても、これらによってトレンチ6を空洞がないように埋め込むことが可能となる。一方、トレンチ底部では、エピタキシャル成長時の結晶応力を分散して緩和する効果を有するため、結晶性の良好なエピタキシャル膜の形成を可能にできる。
〔図2(d)に示す工程〕
次に、ダメージ除去工程を行った装置と同一装置内でエピタキシャル薄膜からなるN型チャネル層7を連続して形成する。このように、ダメージ除去工程とエピタキシャル薄膜形成工程とを同一装置で行うことで、半導体基板を大気中に曝させないようにでき、基板表面への汚染物の付着を低減できる。しかも、基板加熱における昇降温時間を省略することが可能となるため、半導体装置製造のスループットを向上させることが可能となる。
このエピタキシャル成長工程では、1625℃以上の高温水素雰囲気中に原料ガスとなるSiHガスとCガスを導入することによってエピタキシャル成長を行う。そして、N型不純物濃度の制御にはドーピングガスとなるNガスを適宜使用する。また、このときにも、エピタキシャル成長の温度の上限を1700℃とし、ステップバンチングが発生しないようにするのが好ましい。
そして、トレンチ側面の成長レートが2.5μm/h以下となるようにガス流量を設定する。このような成長レートとすることで、気相拡散律速反応によってエピタキシャル成長が進み、エピタキシャル成長後にファセット面が出現することを防止することができる。
このように、エピタキシャル成長反応が気相拡散律速反応となるようにすることで、トレンチ角部底部でも結晶応力歪が少なく結晶性の良好なエピタキシャル膜が形成できる。また、エッチングとデポジションが共に活性化され、エッチング量とデポジション量が均衡するため、底面(C面)のエッチングが促進され、成長レートとしては、非トレンチ部、トレンチ底面、トレンチ側面と順に大きくなる成長形態が実現される。また同時に、側面においても上部に比べ下部の成長レートが大きくできるため、いわゆるオーバーハング形状が抑制される。
また、トレンチパターンが基板のオフ方向に平行なストライプであるので、トレンチ両側面に形成されるエピタキシャル膜は、形状および不純物プロファイルが完全に対称的となり、半導体装置の閾値電圧等の電気特性が均一化できる。さらに、トレンチ上部角部から発生するC面ファセット面の形成を防止することもできる。このため、オンオフ性能の優れた素子が実現できる。
〔図2(e)に示す工程〕
次に、埋め込み層としてP型の第2ゲート領域8をN型チャネル層7と同様なエピタキシャル条件で形成する。第2ゲート領域8の形成に際してN型チャネル層7の形成と異なる点は、P型であるためNの代わりにトリメチルアルミを用いる点である。この場合にも、エッチング量とデポジション量が均衡するため、底面(C面)のエッチングが促進され、側面(a面)の成長が支配的となる。その結果、成長レートとして、非トレンチ部、トレンチ底面、トレンチ側面と順に大きくなる。そして、トレンチ側面においてもトレンチ上部に比べトレンチ下部の成長レートが大きくできるため空洞の発生を防止でき、しかも第2ゲート領域8の形成後のエッチバック工程における除去量をトレンチ深さより少なくすることが可能となる。
さらに、エピタキシャル成長中に、P型濃度を初期段階と最終段階とで不純物濃度が異なるような濃度制御を行うと好ましい。具体的には、初期段階に比べて最終段階の方が不純物濃度が大きくなるようにトリメチルアルミ流量を制御すると、更に素子特性が向上する。例えば、初期段階では5×1018cm−3で0.2μm(側面厚さ)とし、その後1×1020cm−3で埋め込むようにする。そうすると、PN接合界面を形成する成長初期層では、比較的不純物濃度が低くなるため結晶歪が小さく、結晶性が良好でリーク電流の少ないPN接合が形成できる。一方、最終段階にかけては、不純物濃度を高く設定して埋め込み層のシート抵抗を低く、また、電極とのコンタクト抵抗を小さくする。こうして、パワーデバイスのスイッチング速度を小さくすることができる。
〔図2(f)に示す工程〕
次に、非トレンチ部に形成されたN型チャネル層7とP型の第2ゲート領域8の余分な部分をCMP(Chemical Mechanical Polishing)等によりエッチバックしたのち、電極形成工程などを行い、図1に示すトレンチ型J−FETのN型チャネル層7とP型の第2ゲート領域8を完成させる。この場合、エピタキシャルの成長レートが、非トレンチ部、トレンチ底面、トレンチ側面と順に大きくなっているため、エッチバックに必要なエッチング量は、トレンチ深さより小さくすることができ、エッチング量の制御性も良好となる。
以上説明したように、本実施形態では、ドライエッチングによって基板20にアスペクト比2以上、かつ、トレンチ傾斜角80度以上のトレンチ6を形成したのち、ドライエッチング時におけるトレンチ内面のダメージ領域を1600℃以上の減圧水素雰囲気でエッチング除去するようにしている。
従来の炭化珪素単結晶を用いた技術では、トレンチエッチングで発生した表面凹凸や変質層などのいわゆるトレンチエッチングダメージ領域を効果的に除去できるウエットエッチング液、ドライエッチング条件が明らかでなく、また、犠牲酸化においても長時間が必要であった。これに対し、本実施形態で示した方法によれば、高温水素の特性から短時間でダメージ領域除去が可能となる。そして、ダメージが除去されたトレンチ内には、表面凹凸、変質層が残っていないため、変質層から生じる準位が存在しないようにできる。また、表面凹凸も極めて小さくすることができる。
その結果、後工程でエピタキシャル成長を行ったときに、表面凹凸がきわめて小さいため、表面凹凸が原因となるエピタキシャル層内での準位の発生を防止することができる。そのため、基板20を構成する各層とN型チャネル層7とによるPN接合に関して、リーク電流の少ない接合とすることができる。
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2実施形態について説明する。本実施形態は、第1実施形態とほぼ同様であるため、第1実施形態との相違点を中心に説明する。
図4は、本実施形態における半導体装置の製造工程を示す概略断面図である。第1の実施形態と同様、トレンチ型J−FETのN型チャネル層7とP型の第2ゲート領域8の製造工程を示したものであるが、本実施形態では、選択エピタキシャル用マスクをトランジスタセル部のトレンチ6には形成せず、アライメントキー領域のトレンチのみに適用する。これにより、埋め込みエピタキシャル工程及び、その後のエッチバック工程以降のアライメントを確保する。
まず、図4(a)に示すように、トランジスタセル部およびアライメントキー部に、トレンチエッチング用マスクとアライメントキー用マスクとなるLTO膜2を同時に形成する。
次に、図4(b)に示すように、第1の実施形態と同様な方法で、LTO膜2をマスクにしてトランジスタセル部およびアライメントキー部に、トレンチ6とトレンチ31とを形成する。その後、トレンチエッチング時に残ったLTO膜2を弗酸で完全に除去する。このように、ダメージ除去工程前にLTO膜2を除去しておくことにより、エピタキシャル成長時にエッチングマスク材中に含まれる不純物の影響を完全になくすことができる。
次に、図4(c)に示すように、少なくともアライメントキー部トレンチ31上にカーボン膜32を形成する。このとき、フォトエッチングなどにより、トランジスタセル部におけるトレンチ6近傍には、カーボン膜32が形成されないようにする。
カーボン膜32は、1600℃以上の高温水素雰囲気でも耐エッチング性があることを確認しており、高温水素雰囲気でのダメージ除去工程及び後工程におけるエピタキシャル工程にも連続して用いることができる。このカーボン膜32は、半導体プロセスで一般的に用いられるフォトレジストを非酸化雰囲気で熱処理すれば容易に形成され、エピタキシャル工程後に不要となったカーボン膜を除去する場合には、1000℃程度の温度で短時間熱酸化すれば容易に除去することもできる。
次に、図4(d)に示すように、第1の実施形態と同様な方法で、トレンチエッチングのダメージ除去、N型チャネル層7、P型の第2ゲート領域8を形成する。この場合、トランジスタセル部のトレンチ6近傍にはカーボン膜32がないため、第1の実施形態と同様にダメージ除去が行われると共に、トレンチ6の角部の丸め処理などが行われる。一方、アライメントキー部のトレンチ31には、カーボン膜32が形成されているため、トレンチエッチングのダメージ除去は行われず、N型チャネル層7やP型の第2ゲート領域8は形成されない。
その後、図4(e)に示すように、トレンチ6内以外に形成されたN型チャネル層7やP型の第2ゲート領域8の余分な部分をCMP(Chemical Mechanical Polishing)等によりエッチバックし、アライメントキー部のトレンチ31上に形成したカーボン膜32を熱酸化で除去する。これにより、トランジスタセル部には、図1に示すトランジスタ形状が形成され、アライメントキー部にはフォトマスクのアライメントマークとして必要なパターンとなるトレンチ31が形成される。
選択マスクとなるカーボン膜32を形成しない場合においては、エピタキシャル成長後、パターン合わせのためのアライメントマークが見えにくくなったり、埋め込み層形成後のエッチバック工程において、アライメントマークが消失してしまう。このため、アライメント用に形成したトレンチ31上に選択マスクとなるカーボン膜32を形成するようにすれば、エピタキシャル成長時の埋め込みを防止し、エピタキシャル成長前後のアライメントを確保することができる。また、選択マスクとなるカーボン膜32を除去した後、エッチバック工程時にアライメント用に形成したトレンチ31の深さを測定しながらエッチバックすることにより、所望のエッチング量に制御することも可能となる。
なお、ここではエッチバック工程の後にカーボン膜除去のための熱酸化工程を行ったが、最終的にパターンとしてアライメントマークが残れば良いため、これら各工程の順序を逆に実施してもよい。
(第3の実施形態)
次に、本発明の第3実施形態について説明する。本実施形態は、第1実施形態とほぼ同様であるため、第1実施形態との相違点を中心に説明する。
本実施形態は、第1の実施形態とエピタキシャル工程での成長条件のみを変更したものであり、原料ガスであるSiH、C、キャリアガスであるHの他に塩化水素等のエッチングガスを混合してエピタキシャル成長を行うようにする。具体的には、基板温度にも依存するが、水素ガス流量の1〜5%程度の塩化水素ガスを混合してエピタキシャル成長を行う。
このようなエッチング作用を有するガスを導入することにより、比較的低温でエピタキシャル成長を行ってもエッチング作用とデポジション作用が均衡する状態を作り出すことが可能となる。この場合も底面(C面)のエッチングが促進され、基板温度が1600℃に達しなくても、1625℃以上のエピタキシャル成長と同様、アスペクト比2以上のトレンチにおいても、N型チャネル層7がオーバーハング状態にならないよう形成できるし、P型の第2ゲート領域8も空洞が発生しないよう形成できる。
(第4の実施形態)
次に、本発明の第4実施形態について説明する。半導体装置としてトレンチ型MOSFETのN型チャネル層の形成に本発明の一実施形態を適用したものである。図5は、本実施形態におけるトレンチ型MOSFETの一部断面斜視図である。
図5に示されるように、六方晶炭化珪素からなる低抵抗なN型基板41の上に、高抵抗なN型ドリフト層42とP型ベース層43とN型ソース層44が順次積層されている。これらN型基板1、N型ドリフト層42、P型ベース層43およびN型ソース層44により半導体基板45が構成され、その上面を(000−1)C面としている。
型ベース層43内の表層部における所定領域には、N型ソース層44が形成されている。さらに、P型ベース層43内の表層部における所定領域には、低抵抗なP型コンタクト領域46が形成されている。又、N型ソース層44の所定領域にトレンチ47が形成され、このトレンチ47は、N型ソース層44とP型ベース層43を貫通しN型ドリフト層42に達している。トレンチ47は半導体基板45の表面に垂直な側面47aおよび半導体基板45の表面に平行な底面47bを有する。又、トレンチ47の側面47aは略[11−20]方向に延設されている。さらに、トレンチ47の側面47aの平面形状は、各内角が略等しい六角形である。つまり、図5の半導体基板45を上面から見たときに、六角形の6つの辺をS1,S2,S3,S4,S5,S6で示し、辺S1とS2となす角度(内角)、辺S2とS3となす角度(内角)、辺S3とS4となす角度(内角)、辺S4とS5となす角度(内角)、辺S5とS6となす角度(内角)、辺S6とS1となす角度(内角)が略120°となるようにレイアウトされている。
トレンチ47の側面47aにおけるN型ソース層44とP型ベース層43とN型ドリフト層42の表面には、N型基板1やN型ソース層44よりも不純物濃度が低いN型チャネル層48が延設されている。N型チャネル層48は厚さがおよそ1000〜5000Å程度の薄膜よりなり、N型チャネル層48の結晶型は、P型ベース層43の結晶型と同じであり、例えば、4H−SiCとなっている。なお、ここでは4H−SiCを用いているが、この他にも6H−SiC、3C−SiC等であってもよい。
さらに、トレンチ47内でのN型チャネル層48の表面とトレンチ47の底面47bにはゲート絶縁膜49が形成されている。トレンチ47内におけるゲート絶縁膜49の内側には、ゲート電極50が充填されている。ゲート電極50は絶縁膜51にて覆われている。N型ソース層44の表面とP型コンタクト領域46の表面には第1の電極としてのソース電極52が形成されている。N型基板41の裏面には、第2の電極としてのドレイン電極53が形成されている。
次に、図5に示すトレンチ型MOSFETの製造方法を、図6に示す製造工程図を参照して説明する。
〔図6(a)に示す工程〕
まず、炭化珪素(000−1)C面のN型基板41の上に、エピタキシャル膜からなるN型ドリフト層42、P型ベース層43、N型ソース層44を順次積層した半導体基板45を用意する。そして、その上面に、第1の実施形態と同様にトレンチエッチング用マスクとしてLTO膜60を順次形成した後、フォトリソグラフィによりパターニングする。パターンとしては図5に示すように<11−20>方向に平行なそれぞれの内角がほぼ等しい六角形状パターンとし、例えばトレンチ幅を2μmとなるように設定する。
このようなパターンとすれば、トレンチ側面に形成されるエピタキシャル膜は、形状および不純物濃度プロファイルがほぼ等しいものとなる。従って、トランジスタのチャネル幅密度を最大化することができ、しかもストライプ形状と同様にオンオフ特性の優れた半導体装置を提供することができる。
〔図6(b)に示す工程〕
次に、LTO膜60をマスクとしてトレンチ形成のためのドライエッチングを行い、p型ベース層43を貫通しN型ドリフト層42に達する傾斜角が80度以上でトレンチ深さが例えば4μm以上、すなわちアスペクト比2以上のトレンチ47を形成する。このとき、ドライエッチングのダメージにより、トレンチ側面には100nm程度、トレンチ底面には10nm程度の表面凹凸が発生する。また、ドライエッチングによる変質層がトレンチ側面には10nm程度、底面には20nm程度の深さまで発生している。
〔図6(c)に示す工程〕
次に、第1の実施形態と同様にダメージ除去工程を実施する。このとき、特に、工程の前半では表面反応律速として、工程の後半では気相拡散律速とすれば、トレンチ側面の表面凹凸は、前半の表面反応律速により原子オーダーまで低減され、かつ、後半の気相拡散律速により、トレンチ底部角部はファセット面のない丸形状となるようにすることもできる。
〔図6(d)に示す工程〕
次に、第1の実施形態と同様に、ダメージ除去工程を行った装置と同一装置内でエピタキシャル薄膜からなるN型チャネル層48を連続して形成する。その後、トレンチ47内を酸化膜等で埋め込んだ後、非トレンチ部に形成した余分なN型チャネル層48をCMP(Chemical Mechanical Polishing)等によりエッチバックし、トレンチ47内の酸化膜等を除去する。その後、熱酸化を行い、ゲート絶縁膜49を形成する。
その後、P型コンタクト領域46の形成工程やソース電極52やドレイン電極53等を形成して図5に示すトレンチ型MOSFETが完成する。
このように作製したMOSFETは、トレンチ側面の凹凸が原子オーダーで小さくなり、その上に形成したN型チャネル層48及びゲート酸化膜49もチャネル領域でフラットとなる。すなわち、トレンチエッチングのダメージを排除したトレンチ型MOSFETが実現でき、チャネル移動度、ゲート酸化膜寿命が向上したトレンチ型MOSFETを作製できる。
(第5実施形態)
次に、本発明の第5実施形態について説明する。本実施形態は、第4実施形態とほぼ同様であるため、第4実施形態との相違点を中心に説明する。
本実施形態は、第4実施形態におけるN型チャネル層48の形成工程及び、その後のトレンチ47内への酸化膜等の埋め込み工程、エッチバック工程、埋め込み酸化膜等の除去工程を省いた工程で、反転型のトレンチMOSFETを作製するものである。
このような反転型のトレンチMOSFETを作成する場合、トレンチ47内へのエピタキシャル工程はないが、トレンチ47を形成した後、第5の実施の形態と同様にダメージ除去工程を実施するため、特に、工程の前半では表面反応律速として、工程の後半では気相拡散律速とすれば、トレンチ側面の表面凹凸は、前半の表面反応律速により原子オーダーまで低減されかつ、後半の気相拡散律速により、トレンチ底部角部はファセット面のない丸形状にできる。これにより、簡単な工程でオフ時の耐圧に優れ、かつ、MOS特性の優れたトレンチ型MOSFETを作製できる。
(他の実施形態)
上記各実施形態に示したダメージ除去工程を、炭化水素を含む水素雰囲気中での熱処理によって行うようにしても良い。
炭化水素の添加により炭化珪素結晶中の炭素原子のエッチングが抑制され、全体としてエッチングレートが低下し、エッチング反応は、さらに気相拡散律速側にシフトする。したがって、このように炭化水素を含む水素雰囲気中で熱処理を行うようにすれば、水素のみの雰囲気に比べ容易に等方性エッチングが実現できる。より具体的には、炭化水素としてCを使用することが望ましい。Cは、比較的分子数が大きいため熱分解が容易で、しかも0℃における蒸気圧が4.8気圧あるため、水素で希釈しておけば液化することがなく、半導体材料ガスとして取り扱いが容易である。
さらに、ダメージ除去工程を、Ar等の不活性ガスを含む水素雰囲気での熱処理によって行っても良い。
雰囲気圧力が変わらない場合、Ar等の不活性ガスの添加は、水素の濃度を相対的に低減する。そのため、反応生成物の拡散効果については変化しないが、エッチングレートが低下し、炭化水素と同様に気相拡散律速側にシフトする。従って、Ar等の不活性ガスの添加においても、水素のみの雰囲気に比べ容易に等方性エッチングが実現できる。
上記第1実施形態では、図1において単にJ−FETの断面構成を示して説明したが、第4実施形態の図5で示したように、トレンチ6の表面パターンを内角が等しい六角形形状とすることも可能である。これにより、トレンチ側面の面方位がほぼ等しくなり、第2実施形態で示した効果を得ることが可能となる。
また、炭化珪素からなる半導体基板に対してトレンチを形成したのち、そのトレンチ内にエピタキシャル層を形成するような半導体装置、例えばPNダイオードなどに対しても本発明を適用することが可能である。
さらに、上記各実施形態では、第1導電型をN型とし、第2導電型をP型とする半導体装置を例に挙げて説明したが、これらは単なる例示であり、もちろん、各導電型を反転させたような半導体装置に対しても、本発明を適用することが可能である。
なお、結晶の方位を示す場合、本来ならば所望の数字の上にバー(−)を付すべきであるが、パソコン出願に基づく表現上の制限が存在するため、本明細書においては、所望の数字の前にバーを付すものとする。
本発明の第1実施形態における半導体装置の断面構成を示す図である。 図1に示す半導体装置の製造工程を示した図である。 基板温度と圧力の関係に対するエッチング反応の形態を示した図である。 本発明の第3実施形態における半導体装置の製造工程を示した図である。 本発明の第4実施形態における半導体装置の一部断面斜視図である。 図5に示す半導体装置の製造工程を示した図である。 エピタキシャル層の成長形状の一例を示した模式図である。 (000−1)C面にトレンチ100を形成し、側面をa面とした場合の予想成長形態の概念図である。 成長温度と原料ガス供給量(実質的成長レート)を変化させて埋め込み成長を行ったときの埋め込み形状の結果を示した図である。
符号の説明
1、41…N型基板、2、42…N型ドリフト層、3…第1ゲート領域、4…N型領域、5…N型ソース領域、6…トレンチ、7…N型チャネル層、8…第2ゲート領域、9…第2ゲート電極、10…層関絶縁膜、11…ソース電極、12…第1ゲート電極、13…ドレイン電極、20、45…半導体基板、21…LTO膜、31…トレンチ、32…カーボン膜、43…P型ベース層、44…N型ソース層、47…トレンチ、48…N型チャネル層、49…ゲート絶縁膜、60…LTO膜。

Claims (21)

  1. 炭化珪素からなる(000−1)C面の半導体基板(20、45)の上面にトレンチエッチング用マスク(21、60)を形成するトレンチマスク形成工程と、
    前記トレンチエッチング用マスク(21、60)を用いたエッチングを行って、前記半導体基板(20、45)にアスペクト比2以上でかつ、トレンチ傾斜角80度以上のトレンチ(6、47)を形成するトレンチ形成工程と、
    前記半導体基板(21、60)に形成された前記トレンチ(6、47)の内面のトレンチエッチングダメージ領域を1600℃以上の減圧の水素雰囲気でエッチング除去するダメージ除去工程と、を有することを特徴とする炭化珪素半導体装置の製造方法。
  2. 前記ダメージ除去工程前において、前記トレンチエッチング用マスク(21、60)を除去するトレンチマスク除去工程を有することを特徴とする請求項1に記載の炭化珪素半導体装置の製造方法。
  3. 前記トレンチマスク除去工程の後において、前記半導体基板(1)の上面における前記トレンチ(6、47)とは異なる領域の一部に選択エピタキシャル用マスク(31)を形成する選択マスク形成工程を有することを特徴とする請求項2に記載の炭化珪素半導体装置の製造方法。
  4. 前記ダメージ除去工程では、気相拡散律速反応によって前記ダメージ除去を行うことで、前記トレンチ(6、47)の角部を丸くすることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1つに記載の炭化珪素半導体基板の製造方法。
  5. 前記ダメージ除去工程では、Pを雰囲気圧力(Pa)、Tを基板温度(℃)、aを4.16×10、bを2.54×10とした場合に、P×1.33×10≧a/T−bの関係を満たす条件で前記ダメージ除去を行うことを特徴とする請求項4に記載の炭化珪素半導体基板の製造方法。
  6. 前記ダメージ除去工程を1700℃以下で行うことを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1つに記載の炭化珪素半導体装置の製造方法。
  7. 前記ダメージ除去工程では、炭化水素を含む水素雰囲気での熱処理により前記ダメージ除去を行うことを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1つ記載の炭化珪素半導体装置の製造方法。
  8. 前記ダメージ除去工程では、不活性ガスを含む水素雰囲気での熱処理により前記ダメージ除去を行うことを特徴とする請求項1ないし7のいずれか1つに記載の炭化珪素半導体装置の製造方法。
  9. 前記ダメージ除去工程の後において、エピタキシャル成長法により前記トレンチ(6、47)内にエピタキシャル層(7、48)を1500℃以上で形成する埋め込み層形成工程を有することを特徴とする請求項1ないし8に記載の炭化珪素半導体装置の製造方法。
  10. 前記埋め込み層形成工程は、1550℃以上であることを特徴とする請求項9に記載の炭化珪素半導体装置の製造方法。
  11. 前記埋め込み層形成工程は、1625℃以上であることを特徴とする請求項10に記載の炭化珪素半導体装置の製造方法。
  12. 前記ダメージ除去工程と前記エピタキシャル層(7、48)の形成工程とを、同一の装置を用いて連続して行うことを特徴とする請求項9ないし11のいずれか1つに記載の炭化珪素半導体装置の製造方法。
  13. 前記エピタキシャル層形成工程では、気相拡散律速によってエピタキシャル成長が行われ、前記エピタキシャル層(7、48)の角部が丸くなるようにすることを特徴とする請求項9ないし12のいずれか1つに記載の炭化珪素半導体装置の製造方法。
  14. 前記エピタキシャル層形成工程では、トレンチ側面の成長レートが2.5μm/h以下であることを特徴とする請求項13に記載の炭化珪素半導体装置の製造方法
  15. 前記エピタキシャル層形成工程を1700℃以下で行うことを特徴とする請求項9ないし14のいずれか1項に記載の炭化珪素半導体装置の製造方法。
  16. 前記エピタキシャル層形成工程では、原料ガス、キャリアガスの他にエッチング作用を有するガスを含有させてエピタキシャル成長を行うことを特徴とする請求項9ないし14のいずれか1つに記載の炭化珪素半導体装置の製造方法。
  17. 前記エッチング作用を有するガスとして、塩化水素ガスを用いることを特徴とする請求項16に記載の炭化珪素半導体装置の製造方法。
  18. 前記エピタキシャル層形成工程では、エピタキシャル初期段階と最終段階で不純物濃度が異なるよう濃度制御を行うことを特徴とする請求項9ないし17のいずれか1つに記載の炭化珪素半導体装置の製造方法。
  19. 前記エピタキシャル層形成工程では、初期段階に比べ最終段階で不純物濃度が大きくなるよう制御されたことを特徴とする請求項18に記載の炭化珪素半導体装置の製造方法。
  20. 前記トレンチ形成工程では、前記トレンチ(6、47)の表面パターンが前記半導体基板(20、45)のオフ方向に平行なストライプ形状となるようにすることを特徴とする請求項1ないし19のいずれかに記載の炭化珪素半導体装置の製造方法。
  21. 前記トレンチ形成工程では、前記トレンチ(6、47)の表面パターンは、内角が等しい六角形状となるようにすることを特徴とする請求項1または20に記載の炭化珪素半導体装置の製造方法。
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