JP2005327864A - 成膜装置及び成膜方法 - Google Patents

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Abstract


【課題】 低蒸気圧の液体原料を気化して得た気化原料ガスを成膜装置に供給するにあたり、気化器と成膜装置を結ぶ供給路内での、気化原料ガスのミストの付着を防止してパーティクルの発生を抑えること。
【解決手段】 気化器3内に液体原料と、キャリアガスとを供給する。気化器3では、液体原料を気化して気化原料ガスを得、この処理ガス成分とミストを含む気化原料ガスが下流側のミスト分離部4に搬送される。ミスト分離部4では、前記処理ガス成分は、重力方向に対して屈曲する通気路を介して成膜処理部100へ通気していき、前記ミストは、屈曲部にて重力により落下してミスト溜まり部46に溜まるので、こうして前記処理ガスとミストとが分離される。これによりミスト分離部4と成膜処理部100を結ぶ供給路53内では、ミストの付着が防止され、パーティクルの発生を抑えることができる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、例えば減圧CVD(Chemical Vapor Deposition)装置などの成膜装置に、液体原料を気化して得た処理ガスを供給する際に好適な成膜装置及び成膜方法に関する。
半導体製造プロセスの一つとして、半導体ウエハ(以下「ウエハ」という)Wの表面に所定の膜を形成する成膜工程があり、この工程は例えば減圧CVD装置を用いて行われている。この減圧CVD装置は、原料をガス状態で供給し、化学反応を進行させて、ウエハ表面に薄膜を堆積させるものであるが、液体原料を気化して得た処理ガスを成膜ガスとして装置内に導入する場合がある。
前記液体原料を気化して得た処理ガスを用いた成膜処理の例としては、処理ガスとしてTEOS(Tetra ethoxy silane)を気化して得た処理ガスと酸素(O2)ガスとを用いてSiO2膜を成膜する例や、処理ガスとしてSi2Cl6を気化して得た処理ガスとアンモニア(NH3)ガスとを用いてシリコンナイトライド(Si3N4)膜を成膜する例がある。
ここで液体原料の気化システムとしては、ベーキングタイプやVC(Vapor Control)タイプが知られている。前記ベーキングタイプは液体原料を加熱槽に導入し加温して気化させるものであり、前記VCタイプはベーキングタイプの簡略タイプであって、液体原料を直接気化器に当てて気化させるものである。前記ベーキングタイプは、約85℃での蒸気圧が5.6kPa(42Torr)のTEOSや、約85℃での蒸気圧が14.4kPa(108Torr)のHCD(Si2Cl6)等、前記VCタイプは、前記TEOSや約85℃での蒸気圧が6.7kPa(50Torr)のBTBAS(SiH2〔NH(C4H9)〕2)等の気化に夫々適している。
ところで本発明者らは、約85℃での蒸気圧が0.027kPa(0.2Torr)と、蒸気圧が低いHEAD(ヘキサエチルアミノジシラン)を、液体原料として用いることを検討している。しかしながらベーキングタイプやVCタイプ等の気化システムは、例えばTEOS、BTBAS等の蒸気圧が高く、ガスの分解温度が高いものに適しているが、HEADのように低蒸気圧であって、分解温度が低い液体原料は、十分に気化することができず、処理ガスとして用いるために十分な供給量を確保できない。ベーキングタイプは、常時ある温度以上に液体原料を保持するため、加熱槽の温度よりも分解温度が低い液体原料の気化には用いることができず、VCタイプはVCの温度が固定されているので、蒸気圧の低いものには使えないからである。またベーキングタイプでは、液体原料を長時間、高温で保持するため原料が変質する場合があり、VCタイプでは液体原料が常に気化器の中で高温接触しているので、変質が起こりやすく、反応物がバルブに付着してバルブが閉まらなくなり、液体原料のリークが発生しやすいという問題もある。
このようなことから、本発明者らは、気化器とキャリアガスとを組み合わせた気化システムを用いることを検討している。このシステムは、図8に示すように、気化器11の内部に液体原料貯留槽12とキャリアガス源13から液体原料とキャリアガスとを夫々導入し、液体原料をキャリアガス例えば窒素(N2)ガスに衝突させてミストを発生させ、霧吹きの原理で気化させて処理ガスを得、この処理ガスをキャリアガスにより減圧CVD装置14に搬送するものである。このシステムでは、減圧CVD装置14に処理ガスを供給するときには、気化器11の下流側の配管15のバルブV1を開き、前記処理ガスの供給を停止した後は、バルブV2を開いて排気ポンプにより液体原料の貯留槽12、液体原料の流量計16、気化器11までを結ぶ経路の配管17の内部を排気して、前記配管17内の残留成分を除去している。図中18はキャリアガスの流量計である。
このシステムは、例えばTEOSやBTBAS、約85℃での蒸気圧が26.67Pa(0.2Torr)の低蒸気圧液体原料の気化に適しており、キャリアガスを用いて処理ガスを搬送しているので、低蒸気圧の液体原料でも成膜処理に十分な量の処理ガスを減圧CVD装置に供給することができる。
ここで気化器とキャリアガスとを組み合わせた気化システムを用いる技術として、特許文献1の技術が提案されている。
特開平8−17749号公報
しかしながらこのシステムでは、気化器にて液体原料を気化したとしても、この液体原料の気化成分の中には液体原料の気体成分とミストとが混合した状態であるので、図8の例では気化器11の下流側の、気化器11と減圧CVD装置14とを結ぶ配管15の内壁にミストが付着して再液化してしまう。このようにミストの再液化が起こると、時間の経過により変質し、固化して、パーティクルの発生原因となる。また気化器11の前や気化器11の中に液体原料が溜まり、これによりパーティクルが発生してしまうという問題もある。
本発明は、このような事情の下になされたものであり、その目的は、低蒸気圧の液体原料を気化して得た気化原料ガスを成膜装置に供給するにあたり、気化器と成膜装置を結ぶ供給路内における気化原料ガスのミストの付着を防止して、パーティクルの発生を抑えた、成膜装置及び成膜方法を提供することにある。
本発明の成膜装置は、液体原料を貯留する貯留槽と、
前記貯留槽の下流側に、液体原料供給路を介して接続され、液体原料を気化して気化原料ガスを得る気化器と、
前記気化器の下流側に、気化原料ガス供給路を介して設けられ、前記気化原料ガスに含まれる処理ガスとミストとを分離し、分離されたミストを排出するためのミスト分離部と、
このミスト分離部の下流側に、処理ガス供給路を介して設けられ、ミスト分離部から送られた処理ガスを用いて基板に成膜処理を行う成膜処理部と、を備えたことを特徴とする。
前記ミスト分離部は、通気路を屈曲して構成され、屈曲部位よりも上流側を流れているミストが慣性力によりそのまま進もうとして当該屈曲部位にて気体から分離されるように構成されており、例えば上方側に気化原料ガス供給路が接続されると共に、下端部の側面に処理ガス供給路が接続された縦型の筒状体により構成されている。
さらにミスト分離部は、ミストを貯留するミスト溜まり部と、このミスト溜まり部に貯留するミストを除去する排出口と、を備えるように構成され、前記ミスト分離部の排出口に、ミスト溜まり部に貯留されるミストをミスト分離部から除去するための吸引路を設けるようにしてもよい。
また前記処理ガス供給路におけるミスト分離部の近傍に、この処理ガス供給路内の付着物を除去するためにパージガスを供給するパージガス供給路を接続するようにしてもよいし、このパージガス供給路にはパージガスを加熱するための加熱手段を設けるようにしてもよい。さらに前記ミスト分離部には、前記ミスト分離部の内部に付着した付着物を除去するための洗浄液を供給する供給路を接続するようにしてもよい。
このような成膜装置では、気化器にて液体原料を気化して気化原料ガスを得る工程と、次いで気化器の下流側に気化原料ガス供給路を介して設けられたミスト分離部にて、前記気化原料ガスに含まれる処理ガスとミストとを分離し、分離されたミストを排出口から排出する工程と、次いでミスト分離部の下流側に処理ガス供給路を介して設けられた成膜処理部にて、前記処理ガスを用いて基板に成膜処理を行う工程と、を含むことを特徴とする成膜方法が実施される。
この成膜方法では、成膜処理を行った後、前記処理ガス供給路におけるミスト分離部の近傍に、当該処理ガス供給路内の付着物を除去するためにパージガスを供給する工程を行ってもよいし、パージガスを供給する前に、このパージガスを加熱するようにしてもよい。さらに成膜処理を行った後、ミスト分離部にパージガスを供給し、このパージガスを処理ガス供給路以外から排出する工程を行ってもよいし、成膜処理を行った後、ミスト分離部に洗浄液を供給し、当該ミスト分離部内に付着した付着物を除去して、処理ガス供給路以外から排出する工程を行うようにしてもよい。
本発明によれば、液体原料を気化器にて気化して処理ガスとミストとを含む気化原料ガスを得、前記処理ガスを成膜装置に供給するにあたり、気化器の下流側のミスト分離部にて前記処理ガスとミストとを分離し、分離されたミストを排出しているので、気化器と成膜装置とを結ぶ処理ガス供給路には前記処理ガスのみが通気していき、前記処理ガス供給路へのミストの付着が防止されるので、パーティクルの発生を抑えることができる。
以下、本発明に係る成膜装置の実施の形態について説明する。図1は、本発明に係る成膜装置の主な構成を示すブロック図であり、100は基板例えばウエハWに対して所定の成膜処理が行われる成膜装置、200は前記成膜装置に、所定の処理ガスを供給するためのガス供給系である。前記成膜処理部100は、この例では減圧CVD装置であり、例えば反応容器(処理容器)である縦型の反応管110内に、ウエハWを多数枚搭載したウエハボート120を搬入して、反応管110の外側に設けられた加熱手段130により加熱すると共に、反応管110内を真空排気手段である真空ポンプ150を介して所定の真空度に維持し、後述する処理ガス供給路から反応管110内に所定の処理ガスを導入して、基板に対して所定の成膜処理が行われる。
ガス供給系200は、例えば85℃での蒸気圧が26.67Pa以下の低蒸気圧の液体原料例えば前記HEADを貯留するための貯留槽2と、貯留槽2からの液体原料をキャリアガスを用いて気化する気化器3と、気化器3により気化された液体原料の気化ガス(気化原料ガス)からミストを分離するためのミスト分離部4と、これらを結ぶ配管系により構成されている。
前記貯留槽2は、前記気化器3と第1の供給路(液体原料供給路)51により接続されており、この供給路51の貯留槽2側の端部は貯留槽2内の液体原料と接触するように設けられていて、この第1の供給路51には、上流側(貯留槽2側)から順に、第1バルブV1、液体マスフローコントローラMC、第2バルブV2が介設されている。またこの貯留槽2には、バルブVaを介設した加圧気体供給路21が接続されており、この加圧気体供給路21の一端側は、貯留槽2の液体原料の液面の上方側に位置するように設けられている。この加圧気体供給路21の他端側は、加圧気体例えばN2ガスの供給源22と接続されており、貯留槽2から気化器3に液体原料を供給するときには、貯留槽2内に例えば1.0kg/cm2程度のN2ガスを供給して、これにより液体原料を加圧し、この加圧によって液体原料を貯留槽2から下流側の気化器3に送圧するようになっている。ここで加圧気体としては、N2ガスの他にヘリウム(He)ガスやアルゴン(Ar)ガス等の不活性ガスを用いることができる。
前記気化器3は第2の供給路(気化原料ガス供給路)52を介してミスト分離部4に接続されると共に、キャリアガス供給路23を介してキャリアガス例えばN2ガスの供給源24が接続されており、これにより前記気化器3にキャリアガスであるN2ガスが供給されるようになっている。このキャリアガス供給路23には、キャリアガス供給源24側から順に第1マスフローコントローラM1、バルブVbが介設されており、所定流量のキャリアガスが気化器3に供給されるようになっている。ここでキャリアガスとしては、N2ガスの他に例えばHeガスやアルゴンガス等の不活性ガスを用いることができる。
続いて気化器3の一例について図2を用いて説明すると、図中31は気化器本体であり、この気化器本体31は、内部を屈曲可能に構成された薄い円板状の金属板よりなる弁体32により2分割され、下方側の空間が気化室33として構成されている。図中34は前記気化室33へ液体原料を供給するための液体原料導入路であり、この液体原料導入路34の他端側には前記第1の供給路51が接続されていて、圧送されてくる液体原料を液体原料導入路34の一端側に形成された弁口34aより吐出させるようになっている。
また図中35は前記気化室33へキャリアガスを供給するためのキャリアガス導入路であり、このキャリアガス導入路35の他端側には前記キャリアガス供給路23が接続されていて、キャリアガスをキャリアガス導入路35の一端側に形成されたガス導入口35aより気化室33に導入するようになっている。図中36は液体原料を気化して得られた気化原料ガスを排出するガス排出路であり、この排出路36の他端側は前記第2の供給路52に接続されている。
前記弁体32は、前記弁口34aを開閉し、流量制御を行うように機能するものであり、例えば電磁式のアクチュエータ手段37により、駆動軸38の先端で前記弁体32を押圧することによって、前記弁口34aの開閉及び弁開度を制御できるようになっている。またこの気化器3全体は、図示しない加熱ヒータにより所定の温度に加熱されており、液体原料を加熱して気化し易くすると共に、気化状態の気化原料ガスの再液化を防止している。
この気化器3では、気化室33内は、成膜装置(減圧CVD装置)100側の真空引きにより減圧雰囲気になされており、圧送されてきた液体原料は、弁口34aより流出して、減圧雰囲気の気化室33内にて断熱膨張によりミスト化と気化が同時に生じて気化原料ガスが発生し、この気化原料ガスはキャリアガスにより運ばれてガス排出路36、第2の供給路52を介して排出され、次工程のミスト分離部4へ搬送される。従ってこの気化器3では、低蒸気圧、低分解温度の液体原料であっても、十分にミスト化と気化とが行われて気化原料ガスが得られ、キャリアガスによりスムーズに次工程へ搬送される。
前記ミスト分離部4は、第3バルブV3を備えた第3の供給路(処理ガス供給路)53により前記成膜処理部100をなす減圧CVD装置に接続されている。ここで第1の供給路51や第2の供給路52、第3の供給路53等の配管系は、例えば内径が1mm、外径が3mmの、いわゆる1/8インチのステンレス製管より構成されており、また第2の供給路52は、気化器3からの気化原料ガスを再液化がおこらないように安定した状態でミスト分離部4へ導入するために例えば3cm程度の長さに設定されている。
前記ミスト分離部4は、上下方向に伸びるように配置され、前記第1の供給路51や第2の供給路52よりも内径が大きい縦型の筒状体よりなる管路41からなり、管路41の上端部に前記第2の供給路52が接続されると共に、管路41の下端部の側面には第3の供給路53がミスト分離部4に対して略90度の角度で接続されている。これにより下方側に伸び、次いで略L字型に屈曲する通気路が形成されていると共に、底部にはミスト排出路42が接続され、当該ミスト排出路42と管路41との接続領域がミスト排出口43になる。またミスト排出路42には管路41の底部近傍にミスト排出用のミスト排出バルブVmが設けられており、これにより前記ミスト排出口43が開閉されるようになっている。このミスト排出路42の他端側には排気手段をなす排気ポンプ44が接続され、これらミスト排出路42と排気ポンプ44とにより吸引路が構成されている。
前記ミスト分離部4を構成する管路41は、例えば内径が8mm、外径が10mmの、いわゆる3/8インチのステンレス製管より構成され、管路の長さは例えば120mm程度に設定されている。また前記ミスト排出路42は、例えば第1〜第3の供給路51〜53の配管系と同様のいわゆる3/8インチのステンレス製管より構成されている。このため前記管路41はミスト分離部4に接続されている、第2の供給路52、第3の供給路53、排出路42よりも内径が大きい。このようにミスト分離部4の管路41の内径を配管系よりも大きくするのは、ガスの流速が遅くなり、また加熱配管の表面積が大きくなるため、ミストが気化しやすくなるという理由による。また前記排出路42は、管路41に対して重力方向(上下方向)に接続されているので、管路41の底部には気化原料ガスが衝突する壁面部45が形成され、この壁面部45とミスト排出バルブVmとによりミスト溜まり部46が形成される。
さらに管路41に接続される前記第3の供給路53は、ミスト溜まり部46に貯留するミストMを引き込まないように、前記ミストMと接触しない位置に、管路41に対して重力方向(上下方向)ではない方向、この例では管路41に対して略90度の角度で接続され、屈曲する処理ガスの通気路を形成するように接続されている。
またミスト分離部4には、前記管路41内部をミスト溜まり部46を含めて洗浄するために、前記管路41に洗浄液を供給する洗浄液供給手段6が設けられている。この洗浄液供給手段6は、前記管路41の上部に接続され、洗浄液供給バルブVcを備えた洗浄液供給路61と、この洗浄液供給路61に接続され、洗浄液を貯留するための洗浄液槽62とにより構成されている。前記洗浄液としては、例えば液体原料や液体原料の固化物を溶解する溶剤例えばエタノールやヘキサン等のアルコール系の薬液が用いられる。洗浄液槽62より洗浄液供給路61を介して管路41内に供給された洗浄液は、ミスト排出バルブVmを開くことによりミスト排出路42を介して排出されるようになっている。
前記第3の供給路53には、ミスト分離部4の近傍に第3バルブV3が設けられる共に、第2のマスフローコントローラM2が設けられ、気化原料ガスを、再液化を防いだ状態で成膜処理部100に導くため、第3バルブV3から成膜処理部100までの距離が例えば20cm程度と短く設定されている。また実際には第3の供給路53の第3バルブV3の上流側は極めて短く、ミスト分離部4の出口に第3バルブV3を連結するようになっている。このようにしないと、第3バルブV3の上流側がデッドゾーンとなり、当該領域にミストが溜まってしまうからである。
またこの第3の供給路53のバルブV3の下流側から成膜処理部100に至るまでの領域には、気化原料ガスを加熱して再液化を防ぐために、配管の周囲に加熱手段例えばテープヒータが巻回されており、これにより気化原料ガスは例えば120℃程度に加熱された状態で成膜処理部100へ供給されるようになっている。
さらにまたこの成膜装置は、図1に示すように、パージガス供給手段7が設けられている。このパージガス供給手段は、一端側がキャリアガス供給路23のバルブVbの上流側、他端側が第3の供給路53の第3バルブV3の下流側近傍に接続されたパージガス供給路71を備えており、このパージガス供給路71には上流側から順に第3のマスフローコントローラM3,加熱部72,バルブVdが介設されている。
前記加熱部72は、例えば管状体の外部に抵抗発熱線よりなるヒータが巻き付けられると共に、管状体の内部には例えばセラミックス製の粒子が充填され、この管状体の内部にパージガスが通流するように構成されている。そして前記粒子をヒータにより所定温度に加熱しておき、ここにパージガスを通流させることにより、前記パージガスが所定温度に加熱されるようになっている。こうしてバルブVdの上流側150cm程度の領域は、パージガスが例えば120℃程度に加熱されるようになっており、加熱されたパージガスは配管内を通気していき、成膜処理部100の真空引きにより排気される。
さらにガス供給系200では、一端側が洗浄液供給路61に接続され、他端側がキャリアガス供給路23のバルブVbと気化器3との間に接続される、バルブVfを備えた洗浄分岐路63を設けると共に、一端側が第1の供給路51の第1バルブV1の下流側であって液体マスフローコントローラMCの上流側に接続され、他端側がミスト排出路42のバルブVmの下流側に接続されるバルブVeを備えた分岐路54を設けるようにしてもよい。
このような成膜装置にて行われる成膜方法について図3を参照して説明すると、先ずミスト排出路42のミスト排出バルブVm、洗浄液供給路61のバルブVc、パージガス供給路71のバルブVd、分岐路54のバルブVeを閉じ、第1の供給路51の第1バルブV1、第2バルブV2、第3の供給路53の第3バルブV3、加圧気体供給路21のバルブVa、キャリアガス供給路23のバルブVbを開いて成膜処理を行う(ステップS1)。
つまりガス供給系200では、加圧気体供給路21を介して貯留槽2内へ加圧気体であるN2ガスを供給し、この加圧により貯留槽2内の液体原料例えばHEADを、第1の供給路51を介して、液体マスフローコントローラMCにより流量を調整した状態で気化器3に圧送する。このとき第1の供給路51内を通流する液体原料の温度は例えば40℃程度に設定されている。
一方、キャリアガス供給路23よりキャリアガスであるN2ガスを、第1のマスフローコントローラM1により流量を調整した状態で気化器3に供給する。ここで成膜処理部100では反応管110内が所定の真空度に真空排気されているので、ガス供給系200のガスは、供給路に設けられた各バルブを開くことにより、下流側に通気していく。こうして気化器3には、液体原料とキャリアガスとが、例えばHEAD:N2=0.1sccm:100sccmの流量比で導入され、既述のように液体原料が気化されて、気化原料ガスが得られる。この際、気化室33内の気化原料ガスの温度は例えば100℃程度に設定されている。気化器3は既述のように、加熱減圧雰囲気の気化室33により例えば85℃での蒸気圧が26.67Pa以下の低蒸気圧、低分解温度の液体原料であっても、十分にミスト化と気化とが行われて、処理ガス成分とミストとを含む気化原料ガスが得られる。
この気化原料ガスはキャリアガスにより第2の供給路52を介してミスト分離部4へ搬送される。ミスト分離部4ではミスト排出バルブVmを閉じて、ミスト排出口43を閉じた状態であるので、前記処理ガス成分とミストとを含む気化原料ガスをミスト分離部4に導入すると、ミスト分離部4内の屈曲する通気路を通気する際、処理ガスは屈曲する通気路を慣性力によりそのまま通気していくが、ミストは屈曲部位よりも上流側から流れていき、慣性力によりそのまま進もうとして、当該屈曲部位にて重力により落下し、気体から分離されてしまう。
こうして気化原料ガスの内のミストは管路41内を落下してミスト溜まり部46に溜まって行き、一方処理ガスは屈曲する第3の供給路53を介して第2のマスフローコントローラM2により流量を調整された状態で成膜処理部100へ搬送される。また気化原料ガスがミスト溜まり部46を形成する管路41の壁面部45の内壁に衝突することによりミストが発生する場合があり、この場合もこのミスト溜まり部46にミストが貯留される。ここでミスト分離部4内での気化原料ガスの温度は105℃程度に設定されている。この際第3の供給路53は既述のように加熱されているので、気化原料ガスの処理ガス成分の再液化が防止される。
そして成膜処理部100においては、先ずウエハWを所定枚数保持具120に搭載し、例えば所定温度に維持された反応管110内に搬入し、反応管110内を所定の真空度に真空排気する。そして反応管110内を所定温度、所定圧力に安定させた後、第3の供給路53から処理ガスとしてHEADを気化して得た処理ガスと、NH3ガス(図示せず)とを供給して、ウエハW上にシリコンナイトライド膜を形成する成膜処理が行われる。
こうして成膜処理を終了した後、第3の供給路53の第3バルブV3の下流側のパージ処理を行う(ステップS2)。つまり第1の供給路51のバルブV1、V2、第3の供給路53のバルブV3、加圧気体供給路21のバルブVa、キャリアガス供給路23のバルブVbを閉じ、パージガス供給路71のバルブVdを開いて、反応管110を真空ポンプ150により排気すると共に、パージガス供給路71、第3の供給路53を夫々加熱して、キャリアガス供給源24からパージガスであるN2ガスをパージガス供給路71を介して第3の供給路53に供給する。
これにより所定温度例えば120℃に加熱されたN2ガスが第3の供給路53のバルブV3の下流側に通気していき、この加熱されたN2ガスにより、第3の供給路53の内壁面に付着する処理ガスの残留物や、処理ガスが変質した固体成分等の付着物が成膜処理部100側へ押し出され、除去される。ここでバルブV3はミスト分離部4の出口近傍に設けられているので、ミスト分離部4の下流側の供給路53がこのN2ガスによるパージによりクリーニングされることになる。このパージ処理は、例えば成膜処理部100における成膜処理を行う度に毎回行うようにしてもよいし、前記成膜処理を所定回数行なう毎に、定期的に行うようにしてもよい。
こうして第3の供給路53がN2ガスによりパージされた後、ミスト分離部4へ洗浄液を供給し、洗浄を行うタイミングであるか否かが判断され(ステップS3)、洗浄を行わないタイミングであるときはステップS4に進み、行うタイミングであるときはステップS6に進む。ここでミスト分離部4の洗浄は、例えば成膜処理部100における成膜処理を所定回数行った後、定期的に行われる。
ステップS4に進んだ場合は、さらにミスト分離部4をパージするタイミングであるか否かが判断され、パージを行うタイミングであるときはステップS5に進み、パージを行わないタイミングであるときはステップS1に戻る。ステップS5に進んだ場合には、バルブVdを閉じ、バルブVb、バルブVmを開いて、排気ポンプ44を作動させる。これによりキャリアガス供給源24からパージガスであるN2ガスがキャリアガス供給路23、気化器3を介してミスト分離部4に供給され、ミスト排出路42を介して排出される。
このように気化器3、ミスト分離部4内にN2ガスをパージさせることにより、気化器3やミスト分離部4内に残留する液体原料を完全に除去することができて、処理の再現性を向上させると共に、よりパーティクルの発生を抑えることができる。このパージ処理は、例えば成膜処理部100における成膜処理を行う度に毎回行うようにしてもよいし、前記成膜処理を所定回数行う毎に、定期的に行うようにしてもよい。
一方ステップS6に進んだ場合は、バルブVdを閉じ、バルブVc、バルブVmを開き、排気ポンプ44を動作させる。これによりミスト溜まり部46に貯留するミストはミスト排出路42を介して装置外部に排出され、さらに洗浄液供給路61より洗浄液がミスト分離部4に供給される。ここで洗浄液は、液体原料や液体原料の固化物を溶解する溶剤であるので、これによりミスト分離部4の管路41の内壁に付着するミストが洗い流されると共に、仮にミストが再液化し、一部が固体成分に変質したものであっても、洗浄液により溶解して除去される。
さらに洗浄処理では、第2バルブV2、バルブVe、バルブVfを開き、排気ポンプ44を作動させることにより、洗浄液を洗浄分岐路63、気化器3、液体マスフローコントローラMC、第1の供給路51、分岐路54、ミスト排出路42に通流させ、これらの内壁に付着した液体原料や液体原料の固化成分等の付着物を除去するようにしてもよい。
このような成膜装置では、気化器3の下流側にミスト分離部4を設けているので、気化原料ガスからミストが分離でき、ミスト分離部4の下流側の第3の供給路53内でのミストの付着が防止される。これによりミストの再液化が防止でき、結果としてパーティクルの発生が低減する。
この際、ミスト分離部4を上下方向に伸びる管路41により構成し、管路41に対して略L字型を形成するように第3の供給路53を接続して、管路41内に屈曲する処理ガスの通流路を形成し、重力方向にミスト溜まり部46を設けることによって、ミストを屈曲部位における重力により気体と分離しているので、簡易な分離構造で確実にミストの分離を行うことができる。また構造が簡易であることから、プロセスを長期的に安定して行うことができ、安定した処理ガスの供給を行うことができる。さらに操作やメンテナンスが容易であるという利点がある。
さらにまた、貯留槽2、気化器3、ミスト分離部4、第3の供給路53における夫々の工程の温度コントロールを、上流側から下流側に向けて、液体原料(気化原料ガス、処理ガス)の温度を上げていくように行っているので、より確実に液体原料の気化を行うことができる。この際第3の供給路53はヒータにより加熱されており、この中を通流する処理ガスは例えば120℃に加熱されるので、再液化を抑えた状態で成膜処理部100へ供給され、パーティクルの発生を防止することができる。
さらにまた、例えば成膜処理を行う毎または所定回数の成膜処理を行う毎に、パージガスを第3の供給路53のバルブV3の下流側に通気させているので、第3の供給路53のバルブV3の下流側に残存する処理ガスがパージガスにより押し出されて除去される。ここで加熱されたパージガスを通気させることにより、処理ガスのみならず、処理ガスが変質した付着物も除去することができる。これにより次の成膜処理を行うときには、常に第3の供給路53のバルブV3の下流側は前記付着物が存在しない状態となっているので、パーティクルの発生をより抑えることができると共に、処理の再現性を向上させることができる。また加熱されたパージガスの通気により、供給路53のバルブV3の下流側を速やかに乾燥することができ、再現性の向上を図ることができる。
この際パージガスは、気化器3からの供給経路とは別系統の供給経路により供給されるので、膜厚の均一性や再現性を高めることができる。気化器3からの供給経路にてN2ガスをパージした場合には、気化器3やミスト分離部4に液体原料が残留していた場合、この液体原料がN2ガスのパージにより、第3の供給路53に付着する場合があり、これが次のラン時に処理ガスとして供給されてしまい、膜厚の均一性が悪くなったり、再現性が悪化したり、パーティクルの発生原因となるおそれがあるからである。
さらにまた、例えば成膜処理を行う毎に、または所定回数の成膜処理を行う毎に、パージガスをキャリアガス供給管23を介して気化器3やミスト分離部4、これらを結ぶ供給路内に通気させることにより、これらの内部に残存する液体原料を除去することができる。これにより次のロットの処理を行うときには、常にこれらの内部は付着物が存在せず乾燥した状態となっているので、処理の再現性を向上させることができる。この場合成膜処理部100への供給経路とは別系統の供給経路により気化器3、ミスト分離部4内にパージガスを供給しているので、パージする領域が当該気化器3、ミスト分離部4等に絞られ、これらのパージを効率的に行うことができ、これらの領域内の付着物を短時間で完全に除去することができる。
さらにまた、所定のタイミングでミスト分離部4からミストを吸引により排出した後、ミスト分離部4を洗浄しているので、ミストの排出後も管路41内やミスト溜まり部46近傍領域に付着しているミストやミストが変質した付着物が除去され、次のロットの処理を行うときには、常にミスト分離部4の内部は前記付着物が存在しない状態となっているので、パーティクルの発生をより抑えることができると共に、処理の再現性を向上させることができる。
続いてミスト分離部4の他の例について説明する。図4に示す例は、管路41の上部側に第2の供給路52と第3の供給路53とを接続し、管路41の底部にミスト排出路42を接続したものであり、この例においても管路41の底部の壁面部45とミスト排出バルブVmとによりミスト溜まり部46が形成される。このような構成では、気化原料ガスの内、処理ガス成分は、管路41内に形成される、屈曲する通気路により第3の供給路53を介して下流側に通気していき、ミストは前記通気路内を通気中、慣性力によりそのまま進もうとするが屈曲部位にて重力により気体から分離し、ミスト溜まり部46に落下するので、これにより処理ガス成分とミストとが分離でき、処理ガス成分のみを成膜処理部100へ供給することができる。
また図5に示す例は、ミスト分離部4を構成する管路41を重力方向に対して斜めに配置した例であり、管路41の上部側には第2の供給路52が接続され、管路41の重力方向の下方側にはミスト排出バルブVmを備えたミスト排出路42が接続され、排出路42の接続領域近傍とミスト排出バルブVmとによりミスト溜まり部46が構成される。また管路41の重力方向の上方側には第3の供給路53が接続されて、これにより処理ガスが通気するための屈曲する通気路が形成される。
このような構成においても、気化原料ガスの内、処理ガス成分は屈曲する通気路により下流側に通気していき、ミストは通気路内を通気中、慣性力により進もうとするが、屈曲部位にて重力により気体から分離し、ミスト溜まり部46に落下するので、これにより処理ガス成分とミストとが分離でき、処理ガス成分のみを成膜処理部100へ供給することができる。
さらに図6に示す構成は、管路41の底部に第2の供給路52と、ミスト排出バルブVmを備えたミスト排出路42とを接続すると共に、管路41の上部側に第3の供給路53を接続し、管路41内にらせん状の通気路を構成するスパイラル部材81を設けた例である。このようなミスト分離部4では、気化原料ガスが管路41内に供給されると、この気化原料ガスはスパイラル部材81に沿ってらせん状に通気していくが、このとき遠心力によりミストがスパイラル部材81表面に付着する。そしてスパイラル部材81に付着したミストは、重力によりスパイラル部材81に沿って落下していき、管路41の底部とミスト排出バルブVmの近傍領域に形成されたミスト溜まり部46に貯留され、所定のタイミングで排出される。
続いて本発明の効果を確認するために行った実施例について説明する。
(実施例1)
上述の成膜装置を用いて、液体原料としてHEAD、キャリアガスとしてN2ガスを用い、成膜処理部100に他の処理ガスとしてNH3ガスを導入して、反応容器110内温度を350℃〜500℃、反応容器110内圧力を26.6Pa〜133Pa(0.2Torr〜1Torr)に調整し、ウエハW上にシリコンナイトライド膜を成膜し、膜中の粒径0.13μm以上のパーティクル数と、膜厚とを各ラン(ラン1〜ラン17)毎に測定した。パーティクル数は最大97個カウントした。ここで各ランの間には、加熱されたN2ガスによる第3の供給路53のパージ処理と、N2ガスにより気化器3とミスト分離部4とのパージ処理を行った。
この結果を図7(a)に示す。図中左縦軸はパーティクル数、右縦軸は膜厚を夫々示している。また横軸は、ラン1〜ラン17を示し、各ラン毎に3つのデータがあるが、これは左側がウエハボート120の上側領域のデータ、中央がウエハボート120の中央領域のデータ、右側がウエハボート120の下側領域のデータを夫々示している。また図中実線は各ラン時のウエハW上の膜厚、点線は反応容器110やウエハボート120に付着する薄膜の膜厚を夫々示している。
(比較例1)
従来の図8に示す方式の気化システムを用いた成膜装置にて、液体原料としてHEAD、キャリアガスとしてN2ガスを用い、成膜処理部100に他の処理ガスとしてNH3ガスを導入して、実施例1と同様の条件でウエハW上にシリコンナイトライド膜を成膜し、膜中の粒径0.13μm以上のパーティクル数と、膜厚とを各ラン(ラン1〜ラン21)毎に測定した。この結果を図7(b)に示す。
実施例1と比較例1との結果により、本発明のガス供給系を備えた成膜装置では、粒径0.13μm以上のパーティクルが100個以内であり、従来の気化システムを用いた場合に比べてパーティクル数が激減することが認められた。
また各ラン毎の膜厚はほぼ一定であり、比較例1よりも実施例1の場合の方がよりばらつきが小さいことが認められ、本発明のガス供給系により、処理の再現性が向上し、ラン毎にほぼ一定の膜厚を確保し、安定した処理を行うことができることが認められた。
さらに上述の実施例1において、ラン5、ラン6、ラン7の膜厚の面内均一性を測定したところ、各ラン毎にほぼ同じ値であり、膜厚のみならず面内均一性も各ラン毎に再現性があることが認められた。
さらにまた上述の成膜装置において、液体原料としてHEAD、キャリアガスとしてN2ガスを用いて、気化器3にHEAD:N2=0.1sccm:100sccmの流量比で供給し、成膜処理部100に供給される処理ガスの流量を100分間にわたり観察したが、処理ガスの流量は0.1sccmに安定していることが認められ、本発明のガス供給系により、液体原料を気化して得られる処理ガスを安定した流量で成膜処理部100へ供給できることが認められた。
以上において本発明では、低蒸気圧液体原料としては、HEAD以外に、例えば140℃での蒸気圧が40Pa以下のTa(OC2H5)5、120℃での蒸気圧が40Pa以下のTDEAH(HF{N(C2H5)}4)等を用いることができ、処理ガスとしてHEADを気化して得た処理ガスとNH3ガスとを用いてシリコンナイトライド膜を成膜する処理以外に、処理ガスとしてTa(OC2H5)5を気化して得た処理ガスとO3ガスとを用いてTa2O5膜を成膜する処理に適用できる。またミスト分離部4は管路41を加熱するための加熱部を備える構成であってもよく、この場合には気化原料ガスの再液化を抑えると共に、ミストの気化を促進し、ミストの量を低減して、処理ガス量を増やすことができる。さらに成膜処理部としては、バッチ式の減圧CVD装置の他に、枚葉式の成膜装置を用いてもよい。
本発明に係る成膜装置の一例を示す縦断断面図である。 前記成膜装置に用いられる気化器とミスト分離部との一例を示す断面図である。 前記成膜装置にて行われる成膜方法を示すフローチャートである。 前記ミスト分離部の他の例を示す断面図である。 前記ミスト分離部のさらに他の例を示す断面図である。 前記ミスト分離部のさらに他の例を示す断面図である。 本発明の効果を確認するために行った実施例と比較例の結果を示す特性図である。 従来の気化システムを示す配管図である。
符号の説明
W 半導体ウエハ
100 成膜装置
110 反応管
120 ウエハボート
130 加熱手段
150 真空ポンプ
200 ガス供給系
2 貯留槽
21 加圧気体供給路
3 気化器
4 ミスト分離部
42 ミスト排出路
44 排気ポンプ
51 第1の供給路(液体原料供給路)
52 第2の供給路(気化原料ガス供給路)
53 第3の供給路(処理ガス供給路)
6 洗浄液供給手段
61 洗浄液供給路
7 パージガス供給手段
71 パージガス供給路
V1〜V3 バルブ
Vm ミスト排出バルブ

Claims (13)

  1. 液体原料を貯留する貯留槽と、
    前記貯留槽の下流側に、液体原料供給路を介して接続され、液体原料を気化して気化原料ガスを得る気化器と、
    前記気化器の下流側に、気化原料ガス供給路を介して設けられ、前記気化原料ガスに含まれる処理ガスとミストとを分離し、分離されたミストを排出するためのミスト分離部と、
    このミスト分離部の下流側に、処理ガス供給路を介して設けられ、ミスト分離部から送られた処理ガスを用いて基板に成膜処理を行う成膜処理部と、を備えたことを特徴とする成膜装置。
  2. ミスト分離部は、通気路を屈曲して構成され、屈曲部位よりも上流側を流れているミストが慣性力によりそのまま進もうとして当該屈曲部位にて気体から分離されるように構成されたことを特徴とする請求項1記載の成膜装置。
  3. 前記ミスト分離部は、上方側に気化原料ガス供給路が接続されると共に、下端部の側面に処理ガス供給路が接続された縦型の筒状部により構成されたことを特徴とする請求項2記載の成膜装置。
  4. 前記ミスト分離部は、ミストを貯留するミスト溜まり部と、
    このミスト溜まり部に貯留するミストを除去する排出口と、を備えることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか一に記載の成膜装置。
  5. 前記ミスト分離部の排出口に、ミスト溜まり部に貯留されるミストをミスト分離部から除去するための吸引路を設けることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか一に記載の成膜装置。
  6. 前記処理ガス供給路におけるミスト分離部の近傍に、当該処理ガス供給路内の付着物を除去するためにパージガスを供給するパージガス供給路が接続されていることを特徴とする請求項1ないし5のいずれか一に記載の成膜装置。
  7. 前記パージガス供給路には、パージガスを加熱するための加熱手段が設けられていることを特徴とする請求項6記載の成膜装置。
  8. 前記ミスト分離部には、このミスト分離部の内部を洗浄するための洗浄液を供給する供給路が接続されていることを特徴とする請求項1ないし7のいずれか一に記載の成膜装置。
  9. 気化器にて液体原料を気化して気化原料ガスを得る工程と、
    次いで気化器の下流側に気化原料ガス供給路を介して設けられたミスト分離部にて、前記気化原料ガスに含まれる処理ガスとミストとを分離し、分離されたミストを排出口から排出する工程と、
    次いでミスト分離部の下流側に処理ガス供給路を介して設けられた成膜処理部にて、前記処理ガスを用いて基板に成膜処理を行う工程と、を含むことを特徴とする成膜方法。
  10. 成膜処理を行った後、前記処理ガス供給路におけるミスト分離部の近傍に、当該処理ガス供給路内の付着物を除去するために、パージガスを供給する工程を含むことを特徴とする請求項9記載の成膜方法。
  11. 前記パージガスを供給する前に、このパージガスを加熱する工程を含むことを特徴とする請求項10記載の成膜方法。
  12. 成膜処理を行った後、ミスト分離部にパージガスを供給し、このパージガスを処理ガス供給路以外から排出する工程を含むことを特徴とする請求項9ないし11のいずれか一に記載の成膜方法。
  13. 成膜処理を行った後、ミスト分離部に洗浄液を供給し、この洗浄液を処理ガス供給路以外から排出する工程を含むことを特徴とする請求項9ないし12のいずれか一に記載の成膜方法。
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