JP2005327658A - 色変換膜、発光装置、面光源および表示装置 - Google Patents

色変換膜、発光装置、面光源および表示装置 Download PDF

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Abstract


【課題】 変換効率が高く、高輝度化に対応しやすい色変換膜を使用して、高輝度の発光装置を得ることを課題とする。

【解決手段】 発光層5を含む少なくとも1層の有機薄膜層を、陰極(反射性電極)3と陽極(透明電極)4との間に挟持させた有機EL素子2を発光素子とし、この素子2の光取り出し面側に、発光素子2が発する光を波長の異なる光に変換する蛍光色素を含む色変換膜8G,8Rが設けられており、この色変換膜8G,8Rが多孔質体、とくに発泡体で構成されていることを特徴とする発光装置。

【選択図】 図1

Description

本発明は、有機エレクトロルミネッセンス(以下、ELという)素子などに組み込まれる色変換膜に関し、またこの色変換膜を備えた発光装置と、さらにこの発光装置を備えた面光源および表示装置とに関するものである。
電極間に発光層を設け、電気的に発光を得るEL素子や発光ダイオードは、ディスプレイ表示装置としての利用はもちろんのこと、平面型照明、光ファイバー用光源、液晶ディスプレイ用バックライト、液晶プロジェクタ用バックライトなどの各種光源としても、盛んに研究開発が進んでいる。とくに、有機EL素子は、発光効率、低電圧駆動、計量、低コストという点ですぐれており、近年、注目を浴びている。
有機EL素子は、互いに対向する透明電極である陽極と反射性電極である陰極との間に有機発光層を挟持しており、またこの発光層と電極との間には、必要に応じて、正孔輸送層や電子輸送層などの有機物からなる電荷輸送帯域が介在されることもあり、この場合、電極間には発光層を含む複数の有機薄膜層が介在されることになる。

このような有機EL素子に関し、現在では、フルカラー表示装置への適用が検討されている。このフルカラー表示を行うためには、表示装置として、赤色、緑色、青色の三原色の発光を微細に配列しなければならない。
フルカラー化の方法としては、赤色、緑色および青色の三色の発光源を並設して三色の画素を構成する三色独立法がある(特開昭57−157487号公報、特開昭58−147989号公報、特開平3−214593号公報など参照)。

また、白色光源の光取り出し側に赤色、緑色および青色の三種類のカラーフィルタを配置して、白色光を三色の画素にわけるカラーフィルタ法もある(特開平1−315988号公報、特開平2−273496号公報、特開平3−194895号公報など参照)。

さらに、青色光源の光取り出し側に色変換膜を設け、青色光を赤色光や緑色光に変換して多色化する色変換法もある(特許文献1参照)。
これらのうち、三色独立法では、発光色の異なる三種類の有機発光材料を用いて三原色の発光源をそれぞれ作製しなければならない。しかし、有機物は水分に弱く、湿式のパターニングにより発光層を含む有機薄膜層を微細なパターンに加工することは困難であるため、高精細のディスプレイが簡単に得られなかった。

また、カラーフィルタ法は、光源が白色のみであるため、有機薄膜層に対する微細なパターン加工が不要であり、容易に作製できる利点があるが、カラーフィルタを用いて白色光から各色の光を取り出すことから、有機EL素子の発光を部分的にしか利用できない。このため、光の取り出し効率が低くなり、得られる各色の輝度が白色光源の輝度よりも著しく低くなるという問題があった。
色変換法は、カラーフィルタ法と同様に、光源が青色の一種類のみでよいため、パターニングを容易化できるうえ、色変換膜を用いるため、カラーフィルタ法よりも高効率に多色化できる。すなわち、色変換膜は、蛍光色素を含有する膜であって、光源の青色光によって励起された色素の蛍光により赤色や緑色の発光を得るため、白色光から各色の光を分け取るカラーフィルタ法と比較して、輝度の損失が少ない。
特開平3−152897号公報
しかしながら、上記の色変換法によると、カラーフィルタ法よりは輝度の低下を抑制できるものの、色変換による輝度の損失は免れないことから、変換効率をさらに一層高めた色変換膜の実現には、対応できなかった。

本発明は、上記の実情に鑑み、なされたものであり、変換効率が高く、高輝度化に対応しやすい色変換膜と、この色変換膜を備えた発光装置、またこの発光装置を備えた面光源および表示装置を提供することを課題としている。
固体内部で発生または変換された光が発光素子外部へ取り出される取り出し効率ηは、古典光学の法則により決まり、屈折率nの媒体から空気中へ通過する光量と発生した全光量の比から、つぎの式(1)で表される。

η=1−(n2 −1)1/2 /n … (1)

媒体としてのガラスや樹脂の屈折率は、通常1.5〜1.6であるため、取り出し効率ηは、0.2程度となる。つまり、ガラス板や樹脂層を介して取り出される光の割合は、2割程度であり、残りの8割の光がロスとなっている。
これに対し、上記媒体の屈折率をできるだけ低下させる、たとえば、n=1.3に低下できると、取り出し効率ηは0.4程度に、またn=1.1に低下できると、ηは0.6程度となり、かなりの割合の光を取り出せるようになる。

本発明者らは、このような観点から、色変換膜を介した光の取り出し効率を高めるためには、色変換膜自体の屈折率をできるだけ低下させればよいものと考え、これを実現する具体的な手段につき、鋭意検討を続けた結果、色変換膜を多孔質構造とすると、その構造内に空気が存在することで、膜全体としての屈折率が大きく低下し、これにより光の取り出し効率が高められ、結果として、変換効率が高く、高輝度化に対応しやすい色変換膜が得られることを知り、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、発光素子が発する光を波長の異なる光に変換する蛍光色素を含む色変換膜において、この色変換膜の構成材を多孔質体としたことを特徴とする色変換膜に係るものであり、とくに、上記の多孔質体が発泡体である、またこの発泡体が、原料樹脂に超臨界流体を含浸させ、圧力を急激に開放して作製される、微細気泡を有する樹脂発泡体である、上記構成の色変換膜に係るものである。
また、本発明は、発光層を含む少なくとも1層の有機薄膜層を陰極と陽極との間に挟持させた有機EL素子を発光素子とし、この素子の光取り出し面側に、上記構成の色変換膜が設けられていることを特徴とする発光装置に係るものである。

さらに、本発明は、上記構成の発光装置を具備したことを特徴とする面光源と、上記構成の発光装置を具備したことを特徴とする表示装置とを、提供できるものである。
このように、本発明は、発光素子からの光を色変換膜により波長の異なる光に変換できるとともに、色変換膜の構成材を多孔質体としたことにより、屈折率が低くなり、色変換膜での光取り出し効率を高めて高輝度化を達成できる。また、この色変換膜を備えることで、高輝度の発光装置やこれを用いた面光源および表示装置を提供できる。
以下、本発明の実施形態を、図面に基づいて、説明する。
図1は、本発明の色変換膜が適用された発光装置を示す断面図である。

図1において、この発光装置100は、ガラス基板からなる支持基板1上に、発光源としての有機EL素子2が設けられている。この有機EL素子2は、支持基板1上に形成された陰極である反射性電極3と、この反射性電極3に対向配設された陽極である透明電極4と、これら反射性電極3と透明電極4との間に挟持された少なくとも1層の有機薄膜層からなる発光層5とから構成されている。
透明電極4上には、充填材層6を介して、保護層7が設けられているとともに、青色、緑色、赤色にそれぞれ対応する青色のカラーフィルタ(BCF)層8B、緑色の色変換膜(CCM:Color Change Media)層8G、赤色の色変換膜層8Rが、ブラックマスク層9中に埋設される状態で設けられている。ブラックマスク(ブラックマトリックス)9は、上記の層8B,8G,8Rの仕切りとして形成されている。

カラーフィルタ層8B、色変換膜層8G,8Rは、有機EL素子2からなる発光源から入射した光の色純度を高めたり光の波長を変換するため、上記発光源の光取り出し面側に配置されており、透明なガラス層10で覆われている。実際には、ガラス層10上にブラックマスク層9を設け、その間隙に上記の層8B,8G,8Rを形成し、その上に保護層7を形成するという方法にて、各層が設けられているとともに、これらが充填材層6を介して透明電極4に積層されている。

なお、上記の色変換膜層8Gおよび色変換膜層8Rの各光取り出し面側には、色純度を高めるためのカラーフィルタとして、緑色カラーフィルタ81Gおよび赤色カラーフィルタ81Rが、それぞれ、設けられている。
ここで、上記の色変換膜層8Gおよび色変換膜層8Rは、その構成材が多数の微細な孔をもった多孔質体からなり、とくにセル径が小さくセル密度の高い発泡体で構成されている。もちろん、発泡体に限らず、多孔質構造であればよく、とくに制限はない。具体的な多孔質体の製法としては、とくに制限されず、湿式凝固法、乾式凝固法、延伸法、相転換法、溶融法、焼結法などの各種の製膜法を採用できる。

セル径が小さくセル密度の高い発泡体を得るには、とくに、超臨界流体を利用した方法を採用するのが望ましい。具体的には、二酸化炭素、窒素などの不活性物質を高圧下に超臨界流体とし、これを原料樹脂に含浸させたのち、圧力を急激に開放することにより、微細気泡を有する樹脂発泡体を作製する方法である。
多孔質体を得る他の方法としては、下記(a)〜(h)の方法がある。

(a) 加熱、光または電子線の照射により分解して窒素などのガスを発生する発泡物質をマトリクスとなる樹脂のワニスに分散または溶解させ、乾燥後、加熱、光または電子線の照射により気泡を発生させ、多孔質体を得る方法。

上記のマトリクス樹脂には、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂、ポリカーボネート樹脂、それらの混合物や共重合体などが用いられる。また、発泡物質には、ジアゾ化合物、過酸化物、それらの混合物などが用いられる。
(b) 樹脂モノマーに発泡物質を分散または溶解させ、重合後あるいは重合前または同時に加熱、光または電子線の照射により発泡させて、多孔質体を得る方法。

(c) 重合による体積収縮率の大きい樹脂モノマーを使用して、その重合により空孔をつくり、多孔質体を得る方法。

(d) 重合する際に体積の膨張率が極端に異なる2種類以上のモノマーを使用して、その共重合体を合成する際に発生する局部的な体積の収縮から微小な空孔を発生させて、多孔質体を得る方法。
(e) 樹脂モノマーと相分離状態を示す材料とシリコンオイル、液晶などを混合して樹脂モノマーを重合させたのち、上記のシリコンオイル、液晶などを取り除いて、多孔質体を得る方法。

(f) 米国特許第4402827号、同第4432956号、同第4610863号などの明細書に開示されているように、アルコキシシラン(シリコンアルコキシド、アルキルシリケートとも称される)の加水分解、重合反応によって得られるシリカ骨格からなる湿潤状態のゲル状化合物を、アルコールまたは二酸化炭素などの溶媒(分散媒)の存在下、この溶媒の臨界点以上の超臨界状態で乾燥することにより、多孔質体としてのシリカエアロゲルを得る方法。
(g) 自己組織化で多孔質構造を得る方法として、アルミニウムに耐食性を付与するための表面処理被膜として古くから知られる、アルミニウムを酸性電解液中で陽極酸化することで5〜600nmの細孔を持った多孔質体を得る方法。

上記の陽極酸化に用いる電解液としては、アルミニウムの酸化物に溶媒作用のあるものであればよく、たとえば、シュウ酸のほか、硫酸、シュウ酸と硫酸の混合物、リン酸などの酸性電解液を用いることができる。

(h) 高湿度環境下で高分子の非水溶性有機溶媒の希薄溶液をキャストすることで、多孔質体としてのハニカム構造を作製する方法。
このような多孔質体を構成する色変換膜層8Gの構成材には、有機EL素子2である発光体から発する青色ないし青緑色領域の色を吸収して、緑色領域の蛍光を発する蛍光色素(これには蛍光顔料も含まれる)が用いられる。

具体的には、2,3,5,6−1H,4H−テトラヒドロ−8−トリフルオロメチルキノリジン(9,9a,1−gh)クマリン(クマリン153)、3−(2′−ベンゾチアゾリル)−7−ジエチルアミノクマリン(クマリン6)、3−(2′−ベンゾイミダゾリル)−7−N,N−ジエチルアミノクマリン(クマリン7)、3−(2′−N−メチルベンゾイミダゾリル)−7−N,N−ジエチルアミノクマリン(クマリン30)などのクマリン系色素、あるいはクマリン色素系染料であるベーシックイエロー51、さらにはソルベントイエロー11、ソルベントイエロー116などのナフタルイミド系色素などが挙げられる。そのほかに、各種染料(直接染料、酸性染料、塩基性染料、分散染料など)も、蛍光性があれば使用することができる。また、これらの蛍光色素などは、単独で用いてもよいし、必要により2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
また、多孔質体を構成する色変換膜層8Rの構成材には、有機EL素子2である発光体から発する青色ないし青緑色領域の色を吸収して、赤色領域の蛍光を発する蛍光色素(これには蛍光顔料も含まれる)が用いられる。

具体的には、4−ジシアノメチレン−2−メチル−6−(p−ジメチルアミノチリル)−4H−ピラン(DCM)などのシアニン系色素、1−エチル−2−〔4−(p−ジメチルアミノフェニル)−1,3−ブタジエニル〕−ピリジウム−パークロレート(ピリジン1)などのピリジン系色素、ローダミンB,ローダミン6G,ローダミン3B,ローダミン101,ローダミン110,スルホローダミン,ベーシックバイオレット11,ベーシックレッド2などのローダミン系色素、あるいはオキサジン系色素などが挙げられる。そのほかに、各種染料(直接染料、酸性染料、塩基性染料、分散染料など)も、蛍光性があれば使用することができる。また、これらの蛍光色素などは、単独で用いてもよいし、必要により2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
なお、上記の色変換膜層8Gまたは色変換膜層8Rにおいて、緑色領域または赤色領域の蛍光を発する蛍光色素は、これをポリメタクリル酸エステル,ポリ塩化ビニル,塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂,アルキッド樹脂,芳香族スルホンアミド樹脂,ユリア樹脂,メラミン樹脂,ベンゾグアナミン樹脂またはこれらの樹脂混合物などにあらかじめ練り込んで顔料化した、蛍光顔料としたものであってもよい。

また、上記の色変換膜層8Gまたは色変換膜層8Rには、その構成材中に、必要により酸素吸収剤を含有させてもよい。この酸素吸収剤としては、アルミニウム、鉄、ナトリウム、リチウム、バリウム、亜鉛などの金属、酸化第一銅や塩化第一鉄などの無機化合物、ヒドロキノン、アニリンなどの有機化合物が挙げられる。
カラーフィルタ81G,81Rは、色変換膜層8G,8Rにおける光の出射側に配置して、色純度を高めるためのものであり、色素のみからなるもの、または色素をバインダ樹脂に溶解もしくは分散させた固体状態のものが用いられる。色素は、単一種類のみを用いてもよいし、複数種類を混合した混合物としてもよい。

上記の色素には、ペリレン系顔料、レーキ顔料、アゾ系顔料、キナクリドン系顔料、アントラキノン系顔料、アントラセン顔料、イソインドリン系顔料、イソインドリノン系顔料、フタロシアニン系顔料、トリフェニルメタン系顔料、トリフェニルメタン系塩基性顔料、インダストロン系顔料、インドフェノール系顔料、シアニン系顔料、ジオキサジン系顔料などの中から、色変換膜層8G,8Rに応じたものが選択される。
有機EL素子2に用いられる有機材料、電極材料、層構成や各層の膜厚については、とくに限定はなく、従来技術による有機EL素子を適用することができる。発光層を含む有機薄膜層は、低分子系の材料を真空蒸着して形成してもよいし、高分子系の材料を塗布法などにより形成してもよく、とくに制限はない。
有機EL素子2の構成には、図1に示される陽極/発光層/陰極のほか、陽極/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/陰極、陽極/正孔輸送層/電子輸送性発光層/陰極などが挙げられる。これらに制限されるものではなく、陽極界面に正孔注入層や、陰極界面に電子注入層を設けたり、再結合率を高めるための電子ブロック層、正孔ブロック層を挿入した構成としてもよい。基本的には、発光効率がより高くなる構成、材料、形成方法を選択すると、少ない消費電力で強度のEL発光が得られ、色変換膜構成材の発光材料を効率良く励起発光でき、本発明の効果をより高めることができる。
電極材料についても、適宜最適のものを選択できる。通常の有機EL素子2において、陽極4には、酸化インジウム錫(ITO)、酸化錫などの透明電極(透明導電膜)が用いられる。また、陰極3には、MgとAgをおよそ10:1の原子比で共蒸着したものや、Ca電極、Liを微量ドープしたAl電極などが、陰極の低仕事関数化による電子注入効率向上の観点から、応用されているが、とくに限定されない。
支持基板1には、ガラス基板のような透明性の有無に関わらず、一般的なものを使用できる。また、陽極を透明電極とするほか、たとえば、陰極として発光層界面から厚さ数nm〜十数nmの透光性を維持できる薄さの金属電極を形成し、その後、ITOを形成するなどして、陰極を透明電極としてもよい。この場合、陰極側を光取り出し面とすることもでき、色変換膜層はこの光取り出し面側に設けられる。

また、特開2001−356701号公報に示されているように、色変換膜と発光層との間にバンドパスフィルタを設け、発光素子からの励起光は透過し、色変換膜にて変換される光を反射させてもよい。こうすることで、励起光はロスせずに光取り出し側の逆方向に発光した光を正面方向に反射でき、輝度をより向上できる。
本発明の上記構成の発光装置100では、有機EL素子2からの青色ないし青緑色領域の発光色を、カラーフィルタ層8Bを設けた部分では、上記発光色のまま鮮明に発光できるとともに、色変換膜層8Gを設けた部分では、上記発光色を吸収してこれを緑色の蛍光に変換して発光させることができ、また色変換膜層8Rを設けた部分では、上記発光色を吸収してこれを赤色の蛍光に変換して発光させることができる。

つまり、色変換膜法により、赤色、緑色および青色の三色のフルカラー化を実現でき、その際、色変換膜を多孔質体で構成したことにより、その変換効率にすぐれて、非常に高輝度の発光装置として機能させることができる。したがって、この発光装置を具備させることで、高輝度の面光源や表示装置を得ることができる。
また、上記図1に示す発光装置では、発光源として有機EL素子2を使用した例を示しているが、これに限定されず、たとえば、発光ダイオード、冷陰極管、無機エレクトロルミネッセンス素子、蛍光灯、白熱灯などであってもよい。

これら各種の発光源を使用した発光装置においても、各光源の光取り出し面側に、前記した本発明の多孔質体からなる色変換膜を、配置することにより、各光源から入射した光の波長を効率良く変換し、高輝度の発光を得ることができる。
つぎに、本発明の実施例を記載して、より具体的に説明する。ただし、本発明は、以下の実施例のみに限定されるものではない。
<色変換膜の作製>
モノマーとしてアクリル酸誘導体を用い、この中に、クマリン153を1.0重量%と重合開始剤であり窒素ガスを発生するα、α′−アゾイソブチロニトリルを3.0重量%溶解し、これを基板上に塗布して、電子線照射により表面をゆるやかに硬化させたのち、基板を110℃で加熱することにより、樹脂を硬化させると同時に、樹脂中に微小な気泡を内在させた多孔質構造の色変換膜を作製した。
<有機EL素子の作製>
ガラス基板の面上に、ITOセラミックターゲット(In2 3 :SnO2 =90重量%:10重量%)から、DCスパッタリング法により、厚さが100nmのITO膜を形成し、透明電極(陽極)を形成した。その後、フォトレジストを用い、ITOをエッチングして、発光面積が5mm×5mmとなるようにパターンを形成した。

超音波洗浄を行ったのち、低圧紫外線ランプを用いて、オゾン洗浄した。つぎに、励起光として青色発光を用いるため、文献〔Jinji.kido etal.,Jpn.J.Appl.Phys.,Vol.32,Part2,No.7A,L917−L920(1993)〕に記載されている方法を参考にして、ITO面上に、真空蒸着法により、下記のように有機薄膜層を順次形成した。
まず、正孔注入層として、下記の式(2)で表されるCuPcを蒸着速度0.3nm/sで15nmの厚さに形成した。つぎに、正孔輸送性青色発光層として、下記の式(3)で表されるTPDを蒸着速度0.3nm/sで40nmの厚さに形成した。さらに、正孔ブロック層として、下記の式(4)で表されるTAZを蒸着速度0.3/sで15nmの厚さに形成した。最後に、電子輸送層として、下記の式(5)で表されるAlqを蒸着速度0.3nm/sで50nmの厚さに形成した。
その後、Mgを1nm/s、Agを0.1nm/sの蒸着速度で共蒸着し、厚さが10nmのMgAgを形成したのち、MgAgの酸化防止の観点から、さらにその上にAgを50nmの厚さに形成して、反射性電極(陰極)とした。真空蒸着装置から取り出したのち、陰極電極側に紫外線硬化性エポキシ樹脂を滴下し、その上にスライドガラスを被せ、十分にエポキシ樹脂が広がった時点で、高圧紫外線ランプを用いてエポキシ樹脂を硬化させ、素子を封止して、有機EL素子を作製した。
Figure 2005327658
上記の有機EL素子の光取り出し面側、つまりガラス基板上に、前記の方法で作製した色変換膜を貼り合わせて、発光装置を作製した。10mA/cm2 の電流密度で、素子に電流を通じたところ、緑色の発光が得られた。市販の輝度計(トプコン社製品名BM9)を用いて、正面輝度を測定したところ、129cd/m2 であった。
比較例1
色変換膜の作製に際し、重合開始剤としてガスを発生しないテトラメチルチウラムジスルフィドを使用した以外は、実施例1に準じて、色変換膜を作製した。この色変換膜は、樹脂中に微小な気泡を含まない、非多孔質構造であった。

この色変換膜を用いた以外は、実施例1と同様にして、発光装置を作製した。10mA/cm2 の電流密度で、素子に電流を通じたところ、緑色の発光が得られた。しかし、正面輝度は80cd/m2 となり、実施例1に比べて劣っていた。
本発明の色変換膜が適用された発光装置の一例を示す断面図である。
符号の説明
2 発光素子(有機EL素子)
3 反射性電極(陰極)
4 透明電極(陽極)
5 発光層(有機薄膜層)
8G,8R 色変換膜
81G,81R カラーフィルタ
100 発光装置

Claims (6)

  1. 発光素子が発する光を波長の異なる光に変換する蛍光色素を含む色変換膜において、この色変換膜の構成材を多孔質体としたことを特徴とする色変換膜。
  2. 多孔質体は、発泡体である請求項1に記載の色変換膜。
  3. 発泡体は、原料樹脂に超臨界流体を含浸させ、圧力を急激に開放して作製される、微細気泡を有する樹脂発泡体である請求項2に記載の色変換膜。
  4. 発光層を含む少なくとも1層の有機薄膜層を陰極と陽極との間に挟持させた有機エレクトロルミネッセンス素子を発光素子とし、この素子の光取り出し面側に、請求項1〜3のいずれかに記載の色変換膜が設けられていることを特徴とする発光装置。
  5. 請求項4に記載の発光装置を具備したことを特徴とする面光源。
  6. 請求項4に記載の発光装置を具備したことを特徴とする表示装置。
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