JP2005327645A - 有機硫黄二次電池 - Google Patents

有機硫黄二次電池 Download PDF

Info

Publication number
JP2005327645A
JP2005327645A JP2004145795A JP2004145795A JP2005327645A JP 2005327645 A JP2005327645 A JP 2005327645A JP 2004145795 A JP2004145795 A JP 2004145795A JP 2004145795 A JP2004145795 A JP 2004145795A JP 2005327645 A JP2005327645 A JP 2005327645A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
electrode
electrode material
electrochemical device
organic sulfur
lithium
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2004145795A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2005327645A5 (ja
JP4670258B2 (ja
Inventor
Tokuo Inamasu
徳雄 稲益
Hiroyuki Tani
弘幸 谷
Noboru Ono
昇 小野
Tomohito Kosaka
智史 高坂
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Yuasa Corp
Original Assignee
Yuasa Corp
Yuasa Battery Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Yuasa Corp, Yuasa Battery Corp filed Critical Yuasa Corp
Priority to JP2004145795A priority Critical patent/JP4670258B2/ja
Publication of JP2005327645A publication Critical patent/JP2005327645A/ja
Publication of JP2005327645A5 publication Critical patent/JP2005327645A5/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4670258B2 publication Critical patent/JP4670258B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/10Energy storage using batteries

Landscapes

  • Secondary Cells (AREA)
  • Battery Electrode And Active Subsutance (AREA)

Abstract

【課題】電極材料の溶出が抑制された、有機硫黄系の電気化学デバイス用電極材料、それを具備した電気化学デバイス用電極及び電気化学デバイスを提供する。
【解決手段】化学式1で示される電気化学デバイス用電極材料。チオメタククリレート基を有する有機硫黄化合物を架橋することにより得る。電池の電極としては、電極材料の電解質への溶出を抑制し、十分なイオン伝導性を確保するために固体電解質と複合して用いることが好ましい。
Figure 2005327645

【選択図】なし

Description

本発明は、有機硫黄化合物からなる電気化学デバイス用電極材料及びそれを用いた電気化学デバイスに関する。
近年、電気化学デバイスの一つであるリチウムイオン電池は急激に市場が拡大した。現在市販されているリチウムイオン電池は、電極材料として正極活物質にLiCoO2、負極活物質に炭素質材料が用いられている。しかしながら、このようなリチウムイオン二次電池も、エネルギー密度は限界値に達しつつある。
そこで、これに代わる活物質の研究開発が行われている。例えば、有機硫黄化合物の可逆的な酸化還元反応を利用し、この有機硫黄化合物を電極材料とした電池の提案がなされている。特許文献1には、有機硫黄化合物であるジスルフィド系化合物が示されている。この有機硫黄化合物は最も簡単にはR−S−S−R(Rは炭化水素、Sは硫黄を示す)で示され、S−S結合は電解還元反応により開裂し、電解質中の金属イオンM+と会合して2R−S-・M+で表される金属塩を生成する。この金属塩は電解酸化反応により元のR−S−S−Rに戻る。同文献には、金属イオンM+を供給・捕捉する金属Mとジスルフィド系化合物を組み合わせた金属−ジスルフィド二次電池が提案されている。この電池は、150Wh/kg以上の高エネルギー密度が期待できるとされている。
また、一方では電子機器に使用される高密度集積回路(LSI)は、定電圧化の方向に進んでおり、その電源である電池も4V系のものから、2V系のものが求められ始めている。この点においても、2.0V付近の作動電圧を示す上記ジスルフィド化合物を用いた二次電池は、市場要求に見合う電池であると言える。
しかしながら、ジスルフィド化合物を電極材料に用いた電池では、充放電サイクルに伴う容量低下が著しいといった問題点があった。これは、ジスルフィド化合物の酸化還元反応が上記したようにS−S結合の開裂−重合を伴う反応であるため、前記開裂時にジスルフィド化合物が低分子化し、これによってジスルフィド化合物が電極外へ溶出してしまうことが原因であった。
この問題を解決する目的で、特許文献2には、電極中にチオール基を導入した高分子成分を含むことにより、電極反応時にジスルフィド化合物として効率よく反応させることが提案されている。しかしながら、同文献の記載のように、高分子にチオール基を導入させて電極材料を得る方法では、充分な特性が得られる電気化学デバイス用電極への加工が容易でないため、製造方法が大きく制限されるものであった。
米国特許第4,833,048号明細書 特開平6−163049号公報
本発明は上記問題の解決を目的とし、充放電を行っても電極材料の溶出が抑制された、有機硫黄系の電気化学デバイス用電極材料、それを具備した電気化学デバイス用電極及び電気化学デバイスを提供しようとするものである。
(1)チオメタククリレート基を有する有機硫黄化合物を架橋することにより得られる有機硫黄化合物を有する電気化学デバイス用電極材料。
(2)次の(化学式1)で示される分子構造部分を有する電気化学デバイス用電極材料。
Figure 2005327645
(3)上記(1)又は(2)記載の電気化学デバイス用電極材料を備えた電気化学デバイス用電極。
(4)固体電解質を備えた上記(3)記載の電気化学デバイス用電極。
(5)上記(3)又は(4)記載の電気化学デバイス用電極を備えた電気化学デバイス。
本発明の電気化学デバイス用電極材料は、S−S結合部分を主として有するものではなく、有機硫黄化合物がカチオンラジカル又はアニオンラジカルの形で酸化還元反応に寄与するものであるので、特許文献1等に記載のジスルフィド化合物の場合のようなS−S結合の開裂なく、従って、前記開裂に伴う電気化学デバイス用電極材料の低分子化が起こらないので、これを用いた電気化学デバイス用電極は、充放電に伴う電極材料の溶出が抑えられる。
また、チオメタククリレート基を有する有機硫黄化合物は、その分子中に存在するチオメタクリレート基が、ラジカル重合開始剤や活性光線などから得られるラジカルにより容易に架橋を行うことができる。
酸化還元を行っても溶出の虞が少ない電気化学デバイス用電極材料を提供できる。また、それを用いた電気化学デバイス用電極及び電気化学デバイスを提供できる。
以下、本発明を詳細に説明するが、本発明は、以下の記述により限定されるものではない。
本発明の電気化学デバイス用電極材料の原料となる有機硫黄化合物を合成する方法としては、例えば以下に示すように、アルカリ存在下、有機硫黄化合物であるチオール誘導体と塩化メタクリロイルとの反応により容易に合成することが可能である。
チオール誘導体としては、チオクレゾール、2−メルカプト酢酸エチル、2−メルカプト酢酸メチル、2−チアゾリンチオール、2−メルカプトピリジン、4−メルカプトピリジン、2−メルカプト−5−メチル−1,3,4−チアジアゾール、2,5−ジメルカプト−1,3,4−チアジアゾール、2−ベンゾチアゾールチオール、2−ベンズイミダゾールチオール等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
チオール誘導体と塩化メタクリロイルとの反応は、反応の暴走を抑える目的で原料をテトラヒドロフラン等のエーテル系溶剤で希釈し、低温で徐々に進行させることが好ましい。さらに反応の収率を上げる目的で、反応系は非水環境で行うことが好ましい。
このようにして得た有機硫黄化合物を用いて本発明の電気化学デバイス用電極材料を製造するに際しては、電極材料の電解質への溶出を抑制しつつ、十分なイオン伝導性、電子伝導性を確保するために、比表面積の大きな炭素材料の表面に坦持した後、架橋を行うことが好ましい。例えば2-Methyl-thioacrylic acid S-[5-(2-methyl-acryloylsulfanyl)-[1,2,5]thiadiazol-2-yl] esterとラジカル開始剤であるアゾビスイソブチロニトリルを溶剤で希釈し、その溶液に活性炭素繊維を浸した後に約80℃に加熱して溶剤を除去し、さらに約120℃で熱架橋を行い電極として用いる方法が挙げられる。架橋の方法としてはラジカル開始剤を用いる熱架橋や紫外線架橋の他に、電離性放射線を用いる方法も好ましい。
本発明の電気化学デバイス用電極材料は、電気化学反応系においてカチオンラジカル構造又はアニオンラジカル構造をとるため、電気化学デバイスを構成する一対の電極のいずれに用いてもよい。例えば電気化学デバイスとしてリチウムイオン電池に本発明の電極材料を適用する場合、これを正極に用いてもよく、負極に用いてもよい。さらに両極に用いてもよい。
本発明の電気化学デバイス用電極材料を正極に用いる場合、負極には、一般にリチウム電池用電極やキャパシタ用電極に用いられる材料を用いることができる。例えば、リチウム金属、リチウム−アルミニウム、リチウム−鉛、リチウム−スズ、リチウム−アルミニウム−スズ、リチウム−ガリウム、およびウッド合金などのリチウム含有合金、さらに、以下のような炭素材料が挙げられる。例えば、天然黒鉛、人造黒鉛、無定形炭素、繊維状炭素、粉末状炭素、石油ピッチ系炭素、石炭コークス系炭素、活性炭、活性炭素繊維等が好適に用いられる。これら炭素材料は、直径あるいは繊維径が0.01〜10μm、繊維長が数μmから数mmまでの粒子あるいは繊維が好ましい。しかしながら、これらに限定されるものではない。
さらに、前記炭素材料にはスズ酸化物や珪素酸化物といった金属酸化物を添加したり、リンやホウ素を添加し改質を行うことも可能である。また、負極活物質として炭素材料を用いる場合は、炭素材料とリチウム金属、リチウム含有合金などを併用することや、あらかじめ電気化学的に還元することが好ましい。
本発明の電気化学デバイス用電極材料を負極に用いる場合、正極には、一般にリチウム電池用電極やキャパシタ用電極に用いられる材料を用いることができる。ただし、本発明リチウム電池用電極材料は比較的貴な電位を有するため、これを負極に用いる場合はより貴な電位で作動する正極活物質を用いる必要がある。例えば、リチウムに対して3V以上の放電電圧を示すリチウム含有遷移金属酸化物、リン酸塩、活性炭、活性炭素繊維などの材料が好適に用いられる。特に、4V以上の放電電位が得られる材料は、高い電池電圧が得られるためエネルギー密度が向上し、より好ましい。リチウム含有遷移金属酸化物としては、例えば、一般式LiyCo1-xx2、LiyMn2-xX4{Mは、IからVIII族の金属(例えば、Li,Ca,Cr,Ni,Fe,Co,Mn等の1種類以上の元素)であり、異種元素置換量を示すx値については置換できる最大量まで有効であるが、好ましくは放電容量の点から0≦x≦1である。また、リチウム量を示すy値についてはリチウムを可逆的に利用しうる最大量が有効であるが、好ましくは放電容量の点から0<y≦2である。}が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
前記正極活物質に、その他の活物質をさらに混合して用いることができる。例えば、CuO、Cu2 O、Ag2O、CuS、CuSO4 などのI族金属化合物、TiS2、SiO2 、SnOなどのIV族金属化合物、V25、V612、VOx、Nb25、Bi23、Sb23などのV族金属化合物、CrO3、Cr23 、MoO3、MoS2 、WO3、SeO2などのVI族金属化合物、MnO2、Mn23などのVII族金属化合物、Fe23、FeO、Fe34、FePO4、Ni23、NiO、CoO3、CoOなどのVIII族金属化合物等が挙げられる。さらに、ポリピロール、ポリアニリン、ポリパラフェニレン、ポリアセチレン、ポリアセン系材料などの導電性高分子化合物、擬グラファイト構造炭素質材料等を用いてもよいが、これらに限定されるものではない。
本発明の電極材料の形成方法としては、例えば、アプリケーターロールなどのローラーコーティング、スクリーンコーティング、ドクターブレード方式、スピンコーティング、バーコーター、ディップコートなどの手段を用いて、集電体上に任意の厚さおよび任意の形状に塗布することが好ましいが、これらに限定されるものではない。なお、これらの手段を用いた場合、電解質層および集電体と接触する電気化学的活性物質の実表面積を増加させることが可能である。
本発明の電極材料は、その電極合剤に必要に応じて導電剤、結着剤、固体電解質、フィラー等を添加することができる。
前記導電剤としては、電池性能に悪影響を及ぼさない電子伝導性材料であれば何でも良い。通常、天然黒鉛(鱗状黒鉛、鱗片状黒鉛、土状黒鉛など)、人造黒鉛、カーボンブラック、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、カーボンウイスカー、炭素繊維や金属(銅、ニッケル、アルミニウム、銀、金など)粉、金属繊維、導電性セラミックス材料等の導電性材料を1種またはそれらの混合物として含ませることができる。これらの中で、導電性及び塗工性の観点よりアセチレンブラックが好ましい。その添加量は1〜50重量%が好ましく、特に2〜30重量%が好ましい。これらの混合方法は、物理的な混合であり、その理想とするところは均一混合である。そのため、V型混合機、S型混合機、擂かい機、ボールミル、遊星ボールミルといったような粉体混合機を乾式、あるいは湿式で混合することが可能である。
前記結着剤としては、通常、テトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレンジエンターポリマー(EPDM)、スルホン化EPDM、スチレンブタジエンゴム(SBR)、フッ素ゴム、カルボキシメチルセルロース等といった熱可塑性樹脂、ゴム弾性を有するポリマー、多糖類等を1種または2種以上の混合物として用いることができる。また、多糖類のようにリチウムと反応する官能基を有する結着剤は、例えばメチル化するなどしてその官能基を失活させておくことが好ましい。その添加量としては、1〜50重量%が好ましく、特に2〜30重量%が好ま
しい。
電極材料の電解質への溶出を抑制しつつ、十分なイオン伝導性を確保するために固体電解質と複合して用いることが好ましい。前記固体電解質としては、−20〜60℃の温度で固体あるいは固形状であるリチウムイオン伝導性の高分子電解質や無機固体電解質等を用いることができる。なかでも、リチウムイオン伝導性の高分子電解質が好ましい。このような高分子電解質としては、イオン性化合物を溶解させたポリエチレンオキサイド誘導体又は少なくとも該誘導体を含むポリマー、ポリプロピレンオキサイド誘導体又は少なくとも該誘導体を含むポリマー、ポリフォスファゼンや該誘導体、イオン解離基を含むポリマー、リン酸エステルポリマー誘導体、さらにポリビニルピリジン誘導体、ビスフェノールA誘導体、ポリアクリロニトリル、ポリビニリデンフルオライド、フッ素ゴム等に非水電解液を含有させた高分子マトリックス材料(ゲル電解質)等のイオン導伝性化合物からなるものを用いることができる。
前記フィラーとしては、電池性能に悪影響を及ぼさない材料であれば何でも良い。通常、ポリプロピレン、ポリエチレン等のオレフィン系ポリマー、アエロジル、ゼオライト、ガラス、炭素等が用いられる。フィラーの添加量は0〜30重量%が好ましい。
正極集電体及び負極集電体に用いることのできる材料としては、構成された電池において悪影響を及ぼさない電子伝導体であれば何でもよい。例えば、正極集電体としては、アルミニウム、チタン、ステンレス鋼、ニッケル、炭素、導電性高分子、導電性ガラス等の他、接着性、導電性、耐酸化性向上の目的で、アルミニウム等の表面をカーボン、ニッケル、チタンや銀等で処理した物を用いることができる。負極集電体としては、銅、ニッケル、鉄、ステンレス鋼、チタン、アルミニウム、炭素、導電性高分子、導電性ガラス、Al−Cd合金等の他に、接着性、導電性、耐酸化性向上の目的で、銅等の表面をカーボン、ニッケル、チタンや銀等で処理した物を用いることができる。これらの材料については表面を酸化処理やエッチング処理することも可能である。これらの形状については、フォイル状の他、フィルム状、シート状、ネット状、パンチ又はエキスパンドされた物、ラス体、多孔質体、発泡体、繊維群の形成体等が用いられる。厚さは特に限定はないが、1〜500μmのものが用いられる。これらの集電体の中で、正極にはアルミニウム箔やニッケル箔が、負極には還元場において安定であり、且つ電導性に優れ、安価な銅箔、ニッケル箔、鉄箔、およびそれらの一部を含む合金箔が好ましい。さらに、電気化学的活性物質層と集電体との密着性が優れている粗面表面粗さが0.2μmRa以上の箔であることが好ましい。このような粗面を得る目的で電解箔やエッチング箔は優れている。
本発明の電極材料を用いた電池の外装材としては、鉄、ステンレス鋼、アルミニウム等の金属缶を用いることが可能であるが、重量エネルギー密度の観点から、金属箔と樹脂フィルムを積層した金属樹脂複合フィルムが好ましい。金属樹脂複合フィルムに用いる金属箔の例として、アルミニウム、鉄、ニッケル、銅、ステンレス鋼、チタン、金、銀等、ピンホールのない箔であれば何でもよいが、軽量で安価なアルミニウム箔が好ましい。また、外面にポリエチレンテレフタレートフィルム、ナイロンフィルム等の突き刺し強度が優れた樹脂フィルムを、内面にポリエチレンフィルム、ナイロンフィルム等の熱可塑性であって融着可能なフィルムを配した樹脂フィルムも好適に用いられる。耐溶剤性の観点からこのような樹脂フィルムの開口部は、熱可塑性樹脂で封止することが好ましい。
本発明の電極材料を用いた電池のセパレータは、ポリオレフィン系、ポリエステル系、ポリアクリロニトリル系、ポリフェニレンサルファイド系、ポリイミド系、及びフッ素樹脂系の微孔膜や不織布を用いることが可能である。それらの中で、濡れ性の悪い微孔膜には界面活性剤等の処理を施すことが好ましい。また、前記固体電解質をセパレータとして用いることも可能である。
前記セパレータの空孔率は、強度の観点から98体積%以下が好ましい。また、充放電
特性の観点から空孔率は20体積%以上が好ましい。
本発明の電極材料を用いた電池における電解質に用いるイオン性化合物としては、例えば、LiClO4 、LiBF4、LiAsF6、LiPF6、LiCF3SO3、LiCF3CO2、LiSCN、LiBr、LiI、Li2SO4、Li210Cl10、NaClO4、NaI、NaSCN、NaBr、KClO4、KSCN、などのLi、Na、またはKの1種を含む無機イオン塩、LiN(CF3SO22、LiN(C25SO22、(CH3 4NBF4、(CH34NBr、(C254NClO4、(C254 NI、(C374NBr、(n−C494NClO4、(n−C494NI、(C254N−maleate、(C254N−benzoate、(C254N−phtalateなどの四級アンモニウム塩、ステアリルスルホン酸リチウム、オクチルスルホン酸リチウム、ドデシルベンゼンスルホン酸リチウムなどの有機イオン塩等が例示される。
前記イオン性化合物は、有機溶剤等に溶解して用いることができる。前記有機溶媒としては、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート、クロロエチレンカーボネート、ビニレンカーボネートなどの環状炭酸エステル;γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトンなどの環状エステル;ジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、ジエチルカーボネートなどの鎖状炭酸エステル;酢酸メチル、酪酸メチルなどの鎖状エステル;テトラヒドロフランまたはその誘導体、1,3−ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン、メチルジグライムなどのエーテル類;アセトニトリル、ベンゾニトリルなどのニトリル類;ジオキサランまたはその誘導体;スルホラン、スルトンまたはその誘導体などの単独またはそれら2種以上の混合物などを添加することも可能である。しかしこれらに限定されるものではない。このような有機溶剤を添加することにより、サイクル特性や安定性等の電池特性を改善することができる。
前記の電解液は、電極間に本発明のセパレータを挟み込み積層したり、巻き込んだりした後に前記電解液を注液してもよい。注液法としては、常圧で注液することも可能であるが真空含浸方法や加圧含浸方法を用いてもよい。
以下に実施例を示し、本発明をさらに詳細に説明する。
次のようにして、2−メチル−チオアクリル酸 S−[5−(2−メチル−アクリロイルスルファニル)−[1,2,5]チアジアゾール−2−イル]エステル(以下「MDM」という)を合成した。
次の化学反応式に示すように、反応槽Aに2,5−ジメルカプト−1,3,4−チアジアゾールを600mg(4mmol)入れ、乾燥テトラヒドロフラン100mlを加え溶解した。この溶液を冷却用バスを用いて−78℃まで冷却し、そこへn−ブチルリチウムの1.58Mヘキサン溶液を5.57ml(8.8mmol)滴下し、更に1時間攪拌した。
Figure 2005327645
反応槽Bに塩化メタクロイルを0.86ml(8.8mmol)入れ、乾燥テトラヒドロフラン70mlを加え溶解した。この溶液を冷却用バスを用いて−78℃まで冷却し、トランスファーチューブを用いて反応槽Bに滴下した。温度を−78℃に維持したまま1時間攪拌し、冷却用バスを取り除き室温雰囲気で1時間攪拌し続けた。そこへ水を加えることにより反応を停止し、ジエチルエーテルで抽出した。得られたジエチルエーテル層を水、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水の順で洗浄した。ジエチルエーテルに溶解しない有機物をろ別し、ろ液から減圧下にてジエチルエーテルを除去することによりMDMを得た。
(電気化学デバイス用電極材料及び電気化学デバイス用電極の作製)
0.0509gのMDM、0.2gの炭素材料(ライオン株式会社製、商品名:ケッチェンブラック、品番:EC600JD)及び0.0111gのα,α’−アゾビスイソブチロニトリルを計り取り、0.5mlのテトラヒドロフランを加え混合した。60℃で加熱することによりテトラヒドロフランを除去し、アルゴン雰囲気下130℃で2時間加熱することでMDMの架橋を行った。得られたMDM−ケッセンブラック複合粉末0.2583gとポリテトラフルオロエチレン0.0506gとを混練し、厚さ150μmのシート状に成形した。得られたシートを15mm×15mmの寸法に打ち抜き、アルミニウム製のエキスパンド集電体に圧着し作用極とした。一方、ニッケルメッシュに20mm×20mmの金属リチウムを圧着し対極とした。作用極/ポリエチレン製微多孔膜(厚さ25μm)/対極の順に積層して発電要素を構成し、金属樹脂複合フィルムを外装材に用いて前記発電要素を覆った。非水電解質として、エチレンカーボネートとジエチルカーボネートを1:1の体積比で混合した混合溶媒に、LiPFを1molの濃度で溶解した電解液を用いた。外装材の周縁部を熱融着により封口した。以上により、本発明電池を作製した。
本発明電池を用いてサイクリックボルタンメトリー(CV)測定を行った。走査電位の上下限を+1.5〜+3.5Vとし、10mV/秒の走査速度で2サイクルのリニアスキャンを行ったところ、酸化還元ピークが観察された。結果を図1に示す。
本発明の電気化学デバイス用電極材料は、架橋して得ることを特徴としているので、充分な特性を得るための電気化学デバイス用電極への加工が極めて容易となる。即ち、本発明の電極材料は、架橋前の状態であるチオメタククリレート基を有する有機硫黄化合物は一般的な溶剤に溶解させることができる。従って、チオメタククリレート基を有する有機硫黄化合物を溶剤に溶解させた状態で薄く塗布することができる。塗布後、架橋することにより、溶剤に不溶な本発明の電気化学デバイス用電極材料が得られる。このようにして、本発明の電気化学デバイス用電極材料が薄膜状態に加工された本発明の電気化学デバイス用電極材料を極めて容易に作製することができる。このような特徴は、酸化物系活物質や炭素材料等の電極材料では実現できなかったものである。このことは、高率放電特性が要求される電気化学デバイスへ用電極材料として計り知れない可能性を有している。
本発明電池の電流−電圧特性図である。
符号の説明
1 正極集電体
2 正極
3 電解質兼セパレータ
4 負極
5 負極集電体
6 外装材
7 端子

Claims (5)

  1. チオメタククリレート基を有する有機硫黄化合物を架橋することにより得られる有機硫黄化合物を有する電気化学デバイス用電極材料。
  2. 次の(化学式1)で示される分子構造部分を有する電気化学デバイス用電極材料。
    Figure 2005327645
  3. 請求項1又は2記載の電気化学デバイス用電極材料を備えた電気化学デバイス用電極。
  4. 固体電解質を備えた請求項3記載の電気化学デバイス用電極。
  5. 請求項3又は4記載の電気化学デバイス用電極を備えた電気化学デバイス。
JP2004145795A 2004-05-17 2004-05-17 電気化学デバイス用電極材料及びこれを備えた電気化学デバイス Expired - Fee Related JP4670258B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004145795A JP4670258B2 (ja) 2004-05-17 2004-05-17 電気化学デバイス用電極材料及びこれを備えた電気化学デバイス

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004145795A JP4670258B2 (ja) 2004-05-17 2004-05-17 電気化学デバイス用電極材料及びこれを備えた電気化学デバイス

Publications (3)

Publication Number Publication Date
JP2005327645A true JP2005327645A (ja) 2005-11-24
JP2005327645A5 JP2005327645A5 (ja) 2007-06-21
JP4670258B2 JP4670258B2 (ja) 2011-04-13

Family

ID=35473813

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004145795A Expired - Fee Related JP4670258B2 (ja) 2004-05-17 2004-05-17 電気化学デバイス用電極材料及びこれを備えた電気化学デバイス

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4670258B2 (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008235249A (ja) * 2007-02-20 2008-10-02 Denso Corp 二次電池用電極及びその製造方法並びにその電極を採用した二次電池
JP2009245921A (ja) * 2008-03-13 2009-10-22 Denso Corp 二次電池用電極及びその製造方法並びにその電極を採用した二次電池
JP2010212152A (ja) * 2009-03-11 2010-09-24 Murata Mfg Co Ltd 電極活物質及びそれを用いた二次電池
WO2012060445A1 (ja) * 2010-11-05 2012-05-10 株式会社 村田製作所 二次電池
JP2013501363A (ja) * 2009-08-07 2013-01-10 オーツェー エリコン バルザーズ アーゲー 全て固体の電気化学二重層スーパーキャパシタ

Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH06163049A (ja) * 1992-11-17 1994-06-10 Matsushita Electric Ind Co Ltd 電 極
JP2000082468A (ja) * 1998-06-23 2000-03-21 Toyo Kasei Kogyo Co Ltd 電池正極用リチウムチオレ―トとそれを使用したリチウム二次電池
JP2001155773A (ja) * 1999-09-17 2001-06-08 Sanyo Electric Co Ltd ポリマー電解質電池
JP2002117854A (ja) * 2000-10-06 2002-04-19 Nec Corp 二次電池およびその製造方法
JP2002158037A (ja) * 2000-11-17 2002-05-31 Matsushita Electric Ind Co Ltd ポリマー二次電池及びその製造法
JP2003297364A (ja) * 2002-03-29 2003-10-17 Yuasa Corp 電気化学セル用電極材料およびそれを用いた電気化学セル
JP2003297363A (ja) * 2002-03-29 2003-10-17 Yuasa Corp 電気化学セル用電極材料およびそれを用いた電気化学セル
JP2004134293A (ja) * 2002-10-11 2004-04-30 Yuasa Corp 電極材料、電極の製造方法、電極及び電池

Patent Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH06163049A (ja) * 1992-11-17 1994-06-10 Matsushita Electric Ind Co Ltd 電 極
JP2000082468A (ja) * 1998-06-23 2000-03-21 Toyo Kasei Kogyo Co Ltd 電池正極用リチウムチオレ―トとそれを使用したリチウム二次電池
JP2001155773A (ja) * 1999-09-17 2001-06-08 Sanyo Electric Co Ltd ポリマー電解質電池
JP2002117854A (ja) * 2000-10-06 2002-04-19 Nec Corp 二次電池およびその製造方法
JP2002158037A (ja) * 2000-11-17 2002-05-31 Matsushita Electric Ind Co Ltd ポリマー二次電池及びその製造法
JP2003297364A (ja) * 2002-03-29 2003-10-17 Yuasa Corp 電気化学セル用電極材料およびそれを用いた電気化学セル
JP2003297363A (ja) * 2002-03-29 2003-10-17 Yuasa Corp 電気化学セル用電極材料およびそれを用いた電気化学セル
JP2004134293A (ja) * 2002-10-11 2004-04-30 Yuasa Corp 電極材料、電極の製造方法、電極及び電池

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008235249A (ja) * 2007-02-20 2008-10-02 Denso Corp 二次電池用電極及びその製造方法並びにその電極を採用した二次電池
JP2009245921A (ja) * 2008-03-13 2009-10-22 Denso Corp 二次電池用電極及びその製造方法並びにその電極を採用した二次電池
JP2010212152A (ja) * 2009-03-11 2010-09-24 Murata Mfg Co Ltd 電極活物質及びそれを用いた二次電池
JP2013501363A (ja) * 2009-08-07 2013-01-10 オーツェー エリコン バルザーズ アーゲー 全て固体の電気化学二重層スーパーキャパシタ
WO2012060445A1 (ja) * 2010-11-05 2012-05-10 株式会社 村田製作所 二次電池
JP5645319B2 (ja) * 2010-11-05 2014-12-24 株式会社村田製作所 二次電池

Also Published As

Publication number Publication date
JP4670258B2 (ja) 2011-04-13

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US11374254B2 (en) Solid state electrolyte for lithium secondary battery
EP1995817B1 (en) Lithium rechargeable battery using ionic liquid
KR100714135B1 (ko) 전해액용 재료 및 이의 용도
US7754388B2 (en) Nonaqueous electrolyte and nonaqueous-electrolyte battery
EP2541665B1 (en) Non-aqueous liquid electrolyte secondary battery
CN107710463A (zh) 锂‑硫电池用正极、其制造方法以及包含其的锂‑硫电池
CN109980285A (zh) 用于锂-硫属元素电池的电解质体系
JP2011090806A (ja) リチウム二次電池用電極及びそれを備えたリチウム二次電池
JP4149815B2 (ja) 非イオン性界面活性剤含有電解液とこれを用いるリチウムイオン電池
JP6205889B2 (ja) リチウム二次電池
JP4670258B2 (ja) 電気化学デバイス用電極材料及びこれを備えた電気化学デバイス
JP4537726B2 (ja) 非水電解質用難燃性付与剤、非水電解質及び非水電解質電池
KR20130107927A (ko) 복합 양극활물질, 이를 포함하는 리튬 이차 전지용 전극 및 리튬 이차 전지
JP2002110232A (ja) 非水電解液およびこれを用いたリチウム電池
JP2002175836A (ja) 非水電解質電池
JP5272810B2 (ja) キャパシタ
JP4135348B2 (ja) 非水電解質電池
WO2021193023A1 (ja) リチウムイオン二次電池
JP4029273B2 (ja) 電気化学セル用電極材料およびそれを用いた電気化学セル
CN110679030B (zh) 电解液及电化学装置
JP4524362B2 (ja) 電極材料、電極の製造方法、電極及び電池
JP4045831B2 (ja) 電気化学セル用電極材料およびそれを用いた電気化学セル
JP4655430B2 (ja) 非水電解質二次電池
JP2001250528A (ja) 非水電解質電池
JP4411816B2 (ja) 非水電解質電池

Legal Events

Date Code Title Description
A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712

Effective date: 20051219

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20060125

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20070507

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20070507

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20100402

A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712

Effective date: 20100507

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100824

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20101005

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20101109

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20101124

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20101221

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20110103

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4670258

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140128

Year of fee payment: 3

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees