JP2005326521A - 外部共振器型レーザ装置、およびそれを用いた波長変換装置 - Google Patents

外部共振器型レーザ装置、およびそれを用いた波長変換装置 Download PDF

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Abstract

【課題】温度によらず非線形光学結晶の変換効率がほぼ最大になる波長に発振波長をロックできる外部共振器型レーザ装置、温度が変化しても和周波光あるいは差周波光の出力がほとんど変動しない、低消費電力化や小型化に適した構成を持つ波長変換装置である。
【解決手段】外部共振器型レーザ装置は、第1の反射素子103、第1の波長の第1の光を発生する発光素子101、第2の波長の第2の光を発生するレーザ131、周期分極反転領域115と光導波路117を持つ非線形光学結晶113を有する。周期分極反転領域115と光導波路117は第1の光と第2の光とが擬似位相整合して第3の波長の第3の光を発生するように設計されている。外部共振器型レーザ装置は、光導波路117中を一方向に第1の光と第2の光が伝搬して第3の光を発生するとともにそれとは逆の方向に第2の光と第3の光が伝搬して第1の波長を有する第4の光を発生し、かつ、第4の光が発光素子101に帰還するように構成されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、半導体レーザ(Laser Diode:LD)などの発光素子からの光を基本光として和周波光あるいは差周波光を発生させる光波長変換装置などに適した外部共振器型レーザ装置、およびその装置を用いた波長変換装置に関するものである。特には、レーザディスプレイや光記録、光計測用の光源などとして利用でき、出力の安定なレーザ光を出射する波長変換装置に関するものである。
非線形光学結晶を利用してLD光を別の波長に変換する試みが様々行われている。この技術によれば、LDとしては実用化に至っていない波長域、例えば緑色域や紫外域のレーザ光を発生させることが可能となり、レーザディスプレイや光記録用の光源としての応用が期待できる。特に、非線形光学結晶中に周期的分極反転領域を形成することで、任意の波長に対して位相整合させることが可能になり、波長に対する自由度が向上する。
しかし、例えば、分極反転領域を設けたLiNbO結晶を用いた第2高調波発生(Second Harmonic Generation、:SHG)の場合、波長および温度に対して敏感であり、半導体レーザからの基本光の波長が1nm変化しても変換効率はほとんど0になってしまい、また、約1度の温度変化で変換効率は半減してしまう。そのため、変換効率を安定化させる工夫が必要となる。例えば、特許文献1には外部共振器構造による波長安定化技術について開示されている。この例を図17に示す。半導体レーザ7からのレーザ光は、コリメートレンズ9、偏光板11、集光レンズ10を通過して非線形光学結晶からなる基板1に入射される。基板1には、光導波部4、分極反転部3、回折格子5が集積化されている。半導体レーザ7の後ろ側の反射膜8および回折格子5を共振器ミラーとする外部共振器が構成されており、発振波長は回折格子5のブラッグ波長で決定され、そのスペクトル幅は0.1nm以下にできる。また、基板温度が変化した場合、分極反転部3での位相整合波長の波長シフトと回折格子5のブラッグ波長の波長シフトが生じるが、その温度係数は同符号である。よって、位相整合波長がシフトする方向に発振波長もシフトするため、外部共振器を用いない場合と比べて、温度変化による効率の変動を小さくできる。
特開平05−257184号公報
しかしながら、上記のような外部共振器型半導体レーザにおいては、分極反転部の位相整合波長と回折格子のブラッグ波長を予め精度よく一致させておく必要があり、歩留まり低下、コスト高の要因となる。また、位相整合波長とブラッグ波長それぞれの温度に対する波長シフトの傾きは完全には一致していないため、温度が大きく変動した場合には、その波長差は無視できないものとなって第2高調波の出力低下の要因となる。したがって、出力を一定にするためには何らかの温度調節機構が必要とり、消費電力の増大、装置の大型化の要因となる。
上記課題を解決するために、本発明の外部共振器型レーザ装置は、第1の反射素子(本明細書において反射素子という場合、これには、単なるへき開端面の如きものも含まれる)、第1の波長を有する第1の光を発生する発光素子、第2の波長を有する第2の光を発生するレーザ、周期分極反転領域および光導波路を有する非線形光学結晶を有し、周期分極反転領域および光導波路は第1の光と第2の光とが擬似位相整合して第3の波長を有する第3の光を発生するように設計されており、光導波路中を一方向に第1の光と第2の光が伝搬して第3の光を発生するとともにそれとは逆の方向に第2の光と第3の光が伝搬して第1の波長を有する第4の光を発生し、かつ、第4の光が前記発光素子に帰還するように構成されている(より具体的には、光導波路中を一方向に第1の光と第2の光が伝搬して第3の光を発生するとともにそれとは逆の方向に第2の光と第3の光が伝搬して第1の波長を有する第4の光を発生するように集光素子や反射素子を含んだ光学系が設けられており、かつ、該光学系は第4の光が前記発光素子に帰還するように構成されている)ことを特徴とする。
また、上記課題を解決するために、本発明の波長変換装置は、上記の外部共振器型レーザ装置を波長変換用光源として用いたことを特徴とする。この用い方としては、前記非線形光学結晶に対して第1の光を入射する側の光路中に第3の波長の光を分離するダイクロイックミラーが挿入されて第3の波長の光を取り出すことが可能な構成としたり、前記非線形光学結晶とは異なる第2の非線形光学結晶を有し、前記外部共振器型レーザ装置から発生した第1の波長の光と、第2の波長を有する第5の光とを第2の非線形光学結晶に入射して第3の波長の光を発生させる構成としたり、前記非線形光学結晶中の光導波路の一部に溝が設けられており、溝の中に、第1の波長の光の各々に対して概略無反射、第2の波長の光に対して一部を透過、第3の波長の光のほとんどを反射する第7の反射素子が挿入されており、前記非線形光学結晶の第1の光を入射する側とは反対側の端面から第3の波長の光を取り出すことが可能な構成としたりする。
本発明によると、温度によらず非線形光学結晶の変換効率がほぼ最大になる波長に発振波長をロックすることが可能な外部共振器型半導体レーザ装置などの外部共振器型レーザ装置を実現できる。さらには、それを和周波発生用光源あるいは差周波発生用光源として用いることで、温度が変化しても和周波光あるいは差周波光の出力がほとんど変動しない、低消費電力化や小型化に適した構成を持つ波長変換装置を実現できる。
本発明による外部共振器型レーザ装置の代表的な形態の構成図を図1に示す。波長λ、λの光から、それらの和周波光であるλ(=1/(1/λ+1/λ))の光に変換する場合を例に採り説明する。
図1中、101は波長λの近傍に利得ピークを持つ光半導体、103は波長λの光に対して高反射となる反射膜(第1の反射素子)、105は波長λの光に対して概略無反射となる無反射膜(第2の反射素子ないし反射膜)、107はコリメートレンズ、109は波長板、111は集光レンズ、113は非線形光学結晶、115は非線形光学結晶113中に設けられた周期分極反転領域、117は非線形光学結晶113中に設けられた光導波路、119は波長λ、λ、λの光の各々に対して概略無反射(1%以下)となる無反射膜(第3の反射素子ないし反射膜)、121は波長λの光に対して概略無反射(1%以下)、波長λ、λの光に対して高反射(この例では90%以上)となる反射膜(第4の反射素子ないし反射膜)である。
また、131は発振波長λの半導体レーザ、133はコリメートレンズ、135は光アイソレータ、137は波長板であり、139は波長λの光を透過し、波長λの光を反射するダイクロイックミラーである。
和周波変換が最適に生じるように非線形光学結晶113に入射する2つの光の偏光状態は波長板109、137によって調節されている。また、分極反転領域115の周期は、波長λの光と波長λの光とが波長λの光に擬似位相整合するように設計されている。
上記構成において、光導波路117を光半導体101から発せられた第1の光と半導体レーザ131から発せられた第2の光が図中左から右に伝搬する間に波長λの和周波光(第3の光)が発生する。この3つの光のうち第2、第3の光は反射膜121で反射され、第1の光は反射されない。反射された2つの光は、右から左に伝搬する間に第2、第3の光から波長λの光(第4の光)へと差周波変換が生じる。この変換は擬似位相整合条件を満たす波長において強く、それから離れた波長の光ではほとんど変換されない。
その結果、非線形光学結晶113の左側の端面から出射された第4の光は、波長λをピークとする強度分布を有している。この出射光を光半導体101に戻すことで外部共振器を構成し、波長λで発振させることが可能となる。
これを図2の概念図を用いて説明する。図2(a)は光半導体101の活性層の利得の波長依存を示し、図2(b)は非線形光学結晶113に入射した第1の光に対する結晶から出射される第4の光の割合を非線形反射率と定義したときの非線形反射率の波長依存を示す。このように非線形反射率はλにピークを有しているため、この波長においてレーザの発振しきい値が最も小さくなり、この外部共振器型半導体レーザはこの波長で発振する(図2(c))。
非線形反射率の計算結果を図3に示す。この図は、λ=808nm、λ=1550nm、λ=531nmとし、非線形光学結晶113としてLiNbOを用い、分極反転領域周期Λ=7.1μm、光導波路断面積を25μm、結晶に入射した第1、第2の光の強度を夫々100mW、50mW、光導波路損失を0.5dB/cm、反射膜121の反射率を第1の光に対して0%、第2、第3の光に対して100%とした場合において非線形反射率を計算した結果を示す。このように設計波長808nmに非線形反射率のピークが存在し、この波長でレーザ発振させることができる。また、このとき非線形光学結晶113の反射膜121から出射される和周波光の強度の波長依存を図4に示す。設計波長808nmにおいて最大の和周波光が得られる。
次に、温度が変化した場合に外部共振型半導体レーザの発振波長がシフトする様子を図5の概念図を用いて説明する。図5(a)は光半導体101の活性層の利得、図5(b)は非線形反射率の波長依存、図5(c)は外部共振型半導体レーザの発振スペクトルを示す。或る温度において波長λで発振している場合を点線で示してある。この状態から温度が上昇すると、実線で示すように、活性層の利得カーブ、非線形反射率のピーク波長はともに長波長側にシフトするが、前者の方が3倍程度温度係数が大きい。非線形反射率は、或る結晶温度における擬似位相整合条件を満たす波長において最大となり、この波長λ’で発振する。したがって、本発明による外部共振器型レーザ装置では、温度が変化しても常に擬似位相整合条件を満たすように発振波長がシフトすることになる。
一方、レーザ131からの第2の光の波長が変化した場合に外部共振型半導体レーザの発振波長がシフトする様子を図6の概念図を用いて説明する。図6(a)は光半導体101の活性層の利得、図6(b)は非線形反射率の波長依存、図6(c)は外部共振型半導体レーザの発振スペクトルを示す。設計波長λ=808nm(図中点線)、λ=1550nm(図中不図示)の場合、第2の光の波長が−1nm変化する(図中不図示)と、擬似位相整合する第1の光の波長は+0.4nmシフトし、それに追随して非線形反射率のピーク波長および外部共振型半導体レーザの発振波長もシフトする(図中実線)。したがって、本発明による外部共振器型レーザ装置では、レーザからの第2の光の波長が変化しても、常に擬似位相整合条件を満たすように発振波長がシフトすることになる。
したがって、この外部共振器型半導体レーザ装置を波長変換装置の光源に用いた場合、和周波光の出力は温度や第2の光の波長によらず一定にできる。
以上、波長λ、λの光からそれらの和周波であるλ(=1/(1/λ+1/λ))に変換する場合を例にとり説明したが、λを差周波(=1/|1/λ−1/λ|)としても同様である。
また、上記構成における光半導体は、電流、光などによるエネルギー注入により所定の波長の第1の光を発生する有機材料などからなる発光素子に置き換えることもできる。さらに、無反射膜119は波長λ、λ、λの光の各々に対して概略無反射となるよう設計されているが、その代わりに、端面を斜め研磨して反射光の光路をずらすことで実質的に無反射とすることも可能である。
また、非線形光学結晶に同じ側から第1の光、第2の光を入射しているが、それぞれ別々の端面から入射する構成も可能である。この構成では、それに応じて、非線形光学結晶の両端面の反射膜の反射率の波長依存を最適な状態に設定しておけばよい。またこの構成では、光半導体などの発光素子と非線形光学結晶の光導波路間の光結合については、レンズを用いる場合の他に、隣接して配置することによる、いわゆるbutt-coupling方式であってもよい。集光光学系としては、単レンズであっても複数のレンズからなるレンズ群であってもよく、凹面鏡や凸面鏡を含んでいてもよい。
本発明のより具体的な実施例を以下に説明する。
(実施例1)
本発明の第1の実施例について図面を用いて説明する。図1は、本発明の第1の実施例における外部共振器型半導体レーザ装置の模式的な構成図である。本実施例では、波長808nm、1550nmの光からそれらの和周波である531nmの光に変換する場合を示している。
図1において、101は、波長808nmの近傍に利得ピークを持つGaAs系の活性層を有する光半導体であり、光半導体101の後ろ側の端面には波長808nm近傍の光を95%以上反射する反射膜(第1の反射素子)103が成膜されている。光半導体101の前側端面には波長808nm近傍の光に対して概略無反射(反射率が1%以下)である無反射膜(第2の反射素子ないし反射膜)105が成膜されている。113は素子長10mm、厚さ1mmのZカットLiNbOからなる非線形光学結晶であり、非線形光学結晶113中には周期分極反転領域115および光導波路117が設けられている。また、非線形光学結晶113の光半導体側端面には、波長808nm、1550nm、531nmの光の各々に対して概略無反射となる無反射膜(第3の反射素子ないし反射膜)119が成膜され、その反対側の端面には、波長808nmの光に対して概略無反射、波長1550nm、531nmの光に対して98%の反射率を有する反射膜(第4の反射素子ないし反射膜)121が成膜されている。
また、131は発振波長1550nmのファブリペロー型の半導体レーザ、133はコリメートレンズ、135は光アイソレータ、137は波長板であり、139は波長808nmの光を透過、波長1550nmの光を反射するダイクロイックミラーである。
ここでの周期分極反転領域115は電界印加法を用いて形成されており、その周期Λは、波長808nmの光と波長1550nmの光とが波長531nmの光に擬似位相整合するように設計されており、約7.1μmである。また、光導波路117は、安息香酸中でプロトン交換しその後アニールすることで形成されている。導波モードパターンから推定される光導波路断面積は28μmである。また、光半導体101から出射された第1の光は、コリメートレンズ107、波長板109、ダイクロイックミラー139、集光レンズ111を介して光導波路117へと導かれ、半導体レーザ131から発せられた第2の光はコリメートレンズ133、光アイソレータ135、波長板137、ダイクロイックミラー139、集光レンズ111を介して光導波路117へ導かれる。これらの光は、光導波路117中をTMモードで伝搬するように、波長板109、137によって偏光状態が調節されている。
このように構成された構造において、光導波路117を第1、第2の光が図中左から右に伝搬する間に第3の光である和周波光が発生する。この3つの光のうち、第2、第3の光は反射膜121で反射され、第1の光は反射されない。そして、反射された2つの光は、右から左に伝搬する間に第2、第3の光から波長808nmの光(第4の光)へと差周波変換が生じる。この変換は擬似位相整合条件を満たす波長において強く、それから離れた波長の光ではほとんど変換されない。その結果、非線形光学結晶113の左側の端面から出射される第4の光は波長808nmをピークとする強度分布を有している。この出射光は、集光レンズ111、ダイクロイックミラー139、波長板109、コリメートレンズ107を介して光半導体101に戻るので、外部共振器型半導体レーザ装置を波長808nmで発振させることが可能となる。このとき、波長1550nmの光の一部は半導体レーザ131に戻るが、これは光アイソレータ135によって減衰されるので半導体レーザ131の発振を不安定にすることはない。
本実施例では、半導体レーザ131から光導波路117にパワー35mWの第2の光を入力した場合、外部共振器型半導体レーザ装置のしきい値電流は57mAであり、光半導体101の注入電流300mAの場合に、反射膜121を通過したレーザ光パワーは75mW、発振波長は結晶温度25℃の場合で807.6nmであった。また、結晶温度を変化させたところそれに追随して外部共振器型半導体レーザ装置の発振波長を変えることができ、その温度係数は0.10nm/℃であった。この値は擬似位相整合波長の温度係数と一致していた。また、半導体レーザ131の温度を変えて第2の光の波長を−1nmシフトして1549nmとしたところ、外部共振器型半導体レーザ装置の発振波長は808.1nmとなった。このシフト量は理論値とほぼ一致していた。したがって、結晶温度や第2の光の波長が変動しても、常に発振波長を擬似位相整合波長に合わせることが可能となった。その結果、温度制御が不要な、あるいは非常にラフな温度制御でよい半導体レーザ装置を実現することが可能となり、小型化、低消費電力化が可能となる。
本実施例においても、無反射膜119の代わりに、端面を斜め研磨することで実質的に無反射にする構成としてもよい。
(実施例2)
次に、本発明の第2の実施例について図面を用いて説明する。図7は、本発明の第2の実施例における外部共振器型レーザ装置の模式的な構成図である。第1の実施例との違いは、反射膜121の代わりに結晶の外部に別の反射素子を設けていることである。その他の構成は第1の実施例とほとんど同様であり、詳細の説明は省略する。同一構成部材には同一番号を付する。
図7において、非線形光学結晶113の光半導体101と反対側の端面には波長808nm、1550nm、531nmの光の各々に対して概略無反射となる無反射膜221が成膜されている。また、223はコリメートレンズ、225は波長808nmの光に対して概略無反射、波長1550nm、532nmの光に対して98%の反射率を有する平面ミラーである。この構成において、光導波路117を伝搬した第1、第2の光、および第3の光である和周波光は無反射膜221を通過し、平面ミラー225によって第1の光は反射されず、第2、第3の光は反射される。
第1の実施例では、非線形光学結晶113の両端面に性質の異なる反射膜を成膜する必要があったが、本実施例では同一の無反射膜でよいので、製造工程が簡略化できるという利点がある。また、本実施例において、コリメートレンズ223と平面ミラー225を用いる代わりに、所望の反射特性を持った凹面鏡構造としてもよい。また、無反射膜221の代わりに、端面を斜め研磨することで実質的に無反射とすることも可能である。
(実施例3)
次に、本発明の第3の実施例について図面を用いて説明する。図8は、本発明の第3の実施例における外部共振器型レーザ装置の模式的な構成図である。第1の実施例との違いは、第2の光を発生するレーザとしてDFB型半導体レーザを用いていることである。その他の構成は第1の実施例とほとんど同様であり、詳細の説明は省略する。同一構成部材には同一番号を付する。
図8中、301は発振波長1550nmのDFB型半導体レーザであり、303および305はDFBレーザの両端面に設けられた無反射膜、307はDFBレーザの活性層近傍に設けられた回折格子である。図8において、DFB型半導体レーザ301を立体的に描いているが、これは回折格子307を分かり易くするためである。
一般に、DFBレーザは、戻り光がある場合でも発振波長がほとんど変化しないという特性を有している。したがって、本実施例においては、光アイソレータを除去することができるので小型化に有利である。また、第2の光のスペクトル幅が第1の実施例に比べて狭いので、より効率よく波長変換を行うことができる。
本実施例において、DFB型半導体レーザ301から光導波路117にパワー25mWの第2の光を入力した場合、外部共振器型半導体レーザ装置のしきい値電流は52mAであり、光半導体101の注入電流300mAの場合に、反射膜121を通過したレーザ光パワーは82mWとなった。また、外部共振器型半導体レーザ装置の結晶温度依存や第2の光波長依存特性は第1の実施例とほぼ同一の結果となった。
本実施例において、DFB型半導体レーザの代わりにDBR型半導体レーザを用いてもよい。
(実施例4)
次に、本発明の第4の実施例について図面を用いて説明する。図9は、本発明の第4の実施例における外部共振器型レーザ装置の模式的な構成図である。第1の実施例との違いは、第2の光を発生するレーザとして固体レーザを用いていることである。その他の構成は第1の実施例とほとんど同様であり、詳細の説明は省略する。同一構成部材には同一番号を付する。
図9中、401は発振波長1064nmの固体レーザであり、403は励起用半導体レーザ、405はNdドープYVOからなるレーザ結晶である。本実施例では、第2の光の波長を変えているので、それに応じて、反射膜の構成や非線形光学結晶113中の光導波路117の形状、周期分極反転領域115の周期は最適に設計されている。
本実施例では、第2の光を発生するレーザとして固体レーザ401を用いているので、戻り光に強く光アイソレータを不要にできる。また、第2の光のスペクトル幅も非常に狭いので、より効率よく波長変換を行うことができる。
以上の実施例では、非線形光学結晶113の一方の端面から第1の光、第2の光を入射する場合を示したが、以下の実施例は第1の光、第2の光を結晶の別々の端面から入射する例を示す。
(実施例5)
以下、本発明の第5の実施例について図面を用いて説明する。図10は、本発明の第5の実施例における外部共振器型レーザ装置の模式的な構成図である。第1の実施例との違いは、第2の光を発生するレーザとしてDFB型半導体レーザを用いていることと、第1の光、第2の光を非線形光学結晶の別々の端面から入射していることである。その他の構成は第1の実施例とほとんど同様であり、詳細の説明は省略する。同一構成部材には同一番号を付する。
図10中、501は発振波長1550nmのDFB型半導体レーザであり、503および505はDFBレーザの両端面に設けられた無反射膜、507はDFBレーザの活性層近傍に設けられた回折格子である。また、509はコリメートレンズ、511は波長板、513は集光レンズである。113は素子長10mm、厚さ1mmのZカットLiNbOからなる非線形光学結晶であり、非線形光学結晶113中には周期分極反転領域115および光導波路117が設けられている。また、非線形光学結晶113の光半導体101側の端面には波長808nm、531nmの光に対して概略無反射、波長1550nmの光に対して98%の反射率を有する反射膜(第5の反射素子ないし膜)519が成膜されており、その反対側の端面には、波長808nm、1550nmの光に対して概略無反射、波長531nmの光に対して98%の反射率を有する反射膜(第6の反射素子ないし膜)521が成膜されている。515は、波長808nmの光を反射、波長1550nmの光を透過するダイクロイックミラーである。
光半導体101から出射された第1の光はコリメートレンズ107、波長板109、集光レンズ111を介して図10中左側の結晶端面から光導波路117へと導かれ、DFB型半導体レーザ501から発せられた第2の光はコリメートレンズ509、波長板511、ダイクロイックミラー515、集光レンズ513を介して右側の結晶端面から光導波路117へ導かれる。これらの光は、光導波路117中をTMモードで伝搬するように波長板109、511によって偏光状態が調節されている。
上記の構成において、非線形光学結晶113に入射した第1の光と反射膜519で折り返された第2の光が光導波路117中を図中左から右に伝搬する間に第3の光である和周波光が発生する。この3つの光のうち反射膜521で反射された第3の光と、結晶に入射した第2の光とが光導波路117中を右から左に伝搬する間に、第2、第3の光から波長808nmの光(第4の光)へと差周波変換が生じる。この変換は擬似位相整合条件を満たす波長において強く、それから離れた波長の光ではほとんど変換されない。その結果、非線形光学結晶113の左側の端面から出射された第4の光は波長808nmをピークとする強度分布を有している。この出射光は、集光レンズ111、波長板109、コリメートレンズ107を介して光半導体101に戻るので、外部共振器型半導体レーザ装置を波長808nmで発振させることが可能となる。発振した波長808nmのレーザ光は、ダイクロイックミラー515で反射され外部に取り出すことができる。波長1550nmの光の一部はDFB型半導体レーザ501に戻るが、これはこのレーザは戻り光に強いので発振を不安定にすることはない。
本実施例において、DFB型半導体レーザ501から光導波路117にパワー25mWの第2の光を入力した場合、外部共振器型半導体レーザ装置のしきい値電流は53mAであり、光半導体101の注入電流300mAの場合に、ダイクロイックミラー515で反射して得られた光パワーは78mWとなった。また、外部共振器型半導体レーザ装置の結晶温度依存や第2の光波長依存特性は第1の実施例とほぼ同一の結果となった。本実施例では、光学系を直線状に配置できるという特長がある。
(実施例6)
次に、本発明の第6の実施例について図面を用いて説明する。図11は、本発明の第6の実施例における外部共振器型レーザ装置の模式的な構成図である。第5の実施例との違いは、光半導体101と非線形光学結晶113の光結合にレンズを用いず、端面を直接隣接させて結合を行う、いわゆるbutt-coupling方式を用いていることである。その他の構成は第5の実施例とほとんど同様であり、詳細の説明は省略する。同一構成部材には同一番号を付する。
光導波路117を第1の光がTEモードで伝搬する場合、ほとんど波長変換が起きないので非線形反射率には波長ピークが存在しない。一方、TMモードで伝搬する場合は波長変換が起きるため、波長ピークを有する非線形反射率となる。すなわち、TMモードの特定波長が強く光半導体101に戻ることになる。よって、本実施例の外部共振器型半導体レーザ装置はTMモードで発振し、第5の実施例で用いた波長板は不要となる。
本実施例では、第5の実施例に比べ小型軽量化を図ることができる。また、光半導体基板と非線形光学結晶基板の各面が直交するように実装すれば、TEモードで発振したレーザ光が光導波路117にTMモードで結合するようにもできる。また、ZカットLiNbOの代わりにXカットLiNbOを用いることで、TEモードで伝搬させたときに非線形光学定数が最大になるような構成としてもよい。
以下の実施例では、上で述べた外部共振器型レーザ装置を波長変換装置に応用した例を示す。
(実施例7)
以下、本発明の第7の実施例について図面を用いて説明する。図12は、本発明の第7の実施例における波長変換装置の模式的な構成図である。外部共振器型半導体レーザ装置は第3の実施例と同様であり、詳細な説明は省略する。同一構成部材には同一番号を付する。本実施例では、第3の実施例による外部共振器型半導体レーザ装置に和周波光を取り出すためのダイクロイックミラーを付加した例である。
図12中、701は波長808nmの光を透過し、波長531nmの光を反射するダイクロイックミラーである。動作原理は第1、第3の実施例と同様である。非線形光学結晶113を往復して無反射膜119より出射された波長531nmを有する和周波光を、ダイクロイックミラー701によって共振器の外に取り出すことが可能となる。
本実施例による波長変換装置を駆動したところ、DFB型半導体レーザ301から光導波路117にパワー25mWの第2の光を入力した場合、外部共振器型半導体レーザ装置のしきい値電流は54mAであり、光半導体101の注入電流300mAの場合に、反射膜121を通過したレーザ光パワーは80mW、発振波長は結晶温度25℃の場合で807.8nmであり、ダイクロイックミラー701によって取り出された和周波光のパワーは17mWであった。また、結晶温度を変化させたところそれに追随して発振波長、和周波光の波長もシフトしたが、ダイクロイックミラー701で取り出された和周波光のパワーはほぼ一定であり、±20℃の変化でも和周波光のパワー変動は1mW以下であった。また、DFB型半導体レーザ301の温度を変えて第2の光の発振波長を±0.5nmシフトさせたが、ダイクロイックミラー701で取り出された和周波光のパワー変動は0.5mW以下であった。よって、温度制御が不要な、あるいは非常にラフな温度制御で、出力の安定な波長変換装置を実現することが可能となった。
(実施例8)
次に、本発明の第8の実施例について図面を用いて説明する。図13は、本発明の第8の実施例における波長変換装置の模式的な構成図である。外部共振器型半導体レーザ装置は第3の実施例と同様であり、詳細な説明は省略する。同一構成部材には同一番号を付する。本実施例では、第3の実施例による外部共振器型半導体レーザ装置に第2の非線形光学結晶を付加した例である。
図13中、807は反射膜121から出射されたレーザ光をコリメートするコリメートレンズ、811は集光レンズである。813は素子長10mm、厚さ1mmのZカットLiNbOからなる第2の非線形光学結晶であり、第2の非線形光学結晶813中には周期分極反転領域815および光導波路817が設けられている。また、第2の非線形光学結晶813の両端面には波長808nm、1550nmおよび波長531nmの光のそれぞれに対して概略無反射となる無反射膜819、821が成膜されている。823は赤外光を吸収する波長フィルタである。
また、825はハーフミラー、827は全反射ミラー、809は波長1550nmの光を反射、波長808nmの光を透過するダイクロイックミラーである。DFB型半導体レーザ301から発生した第2の光のうち一部は、ハーフミラー825、全反射ミラー827、ダイクロイックミラー809を介して、反射膜121から出射された第1の光ともに第2の非線形光学結晶813に入射する。非線形光学結晶113と第2の非線形光学結晶813は反射膜を除いて同一プロセスが施されており、周期分極反転領域115、815の構造および光導波路117、817の構造はほとんど同一であり、温度依存や波長依存のパラメータもほぼ等しい。また、2つの結晶は比較的近い位置に配置されているので温度差も非常に小さい。よって、外部共振器型半導体レーザ装置の発振波長は結晶温度によらずに第2の非線形光学結晶813の擬似位相整合波長と等しくなる。その結果、結晶温度によらず和周波光の出力をほぼ一定にできる。
本実施例による波長変換装置を駆動したところ、DFB型半導体レーザ301から2つの光導波路117、817にそれぞれパワー15mWの第2の光を入力した場合、外部共振器型半導体レーザ装置のしきい値電流は62mAであり、注入電流300mAの場合に、反射膜121を通過したレーザ光パワーは70mW、発振波長は結晶温度25℃の場合で807.8nmであり、波長フィルタ823を通過した和周波光のパワーは7mWであった。また、結晶温度を変化させたところそれに追随して発振波長、和周波光波長もシフトしたが、和周波光のパワーはほぼ一定であり、±20℃の変化でも波長フィルタ823を通過した和周波光のパワー変動は0.5mW以下であった。よって、温度制御が不要な、あるいは非常にラフな温度制御で、出力の安定な波長変換装置を実現することが可能となった。
本実施例において、無反射膜819、821の代わりに、端面を斜め研磨することで実質的に無反射にする構成としてもよい。
(実施例9)
次に、本発明の第9の実施例について図面を用いて説明する。図14は、本発明の第9の実施例における波長変換装置の模式的な構成図である。外部共振器型半導体レーザ装置は第3の実施例と同様であり、詳細な説明は省略する。同一構成部材には同一番号を付する。本実施例では、第3の実施例による外部共振器型半導体レーザ装置の非線形光学結晶の一部に切り込み溝を設け、その溝に反射素子(第7の反射素子)を挿入して和周波光を取り出すことを可能にした例である。
図14中、913は素子長15mm、厚さ1mmのZカットLiNbOからなる非線形光学結晶であり、非線形光学結晶913中には周期分極反転領域915および光導波路917が設けられている。さらに、非線形光学結晶913の中央付近に切り込み溝901が形成されており、その溝901に、波長808nmの光に対して概略無反射、波長1550nmの光に対して50%、531nmの光に対して98%の反射率を有する平面ミラー(第7の反射素子)921が挿入されている。また、非線形光学結晶913の両端面には波長808nm、1550nm、531nmの光の各々に対して概略無反射となる無反射膜919、923が成膜されている。切り込み溝901に分断された周期分極反転領域および光導波路には、それぞれ915’、917’の番号が付されている。図14において、非線形光学結晶913を立体的に描いているが、これは切り込み溝901を分かり易くするためである。925は、赤外光を吸収する波長フィルタである。
上記構成において、光導波路917を第1、第2の光が図14中左から右に伝搬する間に第3の光である和周波光が発生する。第2の光の一部と第3の光のほとんどが平面ミラー921で反射され、光導波路917を右から左に伝搬する間に第4の光である差周波光への変換が生じる。この変換は擬似位相整合条件を満たす波長において強く、それから離れた波長の光ではほとんど変換されない。その結果、非線形光学結晶913の左側の端面から出射された第4の光は波長808nmをピークとする強度分布を有している。この出射光は、集光レンズ111、ダイクロイックミラー139、波長板109、コリメートレンズ107を介して光半導体101に戻るので、外部共振器型半導体レーザ装置を波長808nmで発振させることが可能となる。
平面ミラー921を通過した第1、第2の光は光導波路917’を伝搬し、和周波光が発生する。発生した和周波光は波長フィルタ925を通過して外部に取り出される。本実施例において、周期分極反転領域915、915’の構造および光導波路917、917’の構造はほとんど同一であり、温度依存や波長依存のパラメータもほぼ等しい。また、同一結晶上に形成されているので温度差もほとんどない。よって、外部共振器型半導体レーザの発振波長は結晶温度によらずに非線形光学結晶913の擬似位相整合波長と等しくなる。その結果、結晶温度によらず、波長フィルタ925を通過して取り出される和周波光の出力をほぼ一定にできる。
本実施例では、第8に実施例に比べ、構成部材が少なくてよく小型軽量化を図ることができる。さらに、同一の結晶を2つに分けて一方を非線形反射率形成のために用い、他方を波長変換に用いているので、2つの結晶を用いている場合と比べ、結晶温度による和周波光のパワー変動をより小さくすることができる。
(実施例10)
次に、本発明の第10の実施例について図面を用いて説明する。図15は、本発明の第10の実施例における波長変換装置の模式的な構成図である。外部共振器型半導体レーザ装置は第5の実施例と同様であり、詳細な説明は省略する。同一構成部材には同一番号を付する。本実施例では、第5の実施例による外部共振器型半導体レーザ装置に和周波光を取り出すためのダイクロイックミラーを付加した例である。
図15中、1015は波長808nmの光を透過し、波長531nmの光を反射するダイクロイックミラーである。また、第5の実施例におけるダイクロイックミラー515はここでは不要なので除去してある。
動作原理は第5の実施例と同様である。非線形光学結晶113を往復して反射膜519より出射された波長531nmを有する和周波光をダイクロイックミラー1015によって共振器の外に取り出すことが可能となる。
本実施例において、DFB型半導体レーザ501から光導波路117にパワー25mWの第2の光を入力した場合、外部共振器型半導体レーザ装置のしきい値電流は53mAであり、光半導体101の注入電流300mAの場合に、ダイクロイックミラー1015によって取り出された和周波光のパワーは16mWであった。また、和周波光パワーの結晶温度依存や第2の光波長依存特性は第7の実施例とほぼ同一の結果となった。本実施例では、光学系を直線状に配置できるという特長がある。
(実施例11)
次に、本発明の第11の実施例について図面を用いて説明する。図16は、本発明の第11の実施例における波長変換装置の模式的な構成図である。外部共振器型半導体レーザ装置は第5の実施例と同様であり、詳細な説明は省略する。同一構成部材には同一番号を付する。本実施例では、第5の実施例による外部共振器型半導体レーザ装置に第2の非線形光学結晶を付加した例である。
図16中、集光レンズ513は反射膜521から出射されたレーザ光をコリメートするコリメートレンズとして働く。1111は集光レンズである。1113は素子長10mm、厚さ1mmのZカットLiNbOからなる第2の非線形光学結晶であり、第2の非線形光学結晶1113中には周期分極反転領域1115および光導波路1117が設けられている。また、第2の非線形光学結晶1113の両端面には、波長808nm、1550nmおよび波長531nmの光のそれぞれに対して概略無反射となる無反射膜1119、1121が成膜されている。1123は赤外光を吸収する波長フィルタである。
また、1125はハーフミラー、1127、1129は全反射ミラー、515は波長1550nmの光を透過、波長808nmの光を反射するダイクロイックミラーである。DFB型半導体レーザ501から発生した波長1550nmの第2の光のうち一部は、ハーフミラー1125、全反射ミラー1129、ダイクロイックミラー515を介して、反射膜521から出射された第1の光とともに第2の非線形光学結晶1113に入射する。第2の光の残りは、ハーフミラー1125、全反射ミラー1127、ダイクロイックミラー515を介して、非線形光学結晶113に入射し非線形反射率を生成するのに用いられる。非線形光学結晶113と第2の非線形光学結晶1113は反射膜を除いて同一プロセスが施されており、周期分極反転領域115、1115の構造および光導波路117、1117の構造はほとんど同一であり、温度依存や波長依存のパラメータもほぼ等しい。また、2つの結晶は比較的近い位置に配置されているので温度差も非常に小さい。よって、外部共振器型半導体レーザの発振波長は、結晶温度によらずに第2の非線形光学結晶1113の擬似位相整合波長と等しくなる。その結果、結晶温度によらず、波長フィルタ1123を通過して取り出される和周波光の出力をほぼ一定にできる。
本実施例による波長変換装置を駆動したところ、DFB型半導体レーザ501から2つの光導波路117、1117にそれぞれパワー15mWの第2の光を入力した場合、外部共振器型半導体レーザ装置のしきい値電流は65mAであり、注入電流300mAの場合に、反射膜521を通過したレーザ光パワーは66mW、発振波長は結晶温度25℃の場合で807.8nmであり、波長フィルタ1123を通過した和周波光のパワーは6.6mWであった。また、結晶温度を変化させたところそれに追随して発振波長、和周波光波長もシフトしたが、波長フィルタ1123を通過して取り出される和周波光のパワーはほぼ一定であり、±20℃の変化でも和周波光のパワー変動は0.5mW以下であった。よって、温度制御が不要な、あるいは非常にラフな温度制御で、出力の安定な波長変換装置を実現することが可能となった。
(その他の実施例)
上記した複数の実施例では、第1の光、第2の光から和周波光を発生させる例を示したが、これに限ったものではなく、差周波光を発生させてもよい。さらに、上記実施例では、第2の光の波長を1550nm、第1の光(外部共振器型半導体レーザによる光)の波長を808nmとした例を中心に述べたが、これらの波長は逆であってもよい。また、第2の光、第1の光は上記の例に限らず、紫外域、可視域、赤外域など様々な波長域を選択することができる。
また、上記した複数の実施例では、非線形光学材料としてLiNbO(LN)を用いた例を示しているがその他の材料、例えば、KTiOPO(KTP)、LiTaO(LT)、KNbO(KN)などの強誘電体結晶や、その他の有機非線形結晶などを用いることができる。光導波路形成についても、プロトン交換によるものだけでなく、物理的あるいは化学的エッチングによるリッジ加工によるものなどであってもよい。
本発明の第1の実施例の外部共振器型レーザ装置の模式的な構成図である。 発振波長を説明する図である。 非線形反射率と第1の光の波長の関係を示す図である。 和周波光強度の第1の光の波長の関係を示す図である。 温度が変化した場合の発振波長シフトを説明する図である。 第2の光の波長が変化した場合の発振波長シフトを説明する図である。 本発明の第2の実施例の外部共振器型レーザ装置の模式的な構成図である。 本発明の第3の実施例の外部共振器型レーザ装置の模式的な構成図である。 本発明の第4の実施例の外部共振器型レーザ装置の模式的な構成図である。 本発明の第5の実施例の外部共振器型レーザ装置の模式的な構成図である。 本発明の第6の実施例の外部共振器型レーザ装置の模式的な構成図である。 本発明の第7の実施例の波長変換装置の模式的な構成図である。 本発明の第8の実施例の波長変換装置の模式的な構成図である。 本発明の第9の実施例の波長変換装置の模式的な構成図である。 本発明の第10の実施例の波長変換装置の模式的な構成図である。 本発明の第11の実施例の波長変換装置の模式的な構成図である。 従来の光波長変換装置の模式的な構成図である。
符号の説明
101 光半導体(発光素子)
103 第1の反射素子(反射膜)
113、813、913、1113 非線形光学結晶(第2の非線形光学結晶)
115、815、915、915’、1115 周期分極反転領域
117、817、917、917’、1117 光導波路
131、301、401、501 レーザ(半導体レーザ、DFB型半導体レーザ、固体レーザ)

Claims (15)

  1. 第1の反射素子、第1の波長を有する第1の光を発生する発光素子、第2の波長を有する第2の光を発生するレーザ、周期分極反転領域および光導波路を有する非線形光学結晶を有し、前記周期分極反転領域および前記光導波路は第1の光と第2の光とが擬似位相整合して第3の波長を有する第3の光を発生するように設計されており、前記光導波路中を一方向に第1の光と第2の光が伝搬して第3の光を発生するとともにそれとは逆の方向に第2の光と第3の光が伝搬して第1の波長を有する第4の光を発生し、かつ、第4の光が前記発光素子に帰還するように構成されていることを特徴とする外部共振器型レーザ装置。
  2. 第3の光は第1の光と第2の光の和周波あるいは差周波となるように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の外部共振器型レーザ装置。
  3. 前記発光素子は光半導体であり、光半導体の非線形光学結晶側の端面には、第2の反射素子として、第1の波長の光に対して概略無反射となる第2の反射膜が形成されており、反対側の端面には、前記第1の反射素子として、第1の波長の光に対して高反射率となる第1の反射膜が形成されており、第1の反射膜が外部共振器の一方のミラーを構成していることを特徴とする請求項2に記載の外部共振器型レーザ装置。
  4. 第1の光と第2の光を前記非線形光学結晶の同じ側から光導波路に入射するように構成されており、前記非線形光学結晶の光を入射する側の端面は第1、第2、第3の波長の光の各々に対して概略無反射となる第3の反射膜が形成されているか、あるいは実質無反射となるように斜め研磨されており、かつ、前記非線形光学結晶の光を入射するのと反対側に、第1の波長の光に対しては概略無反射、第2、第3の波長の光に対しては高反射となる反射率を有した第4の反射素子が設けられていることを特徴とする請求項2または3に記載の外部共振器型レーザ装置。
  5. 前記第4の反射素子は前記非線形光学結晶の端面に形成された第4の反射膜であることを特徴とする請求項4に記載の外部共振器レーザ装置。
  6. 第1の光と第2の光を前記非線形光学結晶の別々の端面から光導波路に入射するように構成されており、前記非線形光学結晶の第1の光を入射する側の端面は第1、第3の波長の光の各々に対して概略無反射、第2の波長の光に対して高反射となる第5の反射膜が形成されており、かつ、前記非線形光学結晶の第2の光を入射する側の端面は第1、第2の波長の光の各々に対して概略無反射、第3の波長の光に対して高反射となる第6の反射膜が形成されていることを特徴とする請求項2または3に記載の外部共振器型レーザ装置。
  7. 前記非線形光学結晶と前記レーザとの間の光路中に、第1の波長の光と第2の波長の光を分離するダイクロイックミラーが挿入されて第1の波長の光を取り出すことが可能な構成を有していることを特徴とする請求項6に記載の外部共振器型レーザ装置。
  8. 第1の光が前記非線形光学結晶に直接光結合するように前記発光素子と前記非線形光学結晶が近接配置されていることを特徴とする請求項6または7に記載の外部共振器型レーザ装置。
  9. 第2の光を発生するレーザは半導体レーザあるいは固体レーザであることを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載の外部共振器型レーザ装置。
  10. 請求項1乃至9のいずれかに記載の外部共振器型レーザ装置を波長変換用光源として用いたことを特徴とする波長変換装置。
  11. 前記非線形光学結晶に対して第1の光を入射する側の光路中に第3の波長の光を分離するダイクロイックミラーが挿入されて第3の波長の光を取り出すことが可能な構成を有していることを特徴とする請求項10に記載の波長変換装置。
  12. 前記非線形光学結晶とは異なる第2の非線形光学結晶を有し、前記外部共振器型レーザ装置から発生した第1の波長の光と、第2の波長を有する第5の光とを前記第2の非線形光学結晶に入射して第3の波長の光を発生させる構成を有していることを特徴とする請求項11に記載の波長変換装置。
  13. 前記非線形光学結晶および前記第2の非線形光学結晶は同材料で構成されており、それらの中に同形状の周期分極反転領域と光導波路が設けられていることを特徴とする請求項12に記載の波長変換装置。
  14. 第2の光と第5の光はともに前記レーザから発せられた光であることを特徴とする請求項12に記載の波長変換装置。
  15. 前記非線形光学結晶中の光導波路の一部に溝が設けられており、前記溝の中に、第1の波長の光の各々に対して概略無反射、第2の波長の光に対して一部を透過、第3の波長の光のほとんどを反射する第7の反射素子が挿入されており、前記非線形光学結晶の第1の光を入射する側とは反対側の端面から第3の波長の光を取り出すことが可能な構成を有していることを特徴とする請求項10に記載の波長変換装置。
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