JP2005325976A - 磁気軸受制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 アキシャル軸の固有振動数に機台差があった場合でも、アキシャル軸の共振を確実に抑えることができる磁気軸受制御装置の提供。
【解決手段】 PID制御部32から出力された電磁石電流信号は、ノッチフィルタA,Cに入力される。フィルタ切換部33は回転数センサ13からの回転数信号に基づいて、ノッチフィルタAおよびCのいずれかを使用するかを切り換える。例えば、フィルタ切換部33によりノッチフィルタAに切り換えられると、電磁石電流信号はノッチフィルタA,Bに順に入力され、ノッチフィルタA,Bを通過した電磁石電流信号が励磁アンプ34に入力される。ノッチフィルタAとノッチフィルタBおよびノッチフィルタCとノッチフィルタBは、それぞれ不通過帯域が一部重複している。
【選択図】 図3


Description

本発明は、ターボ分子ポンプ等に用いられる磁気軸受の磁気軸受制御装置に関する。
ターボ分子ポンプや圧縮機などでは、回転体を支持する軸受として電磁石による磁気軸受装置を用いたものが知られている。そのような磁気軸受装置においては、一般的にラジアル軸およびアキシャル軸から成る3軸以上の制御が行われ、変位センサの信号に基づいて電磁石をPIDフィードバック制御することにより回転体を非接触で磁気浮上させる。
ところで、ターボ分子ポンプや圧縮機などの回転装置では、回転体の固有振動に起因する共振が発生する。従来、このような共振への対策として、アキシャル軸およびラジアル軸のいずれの場合にも周波数固定式のノッチフィルタを用いる方法が一般的である。また、回転体の固有振動数が回転数に応じて変化するので、固有振動数の変化に応じてノッチフィルタの中心周波数を移動させる方式も知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開5−231428号公報
しかしながら、ターボ分子ポンプにおいてはロータ翼の振動に起因するアキシャル軸の固有振動数がポンプ毎に異なる場合が多い。そのように固有振動数の機台差があると、それに合わせてノッチフィルタでカットできる周波数の幅を大きくする必要がある。しかし、周波数幅を大きくするとノッチフィルタで低減できるゲインの量が小さくなるため、共振に対する設計マージンに余裕がなくなり、翼が発振するおそれがあった。さらに、翼段の多いロータの場合には固有振動数の範囲が広く、ノッチフィルタを用いた定数設計が困難な場合があった。
また、回転数に応じてノッチフィルタの中心周波数を移動させる場合、回転周波数がノッチフィルタの位相進み特性を有する周波数領域、すなわち中心周波数よりもやや周波数の高い領域となるように中心周波数を移動させる必要がある。そのため、機台差の範囲を厳密に見極める必要があり、実質的に機台差による固有振動数のズレによりロータ翼の共振が発生するおそれがあった。このようなロータ翼の共振が発生するとステータ翼と接触するおそれがあり、接触によってダストが発生したりするなど不具合が発生する可能性があった。
請求項1の発明は、アキシャル磁気軸受およびラジアル磁気軸受により非接触支持される回転体の回転数を検出する回転数センサと、回転体のアキシャル変位を検出する変位センサと、変位センサからの信号に基づいてアキシャル磁気軸受の制御信号を出力する制御部と、制御部から出力された制御信号から特定周波数域の信号を低減して残りの信号を通過するフィルタ部と、フィルタ部から出力された信号に基づいてアキシャル磁気軸受を駆動する駆動部とを備える磁気軸受制御装置であって、フィルタ部は、特定周波数域が異なる複数のノッチフィルタと、回転数センサで検出された回転数に応じて複数のノッチフィルタから一つを選択し、その選択されたノッチフィルタに制御信号を入力する選択手段とを備えることを特徴とする。
請求項2の発明は、アキシャル磁気軸受およびラジアル磁気軸受により非接触支持される回転体の回転数を検出する回転数センサと、回転体のアキシャル変位を検出する変位センサと、変位センサからの信号に基づいてアキシャル磁気軸受の制御信号を出力する制御部と、制御部から出力された制御信号から特定周波数域の信号を低減して残りの信号を通過するフィルタ部と、フィルタ部から出力された信号に基づいてアキシャル磁気軸受を駆動する駆動部とを備える磁気軸受制御装置であって、フィルタ部は、特定周波数域が異なる複数のノッチフィルタと、回転数センサで検出された回転数に応じて複数のノッチフィルタから2以上のノッチフィルタを選択し、その選択された複数のノッチフィルタを直列接続してノッチフィルタ群を形成する形成手段とを備え、形成手段により形成されたノッチフィルタ群に制御信号を入力することを特徴とする。
請求項3の発明は、請求項2に記載の磁気軸受装置において、形成手段は、回転数センサで検出される回転数の変化に伴って選択される複数のノッチフィルタを変更する場合には、変更前のノッチフィルタ群および変更後のノッチフィルタ群の各々に同一ノッチフィルタが少なくとも一つ含まれるように選択するものである。
請求項4の発明は、請求項2または3に記載の磁気軸受制御装置において、形成手段により選択される複数のノッチフィルタは、特定周波数域の中心周波数がそれぞれ異なり、かつ、中心周波数が互いに隣接した2つのノッチフィルタの特定周波数域が一部重複している。
本発明によれば、アキシャル軸方向の固有振動数に機台差があった場合でも、アキシャル軸の固有振動数に起因する共振を確実に抑えることができる。
以下、図を参照して本発明を実施するための最良の形態について説明する。図1は本発明による磁気軸受制御装置が適用される磁気軸受式ターボ分子ポンプの断面図である。ポンプ本体1に設けられたケーシング20の内部には、複数段のロータ翼21およびネジ溝部22が形成されたロータ4と、ロータ翼21に対して交互に配設されるステータ翼23と、上記ネジ溝部22と対向するように配設される筒状部材24とが設けられている。ロータ翼21およびステータ翼23は、タービン翼で構成されている。ロータ4を非接触支持する電磁石はラジアル磁気軸受を構成する電磁石51,52とアキシャル磁気軸受を構成する電磁石53とを有し、これらは後述するように5軸制御形磁気軸受を構成している。ロータ4の回転数は回転数センサ13により検出される。
これらのラジアル電磁石51,52とアキシャル電磁石53に対応して、ラジアル変位センサ71,72およびアキシャル変位センサ73が設けられている。ロータ4を電磁石51,52,53により非接触支持しつつモータ6により回転駆動すると、吸気口側のガスは矢印G1のように背圧側(空間S1)に排気され、背圧側に排気されたガスは排気口フランジ26に接続された補助ポンプ(不図示)によりG2のように排気される。27,28は非常用のメカニカルベアリングである。
図2は5軸制御型磁気軸受の概念図であり、ロータ4の回転軸Jがz軸に一致するように示した。図1に示したラジアル電磁石51は、x軸に関する一対の電磁石51xとy軸に関する一対の電磁石51yとを備えている。同様に、ラジアル電磁石52も、x軸に関する一対の電磁石52xとy軸に関する一対の電磁石52yとを備えている。また、アキシャル電磁石53は、ロータ4の下端に設けられたディスク41をz軸に沿って挟むように対向して配設される一対の電磁石53zを備えている。
図1の変位センサ71,72に関しても、電磁石51x,51y,52x,52yに対応してそれぞれ一対のラジアル変位センサで構成されている。これら5組の電磁石51x,51y,52x,52y,53および変位センサ71〜73により5軸制御型磁気軸受が構成されている。変位センサ7(71,73)はインダクタンス式のセンサであり、ギャップ変位の変化によるセンサ部インピーダンスの変化を利用してギャップ変位を電気信号に変換している。また、ロータ4のセンサ対向面は強磁性体または導体で構成されている。
図3はアキシャル方向の磁気軸受制御系の基本構成を示すブロック図である。アキシャル電磁石53は、アキシャル電磁石53用の磁気軸受制御装置30によって制御される。変位センサ73からのセンサ信号は磁気軸受制御装置30のセンサ回路部31に入力され、センサ回路部31で増幅された後にPID制御32に入力される。
PID制御32では、まず、ロータ4の浮上目標位置を指示する基準信号と入力されたセンサ信号との差分が演算される。PID制御32は、その差分信号に基づいてPID演算により電流制御量を算出し、アキシャル電磁石53の励磁電流をフィードバック制御するものである。
PID制御部32の後段には、アキシャル方向の共振を防止するために3つのノッチフィルタA,B,Cが設けられており、PID制御部32から出力された電磁石電流信号は、ノッチフィルタAおよびノッチフィルタCに入力される。ノッチフィルタA,Cは並列に設けられており、ノッチフィルタA,CとノッチフィルタBとは直列に接続されるような構成となっている。
ノッチフィルタA,B,Cの中心周波数f,f,fは、図4に示すようにf<f<fのように設定されている。各ノッチフィルタA,B,Cは、それぞれ周波数f,f,fを中心とする所定周波数範囲(不通過帯域)Δf,Δf,Δfの信号をカットするものである。例えば、PID制御部32から出力された電磁石電流制御信号をノッチフィルタAに通すと、電磁石電流制御信号から周波数範囲Δfの信号がカットされる。
ノッチフィルタA,CとノッチフィルタBとの間には、フィルタ切換部33が設けられている。フィルタ切換部33は回転数センサ13からの回転数信号に応じて切換スイッチが上下に切り換えられるものであり、それにより、並列接続されたノッチフィルタA,Cのいずれか一方が使用状態となる。
図3に示す例では切換スイッチはノッチフィルタAに接続されており、ノッチフィルタAとノッチフィルタBとを直列接続したものがこの場合のフィルタとして用いられる。逆に、フィルタ切換部33をノッチフィルタC側に切り換えると、ノッチフィルタCとノッチフィルタBとを直列接続したものがフィルタとして用いられる。ノッチフィルタBを通過した電磁石電流信号は励磁アンプ34に入力され、電磁石電流信号に基づいた励磁電流が励磁アンプ34からアキシャル電磁石53に印加される。
アキシャル軸の固有振動数としては、磁気軸受の固有振動数に加えて、ロータ4に設けられたタービン翼の固有振動数がある。アキシャル軸の固有振動数は、ラジアル軸の場合と異なりジャイロ効果による固有振動数の分離、すなわち前回りと後ろ回りとの分離が発生せず、図5に示す曲線Lのように回転数に応じて固有振動数が上昇するという特性を有している。特に、タービン翼の場合、その形状が片持ち梁構造であるため固有振動の変化の割合が大きい。図5において、ΔfはノッチフィルタAのゲイン低減効果が有効に作用する不通過帯域を示したものであり、ΔfはノッチフィルタBの不通過帯域を、ΔfはノッチフィルタCの不通過帯域をそれぞれ示したものである。
前述したように固有振動数は機台毎に異なり、複数のターボ分子ポンプについて考えると、例えば、図6の曲線L11〜L13のようになる。図6は機台差がある場合の固有振動数を示したものであって、曲線L11,L13は固有振動数ばらつきの両極端を表し、曲線L12は平均的な固有振動数を表している。そして、磁気軸受53を制御する磁気軸受制御装置30は、図6に示すような機台毎の固有振動数ばらつきに対応できるように構成する必要がある。
本実施の形態では、図3,4に示すような3つのノッチフィルタA,B,Cを予め用意しておき、ロータ回転数に応じてフィルタ切換部33を切り換えて、「ノッチフィルタA+ノッチフィルタB」という第1フィルタと、「ノッチフィルタC+ノッチフィルタB」という第2フィルタを使い分ける。
図7(a)は第1フィルタのゲイン特性を示す図であり、ハッチングで示したノッチフィルタAのゲイン特性とノッチフィルタBのゲイン特性とを合わせたものが、実線L1で示す第1フィルタのゲイン特性となる。ゲイン特性L1はノッチフィルタAの中心周波数fとノッチフィルタBの中心周波数fとの中間周波数域に鞍部があるが、この鞍部におけるゲイン低減量ΔGが設計マージンよりも大きくなるようにノッチフィルタA,Bを設定する。
すなわち、第1フィルタのゲイン低減効果が有効に作用する不通過帯域をΔf1とした場合、不通過帯域Δf1は図5に示したノッチフィルタA,Bの不通過帯域ΔfとΔfとを合わせたものになるが、不通過帯域Δfと不通過帯域Δfとの重複の度合いを調整してΔGが設計マージンよりも大きくなるようにする。
一方、図7(b)は第2フィルタのゲイン特性を示す図であり、実線L2で示す第2フィルタのゲイン特性は、ハッチングで示したノッチフィルタBのゲイン特性とノッチフィルタCのゲイン特性とを合わせたものである。第2フィルタのゲイン低減効果が有効に作用する不通過帯域Δf2は、図5に示したノッチフィルタB,Cの不通過帯域ΔfおよびΔfを合わせたものになる。
《ノッチフィルタA,Cの切り換え動作について》
次に、切換部33によるノッチフィルタA,Cの切り換え動作について図3,6を参照しながら説明する。図6において、特性L11を有するターボ分子ポンプをポンプ1A、同様に特性L12,L13の特性を有するものをポンプ1B,1Cとする。すなわち、ポンプ1A〜1Bのそれぞれを停止状態からロータ回転数を上昇させると、特性L11〜L13のように固有振動数がそれぞれ変化する。
そして、回転数r=0から回転数r=r1までは、図3に示すように切換部33をノッチフィルタA側に切り換えて、ノッチフィルタAとノッチフィルタBとを直列接続した第1フィルタを用いて軸受制御を行う。図6に示すように、回転数r1までは、ポンプ1A〜1Bのいずれの固有振動数も第1フィルタの不通過帯域Δf1に入っている。
回転数rがさらに上昇してr>r1となると、ポンプ1Cの固有振動数(特性L13)は不通過帯域Δf1から図示上方に外れてしまう。そこで、回転数rがr=r1となったならばフィルタ切換部33をノッチフィルタC側に切り換えて、ノッチフィルタCとノッチフィルタBとを直列接続した第2フィルタにより軸受制御を行う。r1<r≦r2においては、各ポンプ1A〜1Cの固有振動数(特性L11〜L13)は第2フィルタの不通過帯域Δf2内に入っている。なお、r2は定常状態の回転数である。
逆に、ポンプを停止状態とするために定常状態(r=r2)からロータ回転数rを減少させる場合には、回転数rがr=r1となるまでは第2フィルタで制御を行い、r=r1となったならばフィルタ切換部33をノッチフィルタC側からノッチフィルタA側へと切り換えて、第1フィルタにより制御を行う。
このように、本実施の形態では、互いの不通過帯域の一部が重複する二つのノッチフィルタを直列結合したものを第1および第2フィルタとして用いているため、個別のノッチフィルタよりも不通過帯域Δf1,Δf2を広くすることができる。そのため、図6のように固有振動数に機台差があっても、それらが第1および第2フィルタの不通過帯域Δf1,Δf2に含まれるようにすることができ、ロータ翼の共振を防止することができる。
また、固有振動数が回転数に応じて変化した場合でも、回転数r1でフィルタ切換部33により第1フィルタと第2フィルタとを切り換えることにより、停止状態(r=0)から定常状態(r=r2)の範囲においてアキシャル軸の共振を防止することができる。この場合、r=r1で切り換えを行うだけなので、従来のように回転数に応じて中心周波数を移動させる場合のように、機台差の範囲を厳密に見極めて中心周波数を移動させなければならないという困難性がない。
図3に示したノッチフィルタA〜Cおよびフィルタ切換部33はアナログ回路で構成しても良いし、デジタル処理を用いても良い。DSP等を用いてデジタル処理する場合には、ノッチフィルタA〜Cはソフト的に構成され、第1フィルタを適用する場合にはノッチフィルタA,Bの二つの処理を行い、第2フィルタに切り換えられた場合にはノッチフィルタC,Bの二つの処理が行われる。
また、回転数による固有振動数の変化が大きい場合には、さらにノッチフィルタの数を増やして切り換えるようにしても良い。例えば、図8に示すように4つのノッチフィルタA〜Dとフィルタ切換部33A,33Bとを設け、回転数に応じてフィルタ切換部33A,33Bを切り換えることにより、順に「A+B」、「B+C」、「C+D」のように組み合わせを3段階に切り換えるようにしても良い。なお、各ノッチフィルタA〜Dの中心周波数f,f,f,fは、f<f<f<fのように設定されている。このようなフィルタ処理をデジタルで行う場合には、常に2つのノッチフィルタについて演算を行えば良いので、ノッチフィルタの数が増えても演算負荷は変化しないという利点がある。
なお、上述した実施の形態では、第1フィルタから第2フィルタに切り換える際に、第1フィルタの高周波数側ノッチフィルタと第2フィルタの低周波数側ノッチフィルタとが共通のノッチフィルタBとなるように切り換えたが、ポンプ間の機台差が小さい場合には共通としなくてもよい。例えば、さらに高周波数側にノッチフィルタDを用意し、第1フィルタを「A+B」、第2フィルタを「C+D」としても良い。この場合、切り換え時に固有振動数がノッチフィルタB,Cの不通過帯域重複部に入るようにノッチフィルタC,Bを設定する。また、ポンプ間の機台差が一つのノッチフィルタでカバーできる程度に小さい場合には、図3のノッチフィルタBを省略してノッチフィルタA,Cをそれぞれ第1および第2フィルタとしても良い。
逆に、ポンプ同士の機台差が大きい場合には、4つのノッチフィルタA〜Dを用いて図9に示すように3つのノッチフィルタを組み合わせたものを第1フィルタ、第2フィルタとしても良い。図9(a)に示す第1フィルタはノッチフィルタA,B,Cを直列接続したものであり、不通過帯域Δf11は図7に示した不通過帯域Δf1よりも広くなっている。次いで、図9(a)のノッチフィルタAに代えて高周波数側にノッチフィルタDを接続して、図9(b)に示すような第2フィルタとする。ノッチフィルタDの中心周波数はfであり、不通過帯域Δf12は図7(b)のΔf2に比べて高周波側に拡がっている。
図9に示す例ではノッチフィルタ1つ分を切り換えて第1フィルタ第2フィルタとしたが、図10のようにノッチフィルタ2つ分を切り換えるようにしても良い。この場合には、5つのノッチフィルタA〜Eを5つ用意すれば良い。第2フィルタではノッチフィルタCを残し、ノッチフィルタA,Bに代えて高周波数側にノッチフィルタD,Eを接続する。
なお、図3に示した例は、PID制御部32と励磁アンプ34との間に従来設けられていたフィルタ部(ノッチフィルタ)を、複数のノッチフィルタA,B,Cおよびフィルタ切換部33で置き換えたものである。さらに、フィルタ部が図11のような構成であった場合にも本発明は適用でき、ノッチフィルタ100に代えて図3に示す複数のノッチフィルタA,B,Cおよびフィルタ切換部33を用いても良いし、図8の構成を用いても良い。
上述した実施の形態ではターボ分子ポンプを例に説明したが、本発明はターボ分子ポンプに限らず回転体のアキシャル軸の固有振動が図5に示すような特性を有する磁気軸受装置ならば適用することができる。また、本発明の特徴を損なわない限り、本発明は上記実施の形態に何ら限定されるものではない。
以上説明した実施の形態と特許請求の範囲の要素との対応において、PID制御部32は制御部を、フィルタ切換部33,33A,33Bは選択手段および形成手段をそれぞれ構成する。
本発明による磁気軸受制御装置が適用される磁気軸受式ターボ分子ポンプの断面図である。 5軸制御型磁気軸受の概念図である。 アキシャル方向の磁気軸受制御系の基本構成を示すブロック図である。 ノッチフィルタA〜Cの特性を示す図である。 アキシャル軸の固有振動数の変化を示す図である。 ノッチフィルタ切り換え動作を説明する図である。 (a)は第1フィルタの特性を示す図であり、(b)は第2フィルタの特性を示す図である。 フィルタ部の変形例を示すブロック図である。 フィルタ切り換えの第1変形例を示す図である。 フィルタ切り換えの第2変形例を示す図である。 フィルタ部構成の変形例を示す図である。
符号の説明
1 ポンプ本体1
4 ロータ
13 回転数センサ
30 磁気軸受制御装置
31 センサ回路部
32 PID制御部
33,33A,33B フィルタ切換部
34 励磁アンプ
51〜53,51x,51y,52x,52y,53z 電磁石
71〜73 変位センサ
100,A〜E ノッチフィルタ

Claims (4)

  1. アキシャル磁気軸受およびラジアル磁気軸受により非接触支持される回転体の回転数を検出する回転数センサと、
    前記回転体のアキシャル変位を検出する変位センサと、
    前記変位センサからの信号に基づいて前記アキシャル磁気軸受の制御信号を出力する制御部と、
    前記制御部から出力された前記制御信号から特定周波数域の信号を低減して残りの信号を通過するフィルタ部と、
    前記フィルタ部から出力された信号に基づいて前記アキシャル磁気軸受を駆動する駆動部とを備える磁気軸受制御装置であって、
    前記フィルタ部は、前記特定周波数域が異なる複数のノッチフィルタと、前記回転数センサで検出された回転数に応じて前記複数のノッチフィルタから一つを選択し、その選択されたノッチフィルタに前記制御信号を入力する選択手段とを備えることを特徴とする磁気軸受制御装置。
  2. アキシャル磁気軸受およびラジアル磁気軸受により非接触支持される回転体の回転数を検出する回転数センサと、
    前記回転体のアキシャル変位を検出する変位センサと、
    前記変位センサからの信号に基づいて前記アキシャル磁気軸受の制御信号を出力する制御部と、
    前記制御部から出力された前記制御信号から特定周波数域の信号を低減して残りの信号を通過するフィルタ部と、
    前記フィルタ部から出力された信号に基づいて前記アキシャル磁気軸受を駆動する駆動部とを備える磁気軸受制御装置であって、
    前記フィルタ部は、前記特定周波数域が異なる複数のノッチフィルタと、前記回転数センサで検出された回転数に応じて前記複数のノッチフィルタから2以上のノッチフィルタを選択し、その選択された複数のノッチフィルタを直列接続してノッチフィルタ群を形成する形成手段とを備え、前記形成手段により形成されたノッチフィルタ群に前記制御信号を入力することを特徴とする磁気軸受制御装置。
  3. 請求項2に記載の磁気軸受制御装置において、
    前記形成手段は、前記回転数センサで検出される回転数の変化に伴って選択される複数のノッチフィルタを変更する場合には、変更前のノッチフィルタ群および変更後のノッチフィルタ群の各々に同一ノッチフィルタが少なくとも一つ含まれるように選択することを特徴とする磁気軸受制御装置。
  4. 請求項2または3に記載の磁気軸受制御装置において、
    前記形成手段により選択される前記複数のノッチフィルタは、前記特定周波数域の中心周波数がそれぞれ異なり、かつ、前記中心周波数が互いに隣接した2つのノッチフィルタの前記特定周波数域が一部重複していることを特徴とする磁気軸受制御装置。
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