JP2004270778A - 磁気軸受装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】磁気軸受式ターボ分子ポンプでは、ロータ回転開始から定常回転に達するまでに危険速度(回転数n2)を通過させなければならない。ロータ回転開始から回転数n3までは、回転数n1が危険速度である制御ゲインG1で磁気軸受を制御し、回転数がn4を越えたならば本来の制御ゲインG2で制御する。そして、ゲイン切換区間であるn3≦n≦n4の回転数範囲では、回転数の上昇に伴って制御ゲインGをG1からG2へと連続的に変化させる。その結果、ゲイン切換時のロータの過大振幅を防止することができる。
【選択図】 図5
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ターボ分子ポンプ等に用いられる磁気軸受装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
ターボ分子ポンプや工作機械等の高速回転が要求される装置においては、磁気軸受が採用されることが多い。例えば、ターボ分子ポンプの場合には、ロータ位置を変位センサで検出してそのセンサ信号を制御回路に取り込み、センサ信号に基づいて電磁石電流を制御するようにしている。磁気軸受装置では、一般的にフィードバック制御系としてPID制御を用いて、定常外乱に対する定常偏差を減衰させている。
【0003】
このようなロータを支持する磁気軸受装置では、2つの固有振動モードを有している。一つはシリンドリカルモードと呼ばれ、ロータの軸が軸受中心軸の回りに円筒状の軌跡を描くものである。二つ目はコニカルモードと呼ばれ、ロータの軸が軸受中心軸の回りに円錐状の軌跡を描くものである。
【0004】
上記固有振動モードが存在することから、ロータ回転数を増加または減少させた際に、回転周波数が固有振動の周波数と一致したときに共振が発生して、ロータの過大振幅が発生するおそれがある。その結果、ロータがステータ側に設けられた保護ベアリングと接触して、磁気軸受自体に振動が発生する。それによって保護ベアリングからダストが発生したり、保護ベアリングの損傷や焼き付きといった問題が発生する。
【0005】
ところで、固有振動モードの周波数はフィードバックのゲインに応じて変化することが知られている(例えば、特許文献1参照。)。例えば、ロータ回転速度が低速のときには、フィードバックゲインを本来の値よりも高くすることにより共振が生じる危険速度を高めに設定する。そのため、ロータは、本来のフィードバックゲインにおける危険速度に対応する回転速度を、共振を発生させることなく通過することができる。そして、ロータ回転速度が上記危険速度を通過したならば、フィードバックゲイン切り換えて本来のゲイン値に下げる。
【0006】
【特許文献1】
特開平7−224839号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、フィードバックゲインを急激に変化させると、ゲイン切り換えの際に発生する過渡応答によりロータに過大な振幅が生じ、最悪の場合にはロータが保護ベアリングにタッチダウンしてしまうおそれがあった。
【0008】
本発明は、フィードバックゲインを連続的に変化させてフィードバックゲイン切換を行うことにより、フィードバックゲイン切換時のロータの過大振幅を防止することができる磁気軸受装置を提供するものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、磁気浮上制御ゲインが異なる複数の運転状態を有する磁気軸受装置において、第1磁気浮上制御ゲインによる第1の運転状態から第2磁気浮上制御ゲインによる第2の運転状態へと切り換える際に、磁気浮上制御ゲインが第1磁気浮上制御ゲインから第2磁気浮上制御ゲインへと連続的に変化する第3の運転状態で磁気軸受装置を制御する制御手段を備えたことを特徴とする。
また、磁気軸受装置が、回転体を電磁石で非接触支持するとともに、回転体の回転数に応じて第1の運転状態から第2の運転状態へと切り換えるものであっても良い。その場合、第3の運転状態においては、回転体の回転数の変化に対応させて磁気浮上制御ゲインを第1磁気浮上制御ゲインから第2磁気浮上制御ゲインへと連続的に変化させる。
さらに、予め設定された所定切換時間内に前記第1の運転状態から前記第2の運転状態へと切り換えるようにしても良い。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、図を参照して本発明の実施の形態を説明する。図1は本発明による磁気軸受装置の一実施の形態を示す図であり、磁気軸受式ターボ分子ポンプを示す。図1は磁気軸受式ターボ分子ポンプのポンプ本体1の断面図である。ポンプ本体1に設けられたケーシング20の内部には、複数段のロータ翼21およびネジ溝部22が形成されたロータ4と、ロータ翼21に対して交互に配設されるステータ翼23と、上記ネジ溝部22と対向するように配設される筒状部材24とが設けられている。
【0011】
ロータ4を非接触支持する電磁石5はラジアル磁気軸受を構成する電磁石51,52とアキシャル磁気軸受を構成する電磁石53とを有し、これらは5軸制御型磁気軸受を構成している。これらのラジアル電磁石51,52とアキシャル電磁石53に対応して、ラジアル変位センサ71,72およびアキシャル変位センサ73が設けられている。
【0012】
ポンプ本体1は不図示のコントローラにより駆動され、コントローラとポンプ本体とを接続するケーブル(不図示)は、レセプタクル25に接続される。ロータ4を電磁石51,52,53により非接触支持しつつモータ6により回転駆動すると、吸気口フランジ20側のガスは矢印G1のように背圧側(空間S1)に排気され、背圧側に排気されたガスは排気口フランジ26に接続された補助ポンプによりポンプ外に排出される。
【0013】
27,28は非常用のメカニカルベアリングであり、ロータ4が磁気浮上していないときには、ロータ4はこれらのベアリング27,28により支持される。ベアリング27はロータ4のラジアル方向の2軸(x軸およびy軸)の運動を非常時に拘束し、ベアリング28はラジアル方向の2軸(x軸およびy軸)とスラスト方向の1軸(z軸)を拘束する。なお、ベアリング27,28は、磁気浮上中のロータ4が大きく偏心した際に、ロータ4とステータ側の電磁石等とが接触するのを防止する保護ベアリングとしても機能している。
【0014】
図2は5軸制御型磁気軸受の概念図であり、ロータ4の回転軸Jがz軸に一致するように示した。図1に示したラジアル電磁石51は、x軸に関する一対の電磁石51xとy軸に関する一対の電磁石51yとを備えている。同様に、ラジアル電磁石52も、x軸に関する一対の電磁石52xとy軸に関する一対の電磁石52yとを備えている。また、アキシャル電磁石53は、ロータ4の下端に設けられたディスク41をz軸に沿って挟むように対向して配設される一対の電磁石53zを備えている。
【0015】
図1の変位センサ71,72に関しても、電磁石51x,51y,52x,52yに対応してそれぞれ一対のラジアル変位センサで構成されている。これら5組の電磁石51x,51y,52x,52y,53および変位センサ71〜73により5軸制御型磁気軸受が構成されている。
【0016】
図3は磁気軸受装置の磁気浮上制御系の基本構成を示すブロック図であり、磁気軸受部分に関してはラジアル方向の一軸にのみ示した。電磁石5としては一対のラジアル電磁石51xを示し、変位センサ7としては電磁石51xに対応したラジアル変位センサ71xを示す。変位センサ7はインダクタンス式のセンサであり、ギャップ変位の変化によるセンサ部インピーダンスの変化を利用して、ギャップ変位を電気信号に変換している。ロータ4のセンサ対向面は強磁性体または導体で構成される。
【0017】
ポンプ本体1を駆動するコントローラには、センサ回路2、制御回路3、励磁アンプ8が設けられている。制御回路3は、A/Dコンバータ301、D/Aコンバータ302、演算部であるDSP(デジタルシグナルプロセッサ)307、およびROM304やRAM305等を有する記憶部306を備えている。
【0018】
変位センサ7にはセンサ回路2により数十kHzの搬送波が印加され、ギャップ変位により生じるセンサ部インピーダンス変化に応じて搬送波を振幅変調する。この振幅被変調波(AM波)は、センサ信号としてセンサ回路2を介して制御回路3に入力される。ラジアル変位センサ71xの場合には、センサ回路2において各変位センサ71xからのセンサ信号の差分が演算され、その差分成分がセンサ信号として制御回路3に入力される。ロータ4の回転速度(回転数)は回転数センサ10により検出され、その検出信号は制御回路3に入力される。
【0019】
制御回路3に入力されたアナログセンサ信号は、A/Dコンバータ301によりデジタル値に変換され、DSP307に入力される。磁気軸受装置では、変位センサ7のセンサ信号を制御系にフィードバックして電磁石5の励磁電流を制御しており、ロータ4や電磁石5等で構成される磁気浮上系に応じた制御ゲインが記憶部306に予めインプットされている。
【0020】
図4は、本実施の形態におけるDSP307の機能を示すブロック図である。A/Dコンバータ301によりデジタル変換されたセンサ信号は、DSP307の制御演算部310に入力される。制御演算部310では、変位センサ7からのセンサ信号と予め設定された制御ゲインとに基づいて電磁石5に流すべき励磁電流を算出する。例えば、ロータ4の浮上位置が適正位置よりも左側にずれている場合には、右側の電磁石51xの励磁電流を大きくして適正位置となるように制御する。このときの電流制御量はPID演算により算出される。
【0021】
制御演算部310の制御演算出力は制御出力ゲイン切換部311に入力される。制御出力ゲイン切換部311では、回転数センサ10で検出されたロータ4の回転数に基づいて、制御演算部310から入力された制御演算出力を補正することによりゲイン切換を行う。ゲイン切換の詳細については後述する。制御出力ゲイン切換部311からは、制御演算出力にゲイン補正係数を乗じた制御信号が出力される。その制御信号は、D/Aコンバータ302によりアナログ値に変換された後に励磁アンプ8に入力される。
【0022】
図5,6はターボ分子ポンプにおけるゲイン切換の一例を示す図である。図5はロータ4の回転数と制御ゲインとの関係を示す図であり、縦軸はゲイン、横軸はロータ回転数である。また、図6はゲイン切換手順を示すフローチャートであり、制御出力ゲイン切換部311の動作を示したものである。
【0023】
図5の曲線Lは制御ゲインの変化を表しており、ロータ4の回転数nが<n3の時には制御ゲインはG1に設定される。また、回転数nがn>n4の場合には、制御ゲインはG2(<G1)に設定される。そして、n3≦n≦n4の範囲がゲイン切換区間であり、回転数nがn3からn4へと変化する間に、制御ゲインはG1から減少してG2へと変化する。このゲイン切換区間n3≦n≦n4を挟んでゲインG1とゲインG2との間の切り換えが行われる。なお、回転開始時の制御ゲインG1は、予め記憶部306に記憶されている制御ゲインである。
【0024】
制御ゲインG2は高速回転時に適した制御ゲインであり、制御ゲインG2に設定したときの危険速度に対応する回転数はn2である。一方、制御ゲインG1はG2よりも大きく、そのときの危険速度に対応する回転数はn2よりも大きなn1となる。ロータ4を定常回転まで加速する際には、回転数n2に対応する危険速度を通過させる必要がある。
【0025】
従来は、図7の示すように、高速回転時の制御ゲインG2よりも大きな制御ゲインG1で加速を開始する。このときの危険速度に対応する回転数は上述したようにn1である。そして、ロータ回転速度が回転数n2を通過したならば、すなわち、制御ゲインG2の場合の危険速度を通過したならば、回転数n5において制御ゲインをG1からG2へと階段状に急激に切り換える。ゲイン切換により危険速度に対応する回転数はn2となるので、ロータは危険速度を通過したことになる。このようなゲイン切換を行うことにより、危険速度(共振点)を速やかに通過できることは前述したとおりである。
【0026】
図5に戻って、制御ゲインをG1からG2へと切り換えて共振点通過を速やかに行わせる点は図7の場合と同様であるが、本実施の形態では、ゲイン切換区間(n3≦n≦n4)を設けてその区間で制御ゲインをG2からG1へと連続的に切り換えるようにした。ところで、ゲインG1およびゲインG2の状態はともに安定な状態であるが、ゲイン切換区間であるゲインG1の状態とゲインG2の状態との間の状態は必ずしも安定な状態とはいえない。そのため、ゲインG1からゲインG2への切換を時間をかけてゆっくり行うと、磁気軸受の状態が不安定になるおそれがある。
【0027】
しかし、本実施の形態では、上述したようにゲイン切換区間を設け、その区切られた短い時間の間に連続的にゲインを変化させることにより、不安定になるのを防止することができる。このとき、連続的にゲインを変化させるゲイン切換区間の幅、すなわちゲイン切換に要する時間はある程度短いほうが好ましく、例えば1秒以下に設定される。もちろん、この切換時間は、従来のように階段状に変化させる場合と比較すれば十分に長い時間であり、階段状に変化させたときに生じる過渡現象が発生することはない。
【0028】
ゲイン切換区間の幅としては、例えば、ターボ分子ポンプであれば、ロータ回転周波数(Hz)で表すと数Hz程度である。もちろん、この周波数幅はロータ回転の加速速度および減速速度に依存しており、同じ切換時間であっても加減速速度が速いほうが周波数幅も大きくなる。
【0029】
次に、図6のフローチャートを用いて切換手順を説明する。図6のフローチャートは、制御回路3(図3参照)の電源がオンされるとスタートする。ステップS101では制御回路3の電源がオフされたか否かを判定し、オフと判定されるとゲイン切換の処理を終了し、オンと判定されるとステップS102へ進む。
【0030】
ステップS102では、ロータ回転数nが「n<n3」、「n3≦n≦n4」および「n>n4」のいずれであるかを判定する。なお、n3,n4は図5で示したように、ゲイン切換区間の上限および下限の回転数を表す。ステップS102で「n<n3」と判定されるとステップS103へ進み、「n3≦n≦n4」と判定されるとステップS104へ進み、「n>n4」と判定されるとステップS105へ進む。
【0031】
ステップS103〜S105の各処理では、ロータ回転数nに応じたゲイン補正係数αを演算する。ロータ回転数nが「n<n3」の場合には、ステップS103で補正係数αをα=1とし、ステップS106に進んで制御ゲインGをG=G1・αで算出する。すなわち、図5に示すように、「n<n3」の範囲では制御ゲインはG1とされる。
【0032】
一方、ロータ回転数nが「n>n4」の場合には、ステップS105で補正係数αをα=G2/G1とし、ステップS106ではその補正係数αを用いて制御ゲインGを算出する。この場合、制御ゲインGはG=G2となる。すなわち、「n>n4」の範囲では、図5に示すように制御ゲインはG2とされる。
【0033】
ロータ回転数nがゲイン切換区間「n3≦n≦n4」にある場合には、ステップS104に進み、ロータ回転数nをnの関数α(n)に代入して補正係数αを算出する。関数α(n)は「1≧α(n)>G2/G1」を満たしており、図5に示すようにゲイン切換区間「n3≦n≦n4」において連続的に緩やかに変化するものである。また、回転数nの上下限では、α(n3)=1、α(n4)=G2/G1を満たしている。
【0034】
制御演算部310では制御ゲインがG1であるとして制御演算出力を算出しているので、ステップS107においては、制御演算部310で算出された制御演算出力を、ステップS106で算出された制御ゲインGに対応するように補正する。図4では、この補正された制御演算出力が制御出力ゲイン切換部311からD/Aコンバータ302に出力される。ステップS107の処理が終了したならばステップS101へと戻り、制御回路3の電源がオフされるまでステップS101からステップS107の処理を繰り返し行う。
【0035】
ゲイン切換区間におけるα(n)としては、ゲイン切換時の不安定現象を抑制できるものであれば、図5に示すようなゲイン変化に限らず、様々なものが可能である。例えば、図8に示すように、G1・α(n)を一定の傾きβ=−(G2−G1)/(n4−n3)を有する直線としても良い。
【0036】
上述したように、本実施の形態では、ゲイン切換区間(n3≦n≦n4)を設けてその区間で制御ゲインをG2からG1へと連続的に切り換えるようにしたので、制御ゲインの急激な変化に伴う過渡応答を回避することができる。さらに、切換区間を短くすることにより、ゲイン切換区間における不安定化を防止することができる。その結果、ゲイン切換時の過大振幅の発生に起因するポンプ損傷等を防止することができる。さらに、回転数変化の履歴に左右されない方式であるため、切換回転数付近で加速、減速など、回転数を変化させても適正ゲインでの制御を行うことができる。
【0037】
上述した実施の形態では、ターボ分子ポンプの磁気軸受装置における危険速度通過の際のゲイン切換を例に説明したが、例えば、図9(a),(b)に示すようにゲインを所定回転数範囲内だけで大きくする場合にも適用することができる。図9(a)に示す例は、所定範囲内では上に凸な形状の補正関数α’(n)で連続的にゲインを変える。一方、図9(b)に示す例では、ゲインを増加させる切り換え区間A1では補正関数α1(n)を用い、ゲインを減少させる切り換え区間A2では補正関数α2(n)を用いる。さらには、回転体の磁気軸受装置に限らず、種々の磁気軸受装置において、制御ゲインを増加または減少させる場合に適用することができる。
【0038】
以上説明した実施の形態と特許請求の範囲の要素との対応において、制御ゲインG1は第1磁気浮上制御ゲインを、制御ゲインG2は第2磁気浮上制御ゲインをそれぞれ構成する。また、本発明の特徴を損なわない限り、本発明は上記実施の形態に何ら限定されるものではない。
【0039】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、第1磁気浮上制御ゲインによる第1の運転状態から第2磁気浮上制御ゲインによる第2の運転状態へと切り換える際に、磁気浮上制御ゲインが第1磁気浮上制御ゲインから第2磁気浮上制御ゲインへと連続的に変化させるようにしたので、磁気浮上制御ゲイン切換により生じる過渡応答を回避することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による磁気軸受装置の一実施の形態を示す図であり、磁気軸受式ターボ分子ポンプの断面図である。
【図2】5軸制御型磁気軸受の概念図である。
【図3】磁気浮上制御系の基本構成を示すブロック図である。
【図4】DSP307の機能を示すブロック図である。
【図5】ロータ4の回転数と制御ゲインとの関係を示す図である。
【図6】ゲイン切換手順を示すフローチャートである。
【図7】従来のゲイン切換を示す図である。
【図8】ゲインGを直線的に減少させる場合のGを示す図である。
【図9】補正関数α(n)の他の例を示す図であり、(a)は第1の例を、(b)は第2の例をそれぞれ示す。
【符号の説明】
1 ポンプ本体
2 センサ回路
3 制御回路
4 ロータ
5,51〜53,51x,51y,52x,52y 電磁石
6 モータ
8 励磁アンプ
10 回転数センサ
27,28 メカニカルベアリング
71,72 ラジアル変位センサ
73 アキシャル変位センサ
301 A/Dコンバータ
302 D/Aコンバータ
307 DSP
306 記憶部
310 制御演算部
311 制御出力ゲイン切換部
G1,G2 制御ゲイン
Claims (3)
- 磁気浮上制御ゲインが異なる複数の運転状態を有する磁気軸受装置において、
第1磁気浮上制御ゲインによる第1の運転状態から第2磁気浮上制御ゲインによる第2の運転状態へと切り換える際に、前記磁気浮上制御ゲインが前記第1磁気浮上制御ゲインから前記第2磁気浮上制御ゲインへと連続的に変化する第3の運転状態で前記磁気軸受装置を制御する制御手段を備えたことを特徴とする磁気軸受装置。 - 請求項1に記載の磁気軸受装置において、
前記磁気軸受装置は、回転体を電磁石で非接触支持するとともに、前記回転体の回転数に応じて前記第1の運転状態から前記第2の運転状態へと切り換えるものであって、
前記第3の運転状態においては、前記回転体の回転数の変化に対応させて前記磁気浮上制御ゲインを前記第1磁気浮上制御ゲインから前記第2磁気浮上制御ゲインへと連続的に変化させることを特徴とする磁気軸受装置。 - 請求項1または2に記載の磁気軸受装置において、
前記制御手段は、予め設定された所定切換時間内に前記第1の運転状態から前記第2の運転状態へと切り換えることを特徴とする磁気軸受装置。
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