JP2005324127A - 微粉砕機 - Google Patents
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Abstract
【課題】複雑化、大型化、コストの増加等を来すことなく、粉砕時の空気や粉砕対象物の冷却を行うことにある。
【解決手段】ステータハウジング1の胴部10の内面に嵌合したライナー2とロータ3の外周部に設けた粉砕板4との間の空気及び粉砕対象物を冷却すべく、ライナー2と粉砕板4との間に液体を供給するように構成している。また、ロータ2によって回転駆動される分級板34に、空気流出口13aに重なるように延在する複数の分級バー34bを設け、分級バー34bに、空気を空気流出口13aに送り出す羽根部34cを設けた構成になっている。
【選択図】図1
【解決手段】ステータハウジング1の胴部10の内面に嵌合したライナー2とロータ3の外周部に設けた粉砕板4との間の空気及び粉砕対象物を冷却すべく、ライナー2と粉砕板4との間に液体を供給するように構成している。また、ロータ2によって回転駆動される分級板34に、空気流出口13aに重なるように延在する複数の分級バー34bを設け、分級バー34bに、空気を空気流出口13aに送り出す羽根部34cを設けた構成になっている。
【選択図】図1
Description
本発明は、食品、木材、樹脂等の固形物を、高速で旋回移動する粉砕板によって微粉状に粉砕する微粉砕機に関するものである。
この種の微粉砕機としては、円筒状の胴部を有するステータハウジングと、このステータハウジングの胴部の内面に嵌合された円筒状のライナーと、このライナー内に同軸状に設けられたロータと、このロータの外周部における軸方向及び周方向に複数設けられた粉砕板とを備えたものが知られている(例えば、特許文献1、2、3参照)。
上記ライナーは、その内面に、軸方向に延在する固定刃が周方向に間隔をおいて複数突設されたものとなっている。
上記粉砕板は、その板面がロータによる回転方向に向けられていると共に、その半径方向外側の先端がライナーの固定刃に2〜3mm程度まで接近したものとなっている。
上記粉砕板は、その板面がロータによる回転方向に向けられていると共に、その半径方向外側の先端がライナーの固定刃に2〜3mm程度まで接近したものとなっている。
このように構成された微粉砕機においては、ロータの回転に伴って複数の粉砕板をライナーの内周面に沿って高速で旋回移動させることで、粉砕板の先端部や、側縁部や、旋回方向の後方等に高速の空気による渦流や高圧高周波の空気振動等を生じさせることができる。
このため、ステータハウジング内をその軸方向の一端側から他端側に移動する空気の流れに乗せて固形状の粉砕原料(粉砕対象物)を供給すると、空気及び粉砕原料が上記粉砕板とライナーとの間隙を通って上記一端側から他端側に移動し、その移動の過程で粉砕原料が急速に粉砕されることになる。
即ち、粉砕原料は、上記渦流や空気振動等による大きな衝撃力、剪断力、圧縮力等を受けると共に、粉砕板やライナーとの衝突や摩砕、当該粉砕原料の各粒子同士の衝突や摩砕によって、数μm〜数百μm程度の粒径に粉砕されることになる。
ところが、上記従来の微粉砕機おいては、渦流等や粉砕原料の粉砕や摩砕によって、空気及び粉砕原料が発熱するため、低温で溶融するような樹脂等の低融点物質を粉砕原料として供給する場合や、より微細な粉体を得る場合には、冷却する必要がある。
この冷却は、例えばステータハウジングの胴部の外周に冷却ジャケットを設けたり、ステータハウジング内に供給する空気を冷却する空気冷却装置を設けたり、ステータハウジング内に供給する粉砕原料を冷却する原料冷却装置を設けたりすることによっておこなっている。
しかし、上記従来の微粉砕機においては、冷却ジャケット、空気冷却装置、原料冷却装置等の付帯設備が必要になるため、構造が複雑化、大型化すると共に、これに伴ってコストが増加するという問題があった。
特開平11−276916号公報
特開2000−42438号公報
ドイツ特許DE3811910A1号
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、複雑化、大型化、コストの増加等を来すことなく、粉砕時の空気や粉砕対象物の冷却を行うことのできる微粉砕機を提供することを課題としている。
上記課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、筒状の胴部を有するステータハウジングと、このステータハウジングの上記胴部の内面に嵌合された円筒状のライナーと、このライナーの内側に当該ライナーと同軸状に配置されたロータと、このロータの外周部に当該ロータの軸方向及び周方向に間隔をおいて複数設けられ、当該ロータからの半径方向外側の先端が上記ライナーの内周面に近接する粉砕板とを備えた微粉砕機であって、上記ライナーと上記粉砕板との間に液体を供給するように構成したことを特徴としている。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、上記胴部に、上記ライナーと上記粉砕板との間に液体を供給するノズルを設けたことを特徴としている。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の発明において、上記ステータハウジング内における上記胴部の軸方向の一方に配置された空気流入口から流入した空気が上記ライナーと粉砕板との間を流れて当該胴部の軸方向の他方に配置された空気流出口から流出する空気流通ラインの上記空気流出口の上流側であって当該流出口の近傍に、上記ロータによって回転駆動される分級板を設けてなり、上記分級板は、当該分級板の回転軸の方向において上記空気流出口に重なるように延在する複数の分級バーを備えており、上記分級バーは、上記空気を上記空気流出口に送り出すべく上記分級板の回転軸の方向に対して斜め形成された羽根部を有していることを特徴としている。
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の発明において、上記羽根部は、上記分級バーの先端から当該分級バーの基端近傍まで延在するように形成されていることを特徴としている。
請求項5に記載の発明は、請求項3に記載の発明において、上記羽根部は、上記分級バーの先端部及び基端部に形成された柱状部の間に形成されていることを特徴としている。
請求項6に記載の発明は、請求項3〜5の何れかに記載の発明において、上記羽根部は、少なくとも上記空気流出口に対応する位置に形成されていることを特徴としている。
上記のように構成された請求項1〜6に記載の発明によれば、ライナーと粉砕板との間に液体が供給されるように構成されているので、ライナーと粉砕板との間で空気及び粉砕対象物が発熱すると、その熱量が液体の温度上昇及び当該液体の気化のために使われることになる。即ち、液体の気化熱等により、ライナーと粉砕板との間の空気及び粉砕対象物を、ライナーや胴部等を介さずに直接的に効率よく冷却することができる。
従って、従来例で示した冷却ジャケット、空気冷却装置、原料冷却装置等の付帯設備を用いることによる構造の複雑化、大型化、コストの増加等を招くことなく、粉砕時の空気や粉砕対象物を充分に冷却することができる。また、微粉砕機のコストの増加を抑えることができることから、当該微粉砕機で製造する微粉のコストの増加も抑えることができる。
請求項2に記載の発明によれば、ステータハウジングの胴部に、ライナーと粉砕板との間に液体を供給するノズルを設けているので、当該ライナーと粉砕板との間に液体を直接供給することができる。従って、供給した液体のほぼ全てを冷却のために効率よく使用することができる。従って、少量の液体の供給によって大きな冷却効果を得ることができる。
請求項3に記載の発明によれば、ステータハウジング内の空気流通ラインにおける空気流出口の近傍部に、ロータによって回転駆動される分級板を設け、この分級板には当該分級板の回転軸の方向において空気流出口に重なるように延在する複数の分級バーを設け、この分級バーは空気を空気流出口に送り出すべく分級板の回転軸の方向に対して斜めに形成された羽根部を有しているので、空気流通ラインに沿って流れる空気の流速を当該空気流通ライン中において効率よく上昇させることができる。
従って、液体の付着によって重くなった粉砕後の微粉を空気流通ラインを流れる空気に乗せて空気流出口から確実に排出することができる。
また、分級板には空気流出口に重なるように延在する複数の分級バーが設けられているので、粉砕対象物のうちライナーと粉砕板との間を充分粉砕されずに通過した粗粉砕物を、空気流出口から流出する前に、分級バーで粉砕しつつ、叩き落とすことができる。従って、空気流出口から排出される微粉の粒径の均一化を図ることができる。
請求項4に記載の発明によれば、羽根部が分級バーの先端から当該分級バーの基端近傍まで延在するように形成されているので、当該分級バーのほぼ全長にわたる部分を軸流ポンプとして有効に機能させることができる。
請求項5に記載の発明によれば、羽根部が分級バーの先端部及び基端部に形成された柱状部の間に形成されているので、粗粉砕物を粉砕する能力及び叩き落とす能力を高めることができる。即ち、分級バーの先端部及び基端部に形成された柱状部は、空気を空気流出口側に送り出す機能がない分、粗粉砕物に当たって当該粗粉砕物を粉砕する能力及び叩き落とす能力が高いので、より効率よく粗粉砕物を粉砕したり、叩き落としたりすることができる。よって、微粉の粒径の均一化を図る上で効果がある。
請求項6に記載の発明によれば、羽根部が少なくとも空気流出口に対応する位置に形成されているので、少なくとも空気流出口に送り出すことが可能な最大の空気流量を得ることができると共に、羽根部の長さが無駄に長くなるのを極力防止することができる。即ち、最小限の長さの羽根部によって最大限の流量の空気を空気流出口に送出することができる。従って、分級板のコンパクト化を図ることができると共に、コストの低減を図ることができる。
本発明を実施するための最良の形態としての第1の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
この第1の実施の形態で示す微粉砕機は、図1に示すように、円筒状の胴部10を有するステータハウジング1と、このステータハウジング1の胴部10の内面に嵌合された円筒状のライナー2と、このライナー2の内側に当該ライナー2と同軸状に配置されたロータ3と、このロータ3の外周部に当該ロータ3の軸方向及び周方向に一定の間隔をおいて複数設けられ、板面4aがロータ3による回転方向に向けられていると共に、当該ロータ3からの半径方向外側の先端4cがライナー2の内周面に近接する粉砕板4とを備え、ライナー2と粉砕板4との間に液体を供給するように構成されている。
ステータハウジング1は、胴部10の軸方向の一方の位置に空気流入口11aを有する中間壁部11を有すると共に、更に一方の位置に一端壁部12を有し、また胴部10の軸方向の他方の位置に空気流出口13aを有する他端壁部13を有する構成になっている。
空気流入口11aは、中間壁部11の軸心部に開口しており、ロータ3の後述する回転主軸31が挿通可能になっている。また、空気流入口11aは、空気を供給するための空気供給ダクト71に接続されている。
一端壁部12には、その軸心部に軸受保持部12aが設けられている。この軸受保持部12aには、ロータ3の後述する回転主軸31の一端側の部分を回転自在に支持する軸受31aが設けられている。
空気流出口13aは、他端壁部13の軸心部の周囲に開口している。他端壁部13の軸心部には、軸受保持部13bが設けられている。この軸受保持部13bには、ロータ3の後述する回転主軸31の他端側の部分を回転自在に支持する軸受31bが設けられている。また、空気流出口13aは、粉砕原料(粉砕対象物)を粉砕した後の微粉を空気と共に排出するための排出ダクト72に接続されている。
ライナー2は、その内周面に、周方向に凹凸が交互に形成された耐摩耗性を有する材料で形成されている。これらの凹凸は、ライナー2の内周面を軸線方向に直線状に延在していると共に、断面視において三角形の鋸歯状に形成されている。
ロータ3は、回転主軸31と、この回転主軸31の軸方向に一定の間隔をおいて着脱自在に設けられた複数(この実施の形態では5枚)のロータディスク32とを備えている。これらのロータディスク32は、中間壁部11と他端壁部13との間におけるライナー2の範囲内に配置されている。
粉砕板4は、各ロータディスク32の外周部の周方向に一定の間隔おいて固定されることによって、上述のようにロータ3の軸方向及び周方向に一定の間隔をおいて複数設けられた構造になっている。そして、この実施の形態では、ライナー2の内周面(凸の先端)と粉砕板4の先端4cとの間隔が2〜3mmに設定されている。
また、粉砕板4は、ロータ3からの半径方向の内側に位置しロータディスク32の外周部に溶接等で固定された基端側粉砕板部41と、この基端側粉砕板部41に着脱自在に設けられた先端側粉砕板部42とによって構成されている。これらの基端側粉砕板部41と先端側粉砕板部42とは、位置決めピン(図示せず)で位置決めされた上で、ボルトやビス等のネジ(図示せず)で連結されるようになっている。
ロータ3における軸方向の各粉砕板4の間には、円板状の仕切板33が設けられている。また、各ロータディスク32に設けられた粉砕板4は、軸方向において隣接するもの同士がその軸方向に重なった位置とならないように、周方向に位置がずらされている。
また、ステータハウジング1の胴部10及びライナー2には、そのライナー2の軸方向の一端側の位置に、粉砕原料をライナー2内に供給するための原料供給口73aが形成されており、この原料供給口73aは原料供給ダクト73に接続されている。原料供給ダクト73は、図示しない外部の原料供給源に接続されている。
更に、ステータハウジング1における胴部10には、ライナー2と粉砕板4との間に液体を直接供給するノズル5が設けられている。このノズル5は、胴部10の軸方向及び周方向の複数の位置に配置されており、円筒状に形成されたライナー2と粉砕板4との間隙内の空気、粉砕原料、微粉等を一定の温度範囲内に入るように液体を供給するようになっている。また、液体としては、粉砕原料の種類に応じて水やアルコール、その他の種々の液体が使用されることになる。また、ノズル5は、上述のように複数設けてもよいが、1つであってもよい。
また、ステータハウジング1内には、空気流入口11aから流入した空気がライナー2と粉砕板4との間を流れて空気流出口13aに流出する空気流通ラインが構成されており、この空気流通ラインにおける空気流出口13aの上流側であって当該空気流出口13aの近傍には、ロータ3によって回転駆動される分級板34が設けられている。なお、ステータハウジング1内において、複数のロータディスク32が設けられた部分の下流側からから他端壁部13までの間が分級室1aになっている。
分級板34は、図2に示すように、他端壁部13の内面近傍位置における回転主軸31に同軸状に固定されて、当該回転主軸31と共に回転するように構成されている。分級板34は、回転主軸31に同軸状に固定される金属製の円板部34aと、この円板部34aにその外縁部から放射状に延在すべく設けられた金属製の複数の分級バー34bとを備えた構成になっている。
各分級バー34bは、円板部34aの周方向に一定の間隔をおいて設けられていると共に、その先端が円板部34aの回転中心を中心とする円の位置となるように等しい長さに形成されている。また、各分級バー34bは、他端壁部13における軸心部の周囲に形成された空気流出口13aに対して、分級板34の回転軸の方向において重なる位置に延在している。
そして、分級板34は、粉砕原料が充分粉砕されずに分級室1aに移行してきた粗粉砕物を、空気流出口13aから流出する前に、分級バー34bで粉砕したり叩き落としたりするようになっている。
また、ロータディスク32や仕切板33には、分級板34の分級バー34bと軸方向に重なる位置に開口部が設けられており、これらの開口部によって、分級バー34bで叩き落とされた粗粉砕物を空気流入口11a側に戻すための戻り流路35が構成されている。
そして、この実施の形態において、ロータ3は、図1に示すように、上下方向(鉛直方向)に延在すべく設置されており、分級バー34bで叩き落とした粗粉砕物は、重力の作用により、戻り流路35を介して空気流入口11a側に自然に戻るようになっている。
また、分級バー34bは、図3及び図4に示すように、空気を空気流出口13aに送り出すべく分級板34の回転軸の方向に対して斜め形成された羽根部34cを有している。なお、図4には、分級板34の回転軸の方向に直交する回転方向Rに対して角度αで傾斜した形状の羽根部34cを示している。
羽根部34cは、分級バー34bの先端から当該分級バー34bの基端近傍まで延在するように形成されている。分級バー34bの基端部は、図4に示すように、断面が長方形状の四角柱状基端部(柱状部)34dによって形成されている。羽根部34cは、四角柱状基端部34dの断面における対角方向の一対の頂点a、bの各位置を維持しながら、各長辺及び短辺を平行に削ぎ落として平行四辺形状の断面形状に形成することによって、各頂点a、bを結ぶ直線Lに沿って長く延在するように形成されている。
この場合、各短辺を直線Lの傾きに近づけるべく平行に削ぎ落とすと共に、各長辺も直線Lに沿う方向にわずかに削ぎ落とすことにより、断面の全体が直線Lに沿って長く延在する平行四辺形状になる。しかも、このように削ぎ落とすことにより、各頂点a、bの角部が鋭角に尖った形状になる。また、上記角度αも鋭角になるように形成されている。因みに、この実施の形態で示した四角柱状基端部34dは、その断面における長辺の長さが約20mm、短辺の長さが約10mmである。また、分級バー34bの全長は約150mmである。
また、回転主軸31は、その一端部に設けられたプーリ等を介して高速で回転駆動されるようになっており、これにより粉砕板4等がライナー2の内周面に沿って高速で旋回移動すると共に、分級板34が高速で回転駆動されるようになっている。
上記のように構成された微粉砕機によれば、ロータ3の回転に伴って複数の粉砕板4がライナー2の内周面に沿って高速で旋回移動することになる。また、排出ダクト72の下流側に設置された図示しない送風装置によって、空気が空気流入口11aからステータハウジング1内に吸引され、当該ステータハウジング1を通って空気流出口13aから流出することになる。この場合、ステータハウジング1内を通る空気は、ロータ3や粉砕板4の回転による遠心力を受けることになるため、空気流入口11aから流入した後、ライナー2と粉砕板4との間を通り、更に分級室1aを通り、分級板34を介して空気流出口13aからに流出することになる。即ち、空気は、上述した空気流通ラインを通ることになる。
このため、原料供給ダクト73から供給された固形状の粉砕原料は、上記空気流通ラインを通る空気の流れに乗って、移動することになる。
そして、粉砕板4がライナー2の内周面に沿って高速で旋回移動することから、粉砕板4の先端位置や、側縁位置や、旋回方向の後方等に、高速の空気による渦流や高圧高周波の空気振動等を生じ、これらに起因して粉砕原料が微細に粉砕されることになると同時に、空気及び粉砕原料が発熱することになる。
しかし、上記発熱量は、ライナー2と粉砕板4との間に供給された液体の温度上昇及び当該液体の気化のために、使われることになる。即ち、液体の気化熱等により、空気及び粉砕原料を、胴部10やライナー2を介さずに直接的に効率よく冷却することができる。
従って、従来例で示した冷却ジャケット、空気冷却装置、原料冷却装置等の付帯設備を用いることによる構造の複雑化、大型化、コストの増加等を招くことなく、粉砕時の空気や粉砕原料を充分に冷却することができる。また、微粉砕機のコストの増加を抑えることができることから、当該微粉砕機で製造される微粉のコストの増加も抑えることができる。
また、この実施の形態では、ステータハウジング1の胴部10に、ライナー2と粉砕板4との間に液体を直接供給するノズル5を設けているので、図示しない外部の液体供給源からノズル5を介して供給された液体のほぼ全てを発熱する空気及び粉砕原料の冷却のために効率よく使用することができる。従って、少量の液体の供給によって大きな冷却効果を得ることができる。
更に、空気流通ラインにおける空気流出口13aの近傍部に、ロータ3によって回転駆動される分級板34を設け、この分級板34には当該分級板34の回転軸の方向において空気流出口13aに重なるように延在する複数の分級バー34bを設け、この分級バー34bは空気を空気流出口13aに送り出すべく分級板34の回転方向Rに対して斜めに形成された羽根部34cを有しているので、空気流通ラインに沿って流れる空気の流速を当該空気流通ライン中において効率よく上昇させることができる。
しかも、羽根部34cが分級バー34bの先端から当該分級バー34bの基端近傍まで延在するように形成されているので、当該分級バー34bのほぼ全長にわたる部分を軸流ポンプとして有効に機能させることができる。
従って、液体の付着によって重くなった微粉を空気流通ラインを流れる空気に乗せて空気流出口13aから確実に排出することができる。
また、粉砕原料のうち充分粉砕されずに分級室1aに流入した粗粉砕物を、空気流出口13aから流出する前に、分級バー34bで粉砕したり、叩き落としたりすることができる。そして、叩き落とされた粗粉砕物は、重力の作用により、戻り流路35を介して空気流入口11a側に戻り、空気流通ラインに乗ってライナー2と粉砕板4との間に移動して、再び粉砕されることになる。従って、空気流出口13aから排出される微粉の粒径の均一化を図ることができる。
しかも、ライナー2の内周面に、周方向に凹凸が交互に形成されているので、粉砕板4の周囲等に、より撹乱した状態の高速の空気による渦流や高圧高周波の空気振動等を生じさせることができる。従って、より微細かつより均一な粒径の微粉を得ることができると共に、微粉の生産効率の向上を図ることができる。
更に、粉砕板4が基端側粉砕板部41と、この基端側粉砕板部41に着脱自在に設けられた先端側粉砕板部42とを備えた構成になっているので、当該先端側粉砕板部42を交換するだけで粉砕原料の種類に応じて効率よく粉砕することが可能な形状の粉砕板4に簡単に変更することができる。
また、消耗しやすい粉砕板4の先端部分のみを、先端側粉砕板部42の着脱によって交換することができるので、ランニングコストの低減を図ることができる。
なお、上記実施の形態においては、ライナー22の内周面に三角形の鋸歯状の凹凸を形成するように構成したが、この凹凸は、他の形状(例えば、波状、歯車の各歯状、矩形状等)に形成されたものであってもよい。
また、液体を、ノズル5によって、ライナー2と粉砕板4との間に直接供給するように構成したが、液体を図示しないノズル等によって空気供給ダクト71や空気流入口11a等に供給し、当該液体を空気流通ラインを通る空気の流れに乗せてライナー2と粉砕板4との間に供給するように構成してもよい。この場合、液体は、噴霧状にして供給することが気化熱を短時間で効率よく得る上で好ましい。また、上記ノズル5から噴出する液体についても、できれば噴霧状にして供給することが好ましい。
{発明を実施するための異なる形態}
{発明を実施するための異なる形態}
次に、本発明を実施するための異なる形態としての第2の実施の形態について図5を参照しながら説明する。但し、第1の実施の形態で示した構成要素と共通する要素には同一の符号を付し、その説明を簡略化する。
(第2の実施の形態)
この第2の実施の形態が第1の実施の形態と異なる点は、分級板34における分級バー34bの形状が異なる点のみである。
即ち、分級バー34bは、その円板部34a(図2参照)側の基端部に形成された四角柱状基端部34dと、先端部に形成された四角柱状先端部(柱状部)34eと、これらの間に形成された羽根部34cとによって一体的に形成されている。
四角柱状先端部34eは、四角柱状基端部34dと同一の断面形状(長方形状)に形成されていると共に、同軸状に形成されている。また、四角柱状先端部34eの軸方向の長さは、10〜50mm程度に形成されている。
羽根部34cは、空気流出口13aに対応する位置に形成されている。即ち、羽根部34cは、分級板34が回転駆動された際に、当該分級板34の回転軸の方向において空気流出口13aの全体に丁度重なるような軌跡を描いて旋回移動するように形成されている。
上記のように構成された分級バー34bを有する微粉砕機によれば、分級バー34bの基端部及び先端部に、四角柱状基端部34d及び四角柱状先端部34eが形成されているので、粗粉砕物を粉砕したり叩き落としたりする能力を高めることができる。即ち、四角柱状基端部34d及び四角柱状先端部34eは、四角柱状に形成されているため空気を空気流出口13a側に送り出す機能がないが、その分、粗粉砕物に当たって当該粗粉砕物を粉砕したり叩き落としたりする能力が高い。このため、より効率よく粗粉砕物を粉砕したり叩き落としたりすることができる。よって、微粉の粒径の均一化を図る上で効果がある。
また、羽根部34cが空気流出口13aに対応する位置に形成されているので、空気流出口13aに送り出すことが可能な最大の空気流量を得ることができると共に、羽根部34cの長さが無駄に長くなるのを防止することができる。即ち、最小限の長さの羽根部34cによって最大限の流量の空気を空気流出口13aに送出することができる。従って、分級板34のコンパクト化を図ることができると共に、コストの低減を図ることができる。
なお、上述した第1の実施の形態における羽根部34cについても、空気流出口13aに対応する位置に形成したものであってもよい。また、羽根部34cは、少なくとも空気流出口13aに対応する位置に形成されていればよく、空気流出口13aに対応する位置より長く延在するものであってもよい。
また、分級バー34bの基端部及び先端部に形成した柱状部は、上述した四角柱状基端部34dや四角柱状先端部34eのような四角柱状のものの他、三角形や五角形等の多角柱状に形成したものや、円柱状に形成したものや、楕円柱状に形成したもの等であってもよい。
1 ステータハウジング
2 ライナー
3 ロータ
4 粉砕板
4c 先端
5 ノズル
10 胴部
11a 空気流入口
13a 空気流出口
31 回転主軸
32 ロータディスク
34 分級板
34b 分級バー
34c 羽根部
34d 四角柱状基端部(柱状部)
34e 四角柱状先端部(柱状部)
R 回転方向
2 ライナー
3 ロータ
4 粉砕板
4c 先端
5 ノズル
10 胴部
11a 空気流入口
13a 空気流出口
31 回転主軸
32 ロータディスク
34 分級板
34b 分級バー
34c 羽根部
34d 四角柱状基端部(柱状部)
34e 四角柱状先端部(柱状部)
R 回転方向
Claims (6)
- 筒状の胴部を有するステータハウジングと、
このステータハウジングの上記胴部の内面に嵌合された円筒状のライナーと、
このライナーの内側に当該ライナーと同軸状に配置されたロータと、
このロータの外周部に当該ロータの軸方向及び周方向に間隔をおいて複数設けられ、当該ロータからの半径方向外側の先端が上記ライナーの内周面に近接する粉砕板とを備えた微粉砕機であって、
上記ライナーと上記粉砕板との間に液体を供給するように構成したことを特徴とする微粉砕機。 - 上記胴部に、上記ライナーと上記粉砕板との間に液体を供給するノズルを設けたことを特徴とする請求項1に記載の微粉砕機。
- 上記ステータハウジング内における上記胴部の軸方向の一方に配置された空気流入口から流入した空気が上記ライナーと粉砕板との間を流れて当該胴部の軸方向の他方に配置された空気流出口から流出する空気流通ラインの上記空気流出口の上流側であって当該流出口の近傍に、上記ロータによって回転駆動される分級板を設けてなり、
上記分級板は、当該分級板の回転軸の方向において上記空気流出口に重なるように延在する複数の分級バーを備えており、
上記分級バーは、上記空気を上記空気流出口に送り出すべく上記分級板の回転軸の方向に対して斜め形成された羽根部を有していることを特徴とする請求項1又は2に記載の微粉砕機。 - 上記羽根部は、上記分級バーの先端から当該分級バーの基端近傍まで延在するように形成されていることを特徴とする請求項3に記載の微粉砕機。
- 上記羽根部は、上記分級バーの先端部及び基端部に形成された柱状部の間に形成されていることを特徴とする請求項3に記載の微粉砕機。
- 上記羽根部は、少なくとも上記空気流出口に対応する位置に形成されていることを特徴とする請求項3〜5の何れかに記載の微粉砕機。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004144786A JP2005324127A (ja) | 2004-05-14 | 2004-05-14 | 微粉砕機 |
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JP2005324127A true JP2005324127A (ja) | 2005-11-24 |
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Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN102744125A (zh) * | 2012-07-29 | 2012-10-24 | 梁慎清 | 矿石破磨机 |
CN106732955A (zh) * | 2016-12-01 | 2017-05-31 | 南京德西联智能科技有限公司 | 可实现逐级冷却的热矿破碎设备 |
CN106732954A (zh) * | 2016-11-29 | 2017-05-31 | 南京路特软件有限公司 | 基于粉尘吸附处理的热矿破碎设备 |
CN115194165A (zh) * | 2022-09-14 | 2022-10-18 | 四川泽丰锂能新能源科技有限公司 | 一种低温脆性金属粉末研磨装置 |
-
2004
- 2004-05-14 JP JP2004144786A patent/JP2005324127A/ja active Pending
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