JP2005323901A - 揮散装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 十分に大容量化できると共に、収容されている液体製剤を残さずに全て揮散させて使い切ることができる、無駄がなく経済的な揮散装置を提供すること。
【解決手段】 開口部11cを上方に向けて設置され液体製剤15を収容する容器11の開口部11cから容器11内に挿入された揮散手段13の一端13aが容器11の底面11dに当接すると共に、他端に形成された揮散面13bが容器11の外部に露出して配置される。容器11に収容された液体製剤15は、揮散手段13により吸い上げられて揮散面13bから外部に揮散される。揮散手段13の高さH1は、揮散手段13が液体製剤15を吸い上げ可能な高さ以下、且つ使用開始時における容器11に収容された液体製剤15の液面高さH2よりも低くなっている。
【選択図】 図1

Description

本発明は、揮発性を有する液体製剤を収容し、当該液体製剤に含まれた例えば、芳香剤、消臭剤、等の有効成分を室内等の空間に揮散させる揮散装置に関する。
芳香剤、消臭剤、等を含む液体製剤を揮散させる揮散装置には、主に、液体製剤を収容する容器の配置方向を基に大別して、使用時に容器の開口部を上方に向けた状態で設置される所謂正立設置型揮散装置、そして使用時に容器の開口部を下方に向けた状態で設置される所謂倒立設置型揮散装置、といった2種類が含まれる。
正立設置型揮散装置の例としては、液体製剤を収容する容器内に吸液部材を挿入配置し、液体製剤(芳香剤)を吸液部材で吸い上げて容器の外部に露出した吸液部材の上部から液体製剤を揮散させるようにしたもの(芳香剤用容器)が知られている(例えば、特許文献1参照)。
また、倒立設置型揮散装置の例としては、受皿部に収容した保液部材に、倒立設置された容器の開口部を接触させて配置し、保液部材に含ませた液体製剤を保液部材から揮散させるようにしたもの(揮発装置)が知られている(例えば、特許文献2参照)。
実開平4−104854号公報(図1) 実用新案登録第2605873号公報(第3−4頁、第1図)
特許文献1に開示されている正立設置型揮散装置では、容器の開口部に吸液部材が挿入され、容器内に収容された液体製剤を吸液部材で該吸液部材の毛細管現象を利用して吸い上げ、吸液部材の上に載置された濾紙状部材から揮散させるようになっているが、吸液部材による液体製剤の吸い上げ高さには限界がある。即ち、吸液部材の吸い上げ可能高さは、吸液部材の構造によって決まる毛細管現象による吸い上げ力と吸い上げられた液体製剤に作用する重力とがバランスする高さが限界であり、それ以上の高さに吸い上げることはできない。
ところで、室内に設置される揮散装置は、通常1ヶ月程度の期間は連続して使用可能な量の液体製剤を収容する大きさとなっていたが、近年、交換の手間を省く意味からも大容量の容器が採用されつつある。例え揮散装置を大容量化しても設置スペース、換言すれば投影面積は広くし難く、必然的に揮散装置の高さが高くなり、これに伴って吸液部材の長さも長くなる。しかし、上述したように吸液部材による吸い上げ可能高さには限界があるので、揮散装置を十分に大容量化することができない。また、吸い上げ可能高さを満足させる範囲内で揮散装置を大きくしても、吸液部材が長くなった分、吸い上げ力が低下して容器内に液体製剤が残る可能性が高い。よって、従来の揮散装置では、収容した全ての液体製剤を使い切れない場合があった。
この問題を解消するようにした特許文献2に開示されている倒立設置型揮散装置では、受皿部内に保液部材を配置し、倒立設置させた容器の開口部を保液部材に当接させ、保液部材に染み込んだ揮散性の液体製剤の液面により容器の開口部を塞いで液体製剤の溢れ出しを防止するようになっている。この構成の倒立設置型揮散装置によると、液体製剤を収容する容器の外部に別体として保液部材を準備して配置しなければならず、構造が複雑となる問題があった。また、容器が倒れると収容されている液体製剤が漏れ出す虞があり、実用的ではなく、改善の余地があった。
本発明は、前述した事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、十分に大容量化できると共に、収容されている液体製剤を残さずに全て揮散させて使い切ることができる、無駄がなく経済的な揮散装置を提供することにある。
前述した目的を達成するため、本発明に係る揮散装置は、下記(1)、(2)、(3)、(4)、(5)および(6)を特徴としている。
(1) 液体製剤を収容し、開口部を有し且つ当該開口部を上方に向けて設置される容器と、
前記開口部から前記容器に挿入され且つ、前記容器の内底面に当接するように前記容器内に配置された一端と前記容器の外部に露出するように配置された他端とを有する揮散手段と、
を備え、
前記容器内の前記液体製剤が、前記揮散手段により吸い上げられ、且つ前記揮散手段の他端に形成された揮散面から揮散される揮散装置であって、
前記揮散手段の高さが、前記揮散手段が前記液体製剤を吸い上げ可能な高さ以下、且つ揮散装置の使用開始時における前記容器内の前記液体製剤の液面高さよりも低くなっていること(図1、図3、図4、図5参照)。
(2) 液体製剤を収容する液体製剤収容室と、当該液体製剤収容室の底面と連続するように形成された底面および開口部を有する揮散室と、を内部に備え、当該開口部を上方に向けて設置される容器と、
前記液体製剤収容室の底面および前記揮散室の底面に当接して前記液体製剤収容室と前記揮散室とを隔離するように前記容器内に配置された揮散手段と、
を備え、
前記液体製剤収容室内の前記液体製剤が、前記揮散手段により吸い上げられ、且つ前記揮散手段の前記揮散室側に形成された揮散面から前記揮散室を通って前記開口部から前記容器の外部に揮散される揮散装置であって、
前記揮散手段の高さが、前記揮散手段が前記液体製剤を吸い上げ可能な高さ以下、且つ揮散装置の使用開始時における前記容器内の前記液体製剤の液面高さよりも低くなっていること(図2参照)。
(3) 開口部を有し且つ液体製剤を収容する容器と、前記開口部を塞ぐように前記開口部に設けられた微多孔シートと、を備え、使用時に前記容器の前記開口部を下方に向けて前記容器が設置され、前記微多孔シートから前記液体製剤が前記容器の外部に揮散される揮散装置であって、
更に、前記液体製剤の液圧により前記微多孔シートにかかる荷重を軽減させる荷重軽減機構を備えていること(図6、図7参照)。
(4) 開口部を有し且つ液体製剤を収容する容器と、前記開口部を塞ぐように前記開口部に設けられた微多孔シートと、を備え、使用時に前記容器の前記開口部を下方に向けて前記容器が設置され、前記微多孔シートから前記液体製剤が前記容器の外部に揮散される揮散装置であって、
更に、前記微多孔シートを覆うように前記容器に装着された、複数の貫通穴を有する蓋体を備え、
前記液体製剤の液圧が作用する前記微多孔シートが、前記蓋体によって支持されるように、前記蓋体の前記容器側の面に密着するように配置されていること(図6参照)。
(5) 開口部を有し且つ液体製剤を収容する容器と、前記開口部を塞ぐように前記開口部に設けられた微多孔シートと、を備え、使用時に前記容器の前記開口部を下方に向けて前記容器が設置され、前記微多孔シートから前記液体製剤が前記容器の外部に揮散される揮散装置であって、
更に、前記容器の内部を仕切るように前記容器の前記微多孔シートよりも前記使用時上側に配置され、前記微多孔シートから前記容器の外部に揮散する前記液体製剤の揮散量よりも少ない量の前記液体製剤を透過させて前記微多孔シートに供給する供給量制限手段を備え、
前記供給量制限手段により前記容器内の前記液体製剤の一部の荷重が前記微多孔シートに掛けられるように構成されていること(図7参照)。
(6) 液体製剤を収容する容器と、
当該容器内に前記液体製剤を収容するための上部収容室および下部収容室がそれぞれ形成されるように前記容器の内部を上下に分割し且つ、前記上部収容室と前記下部収容室とを連通させる弁穴を有する弁座を備えた隔壁と、
前記上部収容室と前記容器の外部とを連通させるように前記容器の前記上部収容室側に形成された開口部と、
前記上部収容室内に位置し且つ前記弁座に離接して前記弁穴を開閉する弁体と、
前記開口部から前記容器に挿入され且つ、前記隔壁の前記上部収容室側の面に当接するように前記上部収容室内に配置された一端と前記容器の外部に露出するように配置され且つ揮散面が形成された他端とを有する揮散手段と、
を備える揮散装置であって、
使用時に前記容器の上下を逆にして前記弁座から前記弁体を離間させて前記弁穴を開き、前記下部収容室に収容された前記液体製剤の一部を前記上部収容室に移動させた後、再び前記容器の上下を逆にして正立姿勢とし、前記上部収容室に収容された前記液体製剤を前記揮散手段で吸い上げて前記揮散面から前記容器の外部に揮散させること(図8参照)。
上記(1)の構成の揮散装置によれば、揮散手段を短くすることができ、揮散装置を大容量化しても、液体製剤が揮散装置内に残ることはなく、最後の一滴まで揮散手段によって吸い上げて揮散させることができる。従って、液体製剤の無駄がなく経済的であると共に、揮散装置の交換期間を延長して交換の手間を省くことができ、使用勝手のよい揮散装置を提供することができる。
同様に、上記(2)の構成の揮散装置によれば、揮散手段を短くすることができ、揮散装置を大容量化しても、液体製剤が揮散装置内に残ることはなく、最後の一滴まで揮散手段によって吸い上げて揮散させることができる。従って、液体製剤の無駄がなく経済的であると共に、揮散装置の交換期間を延長して交換の手間を省くことができ、使用勝手のよい揮散装置を提供することができる。
上記(3)の構成の揮散装置によれば、荷重軽減機構により、液体製剤の液圧によって微多孔シートにかかる荷重を軽減させて微多孔シートにかけることができ、微多孔シートに作用する液体製剤の液圧による微多孔シートの破損を防止することができる。
上記(4)の構成の揮散装置によれば、液体製剤の液圧を蓋体によって受けることにより、微多孔シートに作用する液体製剤の液圧による微多孔シートの破損を防止することができる。また、液体製剤を吸い上げるタイプの揮散手段を用いる必要がなく、簡単な機構で液体製剤を最後まで使い切ることができる。
上記(5)の構成の揮散装置によれば、液体製剤が供給量制限手段により少量ずつ微多孔シートに供給されて揮散する。これにより、微多孔シートには、容器内に収容された液体製剤全体の液圧が直接作用することはなく、微多孔シートの破損を防止することができる。また、液体製剤は少量ずつ微多孔シートに供給されるので、使用期間を長期化することができる。
上記(6)の構成の揮散装置によれば、必要量の液体製剤を使用の都度、上部収容室に移動させて複数回に分けて揮散させることができ、必要に応じて液体製剤を無駄なく揮散させることができる。また、大量の液体製剤を下部収容室に収容しておき、その一部を小さな上部収容室に移動させて揮散させるので、揮散手段を小型化できると共に、揮散手段の長さを短くでき、効率的に揮散させることができる。
本発明によれば、大容量の揮散装置に収容された多量の液体製剤を、比較的短い揮散手段により揮散できるようにしたので、液体製剤を効率よく揮散させて、最後の一滴まで使い切って経済的に使用することができる。また、本発明によれば、占有設置面積を大きくすることなく揮散装置を大容量化することができ、長期間に亘って使用することができる。
以上、本発明について簡潔に説明した。更に、以下に説明される発明を実施するための最良の形態を添付の図面を参照して通読することにより、本発明の詳細は更に明確化されるであろう。
以下、本発明に係る好適な複数の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
(第1実施形態)
図1は本発明の第1実施形態である揮散装置100の縦断面図である。図1に示されるように、揮散装置100は、使用時にその容器の開口部を上方に向けた状態で設置される所謂正立設置型揮散装置であり、収容体11と、揮散手段である吸液部材13と、を備えている。尚、本明細書において、開口部が向けられる上方とは、垂直線方向上方と共に斜め上方をも含んで定義され、本発明の実施を妨げない範囲で任意である。
収容体11は、例えば合成樹脂から形成された容器であって、高さが異なり段違いに形成された2つの上面、即ち、高さが低い第1上面11aおよび高さが高い第2上面11bが設けられた断面略L字形に形成されている。第1上面11aには、上方に開口する開口部11cが設けられている。
収容体11の底壁の内底面について詳述すると、第1上面11aと収容体11の縦方向に並ぶ第1底面11dが最も低くなっており、第2上面11bと収容体11の縦方向に並び第1底面11dから連続して形成された第2底面11eは、第1底面11dから離間するに従って次第に高くなるように傾斜して形成されている。
収容体11の底壁における第2底面11eの反対側に位置する外底面には、収容体11の底壁における第1底面11dの反対側に位置する外底面と面一に延長する面を有する脚部11fが、下方に凸設されており、収容体11を設置面に対してガタツキなく設置できる。
収容体11は、第1上面11a、第2上面11b、第1底面11d、第2底面11e、および周壁11gによって囲まれた1つの空間を構成し、空間内には液体製剤15が収容されている。収容体11を形成する材料としては、液体製剤15が漏れないものであれば、プラスチック、紙、金属、セラミック、ガラス、等のいずれも用いることができる。
液体製剤15が含有する有効成分としては、芳香成分、消臭成分、防菌成分、殺菌成分、忌避成分、防カビ成分、殺カビ成分、防錆成分、防虫成分、ピレスロイド系殺虫成分、有機リン系殺虫成分、カーバメート系殺虫成分、オキサジアゾール系殺虫成分、昆虫成長調整成分、等が挙げられるが、液体製剤15は少なくとも一つの有効成分を含有する。芳香成分としては、例えば、ハッカ油、ペパーミント油、スペアミント油、イグサ、ヒノキ、シトロネラ、シトラール、シトロネラール、レモン、レモングラス、オレンジ、ユーカリ、ラベンダー、等といった精油成分およびそれらから得られる芳香成分を挙げることができる。また、消臭成分としては、例えば、メタクリル酸ラウリル、メチル化サイクロデキストリン、植物抽出エキス(例えば、ツバキ、バラ、キク、マツ、スギ、オオバコ、等から得られるエキス)、植物精油(例えば、茶抽出物、カテキン、植物ポリフェノール、リナロール、メントール、ボルネオール、等)、界面活性剤、等が挙げられる。
液体製剤15が芳香成分および消臭成分の両方を含有する場合、液体製剤15中の芳香成分および消臭成分の合計量は、液体製剤15の全重量に対して、一般的に0.5〜10重量%、好ましくは1〜5重量%である。液体製剤15は、その他、添加剤として、硬化ヒマシ油、グリセリンまたはその誘導体、脂肪酸またはその誘導体、アルコール、多価アルコールまたはこれらの誘導体、界面活性剤(例えば、アルキル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、等)、タール色素、ベンガラ等の色素、防腐剤等の保存剤、等を含有することもできる。これらその他の添加剤の液体製剤15中での含有量は、一般的に10重量%以下である。液体製剤15は、更に、キレート剤、粘度調整剤、比重調整剤、紫外線防止剤、酸化防止剤、等を含有してもよい。液体製剤15は、上記各成分を、水、アルコール、有機溶媒、等を用いて適宜調整することができる。
また、液体製剤15には、吸液部材13中に液体製剤15が溜まったままとなるのを防止する添加剤を添加することができ、この種の添加剤としては、例えば、BHT、BHA、アスコルビン酸、トコフェロール、エリソルビン酸、等が例示される。この添加剤の配合量は、必要量(得られる液体組成物全体の0.2%〜5%程度)であれば、液体製剤15に限らず、吸液部材13にも配合可能である。液体製剤15は、必要により加熱されて蒸散する液体として、水、水溶液、溶液、等を用いることができ、更に、水性または油性の安定剤を配合してもよい。
吸液部材13は、高さが低い第1上面11aに設けられた開口部11cから収容体11内に挿入されて配置されており、一端13aが収容体11の第1底面11dに当接し、他端は収容体11の外部に露出して揮散面13bを形成している。
吸液部材13は、液体製剤15を吸液する棒状部材であり、毛細管現象の原理により収容体11に収容されている液体製剤15を吸い上げて揮散面13bから外部に揮散させるものである。吸液部材13としては、吸液可能な加熱乃至非加熱揮散に適した性能を有するものであればどのようなものであっても用いることができ、無機粉、有機粉、無機繊維、有機繊維、等の少なくとも1種以上を素材としたものにバインダを配合し固結、または焼結したものを挙げることができる。このように、吸液部材13を形成する材料としては、無機材料および有機材料のいずれでもよいが、好ましくは樹脂であり、具体的にはポリエチレンテレフタレート(以下、PETともいう。)、アクリル樹脂(以下、PAともいう。)、ポリプロピレン、ポリエチレンの1種あるいは2種以上を挙げることができる。特に、吸液部材13としては、気液の交換ができる特性を有するものがよい。ここで、気液の交換ができる特性を有する吸液部材とは、収容体11内の液体製剤15が吸液部材内部に浸透して収容体11外部に揮散されるとともに、収容体11外部から空気等の気体が吸液部材内部に浸透して収容体11内部で吸液部材外部に出される特性を有する吸液部材のことを意味する。気液の交換ができる特性を有する吸液部材は、多孔性材料であることが好ましく、例えば、PETまたはPAを用いた多孔性材料であることが好ましい。また、気液の交換ができる特性を有する吸液部材の空隙率、断面の大きさ、等は、収容体11内部の液体製剤15の量、液体製剤15の粘度、等の諸条件により適宜設定することが好ましい。気液の交換ができる特性を有する吸液部材を吸液部材13として用いる場合は、その吸液部材13が通常気孔率20%以上を有することが好ましく、より好ましくは気孔率20〜80%、更に好ましくは30〜80%を有することが好ましい。
揮散手段としては、前述した吸液部材13以外にも、多孔質体、後述する微多孔シート、等も使用可能であり、これらを介して液体製剤15を揮散させることができるものであれば特に限定されない。
また、吸液部材13には、紫外線防止剤、ピレスロイド系殺虫剤、有機リン系殺虫剤、カーバメート系殺虫剤、オキサジアゾール系殺虫剤、香料、酸化防止剤、難燃剤(例えば、水)、防炎剤、殺菌剤、防カビ剤、色素、バインダ、親水性溶媒、両親媒性液剤、界面活性剤、等の添加剤を、実施を妨げない範囲で任意の種類、必要量を添加することも可能である。
吸液部材13の高さH1は、液体製剤15を吸い上げ可能な高さ以下、且つ使用開始時における収容体11に収容された液体製剤15の液面高さH2よりも低くなっている。吸い上げ可能高さは、吸液部材13の材質、密度、親水性、素材間の隙間の大きさ、液体製剤15の粘度、比重、等によって決まる高さである。液体製剤15を安定して揮散させるために、一般的に吸液部材13の高さH1は1.5cm〜7.5cm程度であるが、揮散に支障がなければ1cm程度でもよい。また、吸液部材13の径または幅は、実施可能な限り任意である。尚、図1に示される吸液部材13の高さH1ならびに使用開始時の液体製剤15の液面高さH2は、どちらも収容体11の底壁の厚みを含んだ、設置面からの高さで表されているが、収容体11の第1底面11d(即ち、内底面)からの高さであっても同様な関係であるということは言うまでもない。
本実施形態の作用を説明する。揮散装置100は、図1に示されるように、開口部11cを上方に向けて、即ち、正立状態で設置される。使用開始時には、液体製剤15の液面高さH2は、吸液部材13の高さH1よりも高いので、吸液部材13の揮散面13bには、液体製剤15の液面高さH2と吸液部材13の高さH1との差H3(H3=H2−H1)の液圧が作用しているので、液体製剤15は吸液部材13の揮散面13bから染み出して外部に揮散する。時間の経過と共に、液体製剤15の液面高さH2は次第に下がり、吸液部材13の高さH1と同じ高さとなったとき揮散面13bに作用する液圧は、零となる。
液体製剤15の液面高さH2が更に下がり、図1に仮想線Lで示す位置(高さH4)まで低下すると、吸液部材13は、吸液部材13の高さH1と液体製剤15の液面高さH4の差H5(H5=H1−H4)だけ液体製剤15を吸い上げて揮散面13bから揮散したことになる。
液体製剤15の残量が殆どなくなると、第2底面11e上にあった液体製剤15は、傾斜した第2底面11eから第1底面11dに移動する。換言すれば、全ての液体製剤15は、吸液部材13の一端13aが当接するように配置された第1底面11d上に集合し、第1底面11dに当接する吸液部材13の一端13aから吸い上げられて揮散面13bから揮散する。これにより、液体製剤15は、最後の一滴まで無駄なく吸い上げられて揮散し有効に作用する。また、揮散装置100の容量を大きくしても吸液部材13の高さ(長さ)は従来のものと同程度の高さとすることができるので、揮散装置100の設置面積を広げることなく、即ち、従来の形態では吸液部材13による液体製剤15の吸い上げが不可能な高さまで揮散装置100の高さを高くして、揮散装置100の大容量化が可能となる。
この第1実施形態の構成を簡潔に述べると次のようになる。
液体製剤15を収容し、開口部11cを有し且つ当該開口部11cを上方に向けて設置される収容体11(即ち、容器)と、
前記開口部11cから前記収容体11に挿入され且つ、前記収容体11の第1底面11d(即ち、内底面)に当接するように前記収容体11内に配置された一端13aと前記収容体11の外部に露出するように配置された他端とを有する吸液部材13(即ち、揮散手段)と、
を備え、
前記収容体11内の前記液体製剤15が、前記吸液部材13により吸い上げられ、且つ前記吸液部材13の他端に形成された揮散面13bから揮散される揮散装置100であって、
前記吸液部材13の高さH1が、前記吸液部材13が前記液体製剤15を吸い上げ可能な高さ以下、且つ揮散装置100の使用開始時における前記収容体11内の前記液体製剤15の液面高さH2よりも低くなっている。
揮散装置100によれば、開口部11cを上方に向けて設置され液体製剤15を収容する収容体11の開口部11cから収容体11内に挿入された揮散手段(吸液部材)13の一端13aが収容体11の底面11dに当接すると共に他端に形成された揮散面13bが収容体11の外部に露出して配置される。収容体11に収容された液体製剤15は、揮散手段13により吸い上げられて揮散面13bから外部に揮散される。
揮散手段13の高さH1は、揮散手段13が液体製剤15を吸い上げ可能な高さ以下、且つ使用開始時における収容体11に収容された液体製剤15の液面高さH2よりも低くなっている。これにより、揮散手段13を短くすることができ、揮散装置100を大容量化しても、液体製剤15が収容体11内に残ることはなく、最後の一滴まで揮散手段13によって吸い上げて揮散させることができる。従って、液体製剤15の無駄がなく経済的であると共に、揮散装置100の交換期間を延長して交換の手間を省くことができ、使用勝手のよい揮散装置100を提供することができる。
(第2実施形態)
次に、揮散装置の第2実施形態について図2を参照して説明する。図2は本発明の第2実施形態である揮散装置200の縦断面図である。
図2に示されるように、揮散装置200は、使用時にその容器の開口部を上方に向けた状態で設置される所謂正立設置型揮散装置であり、収容体21と、揮散手段である吸液部材23と、を備えている。収容体21は、合成樹脂によって形成された収容体本体25と、蓋体27との組み合わせにより構成されている。収容体本体25は、外周部上端に雄ねじ25aが形成された有底の円筒状容器である。蓋体27は、中心に穴が設けられた穴付き円板形状に形成された上面27aを有し、その外周端に設けられたつば部の内周面には雌ねじ27bが形成されている。収容体21は、第1実施形態の収容体11と同様の材料により形成されている。
上面27aの穴には、収容体本体25の深さと同じ長さを有する円筒状内壁27cが上面27aから連続して形成され、更に円筒状内壁27cの半径方向外方に、円筒状内壁27cと同心且つ同じ長さを有する円筒状中壁27dが形成されている。円筒状内壁27cと円筒状中壁27dとの半径方向間隔は、吸液部材23の厚さと同じであり、吸液部材収容室29として機能し、吸液部材収容室29内に吸液部材23を収容可能である。また、吸液部材収容室29の図2において上方部分には、円筒状内壁27cと円筒状中壁27dとの間に掛け渡されて複数のリブ27eが形成されている。
円筒状内壁27cの内周面には、円筒状内壁27cの下端から僅か上方に位置して、円筒状内壁27cの穴を塞ぐように蓋部27fが円筒状内壁27cから連続して形成されており、蓋部27fには、複数の貫通穴である揮散穴27gが設けられている。円筒状内壁27cおよび円筒状中壁27dの蓋部27fより下方部分には、それぞれ、半径方向に貫通する複数の貫通孔27hが形成されている。また、円筒状内壁27cおよび円筒状中壁27dの下端それぞれと収容体本体25の底面25bとの間には間隙27jが形成されている。
そして、収容体本体25の雄ねじ25aに蓋体27の雌ねじ27bを螺合させて収容体21となる。蓋部27f、円筒状内壁27cおよび収容体本体25の底面25bで囲まれた空間は、揮散室31として作用する。
吸液部材23は、第1実施形態の吸液部材13と同様の材料により形成されており、形状のみが異なって円筒形状となっている。吸液部材23の外径および内径は、蓋体27の円筒状中壁27dの内径および円筒状内壁27cの外径と同じ寸法を有し、その高さ(長さ)H1は、リブ27e下方の吸液部材収容室29の長さと同じであり、吸い上げ可能高さ以下となっている。
そして、蓋体27の吸液部材収容室29内に吸液部材23を挿入して収容し、収容体本体25の雄ねじ25aに蓋体27の雌ねじ27bを螺合させた後、不図示の穴から適量の液体製剤15を収容体21内に注いで、揮散装置200を完成させる。このとき、吸液部材23は、リブ27eによって収容体本体25の内底面である底面25bに押圧されており、円筒状中壁27dと収容体本体25により形成され液体製剤15を収容する液体製剤収容室33と揮散室31とは吸液部材23によって隔離される。また、使用開始時における液体製剤15の液面高さH2は、吸液部材23の高さ(長さ)H1よりも高い。尚、図2に示される吸液部材23の高さH1ならびに使用開始時の液体製剤15の液面高さH2は、どちらも収容体21の底壁の厚みを含んだ、設置面からの高さで表されているが、収容体21の底面25b(即ち、内底面)からの高さであっても同様な関係であるということは言うまでもない。
この第2実施形態の構成を簡潔に述べると次のようになる。
液体製剤15を収容する液体製剤収容室33と、当該液体製剤収容室33の底面と連続するように形成された底面および揮散穴27g(即ち、開口部)を有する揮散室31と、を内部に備え、当該揮散穴27gを上方に向けて設置される収容体21(即ち、容器)と、
前記液体製剤収容室33の底面および前記揮散室31の底面(換言すれば、前記収容体21の底面)に当接して前記液体製剤収容室33と前記揮散室31とを隔離するように前記収容体21内に配置された吸液部材23(即ち、揮散手段)と、
を備え、
前記液体製剤収容室33内の前記液体製剤15が、前記吸液部材23により吸い上げられ、且つ前記吸液部材23の前記揮散室31側に形成された揮散面から前記揮散室31を通って前記揮散穴27gから前記収容体21の外部に揮散される揮散装置200であって、
前記吸液部材23の高さH1が、前記吸液部材23が前記液体製剤15を吸い上げ可能な高さ以下、且つ揮散装置200の使用開始時における前記収容体21内の前記液体製剤15の液面高さH2よりも低くなっている。
このような構成の揮散装置200は、液体製剤収容室33に収容された液体製剤15が円筒状中壁27dの貫通孔27hおよび円筒状中壁27d側の間隙27jから吸液部材23に染み込んで揮散し、そして当該揮散した気体状の液体製剤が、円筒状内壁27cの貫通孔27hおよび円筒状内壁27c側の間隙27jから揮散室31に入り、更に蓋部27fに形成された揮散穴27gから外部に揮散する。
この第2実施形態のその他の作用および効果については、第1実施形態の上記説明から容易に類推可能であるので説明を省略する。また、液体製剤15についても、第1実施形態の上記説明を参照することとし、説明を省略する。
尚、揮散穴27gは、蓋部27fに形成されたものに限定されず、例えば、吸液部材収容室29上方の上面27aに形成してもよく、或いは蓋部27fおよび吸液部材収容室29上方の上面27aの両方に形成するようにしてもよい。また、不使用時には、揮散装置200を上下逆に倒立させて、一時的に吸液部材23に対する液体製剤15の供給を停止させ、使用時には再び揮散装置200を正立設置させて揮散させることにより、必要時にのみ揮散させて液体製剤15を効率的に使用することができる。
(第3実施形態)
次に、本発明の揮散装置の第3実施形態を説明する。図3は本発明の第3実施形態である揮散装置300の縦断面図である。
図3に示されるように、揮散装置300は、使用時にその容器の開口部を上方に向けた状態で設置される所謂正立設置型揮散装置であり、収容体35と、揮散手段である吸液部材13と、を備えている。また、第3実施形態は、第1実施形態と多くの共通する部分を有しており、異なる部分としては、収容体35の構造のみであるため、第1実施形態と共通する部分については同一符号を付して明確化を図り説明を簡略化または省略する。
収容体35は、合成樹脂により形成された容器であり、断面略逆台形形状に形成されている。収容体35の上面35aには図3が描かれた紙面に対して垂直方向(換言すれば、図3の奥行き方向)の両端が外部に開放された略V字形の凹部37が形成され、その中心に吸液部材13を挿通させて配置する貫通穴35bが形成されている。吸液部材13は、吸液部材13と貫通穴35bとの隙間から液体製剤15が漏れ出さないように貫通穴35bにきつく挿入(圧入)されており、吸液部材13の一端13aは収容体35の内底面である底面35cに当接し、他端は貫通穴35bから凹部37に露出して揮散面13bとなっている。収容体35には、液体製剤15が収容されており、使用開始時における液体製剤15の高さH2は、吸液部材13の高さH1よりも高くなっている。尚、図3に示される吸液部材13の高さH1ならびに使用開始時の液体製剤15の液面高さH2は、どちらも収容体35の底壁の厚みを含んだ、設置面からの高さで表されているが、収容体35の底面35c(即ち、内底面)からの高さであっても同様な関係であるということは言うまでもない。
このような構成の揮散装置300においては、略V字形の凹部37に吸液部材13を配置したので、収容体35を大容量のものとしても、吸液部材13の高さH1を低くすることができ、液体製剤15の吸い上げ性能を向上させることができる。また、収容体35の形状は逆台形であるので、設置面積を大きくすることなく収容体35の大容量化が可能であり、安定して設置することができる。
この第3実施形態のその他の作用や効果については、第1実施形態および第2実施形態の上記説明から容易に類推可能であるため説明を省略する。
尚、収容体35の形状に関し、略V字形の凹部37の図3の奥行き方向の両端に側壁(不図示)をそれぞれ設けて凹部37の周囲を囲った逆四角錐体形状、或いは、凹部37の周囲を囲む壁を貫通穴35bの軸芯を中心として回転させたような逆円錐体形状としてもよい。これにより、凹部37を液溜り部として機能させて、万一、揮散量以上の量の液体製剤15が吸液部材13から吸い上げられても一時的に液溜り部(凹部37)に溜めておくことが可能となり、外部への流出が防止される。
尚、貫通穴35bを形成し且つ吸液部材13に外嵌する収容体35の円環状壁の下端周縁部が収容体35の底面35cに向かって下方に延設されているので、当該円環状壁の吸液部材13に接する面積がより小さい(換言すれば、円環状壁の長さがより短い)場合と比較して、吸液部材13の液体製剤15との接触面積が小さい分、吸液部材13への液体製剤15の過剰な供給が阻止され、液体製剤15の漏れが防止される。
また、揮散装置300は、不使用時には、揮散装置300を上下逆に倒立させて、一時的に吸液部材13に対する液体製剤15の供給を停止させ、使用時には再び揮散装置300を正立設置させて揮散させることにより、必要時にのみ揮散させて液体製剤15を効率的に使用することができる。
この第3実施形態の構成を簡潔に述べると次のようになる。
液体製剤15を収容し、貫通穴35b(即ち、開口部)を有し且つ当該貫通穴35bを上方に向けて設置される収容体35(即ち、容器)と、
前記貫通穴35bから前記収容体35に挿入され且つ、前記収容体35の底面35c(即ち、内底面)に当接するように前記収容体35内に配置された一端13aと前記収容体35の外部に露出するように配置された他端とを有する吸液部材13(即ち、揮散手段)と、
を備え、
前記収容体35内の前記液体製剤15が、前記吸液部材13により吸い上げられ、且つ前記吸液部材13の他端に形成された揮散面13bから揮散される揮散装置300であって、
前記吸液部材13の高さH1が、前記吸液部材13が前記液体製剤15を吸い上げ可能な高さ以下、且つ揮散装置300の使用開始時における前記収容体35内の前記液体製剤15の液面高さH2よりも低くなっている。
(第4実施形態)
次に、本発明の揮散装置の第4実施形態を説明する。図4は本発明の第4実施形態である揮散装置400の縦断面図である。
図4に示されるように、揮散装置400は、使用時にその容器の開口部を上方に向けた状態で設置される所謂正立設置型揮散装置であり、収容体41と、揮散手段である吸液部材13と、を備えている。また、第4実施形態は、第3実施形態と多くの共通する部分を有しており、異なる部分としては、収容体41の構造のみであるため、第3実施形態と共通する部分については同一符号を付して明確化を図り説明を簡略化または省略する。
収容体41は、合成樹脂により形成された断面略U字形の半円筒形容器であり、上面41aには断面略U字形の上面凹部41bが形成されている。上面凹部41bには、収容体41の重心Gを通る垂直線VLを中心とする貫通穴41cが設けられている。吸液部材13は、貫通穴41cに挿入され、その一端13aは収容体41の円弧状の内底面である底面41dに当接し、他端は貫通穴41cから外部に露出して揮散面13bを形成している。収容体41には、液体製剤15が収容され、使用開始時における液体製剤15の液面高さH2は、吸液部材13の高さH1よりも高くなっている。尚、図4に示される吸液部材13の高さH1ならびに使用開始時の液体製剤15の液面高さH2は、どちらも収容体41の底壁の厚みを含んだ、設置面からの高さで表されているが、収容体41の底面41d(即ち、内底面)からの高さであっても同様な関係であるということは言うまでもない。
液体製剤15が揮散して残量が少なくなると、液体製剤15は円弧状の底面41dに沿って最下部に集まり、吸液部材13の一端13aから吸い上げられて揮散面13bから揮散する。これにより、液体製剤15は最後の一滴まで無駄なく揮散されて有効に使用することができる。また、収容体41の底壁における底面41dの反対側に位置する外底面も円弧形状となっているので、加えられる振動等により収容体41が揺動することによって、液体製剤15が吸液部材13を濡らし、効率よく吸い上げられて揮散する。更に、揺動する収容体41は、楽しい装飾アクセサリとして室内に設置できる。
このような構成の揮散装置400においては、断面略U字形の上面凹部41bに吸液部材13を配置したので、収容体41を大容量のものとしても、吸液部材13の高さH1を低くすることができ、液体製剤15の吸い上げ性能を向上させることができる。また、収容体41の形状は断面略U字形の半円筒形であるので、設置面積を大きくすることなく収容体41の大容量化が可能である。
この第4実施形態のその他の作用および効果については、第1実施形態、第2実施形態および第3実施形態の上記説明から容易に類推可能であるので説明を省略する。
尚、収容体41の形状は、半円筒形に限定されず半球形状としてもよく、この場合、あらゆる方向に揺動することができ、装飾アクセサリとしての機能が高まる。また、この場合、上面凹部41bは液溜り部として機能するお椀状の窪みとなるので、万一、揮散量以上の量の液体製剤15が吸液部材13から吸い上げられても一時的に窪みに溜めておくことが可能となり、外部への流出が防止される。
また、揮散装置400は、不使用時には、揮散装置400を上下逆に倒立させて、一時的に吸液部材13に対する液体製剤15の供給を停止させ、使用時には再び揮散装置400を正立設置させて揮散させることにより、必要時にのみ揮散させて液体製剤15を効率的に使用することができる。
この第4実施形態の構成を簡潔に述べると次のようになる。
液体製剤15を収容し、貫通穴41c(即ち、開口部)を有し且つ当該貫通穴41cを上方に向けて設置される収容体41(即ち、容器)と、
前記貫通穴41cから前記収容体41に挿入され且つ、前記収容体41の底面41d(即ち、内底面)に当接するように前記収容体41内に配置された一端13aと前記収容体41の外部に露出するように配置された他端とを有する吸液部材13(即ち、揮散手段)と、
を備え、
前記収容体41内の前記液体製剤15が、前記吸液部材13により吸い上げられ、且つ前記吸液部材13の他端に形成された揮散面13bから揮散される揮散装置400であって、
前記吸液部材13の高さH1が、前記吸液部材13が前記液体製剤15を吸い上げ可能な高さ以下、且つ揮散装置400の使用開始時における前記収容体41内の前記液体製剤15の液面高さH2よりも低くなっている。
(第5実施形態)
次に、本発明の揮散装置の第5実施形態を説明する。図5は本発明の第5実施形態である揮散装置500の縦断面図である。
図5に示されるように、揮散装置500は、使用時にその容器の開口部を上方に向けた状態で設置される所謂正立設置型揮散装置であり、収容体51と、揮散手段である吸液部材53と、を備えている。収容体51は、合成樹脂により形成された断面略コの字形の容器であり、収容室の下部51bと、この収容室の下部51bから上方に連続して形成され且つ収容体51の開口部51f上に位置するように一側方に連続して延設された収容室の上部51cと、を有する。収容室の下部51bには隔壁51dが形成され、これにより独立した吸液部材収容室55が設けられており、ここに吸液部材53が収容されている。隔壁51dには、収容室の下部51bと吸液部材収容室55とを連通させるように収容体51の底面51a上に沿って延びる小径穴51eが形成されている。また、吸液部材収容室55には、上方に開放された開口部51fが設けられている。
吸液部材53に対する液体製剤15の過剰な供給を制限するため、小径穴51eは限りなく小径とするか、或いは、限りなく幅の狭いスリット穴とするのが望ましい。尚、図5において、隔壁51dは収容室の下部51b内に張り出して設けられているが、収容室の下部51bの左側壁をそのまま下方に延設させて、収容室の下部51b内への張出しのない形状としてもよいことは言うまでもない。
吸液部材53は、第1実施形態から第4実施形態の吸液部材と同様に製作され、形状のみが異なる平板状に形成されている。吸液部材53の大きさは吸液部材収容室55の大きさより僅かに大きく設定されている。吸液部材53は、開口部51fから挿入されて吸液部材収容室55内に押し込まれ、水平状態にされて、吸液部材53と開口部51fとの間に隙間を無くすように配置されている。これにより、収容体51内に収容された液体製剤15は、開口部51fから漏れ出すことはない。吸液部材53の一端は収容体51の底面51aに当接するように配置され且つ吸液部材53の他端(揮散面)は開口部51fから収容体51の外部に露出するように配置されている。
吸液部材53は収容体51内の最下部に配置されているので、吸液部材53の高さH1は、使用開始時の液体製剤15の液面高さH2よりも低い。従って、液体製剤15は全量を吸液部材53に染み込ませて揮散させることができ、収容体51内に液体製剤15が残ることはない。また、従来の揮散装置のように、揮散シートを揮散装置と別に配置する必要がなく、取り扱いが容易となる。尚、図5に示される吸液部材53の高さH1ならびに使用開始時の液体製剤15の液面高さH2は、どちらも収容体51の底壁の厚みを含んだ、設置面からの高さで表されているが、収容体51の内底面からの高さであっても同様な関係であるということは言うまでもない。
第5実施形態のその他の部分については、第1実施形態と同様であるので、同一部分については同一符号または相当符号を付して説明を省略する。また、この第6実施形態のその他の作用および効果については、第1実施形態、第2実施形態、第3実施形態および第4実施形態の上記説明から容易に類推可能であるので説明を省略する。
また、吸液部材53に代えて開口部51fを覆うように微多孔シート(不図示)を設け、吸液部材収容室55内の液体製剤15を微多孔シートを介して外部に揮散させるようにすることもできる。
尚、本明細書において、微多孔シートとは、気体は通過可能であるが、液体の通過は阻止する極めて微細な穴が多数形成されたシート状部材(シート或いはフィルムなど)と定義され、後述する第6実施形態および第7実施形態の微多孔シートも同様の特性を有するシート状部材である。
また、揮散装置500は、不使用時には、揮散装置500を上下逆に倒立させて、一時的に吸液部材53に対する液体製剤15の供給を停止させ、使用時には再び揮散装置500を正立設置させて揮散させることにより、必要時にのみ揮散させて液体製剤15を効率的に使用することができる。
この第5実施形態の構成を簡潔に述べると次のようになる。
液体製剤15を収容し、開口部51fを有し且つ当該開口部51fを上方に向けて設置される収容体51(即ち、容器)と、
前記開口部51fから前記収容体51に挿入され且つ、前記収容体51の底面51a(即ち、内底面)に当接するように前記収容体51内に配置された一端と前記収容体51の外部に露出するように配置された他端とを有する吸液部材53(即ち、揮散手段)と、
を備え、
前記収容体51内の前記液体製剤15が、前記吸液部材53により吸い上げられ、且つ前記吸液部材53の他端に形成された揮散面から揮散される揮散装置500であって、
前記吸液部材53の高さH1が、前記吸液部材53が前記液体製剤15を吸い上げ可能な高さ以下、且つ揮散装置500の使用開始時における前記収容体51内の前記液体製剤15の液面高さH2よりも低くなっている。
(第6実施形態)
次に、本発明の揮散装置の第6実施形態を説明する。図6は本発明の第6実施形態である揮散装置600の縦断面図である。
揮散装置600は、使用時にその容器の開口部を下方に向けた状態で設置される所謂倒立設置型揮散装置であり、収容体61と、揮散手段である微多孔シート63と、を備えている。収容体61は、液体製剤15を収容するための合成樹脂で形成された円筒状容器であり、収容体61の開口部に荷重軽減機構の一例である蓋体61aが固着され、一体に形成されている。この蓋体61aには複数の小径の貫通穴61bが形成されている。また、蓋体61aからは下方に凸設された少なくとも3つの脚部61cが設けられており、これにより蓋体61aは揮散装置600の設置面65から離間し、各脚部61cの間に形成された空間を介して貫通穴61bが揮散装置600の外部と連通するようになっている。
微多孔シート63は、気体は通過可能であるが、液体の通過は阻止する極めて微細な穴が多数形成されたシート状部材であり、蓋体61aの内側に配設されて貫通穴61bを覆っている。微多孔シート63は、少なくとも外周辺が全周に亘って蓋体61aに接着、溶着、等により隙間のないように固着されており、液体製剤15が微多孔シート63の外周辺から漏れるのを防止している。尚、液体製剤15については、第1実施形態の上記説明を参照することとし、説明を省略する。
微多孔シート63には、収容体61に収容された液体製剤15による荷重(液圧)が作用するが、微多孔シート63は貫通穴61bが設けられた蓋体61aによって支持されているので、液体製剤15による荷重(液圧)の一部は蓋体61aによって受けられ、大量の液体製剤15を収容体61に収容しても、その重量により微多孔シート63に損傷を与える虞はない。従って、揮散装置600を大容量化することができる。
揮散装置600は、使用時に貫通穴61bを下に向けて倒立状態で設置され、微多孔シート63の上方に液体製剤15が収容されるので、使用時において、常に微多孔シート63は液体製剤15の液面より低く、液体製剤15は常に微多孔シート63に接触している。従って、収容体61に収容された全量の液体製剤15が微多孔シート63を介して揮散し、外部に放出される。このとき、収容体61の開口部は微多孔シート63により密封されているので漏れることはない。また、この形態の揮散装置600は、第1実施形態〜第5実施形態において述べた吸い上げ式の吸液部材を用いる必要がないので構造が簡単となり、また液体製剤15を全て揮散させることができる。
また、揮散装置600は、不使用時には、揮散装置600を上下逆に正立させて、一時的に微多孔シート63と液体製剤15とを非接触にして微多孔シート63に対する液体製剤15の供給を停止させ、使用時には再び揮散装置600を倒立設置して揮散させることにより、必要時にのみ揮散させて液体製剤15を効率的に使用することができる。
尚、揮散装置600は、設置型に限定されるものではなく、例えば、収容体61の上部または周壁の一部に掛け具(不図示)を配置して室内の壁などに掛けて使用するようにしてもよい。或いは、脚部61cを設けず、代わりに揮散装置600を傾けて設置可能とする支持脚(不図示)を収容体61の周壁の一部に設け、傾けられて外部に開放された蓋体61aから揮散させるようにすることも可能である。
この第6実施形態の構成を簡潔に述べると次のようになる。
開口部を有し且つ液体製剤15を収容する収容体61(即ち、容器)と、前記開口部を塞ぐように前記開口部に設けられた微多孔シート63と、を備え、使用時に前記収容体61の前記開口部を下方に向けて前記収容体61が設置され、前記微多孔シート63から前記液体製剤15が前記収容体61の外部に揮散される揮散装置600であって、
更に、前記微多孔シート63を覆うように前記収容体61に装着された、複数の貫通穴61bを有する蓋体61aを備え、
前記液体製剤15の液圧が作用する前記微多孔シート63が、前記蓋体61aによって支持されるように、前記蓋体61aの前記収容体61側の面に密着するように配置されている。
つまり、前記微多孔シート63には、前記液体製剤15の液圧により前記微多孔シート63にかかる荷重を軽減させる荷重軽減機構(即ち、蓋体61a)が付設されている。
揮散装置600によれば、液体製剤15を収容する容器(収容体)61の開口部に、複数の貫通穴61bが形成された蓋体61aを装着する。蓋体61aの内側には、微多孔シート63が密着して配置されており、使用時に開口部(即ち、蓋体61a)を下方に向けて容器61を設置して、液体製剤15を微多孔シート63から外部に揮散させることにより、液体製剤15の液圧を蓋体61aによって受けて、微多孔シート63に作用する液体製剤15の液圧による微多孔シート63の破損を防止することができる。従って、吸液部材等の揮散手段を用いる必要がなく、簡単な機構で液体製剤15を最後まで使い切ることができる。尚、収容体61の上部に開閉可能な開閉蓋を設けて液体製剤15の補充を可能とし、ここで述べた蓋体61aを収容体61の底部となるように一体に形成してもよいことは言うまでもない。
(第7実施形態)
次に、本発明の揮散装置の第7実施形態を説明する。図7は本発明の第7実施形態である揮散装置700の縦断面図である。
揮散装置700は、使用時にその容器の開口部を下方に向けた状態で設置される所謂倒立設置型揮散装置であり、収容体71と、揮散手段である微多孔シート63と、を備えている。収容体71は、内周面下部に開口部71aを有するリング状突起部71bが形成された合成樹脂製の円筒形状容器であり、リング状突起部71bに微多孔シート63がその全周に亘って固着されている。収容体71の微多孔シート63より内側には、収容体71の内周面に形成されたリング板状の第1支持部71c、および第1支持部71cから立設する複数本の脚部71dに連結され第1支持部71cの上方に配置された円盤状の第2支持部71eが設けられている。
第1支持部71cと第2支持部71eとの間には、供給量制限手段である供給量制限シート73が接着等により固着されている。これら第1支持部71c、第2支持部71eおよび供給量制限シート73により荷重軽減機構が構成されている。供給量制限シート73は、微多孔シート63から揮散する液体製剤15の揮散量よりも少ない量の液体製剤15を通過させるシート状部材であり、使用時には荷重軽減機構の上方に液体製剤15が収容されるので、微多孔シート63は常に液体製剤15の液面より低くなっている。
これにより、収容体71に収容された液体製剤15は、ごく少量ずつ供給量制限シート73から微多孔シート63に滴下して供給され、微多孔シート63において揮散して外部に揮散される。供給量制限手段である供給量制限シート73は、微多孔シート63から揮散する液体製剤15の揮散量よりも少ない量の液体製剤15を微多孔シート63に供給するので、液状の液体製剤15が微多孔シート63上に溜まる一方となることはなく、従って、大きな液圧も作用しない。
この第7実施形態のその他の部分については、第6実施形態と同様であるので、同一部分については同一符号または相当符号を付して説明を省略する。また、この第7実施形態のその他の作用および効果については、第6実施形態の上記説明から容易に類推可能であるので説明を省略する。また、液体製剤15についても、第1実施形態の上記説明を参照することとし、説明を省略する。
また、揮散装置700は、不使用時には、揮散装置700を上下逆に正立させて、一時的に供給量制限シート73と液体製剤15とを非接触にして微多孔シート63に対する液体製剤15の供給を停止させ、使用時には再び揮散装置700を倒立設置して揮散させることにより、必要時にのみ揮散させて液体製剤15を効率的に使用することができる。
この第7実施形態の構成を簡潔に述べると次のようになる。
開口部を有し且つ液体製剤15を収容する収容体71(即ち、容器)と、前記開口部を塞ぐように前記開口部に設けられた微多孔シート63と、を備え、使用時に前記収容体71の前記開口部を下方に向けて前記収容体71が設置され、前記微多孔シート63から前記液体製剤15が前記収容体71の外部に揮散される揮散装置700であって、
更に、前記液体製剤15の液圧により前記微多孔シート63にかかる荷重を軽減させる荷重軽減機構(即ち、第1支持部71c、第2支持部71eおよび供給量制限シート73)が設けられている。
より詳細には、揮散装置700が、前記収容体71の内部を仕切るように前記収容体71の前記微多孔シート63よりも前記使用時上側に配置され、前記微多孔シート63から前記収容体71の外部に揮散する前記液体製剤15の揮散量よりも少ない量の前記液体製剤15を透過させて前記微多孔シート63に供給する供給量制限手段(即ち、供給量制限シート)73を備え、
前記供給量制限手段73により前記収容体71内の前記液体製剤15の一部の荷重が前記微多孔シート63に掛けられるように構成されている。
揮散装置700によれば、液体製剤15を収容する容器(収容体)71の開口部71aに微多孔シート63を配置すると共に、微多孔シート63の容器71内部側に、微多孔シート63から揮散する液体製剤15の揮散量よりも少ない量の液体製剤15を通過させて微多孔シート63に供給する供給量制限手段(供給量制限シート)73を設けたので、液体製剤15は少量ずつ供給量制限手段73から微多孔シート63に供給されて揮散する。これにより、微多孔シート63には、容器71内に収容された液体製剤15全体の液圧が直接作用することはなく、液圧による微多孔シート63の損傷を防止することができる。また、液体製剤15は少量ずつ微多孔シート63に供給されるので、使用期間を長期化することができる。
尚、供給量制限手段は、供給量制限シート73に限定されず、微多孔シート63から揮散する液体製剤15の揮散量よりも少ない量の液体製剤15を供給可能なものであればどのような形態のものであってもよく、例えば、複数本の脚部71dの代わりに、第1支持部71cと第2支持部71eとの間を全周に亘って連続する円環状側壁で閉鎖し、第1支持部71c、第2支持部71e、或いは円環状側壁の何れかに、微多孔シート63からの揮散量よりも少ない量の液体製剤15を通過させる小穴または間隙を設けて供給量制限手段としてもよい。
尚、揮散装置700は、第6実施形態の揮散装置600と同様に、設置型に限定されるものではなく、例えば、収容体71の上部または周壁の一部に掛け具(不図示)を配置して室内の壁などに掛けて使用するようにしてもよい。或いは、揮散装置700を傾けて設置可能とする支持脚(図示せず)を収容体71の周壁の一部に設け、傾けられて外部に開放された微多孔シート63から揮散させるようにすることも可能である。
(第8実施形態)
次に、本発明の揮散装置の第8実施形態を説明する。図8は本発明の第8実施形態である揮散装置800の縦断面図である。
揮散装置800は、使用時にその容器の開口部を上方に向けた状態で設置される所謂正立設置型揮散装置であり、収容体81と、開閉弁83と、揮散手段である吸液部材13と、を備えている。収容体81は、合成樹脂により形成された容器であり、隔壁81aにより上下方向に分割されて上部収容室85と下部収容室87の2つの収容室が設けられている。下部収容室87の容積は、上部収容室85の容積より遥かに大きな容積を有し、多量の液体製剤15を収容可能となっている。上部収容室85の上面81bには、上方に開放された貫通穴81cが形成され、棒状に形成された吸液部材13が挿入されている。吸液部材13の一端13aは上部収容室85の底面、換言すれば隔壁81aの上面に当接し、他端は貫通穴81cから上部収容室85の外部に露出して揮散面13bを形成している。
開閉弁83は、隔壁81aに円錐状穴として形成され弁穴81eを有する弁座81dと、弁座81dに離接して弁穴81eを開閉する弁体であるボール89とから構成されており、揮散装置800を正立状態で設置したとき(換言すれば、上部収容室85を上にして設置したとき)、ボール89が重力により弁座81dに当接して弁穴81eを閉じる。 また、ボール89が弁座81dから離間し過ぎてボール89が弁座81dに着座しなくなることがないように、紐などの柔軟体を用いてボール89を弁座81dに連結することにより、ボール89の移動範囲を限定するようにしてもよい。これにより、ボール89を確実に弁座81dに当接させて弁穴81eを閉じることができる。
揮散装置800は、上記のように構成され、使用に際しては、先ず、収容体81を上下逆にして弁座81dからボール89を離間させて弁穴81eを開き、下部収容室87に収容されている液体製剤15の一部を上部収容室85に移動させる。そして、再び収容体81を回転させて正規の設置方向を向いた正立姿勢とする。これにより、ボール89は弁座81dに当接して開閉弁83が閉じられる。そして、上部収容室85に収容された液体製剤15は、吸液部材13により吸い上げられて揮散面13bから外部に揮散する。
吸液部材13の高さH1は、比較的浅い上部収容室85内の液体製剤15を吸い上げられればよいので、揮散装置800の容量が大容量であっても低く(短く)することができ、液体製剤15を効率よく吸い上げて揮散させることができる。尚、図8に示される吸液部材13の高さH1ならびに上部収容室85内の液体製剤15の液面高さH2は、どちらも収容体81の隔壁81aの厚みを含んだ、隔壁81aの下面からの高さで表されているが、隔壁81aの上面からの高さであっても、吸液部材13の高さH1が液体製剤15の液面高さH2よりも高い。この点は、上述した第1実施形態〜第5実施形態(即ち、図1〜図5)と異なっているが、揮散装置800は、その下部収容室87内に吸液部材13の高さH1よりも高い液面を有する大量の液体製剤15を収容できるので好ましい。尚、吸液部材13自体の長さは、揮散装置800の使用開始時における下部収容室87内の液体製剤15の液面高さよりも短くなっている。
第8実施形態のその他の部分については、第1実施形態と同様であるので、同一部分については同一符号または相当符号を付して説明を省略する。また、この第8実施形態のその他の作用および効果については、第1実施形態、第2実施形態、第3実施形態、第4実施形態および第5実施形態の上記説明から容易に類推可能であるので説明を省略する。
この第8実施形態の構成を簡潔に述べると次のようになる。
液体製剤15を収容する収容体81(即ち、容器)と、
当該収容体81内に前記液体製剤15を収容するための上部収容室85および下部収容室87がそれぞれ形成されるように前記収容体81の内部を上下に分割し且つ、前記上部収容室85と前記下部収容室87とを連通させる弁穴81eを有する弁座81dを備えた隔壁81aと、
前記上部収容室85と前記収容体81の外部とを連通させるように前記収容体81の前記上部収容室85側に形成された貫通穴81c(即ち、開口部)と、
前記上部収容室85内に位置し且つ前記弁座81dに離接して前記弁穴81eを開閉するボール89(即ち、弁体)と、
前記貫通穴81cから前記収容体81に挿入され且つ、前記隔壁81aの前記上部収容室85側の面に当接するように前記上部収容室85内に配置された一端13aと前記収容体81の外部に露出するように配置され且つ揮散面13bが形成された他端とを有する吸液部材13(即ち、揮散手段)と、
を備える揮散装置800であって、
使用時に前記収容体81の上下を逆にして前記弁座81dから前記ボール89を離間させて前記弁穴81eを開き、前記下部収容室87に収容された前記液体製剤15の一部を前記上部収容室85に移動させた後、再び前記収容体81の上下を逆にして正立姿勢とし、前記上部収容室85に収容された前記液体製剤15を前記吸液部材13で吸い上げて前記揮散面13bから前記収容体81の外部に揮散させる。
本実施形態の揮散装置800によれば、開閉弁83を有する隔壁81aにより上下に分割され液体製剤15を収容する2つの収容室85、87が形成されており、上部収容室85には揮散手段(吸液部材)13が配設されている。揮散手段(吸液部材)13の一端13aは隔壁81aの底面に当接し、他端に形成された揮散面13bは上部収容室85の開口部81cから外部に露出して配置される。そして使用時に、揮散装置800を上下逆にして下部収容室87に収容されていた液体製剤15の一部を上部収容室85に移動させた後、揮散装置800を正立姿勢に戻して上部収容室85に収容された液体製剤15を揮散手段13で吸い上げて揮散面13bから外部に揮散させる。
これにより、必要量の液体製剤15を使用の都度、下部収容室87から上部収容室85に移動させて、液体製剤15を必要量ずつ分割して揮散させることができ、液体製剤15を無駄なく揮散させることができる。また、大量の液体製剤15を下部収容室87に収容しておき、その一部を小さな上部収容室85に移動させて揮散させるので、揮散手段13を小型化できると共に、揮散手段の長さを短くでき、効率的に揮散させることができる。
尚、本発明は、前述した各実施形態に限定されるものではなく、適宜、変形、改良、等が可能である。その他、前述した各実施形態における各構成要素の材質、形状、寸法、数値、形態、数、配置箇所、等は本発明を達成できるものであれば任意であり、限定されない。また、本発明の各実施形態において述べた各要素は、単独、若しくは2つ以上の要素を組み合わせて用いることができ、各実施形態において記載したそれぞれの要素と同様の効果を奏する。
本発明の第1実施形態である揮散装置の縦断面図である。 本発明の第2実施形態である揮散装置の縦断面図である。 本発明の第3実施形態である揮散装置の縦断面図である。 本発明の第4実施形態である揮散装置の縦断面図である。 本発明の第5実施形態である揮散装置の縦断面図である。 本発明の第6実施形態である揮散装置の縦断面図である。 本発明の第7実施形態である揮散装置の縦断面図である。 本発明の第8実施形態である揮散装置の縦断面図である。
符号の説明
100 揮散装置
200 揮散装置
300 揮散装置
400 揮散装置
500 揮散装置
600 揮散装置
700 揮散装置
800 揮散装置
11 収容体(容器)
11c 開口部
11d 第1底面(容器の内底面)
13 吸液部材(揮散手段)
13a 吸液部材の一端
13b 揮散面(吸液部材の他端)
15 液体製剤
21 収容体(容器)
35 収容体(容器)
35b 貫通穴(開口部)
41 収容体(容器)
41c 貫通穴(開口部)
51 収容体(容器)
61 収容体(容器)
61a 蓋体
61b 貫通穴
63 微多孔シート(揮散手段)
71 収容体(容器)
73 供給量制限シート(供給量制限手段)
81 収容体(容器)
81a 隔壁
81c 貫通穴(開口部)
81d 弁座
81e 弁穴
85 上部収容室
87 下部収容室
89 ボール(弁体)
H1 揮散手段の高さ
H2 液体製剤の液面高さ

Claims (6)

  1. 液体製剤を収容し、開口部を有し且つ当該開口部を上方に向けて設置される容器と、
    前記開口部から前記容器に挿入され且つ、前記容器の内底面に当接するように前記容器内に配置された一端と前記容器の外部に露出するように配置された他端とを有する揮散手段と、
    を備え、
    前記容器内の前記液体製剤が、前記揮散手段により吸い上げられ、且つ前記揮散手段の他端に形成された揮散面から揮散される揮散装置であって、
    前記揮散手段の高さが、前記揮散手段が前記液体製剤を吸い上げ可能な高さ以下、且つ揮散装置の使用開始時における前記容器内の前記液体製剤の液面高さよりも低くなっていることを特徴とする揮散装置。
  2. 液体製剤を収容する液体製剤収容室と、当該液体製剤収容室の底面と連続するように形成された底面および開口部を有する揮散室と、を内部に備え、当該開口部を上方に向けて設置される容器と、
    前記液体製剤収容室の底面および前記揮散室の底面に当接して前記液体製剤収容室と前記揮散室とを隔離するように前記容器内に配置された揮散手段と、
    を備え、
    前記液体製剤収容室内の前記液体製剤が、前記揮散手段により吸い上げられ、且つ前記揮散手段の前記揮散室側に形成された揮散面から前記揮散室を通って前記開口部から前記容器の外部に揮散される揮散装置であって、
    前記揮散手段の高さが、前記揮散手段が前記液体製剤を吸い上げ可能な高さ以下、且つ揮散装置の使用開始時における前記容器内の前記液体製剤の液面高さよりも低くなっていることを特徴とする揮散装置。
  3. 開口部を有し且つ液体製剤を収容する容器と、前記開口部を塞ぐように前記開口部に設けられた微多孔シートと、を備え、使用時に前記容器の前記開口部を下方に向けて前記容器が設置され、前記微多孔シートから前記液体製剤が前記容器の外部に揮散される揮散装置であって、
    更に、前記液体製剤の液圧により前記微多孔シートにかかる荷重を軽減させる荷重軽減機構を備えていることを特徴とする揮散装置。
  4. 開口部を有し且つ液体製剤を収容する容器と、前記開口部を塞ぐように前記開口部に設けられた微多孔シートと、を備え、使用時に前記容器の前記開口部を下方に向けて前記容器が設置され、前記微多孔シートから前記液体製剤が前記容器の外部に揮散される揮散装置であって、
    更に、前記微多孔シートを覆うように前記容器に装着された、複数の貫通穴を有する蓋体を備え、
    前記液体製剤の液圧が作用する前記微多孔シートが、前記蓋体によって支持されるように、前記蓋体の前記容器側の面に密着するように配置されていることを特徴とする揮散装置。
  5. 開口部を有し且つ液体製剤を収容する容器と、前記開口部を塞ぐように前記開口部に設けられた微多孔シートと、を備え、使用時に前記容器の前記開口部を下方に向けて前記容器が設置され、前記微多孔シートから前記液体製剤が前記容器の外部に揮散される揮散装置であって、
    更に、前記容器の内部を仕切るように前記容器の前記微多孔シートよりも前記使用時上側に配置され、前記微多孔シートから前記容器の外部に揮散する前記液体製剤の揮散量よりも少ない量の前記液体製剤を透過させて前記微多孔シートに供給する供給量制限手段を備え、
    前記供給量制限手段により前記容器内の前記液体製剤の一部の荷重が前記微多孔シートに掛けられるように構成されていることを特徴とする揮散装置。
  6. 液体製剤を収容する容器と、
    当該容器内に前記液体製剤を収容するための上部収容室および下部収容室がそれぞれ形成されるように前記容器の内部を上下に分割し且つ、前記上部収容室と前記下部収容室とを連通させる弁穴を有する弁座を備えた隔壁と、
    前記上部収容室と前記容器の外部とを連通させるように前記容器の前記上部収容室側に形成された開口部と、
    前記上部収容室内に位置し且つ前記弁座に離接して前記弁穴を開閉する弁体と、
    前記開口部から前記容器に挿入され且つ、前記隔壁の前記上部収容室側の面に当接するように前記上部収容室内に配置された一端と前記容器の外部に露出するように配置され且つ揮散面が形成された他端とを有する揮散手段と、
    を備える揮散装置であって、
    使用時に前記容器の上下を逆にして前記弁座から前記弁体を離間させて前記弁穴を開き、前記下部収容室に収容された前記液体製剤の一部を前記上部収容室に移動させた後、再び前記容器の上下を逆にして正立姿勢とし、前記上部収容室に収容された前記液体製剤を前記揮散手段で吸い上げて前記揮散面から前記容器の外部に揮散させることを特徴とする揮散装置。
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