JP2005321608A - 光学素子接合方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 第1の光学素子2を移動自在に支持された第1の保持部4に保持させると共に、第2の光学素子3を第2の保持部6に保持させる保持工程と、両光学素子2、3を互いの対向面同士が合うように所定量押し込んだ状態で密着させる密着工程と、該密着工程後、第1の保持部4を固定して、両光学素子2、3の互いの対向面同士が密着する位置関係を決定する固定工程と、該固定工程後、両光学素子2、3を離間させる離間工程と、該離間工程後、両光学素子2、3の少なくともどちらか一方の対向面に接着剤Aを塗布する塗布工程と、該塗布工程後、所望する接着剤Aの膜厚に応じて、両光学素子2、3を接着剤Aを間に挟んだ状態で近接させ、両光学素子2、3を接着する接着工程とを備えている光学素子接合方法を提供する。
【選択図】 図1
Description
る光学素子接合方法に関するものである。
この撮像素子の光軸合わせの方法は、例えば、図18に示すように、第1の光学素子である撮像素子(パッケージ全体)100に対して、第2の光学素子である平面レンズ101を接着剤等により撮像素子100の上面に固定(図中に示す矢印)する工程に関するものである。なお、図18における符号102は、撮像素子100内の光を感じる有効画素面を示している。
そのため、上記特許文献1記載の光軸合わせの方法においては、有効画素面102の中心と、平面レンズ101の中心とをそれぞれ画像処理により検出し、お互いの中心をロボット等により一致させるように撮像素子100と平面レンズ101との組み立て(接合)を行っている。
また、同時に、撮像素子100の有効画素エッジラインの角度ズレの補正を行いながら有効画素枠の中心を演算により求めることで、光学中心のみならず、有効画素面102の角度ズレを補正しながら組み立てを行っている。
この状態において、画像処理により撮像素子100の有効画素面102の中心位置を検出したとしても、図21に示すように、中心位置が精度良く検出できないばかりでなく、撮像素子100と平面レンズ101との間の接着層104が均一とならず、平面レンズ101に対して有効画素面102が傾いてしまう。従って、撮像素子100と平面レンズ101とを組み立てて製品にしたときに、画像全体にピントが合わない等の不具合が生じ、良好な画質が確保されない恐れがあった。
即ち、通常CCD110は、図22に示すように、有効画素面111を保護するため、該有効画素面111の上面にガラス層112が設けられている。ところが、このガラス層112は、厚みが正確ではなく場所によって異なり、例えば、くさび状になる場合がある。このため、ガラス層112の上面が、平面レンズ101に対して平行とならない場合がある、従って、図23に示すように、やはり接着層104が不均一となる恐れがあった。なお、図22及び図23においては、ガラス層104の厚みが極端に異なりくさび状になっている状態を示している。
この特許文献2に記載の面合わせ装置は、第1の光学素子(第1の被処理物)を固定するクランプ部と、一方の面にクランプ部を備え、一方の面の反対側に凸状の半球面を備えた凸球ブロックと、該凸球ブロックの半球面を受けて凸球ブロックを回転自在に保持する凹状部を備えたベースブロックと、第2の光学素子(第2の被処理物)の接合面を第1の光学素子の接合面に押圧する押圧手段と、ベースブロックを弾性的に支持する緩衝手段とを備えている。
ここで、光学素子同士を接合して光学部品を作製するには、通常接着剤等を使用して光学素子を接合させる必要がある。この際、この接着剤は、光学部品の強度、即ち、両光学素子の接着強度を決定するものであり、また、両光学素子の間に介在しているため画像等の光学系に影響を与えるものである。従って、接着剤の膜厚を所定の膜厚にすることが重要とされている。
ところが、上記特許文献2記載の面合わせ装置においては、光学素子の接合面同士を合わせることが可能であるが、その後、膜厚を所定の厚さに調整しながら両光学素子を接合することは困難なものであった。
例えば、光学素子同士を接合させた光学部品である複合レンズを内視鏡に適用する場合、この内視鏡は高圧、高温下で滅菌(オートクレーブ滅菌)、即ち、所定の温度、圧力の飽和水蒸気で加熱することで微生物等を殺菌する必要がある。この際、上述したように、接着剤の膜厚が不均一な状態であると、光学素子同士の接着が剥離してしまう可能性があり、これにより干渉縞等が発生し、撮像した内視鏡画像に影響を与える恐れがあった。
請求項1に係る発明は、第1の光学素子と第2の光学素子とを、接着剤により接合する光学素子接合方法であって、前記第1の光学素子を移動自在に支持された第1の保持部に保持させると共に、前記第2の光学素子を第2の保持部に保持させる保持工程と、前記第1の光学素子と前記第2の光学素子とを、互いの対向面同士が合うように当接させると共に該当接状態からさらに所定量押し込んだ状態で密着させる密着工程と、該密着工程後、前記第1の保持部を固定して、前記第1の光学素子及び前記第2の光学素子の互いの対向面同士が密着する位置関係を決定する固定工程と、該固定工程後、前記第1の光学素子と前記第2の光学素子とを離間させる離間工程と、該離間工程後、前記第1の光学素子又は前記第2の光学素子の少なくともどちらか一方の対向面に前記接着剤を塗布する塗布工程と、該塗布工程後、所望する前記接着剤の膜厚に応じて、前記第1の光学素子と前記第2の光学素子とを接着剤を間に挟んだ状態で近接させ、両光学素子を接着する接着工程とを備えている光学素子接合方法を提供する。
上述したように、両光学素子の対向面同士を倣わせると共に接着剤の膜厚を均一にした状態で両光学素子を接合することができる。従って、接着強度の向上を図ることができると共に、光学系への影響を低減することができる。
この光学素子接合装置1は、図1に示すように、両凸レンズ(第1の光学素子)2と凹凸レンズ(第2の光学素子)3とを一旦密着させて、互いの対向面同士、即ち、両凸レンズ2の凸面2aと凹凸レンズ3の凹面3aとが密着する位置関係を決定した後、両レンズ2、3を離間させて少なくとも凸面2a又は凹面3aのどちらか一方に接着剤Aを塗布し、その後、両レンズ2、3を接着剤Aを間に挟んだ状態で近接させ、両レンズ2、3を接着して接合するものである。
また、上記第2の接合ヤトイ6は、図1に示すように、第1の接合ヤトイ4と同様の材料により同一サイズ、同一形状に形成されている。即ち、第2の接合ヤトイ6は、基台部16、突出部17及びテーパ部18を有している。また、上記凹凸レンズ3は、凹面3aが露出するように、テーパ部18に保持されるようになっている。この際、凹凸レンズ3の光軸は、上述したと同様にテーパ部18の中心軸Bと合うように保持される。
即ち、XYZステージ5は、図1に示すように、基台20上に固定されたZ軸受部21、該Z軸受部21内をZ軸方向に移動可能なZ軸可動部22、該Z軸可動部22の上部に設けられたXY軸受部23及び該XY軸受部23の上面に設けられてXY方向に移動可能なXY軸可動部24を備えている。
上記Z軸受部21は、例えば、断面四角状に形成されており、Z軸可動部22を周囲から囲むようになっている。Z軸可動部22は、Z軸受部21内を移動可能な四角柱状に形成されている。XY軸受部23及びXY軸可動部24は、断面四角状に形成されており、該XY軸可動部24の上面に上記第1の接合ヤトイ4が載置されるようになっている。なお、第1の接合ヤトイ4をXY軸可動部24の上面に載置したときに、基台部13の下面と上記基台20の上面とが平行になるように調整されている。
また、XYZステージ5は、Z軸受部21とZ軸可動部22との間、XY軸受部23とXY軸可動部24との間のそれぞれに空気を供給すると共に供給した空気を吸引可能な図示しない空気ポンプを備えている。この空気ポンプにより、空気を供給することでZ軸可動部22及びXY軸可動部24をそれぞれ移動自在にすると共に、空気を吸引することでZ軸可動部22及びXY軸可動部24を移動した位置で固定できるようになっている。
また、制御部8は、両凸レンズ2と凹凸レンズ3とを近接させる際に、所望する接着剤Aの膜厚に応じて移動テーブル7aの移動量を制御するようになっている。この場合も上述したと同様に、入力部で移動量を入力することで、移動テーブル7aの制御を行うようになっている。
上記紫外線照射手段10は、移動可能な照射アーム10aを有しており、その先端から紫外線Lを照射できるようになっている。この照射アーム10aは、上記吐出アーム9aと同様に制御部8によって制御されるようになっている。
なお、本実施形態においては、第1の接合ヤトイ4及び第2の接合ヤトイ6を、それぞれXY軸可動部24の上面及び移動テーブル7aの下面に取り付け際に、予めそれぞれの中心軸Bが略同一軸線上に並ぶように調整されている。よって、制御部8は、移動テーブル7aの移動をZ軸方向にのみ制御するように設定されている。
また、凹凸レンズ3も上述したと同様の方法により光軸合わせした状態で第2の接合ヤトイ6に保持させ、基台部16の下面と凹凸レンズ3の光軸を直交させる。
両レンズ2、3の取付後、空気ポンプからXYZステージ5に空気を供給し、Z軸可動部22及びXY軸可動部24をそれぞれ移動自在な状態にセットする。
離間工程後、制御部8は、図4に示すように、吐出アーム9aを移動させて、両凸レンズ2の凸面2aに所定量の接着剤Aを塗布する塗布工程を行う。なお、接着剤Aの塗布は、凹凸レンズ3の凹面3aにしても構わないし、凸面2a及び凹面3aの両方にしても構わない。
制御部8は、この移動量に基づいて移動テーブル7aを下方に移動させ、図5に示すように、凹凸レンズ3を接着剤Aを間に挟んだ状態で両凸レンズ2に近接させる。即ち、両凸レンズ2の凸面2aと凹凸レンズ3の凹面3aとの距離が20±10μmの距離となっている。
また、接着工程の際に、接着剤Aに向けて紫外線Lを照射する紫外線照射工程を行う。即ち、制御部8は、照射アーム10aを移動させて、塗布された接着剤Aに向けて紫外線Lを照射させる。接着剤Aは、この紫外線Lの照射を受けて徐々に硬化し始め、所定時間経過後、接着剤Aが完全に硬化し、両凸レンズ2と凹凸レンズ3とが膜厚が均一な状態で接合する。
そして、移動テーブル7aを上方に移動させる。これにより、第2の接合ヤトイ6のみが上方に移動して、両凸レンズ2及び凹凸レンズ3から離間する。その後、上述したと同様に、第2の接合ヤトイ6のテーパ部18と両凸レンズ2との間を加熱し、保持状態(接着状態)を解く。これにより、両凸レンズ2と凹凸レンズ3とが接合した光学部品を取り出すことができる。
また、移動テーブル7aにより、確実且つ容易に第1の接合ヤトイ4及び第2の接合ヤトイ6を介して、両凸レンズ2と凹凸レンズ3との相対位置を自由に変化させることができる。
また、吐出アーム9aにより、容易且つ正確に接着剤Aの塗布が行えるので、塗布にかける時間の短縮を図ることができると共に、高精度に接着剤Aの塗布を行うことができる。更に、接着剤Aが紫外線硬化型の接着剤Aであり、照射アーム10aにより紫外線Lの照射が行えるので、接合にかける時間、即ち、接着剤Aを固化させる時間の短縮を図ることができる。
また、接着剤Aの膜厚は、20±10μmとして説明したが、この距離に限らず任意に設定して構わない。特に、膜厚を20±10μm、10±5μmとすることで、両凸レンズ2と凹凸レンズ3とを接合した光学部品を内視鏡等に好適に使用することが可能である。
また、移動テーブル7aにより、第1の接合ヤトイ4と第2の接合ヤトイ6との相対的な位置を変化させたが、これに限らず、移動手段7が、XYZステージ5をXY方向及びZ軸方向に移動可能な移動ステージを備えていても構わないし、該移動ステージ及び移動テーブル7aの両方を備えていても構わない。
例えば、図6に示すように、磁力及びバネ力を利用しても構わない。即ち、図6に示すXYZステージ5は、Z軸可動部22の下面に設けられ、Z軸可動部22を上方に付勢するスプリング30と、Z軸可動部22の側面に設けられたZ軸電磁石31と、該Z軸電磁石31に対向するようにZ軸受部21の側面に設けられたZ軸永久磁石32と、XY軸受部23の上面に設けられたXY軸電磁石33と、該XY軸電磁石33に対向するようにXY軸可動部24の下面に設けられたXY軸永久磁石34とを備えている。なお、両電磁石31、33及び両永久磁石32、34は、それぞれの面から突出しないように設けられている。
上記Z軸電磁石31は、制御部8によって作動が制御されており、作動したときに、Z軸永久磁石32との間に吸着力が働いてZ軸可動部22が固定するようになっている。
また、上記XY軸電磁石33は、制御部8によって極性が切り替わるように制御されており、この極性の切替によってXY軸可動部24が移動自在又は固定するようになっている。
また、両凸レンズ2と凹凸レンズ3とが密着状態となった後に、Z軸電磁石31を作動させることで、Z軸可動部22を吸着力により固定すると共に、XY軸電磁石33の極性をXY軸永久磁石34の極性と異なるように制御、例えば、XY軸永久磁石34の極性がS極である場合に、XY軸電磁石33の極性をN極とすることで、吸着力によりXY軸可動部24を固定することができる。
このように、空気力を利用する必要がないので、空気をチューブ等により引き回す必要がない。従って、より容易にXYZステージ5を構成することができる。また、制御部8により電磁石を制御することができるので、移動自在又は固定の切替が容易である。
即ち、図7に示すXYZステージ5は、Z軸可動部22とZ軸受部21との間にZ軸転がり軸受部35が設けられ、Z軸可動部22がZ軸方向に移動可能になっている。また、Z軸可動部22の下面には、該Z軸可動部22を上方に付勢するスプリング36が設けられている。また、Z軸可動部22の上部は、Y軸可動部37をY軸転がり軸受部38を介して支持するY軸受部22aとなっている。また、Y軸可動部37は、X軸転がり軸受部39を介してX軸受可動部40を支持するX軸受部としての機能も有している。そして、X軸可動部40の上面に第1の接合ヤトイ4が配置されるようになっている。また、各転がり軸受部35、38、39は、図示しないロック機構により、移動した位置で固定されるようになっている。
第2実施形態と第1実施形態との異なる点は、第1実施形態では、第1の光学素子である両凸レンズ2と第2の光学素子である凹凸レンズ3とを密着させる密着工程の際に、両凸レンズ2をXYZ方向に移動自在に保持して両凸レンズ2及び凹と凹凸レンズ3の対向面同士、即ち、凸面2a及び凹面3a同士を倣わせたが、第2実施形態の光学素子接合方法は、第1の光学素子をXY軸及びZ軸回りに回転可能に保持した状態で、両光学素子の対向面同士を倣わせることである。
なお、CCD51は、有効画素面51b上に、該有効画素面51bの保護としてガラス層51cを有しており、このガラス層51cの上面が上記ガラス面51aとなっている。
また、本実施形態においては、ガラス層51cがくさび状になっているものとして説明する。特に、図10から図13においては、ガラス層51cが、くさび状になっている状態を極端に示している。
上記支持手段54は、図9に示すように、上記治具53を、水平方向に平行なXY軸回り及び該XY軸に垂直なZ軸回りにそれぞれ回転可能な回転機構65と、Z軸方向に移動可能なZステージ66とを備えている。
また、回転機構65及びZステージ66は、第1実施形態と同様に、図示しない空気ポンプから空気が供給又は吸引されるようになっており、空気が供給されることでXYZ軸回りにそれぞれ回転自在とされていると共にZ軸方向に移動自在とされている。また、空気が吸引されることで回転機構65及びZステージ66を回転又は移動した位置で固定できるようになっている。
なお、図8において、X方向にのみ延びた移動レール69を示している。つまり、移動ステージ69は、支持手段54全体、即ち、回転機構65及びZステージ66を移動させることが可能とされている。なお、この移動ステージ69は、上記移動手段56を構成している一部である。
更に、移動手段56は、上記吸着筒55をXY方向及びZ方向に移動可能とする直交座標型ロボット70を備えている。
また、X軸移動部71bには、上記Z軸移動機構72の伸張部72aが取り付けられており、該伸張部72aにプレート部材73が固定されている。そして、このプレート部材73の下面に、上記吸着筒55の基端側が取り付けられたハンドリングユニット74がぶら下がるように取り付けられている。つまり、吸着筒55は、X軸移動機構71、Y軸移動機構及びZ軸移動機構72により、XYZ方向に向けて自由に移動できるようになっている。更に、吸着筒55は、図10に示すように、ハンドリングユニット74によってZ軸回りに回転動作(θ操作)されるようになっている。
また、吸着筒55は、図示しない吸引ポンプに接続されており、該吸引ポンプを作動させることで、先端にフィールドレンズ52を脱着できるようになっている。
これら画像処理用カメラ59、接着装置60及び紫外線照射装置61は、ハンドリングユニット74と同様に、直交座標型ロボット70により、同時にXYZ方向に移動できるようになっている。このうち、接着装置60及び紫外線照射装置61は、プレート部材73に、それぞれZ方向に移動可能なZプレート75を介して取り付けられており、それぞれ単独でZ方向に移動できるようになっている。
なお、紫外線照射装置61は、単独でXYZ方向に移動可能に構成しても構わないし、予め紫外線Lの照射位置近傍に設置しても構わない。
なお、底板67上には、移動ステージ69及び支持手段54を挟んで位置検出手段58の反対側に位置するように、フィールドレンズ52を一時的に上面に載置して保管するフィールドレンズ保管用架台78が載置されている。
まず、保持工程を行う。即ち、フィールドレンズ52をフィールドレンズ保管用架台78の上面にセットする(S1)すると共に、CCD51を回転機構65の上部に固定された治具53に固定する(S2)。固定後、直交座標型ロボット70を作動させて、ハンドリングユニット74をフィールドレンズ保管用架台78の上方に移動させる(S3)。そして、Z軸移動機構72を作動させて、ハンドリングユニット74及び吸着筒55を下降させると共に、吸着筒55の先端にフィールドレンズ52を吸着して保持する(S4)。
この状態で、両カメラ76、77によりフィールドレンズ52及び吸着筒55を撮影することで、フィールドレンズ52の裏面52aの中心位置と、吸着筒55の保持位置(中心位置)との検出を行う。これにより、フィールドレンズ52の保持状態の安定度の確認が行える。例えば、吸着筒55の中心位置とフィールドレンズ52の裏面52aの中心位置との距離が閾値以上である場合、即ち、吸着筒55がフィールドレンズ52の端部近傍を保持している場合には、保持状態が不安定であると判断して、制御部8が直交座標型ロボット70を元の位置に戻すと共に、吸着筒55により再度フィールドレンズ52の保持を行わせる。その後、再度位置検出手段58により保持状態の確認を行う。これにより、フィールドレンズ52を確実(安定して)に保持することができる。
その後、CCD51とフィールドレンズ52とを、互いの対向面同士、即ち、ガラス面51aと裏面52aとが合うように当接させると共に、該当接状態からさらに所定量押し込んだ状態で密着させる密着工程を行う。即ち、制御部8の入力部にZ軸移動機構72の移動量を入力する。なお、この移動量は、平面レンズとCCD51とが所定量押し込まれて密着する量である。これにより、制御部8は、直交座標型ロボット70のZ軸移動機構72を作動させて、ハンドリングユニット74及び吸着筒55をZ軸方向にゆっくりと下降させる。そして、フィールドレンズ52の裏面52aをCCD51のガラス面51aに当接させると共に、所定量押し込んだ状態で密着させる。
なお、必要に応じてハンドリングユニット74により、フィールドレンズ52をZ軸回りに回転(θ操作)させる。この際、治具53は、回転機構65及びZステージ66により、XYZ軸回りに回転可能であると共にZ軸方向に移動可能であるので、図11に示すように、フィールドレンズ52の裏面52aの傾きに応じて、CCD51がXYZ軸回りに回転(煽り動作)して、裏面52aに対してガラス面51aが倣った状態となると共に、確実に押し込まれて密着する(S6)。
固定工程後、Z軸移動機構72を作動させてハンドリングユニット74をZ方向に上昇させ、フィールドレンズ52をCCD51から離間させる。
即ち、X軸移動機構71及びY軸移動機構を作動させて、画像処理用カメラ59をXY方向に移動させ、CCD51の真上に位置させる。そして、画像処理用カメラ59により、CCD51の有効画素面51bを撮影して、該有効画素面51bの中心位置の検出を行う(S8)。また、その後、X軸移動機構71及びY軸移動機構を作動させて、再度フィールドレンズ52をXY位置検出カメラ76の真上で、且つ、保持状態確認カメラ77の側方に位置させた後、両カメラ76、77によりフィールドレンズ52の裏面52aの中心位置の検出を行う(S9)。
なお、検出されたフィールドレンズ52の裏面52a及びCCD51の有効画素面51bの中心位置は、制御部8に送られる。また、有効画素面51bの中心位置を検出した後、フィールドレンズ52の中心位置を検出したが、この工程順序に限られず、フィールドレンズ52の中心位置を検出した後に、有効画素面51bの中心位置を検出しても構わない。
そして、接着剤Aの塗布後、接着工程を行う。即ち、再度入力部にZ軸移動機構72の移動量を入力する。この際、所望する接着剤Aの膜厚に応じて移動量を入力する。例えば、膜厚が20±10μmとなるように移動量を入力する。制御部8は、この移動量に基づいて、図13に示すように、フィールドレンズ52を接着剤Aを間に挟んだ状態でCCD51に近接させる。即ち、フィールドレンズ52の裏面52aとCCD51のガラス面51aとの距離が20±10μmとなっている。また、この際、制御部8は、位置検出手段58及び画像処理用カメラ59からの検出結果に基づいて、有効画素面51bの中心位置とフィールドレンズ52の裏面52aの中心位置とが合うように近接させる(S11)。
特に、CCD51は、回転機構65により移動自在に支持されているので、フィールドレンズ52が傾いていたとしても、該フィールドレンズ52の傾きに合わせて、即ち、姿勢に合わせてガラス面51aを確実に倣わせることができる。また、Zステージ66を備えているので、フィールドレンズ52とCCD51とを押し付けた状態で確実に密着させることができる。
また、直交座標型ロボット70により、確実且つ容易に吸着筒55及び治具53を介して、フィールドレンズ52とCCD51との相対位置を自由に変化させることができる。更に、吸着筒55によりフィールドレンズ52を保持した際、位置検出手段58によりフィールドレンズ52の保持状態の検出が行えるので、安定した最適な状態で接合を行うことができる。
また、接着装置60により、容易且つ正確に接着剤Aの塗布が行えるので、塗布にかける時間の短縮を図ることができると共に、高精度に接着剤Aの塗布を行うことができる。
更に、接着剤Aが紫外線硬化型の接着剤Aであり、紫外線照射装置61により紫外線Lの照射が行えるので、接合にかける時間、即ち、接着剤Aを固化させる時間の短縮を図ることができる。
また、移動ステージ69により、フィールドレンズ52とCCD51とを接合した光学部品を、例えば、容易且つ速やかに組み立てライン等に搬出することが可能である。
また、接着剤Aの膜厚は、20±10μmとして説明したが、この距離に限らず、第1実施形態と同様に、任意に設定して構わない(例えば、10±5μm)。
まず、制御部8は、直交座標型ロボットのZ軸移動機構72を作動させて吸着筒55をゆっくりと下降させ、フィールドレンズ52の裏面52aをCCD51のガラス面51aに当接させる。これにより、Zステージ66及び圧力センサ80がZ軸方向に押し込まれる。圧力センサ80が押し込まれると、スプリング81が短くなるので、ばね力が増大して、各圧力センサ80が測定する圧力値が大きくなる。そして、制御部8は、例えば、複数の圧力センサ80で測定された圧力値の平均値が閾値に達するまで、吸着筒55をZ方向にゆっくり下降させる。そして、複数の圧力センサ80で測定された圧力値の平均値が、閾値に達したときに、下降を停止させる。
このように、密着工程の際に、検出工程を行うことで、より確実にフィールドレンズ52の裏面52aとCCD51のガラス面51aとを倣わせると共に押し込んだ状態で密着させることができる。
なお、制御部8は、さらに複数の圧力センサ80で測定された圧力値が、それぞれ同一の値となったときに、Z軸移動機構72を停止させても構わない。こうすることで、さらに確実にフィールドレンズ52の裏面52aとCCD51のガラス面51aとを倣わせることができる。
この離間工程の際に、密着位置から離間位置までの距離をゲージで測定する。そして、塗布工程により接着剤Aを塗布した後、制御部8は、ゲージにより測定した距離から接着剤Aの膜厚を引いた距離だけ、吸着筒55を下降させてフィールドレンズ52をCCD51に近接させる接着工程を行う。これにより、より高精度に膜厚の均一化を図ることができる。
このように、ゲージを有しているので、膜厚の制御がし易い。更に、離間工程の際に、制御部8は、フィールドレンズ52の裏面52aとCCD51のガラス面51aとの距離を正確に検出しているので、例えば、CCD51のガラス面51aからの所定距離に達するまでは、フィールドレンズ52を高速に下降させ、該所定距離に達した後はフィールドレンズ52をゆっくりと下降させる等の速度調整を行うことができる。これにより、接合にかける時間をより短縮することができる。
なお、圧力センサ80は、複数でなくても良く、少なくとも1つあれば構わない。
例えば、図16に示すように、検出手段は、フィールドレンズ52を通してCCD51のガラス面51aに光を照射すると共に、ガラス面51aで反射した光を撮像する画像処理用カメラ(撮像部)85を有しており、撮像した反射光の干渉縞の変化パターンに基づいて密着したか否かを検出するように構成しても構わない。なお、画像処理用カメラ85は、吸着筒55の内部を通して光の照射及び反射光の撮像を行うようになっている。
また、吸着筒55をさらにZ方向にゆっくり下降させて、フィールドレンズ52の裏面52aとCCD51のガラス面51aとを押し付けると、徐々にフィールドレンズ52の裏面52aとCCD51のガラス面51aとが倣った状態となるので、干渉縞が少ない状態となる。即ち、干渉縞が変化する。従って、画像処理用カメラ59により、この干渉縞の変化パターンを検出することで、密着状態を容易且つ確実に検出することができる。
なあ、上記画像処理用カメラ85は、CCD51を通してフィールドレンズ52の裏面52aに光を照射すると共に、裏面52aで反射した光を撮像するように構成しても構わない。
第3実施形態と第2実施形態との異なる点は、第2実施形態では、支持手段が、治具53を、水平方向に平行なXY軸回り及び該XY軸に垂直なZ軸回りにそれぞれ回転可能な回転機構65と、Z軸方向に移動可能なZステージ66とを備えていたのに対し、第3実施形態の支持手段90は、上記回転機構65に加え、治具53をXYZ軸にそれぞれ移動可能に支持するXYZステージ91を備えている点である。
この場合には、密着工程の際に、フィールドレンズ52の裏面52aの傾きや位置が共にずれていたとしても、CCD51のガラス面51aを確実に裏面52aに倣わせることができるので、より好適である。
例えば、上記各実施形態において、第1の光学素子を両凸レンズ及びCCDとし、第2の光学素子を凹凸レンズ及びフィールドレンズとしたが、これらに限定されるものではなく、光学素子であれば構わない。
また、支持手段として、第1実施形態ではXYZ方向に移動可能なXYZステージを例にし、第2実施形態ではXYZ軸回りに回転可能な回転機構及びZ方向に移動可能なZステージを例とし、第3実施形態ではXYZ軸回りに回転可能な回転機構及びXYZ方向に移動可能なXYZステージを例として説明したが、これらの支持手段は各実施形態において限定されるものではない。例えば、第3実施形態で説明した支持手段を、第1実施形態又は第2実施形態に適用しても構わない。更に、支持手段は、これらのものに限定されるものではなく、第1の保持部を移動自在に支持すると共に、第1の光学素子及び第2の光学素子の対向面同士が密着する位置関係が決定した後、第1の保持部を固定可能な構成であれば構わない。
また、各実施形態において、接着剤を接着手段により塗布したが、該接着手段ではなく、手動により塗布しても構わない。また、接着剤は、紫外線硬化型の接着剤でなくても良い。
2 両凸レンズ(第1の光学素子)
2a 両凸レンズの凸面(対向面)
3 凹凸レンズ(第2の光学素子)
3a 凹凸レンズの凹面(対向面)
4 第1の接合ヤトイ(第1の保持部)
6 第2の接合ヤトイ(第2の保持部)
51 CCD(第1の光学素子)
51a CCDのガラス面(対向面)
52 フィールドレンズ(第2の光学素子)
52a フィールドレンズの裏面(対向面)
53 治具(第1の保持部)
55 吸着筒(第2の保持部)
Claims (5)
- 第1の光学素子と第2の光学素子とを、接着剤により接合する光学素子接合方法であって、
前記第1の光学素子を移動自在に支持された第1の保持部に保持させると共に、前記第2の光学素子を第2の保持部に保持させる保持工程と、
前記第1の光学素子と前記第2の光学素子とを、互いの対向面同士が合うように当接させると共に該当接状態からさらに所定量押し込んだ状態で密着させる密着工程と、
該密着工程後、前記第1の保持部を固定して、前記第1の光学素子及び前記第2の光学素子の互いの対向面同士が密着する位置関係を決定する固定工程と、
該固定工程後、前記第1の光学素子と前記第2の光学素子とを離間させる離間工程と、
該離間工程後、前記第1の光学素子又は前記第2の光学素子の少なくともどちらか一方の対向面に前記接着剤を塗布する塗布工程と、
該塗布工程後、所望する前記接着剤の膜厚に応じて、前記第1の光学素子と前記第2の光学素子とを接着剤を間に挟んだ状態で近接させ、両光学素子を接着する接着工程とを備えていることを特徴とする光学素子接合方法。 - 請求項1に記載の光学素子接合方法において、
前記密着工程は、前記所定量が押し込まれた否かを検出する検出工程を有することを特徴とする光学素子接合方法。 - 請求項1又は2に記載の光学素子接合方法において、
前記離間工程は、前記第1の光学素子と前記第2の光学素子との離間距離を測定し、
前記接着工程は、測定された前記離間距離から前記接着剤の膜厚を引いた距離だけ、前記第1の光学素子及び前記第2の光学素子を移動させて近接させることを特徴とする光学素子接合方法。 - 請求項1から3のいずれか1項に記載の光学素子接合方法において、
前記離間工程後、前記第1の光学素子及び前記第2の光学素子の中心位置をそれぞれ検出する中心位置検出工程とを備え、
前記接着工程は、前記第1の光学素子と前記第2の光学素子との中心位置を合わせた状態で両光学素子を近接させることを特徴とする光学素子接合方法。 - 請求項1から4のいずれか1項に記載の光学素子接合方法において、
前記接着剤は、紫外線硬化型の接着剤であり、
前記接着工程は、前記接着剤に向けて紫外線を照射する紫外線照射工程を有することを特徴とする光学素子接合方法。
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