JP2005320398A - 含フッ素樹脂水性分散液 - Google Patents

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Abstract

【課題】 基材との十分な密着性を得ることができ、且つ厚塗り性に優れ、同時に使用時には十分な耐久性を示すフッ素樹脂水性分散液およびそれから得られる塗膜を提供すること。
【解決手段】 標準比重が2.22以下である四フッ化エチレン重合体、及び四フッ化エチレン共重合体を含む含フッ素樹脂水性分散液およびそれから得られる塗膜。標準比重が2.22以下である四フッ化エチレン重合体、四フッ化エチレン・パーフルオロプロピレン共重合体及び(メタ)アクリル系重合体を含む含フッ素樹脂水性分散液は、本発明の好ましい態様である。
【選択図】 なし

Description

本発明は、含フッ素樹脂水性分散液に関する。さらに詳しくは、本発明は、ガラスクロスとの密着性、厚塗り性(1回のコーティングでクラックの発生がない厚膜を得る)、及び耐摩耗性に優れた含フッ素樹脂水性分散液に関するものである。
ガラスクロスとの密着性を向上させるために、含フッ素樹脂樹脂水性分散体にシランカップリング剤などガラスとの密着性を向上させる物質を添加したり、比較的低分子量のポリテトラフルオロエチレン(以下、PTFEという)が使用されたりすることが提案されたが、これらによっても密着性はなお不十分であった。さらに、低分子量のPTFEは耐摩耗性に関して高分子量PTFEよりも劣るという問題があった。
また、厚塗り性の向上のために、含フッ素樹脂樹脂の平均粒径を大きくする、含フッ素樹脂樹脂の分子量を大きくする、或いは分散液の安定化のために添加する界面活性剤の添加量を増やす等が試みられた。しかしながら、このような試みでは、満足できる密着性および厚塗り性が得られていない。
特公昭54−2657号には、フルオロカーボン重合体にアクリル樹脂を添加し、コーティングフィルムの緻密化によるコーティング面の外観(光沢)の改善が試みられている。
特開平5−43832号には、テトラフルオロエチレン・パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)共重合体(以下、PFAという)水性分散液とPTFE水性分散液の混合物にアクリル樹脂を添加することによって、フローコーティングに適し、且つ耐摩耗性および耐食性の改善された塗料が試みられている。
しかしながら、これら従来提案のフッ素樹脂水性分散液をガラスクロスコーティング、特に搬送用ベルトや離型用のシートなど耐久性が必要とされる用途に用いても、なお十分な密着性および厚塗り性が得られないという問題があった。
本発明者は、基材との十分な密着性を得ることができ、且つ厚塗り性に優れ、同時に使用時には十分な耐久性を示すようなフッ素樹脂水性分散液を鋭意研究した結果、本発明に至達した。
特公昭54−2657号公報 特開平5−43832号公報
本発明は、基材との十分な密着性を得ることができ、且つ厚塗り性に優れ、同時に使用時には十分な耐久性を示すフッ素樹脂水性分散液を提供する。
本発明は、標準比重が2.22以下である四フッ化エチレン重合体、及び四フッ化エチレン共重合体を含む含フッ素樹脂水性分散液を提供する。
前記四フッ化エチレン共重合体が、四フッ化エチレン・パーフルオロプロピレン共重合体である含フッ素樹脂水性分散液は本発明の好ましい態様である。
前記含フッ素樹脂水性分散液が、さらに(メタ)アクリル系重合体を含む含フッ素樹脂水性分散液は、本発明の好ましい態様である。
前記(メタ)アクリル系重合体が、メタクリル酸メチル、アクリル酸エチル、及びメタクリル酸からなる3元重合体である前記した含フッ素樹脂水性分散液は本発明の好ましい態様である。
前記メタクリル酸メチル、アクリル酸エチル、及びメタクリル酸からなる3元重合体が、メタクリル酸メチル、アクリル酸エチル、及びメタクリル酸が各々37〜41/55〜59/1〜6(重量比)の3元共重合体である前記した含フッ素樹脂水性分散液は本発明の好ましい態様である。
標準比重が2.22以下である四フッ化エチレン重合体50〜99重量%、四フッ化エチレン・パーフルオロプロピレン共重合体0.5〜25重量%、及び(メタ)アクリル系重合体0.5〜25重量%を含む前記した含フッ素樹脂水性分散液は本発明の好ましい態様である。
また本発明は、前記した含フッ素樹脂水性分散液から得られる基材上に形成された含フッ素樹脂塗膜を提供する。
本発明によれば、基材との十分な密着性を得ることができ、且つ厚塗り性に優れ、同時に使用時には十分な耐久性を示すフッ素樹脂水性分散液が提供される。
本発明によれば、基材上に形成された基材と十分な密着性を示す厚膜であって、且つ使用時には十分な耐久性を示す膜が提供される。
本発明は、ガラスクロスコーティング、特に搬送用ベルトや離型用のシートなど耐久性が必要とされる用途に好適に用いることができる、基材上に形成された膜及び含フッ素樹脂水性分散液が提供される。
本発明は、標準比重が2.22以下である四フッ化エチレン重合体、及び四フッ化エチレン・パーフルオロプロピレン共重合体を含む含フッ素樹脂水性分散液と、該含フッ素樹脂水性分散液により基材上に形成された塗膜を提供する。
まず、本発明の標準比重が2.22以下である四フッ化エチレン重合体について説明する。
本発明における四フッ化エチレン重合体は、四フッ化エチレン(以下、TFEという)の重合体(以下、PTFEという)、またはTFEと2重量%未満の共重合可能な含フッ素単量体との共重合体(以下、変性PTFEという)をいう。変性PTFE中の共重合可能な含フッ素単量体の含有量は、2重量%未満であり、好ましくは1.5重量%以下、より好ましくは1重量%以下である。
前記TFEと共重合可能な含フッ素単量体の例としては、炭素数3以上、好ましくは炭素数3−6個のパーフルオロアルケン、炭素数1−6個のパーフルオロ(アルキルビニルエーテル、クロロトリフルオロエチレンなどが挙げられる。含フッ素単量体の具体例としては、ヘキサフルオロプロピレン(HFP)、パーフルオロ(メチルビニルエーテル)(PMVE)、パーフルオロ(エチルビニルエーテル)(PEVE)およびパーフルオロ(プロピルビニルエーテル)(PPVE)、クロロトリフルオロエチレンを挙げることができるが好適である。中でもヘキサフルオロプロピレン(HFP)、パーフルオロ(エチルビニルエーテル)(PEVE)およびパーフルオロ(プロピルビニルエーテル)(PPVE)が好ましく、特には。ヘキサフルオロプロピレン(HFP)が好ましい。
これら単量体成分を含有する変性PTFEはPTFE同様、溶融加工性を有しない。PTFEおよび変性PTFEは、水性分散液として用いられることが好ましい。水性分散体を得る方法は、従来公知の方法を適宜採用することができる。例えば、米国特許第3037953号公報などに記載された方法を採用してもよい。
四フッ化エチレン重合体の水性分散液の製造方法によっては、得られる水性分散液中に重合開始剤などの触媒が残存していることがある。このような重合開始剤などの触媒は化学的な結合によるガラスクロスとの密着性を向上させる効果が期待できるので、水性分散液に存在させても差し支えない。
本発明の四フッ化エチレン重合体の標準比重は、2.22以下であり、好ましくは2.18以下である。標準比重が2.22以下の四フッ化エチレン重合体を選択的に使用することにより、水性分散液から得られる塗膜の耐摩耗性を向上させることができる。
四フッ化エチレン重合体の分子構造は炭素鎖の周りが大きなフッ素元素で覆われている形なので、分子鎖間の相互作用が弱く摩耗し易い樹脂である。本発明において、耐摩耗性を向上させることができる理由は特定できないが、四フッ化エチレン重合体の標準比重を2.22以下とすることにより、それぞれの分子鎖が適度の長さとなり分子鎖間の相互作用が強められることにより耐摩耗性が向上するものと推定される。また、このような四フッ化エチレン重合体は粒子表面がより繊維化し易い状態にあるため、粒子同士が結合し易いことも耐摩耗性が向上する要因の一つと考えられる
本発明における四フッ化エチレン共重合体は、TFEと2重量%以上、好ましくは10〜15重量%のTFEと共重合可能な単量体との共重合体である。TFEと共重合可能な単量体としては、前記に例示したものを挙げることができる。中でもパーフルオロプロピレンが好適に用いられる。
該四フッ化エチレン共重合体は溶融加工性を有するものが好ましく、水性分散液として用いられることが好ましい。
本発明における四フッ化エチレン共重合体について、その好ましい例である四フッ化エチレン・パーフルオロプロピレン共重合体(以下、FEPという)を代表例として説明する。本発明に用いられるFEPは、ASTM D−2116により測定される比溶融粘度が、372±1℃において0.5〜100×10ポイズ、好ましくは0.5〜50×10ポイズであることが望ましい。
本発明で使用されるFEPは、従来公知の重合方法で得ることができるが、乳化重合により得られるFEPが好ましく使用される。
本発明における含フッ素樹脂水性分散液としては、平均粒径が0.10〜0.40μm、好ましくは0.26〜0.30μmの含フッ素樹脂粒子を、水中に25〜70重量%含むものが好ましい。
同じ厚みの塗膜を得る場合には、平均粒径の比較的大きい粒子は平均粒径の小さい粒子に比べて少ない粒子数で済み粒子間の接点数が少なくなる。それ故、クラック(微小亀裂)が生じる危険性が少なくなり厚塗り性が向上すると考えられる。その観点から上記平均粒径の範囲にあると良好な含フッ素樹脂水性分散液を得ることができる。平均粒径が小さすぎると、粒子間の接点数が多くなりクラックが生じる危険性が大きくなる傾向にあり、また平均粒径が大きすぎると、水性分散液中の含フッ素樹脂粒子が沈降し分散性が悪くなる傾向がある。
本発明においては、含フッ素樹脂水性分散液が、さらにエチレン性不飽和単量体含有重合体を含む水性分散液であることが好ましい。含フッ素樹脂水性分散液がエチレン性不飽和単量体含有重合体を含むと、さらに厚塗り性(成膜性)が向上する。
エチレン性不飽和単量体含有重合体は、例えば、1個またはそれ以上のモノエチレン性不飽和酸単位を含有する、エチレン性不飽和単量体を含有する重合体である。
エチレン性不飽和単量体の代表的な例としては、モノエチレン性不飽和酸およびその誘導体を挙げることができる。モノエチレン性不飽和酸およびその誘導体の例としては、アクリル酸、メタクリル酸、フマル酸、イタコン酸およびマレイン酸などの不飽和酸およびその誘導体などが挙げられる。誘導体としては、エステル、酸無水物などが挙げられる。中でも、アクリル酸、メタクリル酸およびその誘導体、特にはアクリル酸、メタクリル酸およびその炭素数1〜8のアルキル基を含有するアルキルエステルが好ましい。エチレン性不飽和単量体の好ましい具体例は、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸メチル及びメタクリル酸エチルなどである。
本発明のエチレン性不飽和単量体含有重合体としては、(メタ)アクリル系重合体を挙げることができる。(メタ)アクリル系重合体とは、上記したアクリル酸およびその誘導体および/またはメタアクリル酸およびその誘導体を主たる成分として含む重合体をいう。
(メタ)アクリル系重合体の好ましい例として、メタクリル酸メチル、アクリル酸エチル、及びメタクリル酸からなる3元重合体であって、メタクリル酸メチル、アクリル酸エチル、及びメタクリル酸が各々37〜41/55〜59/1〜6(重量比)の3元共重合体を挙げることができる。該(メタ)アクリル系重合体は、水性分散液として用いられることが好ましい。
本発明の厚塗り性は、1回のコーティングでクラックの発生がない厚膜を得ることができる性能をいう。
本発明の含フッ素樹脂水性分散液は、1回のコーティングでクラックの発生がない厚膜を得ることができる良好な厚塗り性(成膜性)を発揮する。
本発明において、含フッ素樹脂水性分散液が(メタ)アクリル系重合体を含む場合、より良好な厚塗り性(成膜性)が得られる。(メタ)アクリル系重合体が、含フッ素樹脂水性分散液が乾燥する段階で水が蒸発するために、含フッ素樹脂粒子間に生じる隙間を埋め易くすることと関係があると推定される。(メタ)アクリル系重合体は、コーティング組成物塗布後に解重合し水が蒸発した後でも重合体粒子間に存在し、フッ素樹脂の融解温度から分解温度までの温度範囲でゆっくり熱分解して気化し重合体粒子同士を融着させる橋渡しをしているため、塗膜の耐クラック性を向上させることができる。その結果、含フッ素樹脂水性分散液の厚塗り性(成膜性)が向上するものと思われる。
ガラスクロスとの密着性の向上には、ガラスクロスと樹脂が化学反応で結合する化学的な要素、及びガラス繊維の隙間に樹脂が入り込むことによって得られるアンカー効果的な物理的要素を向上することが考えられる。
(メタ)アクリル系重合体、及びPTFE水性分散液、並びにFEP水性分散液中に添加された界面活性剤などは、フッ素樹脂の融点以上の温度で焼成される段階でそのほとんどは分解してしまうが、一部の成分はカーボン等の残渣としてフッ素樹脂塗膜中に残るため、それらもガラスクロスとの化学的な結合を向上させる、即ちガラスクロスとの密着性を向上させる。よって、(メタ)アクリル系重合体は、厚塗り性の向上、及び密着性の向上の両方に寄与している。
本発明においては、クラック発生、基材との密着性および厚塗り性の観点から、標準比重が2.22以下であるPTFE50〜99重量%、FEP0.5〜25重量%、及び(メタ)アクリル系重合体0.5〜25重量%含む含フッ素樹脂水性分散液が好ましい。
本発明の含フッ素樹脂水性分散液は、標準比重が2.22以下である四フッ化エチレン重合体の水性分散液、四フッ化エチレン・パーフルオロプロピレン共重合体の水性分散液、及び(メタ)アクリル系重合体の水性分散液を混合して得ることが好ましい。これら水性分散液の混合は、従来公知の方法によって行うことができ特に制限はない。
本発明の含フッ素樹脂水性分散液によって表面に被膜を形成させる基材の材質は、特に制限されるものではないが、ガラスクロスであることが好ましく、特に搬送用ベルトや離型用のシートなど耐久性が必要とされるものであることが好ましい。
また、基材の形状にも特に制限はない。基材がシート状であっても、一定形状に成形された成形品であってもよい。また、基材がロールを構成する物質であるときは、円筒状であっても、ローラの一部の形状である筒状であってもよい。
本発明の含フッ素樹脂水性分散液からなる被膜を基材上に形成させる方法としては、従来公知の種々の様式を採用することができる。例えば、フッ素樹脂を粒子または粒子凝集物として適当な場所に散布するか分散液またはスラリー状として表面に塗布してもよい。この際、結合剤または他の目的で他の粉末または液体と一緒に混合することもできる。
有機溶剤を添加することにより、厚塗り性はよりいっそう向上する。そして通常は、フッ素樹脂粒子の溶融温度より高い温度に加熱(通常は圧力をかけて)して基材と密着したフッ素樹脂被膜を形成させる。
本発明は、基材との十分な密着性を得ることができ、且つ厚塗り性に優れ、同時に使用時には十分な耐久性を示すフッ素樹脂水性分散液を提供できるので、ガラスクロスコーティング、特に搬送用ベルトや離型用のシートなど耐久性が必要とされる用途へ好適に用いることができる。
次に実施例及び比較例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの例によって何ら制限されるものではない。
PTFEの標準比重の測定(ASTM D−4894)
乳化重合により得られるPTFE水性分散体を、純水を用いて15重量%濃度に調整する。その後ポリエチレン容器(1000ml容量)に約750ml入れ手で激しく振蕩して重合体を凝集させる。水から分離した重合体のパウダーを150℃で16時間乾燥する。乾燥した樹脂粉末12.0gを直径2.85cmの円筒形型中に入れてならし、30秒後に最終圧力が350kg/cmとなるよう圧力を次第に増加し、350kg/cmの最終圧力で2分間保持する。このようにして得られた予備成形体を30分間380℃の空気炉中で焼成した後、1分間1℃の割合で294℃まで冷却し、294℃で1分間保持した後、空気炉中から取り出し室温(23±1℃)で冷却して標準試料とする。室温(23℃±1℃)における同体積の水の重量に対する標準試料の重量比を標準比重とする。
この標準比重は平均分子量の目安となり、一般に標準比重が低い程分子量は大きい。
PTFEコーティングフィルムの摩耗試験
試験片の作成
表面をサンドブラスト処理したアルミ版(100×100mm)の表面に、プライマー(DuPont社製855−021)を膜厚が約15μmとなる様スプレーコーティングする。室温(20−25℃)で乾燥後、下記のPTFE水性分散液1種を膜厚約15μmとなる様スプレーコーティングする。これを120℃の乾燥機で10分間乾燥した後、390℃の熱風式オーブンで30分間焼成する。焼成後、再度先に用いたPTFE水性分散液のみを同様の手順でスプレーコーティングし、膜厚約30μmのPTFEコーティングを有する試験片を得た。
PTFE水性分散液 (三井・デュポンフロロケミカル株式会社製)
(1)固形分60重量%、SSG2.18
ノニオン系界面活性剤(ライオン株式会社製、レオコール TDN−90−80)をPTFEの重量に対して10重量%含む
(2)固形分60%、SSG2.21
ノニオン系界面活性剤(ライオン株式会社製、レオコール TDN−90−80)をPTFEの重量に対して10重量%含む
(3)固形分60%、SSG2.26
ノニオン系界面活性剤(ライオン株式会社製、レオコール TDN−90−80)をPTFEの重量に対して10重量%含む
摩耗量の測定
テーバー摩耗試験機(安田精機製作所(株)製、テーバー式アブレーションテスター No.101)を用い、CS−17の摩耗リングを試験片のPTFEコーティング面上で250回回転させた後、試験片の重量を測定する。この時点の重量をゼロ点とする。5000回転まで1000回転毎に試験片の重量を測定し、摩耗量を測定する。結果を表2に示す。
ガラスクロスコーティング
厚さ0.1mmのガラスクロス(WCA 116E:日東紡績株式会社製)を155mm×120mmのサイズに切る。上記のガラスクロスを約5mm/秒の速度で、含フッ素樹脂水性分散液を満たしたアクリル樹脂製容器(長さ145mm、幅24mm、深さ173mm)に浸していく。クロスの上部約5mmを残し全て浸したまま10秒間保持し、約5mm/秒の速度でクロスを引き上げる。引き上げたクロスを150℃の乾燥機で5分間乾燥し、その後380℃の熱風式オーブンで10分間の焼成を行い、室温で冷却(20−25℃)して1回目のコーティングとする。このクロスの上下を反転し、同様の手順で2回目のコーティングを行う。塗着量が約60%になるまで同手順でコーティングを繰り返す。通常は3回あるいは4回のコーティングで約60%の塗着量が達成される。尚、塗着量は下記式により測定する。
塗着量(%)=(W2−W1)÷W2×100
W1:コーティング前のガラスクロスの重量(g)
W2:コーティング後のガラスクロスの重量(g)
浸透性(吸液率)測定
上記のガラスクロスコーティングを行ったガラスクロスの中心部から、剃刀で50mm×50mmの正方形の試験片を切り抜く。これを脂肪族炭化水素系の浸透液(マークテック株式会社製:スーパーチェック浸透液UP−ST)に30分間浸す。30分経過後、試験片を取り出し表面に付着している浸透液をガーゼで拭き取り、下記式により浸透性(吸液率)を測定する。
吸液率(%)=(Wb−Wa)÷Wa×100
Wa:浸透液に浸す前の試験片の重量(g)
Wb:浸透液に浸した後の試験片の重量(g)
浸透液は試験片の切り口と表面に存在するクラックなどの欠陥個所から浸透するが、そのほとんどは切り口から浸透する。ガラスクロスと含フッ素樹脂の密着力が高いほどその浸透量が少ないため、吸液率が低いほど密着性が良いと判断される。
厚塗り性(CCT)の測定
含フッ素樹脂水性分散液500mlを、浸漬槽(長さ220mm、幅75mm、深さ48mm)に入れ、液面に泡が浮かんでいたらスポイト等で取り除く。表面を洗浄したガラス板(200mm×70mm、厚さ3mm)の両端(長尺方向)に、長さ約50mmのテープ(住友スリーエム株式会社製:ScotchTMメンディングテープ)を付け、両端のテープを持ち、ガラス板を長尺方向に水平よりやや傾斜させて、浸漬槽の水性分散液液面下に浸す。数秒間浸した後、静かにガラス板を引き上げ、専用台に立てかけて室温(20−25℃)で乾燥する。立てかける角度は各々のガラス板毎に変化させる。各々のガラス板毎に380℃の熱風式オーブンで20分間焼成し、室温(20−25℃)で冷却する。ガラス板表面にクラックが発生する部分と発生しない部分の両方が生じたものを試料とし、クラックが入っている部分とクラックが無い部分との堺の膜厚を測定する。膜厚の測定方法は以下の通りである。
膜厚の測定方法
ガラス板裏面のコーティング膜を除き、ガラス板とガラス板表面のコーティング膜との合計の厚みをマイクロメーター(MITUTOYO社製)で測定する。次に、ガラス板表面のコーティング膜を除きガラス板の厚みを測定する。下記式により厚塗り性(CCT)を測定する。
CCT(μm)=Ta−Tb
Ta:ガラス板と表面のコーティング膜との合計の厚み(μm)
Tb:ガラス板の厚み(μm)
ガラス板を専用台に立てかける角度により、ガラス板にコーティングされる含フッ素樹脂の膜の厚みが調節されるため、厚塗り性が高いものは立てかける角度が緩やかになり、厚塗り性が低いものは立てかける角度が急になる。
実施例及び比較例には以下の成分を用いた。
(1)PTFE水性分散液 (三井・デュポンフロロケミカル株式会社製)
固形分60%、SSG2.18
ノニオン系界面活性剤(ダウ・ケミカルケミカル株式会社製、Tergitol TMN)をPTFEの重量に対して6−10重量%含む
(2)FEP水性分散液 (三井・デュポンフロロケミカル株式会社製)
固形分54重量%
ノニオン系界面活性剤(ライオン株式会社製、レオコール TDN−90−80)をFEPの重量に対して5−6重量%含む
(3)アクリル樹脂水性分散液
メチルメタクリレート/エチルアクリレート/メタクリル酸:39/57/4の三元重合体、固形分40重量%
(実施例 1)
ノニオン系界面活性剤がPTFEの重量に対して6重量%添加されているPTFE水性分散液に、アクリル樹脂水性分散液及びFEP水性分散液を、PTFEのポリマー重量に対して各々10重量%添加し、含フッ素樹脂水性分散液を得た。得られた分散液の吸液率及びCCTを測定した。結果を表1に示す。
(実施例 2)
実施例1の含フッ素樹脂水性分散液に、下記の成分からなる混合物をPTFEの重量に対して1.5重量%添加し、含フッ素樹脂水性分散液を得た。得られた分散液の吸液率及びCCTを測定した。結果を表1に示す。
混合物:
ブチルカルビトール 20.5重量%、
トリエタノールアミン 32.0重量%、
芳香族炭化水素 30.1重量%、
(エクソン・ケミカル社製、Solvesso 100)
オレイン酸 13.0重量%、
ノニオン系界面活性剤 4.4重量%
(ライオン株式会社製、レオコール TDN−90−80)
(実施例 3)
ノニオン系界面活性剤がPTFEの重量に対して6重量%添加されているPTFE水性分散液に、PTFEのポリマー重量に対して、20重量%のアクリル樹脂水性分散液、及び10重量%のFEP水性分散液を添加し含フッ素樹脂水性分散液を得た。得られた分散液の吸液率及びCCTを測定した。結果を表1に示す。
(比較例 1)
ノニオン系界面活性剤がPTFEの重量に対して6重量%添加されているPTFE水性分散液の吸液率及びCCTを測定した。結果を表1に示す。
(比較例 2)
ノニオン系界面活性剤がPTFEの重量に対して6重量%添加されているPTFE水性分散液に、PTFEのポリマー重量に対して、10重量%のアクリル樹脂水性分散液を添加し、含フッ素樹脂水性分散液を得た。得られた分散液の吸液率及びCCTを測定した。結果を表1に示す。
Figure 2005320398






Figure 2005320398
上記の表1の通り、PTFE水性分散液にアクリル樹脂とFEPを添加することによって、優れた厚塗り性と密着性を得ることができる。
また、上記表2の通り、PTFEの標準比重(SSG)がある程度低い(分子量がある程度高い)PTFEの方が摩耗特性において優れている。
本発明によれば、基材との十分な密着性を得ることができ、且つ厚塗り性に優れ、同時に使用時には十分な耐久性を示すフッ素樹脂水性分散液を得ることができる。
本発明によれば、基材上に形成された基材と十分な密着性を示す厚膜であって、且つ使用時には十分な耐久性を示す膜を得ることができる。
本発明は、ガラスクロスコーティング、特に搬送用ベルトや離型用のシートなど耐久性が必要とされる用途に好適に用いることができる、基材上に形成された膜及び含フッ素樹脂水性分散液を得ることができる。

Claims (7)

  1. 標準比重が2.22以下である四フッ化エチレン重合体、及び四フッ化エチレン共重合体を含む含フッ素樹脂水性分散液。
  2. 前記四フッ化エチレン共重合体が、四フッ化エチレン・パーフルオロプロピレン共重合体であることを特徴とする含フッ素樹脂水性分散液。
  3. さらに(メタ)アクリル系重合体を含むことを特徴とする請求項1または2に記載の含フッ素樹脂水性分散液。
  4. 前記(メタ)アクリル系重合体が、メタクリル酸メチル、アクリル酸エチル、及びメタクリル酸からなる3元重合体である請求項1から3のいずれかに記載の含フッ素樹脂水性分散液。
  5. 前記メタクリル酸メチル、アクリル酸エチル、及びメタクリル酸からなる3元重合体が、メタクリル酸メチル、アクリル酸エチル、及びメタクリル酸が各々37〜41/55〜59/1〜6(重量比)の3元共重合体である請求項4に記載の含フッ素樹脂水性分散液。
  6. 標準比重が2.22以下である四フッ化エチレン重合体50〜99重量%、四フッ化エチレン・パーフルオロプロピレン共重合体0.5〜25重量%、及び(メタ)アクリル系重合体0.5〜25重量%を含む請求項1〜5のいずれかに記載の含フッ素樹脂水性分散液。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載の含フッ素樹脂水性分散液から得られる基材上に形成された含フッ素樹脂塗膜。
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