JP2005320287A - 組成物 - Google Patents
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Abstract
【課題】
化粧料または医薬部外品の油性基剤としてヒドロキシ脂肪酸のオリゴエステルの未反応カルボキシル基と脂肪族アルコールのエステル化反応の生成物を用いるという発明があるが、皮膚とのなじみが悪いため、使用感が劣るという問題点がある。
【解決手段】
コレステロールと化学構造の類似したフィトステロールと、ヒドロキシ脂肪酸のオリゴエステルとのエステル化生成物を油性基剤として使用することによって、皮膚とのなじみがよく、使用感、保湿性に優れた化粧品または医薬部外品を製造することができる。ヒドロキシ脂肪酸としては、皮膚への刺激性、安全性、原料ソースの入手容易性から12−ヒドロキシステアリン酸を選択した。
化粧料または医薬部外品の油性基剤としてヒドロキシ脂肪酸のオリゴエステルの未反応カルボキシル基と脂肪族アルコールのエステル化反応の生成物を用いるという発明があるが、皮膚とのなじみが悪いため、使用感が劣るという問題点がある。
【解決手段】
コレステロールと化学構造の類似したフィトステロールと、ヒドロキシ脂肪酸のオリゴエステルとのエステル化生成物を油性基剤として使用することによって、皮膚とのなじみがよく、使用感、保湿性に優れた化粧品または医薬部外品を製造することができる。ヒドロキシ脂肪酸としては、皮膚への刺激性、安全性、原料ソースの入手容易性から12−ヒドロキシステアリン酸を選択した。
Description
本発明は化粧品または医薬部外品に関するものである。
本発明は、12−ヒドロキシステアリン酸のオリゴエステルとフィトステロールのエステル化反応物を油性基剤として含有する化粧品又は医薬部外品に関する。当該エステルは顔、体の皮膚、唇、爪またはケラチン繊維(髪、まつげ、まゆげ)をケア、トリートメント、またはメークアップするための化粧料又は医薬部外品へ油性基剤として使用される。
化粧料または医薬部外品に使用する油性基剤に要求される性質としては(1)皮膚刺激の少ないこと、(2)色、臭いのないこと、(3)使用感触が優れていること、(4)皮膚とのなじみが優れていること、(5)他の成分との相溶性が良いこと、(6)経時的な着色、変敗がないこと等が挙げられる。
特公昭59−53253号公報
化粧料または医薬部外品の油性基剤としてヒドロキシ脂肪酸(12−ヒドロキシステアリン酸、またはリシノール酸)のオリゴエステルの未反応カルボキシル基と脂肪族アルコールのエステル化反応の生成物を用いるという発明があるが、皮膚とのなじみが悪いため、使用感が劣るという問題点がある。
皮膚の角質層には、角質層細胞間脂質があり、外界から有害物が皮膚内に侵入するのを防ぎ、体内の水分が蒸散して、乾燥してしまうのを防ぐ重要な役割を担っている。この角質層細胞間脂質を構成している物質は、脂肪酸、コレステロール、セラミド類で、これらが集合してラメラ液晶構造をとっている。このラメラ液晶構造をとることが、細胞間脂質が体内の水分蒸散を押さえ、体外から有害物が浸透するのを抑制することに効果を発揮している。したがって、これらの細胞間脂質を構成している要素物質と相溶性のある物質でないと、皮膚とのなじみが悪く、使用感を悪化させることになる。ここで、コレステロールと化学構造の類似したフィトステロールと、ヒドロキシ脂肪酸のオリゴエステルとのエステル化生成物を油性基剤として使用することによって、皮膚とのなじみがよく、使用感、保湿性に優れた化粧品または医薬部外品を製造することができる。ヒドロキシ脂肪酸としては、皮膚への刺激性、安全性、原料ソースの入手容易性から12−ヒドロキシステアリン酸を選択した。
本発明のフィトステロールとしてはβ‐シトステロール、ジヒドロ‐β‐シトステロール、γ‐シトステロール、スチグマステロール、α‐スピナステロール、サルガステロール、コンドリラステロール、フコステロール、ブラシカステロール、カンペステロール等を例示することができる。これらのうちの一種を単独で使用することも、二種以上を混合して使用することもできる。また、フィトステロールと称される植物ステロールの混合物を使用することもできる。
本発明のエステルはそのまま化粧品、医薬部外品の成分として配合することができるが、本発明者等が提案したカラムクロマトグラフ的手法(特開昭62−205005)で精製すると、無色、無臭で経時安定性に優れたものが得られる。
色、臭いが改善され、皮膚へのなじみが良く、しっとり感がありながら、べたつき感の少ない優れた使用感を示し、トイレタリーや化粧品、医薬部外品用の油性基剤として極めて有用なものである。
化粧料または医薬部外品
次に実施例を挙げて、本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
12−ヒドロキシステアリン酸オリゴエステルの調製:
攪拌機、温度計、窒素ガス吹き込み管、水分離器を備えた5Lの4つ口フラスコに2.3kgの12−ヒドロキシステアリン酸(99.2%)を仕込み、触媒として全仕込み量の0.3%の塩化スズおよび、還流溶剤として全仕込み量の5%キシレンを加え、攪拌しながら、160-230℃で酸価が20となるまで、約8時間反応させた。反応終了後、触媒をろ別し、活性白土を用いて脱色後、減圧下で水蒸気吹き込みによる脱臭を行い、オリゴエステルを得た。
得られたオリゴエステルの平均重合度は9.6、酸価=19.9、 けん化価=198.3、 水酸基価=7.6、粘度=12,500cps/25℃、色相=G1であった。
攪拌機、温度計、窒素ガス吹き込み管、水分離器を備えた5Lの4つ口フラスコに2.3kgの12−ヒドロキシステアリン酸(99.2%)を仕込み、触媒として全仕込み量の0.3%の塩化スズおよび、還流溶剤として全仕込み量の5%キシレンを加え、攪拌しながら、160-230℃で酸価が20となるまで、約8時間反応させた。反応終了後、触媒をろ別し、活性白土を用いて脱色後、減圧下で水蒸気吹き込みによる脱臭を行い、オリゴエステルを得た。
得られたオリゴエステルの平均重合度は9.6、酸価=19.9、 けん化価=198.3、 水酸基価=7.6、粘度=12,500cps/25℃、色相=G1であった。
12−ヒドロキシステアリン酸オリゴエステルとフィトステロールのエステルの調製:
攪拌機、温度計、窒素ガス吹き込み管、水分離器を備えた5Lの4つ口フラスコに12−ヒドロキシステアリン酸オリゴエステル(平均重合度=9.6)を2.4kg、フィトステロール240g、n−ヘキサン650g、触媒としてメタンスルホン酸16gを仕込み、150℃で10時間反応させる。中和し、吸着剤としてシリカゲル500gを充填したカラムに通液した後、さらにn−ヘキサンを通液する。この通過液からn−ヘキサンを蒸発留去して、カラム精製を行う。水蒸気吹き込みによる脱臭をおこない、12−ヒドロキシステアリン酸オリゴエステルとフィトステロールのエステル2.4kgを得た。酸価=2.53、色相=APHA175であった。
攪拌機、温度計、窒素ガス吹き込み管、水分離器を備えた5Lの4つ口フラスコに12−ヒドロキシステアリン酸オリゴエステル(平均重合度=9.6)を2.4kg、フィトステロール240g、n−ヘキサン650g、触媒としてメタンスルホン酸16gを仕込み、150℃で10時間反応させる。中和し、吸着剤としてシリカゲル500gを充填したカラムに通液した後、さらにn−ヘキサンを通液する。この通過液からn−ヘキサンを蒸発留去して、カラム精製を行う。水蒸気吹き込みによる脱臭をおこない、12−ヒドロキシステアリン酸オリゴエステルとフィトステロールのエステル2.4kgを得た。酸価=2.53、色相=APHA175であった。
12−ヒドロキシステアリン酸オリゴエステルと2−エチルヘキサノールのエステルの調製:
攪拌機、温度計、窒素ガス吹き込み管、水分離器を備えた5Lの4つ口フラスコに12−ヒドロキシステアリン酸オリゴエステル(平均重合度=9.6)を2.4kg、2−エチルヘキサノール80g、n−ヘキサン650g、触媒としてメタンスルホン酸16gを仕込み、150℃で10時間反応させる。中和し、吸着剤としてシリカゲル500gを充填したカラムに通液した後、さらにn−ヘキサンを通液する。この通過液からn−ヘキサンを蒸発留去して、カラム精製を行う。水蒸気吹き込みによる脱臭をおこない、12−ヒドロキシステアリン酸オリゴエステルと2−エチルヘキサノールのエステル2.2kgを得た。酸価=2.5、色相=APHA180であった。
攪拌機、温度計、窒素ガス吹き込み管、水分離器を備えた5Lの4つ口フラスコに12−ヒドロキシステアリン酸オリゴエステル(平均重合度=9.6)を2.4kg、2−エチルヘキサノール80g、n−ヘキサン650g、触媒としてメタンスルホン酸16gを仕込み、150℃で10時間反応させる。中和し、吸着剤としてシリカゲル500gを充填したカラムに通液した後、さらにn−ヘキサンを通液する。この通過液からn−ヘキサンを蒸発留去して、カラム精製を行う。水蒸気吹き込みによる脱臭をおこない、12−ヒドロキシステアリン酸オリゴエステルと2−エチルヘキサノールのエステル2.2kgを得た。酸価=2.5、色相=APHA180であった。
評価試験例1:スキンクリーム処方での評価試験
実施例2で得られたエステルを使用して表1の処方でスキンクリームを調製して、使用感の評価試験を行った。しっとり感、べたつき感の評価を10人のパネラーにしてもらい、その結果を表2にまとめた。実施例2のエステルを配合したスキンクリームはしっとりしていて、べたつきがなく、使用感が優れていた。これらの結果から12−ヒドロキシステアリン酸オリゴエステルとフィトステロールのエステルは使用感の優れた化粧料原料であることがわかる。
実施例2で得られたエステルを使用して表1の処方でスキンクリームを調製して、使用感の評価試験を行った。しっとり感、べたつき感の評価を10人のパネラーにしてもらい、その結果を表2にまとめた。実施例2のエステルを配合したスキンクリームはしっとりしていて、べたつきがなく、使用感が優れていた。これらの結果から12−ヒドロキシステアリン酸オリゴエステルとフィトステロールのエステルは使用感の優れた化粧料原料であることがわかる。
しっとり感 評価点 評価
5 非常にしっとりしている
4 しっとりしている
3 普通
2 しっとりしていない
1 全くしっとりしていない
べたつき感 5 べたつきが全くない
4 べたつきがほとんどない
3 普通
2 べたつきがある
1 ひどくべたつく
なじみ 感 5 なじみが非常に良い
4 なじみが良い
3 普通
2 なじみがわるい
1 なじみが非常に悪い
しっとり感、べたつき感とも10人のパネラーの評価点の平均をとった。
評価試験例2:口紅処方での評価試験
実施例2で得られたエステルを使用して表3の処方で口紅を調製して、光沢、のびの評価を10人のパネラーにしてもらい、その結果を表4にまとめた。実施例2の組成物を配合した口紅は光沢が優れ、伸びもよく、優れていた。これらの結果から12−ヒドロキシステアリン酸オリゴエステルとフィトステロールのエステルは優れた化粧料原料であることがわかる。
実施例2で得られたエステルを使用して表3の処方で口紅を調製して、光沢、のびの評価を10人のパネラーにしてもらい、その結果を表4にまとめた。実施例2の組成物を配合した口紅は光沢が優れ、伸びもよく、優れていた。これらの結果から12−ヒドロキシステアリン酸オリゴエステルとフィトステロールのエステルは優れた化粧料原料であることがわかる。
本発明は、優れた感触を呈するフィトステロールとヒドロキシ脂肪酸のオリゴエステルとのエステル化物を含有する化粧料、医薬部外品組成物に関する。本発明は顔、皮膚、唇、爪、または毛髪のケアー、トリートメント又は、メイクアップのための組成物への使用である。
Claims (1)
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004139940A JP2005320287A (ja) | 2004-05-10 | 2004-05-10 | 組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004139940A JP2005320287A (ja) | 2004-05-10 | 2004-05-10 | 組成物 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2005320287A true JP2005320287A (ja) | 2005-11-17 |
Family
ID=35467810
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2004139940A Pending JP2005320287A (ja) | 2004-05-10 | 2004-05-10 | 組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2005320287A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPWO2013069690A1 (ja) * | 2011-11-07 | 2015-04-02 | 日清オイリオグループ株式会社 | 洗浄料用組成物及び洗浄料 |
-
2004
- 2004-05-10 JP JP2004139940A patent/JP2005320287A/ja active Pending
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