JP2005319348A - 木材破砕機 - Google Patents
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Abstract
【課題】木材破砕機の破砕効率を向上する。
【解決手段】外周部に破砕ビット65を配設した破砕ロータ61と、この破砕ロータ61の外周側に設けたアーム71に配設した第1アンビル62と、この第1アンビル62に対して破砕ロータ61の回転方向下流側に設けたアーム91に配設した第2アンビル63と、この第2アンビル63に対して破砕ロータ61の回転方向下流側に破砕ロータ61と間隙を持って配設した第1スクリーン69と、第1及び第2アンビル62,63間に破砕ロータ61と間隙をもって配設した第1スクリーン69とを備える。
【選択図】 図3
【解決手段】外周部に破砕ビット65を配設した破砕ロータ61と、この破砕ロータ61の外周側に設けたアーム71に配設した第1アンビル62と、この第1アンビル62に対して破砕ロータ61の回転方向下流側に設けたアーム91に配設した第2アンビル63と、この第2アンビル63に対して破砕ロータ61の回転方向下流側に破砕ロータ61と間隙を持って配設した第1スクリーン69と、第1及び第2アンビル62,63間に破砕ロータ61と間隙をもって配設した第1スクリーン69とを備える。
【選択図】 図3
Description
本発明は、剪定枝材・間伐材、枝木材、廃木材等を破砕対象とする木材破砕機に関し、例えば破砕ロータを回転させて被破砕木材を破砕する木材破砕機に関するものである。
例えば、森林で伐採された木材を枝払いするときに発生する剪定枝材・間伐材や、造成・緑地維持管理等で発生する枝木材、あるいは木造家屋に使用された廃木材は、通常、最終的に産業廃棄物として処理される。木材破砕機は、廃棄物処理過程における廃棄物の減容を図ったり、粉砕した後の粉砕物を発酵処理し有機肥料として再利用することを目的に、それら枝材・枝木材等を、運搬する前にその作業現場で所定の大きさに破砕するものである。
この種の木材破砕機として、外周部に破砕ビットを配設した破砕ロータと、この破砕ロータの近傍位置にくるように破砕ロータの外周側に設けた複数の固定刃と、これら複数の固定刃の破砕ロータ回転方向下流側において破砕ロータと間隙をもってその外周側に設けられ、破砕ビット及び固定刃により破砕した破砕物を挿通させる複数の開口部を備えた篩部材と、破砕した破砕物を木材破砕機の機外へ排出する排出コンベアとを備えたものがある(例えば、特許文献1参照)。
この従来技術では、被破砕物に対し破砕ロータの破砕ビットを衝突させてまず破砕(一次破砕)した後、その木材片をさらに回転方向下流側に設けた複数の固定刃に衝突させてさらなる破砕(二次・三次破砕)を行う。破砕木材(木材チップ)が篩部材に設けられた複数の開口部の開口面積以下にまで細かく破砕されると、その開口部より外部に導出され、排出コンベアによって機外に排出される。
上記従来技術では、破砕ロータの破砕ビットにより粗く一次破砕した木材片をさらに回転方向下流側に設けた複数の固定刃に衝突させて二次・三次破砕を行う。このとき、木材片によっては、例えば複数の固定刃のうちの破砕ロータ回転方向上流側に位置する最初の固定刃に衝突した時点で、篩部材の開口部の開口面積以下の粒度にまで細かく破砕される場合も考えられる。しかしながら、上記従来技術では、篩部材が複数の固定刃の破砕ロータ回転方向下流側にしか設けられていないため、上記のように最初の固定刃により篩部材を通過可能となった木材片であっても、篩部材から排出される前に残りの下流側の固定刃に衝突してさらに細かく破砕される可能性がある。このような場合、不要な破砕が行われることになり、その分だけ破砕効率が低下する。
本発明は、上記従来技術の問題に鑑みてなされたものであり、その目的は、破砕効率を向上することができる木材破砕機を提供することにある。
(1)上記目的を達成するために、本発明の木材破砕機は、外周部に破砕ビットを配設した破砕ロータと、この破砕ロータの外周側に設けた支持部材に配設した第1の固定刃と、この第1の固定刃に対して前記破砕ロータの回転方向下流側に設けた支持部材に配設した第2の固定刃と、この第2の固定刃に対して前記破砕ロータの回転方向下流側に前記破砕ロータと間隙を持って配設した第1の篩部材と、前記第1の固定刃と前記第2の固定刃との間に前記破砕ロータと間隙を持って配設した第2の篩部材とを備えるものとする。
本発明においては、被破砕物に対し破砕ロータの破砕ビットを衝突させてまず破砕(一次破砕)した後、その木材片をさらに回転方向下流側に設けた第1の固定刃及び第2の固定刃に衝突させてさらなる破砕(二次・三次破砕)を行う。破砕木材(木材チップ)が篩部材に設けられた複数の開口部の開口面積以下にまで細かく破砕されると、その開口部より外部に導出され、排出コンベアによって機外に排出される。
このとき、木材片によっては、破砕ロータ回転方向最上流側に位置する第1の固定刃に衝突した時点で篩部材の開口部の開口面積以下にまで細かく破砕される場合も考えられる。しかしながら、前述の従来構造においては、篩部材が複数の固定刃(本発明における第1及び第2の固定刃)の破砕ロータ回転方向下流側にしか設けられていないため、上記のように複数の固定刃のうちの破砕ロータ回転方向最上流側に位置する固定刃(本発明における第1の固定刃)により既に篩部材を通過可能な粒度にまで破砕された木材片についても、篩部材から排出されるまでの間に残りの下流側に位置する固定刃(本発明における第2の固定刃)によってさらに細かく破砕される可能性がある。このような場合、不要な破砕が行われることになり、その分だけ破砕効率が低下することとなる。
これに対し、本発明によれば、第1の固定刃と第2の固定刃との間に第2の篩部材を設けるので、上記のように第1の固定刃により篩部材を通過可能な粒度にまで破砕された木材片をその直後の第2の篩部材から排出することが可能である。これにより、既に所望の粒度にまで破砕された木材片が破砕ロータ回転方向下流側に位置する固定刃によってさらに破砕されるのを抑制することができ、不要な破砕が行われるのを抑制することができる。その結果、破砕効率を向上することができる。
(2)上記(1)において、好ましくは、前記破砕ロータと前記第2の固定刃との間隙を、前記破砕ロータと前記第1の固定刃との間隙より小さく設定するものとする。
(3)上記(1)又は(2)において、好ましくは、前記第2の篩部材は前記破砕ロータの外周にほぼ沿った曲面形状を有し、その曲げ中心と前記破砕ロータの軸心とは偏心しているものとする。
(4)上記(3)において、さらに好ましくは、前記第2の篩部材を、前記破砕ロータの回転方向下流側ほど前記破砕ロータ外周との間隙が大きくなるように配設するものとする。
これにより、第2の篩部材の下流側に配置された第2の固定刃を第2の篩部材に対して破砕ロータ径方向内側に向かって突出させることができる。これにより、第1の固定刃で破砕された木材片をその下流側の第2の固定刃に衝突させやすくすることができ、破砕効率をさらに向上することができる。
(5)上記(1)乃至(4)のいずれかにおいて、また好ましくは、破砕した破砕物を排出する排出コンベアと走行手段とを備え、自走可能であるものとする。
本発明によれば、第1の固定刃と第2の固定刃との間に第2の篩部材を設けるので、第1の固定刃により篩部材を通過可能な粒度にまで破砕された木材片をその第1の固定刃の直後に設けた第2の篩部材から直ちに排出することが可能となる。これにより、不要な破砕が行われるのを抑制し、破砕効率を向上することができる。
以下、本発明の木材破砕機の一実施の形態を図面を参照しつつ説明する。
図1は本発明の木材破砕機の一実施の形態である自走式木材破砕機の全体構造を表す側面図、図2は図1に示した自走式木材破砕機の上面図、図3は後述する破砕装置12近傍の側面カバー内部の詳細構造を表す側面図である。なお、以下において、図1中の左・右に対応する方向を木材破砕機の後・前、又は一方・他方とする。
図1は本発明の木材破砕機の一実施の形態である自走式木材破砕機の全体構造を表す側面図、図2は図1に示した自走式木材破砕機の上面図、図3は後述する破砕装置12近傍の側面カバー内部の詳細構造を表す側面図である。なお、以下において、図1中の左・右に対応する方向を木材破砕機の後・前、又は一方・他方とする。
これら図1乃至図3において、1は自力走行を可能にする走行体(走行手段)、2はこの走行体1上に設けられ受け入れた被破砕木材を破砕する破砕機能構成部、3はこの破砕機能構成部2で破砕された破砕物を搬送し機外に排出する排出コンベア、4は搭載した各機器の動力源(エンジン)等を備えた動力装置(パワーユニット)で、本例の自走式木材破砕機は、これら走行体1、破砕機能構成部2、排出コンベア3、動力装置4等によって概略構成されている。
上記走行体1は、トラックフレーム5と、このトラックフレーム5の前後両端部に設けた駆動輪6及び従動輪7と、出力軸を駆動輪6の軸に連結した駆動装置(走行用油圧モータ)8と、駆動輪6及び従動輪7に掛け回した履帯(無限軌道履帯)9とで構成されている。また、36は上記トラックフレーム5上に設けた本体フレームで、この本体フレーム36によって、上記破砕機能構成部2や排出コンベア3、動力装置4等が支持されている。
上記破砕機能構成部2は、投入される被破砕木材を受け入れるホッパ10と、このホッパ10内に収容配置された被破砕木材の搬送手段としての送りコンベア11と、この送りコンベア11によって導入された被破砕木材を破砕する破砕装置12(図3参照)と、この破砕装置12の手前で破砕装置12に導入される被破砕木材を送りコンベア11に押し付ける押圧コンベア装置13(図3参照)とを備えている。
図4はホッパ10の後端近傍の詳細構造を表す側面図、図5はこの図4中のV−V矢視断面図、図6は後方から見たホッパ10の正面図で、これらの図において、先の各図と同様の部分には同符号を付し説明を省略する。但し、図4においては、後述する外壁体15を取り外した状態を図示している。
図4乃至図6において、ホッパ10は、有底状に形成され、本体フレーム36上の破砕ロータ61(後述)の後方側にほぼ水平に設けられており、送りコンベア11の後方側に設けた後壁体14と、幅方向左右両側の外壁体15と、外壁体15の内側で送りコンベア11の幅方向両側に設けられ、外壁体15との間に間隙が確保されるように複数の部材でL字型に構成された側壁体16と、外壁体15及び側壁体16の上部に掛け渡すようにして、上方に向かって拡開形状に設けられた拡開部(あおり部)17と、送りコンベア11の下方側に僅かに間隙を介するように底部全面に設けた底壁体18と、前方側端部に設けた前壁体19(前述の図3参照)とを備えている。後壁体14の上端は送りコンベア11の搬送面と同等かそれよりも僅かに高い程度、前壁体19の上端は送りコンベア11の搬送面よりも僅かに低い程度に、それぞれ設定されている。
図7は、送りコンベア11の後端部の詳細構造を表す図6中のVII−VII矢視断面図で、この図において、先の各図と同様の部分には同符号を付し説明を省略する。
本実施の形態において、ホッパ10の後壁体14は、後端に位置する後壁部20と、この後壁部20の下端部に略直角に設けられた底壁部21とにより一体的に構成されており、側方側から見て略L字型形状をしている。上記底壁部21は後壁部20の下端から略水平に送りコンベア11の従動輪41(後述)の下方位置まで延設され、ビーム37を挟んで底壁体18と略同一平面上に設けられており、底壁体18と共にホッパ10の底部を構成する。後壁部20の上端部には、ブラケット22を介してピン23が設けられており、後壁部20は、このピン23を支点に側壁体16に対し回動可能に取り付けられている。これによって、後壁部20と底壁部21とが一体となって(すなわち後壁体14が)回動し、ホッパ10の後端部が開閉可能となっている。なお、底壁部21上には、送りコンベア11の後端部の軌跡に僅かな間隙を介して沿うように円弧状に形成した案内部材35が設けられ、投入される被破砕木材が送りコンベア11の後方のスペースに入り込むことを抑制している。
本実施の形態において、ホッパ10の後壁体14は、後端に位置する後壁部20と、この後壁部20の下端部に略直角に設けられた底壁部21とにより一体的に構成されており、側方側から見て略L字型形状をしている。上記底壁部21は後壁部20の下端から略水平に送りコンベア11の従動輪41(後述)の下方位置まで延設され、ビーム37を挟んで底壁体18と略同一平面上に設けられており、底壁体18と共にホッパ10の底部を構成する。後壁部20の上端部には、ブラケット22を介してピン23が設けられており、後壁部20は、このピン23を支点に側壁体16に対し回動可能に取り付けられている。これによって、後壁部20と底壁部21とが一体となって(すなわち後壁体14が)回動し、ホッパ10の後端部が開閉可能となっている。なお、底壁部21上には、送りコンベア11の後端部の軌跡に僅かな間隙を介して沿うように円弧状に形成した案内部材35が設けられ、投入される被破砕木材が送りコンベア11の後方のスペースに入り込むことを抑制している。
24,25は後壁体14を閉状態で保持するためのロック機構であり、ロック機構24はL字型の側壁体16の底部の後端部に渡したビーム26の後端面に、ロック機構25はロック機構24よりもやや前方位置における側壁体16の底部上面に、それぞれ設けられている。
図8(a)及び図8(b)は、それぞれ図6と同じ方向から見たロック機構24の詳細図で、これらの図において、先の各図と同様の部分には同符号を付し説明を省略する。なお、詳細な説明は省略するが、ロック機構25の構成もロック機構24と同様である。また、ロック機構24,25は自走式木材破砕機の車体幅方向(図2中上下方向)両側にそれぞれ同様に設けられており、図8(a)及び図8(b)はその片側について図示したものである。
図8(a)及び図8(b)において、ロック機構24は、ビーム26に複数のボルト27によって固定された支持板28と、この支持板28に所定の間隔で設けられた2枚のブラケット29と、これらブラケット29に挿通するピン30と、ピン30の外周部にほぼ直角に設けたハンドル31と、このハンドル31を係止するための係止部材32と、後壁体14の下端部に固定されたブラケット33とを備えている。
このように構成することで、図8(a)のように、ピン30が後壁体14側のブラケット33に挿入され、ハンドル31がブラケット29と係止部材32との間に係止されているときには、ピン30を介して後壁体14が側壁体16に対して固定され、後壁体14は閉状態で保持される。一方、ハンドル31がほぼ水平となる位置にピン30を回転させ、ハンドル31を係止部材32の切り欠き部を通してピン30をスライドさせ、図8(b)に示すようにブラケット33からピン30を抜くことにより、後壁体14と側壁体16との間の拘束が解かれる。さらに、もう一つのロック機構25を設けているので、同じように、ロック機構25側も後壁体14側に設けたブラケットからピンを抜く。本例では、ロック機構24,25を自走式木材破砕機の幅方向のもう一方側にも設けているので、同様にしてそちら側のロック機構24,25についても解除する。これにより、後壁体14の拘束が完全に解かれ、後壁体14の開閉が可能となる。
後壁体14が開放された状態を、図7と対応させて図9に示す。この図9に示すように、後壁体14を側壁体16に対して回動させ後壁体14を開放した状態で、ロック機構24のピン30を再び図8(a)に示す位置に戻して後壁体14の底壁部21に設けられた開口21aに挿し込むことにより、後壁体14は開放状態で保持される(すなわち、ロック機構24は後壁体14を開放状態で保持するためのロック機構でもある)。これにより、後壁体14を開放してホッパ10内の清掃作業を行う際の作業性及び作業者の安全性を向上できるようになっている。
なお、34はピン30の脱落を防止するスナップリングで、このスナップリング34は、ブラケット29,29の間に位置するようにピン30の外周部に設けられている。本例においては、図8(a)のロック時、図8(b)のロック解除時に、それぞれ内側、外側のブラケット29に当接する位置にスナップリング34を設けることにより、ピン30のストロークを適当な長さに制限してある。
送りコンベア11は、破砕ロータ61(後述)側に設けられたスプロケット状の駆動輪40(図3参照)と、その反対側(木材破砕機後方側、後壁体14側)に設けた従動輪41(図7等参照)と、これら搬送方向両端部に設けた駆動輪40及び従動輪41の間に巻回され、幅方向に複数列(この例では4列、図2参照)列設された搬送体(搬送ベルト、チェーンベルト)42とを備えている。なお、搬送体42については、繁雑防止のため、先の図3、後の図10及び図17中では図示省略してある。
従動輪41は、ホッパ10の側壁体16後部の外壁面に設けた軸受43(図4参照)によって支持され、駆動輪40は、側壁体16の前方側にほぼ同一面上に位置するように設けた破砕装置12の側面カバー45における外壁面に設けた軸受46(後述の図10参照)によって支持されている。これにより、送りコンベア11は、上記ホッパ10内の下部、すなわちホッパ10の側壁体16の内側からから破砕ロータ61(後述)近傍にかけ、ほぼ水平に延設されホッパ10及び破砕装置12の側面カバー45内に収納配置されている。
図10は上記破砕装置12付近の側面図、図11はその内部構造を詳細に表す断面図で、これらの図において、先の各図と同様の部分には同符号を付し説明を省略する。
これら図10及び図11において、45はホッパ10の前方に設けた破砕装置12の前記側面カバー、46はこの側面カバー45の外壁面に設けた送りコンベア11の軸受である。送りコンベア11の駆動輪40の回転軸は、軸受46よりも幅方向外側に設けた駆動装置(送りコンベア用油圧モータ、図示せず)の出力軸にカップリング等を介して連結している。送りコンベア11は、その図示しない駆動装置を回転駆動させることにより、駆動輪40及び従動輪41の間で搬送体42を循環駆動させるようになっている。
これら図10及び図11において、45はホッパ10の前方に設けた破砕装置12の前記側面カバー、46はこの側面カバー45の外壁面に設けた送りコンベア11の軸受である。送りコンベア11の駆動輪40の回転軸は、軸受46よりも幅方向外側に設けた駆動装置(送りコンベア用油圧モータ、図示せず)の出力軸にカップリング等を介して連結している。送りコンベア11は、その図示しない駆動装置を回転駆動させることにより、駆動輪40及び従動輪41の間で搬送体42を循環駆動させるようになっている。
47は駆動輪40の回転軌跡に近接するように曲成され、ホッパ10の底壁体18及び前壁体19に連接した案内部材、48は駆動輪40の回転軌跡よりも若干低位置でかつ駆動輪40との対向端部が極力駆動輪40の回転軌跡に近接するように前壁体19の上部に配置したスクレーパである。これら案内部材47及びスクレーパ48の幅方向端部は、破砕装置12の側面カバー45に固定されている。
前述の押圧コンベア装置13は、破砕ロータ61(後述)の後方側に近接するように、被破砕木材を搬送する送りコンベア11の搬送面(上側の面)に対向して設けられている。この押圧コンベア装置13は、破砕機側面カバー45に軸受50(図11参照)によってその回動軸51(図3参照)が軸支され、これにより鉛直面内を回動自在に(上下方向に揺動自在に)支持された支持部材52と、この支持部材52に対し回転自在に設けられた押えローラ53とを備えている。
支持部材52は、回動軸51を備えたアーム部54と、このアーム部54の先端側に設けられ、押えローラ53を支持しているブラケット部55とを備えている。アーム部54の下部側の端面は円弧状に湾曲して形成されており、この湾曲部には、後述する破砕室60の一部を構成する湾曲板68が取付けられている。一方、ブラケット部55における押えローラ53の取付け部分は、押えローラ53よりも小径の円弧状に形成されており、押えローラ53の外周面がブラケット部55から突出した構成となっている。押えローラ53の幅方向(図3中の紙面直交方向)の寸法は、送りコンベア11の搬送面の幅と同等かそれよりも大きく設定されている。
図3及び図11において、56,57は押えコンベア装置13の回動動作を制限するストッパで、これらストッパ56,57は、押えローラ53が送りコンベア11の駆動輪40の近接位置まで下がると、ブラケット部55、湾曲板68がそれぞれ当接するように破砕機側面カバー45の内側に配置されている。また、特に図示していないが、押えローラ53は、その胴部内に駆動装置(押えローラ用油圧モータ)を内蔵しており、この図示しない駆動装置によって、送りコンベア11の搬送面に転動する方向に被破砕木材の搬送速度とほぼ同じ周速度で回転し、押え込んだ送りコンベア11上の被破砕木材を送りコンベア11と協動して破砕装置12に導入するようになっている。
前述の破砕装置12は、本体フレーム36の長手方向ほぼ中央部上に搭載されており、図3及び図11に示すように、破砕室60内で高速回転する破砕ロータ61と、この破砕ロータ61の回転方向(正転方向、図3中時計回り方向)に対向するように配置した第1アンビル(第1の固定刃)62及び第2アンビル(第2の固定刃)63とを備えている。詳細は後述するが、第1及び第2アンビル62,63は、例えば過度な衝撃が加わった場合等には、破砕ロータ61の正転方向に倣う方向に退避するように回動可能な構成となっている(図11等参照)。
破砕ロータ61は、例えば破砕装置12の側面カバー45(又は本体フレーム36上に別途設けた図示しない支持部材)等に設けた軸受(図示せず)によって回転自在に軸支されており、その外周部には、複数の支持部材64と、これら支持部材64にそれぞれ取り付けられた破砕ビット(衝突板、或いは破砕刃等)65とが設けられている。破砕ビット65は、破砕ロータ61が正転方向に回転する際にその刃面が支持部材64に先行するように配置されている。また、各破砕ビット65は、ボルト66等によって支持部材64に固定され、摩耗した場合にも容易に交換可能な構成となっている。なお、図10において、67は破砕ロータ61を回転駆動させる駆動装置(破砕ロータ用油圧モータ)で、この駆動装置67は、特に図示していないが、破砕装置12の側面カバー45に対してボルト等によって固定されており、その出力軸は、Vベルト等を介して破砕ロータ61の回転軸に連結されている。
前述した破砕室60は、破砕ロータ61に対し、上方側に設けた前述の湾曲板68や、前方側において第1アンビル62及び第2アンビル63の間に設けられ、破砕木材(木材チップ)の粒度を設定する口径で開口した多数の孔を有する第1スクリーン(第2の篩部材)69、及び下方側に設けられ、同様に多数の孔を有する第2スクリーン(第1の篩部材)70等によって概ね画定され、その後方側は被破砕木材導入部として解放されている。湾曲板68は、前述したように押えコンベア装置13のアーム部54の湾曲部に取付けられており、押えコンベア装置13の上下の揺動動作に伴って可動する構成となっている。また、第1及び第2スクリーン69,70は、破砕ビット65との間にそれぞれ所定の間隙を介して破砕ロータ61の回転軌跡(外周)にほぼ沿うように円弧状(曲面状)に形成され、着脱可能(交換可能)に配設される(詳細は後述)。
図12及び図13は第1アンビル62及び第1スクリーン69付近の構成を抽出しそれらの可動機構の詳細を表す図、図14は図12中のXIV−XIV矢視断面図で、これらの図において、先の各図と同様の部分には同符号を付し説明を省略する。
図12乃至図14において、71は第1アンビル62を取付けたアーム(支持部材)で、このアーム71は、幅方向(図14中の左右方向)に一対設けられ、2本の回動軸72,73及びビーム74によって連結されており、例えば破砕機側面カバー45(図10参照)の外壁面に設けた軸受75によって一方の回動軸72が支持されることにより、回動軸72を支点に回動可能な構成となっている。なお、回動軸72,73の向きは、それぞれ破砕ロータ61の回転軸とほぼ平行である。
アーム71は、その前端部が破砕機側面カバー45に固定した支持部材76にシアピン77を介して連結されることにより、破砕作業時(例えば図3の状態のとき)、その第1アンビル62が、上記湾曲板68の周方向(破砕ロータ61の周方向)一方側(図12中の左側)でかつ湾曲板68の内壁面よりも径方向(破砕ロータ61の径方向)内側に突出するような姿勢で固定、保持されている。したがって、第1アンビル62に、シアピン77の許容を超えた衝撃荷重がかかった場合等は、シアピン77が破断してアーム71の拘束が解かれ、アーム71が破砕室60から退避するようになっており、各部の損傷が防止される。
なお、78は例えば破砕機側面カバー45(又は本体フレーム36上に別途設けた図示しない支持部材)に対して固定されたストッパで、このストッパ78は、アーム71と他の構成部材との干渉を防止するため、第1アンビル62の退避方向へのアーム71の回動範囲を制限している。
80は第1スクリーン69を外周側からアーム71に押し付けて保持する枠型のスクリーン支持部材(バナナプレート)で、このスクリーン支持部材80は、その周方向(破砕ロータ61の周方向)一方側(図12では下側)端部が先の回動軸73を介してアーム71に連結されている。また、スクリーン支持部材80の周方向他方側端部は、油圧シリンダ81を介して先のビーム74に連結されている。油圧シリンダ81の両端は、それぞれスクリーン支持部材80、ビーム74にピンを介して回動可能に連結されており、この油圧シリンダ81の伸縮動作に伴ってスクリーン支持部材80がアーム71に対して回動する(破砕ロータ61に対して進退する)。つまり、油圧シリンダ81を縮めることにより、スクリーン支持部材80が第1スクリーン69から離間する。その結果、第1スクリーン69は破砕ロータ61の軸線方向に引き抜き可能となり、第1スクリーン69を容易に交換できる構成となっている。
なお、図10及び図11において、82は第1スクリーン69の交換作業に配慮して破砕機側面カバー45に設けた第1スクリーン69の引き出し、挿入用の開口部で、特に図示していないが、この開口部82には、例えばボルト着脱式のカバー等が取付けられる。
図14において、85はスクリーン支持部材80のロック機構で、このロック機構85は、アーム71と固定関係にあるブラケット86と、このブラケット86にボトム側端部が固定され幅方向(図14中左右方向)に設けたロックシリンダ87と、このロックシリンダ87のロッド側端部及びスクリーン支持部材80にそれぞれ固定され互いに係合するテーパ部を有するテーパブロック88,89と、ロックシリンダ87の伸縮動作に伴うテーパブロック88のスライド動作をガイドするガイド部材90とを備えている。
アーム71と固定関係にあるテーパブロック88は、スクリーン支持部材80及びアーム71の間に第1スクリーン69が狭持されているとき、径方向(破砕ロータ61の径方向)外側からスクリーン支持部材80に設けたテーパブロック89に係合する。すなわち、第1スクリーン69が挟持されているときに、ロックシリンダ87を伸長させ、テーパブロック88,89を係合させることにより、スクリーン支持部材80の回動動作は拘束され、第1スクリーン69は破砕作業持の破砕室60を確定する位置(図3の位置)で強固に固定、保持される。なお、この固定状態のとき、第1スクリーン69の曲げ中心と破砕ロータ61の軸心とは偏心した状態となっており、第1スクリーン69と破砕ロータ61の外周との間隙が破砕ロータ61の回転方向下流側ほど大きくなる(すなわち、図3中L2>L1)ようになっている。このようにすることで、第2アンビル63を第1スクリーン69の内周面に対し破砕ロータ61の径方向内側に向かって突出させて、木材片が第2アンビル63に衝突しやすくなるように図られており、破砕効率を向上できるようになっている。
以上のような構成から、油圧シリンダ81の縮短によりスクリーン支持部材80を回動させ第1スクリーン69を交換する場合、まずロックシリンダ87を縮短させ、テーパブロック88,89の係合を解いた上で行う。このロック解除時の状態を図14に対応させて図15に示す。なお、本実施の形態では、ロック機構85を第1スクリーン69の幅方向(図14中左右方向)両側に設けているが、片側のみで足りる場合にはどちらかを省略してもよい。
図3、図10及び図11に戻り、91は第2アンビル63を取付けた枠型のアーム(支持部材)で、このアーム91は、例えば破砕機側面カバー45(図10参照)の外壁面(又は本体フレーム36上に別途設けた図示しない支持部材)に設けた軸受92によってその回動軸(図示せず)が支持され、その回動軸を支点に回動可能な構成となっている。該回動軸の向きは、破砕ロータ61の回転軸とほぼ平行である。
アーム91は、その前端部が破砕機側面カバー45に固定した支持部材93にシアピン94を介して連結されることにより、破砕作業時(例えば図3の状態のとき)、第2アンビル63が、第1スクリーン69の周方向(破砕ロータ61の周方向)一方側(図3中下側)でかつ第1スクリーン69の内壁面よりも径方向(破砕ロータの径方向)内側に突出するような姿勢で固定、保持されている。したがって、第2アンビル63に、シアピン94の許容を超えた衝撃荷重がかかった場合等は、シアピン94が破断してアーム91の拘束が解かれ、アーム91が破砕室60から退避するようになっており、各部の損傷が防止される。
なお、95は例えば破砕機側面カバー45(又は本体フレーム36上に別途設けた図示しない支持部材)に対して固定されたストッパで、このストッパ95は、アーム91と他の構成部材との干渉を防止するため、第2アンビル63の退避方向へのアーム91の回動範囲を制限している。
図16(a)乃至図16(c)は、前述した第2スクリーン70付近の構成を抽出しその可動機構の詳細を表す図で、この図において、先の各図と同様の部分には同符号を付し説明を省略する。
図16において、97は第2スクリーン70の押え板で、この押え板97は、その外周部が第2スクリーン70の内壁面との湾曲とほぼ一致するように形成されており、破砕作業時(図16(a)の状態のとき)、例えば破砕機側面カバー45(又は本体フレーム36上に別途設けた図示しない支持部材)の内壁面に対し、外周部に第2スクリーン70の内壁面が当接するようにボルト等によって固定されている。98は第2スクリーン70を外周側から押え板97に押し付けて保持する枠型のスクリーン支持部材(バナナプレート)である。このスクリーン支持部材98は、その周方向(破砕ロータ61の周方向)一方側(図16では左側)端部に設けた回動軸99が破砕機側面カバー45(又は本体フレーム36上に別途設けた図示しない支持部材)に固定した軸受100によって支持され、上下方向に回動する(破砕ロータ61に対して進退する)構成となっている。
スクリーン支持部材98の周方向他方側端部は、その破砕ロータ軸線方向両端の2箇所において、1対の油圧シリンダ101,101を介し、破砕機側面カバー45の外壁面にボルト等で固定した支持部材102,102にそれぞれ連結されている。油圧シリンダ101の両端は、それぞれスクリーン支持部材98、支持部材102にピンを介して回動可能に連結されており、この油圧シリンダ101の伸縮動作に伴ってスクリーン支持部材98が回動軸99を支点に回動する。これにより、油圧シリンダ101を伸長することにより、スクリーン支持部材98が押え板97から離間する。その結果、第2スクリーン70は破砕ロータ61の軸線方向に引き抜き可能となり、第2スクリーン70を容易に交換できる構成となっている。
なお、図10及び図11において、103は第2スクリーン70の交換作業に配慮して破砕機側面カバー45に設けた第2スクリーン70の引き出し、挿入用の切り欠き部で、図示していないが、この切り欠き部103には、例えばボルト着脱式のカバー等が取付けられる。
また、105はスクリーン支持部材98のロック機構で、前記油圧シリンダ101と同様に、スクリーン支持部材98の破砕ロータ軸線方向両端側に一対設けられている。このロック機構105は、破砕機側面カバー45の外壁面に固定されたブラケット106と、このブラケット106にボトム側端部が固定され前後方向(図16中左右方向)に設けたロックシリンダ107と、このロックシリンダ107のロッド側端部及びスクリーン支持部材98にそれぞれ固定され互いに係合するテーパ部を有するテーパブロック108,109と、破砕機側面カバー45の外壁面にボルト等で固定され、ロックシリンダ107の伸縮動作に伴うテーパブロック108のスライド動作をガイドするガイド部材110とを備えている。
テーパブロック108は、スクリーン支持部材98及び押え板97の間に第2スクリーン70が狭持されているとき、径方向(破砕ロータ61の径方向)外側からスクリーン支持部材98に設けたテーパブロック109に係合する。これにより、第2スクリーン70が挟持されているとき、ロックシリンダ107を伸長させ、テーパブロック108,109を係合させることで、スクリーン支持部材98の回動動作は拘束され、第2スクリーン70は破砕作業持の破砕室60を確定する位置(図16(a)の位置)で強固に固定、保持される。なお、この固定状態のとき、前記の第1スクリーン69とは異なり、第2スクリーン70の曲げ中心と破砕ロータ61の軸心とはほぼ一致するようになっており、第1スクリーン69と破砕ロータ61の外周との間隙はほぼ一定となっている。
以上のような構成から、図16(c)のように油圧シリンダ101の伸長によりスクリーン支持部材98を回動させ第2スクリーン70を交換する場合は、まず図16(b)に示すようにロックシリンダ107を縮短させ、テーパブロック108,109の係合を解いた上で行う。このロック解除時の破砕装置12周辺の状態を図17に示す。なお、ロック機構105は、第2スクリーン70の幅方向(例えば図16(a)中紙面直交方向)両側に設けることが好ましいが、片側のみで足りる場合にはどちらかを省略しても良い。
図1及び図2に戻り、排出コンベア3は、排出側(前方側、図1及び図2中右側)部分が、動力装置4から突出して設けた支持部材112によって吊り下げ支持されている。また、その反対側(後方側、図1及び図2中左側)部分は、支持部材113を介して本体フレーム36から吊り下げ支持されている。これにより、排出コンベア3は、破砕装置12の下方から動力装置4の下方を通され、自走式木材破砕機前方側外方へ上り傾斜で配置されている。114はこの排出コンベア3のフレーム、115はこのフレーム114の長手方向両端に設けた駆動輪(図示せず)と従動輪(図示せず)との間に巻回したコンベアベルト(図示せず)上に設けたコンベアカバーである。116は駆動輪を回転駆動させる駆動装置(排出コンベア用油圧モータ)で、この駆動装置116を回転駆動させることにより、駆動輪及び従動輪の間でコンベアベルトを循環駆動させるようになっている。
また、上記の動力装置4は、本体フレーム36の長手方向他方側(図1及び図2中右側)端部上に、支持部材117を介して搭載されている。この動力装置4の後方側でかつ幅方向一方側(図2中下側)の区画には、運転席118が設けられている。119はこの運転席118に設けた走行操作用の操作レバー、120はその他の操作や設定、モニタリング等を行うための操作盤である。操作盤120は、本例では地上から作業者が操作し易いよう機体の側部に設けられているが、運転席118に設けても構わない。
次に、上記構成の本実施の形態に係る木材破砕機の動作及び作用を順次説明する。
例えば油圧ショベルのグラップル等、適宜の作業具によりホッパ10内に被破砕木材を投入すると、被破砕木材は、ホッパ10の拡開部17にガイドされて送りコンベア11の搬送体42上に載置され、ホッパ10の側壁体16によって案内されつつ循環駆動する搬送体42によって木材破砕機前方側に向かってほぼ水平方向に搬送される。
例えば油圧ショベルのグラップル等、適宜の作業具によりホッパ10内に被破砕木材を投入すると、被破砕木材は、ホッパ10の拡開部17にガイドされて送りコンベア11の搬送体42上に載置され、ホッパ10の側壁体16によって案内されつつ循環駆動する搬送体42によって木材破砕機前方側に向かってほぼ水平方向に搬送される。
送りコンベア11上の被破砕木材は、押圧コンベア装置13付近まで搬送されると、押圧コンベア装置13の押えローラ53の下部に入り込み押圧コンベア装置13を押し上げる。これにより、送りコンベア11上の被破砕木材は、押圧コンベア装置13の自重の作用により送りコンベア11との間に押圧把持された状態で、破砕室60へと導入される。これにより、破砕時には、被破砕木材は、押えローラ54と送りコンベア11とに挟持された部分を支点に片持ち梁状に破砕室60内に突出し、この突出部分が、回転する破砕ロータ61の破砕ビット65が衝突することで比較的大雑把に1次破砕される。1次破砕された被破砕木材の木材片は、破砕ロータ61の外周側の破砕室60内の空間を破砕ロータ61の回転方向に周回し、第1アンビル62に衝突して2次破砕される。これまでの1次・2次破砕により第1スクリーン69(第2スクリーン70)に設けた孔よりも粒度が小さくなった木材片は、第1アンビル62の下流側に位置する第1スクリーン69の孔を通過して排出される。第1スクリーン69(第2スクリーン70)に設けた孔よりも粒度が大きい木材片については、第1スクリーン69では排出されずに破砕ロータ61の回転によって下流側に流され、第1スクリーン69の下流側に位置する第2アンビル63に衝突し、その衝撃力によってさらに細かく3次破砕される。これにより、第1スクリーン69(第2スクリーン70)に設けた孔よりも粒度が小さくなった木材片は、第2アンビル63の下流側に位置する第2スクリーン70の孔を通過して排出される。
以上のようにして破砕された破砕途中の木材片のうち第1及び第2スクリーン69,70に多数設けた孔よりも大きな粒度のものは継続して破砕室60内を周回し、破砕ビット65や第1及び第2アンビル62,63に再度衝突することにより、さらに破砕されていく。このようにして、第1及び第2スクリーン69,70の孔を通過する粒度にまで粉砕されると、破砕木材(木材チップ)が第1又は第2スクリーン69,70の孔を通過して、破砕装置12から排出される。
破砕装置12から排出された破砕木材(木材チップ)は、シュート(図示せず)を介し循環駆動する排出コンベア3のコンベアベルト上に落下し、前方側(図1及び図2中右側)へと搬送され、リサイクル品として排出される。
以上のような構成及び動作を行う本実施の形態によれば、以下のような作用を得ることができる。すなわち、上述したように、木材片の中には第1アンビル62に衝突した時点で(すなわち1次及び2次破砕が終了した時点で)第1及び第2スクリーン69,70の開口部を通過可能な粒度にまで細かく破砕されるものもある。しかしながら、例えば前述の従来構造においては、スクリーンが複数のアンビルの破砕ロータ回転方向下流側にしか設けられていない(すなわち本実施形態における第1スクリーン69が設けられていない)ため、上記のように第1アンビル62に衝突した時点で既にスクリーンを通過可能となっている木材片についても、第2スクリーン70から排出されるまでの間に下流側の第2アンビル63に衝突してさらに細かく破砕される可能性がある。この場合、第2アンビル63によって不要な破砕が行われることになり、その分だけ破砕装置12における破砕効率が低下する。
これに対し、本実施の形態によれば、第1アンビル62と第2アンビル63との間に第1スクリーン69を設けるので、第1アンビル62による2次破砕までの破砕によって第1及び第2スクリーン69,70を通過可能となった木材片を、第1アンビル62の直後に位置する第1スクリーン69から直ちに排出することが可能である。これにより、第1アンビル62による2次破砕までの破砕により所望の粒度にまで破砕された木材片が下流側の第2アンビル63によってさらに破砕されるのを抑制することができる。したがって、不要な破砕が行われるのを抑制し、木材破砕機による破砕効率を向上することができる。
また、本実施の形態によれば、第1スクリーン69を設けることによって破砕ロータ61の外周側におけるスクリーンの占める割合を増大することができ、破砕ロータ61の周囲を延々と回転し続ける木材片の量を減少させることができる。その結果、破砕ロータ61と木材片との摩擦が低減されて、破砕ロータ61の動力の低減を図ることができる。さらに、破砕ロータ61の外周側におけるスクリーンの占める割合を増大することにより、第1及び第2スクリーン69,70の目詰まりの抑制効果も期待できる。
なお、以上は、被破砕木材の押圧導入手段として、前述した押えコンベア装置13を採用したが、これに限られず、例えば、駆動ローラ及び従動ローラの間に無端状の部材(ベルトやチェーン等)を巻き回したものを用いてもよい。また、その押圧時の動作も、回動動作でなく上下動する構成として構わない。この場合も同様の効果を得る。
また、破砕装置として破砕ロータ61の外周部に刃物(破砕ビット65)を取り付けたいわゆるインパクトクラッシャを備えた木材破砕機を例にとって説明したが、これに限られず、他の破砕装置、例えば、平行に配置された軸にカッタを備え、互いに逆回転させることにより被破砕物をせん断する破砕装置(いわゆるシュレッダを含む2軸せん断機等)や、ロール状の回転体(ロータ)に破砕用の刃物を取り付けたものを一対としてそれら一対を互いに逆方向へ回転させ、それら回転体の間に被破砕物を挟み込んで破砕を行う回転式の破砕装置(いわゆるロールクラッシャを含む6軸破砕機等)や、被破砕物をチップ状にするいわゆる木材チッパーを備えた木材破砕機にも適用可能である。これらの場合も、上記と同様の効果を得る。
さらに、本発明を自力走行可能な木材破砕機に適用した場合を例にとって説明したが、これに限られず、牽引して走行可能な移動式木材破砕機、若しくは例えばクレーン等により吊り上げて運搬可能な可搬式木材破砕機、さらにはプラント等において固定機械として配置される定置式木材破砕機に適用しても良いことは言うまでもなく、これらの場合も上記と同様の効果を得る。
1 走行体(走行手段)
3 排出コンベア
61 破砕ロータ
62 第1アンビル(第1の固定刃)
63 第2アンビル(第2の固定刃)
65 破砕ビット
69 第1スクリーン(第2の篩部材)
70 第2スクリーン(第1の篩部材)
71 アーム(支持部材)
91 アーム(支持部材)
3 排出コンベア
61 破砕ロータ
62 第1アンビル(第1の固定刃)
63 第2アンビル(第2の固定刃)
65 破砕ビット
69 第1スクリーン(第2の篩部材)
70 第2スクリーン(第1の篩部材)
71 アーム(支持部材)
91 アーム(支持部材)
Claims (5)
- 外周部に破砕ビットを配設した破砕ロータと、
この破砕ロータの外周側に設けた支持部材に配設した第1の固定刃と、
この第1の固定刃に対して前記破砕ロータの回転方向下流側に設けた支持部材に配設した第2の固定刃と、
この第2の固定刃に対して前記破砕ロータの回転方向下流側に前記破砕ロータと間隙を持って配設した第1の篩部材と、
前記第1の固定刃と前記第2の固定刃との間に前記破砕ロータと間隙を持って配設した第2の篩部材と
を備えたことを特徴とする木材破砕機。 - 前記破砕ロータと前記第2の固定刃との間隙を、前記破砕ロータと前記第1の固定刃との間隙より小さく設定したことを特徴とする請求項1に記載の木材破砕機。
- 前記第2の篩部材は前記破砕ロータの外周にほぼ沿った曲面形状を有し、その曲げ中心と前記破砕ロータの軸心とは偏心していることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の木材破砕機。
- 前記第2の篩部材を、前記破砕ロータの回転方向下流側ほど前記破砕ロータ外周との間隙が大きくなるように配設したことを特徴とする請求項3に記載の木材破砕機。
- 破砕した破砕物を排出する排出コンベアと走行手段とを備え、自走可能であることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の木材破砕機。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004137283A JP2005319348A (ja) | 2004-05-06 | 2004-05-06 | 木材破砕機 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004137283A JP2005319348A (ja) | 2004-05-06 | 2004-05-06 | 木材破砕機 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2005319348A true JP2005319348A (ja) | 2005-11-17 |
Family
ID=35467027
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2004137283A Pending JP2005319348A (ja) | 2004-05-06 | 2004-05-06 | 木材破砕機 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2005319348A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN108654787A (zh) * | 2018-06-01 | 2018-10-16 | 嘉兴裕盛精密机械有限公司 | 一种物料粉碎机 |
-
2004
- 2004-05-06 JP JP2004137283A patent/JP2005319348A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN108654787A (zh) * | 2018-06-01 | 2018-10-16 | 嘉兴裕盛精密机械有限公司 | 一种物料粉碎机 |
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