JP2005319172A - 紫外線殺菌装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 薬剤を充填したシリンジの如き内容物を充填してなる最終製品の状態でも内容物を変質させることなく殺菌できるようにする。
【解決手段】 コンベヤ2の搬送面を、紫外線を透過し得る材質のプレート部材7で形成させる。該コンベヤ2の搬送側の途中位置に殺菌処理部3を設ける。殺菌処理部3は、門型としたカバー10の内側に、紫外線フラッシュランプ11と反射鏡12を有する。又、コンベヤ2の搬送側の下側に反射鏡16を有する。コンベヤ2の搬送面に載せられて送られて来る被殺菌物としての薬剤充填後のシリンジ1が殺菌処理部3に達すると、紫外線フラッシュランプ11から直接照射される紫外線と、反射鏡12と16で反射される紫外線によりシリンジ1を殺菌する。
【選択図】図1

Description

本発明は、薬剤が充填されているシリンジの如き殺菌を必要とする包装物及びその内容物を殺菌するために用いる紫外線殺菌装置に関するものである。
従来、たとえば、薬剤充填後のシリンジの場合は、無菌ろ過等により滅菌処理した薬品を、滅菌又は殺菌処理されたシリンジ本体に、クリーンルーム等で無菌状態で充填することにより最終製品とされていた。そのため、薬剤充填後の最終製品としてのシリンジは雑菌が存在しないという前提で、シリンジ本体に薬剤充填後の殺菌はおこなわれていなかった。
しかし、製品の殺菌を万全とするためには、シリンジ本体の如き包装物に内容物を充填後の最終製品の状態で殺菌することが必要である。かかる観点から近年では、最終製品を殺菌することが行なわれている。図4はその一例として、薬剤充填後のシリンジを殺菌するようにしたもので、薬剤が充填されている樹脂又はガラス製のシリンジaを2枚のシート状フィルムbとcの間に配置し、フィルムbとcの周囲を溶着すると共にフィルムb、c間の空気を抜いてシリンジを密封包装した後、加熱処理によって最終製品としてシリンジaと内容物の薬剤を熱殺菌するようにしたものである(たとえば特許文献1参照)。
又、内容物として、たとえば歯科治療の分野で用いられる、オブチュレーション用ガタパーチャーを収納したシリンジを断熱材上に支持された使い捨てカイロとその上に載置された連続気泡合成樹脂発砲体との間に位置させて加熱させるようにしたシリンジ加熱装置が提案されている(たとえば特許文献2参照)。
更に、医薬品を充填した後のシリンジを殺菌するものではないが、シリンジの壁面の殺菌及びコーティングを行なうようにしたものも提案されている(たとえば特許文献3参照)。
一方、近年紫外線を含む電磁波を照射して、医薬品、医療器具、食品等を殺菌する方法が多用されている。その中で、搬送方向に直交する方向に延びる多数の軸体を搬送方向に所要間隔で配置して、各軸体に盤状体を取り付けてなるローラを有するコンベヤを用い、該コンベヤに殺菌対象物を載せて搬送させるようにし、更に、上記コンベヤの上側と下側にランプハウス内に紫外線ランプと反射板を取り付けてなる紫外線照射装置を配置し、該上下の紫外線照射装置から紫外線を照射させることにより殺菌対象物の表裏を同時に殺菌するようにしたものも提案されている(たとえば特許文献4参照)。
特開2003−052819号公報 特開2001−061863号公報 特開2000−300646号公報 特開2001−187625号公報
ところが、特許文献1に記載された殺菌方法は、シリンジに薬剤を充填した後の最終製品の状態で殺菌するものではあるが、シリンジに充填された薬剤を熱殺菌するものであることから、シリンジ内に充填した薬剤が変質するおそれがあり、この殺菌方法に用いられる薬剤としては、加熱処理の可能なものに限られるものである。したがって、この殺菌方法による場合、薬剤の耐熱の問題から、熱殺菌できない薬剤を充填後の最終製品の殺菌を行なうことはできないものである。又、特許文献2に記載されたものは、加熱装置であるため、特許文献1に記載されたものと同様に、熱殺菌できない薬剤を充填後の最終製品に用いることはできない。更に、特許文献3に記載されたものは、シリンジの壁面の殺菌及びコーティングを目的としたものであるため、薬剤充填後のシリンジの殺菌を行なうことはできない。
又、特許文献4に記載されたものは、コンベヤのローラを構成する盤状体の部分は光線が透過しないため、コンベヤ上の殺菌対象物の裏面には縞状の陰影ができてしまうおそれがあり、殺菌対象物の全体を均一に殺菌できないものである。又、コンベヤを挟んで上下に紫外線照射装置を用いているため、殺菌のためのランニングコストも高くなる。
そこで、本発明は、加熱処理を行なわずに、たとえば、薬剤を充填したシリンジの如き内容物を包装物に充填した最終製品の状態でも内部の薬剤等を変質させることなく殺菌処理することができるようにすると共に、一度の殺菌工程で包装物全体をムラなく均等に殺菌処理することができるようにする紫外線殺菌装置を提供しようとするものである。
本発明は、上記課題を解決するために搬送面に被殺菌物を載置して搬送できるようにしたコンベヤの搬送面側の途中位置に、搬送面上の被殺菌物に紫外線を照射するための紫外線ランプ又は紫外線フラッシュランプと、該紫外線ランプ又は紫外線フラッシュランプから照射される紫外線を反射させて該被殺菌物に照射させるようにする反射鏡を設けて、コンベヤ上の被殺菌物を殺菌処理するようにした構成とする。
又、上記構成において、コンベヤの搬送面を光を反射できる部材で形成し、反射鏡を紫外線ランプ又は紫外線フラッシュランプの上方位置に下向きに設けるようにし、あるいは、コンベヤの搬送面を紫外線を透過し得る材質のプレート部材で形成し、コンベヤの搬送側の搬送面を挟んで上下位置に反射鏡を設けるようにした構成とする。
更に、搬送面に被殺菌物を載置して搬送できるようにしたコンベヤの搬送面側の途中位置に、搬送面上の被殺菌物に紫外線を照射するための紫外線フラッシュランプを被殺菌物とほぼ等距離となるよう複数設置し、且つ該各紫外線フラッシュランプから照射される紫外線を反射させて上記被殺菌物に照射させるようにする反射鏡を反射面が凹状となるよう円弧形状とし、更に、被殺菌物の通過を検知する検知センサと、検知された当該被殺菌物が紫外線フラッシュランプの位置に来たときに紫外線を照射させるように制御させる制御器を設けた構成とする。
本発明の紫外線殺菌装置によれば、以下のような優れた効果を有する。
(1)搬送面に被殺菌物を載置して搬送できるようにしたコンベヤの搬送面側の途中位置に、搬送面上の被殺菌物に紫外線を照射するための紫外線ランプ又は紫外線フラッシュランプと、該紫外線ランプ又は紫外線フラッシュランプから照射される紫外線を反射させて該被殺菌物に照射させるようにする反射鏡を設けて、コンベヤ上の被殺菌物を殺菌処理するようにした構成としてあるので、薬剤入りシリンジの如き内容物を充填した包装物を紫外線により殺菌処理できて、最終製品の状態で包装物やその内容物を殺菌することができる。
(2)紫外線ランプ又は紫外線フラッシュランプをコンベヤの搬送側の搬送面の片側に設置した構成でコンベヤ上の被殺菌物を殺菌することができて設備を簡素化することができる。
(3)コンベヤの搬送面を光を反射させ得るものとすることにより、紫外線を反射させる反射鏡を、コンベヤの搬送側の上側に設置するだけですみ、且つ紫外線ランプ又は紫外線フラッシュランプによる紫外線の直接照射と、反射鏡と搬送面からの反射による紫外線照射で被殺菌物を均一に殺菌できる。
(4)コンベヤの搬送面を、紫外線を透過し得る材質により形成させることにより、コンベヤの搬送側を挟んで上下に反射鏡を設けることができて、被殺菌物を裏面側からも均一に紫外線を照射でき、より均一に殺菌することができる。
(5)搬送面に被殺菌物を載置して搬送できるようにしたコンベヤの搬送面側の途中位置に、搬送面上の被殺菌物に紫外線を照射するための紫外線フラッシュランプを被殺菌物とほぼ等距離となるよう複数設置し、且つ該各紫外線フラッシュランプから照射される紫外線を反射させて上記被殺菌物に照射させるようにする反射鏡を反射面が凹状となるよう円弧形状とし、更に、被殺菌物の通過を検知する検知センサと、検知された当該被殺菌物が紫外線フラッシュランプの位置に来たときに紫外線を照射させるように制御させる制御器を設けた構成とすることにより、1つの被殺菌物をより集中して殺菌することが可能となり、殺菌効果を高めることができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態を図面を参照して説明する。
図1(イ)(ロ)(ハ)(二)は本発明の紫外線殺菌装置の実施の一形態を示すもので、被殺菌物として、たとえば、本体の材質を紫外線や可視光を透過する材質(石英ガラス、ポリエチレン、ポリプロピレン、アクリル等)として薬剤を充填し、最終製品としてなる状態のシリンジ1を対象とし、該シリンジ1を自動搬送するコンベヤ2を構成し、該コンベヤ2の搬送面に載せられて搬送されるシリンジ1を紫外線殺菌するようにしてある殺菌処理部3を、上記コンベヤ2の所要個所に設置し、コンベヤ2で送られて来るシリンジ1を搬送途中で順次殺菌処理して排出させるようにする。
上記コンベヤ2は、たとえば、左右のコンベヤフレーム4の両端部に各々回転軸を介して回転可能に取り付けた左右2つずつのスプロケット5間に、左右別々にチェーン6を無端状に掛け渡して、該左右のチェーン6間に、該チェーン6の長手方向に並べて多数の矩形状のプレート部材7を配置し、各プレート部材7の両端(左右側の端部)を左右のチェーン6に連結して支持させた構成としてあり、各プレート部材7により搬送面を形成させて、一端側の回転軸を駆動軸として回転駆動させることによりチェーン6とプレート部材7が移動させられるようにしてある。又、上記チェーン6に対する各プレート部材7の連結支持方式は、たとえば、図1(ニ)に示す如く、プレート部材7の両端部の下面にブラケット8を取り付け、該ブラケット8にチェーン6から延ばしたピン9を通して、プレート部材7をチェーン6に支持させるようにする。
なお、上記コンベヤ2の搬送面を形成する各プレート部材7は、たとえば、ステンレススチール製とする等、表面を反射面として用いるようにする場合と、紫外線や可視光を透過し得る材質、たとえばポリエチレン、ポリプロピレン、アクリル等により透明体として、紫外線を透過させるようにして用いる場合がある。
又、上記殺菌処理部3は、上記コンベヤ2のプレート部材7を上面が反射面となるようにして用いる場合には、上記コンベヤ2を所要長さの範囲にわたって上方から覆うようにするカバー10の内側に、コンベヤ2上のシリンジ1に上方から紫外線を照射する単数又は複数の紫外線フラッシュランプ11と、該紫外線フラッシュランプ11からの紫外線を反射してコンベヤ2上のシリンジ1に当てるようにする反射鏡12とを備えてなる構成とする。
上記カバー10は、たとえば、コンベヤ2のコンベヤフレーム4を支持架台として利用して該コンベヤフレーム4上に両側の下端縁部を載置して支持させるようにするか、あるいは、図示しない固定物に載置させて支持するように設置する。上記紫外線フラッシュランプ11は、コンベヤ2の長手方向と平行になるようにカバー10の内側上部位置に配置し、カバー10の天井面に取り付けた伸縮方式等、長さを自在に調整できるようにしてある支持部材13下端のソケット14に紫外線フラッシュランプ11の両端を装着させて支持させるようにする。又、反射鏡12は、上記紫外線フラッシュランプ11からの紫外線を反射させてコンベヤ2上のシリンジ1に照射させられるようにするもので、紫外線フラッシュランプ11の上側位置に下向きに配置し、カバー10の天井面に直接取り付けるか、あるいはカバー10に支持部材15を介して支持させるようにする。
又、コンベヤ2のプレート部材7を、紫外線を透過し得る材質の透明体としたものを用いる場合は、上記カバー10内の下側位置、すなわち、コンベヤ2の搬送側の下側位置に、該コンベヤ2の搬送側を挟んで上記上部位置の反射鏡12と対抗するように反射鏡16を上向きに配置して、たとえばコンベヤフレーム4に固定した支持部材17で受けて支持させるようにし、プレート部材7を透過して来た紫外線フラッシュランプ11からの紫外線を反射鏡16で反射させてシリンジ1の下面側に照射させるようにする。
上記構成とした本発明の紫外線殺菌装置でシリンジ1の殺菌処理を行う場合は、コンベヤ2の搬送面となるプレート部材7上に被殺菌物としてのシリンジ1を載せて移送させると共に、順次移送されて来るシリンジ1に対して紫外線フラッシュランプ11から瞬時に照射される紫外線により殺菌させるようにする。そのために、殺菌処理部3内の紫外線フラッシュランプ11は所定時間間隔で継続して点灯させて閃光を発するようにしておく。
被殺菌物としての薬剤充填後のシリンジ1を最終製品として殺菌処理するときは、コンベヤ2の搬送面上にシリンジ1を上流側より供給して下流側へ自動搬送させる。途中位置の殺菌処理部3のカバー10内に入ったシリンジ1は、上方位置の紫外線フラッシュランプ11から瞬時に放出される紫外線が直接照射されると共に、上部の反射鏡12で反射される紫外線がシリンジ1に照射される。これによりシリンジ1全体を有効に紫外線殺菌させることができる。この場合、紫外線フラッシュランプ11は、シリンジ1の搬送方向と平行となるように配置してあるため、シリンジ1が移動中に紫外線フラッシュランプ11が点滅しても陰になる部分がなく、シリンジ1を斑なく殺菌させることができる。この際、コンベヤ2の搬送面を形成しているプレート部材7の上面が反射面として機能するようにしてある場合は、紫外線フラッシュランプ11から直接照射される紫外線や上部の反射鏡12で反射されて照射される紫外線がプレート部材7の上面で反射されてシリンジ1の下面側にも照射されることになる。これによりシリンジ1の表面や内部の薬剤も殺菌することができる。この場合、コンベヤ2の各プレート部材7上に載せられて自動搬送されるシリンジ1は、搬送時の振動によりプレート部材7上で揺動しながら搬送されるので、該プレート部材7の上面で反射される紫外線を全面で受けることができる。
一方、別の実施形態として、コンベヤ2のプレート部材7に、紫外線を通し得る材質で透明体としたものを用い、且つ下方位置に反射鏡16を用いた構成としてある場合、コンベヤ2の搬送面のプレート部材7を透過した紫外線を下部の反射鏡16で反射させて、上記プレート部材7を通してシリンジ1の下面側(裏面側)にも均一に照射させることができる。これによりコンベヤ2の搬送面に載せられて送られて来たシリンジ1を1個ずつ全面にわたり均一に紫外線を照射させることができて均一に殺菌処理させることができる。
シリンジ1は、紫外線を透過し得る材質としてあるため、照射された紫外線によりシリンジ1の表面は勿論のこと、内部に薬剤が充填された状態で内部の薬剤を殺菌処理することができる。
又、上記紫外線殺菌されたシリンジ1は、順次コンベヤ2により下流側へ移送させられて排出させられるが、紫外線フラッシュランプ11の継続的な点灯、消灯の繰り返しにより1つのシリンジ1は2度あるいは3度と紫外線照射を受けて殺菌処理させることもでき、より確実に殺菌処理を行なわせることができる。
上記において、反射鏡12,16は、いずれも平板状にしたものを示しているが、図1(ロ)に二点鎖線で示す如く円弧形状にしたり、図示してないが、多角形状に屈曲させたものを用いることもできる。このような反射鏡を用いれば、紫外線フラッシュランプ11から照射された紫外線をシリンジ1に向けて有効に反射させることも可能となる。
次に、図2(イ)(ロ)は本発明の実施の他の形態を示すもので、図1(イ)(ロ)に示した構成において、紫外線フラッシュランプ11をコンベヤ2の長手方向(搬送方向)に平行に取り付けるようにしたことに代えて、紫外線フラッシュランプ11をコンベヤ2の搬送方向と直交する方向(コンベヤの幅方向)に配置して取り付けるようにし、反射鏡12,16は平板状のものを用いるようにしたものである。その他の構成は図1に示したものと同一のものは同一符号が付してある。
この実施の形態によれば、図1に示した実施の形態の場合と同様にシリンジ1に薬剤を充填した状態で内部の薬剤を殺菌処理することができるほか、紫外線フラッシュランプ11は、コンベヤ2の幅寸法に相当する長さのものとすることができて、コンベヤ2の幅方向の全長にわたって紫外線を均一に照射することができると共に、コンベヤ2の搬送方向には複数の紫外線フラッシュランプ11から紫外線が照射されるので、シリンジ1の全面をより均一に殺菌処理することが可能となる。
図3は本発明の実施の更に他の形態を示すもので、1つのシリンジ1に対して複数の紫外線フラッシュランプ11からの紫外線をほぼ等距離から照射させるようにしようとするため、図1、図2に示した殺菌処理部3に代えて、シリンジ1をセンサで検知して複数の紫外線フラッシュランプにより1つのシリンジ1を瞬時に殺菌するようにした殺菌処理部18としたものである。すなわち、カバー10の内側に3本の紫外線フラッシュランプ11a,11b,11cをコンベヤ2の搬送方向に直交する向きで配置し、中央部に位置する紫外線フラッシュランプ11bの取付位置を、両側に位置する紫外線フラッシュランプ11a,11cの取り付け位置よりもやや高くして、コンベヤ2上のシリンジ1が、3本の紫外線フラッシュランプ11a,11b,11cからなるランプ群の下に来たときに、該シリンジ1に対して3本の紫外線フラッシュランプ11a,11b,11cがほぼ等距離にあるようにする。又、上記各紫外線フラッシュランプ11a,11b,11cの位置に合わせて上下の反射鏡12、16を円弧形状とする。更に、上記3本の紫外線フラッシュランプ11a,11b,11cの下方位置にシリンジ1が送られて来たときに各紫外線フラッシュランプ11a,11b,11cがフラッシュするよう上流位置に、コンベヤ2で送られるシリンジ1を検知する検知センサ19を設置し、該センサ19でシリンジ1の通過を検知(確認)すると、所定時間経過後に紫外線フラッシュランプ11a,11b,11cを点灯させるようにする。
そのために、センサ19によりシリンジ1が検知されてから当該シリンジ1が3本の紫外線フラッシュランプ11a,11b,11cの下方位置に達するまでの所要時間を予め求めておいて、シリンジ1が検知されてから所要時間経過後に指令を発する制御器20を備え、センサ19によりシリンジ1の通過が検知されると、該制御器20からの指令により紫外線フラッシュランプ11a,11b,11cのスイッチ21がON作動させるようにしてある。
その他の構成は図2に示したものと同様であり、同一のものには同一の符号が付してある。
この実施の形態によれば、コンベヤ2で搬送される薬剤充填後のシリンジ1が殺菌処理部18に達してシリンジ検知センサ19により検知されると、制御器20からの指令により、シリンジ1が紫外線フラッシュランプ11a,11b,11cの位置に達したときに、紫外線フラッシュランプ11a,11b,11cが一斉に点灯させられるので、シリンジ1を瞬時に殺菌し、内部の薬剤を殺菌処理することができる。この際、紫外線フラッシュランプ11a,11b,11cは高さ位置を変えて、殺菌しようとするシリンジ1を取り囲むような配置としてあるので、1本のシリンジ1に対して3本の紫外線フラッシュランプ11a,11b,11cより等距離から紫外線を照射することができて、殺菌効果を高めることができる。更に、上下に反射鏡12,16を配置して、シリンジ1の全面に紫
外線を照射させることができることから、1つのシリンジ1の殺菌効果をより高めることができる。
又、この実施の形態において、殺菌処理部18を、コンベヤ2の搬送ライン上に複数設置することもできる。このようにすれば、一度で殺菌できないようなものでも下流側に設置された殺菌処理部18に通すことにより殺菌することができるようになるので、殺菌対象物を広げることができる。
更に、図3に示す実施の形態では、コンベヤ2の搬送面を形成するプレート部材7を、紫外線を透過し得るものとして、下側にも反射鏡16を設けた場合としてあるが、前記した如く、コンベヤ2の搬送面を反射面となるプレート部材で形成した場合は、上部の反射鏡12のみとすることができることは、図1の実施の形態の場合と同様である。
なお、本発明は上記した実施の形態にのみ限定されるものではなく、たとえば、殺菌対象物を、薬剤充填後のシリンジ1とした場合について例示したが、包装物のみならず、内容物をも同時殺菌することを必要とするものであれば、どのようなものでも本発明の紫外線殺菌装置を用いて殺菌することができることは勿論である。又、図1及び図2に示す実施の形態では、殺菌処理部3内に紫外線フラッシュランプ11を設置して、所定間隔で点灯、消灯を繰り返すようにする場合を示したが、紫外線フラッシュランプ11に代えて殺菌力は劣るが紫外線ランプを用いるようにして連続的に点灯させておくようにすることもできる。この場合は、紫外線ランプによる殺菌時間が長く確保できるように殺菌処理部3のライン方向の長さを長くするようにすればよい。更に、コンベヤ2の搬送面をプレート部材7で形成し、該プレート部材7を上面が光を反射できるようにしたものとして用いる場合を示したが、搬送面を反射面としたコンベヤとする場合は、プレート部材7に限らず、ベルト状のものを用いるようにしてもよいこと、殺菌処理部3に用いる紫外線フラッシュランプ11の本数として、図1では2本、図2では3本の場合を示したが、これに限られるべきではなく1本あるいは他の複数本としてもよいこと、又、図3に示す殺菌処理部18では、3本の紫外線フラッシュランプ11a,11b,11cを用いた場合を示したが、3本以外でもよいこと、コンベヤ2は間欠送りを行うようにしてもよいこと、その他本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
本発明の紫外線殺菌装置の実施の一形態の概要を示すもので、(イ)は一部切断側面図、(ロ)は(イ)のA−A方向よりの切断正面図、(ハ)は(イ)のB−B方向よりの切断平面図、(ニ)は(ロ)のC部の拡大図である。 本発明の実施の他の形態の概要を示すもので、(イ)は一部切断側面図、(ロ)は(イ)のD−D方向よりの切断正面図である。 本発明の実施の更に他の形態の概要を示す一部切断側面図である。 従来のシリンジを殺菌するときの状態を示す斜視図である。
符号の説明
1 シリンジ(被殺菌物)
2 コンベヤ
3 殺菌処理部
7 プレート部材
10 カバー
11,11a,11b,11c 紫外線フラッシュランプ
12 反射鏡
16 反射鏡
18 殺菌処理部
19 検知センサ
20 制御器

Claims (4)

  1. 搬送面に被殺菌物を載置して搬送できるようにしたコンベヤの搬送面側の途中位置に、搬送面上の被殺菌物に紫外線を照射するための紫外線ランプ又は紫外線フラッシュランプと、該紫外線ランプ又は紫外線フラッシュランプから照射される紫外線を反射させて該被殺菌物に照射させるようにする反射鏡を設けて、コンベヤ上の被殺菌物を殺菌処理するようにしたことを特徴とする紫外線殺菌装置。
  2. コンベヤの搬送面を光を反射できる部材で形成し、反射鏡を紫外線ランプ又は紫外線フラッシュランプの上方位置に下向きに設けた請求項1記載の紫外線殺菌装置。
  3. コンベヤの搬送面を紫外線を透過し得る材質のプレート部材で形成し、コンベヤの搬送側の搬送面を挟んで上下位置に反射鏡を設けるようにした請求項1記載の紫外線殺菌装置。
  4. 搬送面に被殺菌物を載置して搬送できるようにしたコンベヤの搬送面側の途中位置に、搬送面上の被殺菌物に紫外線を照射するための紫外線フラッシュランプを被殺菌物とほぼ等距離となるよう複数設置し、且つ該各紫外線フラッシュランプから照射される紫外線を反射させて上記被殺菌物に照射させるようにする反射鏡を反射面が凹状となるよう円弧形状とし、更に、被殺菌物の通過を検知する検知センサと、検知された当該被殺菌物が紫外線フラッシュランプの位置に来たときに紫外線を照射させるように制御させる制御器を設けたことを特徴とする紫外線殺菌装置。
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