JP2019085143A - 容器に対する閃光パルス殺菌処理システム - Google Patents
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Abstract
【課題】照射対象の形状に起因する照射ムラを軽減し、照射対象の殺菌処理速度を維持し、更にランプ出力を上げることなく、高い殺菌効果が得られる、容器に対する閃光パルス殺菌処理システムを提供する。【解決手段】殺菌処理対象である容器8を一方向(X方向)に搬送するコンベア12と、コンベアの上方(Z方向)で、各々紫外線をパルス照射する1本のランプ2を備えた複数台の照射器6aとを備え、ランプは、容器の走行方向(X方向)と一致するように配置され、複数台の照射器からの発光は、夫々相異なる焦点距離を有し、容器が各照射器に備えられたランプの真下に搬送された時、コンベアは停止して、ランプは紫外線パルス照射され、照射器毎に順次紫外線パルス照射を繰り返す。【選択図】図2A
Description
本発明は、容器に対する閃光パルス殺菌処理システムに関する。更に具体的には、本発明は、例えば、キセノンフラッシュランプを利用した食品容器等に対する殺菌処理システムに関する。
食品の製造・加工メーカーでは、食品容器を確実に殺菌処理することが重要である。消費者ニーズの多様化により、食品の低塩化、保存料の廃止、賞味期限の延長等により、食品容器に対する確実な殺菌処理が求められている。
現在、加熱処理、薬剤による殺菌に代わり、非加熱・非接触で殺菌が可能な殺菌技術の開発が進められている。このような、非加熱・非接触の殺菌技術として、閃光パルス殺菌が注目されている。
閃光パルス殺菌処理システムには、代表的にはキセノンフラッシュランプが使用されている。キセノンフラッシュランプの発光には、殺菌に有効な波長200〜300nmの紫外線を豊富に含んでいる。
閃光パルスを利用した殺菌処理システムは、殺菌効果が強力であり、発光のパルス制御が容易であり、非接触のため残留物が発生せず、極めて短時間のパルス照射のため殺菌処理対象への影響が少ない等の利点・特徴を有している。
先行技術文献として、食品容器に対するキセノンフラッシュランプを利用した殺菌処理システムに関して次の文献が存在する。
閃光パルス殺菌処理システムは、上記の利点・特徴を有する反面、殺菌処理対象の光が照射された部分しか殺菌されないという問題がある。殺菌処理対象である食品容器にはカップ容器など縦長の立体形状が多く、高さが高いほどフラッシュランプの発光を均一に当てることが難しくなる。照射されない部分、照射が弱い部分等が有って照射ムラが多くなると、十分な殺菌効果が得られなくなる。
また、むやみに照射回数を増加したり、発光強度を高くすると、消費電力が増加し、キセノンフラッシュランプの寿命も短くなる。反対に、食品容器に対する照射時間を長くすると、殺菌処理に要する時間が長くなり、作業性に欠ける。
そこで、本発明は、照射対象の形状に起因する照射ムラを軽減し、照射対象の殺菌処理速度を維持し、更にランプ出力を上げることなく、高い殺菌効果が得られる、容器に対する閃光パルス殺菌処理システムを提供することを目的とする。
本発明に係る食品容器に対する殺菌処理システムは、容器に対する閃光パルス殺菌処理システムであって、殺菌処理対象である容器を一方向(X方向)に搬送するコンベアと、前記コンベアの上方(Z方向)で、各々紫外線をパルス照射する1本のランプを備えた複数台の照射器とを備え、前記ランプは、ランプ軸線の方向(Y方向)が前記容器の走行方向(X方向)と一致するように配置され、前記複数台の照射器からの発光は、夫々相異なる焦点距離を有し、前記容器が各照射器に備えられたランプの真下に搬送された時、前記コンベアは停止して、前記ランプは紫外線パルス照射され、照射器毎に順次紫外線パルス照射を繰り返す。
更に、本発明に係る食品容器に対する殺菌処理システムは、容器に対する閃光パルス殺菌処理システムであって、殺菌処理対象である容器を一方向(X方向)に搬送するコンベアと、前記コンベアの上方(Z方向)で、各々紫外線をパルス照射する1本のランプを備えた複数台の照射器を備え、前記ランプは、前記容器の走行方向(X方向)と一致するように配置され、前記複数本のランプからの発光は、夫々相異なる焦点距離を有し、前記容器が各ランプの真下に搬送された時、前記コンベアは停止して、前記ランプは紫外線パルス照射され、ランプ毎に順次紫外線パルス照射を繰り返す。
更に、本発明に係る食品容器に対する殺菌処理システムは、容器に対する閃光パルス殺菌処理システムであって、殺菌処理対象である容器を一方向(X方向)に搬送するコンベアと、前記コンベアの上方(Z方向)で、紫外線をパルス照射する1本のランプを備えた1台の照射器とを備え、前記ランプは、前記容器の走行方向(X方向)と一致するように配置され、前記ランプを覆う反射鏡は、ランプ軸線の方向(Y方向)に複数の区分に分割され、各区分からの夫々の反射光の焦点距離は相異なる焦点距離を有し、前記容器が前記反射鏡の各区分の領域に順次搬送されると、順次相異なる焦点距離の紫外線パルス照射を受ける。
更に、本発明に係る殺菌処理システムは、容器に対する閃光パルス殺菌処理システムであって、殺菌処理対象である容器を一方向(X方向)に搬送するコンベアと、前記コンベアの上方(Z方向)で、紫外線をパルス照射する1本のランプを備えた1台の照射器とを備え、前記ランプは、前記容器の走行方向(X方向)と一致するように配置され、前記ランプを覆う反射鏡は、X方向に連続的に反射光の焦点距離が変化するように成形されており、連続的に変化する焦点距離の発光を、連続的に移動する食品容器に照射する。
更に、上記殺菌処理システムでは、複数台の前記照射器が前記コンベアの幅方向に複数台配置され、前記容器が前記コンベアの幅方向に複数個並置され、同時に殺菌処理されるシステムであってよい。
更に、上記殺菌処理システムでは、前記ランプは、パルスドキセノンランプであってよい。
更に、本発明に係る容器に対する閃光パルス殺菌処理システムに使用される照射器は、ランプと、前記ランプの周囲を部分的に覆う反射鏡とを備え、前記反射鏡はランプ軸線方向に複数の区分に分割され、各区分からの夫々の反射光の焦点距離は相異なる焦点距離を有している。
更に、本発明に係る容器に対する閃光パルス殺菌処理システムに使用される照射器において、ランプと、前記ランプの周囲を部分的に覆う反射鏡とを備え、
前記反射鏡は、ランプ軸線方向に連続的に反射光の焦点距離が変化するように成形されている。
前記反射鏡は、ランプ軸線方向に連続的に反射光の焦点距離が変化するように成形されている。
本発明によれば、照射対象の形状に起因する照射ムラを軽減し、照射対象の殺菌処理速度を維持し、更にランプ出力を上げることなく、高い殺菌効果が得られる、容器に対する閃光パルス殺菌処理システムを提供することが出来る。
以下、本発明に係る容器に対する閃光パルス殺菌処理システムの実施形態に関して、添付の図面を参照しながら詳細に説明する。ここでは、容器に対する閃光パルス殺菌処理システムとして、食品容器に対するキセノンフラッシュランプを利用した殺菌処理システムを例にとって説明する。なお、図面において、同じ要素に対しては同じ参照符号を付して重複した説明を省略する。
[従来の殺菌処理システム]
本実施形態に係る殺菌処理システムの理解を容易にするため、最初に、従来の殺菌処理システムに関して説明する。図1Aは、従来の食品容器の殺菌処理システム100の全体の概要を説明する図である。搬送コンベア12の上に、殺菌処理対象物である容器8が整列して乗せられ、矢印方向に搬送される。容器8は、搬送コンベア12の幅方向に複数個整列し、搬送コンベア12の走行方向に間隔Lごとに位置決めされ、乗せられている。
本実施形態に係る殺菌処理システムの理解を容易にするため、最初に、従来の殺菌処理システムに関して説明する。図1Aは、従来の食品容器の殺菌処理システム100の全体の概要を説明する図である。搬送コンベア12の上に、殺菌処理対象物である容器8が整列して乗せられ、矢印方向に搬送される。容器8は、搬送コンベア12の幅方向に複数個整列し、搬送コンベア12の走行方向に間隔Lごとに位置決めされ、乗せられている。
搬送コンベア12の上方に、内部にランプ2を備えた照射器6aが備えられている。更に、照射器6の内部には反射鏡4が備えられ、ランプ2から容器とは反対に向かう発光を反射して容器に向け、発光の有効利用を図っている。ランプ2は、搬送コンベア12の表面に対し平行な面内にあり、ランプ軸線が移動方向に垂直方向に延在するよう位置決めされ、移動する容器全体をムラなく照射している。ここで、各要素の位置関係を分かり易くするため、コンベア12の走行方向(容器の搬送方向)をX方向、コンベア12の幅方向をY方向、X-Y平面に垂直方向(容器8がランプ2の真下に来たときの容器から見たランプの方向)をZ方向と規定し、これ以降の各図に表示する。
各要素に関して説明する。容器8は、代表的には、食品容器である。食品容器の蓋も含まれる。その他、人体に取り込まれる薬品等の殺菌処理を必要とする任意の容器が含まれる。
ランプ2は、代表的には、直管タイプのキセノンフラッシュランプである。キセノンフラッシュランプを使用した閃光パルス殺菌処理は、パルスドキセノン殺菌処理とも称される。
照射器6aには、両端に冷却用ダクト7が設けられ、照射器6aの内部に冷却流を流通させて、ランプ2を冷却している。
反射鏡4の鏡面は、容器内を効果的に照射する観点より、好ましくは、楕円形状の一部を形成している。この鏡面の形状により、反射光の(従って、照射器からの発光の)焦点距離fが決定される。
このような殺菌処理システムの一例として、ヨーグルト充填機がある。ヨーグルト充填機の殺菌処理システムは、停止、搬送を繰り返すタクト搬送で、停止0.75秒、移動1.05秒、移動距離178mmである。従って、搬送速度は、170mm/secとなる。
(殺菌処理工程)
図1Cは、従来の食品容器の殺菌処理システム100の殺菌処理工程を説明する図である。従来の食品容器の殺菌処理システム100では、搬送コンベア12に乗せられた容器8がランプ2の真下に来ると(時間t=aの停止時点)、搬送コンベア12が一旦停止し、ランプ2からの紫外線発光により殺菌処理される。その後、再始動して矢印方向に間隔Lだけ移動し、再停止して殺菌処理する。即ち、搬送コンベア12は、間隔Lだけ進むごとに停止し、殺菌処理を行っている。パルス発光回数は、典型的には6パルスである。殺菌処理が終了した容器8は、次工程の食品充填工程に進む。
図1Cは、従来の食品容器の殺菌処理システム100の殺菌処理工程を説明する図である。従来の食品容器の殺菌処理システム100では、搬送コンベア12に乗せられた容器8がランプ2の真下に来ると(時間t=aの停止時点)、搬送コンベア12が一旦停止し、ランプ2からの紫外線発光により殺菌処理される。その後、再始動して矢印方向に間隔Lだけ移動し、再停止して殺菌処理する。即ち、搬送コンベア12は、間隔Lだけ進むごとに停止し、殺菌処理を行っている。パルス発光回数は、典型的には6パルスである。殺菌処理が終了した容器8は、次工程の食品充填工程に進む。
容器8の内面(被照射面)の照射強度分布を測定したところ、照射強度に強弱があることが判明した。即ち、図1Cの容器断面図で見て、容器内面の右側側面、左側側面及び底面に、照射強度が比較的弱い箇所(照度分布のムラ)があることが判明した。
殺菌処理システム100では、照射光の当たり難い側面下端部で照度が高くなるように、反射鏡からの紫外線発光の焦点が容器内で結ぶように調整されている。その結果、容器8内面の下端部以外の側面では照度が低くなることが判明した。なお、照度の高低は、発光の密集度により判定している。
更に、左右の側面に関しては、紫外線発光の入射角度が大きいことから照度の低下が考えられる。底面に関しては、ランプ2からの直射発光は直接入射するが、反射鏡4からの反射発光はランプ2が邪魔して十分に利用出来ないことが考えられる。
このような従来の殺菌処理システム100でも、生菌数はゼロと見なせるレベルにあり食品容器の衛生上問題は無い。しかし、食品容器の衛生管理は、念には念を入れて行う必要がある。
この従来の殺菌処理システム100の特徴は、次のようになる。
(1)1本のランプを備えた1台の照射器で照射する。ランプは直管タイプである。
(2)容器(従って、コンベア)の走行方向(X方向)は、Z方向に見て、ランプ軸線(Y方向)と直交関係にある。
(3)コンベアの幅方向(Y方向)には、容器が複数個並置され、同時に殺菌処理される。
(4)1個の容器に対して、6パルスのパルス照射を1回行う。
(1)1本のランプを備えた1台の照射器で照射する。ランプは直管タイプである。
(2)容器(従って、コンベア)の走行方向(X方向)は、Z方向に見て、ランプ軸線(Y方向)と直交関係にある。
(3)コンベアの幅方向(Y方向)には、容器が複数個並置され、同時に殺菌処理される。
(4)1個の容器に対して、6パルスのパルス照射を1回行う。
本実施形態に係る殺菌処理システムは、この照射強度の強弱(照度分布のムラ)の問題を解決して、一層確実な殺菌処理を可能にしたものである。
[第1実施形態に係る殺菌処理システム]
図2A〜2Cを参照しながら、第1実施形態に係る殺菌処理システム10を、従来の殺菌処理システム100と比較して、相違点を中心に説明する。
図2A〜2Cを参照しながら、第1実施形態に係る殺菌処理システム10を、従来の殺菌処理システム100と比較して、相違点を中心に説明する。
図2Aは、第1実施形態に係る食品容器の殺菌処理システム10の全体の概要を説明する図である。殺菌処理システム10は、殺菌処理システム100と比較すると、3台の照射器6a−1,6a−2,6a−3がコンベア12の走行方向に直列的に配置されている点で相違する。更に、各照射器に備えられたランプのランプ軸線方向がコンベア12の走行方向に一致している点で相違する。更に、各照射器に備えられた反射鏡4−1,4−2,4−3からの反射光の焦点距離f1,f2,f3が相異なっている点で相違する。食品容器8は、コンベア12の走行方向に整列し、最初に照射器6a−1からの照射を受け、次に照射器6a−2からの照射を受け、次に照射器6a−3からの照射を受ける。
図2Bは、殺菌処理システム10の照射器6a−1のランプ軸線を通るX−Z平面の断面図である。照射器6a−1の反射鏡4−1からの反射光の焦点距離f1である。
図2Cは、各照射器により容器が照射されている状況を説明する図である。ここで、例えば、反射鏡からの反射光の焦点距離が、f1<f2<f3とする。
図2C(A)は、照射器6a−1の発光により容器が殺菌処理されている状況であり、反射鏡4−1の焦点距離f1が相対的に短いため、容器内面の側面上部を中心に強く殺菌処理される。図2C(B)は、照射器6a−2の発光により容器が殺菌処理されている状況であり、反射鏡4−2の焦点距離f2が中間値であるため、容器内面の側面中間部分を中心に強く殺菌処理される。図2C(C)は、照射器6a−3の発光により容器が殺菌処理されている状況であり、反射鏡4−3の焦点距離f3が相対的に長いため、容器内面の側面下部及び底面を中心に強く殺菌処理される。
このように3段階の殺菌処理により、照射強度の強弱(照度分布のムラ)の問題が解決され、一層確実な殺菌処理が出来る。なお、照射器の台数3台は例示であって、これに限定されない。2台以上であれば、任意所望の台数を設けることが出来る。
更に、第1実施形態の変形例として、3台の照射器6a−1,6a−2,6a−3を一体化して1台の照射器とし、内部に3本のランプ及びこれに対応する反射鏡を直列的に配置してもよい。これにより、設備の初期投資を軽減することが出来る。
殺菌処理工程では、コンベア12は停止、搬送を繰り返すタクト搬送している。しかし、停止せずに食品容器8を連続して搬送してもよい。
第1実施形態に係る殺菌処理システム10では、1照射器当たりの照射回数を従来の6パルスから2パルスに減らせることで、短い停止時間でも殺菌処理が可能となる。実際、従来の6パルス照射に必要な停止時間は1.2秒だが、第1実施形態では2パルスで済むため、停止期間は0.4秒にすることも可能であり、殺菌処理のラインを高速化することが可能となる。
この殺菌処理システム10の特徴は、次のようになる。
(1)各々1本のランプを備えた複数台の照射器で逐次的に照射する。或いは、連続的に照射してもよい。
(2)容器(従って、コンベア)の走行方向(X方向)は、ランプ軸線方向と一致している。
(3)1個の容器に対して、複数回の照射を行うので、1回当たりの照射は相対的に少ないパルス(例えば、2パルス)の照射を行っている。
(1)各々1本のランプを備えた複数台の照射器で逐次的に照射する。或いは、連続的に照射してもよい。
(2)容器(従って、コンベア)の走行方向(X方向)は、ランプ軸線方向と一致している。
(3)1個の容器に対して、複数回の照射を行うので、1回当たりの照射は相対的に少ないパルス(例えば、2パルス)の照射を行っている。
[第2実施形態に係る殺菌処理システム]
図3A〜3Bを参照しながら、第2実施形態に係る殺菌処理システム20を、第1実施形態に係る殺菌処理システム10と比較して、相違点を中心に説明する。
図3A〜3Bを参照しながら、第2実施形態に係る殺菌処理システム20を、第1実施形態に係る殺菌処理システム10と比較して、相違点を中心に説明する。
図3Aは、第2実施形態に係る食品容器の殺菌処理システム20の全体の概要を説明する図である。殺菌処理システム20は、殺菌処理システム10と比較すると、照射器6bがコンベア12の走行方向に直列的に配置されている点で相違する。更に、照射器6bに備えられたランプ2のランプ軸線方向がコンベア12の走行方向に一致している点で相違する。更に、照射器に備えられた反射鏡が3分割され、第1区分4−1,第2区分4−2,第3区分4−3からの夫々の反射光の焦点距離f1,f2,f3が相異なっている点で相違する。
図3Bは、図3Aに示す殺菌処理システムのランプ軸線を通るX−Z平面の断面図である。食品容器8は、コンベア12の走行方向に整列し、図に示す領域(A)では反射鏡第1区分4−1からの照射を受け、次に領域(B)では第2区分4−2からの照射を受け、次に領域(C)では第3区分4−3からの照射を受ける。なお、この反射鏡の分割数は、これに限定されない。2以上であれば、任意所望の分割数であってよい。
更に、反射鏡を離散的に複数の区分に分割するのではなく、X方向に連続的に(徐々に)反射光の焦点距離が変化するように成形してもよい。このような連続的に変化する焦点距離の発光を、連続的に移動する食品容器に照射することにより、容器内面を短時間で均一に殺菌処理することが出来る。
この殺菌処理システム20の特徴は、上記殺菌処理システム10の特徴と比較して、次の点で相違する。
(1)1本のランプを備えた1台の照射器で連続的に照射する。反射鏡は、ランプ軸線方向を複数に分割され、各区分からは相異なる焦点距離の反射光が発光される。
(3)1個の容器に対して、反射鏡の区分毎に照射を行うので、1回当たりの照射は相対的に少ないパルス(例えば、2パルス)の照射を行っている。
(1)1本のランプを備えた1台の照射器で連続的に照射する。反射鏡は、ランプ軸線方向を複数に分割され、各区分からは相異なる焦点距離の反射光が発光される。
(3)1個の容器に対して、反射鏡の区分毎に照射を行うので、1回当たりの照射は相対的に少ないパルス(例えば、2パルス)の照射を行っている。
[第3及び第4実施形態に係る殺菌処理システム]
図4Aは、第3実施形態に係る殺菌処理システム30を説明する図であり、システムを上方からZ方向に見た模式図である。この殺菌処理システム30は、第1実施形態に係る殺菌処理システム10の変形例である。殺菌処理システム10では、3台の照射器がX方向に一列に設置されている。これに対して、殺菌処理システム30では、各々3台の照射器が二列に設置されている。この列数は、これに限定されない。複数列であれば、任意所望の列数であってよい。
図4Aは、第3実施形態に係る殺菌処理システム30を説明する図であり、システムを上方からZ方向に見た模式図である。この殺菌処理システム30は、第1実施形態に係る殺菌処理システム10の変形例である。殺菌処理システム10では、3台の照射器がX方向に一列に設置されている。これに対して、殺菌処理システム30では、各々3台の照射器が二列に設置されている。この列数は、これに限定されない。複数列であれば、任意所望の列数であってよい。
図4Bは、第4実施形態に係る殺菌処理システム40を説明する図であり、システムを上方からZ方向に見た模式図である。この殺菌処理システム40は、第2実施形態に係る殺菌処理システム20の変形例である。殺菌処理システム20では、1台の照射器がX方向に沿って設置されている。これに対して、殺菌処理システム40では、2台の照射器がX方向に沿って設置されている。この照射器の台数は、これに限定されない。複数台であれば、任意所望の台数であってよい。
図4A及び4Bを参照しながら、第3及び第4実施形態に係る殺菌処理システム30,40を、第1及び第2実施形態に係る殺菌処理システム10,20と比較すると、コンベア12の走行方向に食品容器を複数列配置し同時に殺菌処理が出来るため、処理効率が高くなる特徴を有している。
[実施形態の評価試験]
本実施形態の効果を確認するため食品細菌検査を行った。なお、この実験は、殺菌効果の差異を求めるため、人為的に未処理の菌を大量に容器内面に付着・繁殖させて行ったことを承知されたい。実際の食品の製造・加工メーカーにおける殺菌処理工程の食品容器では、従来技術でも、処理後の生菌数はゼロと見なせるレベルにある。
本実施形態の効果を確認するため食品細菌検査を行った。なお、この実験は、殺菌効果の差異を求めるため、人為的に未処理の菌を大量に容器内面に付着・繁殖させて行ったことを承知されたい。実際の食品の製造・加工メーカーにおける殺菌処理工程の食品容器では、従来技術でも、処理後の生菌数はゼロと見なせるレベルにある。
実験に使用した殺菌処理システム100,10の装置構成は、次の通りである。
装置の大きさ:1200×200mm
実装ランプ:アーク長 850mm 有効長 700mm
この実験では、枯れ草菌(芽胞)を内表面に塗布し、パルス照射前後での生菌数を確認することで、不活性化効果(殺菌能力)の確認を行った。
装置の大きさ:1200×200mm
実装ランプ:アーク長 850mm 有効長 700mm
この実験では、枯れ草菌(芽胞)を内表面に塗布し、パルス照射前後での生菌数を確認することで、不活性化効果(殺菌能力)の確認を行った。
表1は、図1Aに示す従来の殺菌処理システム100(従来例)と、図2Aに示す第1実施形態に係る殺菌処理システム10(実施例1及び2)との枯れ草菌(芽胞)に対する殺菌効果の実験データである。
従来例のパルス照射方法は、600J のパルスを連続6パルス照射している。本実施例1では、600J のパルスを、図2Cの(A)の位置で連続2パルス照射し、(B)の位置で連続2パルス照射し、(C)の位置で連続2パルス照射している。本実施例2では、パルスの出力エネルギーを400J に下げて、同様の照射を行っている。
従来例のパルス照射方法は、600J のパルスを連続6パルス照射している。本実施例1では、600J のパルスを、図2Cの(A)の位置で連続2パルス照射し、(B)の位置で連続2パルス照射し、(C)の位置で連続2パルス照射している。本実施例2では、パルスの出力エネルギーを400J に下げて、同様の照射を行っている。
表1の従来例1の結果より、従来例の不活化効果-LOG(N/N0)=2が、-LOG(N/N0)=2.5に向上したことが確認できた。これにより、照射対象の形状に起因する照射ムラを軽減し、照射対象の殺菌処理速度を維持し、更にランプ出力を上げることなく、高い殺菌効果が得られることが確認できた。
従来例2の結果より、パルスの出力エネルギーを600J から400Jに下げても、従来例の不活化効果-LOG(N/N0)=2と同じ殺菌効果を得ることが出来ることが確認できた。これにより、照射対象の形状に起因する照射ムラを軽減し、照射対象の殺菌処理速度を維持し、更にランプ出力を下げても従来と同等の殺菌効果が得られることが確認できた。更に、ランプの寿命を延ばし、殺菌装置のランニングコストを低減することが確認できた。
[その他]
以上、本発明に係る容器に対する閃光パルス殺菌処理システムの実施形態に関して説明したが、これらは例示であって、本発明を何等限定するものでは無い。本発明の技術的範囲は、添付の特許請求の範囲によって定められる。
以上、本発明に係る容器に対する閃光パルス殺菌処理システムの実施形態に関して説明したが、これらは例示であって、本発明を何等限定するものでは無い。本発明の技術的範囲は、添付の特許請求の範囲によって定められる。
2:ランプ、 4,4−1,4−2,4−3:反射鏡、 6a,6a−1,6a−2,6a−3,6b:照射器、 7:冷却用ダクト、 8:容器,食品容器、 10:殺菌処理システム、 12:コンベア,搬送コンベア、 16:発光、 20:殺菌処理システム、 30:殺菌処理システム、 40:殺菌処理システム、 100:殺菌処理システム、
Claims (8)
- 容器に対する閃光パルス殺菌処理システムにおいて、
殺菌処理対象である容器を一方向(X方向)に搬送するコンベアと、
前記コンベアの上方(Z方向)で、各々紫外線をパルス照射する1本のランプを備えた複数台の照射器とを備え、
前記ランプは、前記容器の走行方向(X方向)と一致するように配置され、
前記複数台の照射器からの発光は、夫々相異なる焦点距離を有し、
前記容器が各照射器に備えられたランプの真下に搬送された時、前記コンベアは停止して、前記ランプは紫外線パルス照射され、照射器毎に順次紫外線パルス照射を繰り返す、閃光パルス殺菌処理システム。 - 容器に対する閃光パルス殺菌処理システムにおいて、
殺菌処理対象である容器を一方向(X方向)に搬送するコンベアと、
前記コンベアの上方(Z方向)で、各々紫外線をパルス照射する複数本のランプをX方向に備えた1台の照射器とを備え、
前記ランプは、前記容器の走行方向(X方向)と一致するように配置され、
前記複数本のランプからの発光は、夫々相異なる焦点距離を有し、
前記容器が各ランプの真下に搬送された時、前記コンベアは停止して、前記ランプは紫外線パルス照射され、ランプ毎に順次紫外線パルス照射を繰り返す、閃光パルス殺菌処理システム。 - 容器に対する閃光パルス殺菌処理システムにおいて、
殺菌処理対象である容器を一方向(X方向)に搬送するコンベアと、
前記コンベアの上方(Z方向)で、紫外線をパルス照射する1本のランプを備えた1台の照射器とを備え、
前記ランプは、前記容器の走行方向(X方向)と一致するように配置され、
前記ランプを覆う反射鏡は、複数の区分に分割され、各区分からの夫々の反射光の焦点距離は相異なる焦点距離を有し、
前記容器が前記反射鏡の各区分の領域に順次搬送されると、順次相異なる焦点距離の紫外線パルス照射を受ける、閃光パルス殺菌処理システム。 - 容器に対する閃光パルス殺菌処理システムにおいて、
殺菌処理対象である容器を一方向(X方向)に搬送するコンベアと、
前記コンベアの上方(Z方向)で、紫外線をパルス照射する1本のランプを備えた1台の照射器とを備え、
前記ランプは、前記容器の走行方向(X方向)と一致するように配置され、
前記ランプを覆う反射鏡は、X方向に連続的に反射光の焦点距離が変化するように成形されており、連続的に変化する焦点距離の発光を、連続的に移動する食品容器に照射する、閃光パルス殺菌処理システム。 - 請求項1〜4のいずれか一項に記載の閃光パルス殺菌処理システムにおいて、
複数台の前記照射器が前記コンベアの幅方向に複数台配置され、前記容器が前記コンベアの幅方向に複数個並置され、同時に殺菌処理される、閃光パルス殺菌処理システム。 - 請求項1〜5のいずれか一項に記載の閃光パルス殺菌処理システムにおいて、
前記ランプは、パルスドキセノンランプである、閃光パルス殺菌処理システム。 - 容器に対する閃光パルス殺菌処理システムに使用される照射器において、
ランプと、
前記ランプの周囲を部分的に覆う反射鏡とを備え、
前記反射鏡はランプ軸線方向に複数の区分に分割され、各区分からの夫々の反射光の焦点距離は相異なる焦点距離を有している、照射器。 - 容器に対する閃光パルス殺菌処理システムに使用される照射器において、
ランプと、
前記ランプの周囲を部分的に覆う反射鏡とを備え、
前記反射鏡は、ランプ軸線方向に連続的に反射光の焦点距離が変化するように成形されている、照射器。
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JP2017215139A JP2019085143A (ja) | 2017-11-07 | 2017-11-07 | 容器に対する閃光パルス殺菌処理システム |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN111632161A (zh) * | 2020-06-09 | 2020-09-08 | 镇江高净环保科技有限公司 | 一种高效高安全性能的紫外线消毒车 |
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2017
- 2017-11-07 JP JP2017215139A patent/JP2019085143A/ja active Pending
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