JP6857528B2 - 電子線滅菌方法 - Google Patents

電子線滅菌方法 Download PDF

Info

Publication number
JP6857528B2
JP6857528B2 JP2017066505A JP2017066505A JP6857528B2 JP 6857528 B2 JP6857528 B2 JP 6857528B2 JP 2017066505 A JP2017066505 A JP 2017066505A JP 2017066505 A JP2017066505 A JP 2017066505A JP 6857528 B2 JP6857528 B2 JP 6857528B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
electron beam
sterilization
sterilized
container
range
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2017066505A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2018166811A (ja
Inventor
紘義 山田
紘義 山田
坂井 一郎
一郎 坂井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Zosen Corp
Original Assignee
Hitachi Zosen Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Zosen Corp filed Critical Hitachi Zosen Corp
Priority to JP2017066505A priority Critical patent/JP6857528B2/ja
Priority to PCT/JP2018/009723 priority patent/WO2018180464A1/ja
Publication of JP2018166811A publication Critical patent/JP2018166811A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6857528B2 publication Critical patent/JP6857528B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61LMETHODS OR APPARATUS FOR STERILISING MATERIALS OR OBJECTS IN GENERAL; DISINFECTION, STERILISATION OR DEODORISATION OF AIR; CHEMICAL ASPECTS OF BANDAGES, DRESSINGS, ABSORBENT PADS OR SURGICAL ARTICLES; MATERIALS FOR BANDAGES, DRESSINGS, ABSORBENT PADS OR SURGICAL ARTICLES
    • A61L2/00Methods or apparatus for disinfecting or sterilising materials or objects other than foodstuffs or contact lenses; Accessories therefor
    • A61L2/02Methods or apparatus for disinfecting or sterilising materials or objects other than foodstuffs or contact lenses; Accessories therefor using physical phenomena
    • A61L2/08Radiation
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61LMETHODS OR APPARATUS FOR STERILISING MATERIALS OR OBJECTS IN GENERAL; DISINFECTION, STERILISATION OR DEODORISATION OF AIR; CHEMICAL ASPECTS OF BANDAGES, DRESSINGS, ABSORBENT PADS OR SURGICAL ARTICLES; MATERIALS FOR BANDAGES, DRESSINGS, ABSORBENT PADS OR SURGICAL ARTICLES
    • A61L2/00Methods or apparatus for disinfecting or sterilising materials or objects other than foodstuffs or contact lenses; Accessories therefor
    • A61L2/24Apparatus using programmed or automatic operation
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B65CONVEYING; PACKING; STORING; HANDLING THIN OR FILAMENTARY MATERIAL
    • B65BMACHINES, APPARATUS OR DEVICES FOR, OR METHODS OF, PACKAGING ARTICLES OR MATERIALS; UNPACKING
    • B65B55/00Preserving, protecting or purifying packages or package contents in association with packaging
    • B65B55/02Sterilising, e.g. of complete packages
    • B65B55/04Sterilising wrappers or receptacles prior to, or during, packaging
    • B65B55/08Sterilising wrappers or receptacles prior to, or during, packaging by irradiation

Landscapes

  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Epidemiology (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Animal Behavior & Ethology (AREA)
  • Public Health (AREA)
  • Veterinary Medicine (AREA)
  • Toxicology (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Apparatus For Disinfection Or Sterilisation (AREA)

Description

本発明は、滅菌対象物を電子線の照射により滅菌する、電子線滅菌装置および電子線滅菌方法に関するものである。
医療用または飲食品用の容器を取り扱う企業は、その容器の滅菌が不十分ゆえに医療の事故または食中毒を引き起こすと、社会での信用が大きく失墜することになる。このため、これらの容器などには、安全性が重要視される先進諸国で、確実な滅菌が必要である。
現在では、滅菌対象物を確実に滅菌するための装置として、電子線照射器により電子線を滅菌対象物に照射するものが採用されている。電子線照射器にはノズル式/非ノズル式があり、ノズル式の電子線照射器は容器の内面など狭い部分の滅菌に優れ(例えば、特許文献1参照)、非ノズル式の電子線照射器はH形鋼の外面など広い部分の滅菌に適する(例えば、特許文献2参照)。
特許第5774156号公報 特表2004−532403号公報
ところで、前記特許文献2に記載された滅菌対象物は、単純で大きな形状の物であるH形鋼なので、滅菌されにくい部分であるコールドスポットも単純で大きくなる。このような滅菌対象物には、非ノズル式の電子線照射器のように、広域の電子線を照射するものが適する。
しかしながら、滅菌対象物が点眼容器などのような複雑または小さな形状の物では、そのコールドスポットも複雑で小さくなる。このため、点眼容器などに非ノズル式の電子線照射器などから広域の電子線を照射した場合、コールドスポット以外への電子線の過照射により、当該点眼容器などを劣化させるおそれがある。
また、単にノズル式の電子線照射装置から狭域の電子線を点眼容器などに照射するようにしても、当該点眼容器などおよびそのコールドスポットと照射される電子線との大小関係によっては、不十分な滅菌、または、電子線の過照射による劣化につながるおそれがある。
そこで、本発明は、複雑または小さな形状の滅菌対象物であっても、適切に滅菌し得る電子線滅菌方法を提供することを目的とする。
前記課題を解決するため、第1の発明に係る電子線滅菌方法は、複数の電子線照射器から照射される電子線により滅菌対象物を滅菌する電子線滅菌方法であって、
前記複数の電子線照射器から照射される電子線が、それぞれ、滅菌対象物のコールドスポットも滅菌し得る所定線量以上の有効滅菌範囲を有し、
前記有効滅菌範囲が、前記コールドスポットよりも大きく、且つ前記滅菌対象物に収まる大きさであり、
前記滅菌対象物のコールドスポットを検出する検出工程と、
前記複数の電子線照射器に対して滅菌対象物を相対移動させながら、前記滅菌対象物のコールドスポットを有効滅菌範囲の内側に通過させるように、前記滅菌対象物に複数の電子線照射器から電子線を照射する照射工程とを備える方法である。
また、第2の発明に係る電子線滅菌方法は、第の発明に係る電子線滅菌方法における検出工程が、滅菌対象物に電子線を試射するとともに当該滅菌対象物で吸収された電子線の線量を測定することで、コールドスポットを検出する方法である。
さらに、第3の発明に係る電子線滅菌方法は、第または第の発明に係る電子線滅菌方法において、照射工程の前に、複数の電子線照射器のうち少なくとも1つと滅菌対象物との相対位置を調整する位置調整工程を備える方法である。
記電子線滅菌方法によると、複雑または小さな形状の滅菌対象物であっても、そのコールドスポットが滅菌されるものの、コールドスポット以外に対する電子線の過照射になりにくいので、適切に滅菌することができる。
本発明の実施の形態に係る電子線滅菌装置の概略側面図である。 同電子線滅菌装置における電子線照射器としてノズル式電子線照射器を説明するための断面図である。 同電子線滅菌装置における電子線照射器として非ノズル式電子線照射器を説明するための断面図である。 滅菌対象物が近い場合の、ノズル式/非ノズル式電子線照射器からのそれぞれの電子線における照射中心からの距離−線量の関係を示すグラフである。 滅菌対象物が遠い場合の、ノズル式/非ノズル式電子線照射器からのそれぞれの電子線における照射中心からの距離−線量の関係を示すグラフである。 本発明の実施例に係る電子線滅菌装置の概略斜視図である。 同電子線滅菌装置における左側電子線照射器および右側電子線照射器の近くを拡大した斜視図である。
以下、本発明の実施の形態に係る電子線滅菌装置について図面に基づき説明する。
まず、本発明の技術的思想について図1に基づき説明する。
図1に示すように、滅菌対象物Dは、電子線Eの照射によっても滅菌されにくい部分であるコールドスポットCと、電子線Eの照射によって滅菌されやすい部分であるホットスポットHとを有する。滅菌対象物Dが複雑または小さな形状であれば、例えば図1に示す滅菌対象物Dのように凹凸を有する複雑な形状であれば、コールドスポットCも複雑(例えば複数であり、図1には例として2つを示す)で小さくなる。一方で、電子線照射器2から照射される電子線Eには、コールドスポットCに対しても滅菌が可能な有効滅菌範囲Aと、コールドスポットC以外に対して滅菌が可能な滅菌可能範囲Bとを有する。したがって、有効滅菌範囲Aは滅菌可能範囲Bに包含されており、詳しくは後述するが、有効滅菌範囲Aでの電子線Eの線量は、当然ながら滅菌可能範囲Bでの電子線Eの線量よりも高くなる。
本発明に係る電子線Eの有効滅菌範囲Aは、前記コールドスポットCよりも大きいが、前記滅菌対象物Dに収まる大きさであり、好ましくはホットスポットHを照射しない大きさである。言い換えれば、本発明に係る電子線照射器2は、コールドスポットCを有効滅菌範囲Aでピンポイントに狙うようにされている。電子線Eの有効滅菌範囲Aが滅菌対象物Dに収まらない大きさであれば、滅菌対象物DのコールドスポットC以外(特にホットスポットH)に対して電子線Eの過照射になりやすく、この過照射により滅菌対象物Dを劣化させるおそれがある。なお、有効滅菌範囲Aが滅菌対象物Dに収まる大きさであっても、滅菌可能範囲Bが有効滅菌範囲Aよりも大きく、さらに電子線照射器2に対して滅菌対象物Dが相対移動しているので、コールドスポットC以外でも滅菌の漏れは生じない。
ここで、滅菌対象物Dの上述したコールドスポットCおよびホットスポットHについて説明する。
コールドスポットCおよびホットスポットHは、滅菌対象物Dに一様な電子線を試射するとともに当該滅菌対象物Dで吸収された電子線の線量を測定することで、滅菌対象物Dに吸収された線量の高低によって決定される。当然ながら、コールドスポットCは吸収された線量が低い部分であり、ホットスポットHは吸収された線量が高い部分である。コールドスポットCおよびホットスポットHを規定するための吸収された具体的な線量は、滅菌対象物Dの種類および/または要求される滅菌の程度によって異なる。しかしながら、本実施の形態では、滅菌対象物Dにおいて、全面を最も広く滅菌する最低限の線量の一様な電子線が照射された場合、吸収された線量が滅菌不十分に相当する部分をコールドスポットCとし、吸収された線量が電子線の過照射に相当する部分とホットスポットHとする。
次に、前記電子線照射器2について図2および図3に基づき説明する。
電子線照射器2には、図2に示すような電子線Eを狭域に照射するノズル式のもの3と、図3に示すような電子線Eを広域に照射する非ノズル式のもの103とがある。図2に示すノズル式の電子線照射器3(以下では、単にノズル式電子線照射器3という)は、電子線Eを加速する真空チャンバ4の内部で当該電子線Eが絞られるように構成され、一方で、図3に示す非ノズル式の電子線照射器103(以下では、単に非ノズル式電子線照射器103という)は、電子線Eを加速する真空チャンバ4の内部で当該電子線Eが絞られないように構成される。具体的には、図2に示すノズル式電子線照射器3および図3に示す非ノズル式電子線照射器103ともに、内部が真空にされた真空チャンバ4と、この真空チャンバ4の内部に配置されて電子線Eを発生させる電子線発生器5と、この電子線発生器5に電力を供給する供給電源6と、電子線発生器5から発生して真空チャンバ4の内部で加速された電子線Eを大気中に放出する照射窓7とを有する。さらに、図2に示すノズル式電子線照射器3は、真空チャンバ4の内部で電子線Eを絞る機器8(例えば静電レンズ8)と、先端部で照射窓7を保持するとともに基端部で真空チャンバ4に連通された真空ノズル9とを有する。一方で、図3に示す非ノズル式電子線照射器103は、このような構成8,9を有しない。
本発明に係る電子線照射器2としては、図2に示すノズル式電子線照射器3が適する。なぜなら、ノズル式電子線照射器3から照射される電子線Eは狭域であり、且つ有効滅菌範囲Aの大きさを容易に調整できるからである。より詳しくは、図4および図5に基づき以下に説明する。
図4および図5は、ノズル式電子線照射器3および非ノズル式電子線照射器103からのそれぞれの電子線Eにおける、照射中心からの距離(横軸)−線量(縦軸)の関係を示すグラフである。図4および図5の縦軸において、所定線量a以上が有効滅菌範囲Aを形成する電子線Eであり、前記所定線量aよりも低い線量b以上が滅菌可能範囲Bを形成する電子線Eである。図4と図5との違いは、ノズル式電子線照射器3および非ノズル式電子線照射器103と滅菌対象物Dとの距離である。図4では当該距離が図5よりも小さく、図5では当該距離が図4よりも大きい。
図4に示すように、ノズル式電子線照射器3では、線量a以上となる範囲、つまり有効滅菌範囲Aは、照射中心0付近となる狭い範囲nである。このため、ノズル式電子線照射器3では、滅菌対象物Dに収まる大きさの有効滅菌範囲Aとなる電子線Eを容易に照射できる。これに対して、非ノズル式電子線照射器103では、線量a以上となる範囲、つまり有効滅菌範囲Aは、照射中心0から離れた極めて広い範囲fである。
一方で、図5に示すように、図4よりもノズル式電子線照射器3および非ノズル式電子線照射器103と滅菌対象物Dとが遠くなると、ノズル式電子線照射器3では、線量a以上となる範囲、つまり有効滅菌範囲Aは、照射中心0付近となる狭い範囲n’であるものの、図4での範囲nより広くなる。このため、ノズル式電子線照射器3では、滅菌対象物Dとの距離を調整することで、有効滅菌範囲Aの大きさを容易に調整できる。これに対して、非ノズル式電子線照射器103では、線量a以上となる範囲、つまり有効滅菌範囲Aは、照射中心0から離れた極めて広い範囲f’であり、図4での範囲fと殆ど変わらない。
したがって、ノズル式電子線照射器3の方が、照射される電子線Eが狭域で、且つ有効滅菌範囲Aの大きさを容易に調整できるので、本発明で必要になる「コールドスポットCよりも大きく、且つ滅菌対象物Dに収まる有効滅菌範囲A」の電子線Eを照射するのに適する。さらに、ノズル式電子線照射器3は、滅菌対象物Dの近くで真空チャンバ4よりも幅狭の真空ノズル9を配置することになるので、滅菌対象物Dの近くで省スペース化を図れるという点でも適する。勿論、非ノズル式電子線照射器103でも、「コールドスポットCよりも大きく、且つ滅菌対象物Dに収まる有効滅菌範囲A」の電子線Eを照射するものであれば、本発明に係る電子線照射器2として適用可能である。
次に、本実施の形態に係る電子線滅菌装置の構成について図1に基づき説明する。
図1に示すように、この電子線滅菌装置1は、複数の電子線照射器2を備え、当該電子線照射器2から照射される電子線Eにより滅菌対象物Dを滅菌するものである。また、前記電子線滅菌装置1は、電子線照射器2に対して滅菌対象物Dを相対移動させる相対移動手段10を備える。この相対移動手段10は、図1に示すような電子線照射器2に対して滅菌対象物Dを移動させるものに限られず、滅菌対象物Dに対して電子線照射器2を移動させるものでもよく、電子線照射器2および滅菌対象物Dの両方を移動させるものでもよい。
前記複数の電子線照射器2から照射される電子線Eは、それぞれ、滅菌対象物DのコールドスポットCも滅菌し得る所定線量以上の有効滅菌範囲Aと、この有効滅菌範囲Aを包含してコールドスポットC以外に対しても滅菌が可能な滅菌可能範囲Bとを有する。前記有効滅菌範囲Aは、前記コールドスポットCよりも大きく、且つ前記滅菌対象物Dに収まる大きさであり、好ましくはホットスポットHを照射しない大きさである。
前記複数の電子線照射器2が、その電子線Eにおける有効滅菌範囲Aの内側に、相対移動している前記滅菌対象物DのコールドスポットCを通過させる位置(好ましくは前記滅菌対象物DのホットスポットHを通過させない位置)に配置されている。図1では、複数(2つ)の有効滅菌範囲Aの内側に、複数(2つ)のコールドスポットCを同時に通過させているが、必ずしも同時に通過させる必要はない。すなわち、いずれかの有効滅菌範囲Aの内側にいずれかのコールドスポットCを通過させた後、他の有効滅菌範囲Aの内側に他のコールドスポットCを通過させるようにしてもよい。
次に、本実施の形態に係る電子線滅菌方法、一例として前記電子線滅菌装置1の使用方法について図1に基づき説明する。
まず、検出工程として、滅菌対象物DのコールドスポットCを検出する。この検出工程では、例えば、滅菌対象物Dに電子線を試射するとともに当該滅菌対象物Dで吸収された電子線の線量を測定することで、吸収された線量が一定値以下の部分をコールドスポットCとする方法がある。滅菌対象物Dへの電子線の試射には、前記電子線滅菌装置1の電子線照射器2を使用してもよく、別途の電子線照射器を使用してもよい。
その後、位置調整工程として、検出されたコールドスポットCに応じて、前記複数の電子線照射器2のうち少なくとも1つと滅菌対象物Dとの相対位置を適切に調整する。位置調整工程では、電子線照射器2および/または滅菌対象物Dの位置が調整される。勿論、前記相対位置が予め適切であれば、この位置調整工程は省略される。
その後、照射工程として、複数の電子線照射器2に対して滅菌対象物Dを相対移動させながら、前記滅菌対象物DのコールドスポットCを有効滅菌範囲Aの内側に通過させるように、前記滅菌対象物Dに複数の電子線照射器2から電子線Eを照射する。この照射工程で、好ましくは、前記滅菌対象物DのホットスポットHを有効滅菌範囲Aの内側に通過させないようにする。複数の電子線照射器2からの電子線Eは、滅菌対象物Dを照射できないほど当該滅菌対象物Dが離れたタイミングでオフにされてもよく、常時オンであってもよい。
滅菌対象物Dに照射された電子線Eは、その有効滅菌範囲Aが、前記コールドスポットCよりも大きく、且つ前記滅菌対象物Dに収まる大きさである。このため、滅菌されにくい部分であるコールドスポットCが滅菌されるものの、コールドスポットC以外に対する電子線Eの過照射になりにくい。
このように、前記電子線滅菌装置1および電子線滅菌方法によると、複雑または小さな形状の滅菌対象物Dであっても、そのコールドスポットCが滅菌されるものの、コールドスポットC以外に対する電子線Eの過照射になりにくいので、適切に滅菌することができる。
以下、前記実施の形態をより具体的に示した実施例に係る電子線滅菌装置1について図6〜図7に基づき説明する。
本発明の実施例に係る電子線滅菌装置1は、図6に示すように、複数のノズル式電子線照射器3と、これらノズル式電子線照射器3を位置の調整ができるように保持する位置調整機構40とを備え、これらノズル式電子線照射器3から照射される電子線Eにより滅菌対象物Dを滅菌するものである。なお、以下では簡単のために、滅菌対象物Dを点眼容器D(以下では略して容器Dという)として説明するが、これに限定されるものではない。
前記電子線滅菌装置1は、容器Dを搬送する搬送装置11,17,12(相対移動手段10の一例である)を備える。この搬送装置11,17,12は、搬送される容器Dの上流側から順に、容器Dを載置しながら搬送する第一網ベルト搬送部11と、容器Dを把持ながら搬送する把持搬送部17と、容器Dを載置しながら搬送する第二網ベルト搬送部12とを有する。第一網ベルト搬送部11および第二網ベルト搬送部12は、それぞれ、無端状の網ベルト13と、この網ベルト13に掛け渡されるとともに水平方向に並置された上流側ローラ14および下流側ローラ15と、網ベルト13の上部の下方に配置されて当該上部に載置された容器Dを吸引する吸引機16とを具備する。すなわち、第一網ベルト搬送部11および第二網ベルト搬送部12は、前記上流側ローラ14および下流側ローラ15が回転することで、網ベルト13の上部が上流側から下流側に移動し、そこに載置された容器Dが上流側から下流側に搬送されるように構成される。また、第一網ベルト搬送部11および第二網ベルト搬送部12は、網ベルト13の上部に載置されている容器Dを吸引機16により吸引することで、搬送されている容器Dの姿勢が安定するように構成される。把持搬送部17は、容器Dのネック部を把持し得るグリッパ18と、このグリッパ18を第一網ベルト搬送部11の上方から第二網ベルト搬送部12の上方まで移動させるガイド19とを具備する。前記グリッパ18は、第一網ベルト搬送部11の下流端部で容器Dのネック部を把持した後、第二網ベルト搬送部12の上流端部で容器Dの把持を解除するように構成される。
前記複数のノズル式電子線照射器3は、第一網ベルト搬送部11で搬送されている容器Dの側方から電子線Eを照射する左側電子線照射器31および右側電子線照射器32と、把持搬送部17で搬送されている容器Dの下方から電子線Eを照射する下側電子線照射器33とからなる。これら左側電子線照射器31および右側電子線照射器32は、容器Dに電子線Eを左側方および右側方から同時に照射する位置に配置される。下側電子線照射器33は、左側電子線照射器31および右側電子線照射器32の下流側近傍に配置される。すなわち、複数のノズル式電子線照射器3は、互いに離れずに配置されることで容器Dを短期間で一気に滅菌し、言い換えれば、容器Dにおける滅菌されていない部分の菌が滅菌された部分に付着することを防止するものである。なお、前記電子線滅菌装置1は、下側電子線照射器33の上端(照射窓7)に溜る埃を吹き飛ばすエアブロー30を備えてもよい。
図7に示すように、左側電子線照射器31および右側電子線照射器32からのそれぞれの電子線Eの有効滅菌範囲Aは、容器DのコールドスポットCよりも大きく、且つ当該容器Dに収まる大きさであり、且つホットスポットHを照射しない大きさである。左側電子線照射器31および右側電子線照射器32は、互いに電子線Eの照射により悪影響を与え合わないように、それぞれの照射中心の軸を互いに若干外す、または、それぞれの照射窓7を互いに離すように配置される。一方で、図示しないが、下側電子線照射器33からの電子線Eの有効滅菌範囲Aも、容器DのコールドスポットCよりも大きく、且つ当該容器Dに収まる大きさであり、且つホットスポットHを照射しない大きさである。なお、複数のノズル式電子線照射器3からのそれぞれの電子線Eの滅菌可能範囲Bは、図示しないが容器Dよりも大きいので、滅菌漏れは生じない。
次に、本実施例に係る電子線滅菌方法、一例として電子線滅菌装置1の使用方法について図6および図7に基づき説明する。
まず、検出工程として、容器DのコールドスポットCを検出する。この検出工程では、別途の電子線照射器により容器Dに電子線を試射するとともに当該容器Dで吸収された電子線の線量を測定することで、吸収された線量が一定値以下の部分をコールドスポットCとする。
その後、位置調整工程として、検出されたコールドスポットCに応じて、位置調整機構40を調整することにより、複数のノズル式電子線照射器3の位置を適切に調整する。この調整により、複数のノズル式電子線照射器3を、その電子線Eにおける有効滅菌範囲Aの内側に、搬送されている容器DのコールドスポットCが通過する位置で且つホットスポットHが通過しない位置にする。
その後、照射工程として、容器Dを第一網ベルト搬送部11で搬送しながら、当該容器Dの側部におけるコールドスポットCを有効滅菌範囲Aの内側に通過させるとともに、ホットスポットHを有効滅菌範囲Aの内側に通過させないように、前記容器Dに左側電子線照射器31および右側電子線照射器32から同時に電子線Eを照射する。これら電子線Eの照射により、容器Dの側部におけるコールドスポットCが滅菌されるとともに、コールドスポットC以外の部分も滅菌される。そして、容器Dを把持搬送部17で搬送しながら、当該容器Dの下部におけるコールドスポットCを有効滅菌範囲Aの内側に通過させるとともに、ホットスポットHを有効滅菌範囲Aの内側に通過させないように、前記容器Dに下側電子線照射器33から電子線Eを照射する。この電子線Eの照射により、容器Dの下部におけるコールドスポットCが滅菌されるとともに、コールドスポットC以外の部分も滅菌される。そして、容器Dは、第二網ベルト搬送部12でさらに下流側に搬送されて、滅菌以外の処理に入ることになる。
ここで、互いに離れずに配置された複数のノズル式電子線照射器3により、容器Dが短期間で一気に滅菌されるので、容器Dにおける滅菌されていない部分の菌が滅菌された部分に殆ど付着しない。なお、複数のノズル式電子線照射器3からの電子線Eは、容器Dを照射できないほど当該容器Dが離れたタイミングでもオフにされず、つまり常時オンにされる。これにより、容器Dの位置によって電子線Eのオン/オフを切り換える、という細かな制御が不要になる。複数のノズル式電子線照射器3は、上述したように、電子線Eにおける高い線量の範囲が狭いので、当該電子線Eが常時オンであっても、電子線Eが与える温度上昇などの影響は小さい。
このように、前記電子線滅菌装置1および電子線滅菌方法によると、点眼容器Dのように複雑または小さな形状の滅菌対象物Dであっても、そのコールドスポットCが滅菌されるものの、コールドスポットC以外に対する電子線Eの過照射になりにくいので、適切に滅菌することができる。
また、互いに離れずに配置された複数のノズル式電子線照射器3により、容器Dにおける滅菌されていない部分の菌が滅菌された部分に殆ど付着しないので、一層適切に滅菌することができる。
さらに、容器Dが小さい物であっても、吸引機16からの吸引により搬送されている容器Dの姿勢が安定するので、電子線Eが照射されている際にも容器Dの姿勢が安定し、結果として一層適切に滅菌することができる。
加えて、ノズル式電子線照射器3が採用されることにより、有効滅菌範囲Aの大きさを容易に調整できるので、容器Dに限らず様々な滅菌対象物Dに対応させることができる。また、ノズル式電子線照射器3は真空チャンバ4よりも幅狭の真空ノズル9を有するので、ノズル式電子線照射器3が採用されることにより、容器Dの近くで省スペース化を図ることができる。さらに、ノズル式電子線照射器3が採用されることにより、電子線Eが与える温度上昇などの影響は小さいので、容器Dの位置によって電子線Eのオン/オフを切り換える、という細かな制御が不要になり、結果として簡素な装置および方法にすることができる。
ところで、前記実施例では、複数のノズル式電子線照射器3として左側電子線照射器31、右側電子線照射器32および下側電子線照射器33のみを説明したが、これに限られず、複数の電子線照射器2があればよい。例えば、複数のノズル式電子線照射器3は、容器Dに電子線Eを上方から照射する上側電子線照射器を有するものでもよい。
また、前記実施例では、複数のノズル式電子線照射器3を備えるとして説明したが、前記実施の形態で説明した複数の非ノズル式電子線照射器103を備えてもよく、ノズル式電子線照射器3および非ノズル式電子線照射器103の両方を備えてもよい。
さらに、前記実施例では、容器Dを載置して搬送する、または容器Dを保持しながら搬送するとして説明したが、このような搬送に限定されない。例えば、容器Dを搬送する搬送装置として、容器Dを回転させながら搬送する回転搬送部を有するものでもよい。この回転搬送部により、容器Dを回転および搬送しながら、当該容器Dに電子線Eが照射されるので、容器Dの広い範囲に電子線Eが照射されることになり、結果として必要な電子線照射器2の削減につながり、簡素な装置および方法にすることができる。
加えて、前記実施の形態および実施例で説明した構成のうち、[課題を解決するための手段]に記載した第の発明の構成以外については、任意の構成であり、適宜削除および変更することが可能である。
また、前記実施の形態および実施例では、電子線滅菌方法として、電子線滅菌装置1の使用方法について説明したが、この使用方法に限られず、少なくとも第の発明として記載された構成を含む方法であればよい。

A 有効滅菌範囲
B 滅菌可能範囲
C コールドスポット
D 滅菌対象物
E 電子線
1 電子線滅菌装置
2 電子線照射器
10 相対移動手段

Claims (3)

  1. 複数の電子線照射器から照射される電子線により滅菌対象物を滅菌する電子線滅菌方法であって、
    前記複数の電子線照射器のうち少なくとも1つから照射される電子線が、それぞれ、滅菌対象物のコールドスポットも滅菌し得る所定線量以上の有効滅菌範囲を有し、
    前記有効滅菌範囲が、前記コールドスポットよりも大きく、且つ前記滅菌対象物に収まる大きさであり、
    前記滅菌対象物のコールドスポットを検出する検出工程と、
    前記複数の電子線照射器に対して滅菌対象物を相対移動させながら、前記滅菌対象物のコールドスポットを有効滅菌範囲の内側に通過させるように、前記滅菌対象物に複数の電子線照射器から電子線を照射する照射工程とを備えることを特徴とする電子線滅菌方法。
  2. 検出工程が、滅菌対象物に電子線を試射するとともに当該滅菌対象物で吸収された電子線の線量を測定することで、コールドスポットを検出することを特徴とする請求項に記載の電子線滅菌方法。
  3. 照射工程の前に、複数の電子線照射器のうち少なくとも1つと滅菌対象物との相対位置を調整する位置調整工程を備えることを特徴とする請求項またはに記載の電子線滅菌方法。
JP2017066505A 2017-03-30 2017-03-30 電子線滅菌方法 Active JP6857528B2 (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017066505A JP6857528B2 (ja) 2017-03-30 2017-03-30 電子線滅菌方法
PCT/JP2018/009723 WO2018180464A1 (ja) 2017-03-30 2018-03-13 電子線滅菌装置および電子線滅菌方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017066505A JP6857528B2 (ja) 2017-03-30 2017-03-30 電子線滅菌方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2018166811A JP2018166811A (ja) 2018-11-01
JP6857528B2 true JP6857528B2 (ja) 2021-04-14

Family

ID=63675588

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017066505A Active JP6857528B2 (ja) 2017-03-30 2017-03-30 電子線滅菌方法

Country Status (2)

Country Link
JP (1) JP6857528B2 (ja)
WO (1) WO2018180464A1 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US20220031894A1 (en) * 2018-12-07 2022-02-03 Germitec Modeling to assist high-level uv-c disinfection
JP7217157B2 (ja) * 2019-01-22 2023-02-02 日立造船株式会社 下面電子線滅菌装置
DE102019118238A1 (de) * 2019-07-05 2021-01-07 Krones Aktiengesellschaft Verfahren und Vorrichtung zur Bestrahlung von Verpackungen und/oder Vorformlingen mittels Elektronenstahl

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002173114A (ja) * 2000-12-07 2002-06-18 Ishikawajima Harima Heavy Ind Co Ltd 容器の殺菌方法
DE102011012342A1 (de) * 2011-02-24 2012-08-30 Krones Aktiengesellschaft Verfahren und Vorrichtung zur Sterilisation von Behältnissen
JP5934577B2 (ja) * 2012-05-21 2016-06-15 株式会社エアレックス 電子線照射装置
JP6076238B2 (ja) * 2013-11-28 2017-02-08 日立造船株式会社 電子線滅菌装置
JP6543092B2 (ja) * 2015-05-27 2019-07-10 株式会社エアレックス 電子線照射装置

Also Published As

Publication number Publication date
WO2018180464A1 (ja) 2018-10-04
JP2018166811A (ja) 2018-11-01

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6857528B2 (ja) 電子線滅菌方法
US8636949B2 (en) Electron beam sterilization apparatus
CA2684584C (en) Sterilization system for pet containers and bottles
JP6161628B2 (ja) 機能をモニタリングしながら容器を滅菌するための装置および方法
US8835873B2 (en) Continuous sterilization system
JP4551397B2 (ja) 殺菌装置
JP5621567B2 (ja) 電子線殺菌装置
JP5034683B2 (ja) 電子線殺菌装置
US20110012030A1 (en) Ebeam sterilization apparatus
US10265427B2 (en) Electron beam irradiation device
WO2008117641A1 (ja) 電子線殺菌装置
US8222614B2 (en) Electron beam irradiation apparatus for open-mouthed containers
US20060192140A1 (en) Process for electron sterilization of a container
US9901651B2 (en) System and method for treatment of a surface of an injection device
JP6157312B2 (ja) 容器滅菌方法および容器滅菌設備
JP2019085143A (ja) 容器に対する閃光パルス殺菌処理システム
JP2004067233A (ja) 殺菌装置、及び、殺菌システム
JP4380216B2 (ja) 電子線滅菌装置及び滅菌処理システム
JP3640091B2 (ja) 電子線滅菌装置
JP6294582B2 (ja) プラスチック材料製の容器を電子放射線によって殺菌する装置および方法
JP2018503565A (ja) 滅菌対象物に対して相対的に移動する外面滅菌エミッタを有する電子線滅菌システム
JP2020169058A5 (ja)
JP7217157B2 (ja) 下面電子線滅菌装置
JP7198686B2 (ja) 電子線滅菌設備
JP2020137901A (ja) 電子線滅菌設備

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20200110

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20201208

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20210208

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20210224

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20210322

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6857528

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250