JP2005319110A - 血糖値測定装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 温度測定に基づいて無侵襲に血糖値測定を行う。
【解決手段】 温度測定方式による無侵襲血糖値測定値を血中酸素飽和度と血流量で補正することにより測定データの安定化を図る。
【選択図】 図2

Description

本発明は、採血せずに生体中のグルコース濃度を測定する無侵襲血糖値測定方法及び装置に関する。
Hilsonらは、糖尿病患者にグルコースを静脈注射すると、その後に顔面及び舌下温度が変化することを報告している(非特許文献1)。Scottらは、糖尿病患者と体温調節の問題を論じている(非特許文献2)。これらの研究知見に基づき、Choらは、採血を伴わずに、温度測定によって血中グルコース濃度を求める方法及び装置を提案している(特許文献1,2)。
また、採血を伴わないグルコース濃度の算出に関してはさらに様々な試みがなされている。例えば、測定部位へ3つの波長の近赤外光を照射して透過光強度を検出するとともに生体温度を検出し、吸光度の2次微分値の代表値を求め、予め定めた基準温度からの生体温度のずれに対応して上記代表値を補正し、補正された代表値に相当する血糖濃度を求める方法が提案されている(特許文献3)。また、測定部位において生体温度をモニタしながら加熱もしくは冷却を行い、温度が変化する瞬間に光照射に基づく減光度を測定して、減光度の温度依存性の原因となっているグルコース濃度を測定する装置が提供されている(特許文献4)。また、参照光と試料に照射した後の透過光との出力比を取り、出力比の対数と生体の温度との1次式からグルコース濃度を算出する装置が報告されている(特許文献5)。
Diabete & Metabolisme, "Facial and sublingual temperature changes following intravenous glucose injection in diabetics" by R.M. Hilson and T.D.R. Hockaday, 1982, 8, 15-19 Can. J. Physiol. Pharmacol., "Diabetes mellitus and thermoregulation", by A.R. Scott, T. Bennett, I.A. MacDonald, 1987, 65, 1365-1376 米国特許第5,924,996号公報 米国特許第5,795,305号公報 特開2000−258343号公報 特開平10−33512号公報 特開平10−108857号公報
血液中のグルコース(血糖)は細胞内でグルコース酸化反応に使われ、生体の維持に必要なエネルギーを産生する。特に基礎代謝の状態においては、産生されたエネルギーの大部分は体温を維持するための熱エネルギーとなるのであるから、血中グルコース濃度と体温との間には何らかの関係があることは予想されるところではある。しかし、病気による発熱を考えれば明らかなように、体温は血中グルコース濃度以外の要因によっても変動する。従来、採血を伴わずに温度測定によって血中グルコース濃度を求める方法が提案されてはいたが、十分な精度を有するものとは言い難かった。
本発明は、被験者の温度データをもとに採血を伴わずに高精度で血中グルコース濃度を求める方法及び装置を提供することを目的とする。
血糖は、血管系、特に毛細血管によって全身の細胞に供給されている。ヒトの体内には複雑な代謝経路が存在するが、グルコース酸化は、根源的には血糖と酸素が反応し、水と二酸化炭素とエネルギーを産生する反応である。ここでいう酸素とは血液から細胞へ供給される酸素であり、酸素供給量は血液中のヘモグロビン濃度と、ヘモグロビン酸素飽和度と、血流量によって決まる。一方、グルコース酸化によって体内で産生した熱は、対流、熱輻射、伝導等の形で体から奪われる。我々は、体温は体内でのグルコース燃焼によるエネルギー産生量、すなわち熱産生とこれら熱放散のバランスによって決まると考え、次のようなモデルを考えた。
(1)熱産生量と熱放散量とは同等視される。
(2)熱産生量は、血中グルコース濃度と酸素供給量の関数である。
(3)酸素供給量は、血中ヘモグロビン濃度と、血中ヘモグロビン酸素飽和度と、毛細血管内の血流量によって決まる。
(4)熱放散量は、主に熱対流と熱輻射とによって決まる。
このモデルに従い、体表を熱測定し、同時に血液中の酸素濃度に関するパラメータ及び血流量に関するパラメータを測定し、これらの測定結果を用いて血糖値を高精度に求めることができることを見出し、本発明を完成した。一例として、上記パラメータを求めるための測定は、ヒトの体の一部、例えば指先を測定対象として行うことができる。対流と輻射に関するパラメータは指先を熱測定することにより求めることができる。血中ヘモグロビン濃度および血中ヘモグロビン酸素飽和度に関するパラメータは、血液中のヘモグロビンを分光学的に測定し、酸素と結合しているヘモグロビンと結合していないヘモグロビンの比率により求めることができる。なお、血中ヘモグロビン濃度及び血中ヘモグロビン酸素飽和度に関するパラメータに関しては、特に測定を行わず予め記憶した定数を用いても測定精度を大きく損なうことはない。血流量に関するパラメータは、皮膚からの熱移動量を測定することにより求めることができる。
本発明による血糖値測定装置は、一例として、体表面に由来する複数の温度を測定し、前記体表面からの熱放散に関する対流伝熱量と輻射伝熱量との算出に用いる情報を得る熱量測定部と、血中酸素量に関する情報を得る酸素量測定部と、複数の温度及び血中酸素量に各々対応するパラメータと血糖値との関係を記憶した記憶部と、熱量測定部及び酸素量測定部から入力される複数の測定値を前記パラメータへ各々変換し、前記パラメータを記憶部に記憶した前記関係に適用して血糖値を演算する演算部と、演算部によって算出された血糖値を表示する表示部とを備え、酸素量測定部は、血流量に関する情報を得る血流量測定部と、血中のヘモグロビン濃度、ヘモグロビン酸素飽和度を得る光学測定部とを有し、血流量測定部は、体表面接触部と、体表面接触部に隣接して設けられた隣接温度検出器と、体表面接触部に接して設けられた熱伝導部材と、熱伝導部材の体表面接触部から3.6mm以上離れた位置の温度を検出する間接温度検出器とを有する。
本発明による血糖値測定装置の他の構成例では、環境温度を測定する環境温度測定器と、体表面が接触する体表面接触部と、体表面接触部に隣接して設けられた隣接温度検出器と、体表面からの輻射熱を測定する輻射熱検出器と、体表面接触部に接して設けられる熱伝導部材と、熱伝導部材に隣接しかつ体表面接触部から3.6mm以上離れた位置に設けられ、体表面接触部から離れた位置の温度を検出する間接温度検出器と、体表面接触部に向けて少なくとも2つの異なる波長の光を照射する光源と、光が前記体表面で反射されて生じる反射光を検出する光検出器と、隣接温度検出器、間接温度検出器、環境温度測定器、輻射熱検出器及び光検出器各々の出力を各々パラメータに変換する変換部と、前記パラメータと血糖値との関係を予め記憶し、前記パラメータを前記関係に適用して血糖値を算出する処理部とを有する演算部と、演算部から出力される血糖値を表示する表示部とを備える。
本発明による血糖値測定装置は、他の構成例として、環境温度を測定する環境温度測定器と、体表面が接触する体表面接触部と、体表面接触部に隣接して設けられた隣接温度検出器と、体表面からの輻射熱を測定する輻射熱検出器と、体表面接触部に接して設けられる熱伝導部材と、熱伝導部材に隣接しかつ体表面接触部から3.6mm以上離れた位置に設けられ、体表面接触部から離れた位置の温度を検出する間接温度検出器と、血中のヘモグロビン濃度とヘモグロビン酸素飽和度に関する情報を記憶した記憶部と、隣接温度検出器、間接温度検出器、環境温度測定器、輻射熱検出器の出力を複数のパラメータに変換する変換部と、前記パラメータと血糖値との関係を予め記憶し、前記パラメータを前記関係に適用して血糖値を算出する処理部とを有する演算部と、演算部から出力される血糖値を表示する表示部とを備える。
本発明によれば、高精度な無侵襲血糖値測定装置及び測定方法を提供できる。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
最初に、前記モデルの具体化について説明する。熱放散量について考えると、その主要な要因である対流熱伝達は、環境温度(室温)と体表温の間の温度差が関係し、他の主要な要因である輻射による熱放散量はシュテファン・ボルツマンの法則より体表温の4乗に比例する。従って、人体からの熱放散量には、室温と体表温が関係していることが分かる。一方、熱産生量に関係するもう一つの要因である酸素供給量は、ヘモグロビン濃度と、ヘモグロビン酸素飽和度と、血流量の積として表される。
ここで、ヘモグロビン濃度は、酸素結合型ヘモグロビンと還元(脱酸素)型ヘモグロビンのモル吸光係数が等しくなる波長(等吸光波長)の吸光度より測定できる。ヘモグロビン酸素飽和度は、上記の等吸光波長の吸光度と、酸素結合型ヘモグロビンと還元(脱酸素)型ヘモグロビンのモル吸光係数の比が既知の最低限他の1波長の吸光度を測定し、連立方程式を解くことにより測定できる。すなわち、ヘモグロビン濃度と、ヘモグロビン酸素飽和度は、最低2波長の吸光度測定によって得ることができる。
残るのは血液の流量である。血流量は種々の方法で測定することが可能であるが、その測定方法の一例について以下に説明する。
図1は、ある程度の熱容量を有する固体ブロックを体表面に一定時間接触してから離したときの、体表面からブロックへの熱移動を説明するモデル図である。ブロックの材質はプラスチック等の樹脂、例えば塩化ビニルとすることができる。ここでは、ブロックの体表面と接触した部分の温度Tの時間変化と、ブロック上の体表面から離れた位置における温度Tの時間変化に着目する。血流量は主に温度T(ブロック上の空間的に離れた点の温度)の時間変化を追跡することで推定することができる。以下に詳細を説明する。
ブロックが体表面と接触する前には、ブロックの2点の温度T,Tは室温Tに等しい。体表温Tが室温Tより高い場合、ブロックが体表面と接触すると、温度Tは皮膚からの熱移動によって速やかに上昇し、体表面温度Tに近づく。一方、温度Tは、ブロック内を伝導してきた熱がブロック表面から放熱されるため、Tよりも減衰され、かつ穏やかに上昇する。温度T,Tの時間変化は、体表面からブロックへの熱移動量に依存する。体表面からブロックへの熱移動量は、皮膚下を流れる毛細血管中の血流量に依存する。毛細血管を熱交換器とみなせば、毛細血管から周囲の細胞組織への熱伝達係数は、血流量の関数として与えられる。従って、温度T,Tの時間変化を追跡することによって、体表面からブロックへの熱移動量を測定すれば、毛細血管から細胞組織への熱伝達量を推定でき、これから血流量を推定することが出来る。従って、T,Tの温度変化を時間的に追跡することによって、体表面からブロックへの熱移動量を測定すれば、毛細血管から細胞組織への熱伝達量を推定でき、これから血流量を推定することが出来る。
図2は、ブロックにおける体表面と接触した部分の温度T、および体表面接触位置から離れたブロック上の位置の温度Tの測定値の時間変化を示す図である。ブロックを体表面に接触させるとT測定値は速やかに立ち上がり、離すと緩やかに立ち下がる。
図3には輻射温度検出器によって測定した温度Tの測定値の時間変化を示す。温度Tとしては体表面からの輻射による温度を測定するので、他のセンサよりも温度変化に対して敏感に反応する。輻射熱は電磁波として伝播するものであるから、瞬時に温度変化を伝えることができるものである。そこで、例えば、後述する図13に示すように、輻射温度検出器を体表面からの輻射熱を検出するべくブロックと体表面接触位置の近傍に設定すれば、温度Tの変化からブロックと体表面との接触開始時刻tstartおよび接触終了時刻tendを検出することができる。例えば、図3に示すように温度しきい値を設定し、温度しきい値を超えたときを接触開始時刻tstart、温度しきい値から下がったときを接触終了時刻tendとする。温度しきい値は、例えば32℃等の温度に設定する。
つづいて、時刻tstartと時刻tendの間のT測定値をS字曲線、例えばロジスティック曲線で近似する。ロジスティック曲線は温度をT、時刻をtとして、下記の式で表される。
Figure 2005319110
非線形最小二乗法により係数a,b,c,dを求めることで測定値を近似することができる。求めた近似式に対して、Tを時刻tstartから時刻tendで積分した値をSとする。
同様にして、T測定値から積分値Sを算出する。このとき、(S−S)が小さいほど、指表面からTの位置への熱移動量が大きいことを意味する。また、(S−S)は指接触時間tCONT(=tend−tstart)が長いほど大きくなる。そこで、aを比例係数として、a/(tCONT×(S−S))を血流量を示唆するパラメータXとする。
以上の説明から、前記モデルによって血中グルコース濃度を求めるために必要な測定量は、室温(環境温度)、体表面温度、体表面に接触されるブロックの温度変化、体表面からの輻射による温度及び最低限2波長の吸光度であることが分かる。
図4は、各種センサによる測定値と、それから導出されるパラメータとの関係を図示した説明図である。体表面と接触するブロックを用意し、その2箇所に設置した2個の温度センサよって2種類の温度TとTの時間変化を測定する。別途、体表面の輻射温度Tと室温Tを測定する。また、ヘモグロビンの吸収に関係する少なくとも2種類の波長で吸光度A,Aを測定する。温度T,T,T,Tから血流量に関するパラメータが得られる。温度Tから輻射伝熱量に関するパラメータが得られ、温度Tと温度Tから対流伝熱量に関するパラメータが得られる。また吸光度Aからヘモグロビン濃度に関するパラメータが得られ、吸光度AとAからヘモグロビン酸素飽和度に関するパラメータが得られる。
図5は、本発明で用いるブロックの概略図である。ここでは、ブロックとして直径R、長さLの円柱ブロックを考える。上記説明から明らかなように、図1に示した血流量の大小を推定するために設けられたブロックの大きさ(長さL(m)、径R(m))や熱特性、たとえば熱伝導率λ(J/s・m・K)、熱容量U(J/K:比熱容量cv(J/K・kg)×ブロック密度ρ(kg/m3)×ブロック体積V(m3))が測定精度を決定する重要な因子であることは明らかである。ここで、熱伝導率λはブロックの材質となる物質に固有の値であり、熱の伝わりやすさを表す。また、熱容量Uはブロックに供給された熱によりブロックの温度がどれだけ変化するかを表す。さらに、ブロックの熱源との接触点からどれだけ離れた位置x(m)において測定を行うかも、上記ブロックの熱特性と同様に精度を決定する要因となる。
図6に指の血流量と指の皮膚温度の関係を示す。また、図7に指の皮膚の血流量と指の皮膚の熱伝導率の関係を示す。両図で示されるとおりに、指の血流量は指の皮膚温度または指の皮膚の熱伝導率を計測することで知ることができる。このうち直接関連しているのは指の血流量と指の皮膚の熱伝導率である。指の皮膚温度は、指の血流量によって決まる指の皮膚の熱伝導率と、指内部温度と環境温度の結果から決定されるものである。つまり、指などの抹消体部の内部温度は、環境に依存して変化するため、指の皮膚温度が同一であっても指内部の温度が異なり、異なる血流量である場合もある。従って、指の皮膚の血流量を正しく測定するためには指の皮膚の熱伝導率を計測しなければならない。
人体が安静状態にある場合、熱産生により発生する熱流束M(J/s・m2)と、皮膚から熱伝達により放熱される熱流束C(J/s・m2)と、放射により放熱される熱流束R(J/s・m2)とは次の関係を満たし、熱的に平衡状態になっている。
M=C+R
実際には、体表面で発生する水分蒸発に伴う放熱などもあるがここでは省略する。
また、上記関係が成り立つ熱平衡の状態では、皮膚内部から皮膚表面までの熱伝導は定常熱伝導の状態にあり、次の関係が成り立つ。
M=λ0((T0-Ts)/L)
ここで、λ0は指の皮膚の熱伝導率、T0は指の内部の温度、Tsは指の皮膚表面の温度、Lは指の皮膚の厚さである。一般的に皮膚の厚さは一定であり、ここでは既知の値とする。皮膚から熱伝達により放熱される熱流束C(J/s・m2)と、放射により放熱される熱流束R(J/s・m2)とを計測することにより熱産生による熱流束Mを知ることができる。しかし、実際には熱伝達により放熱される熱流束C(J/s・m2)を決定するために必要なパラメータである空気の熱伝達率h(J/s・m2・K)は空気の流れの状態で大きく異なる。具体的には、自然対流から強制対流に近い空気の流れの範囲では、
1 < h(J/s・m2・K) < 300
となる。そのため、熱伝達により放熱される熱流束を正確に計測することは困難である。そこで、図1に示した様に指の皮膚表面にブロックを接触させることで熱産生による熱流束Mを計測するようにしている。
次にブロックの接触により熱産生による熱流束Mを測定する方法の一例を示す。ここで、ブロックの大きさと熱的な特性は、ブロックを指表面に接触させた時に、皮膚内部から皮膚表面までの定常熱伝導の状態を著しく崩すものであってはならない。つまり、指の皮膚表面から接触させたブロックへ流れる熱流束qが、q≒Mを満足する必要がある。この条件を満たすためには、次の関係を満たす必要がある。
ある物体Aをある温度の別の物体Bに接触させたときに、両物体の接触面を通過して流れる熱流束は境界面を挟んで保存される。そしてその熱流束は、接触させる物体Aが半無限物体と扱える短時間の間において次のとおり表される。
q=λ1(Ts-Tr)/√(παt)
ここでTsは物体Bの表面温度、Trは環境温度で物体Aの初期温度、かつ接触面とは反対の端の温度、λ1は物体Aの熱伝導率、αは物体Aの温度伝導率、tは時間である。
従って、上記説明した条件は、
M= C+R =q=λ1(Ts-Tr)/√(παt)
と表される。人体からの放熱において皮膚からの熱伝達により放熱される熱流束C(J/s・m2)の量と、放射により放熱される熱流束R(J/s・m2)の量はほぼ同等であり20-30(J/s・m2)程度である。このことから、上記、ブロックを指表面に接触させた時に、皮膚内部から皮膚表面までの定常熱伝導の状態を著しく崩すものであってはならない、という条件は、ブロックの接触により発生する熱伝導が人体から空気への熱伝達の量に対して2倍程度となるようにブロックの熱的特性を規定することでおおよそ満足される。従って、ブロックの特性、熱伝導率λ(J/s・m・K)、比熱容量cv(J/K・kg)、ブロック密度ρ(kg/m3)に対する規定は、測定のための接触時間をt(s)とし、その間に単位面積を通って移動する熱量が等しいとする関係、
h・t = 2λ√(t/π/α)
を用いて、例えばt=10sの場合に
3 < √(λ・cv・ρ) <900 条件1(測定時間10sの場合)
となる。
条件1を満たす物質として、樹脂材料の中でもっとも一般的な樹脂、例えばポリ塩化ビニルやABS樹脂(アクリロニトリル(A)、ブタジエン(B)、スチレン(S)からなる樹脂)が挙げられる。ABSの特性は、熱伝導率λ=0.2(J/s・m・K)、比熱容量cv=1600(J/K・kg)、ブロック密度ρ=1060(kg/m3)が一般的な値である。従って例えば測定時間t=10sの場合に
√(λ・cv・ρ) =582
となり、条件1を満足する。またポリ塩化ビニルの特性は、熱伝導率λ=0.17(J/s・m・K)、比熱容量cv=1640(J/K・kg)、ブロック密度ρ=1390(kg/m3)が一般的な値である。従って例えば測定時間t=10sの場合に
√(λ・cv・ρ) =622
となり、条件1を満足する。なお、条件1を満たすための物質としては、一般には樹脂が考えられる。また伝導率が0.1 J/s・m・K程度から0.3 J/s・m・K程度の物質であることが望ましい。
また、上記で開示した血糖値の測定方法では、指の皮膚表面にブロックを接触させ、かつ2点の温度測定を行うようにしている。このような、温度分布から熱的境界条件を求める問題は逆問題として一般化されている。この逆問題の近似解法としてプロフィル法を用いることが一般的である。プロフィル法では、計算対象となる物体が半無限物体として扱えることが必要条件となる。ある物体が半無限物体として扱えるのは短時間内の熱伝導で生じる温度分布範囲内であり、これは温度浸透厚さ(δ(m))として定義されている。つまり、規定された測定時間内に広がる温度浸透厚さの到達点に測定点を設置すれば、その測定値をもって逆問題の解を算出し、熱的境界条件を求めることが出来る。温度浸透厚さは一般的に、接触表面からその表面温度の1%となる温度変化が発生する点までの距離である。測定対象が人体である本発明の場合、接触部分の温度は30℃前後なので1%に相当するのは、約0.3℃である。この温度浸透厚さは、非定常熱伝導の厳密解から次のように与えられる。
δ=3.6√((t・λ)/(cv・ρ))
図8に、ブロックを熱源に接触させた後の温度分布変化の模式図を示す。時刻と共に温度分布は接触位置から広がっていき、最終的にブロック全体に温度分布が発生する。図中の時刻t1における分布では、温度浸透厚さはブロック長さよりも十分に短い。この状態では温度分布はブロックの長さの影響を受けておらず、ブロックを半無限物体と扱える。また、時刻t2においても依然温度浸透厚さはブロック長さよりも十分に短いので、温度分布はブロックの長さの影響を受けておらず、ブロックを半無限物体と扱えると考えられる。しかし、時刻t3においては、温度浸透厚さはブロック長さよりも長くなってしまっているため、温度分布はブロックの長さに影響を受けた形状になっている。このような状態では、ブロックを用いた測定方法は成り立たないことになる。従って、ブロックを用いた測定方法では温度浸透厚さ以上の長さを持つブロックを用いる必要がある。
上記説明したとおりに、温度浸透厚さはブロックの物性、および熱源との接触時間(測定時間)に依存する。従って、ブロックを形成する材質を決めるとその材質でブロックを用いた測定が成り立つ時間と、ブロックの必要長さが規定されることになる。図9に、材料をポリ塩化ビニルやABSとした場合の測定時間tと温度浸透厚さδの関係を示す。図9には、ポリ塩化ビニルやABS樹脂を用いたときに、測定時間tにおいてブロックを用いた測定が成り立つために必要となる最低限のブロック長さLの関係が示されている。
また図10は、図9で示した温度浸透厚さの時間変化率であり、温度伝導率(m2/s)に依存する値である。
この図からわかるように、測定時間10s以下では温度浸透厚さの時間変化率は大きく急激に温度変化が起こることを示している。これに対して、測定時間が10s以上ならば温度浸透厚さの時間変化率はほぼ一定である。これは、測定時間のばらつき(これは被験者が測定器の発するメッセージを確認し、それに従って動作するという測定フローに起因する)の影響が、測定時間10sを境界にして大きく変化するということを示している。従って、図10、図9に示すように、上記測定時間のばらつきによって発生するT2温度測定誤差が大きい領域と小さい領域が定義できる。これより、測定時間のばらつきによる測定精度劣化を抑制するためには、測定時間を10s以上にすることが望ましい。
上記説明した通りに、測定精度の面からの要請で10s以上の測定時間が望ましいことが示されたことから、ブロックを用いた測定で高精度な測定結果を得るためのブロックの最低長が規定される。これは、図9から、測定時間(熱源との接触時間)が10sの熱浸透厚さとして得られる。従ってブロックの長さLは下記条件2を満たさなければならない。
L > δ 条件2
また、測定点xに対しては上記熱浸透厚さの式において、測定時間を規定したときにもとまる温度浸透厚さとほぼ等しい接触点からの距離に、ブロックの温度を測定する点を配置することになる。従って測定位置xは下記条件3を満たさなければならない。
x > δ 条件3
条件2、3は、前記条件1と同時に満たされるべきである。測定時間を下限値である10sとし、条件1の値はABS樹脂の物性(熱伝導率λ=0.2(J/s・m・K)、比熱容量cv=1600(J/K・kg)、ブロック密度ρ=1060(kg/m3))を用いると、温度浸透厚さ(δ(m))は約3.6mmとなる。ポリ塩化ビニルの場合にも同程度の値となる。つまり、ブロックの長さLに求められる条件(条件2)は、
L > 3.6 mm
となる。また、温度測定点に求められる条件(条件3)は、
x > 3.6mm
となる。
以上の説明で、測定原理が接触させるブロックに要求する熱的特性と長さ、さらに温度測定位置が規定された。これに加え、ブロックと指との接触面積に対しても同様の規定が設けられる。該ブロックと指との接触面積はブロックの断面積にあたる。ブロック断面積を規定するもっとも基本的な要求は、指の大きさである。指の大きさは(幅)10mmから15mm程度であるので、その指に対して常に再現性よく接触する条件として、ブロックの接触部分の径(R(m))が指の幅の1/2以下であることが求められる。
従って、ブロックの接触部分の径が次の条件(条件4)を満たす必要がある。
R < 7.5mm 条件4
上記条件で規定された範囲内のブロックを用いてブロックを皮膚に接触させ、温度変化を2点で測定し逆問題を解くことで実際にブロックに流れてきた熱流束qxが算出できる。この測定から次式の関係を得る。
M=λ0((T0-Ts)/L)=qx
この値と、ブロックを集中熱容量として考え、電気回路的なアナロジーでモデル化した時に得られるλ0とT0を含む式とを連立方程式として解くことで求めるべき皮膚の熱伝導率λ0が算出される。この値から図7に示した関係を用いて血流量に関する情報を得ることが出来る。
次に、本発明の原理に従って無侵襲血糖値測定を実現する具体的な装置構成について説明する。
図11は、本発明による無侵襲血糖値測定装置の上面図である。この装置では、体表面として指先の腹の皮膚を使うが、他の体表面を使うことも可能である。
装置上面には、操作部11、測定対象となる指が置かれる測定部12、測定結果の表示、装置の状態や測定値などを表示する表示部13が設けられている。操作部11には、装置の操作を行うための4個の押しボタン11a〜11dが配置されている。測定部12にはカバー14が設けられ、カバー14を開けると(図はカバーを開けた状態を示す)、楕円型の周縁を持つ指置き部15がある。指置き部15の中には、輻射温度センサ部の開口端 16と接触温度センサ部17と光学センサ部18がある。
図12に、装置の操作手順を示す。操作部のボタンを押し装置の電源を入れると、液晶表示器に「ウォーミングアップ」が表示され、装置内の電子回路がウォーミングアップされる。同時に、チェックプログラムが作動し、電子回路を自動的にチェックする。「ウォーミングアップ」が終了すると、液晶表示部に「指を置いてください」と表示される。指置き部に指を置くと、液晶表示部にカウントダウンが表示される。カウントダウンが終了すると、液晶表示部に「指を離してください」と表示される。指置き部から指を離すと、液晶表示部に「データ処理中」が表示される。その後、液晶表示部に血糖値が表示される。この時点で、表示された血糖値は、日時・時間とともにICカードに記憶される。表示された血糖値を読み取ったら、操作部のボタンを押す。装置は、約1分後に次の測定を待つ「指を置いてください」が液晶表示部に表示された状態になる。
図13は測定部の詳細を示す図であり、(a)は上面図、(b)はそのXX断面図、(c)はそのYY断面図である。
最初に、本発明の無侵襲血糖値測定装置による温度測定について説明する。被検部(指の腹)が接触する部分には熱伝導率の高い材料、例えば金でできた薄いプレート21が配置され、そのプレート21に熱的に接続されたプレート21より熱伝導率の低い材料、例えばポリ塩化ビニルからなる棒状の熱伝導部材22が装置内部に伸びている。温度センサとしては、プレート21の温度を測定し、被検部に対して隣接的な温度検出器であるサーミスタ23と、プレート21から一定距離だけ離れた熱伝導部材の部分の温度を測定し、被検部に対して間接的な温度検出器であるサーミスタ24とが設けられている。指置き部15に置かれた被検部(指の腹)を見通せる装置内部の位置に赤外線レンズ25が配され、赤外線レンズ25の下方に赤外線透過窓26を介して焦電検出器27が配置されている。また、焦電検出器27に近接して別のサーミスタ28が設置されている。
熱伝導部材は、熱伝導率が0.1 J/s・m・K〜0.3 J/s・m・Kの範囲にある材料を用いればよい。この例では、熱伝導部材として熱伝導率が0.2J/s・m・KのABS樹脂を用いた。ABS樹脂の代わりにポリ塩化ビニルを用いてもよい。熱伝導部材の形状は、長さが3.6 mm以上、直径が7.5mmであればよい。この例では、直径が2mm、長さが8mmの円柱とした。また、サーミスタ24は、プレート21から3.6mm以上離れた位置の温度を検出すればよい。本例では、プレートから5mmだけ離れた熱伝導部材の部分の温度を測定するようにサーミスタ24を配置した。
このように測定部の温度センサ部は4個の温度センサを有し、次の4種類の温度を測定する。
(1)指表面の温度(サーミスタ23):T
(2)熱伝導部材の温度(サーミスタ24):T
(3)指の輻射温度(焦電検出器27):T
(4)室温(サーミスタ28):T
次に、光学センサ部18について説明する。光学センサ部は、酸素供給量を求めるために必要なヘモグロビン濃度とヘモグロビン酸素飽和度とを測定するためのものである。ヘモグロビン濃度とヘモグロビン酸素飽和度を測定するには最低2波長での吸光度測定が必要であり、図13(c)は2個の光源33,34と1個の検出器35によって2波長測定を行うための構成例を示している。
光学センサ部18には、2個の光ファイバー31,32の端部が位置する。光ファイバー31は光照射用の光ファイバーであり、光ファイバー32は受光用の光ファイバーである。図13(c)に示すように、光ファイバー31は支線となるファイバー31a,31bにつながり、それらの末端には2つの波長の発光ダイオード33,34が配されている。受光用光ファイバー32の末端には、フォトダイオード35が配されている。発光ダイオード33は波長810nmの光を出射し、発光ダイオード34は波長950nmの光を出射する。波長810nmは、酸素結合型ヘモグロビンと還元型(脱酸素)型ヘモグロビンのモル吸光係数が等しくなる等吸光波長であり、波長950nmは酸素結合型ヘモグロビンと還元型ヘモグロビンのモル吸光係数の差が大きい波長である。
2個の発光ダイオード33,34は時分割的に発光し、発光ダイオード33,34から発生された光は光照射用光ファイバー31から被検者の指に照射される。指に照射された光は、指の皮膚で反射し、受光用光ファイバー32に入射してフォトダイオード35によって検出される。指に照射された光が指の皮膚で反射されるとき、一部の光は皮膚を通して組織内部に侵入し、毛細血管を流れる血液中のヘモグロビンによる吸収を受ける。フォトダイオード35による測定データは反射率Rであり、吸光度は近似的にlog(1/R)で計算される。波長810nmと波長950nmの光について各々照射を行い、各々につきRを測定し、かつlog(1/R)を求めることにより、波長810nmの吸光度Aと波長950nmの吸光度Aが測定される。
還元型ヘモグロビン濃度を[Hb]、酸素結合型ヘモグロビン濃度を[HbO2]とすると、吸光度Aおよび吸光度Aは次式で表される。
Figure 2005319110
AHb(810nm)とAHb(950nm)、AHbO2(810nm)とAHbO2(950nm)はそれぞれ還元型ヘモグロビン、酸素結合型ヘモグロビンのモル吸光係数であり各波長で既知である。aは比例係数である。ヘモグロビン濃度[Hb]+[HbO2]、ヘモグロビン酸素飽和度[HbO2]/([Hb]+[HbO2])は上式から次のように求められる。
Figure 2005319110
なお、ここでは2波長による吸光度測定によってヘモグロビン濃度とヘモグロビン酸素飽和度を測定する例について説明したが、3波長以上で吸光度を測定することによって、妨害成分の影響を低減し測定精度を高めることも可能である。
図14は、装置内におけるデータ処理の流れを示す概念図である。本例の装置には、サーミスタ23,サーミスタ24,焦電検出器27,サーミスタ28、フォトダイオード35からなる5個のセンサがある。フォトダイオード35では波長810nmの吸光度と波長950nmの吸光度を測定するため、装置には6種類の測定値が入力されることになる。
5種類のアナログ信号は、それぞれA1〜A5の増幅器を経由して、AD1〜AD5のアナログ・デジタル変換器によってデジタル変換される。デジタル変換された値からパラメータx(i=1,2,3,4,5)が計算される。xを具体的に表記すると以下のとおりとなる。(a〜aは比例係数)
Figure 2005319110
つづいて、実際の多数の健常者および糖尿病患者のデータから得られたパラメータxの平均値と標準偏差から正規化パラメータを算出する。各パラメータxから正規化パラメータX(i=1,2,3,4,5)を次の式で計算する。
Figure 2005319110
前述の5つの正規化パラメータをもって、最終的な表示を行うためのグルコース濃度への変換計算が行われる。処理計算に必要なプログラムは、装置に組み込まれたマイクロプロセッサに内蔵されたROMに記憶されている。また、処理計算に必要なメモリー領域は、同様に装置に組み込まれているRAMに確保される。計算処理された結果は、液晶表示部に表示される。
ROMには処理計算に必要なプログラム構成要素として、特にグルコース濃度Cを求めるための関数が入っている。この関数は以下のように定められたものである。まず、Cは以下の式(1)で表現される。ai(i=0,1,2,3,4,5)は、複数の測定データから前もって決定されている。aiを求める手順は以下のとおり。
(1)正規化パラメータとグルコース濃度Cの関係を示す重回帰式を作成する。
(2)最小二乗法によって得られた式から正規化パラメータに関する正規方程式(連立方程式)を求める。
(3)正規方程式から係数ai(i=0,1,2,3,4,5)の値を求め、重回帰式に代入する。
初めに、グルコース濃度Cと正規化パラメータX,X,X,X,Xの関係を示す次の回帰式(1)を作る。
Figure 2005319110
つづいて、酵素電極法によるグルコース濃度測定値Cとの誤差が最小になるような重回帰式を求めるため、最小二乗法を用いる。残差の二乗和をDとすると、Dは次式(2)で表される。
Figure 2005319110
残差の二乗和Dが最小になるのは、式(2)をa,a,…,aで偏微分してゼロとなるときなので、次式が得られる。
Figure 2005319110
C、X〜Xの平均値をCmean、X1mean〜X5meanとするとXimean=0(i=1〜5)であるので、式(1)から式(4)が得られる。
Figure 2005319110
また、正規化パラメータ間の変動・共変動は、式(5)で表され、正規化パラメータX(i=1〜5)とCとの共変動は式(6)で表される。
Figure 2005319110
式(4)(5)(6)を式(3)に代入して整理すると、連立方程式(正規方程式)(7)が得られ、これを解くことでa〜aが求まる。
Figure 2005319110
定数項aは、式(4)を用いて求める。以上で求めたai(i=0,1,2,3,4,5)は装置製造時にROMに格納されている。装置による実際の測定では、測定値から求めた正規化パラメータX〜Xを回帰式(1)に代入することで、グルコース濃度Cが算出される。
以下にグルコース濃度の算出過程の具体例を示す。予め健常者および糖尿病患者に対して測定した多数のデータから回帰式(1)の係数が決められており、マイクロプロセッサのROMには下記のグルコース濃度の算出式が格納されている。
Figure 2005319110
〜Xはパラメータx〜xを正規化したものである。パラメータの分布が正規分布であると仮定すると、正規化パラメータの95%は−2から+2の間の値をとる。
健常者の測定値の1例として、正規化パラメータX=-0.06、X=+0.04、X=+0.05、X=-0.12、X=+0.10 を上記の式に代入するとC=96mg/dlとなる。また、糖尿病患者の測定値の1例として、正規化パラメータX=+1.15、X=-1.02、X=-0.83、X=-0.91、X=-1.24 を上記の式に代入するとC=213mg/dlとなる。
従来の測定方法である、採血によって得た血液を試薬と反応させ、この反応によって発生した電子量を測定して血糖値を測定する酵素電極法による測定結果と本発明の1実施例による測定結果について以下に述べる。健常者の測定値の1例として、酵素電極法によるグルコース濃度が89mg/dlのとき、同時刻に本法による測定から得た正規化パラメータX=-0.06、X=+0.04、X=+0.05、X=-0.12、X=+0.10 を上記の式に代入するとC=96mg/dlとなる。また、糖尿病患者の測定値の例として、酵素電極法によるグルコース濃度が238mg/dlのとき、同時刻に本法による測定から得た正規化パラメータX=+1.15、X=-1.02、X=-0.83、X=-0.91、X=-1.24 を上記の式に代入するとC=213mg/dlとなる。上記の結果より、本発明による方法によって、高精度でグルコース濃度を求められることが確認された。
図15は、縦軸を本法によるグルコース濃度の算出値、横軸を酵素電極法によるグルコース濃度の測定値として、複数の患者に対してそれぞれの測定値をプロットした図である。本法の様に酸素供給量・血流量を測定することで良好な相関が得られる(相関係数=0.9324)。
以上説明した実施例では、血中ヘモグロビン濃度及び血中ヘモグロビン酸素飽和度に関するパラメータは、血液中のヘモグロビンを分光学的に測定することにより求めた。ところで、ヘモグロビン濃度は、貧血、出血及び赤血球増加症などの症状が無い人であれば安定していること、また、ヘモグロビン濃度は男性で13〜18g/dL、女性で12〜17g/dLが正常値であり、ヘモグロビン濃度の正常値からの変化幅の範囲は5〜6%であること、前述の血糖値算出式で血流量に関する項の重みが他の項より小さいことから、定数として扱っても測定精度を大きく損なうことがない。同様に、ヘモグロビン酸素飽和度についても、大気圧下で空気呼吸を行い、安静にし、リラックスした状態であれば97〜98%で安定していることから、定数として扱うことが可能である。よってヘモグロビン濃度及びヘモグロビン酸素飽和度は定数として扱うことができ、酸素供給量はヘモグロビン濃度定数と、ヘモグロビン酸素飽和度定数と、血流量との積から求めることができる。
ヘモグロビン濃度及びヘモグロビン酸素飽和度を定数として扱うことにより、血糖値測定に用いるセンサ構成について、光学センサ等を外して簡単化することができる。また光学的測定の時間及び光学的測定結果処理の時間を略することにより、血糖値測定一連の迅速化を図ることができる。
なお、ヘモグロビン酸素飽和度については特に安静時に安定した値となることから、ヘモグロビン濃度及びヘモグロビン酸素飽和度を定数として扱えば、特に安静時の血糖値測定において測定精度を高め、かつ血糖値測定一連の迅速化を図ることができる。ここで、安静時とは、椅子に座ったり体を横たえたりすることにより体を殆ど動かさない状態で、5分程度経過した時のことをいう。
以下、血中ヘモグロビン濃度及び血中ヘモグロビン酸素飽和度を定数として扱う実施例について説明する。本実施例は、血中ヘモグロビン濃度及び血中ヘモグロビン酸素飽和度を定数として扱う点以外は、上記実施例と同様であるため、ここでは主として前述の実施例と異なる点について説明する。
本実施例は、図4の説明図におけるヘモグロビン濃度とヘモグロビン酸素飽和度を測定することなく、定数として扱うものである。従って、本実施例の測定部は、図16に示すように、図13に示した前述の実施例の測定部から光源33,34、フォトダイオード35及び光ファイバー31,32を除去した構造とする。熱伝導部材22の材質、寸法、及びサーミスタ24が熱伝導部材22と接触する位置は前記実施例と同様とした。本実施例で使用するパラメータは熱輻射に比例したパラメータx、熱対流に比例したパラメータx、及び酸素供給量に比例したパラメータx(以下、酸素供給量に比例したパラメータをxと表記する)であり、これらのパラメータから前述のようにして正規化パラメータを算出し、その3個の正規化パラメータX(i=1,2,3)をもとにグルコース濃度を演算する。データ処理においては、前述の実施例では必要であった「光学計測データから正規化パラメータへの変換処理」(図14参照)を省略できる。
図17は、本実施例による装置の機能ブロック図を示す図である。この装置はバッテリー41で駆動される。温度センサで構成されるセンサ部43で測定した信号は各々の信号に対応して設置されるアナログ・デジタル変換器44(アナログ・デジタル変換器AD1〜AD4)へ入りデジタル信号へ変換される。マイクロプロセッサ45の周辺回路としては、アナログ・デジタル変換器AD1〜AD4、液晶表示器13、RAM42があり、これらは各バスライン46を介してマイクロプロセッサ45からアクセスされる。また、押しボタン11a〜11dはそれぞれマイクロプロセッサ45と接続されている。マイクロプロセッサ45はソフトウェアを格納するROMを内蔵している。またマイクロプロセッサ45は、ボタン11a〜11dを押すことによって、外部からの指令を受けることができる。
マイクロプロセッサ45に内蔵されたROM47は、処理計算に必要なプログラムを記憶する。すなわち、演算部の機能を有する。マイクロプロセッサ45はさらに、ヘモグロビン濃度の定数を格納するヘモグロビン濃度定数格納部48と、ヘモグロビン酸素飽和度の定数を格納するヘモグロビン酸素飽和度定数格納部49を内蔵している。計算プログラムは指の測定終了後、ヘモグロビン定数格納部48およびヘモグロビン酸素飽和度定数格納部49から最適定数を呼び出して計算する。また、処理計算に必要なメモリー領域は、同様に装置に組み込まれているRAM42に確保される。計算処理された結果は、液晶表示部に表示される。
ROMには処理計算に必要なプログラム構成要素として、特にグルコース濃度Cを求めるための関数が入っている。この関数は以下のように定められたものである。まず、Cは以下の式(8)で表現される。ai(i=0,1,2,3)は、複数の測定データから前もって決定されている。aiを求める手順は以下のとおり。
(1)正規化パラメータとグルコース濃度Cの関係を示す重回帰式を作成する。
(2)最小二乗法によって得られた式から正規化パラメータに関する正規方程式(連立方程式)を求める。
(3)正規方程式から係数ai(i=0,1,2,3)の値を求め、重回帰式に代入する。
初めに、グルコース濃度Cと正規化パラメータX,X,Xの関係を示す次の回帰式(8)を作る。
Figure 2005319110
つづいて、酵素電極法によるグルコース濃度測定値Cとの誤差が最小になるような重回帰式を求めるため、最小二乗法を用いる。残差の二乗和をDとすると、Dは次式(9)で表される。
Figure 2005319110
残差の二乗和Dが最小になるのは、式(9)をa〜aで偏微分してゼロとなるときなので、次式が得られる。
Figure 2005319110
C、X〜Xの平均値をそれぞれCmean、X1mean〜X3meanとするとXimean=0(i=1〜3)であるので、式(8)から式(11)が得られる。
Figure 2005319110
また、正規化パラメータ間の変動・共変動は、式(12)で表され、正規化パラメータX(i=1〜3)とCとの共変動は式(13)で表される。
Figure 2005319110
式(11)(12)(13)を式(10)に代入して整理すると、連立方程式(正規方程式)(14)が得られ、これを解くことでa〜aが求まる。
Figure 2005319110
定数項aは、式(11)を用いて求める。以上で求めた ai(i=0,1,2,3)は装置製造時にROMに格納されている。装置による実際の測定では、測定値から求めた正規化パラメータX〜Xを回帰式(8)に代入することで、グルコース濃度Cが算出される。
以下にグルコース濃度の算出過程の具体例を示す。予め健常者および糖尿病患者に対して測定した多数のデータから回帰式(8)の係数が決められており、マイクロプロセッサのROMには下記のグルコース濃度の算出式が格納されている。
Figure 2005319110
〜Xはパラメータx〜xを正規化したものである。パラメータの分布が正規分布であると仮定すると、正規化パラメータの95%は−2から+2の間の値をとる。
健常者の測定値の1例として、正規化パラメータX=-0.06、X=+0.04、X=+0.10 を上記の式に代入するとC=101mg/dlとなる。また、糖尿病患者の測定値の1例として、正規化パラメータX=+1.35、X=-1.22、X=-1.24 を上記の式に代入するとC=181mg/dlとなる。なお、上記の式ではヘモグロビン濃度を15g/dL、ヘモグロビン酸素飽和度を97%として定数化した。
従来の測定方法である、採血によって得た血液を試薬と反応させ、この反応によって発生した電子量を測定して血糖値を測定する酵素電極法による測定結果と本発明の1実施例による測定結果について以下に述べる。健常者の測定値の1例として、酵素電極法によるグルコース濃度が93mg/dlのとき、同時刻に本法による測定から得た正規化パラメータX=-0.06、X=+0.04、X=+0.10 を上記の式に代入するとC=101mg/dlとなる。また、糖尿病患者の測定値の例として、酵素電極法によるグルコース濃度が208mg/dlのとき、同時刻に本法による測定から得た正規化パラメータX=+1.35、X=-1.22、X=-1.24 を上記の式に代入するとC=181mg/dlとなる。この計算結果は約13%の誤差を示しているが、一般に血糖測定のための装置は通常15〜20%の誤差は許容されるものとして扱われているため、このレベルの精度であれば十分な精度と考えられる。上記の結果より、本発明による方法によって、高精度でグルコース濃度を求められることが確認された。
図18は、縦軸を本法によるグルコース濃度の算出値、横軸を酵素電極法によるグルコース濃度の測定値として、複数の患者に対してそれぞれの測定値をプロットした図である。本法の様に測定することで良好な相関が得られる(相関係数=0.8932)。
体表面からブロックへの熱移動を説明するモデル図。 温度Tおよび温度Tの測定値の時間変化を示す図。 温度Tの時間変化の測定例。 各種センサによる測定値と、それから導出されるパラメータとの関係を図示した説明図。 寸法などを説明する図。 皮膚温度と血流量の関係を示す図。 血流量と皮膚の熱伝導率の関係を説明する図。 熱伝導の様子を説明する図。 時間と温度浸透厚さの関係を説明する図。 温度浸透厚さの時間変化率を説明する図。 本発明による無侵襲血糖値測定装置の上面図。 装置の操作手順を示す図。 測定部の詳細図。 装置内におけるデータ処理の流れを示す概念図。 本発明によるグルコース濃度算出値および酵素電極法によるグルコース濃度測定値のプロット図。 測定部の他の例を示す詳細図。 装置内におけるデータ保管場所を示す概念図。 本発明によるグルコース濃度算出値と酵素電極法によるグルコース濃度測定値のプロット図。
符号の説明
11…操作部、12…測定部、13…表示部、15…指置き部、16…輻射温度センサ部の開口端、17…接触温度センサ部、18…光学センサ部、21…プレート、22…熱伝導部材、23…サーミスタ、24…サーミスタ、25…赤外線レンズ、26…赤外線透過窓、27…焦電検出器、28…サーミスタ、31,32…光ファイバー、33,34…光源、35…フォトダイオード

Claims (16)

  1. 体表面に由来する複数の温度を測定し、前記体表面からの熱放散に関する対流伝熱量と輻射伝熱量との算出に用いる情報を得る熱量測定部と、
    血中酸素量に関する情報を得る酸素量測定部と、
    前記複数の温度及び前記血中酸素量に各々対応するパラメータと血糖値との関係を記憶した記憶部と、
    前記熱量測定部及び前記酸素量測定部から入力される複数の測定値を前記パラメータへ各々変換し、前記パラメータを前記記憶部に記憶した前記関係に適用して血糖値を演算する演算部と、
    前記演算部によって算出された結果を表示する表示部とを備え、
    前記酸素量測定部は、血流量に関する情報を得る血流量測定部と、血中のヘモグロビン濃度、ヘモグロビン酸素飽和度を得る光学測定部とを有し、
    前記血流量測定部は、体表面接触部と、前記体表面接触部に隣接して設けられた第1の温度検出器と、前記体表面接触部に接して設けられた熱伝導部材と、前記熱伝導部材の前記体表面接触部から3.6mm以上離れた位置の温度を検出する第2の温度検出器とを有することを特徴とする血糖値測定装置。
  2. 請求項1記載の血糖値測定装置において、前記熱伝導部材は3.6 mm以上の長さを有することを特徴とする血糖値測定装置。
  3. 請求項1記載の血糖値測定装置において、前記熱伝導部材は0.1 J/s・m・K〜0.3 J/s・m・Kの範囲の熱伝導率を有することを特徴とする血糖値測定装置。
  4. 請求項1記載の血糖値測定装置において、前記熱伝導部材は、ポリ塩化ビニルもしくはABS樹脂からなることを特徴とする血糖値測定装置。
  5. 環境温度を測定する環境温度測定器と、
    体表面が接触する体表面接触部と、
    前記体表面接触部に隣接して設けられた隣接温度検出器と、
    前記体表面からの輻射熱を測定する輻射熱検出器と、
    前記体表面接触部に接して設けられる熱伝導部材と、
    前記熱伝導部材に隣接しかつ前記体表面接触部から3.6mm以上離れた位置に設けられ、前記体表面接触部から離れた位置の温度を検出する間接温度検出器と、
    前記体表面接触部に向けて少なくとも2つの異なる波長の光を照射する光源と、
    前記光が前記体表面で反射されて生じる反射光を検出する光検出器と、
    前記隣接温度検出器、前記間接温度検出器、前記環境温度測定器、前記輻射熱検出器及び前記光検出器各々の出力を各々パラメータに変換する変換部と、前記パラメータと血糖値との関係を予め記憶し、前記パラメータを前記関係に適用して血糖値を算出する処理部とを有する演算部と、
    前記演算部から出力される結果を表示する表示部とを備えることを特徴とする血糖値測定装置。
  6. 請求項5記載の血糖値測定装置において、前記熱伝導部材は3.6 mm以上の長さを有することを特徴とする血糖値測定装置。
  7. 請求項5記載の血糖値測定装置において、前記熱伝導部材は0.1 J/s・m・K〜0.3 J/s・m・Kの範囲の熱伝導率を有することを特徴とする血糖値測定装置。
  8. 請求項5記載の血糖値測定装置において、前記熱伝導部材は、ポリ塩化ビニルもしくはABS樹脂からなることを特徴とする血糖値測定装置。
  9. 体表面を接触させるプレートと、
    前記プレートの温度を検出する第1の温度センサと、
    前記プレートに接して設けられる部材と、
    前記部材の前記プレートから3.6mm以上離れた位置に隣接する第2の温度センサと、
    前記体表面からの輻射熱を測定する熱検出器と、
    前記プレートに向けて光を照射する光源と、
    前記体表面に照射された後の光を検出する光検出器と、
    前記第1の温度センサ、前記第2の温度センサ、前記熱検出器、及び前記光検出器各々の出力に基づいて血糖値を算出する演算部とを有することを特徴とする血糖値測定装置。
  10. 請求項9記載の血糖値測定装置において、前記部材は3.6 mm以上の長さを有することを特徴とする血糖値測定装置。
  11. 請求項9記載の血糖値測定装置において、前記部材は0.1 J/s・m・K〜0.3 J/s・m・Kの範囲の熱伝導率を有することを特徴とする血糖値測定装置。
  12. 請求項9記載の血糖値測定装置において、前記熱伝導部材は、ポリ塩化ビニルもしくはABS樹脂からなることを特徴とする血糖値測定装置。
  13. 環境温度を測定する環境温度測定器と、
    体表面が接触する体表面接触部と、
    前記体表面接触部に隣接して設けられた隣接温度検出器と、
    前記体表面からの輻射熱を測定する輻射熱検出器と、
    前記体表面接触部に接して設けられる熱伝導部材と、
    前記熱伝導部材に隣接しかつ前記体表面接触部から3.6mm以上離れた位置に設けられ、前記体表面接触部から離れた位置の温度を検出する間接温度検出器と、
    血中のヘモグロビン濃度とヘモグロビン酸素飽和度に関する情報を記憶した記憶部と、
    前記隣接温度検出器、前記間接温度検出器、前記環境温度測定器、前記輻射熱検出器の出力を複数のパラメータに変換する変換部と、前記パラメータと血糖値との関係を予め記憶し、前記パラメータを前記関係に適用して血糖値を算出する処理部とを有する演算部と、
    前記演算部から出力される結果を表示する表示部とを備えることを特徴とする血糖値測定装置。
  14. 請求項13記載の血糖値測定装置において、前記熱伝導部材は3.6 mm以上の長さを有することを特徴とする血糖値測定装置。
  15. 請求項13記載の血糖値測定装置において、前記熱伝導部材は0.1 J/s・m・K〜0.3 J/s・m・Kの範囲の熱伝導率を有することを特徴とする血糖値測定装置。
  16. 請求項13記載の血糖値測定装置において、前記熱伝導部材は、ポリ塩化ビニルもしくはABS樹脂からなることを特徴とする血糖値測定装置。
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