JP2005318997A - 輸液パック - Google Patents

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Kimitaka Nishino
仁貴 西野
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Abstract

【課題】本発明の目的は、互いに異なる複数の液を混合しないと液が流出しない構造を有する輸液パックを提供することにある。
【解決手段】本発明に係る複数液混合型の輸液パックは、互いに異なる複数の液を分離して封入し、使用時に該複数液を混合して導入口から混合液を導入する輸液パックであって、前記複数の液は互いに独立した封入室に縦型封止部を介してそれぞれ封入され、該縦型封止部は所定の押圧力により開通可能に設け、かつ前記複数の混合液を通過させる混合液導入室を、混合液封止部を介して設けたことを特徴とする。
【選択図面】 図1

Description

本発明は輸液パック、特に複数の互いに異なる溶液を混合するタイプの輸液パックであり押圧で開放される封入部を設けた輸液パックに係る。
従来から医療現場の点滴において、還元糖とアミノ酸を含有する輸液で糖がアミノ酸に結合するメイラード反応等、複数の物質を混合している場合、輸液の製造時(高圧蒸気滅菌などの熱滅菌時)、また保存時に分解・着色等、化学反応による不都合を生ずることがあった。
上記問題を解消するため、熱可塑性樹脂製フィルムからなる袋体に連通可能な隔離手段により液密に区切られた複数の分室と、前記複数の分室の一つに排出部位、他の分室の一つに注入部位を形成した輸液容器で、排出部位を有する分室には薬液又は固形剤を収容し、注入部位を有する分室は空室である輸液容器が発明されている(特許文献1)。
特開平11−313871(詳細な説明、図面)
しかし、上記従来技術の輸液パックでは、排出部位を有する分室に液が入っていれば互いに異なる複数の液を混合しなくても、分室点滴ルート(点滴管)を接続すれば輸液が流れる構造であるため、開通可能な封止部を開通させないでそのまま点滴を開始してしまうという医療ミスが発生し、本来の輸液の効果を得られないばかりか、逆に混合前の濃縮液の投与で人体に害を及ぼす可能性があった。
上記問題点を解決するため、互いに異なる複数の液を混合しないと液が流出しない構造を有する輸液パックが求められていた。
上記問題点を解決するため、本発明では輸液パック本体の左右に薬液を封入する分室を設けるために該輸液パック本体の中央部に同じ太さの開通可能な縦型封止部を設け、該縦型封止部はその一方が輸液パック本体を吊り下げたときにおける該輸液パック本体の上端に達し、他方が輸液パック本体を吊り下げたときにおける該輸液パック本体の下端中央部から突出させて設けた混合液導入室に達するとともに、該混合液導入室に達した縦型封止部の先端に、左右に同じ太さで分岐した略V字形状に形成した開通可能な混合液封止部を設け、上記輸液パック本体を手で押した時に、該混合液封止部と上記縦型封止部との間の鋭角部分から開通し、残りの縦型封止部及び混合液封止部が連鎖的に開通可能に設けることを特徴とする輸液パックを提供する。
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上記輸液パック本体を押圧すると上記混合液封止部と上記縦型封止部との間の鋭角部分に圧力が集中するため、該鋭角部分から開通し、該縦型封止部及び該混合液封止部は連鎖的に開通可能に設けたことにより、一度に薬液混合の開通と点滴管への開通をさせ、一回の隔離開通操作で混合液が得られるため、特別な注意を喚起せずとも簡便かつ確実に輸液の準備ができる。これにより医療従事者の負担を軽減し、従来生じる可能性のある溶液を混合せずに患者に投与するというミスを防ぐことが可能である。また、上記混合液導入室を輸液パック本体の吊り下げたときにおける前記輸液パック本体の下端中央部から突出させて設けているため、上記薬液を封入する分室を広く取ることができる。このため、従来技術と同程度の大きさの輸液パックで同量の薬液を確保できる。
以下、本発明の一実施例として、互いに異なる複数の液が2種類の場合について図に基づいて説明する。図1は比較例1に係る輸液パックの一例の斜視図である。図2は本発明に係る輸液パックの断面図である。図3は本発明に係る輸液パックの縦型封止部を剥がし開通させた状態の断面図である。図4は従来技術における二液混合型の輸液パックである。図5及び図7はそれぞれ比較例2及び3に係る輸液パックの一例の平面図である。図6は本発明に係る輸液パックの一例の平面図である。
図6において、1、2は薬液を入れる分室、3は開通可能な縦型封止部、5は混合液導入室、4は開通可能な混合液封止部、6は混合液導入部(図示せず)である。縦型封止部3は輸液パック本体の左右に薬液を封入する分室1及び2を設けるために該輸液パック本体の中央部に同じ太さで開通可能に設ける。そして、該縦型封止部3はその一方が輸液パック本体を吊り下げたときにおける該輸液パック本体の上端に達し、他方が輸液パック本体を吊り下げたときにおける該輸液パック本体の下端中央部から突出させて設けた混合液導入室5に達している。さらに、該混合液導入室5に達した縦型封止部3の先端に、左右に同じ太さで分岐した略V字形状に形成した開通可能な混合液封止部4を設ける。そして、該縦型封止部3および混合液封止部4のそれぞれを封止する手段としては、開通可能なヒートシールや人体に影響のない粘着剤、接着剤にて開通可能にシールするか、その他の手段によるシールであっても良い。該シールのシール力は、上記輸液パックを押したときに圧力が集中する縦型封止部3と混合液封止部4との間の鋭角部分が開通したら、連鎖的に残りの縦型封止部3及び混合液封止部4も開通可能となるように設ける。要は、混合液が必ず患者に点滴されることが肝要であり、単独の液が点滴されないようにすることが重要である。
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図4に示すように、従来技術では点滴前に薬液を封入する分室1を圧迫すると薬液を封入する分室1、薬液を封入する分室2の間にある開通可能な封止部7が開封され、矢印a’で示す流れが生じ、薬液を封入する分室1と薬液を封入する分室2の薬液が混合され、続いて矢印b’に示すように混合液導入部6に混合した薬液が流入され、点滴が開始される。しかし、開通可能な封止部7が開封されていない状態で、矢印a’が示す流れが生じなくても点滴管を接続すれば矢印b’に示す流れが起こり、薬液が混合されない状態で点滴が開始され、医療ミスの原因となる。
図5及び図7はそれぞれ比較例2及び3に係る輸液パックの一例の平面図である。図6は本発明に係る輸液パックの一例の平面図である。図5及び図7の図では、薬液を封入する薬液を封入する分室1、もしくは薬液を封入する分室2の中の薬液を押すことで、押圧で開通可能な縦型封止部3を開封し、矢印aが示す方向に薬液が流れ、互いに異なる2液が混合される。この段階では、混合液導入室5にはまだ液が流れず、無液状態となっていて点滴は開始されない。続いて更に押圧をかけ、開通可能な混合液封止部4を開封し、薬液は混合された状態で矢印bに示す方向に流れ、混合液導入室、混合液導入部6の順に流入し、点滴を開始する。図6においては、薬液を封入する分室1、薬液を封入する分室2のいずれかに押圧をかける事により、前記縦型封止部3と、前記混合液封止部4との間の鋭角部分から隔離開通することにより、連鎖的に残りの該縦型封止部3及び該混合液封止部4も開通可能である。
上記輸液パックの構造は、薬液を入れる分室1及び薬液を入れる分室2、開通可能な縦型封止部3、混合液導入室5、開通可能な混合液封止部4を有している構造であればなんでも良い。
比較例1の輸液パックの一例を示す斜視図である。 本発明の輸液パックの一例を示す断面図である。 本発明の輸液パックの一例を示す縦型封止部を剥がし開通させた状態の断面図である。 従来技術における2液混合型の輸液パックである。 比較例2の輸液パックの一例を示す平面図である。 本発明の輸液パックの一例を示す平面図である。 比較例3の輸液パックの一例を示す平面図である。
1 薬液を封入する分室
2 薬液を封入する分室
3 開通可能な縦型封止部
4 開通可能な混合液封止部
5 混合液導入室
6 混合液導入部
7 開通可能な封止部

Claims (3)

  1. 互いに異なる複数の液を分離して封入し、使用時に該複数液を混合して導入口から混合液を導入する輸液パックであって、前記複数の液は互いに独立した封入室に縦型封止部を介してそれぞれ封入され、該縦型封止部は所定の押圧力により開通可能に設け、かつ前記複数の混合液を通過させる混合液導入室を、混合液封止部を介して設けたことを特徴とする輸液パック。
  2. 上記縦型封止部は比較的弱い押圧力で、上記混合液封止部は前記縦型封止部より強い押圧力で開通可能に設けたことを特徴とする請求項1記載の輸液パック。
  3. 上記縦型封止部及び上記混合液封止部は同一押圧力においても、連鎖的に開通可能に設けたことを特徴とする請求項1記載の輸液パック。
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