JP2005318531A - バルク波素子 - Google Patents

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Masayuki Fujita
政行 藤田
Taizo Kobayashi
泰三 小林
Katsutoshi Takeda
勝利 武田
Tatsuro Usuki
辰朗 臼杵
Kenichiro Wakizaka
健一郎 脇坂
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Abstract

【課題】 信号強度の減衰を従来よりも抑制することができるバルク波素子を提供する。
【解決手段】 バルク波素子は、基板1の表面上に支持部3が形成され、支持部3上に電極11b、12b、13bが互いに分離して形成されている。その上に圧電体薄膜4が成膜され、圧電体薄膜4上に電極11a、12a、13aが互いに電極11b、12b、13bに対向するように形成される。ここで、電気信号が電極11aと11bとの間に入力されたとき、第1出力信号と第2出力信号とが互いに逆符号となる位置に電極12a及び電極13bが配置されている。
【選択図】 図1

Description

本発明は、バルク波素子に関し、特に、平衡型の電気信号と非平衡型の電気信号とを相互に変換する変換器として利用する技術に関する。
圧電体表面ではなく圧電体内部を伝播する弾性波はバルク波と呼ばれ、このようなバルク波を利用する素子はバルク波素子と称される。エアギャップなどの空隙を介して形成された圧電体薄膜は、圧電体固有の音速と、その膜厚により決まる共振周波数で共振する。バルク波素子が共振器あるいはフィルタとして利用可能なことは従来から良く知られており、その原理や特徴の詳細は、非特許文献1に示されている。
また、特許文献1は、上記のバルク波素子を、携帯電話機や無線LAN端末などの無線通信機に内蔵される平衡−非平衡変換器(以下、単に「変換器」という。)として適用する技術を提案している。当該変換器は、電気信号を非平衡型から平衡型に、あるいは平衡型から非平衡型に相互に変換する素子である。
アンテナは、その構造上、一方の信号線が接地されるので、アンテナからの電気信号は必然的に非平衡型となる。ところが、信号線に発生するノイズを除去する観点からは電気信号は平衡型のほうが望ましい。そこで、上記の変換器がアンテナと送受信回路とを結ぶ信号線上に設けられる。
図10は、特許文献1に開示された変換器の構成を示す図である。
変換器52は、圧電体基板52aの第1の主面に電極52b、52cが形成され、電極52b、52cに対向するように第2の主面に電極52d、52eが形成されている。電極52bと52dとの間にアンテナからの電気信号が入力されると、圧電体基板52aに弾性波が発生する。そうすると、電極52cと電極52eとの間に弾性波に起因する電気信号が発生する。この電気信号を変換器52の出力信号とする。これによれば、出力信号は、平衡型の電気信号となる。
特開2003−347889号公報 弾性波素子技術ハンドブック 日本学術振興会弾性波素子技術第150委員会編 平成3年 オーム社 2編3章125乃至128頁
しかしながら、上述のように電気信号を平衡型とすることでノイズを除去することはできるが、変換器を設けることにより信号強度が減衰するという問題が発生する。
そこで、本発明は、信号強度の減衰を従来よりも抑制することができるバルク波素子を提供することを目的とする。
本発明に係るバルク波素子は、圧電体薄膜と、前記圧電体薄膜の第1の主面に設けられた第1電極と、前記第1電極に前記圧電体薄膜を挟み対向して第2の主面に設けられた第1対向電極と、前記第1の主面に設けられた第2電極と、
前記第2電極に前記圧電体薄膜を挟み対向して前記第2の主面に設けられた第2対向電極と、前記第2の主面に設けられた第3電極と、前記第3電極に前記圧電体薄膜を挟み対向して前記第1の主面に設けられた第3対向電極と、前記第2対向電極と前記第3対向電極とを同電位にする同電位手段とを備え、前記圧電体薄膜の共振周波数の電気信号が前記第1電極と前記第1対向電極とから入力されたとき、前記第2対向電極の電位を基準とする前記第2電極の電位と前記第3電極の電位とが逆符号となる位置に前記第2電極及び前記第3電極が配置されている。
上記構成により、バルク波素子は、第2電極と第3電極との双方から互いに逆符号の電気信号を出力する。これらは逆符号なので差分をとることにより電気信号を足し合せることができる。したがって、当該バルク波素子は、出力電極がひとつである従来の変換器よりも信号強度の減衰を抑制することができる。
また、前記第2電極及び前記第3電極は、さらに、前記第2対向電極の電位を基準とする前記第2電極の電位の絶対値と前記第3電極の電位の絶対値とが同じ大きさとなる位置に配置されていることとしてもよい。
上記構成により、バルク波素子は、第2電極と第3電極との双方から電圧の絶対値が同じ電気信号を出力する。これにより各電気信号の平衡度が1となり、信号線上に発生する同相のノイズをキャンセルすることができる。
また、前記第2電極は、さらに、前記第2対向電極の電位を基準とする前記第2電極の電位の絶対値が極大となる位置に配置され、前記第3電極は、さらに、前記第2対向電極の電位を基準とする前記第3電極の電位の絶対値が極大となる位置に配置されていることとしてもよい。
上記構成により、バルク波素子は、第2電極及び第3電極は、電圧の絶対値が極大となる位置、即ち、定在波の腹の位置に配置されている。これにより、弾性波を効率的に電気信号に変換することができる。
また、前記第1電極及び前記第1対向電極に電気信号が入力されたとき、前記第2電極及び前記第3電極が電気信号を出力することとしてもよい。
上記構成により、バルク波素子は、電気信号を非平衡型から平衡型に変換する変換器として適用される。
また、前記第2電極及び前記第3電極に電気信号が入力されたとき、前記第1電極及び前記第1対向電極が電気信号を出力することとしてもよい。
上記構成により、バルク波素子は、電気信号を平衡型から非平衡型に変換する変換器として適用される。
(実施の形態1)
図1は、実施の形態1に係るバルク波素子の断面図である。
バルク波素子は、空隙部2を有する基板1の表面上に支持部3が形成され、支持部3上に電極11b、12b、13bが互いに分離して等間隔に形成されている。その上に圧電体薄膜4が成膜され、圧電体薄膜4上に電極11a、12a、13aが互いに電極11b、12b、13bに対向するように形成された構造となっている。
基板1は、単結晶シリコンからなり、その厚みは約300μmである。
空隙部2は、基板1の裏面からのエッチングにより形成される。
支持部3は、酸化シリコンからなり、圧電体薄膜4を支持する。
圧電体薄膜4は、窒化アルミニウムからなり、その膜厚は約1μmである。また、基板1の表面における空隙部2の幅は約100μmであり、圧電体薄膜4はこの幅に相当する部分が入力信号により振動する。
各電極は、モリブデンからなり、スパッタ法によりそれぞれ約200nmの厚みに形成されている。
電極11aは、アンテナに接続されており、電極11bは、配線6により接地されている。電極11aと電極11bとの間にアンテナからの非平衡型の電気信号が入力されると、圧電体薄膜4に弾性波が発生する。これにより、電極12aと電極12bとの間に弾性波に起因する電気信号が発生する。また、同様に、電極13aと電極13bとの間にも弾性波に起因する電気信号が発生する。
電極12aと電極12bとの間に発生した電気信号は、電極12aから第1出力信号として出力される。また、電極13aと電極13bとの間に発生した電気信号は、電極13bから第2出力信号として出力される。この第1出力信号と第2出力信号とで平衡型の電気信号が構成される。
なお、配線5及び配線6は、本発明の「同電位手段」の一例であって、電極12bは配線6により接地されており、電極13aは配線5により接地されている。これにより、電極12bと電極13aとは同電位(ここでは、接地電位)に保たれる。
図2は、実施の形態1に係るバルク波素子の主要部を示す斜視図である。
各電極は圧電体薄膜4の外部まで引き出されている。電極11b、12b、13aは、共通に接地される。
本発明は上記の各電極の配置に特徴があるので、以下に説明する。
図3は、実施の形態1に係る各電極の配置と弾性波の振動モードとを模式的に示す図である。
圧電体薄膜4は、電極11aと電極11bとの間に共振周波数の電気信号が入力されることにより、その内部に弾性波が発生する。この弾性波には各種の振動モードがある。
図3(a)は、1次モードを示す。w11は、ある時点における圧電体薄膜4の下面から上面へ発生する電圧を示す。また、w12は、w11から半周期後における圧電体薄膜4の下面から上面へ発生する電圧を示す。
図3(b)は、3次モードを示す。w13は、ある時点における圧電体薄膜4の下面から上面へ発生する電圧を示す。また、w14は、w13から半周期後における圧電体薄膜4の下面から上面へ発生する電圧を示す。
これによれば、1次モード及び3次モードのいずれの場合であっても、電極12a及び電極13bは、それぞれが出力する第1出力信号及び第2出力信号が逆符号となるような位置に電極12aと電極11aの間隔及び電極11bと電極13bの間隔が等しくなるように配置されている。第1出力信号と第2出力信号とが互いに逆符号であれば、送受信回路においてその差分をとることにより各出力信号を足し合せることができる。したがって、当該バルク波素子は、出力電極がひとつである従来の変換器(図13参照)よりも信号強度の減衰を抑制することができる。
また、出力信号の絶対値に着目すれば、電極12a及び電極13bは、第1出力信号及び第2出力信号の大きさが同じとなる位置に配置されている。
したがって、各出力信号の平衡度が1となり、送受信回路までの信号線上に発生する同相のノイズをキャンセルすることができる。
また、出力信号の絶対値の大きさに着目すれば、電極12a及び電極13bは、いずれも出力信号の絶対値が極大となる位置、即ち、3次モードの定在波における腹の位置に配置されている。これにより、弾性波を効率的に電気信号に変換することができる。
なお、上述のように、3次モードを利用することにより、派生的にバルク波素子の帯域特性を広くすることができる。
図4は、実施の形態1に係るバルク波素子の帯域特性を示す図である。
15は、1次モードのみによる帯域特性を示し、16は、3次モードのみによる帯域特性を示す。上述のバルク波素子の帯域特性は、1次モードと3次モードとの帯域特性が結合され、17に示す曲線になる。
18は、従来のバルク波素子の帯域特性である。
これよると、−3dBにおける帯域幅が、従来は約100MHzであるのに対し、実施の形態1によれば約200MHzと大幅に向上していることがわかる。
(実施の形態2)
図5は、実施の形態2に係るバルク波素子の断面図である。
バルク波素子は、圧電体薄膜4の上面と下面とにそれぞれ電極が5枚ずつ設けられている。それ以外の構成については実施の形態1と同様なので説明を省略する。
電極21aは、アンテナに接続されており、電極21bは、配線6により接地されている。電極21aと電極21bとの間にアンテナからの非平衡型の電気信号が入力されると、圧電体薄膜4に弾性波が発生する。これにより、電極22aと電極22bとの間、電極23aと電極23bとの間、電極24aと電極24bとの間、電極25aと電極25bとの間に、それぞれ弾性波に起因する電気信号が発生する。
電極22a及び電極23aは、並列に接続されており、各電極に発生した電気信号を第1出力信号として出力する。また、電極24b及び電極25bは、並列に接続されており、各電極に発生した電気信号を第2出力信号として出力する。この第1出力信号と第2出力信号とで平衡型の電気信号が構成される。
なお、配線5及び配線6は、本発明の「同電位手段」の一例であって、電極22b及び電極23bは、配線6によりそれぞれ接地されており、電極24a及び電極25aは、配線5によりそれぞれ接地されている。これにより、電極22b、電極23b、電極24a及び電極25aは同電位(ここでは、接地電位)に保たれる。
本発明は、上記の各電極の配置に特徴がある。以下に詳細に説明する。
図6は、実施の形態2に係る各電極の配置と弾性波の振動モードとを模式的に示す図である。
図6(a)は、1次モードを示す。w21は、ある時点における圧電体薄膜4の下面から上面へ発生する電圧を示す。また、w22は、w21から半周期後における圧電体薄膜4の下面から上面へ発生する電圧を示す。
図6(b)は、3次モードを示す。w23は、ある時点における圧電体薄膜4の下面から上面へ発生する電圧を示す。また、w24は、w23から半周期後における圧電体薄膜4の下面から上面へ発生する電圧を示す。
これによれば、1次モード及び3次モードのいずれの場合であっても、電極22aと電極21aの間隔及び電極21bと電極24bの間隔が等しく、かつ、電極23aと電極21aの間隔及び電極21bと電極25bの間隔が等しくなるように配置されている。この点については、実施の形態1と同様である。
また、出力信号の絶対値に着目すれば、電極22a、23a、24b、25bは、第1出力信号及び第2出力信号の大きさが同じとなる位置に配置されている。この点についても、実施の形態1と同様である。
なお、電極22a、23a、24b、25bは、3次モードの定在波の腹の位置には配置されていない。実施の形態2は、この点において実施の形態1と異なる。このように、電極数を増やすことにより、設計の自由度が増し、所望の挿入損失と帯域幅を得るための設計パラメータの調整を行いやすくなる。
(実施の形態3)
図7は、実施の形態3に係るバルク波素子の断面図である。
バルク波素子は、圧電体薄膜4の上面と下面とにそれぞれ電極が5枚ずつ設けられている。それ以外の構成については実施の形態1と同様なので説明を省略する。
電極31aは、アンテナに接続されており、電極31bは、接地されている。電極31aと電極31bとの間にアンテナからの非平衡型の電気信号が入力されると、圧電体薄膜4に弾性波が発生する。これにより、電極32aと電極32bとの間、電極33aと電極33bとの間、電極34aと電極34bとの間、電極35aと電極35bとの間に、それぞれ弾性波に起因する電気信号が発生する。
電極32b及び電極33aは、並列に接続されており、各電極に発生した電気信号を第1出力信号として出力する。また、電極34a及び電極35bは、並列に接続されており、各電極に発生した電気信号を第2出力信号として出力する。この第1出力信号と第2出力信号とで平衡型の電気信号が構成される。
なお、配線5及び配線6は、本発明の「同電位手段」の一例であって、電極32a及び電極35aは、配線5によりいずれも接地されており、電極33b及び電極34bは、配線6によりいずれも接地されている。これにより、電極32a、電極33b、電極34b及び電極35aは同電位(ここでは、接地電位)に保たれる。
本発明は、上記の各電極の配置に特徴がある。以下に詳細に説明する。
図8は、実施の形態3に係る各電極の配置と弾性波の振動モードとを模式的に示す図である。
図8(a)は、1次モードを示す。w31は、ある時点における圧電体薄膜4の下面から上面へ発生する電圧を示す。また、w32は、w31から半周期後における圧電体薄膜4の下面から上面へ発生する電圧を示す。
図8(b)は、3次モードを示す。w33は、ある時点における圧電体薄膜4の下面から上面へ発生する電圧を示す。また、w34は、w33から半周期後における圧電体薄膜4の下面から上面へ発生する電圧を示す。
図8(c)は、5次モードを示す。w35は、ある時点における圧電体薄膜4の下面から上面へ発生する電圧を示す。また、w36は、w35から半周期後における圧電体薄膜4の下面から上面へ発生する電圧を示す。
これによれば、1次モード、3次モード、5次モードのいずれの場合であっても、電極31a、32a、33aどうしの間隔と電極31b、34b、35bどうしの間隔とが等しくなるように配置されている。この点については、実施の形態1と同様である。
また、出力信号の絶対値に着目すれば、電極32b、33a、34a、35bは、第1出力信号と第2出力信号との大きさが同じとなる位置に配置されている。この点についても、実施の形態1と同様である。
なお、電極32b、電極33a、電極34a及び電極35bは、3次モードの定在波の腹の位置には配置されておらず、5次モードの定在波の腹の位置に配置されている。実施の形態3は、この点において実施の形態1と異なる。このように、実施の形態3は5次モードの弾性波を効率的に電気信号に変換することができる。1次モードと3次モードの結合よりも、1次モードと5次モードの結合の方がより広い周波数特性を有しているため、バルク波素子の通過特性を実施の形態1よりも広くすることができる。
(実施の形態4)
図9は、実施の形態4に係るバルク波素子の斜視図であり、特に、圧電体薄膜及び電極の位置を示す図である。
圧電体薄膜4は、その上面の中央部に電極41aを備え、さらに、横系列の電極42a及び43a、縦系列の電極44a及び45aが形成されている。また、圧電体薄膜4の下面には、電極41b、42b、43b、44b、45bが互いに電極41a、42a、43a、44a、45aに対向するように形成されている。
実施の形態1では、電極11a、12a、13aが1次元上に配列されたものであるが、実施の形態4では、電極41a、42a、43aが横系列、電極41a、44a、45aが縦系列として2次元上に配列されている。その点においては構成が異なるが、横系列のみに着目すれば実施の形態1と同様であり、また、縦系列のみに着目しても実施の形態1と同様である。
なお、第1出力信号が電極42a、44aから並列に出力され、また、第2出力信号が電極44b、45bから並列に出力される。実施の形態4は、この点において実施の形態1と異なる。このように、各出力信号を2箇所ずつから得ることにより出力信号を実施の形態1に比べて増加させることができる。さらに、電極を追加することにより、出力信号をより増加させることができる。
なお、図9では、横系列と縦系列とが直交するようにしているが、第1出力信号と第2出力信号とが逆符号であり、かつ、その大きさが同一であれば、これに限らない。
なお、横系列と縦系列とのいずれかを実施の形態3のようにすれば、3次モード、5次モードの弾性波を効率的に電気信号に変換することができる。5次モードを用いることにより、バルク波素子の通過特性を実施の形態1よりも広くすることができ、さらに、3次モードを用いることにより実施の形態3よりも通過特性が良好となる。
(変形例)
(1)実施の形態1では、非平衡型の電気信号を平衡型の電気信号に変換する変換器としてバルク波素子を利用している。しかし、このバルク波素子は、平衡型の電気信号を非平衡型の電気信号に変換する変換器としても利用可能である。
その場合、バルク波素子は、電極12aに第1入力信号(平衡型の一方の電気信号)を入力し、電極13bに第2入力信号(平衡型の他方の電気信号)を入力する。そうすると、圧電体薄膜4に、図3(b)に示すような3次モードの弾性波が発生する。これにより電極11a及び電極11bの間に弾性波に起因する電気信号が発生する。この電気信号が電極11aから出力信号として出力される。
なお、実施の形態1に限らず全ての実施の形態で同様に、非平衡型の電気信号を平衡型の電気信号に変換する変換器としてバルク波素子を利用することができる。
(2)図10は、変形例に係るバルク波素子の断面図である。このように、空隙部2は、基板1に設けられた凹部であってもよい。
(3)実施の形態では、バルク波素子は、圧電体薄膜4と基板1とを音響的に切り離すために空隙部2を備えたFBAR(Film Bulk Acoustic Resonator)型を採用している。しかしながら、圧電体薄膜4と基板1とを音響的に切り離すことができれば、FBAR型に限らず、他の方策を採用することとしてもよい。例えば、バルク波素子をSMR(Solidly Mounted Resonator)型で構成することも可能である。
図11は、実施の形態1の変形例に係るSMR型バルク波素子の断面図である。
当該バルク波素子は、空隙部2及び支持部3に代えて音響多層膜7を備える。それ以外の構成については実施の形態1と同様である。
音響多層膜7は、音響インピーダンスが低い低インピーダンス層7aと、音響インピーダンスが高い高インピーダンス層7bとが交互に積層されてなる。各層はλ/4の厚みに調整されている。ここで、波長λは、各層の固有の音速Cから圧電体薄膜4の共振周波数fを除して得られるものであり、各層を構成する素材に応じて異なる。このような音響多層膜7上で圧電体薄膜4が共振周波数fで振動すれば、共振周波数fの音波は各層の界面で一定の割合で反射され、それらが重ね合わされることにより結果的にほぼ全反射することとなる。すなわち、共振周波数fの音波については圧電体薄膜4と基板1とが音響的に切り離されることとなる。このように、バルク波素子をSMR型で構成しても実施の形態1に係るFBAR型バルク波素子と同様の効果を得ることができる。
なお、低インピーダンス層7aの素材としては、例えば、Si、SiO2、ポリシリコン、Al、高分子材料などを用いることができる。高インピーダンス層7bの素材としては、例えば、Au、Mo、W、AlNなどを用いることができる。このなかでも、低インピーダンス層7aがSiO2、高インピーダンス層7bがAlNの組み合わせが好ましい。積層数は、多くするほど音響的な絶縁効果が高いというメリットがある一方で、製造工数が増大するというデメリットがある。これらを考慮すると、低インピーダンス層7aが2層、高インピーダンス層7bが2層の計4層が現実的である。ただし、これに限られるものではない。
図12は、実施の形態3の変形例に係るバルク波素子の断面図である。
当該バルク波素子は、空隙部2及び支持部3に代えて音響多層膜7を備える。それ以外の構成については実施の形態3と同様である。また、音響多層膜7の構成は、上述したとおりである。このように、バルク波素子をSMR型で構成しても実施の形態3に係るバルク波素子と同様の効果を得ることができる。
本発明は、無線通信機に内蔵される変換器に利用することができる。
実施の形態1に係るバルク波素子の断面図である。 実施の形態1に係るバルク波素子の主要部を示す斜視図である。 実施の形態1に係る各電極の配置と弾性波の振動モードとを模式的に示す図である。 実施の形態1に係るバルク波素子の帯域特性を示す図である。 実施の形態2に係るバルク波素子の断面図である。 実施の形態2に係る各電極の配置と弾性波の振動モードとを模式的に示す図である。 実施の形態3に係るバルク波素子の断面図である。 実施の形態3に係る各電極の配置と弾性波の振動モードとを模式的に示す図である。 実施の形態4に係るバルク波素子の斜視図であり、特に、圧電体薄膜及び電極の位置を示す図である。 変形例に係るバルク波素子の断面図である。 実施の形態1の変形例に係るバルク波素子の断面図である。 実施の形態3の変形例に係るバルク波素子の断面図である。 特許文献1に開示された変換器の構成を示す図である。
符号の説明
1 基板
2 空隙部
3 支持部
4 圧電体薄膜
5 配線
6 配線
11a、11b、12a、12b、13a、13b 電極

Claims (5)

  1. 圧電体薄膜と、
    前記圧電体薄膜の第1の主面に設けられた第1電極と、
    前記第1電極に前記圧電体薄膜を挟み対向して第2の主面に設けられた第1対向電極と、
    前記第1の主面に設けられた第2電極と、
    前記第2電極に前記圧電体薄膜を挟み対向して前記第2の主面に設けられた第2対向電極と、
    前記第2の主面に設けられた第3電極と、
    前記第3電極に前記圧電体薄膜を挟み対向して前記第1の主面に設けられた第3対向電極と、
    前記第2対向電極と前記第3対向電極とを同電位にする同電位手段とを備え、
    前記圧電体薄膜の共振周波数の電気信号が前記第1電極と前記第1対向電極とから入力されたとき、前記第2対向電極の電位を基準とする前記第2電極の電位と前記第3電極の電位とが逆符号となる位置に前記第2電極及び前記第3電極が配置されていること
    を特徴とするバルク波素子。
  2. 前記第2電極及び前記第3電極は、さらに、
    前記第2対向電極の電位を基準とする前記第2電極の電位の絶対値と前記第3電極の電位の絶対値とが同じ大きさとなる位置に配置されていること
    を特徴とする請求項1に記載のバルク波素子。
  3. 前記第2電極は、さらに、
    前記第2対向電極の電位を基準とする前記第2電極の電位の絶対値が極大となる位置に配置され、
    前記第3電極は、さらに、
    前記第2対向電極の電位を基準とする前記第3電極の電位の絶対値が極大となる位置に配置されていること
    を特徴とする請求項2に記載のバルク波素子。
  4. 前記第1電極及び前記第1対向電極に電気信号が入力されたとき、前記第2電極及び前記第3電極が電気信号を出力すること
    を特徴とする請求項1から3に記載のバルク波素子。
  5. 前記第2電極及び前記第3電極に電気信号が入力されたとき、前記第1電極及び前記第1対向電極が電気信号を出力すること
    を特徴とする請求項1から3に記載のバルク波素子。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2015502086A (ja) * 2011-11-10 2015-01-19 クアルコム,インコーポレイテッド 電気的に並列に結合された2ポート共振器

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