JP2008206139A - 二重モード圧電フィルタ、その製造方法、およびそれを用いた高周波回路部品および通信機器 - Google Patents

二重モード圧電フィルタ、その製造方法、およびそれを用いた高周波回路部品および通信機器 Download PDF

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Abstract

【課題】低損失、且つ平坦な帯域を持ったフィルタ特性を有する二重モード圧電フィルタを提供する。
【解決手段】基板上に形成された高域遮断型の圧電薄膜からなる圧電体層1と、圧電体層の一方の主面上に間隙を設けて形成された第1電極2および第2電極3と、圧電体層の他方の主面上に、第1電極、第2電極、および間隙と対向して形成された第3電極4と、間隙または平面形状における間隙に対応する位置に形成された電極間質量負荷材料部5とを備える。第1電極の密度をρ1、厚みをh1、第2電極の密度をρ2、厚みをh2、電極間質量負荷材料部の密度をρa、厚みをhaとしたとき、(ρ1×h1)≦(ρa×ha)、および(ρ2×h2)≦(ρa×ha)の関係を満足する。
【選択図】図1

Description

本発明は、二重モード圧電フィルタに関し、より特定的には、2つのモードの結合度を改善し、通過帯域内の損失を低減するフィルタ構造に関する。
従来、携帯電話などの無線通信機器に搭載されるフィルタには、誘電体フィルタ、積層フィルタ、弾性波フィルタなどがある。弾性波フィルタでは、バルク波の複数モードを利用した水晶フィルタ(MCF:モノリシック クリスタル フィルタ)や弾性表面波フィルタ(SAWフィルタ)などが知られている。しかし、近年、更なる小型化、高性能化、高周波化が要求されており、それを実現するデバイスとして、圧電薄膜のバルク波を利用した圧電フィルタ(FBARフィルタ)が開発されている。また、圧電フィルタには、複数のモードを多重することによって実現される多重モード圧電フィルタも提案されている。
上記MCFにおける複数モードを利用した従来例の構成が特許文献1に開示されている。図18Aは、特許文献1に開示されたMCFの構成を示す模式的平面図、図18Bは断面図である。このMCFは、圧電基板51を用いて超薄板の振動部52とその周辺の振動部52を保持する厚肉の環状囲繞部53を一体的に形成し、圧電基板51の上面に幅W、長さLの2個の電極54a、54bを間隙gをおいて配置し、裏面に全面電極55を付着した二重モードフィルタの構造を有する。電極54a、54bからは、周辺の厚肉端部に向けリード電極56が延在し、端部にボンディングパット用電極57が設けられている。凹陥部側では、全面電極55がリード電極も兼ねている。
例えば、電極54aを入力電極、電極54bを出力電極とし、電極54aと全面電極55間、および電極54bと全面電極55間にそれぞれ電位を加えることで音響共振を発生させる。音響共振の結果生ずる1次モードと2次モードの2つのモードを結合させることで、フィルタを構成している。また、電極膜厚を薄膜化し、フィルタの通過帯域を広げた場合に発生するスプリアスを抑制するため、振動部の中央の寸法をA=(A1+A2)/2、それと垂直方向の寸法をBとした場合、A/(2W+g)を1.4から1.8、B/Lを1.3から1.7の範囲に設定する。
また、上記MCFにおける複数モードを利用した別の従来例の構成が、特許文献2に開示されている。図19は特許文献2に開示されたMCFの構成を示す断面図である。このMCFは、圧電基板61の一方の主面上に第1、第2電極62、63を所定の間隙をおいて配置すると共に、他方の主面上に第1、第2電極62、63と対向して第3、第4電極64、65を配設して構成された二重モードフィルタである。従来、一方の主面上の電極は全面電極とする構成がとられていたが、2つの振動モードの内、対称モードのCI値(共振時の等価抵抗)が反共振モードのそれより劣化し、歩留まりが悪化するため、圧電基板61の一方の主面の2つの電極62、63上に該2つの電極に比べ十分に大きな金属膜66を付着させることにより、劣化を抑制する。
また、特許文献3には、圧電薄膜に窒化アルミニウム(AlN)を使用し、厚み縦振動基本波を主振動とする二重モード圧電フィルタの構成が開示されている。図20は、特許文献3に開示された二重モード圧電フィルタの構成を示す断面図である。この二重モード圧電フィルタは、窒化アルミニウムからなる圧電板71上に、入力用電極81、出力用電極82が形成された構造が、珪素からなる支持基板86上に支持されている。支持基板86と圧電板71の間には、接地用電極83および窒化珪素膜84が介在し、圧電板71の主面表側には酸化珪素膜85が形成されている。この構造により、対称モードであるs_0モードと斜対称モードであるa_0モードを生じさせ、帯域通過フィルタを実現する。
また、圧電板71の両主面にほぼ同じ厚みの誘電体膜を設けた積層構造であり、二つの振動モードの共振周波数は安定した特性であるため、帯域幅などが安定したフィルタ特性を得ることができる。
次に、圧電薄膜に窒化アルミニウム(AlN)を使用し、厚み縦振動基本波を主振動とする場合の従来例の二重モード圧電フィルタの特性について説明する。図21の(a)は、AlN膜を利用し、かつ厚み縦振動基本波を主振動とした従来例の二重モード圧電フィルタの構造、(b)は、発生する2つの振動モード(対称モード、斜対称モード)の分布を示す。
二重モード圧電フィルタ90は、基板95上の一面に形成された下部電極94と、下部電極94上に形成されたAlNからなる圧電薄膜91と、圧電薄膜91上に形成された2つの上部電極92、93からなる。また、基板95内には、2つの上部電極92、93の領域を覆うように空洞部96が構成されている。
上部電極92と、上部電極92に対向する下部電極94の一部と、それらに挟まれた圧電薄膜91の一部により第1の振動部が構成され、上部電極93と、上部電極93に対向する下部電極94の一部と、それらに挟まれた圧電薄膜91の一部により第2の振動部が構成される。2つの振動部は、それぞれの上部電極92、93間に間隙が設けられることで、分離されている。また、2つの振動部は共通の空洞部により振動が確保されているため、図21の(b)に示すような、対称モード、斜対称モードの2つの振動モードが発生する。
また、図22A〜図22Cは、図21に示した従来例の二重モード圧電フィルタの解析を行った結果を示す。図22Aは、横軸を平面方向の波数、縦軸を周波数とし、各周波数における平面方向の波数分布を示している。横軸では、中心を0とし、右側が実数の波数、左側が虚数の波数を示している。波数が0となる周波数では、平面方向に伝搬しないため、厚み縦振動の共振周波数を示している。また、実数の波数となる周波数では、積極的に平面方向に伝搬し、虚数の波数となる周波数では、減衰しながら伝搬することを示している。この曲線は、一般的に分散曲線と呼ばれている。
また、共振周波数に対して、高周波領域において波数が虚数となる場合に高域遮断型と呼ばれ、低周波領域において波数が虚数となる場合に低域遮断型と呼ばれる。高域遮断型の圧電材料として窒化アルミニウム(AlN)やPZT等があり、低域遮断型の圧電材料として、ZnO、水晶等がある。また、圧電薄膜の分極方向を変えることによっても、高域遮断型と低域遮断型を制御することができる。更に、図22Bは、横軸を周波数、縦軸をアドミタンスの虚部とし、図21に示した対称モード、斜対称モードそれぞれのアドミタンス特性T0,S0を示している。図22Cは、横軸を周波数、縦軸を挿入損失とし、フィルタ特性を示している。但し、挿入損失は、上端を0として、下方になるほど損失が大きくなるように示されている。
図22Aにおいて、C1は第1の振動部と第2の振動部の分散曲線を示しており、C2は、上部電極92、93の無い圧電薄膜91と下部電極94のみの場合の分散曲線を示している。C1、C2どちらも高域遮断型を示している。ここで、厚み縦振動を主振動とする場合、その共振周波数は、各層の厚みと密度に依存し、厚み×密度が大きいと共振周波数が低域側に移動する。このことは質量負荷効果と一般的に呼ばれており、C1の方が、上部電極92、93の質量負荷効果分だけ低域側に移動している。このとき、C1の共振周波数、すなわち平面方向の波数が0となる周波数付近では、C2の特性は実数の波数を示している。したがって、第1の振動部、または第2の振動部で励振された振動は、上部電極のない領域に積極的に伝搬するため、振動は平面方向の外側に漏れることになる。その結果、図22Bに示すように、2つの振動モードの特性は劣化し、さらに、図22Cに示すように、挿入損失の大きいフィルタ特性となってしまう。
次に、圧電薄膜に窒化アルミニウム(AlN)を使用し、厚み縦振動基本波を主振動とする場合の従来例の二重モード圧電フィルタの他の構成、ならびにその特性について、図23を参照して説明する。図23の(a)は二重モード圧電フィルタの構造を示し、図23の(b)は、発生する2つの振動モード(対称モード、斜対称モード)の分布を示す。この圧電フィルタは、特に、図21に示した圧電フィルタの場合のような振動エネルギーの漏れを改善するエネルギー閉じ込めの構成を有する。
二重モード圧電フィルタ100は、基板95上の一面に形成された下部電極94と、下部電極94上に形成されたAlNからなる圧電薄膜91と、圧電薄膜91上に形成された2つの上部電極92、93を有する。基板95内には、2つの上部電極92、93の領域を覆うように空洞部96が構成される。さらに、上部電極92、93の平面方向の外側には、質量負荷材料部97a、97bが設けられる。なお、この明細書の記載において、質量負荷材料部を、上述の質量負荷効果を与える要素として定義する。
ここで、上部電極92の密度をρ1、厚みをh1、上部電極93の密度をρ2、厚みをh2とし、質量負荷材料部97a、97bの密度をρt、htとした場合、質量負荷材料部97a、97bの密度と厚みは、(ρ1×h1)<(ρt×ht)、および(ρ2×h2)<(ρt×ht)となるように設定される。
上部電極92と、上部電極92に対向する下部電極94の一部と、それらに挟まれた圧電薄膜91の一部により第1の振動部が構成され、上部電極93と、上部電極93に対向する下部電極94の一部と、それらに挟まれた圧電薄膜91の一部により第2の振動部が構成される。2つの振動部は、それぞれの上部電極92、93間に間隙が設けられることで、分離されている。また、2つの振動部は共通の空洞部96により振動が確保され、さらに、外側の領域に質量負荷材料部97a、97bが設けられたことで、第1の振動部、第2の振動部内に振動エネルギーが閉じ込められ、図23に示すような対称モード、斜対称モードの2つの振動モードが発生する。
図24A〜図24Cは、図23に示した従来例の二重モード圧電フィルタの解析を行った結果を示す。図24Aは、図22Aと同様に、横軸を平面方向の波数、縦軸を周波数とし、各周波数における平面方向の波数分布を示している。図24Bは、図22Bと同様に、横軸を周波数、縦軸をアドミタンスの虚部とし、図23に示した対称モード、斜対称モードそれぞれのアドミタンス特性T1、S1を示している。図24Cは、図22Cと同様に、横軸を周波数、縦軸を挿入損失とし、フィルタ特性を示している。
図24Aにおいて、C1は第1の振動部と第2の振動部の分散曲線を示している。C2は、上部電極92、93の無い圧電薄膜91と下部電極94のみの場合、すなわち、上部電極92、93間の領域の分散曲線を示している。C3は、質量負荷材料部97a、97bが構成された領域の分散曲線を示している。C1、C2、C3のいずれも高域遮断型を示している。ここで、質量負荷材料部97a、97bの密度と厚みを大きくすることで、C3はC1よりも低域側に移動している。すなわち、C1の共振周波数付近では、C3の特性は虚数の波数を示しているため、第1の振動部、または第2の振動部で励振された振動は、質量負荷材料部97a、97bが構成される領域において減衰して伝搬するため、平面方向の外側への漏れを低減することができる。このため、図24Bに示すように、2つの振動モードの特性は改善され、さらに、図24Cに示すように、フィルタ特性も改善される。
特開平10−163804号公報 特開2005−269241号公報 特開2004−147246号公報
図23に示した構造は、高域遮断型の圧電薄膜を利用した場合に特有の振動エネルギー漏れを低減し、フィルタ特性を改善している。しかし、図24Cに示すように、通過帯域内が平坦になっていないため、利用が困難である。これは、図24Bに示す、対称モードT1と斜対称モードS1のアドミタンスを所望の周波数帯において逆符号とすることで、損失無く通過させることができるが、図23の構造では、対称モードT1の共振周波数ftrと斜対称モードS1の反共振周波数fsaが大きく離れているため、それらの周波数間で同符号になっていることが原因である。
本発明は、通過帯域内の損失が低く、かつ平坦な特性を有する二重モード圧電フィルタを提供することを目的とする。
本発明の第1の構成の二重モード圧電フィルタは、基板上に形成された高域遮断型の圧電薄膜からなる圧電体層と、前記圧電体層の一方の主面上に間隙を設けて形成された第1電極、および第2電極と、前記圧電体層の他方の主面上に、前記第1電極、前記第2電極、および前記間隙と対向して形成された第3電極とを備える。そして、上記課題を解決するために、前記間隙または平面形状における前記間隙に対応する位置に形成された電極間質量負荷材料部を更に備え、前記第1電極の密度をρ1、厚みをh1、前記第2電極の密度をρ2、厚みをh2、前記電極間質量負荷材料部の密度をρa、厚みをhaとしたとき、(ρ1×h1)≦(ρa×ha)、および(ρ2×h2)≦(ρa×ha)の関係を満足する。
本発明の第2の構成の二重モード圧電フィルタは、基板上に形成された高域遮断型の圧電薄膜からなる圧電体層と、前記圧電体層の一方の主面上に第1の間隙を設けて形成された第1電極、および第2電極と、前記圧電体層の他方の主面上に第2の間隙を設けて形成された第4電極、および第5電極とを備える。前記第1電極と前記第4電極は前記圧電体層を挟んで対向して配置され、前記第2電極と前記第5電極は前記圧電体層を挟んで対向して配置され、前記第1の間隙と前記第2の間隙は前記圧電体層を挟んで対向して設けられる。上記課題を解決するために、前記第1の間隙、または前記第2の間隙に形成された電極間質量負荷材料部を更に備え、前記第1電極の密度をρ1、厚みをh1、前記第2電極の密度をρ2、厚みをh2、前記第4電極の密度をρ4、厚みをh4、前記第5電極の密度をρ5、厚みをh5、前記電極間質量負荷材料部の密度をρa、厚みをhaとしたとき、(ρ1×h1+ρ4×h4)≦(ρa×ha)、および(ρ2×h2+ρ5×h5)≦(ρa×ha)の関係を満足する。
本発明の二重モード圧電フィルタの製造方法は、高域遮断型の圧電薄膜からなる圧電体層の一方の主面上に間隙を設けて第1電極、および第2電極を形成する工程と、前記圧電体層の他方の主面上に、少なくとも前記第1電極及び前記第2電極と対向するように第3電極を形成する工程と、前記間隙または平面形状における前記間隙に対応する位置に電極間質量負荷材料部を形成する工程とを備える。前記第1電極の密度をρ1、厚みをh1、前記第2電極の密度をρ2、厚みをh2、前記電極間質量負荷材料部の密度をρa、厚みをhaとしたとき、(ρ1×h1)≦(ρa×ha)、および(ρ2×h2)≦(ρa×ha)の関係を満足するように各値を設定する。
上記構成の二重モード圧電フィルタによれば、圧電薄膜の一部を第1電極と第3電極により挟んで構成される第1の振動部、および圧電薄膜の別の一部を第2電極と第3電極により挟んで構成される第2の振動部についての、各々の共振周波数に対して、第1と第2の振動部間に配置され、電極間質量負荷材料部を含むことにより構成される第3の振動部の共振周波数を低域側に移動させることができる。それにより、対称モードの共振周波数と斜対称モードの反共振周波数を略一致、もしくは、対称モードの共振周波数より斜対称モードの反共振周波数を大きくすることができ、低損失、且つ平坦な通過帯域を持った二重モード圧電フィルタを提供することができる。
本発明は上記構成を基本として、以下のような種々の態様をとることができる。
本発明の第1の構成の二重モード圧電フィルタにおいて、前記電極間質量負荷材料部は、前記間隙に対向させて、前記第3電極の両主面上のいずれかに形成することができる。
また、本発明の第1の構成の二重モード圧電フィルタにおいて、前記第1電極と前記第3電極と前記圧電体層からなる第1の振動領域の共振周波数をfr1、前記第2電極と前記第3電極と前記圧電体層からなる第2の振動領域の共振周波数をfr2、前記電極間質量負荷材料部と前記第3電極と前記圧電体層からなる第3の振動領域の共振周波数をfr3としたとき、fr3が、fr1およびfr2より低いことが好ましい。
また第2の構成の二重モード圧電フィルタにおいて、前記第1電極と前記第4電極と前記圧電体層からなる第1の振動領域の共振周波数をfr1、前記第2電極と前記第5電極と前記圧電体層からなる第2の振動領域の共振周波数をfr2、前記電極間質量負荷材料部と前記圧電体層からなる第3の振動領域の共振周波数をfr3としたとき、fr3が、fr1およびfr2より低いことが好ましい。
また、第1または第2の構成の二重モード圧電フィルタにおいて、好ましくは、前記電極間質量負荷材料部は絶縁性材料からなる層を含み、前記電極間質量負荷材料部を挟む前記第1電極と前記第2電極、または前記第4電極と前記第5電極とが、前記絶縁性材料からなる層により電気的に絶縁されている。
また、前記電極間質量負荷材料部は前記絶縁性材料と導電性材料を含む多層膜からなり、前記導電性材料は、前記絶縁性材料を介して、前記第1電極および前記第2電極、または前記第4電極および前記第5電極とは電気的に絶縁されている。
また、好ましくは、前記絶縁性材料は、酸化珪素(SiO2)、窒化珪素(SiN)、窒化アルミニウム(AlN)、酸化ハフニウム(HfO2)、または珪素(Si)を主成分とする。
また、好ましくは、前記間隙を形成する前記第1電極と前記第2電極の間の電極間隔は、前記間隙で発生する振動の波長の1/2の長さよりも小さい。
また、好ましくは、前記圧電体層、前記第1電極、前記第2電極、前記第3電極、及び前記電極間質量負荷材料部からなる振動領域の下に、空洞部、または低音響インピーダンス層と高音響インピーダンス層を交互に積層してなる音響ミラー層が形成される。
また、好ましくは、高域遮断型の前記圧電体層は、窒化アルミニウム(AlN)またはPZTを主成分とする。
また、好ましくは、前記圧電体層の一方の主面上には、前記第1電極と前記第2電極の平面方向の外側に前記第1電極と前記第2電極の領域を囲うように形成された外側質量負荷材料部を備え、前記外側質量負荷材料部の密度をρt、厚みをhtとしたとき、(ρ1×h1)≦(ρt×ht)、および(ρ2×h2)≦(ρt×ht)の関係を満足する。
上記いずれかの構成の二重モード圧電フィルタを用いて、高周波回路部品を構成し、またその高周波回路部品を用いて通信機器を構成することができる。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態に係る二重モード圧電フィルタの共振部の構造例を示した断面図である。図2は、図1に示した共振部に対する支持構造を含む二重モード圧電フィルタを示した断面図である。図3は、図1に示した二重モード圧電フィルタの配線を含めた構造例を示した上面図である。
本実施形態に係る二重モード圧電フィルタの共振部構造は、図1に示すように、高域遮断型の圧電薄膜からなる圧電体層1上に入出力電極となる第1電極2と第2電極3が形成され、第1電極2と第2電極3間の間隙には、電極間質量負荷材料部を構成する第1質量負荷材料部5が形成されている。さらに、圧電体層1を挟んで、第1電極2、第2電極3、第1質量負荷材料部5に対向し、接地電極となる第3電極4が形成されている。第1電極2と第2電極3は、入出力電極として働くため、第1電極2と第2電極3の電気的な絶縁を確保するため、第1質量負荷材料部5は絶縁性材料により形成される。
以上の構成の共振部が、図2に示すように、基板6の上に支持されることにより、本実施形態に係る二重モード圧電フィルタが構成されている。基板6には、第1電極2、第2電極3、およびその間の領域を覆うように空洞部7が形成されている。
図3にのみ図示されているが、圧電体層1上に、第1電極2の引き出し配線8および端子電極9と、第2電極3の引き出し配線10および端子電極11が形成されている。また、基板6上に、第3電極4の引き出し配線12a、12bと端子電極13a、13bが形成されている。
圧電体層1は、例えば窒化アルミニウム(AlN)、またはPZT等の高域遮断形の分散特性を有した圧電材料で形成される。第1電極2、第2電極3および第3電極4は、例えばアルミニウム(Al)、金(Au)、モリブデン(Mo)、白金(Pt)、チタン(Ti)、またはタングステン(W)等の導電性材料で形成される。第1質量負荷材料部5は、例えば酸化珪素(SiO2)、窒化珪素(SiN)、窒化アルミニウム(AlN)、酸化ハフニウム(HfO2)、または珪素(Si)等の絶縁性材料で形成される。
上記構成により、圧電体層1に高域遮断型の分散特性を有する圧電材料を使用し、発生する2つの振動モード(対称モード、斜対称モード)の結合を改善するため、第1電極2と第2電極3が形成された2つの振動領域の質量負荷効果よりも第1電極2と第2電極3間の領域の質量負荷効果を大きくする。すなわち、第1電極2と第3電極4と圧電体層1からなる第1の振動領域の厚み縦振動の共振周波数をfr1、第2電極3と第3電極4と圧電体層1からなる第2の振動領域の厚み縦振動の共振周波数をfr2、第1質量負荷材料部5と第3電極4と圧電体層1からなる第3の振動領域の厚み縦振動の共振周波数をfr3としたとき、fr1およびfr2よりもfr3を低くする。
質量負荷効果は、各膜の密度をρ、厚みをhとしたとき、(ρ×h)で決まる。従って、第1電極2と、第2電極3と、第1質量負荷材料部5が形成される領域において、対向する第3電極4の膜厚が均一である場合、第1質量負荷材料部5の(ρ×h)の値と、第1電極2の(ρ×h)および第2電極3の(ρ×h)の値の関係を、適切に設定する。すなわち、第1電極2の密度をρ1、厚みをh1、第2電極3の密度をρ2、厚みをh2、電極間質量負荷材料部5の密度をρa、厚みをhaとしたとき、下記の関係を満足させる。
(ρ1×h1)≦(ρa×ha)、および(ρ2×h2)≦(ρa×ha)
この二重モードフィルタでは、第1電極2および第2電極3と、第3電極4との間に電圧を印加することにより、発生する厚み縦振動基本波を主振動とする対称モードと斜対称モードの2つの振動モードを利用する。その振動を確保するためには、振動確保部を共通とする必要がある。図2に示すように、基板6内には、空洞部7が形成され、その空洞部7は、第1電極2と第2電極3と第1質量負荷材料部5が構成される領域を覆うように構成される。空洞部7の形成には、犠牲層エッチングプロセス、微細加工法を用いた基板裏面からのエッチングプロセス、圧電薄膜を他基板に貼り付ける転写プロセス等を用いることができるが、どのプロセスを選択するかは、本発明の効果に実用上の影響を与えることはない。
また、図4に示すように、第1電極2および第2電極3の平面方向の外側の圧電体層1上に、さらに第2質量負荷材料部14a、14bを外側質量負荷材料部として形成し、発生する2つの振動モードを所望の第1電極2、第2電極3、および第1質量負荷材料部5が形成される領域に閉じ込めることが望ましい。その場合、第2質量負荷材料部14a、14bの密度をρt、厚みをhtとしたとき、、下記の関係を満足させる。
(ρ1×h1)≦(ρt×ht)、および(ρ2×h2)≦(ρt×ht)
ここで、本実施形態に係る二重モード圧電フィルタの動作原理について説明する。図5A〜図5Cに、図4に示した本実施形態に係る二重モード圧電フィルタと、図23に示した従来例の閉じ込め型二重モード圧電フィルタの解析結果が比較して示される。図5Aには、横軸を平面方向の波数、縦軸を周波数として、各周波数における平面方向の波数分布、すなわち、分散曲線P1〜P4が示される。横軸では、中心を0とし、右側が実数の波数、左側が虚数の波数を示している。したがって、波数が0となる周波数では、平面方向に伝搬しないため、厚み縦振動の共振周波数を示している。また、実数の波数となる周波数では、積極的に平面方向に伝搬し、虚数の波数となる周波数では、減衰しながら伝搬することを示している。また、共振周波数に対して、高周波領域において波数が虚数となる場合に高域遮断型と呼ばれ、低周波領域において波数が虚数となる場合に低域遮断型と呼ばれる。
図5Aにおいて、P1は、第1電極2と第3電極4とそれらに挟まれた圧電体層1からなる第1の振動部、および第2電極3と第3電極4とそれらに挟まれた圧電体層1からなる第2の振動部の分散曲線を示す。P2は、第1質量負荷材料部5と第3電極4とそれらに挟まれた圧電体層1からなる第3の振動部の分散曲線を示す。P3は、第2質量負荷材料部14a、14bと第3電極4とそれらに挟まれた圧電体層1からなる第4の振動部の分散曲線を示す。また、P4は、第3の振動部において第1質量負荷材料部5が無い場合、すなわち図23に示す従来例の二重モード圧電フィルタにおける第1電極と第2電極間の間隙における分散曲線を示す。分散曲線P1〜P4はどれも高域遮断型を示している。ここで、第1質量負荷材料部5を配置することで、質量負荷効果により、P4よりもP2の方が、更にはP1よりもP2の方が低域側に移動していることがわかる。
図5B、図5Cは、横軸を周波数、縦軸をアドミタンスの虚部とし、対称モードのアドミタンス特性と斜対称モードのアドミタンス特性を示している。図5Bは、従来例の二重モード圧電フィルタにおける、対称モードのアドミタンス特性T1と斜対称モードのアドミタンス特性S1を示す。図5Cは図4に示した本実施形態の二重モード圧電フィルタにおける対称モードのアドミタンス特性T2と斜対称モードのアドミタンス特性S2を示す。
上記のように第1電極2と第2電極3間の領域における分散曲線P2をP1よりも低域側に移動させることにより、図5Cに示すように、対称モードの共振周波数と斜対称モードの反共振周波数を近接させて、略一致させることができる。
図5Dは、横軸を周波数、縦軸を挿入損失とし、フィルタ特性を示す。図5Dにおいて、F1は従来例の二重モード圧電フィルタのフィルタ特性を示す。F2は図4に示した本実施形態の二重モード圧電フィルタのフィルタ特性を示す。上記のように、対称モードの共振周波数と斜対称モードの反共振周波数を略一致させることで、低損失、且つ通過帯域内にリップルの無い平坦な特性を実現することができる。
尚、以上の説明では、振動を確保するため、二重モード圧電フィルタの支持構造として、基板6内に空洞部7を形成した構造について説明したが、音響ミラー構造を設けることにより、空洞部7を形成しない構造とすることも可能である。すなわち、図6に示すように、基板6上に音響ミラー17を形成して、二重モード圧電フィルタの支持構造とする。これにより、上記の例と同様に低損失、且つ平坦な帯域を持ったフィルタ特性を得ることができる。この構造では、基板6と第3電極4の間に音響ミラー17を配置する。音響ミラー17は、厚み縦振動の共振周波数から算出される1/4波長膜厚の低音響インピーダンス層15a、15bと、高音響インピーダンス層16a、16bを交互に配置して構成される。
また、図7に示すような構造により、第2質量負荷材料部14a、14bを形成することもできる。すなわち、第1電極2、および第2電極3上の平面方向に最も外側の領域に、第2質量負荷材料部14a、14bを配置する。この構造によれば、第1電極2における第2質量負荷材料部14aが配置されない領域に比べて、第2質量負荷材料部14aが配置された領域の方が質量負荷効果が大きい。また、第2電極3における第2質量負荷材料部14bが配置されない領域よりも、第2質量負荷材料部14bが配置された領域の方が質量負荷効果が大きい。これにより、上記の例と同様に所望の第1の振動部、第2の振動部および第3の振動部に振動エネルギーを閉じ込めることができ、更には、第1質量負荷材料部5の効果により、低損失、且つ平坦な帯域を持ったフィルタ特性を得ることができる。
さらに、図8、図9に示すような構造により、第1質量負荷材料部5の上に導電性材料からなる第3質量負荷材料部18、もしくは絶縁性材料からなる第4質量負荷材料部19を形成して、2層構造を含む多層構造とすることもできる。
図8に示すように、第1質量負荷材料部5の膜厚を、第1電極2および第2電極3よりも大きくすることで、導電性の第3質量負荷材料部18を第1電極2および第2電極3と電気的に絶縁する。また、図9に示すように、第1質量負荷材料部5aの膜厚が第1電極2および第2電極3の膜厚よりも小さくても、第4質量負荷材料部19が絶縁性の材料であるため、第1電極2と第2電極3は電気的に絶縁される。
ここで、図8においては、第3電極4が第1から第3の振動部において共通の膜厚である場合、第1質量負荷材料部5の(ρ×h)と第3質量負荷材料部18の(ρ×h)を足し合わせた値は、第1電極2の(ρ×h)および第2電極3の(ρ×h)のそれぞれの値以上に設定される。また、図9においては、第3電極4が第1から第3の振動部において共通の膜厚である場合、第1質量負荷材料部5aの(ρ×h)と第4質量負荷材料部19の(ρ×h)を足し合わせた値は、第1電極2の(ρ×h)および第2電極3の(ρ×h)のそれぞれの値以上に設定される。これにより、上記の例と同様に低損失、且つ平坦な帯域を持ったフィルタ特性を得ることができる。また、第3質量負荷材料部18、および第4質量負荷材料部19の密度ρを、第1質量負荷材料部5あるいは5aの密度よりも大きくすると、第1質量負荷材料部5あるいは5aのみで構成するよりも全体の膜厚を低くすることができる。
(第2の実施形態)
図10は、本発明の第2の実施形態に係る二重モード圧電フィルタの共振部の構造例を示した断面図である。
この共振部では、高域遮断型の圧電体層1上に入出力電極となる第1電極2と第2電極3がその間に間隙を設けて形成され、圧電体層1を挟んで、第1電極2、第2電極3、および第1電極2と第2電極3間の間隙に対向して、接地電極となる第3電極4が形成される。更に、圧電体層1と第3電極4を挟んで上記間隙に対向した領域に、第5質量負荷材料部20が形成される。第1電極2と第2電極3は、平面方向に空間的に離間されているため、第1電極2と第2電極3は、電気的に絶縁される。第5質量負荷材料部20は、絶縁性材料で構成される。
実際には、図10に示す共振部構造は、第1の実施形態に係る図2の構造と同様に、基板上に形成され、その基板内には空洞部が形成されて、本実施形態に係る二重モード圧電フィルタが構成されている。また、第1の実施形態に係る図3の構造と同様に、圧電体層1上に、第1電極2の引き出し配線と端子電極が形成され、第2電極3の引き出し配線と端子電極が形成され、また、基板上に、第3電極4の引き出し配線と端子電極が形成される。
第1電極2、第2電極3および第3電極4は、例えばアルミニウム(Al)、金(Au)、モリブデン(Mo)、白金(Pt)、チタン(Ti)、タングステン(W)等の導電性材料で形成される。第5質量負荷材料部20は、例えば酸化珪素(SiO2)、窒化珪素(SiN)、窒化アルミニウム(AlN)、酸化ハフニウム(HfO2)、珪素(Si)等の絶縁性材料で形成される。圧電体層1は、例えば窒化アルミニウム(AlN)、PZT等の高域遮断形の分散特性を有した圧電材料で形成される。
第1の実施形態と同様、圧電体層1に高域遮断型の分散特性を有する圧電材料を使用し、発生する2つの振動モード(対称モード、斜対称モード)の結合を改善するため、第1電極2と第2電極3が形成される2つの振動領域の質量負荷効果よりも第1電極2と第2電極3間の領域の質量負荷効果を大きくする。即ち、第1電極2と、第2電極3と第5質量負荷材料部20が形成される領域において、対向する第3電極4の膜厚が均一である場合、第5質量負荷材料部20の(ρ×h)を、第1電極2の(ρ×h)および第2電極3の(ρ×h)のそれぞれの値以上に設定する。
この二重モードフィルタでは、第1電極2および第2電極3と第3電極4の間に電圧を印加することにより発生する、厚み縦振動基本波を主振動とする対称モードと斜対称モードの2つの振動モードを利用する。その振動を確保するためには、振動確保部は共通とする必要がある。したがって、第1の実施形態の図2と同様、基板内には空洞部が形成され、その空洞部は、第1電極2と第2電極3と第5質量負荷材料部20が構成される領域を覆うように構成される。空洞部の形成には、犠牲層エッチングプロセス、微細加工法を用いた基板裏面からのエッチングプロセス、圧電薄膜を他基板に貼り付ける転写プロセス等を用いることができるが、どのプロセスを選択するかにより本発明の効果が実質的な影響を受けることはない。
第1の実施形態の図4と同様、圧電体層1上の第1電極2および第2電極3の平面方向の外側に、さらに第2質量負荷材料部14a、14bを形成し、発生する2つの振動モードの振動エネルギーを所望の第1電極2、第2電極3、および第5質量負荷材料部20が形成された領域に閉じ込めることが望ましい。
以上のように、第1の実施形態の動作原理と同様に、本実施形態の二重モード圧電フィルタは、低損失、且つ平坦な帯域を持ったフィルタ特性を得ることができる。
尚、第1の実施形態の二重モード圧電フィルタと同様に、空洞部に代えて、図6に示したように、基板と第3電極4の間に音響ミラーを配置して、支持ならびに厚み縦振動を確保してもよい。
また、第3電極4は接地電極として使用されるため、図11に示すように、第5質量負荷材料部20は、導電性の第6質量負荷材料部21に代えてもよい。第6質量負荷材料部21は、アルミニウム(Al)、金(Au)、モリブデン(Mo)、白金(Pt)、チタン(Ti)、タングステン(W)等の導電性材料で形成される。
また、図12に示すように、絶縁性の第5質量負荷材料部20もしくは、導電性の第6質量負荷材料部21に代えて、接地電極となる第3電極4と圧電体層1の間に、第7質量負荷材料部22を設けることもできる。
さらに、第1の実施形態のように、第5から7質量負荷材料部20、21、22は、異なる絶縁性材料、もしくは絶縁性材料と導電性材料の多層膜構造としても構わない。
(第3の実施形態)
図13は、本発明の第3の実施形態に係る二重モード圧電フィルタの共振部の構造例を示した断面図である。
この共振部では、高域遮断型の圧電体層1上に第1電極2と第2電極3がその間に第1間隙を設けて形成され、圧電体層1を挟んで、第4電極23と第5電極24がその間に第2間隙を設けて形成される。圧電体層1を挟んで、第1電極2と第4電極23が対向し、第2電極3と第5電極24が対向し、第1間隙と第2間隙が対向して配置される。更に、第1間隙には、第8質量負荷材料部25が形成される。第8質量負荷材料部25は、絶縁性材料で構成されるため、第1電極2と第2電極3は電気的に絶縁される。また、第4電極23と第5電極24は平面方向に空間的に離間されるため、電気的に絶縁される。
実際には、図13に示す共振部構造は、第1の実施形態に係る図2の構造と同様に、基板上に形成され、その基板内には空洞部が形成され、本実施形態に係る二重モード圧電フィルタが構成されている。また、第1の実施形態に係る図3の構造と同様に、圧電体層1上に、第1電極2の引き出し配線と、端子電極が形成され、第2電極3の引き出し配線と端子電極が形成され、また、基板上に、第4電極23の引き出し配線と端子電極が形成され、第5電極24の引き出し配線と端子電極が形成される。
第1電極2、第2電極3、第4電極23、および第5電極24は、例えばアルミニウム(Al)、金(Au)、モリブデン(Mo)、白金(Pt)、チタン(Ti)、タングステン(W)等の導電性材料で形成される。第8質量負荷材料部25は、例えば酸化珪素(SiO2)、窒化珪素(SiN)、窒化アルミニウム(AlN)、酸化ハフニウム(HfO2)、珪素(Si)等の絶縁性材料で形成される。圧電体層1は、例えば窒化アルミニウム(AlN)、PZT等の高域遮断形の分散特性を有した圧電材料で形成される。
第1の実施形態と同様、圧電体層1に高域遮断型の分散特性を有する圧電材料を使用し、発生する2つの振動モード(対称モード、斜対称モード)の結合を改善するため、第1電極2と第2電極3が形成される2つの振動領域の質量負荷効果よりも第1電極2と第2電極3間の領域の質量負荷効果を大きくする。
ここで、第1の実施形態に係る二重モード圧電フィルタにおける第3電極4に対応する電極は、本実施形態では第4電極23と第5電極24に分割され、第8質量負荷材料部25に対向する領域において電極がない構造となっている。したがって、第8質量負荷材料部25の(ρ×h)の値と、第1電極2の(ρ×h)と第4電極23の(ρ×h)を足し合わせた値、および第2電極3の(ρ×h)と第5電極24の(ρ×h)を足し合わせた値との関係を、適切に設定する。すなわち、第1電極2の密度をρ1、厚みをh1、第2電極3の密度をρ2、厚みをh2、第4電極23の密度をρ4、厚みをh4、第5電極24の密度をρ5、厚みをh5、第8質量負荷材料部25の密度をρa、厚みをhaとしたとき、下記の関係を満足させる。
(ρ1×h1+ρ4×h4)≦(ρa×ha)、および
(ρ2×h2+ρ5×h5)≦(ρa×ha)
この二重モードフィルタでは、第1電極2と第4電極23および第2電極3と第5電極24の間に電圧を印加することにより発生する厚み縦振動基本波を主振動とする対称モードと斜対称モードの2つの振動モードを利用する。その振動を確保するためには、振動確保部は共通とする必要がある。第1の実施形態の図2と同様、基板内には、空洞部が形成され、その空洞部は、第1電極2と第2電極3と第8質量負荷材料部25が構成される領域を覆うように構成される。空洞部の形成には、犠牲層エッチングプロセス、微細加工法を用いた基板裏面からのエッチングプロセス、圧電薄膜を他基板に貼り付ける転写プロセス等を用いることができるが、どのプロセスを選択するによって本発明の効果が実質的な影響を受けることはない。
第1の実施形態の図4と同様、圧電体層1上の第1電極2および第2電極3の平面方向の外側に、さらに第2質量負荷材料部14a、14bを形成し、発生する2つの振動モードの振動エネルギーを所望の第1電極2、第2電極3、および第8質量負荷材料部25が形成された領域に閉じ込めることが望ましい。
以上のように、第1の実施形態の動作原理と同様に、本実施形態の二重モード圧電フィルタは、低損失、且つ平坦な帯域を持ったフィルタ特性を得ることができる。
尚、第1の実施形態の二重モード圧電フィルタと同様に、空洞部に代えて、図6に示したように、基板と第4電極23、第5電極24の間に音響ミラーを配置して、支持ならびに厚み縦振動を確保してもよい。
また、図14に示すように、第8質量負荷材料部25を、第4電極23と第5電極24間の第2間隙に形成してもよい。
また、第1の実施形態のように、第8質量負荷材料部25は、異なる絶縁性材料、もしくは絶縁性材料と導電性材料の多層膜構造としても構わない。
また、第1電極2を入力(出力)電極とし、第2電極3を出力(入力)電極とし、第4電極23と第5電極24を図示した他の領域で接続し、接地電極として、2端子型フィルタを構成することもできる。
また、第1電極2を第1の入力(出力)電極とし、第2電極3を第1の出力(入力)電極とし、第4電極23を第2の入力(出力)電極とし、第5電極24を第2の出力(入力)電極として、4端子型フィルタ(平衡−平衡型フィルタ)としても構わない。
また、第1電極2、第2電極3、第4電極23、第5電極24の内、いずれか一つを接地電極として3端子型フィルタ(平衡−不平衡変換型フィルタ)としても構わない。
(第4の実施形態)
図15A〜図15Cは、本発明の第1から第3の実施形態に係る二重モード圧電フィルタにおいて、第3の振動部の平面方向の長さを変化させた場合の計算結果を示す。ここで、第3の振動部の平面方向の長さとは、第1電極2と第2電極3の間隙の長さ、すなわち電極間隔に相当する。従って、以下の説明では「電極間隔」を用いる。また、第3の振動部の平面方向とは、電極間隔の方向を意味する。図15Aには分散曲線を示し、図15Bにはフィルタ特性を示し、図15Cには電極間隔に対する帯域幅の変化を示す。
図15Aにおいて、P1は第1および第2の振動部の分散曲線、P2は第3の振動部の分散曲線を示している。この分散曲線が示す特性は、平面方向の長さに影響を受けないものであるため、電極間隔を変化させても、分散曲線自体は変化しない。また、点Xは第1および第2の振動部における厚み縦振動の共振周波数を示し、点Yはその周波数において第3の振動部に発生する振動の平面方向の波数を示している。すなわち、フィルタの通過帯域は一般的に第1および第2の振動部の共振周波数付近で形成されるため、通過帯域の周波数において第3の振動部に発生する振動の平面方向の波長λyは、点Yの波数をkyとしたとき、2π/kyで表される。
図15Bにおいて、D1からD4は波長λyに対する電極間隔の比を異ならせた場合のフィルタ特性(周波数に対する挿入損失)を示す。それぞれD1は比が0.125λy、D2は0.25λy、D3は0.5λy、D4はλyと等しい場合の結果である。ここで、電極間隔が大きくなるほど、フィルタの通過帯域が狭くなっていることがわかる。これは、発生する2つのモードの結合が劣化するためである。
図15Cでは、横軸を電極間隔を波長で規格化した値とし、縦軸をフィルタの帯域幅(−3dB)を中心周波数で規格化した値としている。同図から、フィルタの帯域幅(−3dB)は、電極間隔が0.5λyよりも大きい場合に極端に小さくなっていることが判る。すなわち、十分な通過帯域を持ったフィルタを実現するには、電極間隔を0.5λyよりも小さくすることが望ましい。
(第5の実施形態)
図16は、本発明の第5の実施形態に係る高周波回路部品の一例であるアンテナ共用器のブロック図を示す。同図のアンテナ共用器37は、送信端子31、受信端子32、およびアンテナ端子33を有する。送信端子31と受信端子32間には、送信フィルタ34、移相回路35、および受信フィルタ36が順に配置されている。送信フィルタ34と移相回路35間にアンテナ端子33が接続されている。送信フィルタ34および受信フィルタ36の少なくとも一方として、上記いずれかの実施形態に係る二重モード圧電フィルタが具備される。
また、図17に示すように、本発明の各実施形態における二重モード圧電フィルタは、通信機器47に用いることができる。同図の通信機器47では、送信端子41から入った信号がベースバンド部42を通り、パワーアンプ43で信号が増幅され、送信フィルタ34を通りフィルタリングされ、アンテナ44から電波が送信される。また、アンテナ44から受信した信号は、受信フィルタ36を通りフィルタリングされ、LNA45により増幅され、ベースバンド部42を通り受信端子46に伝達される。送信フィルタ34および受信フィルタ36の少なくとも一方として、上記いずれかの実施形態に係る二重モード圧電フィルタが具備される。
以上のように、本発明に係る二重モード圧電フィルタは、低損失、且つ帯域が平坦であるフィルタ特性を持ち、低損失特性を備えた高周波フィルタや共用器などの高周波回路部品、低損失フィルタを備えた低消費電力で通話品質に優れた通信機器に有用である。
本発明に係る二重モード圧電フィルタは、低損失、且つ帯域が平坦であるフィルタ特性を持ち、低損失特性を備えた高周波フィルタや共用器などの高周波回路部品、低損失フィルタを備えた低消費電力で通話品質に優れた通信機器に有用である。
本発明の第1の実施形態に係る二重モード圧電フィルタの共振部の構造例を示した断面図 同二重モード圧電フィルタの支持構造を含めた断面図 同二重モード圧電フィルタの配線を含めた上面図 同二重モード圧電フィルタのエネルギー閉じ込めを実現する構成を示す断面図 本発明の第1の実施形態に係る二重モード圧電フィルタにおける各振動部の分散特性を示す図 従来例の二重モード圧電フィルタにおける対称モードおよび斜対称モードのアドミタンス特性を示す図 本発明の第1の実施形態に係る二重モード圧電フィルタにおける対称モードおよび斜対称モードのアドミタンス特性を示す図 同二重モード圧電フィルタにおけるフィルタ特性を示す図 同二重モード圧電フィルタの他の支持構造を含めた断面図 同二重モード圧電フィルタのエネルギー閉じ込めを実現する他の構成を示す断面図 同二重モード圧電フィルタの共振部における質量負荷材料部を多層膜とした構造例を示した断面図 同二重モード圧電フィルタの共振部における質量負荷材料部を多層膜とした他の構造例を示した断面図 本発明の第2の実施形態に係る二重モード圧電フィルタの共振部の構造例を示した断面図 同二重モード圧電フィルタの共振部における質量負荷材料部の材料を代えた他の構造例を示した断面図 同二重モード圧電フィルタの共振部における質量負荷材料部が形成される位置を代えた他の構造例を示した断面図 本発明の第3の実施形態に係る4端子を備える二重モード圧電フィルタの共振部の構造例を示した断面図 同二重モード圧電フィルタの共振部における質量負荷材料部の位置を代えた他の構造例を示した断面図 本発明の第4の実施形態に係る二重モード圧電フィルタにおける各振動部の分散特性を示す図 同二重モード圧電フィルタにおけるフィルタ特性を示す図 同二重モード圧電フィルタにおける帯域の変化を示す図 本発明の二重モード圧電フィルタを具備した共用器の構成例を示すブロック図 本発明の二重モード圧電フィルタを具備した通信機器の構成例を示すブロック図 従来例の二重モードを利用したMCF(モノリシック・クリスタル・フィルタ)の構成を示す上面図、 同MCFの断面図 従来例の二重モードを利用したMCFの他の構成を示す断面図 従来例の圧電薄膜にAlNを利用した二重モード圧電フィルタの構成を示す断面図 従来例の高域遮断型の圧電薄膜を利用した二重モード圧電フィルタの構成及び振動分布を示す図 従来例の同二重モード圧電フィルタにおける各振動部の分散特性を示す図 従来例の同二重モード圧電フィルタにおける対称モードおよび斜対称モードのアドミタンス特性を示す図 従来例の同二重モード圧電フィルタにおけるフィルタ特性を示す図 従来例の高域遮断型の圧電薄膜を利用した二重モード圧電フィルタのエネルギー閉じ込めを実現する他の構成及び振動分布を示す図 従来例のエネルギー閉じ込めを実現する二重モード圧電フィルタにおける各振動部の分散特性を示す図 従来例のエネルギー閉じ込めを実現する二重モード圧電フィルタにおける対称モードおよび斜対称モードのアドミタンス特性を示す図 従来例のエネルギー閉じ込めを実現する二重モード圧電フィルタにおけるフィルタ特性を示す図
符号の説明
1 高域遮断型の圧電薄膜
2 第1電極
3 第2電極
4 第3電極
5、5a 第1質量負荷材料部
6 基板
7 空洞部
8、10、12 配線電極
9、11、13 端子電極
14a、14b 第2質量負荷材料部
15 低音響インピーダンス層
16 高音響インピーダンス層
17 音響ミラー
18〜22 第3〜第7質量負荷材料部
23 第4電極
24 第5電極
25 第8質量負荷材料部
31 送信端子
32 受信端子
33 アンテナ端子
34 送信フィルタ
35 移相回路
36 受信フィルタ
37 アンテナ共用器
41 送信端子
42 ベースバンド部
43 パワーアンプ
44 アンテナ
45 LNA
46 受信端子
51 圧電基板
52 振動部
53 環状囲繞部
54 電極
55 全面電極
56 リード電極
57 ボンディングパット用電極
61 水晶基板
62、63、64、65 電極
66 金属薄膜
71 圧電板
81 入力用電極
82 出力用電極
83 接地用電極
84 窒化珪素膜
85 酸化珪素膜
86 支持基板
90、100 二重モード圧電フィルタ
91 圧電薄膜
92、93 上部電極
94 下部電極
95 基板
96 空洞部
97a、97b 質量負荷材料部

Claims (22)

  1. 基板上に形成された高域遮断型の圧電薄膜からなる圧電体層と、
    前記圧電体層の一方の主面上に間隙を設けて形成された第1電極、および第2電極と、
    前記圧電体層の他方の主面上に、前記第1電極、前記第2電極、および前記間隙と対向して形成された第3電極とを備えた二重モード圧電フィルタにおいて、
    前記間隙または平面形状における前記間隙に対応する位置に形成された電極間質量負荷材料部を更に備え、
    前記第1電極の密度をρ1、厚みをh1、前記第2電極の密度をρ2、厚みをh2、前記電極間質量負荷材料部の密度をρa、厚みをhaとしたとき、
    (ρ1×h1)≦(ρa×ha)、および(ρ2×h2)≦(ρa×ha)
    の関係を満足することを特徴とする二重モード圧電フィルタ。
  2. 前記電極間質量負荷材料部は、前記間隙に対向し、前記第3電極の両主面上のいずれかに形成されている請求項1に記載の二重モード圧電フィルタ。
  3. 前記第1電極と前記第3電極と前記圧電体層からなる第1の振動領域の共振周波数をfr1、
    前記第2電極と前記第3電極と前記圧電体層からなる第2の振動領域の共振周波数をfr2、
    前記電極間質量負荷材料部と前記第3電極と前記圧電体層からなる第3の振動領域の共振周波数をfr3としたとき、
    fr3が、fr1およびfr2より低い請求項1に記載の二重モード圧電フィルタ。
  4. 前記電極間質量負荷材料部は絶縁性材料からなる層を含み、前記電極間質量負荷材料部を挟む前記第1電極と前記第2電極とが、前記絶縁性材料からなる層により電気的に絶縁されている請求項1に記載の二重モード圧電フィルタ。
  5. 前記電極間質量負荷材料部は前記絶縁性材料と導電性材料を含む多層膜からなり、
    前記導電性材料は、前記絶縁性材料を介して、前記第1電極および前記第2電極とは電気的に絶縁されている請求項4に記載の二重モード圧電フィルタ。
  6. 前記絶縁性材料は、酸化珪素(SiO2)、窒化珪素(SiN)、窒化アルミニウム(AlN)、酸化ハフニウム(HfO2)、または珪素(Si)を主成分とする請求項4に記載の二重モード圧電フィルタ。
  7. 前記間隙を形成する前記第1電極と前記第2電極の間の電極間隔は、前記間隙で発生する振動の波長の1/2の長さよりも小さい請求項1に記載の二重モードフィルタ。
  8. 前記圧電体層、前記第1電極、前記第2電極、前記第3電極、及び前記電極間質量負荷材料部からなる振動領域の下に空洞部、または低音響インピーダンス層と高音響インピーダンス層を交互に積層してなる音響ミラー層が形成された請求項1に記載の二重モード圧電フィルタ。
  9. 高域遮断型の前記圧電体層は、窒化アルミニウム(AlN)またはPZTを主成分とする請求項1に記載の二重モード圧電フィルタ。
  10. 前記圧電体層の一方の主面上には、前記第1電極と前記第2電極の平面方向の外側に前記第1電極と前記第2電極の領域を囲うように形成された外側質量負荷材料部を備え、
    前記外側質量負荷材料部の密度をρt、厚みをhtとしたとき、
    (ρ1×h1)≦(ρt×ht)、および(ρ2×h2)≦(ρt×ht)
    の関係を満足する請求項1に記載の二重モード圧電フィルタ。
  11. 基板上に形成された高域遮断型の圧電薄膜からなる圧電体層と、
    前記圧電体層の一方の主面上に第1の間隙を設けて形成された第1電極、および第2電極と、
    前記圧電体層の他方の主面上に第2の間隙を設けて形成された第4電極、および第5電極とを備え、
    前記第1電極と前記第4電極は前記圧電体層を挟んで対向して配置され、
    前記第2電極と前記第5電極は前記圧電体層を挟んで対向して配置され、
    前記第1の間隙と前記第2の間隙は前記圧電体層を挟んで対向して設けられた二重モード圧電フィルタにおいて、
    前記第1の間隙、または前記第2の間隙に形成された電極間質量負荷材料部を更に備え、
    前記第1電極の密度をρ1、厚みをh1、前記第2電極の密度をρ2、厚みをh2、前記第4電極の密度をρ4、厚みをh4、前記第5電極の密度をρ5、厚みをh5、前記電極間質量負荷材料部の密度をρa、厚みをhaとしたとき、
    (ρ1×h1+ρ4×h4)≦(ρa×ha)、および
    (ρ2×h2+ρ5×h5)≦(ρa×ha)
    の関係を満足することを特徴とする二重モード圧電フィルタ。
  12. 前記第1電極と前記第4電極と前記圧電体層からなる第1の振動領域の共振周波数をfr1、
    前記第2電極と前記第5電極と前記圧電体層からなる第2の振動領域の共振周波数をfr2、
    前記電極間質量負荷材料部と前記圧電体層からなる第3の振動領域の共振周波数をfr3としたとき、
    fr3が、fr1およびfr2より低い請求項11に記載の二重モード圧電フィルタ。
  13. 前記電極間質量負荷材料部は絶縁性材料からなる層を含み、前記電極間質量負荷材料部を挟む前記第1電極と前記第2電極、または前記第4電極と前記第5電極とが、前記絶縁性材料からなる層により電気的に絶縁されている請求項11に記載の二重モード圧電フィルタ。
  14. 前記電極間質量負荷材料部は前記絶縁性材料と導電性材料を含む多層膜からなり、
    前記導電性材料は、前記絶縁性材料を介して、前記第1電極および前記第2電極、または前記第4電極および前記第5電極とは電気的に絶縁されている請求項13に記載の二重モード圧電フィルタ。
  15. 前記絶縁性材料は、酸化珪素(SiO2)、窒化珪素(SiN)、窒化アルミニウム(AlN)、酸化ハフニウム(HfO2)、または珪素(Si)を主成分とする請求項13に記載の二重モード圧電フィルタ。
  16. 前記間隙を形成する前記第1電極と前記第2電極の間の電極間隔は、前記間隙で発生する振動の波長の1/2の長さよりも小さい請求項11に記載の二重モードフィルタ。
  17. 前記圧電体層、前記第1電極、前記第2電極、前記第3電極、及び前記電極間質量負荷材料部からなる振動領域の下に空洞部、または低音響インピーダンス層と高音響インピーダンス層を交互に積層してなる音響ミラー層が形成された請求項11に記載の二重モード圧電フィルタ。
  18. 高域遮断型の前記圧電体層は、窒化アルミニウム(AlN)またはPZTを主成分とする請求項11に記載の二重モード圧電フィルタ。
  19. 前記圧電体層の一方の主面上には、前記第1電極と前記第2電極の平面方向の外側に前記第1電極と前記第2電極の領域を囲うように形成された外側質量負荷材料部を備え、
    前記外側質量負荷材料部の密度をρt、厚みをhtとしたとき、
    (ρ1×h1)≦(ρt×ht)、および(ρ2×h2)≦(ρt×ht)
    の関係を満足する請求項11に記載の二重モード圧電フィルタ。
  20. 高域遮断型の圧電薄膜からなる圧電体層の一方の主面上に間隙を設けて第1電極、および第2電極を形成する工程と、
    前記圧電体層の他方の主面上に、少なくとも前記第1電極及び前記第2電極と対向するように第3電極を形成する工程と、
    前記間隙または平面形状における前記間隙に対応する位置に電極間質量負荷材料部を形成する工程とを備え、
    前記第1電極の密度をρ1、厚みをh1、前記第2電極の密度をρ2、厚みをh2、前記電極間質量負荷材料部の密度をρb、厚みをhaとしたとき、
    (ρ1×h1)≦(ρa×ha)、および(ρ2×h2)≦(ρa×ha)
    の関係を満足するように各値を設定することを特徴とする二重モード圧電フィルタの製造方法。
  21. 二重モード圧電フィルタを少なくとも一つ備え、
    前記二重モード圧電フィルタは、請求項1または11に記載の二重モード圧電フィルタである高周波回路部品。
  22. アンテナ、送信回路および受信回路を備えた通信機器であって、
    前記アンテナと前記送信回路または前記受信回路との接続部、もしくは、前記送信回路および前記受信回路の少なくともいずれか一方に、請求項21に記載の高周波回路部品を備えた通信機器。
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