JP2005318474A - 分散補償方法,光伝送システムおよび光伝送装置 - Google Patents

分散補償方法,光伝送システムおよび光伝送装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 WDM(波長分割多重)伝送システムにおいて、WDM光に含まれる光パスについてそれぞれ個別にパスベース設計を用いて最適な分散補償値を取得し、また、ダイナミックかつ自動的に分散を補償し、信号劣化を抑止する。
【解決手段】 光伝送システム100に設けられ波長多重光を伝送する光伝送装置21〜28が、実分散量を測定し(測定ステップ)、管理制御部1wが、測定ステップにて測定された実分散量と、各伝送区間の設計分散量とに基づいて、各伝送区間の補償量を計算する(計算ステップ)。そして、管理制御部1wが、計算ステップにて計算した補償量を各光伝送装置21〜28に通知し(補償量通知ステップ)、各光伝送装置21〜28が、通知された補償量に基づいて分散量を補償する(補償量設定ステップ)。
【選択図】 図1

Description

本発明は、例えばWDM(Wavelength Division Multiplexing:波長分割多重)伝送路に設定された複数のパス(光パス又は光伝送パス)が重畳する伝送区間における波長分散量の補償に用いて好適な、分散補償方法,光伝送システムおよび光伝送装置に関する。
インターネットの急速な発展に伴い、各国において通信需要が拡大しており、この通信需要に対応するため、システム(WDM光伝送システム)の導入が進展している。近年、更なる伝送容量の拡大を図るための研究開発が進められ、WDM光の伝送帯域を広帯域化して波長数を増加させる方法と、WDM光の伝送帯域における波長間隔を高密度化して波長数を増加させる方法とが主に検討されている。また、伝送容量の拡大に加えて、送信ターミナルノード(送信端局)と受信ターミナルノード(受信端局)との間(Term−Term間)の長距離化が要請されるとともに、光伝送回線の運用,保守又は管理等に要するコストの低減が図られている。
一方、WDM伝送においては、WDM光の分散(波長分散)の補償が重要である。この分散は、WDM光に含まれる単波長光の光ファイバにおける群速度が異なることに起因し、光ファイバの単位長あたりの時間遅延によって表される。
図24(a)は光ファイバの分散特性の一例を示す図である。この図24(a)に示す分散量(一次分散量)Z1,Z2は、それぞれ、波長λが大きくなると増加し、また、分散スロープ(二次分散量)Z3は、波長λが大きくなると減少する。ここで、分散スロープDは分散量τの傾き(微分値)dτ/dλであって波長依存性を有する。これらの分散量τ,分散スロープDの各特性を表す曲線の傾きは、光ファイバのメーカ又は伝送路の環境等により異なる。
図24(b)は分散スロープ特性の一例を示す図であり、この図24(b)に示す分散スロープ特性曲線Z4〜Z7は、いずれも、波長λに対してほぼ直線的に増加し、各曲線Z4〜Z7の傾きはいずれも異なる。WDM伝送システムの伝送品質を向上させるためには、分散補償のみならず、分散スロープの補償が必要である。
システムの設計は、「分散がどこでどの程度の大きさになるか」を把握するために、残留分散量(残留分散値)とペナルティとの関係を検討する。これは、発生するペナルティ値が、残留分散量の違いによって異なるからである。ここで、ペナルティとは、ビット誤り率(BER[Bit Error Rate]:ビットエラーレート)を劣化させる要因であり、分散のほかに、非線形光学効果,偏波,クロストーク等が要因である。さらに、ペナルティおよび残留分散は、いずれも、Q値を劣化させる要因である。このQ値の定義例は、信号光の振幅に重畳する振幅ノイズの影響を評価するための指標値であり、ペナルティと同様にBERにより表されることが多い。従って、例えば、いずれかのノードが信号光の受信時に同一SN比が得られた場合においても、ペナルティ値が異なるとBERも異なる。
一方、ペナルティの除去は、システム運用に要するコストが大きくなり過ぎ、また、システムの円滑な利用が妨げられる可能性がある。従って、設計上、システムは、一定量のペナルティを許容している。システムの仕様は、この許容されるペナルティの大きさ(ペナルティレベル又はペナルティライン)を規定し、また、システムの最終的なペナルティ値が、そのペナルティレベル以下になるように規定する。設計者は、残留分散量がこのペナルティレベル以下の範囲になるように、分散補償を設計する。
図25(a)は残留分散量(横軸)とペナルティ(Penalty)値(縦軸)との関係を示す図である。この図25(a)に示すペナルティレベル(ペナルティの大きさ又はペナルティライン)PLは、システムの仕様に基づいて設定され、このペナルティレベルとペナルティ曲線との2箇所の交点に対応する横軸の点P1,P2間の範囲が許容残留分散量を表す。そして、システムの最終的なペナルティ値がペナルティレベル以下になるようにし、また、残留分散量がペナルティレベル以下の範囲になるように、分散補償を設計する。
図25(b)に示す曲線は、ペナルティレベルの一例を表し、ペナルティレベルが例えば0の場合が表示されている。ここで、残留分散量が点P1,P2(例えば−400から400まで)間にある場合、ペナルティ値は許容範囲に入っているとされる。そして、WDM光の全ての単一光が、この許容範囲に入っているとき、システムは良好とされる。この一方、いずれかの単一光がこの許容範囲に入っていないときは、システムは分散を補償しきれていないとされる。
従って、システムの設計において、目標とする伝送容量(ターゲット伝送容量)で伝送可能か否かを判定する場合、伝送路の分散量の管理制御が重要なポイントである。この管理制御とは、分散量,補償量の設定,補償量の変更および残留分散量(RD:Residual Dispersion)の設定等を意味し、また、「分散補償器をどの位置に設けるか、補償量はどの程度にするか」等が伝送シミュレーションを用いて予め検討される。具体的には、分散補償器の位置および配置間隔(以下に述べる3R[Retiming, REGenerating, Reshaping]区間又は3Rスパン),各分散補償器に割り当てる分散補償量および分散補償器から出力される光強度等が検討される。この管理制御は、分散補償マネジメントと呼ばれる。
3R区間について更に詳述する。
図26は3R区間を説明するための図である。この図26に示す送信ターミナルノード501(Node 1)から送信されたWDM光は、複数のインライン増幅器(ILA[In Line Amplifier])50aにおいて増幅中継され、また、中継ノード502,OADM(Optical Add and Drop Multiplexer:アドドロップノード)503を介し、信号光再生ノード(REGenerator)504において、一旦OE変換(Optical to Electrical:光電気変換)される。ここで、信号光再生ノード504は、WDM光のタイミング調整,伝送品質を維持するために、WDM光の再生およびWDM光の波形歪みの除去等を行なう。電気信号は、信号光再生ノード504によって、再度、EO変換(Electrical to Optical:電気光変換)され、WDM光は、OADMノード505,中継ノード506,507をそれぞれ介して、受信ターミナルノード508に送信される。また、図26に示すパス#1〜#3は、それぞれ、WDM光の伝送区間(3R区間)を表す。パス#1は送信ターミナルノード501から信号光再生ノード504までの3R区間であり、パス#2は信号光再生ノード504から受信ターミナルノード508までの3R区間であり、そして、パス#3はノード503からOADMノード505までの3R区間である。従って、3種類のパス#1〜#3が、同一のWDM伝送路に重畳されて伝送されている。
さらに、上記残留分散量とは、光ファイバ伝送路の総分散量と、各伝送ノードにおける分散補償器の総補償量との差分量であり、また、この残留分散量の目標値(ターゲット値)が、最適値を中心とした許容範囲の値(残留分散トレランス値)に入るように設定する必要がある。
図27は残留分散トレランス(残留分散トレランス値)の一例を示す図である。この図27に示す残留分散ターゲット曲線RD1は、残留分散トレランスの上限を表す曲線RD2と残留分散トレランスの下限を表す曲線RD3との範囲内になるように決定される。さらに、残留分散ターゲットは、3R距離(横軸)が大きくなると増大し、いずれの3R距離についても残留分散ターゲットが異なる。従って、パス毎に個別に分散補償設計を行なうパスベース設計においては、パス毎に3R距離が異なるので、パス毎に残留分散ターゲットが異なる。
なお、残留分散トレランス曲線RD1は、一定ルールに基づいて作成された分散マップを用いたものであって、送信チャープ量(送信される信号光の波長変動),送信側の前置分散補償量および分散マップの3種類の要素に応じて変動する。
伝送路としてのファイバの伝送特性は、上記の二次分散量(成分)を有するので、WDM伝送帯域全体の分散量を管理制御するために、二次分散の管理制御も必要である。長距離のWDM伝送は、累積した分散補償量のずれが大きくなるので、二次分散の管理制御は特に重要である。
さらに、WDM伝送の需要の拡大に応じて、WDM伝送を適用するネットワーク構成は、送受信ターミナルノード間(Term−Term間)を接続するシンプルな形状のみならず、ハブ型およびリング型等の複雑な形状にまで拡大されている。
従来から、この分散補償量の累積したずれの発生を抑制する方法として、高精度で補償可能な分散補償器を利用する方法と、WDM伝送帯域を複数の帯域に分割し各帯域についてそれぞれ異なる補償量を有する分散補償器で補償する方法と、スロープ補償器を利用する方法等の各種の方法が提案されている(例えば特許文献1参照)。
特許文献1記載のWDM光伝送システムは、波長多重化された光信号のPMD(Polarization Mode Dispersion:偏波モード分散)補償を高速かつ高精度に行なうとともに、小型軽量化を実現するものである。
特許文献2記載の光分散補償回路は、群速度分散量の傾きである二次分散、またその波長による微分値である三次分散等、高次の分散による光信号の劣化を補償するものである。分波された波長毎に所望の総分散量になるように、波長ごとの分散量を補償して各波長の光信号を合波するものである。これにより、光ファイバの有する群速度の相違による総分散量を補償できるので、高次の分散による信号の劣化を抑止できる。
特許文献3記載の分散補償光伝送路およびシステムは、6スパンのうちの5スパンまでは1スパン毎の分散補償量を、傾きDlocal×伝送距離とし、6スパン目の分散補償量を、Davg×伝送距離として補償するものである。これにより、WDM伝送で長距離の伝送特性を改善する。
特開2001−203637号公報 特開平8−234255号公報 特開2000−261377号公報
従来の補償量は、3R区間毎に設定されるので、伝送距離が長いパスと短いパスとが同一の補償量を割り当てられる。例えば、図26に示すノードOADMノード503,信号光再生ノード504間において、伝送距離が長いパス#1と伝送距離が短いパス#3とが、いずれも、同一量で補償され、また、信号光再生ノード504,OADMノード505間についてもパス#1,#2が同一量で補償される。
しかしながら、補償量は、波長毎に適切な量にすべきであり、パス#1およびパス#3の両方に適切な量を補償しなければならない。そのうえ、伝送品質の向上のために、全ての単一光について波長依存性の分散スロープを補償する必要があるにもかかわらず、各波長について同一の補償量である。従って、このような同一の補償量で補償する方法は、非効率であるとともに適切な補償を行なえないという課題がある。
また、ハブ型およびリング型等のネットワークにおいては、パス毎に伝送距離が異なる。従って、各パスについて補償すべき量が異なるにもかかわらず、パス毎に適切な補償ができない。
また、複数のパスが重畳している区間においては、それらの複数のパスが同一の分散補償量を受けるので、全パスについて最適な補償量を設定することができない。この結果、パスベースを用いた設計において分散補償できない場合は、各伝送区間において、全てのパスの補償量は、最も悪い伝送路条件のパスについての補償量を受ける。このため、条件の悪いパスについて信号光を再生する場合、それ以外の他のパスについても信号光が再生され、残留分散トレランス範囲に設定できず、信号光の再生数が多くなる。従って、高精度の分散補償器をネットワークに配置するだけの分散補償方法は、おのずと限界がある。
本発明は、このような課題に鑑み創案されたもので、WDM伝送システムにおいて、WDM光に含まれるパスについてそれぞれ個別にパスベース設計を用いて最適な分散補償値を取得でき、また、ダイナミックかつ自動的に分散を補償でき、信号劣化を抑止可能な、分散補償方法,光伝送システムおよび光伝送装置を提供することを目的とする。
このため、本発明の分散補償方法は、波長多重光に起因する実分散量を補償して波長多重光を伝送する光伝送システムにおける分散補償方法であって、光伝送システムに設けられ波長多重光を伝送する1又は複数の光伝送装置が、実分散量を測定する測定ステップと、光伝送システムに設けられた制御部が、測定ステップにて測定された実分散量と、各伝送区間の設計分散量とに基づいて、各伝送区間の補償量を計算する計算ステップと、制御部が、計算ステップにて計算した補償量を各光伝送装置に通知する補償量通知ステップと、各光伝送装置が、通知された補償量に基づいて分散量を補償する補償量設定ステップとをそなえたことを特徴としている(請求項1)。
また、補償量設定ステップは、次の(i)〜(iii)に示すように処理することができる。
(i)1又は複数の光伝送装置が、ターゲット分散量とずれが発生する光パスを特定し、1又は複数の光伝送装置のうちの受信側の光伝送装置が、特定された光パスについての分散量を補償する(請求項2)。
(ii)1又は複数の光伝送装置が、ターゲット分散量とずれが発生する光パスを特定する特定ステップと、1又は複数の光伝送装置のうちの送信側の光伝送装置が、特定ステップにて特定された光パスについての前置分散補償量を変更する(請求項3)。
(iii)1又は複数の光伝送装置が、ターゲット分散量とずれが発生する光パスを特定する特定ステップと、1又は複数の光伝送装置のうちの送信側の光伝送装置が、特定ステップにて特定された光パスについて送信側の光伝送装置自身の送信部のチャープに関する値を調整するチャープ処理ステップと、1又は複数の光伝送装置が、チャープ処理ステップにて調整されたチャープに関する値に基づいて波長変動させた波長の出力光の分散量を補償する補償ステップとをする(請求項4)。
そして、本発明の分散補償方法は、波長多重光を伝送する光伝送装置を含む伝送区間であって複数の光パスが重畳している伝送区間のうちの複数の光パスの伝送距離のそれぞれに基づいて複数の光パスのうちの1以上の優先区間を決定する優先区間決定ステップと、優先区間決定ステップにて決定された1以上の優先区間について複数の光伝送装置のそれぞれにおける入力光の分散量と出力光の分散量との変動特性を表す実分散マップを作成する実分散マップ作成ステップと、優先区間決定ステップにて決定された非優先区間について入力光の分散量と出力光の分散量との変動特性を表す仮想分散マップを作成する仮想分散マップ作成ステップと、実分散マップ作成ステップにて作成された実分散マップと、仮想分散マップ作成ステップにて作成された仮想分散マップとの各差分情報および各残留分散トレランス値に基づいて、複数の光伝送装置のうちの所望の光伝送装置における補償量を決定する補償量決定ステップと、補償量決定ステップにて決定された補償量で非優先区間の分散量を補償する非優先区間補償ステップとをそなえたことを特徴としている(請求項5)。
さらに、本発明の光伝送システムは、波長多重光から1又は複数の第1の単一波長光を分離する分離機能と、1又は複数の第2の単一波長光を波長多重光に多重する多重機能とのうちの少なくとも一方を有する複数の光伝送装置と、各光伝送装置にて分離された第1の単一波長光についての第1の分散量と、各光伝送装置にて多重される第2の単一波長光についての第2の分散量とのうちの少なくとも一方の分散量を補償する1又は複数の分散補償器と、複数の光伝送装置間の伝送区間のうちの伝送距離が異なる複数の光パスが重畳する伝送区間の実分散量と、伝送区間における分散管理データとに基づいて各分散補償器の補償量を設定する管理制御部とをそなえて構成されたことを特徴としている(請求項6)。
ここで、光伝送システムは、複数の光伝送装置が、実分散量を測定する複数の測定部を設けるとともに、複数の光伝送装置にて測定された複数の実分散量を集計する集計部と、伝送区間に割り当てられた分散量を保持するデータベースと、集計部にて集計された複数の実分散量とデータベースに保持された分散量とに基づいて同一の伝送区間について伝送距離が異なる複数の光パス毎に複数の分散補償器の補償量を演算する演算部とをそなえて構成されてもよい(請求項7)。
前記複数の光伝送装置は、それぞれ、ハブ型,リング型又はアドドロップ型の各ネットワーク形状になるように構成されてもよい(請求項8)。
また、本発明の光伝送装置は、波長多重光から1又は複数の第1の単一波長光を分離する分離部と、分離部にて分離された第1の単一波長光についての分散量を補償する分散補償器と、複数の光伝送装置間の伝送区間のうちの伝送距離が異なる複数の光パスが重畳する伝送区間の実分散量と、伝送区間における分散管理データとに基づいて各分散補償器の補償量を設定する管理制御部とをそなえて構成されたことを特徴としている(請求項9)。
そして、本発明の光伝送装置は、1又は複数の単一波長光を波長多重光に多重する多重部と、多重部にて多重された単一波長光についての分散量を補償する分散補償器と、複数の光伝送装置間の伝送区間のうちの伝送距離が異なる複数の光パスが重畳する伝送区間の実分散量と、伝送区間における分散管理データとに基づいて各分散補償器の補償量を設定する管理制御部とをそなえて構成されたことを特徴としている(請求項10)。
本発明の分散補償方法によれば、WDM伝送システムのパスベース設計が可能になり、伝送距離の短いパスは、光伝送装置(例えば信号光再生ノード)における再生処理が不要になるので、信号光再生ノード数の減少によるシステム開発,運用についてコストの低減が図れる。
また、本発明の分散補償方法によれば、例えばアドドロップノード等の光伝送装置の設置要求に対し、例えばリンクベースおよびパスベースの両方を組み合わせることができ、柔軟な設計が可能になるので、一層、効率的なネットワーク設計が可能となる。
本発明の光伝送装置によれば、高次分散に起因する信号劣化と異なるパスの違いによる信号劣化を抑止するので、長距離化が図れる。
さらに、本発明の光伝送システムによれば、各種類の光ファイバに対して行なう波長分散スロープごとの分散補償機能の設計と、回線距離に応じた分散補償の任意設定を行なうことにより、各回線の光ファイバの種類や回線距離に依存せずに、長距離光通信で利用する全波長帯の正確な波長分散補償を実現できる。
また、きめ細かい分散補償が必要な長距離の光通信システム構築において、回線設計における分散補償設計の簡易化と、分散補償器の調達および在庫の圧縮と、システム敷設時の導入作業と、回線ルート変更時の設定作業の簡略化との各処理において、効率的な分散補償マネジメントが可能となる。
さらに、本発明の分散補償方法によれば、各回線の光ファイバの種類や回線距離に応じて分散補償を行なえ、設計効率が大幅に向上する。また、設計手法の点において、本発明の分散補償方法によれば、各ノード間の接続関係を示すリンクに基づいて分散補償器の位置,補償量等を決定し、これに加えてパスベースの設計手法が加えられるので一層適切な分散補償が可能となる。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
(A)本発明の第1実施形態の説明
図1は本発明の第1実施形態に係るWDM伝送システム(システム)の構成図である。この図1に示すシステム100は、n(nは自然数を表す)波の単一波長光が多重されたWDM光を伝送するものであって、長距離隔てた地域間を接続して設けられている。また、このシステム100に接続されたネットワーク49a〜49dは、それぞれ、例えば大都市,地域に設けられ、例えばパケット等の電気信号を変換した信号光をシステム100に伝送する光アクセスネットワーク,IP(Internet Protocol)ネットワーク又はSONET/SDH(Synchronous Optical NETwork/Synchronous Digital Hierarchy:同期光通信網/同期ディジタルハイアラーキ)ネットワーク等である。
(1)システム100の構成
このシステム100は、送信ターミナルノード21と、受信ターミナルノード28と、インライン増幅器(インライン増幅装置)50と、中継ノード(中継装置又は中継増幅装置)22,26,27と、OADM(Optical Add and Drop Multiplexers)ノード(光アドドロップ装置)23,25と、REGノード(レグノード,3Rノード又は信号光再生ノード)24と、伝送路(光ファイバ)90とをそなえて構成されている。また、OADMノード23,25およびREGノード24は、受信したWDM光から1波以上の単一波長光を含む分岐光を出力するとともに1波以上の単一波長光を含む挿入光をWDM光に多重する光伝送装置として機能している。
なお、以下の説明において、送信ターミナルノード21,中継ノード22,OADMノード23,REGノード24,OADMノード25,中継ノード26,中継ノード27,受信ターミナルノード28を、それぞれ、ノード1〜8と称する。これらのノード1〜8は、いずれも、以下に述べる信号光の送受信,光電気の相互変換および信号光の増幅等の信号光および電気信号の伝送処理と、WDM光の分散補償との各機能を有する。
(1−1)パスベースの分散補償方法
システム100は、パスベースの分散補償量を計算するものである。このパスベースの分散補償とは、WDM光に含まれるn波の単波長光について波長単位で分散補償量を調整することを意味し、同一の伝送区間について伝送距離が異なる例えば3本のパス毎に分散補償量を調整する。
この調整のために、図1に示すノード4,6,8等に、分散調整機能を有する分散補償モジュール31が設けられている。
(1−2)伝送方向とパス
主信号光としてのWDM光の伝送方向は、送信ターミナルノード21から受信ターミナルノード28への方向とする。この逆方向に定義してもよい。さらに、波長多重数はnとし、相互に異なるn波の波長λ1〜λnの信号光(単一光)が波長多重されたWDM光が伝送する。そして、図1に示すm(mは自然数を表す。)本のパス#1〜#mは、それぞれ、情報データを含む単一光をWDM光にアドする起点ノードと、そのアドされたWDM光をドロップしてその単一光をOE変換する終点ノードとの間の経路を表しその詳細については後述する。以下の説明においても同様である。
(1−3)インターフェース
システム100の入力側インターフェースは光である。ここで、ネットワーク49aは例えばパケット等の電気信号を転送するものとして構成することができ、この場合、光アクセス装置(図示省略)においてEO変換された信号光がシステム100に入力される。また、ネットワーク49aは例えばSONET/SDH等の光ネットワークとして構成することもでき、この場合、信号光の伝送速度を調整する機能を有するトランスポンダ(図示省略)が、システム100の入力側に設けられる。なお、ネットワーク49dも、ネットワーク49aと同様なので重複説明を省略する。
また、OADMノード23,25の入力側に接続されたネットワーク49b,49cも、ネットワーク49aと同様に、光アクセス装置を設けたパケット転送ネットワーク又は信号光の波長,タイムスロットを変更した信号光を光スイッチする光ネットワークの伝送装置を設けた信号光伝送ネットワークとして構成することができる。
(1−4)伝送路90と伝送区間
伝送路90は、ノード1〜8およびインライン増幅器50等の間を接続する光ファイバであり、WDM光と、伝送制御に必要な情報を含む副信号光としてのOSC(Optical Service Channel)光とを伝送する。また、伝送路90は、各伝送方向について1本以上設けられ、例えば2本の伝送路90のそれぞれに主信号光およびOSC光を伝送する場合と、1本の伝送路90に伝送帯域が別個に割り当てられた主信号光およびOSC光をともに伝送する場合とのいずれかを用いることができる。この伝送路90は、伝送区間の環境,距離,経年変化および補償量等を考慮して適切な分散特性(一次分散特性および二次分散特性)を有するものが選択される。
また、伝送区間とは、情報データを含む単一光をWDM光にアド(ADD又は挿入)する起点ノードと、そのアドされたWDM光をドロップ(DROP又は分岐)してその単一光をOE変換する終点ノードとの間を表す。
(1−5)送信ターミナルノード21
図2は本発明の第1実施形態に係る送信ターミナルノード21および受信ターミナルノード28の概略的なブロック図である。この図2に示す送信ターミナルノード21は、ネットワーク49a側からのn波の信号光を波長多重したWDM光を送信するものであって、n個のレーザーダイオード(LD:Laser Diode)101と、n個の分散補償モジュール(DCM[Dispersion Compensating Module],分散補償器又は分散調整器)31と、多重部(MUX)52と、増幅器(AMP)36と、送信用分散補償器(DCT:Dispersion Compensator for Transmitting)40aと、モニタ光出力部59と、OSC光送受信部61と、管理制御部1wとをそなえて構成されている。
(i)ここで、n個のレーザーダイオード101は、いずれも、励起光源であって、例
えばITU(International Telecommunication Union:国際電気通信連合)−グリッドと呼ばれる仕様に規定された複数の波長のうちのいずれかの波長を有する1波の励起光を出力する。n個のレーザーダイオード101からの励起光は、それぞれ、情報データ等を有する電気信号によって駆動(ドライブ又は変調)され、n波の信号光が出力されるようになっている。ここで、n個のレーザーダイオード101を各々レーザーダイオード#1〜#nと区別して表すと、各レーザーダイオード#1〜#nが出力する励起光波長は、他のレーザーダイオード#1〜#nが出力する励起光波長と相互に異なるように予め割り当てられている。レーザーダイオード#1〜#nは、各々波長の異なる複数の波長の励起光を例えば温度制御等を用いて出力できるチューナブルレーザーダイオードモジュールを用いることもできる。
(ii)分散補償モジュール31は、補償量を変更可能な可変分散補償器であって、ネットワーク49a側からのWDM光の分散を予め設計された補償量で補償(分散補償機能)し、その補償量を分散補償モジュール31外部の制御手段(例えば管理制御部1w)によって変更されうる(補償量可変機能)。具体的には、分散補償機能は、負の波長分散特性を有するネガティブ型の分散補償であり、このネガティブ型の分散補償により、累積した正の分散が補償されるようになっている。なお、正の分散特性を有するポジティブ型の分散補償を行なうこともできる。
また、補償量可変機能を実現するために、分散補償モジュール31は、一例として、所望の補償量を変更又は調整できる補償量チューナブル型の分散補償デバイス(図示省略)と、管理制御部1wから出力される適切な補償量を分散補償デバイスに設定する補償量設定部(図示省略)とをそなえて構成されている。分散補償デバイスは、温度変化に基づいて補償量を変更できるFBG(Fiber Bragg Grating:平面光導波路)を有する。FBGの一例は、石英等の基板を用いたデバイスであってその基板に屈折率の異なる光導波路が形成されたものである。さらに、分散補償モジュール31は、各種の可変分散補償器を用いることもできる。例えば、エタロン型のフィルタを用いたエタロン型の可変分散補償器、又は薄板の両面に反射膜がコーティングされた波長分散素子および反射ミラーを有する小型のVIPA(Virtually Imaged Phased Array)等を用いて可変分散補償機能を実現することもできる。
従って、分散補償モジュール31の機能は、例えば分散スロープを補償するための小型,安価なものによって実現でき、これにより、自動的,ダイナミックに補償量を調整することができる。
(iii)そして、レーザーダイオード101と分散補償モジュール31とが協働することにより送信部(31,101)として機能しており、この送信部(31,101)は、ネットワーク49aからの情報データをフォーマット処理等し、フォーマット処理した電気信号を用いて駆動した信号光を分散補償する。
なお、後述するように、送信部(31,101)は、チャープ調整機能を設けることができる。
(iv)送信用分散補償器(DCT)40aは、増幅器36にて一括増幅されたWDM光の分散を補償するものである。この補償量は、予め設計時に決定された補償量又は管理制御部1wから出力された補償量情報(補償量データ)に基づいて送信用分散補償器40a自身が設定した補償量である。これにより、システム100は、稼働前および稼働後のいずれにおいても、自動的かつダイナミックな、適切な補償が可能となる。この送信用分散補償器40aの機能は、例えば負の波長分散を有するネガティブDCF等により実現される。なお、送信用分散補償器40aは、上記の分散補償モジュール31のような可変分散補償器を用いることもできる。
(v)多重部52は、各々、分散補償モジュール31からのn波の信号光を多重してWDM光を出力するものであって、例えば波長多重フィルタ(帯域可変フィルタ)が用いられる。光カプラ(図示省略)は、多重部52からのWDM光とモニタ光出力部59からのモニタ光とを合波するものである。増幅器36は、多重部52からのWDM光を一括増幅するEDFA(Erbium-Doped Optical Fiber Amplifier:エルビウム添加光ファイバ増幅器)等が用いられる。
(vi)管理制御部1wは、例えば8台のノード1〜8間の伝送区間のうちの伝送距離が異なる例えば3本のパス#1〜#3が重畳する伝送区間の実分散量と、伝送区間における分散管理データとに基づいて、各分散補償手段(分散補償モジュール31,送信用分散補償器40a,伝送路分散補償器40c等)の補償量を設定するものである。なお、管理制御部1wは、送信ターミナルノード21以外に設けることができる。
(vii)モニタ光出力部59は、ノード2〜8において累積分散(累積残留分散)を測定するためのモニタ光を出力するものでありその詳細については後述する。一方、OSC光送受信部61はOSC光の受信復調とOSC光を変調送信するものである。
(viii)これにより、送信ターミナルノード21において、個のレーザーダイオード#1〜#nは、ネットワーク49aから入力された信号によって駆動され、駆動されたn波の信号光は、多重部52において多重され、多重されたWDM光は増幅器36において増幅される。そして、増幅されたWDM光は、送信用分散補償器40aを通過し、分散量が補償され、補償されたWDM光は増幅器36に戻ってから伝送路90に出力される。
(1−6)インライン増幅器50
インライン増幅器50は、WDM光の増幅と分散補償とを行なうものであって、インラインアンプ(ILA[In Line Amplifier])40bと、伝送路分散補償器(DCL[Dispersion Compensator for Lines])40cを有する。ここで、インラインアンプ40bは、WDM光を増幅するものである。また、伝送路分散補償器40cは、WDM光の全波長帯域を一括して分散補償するものであり、この機能は、WDM光の分散量を補償するDCF等の固定分散補償器を用いることもできる。
(1−7)受信ターミナルノード28
受信ターミナルノード28は、受信したWDM光をn波の信号光に分離し分離したn波の信号光をOE変換し、光アクセス装置等を介して電気信号又は分離した信号光を切り替えし、そして、トランスポンダ(図示省略)を介してネットワーク49d(図1)に転送するものであって、分離部(DEMUX)51と、n個のフォトダイオード111と、累積分散測定部60と、OSC光送受信部61とをそなえて構成されている。
ここで、分離部51は、受信したWDM光を分離してn波の単一光を出力するものである。フォトダイオード111は、いずれも、分離部51からの単一光を電気信号に変換するものである。累積分散測定部60は、累積した実分散量を測定するためのものであり、送信ターミナルノード21のモニタ光出力部59から出力されたモニタ光について累積分散量を測定する。なお、この累積分散測定部60の詳細については後述する。
(1−8)OADMノード(光アドドロップ装置)23,25
図3は本発明の第1実施形態に係るOADMノード23,25の概略的なブロック図である。この図3に示すOADMノード23,25は、それぞれ、ネットワーク49b,49cからの信号光又はネットワーク49b,49cへの信号光のアドドロップとこのアドドロップにより伝送容量の制御とを行なうものである。
具体的には、OADMノード23,25は、それぞれ、信号光の送信先ノードが自ノードである場合はWDM光に含まれる所望の信号光をドロップし、また、自ノードでない場合はその信号光をWDM光のまま通過させてOADMノード23,25に接続されたネットワーク49b,49cからの光信号をWDM光にアドするものである。これらのOADMノード23,25は、いずれも、送信処理部200,インライン増幅器50,分離部51,多重部52,光カプラ(CPL)37,累積分散測定部60をそなえて構成されている。
ここで、光カプラ37は信号光を合波するものである。そして、送信処理部200は、ネットワーク49b(OADMノード25についてはネットワーク49c)からの信号光について分散補償する分散補償モジュール31と、レーザーダイオード101と、信号光を増幅する増幅器36とをそなえて構成されている。そして、増幅された増幅光は、光カプラ37を介して多重部52の出力光に合波される。なお、後述する図13(b)を用いて説明するように、送信処理部200はチャープ調整機能を設けることもできる。
(1−9)中継ノード22,26,27
図1に示す中継ノード22,26,27は、それぞれ、受信光の増幅と、受信光について設計上の補償量による分散補償と、受信光の累積分散測定とを行なうものであって、OADMノード23,25と同様に、インライン増幅器50,分離部51,多重部52,累積分散測定部60をそなえて構成されている。
(1−10)REGノード24
図4は本発明の第1実施形態に係るREGノード24の概略的なブロック図である。この図4に示すREGノード24は、WDM光から分離された単一光のタイミング調整と、WDM光に含まれる単一光のうちの特定波長を有する単一光の再生と、WDM光の波形歪みの除去との3種類の処理機能(以下、3R処理と称する。)を有し、信号光再生ノードとして機能するものである。このREGノード24は、受信光を3R処理することによって、3R区間を終端させるようになっている。
また、REGノード24は、受信光を一旦電気信号に変換し3R処理を行なってから信号光に戻して出力する信号光再生部24aと分散補償モジュール31とを設けている。さらに、REGノード24は、各ノード1〜8から出力される分岐光の分散と、OADMノード23,25にて挿入される挿入光の分散とをそれぞれ補償するために、複数の分散補償モジュール31又は分散補償器(例えばDCF)を設けることもできる。
これにより、REGノード24は、WDM光を分波した単一光をOE変換し変換した電気信号について上記のタイミング調整,単一光の再生,波形歪みの除去の3R処理を行ない、処理した電気信号を再度EO変換し波長多重したWDM光を伝送する。
(1−11)3R区間
また、3R区間は、ブロードバンドデータを含むパケットをEO変換してn波(又はn波以下)の信号光を波長多重して出力するノード(ターミナルノード又は中継ノード)と、WDM光を分離し各単一光をOE変換してパケットを生成するノード(ターミナルノード又は中継ノード)との区間である。
(1−12)累積分散量の測定機能
累積分散量は、管理制御部1wにおいて実伝送路(実際の伝送路)90の分散マップを作成するために測定されるものである。この累積分散量の測定機能は、モニタ光出力部59と累積分散測定部60とが協働することにより実現される。
図5は本発明の第1実施形態に係る累積分散量の測定方法を説明するための図である。この図5に示すモニタ光出力部59は、n波の波長λ1〜λnのうちの所望の波長λk(kは2以上n以下の自然数を表す。)を有する1波の励起光を出力する波長可変レーザーダイオード59aと、モニタ用の所望の周波数を有する正弦波信号を出力する正弦波変調部59cと、波長λ0の励起光を出力する固定波長出力部59dと、波長可変レーザーダイオード59aから出力された波長λkの励起光を正弦波変調部59cから出力される正弦波信号によって変調した変調光を出力する光強度変調器59bと、固定波長出力部59dから出力された波長λ0の励起光を正弦波変調部59cから出力される正弦波信号によって変調した変調光を出力する光強度変調器59eと、光強度変調器59bから出力される変調光を多重部52の所望のチャネルポートに入力されるように切り替える光スイッチ59fとをそなえて構成されている。
また、累積分散測定部60は、ノード2〜8のそれぞれに設けられ、分離部(DEMUX)51を介してモニタ光出力部59から出力された変調光のパスについてノード間分散量MDj(jは2〜8の自然数を表す。)を測定するものであって、波長λkの変調光を検出するフォトダイオード(光検出器)60aと、波長λ0の変調光を検出するフォトダイオード60bと、フォトダイオード60a,60bにて検出された電気信号の位相を比較し累積分散量MDj(群遅延データ)を出力する位相比較器60cとをそなえて構成されている。ここで、累積分散量MDjは、それぞれ、送信ターミナルノード21と他のノード2〜8との間に累積する分散量を表す。なお、累積分散量MDjの起点は送信ターミナルノード21以外の他のノード2〜8を用いることもできる。
また、位相比較器60cは、光スイッチ59fにおいて生じる群遅延量(群遅延量データ)を予め保持しこの群遅延量分を差し引いた量を累積残留分散量MDjとして出力する。そして、ノード2〜7等に設けられた累積分散測定部60にて測定された累積分散量MD3〜MD5は、例えばOSC光を介して管理制御部1wにて収集される。
なお、各ノード1〜8は、いずれも、主信号光の伝送方向と逆方向にも光伝送するので、モニタ光出力部59は受信ターミナルノード28に設けてもよい。
従って、本分散補償方法は、WDM光に起因する実分散量を補償してWDM光を伝送するシステム100(図1)における分散補償方法であり、送信ターミナルノード21(ノード1)が、実分散量を測定し(測定ステップ)、送信ターミナルノード21に設けられた管理制御部1wが、測定ステップにて測定された実分散量と、各伝送区間の設計分散量とに基づいて、各伝送区間の補償量を計算し(計算ステップ)、さらに、管理制御部1wは、計算ステップにて計算した補償量をノード2〜8に通知し(補償量通知ステップ)、また、通知されたノード2〜8は、通知された補償量に基づいて各ノード2〜8の補償量を設定する(補償量設定ステップ)。
従って、測定データがフィードバック制御されるので、分散補償をダイナミックかつ自動的にできる。
(2)本発明のパスベースの分散補償方法
本発明の分散補償方法は、管理制御部1wが、3R区間の伝送後のWDM光の波形を決定する4種類の要素(送信チャープ量,送信側の分散前置補償量,分散マップの特性,残留分散量)を制御することにより、パスベースの分散補償量を計算する。換言すれば、システム100は、WDM光に含まれるn波の単波長光について波長単位で分散補償量を調整するようになっており、3本のパス#1〜#3毎に分散補償量を調整する。そして、この分散補償量の調整のために、管理制御部1wは、各ノード1〜8との間において分散補償に関するデータをOSC光によって送受信することにより、補償量を決定し通知するようになっている。
図6は本発明の第1実施形態に係る分散補償方法を説明するためのフローチャートである。本発明の分散補償方法は、n波の単一波長光が多重されたWDM光を伝送するシステム100における分散補償方法である。
まず、管理制御部1wは、例えば3本のパスの各伝送距離に基づいて3本のパス#1〜#3のうちの優先パス#1,#2を決定する(ステップS1)。ここで、管理制御部1wは非優先パス#3をも決定する。そして、管理者又は管理制御部1wは、パス#1,#2について一括分散増幅に関する補償量をインストールし(ステップS2)、各ノード1〜8はそれぞれ累積分散量(MD)を測定する(ステップS3)。例えばノード3〜5において測定された累積分散量MD3〜MD5(MDnと表示したもの)、OSC光を介してノード1に対して送信され、管理制御部1wが累積分散量MD3〜MD5を収集する。
管理制御部1wは、優先パス#1,#2について帯域一括補償量を決定することにより仮想分散マップを作成し各ノード1〜8の理想上の累積分散量(RDnvirtual)を計算する(ステップS4)。この理想上の累積分散量は、例えば、分散補償器の位置および配置間隔と各分散補償器に割り当てる分散補償量と分散補償器から出力される光強度等とに基づいて決定される。これらの理想上の累積分散量は、伝送路90が設置された場所の環境条件に応じて決定されている。例えば中継ノード26(図1)等の設置間隔は、伝送路90が海底に設けられる場合はほぼ等間隔にすることができる一方、伝送路90が陸上に設けられている場合は、都市,郊外等の場所の違いや、コストの面から各中継ノードの間隔を一定にすることが実際上極めて困難であり、各中継スパン(中継区間)の分散量は一定ではない。また、地理的に分散補償量を迅速に設定できる必要があり、既設および将来の光ファイバを用いた伝送路90の種類に対応できるものが好ましい。従って、これらの環境条件等をデータ化し、予め伝送シミュレーションによって適切に伝送路90を設計し、これにより、理想上の累積分散量が計算される。
また、ステップS3にて得た累積分散量MD3〜MD5に基づいて実伝送路90における実累積分散量(RDnreal)を計算し(ステップS5)、そして、理想上の累積分散量(RDnvirtual)および実累積分散量(RDnreal)との差分量を計算しこの差分により得られた値を、可変機能を有する分散補償モジュール31又は他の分散補償器に設定する(ステップS6)。これにより、2種類の分散マップが得られ、実分散マップおよび仮想分散マップ間のずれが検出される。
続いて、管理制御部1wは、調整後の残留分散量を計算し(ステップS7)、データベース(後述する残留分散トレランスデータベース1e)に保持された残留分散トレランス値と実残留分散量(実際に測定された残留分散量)とを比較する。管理制御部1wは、この比較結果に基づいて、実残留分散量が残留分散トレランス値の許容範囲に入るか否かを判定し、許容範囲に入らない場合は、残留分散トレランスの許容範囲内に入るように各分散補償モジュール31の分散量を設定する(ステップS8)。
従って、本発明の各ノード1〜8は、高次分散に起因する信号劣化と異なるパスの違いによる信号劣化を抑止するので長距離化が図れる。
なお、以下、REGノード24においてOEO変換されるパス#3もWDM光の伝送区間として説明する。また、パスの数は2本又は4本以上でもよく、1本の場合においても、本発明の分散補償方法を適用できる。さらに、パスのアド側およびパスのドロップ側の各ノード1〜8は、所望のノードを選択することもできる。
ここで、管理制御部1wの設置場所は、一例として送信ターミナルノード21に設けられており、受信ターミナルノード28,REGノード24および後述する第2実施形態,第3実施形態にて説明するハブノード,リングノード等のいずれのノードに設けてもよく、あるいは、管理制御部1wだけを独立して伝送路90に設けてもよい。
(3)WDM光の波形を決定する要素
上記の4種類の要素は、3R区間を伝送したWDM光の波形を決定する条件である。
(i)送信チャープ量
チャープ(チャーピング)とは、レーザーダイオード101を高速に強度変調したときに光パルスの立ち上がり部分と立ち下がり部分とにおいて発生する光波長のシフト(光波長変動又は光波長変化)であり、チャープ量とは、送信側が付与する光波長の変動量(波長変動量,波長変化量)の値を意味し、具体的には、後述する式(7)によって表される送信チャープが用いられる。
(ii)送信側の分散前置補償量
分散前置補償とは、受信ターミナルノード28を除くいずれかのノード1〜7が、波長多重処理する前の単一光を分散補償することである。この分散前置補償によってWDM光の累積分散量の増大が抑制される。
(iii)分散マップ
分散マップは、例えば図24(a)に示すように、各中継ノード22,26,27における入力光の分散量と出力光の分散量との変動を表したものであり、また、伝送路90が複数の場合は、各伝送路90について個別に作成される。そして、各ノード1〜8に設けられた分散補償器(後述する固定分散補償器又は可変分散補償器)が、総補償量のうちの一部を補償してシステム100全体の分散補償が実現される。この分散マップの特性が相違することにより、伝送路90にて発生する分散および非線形光学効果等の発生の仕方が異なる。つまり、分散マップの特性に応じて、残留分散トレランスが変動する。
(iv)残留分散量
残留分散量が、上記の各要素で決定された許容残留分散トレランスの許容範囲に入っている場合にWDM光の高品質な伝送が可能となる。
(4)分散マップの特性,残留分散量を用いた分散補償方法
管理制御部1wは、例えば8台のノード1〜8間の伝送区間のうちの伝送距離が異なる複数のパスが重畳する伝送区間の実分散量と、伝送区間における分散管理データとに基づいて各分散補償手段の補償量を設定するものである。この補償量を設定するために、管理制御部1wは、分散マップを作成する。
(4−1)管理制御部1wの分散補償方法
この管理制御部1wの分散補償方法は、管理制御部1wが送信ターミナルノード21,受信ターミナルノード28,インライン増幅器50,中継ノード22,26,27,OADMノード23,25およびREGノード24のそれぞれに設けられた累積分散測定部60にて測定された各伝送区間の実分散量を集計し(集計ステップ)、システム100の設計時に用いた各伝送区間の分散量等を保持したデータベース1cに保持された分散量,伝送距離,補償量等の分散管理データを読み込み(読み込みステップ)、読み込みした分散管理データに基づいて各ノード1〜8が補償する補償量を計算し(計算ステップ)、計算して得た補償量を各ノード1〜8に通知し(補償量通知ステップ)、そして、各ノード1〜8がその通知された補償量でノード1〜8自身の補償量を設定するようになっている(補償量設定ステップ)。これにより、自動的かつダイナミックにシステム100の適切な分散補償が行なわれる。
(4−2)管理制御部1wの構成
図7は本発明の第1実施形態に係る管理制御部1wのブロック図である。この図7に示す管理制御部1wは、優先区間決定部1aと、ノード間分散量集計部1bと、データベース1cと、演算部1fと、可変DCM制御部1gとをそなえて構成されている。
(4−3)優先区間決定部1a
優先区間決定部1aは、例えば3本のパス#1〜#3が重畳している伝送区間について、パス#1〜#3の優先度を決定するものである。
図8は本発明の第1実施形態に係る優先区間を説明するための図である。この図8に示すパス#1〜#3は、それぞれ、情報データを含む単一光をWDM光にアドする起点ノードと、そのアドされたWDM光をドロップしてその単一光をOE変換する終点ノードとの間を表し、パス#1は送信ターミナルノード21からREGノード24までの区間であり、パス#2はREGノード24から受信ターミナルノード28までの区間であり、そして、パス#3はOADMノード23からOADMノード25までの区間である。ここで、ノード3,4間はパス#1およびパス#3が重畳し、ノード4,5間はパス#2およびパス#3が重畳している。
本発明の分散補償方法は、これらの重畳区間について、パスベースにより分散量を管理制御する。そして、優先区間決定部1aは、優先区間であるパス#1,#2の各々についてWDM光の帯域一括分散補償量(band DCM)を決定する。
また、ノード1〜8間の距離は、例えばデータベース1cに保持されており、優先区間決定部1aは、パス#1〜#3のうちの伝送距離が最も長いパス(例えばパス#1,#2)を、データベース1cに保持された伝送区間に関するデータに基づいて決定する。なお、管理者が手動入力するようにもできる。
すなわち、管理制御部1wが、パス#1〜#3が重畳する伝送区間において、各パス#1〜#3のそれぞれに対して伝送距離に基づく優先度を付与するようになっている。
(4−4)ノード間分散量集計部(集計部)1b
図9は本発明の第1実施形態に係る集計部の集計方法を説明するための図である。この図9に示すノード間分散量集計部1bは、1個以上の実分散量を集計するものであって、ノード8およびノード3〜5に設けられた累積分散測定部60にて測定された累積分散量(累積残留分散量)MD3〜MD5を、例えばOSC光を介して収集するものである。ノード間分散量集計部1bは、集計した各累積分散量をメモリ(図示省略)に保持する。保持された各累積分散量は、実分散マップの作成に用いられる。
なお、分散情報は、例えばIPネットワークに設けられた状況監視回線等を用いて送受信することもできる。
(4−5)分散情報
この累積分散量MD3〜MD5について更に詳述する。
各ノード1〜8等が測定した実分散量に関する分散情報(分散情報データ)は、波長−分散特性を近似する例えばセルマイヤ多項式の5種類の係数であり、図10および図11(a)を参照して説明する。
図10は本発明の第1実施形態に係るセルマイヤ多項式の係数を用いた分散情報を説明するための図である。この図10に示す波長−分散特性曲線(実線)の縦軸は、光ファイバの単位長あたりの群遅延(分散)を表し、点線で表した曲線は近似式としてのセルマイヤ多項式を表す。セルマイヤ多項式の5種類の係数とは、この波長−分散特性曲線を、波長λ(横軸)の−4次〜+4次のべき乗項の結合で表したセルマイヤ多項式の各係数を表す。そして、各ノード2〜8は、測定した累積分散量(累積残留分散量)MD3〜MD5を、OSC光を経由して管理制御部1wに送信する。
ここで、累積分散量MD2〜MD8の一例を表1に示す。ここで、表1に示すノード間の累積分散量MD2はノード1とノード2との間の累積分散量であり、また、累積分散量MD3〜累積分散量MD8についてもノード1とノード3〜8との間の累積分散量である。
Figure 2005318474

Figure 2005318474

また、表1に示す累積分散量MD2〜MD8の隣接する累積分散量について単純に差分を計算することにより、表2に示す実分散マップが得られ、また、データベース1cに予め作成されている仮想分散マップが読み出され、これらの2種類の分散マップの差分が計算される。
(4−6)データベース1c
データベース1cは、分散管理データとして伝送区間における分散量と伝送区間における分散補償量とを保持するものであり、伝送路分散データ(伝送路分散量データ)を保持する伝送路分散データベース1dと、残留分散トレランスを保持する残留分散トレランスデータを保持する残留分散トレランスデータベース1eとをそなえて構成されている。これらの伝送路分散量および残留分散トレランスは、いずれも、シミュレーション等にて取得された伝送距離毎に発生するものが使用される。
(i)図11(a)は本発明の第1実施形態に係る伝送路分散データベース1dの一例
を示す図であり、この図11(a)に示す係数A〜Eは、次の式(1)により表されるセルマイヤ多項式の係数A〜Eを表す。ここで、λ,*,eはそれぞれ波長,乗算,自然対数の底を表す。
群遅延=A*λ4+B*λ2+C+D*λ-2+E*λ-4 …(1)
また、分散量は、式(1)をλにより微分して得た式(2)で表される。
分散量=4*A*λ3+2*B*λ−2*D*λ-3−4*E*λ-5 …(2)
(ii)図11(b)は本発明の第1実施形態に係る残留分散トレランスデータベース1eの一例を示す図である。この図11(b)に示す残留分散トレランスデータベース1eは、区間数と、残留分散トレランスの上限値(RD tol max)と、下限値(RD tol min)とをそれぞれ対応付けて保持している。例えば、パス#3について1区間通過後の信号光の残留分散トレランスの上限,下限は、それぞれ、−779,77である。また、10区間通過後の場合の上限,下限は、それぞれ、−890,169であることが得られる。これらの残留分散トレランスを用いた演算は、後述する前置分散量等を計算するために用いられる。
なお、図11(b)に示す残留分散データベース1eにおいては、区間数についてのパラメータとして残留分散トレランスの上限,下限が保持されているが、区間数以外の条件を保持するようにもできる。例えば、前置補償量又はチャープ等を用いて制御する場合は、前置補償量又はチャープの各パラメータについての残留分散トレランスの上限,下限を保持するようにする。
(4−7)演算部1f
演算部1fは、データベース1cに基づいてパス#3の仮想分散マップを作成し、また、各累積分散測定部60から収集された累積分散量MD3,MD5に基づいてパス#3の実分散マップを作成する。演算部1fは、最初に、伝送路分散データベース1dに基づいて、パス#3の仮想分散マップを作成する。演算部1fは、作成されたパス#3の仮想分散マップにおけるノード4の累積分散量をRD4v(RD4virtual)とし、また、ノード5の累積分散量をRD5vとする。次に、演算部1fは、ノード間分散量集計部1bにて集計されたノード3,5の累積分散量MD3,MD5に基づいて、パス#3におけるノード4の累積分散量RD4r(RD4real)を、式(3)により計算する。
RD4r=MD4−MD3 …(3)
演算部1fは、ノード4の分散補償モジュール31に設定する補償量DCM1を、式(4)により決定する。
DCM1=RD4v−RD4r …(4)
例えば、RD4v,RD4rをそれぞれ、−222,−122とすると、DCM1は−100となる。
このように、演算部1fは、仮想分散マップと実分散マップとを比較することにより、パス#3の補償量を計算する。
なお、この演算は、インライン増幅器50における補償量が、パスにかかわらず、一定としている。例えば、インライン増幅器50が、伝送路90を100%補償することを前提としている。
次に、演算部1fは、ノード3,5の累積分散量MD3,MD5とノード4の補償量DCM1とに基づいて、ノード5における累積分散量RD5rを、式(5)により計算する。
RD5r=MD5−MD3+DCM1 …(5)
管理制御部1wは、式(1)により表される波長−分散特性曲線の逆特性曲線(横軸について反転した曲線)の係数を計算し、計算結果を各ノード1〜8に通知し、各ノード1〜8が逆特性曲線により表される量の補償量を分散補償器に設定することにより、自動的かつダイナミックに適切な分散補償が可能となる。
さらに、演算部1fは、式(1)により計算した累積分散量RD5rと、RD5vとに基づいて、ノード5の補償量DCM2を、式(6)により決定する。
DCM2=RD5v−RD5r …(6)
このノード5の補償量DCM2は、可変DCM制御部1gによって、ノード5に対して通知され、ノード5は、ドロップしたパス#3に、分散を補償量DCM2で補償する。
なお、残留分散量RD5rが残留分散トレランスの範囲にある場合は、分散補償量DCM2の補償を省略することができる。
このように、収集した累積分散量MD4から累積分散量MD3を減算してノード3,4間の分散量が取得され、また、ノード4,5間の分散量についても同様に取得される。これにより、パス#3の前半部分と後半部分とについての分散量が取得される。
また、このように、本システム100は、ノード1〜8が、実分散量を測定する累積分散測定部60を設けるとともに、WDM光の伝送区間における分散量を補償するDCL,DCT等の多数の分散補償器と、各ノード1〜8にて測定された複数の実分散量を集計するノード間分散量集計部1bと、伝送区間に割り当てられた分散量を保持するデータベース1cと、ノード間分散量集計部1bにて集計された複数の実分散量とデータベース1cに保持された分散量とに基づいて同一の伝送区間について伝送距離が異なる複数のパス毎に複数の分散補償器の補償量を演算する演算部1fとをそなえて構成されたことになる。
(4−8)可変DCM制御部1g
図12は本発明の第1実施形態に係る可変DCM制御部1gの補償量の設定方法を説明するための図である。この図12に示す可変DCM制御部1gは、ノード間分散量集計部1bにて集計された実分散量とデータベース1cに保持された分散管理データとに基づいて、ノード4,5等を含むシステム100に設けられた各ノード1〜8又はインライン増幅器50等に対して分散補償モジュール31等の可変分散補償器の補償量を設定する設定部として機能している。演算部1fにて取得された分散量データをOSC光に出力し、これにより、各ノード1〜8は、適切な補償量が設定される。
従って、システム100が稼働状態においても、自動的かつダイナミックに適切な分散補償が可能となる。また、このように、本発明の分散補償方法は、各パス#1〜#3に優先度を付与し、さらに、伝送方向の下流側のノード2〜8が分散量を調整することによって各パスについて適切な補償を行なえる。
(5)管理制御部1wにおける各要素についての制御例
次に、管理制御部1wが、送信チャープ量と、送信側の分散前置補償量とを用いて補償量を設定する方法について詳述する。
(5−1)送信チャープ量の調整
光波長は、立ち上がりおよび立ち下がりの各部分において長波長側および短波長側にそれぞれシフト(波長ずれ)し、波長がシフトした光パルスは光ファイバにおいて波形歪みを生じる。長距離伝送された信号光の最終的な波形は、チャープ量の相違に応じて大きく変化する。このため、システム100は、シフト方向とシフト量とを評価するために、屈折率と光の吸収量との各変化量の比を表すチャープパラメータ(チャープに関する値)αを用いてチャープ量を調整するようになっている。このチャープパラメータαは、光の位相φ,時間t,光の振幅sを用いて式(7)により表される。
α= (dφ/dt)/Q …(7)
ここで、Q=(1/2)*(1/s)*(ds/dt)である(*は乗算を表す)。屈折率が変化しない場合(α=0の場合)、チャープは生じないが、屈折率が変化する場合は、光の位相変化により波長が変化したようになりチャープが生じる。なお、チャープに関する値は、式(7)に表すチャープパラメータαそのものに限定されず、例えば式(7)に含まれる係数を変更したものや、式(7)を近似した式等を用いることができる。
図13(a)は本発明の第1実施形態に係るチャープパラメータαを説明するための図であり、この図13(a)に示すペナルティ曲線1,2は、それぞれ、ペナルティ値の残留分散量に対する変動を表し、また、チャープパラメータαが1,−1の場合におけるものであり、ペナルティ値が負の部分が、WDM光のペナルティの許容範囲を表す。さらに、この許容範囲におけるペナルティ値が最小になる残留分散量RD0,RD1が最適な残留分散量である。
また、図13(b)は本発明の第1実施形態に係るチャープ調整機能を有する送信処理部の概略的なブロック図である。この図13(b)に示す送信処理部200は、一例として、パス#3の始点ノードとしてのノード3に設けられており、上記のペナルティ曲線のデータを保持し適切なチャープパラメータαを出力するチャープ調整部20と、分散補償モジュール31と、レーザーダイオード101(チャネル#3用)と、増幅器36とをそなえて構成されている。分散補償モジュール31の分散補償量が、チャープ調整部20から出力されたチャープパラメータαに基づいて設定され、また、レーザーダイオード101から出力される励起光は、その設定された量で補償され、これにより、送信される信号光はプリチャープされるのである。
さらに、図13(c)は本発明の第1実施形態に係るパス#3についての送信チャープ量設定を説明するための図である。信号光波長が伝送路の零分散波長よりも短い場合、長波長光の速度は短波長光の速度よりも速く伝送するので、この速度シフトを除去するために、送信処理部200は信号光に負のチャープ量(α<0)を付与する。この一方、信号光波長が伝送路90の零分散波長よりも長い場合、送信処理部200は信号光に正のチャープ量(α>0)を付与する。従って、管理制御部1wが、複数のパスのうちのターゲット分散量の範囲外の分散量を有するパスについて、各ノード1〜8に設けられた分散補償器の補償量を補償することにより、分岐光又は挿入光の補償量を補償するようになっている。
これにより、パス#3について作成された仮想分散マップ(例えば図17(b)参照)の残留分散量が例えばRD1になる位置において、チャープ調整部20がチャープパラメータα=−1のチャープ値を選択する送信チャープによって、残留分散量が得られる。
このように、伝送路90の条件に合わせてチャープパラメータαの値を調整することによって、システム100全体の伝送条件を最適化することができる。
また、このように、残留分散トレランス(残留分散トレランス値)は、送信チャープ量に応じて変動する。従って、残留分散トレランスは、分散マップの作成時において、チャープ量をパラメータとして決定されるので、伝送路90の条件に合わせてパラメータαの値を調整することによって、システム100全体の伝送条件を最適化できる。
(5−2)送信側の分散前置補償量
分散前置補償とは、いずれかのノード1〜7が、波長多重処理する前に、単一光を分散補償することである。この分散前置補償が用いられる理由は、WDM光の累積分散量が増大し、受信ターミナルノード28よりも前段において、累積分散量が補償可能量を超えることを防止するためである。
分散補償モジュール31は、EDFAから出力される信号光について、以下に述べる前置補償を行なう。また、分散前置補償を行なう理由は、残留分散トレランスが、予め行なった分散補償によって異なるからである。これらの点について図14(a),図14(b)を参照して更に詳述する。
図14(a)は本発明の第1実施形態に係る分散前置補償方法を説明するための図であり、この図14(a)に示すノード3の送信側に分散前置補償器として機能する分散補償モジュール(DCT:Dispersion Compensator for Transmitting)31が設けられている。この分散補償モジュールがパス#3について、分散マップを用いて決定された補償量で補償するのである。
また、分散前置補償量の大きさに応じて、残留分散トレランスは変化する。
図14(b)は本発明の第1実施形態に係る伝送距離と分散前置補償量との関係の一例を示す図であり、縦軸の残留分散トレランスが、横軸の伝送距離(例えば3R距離)が増大するにしたがって上昇する。曲線C1〜C3はそれぞれ各種の劣化要因およびチャネル間の影響等によって異なる。これらの曲線C1〜C3は、伝送距離の各点において、いずれも、分散前置補償量が小さいとき(例えばDCT=−300:三角形の点で表示されたもの)よりも、大きいとき(例えばDCT=−200:黒丸で表示されたもの)のほうが、残留分散トレランス値が小さいことがわかる。
従って、本発明の管理制御部1wは、複数のパスのうちのターゲット分散量の範囲外の分散量を有するパスについて、パスの起点側のノード1〜7の前置分散補償量を変更することにより、分岐光又は挿入光の補償量を補償するようになっている。
また、このため、送信側が予め分散前置補償を行なうことにより、残留分散トレランスの最適値(RD opt)の近傍の残留分散トレランスの目標値(RD target)の範囲にすることができる。これにより、分散調整されたパス#3は、ノード3において、WDM光にアドされ、WDM光が伝送路90から伝送される。また、アドされた後、光ファイバにおける分散および非線形光学効果等の発生の仕方は異なる。つまり、分散前置補償量の大きさに応じて、残留分散トレランスが変動する。そして、分散前置補償量は、信号光波形を決定するので、パス#3についての良好な伝送が可能になる。
このように、本発明の分散補償方法は、各パス#1〜#3の順番に優先度を付与し、優先度の小さいパス#3について、ノード3よりも下流側のノード4,5が各々分散量を調整することによってパス#3について補償し、これにより、各パス#1〜#3について適切な補償が可能になる。
このように、本発明の分散補償方法は、各要素を管理制御することにより、各要素を管理制御し、また、補償量設定ステップが、次の(i)〜(iii)に示すように処理する。
(i)各ノード1〜8が、ターゲット分散量とずれが発生するパスを特定し(特定ステップ)、各ノード1〜8のうちの受信側のノードが、特定ステップにて特定されたパスについての分散量を補償する(受信側補償ステップ)。ここで、受信側のノードとは、例えば受信ターミナルノード28や、異なるノード間において通信している場合の下流(伝送方向側)に設けられたノードである。
(ii)各ノード1〜8が、ターゲット分散量とずれが発生するパスを特定し(特定ステップ)、各ノード1〜8のうちの送信側のノードが、特定ステップにて特定されたパスについての前置分散補償量を変更し(変更ステップ)、そして、各ノード1〜8のうちの送信側のノードが、特定ステップにて変更された前置分散補償量で分散量を補償する(前置分散補償ステップ)。ここで、送信側のノードとは、例えば送信ターミナルノード21や、異なるノード間において通信している場合の上流(伝送方向の逆側)に設けられたノードである。
(iii)さらに、各ノード1〜8が、ターゲット分散量とずれが発生するパスを特定し(特定ステップ)、各ノード1〜8のうちの送信側の送信ターミナルノード21が、特定ステップにて特定されたパスについて送信ターミナルノード21自身の図1に示す送信部(31,101)のチャープパラメータαを調整し(チャープ処理ステップ)、そして、各ノード1〜8が、チャープ処理ステップにて調整されたチャープパラメータαに基づいて波長変動させた波長の出力光の分散量を補償する(補償ステップ)。
これにより、例えば信号光再生ノード等の各ノード1〜8は、信号光の再生処理が不要になり、信号光再生ノード数の減少によるシステム開発,運用についてコストの低減が図れる。
また、管理制御部1wは、上記の(i)〜(iii)に対応する機能を有する。
(i)各3本のパスのうちのターゲット分散量の範囲外の分散量を有するパスについて、各ノード1〜8に設けられた分散補償モジュール31等が分散を補償することにより、分岐光又は挿入光の分散量を補償する機能。
(ii)3本のパスのうちのターゲット分散量の範囲外の分散量を有するパスについて、パスの起点側のノードが前置分散補償量を変更することにより、分岐光又は挿入光の分散量を補償する機能。
(iii)3本のパスのうちのターゲット分散量の範囲外の分散量を有するパスについて、パスの起点側のノードがチャーピング量を変更することにより、分岐光又は挿入光の分散量を補償する機能。
また、これらに加えて、管理制御部1wは、3本のパスが重畳する伝送区間において、3本のパス#1〜#3のそれぞれに対して伝送距離に基づく優先度を付与する機能をも有する。
また、本発明の分散補償方法によれば、光伝送装置(例えばアドドロップノード)の設置要求に対し、例えばリンクベースおよびパスベースの両方を組み合わせることができ、柔軟な設計が可能になるので、一層、効率的なネットワーク設計が可能となる。
そして、本発明の分散補償方法によれば、高次の分散に起因する信号劣化ではなく、パスの違いによる信号劣化が抑止される。
このように、本システム100は、1以上の分散補償器が、個別チャンネルDCM,帯域DCM又は可変DCMを用いてパス毎の分散量を制御し、ダイナミックに補償量を変更できる。
(6)本発明の分散補償方法の詳細
以下、本発明のパスベースを用いた分散補償方法が有効な例について説明する。具体的には、図6を参照して説明したステップS1〜S8のそれぞれについて詳述する。また、各図面において上述したものと同一符号を有するものはそれらと同一のものを表す。
(S1)優先区間の決定
図15(a)は本発明の第1実施形態に係る優先区間を説明するための図であり、この図15(a)に示すシステム100のパス#1は、ノード1からの信号光がノード4において信号再生され、SN比(Signal Noise Ratio)の劣化が限界値に達する前に3R処理される。一方、パス#3は、信号光がノード3からアドされ、ノード5においてドロップされるので、ノード4におけるSN比は、未だ、限界に達していない。従って、ノード4の信号光再生部24aは、このパス#3についての処理を削除する。換言すれば、本発明の分散補償方法は、複数(例えば3本)のパス#1〜#nのうちの劣化していないパスだけを除去し、いわば虫食い状のパス#1〜#nを処理するのである。
システム100は、例えばパス#1〜#mのうちの距離が長いものから順番に分散マップを作成するように優先区間を決定し、パス#1,#2を優先区間として設定する。これにより、パス#3の前半区間は、パス#1用の分散マップを共用し、また、パス#3の後半区間は、パス#2用の分散マップを共用する。
なお、ノード4の信号光再生部24aは、システム100の稼働前において優先区間が決定されるまでの間は非動作状態にされるので、システム100の稼働前において、信号光再生部24aは設けられない。また、システム100の稼働後においても、障害発生又は保守点検等によって停止することがある。この場合、信号光再生部24aは、REGノード24の送受信部又は光パケット処理部等から削除又は除去されて、非接続状態にされており、受信されたWDM光についての3R処理機能が動作しないようになっている。
このステップS1および以下に述べるステップS2〜S5までの間は、REGノード24は非接続状態にされ、ステップS6においてREGノード24に実装される。
これにより、補償量決定ステップにて作成された
(S2)分散マップの作成
(i)システムインストール
図6のステップS2における補償量のインストールについて説明する。
本システム100の設計は、最初に、送信ターミナルノード21,中継ノード22,26,27,OADMノード23,25および受信ターミナルノード28の各ノード1〜8間の接続関係を示すリンクに基づいて、分散補償器の位置,補償量等を決定する。この決定は一般にリンクベースの設計と称される。本発明の分散補償方法は、このリンクベースの設計に加えてパスベースの設計手法が加えられる。
リンクベースの設計においては、WDM光に含まれるいずれかの単一光の分散量が零分散になるように補償しても、他の単一光の波長と、伝送路90が零分散となる信号光の波長とが異なるので、正の分散量が累積する。従って、設計者は、最初に、分散補償器の位置,配置間隔と、分散量,残留分散量と、補償量とのそれぞれについて予め測定又は伝送シミュレーション等を用いて検討し、分散マップを作成する。
次に、設計者は、伝送シミュレーションによって得られた分散量等の伝送路90を設置し、WDM光をその伝送路90に入力し、各伝送区間の分散量,システム100の全体の総分散量,波形劣化等を測定して実伝送路90の特性を評価する。そして、設計者は、評価内容に基づいて、総分散量に応じた総補償量を、各ノード1〜8,装置および中継ノード等に配分し、システム100インストールが行なわれる。
(ii)帯域一括分散補償器30
WDM光に含まれる各波長の分散を等しく補償する。
図15(b)は本発明の第1実施形態に係る帯域一括分散補償器30を用いた分散マップの一例を示す図である。この図15(b)に示す横軸は送信ターミナルノード21からの距離を表し、また、縦軸方向の位置は縦軸方向の位置とほぼ同一である。これらの条件は、後述する他の図面においても同一である。例えば図15(b)のP1は帯域一括分散補償器30に入力される前の信号光の分散量であり、また、P2は帯域一括分散補償器30から出力された後の信号光の分散量を表しており、WDM光の分散量が帯域一括分散補償器30において一括して改善されている。そして、P4,P5における分散量Vは、システム100の設計時における残留分散ターゲットを表し、WDM光の分散量がこの残留分散ターゲットの近傍にある場合に高品質な伝送が可能になる。
また、理想的な分散量変動波形は、P4,P5間を接続する一定値になる一方、伝送路分散に起因して分散量変動波形が上昇するので(P3参照)、分散量の増大と分散量の低下とが繰り返される。
このように、システム100において、伝送路90の分散情報に基づいて、帯域一括分散補償器30における補償量が決定される。これにより、優先区間であるパス#1,#2の各分散マップが決定される。
このように、きめ細かい分散補償が必要な長距離の光通信を行なうシステム100の構築において、回線設計における分散補償設計の簡易化と、分散補償器の調達および在庫の圧縮と、システム100の敷設時の導入作業と、回線ルート変更時の設定作業の簡略化との各処理において、効率的な分散補償マネジメントが可能となる。
さらに、高次分散に起因する信号劣化と異なるパスの違いによる信号劣化を抑止でき長距離化が図れる。そして、各種類の光ファイバに対して行なう波長分散スロープごとの分散補償機能の設計と、回線距離に応じた分散補償の任意設定を行なうことにより、各回線の光ファイバの種類や回線距離に依存せずに、長距離光通信で利用する全波長帯の正確な波長分散補償を実現できる。
(S3)非優先区間のパスについて仮想分散マップの作成
図16(a)は本発明の第1実施形態に係る仮想分散マップを作成する伝送区間を説明するための図であり、この図16(a)に示すパス#3とパス#1,#2とが重畳しているノード3,4間,ノード4,5間は、それぞれ、同一の分散補償量を受け、その詳細は後述する。ここで、「仮想」は、優先区間のパス#1,#2の各分散マップ作成を援用するためのものである。そして、非優先区間のパス#3の分散マップは、優先区間のパス#1,#2よりも先に作成される。
図16(b)は本発明の第1実施形態に係る非優先区間のパス#3の仮想分散マップの一例を示す図である。この図16(b)に示す分散量変動波形のP10〜P12は、それぞれ、ノード3〜5において仮想的に補償された後の分散量の改善箇所を表す。パス#3のSN比は、限界値に達していないのにもかかわらず、パス#1,#2についての補償量で補償される。
このような構成によって、伝送路90の分散情報に基づき、帯域一括分散補償器30におけるパス#3の仮想的な補償量が決定される。これにより、優先区間としてのパス#1,#2の各分散マップが決定される。
(S4)実分散マップと仮想分散マップとの差分量の計算
図17(a)は本発明の第1実施形態に係る分散マップの差分量を計算する差分量計算区間を説明するための図であり、図17(b)は本発明の第1実施形態に係る差分量計算区間の実分散マップおよび仮想分散マップの一例を示す図である。この図17(b)に示す円C1により囲まれた部分において、実線により表された分散量変動波形が実分散マップであり、波線により表された分散量変動波形が仮想分散マップである。そして、パス#1およびパス#2についての実分散マップと、仮想分散マップとが同一か否かについてチェックされる。この図17(a)に示す後半区間においては、パス#3の伝送距離はパス#2の伝送距離よりも長いので、パス#3はパス#2よりも分散により劣化する。
従って、パス#3についての分散量は、パス#1およびパス#2についてのそれよりも大きい。これにより、伝送距離について、実線および波線間の「ずれ」の量が差分量として計算される。
(S5)残留分散トレランスの計算
図18(a)は本発明の第1実施形態に係る残留分散トレランスの位置を参照するための図であり、図18(b)は本発明の第1実施形態に係る残留分散トレランスの一例を示す図である。この図18(b)に示すパス#3の分散量変動波形は、分散量方向(縦軸方向)に変動しながら徐々に下降(劣化)している。また、この分散量変動波形のノード5の位置に対応する部分の変動幅(RD:残留分散トレランス)が、パス#3の残留分散トレランスを表す。これにより、実分散マップを用いた残留分散量が残留分散トレランス値の許容範囲に入るか否かが判定される。
なお、システム100が稼働している間は、残留分散量がターゲット値になることが要求されるが、パスベースの設計時においては、残留分散量がターゲット値になる必要はない。
(S6)分散補償モジュールによる調整
図19(a)は本発明の第1実施形態に係る分散補償モジュールの設置位置の一例を示す図であって、この図19(a)に示すノード4,5に、それぞれ、分散補償モジュール31が設けられた状態が示されている。ここで、上記ステップS4,S5にて得られた分散マップの差分量と残留分散トレランスとに基づいて、各分散補償モジュール31の補償量が計算され、計算された補償量でパス#3の分散マップが補償される。この補償によって、差分量と残留分散トレランスとが補償される。なお、補償できない場合は、パス#3についてのパスベース設計はされずに終了する。
図19(b)は本発明の第1実施形態に係る分散補償モジュール31を用いて分散調整された分散量変動波形の一例を示す図である。この図19(b)に示す円3により囲まれた部分の分散量変動波形は、図18(b)に示す円2の部分と比較して、距離の増大に対して分散量が改善される。
そして、波長λ3の信号光は、分散補償モジュール31において分散補償され補償された波長λ3の信号光は、再度、合波されて、波長多重される。一方、波長λ3の信号光以外のものであって、ノード3にてドロップされる波長λkの信号光は、(n−1)個のREGノード24に入力され、各REGノード24において3R処理され、3R処理後の(n−1)本の波長λkの信号光は、分散調整された波長λ3の信号光とのn波の波長のλ1〜λnの信号光が、再度、波長多重され、ノード5に対して送信される。
これにより、ノード5にてドロップされたパス#3(信号光)は、分散補償モジュール31において分散調整され、分散調整された信号光が出力される。
また、パスの本数は4本以上にすることもでき、上記の説明と同様に処理することによって、パスベースの設計が可能になる。
従って、本分散補償方法は、WDM光に起因する実分散量を補償してWDM光を伝送するシステム100におけるものである。
最初に、例えば管理制御部1等のシステム100は、WDM光を伝送するノード1〜8を含む伝送区間であって例えば3本のパス#1〜#3が重畳しているノード3,4およびノード4,5の各伝送区間のうちの3本のパス#1〜#3の伝送距離のそれぞれに基づいて3本のパス#1〜#3のうちの2本の優先区間(パス#1,#2)を決定する(優先区間決定ステップ)。
次に、システム100は、優先区間決定ステップにて決定された優先区間パス#1,#2)について8台のノード1〜8のそれぞれにおける入力光の分散量と出力光の分散量との変動特性を表す実分散マップを作成し(実分散マップ作成ステップ)、優先区間決定ステップにて決定された非優先区間(パス#3)について入力光の分散量と出力光の分散量との変動特性を表す仮想分散マップを作成する(仮想分散マップ作成ステップ)。
そして、システム100は、実分散マップ作成ステップにて作成された実分散マップと、仮想分散マップ作成ステップにて作成された仮想分散マップとの各差分情報および各残留分散トレランス値に基づいて、8台のノード1〜8のうちのノード3〜5における補償量を決定し(補償量決定ステップ)、補償量決定ステップにて決定された補償量で非優先区間の分散量を補償する(非優先区間補償ステップ)。
上記の補償量決定ステップは、実分散マップ作成ステップにて作成された実分散マップに基づく残留分散量が残留分散トレランス値の許容範囲に入るか否かを判定することにより補償を決定する。
このように、本システム100によれば、伝送路90としての各種類の光ファイバに対して行なう波長分散スロープごとの分散補償機能の設計と、回線距離に応じた分散補償の任意設定を行なうことにより、各回線の光ファイバの種類や回線距離に依存せずに、長距離光通信で利用する全波長帯の正確な波長分散補償を実現できる。また、きめ細かい分散補償が必要な長距離光通信システム構築において、回線設計における分散補償設計の簡易化、分散補償器の調達,在庫の圧縮、システム敷設時の導入作業および回線ルート変更時の設定作業の簡略化など、効率的な分散補償マネジメントが可能となる。
このようにして、本発明の第1実施形態に係る分散補償方法によれば、パスベースを用いて、WDM光に含まれるn波の単一光のうちの所望のものについて補償可能になる。
(B)本発明の第2実施形態の説明
本発明の分散補償方法は、ネットワーク形状にかかわらず適用可能である。
図20は本発明の第2実施形態に係るWDM伝送システムの構成図である。この図20に示すシステム100aは、WDM光を伝送するものであり、信号光の制御情報又はチャネルに含まれる送信先に基づいてWDM光に含まれるチャネルを振り分ける機能を有するハブノード29をそなえたハブ(HUB)ネットワークである。システム100aは、送信ターミナルノード21からハブノード29を介して受信ターミナルノード28にWDM光を伝送する第1の伝送路90と、このハブノード29から送受信ターミナルノード41に対してWDM光を伝送する第2の伝送路90と、送受信ターミナルノード41からハブノード29に対してWDM光を伝送する第3の伝送路90とをそなえて構成されている。すなわち、例えば4台のノード21,28,29,41が、それぞれ、ハブ型ネットワークに設けられて構成されている。また、システム100aの一例は、送信ターミナルノード21および受信ターミナルノード28間(Term−Term間)の基幹系WDM伝送システムに、他の基幹系WDM伝送システム又は光アクセス伝送システムが追加接続されたものである。
そして、ハブノード29は、送信ターミナルノード21からのWDM光を受信ターミナルノード28又は送受信ターミナルノード41に伝送するとともに、送受信ターミナルノード41からのWDM光を受信ターミナルノード28に伝送し、WDM光のままで方路切り替えし、これにより、ハブとして機能している。すなわち、ハブノード29において、WDM光は、OEO変換,WDM光に対する特定波長の信号光のアド,WDM光からの特定波長の信号光のドロップおよび光装置による光スイッチ等が行なわれずにWDM光のままで方路がスイッチされるのである。
また、第2実施形態においては、送信ターミナルノード21,ハブノード29,受信ターミナルノード28,送受信ターミナルノード41をそれぞれ、ノード1〜4として説明する。そして、パス#1,#2,#3はそれぞれノード1〜2〜#3,ノード1〜4,ノード4〜2を表す。なお、インライン増幅器50は第1実施形態にて説明したものと同一のものである。また、図20に示すもので上述したものと同様の符号を有するものは同一のもの又は同一機能を有するものであるので、さらなる説明を省略する。
(i)最長パス(例えばパス#1,#3)について
システム100aは、最長パスについて、所望のルールにしたがって、本来の帯域一括分散補償器30を選択する。
(ii)2番目に長いパス(例えばパス#2)について
システム100aは、ルールにしたがって、ノード1,3間の一括分散補償量を選択し、本来の選択方法である。また、ノード1,ハブノード29間について、システム100aは、(i)にて選択された一括分散補償量を、パス#1〜#6からなるパスの優先区間
の割り当て方法を説明する。
ハブノード29,ノード3間については、システム100aは、(ii)にて選択され
た一括分散補償量を仮確定する。
ノード1,ノード3間については、システム100aは、本来選択されるべき帯域一括分散補償器30と、実際に選択された帯域一括分散補償器30とのそれぞれの分散マップの同一性をチェックし、続いて、残留分散トレランスをチェックする。ここで、分散マップのチェック結果が非同一の場合、システム100aは、ノード1,分散補償ノードCN,ハブノード29について、個別チャネル用分散補償モジュールを配置し、分散マップの許容範囲に入るようにする。
そして、ノード1,ノード3間について、システム100aは、ノード1,ハブノード29間に適用した個別チャネル用分散補償モジュールを含めて残留分散トレランスをチェックする。具体的には、システム100aは、残留分散トレランスの許容範囲に入るように、ノード3の受信用分散補償モジュールを調整し、調整後の過不足分については個別チャネル用分散補償モジュールを適用する。
(iii)3番目に長いパス(例えばパス#5)について
システム100aは、ルールにしたがって、ノード3,1間の帯域一括分散補償器30を選択する(本来の帯域一括分散補償器30を選択する)。また、ノード3,ハブノード29間について、システム100aは、選択された帯域一括分散補償器30を仮確定し、ハブノード29,ノード3間について、(ii)にて選択された個別チャネル用分散補償
モジュールを仮確定する。
ノード3,1間について、システム100aは、分散マップおよび残留分散トレランスを各々チェックする。ここで、分散マップのチェック結果が非同一の場合、ノード3,ハブノード29,分散補償ノードCN,ノード1のそれぞれについて、システム100aは、個別チャネル用分散補償モジュールを配置し、これらの分散補償モジュールによる分散補償量の総和が分散マップの許容範囲に入るようにする。
そして、システム100aは、個別帯域一括分散補償器30を含めて残留分散トレランスをチェックし、残留分散トレランスの許容範囲に入るように、ノード3の受信用分散補償モジュールを調整し、過不足分については個別チャネル用分散補償モジュールを適用する。
(iv)残りのパス(例えばパス#4,#6)について
システム100aは、ルールにしたがって、ノード3,2間の帯域一括分散補償器30を選択する(本来の帯域一括分散補償器30を選択する)。帯域一括分散補償器30は既に選択されているので、システム100aは、ルールにしたがって得た本来の帯域一括分散補償器30について、分散マップと残留分散トレランスとをチェックする。
システム100aは、分散マップと残留分散トレランスとを満たすように、必要に応じて、かつ可能な場合は個別帯域一括分散補償器30を選択する。
そして、システム100aは、分散マップと残留分散トレランスとを再度チェックし、これらの分散マップと残留分散トレランスとを満たしているか否かを確認する。
(v)与えられた条件(個別帯域一括分散補償器30の可否)において、分散マップと残留分散トレランスとを満たしていない場合、システム100aは、そのパスにより伝送するチャネルを伝送不可にする。
このように、ネットワーク形状がハブ型であっても、本発明のWDM伝送システム100aによれば、各回線の光ファイバの種類や回線距離に依存せずに、長距離光通信で利用する全波長帯の正確な波長分散補償を実現できる。
また、効率的な分散補償マネジメントが可能となる。
次に、本発明の第2実施形態に係る分散補償方法について詳述する。
図20に示すパス#1,#2は前半部分が重畳しており(第1の重畳区間)、また、パス#1,#3は後半部分が重畳している(第2の重畳区間)。
そして、第1の重畳区間において、優先区間がパス1である場合、パス#2の前半部分は、パス#1の前半部分と共用する区間であって、同一の分散補償を受けるので、パス#2の仮想分散マップと実分散マップとの間のずれが生じる。ハブノード29(ノード2)は、そのずれをハブノード29自身に設けた分散補償モジュールを用いて調整する。なお、ハブノード29におけるずれが大きくない場合は、ノード4の分散補償モジュールを用いて最終的な調整をすることができる。
さらに、第2の重畳区間において、優先区間がパス#1である場合、パス#3の後半部分は、パス#1の後半部分と共用し、やはり、同一の補償量を受けるので、パス#3の仮想分散マップと実分散マップとの間のずれが生じる。ハブノード29は、そのずれをハブノード29自身に設けた分散補償モジュールを用いて調整する。なお、ハブノード29におけるずれが大きくない場合は、ノード4の分散補償モジュールを用いて最終的な調整をすることができる。
そして、管理制御部1w(図示省略)はノード1に設けられている。
また、本発明の第2実施形態に係るシステム100aは、送信チャープを用いることもできる。図20に示すノード4は、情報データを波長λ1〜λnのうちのいずれかの波長λkの信号光にEO変換するとともに、その変換された信号光に所望のチャープ量を付加して信号光のチャープ量を調整するものである。これにより、パス#3のチャープ量を調整することにより、パス#3の伝送が可能になる。
図21(a)は本発明の第2実施形態に係るパスベース設計を説明するための図である。この図21(a)に示すシステム100aは、ノード1〜3と分散補償ノードCN(Compensating Node)とハブノードHUBとをそなえて構成されている。これらのノード1〜3,分散補償ノードCN,ハブノードHUBは、いずれも、WDM光に含まれるいずれか1波の単一光について分散補償する1又は複数の分散補償モジュール(Per Channel DCM)を設けている。また、パス#3以外のパス#4,#5は、それぞれ、ノード2,3間,ノード1,3間までの区間である。これらのパス#4,#5についても、ノード間分散量MDjの起点および終点のそれぞれについて、例えば図11に示すノード間分散量集計部1b,データベース1cの所望の値を用いて分散補償モジュールDCMを設定する。
従って、本発明の分散補償方法は、WDM光に起因する実分散量を補償してWDM光を伝送するWDM伝送システム100aにおけるものである。
WDM伝送システム100aに設けられWDM光を伝送する例えばノード2〜4が、実分散量を測定し(測定ステップ)、WDM伝送システム100aのノード1に設けられた管理制御部1wが、測定ステップにて測定された実分散量と、各伝送区間の設計分散量とに基づいて、各伝送区間の補償量を計算し(計算ステップ)、管理制御部1wが、計算ステップにて計算した補償量をノード2〜4に通知し(補償量通知ステップ)、また、通知されたノード2〜4が、通知された補償量に基づいてノード2〜4の補償量を設定する(補償量設定ステップ)。このように、やはり、測定データがフィードバック制御されるようにし、これにより、分散補償をダイナミックかつ自動的にできる。
図21(b)は本発明の第2実施形態に係る分散マップの一例を示す図である。この図21(b)に示す分散マップの横軸は、伝送区間を表し、この伝送区間を目安として、図21(a)に示す6種類のパス#1〜#6(パスグループ)の距離が表されている。例えばパス#1,#3が最長(15区間)であり、パス#2,d5が11区間であり、そして、パス#4,#6が最短(6区間)である。
本発明の第2実施形態に係る分散補償方法は、これらの例えば3種類のパスグループについてそれぞれ残留分散ターゲット値を別個に割り当てるようになっている。例えば、パス#1,#3は0であり、パス#2,#5は−200であり、また、パス#4,#6は−300である。さらに、区間0−6と、区間6−11と区間11−15との3区間の内部においては、残留分散ターゲット値が内挿され、区間0−15の範囲において、残留分散ターゲット値が、区間によって変動するように設計されているのである。
図22は本発明の第2実施形態に係るパス#1〜#6の属性の一例を示す図であって、6種類のパス#1〜#6がノード1〜4,分散補償ノードCNおよび分散補償モジュール間において設定されている。
以下、本発明の第2実施形態に係るパスベースの分散補償方法について詳述する。ここで、優先区間はパス#1,#3とする。
(i)最長パス(例えばパス#1,#3)について
システム100aは、最長パスについて、所望のルールにしたがって、本来の帯域一括分散補償器30を選択する。
(ii)2番目に長いパス(例えばパス#2)について
システム100aは、ルールにしたがって、ノード1,3間の一括分散補償量を選択し、本来の選択方法である。また、ノード1,ハブノード29間について、システム100aは、(i)にて選択された一括分散補償量を、パス#1〜#6からなるパスの優先区間
の割り当て方法を説明する。
ハブノード29,ノード3間については、システム100aは、(ii)にて選択され
た一括分散補償量を仮確定する。
ノード1,ノード3間については、システム100aは、本来選択されるべき帯域一括分散補償器30と、実際に選択された帯域一括分散補償器30とのそれぞれの分散マップの同一性をチェックし、続いて、残留分散トレランスをチェックする。ここで、分散マップのチェック結果が非同一の場合、システム100aは、ノード1,分散補償ノードCN,ハブノード29について、個別チャネル用分散補償モジュールを配置し、分散マップの許容範囲に入るようにする。
そして、ノード1,ノード3間について、システム100aは、ノード1,ハブノード29間に適用した個別チャネル用分散補償モジュールを含めて残留分散トレランスをチェックする。具体的には、システム100aは、残留分散トレランスの許容範囲に入るように、ノード3の受信用分散補償モジュールを調整し、調整後の過不足分については個別チャネル用分散補償モジュールを適用する。
(iii)3番目に長いパス(例えばパス#5)について
システム100aは、ルールにしたがって、ノード3,1間の帯域一括分散補償器30を選択する(本来の帯域一括分散補償器30を選択する)。また、ノード3,ハブノード29間について、システム100aは、選択された帯域一括分散補償器30を仮確定し、ハブノード29,ノード3間について、(ii)にて選択された個別チャネル用分散補償
モジュールを仮確定する。
ノード3,1間について、システム100aは、分散マップおよび残留分散トレランスを各々チェックする。ここで、分散マップのチェック結果が非同一の場合、ノード3,ハブノード29,分散補償ノードCN,ノード1のそれぞれについて、システム100aは個別チャネル用分散補償モジュールを配置し、分散マップの許容範囲に入るようにする。
そして、システム100aは、個別帯域一括分散補償器30を含めて残留分散トレランスをチェックし、残留分散トレランスの許容範囲に入るように、ノード3の受信用分散補償モジュールを調整し、過不足分については個別チャネル用分散補償モジュールを適用する。
(iv)残りのパス(例えばパス#4,#6)について
システム100aは、ルールにしたがって、ノード3,2間の帯域一括分散補償器30を選択する(本来の帯域一括分散補償器30を選択する)。帯域一括分散補償器30は既に選択されているので、システム100aは、ルールにしたがって得た本来の帯域一括分散補償器30について、分散マップと残留分散トレランスとをチェックする。
システム100aは、分散マップと残留分散トレランスとを満たすように、必要に応じて、かつ可能な場合は個別帯域一括分散補償器30を選択する。
そして、システム100aは、分散マップと残留分散トレランスとを再度チェックし、これらの分散マップと残留分散トレランスとを満たしているか否かを確認する。
(v)与えられた条件(個別帯域一括分散補償器30の可否)において、分散マップと残留分散トレランスとを満たしていない場合、システム100aは、そのパスにより伝送するチャネルを伝送不可にする。
このように、各ノード間の接続関係を示すリンクに基づいて分散補償器の位置,補償量等を決定し、パスベースの設計を行なうので、一層適切な分散補償が可能となる。さらに、各回線の光ファイバの種類や回線距離に応じて分散補償を行なえ、設計効率が大幅に向上する。
(C)本発明の第3実施形態の説明
WDM伝送システムのネットワーク形状は、リング型でも可能である。基本的な分散補償方法の考え方は、上記第1実施形態および第2実施形態の考え方と同一であり、各ノード1〜8で分散の調整を行ない、仮想分散マップに近づけて伝送させる。
図23は本発明の第3実施形態に係るWDM伝送システム100bの構成図である。この図23に示すシステム100bは、例えば5台のノード(リングノード:光伝送装置)1〜5が、インライン増幅器50を介してリング型ネットワークを構成し、そして、多数のパスが設定されている。ここで、ダイアモンド形は起点であり、矢印の先端が終点を表す。具体的には、ノード1は、ノード2,ノード3,ノード4,ノード5のそれぞれに対する4本のパスを有する。ノード2〜5もそれぞれ自分自身以外の他のノードに対して4本のパスを有し、全部で20本のパスが設定されている。
さらに、ノード1〜5のうちのいずれか1台のノード(例えばノード1)に、モニタ光出力部59を設け、他の例えばノード2〜5に累積分散測定部60を設けるようにし、これにより、各ノード1〜5の適切な補償量を決定でき、また、フィードバック制御が可能となる。
なお、図23に示すもので上述したものと同一符号を有するものは同一のものを表す。
このような構成によって、図23に示すシステム100bについて、図6に示すステップS1〜S8と対応付けて説明する。例えば、ノード1とノード3との間における累積分散の補償方法は、管理制御部1w(図示省略)が、多数のパスの各伝送距離に基づいて1以上の優先パスおよび非優先パスを決定し(ステップS1)、各パスについて補償量をインストールし(ステップS2)、各ノード2〜5はそれぞれ累積分散量(MD)を測定する(ステップS3)。そして、管理制御部1wは累積分散量MD1〜MD5をOSC光経由で収集し、優先パスについて仮想分散マップを作成し理想上の累積分散量(RDvirtual)を計算する(ステップS4)。
次に、管理制御部1wはステップS3にて得た累積分散量(MD)に基づいて実伝送路における実累積分散量(RDreal)を計算し(ステップS5)、そして、理想上の累積分散量(RDvirtual)および実累積分散量(RDreal)との差分量を計算しこの差分により得られた値を、ネットワークの各分散補償器に設定する(ステップS6)。続いて、管理制御部1wは、各ノード1〜5の分散量を調整して残留分散量を計算し(ステップS7)、残留分散トレランスデータベース1eの残留分散トレランス値と実残留分散量とを比較し、この比較結果に基づいて、実残留分散量が残留分散トレランス値の許容範囲に入るか否かを判定し、許容範囲に入らない場合は、残留分散トレランスの許容範囲内に入るように各分散補償器の分散量を設定する(ステップS8)。
従って、本発明の分散補償方法は、WDM伝送システム100bに設けられたノード1が、実分散量を測定し(測定ステップ)、ノード1に設けられた管理制御部1wが、測定ステップにて測定された実分散量と、各伝送区間の設計分散量とに基づいて、各伝送区間の補償量を計算し(計算ステップ)、管理制御部1wが、計算ステップにて計算した補償量をノード2〜5に通知し(補償量通知ステップ)、また、通知されたノード2〜5が、通知された補償量に基づいてノード2〜5の補償量を設定する(補償量設定ステップ)。これにより、測定データがフィードバック制御されるので、分散補償をダイナミックかつ自動的にできる。
このように、システム100bは、OSC光(図示省略)を用いて、インライン増幅器50,前置分散補償器および終点側のノードにおいて分離された単一光の分散を補償する後置分散補償器のそれぞれにおける分散補償量をパス毎に設定できる。
そして、第3実施形態においても、上記第1実施形態,第2実施形態にて説明した内容とほぼ同一の効果を得ることができる。
(D)その他
本発明は上述した実施態様およびその変形例に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、種々変形して実施することができる。
分散マップは、表形式で表すこともできる。
(E)付記
(付記1) 波長多重光に起因する実分散量を補償して該波長多重光を伝送する光伝送システムにおける分散補償方法であって、
該光伝送システムに設けられ該波長多重光を伝送する1又は複数の光伝送装置が、該実分散量を測定する測定ステップと、
該光伝送システムに設けられた制御部が、該測定ステップにて測定された該実分散量と、各伝送区間の設計分散量とに基づいて、各伝送区間の補償量を計算する計算ステップと、
該制御部が、該計算ステップにて計算した該補償量を該1又は複数の光伝送装置に通知する補償量通知ステップと、
該1又は複数の光伝送装置が、通知された該補償量に基づいて該分散量を補償する補償量設定ステップとをそなえたことを特徴とする、分散補償方法。
(付記2) 該補償量設定ステップが、
該1又は複数の光伝送装置が、ターゲット分散量とずれが発生する光パスを特定する特定ステップと、
該1又は複数の光伝送装置のうちの受信側の光伝送装置が、該特定ステップにて特定された光パスについての該分散量を補償する受信側補償ステップとをそなえたことを特徴とする、付記1記載の分散補償方法。
(付記3) 該補償量設定ステップが、
該1又は複数の光伝送装置が、ターゲット分散量とずれが発生する光パスを特定する特定ステップと、
該1又は複数の光伝送装置のうちの送信側の光伝送装置が、該特定ステップにて特定された光パスについての前置分散補償量を変更する変更ステップと、
該1又は複数の光伝送装置のうちの送信側の光伝送装置が、該変更ステップにて変更された該前置分散補償量で分散量を補償する前置分散補償ステップとをそなえたことを特徴とする、付記1記載の分散補償方法。
(付記4) 該補償量設定ステップが、
該1又は複数の光伝送装置が、ターゲット分散量とずれが発生する光パスを特定する特定ステップと、
該1又は複数の光伝送装置のうちの送信側の光伝送装置が、光伝送装置自身の送信部のチャープに関する値を調整するチャープ処理ステップと、
該1又は複数の光伝送装置が、該チャープ処理ステップにて調整されたチャープに関する値に基づいて波長変動させた波長の出力光の分散量を補償する補償ステップとをそなえたことを特徴とする、付記1記載の分散補償方法。
(付記5) 波長多重光に起因する実分散量を補償して該波長多重光を伝送する光伝送システムにおける分散補償方法であって、
該波長多重光を伝送する光伝送装置を含む伝送区間であって複数の光パスが重畳している伝送区間のうちの該複数の光パスの伝送距離のそれぞれに基づいて該複数の光パスのうちの1以上の優先区間を決定する優先区間決定ステップと、
該優先区間決定ステップにて決定された該1以上の優先区間について複数の光伝送装置のそれぞれにおける入力光の分散量と出力光の分散量との変動特性を表す実分散マップを作成する実分散マップ作成ステップと、
該優先区間決定ステップにて決定された非優先区間について入力光の分散量と出力光の分散量との変動特性を表す仮想分散マップを作成する仮想分散マップ作成ステップと、
該実分散マップ作成ステップにて作成された該実分散マップと、該仮想分散マップ作成ステップにて作成された該仮想分散マップとの各差分情報および各残留分散トレランス値に基づいて、該複数の光伝送装置のうちの所望の光伝送装置における補償量を決定する補償量決定ステップと、
該補償量決定ステップにて決定された補償量で該非優先区間の分散量を補償する非優先区間補償ステップとをそなえたことを特徴とする、分散補償方法。
(付記6) 該補償量決定ステップが、
該実分散マップ作成ステップにて作成された該実分散マップに基づく残留分散量が残留分散トレランス値の許容範囲に入るか否かを判定することにより該補償を決定することを特徴とする、付記5記載の分散補償方法。
(付記7) 波長多重光に起因する実分散量を補償して該波長多重光を伝送する光伝送システムであって、
該波長多重光から1又は複数の第1の単一波長光を分離する分離機能と、1又は複数の第2の単一波長光を該波長多重光に多重する多重機能とのうちの少なくとも一方を有する複数の光伝送装置と、
各光伝送装置にて分離された該第1の単一波長光についての第1の分散量と、各光伝送装置にて多重される該第2の単一波長光についての第2の分散量とのうちの少なくとも一方の分散量を補償する1又は複数の分散補償器と、
該複数の光伝送装置間の伝送区間のうちの伝送距離が異なる複数の光パスが重畳する伝送区間の実分散量と、伝送区間における分散管理データとに基づいて各分散補償器の補償量を設定する管理制御部とをそなえて構成されたことを特徴とする、光伝送システム。
(付記8) 該複数の光伝送装置が、該実分散量を測定する複数の測定部を設けるとともに、
該複数の光伝送装置にて測定された複数の実分散量を集計する集計部と、
該伝送区間に割り当てられた分散量を保持するデータベースと、
該集計部にて集計された該複数の実分散量と該データベースに保持された該分散量とに基づいて同一の伝送区間について伝送距離が異なる複数の光パス毎に該複数の分散補償器の補償量を演算する演算部とをそなえて構成されたことを特徴とする、付記7記載の光伝送システム。
(付記9) 該管理制御部が、
複数の光パスのうちのターゲット分散量の範囲外の分散量を有する光パスについて、各光伝送装置に設けられた分散補償器が分散を補償することにより、分岐光又は挿入光の分散量を補償するように構成されたことを特徴とする、付記7記載の光伝送システム。
(付記10) 該管理制御部が、
複数の光パスのうちのターゲット分散量の範囲外の分散量を有する光パスについて、光パスの起点側の光伝送装置が前置分散補償量を変更することにより、分岐光又は挿入光の分散量を補償するように構成されたことを特徴とする、付記7記載の光伝送システム。
(付記11) 該管理制御部が、
複数の光パスのうちのターゲット分散量の範囲外の分散量を有する光パスについて、光パスの起点側の光伝送装置がチャーピング量を変更することにより、分岐光又は挿入光の分散量を補償するように構成されたことを特徴とする、付記7記載の光伝送システム。
(付記12) 該管理制御部が、
複数の光パスが重畳している伝送区間について、複数の光パスのそれぞれの優先度を決定するように構成されたことを特徴とする、付記7記載の光伝送システム。
(付記13) 該1又は複数の分散補償器が、
個別チャンネル分散補償器,帯域分散補償器又は可変分散補償器を用いて光パス毎の分散量を制御するように構成されたことを特徴とする、付記7記載の光伝送システム。
(付記14) 該複数の光伝送装置が、それぞれ、
ハブ型,リング型又はアドドロップ型の各ネットワーク形状になるように構成されたことを特徴とする、付記7記載の光伝送システム。
(付記15) 波長多重光に起因する実分散量を補償して該波長多重光を伝送する光伝送システムにおける光伝送装置であって、
該波長多重光から1又は複数の第1の単一波長光を分離する分離部と、
該分離部にて分離された該第1の単一波長光についての分散量を補償する分散補償器と、
複数の光伝送装置間の伝送区間のうちの伝送距離が異なる複数の光パスが重畳する伝送区間の実分散量と、伝送区間における分散管理データとに基づいて各分散補償器の補償量を設定する管理制御部とをそなえて構成されたことを特徴とする、光伝送装置。
(付記16) 波長多重光に起因する実分散量を補償して該波長多重光を伝送する光伝送システムにおける光伝送装置であって、
1又は複数の単一波長光を該波長多重光に多重する多重部と、
該多重部にて多重された該単一波長光についての分散量を補償する分散補償器と、
複数の光伝送装置間の伝送区間のうちの伝送距離が異なる複数の光パスが重畳する伝送区間の実分散量と、伝送区間における分散管理データとに基づいて各分散補償器の補償量を設定する管理制御部とをそなえて構成されたことを特徴とする、光伝送装置。
本発明の分散補償方法によれば、WDM伝送システムのパスベース設計が可能になり、伝送距離の短いパスおよび伝送距離の長いパスのいずれかについても適切な分散補償が可能となり、伝送距離の長距離化に寄与し、また、システム開発,運用についてコストの低減が図れる。さらに、システムの設計は、リンクベースおよびパスベースの両方を組み合わせて行なえ、柔軟な設計が可能になるとともに、一層効率的なネットワーク設計が可能となる。
そして、回線設計における分散補償設計の簡易化と、分散補償器の調達および在庫の圧縮と、システム敷設時の導入作業と、回線ルート変更時の設定作業の簡略化との各処理が効率的も行なえる。
本発明の第1実施形態に係るWDM伝送システムの構成図である。 本発明の第1実施形態に係る送信ターミナルノードおよび受信ターミナルノードの概略的なブロック図である。 (a)は本発明の第1実施形態に係る中継ノードの概略的なブロック図であり、(b)は本発明の第1実施形態に係る光アドドロップノードの概略的なブロック図である。 本発明の第1実施形態に係るREGノードの概略的なブロック図である。 本発明の第1実施形態に係る累積分散量の測定方法を説明するための図である。 本発明の第1実施形態に係る分散補償方法を説明するためのフローチャートである。 本発明の第1実施形態に係る管理制御部のブロック図である。 本発明の第1実施形態に係る優先区間を説明するための図である。 本発明の第1実施形態に係る集計部の集計方法を説明するための図である。 本発明の第1実施形態に係るセルマイヤ多項式の係数を用いた分散情報を説明するための図である。 (a)は本発明の第1実施形態に係る伝送路分散データベースの一例を示す図であり、(b)は本発明の第1実施形態に係る残留分散トレランスデータベースの一例を示す図である。 本発明の第1実施形態に係る可変DCM制御部の設定方法を説明するための図である。 (a)は本発明の第1実施形態に係るチャープパラメータを説明するための図であり、(b)は本発明の第1実施形態に係るチャープ調整機能を有する送信部の概略的なブロック図であり、(c)は本発明の第1実施形態に係るパスについての送信チャープ量設定を説明するための図である。 (a)は本発明の第1実施形態に係る分散前置補償方法を説明するための図であり、(b)は本発明の第1実施形態に係る伝送距離と分散前置補償量との関係の一例を示す図である。 (a)は本発明の第1実施形態に係る優先区間を説明するための図であり、(b)は本発明の第1実施形態に係る帯域一括分散補償器を用いた分散マップの一例を示す図である。 (a)は本発明の第1実施形態に係る仮想分散マップを作成する伝送区間を説明するための図であり、(b)は本発明の第1実施形態に係る非優先区間のパスの仮想分散マップの一例を示す図である。 (a)は本発明の第1実施形態に係る分散マップの差分量を計算する差分量計算区間を説明するための図であり、(b)は本発明の第1実施形態に係る差分量計算区間の実分散マップおよび仮想分散マップの一例を示す図である。 (a)は本発明の第1実施形態に係る残留分散トレランスの位置を参照するための図であり、(b)は本発明の第1実施形態に係る残留分散トレランスの一例を示す図である。 (a)は本発明の第1実施形態に係る分散補償モジュールの設置位置の一例を示す図であり、(b)は本発明の第1実施形態に係る分散補償モジュールを用いて分散調整された分散量変動波形の一例を示す図である。 本発明の第2実施形態に係るWDM伝送システムの構成図である。 (a)は本発明の第2実施形態に係るパスベース設計を説明するための図であり、(b)は本発明の第2実施形態に係る分散マップの一例を示す図である。 本発明の第2実施形態に係るパスの属性を示す図である。 本発明の第3実施形態に係るWDM伝送システムの構成図である。 (a)は光ファイバの分散特性の一例を示す図であり、(b)は分散スロープ特性の一例を示す図である。 (a),(b)はそれぞれ残留分散量とペナルティ値との関係を示す図である。 3R区間を説明するための図である。 残留分散トレランスの一例を示す図である。
符号の説明
1〜8 ノード(光伝送装置)
1w 管理制御部
1a 優先区間決定部
1b ノード間分散量集計部
1c データベース
1d 伝送路分散データベース
1e 残留分散トレランスデータベース
1f 演算部
1g 可変DCM制御部
20 チャープ調整部
21 送信ターミナルノード
22,26,27 中継ノード
23,25 アドドロップノード
24 REGノード
24a 信号光再生部
28 受信ターミナルノード
29 ハブノード
31 分散補償モジュール(送信部)
33 送受信ターミナルノード
36 増幅器
37 光カプラ
40a 送信用分散補償器(DCT)
40b インラインアンプ
40c 伝送路分散補償器(DCL)
40d DCR
40e,40f DCT
49a〜49d ネットワーク
50 インライン増幅器
51 分離部
52 多重部
59 モニタ光出力部
59a 波長可変レーザーダイオード
59c 正弦波変調部
59d 固定波長出力部
59b,59e 光強度変調器
59f 光スイッチ
60 累積分散測定部
60a,60b,111 フォトダイオード(光検出器)
60c 位相比較器
61 OSC光送受信部
101 レーザーダイオード(送信部)
200 送信処理部

Claims (10)

  1. 波長多重光に起因する実分散量を補償して該波長多重光を伝送する光伝送システムにおける分散補償方法であって、
    該光伝送システムに設けられた1又は複数の光伝送装置が、実分散量を測定する測定ステップと、
    該光伝送システムに設けられた制御部が、該測定ステップにて測定された実分散量と、各伝送区間の分散量を保持するデータベースの保持分散量とに基づいて、各伝送区間の補償量を計算する計算ステップと、
    該制御部が、該計算ステップにて計算した該補償量を各光伝送装置に通知する補償量通知ステップと、
    各光伝送装置が、通知された該補償量に基づいて少なくとも1台の光伝送装置の補償量を設定する補償量設定ステップとをそなえたことを特徴とする、分散補償方法。
  2. 該補償量設定ステップが、
    該1又は複数の光伝送装置が、ターゲット分散量とずれが発生するパスを特定する特定ステップと、
    該1又は複数の光伝送装置のうちの受信側の光伝送装置が、該特定ステップにて特定されたパスについて分散補償器を用いて補償する受信側補償ステップとをそなえたことを特徴とする、請求項1記載の分散補償方法。
  3. 該補償量設定ステップが、
    該1又は複数の光伝送装置が、ターゲット分散量とずれが発生するパスを特定する特定ステップと、
    該1又は複数の光伝送装置のうちの送信側の光伝送装置が、該特定ステップにて特定されたパスについて前置分散補償量を変更する前置補償ステップとをそなえたことを特徴とする、請求項1記載の分散補償方法。
  4. 該補償量設定ステップが、
    該1又は複数の光伝送装置が、ターゲット分散量とずれが発生するパスを特定する特定ステップと、
    該1又は複数の光伝送装置のうちの送信側の光伝送装置が、該特定ステップにて特定されたパスについて送信側の光伝送装置自身の送信部のチャープに関する値を調整するチャープ処理ステップと、
    該1又は複数の光伝送装置が、該チャープ処理ステップにて調整された該チャープに関する値に基づいて波長変動させた波長の出力光の分散量を補償する補償ステップとをそなえたことを特徴とする、請求項1記載の分散補償方法。
  5. 波長多重光に起因する実分散量を補償して該波長多重光を伝送する光伝送システムにおける分散補償方法であって、
    該波長多重光を伝送する光伝送装置を含む伝送区間であって複数の光パスが重畳している伝送区間のうちの該複数の光パスの伝送距離のそれぞれに基づいて該複数の光パスのうちの1以上の優先区間を決定する優先区間決定ステップと、
    該優先区間決定ステップにて決定された該1以上の優先区間について複数の光伝送装置のそれぞれにおける入力光の分散量と出力光の分散量との変動特性を表す実分散マップを作成する実分散マップ作成ステップと、
    該優先区間決定ステップにて決定された非優先区間について入力光の分散量と出力光の分散量との変動特性を表す仮想分散マップを作成する仮想分散マップ作成ステップと、
    該実分散マップ作成ステップと該仮想分散マップ作成ステップとのそれぞれにて作成された該実分散マップと該仮想分散マップとの差分情報と残留分散トレランス値とに基づいて、該複数の光伝送装置のうちの所望の光伝送装置における補償量を決定する補償量決定ステップと、
    該補償量決定ステップにて決定された補償量で該非優先区間を補償する非優先区間補償ステップとをそなえたことを特徴とする、分散補償方法。
  6. 複数の単一波長光が多重された波長多重光を伝送する光伝送システムであって、
    該波長多重光から1又は複数の第1の単一波長光を分離する分離機能と、1又は複数の第2の単一波長光を該波長多重光に多重する多重機能とのうちの少なくとも一方を有する複数の光伝送装置と、
    各光伝送装置にて分離された該第1の単一波長光についての第1の分散量と、各光伝送装置にて多重される該第2の単一波長光についての第2の分散量とのうちの少なくとも一方を補償する1又は複数の分散補償部と、
    該複数の光伝送装置間の伝送区間のうちの伝送距離が異なる複数の光パスが重畳する伝送区間の実分散量と、伝送区間における分散管理データとに基づいて各分散補償部の補償量を設定する管理制御部とをそなえて構成されたことを特徴とする、光伝送システム。
  7. 該複数の光伝送装置が、該実分散量を測定する複数の測定部を設けるとともに、
    該複数の光伝送装置にて測定された複数の実分散量を集計する集計部と、
    該伝送区間に割り当てられた分散量を保持するデータベースと、
    該集計部にて集計された該複数の実分散量と該データベースに保持された該分散量とに基づいて同一の伝送区間について伝送距離が異なる複数の光パス毎に該複数の分散補償部の補償量を演算する演算部とをそなえて構成されたことを特徴とする、請求項6記載の光伝送システム。
  8. 該複数の光伝送装置が、それぞれ、
    ハブ型,リング型又はアドドロップ型の各ネットワーク形状になるように構成されたことを特徴とする、請求項6記載の光伝送システム。
  9. 複数の単一波長光が多重された波長多重光を伝送する光伝送システムに設けられた光伝送装置であって、
    該波長多重光から1又は複数の第1の単一波長光を分離する分離部と、
    該分離部にて分離された該第1の単一波長光についての分散量を補償する分散補償部と、
    複数の光伝送装置間の伝送区間のうちの伝送距離が異なる複数の光パスが重畳する伝送区間の実分散量と、伝送区間における分散管理データとに基づいて各分散補償部の補償量を設定する管理制御部とをそなえて構成されたことを特徴とする、光伝送装置。
  10. 複数の単一波長光が多重された波長多重光を伝送する光伝送システムに設けられた光伝送装置であって、
    1又は複数の単一波長光を該波長多重光に多重する多重部と、
    該多重部にて多重された該単一波長光についての分散量を補償する分散補償部と、
    複数の光伝送装置間の伝送区間のうちの伝送距離が異なる複数の光パスが重畳する伝送区間の実分散量と、伝送区間における分散管理データとに基づいて各分散補償部の補償量を設定する管理制御部とをそなえて構成されたことを特徴とする、光伝送装置。
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