JP2003134047A - 自動分散補償回路付き光波長多重伝送システム - Google Patents
自動分散補償回路付き光波長多重伝送システムInfo
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Abstract
ことなく運用中に常時測定し、測定した分散値をもとに
分散補償器を用いた補償を可能とする。 【解決手段】 光波長多重伝送システムが複数の波長を
同時に使用する点に着目し、各波長チャネルのデータ信
号が有するフレームを常時検出し、あるいは短い繰り返
し時間で検出し、そのフレーム位相を相対的に比較する
ことにより、伝送路である光ファイバの伝送遅延の波長
依存性を測定する。この伝送遅延の波長依存性から光フ
ァイバの群速度分散を計算し、分散補償に用いる。
Description
なる伝送路の波長分散を自動的に補償する機能を備えた
光波長多重伝送システムに関する。
送システム(WDM伝送システム)の開発が進められて
いる。これは、昨今のデータトラヒックの増大に対応
し、1心の光ファイバで大容量のデータを伝送する必要
性が生じてきたためである。現在市販されているWDM
伝送システムの1波長当たりのビットレートは最大で10
Gbit/s となっている。この4倍のビットレート40Gbi
t/s を1波長で伝送するWDM伝送システムは、イニシ
ャルコスト、ランニングコストの点から従来の10Gbit/
s ベースのWDM伝送システムと比較して、高いコスト
パフォーマンスを発揮する可能性があり、研究が進めら
れている。例えば、Optical Fiber Communication Conf
erence 2001 のポストデットラインペーパでは、40Gbi
t/s ベースのWDM伝送実験の報告が5件なされてい
る。
要因で限定されているが、その制限要因のうちの大きな
ものは、信号のSN劣化と伝送路である光ファイバの群
速度分散の2つである。
で解決が図られてきた。一方の群速度分散による制限
は、分散補償器を用いることや許容分散値が拡大する変
調符号化方式の適用などの工夫で解決が図られてきた。
なお、分散補償器としては、分散補償ファイバ(特開平
7−202798号公報)やファイバグレーティング型
補償器(B.Malo et al.,ECOC'94, PD, p.23)などが知ら
れている。また、許容分散値が拡大する変調符号化方式
としては、デュオバイナリ変調符号 (Yonenaga et a
l.,"Dispersion-tolelant optical transmission syste
m using duobinary transmitter and binary receive
r", J.Lightwave Technol., 1997, LT-15, pp.1530-153
7) やCS−RZ変調符号などが知られている。
(規定のビット誤り率以下で信号を受信できる光レベ
ル)がビットレートに反比例して劣化するのに対して、
許容分散値(規定のビット誤り率以下で信号を受信でき
る伝送路の分散値の範囲)は、ビットレートの二乗に反
比例して劣化する。したがって、1チャネル当たりの信
号が10Gbit/s を越えるようなWDM伝送システムで
は、SN劣化対策よりも分散値対策を精緻に行う必要が
ある。例えば、伝送符号がNRZの場合、10Gbit/sで
は約800ps/nmであった分散耐力が、40Gbit/s では1/
16の約50ps/nm となり、 100Gbit/s では1/100 の約
8ps/nm と厳しくなる。
度分散を測定した後に、伝送路と分散補償器の総分散量
が許容分散値以下になるように、適切な分散値をもつ分
散補償器を選択して使用するのが一般的になっている。
なお、この分散補償器は、固定的な分散値をもつものが
用いられてきた。一方、分散値を自動的に補償しようと
する検討も進められている(特開平9−326755号
公報「自動等化システム」)。しかし、固定的な分散値
をもつ分散補償器により分散補償する場合には、システ
ム運用直前に分散補償作業を行うことになるので、自動
分散補償を行うことによる作業コスト削減効果は小さ
い。
DM伝送システムでは、許容分散値が10Gbit/s ベース
のものに比べて1/16であるため、伝送路の温度変化を
原因として許容分散値の範囲を越える分散量の変動が発
生するケースが想定される。例えば、単一モード光ファ
イバ(SMF)320 km伝送で、年間を通じて伝送路に
0〜40℃の温度変化がある場合の伝送路分散の変化量は
次のように見積もられる。
度変化)×(分散スロープ)×(伝送距離)=0.03(nm/
℃) ×40 (℃) ×0.07(ps/nm2/km) ×320(km) =27(ps/
nm)
較しても無視できない値である。したがって、40Gbit/
s 以上の大容量伝送では、伝送路分散を常時監視し、総
分散値を許容値の範囲に収める必要がある。その点につ
いては、1.55μm帯における波長分散の小さい分散シフ
トファイバ(DSF)を用いた場合でも同じである。
分散値変動があり、その影響が伝送システムの特性上無
視できない場合には、システム運用後も常に分散の変動
を監視し、リアルタイムで分散補償を行う必要がある。
これに対応する分散補償器として、制御信号により分散
値を連続的に変化させることができるものがいくつか報
告されている。それは、ファイバグレーティングに応力
(文献a)や温度傾斜(文献b)を与える方法、PLC
(Planer Lightwave Circuit)に温度変化による位相変化
を与える方法(文献c)などで分散補償量を変化させる
ことが試みられている。
ting dispersion using a piezoelectric stack",OFC'9
7 Technical Digest, WJ3, pp.155-156 」である。文献
bは、「Sergio Barcelos et al.,"Characteristics of
chirped fiber gratings fordispersion compensatio
n",OFC'96 Technical Digest, WK12, pp.161-162 」で
ある。文献cは、「K.Takiguchi et al.,"Variable Gro
up-Delay Dispersion Equalizer Using Lattice-Form P
rogrammable Optical Filter on Planer Lightwave Cir
cuit", IEEE J.Selected Topics in Quantum Electroni
cs, 2, 1996, pp.270-276 」である。
る方法としては、主信号光と監視制御光に低周波信号
パルスを重畳しその位相を比較する方法(特開平10−
163962号公報「自動分散補償式光伝送システ
ム」)、光信号から特定の周波数成分の強度を検出
し、検出された特定周波数成分の強度が極小になるよう
に伝送路の総分散量を制御する方法(特開平11−68
657号公報「波長分散制御のための方法と装置及び分
散量検出方法」)、光電気変換した後のRFスペクト
ルを解析する方法(F.Heismann et al.,"Automatic Com
pensation of First Order Polarization Mode Dispers
ion in a 10 Gbit/s Transmission System, ECOC'98, p
p.529-530, 1998)などがある。
重畳するので、主信号光に波形劣化を与える問題があ
る。およびは、直接的に群速度分散を測定する方法
ではない間接検出法であるので、送信回路の経年劣化な
どにより発生する波形ひずみによる検出精度の低下など
が課題となる。すなわち、従来の方法では、伝送システ
ムの運用中に主信号光に影響を与えず、しかも群速度分
散を直接測定する方法はなかった。
影響を与えることなく運用中に常時測定し、測定した分
散値をもとに分散補償器を用いた補償を行うことができ
る自動分散補償回路付き光波長多重伝送システムを提供
することを目的とする。
方法について説明する。長さLの光ファイバを伝搬する
のに要する時間τは、 τ=nL/c …(1) と表される。ここで、nは光ファイバの実効屈折率、c
は真空中の光速を示すが、実効屈折率nは波長により変
化するので伝搬時間τは波長の関数となる。波長分散D
は、伝搬時間τを波長λで微分したもので、 D=dτ/dλ …(2) となる。
としては、位相差法やパルス伝搬法が知られている。位
相差法は、光周波数c/λと変調周波数fm を用いる方
法である。変調周波数fm で変調した光信号を測定対象
の光ファイバに入射し、伝搬後の光信号を電気信号に変
換して変調周波数fm の位相を光信号の波長を変えなが
ら測定する。詳細は、特開平10−367374号公報
「波長分散測定装置」にある。
原理である。パルス光源の波長を変えてパルス伝搬の時
間を直接測定し、波長分散を測定する方法である。
相φ(λ)あるいは伝搬遅延τ(λ)から波長分散D=dτ
(λ)/dλを求める。波長を離散的に変化させる場合に
は、屈折率に関するセルマイヤの近似式(n(λ) =A
λ2+B+Cλ-2、n(λ)=Aλ2+Bλ+C+Dλ-1+
Eλ-2)や、単純な2次方程式(n(λ) =Aλ2+Bλ
+C)に最小自乗法等でフィッティングさせて求める。
数の波長を同時に使用する点に着目し、各波長チャネル
のデータ信号が有するフレームを常時検出し、あるいは
短い繰り返し時間で検出し、そのフレーム位相を相対的
に比較することにより、伝送路である光ファイバの伝送
遅延の波長依存性を測定する。この伝送遅延の波長依存
性から光ファイバの群速度分散を計算し、分散補償に用
いる。
は、フレーム(繰り返し周期1/T)の立ち上がり時間
tを複数の波長で測定する。光波長多重伝送システムで
は各チャネルの波長は既知であるので、各チャネルのフ
レームの立ち上がり時間t(λ)を測定し、近似式にフ
ィッティングさせことで、(2) 式の波長分散が求められ
る。このとき、波長多重送信回路の出力端では、各波長
のフレームが一致していなくてはならないので、送信回
路にフレームを一致させるためのリセット回路を設け
る。あるいは、リセット回路を設ける代わりに波長多重
送信回路でも被測定チャネルの出力信号のフレーム位相
を測定し、受信回路側に伝達して受信側のフレーム位相
の補正に用いる。
検出する方法をとるので、上記の位相差法と本質的には
同様の方法である。ただし、主信号光がもともと有する
フレームを検出することから、主信号光に波形歪みなど
の影響を与えずに、運用中に伝送路の波長分散を常時測
定し、測定した分散値をもとに分散補償器を用いた補償
を行うことができる。
明の第1の実施形態を示す。図において、本実施形態の
光波長多重伝送システムは、一方の波長多重伝送装置1
−1の波長多重送信回路10と、他方の波長多重伝送装
置1−2の波長多重受信回路20が、光ファイバおよび
光増幅器から構成される光伝送路2を介して接続される
構成である。ただし、光伝送路3を構成する光増幅器は
必須のものではない。なお、波長多重送信回路10およ
び波長多重受信回路20は、各波長多重伝送装置にそれ
ぞれ備えられるものであるが、ここではその一方を示し
ている。
の光信号を出力する光送信回路11−1〜11−Nと、
各波長チャネルの光信号を波長多重する光合波器12
と、Nチャネルの波長多重光信号を増幅して光伝送路3
に送出する光増幅器13と、所定の光送信回路を同期制
御するリセット回路14により構成される。なお、各光
送信回路では、SDHやATM、OTNなどの周期的な
フレーム構造を有するデータ信号(電気信号)を光信号
に変換するので、光信号も周期的なフレーム構造を有す
る。
n個(n=Nを含む)の光送信回路から送信される光信
号のフレーム位相が、波長多重伝送装置1−1と光伝送
路2との接続点Aで同一位相となるように同期制御す
る。なお、各チャネルのデータ信号のビットレートは同
一である(同期している)必要がある。
重光信号を増幅する光増幅器21と、波長多重光信号を
2分岐する光分岐器22と、その一方の波長多重光信号
を各波長チャネルの光信号に分波する光分波器23と、
各波長チャネルの光信号を受信する光受信回路24−1
〜24−Nと、光分波器23の前段に挿入された分散補
償器25−0と、光受信回路24−1〜24−Nの前段
に挿入された分散補償器25−1〜25−Nと、光分岐
器22で分岐した他方の波長多重光信号から送信側で同
期制御された所定のnチャネルの光信号を分波する波長
選択手段26と、nチャネルの光信号のフレーム位相を
検出する位相検出回路27−1〜27−nと、各フレー
ム位相を比較する位相比較回路31と、その比較結果か
ら光伝送路3の分散値を算出する分散算出回路32と、
得られた分散値に基づいて各分散補償器25−0〜25
−Nを制御する制御回路33により構成される。この位
相比較回路31、分散算出回路32および制御回路33
により、群速度分散測定回路30が構成される。
は、光分岐器22、分散補償器25−0〜25−N、波
長選択手段26、位相検出回路27−1〜27−n、群
速度分散測定回路30により構成される。
施形態における分散値の測定方法の概要について説明す
る。一方の波長多重伝送装置1−1の波長多重送信回路
10では、リセット回路14によりNチャネルのうちの
nチャネルの光信号のフレーム位相が同期制御される。
ここでは、チャネル1,チャネル3,チャネル7,…,
チャネルmのフレーム位相が一致する。
受信回路20の波長選択手段26は、光分岐器22で分
岐したNチャネルの波長多重光信号を入力し、送信側で
フレーム位相を一致させて送信したnチャネルの光信号
を選択する。位相検出回路27−1〜27−nは、この
nチャネルのフレーム位相を検出する。その構成は送信
する信号形態に依存する。例えば、送信信号がSDH信
号である場合には、位相検出回路27−1〜27−nは
SDHフレーム同期回路で構成される。一般的な市販の
フレーム同期回路は、図2に示すように、検出したフレ
ームに対応するフレーム同期パルスを出力する機能を有
する。位相比較回路31は、各位相検出回路27−1〜
27−nから出力されるフレーム同期パルスを入力し、
所定の1チャネルのフレーム同期パルスの位相を基準に
他のチャネルのフレーム同期パルスの位相を比較し、相
対遅延差を算出する。分散算出回路32は、位相比較回
路31の出力をもとに最小二乗法等により、セルマイヤ
の近似式や多項式近似にカーブフィットさせて相対遅延
の波長依存性を求め、得られた多項式の微分値から分散
値を算出する。
レーム位相検出を行えばよいので、必ずしも全Nチャネ
ルのフレーム位相同期およびフレーム位相検出を行う必
要はなく、上記のように例えばチャネル1,チャネル
3,チャネル7,…,チャネルmなどのnチャネルで十
分である。
された分散値をもとに、分散補償器25−0または分散
補償器25−1〜25−N、あるいはその両方の分散値
を含むトータルの分散値がシステムの許容分散値以下、
すなわち分散による信号の品質劣化が許容値以下になる
ように設定する。なお、分散補償器は市販のものを用い
ることができる。ただし、制御回路33から出力される
制御信号は、分散補償器の構成に依存する。
補償器25−0を、図3に示すように光分岐器22の前
段に挿入することも可能である。この場合には、測定さ
れた分散値がシステムの許容分散値以下、すなわち分散
による信号の品質劣化が許容値以下になるように制御す
る。この構成では、図1に示す光受信回路24−1〜2
4−Nの前段に挿入された分散補償器25−1〜25−
Nは必ずしも必要ない。
の実施形態を示す。本実施形態は、第1の実施形態にお
いて、波長多重受信回路20に配置した本発明による自
動分散補償回路(光分岐器22、分散補償器25、波長
選択手段26、位相検出回路27−1〜27−n、群速
度分散測定回路30(位相比較回路31、分散算出回路
32、制御回路33))を光伝送路2の光増幅器3内に
配置したことを特徴とする。
の後段に分散補償器25を配置し、測定された分散値を
もとに、分散補償器25の含むトータルの分散値がシス
テムの許容分散値以下、すなわち分散による信号の品質
劣化が許容値以下になるように設定する。
分散補償器25を配置し、測定された分散値がシステム
の許容分散値以下、すなわち分散による信号の品質劣化
が許容値以下になるように制御する。
有する光増幅器を縦続接続することが可能である。この
ように、分散補償機能を光伝送路2の複数箇所に分散配
置することにより、1箇所当たりの分散制御量を相対的
に小さくできるので、分散補償器の選択範囲を広げるこ
とができる。
第2の実施形態の自動分散補償回路における位相比較回
路31は、所定の1チャネルのフレーム同期パルスの位
相を基準に他のチャネルのフレーム同期パルスの位相を
比較して相対遅延差を算出していたが、第3の実施形態
では、基準となる所定の1チャネル(参照チャネル)の
フレーム同期パルスの位相を検出し、他のチャネルを1
チャネルずつ順番に選択してそのフレーム同期パルスの
位相と比較する構成としたものである。
図において、自動分散補償回路は、光分岐器22−1,
22−2、分散補償器25、波長選択手段26−1,2
6−2、位相検出回路27−1,27−2、群速度分散
測定回路30(位相比較回路31、分散算出回路32、
制御回路33)と、波長選択手段26−2の出力の1つ
を選択して位相検出回路27−2に接続する光スイッチ
28を備える。
分岐された波長多重光信号をさらに2分岐し、その一方
を波長選択手段26−1に入力し、他方を波長選択手段
26−2に入力する。波長選択手段26−1は、参照チ
ャネルの光信号を分波して位相検出回路27−1に入力
し、位相検出回路27−1は参照チャネルのフレーム位
相を検出し、フレーム同期パルスを出力する。波長選択
手段26−2は、送信側で同期制御された所定のnチャ
ネルの光信号を分波し、光スイッチ28でその1チャネ
ルが順番に選択されて位相検出回路27−2に入力され
る。位相検出回路27−2は、nチャネルの光信号のフ
レーム位相を順番に検出してフレーム同期パルスを出力
する。位相比較回路31は、参照チャネルのフレーム同
期パルスの位相と、所定のnチャネルのフレーム同期パ
ルスの位相を順番に比較し、相対遅延差を算出する。以
下同様である。
るのでコスト低減を図ることができる。ただし、各チャ
ネルの測定は周期的に行うことになるので、厳密な意味
での常時監視ではないが、伝送路の温度変動に起因する
分散値の変動周期は例えば1日周期のように極めてゆっ
くりした変動であるので、各チャネルの測定周期を想定
される分散値の変動周期に対して十分に短くしてやれば
問題ない。
の実施形態を示す。本実施形態は、第1の実施形態にお
いて、波長多重受信回路20に配置した本発明による自
動分散補償回路(光分岐器22、分散補償器25、波長
選択手段26、位相検出回路27−1〜27−n、群速
度分散測定回路30(位相比較回路31、分散算出回路
32、制御回路33))のうち、位相比較を行う所定の
nチャネルに対応する位相検出回路27−1〜27−n
を光受信回路24−1〜24−Nの対応するところに配
置し、光分岐器22および波長選択手段26を不要とし
たことを特徴とする。
−Nに位相検出回路を配置し、位相比較回路31側で所
定のnチャネルのフレーム同期パルスの相対位相を検出
するようにしてもよい。
は、波長多重送信回路10のリセット回路14で、位相
比較を行う所定のnチャネルのフレーム位相を同期制御
する構成になっていたが、第5の実施形態では所定のn
チャネルのフレーム位相を比較し、その相対位相情報を
所定のチャネルを用いて波長多重受信回路20に伝送
し、波長多重受信回路20の位相比較回路31における
位相比較に供することを特徴とする。
図において、波長多重送信回路10は、光送信回路11
−1〜11−N、光合波器12、光増幅器13に加え
て、送信される波長多重光信号の一部を分岐する光分岐
器15と、分岐した波長多重光信号から所定のnチャネ
ルの光信号を分波する波長選択手段16と、nチャネル
の光信号のフレーム位相を検出する位相検出回路17−
1〜17−nと、各フレーム位相を比較する位相比較回
路18を備える。nチャネルの光信号の相対位相情報は
ここでは光送信回路11−Nに入力され、チャネルNに
重畳して波長多重受信回路20に伝送される。この相対
位相情報の伝送では、例えばフレームが有するオーバヘ
ッドに含まれるコミュニケーションチャネルを利用する
ことができる。あるいは、監視制御用の別チャネルを用
いるか、別途設けられる監視制御用光送信回路から送信
してもよい。
は第1の実施形態と同様である。ここでは、光受信回路
24−Nでnチャネルの光信号の相対位相情報が抽出さ
れ、位相比較回路31に与えられる。位相比較回路31
では、nチャネルの光信号の位相比較を行う際に、送信
側から通知された相対位相情報をもとに補正することに
より、伝送路で生じる相対遅延を算出することができ
る。
となるので、既存の送受信回路を有する光波長多重伝送
システムに、送信側および受信側の波長分散値測定用の
上記機器を追加することにより対応可能となる。
おいて、データ信号はSDH/SONETフレームある
いはOTNフレーム(ITU−Tで2001年2月に承認さ
れた新たなディジタルフレーム(ITU-T G.709 Recommen
dation) )の形態をとることができる。この場合の位相
検出方法は、フレームのオーバヘッドに含まれるフレー
ム同期用のA1A2バイトを検出し、検出と同時にフレ
ーム同期パルスを生成する。これにより、フレーム位相
を検出することができる。
周期に対応する周波数成分を狭帯域フィルタで抽出する
ようにしてもよい。この場合の位相検出回路17,27
の構成例を図8に示す。図において、位相検出回路は、
光電気変換回路71、狭帯域フィルタ72および増幅回
路73により構成される。狭帯域フィルタ72の中心周
波数は、検出する信号の有するフレームのフレーム周期
の逆数であるフレーム周波数と同一である。この構成に
より、フレーム周波数成分のみを抽出することにより、
位相比較回路で位相比較することができる。
路の重要なパラメータである波長分散値を、主信号光に
影響を与えることなく運用中に常時測定し、測定した分
散値をもとに分散補償器を用いた補償を行うことができ
る。これにより、光伝送路の温度変動によって生じる分
散変動を自動的に補償することができ、40Gbit/s を越
えるような高速光伝送システムにおいても安定に稼働さ
せることができる。
要を説明する図。
ク図。
Claims (10)
- 【請求項1】 光ファイバを用いた光伝送路と、 互いに波長の異なる複数のチャネルの光信号を波長多重
して前記光伝送路に送信する波長多重送信回路と、 前記光伝送路から受信する波長多重光信号を各チャネル
の光信号に分離する波長多重受信回路とを備えた光波長
多重伝送システムにおいて、 前記各チャネルの光信号は、周期的なフレーム構造を有
するデータ信号で変調された光信号であり、 前記波長多重送信回路には、前記複数のチャネルの光信
号のうち、所定のチャネルの光信号のフレーム位相を同
期制御するリセット回路を備え、 前記波長多重受信回路には、 制御信号により分散値が変化する分散補償器と、 前記波長多重光信号から少なくとも前記所定のチャネル
の光信号のフレーム位相を検出する位相検出手段と、 前記検出したフレーム位相を比較し、所定のチャネル間
の相対的な位相差から前記光伝送路で発生する相対的な
遅延を算出して前記光伝送路の群速度分散値を算出し、
算出された光伝送路の群速度分散値と前記分散補償器の
分散値のトータルの分散による信号の品質劣化が許容値
以下となるように、前記制御信号により前記分散補償器
の分散値を設定または制御する群速度分散測定回路とを
備えたことを特徴とする自動分散補償回路付き光波長多
重伝送システム。 - 【請求項2】 請求項1に記載の自動分散補償回路付き
光波長多重伝送システムにおいて、 前記光伝送路の途中に挿入される光増幅器に、前記分散
補償器と前記位相検出手段と前記群速度分散測定回路を
備えたことを特徴とする自動分散補償回路付き光波長多
重伝送システム。 - 【請求項3】 請求項1または請求項2に記載の自動分
散補償回路付き光波長多重伝送システムにおいて、 前記位相検出手段は、位相比較の基準となる特定の一波
長の光信号のフレーム位相を検出する参照用位相検出手
段と、前記波長多重光信号から少なくとも前記所定のチ
ャネルの光信号を順番に1つずつ選択し、そのフレーム
位相を順次検出する測定用位相検出手段により構成さ
れ、 前記群速度分散測定回路は、前記特定の一波長の光信号
のフレーム位相を基準に、前記所定のチャネルの光信号
のフレーム位相を順次比較して各チャネル間の相対的な
位相差を求める手段を含むことを特徴とする自動分散補
償回路付き光波長多重伝送システム。 - 【請求項4】 請求項1に記載の自動分散補償回路付き
光波長多重伝送システムにおいて、 前記波長多重受信回路が有する分離された各チャネルの
光信号を受信する光受信回路のうち、少なくとも前記所
定のチャネルに対応する光受信回路に前記位相検出手段
を備えたことを特徴とする自動分散補償回路付き光波長
多重伝送システム。 - 【請求項5】 請求項1〜4のいずれかに記載の自動分
散補償回路付き光波長多重伝送システムにおいて、 前記波長多重送信回路は、前記リセット回路に代えて、
前記所定のチャネルのフレーム位相を検出し、前記所定
のチャネル間の相対的な位相差を測定する手段と、その
相対的位相情報を前記波長多重受信回路に送信する手段
とを備え、 前記波長多重受信回路は、前記所定のチャネル間の相対
的位相情報を受信する手段と、その相対的位相情報をも
とに前記波長多重送信回路内で前記所定のチャネル間に
発生した位相差を補正し、前記光伝送路で生じる相対遅
延を算出する手段とを備えたことを特徴とする自動分散
補償回路付き光波長多重伝送システム。 - 【請求項6】 請求項5に記載の自動分散補償回路付き
光波長多重伝送システムにおいて、 前記波長多重送信回路で測定された相対的位相情報を、
信号データのフレームが有するオーバヘッドに含まれる
データコミュニケーションチャネルを利用して前記波長
多重受信回路に伝達する構成であることを特徴とする自
動分散補償回路付き光波長多重伝送システム。 - 【請求項7】 請求項5に記載の自動分散補償回路付き
光波長多重伝送システムにおいて、 前記波長多重送信回路で測定された相対的位相情報を、
監視制御用光信号により前記波長多重受信回路に伝達す
る構成であることを特徴とする自動分散補償回路付き光
波長多重伝送システム。 - 【請求項8】 請求項1〜7のいずれかに記載の自動分
散補償回路付き光波長多重伝送システムにおいて、 データ信号がSDH/SONETフレームあるいはOT
Nフレームであることを特徴とする自動分散補償回路付
き光波長多重伝送システム。 - 【請求項9】 請求項8に記載の自動分散補償回路付き
光波長多重伝送システムにおいて、 前記位相検出手段は、前記SDH/SONETフレーム
あるいはOTNフレームのオーバヘッドに含まれるフレ
ーム同期用のA1A2バイトを検出し、検出と同時にフ
レーム同期パルスを生成してフレーム位相を検出する構
成であることを特徴とする自動分散補償回路付き光波長
多重伝送システム。 - 【請求項10】 請求項1〜7のいずれかに記載の自動
分散補償回路付き光波長多重伝送システムにおいて、 前記位相検出手段は、フレーム周期に対応する周波数成
分を狭帯域フィルタで抽出する構成であることを特徴と
する自動分散補償回路付き光波長多重伝送システム。
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