JP2005318391A - 色変換定義作成方法、色変換定義作成装置、および色変換定義作成プログラム - Google Patents

色変換定義作成方法、色変換定義作成装置、および色変換定義作成プログラム Download PDF

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Abstract

【課題】色の調子の不連続性などを避けつつ、ある色表現領域から別の色表現領域に高精度な写像を行うことのできる色変換定義を作成する色変換定義作成方法、色変換定義作成装置、および色変換定義作成プログラムを提供することを目的とする。
【解決手段】第1のデバイスに依存した第1の色空間と第2のデバイスに依存した第2の色空間との間の等色な座標変換を定義した第1の色変換定義を取得する色変換定義取得過程と、等色な座標変換よりも階調欠陥が少ない座標変換を定義した第2の色変換定義を生成する色変換定義生成過程と、第1の色変換定義と第2の色変換定義とを、第2のデバイスによって色が表現可能な色表現領域の端側では第2の色変換定義を優先し、その色表現領域の内側では第1の色変換定義を優先して合成する色変換定義合成過程とを有する。
【選択図】 図14




Description

本発明は、ある色空間上の座標で色が表現された画像データを別の色空間上の座標で色が表現された画像データに変換するための色変換定義を作成する色変換定義作成方法、色変換定義作成装置、および色変換定義作成プログラムに関する。
従来、用紙上に記録された画像を読み取って画像データを得るカラースキャナや、固体撮像素子上に被写体の画像を結像して読み取ることにより画像データを得るデジタルカメラなど、画像を入力して画像データを得る、様々なタイプの入力デバイスが知られている。これらの入力デバイスでは、画像データは、例えばR(レッド),G(グリーン),B(ブルー)3色それぞれについて0〜255等の決まった範囲の数値で表わされ、この数値の範囲は、入力デバイスがハードウェアとして取り扱うことができる色の範囲を表わしている。しかし、この色の範囲は、人間が認識可能な全色空間には及ばない。このため、もともとの原画像の色が極めて豊かな表現を持っていたとしても、一旦入力デバイスを用いて画像データに変換すると、その画像データによって表わされる画像は、その入力デバイスに依存した入力色空間内のある色表現領域内の色に制限されることになる。
また、画像データに基づいて画像を出力する出力デバイスについても、例えば、印画紙をレーザ光で露光して現像することにより印画紙上に画像を記録する写真プリンタ、電子写真方式やインクジェット方式などを適用して用紙上に画像を記録するプリンタ、輪転機を回して多量の印刷物を作成する印刷機、画像データに基づいて表示画面上に画像を表示するCRTディスプレイやプラズマディスプレイなどといった画像表示装置等、様々なタイプの出力デバイスが知られているが、これらの出力デバイスについても上述の入力デバイスと同様、各出力デバイスに応じた色表現領域が存在する。すなわち、出力デバイスは、例えば、R,G,B3色を表現する画像データやC(シアン),M(マゼンタ),Y(イエロー),K(黒)の4色を表現する画像データに基づいて様々な色を表現することができるが、その表現できる色は、出力デバイスに依存した出力色空間(例えばRGB空間、CMYK空間等)のある色表現領域内(例えば、RGBそれぞれについて0〜255の範囲の数値で表わされる色表現領域内等)に制限される。このような入力デバイスや出力デバイスにおける色表現領域は、カラーガマットと称される。以下では、入力デバイスにおける色表現領域を入力ガマットと称し、出力デバイスにおける色表現領域を出力ガマットと称する。
また、例えば、ある1つの画像データ(例えば(R,G,B)=(50,100,200)を表わす画像データ)であっても、その画像データに基づいて得られる画像の色は出力デバイスの種類により異なる。この点は、入力デバイスと出力デバイスとの間でも同様であり、ある入力デバイスで得られた(R,G,B)=(50,100,200)の画像データをそのまま用いてある出力デバイスで画像を出力しても、入力デバイスで入力される原画像の色と出力デバイスで出力された画像の色は一般には一致しない。したがって、ある入力デバイスで原画像を読み取って画像データを得、その画像データを基にして、ある出力デバイスで原画像を再現しようとしたとき、入力デバイスで得られた画像データをそのまま出力デバイスに送るのではなく、その間で画像データを変換する必要がある。ここでは、画像の色に着目しており、この画像データの変換を色変換と称する。
上述したように、色表現領域(カラーガマット)は各デバイスによって異なるとともに、数値上同一の画像データであっても、各デバイスにおいて表現される色はそれぞれに異なっている。そこで、色変換を行うにあたっては、デバイスには依存しない共通色空間、例えば、L***色空間等を中間に置き、入力デバイスによって得られた入力色空間上の画像データを共通色空間上の画像データに変換してその共通色空間上でガマットマッピングを行い、そのガマットマッピングを行った後の画像データを、出力デバイスに依存した出力色空間上の画像データに変換するという手法が採用されている。
尚、共通色空間上でガマットマッピングを行う際に、入力色空間の座標を共通色空間の座標に変換したときに、出力ガマットが共通色空間上に写像された共通出力ガマットから食み出してしまう座標のみを単純に共通出力ガマット内にマッピングしてしまうと、色の調子が不連続になってしまうなどという不都合が生じる。
このような色の調子の不連続性を解決する方法として、特許文献1には、共通色空間上に写像された入力ガマット(共通入力ガマット)内に第1の基準点を設け、共通色空間上に写像した出力ガマット(共通出力ガマット)内に第1の基準点に対応する第2の基準点を求めて、それら第1の基準点と第2の基準点との差分を表わす基本差分ベクトルを使ってガマットマッピングを行う方法について記載されており、特許文献2には、共通入力ガマットの稜線を、明度に関する関数や彩度に関する関数などといった滑らかな複数の関数によって順次に変形させて、共通出力ガマットの稜線にフィットさせる方法について記載されている。
しかし、特許文献1に記載されている方法によると、色の調子の不連続性は改善されるが、共通入力ガマットと共通出力ガマットの形状が大きく異なる場合には、色変換後の画像にトーンジャンプなどが生じてしまうという問題がある。
また、特許文献2に記載されている方法は、それぞれの関数による個々の変換に問題はなくても、それら複数の変換を順次に行っていくことによって歪みが生じ、結果として、色変換後の画像の印象が不自然になってしまう恐れがある。
このように、共通色空間でのガマットマッピングは、例えば、L***色空間上ではL*軸、a*軸、b*軸の3軸からなる3次元空間上でのマッピングであり、自由度が大きくいかようにもマッピングを行うことができるが、その反面、自由度が大きすぎて、マッピング後の画像にトーンジャンプや階調つぶれなどが生じてしまったり、複数の変換を経て生じた歪みによって、見た目に不自然な印象を与える画像となってしまうことも多い。
一方、最終的に必要な画像データは出力デバイスに依存した出力色空間における画像データであることから、入力色空間上の画像データを直接に出力色空間上の画像データに変換し、その出力色空間(例えば、RGB色空間)上でガマットマッピングを行う方法が提案されている(例えば、特許文献3参照)。この出力色空間でのガマットマッピングでは、共通色空間での中間的な処理が介在されずに直接に色変換が行われるため、ガマットマッピングによる色処理の効果を人間が理解しやすいと考えられる。
しかしながら、出力色空間でのガマットマッピングは、その出力色空間を規定する、例えばR,G,Bの3軸それぞれについて独立に1次元的にマッピングを行うのが基本であるため自由度が低く、R,G,Bそれぞれについて例えば0〜255にクリップして色表現領域(ガマット)の境界(R,G,Bそれぞれについて0〜255の数値の立方体の表面)にマッピングする程度の手法にとどまっている。このように色表現領域外の座標を単純にクリップしてしまうと、特に色表現領域の境界近傍については、階調つぶれなどが生じてしまう不具合を解決することができない。
この点に関し、出力色空間におけるガマットマッピングの方法ではないが、特許文献4には、ある色空間における複数の部分領域について予め色変換を決めておき、色変換が未定義である領域をモーフィングによって部分領域から滑らかに変化させていく方法について説明されている。例えば、入力色空間における複数の部分領域を出力色空間上の複数の部分領域それぞれに変換する色変換を予め決めておき、それら部分領域以外の領域における色変換をこの特許文献4に記載された方法で導くことにより、マッピングによる階調つぶれなどを軽減させることができると考えられる。
特開平11−281028号公報 特開2002−033929号公報 特開平6−253139号公報 特開平2−214266号公報
しかし、この特許文献4に記載された方法においては、部分領域の境界条件に基づいて反復的に収束演算がなされるが、その境界条件や収束条件によっては、歪みが集中する領域ができてしまうという問題がある。また、この特許文献4の方法を出力色空間でのガマットマッピングに適用する場合、入力色空間内のどの領域を部分領域として扱うかが重要となるが、この特許文献4には部分領域の決定方法等については特に記載されていない。
本発明は、上記事情に鑑み、色の調子の不連続性や、不自然な印象の画像となってしまうというなどといった不都合を避けつつ、ある色表現領域から別の色表現領域に高精度な写像を行うことのできる色変換定義を作成する色変換定義作成方法、色変換定義作成装置、および色変換定義作成プログラムを提供することを目的とする。
上記目的を達成する本発明の色変換定義作成方法は、第1のデバイスに依存した第1の色空間と、第2のデバイスに依存した第2の色空間との間の座標変換を定義した色変換定義を作成する色変換定義作成方法において、
第1の色空間と第2の色空間との間の等色な座標変換を定義した第1の色変換定義を取得する色変換定義取得過程と、
第1の色変換定義によって定義された座標変換よりも階調欠陥が少ない座標変換を定義した第2の色変換定義を生成する色変換定義生成過程と、
第1の色変換定義と第2の色変換定義とを、第2のデバイスによって色が表現可能な色表現領域の端側では第2の色変換定義を優先し、色表現領域の内側では第1の色変換定義を優先して合成する色変換定義合成過程とを有することを特徴とする。
ここで、本発明にいう等色とは、色度値が一致する測色的な等色であってもよく、順応変換を経た、人間の知覚的な等色であってもよい。
本発明の色変換定義作成方法によると、第1の色変換定義と第2の色変換定義とが、第1のデバイスの色表現領域(以下では、第1ガマットと称する)と第2のデバイスの色表現領域(以下では、第2ガマットと称する)との共通領域にあたる第2ガマットの内側では、変換後の色の等色性が重視された第1の色変換定義が優先され、第1ガマットと第2ガマットとの共通領域から外れてしまって階調つぶれ等が生じやすい第2ガマットの境界付近においては、滑らかな階調性が重視された第2の色変換定義が優先されて合成される。このようにして合成された色変換定義を用いて色変換を行うことによって、第1の色空間の画像データを、その画像データが表わす色と等色(あるいは近い色)な色を表わす第2の色空間上の画像データに階調性を保って変換することができ、調子の不連続性や、不自然な印象の画像となってしまうというなどといった不具合を軽減することができる。
また、本発明の色変換定義作成方法において、上記色変換定義合成過程は、色表現領域における、彩度が相対的に高い高彩度領域部分では、第2の色変換定義を優先して合成する過程であることが好ましい。
高彩度領域部分は、色表現領域における境界近傍の領域部分にあたり、トーンジャンプや階調つぶれなどが生じやすい。したがって、この高彩度領域部分は階調性を重視した第2の色変換定義を優先して合成することが好ましい。
また、本発明の色変換定義作成方法において、上記色変換定義合成過程は、色表現領域における、明度が相対的に低い低明度領域部分では、第2の色変換定義を優先して合成する過程であることが好適である。
例えば、カラー画像を生成する上でグレーは重要な色の1つであり、彩度が相対的に低い低彩度領域部分に相当するグレーの領域部分においては、等色性が重視された第1の色変換定義を優先して合成することが好ましい。しかし、明度が低く、暗いグレーの場合には、色味の違いが見た目にはほとんど認識できないため、等色性よりも階調性の方が重要となる。この好適な形態の色変換定義作成方法によると、暗い色の低明度領域部分においては、階調性が重視された第2の色変換定義が優先して合成されるため、見た目に色味の違いを認識させずに階調性を向上させることができる。
また、本発明の色変換定義作成方法において、色表現領域内の領域部分を指定する領域部分指定過程を有し、
色変換定義合成過程は、領域部分指定過程で指定された領域部分では、第1の色変換定義と第2の色変換定義とを、予め決められた割合で合成する過程であることが好ましい。
例えば、肌の色や空の色などといった画像の印象を決定する重要な色の領域部分は、等色性を重視した第1の色変換定義を優先して合成するなどというように、色表現領域内の指定された領域部分については、第1の色変換定義と第2の色変換定義とを予め決められた割合で合成することによって、見た目に好ましい色変換を行う色変換定義を作成することができる。
また、本発明の色変換定義作成方法において、第1の色空間で色が表現された、画像を表わす画像データを取得する画像取得過程と、
画像取得過程で取得された画像データが表わす画像の色の分布において、色表現領域外に食み出す色の割合を取得する色割合取得過程とを有し、
色変換定義合成過程は、色割合取得過程で取得された色の割合が大きいほど、第2の色変換定義を優先して合成する過程であることが好ましい。
第2ガマットから食み出してしまって、第2のデバイスでは表現することのできない色の割合が大きい画像は、第2の色変換定義を優先して合成することによって、階調性が保たれた高精度な色変換を行うことができる。
また、上記目的を達成する本発明の色変換定義作成装置は、第1のデバイスに依存した第1の色空間と、第2のデバイスに依存した第2の色空間との間の座標変換を定義した色変換定義を作成する色変換定義作成装置において、
第1の色空間と第2の色空間との間の等色な座標変換を定義した第1の色変換定義を取得する色変換定義取得部と、
第1の色変換定義によって定義された座標変換よりも階調欠陥が少ない座標変換を定義した第2の色変換定義を生成する色変換定義生成部と、
第1の色変換定義と第2の色変換定義とを、第2のデバイスによって色が表現可能な色表現領域の端側では第2の色変換定義を優先し、色表現領域の内側では第1の色変換定義を優先して合成する色変換定義合成部とを備えたことを特徴とする。
尚、本発明の色変換定義作成装置には、本発明の色変換定義作成方法の各種態様に対応する各種態様全てが含まれる。
また、上記目的を達成する本発明の色変換定義作成プログラムは、コンピュータ内で実行され、そのコンピュータに、第1のデバイスに依存した第1の色空間と、第2のデバイスに依存した第2の色空間との間の座標変換を定義した色変換定義を作成させる色変換定義作成プログラムにおいて、コンピュータ上で、
第1の色空間と第2の色空間との間の等色な座標変換を定義した第1の色変換定義を取得する色変換定義取得部と、
第1の色変換定義によって定義された座標変換よりも階調欠陥が少ない座標変換を定義した第2の色変換定義を生成する色変換定義生成部と、
第1の色変換定義と前記第2の色変換定義とを、第2のデバイスによって色が表現可能な色表現領域の端側では第2の色変換定義を優先し、色表現領域の内側では第1の色変換定義を優先して合成する色変換定義合成部とを構成すること特徴とする。
本発明の色変換定義作成プログラムをコンピュータ内で実行させることによって、そのコンピュータを上記のような色変換定義作成装置として動作させることができる。
また、上記本発明の色変換定義作成装置と、上記色変換定義作成プログラムとでは、それらを構成する構成要素名として、色変換定義生成部などといった互いに同一の名称を付しているが、色変換定義作成プログラムの場合は、そのような作用をなすソフトウェアを指し、色変換定義作成装置の場合は、ハードウェアを含んだものを指している。
さらに、本発明の色変換定義作成プログラムを構成する色変換定義生成部などといった構成要素は、1つの構成要素の機能が1つのプログラム部品によって担われるものであってもよく、1つの構成要素の機能が複数のプログラム部品によって担われるものであってもよく、複数の構成要素の機能が1つのプログラム部品によって担われるものであってもよい。また、これらの構成要素は、そのような作用を自分自身で実行するものであってもよく、あるいは、コンピュータに組み込まれている他のプログラムやプログラム部品に指示を与えて実行させるものであっても良い。
本発明によれば、色の調子の不連続性や、不自然な印象の画像となってしまうというなどといった不都合を避けつつ、ある色表現領域から別の色表現領域に高精度な写像を行うことのできる色変換定義を作成する色変換定義作成方法、色変換定義作成プログラムを提供することができる。
以下、本発明の実施形態について説明する。
図1は、本発明の一実施形態が適用された画像入力−色変換−画像出力システムの全体構成図である。
ここには、カラースキャナ10が示されており、そのカラースキャナ10では原稿画像11が読み取られてRGB3色の画像データが生成される。このカラースキャナ10は、本発明にいう第1のデバイスの一例にあたり、カラースキャナ10の色空間(ここでは、RGB色空間)は、本発明にいう第1の色空間の一例に相当する。生成されたRGBの画像データはパーソナルコンピュータ20に入力される。パーソナルコンピュータ20では、カラースキャナ10で得られた画像データが、後述するカラープリンタ30に適した画像出力用のRGB3色の画像データに変換される。この画像出力用の画像データは、カラープリンタ30に入力され、そのカラープリンタ30では、入力された画像データに基づくプリント出力が行われて、プリント画像31が形成される。カラープリンタ30は、本発明にいう第2のデバイスの一例にあたり、カラープリンタ30の色空間(ここでは、RGB色空間)は、本発明にいう第2の色空間の一例に相当する。
ここで、このパーソナルコンピュータ20は、本発明にいう色変換定義作成装置の一実施形態を兼ねており、このパーソナルコンピュータ20では、あらかじめ色変換定義(本実施形態においては、色変換プロファイル)が作成される。カラースキャナ10で得られた画像データがカラープリンタ30用の画像データに変換される際には、作成された色変換プロファイルが参照される。この色変換プロファイルの作成方法については後述する。
この図1に示すシステムにおける、本発明の一実施形態としての特徴は、パーソナルコンピュータ20の内部で実行される処理内容にあり、以下、このパーソナルコンピュータ20について説明する。
図2は、図1に1つのブロックで示すパーソナルコンピュータの外観斜視図、図3はそのパーソナルコンピュータのハードウェア構成図である。
このパーソナルコンピュータ20は、外観構成上、本体装置21、その本体装置21からの指示に応じて表示画面22a上に画像を表示する画像表示装置22、本体装置21にキー操作に応じた各種の情報を入力するキーボード23、および、表示画面22a上の任意の位置を指定することにより、その位置に表示された、例えばアイコン等に応じた指示を入力するマウス24を備えている。この本体装置21は、外観上、フレキシブルディスク(以下では、FDと省略する)を装填するためのFD装填口21a、およびCD−ROMを装填するためのCD−ROM装填口21bを有する。
本体装置21の内部には、図3に示すように、各種プログラムを実行するCPU211、ハードディスク装置213に格納されたプログラムが読み出されCPU211での実行のために展開される主メモリ212、各種プログラムやデータ等が保存されたハードディスク装置213、FD100が装填され、その装填されたFD100をアクセスするFDドライブ214、CD−ROM110をアクセスするCD−ROMドライブ215、図1のカラースキャナ10と接続され、カラースキャナ10から画像データを受け取る入力インタフェース216、図1のカラープリンタ30と接続され、カラープリンタ30に画像データを送る出力インタフェース217が内蔵されており、これらの各種要素と、さらに図2にも示す画像表示装置22、キーボード23、およびマウス24は、バス25を介して相互に接続されている。
ここで、CD−ROM110には、このパーソナルコンピュータ20を本発明の色変換定義作成装置の一実施形態として動作させるための色変換定義作成プログラムが記憶されており、そのCD−ROM110はCD−ROMドライブ215に装填され、そのCD−ROM110に記憶された色変換定義作成プログラムがこのパーソナルコンピュータ20にアップロードされてハードディスク装置213に記憶される。こうして、パーソナルコンピュータ20は本発明の色変換定義作成装置の一実施形態として動作する。
続いて、この図1のパーソナルコンピュータ20内で実行される、色変換定義作成プログラムについて説明する。
図4は、本発明の色変換定義作成プログラムの一実施形態が記憶されたCD−ROMを示す概念図である。
色変換定義作成プログラム300は、色変換定義取得部310、色変換定義生成部320、領域部分指定部330、および色変換定義合成部340で構成されている。この色変換定義取得部310は、本発明の色変換定義作成プログラムにおける色変換定義取得部の一例に相当し、同様に、色変換定義生成部320は、本発明の色変換定義作成プログラムにおける色変換定義生成部の一例、領域部分指定部330は、本発明の色変換定義作成プログラムにおける領域部分指定部の一例、色変換定義合成部340は、本発明の色変換定義作成プログラムにおける色変換定義合成部の一例にそれぞれ相当する。
色変換定義作成プログラム300の各部の細部については、本発明の一実施形態である色変換定義作成装置の各部の作用と併せて説明する。
図5は、この色変換定義作成プログラム300を図1のパーソナルコンピュータ20にインストールし、パーソナルコンピュータ20を本発明の色変換定義作成装置の一実施形態として動作させるときの色変換定義作成装置400の機能ブロック図である。
色変換定義作成装置400は、色変換定義取得部410、色変換定義生成部420、領域部分指定部430、および色変換定義合成部440を備えている。
図4に示す色変換定義作成プログラム300を図1〜図3に示すパーソナルコンピュータ20にインストールすると、色変換定義作成プログラム300の色変換定義取得部310は図5に示す色変換定義取得部410を構成し、同様に、色変換定義生成部320は色変換定義生成部420を構成し、領域部分指定部330は領域部分指定部430を構成し、色変換定義合成部340は色変換定義合成部440を構成する。
色変換定義取得部410は、図1に示すカラースキャナ10に依存した入力色空間(RGB色空間)と、カラープリンタ30に依存した出力色空間(RGB色空間)との間の等色な座標変換が定義された等色プロファイル411を取得する。この等色プロファイル411は、本発明にいう第1の色変換定義の一例にあたり、色変換定義取得部410は、本発明の色変換定義作成装置における色変換定義取得部の一例に相当する。
色変換定義生成部420は、等色プロファイル411によって定義された座標変換よりも階調性に優れた座標変換が定義された階調プロファイル421を生成する。この階調プロファイル421は、本発明にいう第2の色変換定義の一例にあたり、色変換定義生成部420は、本発明の色変換定義作成装置における色変換定義生成部の一例に相当する。
領域部分指定部430は、図2に示すキーボード23やマウス24がその役割を担うものであり、オペレータからの指示によって、カラープリンタ30で表現可能な色表現領域(出力ガマット)内の領域部分を指定する。この領域部分指定部430は、本発明の色変換定義作成装置における領域部分指定部の一例に相当する。
色変換定義合成部440は、等色プロファイル411と階調プロファイル421とを、出力ガマットの境界近傍は階調プロファイル421を優先し、出力ガマットの内側では等色プロファイルを優先し、領域部分指定部430で指定された領域部分は、予め決められた割合で合成する。これら等色プロファイル411と階調プロファイル421とを合成して得られた色変換プロファイル441は、本発明にいう色変換定義の一例にあたり、色変換定義合成部440は、本発明の色変換定義作成装置における色変換定義合成部の一例に相当する。
図1のカラースキャナ10で読み取られた入力画像データは、色変換定義合成部440によって生成された色変換プロファイル441に従ってカラープリンタ30用の出力画像データに変換される。
色変換定義作成装置400は、基本的には以上のように構成されている。
図6は、図5の色変換定義作成装置によって色変換プロファイルが作成される一連の処理を示すフローチャートである。以下では、図6のフローチャートを使って、色変換プロファイルを生成する一連の処理について説明する。
まず、図5の色変換定義取得部410において、等色プロファイル411が取得される(図6のステップS11)。
等色プロファイル411は、入力色空間とデバイス非依存の共通色空間との間の座標変換が定義された入力プロファイルと、出力色空間と共通色空間との間の座標変換が定義された出力プロファイルとが結合されて構成されている。これらプロファイルは、図1に示すカラースキャナ10やカラープリンタ30を製造しているメーカ等から提供されることが多いが、ここでは、入力/出力プロファイル、および等色プロファイル411を新たに作成する場合の基本的な作成方法について説明する。尚、入力/出力プロファイルを作成する際に用いられる共通色空間の一例であるL***色空間は、特に青方向において、L***色空間上の色相角と人間の知覚的な色相とがずれているという不都合がある。この色相のずれは、共通色空間としてLuv色空間を使うことによって改善されるが、メーカ等から提供される入力/出力プロファイルではL***色空間が用いられることが一般的であるため、以下では、共通色空間としてL***色空間を適用する場合について説明する。
図7、図8、図9は、入力プロファイル、出力プロファイル、および等色プロファイルの概念図である。
図7には、入力プロファイルの概念図が示されている。入力プロファイルを生成するときには、図1に示す原稿画像11に代えて、多数の色パッチからなるカラーパッチ画像11aを用意し、そのカラーパッチ画像11aをカラースキャナ10で読み取って、各色パッチごとのRGB色空間上の色データを得るとともに、そのカラーパッチ画像11aを測色計で測色して、各色パッチについて、例えば、共通色空間の一例であるL***色空間上の座標を表わす色データを得る。これらRGB色空間上の色データ(座標値)と、L***色空間上の色データ(座標値)とを対応付けることによって入力プロファイルが得られる。この入力プロファイルは、カラースキャナ10の種類や、さらに一般的には入力デバイスの種類によってそれぞれ異なる、入力デバイスに依存したプロファイルである。
図8には、出力プロファイルの概念図が示されている。出力プロファイルを生成する際には、図1に示すパーソナルコンピュータ20から、RGB3色の色データとして、R,G,Bそれぞれの値を順次変化させた色データを生成し、そのようにして発生させた色データに基づくカラーパッチ画像31aをプリント出力する。さらに、カラーパッチ画像31aを構成する各色パッチを測色計で測色する。こうすることにより、RGB3色の色空間上の座標値と共通色空間(L***色空間)上の座標値との対応関係を表わす出力プロファイルが構築される。この出力プロファイルは、出力デバイスに応じてそれぞれ異なる、出力デバイスに依存したプロファイルである。
以上のようにして生成された、あるいは、メーカ等から提供された入力プロファイルと出力プロファイルとが結合されて、等色プロファイル411が生成される。ここで、カラースキャナ10で表現される白および黒が、カラープリンタ30で表現される白および黒と測色的に大きく異なる場合には、入力/出力プロファイルが結合される前に、カラースキャナ10とカラープリンタ30それぞれによって表現される白および黒の色合わせ(順応変換)が行われる。
図10は、L***空間におけるカラースキャナ10の色表現領域およびカラープリンタ30の色表現領域を示している。
本実施形態においては、入力色空間および出力色空間ともに同じRGB色空間であるが、カラースキャナ10の色表現領域511a(以下では、共通入力ガマット511aと称する)とカラープリンタ30の色表現領域521a(以下では、共通出力ガマット521aと称する)は大きく異なっている。ここでは、コンクリース変換(Von Kries変換)を応用した順応変換が行われる。すなわち、カラースキャナ10で画像データに変換される前の原稿画像11で表現される白(原稿画像11の用紙の色)に相当する座標点W1と、原稿画像11として表現することのできる黒(例えば原稿画像11がR,G,B3色それぞれに発色するリバーサルフィルムのとき、R,G,Bそれぞれが最も高濃度に発色した状態)に相当する座標点K1が、それぞれカラープリンタ30で出力されるプリント画像31の白(そのプリント画像の用紙の色)に相当する座標点W3とそのカラープリンタ30で出力することのできる黒(例えばそのカラープリンタ30がR,G,B3色のインクで画像出力を行なうプリンタの場合、R,G,Bの各色のインクを最大量使って印刷した状態)に相当する座標点K3に一致するように座標変換が行なわれる。
先ず、図10のパート(A)に示す、カラースキャナ10の共通入力ガマット511aとカラープリンタ30の共通出力ガマット521aを、図10のパート(B)に示すように、各黒点K1,K2が原点O(理論上の黒点)に一致するように平行移動する。これにより、カラースキャナ10の共通入力ガマット511bの黒点K1とカラープリンタ30の共通出力ガマット521bの黒点K3とが一致する。
次に、この平行移動後の、カラースキャナ10の共通入力ガマット511bの白点W1が、平行移動後の、カラープリンタ30の共通出力ガマット521bの白点W3に一致するように、すなわち図10のパート(B)の直線L1が直線L3に一致するように、カラースキャナの共通入力ガマット511b全体について回転及び伸縮を伴う座標変換が行なわれる。
図10のパート(C)は、この回転及び伸縮を伴う座標変換を行なった後の状態を示しており、カラースキャナの共通入力ガマットは、図10のパート(B)に示す共通入力ガマット511bから図10のパート(C)に示す共通入力ガマット511cのように変換される。このとき、カラースキャナ10の共通入力ガマットの白点W1は、カラープリンタ30の共通出力ガマットの白点W3に一致する。
その後、図10のパート(D)に示すように、カラースキャナ10の共通入力ガマット511cを、カラープリンタ30のもともとの共通出力ガマット、すなわち図10のパート(A)に示す、カラープリンタ30の共通出力ガマット521aの白点W3,黒点K3に一致する位置まで平行移動する。
こうすることにより、白点W1,黒点K1がカラープリンタ30の白点W3,黒点K3にそれぞれ一致した、カラースキャナの共通入力ガマット511dを得ることができる。
以上の操作を式で示すと、以下のようになる。図10は、L***空間における色表現領域を示したが、コンクリース変換やそのコンクリース変換を応用した上記の順応変換はXYZ空間で実行されることが多く、ここではXYZ空間を想定して説明する。このXYZ空間の各座標点はL***空間の各座標点とも対応する共通色空間の1つである。
図10のパート(A)に示すカラースキャナの共通入力ガマット511aの白点W1,黒点K1のXYZ座標をそれぞれ(LXW1,LYW1,LZW1),(LXK1,LYK1,LZK1)とし、図10のパート(A)に示すカラープリンタの共通出力ガマット521aの白点W3,黒点K3のXYZ座標をそれぞれ(LXW3,LYW3,LZW3),(LXK3,LYK3,LZK3)としたとき、図10のパート(B)に示す各白点W1,W3に相当するXYZ座標(LXW1’,LYW1’,LZW1’),(LXW3’,LYW3’,LZW3’)を、各式
LXW1’=LXW1−LXK1
LYW1’=LYW1−LYK1
LZW1’=LZW1−LZK1 ……(1)
LXW3’=LXW3−LXK3
LYW3’=LYW3−LYK3
LZW3’=LZW3−LZK3 ……(2)
により求め、白点W1(LXW1’,LYW1’,LZW1’)が白点W3(LXW3’,LYW3’,LZW3’)に一致するように回転及び伸縮するためのコンクリース(Von Kries)マトリックスを作成する。
ここでは、このコンクリースマトリックスを、
VK=[MTXVK] ……(3)
と表記する。このコンクリースマトリックスは3行×3列のマトリックスとなる。
次に、カラースキャナ10に依存したRGB空間内の座標点がL***空間に写像され、さらにXYZ空間に変換された(あるいは、カラースキャナ10に依存したRGB空間から直接にXYZ空間に写像された)多数の座標点を代表させて(X,Y,Z)で表わすと、
この(X,Y,Z)が
X1=X−LXK1
Y1=Y−LYK1
Z1=Z−LZK1 ……(4)
により黒点補正(図10のパート(B)参照)がなされ、次に
Figure 2005318391
によりコンクリース変換が行なわれ(図10のパート(C)参照)、次に
X’=X2−LXK3
Y’=Y2−LYK3
Z’=Z2−LZK3 ……(5)
により、黒点をカラープリンタの黒点に一致させるための補正(図10のパート(D)参照)が行なわれる。
以上の演算を全ての座標点について行なうことにより、L***空間で表わしたときの図10のパート(A)に示すカラースキャナ10の共通入力ガマット511aが、白点、黒点がカラープリンタ30の共通出力ガマット521aの白点、黒点にそれぞれ一致した、図10のパート(D)に示す共通入力ガマット511dに変換される。
上記の順応変換をXYZ空間で行なうと、順応変換前の黒点(図10のパート(A)の黒点K1,K3)の座標(X,Y,Z)がほぼ(0,0,0)に近く、したがって黒点の補正は数値を僅かに変化させるだけであって、(1)式,(2)式に従って白点の座標を移動させてもその移動量は僅かで済み、XYZ空間内の広い領域を使って順応変化を行なうことができる点で有利であるが、この順応変化は、必ずしもXYZ空間で行なわなければならない訳でなく、L***空間で行なってもよく、あるいはその他の共通色空間で行なってもよい。
また、ここでは、白点と黒点との双方をそれぞれ一致させる順応変換について説明したが、色変換の精度は多少落ちるものの、簡単的には、黒点は考慮せずに白点のみ一致させるように順応変換を行なってもよい。
この白点のみ一致させる順応変換は、図10を参照して説明すると、図10のパート(A)に示す直線L1’が直線L3’に一致するとともに白点W1が白点W3に一致するような座標変換をいい、数式的には、(1)式,(2)式のように黒点の座標を引き算することなく、白点W1(LXW1,LYW1,LZW1)が白点W3(LXW3,LYW3,LZW3)に一致するように回転及び伸縮するためのコンクリースマトリックスを求め、(4)式のように、黒点の座標を引き算することなく、そのコンクリースマトリックスを使って(X,Y,Z)をそのまま変換することを意味する。
さらに、この順応変換は、例えばCRTディスプレイ表示画面上の‘白’はかなり青みかかった白であり、そのCRTディスプレイ表示画面に表示された画像をプリント出力する必要があるときのような、測色的にかなり離れた白を持つデバイス間での色変換の場合に必要となるが、例えば白い用紙上に記録された画像を図1に示す原稿画像11としてカラースキャナ10で画像データを得、カラープリンタ30でも白い用紙上に画像を出力する場合のような、双方の‘白’がほぼ一致している場合、この順応変換は省略してもかまわない。
以上のような順応変換が入力プロファイル上の全ての座標点について実行され、白点と黒点が補正された入力プロファイルが生成される。
白黒点補正が施された入力プロファイルが生成されると、図9に示すように、補正後の入力プロファイルと出力プロファイルとが結合されて、等色プロファイル411が生成される。ただし、図10に示すように、カラースキャナ10の入力ガマットとカラープリンタ30の出力ガマットとが一般的には一致しないため、入力色空間の座標と出力色空間の座標とを単純に対応付けられない領域が生じる。例えば、カラースキャナ10が原稿画像11をR,G,Bそれぞれについて0〜255の範囲の数値を表わす画像データに変換するものとし、カラープリンタ300が0〜255の範囲の数値で表わされた画像データに基づいてプリント画像31をプリント出力するものとすると、入力色空間上の画像データを出力色空間上の画像データに変換する際に、変換後の画像データの値が(R,G,B)=(−100,260,200)などというように、数値範囲外の値になってしまうことがある。ここでは、R,G,Bそれぞれについて、例えば、(R,G,B)=(−100,260,200)という画像データは、(R,G,B)=(0,250,200)に置き換えるというように、255より大きい値は255に、マイナスの値は0に単純にクリップされる。
以上のようにして生成された等色プロファイル411を用いて色変換処理を行うと、入力ガマットと出力ガマットとの共通領域内の画像データについては、入力色空間上の入力画像データを、その入力画像データが表わす画像の色と等色な画像を表わす出力色空間上の出力画像データに精度良く変換することができるが、共通領域外の画像データについては、階調がつぶれてしまう。尚、ここでは、入力/出力プロファイルから等色プロファイル411を作成する例について説明したが、一般的に出回っている色変換プロファイルを等色プロファイルとして取得してもよい。
図6のステップS11における等色プロファイルが取得される過程は、本発明の色変換定義作成方法における色変換定義取得過程の一例に相当する。
等色プロファイル411が取得されると、続いて、図5の色変換定義生成部420において、階調プロファイル421が生成される。
階調プロファイル421を生成する際には、まず、等色プロファイル411の場合と同様の順応変換が行われ(図6のステップS12)、カラースキャナ10とカラープリンタ30の白黒点が補正される。
順応変換が終了すると、続いて、入力色空間内に入力基準線が設定される(図6のステップS13)。
図11は、入力色空間(RGB色空間)を示す模式図である。
ここでは、カラースキャナ10に依存した入力色空間600内の複数の点を結んだ入力基準線が設定される。この入力基準線は、入力色空間600上のいずれの直線あるいは曲線であってもよいが、色の調子の不連続性などといった不都合が生じることが多い、色空間の境界線を入力基準線として設定することが好ましい。本実施形態においては、入力色空間600の8頂点のうちの隣り合う2頂点をそれぞれ結ぶ、入力色空間600を取り囲む12本の境界線が入力基準線として設定されるものとする。
入力色空間600内の相互に異なる2点をそれぞれ点P0(R0,G0,B0)、点P1(R1,G1,B1)とすると、それら点P0と点P1とを結ぶ入力基準線上の任意の点P(R,G,B)は、変数t(0≦t≦1)を用いて以下のように示される。
R=(1−t)×R0+t×R1
G=(1−t)×G0+t×G1
B=(1−t)×B0+t×B1 ……(6)
説明の便宜上、以下では上記12本の入力基準線のうち頂点PK(0,0,0)と頂点PR(255,0,0)とを結んだ入力基準線K−Rについて代表して説明する。入力基準線K−Rにおいては、頂点PKは点P0、頂点PRは点P1にそれぞれ相当し、入力基準線K−R上の任意の点P(R,G,B)は、上記式(6)によってそれぞれ以下のように表わされる。
R=(1−t)×0+t×255=t×255
G=(1−t)×0+t×0=0
B=(1−t)×0+t×0=0 ……(6)’
入力基準線が設定されると、入力基準線上の座標と、その座標によって表現される色となるべく近い色を表現する、色の階調性が保たれた出力色空間の座標との近似対応関係が生成される(図6のステップS14)。
まずは、入力基準線上の各座標と、入力基準線が出力色空間に等色に写像されてなる出力基準線上の各座標との等色対応関係が取得される。ここで、本発明にいう「等色」とは、色度値が一致する測色的な等色だけでなく、上述した順応変換を経た、見た目に同じ色を表わす生理的な等色であってもよい。
上記式(6)’において、変数tを所定間隔Δtずつt=0,t1,t2,…,tn,1と変化させたときの入力基準線上の各座標P(R,G,B)が取得される。
続いて、入力基準線上の各座標P(R,G,B)が図7に示す入力プロファイルを使ってL***色空間上の各座標に変換され、変換されたL***色空間上の各座標が前述の順応変換を経て、さらに図8に示す出力プロファイルによって出力色空間の各座標P’(R’,G’,B’)に変換される。これら出力色空間の各座標P’(R’,G’,B’)を結んだ出力基準線は、入力基準線が出力色空間上に等色に写像されたものである。
以上のようにして得られた入力基準線上の各座標P(R,G,B)と、出力基準線上の各座標P’(R’,G’,B’)とが対応付けられて、等色対応関係が取得される。
図12は、頂点PKと頂点PRとを結んだ入力基準線K−Rにおける等色対応関係と、入力基準線K−Rにおける近似対応関係が示されたグラフである。
等色対応線701Rは、横軸に変数t、縦軸に変数tのときの入力基準線上の座標P(R,G,B)と対応付けられた出力基準線上の座標P’(R’,G’,B’)のR規格値(R’/255)をそれぞれ対応付けたグラフであり、同様に、等色対応線701Gは、横軸に変数t、縦軸に座標P’のG規格値(G’/255)をそれぞれ対応付けたグラフであり、等色対応線701Bは、横軸に変数t、縦軸に座標P’のB規格値(B’/255)をそれぞれ対応付けたグラフである。変数tは、上記式(6)’によって入力基準線上の座標P(R,G,B)を導くことができる値であるため、これら等色対応線701R,701G,701Bは、横軸に入力基準線上の座標P(R,G,B)、縦軸に出力基準線上の座標P’(R’,G’,B’)をそれぞれ対応付けたグラフと同義である。等色対応線701Rによると、変数tが大きくなるほど、つまり、入力基準線上の座標が頂点PKから遠ざかるほど、出力色空間上における座標の階調がつぶれてしまっていることがわかる。
続いて、入力基準線上の2点それぞれを出力色空間上に変換するときの、出力色空間上の目標座標がそれぞれ取得される。ここでは、図11に示す入力色空間600上の頂点PK(0,0,0)と頂点PR(255,0,0)とを結んだ入力基準線K−Rにおいて、それら頂点PK(0,0,0)および頂点PR(255,0,0)それぞれに対応する出力色空間の目標座標PK’(0,0,0)および目標座標PR’(255,0,0)が取得されたものとする。
図12に示された点TPKは、入力基準線K−R上の点PK(0,0,0)に相当するt=0と、点PK(0,0,0)における出力色空間の目標座標PK’(0,0,0)のR規格値とが対応付けられた点であり(さらに、t=0と、目標座標PK’(0,0,0)のG規格値およびB規格値それぞれとが対応付けられた点でもある)、点TPRは、入力基準線K−R上の点PR(255,0,0)に相当するt=1と、点PR(255,0,0)における目標座標PR’(255,0,0)のR規格値とが対応付けられた点であり、同様に、点TPGは、変数t=1と目標座標PR’のG規格値とが対応付けられた点であり、点TPBは、変数t=1と目標座標PR’のB規格値とが対応付けられた点である。これら点TPKおよび点TPRを通り、等色対応線701Rに近似した近似対応線F_R(t)、点TPKおよび点TPGを通り、等色対応線701Gに近似した近似対応線F_G(t)、点TPKおよび点TPBを通り、等色対応線701Bに近似した近似対応線F_B(t)を生成する。近似対応線F_R(t)および近似対応線F_B(t)については、点TPKと点TPG(=点TPB)は共に出力規格値が0であり、
F_B(t)=F_R(t)=0
であることがわかる。以下では、近似対応線F_R(t)を算出する過程について説明する。点TPKと点TPRと結んだ基本直線F1R(t)は、変数tを用いて、
1R(t)=1.0×t ……(7)
と表わされる。近似対応線F_R(t)は、式(7)と変数tに関する式F2R(t)を使って、
F_R(t)=F1R(t)+F2R(t) ……(8)
と定義することができる。この近似対応線F_R(t)を所定の条件下で等色対応線701Rに近似させる。式(8)におけるF2R(t)項としては、多項式やスプライン関数などが用いられる。近年、コンピュータで曲線を表現する方式のひとつであるペジュ曲線が適用されたB−スプライン関数が知られており、このB−スプライン関数を用いることによって、容易にF2R(t)項を算出し、近似対応線F_R(t)を求めることができる。ここでは、F2R(t)項として、一般的なスプライン関数を用いる方法について説明する。
スプライン関数S(t)は、ピーク位置
をpとすると、
S(t)={t3+3t2(t−|p|)+3t(t−|p|)2−3(t−|p|)3}/6t3 (|p|≦tの場合)
S(t)=(2t−|p|)3/6t3 (t≦|p|≦2tの場合)
S(t)=0 (2t<|p|<tの場合)
で表わされる関数であり、ピーク位置の異なる複数のスプライン関数を用意し、それらに相互に独立な重み係数を付加して和をとることによって、自在定規のように任意の滑らかな曲線を作成することができる。例えば、m個のスプライン関数を用意して、そのi番目のスプライン関数をSi(t)、重み係数をxiとすると、R色の近似対応線F_R(t)は、
F_R(t)=F1R(t)+F2R(t)={1.0×t}+{x1×S1(t)+x2×S2(t)+…+xm×Sm(t)} ……(9)
と表わすことができる。この近似対応線F_R(t)を等色対応線701Rに近似させるためには、複数の変数tにおいて、
評価関数Q(t)=F_R(t)−(等色対応線701Rにおいて、変数tと対応付けられたR規格値(R’/255))
を算出し、それら評価関数Q(t)の総和が最小になるように、式(9)の重み係数xiを求めて、近似対応線F_R(t)を決定すればよい。また、以下に示す条件1〜条件4を超えてしまったときには、評価関数Q(t)に大きなペナルティ値を加算することによって、条件1〜条件4を満たすような近似対応線F_R(t)を決定する。
まず、第1の条件は、近似対応関係が単調変化関係という条件である。この第1の条件を満たすには、近似対応関係における変化率の符号が常に同じであればよい。この例では、式(6)’から算出される入力基準線上のR規格値(F1R(t)=1.0×t)と、式(9)から算出される出力色空間の座標のR規格値(F_R(t))との対応関係において、変数tを0から1の間で所定間隔Δtずつ変化させたときに、
変化率ΔF_R/ΔF1R={F_R(t+Δt)−F_R(t)}/{(t+Δt)−t} ……(10)
の値が常に正であればよい。この第1の条件を満たすことによって、色変換後の画像に色の反転が生じる不具合を防ぐことができる。
第2の条件は、近似対応関係における変化率が常に所定の変化率以下であるという条件である。この例では、変数tを0から1の間で所定間隔Δtずつ変化させたときに、式(10)に示す変化率ΔF_R/ΔF1Rが常に所定の変化率(例えば、ガンマ係数など)以下であればよい。この第2の条件を満たすことによって、トーンジャンプや階調つぶれなどが軽減された高精度な色変換を行うことができる。
第3の条件は、入力基準線上の座標と、近似対応関係においてその座標と対応付けられる出力色空間上の座標が共通色空間上に写像された座標との対応関係が単調変化関係であるという条件である。この例では、式(6)から算出される入力基準線上の座標RGB(t)と、式(9)から算出される出力色空間の座標RGB(t)’(ただし、G,B色の座標は0)を図8に示す出力プロファイルによってL***色空間上に変換した座標L***(t)’との対応関係において、変数tを0から1の間で所定間隔Δtずつ変化させたときに、
変化率ΔL***’/ΔRGB={L***(t+Δt)’−L***(t)’}/{RGB(t+Δt)−RGB(t)} ……(11)
の値が常に正であればよい。RGB色空間は、一般に、L***色空間等に対して非線形に対応しているので、その非線形性に起因した色の反転を生じる恐れがあるが、この第3の条件を満たすことによって、色の反転などをより確実に防ぐことができる。
また、第4の条件は、入力基準線上の座標と、近似対応関係においてその座標と対応付けられる出力色空間上の座標が共通色空間上に写像された座標との対応関係における変化率が常に所定値以下である。この例では、変数tを0から1の間で所定間隔Δtずつ変化させたときに、式(11)に示す変化率ΔL***’/ΔRGBが常に所定の変化率以下であればよい。この第4の条件を満たすことによって、トーンジャンプや階調つぶれなどを防ぐことができる。
以上のような手順によって、重み係数xjを算出し、式(9)に示す近似対応線F_R(t)を決定する。
これら近似対応線F_R(t),F_G(t),F_B(t)は、階調の反転や階調つぶれがなく、目標座標を通っており、図12に示す等色対応線701R,701G,701Bに近似している。尚、これら近似対応線F_R(t),F_G(t),F_B(t)は、横軸に変数t、縦軸に変数tにおける出力色空間の座標の規格値をそれぞれ対応付けたグラフである。変数tは、上記式(6)’によって入力色空間の座標P(R,G,B)を導くことができる値であるため、これら等色対応線F_R(t),F_G(t),F_B(t)は、横軸に入力基準線上の座標、縦軸に出力色空間の座標をそれぞれ対応付けたグラフと同義である。
上述した図6のステップS13およびステップS14の処理によって、図11に示す入力色空間600の、入力基準線K−R以外の11本の境界線における近似対応関係を生成する。
全ての入力基準線における近似対応関係が生成されると、入力色空間の、入力基準線上の座標以外の座標と出力色空間の座標との対応関係が生成される(図6のステップS15)。
本実施形態においては、ステップS14までの過程において生成された近似対応関係を使って、入力基準線上の座標以外の座標と出力色空間の座標との対応関係が求められる。この対応関係を求める方法としては、入力基準線外の座標を入力基準線上の座標を使って補間する方法(特開2003−274206参照)や、上述したスプライン関数や多項式近似によって算出する方法や、モーフィングによって算出する方法などといった既知の方法を適用することができるので、ここではこれ以上の説明は省略する。
以上のように生成された近似対応関係、および、ステップS15において求められた、入力基準線上の座標以外の座標と出力色空間の座標との対応関係は、階調プロファイル421として定義される。この階調プロファイル421によると、入力基準線上の座標は階調性を保って高精度に出力色空間の座標に変換されるとともに、入力基準線上の座標以外の座標も、滑らかに繋がるように出力色空間の座標に変換される。しかし、この階調プロファイル421は、階調性が重視されたために、等色プロファイル411よりも等色性が劣る。図6のステップS12からステップS15における階調プロファイル421を生成する一連の過程は、本発明の色変換定義作成方法における色変換定義生成過程の一例に相当する。
特色プロファイル411、および階調プロファイル420が生成されると、図5の色変換定義合成部440では、それら特色プロファイル411、および階調プロファイル420が合成されるが、その前に、オペレータによって、肌の色や空の色などといった画像における重要な色が指定される(図6のステップS16)。
パーソナルコンピュータ20には、重要な色を指定するための設定用画面が予め用意されており、オペレータは、その設定用画面に従って「重要な色」を指定する。ここで指定された「重要な色」付近の領域については、等色性を重視した色変換処理が施される。この例では、肌の色が重要な色として指定されたものとする。指定された重要な色の情報は、領域部分指定部430から色変換定義合成部440に伝えられる。このステップS16における重要な色を指定する過程は、本発明の色変換定義作成方法における領域部分指定過程の一例に相当する。
重要な色の指定を受けると、図5の色変換定義合成部440では、特色プロファイル411、および階調プロファイル420が合成される(図6のステップS17)。等色プロファイル411によって定義された等色座標変換F1、階調プロファイル421によって定義された階調座標変換F2、それらに付加される加重係数w1,w2を使って、合成後の色変換プロファイル441によって定義される合成座標変換F3は、
合成座標変換F3=w1×等色座標変換F1+w2×等色座標変換F2 …… (12)
と表わされる。
図13は、図10にも示す共通入力ガマット、および共通出力ガマットの概念図である。
ここで、L***色空間においては、L*軸は明度にほぼ一致しており、a*軸は彩度にほぼ一致している。彩度(a*座標値)が比較的小さい内側領域部分S1は、共通入力ガマット511および共通出力ガマット521の共通領域部分であり、等色プロファイル411を使っても、階調性が保たれた色変換を行うことができる。しかし、彩度が比較的高く、内側領域部分S1よりも外側の外側領域部分S2については、共通入力ガマット511および共通出力ガマット521の境界近傍に位置し、等色プロファイル411を使って色変換を行うと、上述したクリッピングによって階調がつぶれてしまうなどという問題がある。したがって、外側領域部分S2は、階調性が保たれた階調プロファイル421を使って色変換を行うことが好ましい。
以上のようなことを踏まえ、色変換定義合成部440において、等色プロファイル411と階調プロファイル421とを合成する際に付加される加重係数が算出される。本実施形態においては、入力色空間上の座標P(R,G,B)が表わす色の彩度に応じて、等色プロファイル411の加重係数w1、階調プロファイル421の加重係数w2が算出される。
まず、入力色空間上の座標P(R,G,B)におけるR,G,B規格値の最大値MAXと最小値MINを取得する。これら最大値MAXと最小値MINとの差(DIF=MAX−MIN)が大きいほど、その座標Pが表わす色のグレー成分が小さく(彩度が高い)、図13のL***色空間のL*軸から遠くなる。また、差DIFが小さいほど、その座標Pが表わす色のグレー成分が多くなり(彩度が低い)、L***色空間のL*軸に近づく。このことから、等色プロファイル411の加重係数w1、階調プロファイル421の加重係数w2を
加重係数w1=1−w2
加重係数w2=DIF2 ……(13)
とし、上記式(12)に代入する。式(13)の加重係数w1,w2によると、内側領域部分S1のような低彩度領域部分は等色プロファイル411が優先して合成され、外側領域部分S2のような高彩度領域部分は階調プロファイル421が優先して合成される。
また、図13に示す、明度が比較的低い(L*値が小さい)グレーを表わす低明度グレー領域部分S3は、彩度が低いため、式(13)の加重係数w1,w2によると等色プロファイル411の方が優先して合成される。しかし、明度が低く、暗いグレーの場合には、色味の違いが見た目にはほとんど認識できないため、等色性よりも階調性の方が重要となる。したがって、この低明度グレー領域部分S3における加重係数w1,w2は、階調プロファイル421の加重係数w2が大きくなるように修正される。本実施形態においては、明度が25%以上の場合には、等色プロファイル411の加重係数w1を大きく、明度が25%よりも小さい場合には、階調プロファイル421の加重係数w2を大きくする。
さらに、領域部分指定部430で指定された「重要な色」である肌色を表わす領域部分では、等色プロファイル411の加重係数w1が大きくなるように修正される。
図14は、等色プロファイルによって定義された座標変換と、階調プロファイルによって定義された座標変換を示す図である。
図14は、横軸に彩度、縦軸に明度がそれぞれ対応付けられている。等色プロファイル411によって定義された等色座標変換F1は、色の等色性に優れているが、彩度が高い領域部分では階調がつぶれてしまっており、階調プロファイル421によって定義された階調座標変換F2は、等色座標変換F1よりも階調欠陥が少ないが、色の等色性が劣る。合成座標変換F3は、これら等色座標変換F1と階調座標変換F2を、上記のようにして決定された加重係数w1,w2を付加して合成したものである。合成座標変換F3は、低彩度領域では等色性が重視され、高彩度領域では、階調性が重視されている。また、合成座標変換F3は、暗いグレーに領域部分では階調性が優先され、「重要な色」を表わす肌色領域部分では優先性が重視されている。
色変換定義合成部440は、合成座標変換F3を色変換プロファイル441として定義する。
この図6のステップS17におけるプロファイルを合成する過程は、本発明の色変換定義作成方法における色変換定義合成過程の一例に相当する。
以上のようにして生成された色変換プロファイル441を用いることによって、高彩度領域部分などといった色表現領域の境界付近における階調つぶれなどを避けつつ、低彩度領域部分や重要な色の領域部分における等色性を保って座標変換を行うことができる。
以上で、本発明の第1実施形態の説明を終了し、次に、本発明の第2実施形態について説明する。尚、重複を避けるため、以下では、第1実施形態との相違点に注目し、同じ要素については同じ符号を付して説明を省略する。
図15は、本発明の色変換定義作成プログラムの第2実施形態が記録されたCD−ROMを示す概念図である。
図15に示す色変換定義作成プログラム301には、図4に示す第1実施形態の色変換定義作成プログラム300における領域部分指定部330の替わりに、画像取得部350と、色割合取得部360とが備えられている。
図16は、図15に示す色変換定義作成プログラム301を図1のパーソナルコンピュータ20にインストールし、パーソナルコンピュータ20を本発明の色変換定義作成装置の第2実施形態として動作させるときの色変換定義作成装置の機能ブロック図である。
図16に示す本実施形態の色変換定義作成装置401は、色変換定義取得部410、色変換定義生成部420、色変換定義合成部440、画像取得部450、および色割合取得部460を備えている。図5に示す第1実施形態の色変換定義作成装置400では、実際に色変換を行う画像が取得される前に色変換プロファイル441が生成されたが、本実施形態の色変換定義作成装置401では、画像が取得され、その画像に合った色変換プロファイルが生成される。
画像取得部450は、カラースキャナ10で読み取られた入力画像データを取得する。この画像取得部450は、本発明の色変換定義作成装置における画像取得部の一例にあたる。取得された入力画像データは、色割合取得部460に送られる。
色割合取得部460では、入力画像データが表わす画像の色の分布が解析され、その色の分布において、出力ガマットを食み出す色の割合が取得される。この色割合取得部460は、本発明の色変換定義作成装置における色割合取得部の一例に相当する。取得された色の割合は、色変換定義合成部440に送られる。
以下では、図17のフローチャートを使って、色変換定義作成方法の第2実施形態について説明する。
本実施形態においても、まず、図6のステップS11と同様にして、色変換定義取得部410で等色プロファイル411が取得される(図17のステップS21)。
続いて、第1実施形態と同様に、色変換定義生成部420において、白黒点補正(図17のステップS22)、基準線取得(図17のステップS23)、近似等色線取得(図17のステップS24)、対応関係拡張(図17のステップS25)の各処理がなされ、階調プロファイル421が生成される。
続いて、画像取得部450では、図1のカラースキャナ10で得られた入力画像データが取得される(図17のステップS26)。このステップS26における入力画像データが取得される過程は、本発明の色変換定義作成方法における画像取得過程の一例に相当する。
入力画像データが取得されると、色割合取得部460では、入力画像データが表わす画像の色の分布が解析される(図17のステップS27)。
図18は、画像の色分布の例を示す図である。
図18では、画像の色分布S4が共通出力色空間521を食み出してしまっている。色割合取得部460は、この色分布S4のうち、共通出力色空間521を食み出す色S5の割合を算出する。図17のステップS27における色の割合を算出する過程は、本発明の色変換定義作成方法における色割合取得部の一例に相当する。
画像の色の分布が取得され、出力ガマットから食み出してしまう色の割合が算出されると、色変換定義合成部440では、等色プロファイル411と階調プロファイル421とが合成される(図17のステップS28)。本実施形態では、上記式(13)によって算出された加重係数w1,w2が、色割合取得部460で取得された色の割合が所定割合よりも大きい場合には、階調プロファイル421の加重係数w2を大きくするように修正され、色の割合が所定割合以下の場合には、等色プロファイル411の加重係数w1が大きくなるように修正される。修正後の加重平均w1,w2で等色プロファイル411と階調プロファイル421が合成されて、色変換プロファイル441が生成される。
以上のようにして生成された色変換プロファイル441を用いることによって、出力ガマット内の色の割合が大きい画像は等色性を重視し、出力ガマット外の色の割合が大きい画像は階調性を重視して色変換を行うことができる。
ここで、上記では、入力デバイスとしてカラースキャナを適用する例について説明したが、本発明にいう第1のデバイスは、カラースキャナやデジタルカメラなどといった、画像を入力して画像データを得る画像入力装置に限定されるものではなく、例えば、プリンタやCRTディスプレイなどといった、画像データに基づいて画像を出力する画像出力装置であってもよい。本発明にいう第1の色空間についても、RGB色空間に限らず、例えば、CMYK色空間などであってもよい。
また、上記では、出力デバイスとしてカラープリンタを適用する例について説明したが、本発明にいう第2のデバイスは、電子写真方式やインクジェット方式のカラープリンタや、印刷機であっても良く、あるいは表示画面上に画像を表示するCRTディスプレイ装置、プラズマディスプレイ装置などといった画像表示装置であってもよい。本発明にいう第2の色空間についても、RGB色空間に限らず、例えば、CMYK色空間などであってもよい。
また、上記では、RGB色空間上に基準線を設定して、その基準線における座標変換を決定した後に基準線外の領域における座標変換を決定して階調プロファイルを生成する例について説明したが、本発明にいう第2の色変換定義は、第1の色変換定義よりも階調欠陥が少ないものであれば、その生成方法は問わない。例えば、本発明にいう色変換定義生成過程は、第1の色変換定義の一部を修正することによって、第2の色変換定義を生成する過程であってもよい。
また、上記では、領域部分指定過程において、重要な色を指定する例について説明したが、本発明にいう領域部分指定過程は、色ではなく領域部分を直接指定するものであってもよい。また、領域部分指定過程で指定された領域部分において、第1および第2の色変換定義を合成する割合は、予めコンピュータ内に記憶された割合ではなく、オペレータによって指定された割合であってもよい。
本発明の一実施形態が適用された画像入力−色変換−画像出力システムの全体構成図である。 図1に1つのブロックで示すパーソナルコンピュータの外観斜視図である。 図1のパーソナルコンピュータのハードウェア構成図である。 本発明の色変換定義作成プログラムの一実施形態が記憶されたCD−ROMを示す概念図である。 色変換定義作成装置の機能ブロック図である。 図5の色変換定義作成装置によって色変換プロファイルが作成される一連の処理を示すフローチャートである。 入力プロファイルの概念図である。 出力プロファイルの概念図である。 等色プロファイルの概念図である。 ***空間におけるカラースキャナの色表現領域およびカラープリンタの色表現領域を示している。 入力色空間(RGB色空間)を示す模式図である。 頂点PKと頂点PRとを結んだ入力基準線K−Rにおける等色対応関係と、入力基準線K−Rにおける近似対応関係が示されたグラフである。 図10にも示す共通入力ガマット、および共通出力ガマットの概念図である。 等色プロファイルによって定義された座標変換と、階調プロファイルによって定義された座標変換を示す図である。 本発明の色変換定義作成プログラムの第2実施形態が記録されたCD−ROMを示す概念図である。 本発明の色変換定義装置の第2実施形態の機能ブロック図である。 本発明の色変換定義作成方法の第2実施形態のフローチャートである。 画像の色分布の例を示す図である。
符号の説明
10 カラースキャナ
20 パーソナルコンピュータ
21 本体装置
21a FD装填口
21b CD−ROM装填口
22a 表示画面
22 画像表示装置
23 キーボード
24 マウス
25 バス
11 原稿画像
11a カラーパッチ画像
31 プリント画像
31a カラーパッチ画像
211 CPU
212 主メモリ
213 ハードディスク装置
214 FDドライブ
215 CD−ROMドライブ
216 入力インタフェース
217 出力インタフェース
30 カラープリンタ
100 FD
110 CD−ROM
300,301 色変換定義作成プログラム
310 色変換定義取得部
320 色変換定義生成部
330 領域部分指定部
340 色変換定義合成部
350 画像取得部
360 色割合取得部
400,401 色変換定義作成装置
410 色変換定義取得部
420 色変換定義生成部
430 領域部分指定部
440 色変換定義合成部
450 画像取得部
460 色割合取得部
600 入力色空間

Claims (7)

  1. 第1のデバイスに依存した第1の色空間と、第2のデバイスに依存した第2の色空間との間の座標変換を定義した色変換定義を作成する色変換定義作成方法において、
    前記第1の色空間と前記第2の色空間との間の等色な座標変換を定義した第1の色変換定義を取得する色変換定義取得過程と、
    前記第1の色変換定義によって定義された座標変換よりも階調欠陥が少ない座標変換を定義した第2の色変換定義を生成する色変換定義生成過程と、
    前記第1の色変換定義と前記第2の色変換定義とを、前記第2のデバイスによって色が表現可能な色表現領域の端側では該第2の色変換定義を優先し、該色表現領域の内側では該第1の色変換定義を優先して合成する色変換定義合成過程とを有することを特徴とする色変換定義作成方法。
  2. 前記色変換定義合成過程は、前記色表現領域における、彩度が相対的に高い高彩度領域部分では、前記第2の色変換定義を優先して合成する過程であることを特徴とする請求項1記載の色変換定義作成方法。
  3. 前記色変換定義合成過程は、前記色表現領域における、明度が相対的に低い低明度領域部分では、前記第2の色変換定義を優先して合成する過程であることを特徴とする請求項1記載の色変換定義作成方法。
  4. 前記色表現領域内の領域部分を指定する領域部分指定過程を有し、
    前記色変換定義合成過程は、前記領域部分指定過程で指定された領域部分では、前記第1の色変換定義と前記第2の色変換定義とを、予め決められた割合で合成する過程であることを特徴とする請求項1記載の色変換定義作成方法。
  5. 前記第1の色空間で色が表現された、画像を表わす画像データを取得する画像取得過程と、
    前記画像取得過程で取得された画像データが表わす画像の色の分布において、前記色表現領域外に食み出す色の割合を取得する色割合取得過程とを有し、
    前記色変換定義合成過程は、前記色割合取得過程で取得された色の割合が大きいほど、前記第2の色変換定義を優先して合成する過程であることを特徴とする請求項1記載の色変換定義作成方法。
  6. 第1のデバイスに依存した第1の色空間と、第2のデバイスに依存した第2の色空間との間の座標変換を定義した色変換定義を作成する色変換定義作成装置において、
    前記第1の色空間と前記第2の色空間との間の等色な座標変換を定義した第1の色変換定義を取得する色変換定義取得部と、
    前記第1の色変換定義によって定義された座標変換よりも階調欠陥が少ない座標変換を定義した第2の色変換定義を生成する色変換定義生成部と、
    前記第1の色変換定義と前記第2の色変換定義とを、前記第2のデバイスによって色が表現可能な色表現領域の端側では該第2の色変換定義を優先し、該色表現領域の内側では該第1の色変換定義を優先して合成する色変換定義合成部とを備えたことを特徴とする色変換定義作成装置。
  7. コンピュータ内で実行され、該コンピュータに、第1のデバイスに依存した第1の色空間と、第2のデバイスに依存した第2の色空間との間の座標変換を定義した色変換定義を作成させる色変換定義作成プログラムにおいて、該コンピュータ上で、
    前記第1の色空間と前記第2の色空間との間の等色な座標変換を定義した第1の色変換定義を取得する色変換定義取得部と、
    前記第1の色変換定義によって定義された座標変換よりも階調欠陥が少ない座標変換を定義した第2の色変換定義を生成する色変換定義生成部と、
    前記第1の色変換定義と前記第2の色変換定義とを、前記第2のデバイスによって色が表現可能な色表現領域の端側では該第2の色変換定義を優先し、該色表現領域の内側では該第1の色変換定義を優先して合成する色変換定義合成部とを構成すること特徴とする色変換定義作成プログラム。
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